JP2022013396A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、強度にバランスよく優れるゴム組成物を簡便に得ることのできる、組成物の製造方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、第1の混合工程:アニオン変性セルロース及び疎水化剤を少なくとも混合し、混合物1を得ること、第2の混合工程:前記混合物1及び熱可塑性樹脂を少なくとも混合し、混合物2を得ること、洗浄工程:前記混合物2を洗浄し洗浄混合物3を得ること、及び混練工程:前記洗浄混合物3、架橋剤及びゴム成分を混練することを含む、ゴム組成物の製造方法を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物の製造方法に関する。
近年、セルロースナノファイバーと呼ばれる、植物繊維をナノレベルまで細かくほぐすことによって製造される素材をゴム組成物に含有させることにより、引張強度などゴム組成物における各種強度を向上させる技術が知られている。例えば、ゴム成分とセルロース系繊維とを含み、強度の良好なゴム組成物が提案されている(特許文献1参照)。
また、水分含有量が低いゴムにナノ化していないセルロース繊維を配合したゴム組成物の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2の方法によれば、疎水性のゴムと親水性のセルロースとのドライ混練が可能となる。
特許文献1記載の製造方法では、セルロース系繊維をナノ化する工程が必須であった。これに対し、特許文献2記載の方法では、ナノ化工程を省略できるものの、ゴム組成物の弾性率の温度変化が大きい傾向にあり、引張特性の中間応力が不十分である等、強度にバランスよく優れるゴム組成物を得られない場合がある(比較例1参照)。
本発明の課題は、強度がバランスよく優れるゴム組成物を簡便に得ることができる、ゴム組成物の製造方法を提供することである。
本発明は、下記の〔1〕~〔9〕を提供する。
〔1〕第1の混合工程:アニオン変性セルロース及び疎水化剤を少なくとも混合し、混合物1を得ること、
第2の混合工程:前記混合物1及び熱可塑性樹脂を少なくとも混合し、混合物2を得ること、
洗浄工程:前記混合物2を洗浄し洗浄混合物3を得ること、及び
混練工程:前記洗浄混合物3、架橋剤及びゴム成分を混練すること
を含む、ゴム組成物の製造方法。
〔2〕前記第1の混合工程において、
混合後さらに乾燥処理を行い、前記混合物1として、水分量が50質量%以下の乾燥固形物を得る、
〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕前記洗浄工程において、
水、親水性有機溶媒、及び、水と親水性有機溶媒の混合溶媒から選ばれる溶媒を用いて洗浄する、
〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕前記溶媒が、
属塩又は酸を含む、
〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕前記洗浄工程において、
洗浄後さらに乾燥処理を行い、前記洗浄混合物3として、乾燥固形物を得る、
〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔6〕前記アニオン変性セルロースが、
酸化セルロース、カルボキシメチル化セルロース、又はリン酸エステル化セルロースを含む、
〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔7〕前記疎水化剤が、
ポリエーテル骨格の末端に1級アミノ基を有するポリエーテルアミン、
炭素原子数3~50の炭化水素基を有するアミン化合物、及び
炭素原子数3~50の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩
から選ばれる少なくとも1つ、を含む、
〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔8〕前記熱可塑性樹脂が、
変性ポリオレフィンを含む、
〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔9〕前記変性ポリオレフィンが、
不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘導体、及び不飽和カルボン酸の無水物、からなる群から選ばれる1種以上を含む極性付与剤によりポリオレフィンが変性された変性ポリオレフィンを含む、
〔8〕に記載の製造方法。
〔10〕前記架橋剤が、
カルボキシ基反応性架橋剤を含む、
〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔11〕前記第1の混合工程において、
分散剤をさらに混合する、
〔1〕~〔10〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔1〕第1の混合工程:アニオン変性セルロース及び疎水化剤を少なくとも混合し、混合物1を得ること、
第2の混合工程:前記混合物1及び熱可塑性樹脂を少なくとも混合し、混合物2を得ること、
洗浄工程:前記混合物2を洗浄し洗浄混合物3を得ること、及び
混練工程:前記洗浄混合物3、架橋剤及びゴム成分を混練すること
を含む、ゴム組成物の製造方法。
〔2〕前記第1の混合工程において、
混合後さらに乾燥処理を行い、前記混合物1として、水分量が50質量%以下の乾燥固形物を得る、
〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕前記洗浄工程において、
水、親水性有機溶媒、及び、水と親水性有機溶媒の混合溶媒から選ばれる溶媒を用いて洗浄する、
〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕前記溶媒が、
属塩又は酸を含む、
〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕前記洗浄工程において、
洗浄後さらに乾燥処理を行い、前記洗浄混合物3として、乾燥固形物を得る、
〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔6〕前記アニオン変性セルロースが、
酸化セルロース、カルボキシメチル化セルロース、又はリン酸エステル化セルロースを含む、
〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔7〕前記疎水化剤が、
ポリエーテル骨格の末端に1級アミノ基を有するポリエーテルアミン、
炭素原子数3~50の炭化水素基を有するアミン化合物、及び
炭素原子数3~50の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩
から選ばれる少なくとも1つ、を含む、
〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔8〕前記熱可塑性樹脂が、
変性ポリオレフィンを含む、
〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔9〕前記変性ポリオレフィンが、
不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘導体、及び不飽和カルボン酸の無水物、からなる群から選ばれる1種以上を含む極性付与剤によりポリオレフィンが変性された変性ポリオレフィンを含む、
〔8〕に記載の製造方法。
〔10〕前記架橋剤が、
カルボキシ基反応性架橋剤を含む、
〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔11〕前記第1の混合工程において、
分散剤をさらに混合する、
〔1〕~〔10〕のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明の方法によれば、ゴム成分と共にゴム組成物を簡便に製造でき、かつ、得られるゴム組成物の損失正接を低く抑え、弾性率の温度変化を低減でき、引張特性の中間応力を向上できる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書中、「AA~BB%」という表記は、AA%以上BB%以下を示す。
本発明においては、以下説明する、第1の混合工程、第2の混合工程、洗浄工程及び混練工程を含む工程を経て、ゴム組成物を製造できる。
[1.第1の混合工程]
第1の混合工程では、アニオン変性セルロース及び疎水化剤を少なくとも混合し、混合物1を得る。
第1の混合工程では、アニオン変性セルロース及び疎水化剤を少なくとも混合し、混合物1を得る。
[アニオン変性セルロース]
アニオン変性セルロースとしては、例えば、酸化セルロース、カルボキシメチル化セルロース、リン酸エステル化セルロースが挙げられる。中でも、酸化セルロース又はカルボキシメチル化セルロースが好ましい。
アニオン変性セルロースとしては、例えば、酸化セルロース、カルボキシメチル化セルロース、リン酸エステル化セルロースが挙げられる。中でも、酸化セルロース又はカルボキシメチル化セルロースが好ましい。
アニオン変性セルロースの平均繊維径は、0.1~50μmが好ましく、1~40μmがより好ましく、10~30μmがさらに好ましい。また、アニオン変性セルロースの平均繊維長は、0.1~5000μmが好ましく、1~3500μmがより好ましく、10~2000μmがさらに好ましい。平均繊維径及び平均繊維長が斯かる数値範囲を満たすアニオン変性セルロースを用いると、所望の物性値を満たすゴム組成物を得ることができる。
アニオン変性セルロースの平均繊維径、平均繊維長は、それぞれ、ファイバーテスター(Lorentzen&Wettre社製)を用いて測定される、長さ加重平均繊維幅、長さ加重平均繊維長である。
アニオン変性セルロースの原料(以下、「セルロース原料」ともいう)は、木材由来のクラフトパルプ又はサルファイトパルプ、それらを高圧ホモジナイザーやミル等で粉砕した粉末セルロース、或いはそれらを酸加水分解等の化学処理により精製した微結晶セルロース粉末等であってもよい。この他に、ケナフ、麻、イネ、バガス、竹等の植物由来の原料も使用し得る。量産化やコストの観点からは、粉末セルロース、微結晶セルロース粉末、或いはクラフトパルプ又はサルファイトパルプのような化学パルプが好ましい。化学パルプを用いる場合は、公知の漂白処理を施してリグニンを除去することが好ましい。漂白済みパルプとしては、例えば、白色度(ISO 2470)が80%以上の漂白済みクラフトパルプ又は漂白済みサルファイトパルプを用いることができる。
粉末セルロースは、木材パルプの非結晶部分を酸加水分解により除去した後、粉砕及び篩い分けすることで得られる微結晶性又は結晶性セルロースからなる棒軸状粒子である。粉末セルロースにおいて、セルロースの重合度は100~500程度であり、X線回折法による粉末セルロースの結晶化度は70~90%であり、レーザー回折式粒度分布装置による体積平均粒子径は通常100μm以下であり、好ましくは50μm以下である。そのような粉末セルロースは、精選パルプを酸加水分解した後に得られる未分解残渣を精製及び乾燥し、粉砕及び篩い分けすることにより調製してもよいし、KCフロック(登録商標)(日本製紙社製)、セオラス(登録商標)(旭化成ケミカルズ社製)、アビセル(登録商標)(FMC社製)等の市販品を用いてもよい。
漂白方法は、塩素工程(C)、二酸化塩素漂白(D)、アルカリ抽出(E)、次亜塩素酸塩漂白(H)、過酸化水素漂白(P)、アルカリ性過酸化水素工程段(Ep)、アルカリ性過酸化水素・酸素工程段(Eop)、オゾン工程(Z)、キレート工程(Q)等を組合せて行うことができる。例えば、C/D-E-H-D、Z-E-D-P、Z/D-Ep-D、Z/D-Ep-D-P、D-Ep-D、D-Ep-D-P、D-Ep-P-D、Z-Eop-D-D、Z/D-Eop-D、Z/D-Eop-D-E-D等のシーケンスで行なうことができる。なお、シーケンス中の「/」は、「/」の前後の工程を洗浄なしで連続して行なうことを意味する。
また、上記したセルロース原料を高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式等の分散装置や、湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザー等で微細化したものをセルロース原料として使用することもできる。
(酸化セルロース)
酸化セルロースは、セルロース分子鎖の少なくとも一部が、グルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的に酸化されたカルボキシ基を有する構成単位で構成されることが好ましい。
ここで、グルコピラノース単位とは、下記式(0)で表される構成単位をいう。
酸化セルロースは、セルロース分子鎖の少なくとも一部が、グルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的に酸化されたカルボキシ基を有する構成単位で構成されることが好ましい。
ここで、グルコピラノース単位とは、下記式(0)で表される構成単位をいう。
酸化セルロースのカルボキシ基量は、酸化セルロースの絶乾質量に対して、0.6~2.0mmol/gが好ましく、1.0~2.0mmol/gがより好ましく、1.4~1.6mmol/gがさらに好ましい。カルボキシ基量が0.6mmol/g以下であると、ゴム成分に配合した際に分散不良となりやすい。また、2.0mmol/g以上であると、所望の物性が得られない可能性がある。
カルボキシ基量は以下のようにして算出することができる。酸化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製する。調製したスラリーに0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5に調整する。次いで0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定する。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いてカルボキシ基量を算出することができる:
カルボキシ基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/酸化セルロース質量〔g〕
カルボキシ基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/酸化セルロース質量〔g〕
酸化セルロースは、酸化剤を用いてセルロース原料を酸化して調製し得る。酸化反応は、N-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物又はこれらの混合物と、の存在下で酸化剤を用いて行うことが好ましい。このような酸化方法によりセルロース原料を酸化すると、セルロース分子鎖を構成するグルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的に酸化されて、カルボキシ基を有する構成単位を得ることができる。
一般式(1)中、M1として表されるカチオン塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、ホスホニウム塩、イミダゾリニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。
天然のセルロースは、直鎖上のセルロース分子鎖が水素結合により多数収束したミクロフィブリル構造を有している。N-オキシル化合物を用いてセルロース原料を酸化すると、上記の通り、セルロース分子鎖を構成するグルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的にアルデヒド基を経てカルボキシ基に酸化される。そのため、ミクロフィブリル構造の表面に高密度でカルボキシ基が導入される。
N-オキシル化合物は、ニトロキシラジカルを発生し得る化合物である。N-オキシル化合物としては、目的の酸化反応を行う化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。N-オキシル化合物としては、例えば、下記一般式(2)~(5)、(7)で表される化合物や下記式(6)で表される化合物が挙げられる。
一般式(2)中、R1~R4で表される炭素原子数1~4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(3)~(5)中、R6で表される炭素原子数1~4の直鎖状又は分岐状の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基が挙げられる。中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(7)中、R7~R8で表される炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基が挙げられる。中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(3)~(5)中、R6で表される炭素原子数1~4の直鎖状又は分岐状の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基が挙げられる。中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(7)中、R7~R8で表される炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基が挙げられる。中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジン-N-オキシラジカル(以下、「TEMPO」ともいう)、又は4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジン-N-オキシラジカル(以下、「4-ヒドロキシTEMPO」ともいう)が挙げられる。
N-オキシル化合物は、TEMPO又は4-ヒドロキシTEMPOの誘導体であってもよい。4-ヒドロキシTEMPOの誘導体としては、例えば、一般式(3)で表される化合物、即ち、4-ヒドロキシTEMPOの水酸基を、炭素原子数4以下の直鎖状又は分岐状の炭化水素基を有するアルコールでエーテル化して得られる誘導体や、一般式(4)又は(5)で表される化合物、即ち、カルボン酸又はスルホン酸でエステル化して得られる誘導体が挙げられる。
4-ヒドロキシTEMPOをエーテル化する際には、炭素原子数が4以下のアルコールを用いれば、アルコール中の飽和、不飽和結合の有無に関わらず、得られる誘導体が水溶性となり、酸化触媒として良好に機能する。
N-オキシル化合物は、TEMPO又は4-ヒドロキシTEMPOの誘導体であってもよい。4-ヒドロキシTEMPOの誘導体としては、例えば、一般式(3)で表される化合物、即ち、4-ヒドロキシTEMPOの水酸基を、炭素原子数4以下の直鎖状又は分岐状の炭化水素基を有するアルコールでエーテル化して得られる誘導体や、一般式(4)又は(5)で表される化合物、即ち、カルボン酸又はスルホン酸でエステル化して得られる誘導体が挙げられる。
4-ヒドロキシTEMPOをエーテル化する際には、炭素原子数が4以下のアルコールを用いれば、アルコール中の飽和、不飽和結合の有無に関わらず、得られる誘導体が水溶性となり、酸化触媒として良好に機能する。
N-オキシル化合物は、式(6)で表される化合物、即ち、4-アミノTEMPOのアミノ基がアセチル化された化合物であると、適度な疎水性が付与され、安価であり、均一な酸化セルロースを得ることができるので好ましい。また、N-オキシル化合物は、一般式(7)で表される化合物、即ち、アザアダマンタン型ニトロキシラジカルであると、短時間で、均一な酸化セルロースを得ることができるので好ましい。
N-オキシル化合物の使用量は、セルロース原料を酸化できる触媒量であれば特に限定されない。例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.01~10mmolが好ましく、0.01~1mmolがより好ましく、0.01~0.5mmolがさらに好ましい。
セルロース原料の酸化の際に用いられる臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。
臭化物又はヨウ化物の使用量は、目的の酸化反応を促進できる範囲で調整し得る。臭化物及びヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.1~100mmolが好ましく、0.1~10mmolがより好ましく、0.5~5mmolがさらに好ましい。
臭化物又はヨウ化物の使用量は、目的の酸化反応を促進できる範囲で調整し得る。臭化物及びヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.1~100mmolが好ましく、0.1~10mmolがより好ましく、0.5~5mmolがさらに好ましい。
酸化剤としては、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸又はそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物等の公知の酸化剤を使用することができる。中でも、安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
酸化剤の使用量は、酸化反応を行う量であればよく、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.5~500mmolが好ましく、0.5~50mmolがより好ましく、2.5~25mmolがさらに好ましい。
酸化剤の使用量は、酸化反応を行う量であればよく、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.5~500mmolが好ましく、0.5~50mmolがより好ましく、2.5~25mmolがさらに好ましい。
セルロース原料の酸化反応は、比較的温和な条件であっても反応が効率よく進行する。そのため、反応温度は、15~30℃程度の室温であってもよい。但し、反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシ基が生成するため、反応液のpH値が低下する。そのため、酸化反応を効率よく進行させるために、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶液を適時反応系中に添加する。反応液のpH値は、通常、9~12程度に維持し、10~11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じ難いこと等から、水が好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常、0.5~6時間程度であり、0.5~4時間程度が好ましい。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段目の反応終了後に濾別して得られた酸化セルロースのカチオン塩を、再度、同一又は異なる反応条件で酸化することにより、1段目の反応で副生する塩による反応阻害を受けることなく、セルロース原料に効率よくカルボキシ基を導入することができる。
酸化反応で得られる酸化セルロースにおいて、セルロース原料に導入したカルボキシ基は、通常、ナトリウム塩等のアルキル金属塩(即ち、カルボキシレート基)である。酸化セルロースのアルカリ金属塩を、ホスホニウム塩、イミダゾリニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の他のカチオン塩に置換してもよい。置換は、公知の方法で行うことができる。
酸化方法の他の例として、オゾンを含む気体とセルロース原料を接触させることにより酸化する方法が挙げられる。この酸化反応によれば、グルコピラノース環の少なくとも2位及び6位の水酸基を有する炭素原子が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。
オゾンを含む気体中のオゾン濃度は、50~250g/m3が好ましく、50~220g/m3がより好ましい。セルロース原料に対するオゾン添加量は、セルロース原料の固形分を100質量部とした際に、0.1~30質量部が好ましく、5~30質量部がより好ましい。オゾン処理温度は、0~50℃が好ましく、20~50℃がより好ましい。オゾン処理時間は、特に限定されないが、通常、1~360分程度であり、30~360分程度が好ましい。オゾン処理の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度に酸化及び分解されることを防ぐことができ、酸化セルロースの収率が良好となる。
オゾン処理を施した後に、酸化剤を用いて、追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤は、特に限定されないが、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物や、酸素、過酸化水素、過硫酸、過酢酸等が挙げられる。例えば、これらの酸化剤を水又はアルコール等の極性有機溶媒中に溶解して酸化剤溶液を調製し、溶液中にセルロース原料を浸漬させることにより追酸化処理を行うことができる。
酸化反応で得られた酸化セルロースは、副反応を避ける観点から、洗浄することが好ましい。洗浄方法は特に限定されず、公知の方法で行うことができる。
(カルボキシメチル化セルロース)
カルボキシメチル化セルロースの部分構造を、一般式(8)に示す。
(一般式(8)中、Rは、水素原子、アルカリ金属又は一般式(9)で表される基を示す。)
(一般式(9)中、M2は、水素原子又はアルカリ金属を示す。)
カルボキシメチル化セルロースの部分構造を、一般式(8)に示す。
一般式(8)中のR、一般式(9)中のM2として表されるアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムが挙げられる。中でも、ナトリウムが好ましい。
カルボキシメチル化セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、0.01~0.50であり、0.01~0.40が好ましく、0.05~0.35がより好ましい。グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01以下であると、ゴム成分に配合した際に分散不良となりやすい。一方、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.50以上であると、所望の物性が得られない可能性がある。
グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、下記の方法で算出し得る。カルボキシメチル化セルロース(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、塩型のカルボキシメチル化セルロース(以下、「塩型CM化セルロース」ともいう)を酸型のカルボキシメチル化セルロース(以下、「酸型CM化セルロース」ともいう)に変換する。酸型CM化セルロース(絶乾)を1.5~2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLで酸型CM化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定し、次式によってカルボキシメチル置換度(DS)を算出し得る:
A=[(100×F-(0.1NのH2SO4(mL))×F’)×0.1]/(酸型CM化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
A:酸型CM化セルロースを1g中和するのに要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのH2SO4のファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
A=[(100×F-(0.1NのH2SO4(mL))×F’)×0.1]/(酸型CM化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
A:酸型CM化セルロースを1g中和するのに要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのH2SO4のファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
カルボキシメチル化セルロースは、セルロース原料をマーセル化剤によりマーセル化処理した後、カルボキシメチル化剤と反応させて得ることができる。
マーセル化処理は、通常、セルロース原料、溶媒、及びマーセル化剤を混合することで行う。溶媒は、水及び低級アルコールの少なくともいずれかが好ましく、水がより好ましい。また、溶媒の使用量は、質量換算で、セルロース原料の3~20倍が好ましい。
低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第3級ブチルアルコールが挙げられる。低級アルコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた混合媒体として用いてもよい。溶媒が低級アルコールを含む場合、その混合割合は、60~95質量%が好ましい。
マーセル化剤としては、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムがより好ましい。また、マーセル化剤の使用量は、セルロース原料の無水グルコース残基当たり、モル換算で、0.5~20倍が好ましい。
マーセル化処理の反応温度は、通常、0~70℃であり、10~60℃が好ましい。また、マーセル化処理の反応時間は、通常、15分~8時間であり、30分~7時間が好ましい。マーセル化処理は、撹拌下で行ってもよい。
マーセル化処理の後、カルボキシメチル化剤を反応系に添加してセルロースにカルボキシメチル基を導入する。カルボキシメチル化剤としては、下記一般式(10)で表される化合物が好ましく、モノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムがより好ましい。また、カルボキシメチル化剤の添加量は、セルロース原料のグルコース残基当たり、モル換算で、0.05~10.0倍が好ましい。
(一般式(10)中、Xは、ハロゲン原子を示し、M3は、水素原子又はアルカリ金属を示す。)
一般式(10)中のXとして表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。中でも、塩素原子が好ましい。一般式(10)中のM3として表されるアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムが挙げられる。中でも、ナトリウムが好ましい。
カルボキシメチル化反応の反応温度は、通常、30~90℃であり、40~80℃が好ましい。反応時間は、通常、30分~10時間であり、1~4時間が好ましい。
(リン酸エステル化セルロース)
リン酸エステル化セルロースは、リン酸基を有する化合物でリン酸エステル化セルロースされたセルロースである。リン酸基を有する化合物としては、例えば、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸、これらのエステルや塩が挙げられる。これらの化合物は、低コストであり、扱い易い。
リン酸エステル化セルロースは、リン酸基を有する化合物でリン酸エステル化セルロースされたセルロースである。リン酸基を有する化合物としては、例えば、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸、これらのエステルや塩が挙げられる。これらの化合物は、低コストであり、扱い易い。
リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウムが挙げられる。中でも、リン酸エステル化の効率が高く、かつ工業的に適用し易いという理由で、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましく、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムがより好ましい。リン酸基を有する化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上の組み合わせて用いてもよい。
リン酸エステル化セルロースにおいて、リン酸エステル化セルロース1g(重量)あたりのリン酸基の導入量の下限は、0.1mmоl/g以上が好ましい。0.1mmоl/g未満であると、ゴム成分に配合した際に分散不良となりやすい。また、リン酸基の導入量の上限は、3.5mmоl/g以下が好ましい。3.5mmоl/g超であると、所望の物性が得られない可能性がある。リン酸エステル化セルロース1g(重量)あたりのリン酸基の導入量は、0.1~3.5mmolが好ましい。
リン酸エステル化反応は、例えば、セルロース原料に対し、リン酸基を有する化合物を反応させて行う。セルロース原料とリン酸基を有する化合物を反応させる方法としては、例えば、セルロース原料にリン酸基を有する化合物の粉末又は水溶液を混合する方法、セルロース原料のスラリーにリン酸基を有する化合物の水溶液を添加する方法が挙げられる。これらの中でも、反応の均一性が高まり、かつリン酸エステル化効率が高くなるという理由で、セルロース原料又はそのスラリーにリン酸基を有する化合物の水溶液を混合する方法が好ましい。リン酸基を有する化合物の水溶液のpHは、リン酸基の導入の効率を高める観点から、7以下が好ましく、加水分解を抑える観点から、3~7がより好ましい。
リン酸基を有する化合物の添加量の下限は、セルロース原料100質量部に対して、リン原子換算で、0.2質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。斯かる範囲であることにより、リン酸エステル化セルロースの収率を向上し得る。一方、その上限は、500質量部以下が好ましく、400質量部以下がより好ましい。斯かる範囲であることにより、リン酸基を有する化合物の添加量に見合った収率を効率よく得ることができる。
リン酸基を有する化合物の添加量は、0.2~500質量部が好ましく、1~400質量部がより好ましい。
リン酸基を有する化合物の添加量は、0.2~500質量部が好ましく、1~400質量部がより好ましい。
セルロース原料とリン酸基を有する化合物を反応させる際、さらに塩基性化合物を反応系に加えてもよい。塩基性化合物を反応系に加える方法としては、例えば、セルロース原料のスラリー、リン酸基を有する化合物の水溶液、又はセルロース原料とリン酸基を有する化合物のスラリーに、添加する方法が挙げられる。塩基性化合物は特に限定されないが、塩基性を示す窒素含有化合物が好ましい。「塩基性を示す」とは、通常、フェノールフタレイン指示薬の存在下で塩基性化合物の水溶液が桃~赤色を呈すること、または塩基性化合物の水溶液のpHが7より大きいことを意味する。
塩基性を示す窒素含有化合物は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。中でも、アミノ基を有する化合物が好ましい。例えば、尿素、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが挙げられる。これらの中でも、低コストで扱いやすいという理由で、尿素が好ましい。
塩基性化合物の添加量は、2~1000質量部が好ましく、100~700質量部がより好ましい。反応温度は、0~95℃が好ましく、30~90℃がより好ましい。反応時間は特に限定されないが、通常、1~600分程度であり、30~480分が好ましい。反応条件がこれらのいずれかの範囲内であると、セルロースに過度にリン酸基が導入されて溶解し易くなることを防ぐことができ、リン酸エステル化セルロースの収率を向上し得る。
セルロース原料にリン酸基を有する化合物を反応させた後、通常、懸濁液が得られる。懸濁液を必要に応じて脱水する。脱水後には加熱処理を行うことが好ましい。これにより、セルロース原料の加水分解を抑えることができる。加熱温度は、100~170℃が好ましく、加熱処理の際に水が含まれている間は130℃以下(更に好ましくは110℃以下)で加熱し、水を除いた後、100~170℃で加熱することがより好ましい。
リン酸エステル化セルロースは、煮沸後、冷水で洗浄する等の洗浄処理を施すことが好ましい。
(解繊)
アニオン変性セルロースは、解繊処理がなされていてもよい。これにより、繊維径、繊維長等のサイズを調整できる。解繊装置は特に限定されないが、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式等の装置を用いて、アニオン変性セルロース繊維の分散体に強力なせん断力を印加することが好ましい。効率よく解繊するには、アニオン変性セルロース繊維の分散体に、50MPa以上の圧力を印加でき、かつ強力なせん断力を印加できる、湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。圧力は、100MPa以上がより好ましく、140MPa以上がさらに好ましい。解繊装置での処理(パス)回数は、1回でもよいし2回以上でもよく、2回以上が好ましい。
アニオン変性セルロースは、解繊処理がなされていてもよい。これにより、繊維径、繊維長等のサイズを調整できる。解繊装置は特に限定されないが、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式等の装置を用いて、アニオン変性セルロース繊維の分散体に強力なせん断力を印加することが好ましい。効率よく解繊するには、アニオン変性セルロース繊維の分散体に、50MPa以上の圧力を印加でき、かつ強力なせん断力を印加できる、湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。圧力は、100MPa以上がより好ましく、140MPa以上がさらに好ましい。解繊装置での処理(パス)回数は、1回でもよいし2回以上でもよく、2回以上が好ましい。
(分散)
アニオン変性セルロースは、通常、溶媒に分散されている。これにより疎水化剤との混合、必要に応じて行う上記解繊処理が容易となる。溶媒は、アニオン変性セルロース繊維を分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等の親水性の有機溶媒)、それらの混合溶媒が挙げられる。アニオン変性セルロースは親水性であること、疎水化剤との混合が容易であることから、溶媒は、水が好ましい。
アニオン変性セルロースは、通常、溶媒に分散されている。これにより疎水化剤との混合、必要に応じて行う上記解繊処理が容易となる。溶媒は、アニオン変性セルロース繊維を分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等の親水性の有機溶媒)、それらの混合溶媒が挙げられる。アニオン変性セルロースは親水性であること、疎水化剤との混合が容易であることから、溶媒は、水が好ましい。
分散体中のアニオン変性セルロースの固形分濃度は、通常、0.1重量%以上であり、0.2重量%以上が好ましく、0.3重量%以上がより好ましい。これにより、アニオン変性セルロース繊維の量に対する液量が適量となり効率的である。上限は、通常、10重量%以下であり、6重量%以下が好ましい。これにより、流動性を保持することができる。
また、高圧ホモジナイザーでの解繊処理・分散処理に先立って、必要に応じて、アニオン変性セルロース繊維に予備処理を施すことも可能である。予備処理は、高速せん断ミキサーなどの混合、攪拌、乳化、分散装置を用いて行えばよい。
アニオン変性セルロース繊維は、製造後に得られる水分散体の状態であってもよく、必要に応じて後処理を経てもよい。後処理としては、例えば、乾燥(例、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、棚段式乾燥法、ドラム乾燥法、ベルト乾燥法、ガラス板等に薄く伸展し乾燥する方法、流動床乾燥法、マイクロウェーブ乾燥法、起熱ファン式減圧乾燥法)、水への再分散(分散装置は限定されない)、粉砕(例えば、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の機器を使用した粉砕)が挙げられるが、特に限定されない。
アニオン変性セルロースは、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
[疎水化剤]
本明細書において疎水化剤は、アニオン変性セルロース繊維を疎水化できる化合物を意味する。疎水化剤としては、例えば、下記の成分の少なくともいずれかが挙げられる:
疎水化剤(1):ポリエーテル骨格の末端に1級アミノ基を有するポリエーテルアミン
疎水化剤(2):炭素原子数3~50のアルケニル基を有するアミン化合物
疎水化剤(3):炭素原子数3~50のアルケニル基を有する第4級アンモニウム塩。
本明細書において疎水化剤は、アニオン変性セルロース繊維を疎水化できる化合物を意味する。疎水化剤としては、例えば、下記の成分の少なくともいずれかが挙げられる:
疎水化剤(1):ポリエーテル骨格の末端に1級アミノ基を有するポリエーテルアミン
疎水化剤(2):炭素原子数3~50のアルケニル基を有するアミン化合物
疎水化剤(3):炭素原子数3~50のアルケニル基を有する第4級アンモニウム塩。
(疎水化剤(1))
疎水化剤(1)としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドをポリエーテル骨格とし、片末端又は両末端に1級アミノ基を有するポリエーテルアミンが挙げられる。複数のアルキレンオキサイドを用いてポリエーテル骨格を構成する場合、ポリエーテル骨格は、ランダム状であってもよく、ブロック状であってもよい。このようなポリエーテルアミンとしては、下記一般式(11)~(15)で表される構造を有するポリエーテルアミンが挙げられる。
疎水化剤(1)としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドをポリエーテル骨格とし、片末端又は両末端に1級アミノ基を有するポリエーテルアミンが挙げられる。複数のアルキレンオキサイドを用いてポリエーテル骨格を構成する場合、ポリエーテル骨格は、ランダム状であってもよく、ブロック状であってもよい。このようなポリエーテルアミンとしては、下記一般式(11)~(15)で表される構造を有するポリエーテルアミンが挙げられる。
疎水化剤(1)の平均分子量は、ゴム組成物の所望の性質を発現する観点から、200~7,000が好ましく、220~6,000がより好ましい。平均分子量は、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの平均付加モル数とその末端構造の分子量から算出し得る。
疎水化剤(1)としては、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアミン(一般式(11)で表される構造を有するポリエーテルアミン)が好ましく、平均分子量が600~3000の一般式(11)で表される構造を有するポリエーテルアミンがより好ましい。
疎水化剤(1)は、公知の方法で調製し得る。例えば、プロピレングリコールアルキルエーテルにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを所望量付加させた後、水酸基末端をアミノ化すればよい。
疎水化剤(1)は、市販品を用いてもよい。このような市販品としては、HUNTSMAN社製のJEFFAMINE M Series(M-600、M-1000、M-2005、M-2070)、JEFFAMINE D Series(D-230、D-400、D-2000、D-4000)、JEFFAMINE ED Series(HK-511、ED-600、ED-900、ED-2003)、JEFFAMINE T Series(T-403、T-3000、T-5000)、JEFFAMINE XJT-436が挙げられる。なお、JEFFAMINEは、登録商標である。
(疎水化剤(2))
炭素原子数3~50(好ましくは3~45、より好ましくは3~40)の炭化水素基を有するアミン化合物としては、例えば、プロピルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、1-ヘキセニルアミン、1-ドデセニルアミン、オレイルアミン、9,12-オクタデカジエニルアミン(リノールアミン)、9,12,15-オクタデカトリエニルアミン、リノレイルアミンが挙げられる。炭素原子数3~50の炭化水素基を有するアミン化合物は、アルキル基又はアルケニル基を有するアミン化合物が好ましく、モノアルケニルアミンがより好ましく、オレイルアミンが更に好ましい。
炭素原子数3~50(好ましくは3~45、より好ましくは3~40)の炭化水素基を有するアミン化合物としては、例えば、プロピルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、1-ヘキセニルアミン、1-ドデセニルアミン、オレイルアミン、9,12-オクタデカジエニルアミン(リノールアミン)、9,12,15-オクタデカトリエニルアミン、リノレイルアミンが挙げられる。炭素原子数3~50の炭化水素基を有するアミン化合物は、アルキル基又はアルケニル基を有するアミン化合物が好ましく、モノアルケニルアミンがより好ましく、オレイルアミンが更に好ましい。
(疎水化剤(3))
炭素原子数3~50(好ましくは3~45、より好ましくは3~40)の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩としては、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、モノオレイルトリメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアルキレンオキシモノメチルジオレイルアンモニウムクロライド、ビス(ポリアルキレンオキシ)モノメチルモノオレイルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩が挙げられる。炭素原子数3~50の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩は、アルキル基又はアルケニル基を有する第4級アンモニウム塩が好ましく、ジアルケニルジアルキルアンモニウム塩がより好ましく、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドが更に好ましい。
炭素原子数3~50(好ましくは3~45、より好ましくは3~40)の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩としては、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、モノオレイルトリメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアルキレンオキシモノメチルジオレイルアンモニウムクロライド、ビス(ポリアルキレンオキシ)モノメチルモノオレイルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩が挙げられる。炭素原子数3~50の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩は、アルキル基又はアルケニル基を有する第4級アンモニウム塩が好ましく、ジアルケニルジアルキルアンモニウム塩がより好ましく、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドが更に好ましい。
疎水化剤(1)、(2)、(3)のアニオン変性セルロースへの修飾比率((1)/(2)、及び(1)/(3))は、75/25~25/75が好ましく、70/30~30/70がより好ましく、65/35~35/65がさらに好ましい。これらの範囲であることにより、ゴム組成物中のセルロースの分散不良の発生が抑制され、強度がバランスよく優れるゴム組成物を製造できる。
ゴム用添加組成物中、アニオン変性セルロースに対する疎水化剤の質量比(疎水化剤の合計/アニオン変性セルロースの合計)は、0.5~3.5が好ましく、1.0~3.0がより好ましく、1.5~2.5がさらに好ましい。これらの範囲であることにより、ゴム組成物中のセルロースの分散不良の発生が抑制され、強度がバランスよく優れるゴム組成物を製造できる。
[他の成分(分散剤など)]
第1の混合工程においては、アニオン変性セルロースと疎水化剤を少なくとも混合すればよく、他の成分をさらに混合してもよい。他の成分は特に限定されないが、分散剤が好ましい。但し、分散剤には、アニオン変性セルロース及び疎水化剤に該当するものは含まれない。
第1の混合工程においては、アニオン変性セルロースと疎水化剤を少なくとも混合すればよく、他の成分をさらに混合してもよい。他の成分は特に限定されないが、分散剤が好ましい。但し、分散剤には、アニオン変性セルロース及び疎水化剤に該当するものは含まれない。
分散剤は、水系及び溶剤系分散剤のいずれでもよいが、水系分散剤が好ましい。分散剤は、ポリアルキレングリコール又はその誘導体が好ましく、ポリアルキレングリコールの誘導体がより好ましいが、これらに限定されない。
分散剤としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、
フィラノール(登録商標)PA-075F、同PA-085C、同PA-107P、エスリーム(登録商標)AD-3172M、同AD-374M、同AD-508E(以上、日油社製);
Solsperse(登録商標)9000、同11200、同13240、同13940、同16000、同17000、同18000、同20000、同24000SC、同24000GR、同26000、同28000、同31845、同32000、同32500、同32550、同32600、同33000、同34750、同35100、同35200、同37500、同38500、同39000、同53095、同56000、同71000、同76500、同D510、同D530、同L300、同K200、同K210、同K500、同R700(以上、ルーブリゾール社製);
フローレンDOPA-15B、同DOPA-15BHFS、同DOPA-17HF、同DOPA-22、同DOPA-35、同G-600、同G-820、同NC-500、同KDG-2400(以上、共栄社製);
ヒノアクトKF-1300M、ヒノアクトKF-1500、ヒノアクトKF-1700、ヒノアクトT-6000、ヒノアクトT-8000、ヒノアクトT-8000E、ヒノアクトT-9100、ヒノアクトA-110、ヒノアクトNB(以上、川研ファインケミカル社製);
TEGO(登録商標)Dispers650、同Dispers685、同700、同710、同760W(以上、Evonik社製);
アジスパーPB821、同PB822、同PB824、同PB881(以上、味の素ファインテクノ社製);
DISPERBYK-106、同108、同140、同142、同145、同161、同162、同163、同164、同167、同168、同180、同182、同184、同185、同187、同191、同2000、同2001、同2008、同2009、同2010、同2012、同2013、同2022、同2025、同2026、同2050、同2055、同2061、同2150、同2155、同2163、同2164、BYK-9076、同9077、ANTI-TERRA-U/U100、ANTI-TERRA-204、同250(以上、ビックケミー社製);
シャロール(登録商標)DC902P、シャロールDC303P(以上、第一工業製薬社製);
テクスノール(登録商標)IL55、同L7、同CP-81(以上、日本乳化剤社製)が挙げられる。
フィラノール(登録商標)PA-075F、同PA-085C、同PA-107P、エスリーム(登録商標)AD-3172M、同AD-374M、同AD-508E(以上、日油社製);
Solsperse(登録商標)9000、同11200、同13240、同13940、同16000、同17000、同18000、同20000、同24000SC、同24000GR、同26000、同28000、同31845、同32000、同32500、同32550、同32600、同33000、同34750、同35100、同35200、同37500、同38500、同39000、同53095、同56000、同71000、同76500、同D510、同D530、同L300、同K200、同K210、同K500、同R700(以上、ルーブリゾール社製);
フローレンDOPA-15B、同DOPA-15BHFS、同DOPA-17HF、同DOPA-22、同DOPA-35、同G-600、同G-820、同NC-500、同KDG-2400(以上、共栄社製);
ヒノアクトKF-1300M、ヒノアクトKF-1500、ヒノアクトKF-1700、ヒノアクトT-6000、ヒノアクトT-8000、ヒノアクトT-8000E、ヒノアクトT-9100、ヒノアクトA-110、ヒノアクトNB(以上、川研ファインケミカル社製);
TEGO(登録商標)Dispers650、同Dispers685、同700、同710、同760W(以上、Evonik社製);
アジスパーPB821、同PB822、同PB824、同PB881(以上、味の素ファインテクノ社製);
DISPERBYK-106、同108、同140、同142、同145、同161、同162、同163、同164、同167、同168、同180、同182、同184、同185、同187、同191、同2000、同2001、同2008、同2009、同2010、同2012、同2013、同2022、同2025、同2026、同2050、同2055、同2061、同2150、同2155、同2163、同2164、BYK-9076、同9077、ANTI-TERRA-U/U100、ANTI-TERRA-204、同250(以上、ビックケミー社製);
シャロール(登録商標)DC902P、シャロールDC303P(以上、第一工業製薬社製);
テクスノール(登録商標)IL55、同L7、同CP-81(以上、日本乳化剤社製)が挙げられる。
分散剤は、上記以外の分散剤を含んでいてもよい。例えば、カチオン性、両性、アニオン性、非イオン性界面活性剤が挙げられる。
組成物中、アニオン変性セルロースに対する分散剤の質量比(分散剤の合計/アニオン変性セルロースの合計)は、0.1~10が好ましく、0.2~5がより好ましく、0.3~1がさらに好ましい。これらの範囲であることにより、ゴム組成物中のセルロースの分散不良の発生が抑制され、強度がバランスよく優れるゴム組成物を製造できる。
[混合]
第1の混合工程における混合は、アニオン変性セルロースの調製時に残存する水等の溶媒の存在下で行えばよく、必要に応じて撹拌してもよい。各成分は一括添加してもよく、逐次添加してもよい。
第1の混合工程における混合は、アニオン変性セルロースの調製時に残存する水等の溶媒の存在下で行えばよく、必要に応じて撹拌してもよい。各成分は一括添加してもよく、逐次添加してもよい。
[乾燥]
第1の混合工程においては、混合後さらに乾燥することが好ましい。乾燥は、乾燥物の水分量が、好ましくは50質量%以下、より好ましくは5~20質量%となるように行う。乾燥物の水分量は、定温乾燥機を用いて測定し得る。乾燥方法は特に限定されるものではなく、例えば、スプレードライ、圧搾、風乾、熱風乾燥、又は真空乾燥が挙げられる。乾燥装置としては、例えば、オーブン、連続式のトンネル乾燥装置、バンド乾燥装置、縦型乾燥装置、垂直ターボ乾燥装置、多重段円板乾燥装置、通気乾燥装置、回転乾燥装置、気流乾燥装置、スプレードライヤ乾燥装置、噴霧乾燥装置、円筒乾燥装置、ドラム乾燥装置、スクリューコンベア乾燥装置、加熱管付回転乾燥装置、振動輸送乾燥装置、回分式の乾燥装置(例えば、箱型乾燥装置、通気乾燥装置、真空箱型乾燥装置、又は撹拌乾燥装置)が挙げられる。これらの乾燥装置は、単独で用いてもよいし、2つ以上を組合せて用いてもよい。
第1の混合工程においては、混合後さらに乾燥することが好ましい。乾燥は、乾燥物の水分量が、好ましくは50質量%以下、より好ましくは5~20質量%となるように行う。乾燥物の水分量は、定温乾燥機を用いて測定し得る。乾燥方法は特に限定されるものではなく、例えば、スプレードライ、圧搾、風乾、熱風乾燥、又は真空乾燥が挙げられる。乾燥装置としては、例えば、オーブン、連続式のトンネル乾燥装置、バンド乾燥装置、縦型乾燥装置、垂直ターボ乾燥装置、多重段円板乾燥装置、通気乾燥装置、回転乾燥装置、気流乾燥装置、スプレードライヤ乾燥装置、噴霧乾燥装置、円筒乾燥装置、ドラム乾燥装置、スクリューコンベア乾燥装置、加熱管付回転乾燥装置、振動輸送乾燥装置、回分式の乾燥装置(例えば、箱型乾燥装置、通気乾燥装置、真空箱型乾燥装置、又は撹拌乾燥装置)が挙げられる。これらの乾燥装置は、単独で用いてもよいし、2つ以上を組合せて用いてもよい。
[粉砕]
第1の混合工程においては、乾燥後さらに粉砕することが好ましい。粉砕は、粉砕後の乾燥物のかさ密度が、好ましくは0.1~1g/cm3、より好ましくは0.1~0.8g/cm3、さらに好ましくは0.3~0.7g/cm3となるように行う。粉砕物のかさ密度は、メスシリンダーを用いて測定し得る。
第1の混合工程においては、乾燥後さらに粉砕することが好ましい。粉砕は、粉砕後の乾燥物のかさ密度が、好ましくは0.1~1g/cm3、より好ましくは0.1~0.8g/cm3、さらに好ましくは0.3~0.7g/cm3となるように行う。粉砕物のかさ密度は、メスシリンダーを用いて測定し得る。
乾燥物の粉砕は、公知の粉砕機を用いて行い得る。公知の粉砕機としては、例えば、カッティング式ミル:イージーカットミル(カリタ製)、メッシュミル(ホーライ製)、アトムズ(山本百馬製作所製)、ナイフミル(パルマン社製)、カッターミル(東京アトマイザー製造社製)、CSカッタ(三井鉱山社製)、ロータリーカッターミル(奈良機械製作所製)、パルプ粗砕機(瑞光製)、シュレッダー(神鋼パンテック社製)等、ハンマー式ミル:ジョークラッシャー(マキノ製)、ハンマークラッシャー(槇野産業社製)、衝撃式ミル:パルベライザ(ホソカワミクロン社製)、ファインインパクトミル(ホソカワミクロン社製)、スーパーミクロンミル(ホソカワミクロン社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社製)、CUM型遠心ミル(三井鉱山社製)、イクシードミル(槇野産業社製)、ウルトラプレックス(槇野産業社製)、コントラプレックス(槇野産業社製)、コロプレックス(槇野産業社製)、サンプルミル(セイシン製)、バンタムミル(セイシン製)、アトマイザー(セイシン製)、トルネードミル(日機装社製)、ネアミル(ダルトン製)、HT形微粉砕機(ホーライ製)、自由粉砕機(奈良機械製作所製)、ニューコスモマイザー(奈良機械製作所製)、ギャザーミル(西村機械製作所製)、スパーパウダーミル(西村機械製作所製)、ブレードミル(日清エンジニアリング社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、Npaクラッシャー(三庄インダストリー社製)、ウイレー粉砕機(三喜製作所製)、パルプ粉砕機(瑞光製)、ヤコブソン微粉砕機(神鋼パンテック社製)、ユニバーサルミル(徳寿工作所製)、気流式ミル:CGS型ジェットミル(三井鉱山社製)、ミクロンジェット(ホソカワミクロン社製)、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン社製)、クロスジェットミル(栗本鐵工所製)、超音速ジェットミル(日本ニューマチック工業社製)、カレントジェット(日清エンジニアリング社製)、ジェットミル(三庄インダストリー社製)、エバラジェットマイクロナイザ(荏原製作所製)、エバラトリアードジェット(荏原製作所製)、セレンミラー(増幸産業社製)、ニューミクロシクトマット(増野製作所製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、竪型ローラーミル:竪型ローラーミル(シニオン社製)、縦型ローラーミル(シェフラージャパン社製)、ローラーミル(コトブキ技研工業社製)、VXミル(栗本鐵工所)、KVM型竪形ミル(アーステクニカ)、ISミル(IHIプラントエンジニアリング)、ターボミル(フロイント産業社製)が挙げられる。
第1の混合工程の結果、混合物1が得られる。混合物1は、アニオン変性セルロース、疎水化剤、並びに必要に応じて分散剤を含む原料を混合して得られる混合物でもよいし、その乾燥物でもよいし、粉砕物でもよい。混合物1は、通常、疎水化アニオン変性セルロース成分を含むと推測される。これにより、ゴム組成物中でのアニオン変性セルロースの解繊を促進でき、ゴム組成物におけるアニオン変性セルロースによる補強効果を向上させることができる。疎水化アニオン変性セルロースの構造は、セルロース繊維の表面の一部のカルボキシ基にアミン化合物が結合し、その表面の残りのカルボキシ基と水酸基に、4級アンモニウム塩が水素結合または分子間力、もしくはその両方により吸着した状態であると推測される。
[2.第2の混合工程]
第2の混合工程では、前記混合物1及び熱可塑性樹脂を少なくとも混合し、混合物2を得る。
第2の混合工程では、前記混合物1及び熱可塑性樹脂を少なくとも混合し、混合物2を得る。
[熱可塑性樹脂]
本明細書において、熱可塑性樹脂とは、熱可塑性を示す、すなわち融点又はガラス転移点に達すると軟化する樹脂を意味する。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、これらの変性樹脂が挙げられ、ポリオレフィン又はその変性樹脂が好ましく、変性ポリオレフィンがより好ましい。
本明細書において、熱可塑性樹脂とは、熱可塑性を示す、すなわち融点又はガラス転移点に達すると軟化する樹脂を意味する。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、これらの変性樹脂が挙げられ、ポリオレフィン又はその変性樹脂が好ましく、変性ポリオレフィンがより好ましい。
熱可塑性樹脂の示差走査型熱量計(DSC)による融点(Tm)は、通常は50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは100℃以上である。上限は特にないが通常は180℃以下、好ましくは150℃以下である。本明細書においてDSCによるTmの測定は、以下の通り行うことができる。DSC測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社)を用い、約10mgの試料を200℃で5分間融解する。-60℃まで10℃/minの速度で降温して結晶化する。その後、10℃/minで200℃まで昇温し、融解した時の融解ピーク温度を測定する。融解ピーク温度をTmとする。
[変性ポリオレフィン]
組成物が変性ポリオレフィンを含有することにより、ゴム組成物の強度をバランスよく向上させることができる。
組成物が変性ポリオレフィンを含有することにより、ゴム組成物の強度をバランスよく向上させることができる。
本明細書において変性ポリオレフィンは、極性付与剤によりポリオレフィンが変性されて得られる樹脂である。原料であるポリオレフィンとしては、特に制限はないが、例えば、重合触媒としてチーグラー・ナッタ触媒或いはメタロセン触媒を用いて、エチレン又はα-オレフィンを共重合して得られるポリオレフィンが挙げられる。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体が例示される。ポリオレフィンは、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの配合比は特に限定されない。
ポリオレフィンとしては、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィンが好ましい。重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィンは、分子量分布が狭い、ランダム共重合性に優れ組成分布が狭い、共重合し得るコモノマーの範囲が広いといった特徴を有する。メタロセン触媒としては、公知のものを使用し得る。
ポリオレフィンは、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体及びポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、プロピレン-ブテン共重合体を含むことがより好ましい。また、ポリオレフィンは、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られる、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体及びポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるプロピレン-ブテン共重合体を含むことがより好ましく、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるプロピレン-ブテン共重合体を50重量%以上含有することがさらに好ましい。
ポリプロピレンとは、基本単位がプロピレンである重合体を表す。エチレン-プロピレン共重合体とは、基本単位がエチレン及びプロピレンである共重合体を表す。プロピレン-ブテン共重合体とは、基本単位がプロピレン及びブテンである共重合体を表す。ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びプロピレン-ブテン共重合体は、それぞれの基本単位以外のオレフィン成分を少量含有していてもよい。このようなオレフィン成分は、例えば、変性ポリオレフィンの製造までの工程で混入することがある。ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びプロピレン-ブテン共重合体における上記オレフィン成分の含有量は、樹脂本来の性能を著しく損なわない量であればよい。
ポリオレフィンの成分組成は、特に限定されるものではないが、全ポリオレフィン中のプロピレン成分は、60モル%以上が好ましい。
エチレン-プロピレン共重合体及びプロピレン-ブテン共重合体は、プロピレン系ランダム共重合体と総称することがある。プロピレン系ランダム共重合体中のエチレン成分又はブテン成分とプロピレン成分とのモル比率は、好ましくは、エチレン成分又はブテン成分:プロピレン成分=5~50:95~50である。
ポリオレフィンの分子量は、特に限定されない。しかしながら、変性ポリオレフィンの重量平均分子量は、30,000~200,000が好ましく、50,000~150,000がより好ましい。このため、ポリオレフィンの重量平均分子量が200,000超の場合は、得られる変性ポリオレフィンの重量平均分子量が上述の範囲となるように、熱やラジカルの存在下で減成して、分子量を適当な範囲、例えば200,000以下となるように調整することが好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準物質:ポリスチレン)によって測定された値である。
ポリオレフィンを、極性付与剤により変性することにより、変性ポリオレフィンが得られる。
極性付与剤は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘導体、及び不飽和カルボン酸の無水物、からなる群から選ばれる1種以上を含む。不飽和カルボン酸とは、カルボキシ基を有する不飽和化合物を意味する。不飽和カルボン酸の誘導体とは、前記不飽和化合物のモノ又はジエステル、アミド、イミド等を意味する。不飽和カルボン酸の無水物とは、前記不飽和化合物の無水物を意味する。
不飽和カルボン酸化合物、不飽和カルボン酸の誘導体及び不飽和カルボン酸の無水物としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、アコニット酸、ナジック酸及びこれらの誘導体及び無水物;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイミド、N-フェニルマレイミドが挙げられる。
変性ポリオレフィンを得る際には、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種の化合物を単独で、または2種以上の化合物を組み合わせて、使用することができる。後者の場合、それぞれの化合物の配合比は特に限定されない。
不飽和カルボン酸、その無水物及びその誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物は、不飽和ジカルボン酸を含むことが好ましく、不飽和ジカルボン酸がより好ましい。また、無水イタコン酸、無水マレイン酸及びマレイン酸からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましく、無水イタコン酸、無水マレイン酸及びマレイン酸からなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましく、無水マレイン酸がさらに好ましい。
変性ポリオレフィンにおける、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体の導入量(以下、「グラフト重量」ともいう)は、0.50重量%以上が好ましく、1.0重量%以上がより好ましい。0.50重量%以上であることにより、アニオン変性セルロースとの相溶性が良好となる。前記グラフト重量の上限は、20.0重量%以下が好ましく、10.0重量%以下がより好ましい。20.0重量%以下であることにより、ゴム成分との相溶性に悪影響を及ぼさない。上記グラフト重量は、0.50~20.0重量%が好ましく、1.0~10.0重量%がより好ましい。グラフト重量は、アルカリ滴定法により求めることができる。
変性ポリオレフィン製造の際、ポリオレフィンにグラフト重合しない不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及びその誘導体、すなわち未反応物は、例えば貧溶媒で抽出する方法などにより、変性ポリオレフィン製造の過程で除去してもよい。
極性付与剤は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及びその誘導体以外の他の化合物を含んでもよい。他の化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとは、分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個含む化合物である。本明細書中「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を意味する。(メタ)アクリル酸エステルは、下記一般式(16)で表される化合物であることが好ましい。
CH2=CR20COOR21 ・・・(16)
CH2=CR20COOR21 ・・・(16)
一般式(16)中、R20は、水素原子又はメチル基を表し、メチル基が好ましい。R21はCnH2n+1を表す。ここで、nは、1~18の整数を表し、1~15の整数が好ましく、1~13の整数がより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、1-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリンが挙げられる。この中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートが好ましく、これらのメタアクリレートがより好ましく、メチルメタアクリレート、n-ブチルメタアクリレート、トリデシルメタアクリレートがさらに好ましい。
変性ポリオレフィンにおける、(メタ)アクリル酸エステルの導入量(以下、「グラフト重量」ともいう)は、0.1重量%以上が好ましく、0.4重量%以上がより好ましい。これにより、他成分との相溶性が良好となり得る。上限は、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。これにより、グラフト未反応物の発生を抑制できる。上記グラフト重量は、アルカリ滴定法又は1H-NMRにより求めることができる。
(メタ)アクリル酸エステルは、1種であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの化合物の配合比は特に限定されない。
ポリオレフィンから変性ポリオレフィンを得る方法は特に限定されず、公知の方法で行うことが可能である。以下、変性の際に用いる、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、必要に応じて用いられる(メタ)アクリル酸エステル等を、「変性剤」と総称して説明する。
変性ポリオレフィンを得る方法としては例えば、変性剤をトルエン等の溶剤に加熱溶解し、ラジカル発生剤を添加する溶液法;変性剤及びラジカル発生剤を、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の機器に添加し混練する溶融混練法等が挙げられる。2種以上の変性剤を用いる場合、これらを一括添加しても、個々の変性剤を逐次添加してもよい。また、2種以上の変性剤を用いる場合、それぞれの変性剤の配合比は特に限定されない。
変性ポリオレフィンは、各変性剤がポリオレフィンに導入されていればよく、該変性剤がポリオレフィンにグラフト重合により導入されていることが好ましい。2種以上の変性剤を用いる場合、いずれの変性剤をポリオレフィンへ先にグラフト重合させるかの順序は、特に限定されない。
グラフト重合反応の際には、ラジカル発生剤を用いてもよい。ラジカル発生剤は、公知のものの中より適宜選択することができ、有機過酸化物系化合物が好ましい。ラジカル発生剤としては、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-シクロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエートが挙げられる。このうち、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイドが好ましい。
ラジカル発生剤のポリオレフィンに対する添加量は、使用する変性剤の合計重量に対し、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましい。1重量%以上であることにより、グラフト率を保つことができる。添加量の上限は、100重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましい。100重量%以下とすることにより経済的である。
熱可塑性樹脂は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの樹脂の配合比は特に限定されない。
アニオン変性セルロースに対する熱可塑性樹脂の質量比(熱可塑性樹脂の合計/アニオン変性セルロースの合計)は、0.1~5が好ましく、0.2~4がより好ましく、0.3~3がさらに好ましい。5超であると、ゴムらしさが失われる場合がある。0.1未満であると、ゴム組成物の補強に寄与しない場合がある。
[混合]
第2の混合工程では、混合物1に熱可塑性樹脂を少なくとも混合すればよい。熱可塑性樹脂以外の他の成分をさらに混合してもよい。他の成分としては例えば保存剤が挙げられる。第2の混合工程の結果、いわゆるマスターバッチとしての混合物2が得られる。
第2の混合工程では、混合物1に熱可塑性樹脂を少なくとも混合すればよい。熱可塑性樹脂以外の他の成分をさらに混合してもよい。他の成分としては例えば保存剤が挙げられる。第2の混合工程の結果、いわゆるマスターバッチとしての混合物2が得られる。
[3.洗浄工程]
洗浄工程では、混合物2を洗浄し、洗浄混合物3を得る。混合物2においては疎水化剤と熱可塑性樹脂の間にイオン結合が形成される。洗浄処理によりイオン結合を十分に解離させることができるので、ゴム組成物の物性を調整でき、損失正接の上昇抑制、弾性率の温度変化の低減、引張特性の中間応力の向上が実現できる。
洗浄工程では、混合物2を洗浄し、洗浄混合物3を得る。混合物2においては疎水化剤と熱可塑性樹脂の間にイオン結合が形成される。洗浄処理によりイオン結合を十分に解離させることができるので、ゴム組成物の物性を調整でき、損失正接の上昇抑制、弾性率の温度変化の低減、引張特性の中間応力の向上が実現できる。
[溶媒]
洗浄には、通常、溶媒を用いる。溶媒としては、例えば、水、親水性有機溶媒、及び、水と親水性有機溶媒の混合溶媒が挙げられ、水、又は水と親水性有機溶媒の混合溶媒が好ましく、水がより好ましい。強アルカリ成分を含む水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が挙げられる。本明細書において、親水性有機溶媒は、水と親和性のある有機溶媒を意味する。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、i-プロピルアルコール等のアルコール類やアセトンが挙げられる。
洗浄には、通常、溶媒を用いる。溶媒としては、例えば、水、親水性有機溶媒、及び、水と親水性有機溶媒の混合溶媒が挙げられ、水、又は水と親水性有機溶媒の混合溶媒が好ましく、水がより好ましい。強アルカリ成分を含む水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が挙げられる。本明細書において、親水性有機溶媒は、水と親和性のある有機溶媒を意味する。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、i-プロピルアルコール等のアルコール類やアセトンが挙げられる。
溶媒は、金属塩又は酸を含むことが好ましい。
[金属塩]
金属塩としては、多価金属塩が好ましい。多価金属塩は、発生する金属イオンの価数が2価以上の金属を意味する。多価金属塩は、2価或いは3価の多価金属の塩が好ましく、カルシウムイオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、及びアルミニウムイオンからなる群から選択されるイオンを発生させることのできる多価金属の塩がより好ましく、カルシウムの塩、又はマグネシウムの塩がさらに好ましい。これにより、多価金属塩から遊離する金属イオンによりアニオン変性セルロースを架橋させてアニオン変性セルロースの歩留まりを向上させることができるので、疎水化剤を選択的に抽出できる。多価金属塩は、例えば、前記の多価金属の水酸化物、塩化物、アルコラート類;上記の多価金属と、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有機カルボン酸とから得られるアシレート類が挙げられる。多価金属塩は、多価金属の水酸化物(例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム8水和物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム)、前記多価金属の塩化物(例えば、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム)がより好ましい。
金属塩としては、多価金属塩が好ましい。多価金属塩は、発生する金属イオンの価数が2価以上の金属を意味する。多価金属塩は、2価或いは3価の多価金属の塩が好ましく、カルシウムイオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、及びアルミニウムイオンからなる群から選択されるイオンを発生させることのできる多価金属の塩がより好ましく、カルシウムの塩、又はマグネシウムの塩がさらに好ましい。これにより、多価金属塩から遊離する金属イオンによりアニオン変性セルロースを架橋させてアニオン変性セルロースの歩留まりを向上させることができるので、疎水化剤を選択的に抽出できる。多価金属塩は、例えば、前記の多価金属の水酸化物、塩化物、アルコラート類;上記の多価金属と、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有機カルボン酸とから得られるアシレート類が挙げられる。多価金属塩は、多価金属の水酸化物(例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム8水和物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム)、前記多価金属の塩化物(例えば、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム)がより好ましい。
金属塩は、多価金属塩以外の金属塩でもよい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属及びその水酸化物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属及び水酸化物が挙げられ、アルカリ金属及びその水酸化物が好ましく、アルカリ金属の水酸化物がより好ましく、水酸化カルシウム、水酸化カリウムがさらに好ましい。
溶媒が金属塩を含む場合、金属塩以外の他の成分をさらに含んでもよく、アルカリ成分を含むことが好ましい。これにより、アニオン変性セルロースが疎水化剤を解離しやすくなるので、疎水化剤をより効率的に抽出できる。他の成分としては、アルカリ成分、例えば、アンモニア;ヒドロキシアミン、エタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン化合物が挙げられる。
溶媒における金属塩の配合量は、アニオン変性セルロースのアニオン性基量に対して0.1~10当量が好ましく、0.5~5当量がより好ましく、1~3当量がさらに好ましい。溶媒がアルカリ成分を含む場合、その配合量は、アニオン変性セルロースのアニオン性基量に対して0.1~5当量が好ましく、0.3~3当量がより好ましく、0.5~2当量がさらに好ましい。溶媒が他の成分(例えば、アルカリ成分)を含む場合その配合量は、0.1~1.0当量が好ましく、0.2~0.9当量がより好ましく、0.3~0.8当量がさらに好ましい。
[酸]
本明細書において、酸を含む溶媒を酸性溶媒と言う。酸性溶媒のpHは、通常1~6である。酸性溶媒を用いて洗浄することにより、アニオン変性セルロースの抽出を抑制しつつ疎水化剤を酸との塩に変換してアニオン変性セルロースから遊離させ効率的に抽出できるので、得られるゴム組成物の破断伸び及び破断強度を向上させることができる。
本明細書において、酸を含む溶媒を酸性溶媒と言う。酸性溶媒のpHは、通常1~6である。酸性溶媒を用いて洗浄することにより、アニオン変性セルロースの抽出を抑制しつつ疎水化剤を酸との塩に変換してアニオン変性セルロースから遊離させ効率的に抽出できるので、得られるゴム組成物の破断伸び及び破断強度を向上させることができる。
酸性溶媒中の酸は、揮発性の酸が好ましい。これにより、酸処理後に混合物2から溶媒を容易に除去できる。酸としては、例えば、鉱酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸)、有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、酪酸、プロピオン酸、スルファミン酸、アクリル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、マレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸)が挙げられる。これらのうち、鉱酸が好ましく、塩酸がより好ましい。
[洗浄処理]
洗浄処理は、混合物2に溶媒を接触させる処理であればよく、例えば、混合物2を溶媒に浸漬させる処理が挙げられ、必要に応じて撹拌をしてもよい。処理時間は特に限定されないが、10分以上が好ましい。これにより、洗浄効果を十分得る(アニオン変性セルロースと疎水化剤の間のイオン結合を十分に解離できる)ことができるので、ゴム組成物の強度の低下を抑制できる。上限は、600分以下が好ましい。これにより、アニオン変性セルロースまで加水分解される事態を抑制できる。洗浄処理の温度条件は、常温程度(例えば、15~30℃程度)でよく、特に限定されない。
洗浄処理は、混合物2に溶媒を接触させる処理であればよく、例えば、混合物2を溶媒に浸漬させる処理が挙げられ、必要に応じて撹拌をしてもよい。処理時間は特に限定されないが、10分以上が好ましい。これにより、洗浄効果を十分得る(アニオン変性セルロースと疎水化剤の間のイオン結合を十分に解離できる)ことができるので、ゴム組成物の強度の低下を抑制できる。上限は、600分以下が好ましい。これにより、アニオン変性セルロースまで加水分解される事態を抑制できる。洗浄処理の温度条件は、常温程度(例えば、15~30℃程度)でよく、特に限定されない。
混合物2の100質量部に対する各溶媒の使用量は、100~2000質量部が好ましく、300~1500質量部がより好ましく、500~1000質量部がさらに好ましい。100質量部以上であることにより混合物2中に溶媒を浸透させることができ、洗浄を十分行なうことができる。2000質量部以下であることにより、溶媒中の電解質濃度の過度の低下によるアニオン変性セルロースのイオン化を抑制でき、洗浄効果を十分得ることができる。
[後処理]
洗浄工程においては、混合物2に溶媒を接触させた後、必要に応じて、乾燥処理を行うことが好ましい。これにより、洗浄混合物3を乾燥固形物として得ることができ、ドライブレンドにてゴム組成物の製造が可能となる。乾燥の温度は、通常30℃以上、好ましくは40℃以上であり、上限は通常60℃以下である。乾燥後の水分量は、通常50%以上、好ましくは80%以上であり、上限は通常100%以下である。乾燥方法としては、例えば、第1の混合工程で例示した乾燥装置を用いる方法が挙げられるが、特に限定されない。乾燥に先立ち、水洗を行ってもよい。これにより、疎水化剤をより適切に除去できる。水洗は、水(例えば、イオン交換水、蒸留水)を用いて行えばよい。回数は1回以上であればよく、好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上である。
洗浄工程においては、混合物2に溶媒を接触させた後、必要に応じて、乾燥処理を行うことが好ましい。これにより、洗浄混合物3を乾燥固形物として得ることができ、ドライブレンドにてゴム組成物の製造が可能となる。乾燥の温度は、通常30℃以上、好ましくは40℃以上であり、上限は通常60℃以下である。乾燥後の水分量は、通常50%以上、好ましくは80%以上であり、上限は通常100%以下である。乾燥方法としては、例えば、第1の混合工程で例示した乾燥装置を用いる方法が挙げられるが、特に限定されない。乾燥に先立ち、水洗を行ってもよい。これにより、疎水化剤をより適切に除去できる。水洗は、水(例えば、イオン交換水、蒸留水)を用いて行えばよい。回数は1回以上であればよく、好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上である。
[4.混練工程]
混練工程では、前記洗浄混合物3、架橋剤及びゴム成分を混練する。
[架橋剤]
架橋剤を添加することにより、アニオン変性セルロースと熱可塑性樹脂の置換基(例えばカルボキシ基)を架橋でき、熱安定化、及び、ゴム成分とゴム組成物中の他の成分(中でもアニオン変性セルロース)の親和性をさらに向上させることができる。
混練工程では、前記洗浄混合物3、架橋剤及びゴム成分を混練する。
[架橋剤]
架橋剤を添加することにより、アニオン変性セルロースと熱可塑性樹脂の置換基(例えばカルボキシ基)を架橋でき、熱安定化、及び、ゴム成分とゴム組成物中の他の成分(中でもアニオン変性セルロース)の親和性をさらに向上させることができる。
架橋剤は、アニオン変性セルロースと熱可塑性樹脂(例えば、変性ポリオレフィン)の置換基を架橋できるものが好ましく、カルボキシ基反応性架橋剤を少なくとも含むことがより好ましい。カルボキシ基反応性架橋剤としては、カルボキシ基と反応性を有する架橋剤であればよく、例えば、カルボジイミド化合物、多価金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、銅塩)が挙げられ、カルボジイミド化合物、カルシウム塩(例えば、水酸化カルシウム)が好ましい。本明細書においてカルボジイミド化合物とは、カルボジイミド基を含有する化合物を意味し、カルボジイミド基を2以上含有する化合物が好ましい。カルボジイミド化合物は、カルボジイミド基以外の架橋基(例えば、イソシアネート基、オキサゾリン基、アジリジン基、及びエポキシ基)を含んでもよい。カルボジイミド化合物の市販品としては、例えば、カルボジライトHMV-15CA、同LA-1、同V-05、同Elastostab H01、同V-03、同V-07、同V-09(以上、日清紡ケミカル社製)、カルボジスタ(登録商標)TCC-NP、同TCC-FP20M、同TCC-FP10M(以上、帝人社製)が挙げられる。
ゴム用添加用組成物中、アニオン変性セルロースに対する架橋剤の質量比は、0.01~1.0が好ましく、0.05~0.7がより好ましく、0.1~0.5がさらに好ましい。
[ゴム成分]
ゴム成分とは、ゴムの原料であり、架橋してゴムとなるものをいう。ゴム成分としては、天然ゴム用のゴム成分と合成ゴム用のゴム成分が存在する。
天然ゴム用のゴム成分としては、例えば、化学修飾を施さない狭義の天然ゴム(NR);塩素化天然ゴム、クロロスルホン化天然ゴム、エポキシ化天然ゴム等の化学修飾した天然ゴム;水素化天然ゴム;脱タンパク天然ゴムが挙げられる。
合成ゴム用のゴム成分としては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム、エチレン-プロピレンゴム(EPM、EPDM)、イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴム;ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(Q)、ウレタンゴム(U)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)等の非ジエン系ゴムが挙げられる。これらの中でも、ジエン系のゴムが好ましく、EPDMがより好ましい。ゴム成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
ゴム成分とは、ゴムの原料であり、架橋してゴムとなるものをいう。ゴム成分としては、天然ゴム用のゴム成分と合成ゴム用のゴム成分が存在する。
天然ゴム用のゴム成分としては、例えば、化学修飾を施さない狭義の天然ゴム(NR);塩素化天然ゴム、クロロスルホン化天然ゴム、エポキシ化天然ゴム等の化学修飾した天然ゴム;水素化天然ゴム;脱タンパク天然ゴムが挙げられる。
合成ゴム用のゴム成分としては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム、エチレン-プロピレンゴム(EPM、EPDM)、イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴム;ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(Q)、ウレタンゴム(U)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)等の非ジエン系ゴムが挙げられる。これらの中でも、ジエン系のゴムが好ましく、EPDMがより好ましい。ゴム成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
混練の際には、ゴム成分と組成物を少なくとも混練すればよく、他の成分をさらに混練してもよい。他の成分としては、例えば、補強剤(例えば、カーボンブラック、シリカ等)、シランカップリング剤、充填剤、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤(例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸)、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤、着色剤等の配合剤が挙げられる。これらの添加量は、配合剤の種類等に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。
ゴム組成物が未加硫ゴム組成物又は最終製品である場合、他の成分として、架橋剤及び加硫促進剤を含むことが好ましい。架橋剤としては、例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂が挙げられる。これらの中でも有機過酸化物(例えば、ジクミルパーオキサイド)、硫黄が好ましい。架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、1.7質量部以上がさらに好ましい。上限は、10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが挙げられる。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.4質量部以上がさらに好ましい。上限は、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
混練の際、上記組成物はゴム成分に対し一括添加してもよいし一部ずつ添加してもよい。必要に応じて用いられるゴム添加剤は、それぞれに適した時期に添加することができる。
混練の際、上記組成物はゴム成分に対し一括添加してもよいし一部ずつ添加してもよい。必要に応じて用いられるゴム添加剤は、それぞれに適した時期に添加することができる。
混練は、公知の方法により行えばよい。混練に用い得る機器としては、例えば、2本ロール、3本ロールなどの開放式混練機、噛合式バンバリーミキサー、接線式バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどの密閉式混練機が挙げられる。多段階の混練工程を経る工程も可能で、例えば、まず密閉式混練機による混練を行い、その後開放式混練機で再混練することができる。
混練温度は、常温程度(例えば、15~30℃程度)でよいが、ある程度高温に加熱してもよい。例えば、温度の上限は、通常200℃以下であり、180℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましい。温度の下限は、通常15℃以上であり、20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましい。混練温度は、15~200℃が好ましく、20~180℃がより好ましく、30~160℃がさらに好ましい。
混練終了後に、必要に応じて成形を行ってもよい。成形としては、例えば、金型成形、射出成形、押出成形、中空成形、発泡成形が挙げられ、最終製品の形状、用途、成形方法に応じて装置を適宜選択すればよい。
混練終了後、好ましくは成形後、さらに加熱することが好ましい。ゴム組成物が架橋剤を(好ましくは架橋剤と加硫促進剤を)含む場合、加熱により架橋(加硫)処理がなされる。また、ゴム組成物が架橋剤および加硫促進剤を含まない場合も、加熱前に添加しておけば同様の効果が得られる。加熱温度は、150℃以上が好ましく、上限は200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。従って、150~200℃程度が好ましく、150~180℃程度がより好ましい。加熱装置としては例えば、型加硫、缶加硫、連続加硫等の加硫装置が挙げられる。
混練物を最終製品とする前に、必要に応じ仕上げ処理を行ってもよい。仕上げ処理としては例えば、研磨、表面処理、リップ仕上げ、リップ裁断、塩素処理が挙げられ、これらの処理のうち1つのみを行ってもよいし2つ以上の組み合わせであってもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。また、部は、特に断りがない限り重量部を表す。
[破断強度(MPa)]:JIS K6251(2017)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に従い、測定した。
[破断伸び(%)]:JIS K6251(2017)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に従い、測定した。
[50又は100%ひずみ時における応力(MPa)]:JIS K 6251(2017)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に従い、測定した。
[弾性率(MPa)]:JIS K7244「プラスチック-動的機械特性の試験方法」に従い、サンプルを所定の試験片に切り出し、動的粘弾性測定装置(型式:DMA7100、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、窒素雰囲気下において温度を-100℃~+250℃まで変化させながら、貯蔵弾性率(E’)を測定した。
[損失係数(tanδ)]:JIS K7244「プラスチック-動的機械特性の試験方法」に従い、サンプルを所定の試験片に切り出し、動的粘弾性測定装置(型式:DMA7100、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、窒素雰囲気下において温度を-100℃~+250℃まで変化させながら、100℃の時の損失係数(tanδ)を測定した。
(製造例1:酸化セルロースの調製)
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)5.00g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)39mg(絶乾1gのセルロースに対し0.05mmol)と臭化ナトリウム514mg(絶乾1gのセルロースに対し1.0mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を次亜塩素酸ナトリウムが5.5mmol/gになるように添加し、室温にて酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過して分離し、分離された生成物を十分に水洗して、酸化セルロースを得た。この時の収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシ基量は1.42mmol/gであった。
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)5.00g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)39mg(絶乾1gのセルロースに対し0.05mmol)と臭化ナトリウム514mg(絶乾1gのセルロースに対し1.0mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を次亜塩素酸ナトリウムが5.5mmol/gになるように添加し、室温にて酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過して分離し、分離された生成物を十分に水洗して、酸化セルロースを得た。この時の収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシ基量は1.42mmol/gであった。
(製造例2:カルボキシメチル化セルロースの調製)
パルプを混ぜることができる撹拌機に、パルプ(NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、日本製紙社製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で111g(出発原料の無水グルコース残基当たり2.25倍モル)加え、パルプ固形分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを216g(有効成分換算、パルプのグルコース残基当たり1.5倍モル)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシルメチル化セルロースを得た。
パルプを混ぜることができる撹拌機に、パルプ(NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、日本製紙社製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で111g(出発原料の無水グルコース残基当たり2.25倍モル)加え、パルプ固形分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを216g(有効成分換算、パルプのグルコース残基当たり1.5倍モル)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシルメチル化セルロースを得た。
(製造例2:変性ポリオレフィン(1)の調製)
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、α-オレフィン共重合体(プロピレン成分98モル%、エチレン成分2モル%、Tm=145℃)100部をトルエン400g中に加熱溶解した。系内の温度を110℃に保持して混錬しながら、無水マレイン酸8.0部、ラウリルメタクリレート8.0部、及びジ-t-ブチルパーオキサイド3.0部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量が60,000、Tm=145℃、無水マレイン酸及びラウリルメタクリレートのグラフト重量は、各々3.5量%及び3.6重量%の変性ポリオレフィン(1)を得た。無水マレイン酸及びラウリルメタクリレートのグラフト重量は、それぞれアルカリ滴定法1H-NMRにより測定した(以下の製造例でも同様)。
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、α-オレフィン共重合体(プロピレン成分98モル%、エチレン成分2モル%、Tm=145℃)100部をトルエン400g中に加熱溶解した。系内の温度を110℃に保持して混錬しながら、無水マレイン酸8.0部、ラウリルメタクリレート8.0部、及びジ-t-ブチルパーオキサイド3.0部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量が60,000、Tm=145℃、無水マレイン酸及びラウリルメタクリレートのグラフト重量は、各々3.5量%及び3.6重量%の変性ポリオレフィン(1)を得た。無水マレイン酸及びラウリルメタクリレートのグラフト重量は、それぞれアルカリ滴定法1H-NMRにより測定した(以下の製造例でも同様)。
(製造例3:変性ポリオレフィン(2)の調製)
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレン-1-ブテン共重合体(プロピレン成分90モル%、1-ブテン成分10モル%、重量平均分子量450,000、Tm=100℃)100部をトルエン400g中に加熱溶解した。系内の温度を110℃に保持して混錬しながら、無水マレイン酸3.0部、ジ-t-ブチルパーオキサイド3.0部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量が100,000、Tm=100℃、無水マレイン酸のグラフト重量が2.0重量%の変性ポリオレフィン(2)を得た。
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレン-1-ブテン共重合体(プロピレン成分90モル%、1-ブテン成分10モル%、重量平均分子量450,000、Tm=100℃)100部をトルエン400g中に加熱溶解した。系内の温度を110℃に保持して混錬しながら、無水マレイン酸3.0部、ジ-t-ブチルパーオキサイド3.0部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量が100,000、Tm=100℃、無水マレイン酸のグラフト重量が2.0重量%の変性ポリオレフィン(2)を得た。
(実施例1)
[第1の混合工程]
製造例1で得た酸化セルロースの固形分濃度1.00%(w/v)の水分散液5000gと、疎水化剤として、JEFFAMINE(登録商標)M-2070(HUNTSMAN社製、分子量2,000)71gと、カチオン2-OLR(日油社製、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド)28gと、分散剤としてフィラノールPA-075F(日油社製、高分子アミン化合物)30gとを添加し、ホモディスパー(商品名「高速分散機ホモディスパー」、PRIMIX社製)を用いて3,000rpmで15分間撹拌した。得られた疎水化酸化パルプ(疎水化TOP(1))を70℃で24時間オーブン乾燥し、乾燥混合物(混合物1)を得た。乾燥混合物の水分量は7%であった。
[第1の混合工程]
製造例1で得た酸化セルロースの固形分濃度1.00%(w/v)の水分散液5000gと、疎水化剤として、JEFFAMINE(登録商標)M-2070(HUNTSMAN社製、分子量2,000)71gと、カチオン2-OLR(日油社製、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド)28gと、分散剤としてフィラノールPA-075F(日油社製、高分子アミン化合物)30gとを添加し、ホモディスパー(商品名「高速分散機ホモディスパー」、PRIMIX社製)を用いて3,000rpmで15分間撹拌した。得られた疎水化酸化パルプ(疎水化TOP(1))を70℃で24時間オーブン乾燥し、乾燥混合物(混合物1)を得た。乾燥混合物の水分量は7%であった。
[第2の混合工程]
乾燥混合物を小型のミル(商品名「イージーカットミルEG-45」、カリタ社製)で粗粉砕して、粉砕物を調製した。粉砕物のかさ密度は、0.61g/cm3であった。当該粉砕物に、製造例2で得られた変性ポリオレフィン(1)50gを配合し密閉式二軸混練機を用いて100℃で10分間混練しマスターバッチ(混合物2)を得た。
乾燥混合物を小型のミル(商品名「イージーカットミルEG-45」、カリタ社製)で粗粉砕して、粉砕物を調製した。粉砕物のかさ密度は、0.61g/cm3であった。当該粉砕物に、製造例2で得られた変性ポリオレフィン(1)50gを配合し密閉式二軸混練機を用いて100℃で10分間混練しマスターバッチ(混合物2)を得た。
[洗浄工程]
マスターバッチ60gを塩酸300g中でpH3に保ちながら常温で1時間撹拌して洗浄処理した後、イオン交換水で3回洗浄し、50℃で24時間オーブン乾燥した。
マスターバッチ60gを塩酸300g中でpH3に保ちながら常温で1時間撹拌して洗浄処理した後、イオン交換水で3回洗浄し、50℃で24時間オーブン乾燥した。
[混練工程]
得られた洗浄乾燥物にゴム成分(エチレンプロピレンジエンゴム、商品名「EP24」、JSR社製)及びカルボジライト HMV-15CA(日清紡ケミカル社製、カルボジイミド樹脂)を配合し密閉式二軸混練機を用いて160℃で5分間混練した。配合量は、ゴム成分100部に対して繊維分が10部、疎水化酸化セルロース1部に対しカルボジライトが1/4部となるように調整した。混練物60gに、ジクミルパーオキサイド(ゴム成分に対して3部)を加え、常温で5分間混練した後、170℃で10分間、架橋及び成形してゴム組成物を得た。得られたゴム組成物を用いて、破断強度、破断伸び、50又は100%ひずみ時における応力、弾性率、tanδの評価試験を行った。結果を表1に示す。
得られた洗浄乾燥物にゴム成分(エチレンプロピレンジエンゴム、商品名「EP24」、JSR社製)及びカルボジライト HMV-15CA(日清紡ケミカル社製、カルボジイミド樹脂)を配合し密閉式二軸混練機を用いて160℃で5分間混練した。配合量は、ゴム成分100部に対して繊維分が10部、疎水化酸化セルロース1部に対しカルボジライトが1/4部となるように調整した。混練物60gに、ジクミルパーオキサイド(ゴム成分に対して3部)を加え、常温で5分間混練した後、170℃で10分間、架橋及び成形してゴム組成物を得た。得られたゴム組成物を用いて、破断強度、破断伸び、50又は100%ひずみ時における応力、弾性率、tanδの評価試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
第1の混練工程において、変性ポリオレフィンとして製造例3で得られた変性ポリオレフィン(2)を用いたことのほかは実施例1と同様に行った。
第1の混練工程において、変性ポリオレフィンとして製造例3で得られた変性ポリオレフィン(2)を用いたことのほかは実施例1と同様に行った。
(実施例3)
第1の混練工程において、疎水化剤として、JEFFAMINE(登録商標)M-2070のみを2倍量を用いたこと、分散剤を用いなかったことのほかは実施例2と同様に行い、疎水化酸化パルプ(疎水化TOP(2))を得た。第2の混練工程以下は疎水化TOP(2)を用いたほかは実施例1と同様に行った。
第1の混練工程において、疎水化剤として、JEFFAMINE(登録商標)M-2070のみを2倍量を用いたこと、分散剤を用いなかったことのほかは実施例2と同様に行い、疎水化酸化パルプ(疎水化TOP(2))を得た。第2の混練工程以下は疎水化TOP(2)を用いたほかは実施例1と同様に行った。
(実施例4)
カルボジライトの代わりに水酸化カルシウムを用いたこと、各成分の量を表1のとおりとしたことのほかは、実施例1と同様に行った。
カルボジライトの代わりに水酸化カルシウムを用いたこと、各成分の量を表1のとおりとしたことのほかは、実施例1と同様に行った。
(実施例5)
カルボジライトの代わりに水酸化カルシウムを用いたこと、各成分の量を表1のとおりとしたことのほかは、実施例2と同様に行った。
カルボジライトの代わりに水酸化カルシウムを用いたこと、各成分の量を表1のとおりとしたことのほかは、実施例2と同様に行った。
(実施例6)
第1の混練工程において、酸化セルロースの代わりに製造例2で得たカルボキシメチル化セルロースを用いたことのほかは、実施例1と同様に行い、疎水化CM化パルプを得た。第2の混練工程以下は疎水化CM化パルプを用いたほかは実施例1と同様に行った。
第1の混練工程において、酸化セルロースの代わりに製造例2で得たカルボキシメチル化セルロースを用いたことのほかは、実施例1と同様に行い、疎水化CM化パルプを得た。第2の混練工程以下は疎水化CM化パルプを用いたほかは実施例1と同様に行った。
(比較例1)
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたこと、混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例2と同様に実施した。
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたこと、混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例2と同様に実施した。
(比較例2)
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたこと、混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例3と同様に実施した。
(比較例3)
混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例2と同様に実施した。
(比較例4)
混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例3と同様に実施した。
(比較例5)
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたことのほかは、実施例2と同様に実施した。
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたこと、混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例3と同様に実施した。
(比較例3)
混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例2と同様に実施した。
(比較例4)
混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例3と同様に実施した。
(比較例5)
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたことのほかは、実施例2と同様に実施した。
(比較例6)
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたことのほかは、実施例3と同様に実施した。
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたことのほかは、実施例3と同様に実施した。
(比較例7)
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたこと、混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例6と同様に実施した。
洗浄処理を行わずに混合物2をそのままゴム組成物の調製に用いたこと、混練工程においてカルボジライトを添加しなかったことのほかは、実施例6と同様に実施した。
表1からわかるように、比較例1~6では弾性率の温度変化が大きく、損失正接(tanδ)も高く、100℃での弾性率が低く弾性率の温度変化が大きかった。また、引張特性も低い傾向にあり、破断強度、モジュラスの少なくともいずれかが劣っていた。これに対し、実施例1~6では、弾性率の温度変化が小さく、損失正接が低く、強度のバランスが良好であった。これらの結果は、本発明の方法により、強度にバランスよく優れるゴム組成物を製造できることを示している。
Claims (11)
- 第1の混合工程:アニオン変性セルロース及び疎水化剤を少なくとも混合し、混合物1を得ること、
第2の混合工程:前記混合物1及び熱可塑性樹脂を少なくとも混合し、混合物2を得ること、
洗浄工程:前記混合物2を洗浄し洗浄混合物3を得ること、及び
混練工程:前記洗浄混合物3、架橋剤及びゴム成分を混練すること
を含む、ゴム組成物の製造方法。 - 前記第1の混合工程において、
混合後さらに乾燥処理を行い、前記混合物1として、水分量が50質量%以下の乾燥固形物を得る、
請求項1に記載の製造方法。 - 前記洗浄工程において、
水、親水性有機溶媒、及び、水と親水性有機溶媒の混合溶媒から選ばれる溶媒を用いて洗浄する、
請求項1又は2に記載の製造方法。 - 前記溶媒が、
金属塩又は酸を含む、
請求項3に記載の製造方法。 - 前記洗浄工程において、
洗浄後さらに乾燥処理を行い、前記洗浄混合物3として、乾燥固形物を得る、
請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記アニオン変性セルロースが、
酸化セルロース、カルボキシメチル化セルロース、又はリン酸エステル化セルロースを含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記疎水化剤が、
ポリエーテル骨格の末端に1級アミノ基を有するポリエーテルアミン、
炭素原子数3~50の炭化水素基を有するアミン化合物、及び
炭素原子数3~50の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩
から選ばれる少なくとも1つ、を含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂が、
変性ポリオレフィンを含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記変性ポリオレフィンが、
不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘導体、及び不飽和カルボン酸の無水物、からなる群から選ばれる1種以上を含む極性付与剤によりポリオレフィンが変性された変性ポリオレフィンを含む、
請求項8に記載の製造方法。 - 前記架橋剤が、
カルボキシ基反応性架橋剤を含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記第1の混合工程において、
分散剤をさらに混合する、
請求項1~10のいずれか1項に記載の製造方法。
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JP2020115924A JP2022013396A (ja) | 2020-07-03 | 2020-07-03 | ゴム組成物の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023176452A1 (ja) * | 2022-03-14 | 2023-09-21 | 古河電気工業株式会社 | マスターバッチ |
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- 2020-07-03 JP JP2020115924A patent/JP2022013396A/ja active Pending
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