JP5579134B2 - 室内機 - Google Patents
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Description
また従来の技術ではフィンを水平配置しているため、結露水がフィン面上に留まりやすく、排水性が悪い、という問題点があった。
また、遠心型送風機から吹き出される空気の熱交換器での通風抵抗を低減することができる室内機を得るものである。
また、冷媒パス数を増加させることができる室内機を得るものである。
(熱交換器)
図1は実施の形態1に係る熱交換器の概略図である。
図1において、本実施の形態における熱交換器100は、扁平管1、コルゲートフィン2、液ヘッダ3、ガスヘッダ4、液入口5、およびガス出口6を備えている。
この熱交換器100は、例えば空気調和機の室内機や室外機に搭載され、熱交換器100を通過する空気と、扁平管1内を流通する冷媒とを熱交換するものである。なお、室内機および室外機の詳細は後述する。
図3は実施の形態1に係る扁平管とコルゲートフィンの位置関係を示す概略平面図と概略側面図である。図3(a)は概略平面図であり、図3(b)は概略側面図である。
図2、図3に示すように、扁平管1は、扁平形状の長軸の向きが気流の流通方向を向くように配置されている。また、扁平管1は、風下側の一部がコルゲートフィン2の風下側端部より張り出し、この張り出した部分の表面には、長手方向に沿って排水溝11が形成されている。排水溝11の断面形状はコ字状、半円状、V字状など任意の形状とすることができる。
コルゲートフィン2は、当該コルゲートフィン2を通過する気流の風上側から風下側に向けて下り勾配となるように傾斜して設けられている。また、コルゲートフィン2と扁平管1との接合部の風下側端部が、排水溝11の風上側端部に接触するように配置されている。つまり、コルゲートフィン2の波形状の折曲部が排水溝11の風上側端部に接触するように配置されている。なお、コルゲートフィン2の平面部には、伝熱促進のため、切り起こしにより形成した複数のスリット2aが設けられている。なお、スリット2aは省略しても良い。なお図3(b)ではスリット2aの図示を省略している。
図5は実施の形態1に係るプレートフィンの概略斜視図と概略正面図である。図5(a)は概略斜視図であり、図5(b)は概略正面図である。
図4、図5に示すように、プレートフィン21は、扁平管1が挿入されるための切り欠き部21aを有している。このプレートフィン21は、扁平管1の長手方向(重力方向)に間隔を空けて積層されて空気が流通する。このようなプレートフィン21を設ける場合においても、上述したように、通過する気流の風上側から風下側に向けて下り勾配となるように傾斜して、プレートフィン21と扁平管1との接合部の風下側端部が、排水溝11の風上側端部に接触するように配置されている。なお、プレートフィン21の平面部には、伝熱促進のため、複数のスリットを設けるようにしても良い。
また、プレートフィン21の切り欠き部21aは、縁部をほぼ垂直に立ち上げたフィンカラー21bを有している。そして、表面で結露した水がフィンカラー21b先端に溜らないよう、フィンカラー21bの先端が鉛直下向きとなるよう形成されている。
熱交換器100が室内機に搭載された場合、冷房運転時は蒸発器として、暖房運転時は凝縮器として動作する。冷房運転では、液入口5から流入した気液二相冷媒が液ヘッダ3へ入り、複数の扁平管1へと分配される。扁平管1に流入した気液二相冷媒は、周囲の空気から吸熱して自身は蒸発気化し、ガスヘッダ4、ガス出口6の順に流れて室内機から流出する。
このとき、冷媒の蒸発温度が低くなる冷房定格条件などでは、フィン表面で水蒸気が結露し、水滴(結露水)が発生する。フィン表面に発生した結露水は、フィンの下り勾配により風下側へ流れる。フィンの風下側端部まで流れた結露水の一部はフィン端部から落下し、他の一部はフィン端部を伝わって排水溝11に到達する。排水溝11は風下側が開放しているため、排水溝11に到達した結露水は風下側が自由表面となり、表面張力が少ない状態で重力方向に流通する。
次に、上記熱交換器100を搭載した室内機200について説明する。
なお、本実施の形態では、天井埋込形の四方向カセット型室内機を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図6に示すように、四方向カセット型の室内機200は、部屋217に対し上方が天板210aとなる向きに設置される。天板210aの周りには側板210bが取り付けられ、部屋217に向け開口するように筐体210が設置される。室内機200の下方には、平面視で略四角形状の化粧パネル211が取り付けられ部屋217に面している。化粧パネル211の中央付近には、室内機200内への空気の吸込口となる吸込グリル211aと、吸込グリル211a通過後の空気を除塵するフィルタ212とを備えている。また、化粧パネル211の各辺には、空気の吹出口となるパネル吹出口211bが、化粧パネル211の各辺に沿って形成されている。各パネル吹出口211bには、風向ベーン213を備えている。
また、室内機200の下面中央部にはユニット吸込口210cを有し、このユニット吸込口210cの周囲にはユニット吹出口210dを有している。そして、吸込グリル211a、ユニット吸込口210c、ユニット吹出口210d、および、パネル吹出口211bが連通している。
なお、上記の説明では、遠心型送風機としてターボファン201を用いる場合を説明したが本発明はこれに限るものではない。例えばシロッコファンやラジアルファン等を用いても良い。
また、「ユニット吹出口210d」は、本発明における「吹出口」に相当する。
図7は実施の形態1に係るターボファンの旋回流を説明する図である。
図7においては、平面視における熱交換器100とターボファン201の配置を模式的に示している。
ターボファン201は回転軸に対して放射状に空気を吹き出すが、図7の矢印で示すように、その一部が法線方向に対して角度を持った旋回成分(旋回流)を含んでいる。このような旋回流は熱交換器100との対向面に対して角度を持って熱交換器100を通過する。
一方、本実施の形態においては、フィンが水平方向に配置されている。すなわち、フィン面がターボファン201の回転軸に対して直交する方向に配置されている。このため、熱交換器100を通過する空気の通風抵抗を抑えることができる。よって、フィンを鉛直方向に配置した場合と比較して、大風量、低騒音の効果が得られる。
このため、熱交換器100の長手方向(ヘッダが延びる方向)に多数の扁平管1を配置することができ、筐体210の高さに制約されることなく、冷媒パス数を増加させることができる。よって、熱交換器100を流通する冷媒の圧力損失が低く抑えられ、高性能の空気調和機を得ることができる。
次に、冷房運転時の冷媒分配特性を図8、図9を用いて説明する。
図8は実施の形態1に係る熱交換器の冷媒分配の現象説明図である。
図9は実施の形態1に係る熱交換器の冷媒分配特性を示す図である。
なお、図9の横軸は熱交換器100の長手方向(ヘッダが延びる方向)の位置を示し、縦軸は冷媒圧力を示している。
図8のように、本実施の形態における熱交換器100は、冷房運転時には、気液二相冷媒が液入口5(紙面左下)から液ヘッダ3内に流入し、複数の扁平管1を通って熱交換したガス冷媒がガスヘッダ4に流入し、ガス出口6(紙面右上)から流出される。このようなパラレルフロー構成とした場合、熱交換器100に流入した二相冷媒は、慣性力で液ヘッダ3の奥側へ多く流れようとする。
一方、四方向カセット型の室内機200では、ターボファン201を囲むように熱交換器100を配置するため、熱交換器100の長手方向(ヘッダが延びる方向)の長さが長くなる。このため液ヘッダ3での圧力損失が大きく、図9で示されるように、液入口5に近いパスの圧力Pi1とガス出口6に近いパスの圧力Pi3との圧力差が大きくなる。
同様に、ガスヘッダ4でも圧力Po1と圧力Po3とに圧力差が生じるが、気液二相状態での圧力損失がガス単相の圧力損失に比べて大きいため、図9に示すように、液入口5に近いパスでは冷媒流量の推進力となる圧力差ΔP1が大きくなり、冷媒流量Gr1は他に比べて大きくなる。逆に、液ヘッダ3の奥側(ガス出口6に近いパス)では、推進力となる圧力差ΔP3が低下して冷媒流量Gr3が低下する。
このため、慣性力による液ヘッダ3での流量の不均一と、圧力差による扁平管1での流量の不均一とが相殺されて、冷媒流量の自己調整機能が働き比較的均等分配が実現できる。
例えば、慣性力による液ヘッダ3での流量の不均一と、圧力差による扁平管1での流量の不均一とが相殺しきれずに、上流側の扁平管1の流量が大きくなる場合には、図9に示すように、扁平管1の液ヘッダ3への差し込み長さを、液ヘッダ3の流れ方向の上流側ほど長くなるようにする(x3>x2>x1)。なお、差し込み長さの変更はこれに限らず、冷媒流量の不均一が生じる任意の扁平管1について適宜調整することができる。
(室外機)
本実施の形態では、上述した熱交換器100を室外機300に搭載した形態について説明する。
なお、本実施の形態では、トップフロー型室外機を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図12は実施の形態2に係るトップフロー型室外機の概略縦断面図と概略平面図である。図12(a)は概略縦断面図であり、図12(b)は概略平面図である。
図11、図12に示すように、トップフロー型の室外機300は、箱状に形成された筐体310と、筐体310の側面の開口により形成されたユニット吸込口308と、ユニット吸込口308に沿うように筐体310内に配置された熱交換器100と、筐体310の天面の開口により形成されたユニット吹出口309と、このユニット吹出口309を覆うように通風可能に設けられたファンガード311と、このファンガード311の内部に設置されたプロペラファン312とを備えている。なお、熱交換器100は、上記実施の形態1と同様に、扁平管1が鉛直方向に配置されたパラレルフロー型熱交換器であり、接続配管により図示しない室内機と接続され冷媒が循環される。
この室外機300は、例えばビル用マルチの室外機などに用いられ、ビルの屋上などに設置される。
なお、ユニット吸込口308を形成する筐体310の側面は、2面、3面、4面のいずれでも良い。また、ユニット吸込口308が形成される側面に応じて、熱交換器100を適宜配置する。例えば、図12(b)に示すように、ユニット吸込口308を3面に形成する場合には、熱交換器100をコ字状に形成する。
また、「ユニット吹出口309」は、本発明における「吹出口」に相当する。
また、「プロペラファン312」は、本発明における「送風機」に相当する。
一方、本実施の形態における室外機300は、熱交換器100を、扁平管1の長手方向が鉛直方向に配置するパラレルフロー構成としたため、冷媒パス間で生じる不均一分配を防止できる。また、不均一分配を防止できるので、扁平管1を水平方向に配置する場合と比較して、冷媒のパス数を増加させることができる。よって、熱交換器100を流通する冷媒の圧力損失が低く抑えられ、高性能の空気調和機を得ることができる。
Claims (5)
- 吸込口および吹出口を有する筐体と、
前記筐体の略中央部に設けられ、前記吸込口より空気を吸い込み、該空気を放射状に吹き出す遠心型送風機と、
略ロ字状に形成され、前記遠心型送風機を囲むように、前記遠心型送風機と前記吹出口との間に配置された熱交換器と
を備え、
前記熱交換器は、
長手方向を鉛直方向にし、間隔を空けて並列に配置され、内部に冷媒流路が形成された複数の扁平管と、
前記複数の扁平管の両端部をそれぞれ接続する一対のヘッダと、
隣接する前記扁平管の間に接合されたフィンと
を備え、
前記扁平管は、扁平形状の長軸の向きが気流の流通方向を向くように配置され、風下側の一部が前記フィンの風下側端部より張り出し、該張り出した部分であって内部に前記冷媒流路が形成された部分の表面に、長手方向に沿って排水溝が形成され、
前記フィンは、当該フィンを通過する気流の風上側から風下側に向けて下り勾配となるように傾斜し、前記扁平管との接合部の風下側端部が、前記排水溝の風上側端部に接触するように配置され、当該フィンの風上側端部が、前記扁平管の風上側端部より張り出し、
前記一対のヘッダのうち、一方のヘッダの片側に冷媒が流入し、当該一方のヘッダに流入した冷媒が前記複数の扁平管を通って、他方のヘッダに流入し、当該他方のヘッダの片側から冷媒が流出する
ことを特徴とする室内機。 - 前記一対のヘッダのうち、冷房運転時に冷媒が流入するヘッダは、前記複数の扁平管の端部が差し込まれて接続され、
当該ヘッダに前記扁平管の端部を差し込む長さを、前記冷媒の流れ方向に応じて変更した
ことを特徴とする請求項1記載の室内機。 - 前記フィンは、波形状のコルゲートフィンであり、該波形状の折曲部が前記排水溝の風上側端部に接触するように配置された
ことを特徴とする請求項1または2に記載の室内機。 - 前記フィンは、前記扁平管が挿入されるための切り欠き部を有するプレートフィンである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の室内機。 - 前記切り欠き部は、
縁部をほぼ垂直に立ち上げたフィンカラーを有し、該フィンカラーの先端が鉛直下向きとなるよう形成された
ことを特徴とする請求項4記載の室内機。
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