JP2017052942A - ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度と高弾性率を有するゴム組成物、及び該ゴム組成物の製造方法に関すること。
【解決手段】A)ゴム、B)平均繊維径が1μm以上100μm以下であるセルロース繊維又はその改質物を含む原料の混練物であるゴム組成物であって、該セルロース繊維又はその改質物のカルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下である、ゴム組成物、及び、ゴムと、カルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下であり、かつ、平均繊維径が1μm以上100μm以下であるセルロース繊維又はその改質物とを混練する工程を含む、ゴム組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関する。更に詳しくは、工作機械部品、家電部品、自動車部品等として好適に使用し得るゴム組成物、該ゴム組成物の製造方法、ならびに、該ゴム組成物を含有する工業用ゴム部品及びタイヤに関する。
ゴム組成物の製造においては、ゴム成分を分散又は溶解させたゴム溶液と、充填材を分散させたスラリー溶液とを混合して凝固させるウェットマスターバッチ法(WMB)がセルロースをゴムに混ぜ込む従来の一般的な方法であり、疎水性のゴムと親水性のセルロースとのドライ混練は、うまくいかないというのがこれまでの技術常識であった。
例えば、特許文献1には、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を含む水溶液とゴムラテックスとを混合後、乾燥し、そして、オープンロールによって薄通ししてゴム組成物を得るゴム組成物の製造方法が開示されている。この方法によれば、ゴムに解繊された酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーが分散し、凝集体を形成しないとされている。
特許文献2には、ゴムラテックスと平均繊維径が1〜200nmのセルロース繊維の水分散液とを混合した後、少なくとも水の一部を除去してセルロース繊維/ゴム複合体を得た後に、更にゴムを混合する製造方法が開示されている。また、特許文献3では、前記セルロース繊維を炭化水素基を有する疎水変性処理剤で処理したものを用いており、当該セルロース繊維を水又は極性溶媒の分散液にして用いる方法が開示されている。
特許文献4には、疎水化剤(サイズ剤、紙力増強剤、油脂類、ワックス、疎水性樹脂など)により処理したセルロース系繊維と合成樹脂とを、溶媒中で、機械的に剪断して得られる樹脂組成物が開示されており、合成樹脂の例として、ゴムが挙げられている。
特開2015−98576号公報 特開2013−18918号公報 特開2014−125607号公報 特開2010−106251号公報
しかしながら、ゴム組成物の各種用途への適用が拡大していることから、性能に優れるゴム組成物をより簡便に製造する技術の開発が望まれている。
本発明は、高強度と高弾性率を有するゴム組成物、及び該ゴム組成物の製造方法に関する。
本発明は、下記〔1〕〜〔5〕に関する。
〔1〕 A)ゴム、B)平均繊維径が1μm以上100μm以下であるセルロース繊維又はその改質物を含む原料の混練物であるゴム組成物であって、該セルロース繊維又はその改質物のカルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下である、ゴム組成物。
〔2〕 ゴムと、カルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下であり、かつ、平均繊維径が1μm以上100μm以下であるセルロース繊維又はその改質物とを混練する工程を含む、ゴム組成物の製造方法。
〔3〕 平均繊維径が1μm以上100μm以下である改質セルロース繊維であって、炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部がアミド結合及び/又はイオン結合を介してセルロースに結合し、かつ、カルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下である、改質セルロース繊維。
〔4〕 前記〔1〕記載のゴム組成物を含有する、工業用ゴム部品。
〔5〕 前記〔1〕記載のゴム組成物を含有する、タイヤ。
本発明のゴム組成物は、良好な機械的強度を示し、かつ、高弾性率を有するという優れた効果を奏するものである。
従来、ゴム組成物はゴム弾性を要する用途に多用されているところ、機械的強度を向上させる目的で、セルロース繊維を配合する試みもなされている。しかし、疎水性のゴムと親水性のセルロース繊維ではその混合性が十分ではないことから、ナノ化したセルロース繊維をゴムラテックス等と混合することで、ゴムとの界面を増大させてセルロースの有する補強効果を発揮させていると考えられていた。しかしながら、本発明者らが検討した結果、驚くべきことに、従来のゴムラテックスを用いずとも、水分含有量が低いゴムにナノ化していないセルロース繊維を配合したところ良好に分散し、機械的強度を向上しながら、ゴムが元来有する弾性率を向上することが判明した。その詳細な理由は不明であるが、特定の繊維径を有し、かつ特定量のカルボキシル基を含有するセルロース繊維を配合することにより、疎水性の高いゴムにおいても凝集せずに良好に分散することが可能となって、強度を向上させることが可能になると推察される。
〔ゴム組成物〕
本発明のゴム組成物は、ゴムに、特定のセルロース繊維又はその改質物を含有することを特徴とする。
[ゴム]
本発明において使用するゴムは特に限定されないが、補強性の観点から、ジエン系ゴムが好ましい。ジエン系ゴム以外にも、ウレタンゴムやシリコーンゴム、多硫化ゴムといった非ジエン系ゴムも用いることができる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)及び変性ゴム等が挙げられる。変性ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム、水素化天然ゴム、水素化ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(HNBR)等が挙げられる。これらの中では、ゴム組成物の良好な加工性と高反発弾性を両立させる観点から、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)及び変性ゴムから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)及び変性ゴムから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。ジエン系ゴムは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明において使用するゴムは、その水分含有量が低いものであってもよい。水分含有量としては、製造時の取扱い性の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。下限は特に設定されないが、例えば、0.01質量%程度である。
[セルロース繊維又はその改質物]
本発明におけるセルロース繊維又はその改質物としては、公知のセルロース繊維又は当該セルロース繊維に修飾基が導入されたセルロース繊維改質物であって、平均繊維径とカルボキシ基含有量が特定のものが挙げられる。なお、本明細書において、セルロース繊維に修飾基が導入されているとは、セルロース繊維表面のカルボキシ基に修飾基がイオン結合及び/又はアミド結合によって結合している状態のことを意味する。より詳しくは、セルロース繊維のカルボキシ基が修飾基を有するアミンとイオン結合した状態、あるいは、修飾基を有するアミンとアミド結合を形成し共有結合した状態を意味する。
<セルロース繊維>
(平均繊維径)
本発明で用いられるセルロース繊維は、平均繊維径が1μm以上100μm以下であるが、平均繊維径が均一な繊維径を持つセルロース繊維改質物を製造する観点から、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは8μm以上、より更に好ましくは10μm以上である。また、ゴムに含有させてゴム組成物(複合材料ともいう)とした時の機械的強度を十分に向上させる観点から、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは40μm以下、更に好ましくは30μm以下である。なお、本明細書において、セルロース繊維の平均繊維径は、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
(カルボキシ基含有量)
セルロース繊維のカルボキシ基含有量は、0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下であり、修飾基導入の観点並びにゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.4mmol/g以上、更に好ましくは0.6mmol/g以上、更に好ましくは0.8mmol/g以上である。また、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは2.5mmol/g以下、より好ましくは2.0mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下である。本発明で用いられるセルロース繊維に、カルボキシ基含有量がかかる範囲外であるセルロース繊維が、意図せずに不純物として含まれることもあり得る。なお、「カルボキシ基含有量」とは、セルロース繊維を構成するセルロース中のカルボキシ基の総量を意味し、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
(平均アスペクト比)
セルロース繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を十分に向上させる観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは50以上、より更に好ましくは100以上である。また、ゴム組成物中での分散性低下に伴う機械的強度の低下を抑制する観点から、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは400以下、より更に好ましくは350以下である。なお、本明細書において、平均アスペクト比は、分散液中のセルロース繊維濃度と分散液の水に対する比粘度との関係から、下記式(1)により求める。なお、下記式(1)は、The Theory of Polymer Dynamics,M.DOI and D.F.EDWARDS,CLARENDON PRESS・OXFORD,1986,P312に記載の剛直棒状分子の粘度式(8.138)と、Lb×ρ=M/Nの関係〔式中、Lは繊維長、bは繊維幅(セルロース繊維断面は正方形とする)、ρはセルロース繊維の濃度(kg/m)、Mは分子量、Nはアボガドロ数を表す〕から導き出されるものである。また、上記の粘度式(8.138)において、剛直棒状分子をセルロース繊維とする。下記式(1)中、ηSPは比粘度、πは円周率、lnは自然対数、Pはアスペクト比(L/b)、γ=0.8、ρは分散媒の密度(kg/m)、ρはセルロース結晶の密度(kg/m)、Cはセルロースの質量濃度(C=ρ/ρ)を表す。
Figure 2017052942
(結晶化度)
セルロース繊維の結晶化度は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、更に好ましくは40%以上、より更に好ましくは45%以上である。また、反応効率を向上させる観点から、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは85%以下、より更に好ましくは80%以下である。なお、本明細書において、セルロースの結晶化度は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したセルロースI型結晶化度であり、下記計算式(A)により定義される。
セルロースI型結晶化度(%)=[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100 (A)
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は,アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
なお、セルロースI型とは天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化度とは、セルロース全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。
本発明で用いられるセルロース繊維は、平均繊維径とカルボキシ基含有量が前記範囲内であれば特に限定はなく、例えば、木本系(針葉樹・広葉樹)、草本系(イネ科、アオイ科、マメ科の植物原料、ヤシ科の植物の非木質原料)、パルプ類(綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等)、紙類(新聞紙、段ボール、雑誌、上質紙等)等を原料として得られるものが挙げられる。かかるセルロース繊維に対しては、取扱い性の観点から、生化学的処理、化学処理、及び機械処理から選ばれる少なくとも1つの前処理を予め行なって、更に、形状を粉末化、チップ化、フレーク化して用いてもよい。
生化学的処理としては、使用する薬剤には特に制限がなく、例えばエンドグルカナーゼやエキソグルカナーゼ、ベータグルコシダーゼといった酵素を使用する処理が挙げられる。化学処理としては、使用する薬剤には特に制限がなく、例えば塩酸や硫酸などによる酸処理、過酸化水素やオゾンなどによる酸化処理が挙げられる。機械処理としては、使用する機械や処理条件には特に制限がなく、例えば、高圧圧縮ロールミルや、ロール回転ミル等のロールミル、リングローラーミル、ローラーレースミル又はボールレースミル等の竪型ローラーミル、転動ボールミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、振動チューブミル、遊星ボールミル又は遠心流動化ミル等の容器駆動媒体ミル、塔式粉砕機、攪拌槽式ミル、流通槽式ミル又はアニュラー式ミル等の媒体攪拌式ミル、高速遠心ローラーミルやオングミル等の圧密せん断ミル、乳鉢、石臼、マスコロイダー、フレットミル、エッジランナーミル、ナイフミル、ピンミル、カッターミル等が挙げられる。
また、上記機械処理の際に、水やエタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、トルエン、キシレン等の溶媒、フタル酸系やアジピン酸系、トリメリット酸系などの可塑剤、尿素やアルカリ(土類)金属水酸化物、アミン系化合物などの水素結合阻害剤、等の助剤を添加することで機械処理による形状変化の促進を行うこともできる。このように形状変化を加えることで、セルロース繊維そのものの取扱い性が向上し、また、改質する場合には置換基の導入が良好となることから、当該セルロース繊維又はその改質物をゴム組成物に添加した場合は、ゴム組成物の弾性率等の物性を向上させることができる。添加助剤の使用量は、用いる添加助剤や使用する機械処理の手法等によって変わるが、形状変化を促進する効果を発現する観点から、原料100質量部に対して、通常5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上であり、また、形状変化を促進する効果を発現する観点及び経済性の観点から、通常10000質量部以下、好ましくは5000質量部以下、より好ましくは3000質量部以下である。
<セルロース繊維の改質物(セルロース繊維複合体)>
本発明で用いられるセルロース繊維の改質物は、上記のセルロース繊維表面に修飾基が結合しているものを示す。例えば、セルロース繊維表面に既に存在するカルボキシ基に修飾基を有するアミンをイオン結合及び/又はアミド結合させることにより得られる。なお、本明細書において、セルロース繊維の改質物のことを、セルロース繊維複合体と記載することもある。
(修飾基を有するアミン)
修飾基を有するアミンとしては、後述の修飾基を有するものであればよく、イオン結合の場合は、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンのいずれでもよいが、反応性の観点から、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミド結合の場合は、第1級アミン、第2級アミンのいずれでもよいが、反応性の観点から、第1級アミンが好ましい。
本発明における修飾基としては、強度を向上させる観点から、炭化水素基、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部等を用いることができる。これらは単独で又は2種以上が組み合わさってセルロース繊維に導入されてもよい。
炭化水素基としては、例えば、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、環式飽和炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が挙げられ、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、鎖式不飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基が好ましい。
鎖式飽和炭化水素基は、直鎖状又は分岐状であってもよい。鎖式飽和炭化水素基の炭素数は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上が更に好ましく、15以上が更に好ましい。また、同様の観点から、30以下が好ましく、24以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、18以下がより更に好ましい。
鎖式飽和炭化水素基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、tert-ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、オクタコサニル基等が挙げられ、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくはプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、tert-ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、オクタコシル基であり、より好ましくはペンチル基、tert-ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基である。これらは、単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。
鎖式不飽和炭化水素基は、直鎖状又は分岐状であってもよい。鎖式不飽和炭化水素基の炭素数は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上がより更に好ましく、15以上がより更に好ましい。また、同様の観点から、30以下が好ましく、24以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、18以下がより更に好ましい。
鎖式不飽和炭化水素基の具体例としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、イソプレニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、オクタデセニル基が挙げられ、ゴムとの親和性の観点から、好ましくはイソプレニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、オクタデセニル基であり、より好ましくはデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、オクタデセニル基である。これらは、単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。
環式飽和炭化水素基の炭素数は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上が更に好ましい。また、同様の観点から、20以下が好ましく、16以下がより好ましく、12以下が更に好ましく、8以下がより更に好ましい。
環式飽和炭化水素基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられ、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基であり、より好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基である。これらは、単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。
芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基及びアラルキル基からなる群より選ばれる。アリール基及びアラルキル基としては、芳香族環そのものが置換されたものでも非置換のものであってもよい。
前記アリール基の総炭素数は6以上であればよく、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは14以下、更に好ましくは12以下、更に好ましくは10以下である。
前記アラルキル基の総炭素数は7以上であり、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは8以上であり、また、同様の観点から、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは14以下、更に好ましくは13以下、更に好ましくは11以下である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ターフェニル基、及びこれらの基が後述する置換基で置換された基が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。なかでも、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基、フェニルオクチル基、及びこれらの基の芳香族基が後述する置換基で置換された基などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。なかでも、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基が好ましく、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基がより好ましく、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基が更に好ましい。
前記炭化水素基を有するアミンは、公知の方法に従って調製することができる。また、市販品を用いてもよい。鎖式飽和炭化水素基を有するアミンとしては、例えば、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチルアミン、tert−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、ヘキシルアミン、イソヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、オクタデシルアミン、ドコシルアミン、オクタコサニルアミンを用いることができる。鎖式不飽和炭化水素基を有するアミンとしては、エテニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、イソブテニルアミン、イソプレニルアミン、ペンテニルアミン、ヘキセニルアミン、ヘプテニルアミン、オクテニルアミン、ノネニルアミン、デセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、オクタデセニルアミンを用いることができる。環式飽和炭化水素基を有するアミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、シクロノニルアミン、シクロデシルアミン、シクロドデシルアミンを用いることができる。芳香族炭化水素基を有するアミンとしては、例えば、アニリン、4−ビフェニリルアミン、ジフェニルアミン、2−アミノナフタレン、p−テルフェニルアミン、2−アミノアントラセン、2-アミノアントラキノン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、3−フェニルプロピルアミン、5−フェニルペンチルアミン、6−フェニルヘキシルアミン、7−フェニルヘプチルアミン、8−フェニルオクチルアミンを用いることができる。
セルロース繊維複合体における炭化水素基の平均結合量(mmol/g)は、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基については、前記セルロース繊維に対して、炭化水素基の結合量の制御が容易である観点、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは0.001mmol/g以上、より好ましくは0.005mmol/g以上、更に好ましくは0.01mmol/g以上である。また、反応性の観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.5mmol/g以下である。また、芳香族炭化水素基については、炭化水素基の平均結合量は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.2mmol/g以上、更に好ましくは0.5mmol/g以上、更に好ましくは0.7mmol/g以上、更に好ましくは0.9mmol/g以上、更に好ましくは1.0mmol/g以上である。また、反応性の観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2.5mmol/g以下、更に好ましくは2.0mmol/g以下である。ここで、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基から選ばれる炭化水素基と、芳香族炭化水素基とが同時に導入されている場合であっても、個々の平均結合量は前記範囲内であることが好ましい。
また、炭化水素基の導入率は、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基については、得られるゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上であり、反応性の観点から、好ましくは99%以下、より好ましくは97%以下、更に好ましくは95%以下、更に好ましくは90%以下である。また、芳香族炭化水素基については、炭化水素基の導入率は、ゴムに配合した際に機械的強度に優れるゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上であり、反応性の観点から、好ましくは99%以下、より好ましくは97%以下、更に好ましくは95%以下、更に好ましくは90%以下である。ここで、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基から選ばれる炭化水素基と、芳香族炭化水素基とが同時に導入されている場合には、導入率の合計が上限の100%を超えない範囲において、前記範囲内となることが好ましい。
EO/PO共重合部とは、エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)がランダム又はブロック状に重合した構造を意味する。例えば、EO/PO共重合部を有するアミンが後述する式(i)で表される場合は、エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)はランダム又はブロック状の連鎖構造となるが、該アミンが後述する式(ii)で表される構造を有するアミンである場合は、(EO)a(PO)b、(EO)c(PO)d、(EO)e(PO)fは、連鎖している必要はない。
EO/PO共重合部中のPOの含有率(モル%)は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは7モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、同様の観点から、好ましくは100モル%以下、より好ましくは90モル%以下、更に好ましくは85モル%以下、更に好ましくは75モル%以下、更に好ましくは60モル%以下、更に好ましくは50モル%以下、更に好ましくは40モル%以下、更に好ましくは30モル%以下である。なお、POの含有率が100モル%とは、EO/PO共重合部がPOのみで構成されているものであり、本発明においてはPO重合部が導入されていても構わない。
EO/PO共重合部の分子量は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上、更に好ましくは1,500以上であり、同様の観点から、好ましくは10,000以下、より好ましくは7,000以下、更に好ましくは5,000以下、更に好ましくは4,000以下、更に好ましくは3,500以下、より更に好ましくは2,500以下である。例えば、後述する式(ii)で表される構造を有するアミンである場合は、(EO)a(PO)b+(EO)c(PO)d+(EO)e(PO)fの合計の分子量を、EO/PO共重合部の分子量とする。EO/PO共重合部中のPOの含有率(モル%)、EO/PO共重合部の分子量は、アミンを製造する際の平均付加モル数から計算して求めることができる。
EO/PO共重合部とアミンとは、直接に又は連結基を介して結合しているものが好ましい。連結基としては炭化水素基が好ましく、炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3のアルキレン基が用いられる。例えば、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
かかるEO/PO共重合部を有するアミンとしては、例えば、下記式(i):
Figure 2017052942
〔式中、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、−CHCH(CH)NH基、又は下記式(ii)で表される基を示し、EO及びPOはランダム又はブロック状に存在し、aはEOの平均付加モル数を示す正の数、bはPOの平均付加モル数を示す正の数である〕
で表される化合物が挙げられる。
式(ii):
Figure 2017052942
〔式中、nは0又は1であり、Rはフェニル基、水素原子、又は炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、EO及びPOはランダム又はブロック状に存在し、c及びeは、EOの平均付加モル数を示し、独立して0〜50の数であり、d及びfはPOの平均付加モル数を示し、独立して1〜50の数である〕
式(i)におけるaはEOの平均付加モル数を示し、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは11以上、より好ましくは15以上、更に好ましくは20以上、更に好ましくは25以上、更に好ましくは30以上であり、同様の観点から、好ましくは100以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは60以下、更に好ましくは50以下、より更に好ましくは40以下である。
式(i)におけるbはPOの平均付加モル数を示し、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、より更に好ましくは5以上であり、同様の観点から、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下、更に好ましくは25以下、更に好ましくは20以下、更に好ましくは15以下、更に好ましくは10以下である。
また、EO/PO共重合部中のPOの含有率(モル%)は、アミンが前記式(i)で表される場合は、前記aとbより、共重合部におけるPOの含有率を計算することが可能であり、式:b×100/(a+b)より求めることができ、アミンが前記式(i)及び式(ii)で表される場合は、同様に、式:(b+d+f)×100/(a+b+c+d+e+f)より求めることができる。好ましい範囲は、前述のとおりである。
式(i)におけるRは水素原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、−CHCH(CH)NH基、又は前記式(ii)で表される基を示すが、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、水素原子が好ましい。炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、イソ又はノルマルのプロピル基である。
また、式(i)におけるRが式(ii)で表される基である場合、式(ii)におけるRの炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基である。Rがメチル基又はエチル基である場合、nが1であることが好ましく、Rが水素原子である場合、nが0であることが好ましい。また、式(ii)におけるc及びeとしては、独立して、10〜30が好ましく、d及びfとしては、独立して、5〜25が好ましい。
かかる式(i)で表されるEO/PO共重合部を有するアミンは、公知の方法に従って調製することができる。例えば、プロピレングリコールアルキルエーテルにエチレンオキシド、プロピレンオキシドを所望量付加させた後、水酸基末端をアミノ化すればよい。必要により、アルキルエーテルを酸で開裂することで末端を水素原子とすることができる。これらの製造方法は、特開平3−181448号を参照することができる。
また、市販品も好適に用いられ、具体例としては、HUNTSMAN社製のJeffamine M−2070、Jeffamine M−2005、Jeffamine M−1000、Surfoamine B200、Surfoamine L100、Surfoamine L200、Surfoamine L207,Surfoamine L300、XTJ−501、XTJ−506、XTJ−507、XTJ―508;BASF社製のM3000、Jeffamine ED−900、Jeffamine ED−2003、Jeffamine D−2000、Jeffamine D−4000、XTJ−510、Jeffamine T−3000、JeffamineT−5000、XTJ−502、XTJ−509、XTJ−510等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
セルロース繊維複合体におけるEO/PO共重合部の平均結合量(mmol/g)は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは0.01mmol/g以上、より好ましくは0.05mmol/g以上、更に好ましくは0.1mmol/g以上、更に好ましくは0.3mmol/g以上、更に好ましくは0.5mmol/g以上、更に好ましくは0.8mmol/g以上、更に好ましくは1mmol/g以上である。また、反応性の観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.5mmol/g以下である。
また、セルロース繊維複合体におけるEO/PO共重合部の導入率は、機械的強度に優れるゴム組成物を得る観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上であり、機械的強度に優れるゴム組成物を得る観点から、好ましくは95%以下である。
なお、前記修飾基は置換基を有するものであってもよく、例えば、置換基を含めた炭化水素基全体の総炭素数が前記範囲内となるものが好ましい。置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルコキシ基の炭素数が1〜6のアルコキシ−カルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アセチル基、プロピオニル基等の炭素数1〜6のアシル基;アラルキル基;アラルキルオキシ基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;アルキル基の炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基が挙げられる。なお、前記した炭化水素基そのものが置換基として結合していてもよい。
なお、本明細書において、修飾基の平均結合量は、アミン添加量、アミンの種類、反応温度、反応時間、溶媒などによって調整することができる。また、セルロース繊維複合体における修飾基の平均結合量(mmol/g)及び導入率(%)とは、セルロース繊維表面のカルボキシ基に修飾基が導入された量及び割合のことであり、セルロース繊維のカルボキシ基含有量を公知の方法(例えば、滴定、IR測定等)に従って測定することで算出することができる。本発明で用いることができるセルロース繊維改質物のカルボキシ基含有量は0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下であるが、修飾基を導入する前のセルロース繊維のカルボキシ基含有量より少ないものであり、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは0.05mmol/g以上、より好ましくは0.1mmol/g以上、更に好ましくは0.15mmol/g以上、更に好ましくは0.2mmol/g以上である。また、ゴム組成物中での分散性を向上させる観点から、好ましくは2.5mmol/g以下、より好ましくは2.0mmol/g以下、更に好ましくは1.5mmol/g以下、更に好ましくは1.0mmol/g以下である。
よって、本発明において用いられるセルロース繊維の改質物としては、セルロース繊維のカルボキシ基に炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部を有するものであり、当該炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部はアミド結合及び/又はイオン結合を介してセルロースに結合しているものが好ましい。
<セルロース繊維複合体の製造方法>
セルロース繊維複合体は、セルロース繊維に修飾基を導入できるのであれば、特に限定なく公知の方法に従って製造することができる。
修飾基のセルロース繊維への導入態様によって、以下の2態様が挙げられる。即ち、修飾基をイオン結合によってセルロース繊維に結合させる態様(態様A)、修飾基をアミド結合によってセルロース繊維に結合させる態様(態様B)が挙げられる。なお、本発明においては、前記したマイクロオーダーの繊維径を有するセルロース繊維又はその改質物をゴムに配合することから、微細化工程を行わなくてよい。
〔態様A〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程
工程(2A):工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを混合する工程
〔態様B〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程
工程(2B):工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとをアミド化反応させる工程
以下、態様Aの製造形態に基づいて、セルロース繊維複合体の製造方法を説明する。
〔工程(1)〕
工程(1)は、天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程である。
工程(1)では、まず、水中に天然セルロース繊維を分散させたスラリーを調製する。スラリーは、原料となる天然セルロース繊維(絶対乾燥基準:150℃にて30分間加熱乾燥させた後の天然セルロース繊維の質量)に対して約10〜1000倍量(質量基準)の水を加え、ミキサー等で処理することにより得られる。天然セルロース繊維としては、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等の木材パルプ;コットンリンター、コットンリントのような綿系パルプ;麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ;バクテリアセルロース等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。天然セルロース繊維は、叩解等の表面積を高める処理が施されていてもよい。また、前記市販のパルプのセルロースI型結晶化度は、通常80%以上である。
(酸化処理工程)
次に、上記天然セルロース繊維を、N−オキシル化合物の存在下で酸化処理して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る(以下、単に「酸化処理」と称する場合がある)。酸化処理の方法としては、例えば、特開2015−143337号に記載の方法を参考にすることができる。
具体的には、天然セルロース繊維(絶対乾燥基準)に対して0.001〜10質量%のN−オキシル化合物の存在下で、上記天然セルロース繊維を−5〜50℃で1〜240分間反応させればよい。その際、酸化剤や助触媒を適宜選択して適量用いることができる。また、用いる酸化剤に応じて反応系のpHを調整することが好ましい。N−オキシル化合物としては、炭素数1又は2のアルキル基を有するピペリジンオキシル化合物、ピロリジンオキシル化合物、イミダゾリンオキシル化合物、及びアザアダマンタン化合物から選ばれる1種以上の複素環式のN−オキシル化合物が好ましく、本発明においては、2,2,6,6テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)を好適に用いることができる。
酸化処理方法としては、上記方法の他にオゾンで酸化処理する方法も適用できる。
上記酸化処理を行うことにより、カルボキシ基含有量が好ましくは0.1mmol/g以上の、カルボキシ基含有セルロース繊維が得られる。
(精製工程)
前記酸化反応で得られるカルボキシ基含有セルロース繊維は、触媒として用いるTEMPO等のN−オキシル化合物や副生塩を含む。そのまま次工程を行ってもよいが、精製を行って純度の高いカルボキシ基含有セルロース繊維を得ることもできる。精製方法としては、酸化反応における溶媒の種類、生成物の酸化の程度、精製の程度により最適な方法を採用することができる。例えば、良溶媒として水、貧溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン等を用いた再沈殿、ヘキサン等の水と相分離する溶媒へのTEMPO等の抽出、及び塩のイオン交換、透析等による精製等が挙げられる。
このような天然セルロース繊維の酸化処理により、セルロース構成単位のC6位の水酸基がアルデヒド基を経由してカルボキシ基へと選択的に酸化され、前記カルボキシ基含有量が好ましくは0.1mmol/g以上のセルロースからなる、好ましくは30%以上の結晶化度を有するセルロース繊維を得ることができる。ここで、前記カルボキシ基含有セルロース繊維は、セルロースI型結晶構造を有している。これは、本発明で用いるカルボキシ基含有セルロース繊維が、I型結晶構造を有する天然由来のセルロース固体原料が表面酸化された繊維であることを意味する。なお、工程(1)において、天然セルロース繊維の酸化処理後に、さらに酸(例えば、塩酸)を反応させてカルボキシ基含有量を調整することができる。また、得られたカルボキシ基含有セルロース繊維に対しては、取扱い性の観点から、生化学的処理や化学処理、機械処理等によって、更に、形状を粉末化、チップ化、フレーク化する処理を行なってもよい。前記処理の方法は、前述のセルロース繊維の項を参照することができる。
〔工程(2A)〕
態様Aの製造形態において、工程(2A)は、前記工程を経て得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを混合して、セルロース繊維複合体を得る工程である。セルロース繊維にアミンを反応させてアミン塩を形成させる方法としては、例えば、特開2015−143337号に記載の方法を参考にすることができる。具体的には、前記カルボキシ基含有セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを、前記アミンが溶解する溶媒中で0〜50℃で0.01〜48時間混合すればよい。前記反応後は未反応のアミン等を除去するために、適宜後処理(例えば、ろ過、遠心分離、透析等)を行ってもよい。
工程(2A)で用いられる、修飾基を有するアミンとしては、セルロース繊維複合体において前記した前述のものが挙げられる。
前記アミンの使用量は、セルロース繊維複合体における所望のアミン塩の結合量により決めることができるが、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、カルボキシ基含有セルロース繊維に含有されるカルボキシ基1molに対して、アミノ基が、好ましくは0.01mol以上、より好ましくは0.1mol以上、更に好ましくは0.5mol以上であり、製品純度の観点から、好ましくは50mol以下、より好ましくは20mol以下、更に好ましくは10mol以下となる量用いる。なお、前記範囲に含まれる量のアミンを一度に反応に供しても、分割して反応に供してもよい。アミンが、モノアミンの場合は、上記のアミノ基とアミンとは同じモル比である。
また、態様Bの製造方法については、工程(1)は態様Aと同様に行うことができるので、以下に工程(2B)について記載する。また、例えば、特開2013−151661号公報に記載の方法により製造することができる。
〔工程(2B)〕
工程(2B)は、前記工程を経て得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとをアミド化反応させて、セルロース繊維複合体を得る工程である。前記反応方法としては、原料が反応する方法であれば特に問題なく、具体的には、前記原料を縮合剤(例えば、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(DMT−MM))の存在下で混合し、カルボキシ基含有セルロース繊維に含有されるカルボキシ基と、修飾基を有するアミンのアミノ基とを、所望により前記アミンが溶解する溶媒中で、0〜200℃で1〜24時間縮合反応させてアミド結合を形成する。前記反応後は未反応のアミン等を除去するために、適宜後処理(例えば、ろ過、遠心分離、透析等)を行ってもよい。
工程(2B)で用いられる、修飾基を有するアミンとしては、セルロース繊維複合体において前記した前述のものが挙げられる。
前記アミンの使用量は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、カルボキシ基含有セルロース繊維に含有されるカルボキシ基1molに対して、アミンが、好ましくは0.1mol以上、より好ましくは0.5mol以上であり、経済性の観点から、好ましくは50mol以下、より好ましくは20mol以下、更に好ましくは10mol以下となる量用いる。なお、前記範囲に含まれる量のアミンを一度に反応に供しても、分割して反応に供してもよい。
また、態様A及び態様Bを組み合せて得られるセルロース繊維複合体であってもよく、即ち、イオン結合を介して連結した修飾基とアミド結合を介して連結した修飾基を有するセルロース繊維複合体であってもよい。この場合、工程(2A)と工程(2B)のいずれを先に行ってもよい。
かくして、セルロース繊維に修飾基がイオン結合及び/又はアミド結合を介して連結した、セルロース繊維複合体を得ることができる。本発明においては、得られるゴム組成物の強度と弾性のバランスの観点から、修飾基がアミド結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体が好ましい。
得られたセルロース繊維複合体は、上記後処理を行った後の分散液の状態で使用することもできるし、あるいは乾燥処理等により該分散液から溶媒を除去して、乾燥した粉末状のセルロース繊維複合体を得て、これを使用することもできる。ここで「粉末状」とは、セルロース繊維複合体が凝集した粉末状であり、セルロース粒子を意味するものではない。
粉末状のセルロース繊維複合体としては、例えば、前記セルロース繊維複合体の分散液をそのまま乾燥させた乾燥物;該乾燥物を機械処理で粉末化したもの;前記セルロース繊維複合体の分散液を公知のスプレードライ法により粉末化したもの;前記セルロース繊維複合体の分散液を公知のフリーズドライ法により粉末化したもの等が挙げられる。前記スプレードライ法は、前記セルロース繊維複合体の分散液を大気中で噴霧し、乾燥させる方法である。
また、前記後処理後に、取扱い性の観点から、例えば、工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維に対して行う前処理と同様の処理を反応物に対して行なって、チップ状やフレーク状、粉末状にしてもよい。かかる処理によって形状変化がもたらされることで、得られる本発明の改質セルロース繊維をゴム組成物に添加した場合は、ゴム組成物の弾性率等の物性を向上させることができる。
また、上記のようにして得られたセルロース繊維複合体は、前記セルロース繊維と同程度の平均繊維径を有して平均繊維径が1μm以上100μm以下であるが、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは8μm以上、より更に好ましくは10μm以上である。また、同様の観点から、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは40μm以下、更に好ましくは30μm以下である。
なお、セルロース繊維複合体は、工程(2A)又は工程(2B)の反応により結晶性が低下することがないことから、前記セルロース繊維の結晶化度と同程度の結晶化度を有することが好ましい。
本発明のゴム組成物に含有されるセルロース繊維複合体としては、前記のように平均繊維径が1μm以上100μm以下であるセルロース繊維に、炭化水素基及び/又はEO/PO共重合部がイオン結合及び/又はアミド結合を介して連結し、平均繊維径が1μm以上100μm以下であり、かつ、カルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下であるものが好ましい。
また、本発明においては、前記したセルロース繊維又はその改質物は、ドライ混練法によって混合させることから、その水分含有量が低いことが好ましい。水分含有量としては、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。下限は特に設定されないが、例えば、0.01質量%程度である。
本発明のゴム組成物における各成分の含有量は、下記のとおりである。
本発明のゴム組成物中のゴムの含有量は、組成物の成形加工性の観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは55質量%以上であり、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
本発明のゴム組成物中のセルロース繊維又はその改質物の含有量は、ゴム100質量部に対して、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、更に好ましくは8質量部以上であり、同様の観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。なお、ここでのセルロース繊維の含有量とは、修飾基が導入されていないセルロース繊維の含有量のことであり、修飾基が導入されていないセルロース繊維と、セルロース繊維複合体が併用されている場合には合計含有量を意味する。
また、本発明のゴム組成物がセルロース繊維の改質物を含有する場合、セルロース繊維の含有量(換算量)は、ゴム100質量部に対して、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、更に好ましくは8質量部以上であり、同様の観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。
本発明のゴム組成物中のセルロース繊維又はその改質物の含有量は、ゴム組成物の機械的強度及び弾性率を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、更に好ましくは12質量%以上であり、同様の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
[添加剤]
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、ゴム工業界で通常用いられる補強用充填材、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、老化防止剤、プロセスオイル、植物油脂、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、酸化マグネシウム、ワックス、フェノール樹脂等のタイヤ用、その他一般ゴム用に配合されている各種添加剤を従来の一般的な量で配合させることができる。
補強用充填材としてはカーボンブラックやシリカ等が好適に用いられ、カーボンブラックとしては、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラック等が挙げられる。なかでも、カーボンブラックは、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよく、本発明の組成物は、セルロース繊維又はその改質物との相乗効果によって強度向上効果が優れることから、ゴム、セルロース繊維又はその改質物以外に、カーボンブラックを含有することが好ましい。
本発明のゴム組成物中のカーボンブラックの含有量は、ゴム100質量部に対して、機械的強度を向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、より更に好ましくは20質量部以上、より更に好ましくは30質量部以上であり、セルロース繊維複合体等を含有させ、機械的強度を向上させる観点から、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。
また、本発明のゴム組成物中のカーボンブラックの含有量は、機械的強度を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上であり、機械的強度を向上させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
また、ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、セルロース繊維又はその改質物とカーボンブラックの含有質量比(セルロース繊維又はその改質物/カーボンブラック)としては、ゴム組成物の機械的強度を向上する観点から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。また、上限は特に設定されないが、ゴム組成物の機械的強度と弾性率のバランスの観点から、2.0以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.0以下が更に好ましく、0.8以下がより更に好ましく、0.6以下がより更に好ましい。
加硫剤としては、例えば、硫黄、硫黄化合物、オキシム類、ニトロソ化合物、ポリアミン、有機過酸化物等が挙げられる。加硫剤は、単一種だけを用いてもよく、また、複数種を組み合わせて用いてもよい。
加硫促進剤としては、例えば、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系のもの等が挙げられる。加硫促進剤は、単一種だけを用いてもよく、また、複数種を組み合わせて用いてもよい。
加硫遅延剤としては、例えば、サリチル酸、無水フタル酸、安息香酸等の芳香族有機酸、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミン等のニトロソ化合物等が挙げられる。加硫遅延剤は、単一種だけを用いてもよく、また、複数種を組み合わせて用いてもよい。
老化防止剤としては、例えば、アミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダート・フェノール系、亜リン酸エステル系のもの等が挙げられる。老化防止剤は、単一種だけを用いてもよく、また、複数種を組み合わせて用いてもよい。
プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどが挙げられる。プロセスオイルは、単一種だけを用いてもよく、また、複数種を組み合わせて用いてもよい。
植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落下生油、木ろう、ロジン、パインオイルなどが挙げられる。植物油脂は、単一種だけを用いてもよく、また、複数種を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、ゴムと前記セルロース繊維又はその改質物を含有するものであれば特に限定なく、公知の方法によって調製することができる。例えば、ゴムとセルロース繊維又はその改質物、さらに必要により各種添加剤を含有する原料を、例えばホモジナイザー、プロペラ式攪拌装置、ロータリー攪拌装置、電磁攪拌装置等の攪拌装置や、ロール等の開放式混練機、バンバリーミキサー等の密閉式混練機等の混練機等を用いて、通常10〜200℃、好ましくは20〜180℃で混合することにより調製することができる。前記のようにして調製した後に成形加工して加硫又は架橋処理を行なってもよい。
よって、本発明のゴム組成物の製造方法としては、ゴムとカルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下であり、かつ、平均繊維径が1μm以上100μm以下であるセルロース繊維又はその改質物とを混練する工程を含むものであればよく、なかでも、原料ゴムの水分含有量が10質量%以下、セルロース繊維又はその改質物の水分含有量が40質量%以下であることを特徴とする製造方法を好適例として例示することができる。ここで、原料やその使用量、調製条件等は、本発明のゴム組成物の項を参照することができる。なお、本発明のゴム組成物は、用いる原料の水分含有量が低いけれどもドライ混練によっても十分混練することが可能なことから、例えば、ゴムとセルロース繊維又はその改質物を混練中の混合物の水分含有量としては、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。
また、本発明のゴム組成物が、ゴムと前記セルロース繊維又はその改質物以外に、カーボンブラックを含有する場合には、ゴムとカーボンブラックを予め混合させた後、セルロース繊維又はその改質物を混合することで、セルロース繊維の分散性が向上し、機械的強度と弾性率がより向上したゴム組成物が得られる。よって、本発明はまた、本発明のゴム組成物の製造方法として、例えば、ゴムとカーボンブラックを混練し、得られた混練物に、カルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下であり、かつ、平均繊維径が1μm以上100μm以下であるセルロース繊維又はその改質物を添加して更に混練する工程を含み、原料ゴムの水分含有量が10質量%以下、セルロース繊維又はその改質物の水分含有量が40質量%以下であることを特徴とする製造方法を好適例として例示することができる。
本発明のゴム組成物は、加工性が良好で、かつ、良好な強度を示しながらも、また、伸縮性に優れるため、工作機械部品、家電部品、自動車部品、タイヤ等各種用途、なかでも、自動車部品とタイヤ用途に好適に用いることができる。
また、本発明のゴム組成物を用いたゴム製品として、例えば、工業用ゴム部品について説明する。工業用ゴム部品としてはベルトやホース等が挙げられ、これらは、必要に応じて各種添加剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階で各部材の形状に合わせて押し出し加工して成形することで、未加硫のゴム部品を形成した後、加硫機中で加熱加圧して各種工業用ゴム部品を製造することができる。機械的強度の向上からは基本性能向上や部品の小型化・薄肉化、低エネルギーロス性による内部発熱の減少からは耐久性などの向上、寸法安定性は加工や噛合せ精度などの向上が実現できる。
また、本発明のゴム組成物を用いたゴム製品として、例えば、タイヤを製造する場合、必要に応じて各種添加剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどのタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成形機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材と共に貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。機械的強度の向上からは各部材の小型化や薄肉化、低エネルギーロス性からは転がり抵抗ひいては省燃費性の向上、寸法安定性は部材組み立て精度などの向上が実現できる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。なお、この実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。例中の部は、特記しない限り質量部である。なお、「常圧」とは101.3kPaを、「常温(室温)」とは25℃を示す。
〔セルロース繊維及びセルロース繊維改質物の平均繊維径〕
セルロース繊維又はセルロース繊維改質物の繊維径は、以下の手法により求める。絶乾したセルロース繊維又はセルロース繊維改質物を約0.3g計量し、1.0Lのイオン交換水中で家庭用ミキサーを用いて1分間攪拌し、繊維を水中に解する。その後、さらにイオン交換水4.0Lを加え、均一になるよう攪拌する。得られた水分散液から、約50gを測定液として回収し、計量する。得られた測定液を、メッツォオートメーション社製の「Kajaani Fiber Lab」にて分析することで、平均繊維径を得る。
〔セルロース繊維及びアミド結合を有するセルロース繊維改質物のカルボキシ基含有量〕
乾燥質量0.5gのセルロース繊維又はセルロース繊維改質物を100mLビーカーにとり、イオン交換水もしくはメタノール/水=2/1の混合溶媒を加えて全体で55mLとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製し、セルロース繊維又はセルロース繊維改質物が十分に分散するまで該分散液を攪拌する。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5〜3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、「AUT−50」)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定し、pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得る。この電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、セルロース繊維又はセルロース繊維改質物のカルボキシ基含有量を算出する。尚、表2〜4において、「N.D.」は検出限界(0.01mmol/g)未満であったことを示す。
セルロース繊維又はセルロース改質物のカルボキシ基含有量(mmol/g)=水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)/セルロース繊維の質量(0.5g)
〔イオン結合を有するセルロース繊維改質物のカルボキシ基含有量〕
下記式によりカルボキシ基含有量を算出する。IR測定は、具体的には、乾燥させたセルロース繊維又はセルロース繊維改質物を赤外吸収分光装置(IR)Nicolet 6700(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いATR法にて測定し、次式により、カルボキシ基含有量を算出する。
イオン結合を有するセルロース繊維改質物のカルボキシ基含有量(mmol/g)=1.6×アミン塩導入後のセルロース繊維改質物の1720cm−1のピーク強度
1720cm−1のピーク強度:カルボン酸のカルボニル基に由来するピーク強度
〔ゴム、セルロース繊維及びセルロース繊維改質物の水分含有量〕
赤外線加熱乾燥質量測定装置(島津製作所製、MOC−120H)を用いて、サンプル1gに対して150℃恒温で30秒ごとの測定を行い、直前の測定値からの重量減少が0.1%以下となった時点での、初期値からの重量減少値を水分含有量とする。
酸化セルロース繊維の調製例1(天然セルロースにN−オキシル化合物を作用させて得られるカルボキシ基含有セルロース繊維の分散液)
針葉樹の漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、「Machenzie」、CSF650ml)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。臭化ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。
まず、針葉樹の漂白クラフトパルプ繊維100gを9900gのイオン交換水で十分に攪拌した後、該パルプ質量100gに対し、TEMPO1.25質量%、臭化ナトリウム12.5質量%、次亜塩素酸ナトリウム28.4質量%をこの順で添加した。pHスタッドを用い、0.5M水酸化ナトリウムを滴下してpHを10.5に保持した。反応を120分(20℃)行った後、水酸化ナトリウムの滴下を停止し、イオン交換水を用いて得られた酸化セルロース繊維を十分に洗浄し、次いで脱水処理を行い、カルボキシ基含有セルロース繊維分散液(固形分濃度27.3質量%)を得た。このカルボキシ基セルロース繊維の平均繊維径は24.3μm、カルボキシ基含有量は1.6mmol/gであった。
酸化セルロース繊維の調製例2(酸型処理して得られるカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液)
ビーカーに酸化セルロース繊維の調製例1で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維70gにイオン交換水を加え3質量%の水溶液とし、メカニカルスターラーにて室温下(25℃)、30分攪拌した。続いて1M塩酸水溶液を633g仕込み室温下、1時間反応させた。反応終了後、アセトンで再沈し、ろ過、その後、アセトン/イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。最後にアセトンを加えろ過し、アセトンにカルボキシ基含有セルロース繊維が膨潤した状態のアセトン含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度23質量%)を得た。反応終了後、ろ過し、その後、イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。アセトンで溶媒置換した後、ジメチルホルムアミド(DMF)で溶媒置換し、酸型カルボキシ基含有セルロース繊維が膨潤した状態のDMF含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度5.4質量%)を得た。このセルロース繊維の平均繊維径は24.3μm、カルボキシ基含有量は1.6mmol/gであった。
EO/PO共重合部を有するアミン(EOPOアミン)の製造例1
プロピレングリコール第三級ブチルエーテル132g(1モル)を1Lのオートクレーブに仕込み、75℃に加熱し、フレーク状の水酸化カリウム1.2gを加え、溶解するまで攪拌した。次いで、表1に示す量のエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)を110℃で0.34MPaにて反応させた後、Magnesol 30/40(ケイ酸マグネシウム、ダラスグループ社製)7.14gを投入して95℃で中和し、得られた生成物をジ第三級ブチル−p−クレゾール 0.16gを添加、混合した後、濾過して、EO/PO共重合体であるポリエーテルを得た。
一方、酸化ニッケル/酸化銅/酸化クロム(モル比:75/23/2)(和光純薬工業社)の触媒を充填した1.250mLの管状反応容器に上記で得られたポリエーテル(8.4mL/min)、アンモニア(12.6mL/min)及び水素(0.8mL/min)をそれぞれ供給した。容器の温度を190℃に維持し、圧力を14MPaに維持した。そして容器からの粗流出液を70℃及び3.5mmHgにて30分間留去した。得られたアミノ化ポリエーテル200g及び15%塩酸水溶液93.6gをフラスコに仕込み、反応混合物を100℃にて3.75時間加熱し、第三級ブチルエーテルを酸で開裂させた。そして生成物を15%の水酸化カリウム水溶液144gで中和した。次に中和された生成物を112℃で一時間減圧留去して濾過し、前述の式(i)で表されるEO/PO共重合部を有するモノアミン(EOPOアミン)を得た。なお、得られたモノアミンは、EO/PO共重合部とアミンが直接結合しており、前記式(i)におけるRは水素原子である。
なお、アミン共重合部の分子量は、
1409〔EO分子量(44.03)×EO付加モル数(32)〕+522〔PO分子量(58.04)×PO付加モル数(9)〕+58.04〔出発原料中のPO部分分子量(プロピレングリコール)〕=1989
を四捨五入して2000と算出した。
Figure 2017052942
セルロース繊維改質物の製造例1(実施例1、2、6)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、酸化セルロース繊維の調製例2で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維分散液35g(固形分濃度5.4質量%)を仕込んだ。続いて、アニリンをセルロース繊維のカルボキシ基1molに対して1.2molに相当する量、縮合剤である4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(DMT−MM)をセルロース繊維のカルボキシ基1molに対して2.2molに相当する量、N−メチルモルホリン(NMM)をセルロース繊維のカルボキシ基1molに対して1.2molに相当する量をそれぞれ仕込み、DMF300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、DMT−MM塩を除去し、アセトンで洗浄及び溶媒置換後、50℃で2日間乾燥することで、セルロース繊維にフェニル基がアミド結合を介して連結したセルロース繊維改質物を得た(水分含有量7.2質量%)。
セルロース繊維改質物の製造例2(実施例4、8)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、酸化セルロース繊維の調製例2で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維分散液35g(固形分濃度5.4質量%)を仕込んだ。続いて、オレイルアミンをセルロース繊維のカルボキシ基1molに対して1.2molに相当する量、縮合剤であるDMT−MMをセルロース繊維のカルボキシ基1molに対して2.2molに相当する量、NMMをセルロース繊維のカルボキシ基1molに対して1.2molに相当する量をそれぞれ仕込み、DMF300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、エタノールにて洗浄、DMT−MM塩を除去し、アセトンで洗浄及び溶媒置換後、50℃で2日間乾燥することで、セルロース繊維にオレイル基がアミド結合を介して連結したセルロース繊維改質物を得た(水分含有量8.8質量%)。
セルロース繊維改質物の製造例3(実施例5、9)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、酸化セルロース繊維の調製例2で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維分散液35g(固形分濃度5.4質量%)を仕込んだ。続いて、製造例1で調製したEOPOアミンをセルロース繊維のカルボキシ基1molに対して0.6molに相当する量、縮合剤であるDMT−MMをセルロース繊維のカルボキシ基1molに対して1.1molに相当する量、NMMをセルロース繊維のカルボキシ基1molに対して0.6molに相当する量をそれぞれ仕込み、DMF300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、DMT−MM塩を除去し、アセトンで洗浄及び溶媒置換後、50℃で2日間乾燥することで、セルロース繊維にEO/PO共重合部がアミド結合を介して連結したセルロース繊維改質物を得た(水分含有量7.8質量%)。
セルロース繊維改質物の製造例4(実施例10、11)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、酸化セルロース繊維の調製例2で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維分散液をエタノールで置換したエタノール含有酸型セルロース繊維分散液80g(固形分濃度26.1質量%)を仕込んだ。続いて、プロピルアミンをセルロース繊維のカルボキシ基1.0molに対して1.0molに相当する量を仕込み、エタノール500g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、エタノールで洗浄、アセトンで洗浄及び溶媒置換後、40℃で2日間乾燥することで、セルロース繊維にプロピル基がイオン結合を介して連結したセルロース繊維改質物を得た(水分含有量:7.2質量%)。
セルロース繊維改質物の製造例5(実施例12)
セルロース繊維改質物の製造例4で製造したアセトン含有酸型セルロース繊維分散液を40℃で2日間乾燥した。得られたセルロース繊維(セルロース繊維の水分含有量:7.2質量%)を乾燥重量として50g、イオン交換水を25g量りとり、バッチ式振動ロッドミル(中央化工機社製「MB−1」:容器全容積3.5L、ロッドとして、φ30mm、長さ218mm、断面形状が円形のSUS304製ロッドを13本使用、ロッド充填率57容量%)に投入し、20分間粉砕処理することでセルロース繊維改質物を得た。このセルロース繊維改質物の平均繊維径は22.2μm、カルボキシ基含有量は0.08mmol/g、水分含有量は34.6質量%であった。
実施例1<ゴム組成物(SBR)>
セルロース繊維改質物の製造例1で得られたセルロース繊維改質物を用いてゴム組成物を製造した。表2に示す配合組成において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を50ミリリットルの密閉型ミキサーで6分間混練し、温度が150℃に達したときに容器を開放して混合物を得た。該混合物に加硫促進剤と硫黄とを加えて50ミリリットルの密閉型ミキサーで3分間混練し、温度が100℃に達したときに容器を開放して未加硫のゴム組成物を得た。得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で145℃で20分間加硫処理をして加硫ゴムシートを調製した。
実施例2
セルロース繊維改質物の含有量を20質量部から、9質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
実施例3
セルロース繊維改質物の製造例1で製造したセルロース繊維改質物を、酸化セルロース繊維の調製例2で製造したアセトン含有酸型セルロース繊維分散液を50℃で2日間乾燥して得られたセルロース繊維(セルロース繊維の水分含有量:7.8質量%)に変更したこと以外は実施例1と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
実施例4
セルロース繊維改質物の製造例1で製造したセルロース繊維改質物を、セルロース繊維改質物の製造例2で製造したセルロース繊維改質物に変更したこと以外は実施例1と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
実施例5
セルロース繊維改質物の製造例1で製造したセルロース繊維改質物を、セルロース繊維改質物の製造例3で製造したセルロース繊維改質物に変更したこと以外は実施例1と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
比較例1
セルロース繊維改質物の含有量を20質量部から、0質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
比較例2
セルロース繊維改質物の含有量を20質量部から0質量部に、カーボンブラック含有量を0質量部から10質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
比較例3
セルロース繊維改質物の含有量を20質量部から0質量部に、カーボンブラック含有量を0質量部から20質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
比較例4
セルロース繊維改質物の製造例1で製造したセルロース改質物を、針葉樹の漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、「Machenzie」、CSF650ml、カルボキシ基含有量0.01mmol/g未満(検出限界以下)、平均繊維径24.3μm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
実施例6<ゴム組成物(CB併用)>
セルロース繊維改質物の製造例1で得られたセルロース繊維改質物を用いてゴム組成物を製造した。表3に示す配合組成において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を50ミリリットルの密閉型ミキサーで6分間混練し、温度が150℃に達したときに容器を開放して混合物を得た。該混合物に加硫促進剤と硫黄とを加えて50ミリリットルの密閉型ミキサーで3分間混練し、温度が100℃に達したときに容器を開放して未加硫のゴム組成物を得た。得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で145℃で20分間加硫処理をして加硫ゴムシートを調製した。
実施例7
セルロース繊維改質物の製造例1で製造したセルロース繊維改質物を、酸化セルロース繊維の調製例2で製造したアセトン含有酸型セルロース繊維分散液を50℃で2日間乾燥して得られたセルロース繊維(セルロース繊維の水分含有量:7.8質量%)に変更したこと以外は実施例6と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
実施例8
セルロース繊維改質物の製造例1で製造したセルロース繊維改質物を、セルロース繊維改質物の製造例2で製造したセルロース繊維改質物に変更したこと以外は実施例6と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
実施例9
セルロース繊維改質物の製造例1で製造したセルロース繊維改質物を、セルロース繊維改質物の製造例3で製造したセルロース繊維改質物に変更したこと以外は実施例6と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
比較例5
セルロース繊維改質物の含有量を20質量部から、0質量部に変更したこと以外は実施例6と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
比較例6
セルロース繊維改質物の製造例1で製造したセルロース繊維改質物を、針葉樹の漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、「Machenzie」、CSF650ml、カルボキシ基含有量0.01mmol/g未満(検出限界以下)、平均繊維径24.3μm)に変更したこと以外は実施例6と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
実施例10<ゴム組成物(CR)>
セルロース繊維改質物の製造例4で得られたセルロース繊維改質物を用いてゴム組成物を製造した。表4に示す配合組成において、ステアリン酸、酸化マグネシウム、酸化亜鉛を除く成分を100ミリリットルの密閉型ミキサーで6分間混練し、温度が90℃に達したときに容器を解放して混合物を得た。該混合物にステアリン酸、酸化マグネシウム、酸化亜鉛を加えて100ミリリットルの密閉型ミキサーで3分間混練し、温度が90℃に達したときに容器を解放して未加硫のゴム組成物を得た。得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で20分間加硫処理をして加硫ゴムシートを調製した。
実施例11
カーボンブラックの含有量を0質量部から、30質量部に変更したこと以外は実施例10と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
実施例12
セルロース繊維改質物の製造例4で製造したセルロース繊維改質物を、セルロース繊維改質物の製造例5で製造したセルロース繊維改質物に変更し、かつ、カーボンブラックの含有量を0質量部から、30質量部に変更したこと以外は実施例10と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
比較例7
セルロース繊維改質物の含有量を10質量部から、0質量部に変更したこと以外は実施例10と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
比較例8
セルロース繊維改質物の含有量を10質量部から、0質量部に変更し、かつ、カーボンブラックの含有量を0質量部から、30質量部に変更したこと以外は実施例10と同様にして加硫ゴムシートを調製した。
得られたゴム組成物の加硫ゴムシートの特性について、下記の試験例1の方法に従って評価した。結果を表2〜4に示す。
なお、表2〜4における原料は以下の通りである。
〔ゴム〕
SBR:Nipol NS210、水分含有量0.1質量%、日本ゼオン社製
CR:デンカクロロプレンDCR−36、水分含有量0.3質量%、電気化学工業社製
〔添加剤〕
ステアリン酸:ルナックS-70V、花王社製
カーボンブラック:シースト3、東海カーボン社製
亜鉛華:酸化亜鉛、和光純薬工業社製
硫黄:加硫剤、和光純薬工業社製
酸化マグネシウム:キョーワマグ150、協和化学工業社製
TBBS:加硫促進剤、和光純薬工業社製
MBTS:加硫促進剤、東京化成工業社製
DPG:加硫促進剤、和光純薬工業社製
試験例1(相対破断伸び、相対50%モジュラス、相対100%モジュラス)
JIS−6301に従い、ゴムシートを所定のダンベル形状に打ち抜き、加硫ゴムの引張試験を行い、伸び50%、100%時の引張応力である50%モジュラス、100%モジュラス、また、破断時の伸びである破断伸びをそれぞれ測定した。得られた50%モジュラス、100%モジュラス、破断伸びの値から、比較例1又は比較例5の値を100とした時の相対50%モジュラス、相対100%モジュラス、相対破断伸びの値として算出して共に表2及び表3に示す。対応する比較例との相対50%モジュラス、相対100%モジュラス、相対破断伸びがそれぞれ高いほど、強度及び伸縮性が優れていることを示す。なお、表中、該当する項目自体が存在しない場合を「−」と示す。
Figure 2017052942
Figure 2017052942
Figure 2017052942
表2〜4より、実施例で得られたゴム組成物は比較例のゴム組成物に比べて、相対50%モジュラス、相対100%モジュラスの値、並びに相対破断伸びが同等又は高いものであり、本発明により、より簡便に機械的強度及び弾性率に優れるゴム組成物が得られることが分かる。
本発明のゴム組成物は、工作機械部品、家電部品、自動車部品とタイヤ等として好適に使用することができる。

Claims (11)

  1. A)ゴム、B)平均繊維径が1μm以上100μm以下であるセルロース繊維又はその改質物を含む原料の混練物であるゴム組成物であって、該セルロース繊維又はその改質物のカルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下である、ゴム組成物。
  2. セルロース繊維の改質物が、セルロース繊維のカルボキシ基に炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部を有するものである、請求項1記載のゴム組成物。
  3. 炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部がアミド結合及び/又はイオン結合を介してセルロースに結合している、請求項2記載のゴム組成物。
  4. セルロース繊維又はその改質物の含有量が、ゴム100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下である、請求項1〜3いずれか記載のゴム組成物。
  5. さらに、原料がC)カーボンブラックを含有する、請求項1〜4いずれか記載のゴム組成物。
  6. カーボンブラックの含有量が、ゴム100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下である、請求項5記載のゴム組成物。
  7. ゴムと、カルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下であり、かつ、平均繊維径が1μm以上100μm以下であるセルロース繊維又はその改質物とを混練する工程を含む、ゴム組成物の製造方法。
  8. 原料ゴムの水分含有量が10質量%以下、セルロース繊維又はその改質物の水分含有量が40質量%以下であることを特徴とする、請求項7記載のゴム組成物の製造方法。
  9. 平均繊維径が1μm以上100μm以下である改質セルロース繊維であって、炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部がアミド結合及び/又はイオン結合を介してセルロースに結合し、かつ、カルボキシ基含有量が0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下である、改質セルロース繊維。
  10. 請求項1〜6いずれかに記載のゴム組成物を含有する、工業用ゴム部品。
  11. 請求項1〜6いずれかに記載のゴム組成物を含有する、タイヤ。
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