JP2017053511A - 空気調和機の室内機 - Google Patents
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Abstract
Description
たとえば、特許文献1では、略U字形状の室内熱交換器の内側に貫流ファンを配置した上で、前面側熱交換器の下部に位置するフィンの上流縁と下流縁を空気流れ方向の上流側から下流側に向けてそれぞれ湾曲させている。そして、このようなフィン形状とすることで、空気流入部面積(前面面積)を拡大して、前面側熱交換器に流入する空気の流速(前面風速)を抑制し、通風抵抗を低減することで、ファン動力を削減し、省エネ性を向上させている。
そこで、本発明は、背面側熱交換器が本来持っている伝熱性能を発揮させることができる空気調和機の室内機を提供することを目的とする。
また、室内機1は、図2に示すように、箱状の筐体1aに、室内空気を内部に取込む吸込口H1と、空調空気を室内に送風する送風口H2とが開口している。また、室内機1は、筐体1a内に、室内熱交換器11と、室内送風機21と、前面側構造部31と、背面側構造部41と、左右風向板(図示せず)と、上下風向板51とを備えている。そして、室内空気は、室内送風機21によって、吸込口H1から室内機1内に吸込まれ、室内熱交換器11を通過する際に、温度と湿度を調整されて、空調空気となり、送風口H2から室内に送風される。
前面パネル53は、その下端部を中心にして上端側が揺動するように構成されている。そして、前面パネル53は、空気調和機の運転停止時には前側吸込口H1bを閉止し、運転時には前側吸込口H1bを開くように制御される。これにより、室内機1の美観を保ちつつ、吸込口H1の開口面積を広め、室内空気の吸込抵抗を低減している。
室内熱交換器11は、断面略U字形状を有し、U字の底部が前側上方に、U字の開口部分が後側下方にそれぞれ位置するように、筐体1a内に幅方向に沿って設置されている。
なお、室内熱交換器11の構成、詳細については、後述する。
フロントノーズ22は、筐体1aを構成する前面側構造部31と一体に突設されている。また、フロントノーズ22は、室内送風機21外周における前面側の設定された範囲を覆うように、近接配置されている。
バックノーズ23は、筐体1aを構成する背面側構造部41と一体に突設されている。また、バックノーズ23は、室内送風機21外周における背面側の設定された範囲を覆うように、近接配置されている。つまり、バックノーズ23は、フロントノーズ22の背面側にフロントノーズ22と対向しつつ、筐体1a内に突設されている。
つまり、室内送風機21は、前面側熱交換器11Fと背面側熱交換器11Rの間に配置され、フロントノーズ22は、前面側熱交換器11Fと室内送風機21との隙間に下方から上方に延び、バックノーズ23は、背面側熱交換器11Rと室内送風機21との隙間に下方から上方に延びている。
室内送風機21は、上記構成によって、回転軸周りに回転することで、室内送風機21の上方(吸込口側)から空気を吸込み、吸込んだ空気を下方(送風口側)へ送風する。
なお、筐体1aにおける室内送風機21の下流側の部位には、フロントノーズ22の背面から続く、前面側構造部31の下面と、バックノーズ23の前面から続く、背面側構造部41の前面とによって、送風口H2に通じる送風路53が形成されている。
送風口H2は、筐体1aの下面部分に、送風路53の送風方向に対して斜めに横切るように開口し、送風口H2を通じて、空調空気が室内に送風される。
上下風向板51は、運転停止状態で、送風口H2を閉止可能な一枚の板状部材からなり、左右風向板よりも下流側に位置する送風口H2を、水平方向(左右の幅方向)に沿って横切りつつ、上下方向に揺動可能に設置されている。また、上下風向板51は、その下面19aが、運転停止状態で、筐体1a底部の外形形状を構成している。
支持溝32は、前面側熱交換器11Fの排水溝を兼ねており、前面側フィン12F上で凝縮した水は、支持溝32を通じて、室外へ排出される。
背面側熱交換器11Rは、図3に示すように、クロスチューブ型熱交換器からなり、間隔PfRで積層された複数の背面側フィン12Rを1本の背面側パイプ13R(熱交換パイプ)が、往復を繰り返しつつ、貫通している。そして、背面側熱交換器11Rでは、背面側パイプ13R内を冷媒が循環し、各背面側フィン12Rの間を空気が通過する際に、冷媒と空気との間で熱の授受が行われる。
なお、前面側熱交換器11Fも背面側熱交換器11Rと同様に、クロスチューブ型熱交換器によって構成され、間隔PfFで積層された複数の前面側フィン12Fを1本の前面側パイプ13F(熱交換パイプ)が、往復を繰り返しつつ、貫通している。前面側熱交換器11Fと背面側熱交換器11Rとの構造上の違いは、前面側フィン12FはL字形状の薄片で構成され、背面側フィン12Rは略長方形の薄片で構成されている点である。
また、本実施例では、前面側熱交換器11Fのフィンの間隔PfFが、背面側熱交換器11Rのフィンの間隔PfRよりも狭くなるように設定されている。そして、前面側熱交換器11Fは、フィンの間隔PfFを狭めることで、積層方向の寸法が短くなった分、フィンの枚数が増えているため、伝熱面積が増加している。
また、背面側パイプ13Rが貫通する間隔について、背面側フィン12Rの長手方向に沿った間隔を段ピッチPtRとし、背面側フィン12Rの短手方向に沿った間隔を列ピッチPcRとする。
なお、本実施例では、前面側熱交換器11Fと背面側熱交換器11Rについて、段ピッチPtF、PtRと、列ピッチPcF、PcR、および列数(3列)と短手方向の寸法LcF、LcRのそれぞれが、同じになるように設定されている。
軸線K1と背面側熱交換器11R上端との交点を上部交点S1と設定し、バックノーズ23の先端から軸線K1に直交する直交線K2との交点を中部交点S2と設定し、軸線K1と背面側熱交換器11R下端との交点を下部交点S3と設定する。
上側寸法L1は、筐体1aの高さ寸法と、筐体1a内における室内送風機21の設置位置と、背面側熱交換器11Rを設置する際の前傾角度とによってほぼ決まってしまう。そこで、上側寸法L1が下側寸法L2と同じか、短くなるようにするために、下側寸法L2の部位を下方に延長している。
つまり、バックノーズ23の先端が、背面側熱交換器11Rの断面視(図2参照)における長手方向(軸線K1方向)の寸法の1/2を超える位置まで伸びている。そして、従前の背面側熱交換器よりも下方に延長された分だけ、本実施例の背面側熱交換器11Rは、伝熱面積が拡大している。
V溝43は、背面側熱交換器11Rの排水溝として機能し、背面側フィン12R上で凝縮した水は、V溝43を通じて、室外へ排出される。
バックノーズ23には、その背面から背面側熱交換器11Rの下端部に向かって、送風方向である上下方向に沿ったリブ44が立設されている。リブ44は、略三角形形状を有し、リブ44の下端部に位置するV溝43の部位には、排水孔45が貫通している。リブ44は、室内機1の左右方向(幅方向)に沿って、所定の間隔で複数設置されている。
さらに、前面側熱交換器11Fの前面側フィン12Fの間隔を、背面側熱交換器11Rの背面側フィン12Rの間隔よりも狭くしたことで、前面側熱交換器11Fの通風抵抗よりも、背面側熱交換器11Rの通風抵抗が相対的に低下し、背面側熱交換器11Rの通風量が増加する。これによって、従前では、前面側熱交換器11Fに偏っていた通風バランスが改善されて、室内熱交換器11全体での伝熱量が増加し、室内熱交換器11全体として、伝熱性能を向上することができる。
また、リブ44をバックノーズ23の背面に立設することで、バックノーズ23が補強されて、前後方向(図2における左右方向)の撓みが抑制されることで、室内送風機21が安定した送風を行うことができる。
本実施例と上記第1実施例では、上記第1実施例における背面側熱交換器11Rの上側寸法L1の部位の背面側に、1列2段のサブクーラ熱交換器15が2つ設置されている点が異なる。
つまり、バックノーズ23の先端よりも長手方向(軸線K1方向)の上方に位置する背面側熱交換器11Rの部位(上側寸法L1の部位)における背面側パイプ13Rの通風方向(直交線K2方向)に沿った本数が、バックノーズ23の先端よりも長手方向の下方に位置する背面側熱交換器11Rの部位(下側寸法L2の部位)における背面側パイプ13Rの通風方向に沿った本数よりも多く設定されている。
また、サブクーラ熱交換器15は、暖房運転時に、凝縮した液冷媒を沸点以下に冷却するサブクーラとして使用が可能である。このように冷媒を沸点以下とすることで、同じ暖房性能を出すために必要な、サイクル内での冷媒循環量を低減することができる。これによって圧力損失の低減や、冷媒循環量の低減によって圧縮機動力を低減することができ省エネ性を向上することができる。
本実施例と上記第1実施例では、上記第1実施例の背面側熱交換器11Rについて、上側寸法L1の部位における長手方向に沿った背面側パイプ13Rの間隔(上側段ピッチPcU)が、下側寸法L2の部位における長手方向に沿った背面側パイプ13Rの間隔(下側段ピッチPcD)よりも狭く設定されている点が異なる。
つまり、バックノーズ23の先端よりも長手方向(軸線K1方向)の上方に位置する背面側熱交換器11Rの部位(上側寸法L1の部位)における背面側パイプ13Rの長手方向(軸線K1方向)に沿った方向の間隔が、バックノーズ23の先端よりも長手方向の下方に位置する背面側熱交換器11Rの部位(下側寸法L2の部位)における背面側パイプ13Rの長手方向(軸線K1方向)に沿った方向の間隔よりも狭く設定されている。
本実施例と上記第1実施例では、前面側熱交換器11Fに対して、背面側熱交換器11Rの背面側フィン12Rの短手方向の寸法を縮めて、背面側パイプ13Rの列数を削減した点と、背面側熱交換器11Rの上側寸法L1の部位の背面側に、サブクーラ熱交換器15が設置されている点とが異なる。
また、列数を削減するにあたり、上記第1実施例の背面側熱交換器11Rにおけるバックノーズ23側の列を削減し、背面側熱交換器11Rとバックノーズ23の間の間隔をさらに拡げている。
つまり、前面側熱交換器11Fの前面側パイプ13Fの通風方向(直交線K2方向)に沿った本数が、背面側熱交換器11Rの背面側パイプ13Rの通風方向に沿った本数よりも多く設定されている。
また、背面側熱交換器11Rとバックノーズ23の間の間隔をさらに拡げたことによって、背面側熱交換器11Rを通過する空気の通風抵抗がさらに低減され、背面側熱交換器11Rを流れる風量がさらに増加する。
加えて、上記第2実施例で示したように、サブクーラ熱交換器15を背面側熱交換器11Rの上側寸法L1の部位に設置することで、さらに背面側熱交換器5の下側寸法L2の部位における風量がさらに増加する。
そして、背面側熱交換器11Rを流れる風量が増加することによって、通風バランスが、さらに改善されて、室内熱交換器11全体での伝熱量が増加し、室内熱交換器11全体として、伝熱性能を向上することができる。
1a 筐体
11 室内熱交換器
11F 前面側熱交換器
11R 背面側熱交換器
12F 前面側フィン
12R 背面側フィン
13F 前面側パイプ
13R 背面側パイプ
21 貫流ファン
22 フロントノーズ
23 バックノーズ
44 リブ
45 排水孔
L1 上側寸法
L2 下側寸法
K1 軸線
K2 直交線
S1 上部交点
S2 中部交点
S3 下部交点
PcU 間隔
PcD 間隔
Claims (6)
- 前面熱交換器および背面熱交換器が逆V字型に配置された熱交換器と、
前記前面熱交換器と前記背面熱交換器の間に配置された貫流ファンと、
前記前面熱交換器と前記貫流ファンとの隙間に下方から上方へと延びるフロントノーズと、
前記背面熱交換器と前記貫流ファンとの隙間に下方から上方へと延びるバックノーズと、を筺体内に備え、
断面視して、前記バックノーズの先端は、前記背面熱交換器の断面視における長手方向の寸法の1/2を超える位置まで伸び、
前記熱交換器は、該バックノーズとの間隔が下方に行くに従って広がるように配置されたことを特徴とする空気調和機の室内機。 - 請求項1に記載の空気調和機の室内機において、
前記前面側熱交換器の前面側フィンの間隔が、
前記背面側熱交換器の背面側フィンの間隔よりも狭く設定されたことを特徴とする空気調和機の室内機。 - 請求項1、または請求項2に記載の空気調和機の室内機において、
前記前面側熱交換器の前面側パイプの通風方向の本数が、
前記背面側熱交換器の背面側パイプの通風方向の本数よりも多く設定されたことを特徴とする空気調和機の室内機。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機において、
前記バックノーズの先端よりも前記長手方向の上方に位置する前記背面側熱交換器の部位における背面側パイプの通風方向の本数が、
該バックノーズの先端よりも該長手方向の下方に位置する該背面側熱交換器の部位における該背面側パイプの通風方向の本数よりも多く設定されたことを特徴とする空気調和機の室内機。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機において、
前記バックノーズの先端よりも前記長手方向の上方に位置する前記背面側熱交換器の部位における背面側パイプの前記長手方向の間隔が、
該バックノーズの先端よりも該長手方向の下方に位置する該背面側熱交換器の部位における該背面側パイプの該長手方向の間隔よりも狭く設定されたことを特徴とする空気調和機の室内機。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機において、
前記バックノーズから前記背面側熱交換器に向かって、送風方向に沿って立設されるリブと、
該リブの下端部を貫通する排水孔と
を備えることを特徴とする空気調和機の室内機。
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