JP2020158764A - 改質セルロース繊維を含有する組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化して得られる透明性及び寸法安定性が高い、CNFを含有する組成物を提供すること。【解決手段】(A)イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなる改質セルロース繊維、及び、(B)シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上、を含有する組成物。【選択図】なし

Description

本発明は改質セルロース繊維を含有する組成物に関する。
従来より、セルロースナノファイバー(CNF)は低比重かつ高強度な複合材料の素材として知られている。例えば、CNFと変性シリコーン樹脂とを含む樹脂組成物が知られており、かかる樹脂組成物は接着剤やシーリング材等に用いられる(特許文献1)。
特開2018−70852号公報
しかしながら、かかる樹脂組成物を硬化して得られる成形体の透明性や寸法安定性が低いという課題があった。
従って本発明の課題は、硬化して得られる透明性及び寸法安定性が高い、CNFを含有する組成物を提供することにある。
本発明は、下記〔1〕〜〔5〕に関する。
〔1〕 (A)イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなる改質セルロース繊維、及び、
(B)シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上
を含有する組成物。
〔2〕 前記〔1〕に記載の組成物を硬化してなる、成形体。
〔3〕 (A)イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなる改質セルロース繊維、及び、
(B)シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上
を混合する工程を含む、前記〔1〕に記載の組成物の製造方法。
〔4〕 イオン性基を含むセルロース繊維を含む分散体、
シリコーン化合物、並びに
シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上
を混合する工程を含む、前記〔1〕に記載の組成物の製造方法。
〔5〕 (C)イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基に、EO/PO共重合部及び炭化水素基からなる群より選択される1種以上が修飾基として結合されてなる改質セルロース繊維、及び、
(D)シリコーンオイル及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種以上
を含有する組成物。
本発明の組成物を硬化することで、透明性及び寸法安定性が高い成形体を提供することができる。
<A成分>
A成分の改質セルロース繊維は、イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなる改質セルロース繊維である。シリコーン化合物のような、修飾基を導入するための化合物を、本明細書では「修飾用化合物」と称する。
本発明における改質セルロース繊維のイオン性基としては、アニオン性基及びカチオン性基が挙げられる。アニオン性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、カチオン性基としては、その基内にアンモニウム、ホスホニウム、スルホニウムなどのオニウムを有する基などが挙げられる。セルロース繊維への導入効率の観点から、好ましくはアニオン性基であり、より好ましくはカルボキシ基である。イオン性基は、単独で又は2種以上を組み合わせて導入されていてもよい。
本発明における、イオン性基を含むセルロース繊維は、セルロース繊維中にアニオン性基を含むようにアニオン変性されたセルロース繊維、すなわちアニオン変性セルロース繊維であっても良い。アニオン変性セルロース繊維の好ましい態様として、後述のTEMPO酸化由来のもの、即ち、セルロース構成単位のC6位がカルボキシ基であるセルロース繊維が挙げられる。本明細書において、かかるセルロース繊維を「酸化セルロース繊維」という場合がある。以下、イオン性基がカルボキシ基の場合を例として説明する。
(カルボキシ基含有量)
本発明における改質セルロース繊維におけるカルボキシ基含有量としては、安定な修飾基導入の観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.4mmol/g以上、更に好ましくは0.6mmol/g以上である。また、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下、更に好ましくは1.5mmol/g以下である。なお、「カルボキシ基含有量」とは、セルロース繊維を構成するセルロース中のカルボキシ基の総量を意味し、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
(平均繊維径)
本発明における改質セルロース繊維の平均繊維径、平均繊維長及び平均アスペクト比の好適な範囲は特に限定されるものではなく、セルロース系原料と同様の範囲であってもよく、必要に応じて微細化を行い、数ナノメートル〜数百ナノメートルの平均繊維径であってもよい。前者の場合、取扱い性、入手性、及びコストの観点から、好ましくは5μm以上であり、一方、取扱い性の観点から、好ましくは10,000μm以下である。後者の場合、改質セルロース繊維又は酸化セルロース繊維の平均繊維径は、取扱い性、入手性、及びコストの観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上、更に好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上であり、取扱い性の観点から、好ましくは1μm未満、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下、更に好ましくは200nm以下である。酸化セルロース繊維や改質セルロース繊維等の各種セルロース繊維の平均繊維径等は、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
(修飾基)
A成分の改質セルロース繊維は、例えば、上記した酸化セルロース繊維のカルボキシ基に、シリコーン化合物を修飾基としてイオン結合及び/又は共有結合させることにより得られる。ここでの共有結合としては、例えば、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合が挙げられ、なかでも、寸法安定性の観点から、好ましくはアミド結合である。従って、改質セルロース繊維としては、寸法安定性の観点から、セルロース繊維表面に既に存在するカルボキシ基に、シリコーン化合物をイオン結合及び/又はアミド結合させることにより得られるものが好ましく、特にシリコーン化合物をイオン結合させることにより得られるものが好ましい。
(シリコーン化合物)
シリコーン化合物は、市販品を用いるか、公知の方法に従って調製することができる。シリコーン化合物は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明における改質セルロース繊維に用いるシリコーン化合物としては、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーンなどが挙げられ、反応基の位置はシリコーン化合物の側鎖でも末端でもよい。これらの中では、寸法安定性の観点から、好ましくはアミノ変性シリコーンである。
(アミノ変性シリコーン化合物)
アミノ変性シリコーン化合物としては、25℃での動粘度が10mm/s以上20,000mm/s以下、アミノ当量400g/mol以上8,000g/mol以下のアミノ変性シリコーン化合物が好ましいものとして挙げられる。
25℃での動粘度はオストワルト型粘度計で求めることができ、寸法安定性の観点から、より好ましくは200mm/s以上、更に好ましくは500mm/s以上、そして、より好ましくは10,000mm/s以下、更に好ましくは5,000mm/s以下である。
また、アミノ当量は、寸法安定性の観点から、好ましくは400g/mol以上、より好ましくは600g/mol以上、更に好ましくは800g/mol以上であり、同様の観点から、好ましくは8,000g/mol以下、より好ましくは5,000g/mol以下、更に好ましくは3,000g/mol以下である。なお、アミノ当量は、窒素原子1個当りの分子量であり、アミノ当量(g/mol)=質量平均分子量/1分子あたりの窒素原子数で求められる。ここで質量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めた値であり、窒素原子数は元素分析法により求めることができる。
アミノ変性シリコーン化合物の具体例として、一般式(a1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020158764
〔式中、R1aは炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基又は水素原子から選ばれる基を示し、寸法安定性の観点から、好ましくはメチル基又はヒドロキシ基である。R2aは炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシ基又は水素原子から選ばれる基であり、寸法安定性の観点から、好ましくはメチル基又はヒドロキシ基である。Bは少なくとも一つのアミノ基を有する側鎖を示し、R3aは炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示す。x及びyはそれぞれ平均重合度を示し、該化合物の25℃の動粘度及びアミノ当量が上記範囲になるように選ばれる。尚、R1a、R2a、R3aはそれぞれ同一でも異なっていても良く、また複数個のR2aは同一でも異なっていても良い。〕
一般式(a1)の化合物において、寸法安定性の観点から、xは好ましくは10以上の数、より好ましくは20以上の数、更に好ましくは30以上の数であり、同様の観点から、xは好ましくは10,000以下の数、より好ましくは5,000以下の数、更に好ましくは3,000以下の数である。yは好ましくは1以上の数であり、一方、好ましくは1,000以下の数、より好ましくは500以下の数、更に好ましくは200以下の数である。一般式(a1)の化合物の質量平均分子量は、好ましくは2,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは8,000以上であり、一方、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは50,000以下である。
一般式(a1)において、アミノ基を有する側鎖Bとしては、下記のものを挙げることができる。
−C−NH
−C−NH−C−NH
−C−NH−[C−NH]−C−NH
−C−NH(CH
−C−NH−C−NH(CH
−C−NH−[C−NH]−C−NH(CH
−C−N(CH
−C−N(CH)−C−N(CH
−C−N(CH)−[C−N(CH)]−C−N(CH
−C−NH−cyclo-C11
(ここで、e、f、gは、それぞれ1〜30の数である。)
本発明で用いるアミノ変性シリコーン化合物は、例えば、一般式(a2)で表されるオルガノアルコキシシランを過剰の水で加水分解して得られた加水分解物と、ジメチルシクロポリシロキサンとを水酸化ナトリウムのような塩基性触媒を用いて、80〜110℃に加熱して平衡反応させ、反応混合物が所望の粘度に達した時点で酸を用いて塩基性触媒を中和することにより製造することができる(特開昭53−98499号参照)。
N(CHNH(CHSi(CH)(OCH (a2)
また、アミノ変性シリコーン化合物としては、寸法安定性の観点から、好ましくは側鎖Bの1個の中にアミノ基が1個有するモノアミノ変性シリコーン及び側鎖Bの1個の中にアミノ基が2個有するジアミノ変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはアミノ基を有する側鎖Bが−C−NHで表される化合物〔以下、(a1−1)成分という〕及びアミノ基を有する側鎖Bが−C−NH−C−NHで表される化合物〔以下、(a1−2)成分という〕からなる群から選ばれる1種以上である。
本発明における改質セルロース繊維におけるアミノ変性シリコーン化合物としては、性能の点から、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSF4703(動粘度:1000、アミノ当量:1600)、TSF4708(動粘度:1000、アミノ当量:2800)、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSS−3551(動粘度:1000、アミノ当量:1600)、SF8457C(動粘度:1200、アミノ当量:1800)、SF8417(動粘度:1200、アミノ当量:1700)、BY16−209(動粘度:500、アミノ当量:1800)、BY16−892(動粘度:1500、アミノ当量:2000)、BY16−898(動粘度:2000、アミノ当量:2900)、FZ−3760(動粘度:220、アミノ当量:1600)、信越化学工業(株)製のKF8002(動粘度:1100、アミノ当量:1700)、KF867(動粘度:1300、アミノ当量:1700)、KF−864(動粘度:1700、アミノ当量:3800)、BY16−213(動粘度:55、アミノ当量:2700)、BY16−853U(動粘度:14、アミノ当量:450)が好ましい。( )内において、動粘度は25℃での測定値(単位:mm/s)を示し、アミノ当量の単位はg/molである。
(a1−1)成分としては、BY16−213(動粘度:55、アミノ当量:2700)、BY16−853U(動粘度:14、アミノ当量:450)がより好ましい。
(a1−2)成分としては、SF8417(動粘度:1200、アミノ当量:1700)、BY16−209(動粘度:500、アミノ当量:1800)、FZ−3760(動粘度:220、アミノ当量:1600)がより好ましい。
改質セルロース繊維における修飾基、即ちシリコーン基の平均結合量は、寸法安定性の観点から、好ましくは0.01mmol/g以上、より好ましくは0.05mmol/g以上、更に好ましくは0.1mmol/g以上、更に好ましくは0.3mmol/g以上、更に好ましくは0.5mmol/g以上である。また、反応性の観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2.5mmol/g以下、更に好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下、更に好ましくは1.5mmol/g以下である。
また、シリコーン基の導入率は、寸法安定性の観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上であり、反応性の観点から、好ましくは99%以下、より好ましくは97%以下、更に好ましくは95%以下、更に好ましくは90%以下である。
なお、前記修飾基は置換基を有するものであってもよい。置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルコキシ基の炭素数が1〜6のアルコキシ−カルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アセチル基、プロピオニル基等の炭素数1〜6のアシル基;アラルキル基;アラルキルオキシ基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;アルキル基の炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基が挙げられる。
なお、本明細書において、修飾基の平均結合量は、シリコーン化合物の添加量、シリコーン化合物の種類、反応温度、反応時間、溶媒などによって調整することができる。また、改質セルロース繊維における修飾基の平均結合量(mmol/g)及び導入率(%)とは、セルロース繊維表面のカルボキシ基に修飾基が導入された量及び割合のことであり、セルロース繊維のカルボキシ基含有量を公知の方法(例えば、滴定、IR測定等)に従って測定することで算出することができる。
上述の改質セルロース繊維は、例えば、特開2018−178309号公報の段落0034〜0060に記載の方法によって製造することができる。
(酸化セルロース繊維)
改質セルロース繊維の原料である酸化セルロース繊維は、例えば、触媒として2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(TEMPO)を使用し、更に次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、臭化ナトリウム等の臭化物を併用して、セルロース繊維を酸化する方法が適用できる。より詳細には、特開2011−140632号公報に記載の方法を参照することができ、更に、追酸化処理又は還元処理を行うことで、アルデヒドを除去した酸化セルロース繊維として調製することができる。
TEMPOを触媒としてセルロース繊維の酸化を行うことにより、セルロース構成単位のC6位の基(−CHOH)が選択的にカルボキシ基に変換される。従って、本発明における酸化セルロース繊維の好ましい態様として、セルロース構成単位のC6位がカルボキシ基であるセルロース繊維が挙げられる。
〔セルロース繊維〕
酸化セルロース繊維の原料であるセルロース繊維としては、環境面から天然セルロース繊維が好ましく、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等の木材パルプ;コットンリンター、コットンリントのような綿系パルプ;麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ;バクテリアセルロース等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化セルロース繊維の平均繊維径、平均繊維長及び平均アスペクト比の好適な範囲は、A成分の改質セルロース繊維と同じ範囲である。
<B成分>
本発明におけるB成分は、シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上の成分である。
〔シリコーンオイル〕
シリコーンオイルは、好ましくは25℃で液体のものであり、例えば、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヘキシルポリシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、メチルトリメチコン、シクロペンタシロキサン(デカメチルシクロペンタシロキサン)、シクロヘキサシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
〔樹脂〕
使用できる樹脂は特に限定されないが、例えば、主鎖にポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂、および主鎖にポリシロキサン構造を有していない熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂を用いることができる。かかる主鎖にポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂、および主鎖にポリシロキサン構造を有していない熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、セルロース系樹脂及びゴム系樹脂は、樹脂として1種のみ使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。この中でも、耐熱性の観点から、主鎖にポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂が好ましい。
(主鎖にポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂)
主鎖にポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂としては、ラジカル架橋タイプ、付加架橋タイプ等のミラブル型シリコーン樹脂、あるいはラジカル架橋、付加架橋、縮合などの方法で硬化可能な;室温硬化1液タイプ、加熱硬化1液タイプ、UV硬化1液タイプ、室温硬化2液タイプ、加熱硬化2液タイプ等の液状シリコーン樹脂、非硬化性のエマルション系のシリコーン樹脂あるいは溶剤溶解系シリコーン樹脂等が挙げられる。
シリコーン樹脂の構造としては、主鎖にシロキサン結合(Si-O-Si)を有するポリシロキサンであれば特に限定されず、ポリシロキサン構造中のケイ素原子に結合した置換基は、その用途に応じて選択することができる。例えば、非置換または置換の一価炭化水素基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基、メチルエチルケトオキシム基等のケトキシム基、アセトキシ基、アミノオキシ基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。また、その他の置換基としては、水素、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の反応性基や、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール鎖が連結した構造などが挙げられる。更に、置換基を起点として任意のポリマーがグラフトされていてもよい。これらの置換基は、一種類でもよく、二種類以上の置換基の任意の組み合わせでもよい。
これらのシリコーン樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上の混合樹脂として用いても良い。また、後述の主鎖にポリシロキサン構造を有していない各種樹脂と併用することもできる。これらの中でも、取り扱い性の観点から、室温硬化1液タイプ、加熱硬化1液タイプ、UV硬化1液タイプが好ましい。なお、これらのシリコーン樹脂は、任意成分として、後述の各種重合開始剤や硬化剤、可塑剤、充填剤等のその他成分、およびゴム用の添加剤等を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
(主鎖にポリシロキサン構造を有していない熱可塑性樹脂)
主鎖にポリシロキサン構造を有していない熱可塑性樹脂としては、ポリ乳酸樹脂等の飽和ポリエステル樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン樹脂;塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、スチレン樹脂、ビニルエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等のビニル樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ビニルエーテル樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリ酢酸ビニル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上の混合樹脂として用いても良い。なお、本明細書において、(メタ)アクリル系樹脂とは、メタクリル系樹脂及びアクリル系樹脂を含む概念を意味する。
(主鎖にポリシロキサン構造を有していない硬化性樹脂)
主鎖にポリシロキサン構造を有していない硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂が好ましい。
光硬化性樹脂は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射により、ラジカルやカチオンを発生する光重合開始剤を用いることで重合反応が進行する。
前記光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン類化合物類、ジスルフィド化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物等が挙げられる。より具体的には、特開2018−024967号公報の段落0113に記載の化合物が挙げられる。
光重合開始剤で、例えば、単量体(単官能単量体、多官能単量体)、反応性不飽和基を有するオリゴマー又は樹脂等を重合することができる。
単官能単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系単量体、ビニルピロリドンなどのビニル系単量体、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどの架橋環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。多官能単量体には、2〜8程度の重合性基を有する多官能単量体が含まれ、2官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの架橋環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。3〜8官能単量体としては、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
反応性不飽和基を有するオリゴマー又は樹脂としては、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体の(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなど)、ポリエステル(メタ)アクリレート(例えば、脂肪族ポリエステル型(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル型(メタ)アクリレートなど)、ウレタン(メタ)アクリレート(ポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル型ウレタン(メタ)アクリレートなど)、シリコーン(メタ)アクリレートなどが例示できる。これらのオリゴマー又は樹脂は、前記単量体と共に用いても良い。
光硬化性樹脂は、凝集物が少なく、透明性に優れる組成物や成形体が得られる観点から、好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリイミド樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
前記樹脂成分を用いる場合は、硬化剤を使用することが好ましい。硬化剤を配合することによって、組成物から得られる成形体を強固に成形することができ、機械的強度を向上させることができる。尚、硬化剤の配合量は、樹脂の種類及び/又は使用する硬化剤の種類により適宜設定すればよい。
(主鎖にポリシロキサン構造を有していないセルロース系樹脂)
主鎖にポリシロキサン構造を有していないセルロース系樹脂としては、酢酸セルロース(セルロースアセテート)、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース混合アシレートなどの有機酸エステル;硝酸セルロース、リン酸セルロース等の無機酸エステル;硝酸酢酸セルロース等の有機酸無機酸混酸エステル;アセチル化ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエーテルエステルなどが挙げられる。上記酢酸セルロースには、セルローストリアセテート(アセチル置換度2.6〜3)、セルロースジアセテート(アセチル置換度2以上2.6未満)、セルロースモノアセテートが含まれる。セルロース系樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(主鎖にポリシロキサン構造を有していないゴム系樹脂)
また、本発明では、主鎖にポリシロキサン構造を有していない樹脂として主鎖にポリシロキサン構造を有していないゴム系樹脂を用いることができる。
ゴム系樹脂としては、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴムが好ましい。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム及び変性天然ゴム等が挙げられる。変性天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム、水素化天然ゴム等が挙げられる。非ジエン系ゴムとしては、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴムなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
総合すると、組成物に含有される樹脂としては、シリコーン樹脂、オレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ビニル樹脂及びゴム系樹脂からなる群より選択される1種以上であっても良い。
<A成分及びB成分を含有する本発明の組成物>
本発明の組成物は、A成分と、シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上であるB成分とを含有するが、成形体を製造する観点から、B成分として、シリコーンオイル及び樹脂を含有することが好ましい。
本発明の組成物におけるA成分の量は、成形体の所望の物性や成形法によって一概には決められないが、改質セルロース繊維の添加効果を発揮させる観点から、配合量で換算して、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、一方、B成分本来の性能を発揮させる観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
本発明の組成物におけるB成分の量は、成形体の所望の物性や成形法によって一概には決められないが、B成分本来の性能を発揮させる観点から、配合量で換算して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、一方、改質セルロース繊維の添加効果を発揮させる観点から、好ましくは99.95質量%以下、より好ましくは99.9質量%以下である。
本発明の組成物における樹脂の量は、成形体の所望の物性や成形法によって一概には決められないが、樹脂の性能を発揮させる観点から、配合量で換算して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、一方、改質セルロース繊維の添加効果を発揮させる観点から、好ましくは99.95質量%以下、より好ましくは99.9質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
本発明の組成物におけるA成分の改質セルロース繊維の量は、組成物の所望の物性や成形法によって一概には決められないが、改質セルロース繊維の添加効果を発揮させる観点から、配合量で換算して、B成分を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上であり、一方、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
〔その他の成分〕
本発明の組成物は、前記成分以外に、可塑剤、結晶核剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、加水分解抑制剤、難燃剤、酸化防止剤、炭化水素系ワックス類やアニオン型界面活性剤である滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、界面活性剤;でんぷん類、アルギン酸等の多糖類;ゼラチン、ニカワ、カゼイン等の天然たんぱく質;タンニン、ゼオライト、セラミックス、金属粉末等の無機化合物;香料;流動調整剤;レべリング剤;導電剤;紫外線分散剤;消臭剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。また同様に、本発明の効果を阻害しない範囲内で他の高分子材料や他の組成物を添加することも可能である。
<成形体>
本発明の成形体は、前述の本発明の組成物を利用した押出成形、射出成形、プレス成形、注型成形又は溶媒キャスト法等の公知の硬化方法又は成形方法を適宜用いることによって調製することができる。本発明の成形体は寸法安定性に優れているので、成形体を各種用途に好適に用いることができる。
本発明の成形体におけるA成分の改質セルロース繊維の量は、改質セルロース繊維の添加効果を発揮させる観点から、配合量で換算して、B成分を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上であり、一方、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
本発明の組成物を成形体に加工する際に、B成分や媒体等の一部又は全部が(例えば蒸発することにより)成形体に含まれなくなることがある。かかる(B成分や媒体等の一部又は全部が含まれない)成形体も本発明の成形体の範囲に含まれる。
本発明の組成物や成形体が使用できる用途は特に限定されないが、例えば透明樹脂材料、3次元造形材料、クッション材、補修材、接着剤、粘着剤、シーリング材、断熱材、吸音材、人工皮革材料、塗料、電子材、包装材料、タイヤ、自動車部品、繊維複合材料に用いることができる。これらの中でも、透明性に優れる成形体が得られる観点からは、特に透明樹脂材料、接着剤、粘着剤、人工皮革材料、塗料、電子材、繊維複合材料用途が好ましく、寸法安定性の観点からは3次元造形材料、クッション材、補修材、シーリング材、断熱材、吸音材、タイヤ、自動車部品用途が好ましい。
<本発明の組成物の製造方法>
本発明の組成物は、例えば、(1)A成分の改質セルロース繊維と、B成分のシリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上とを混合する工程を含む方法、(2)A成分を含む分散体とB成分とを混合する工程を含む方法、並びに(3)イオン性基を含むセルロース繊維を含む分散体、シリコーン化合物、並びに、シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上を混合する工程を含む方法により得ることができる。本発明の製造方法において、A成分を含む分散体及びイオン性基を含むセルロース繊維を含む分散体には、B成分のシリコーンオイルが含まれていてもよい。また、セルロース繊維のイオン性基に結合していないシリコーン化合物をシリコーンオイルとみなすことができる。シリコーンオイルは公知の方法によって樹脂と複合体化することができる。かかる組成物を使用して、公知の成形方法により成形体を製造できる。
本発明の組成物は、前述の各成分を高圧ホモジナイザーで混合することにより製造することができる。あるいは、これらの各成分を、ヘンシェルミキサー、自転公転式攪拌機等で攪拌、あるいは密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて溶融混練することでも製造することができる。
更に、必要に応じて、本発明の組成物中から揮発性成分の一部又は全部を除去してもよく、かかる除去後のものも、本発明の組成物に該当する
<C成分及びD成分を含有する組成物>
本明細書では、更に、C成分及びD成分を含有する組成物に係る発明を開示する。
〔C成分〕
本発明におけるC成分とは、イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基に、EO/PO共重合部及び炭化水素基からなる群より選択される1種以上が修飾基として結合されてなる改質セルロース繊維である。従って、C成分の改質セルロース繊維における「修飾用化合物」としては、例えば、後述の、EO/PO共重合部を有するアミン、炭化水素基を有するアミン、及び芳香族炭化水素基を有するアミンが挙げられる。
C成分における「イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基」は、A成分における「イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基」と同じである。即ち、A成分における修飾基を構成する「シリコーン化合物」が、「EO/PO共重合部及び炭化水素基からなる群より選択される1種以上」に置き換わった改質セルロース繊維が、本発明におけるC成分である。
以下、イオン性基がカルボキシ基の場合を例として説明する。
(修飾基)
本発明におけるC成分の改質セルロース繊維は、例えば、上記した酸化セルロース繊維のカルボキシ基に、EO/PO共重合部及び炭化水素基からなる群より選択される1種以上を修飾基としてイオン結合及び/又は共有結合させることにより得られる。ここでの共有結合としては、例えば、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合が挙げられ、なかでも、寸法安定性の観点から、好ましくはアミド結合である。従って、改質セルロース繊維としては、寸法安定性の観点から、セルロース繊維表面に既に存在するカルボキシ基に、EO/PO共重合部及び炭化水素基からなる群より選択される1種以上をイオン結合及び/又はアミド結合させることにより得られるものが好ましい。
(EO/PO共重合部)
EO/PO共重合部とは、エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)がランダム又はブロック状に重合した構造を意味する。例えば、EO/PO共重合部を有するアミンが後述する式(i)で表される場合は、エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)はランダム又はブロック状の連鎖構造となるが、該アミンが後述する式(ii)で表される構造を有するアミンである場合は、(EO)a(PO)b、(EO)c(PO)d、(EO)e(PO)fは、連鎖している必要はない。
EO/PO共重合部中のPOの含有率(モル%)は、成形体の寸法安定性の観点から、好ましくは1モル%以上であり、同様の観点から、好ましくは70モル%以下である。
EO/PO共重合部の分子量は、成形体の寸法安定性の観点から、好ましくは100以上であり、同様の観点から、好ましくは10,000以下である。例えば、後述する式(ii)で表される構造を有するアミンである場合は、(EO)a(PO)b+(EO)c(PO)d+(EO)e(PO)fの合計の分子量を、EO/PO共重合部の分子量とする。EO/PO共重合部中のPOの含有率(モル%)、EO/PO共重合部の分子量は、アミンを製造する際の平均付加モル数から計算して求めることができる。
(EO/PO共重合部を有するアミン)
EO/PO共重合部が修飾基として結合するC成分の改質セルロース繊維は、前記の酸化セルロース繊維のカルボキシ基が、EO/PO共重合部を有するアミンとイオン結合又は共有結合している。よって、本発明におけるEO/PO共重合部を有するアミンは、EO/PO共重合部によって置換されたものであればよく、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンのいずれでもよいが、カルボキシ基との反応性の観点から、第1級アミン又は第2級アミンが好ましい。
EO/PO共重合部とアミンとは、直接に又は連結基を介して結合しているものが好ましい。連結基としては炭化水素基が好ましく、炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3のアルキレン基が用いられる。例えば、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
かかるEO/PO共重合部を有するアミンとしては、例えば、下記式(i):
Figure 2020158764
〔式中、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、−CHCH(CH)NH基、又は下記式(ii)で表される基を示し、EO及びPOはランダム又はブロック状に存在し、aはEOの平均付加モル数を示す正の数、bはPOの平均付加モル数を示す正の数である。〕
で示される化合物が挙げられる。
式(ii):
Figure 2020158764
〔式中、nは0又は1であり、Rはフェニル基、水素原子、又は炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、EO及びPOはランダム又はブロック状に存在し、c及びeは、EOの平均付加モル数を示し、独立して0〜50の数であり、d及びfはPOの平均付加モル数を示し、独立して1〜50の数である。〕
式(i)におけるaはEOの平均付加モル数を示し、成形体の寸法安定性の観点から、好ましくは2以上であり、同様の観点から、好ましくは100以下である。
式(i)におけるbはPOの平均付加モル数を示し、成形体の寸法安定性の観点から、好ましくは1以上であり、同様の観点から、好ましくは50以下である。
また、EO/PO共重合部中のPOの含有率(モル%)は、アミンが前記式(i)で表される場合は、前記aとbより、共重合部におけるPOの含有率を計算することが可能であり、式:b×100/(a+b)より求めることができ、アミンが前記式(i)及び式(ii)で表される場合は、同様に、式:(b+d+f)×100/(a+b+c+d+e+f)より求めることができる。好ましい範囲は、前述のとおりである。
式(i)におけるRは、成形体の寸法安定性の観点から水素原子が好ましい。Rが炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基の場合、好ましくは、メチル基、エチル基、イソ又はノルマルのプロピル基である。
また、式(ii)におけるRの炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基である。Rがメチル基又はエチル基である場合、nが1であることが好ましい。Rが水素原子である場合、nが0であることが好ましい。また、式(ii)におけるc及びeとしては、独立して、10〜30が好ましく、d及びfとしては、独立して、5〜25が好ましい。
かかる式(i)で表されるEO/PO共重合部を有するアミンは、公知の方法に従って調製することができる。例えば、プロピレングリコールアルキルエーテルにエチレンオキシド、プロピレンオキシドを所望量付加させた後、水酸基末端をアミノ化すればよい。必要により、アルキルエーテルを酸で開裂することで末端を水素原子とすることができる。これらの製造方法は、特開平3−181448号を参照することができる。
また、市販品も好適に用いられ、具体例としては、HUNTSMAN社製のJeffamine M−2070、Jeffamine M−2005、Jeffamine M−1000、Surfoamine B200、Surfoamine L100、Surfoamine L200、Surfoamine L207,Surfoamine L300、XTJ−501、XTJ−506、XTJ−507、XTJ―508;BASF社製のM3000、Jeffamine ED−900、Jeffamine ED−2003、Jeffamine D−2000、Jeffamine D−4000、XTJ−510、Jeffamine T−3000、JeffamineT−5000、XTJ−502、XTJ−509、XTJ−510等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
C成分の改質セルロース繊維におけるEO/PO共重合部を有するアミンの結合量は、成形体の寸法安定性の観点から、好ましくは0.01mmol/g以上、より好ましくは0.05mmol/g以上、更に好ましくは0.1mmol/g以上である。また、イオン結合する際の反応性の観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.5mmol/g以下である。EO/PO共重合部を有するアミンの結合量は、アミン添加量、アミンの種類、反応温度、反応時間、溶媒などによって調整することができる。なお、本発明において、EO/PO共重合部を有するアミンの結合量は、IR測定により求めることができるが、具体的には後述の実施例に記載の方法で求められる。
また、C成分の改質セルロース繊維におけるEO/PO共重合部を有するアミンの導入率は、成形体の寸法安定性の観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上であり、寸法安定性の観点から、好ましくは95%以下である。なお、本明細書において、EO/PO共重合部を有するアミンの導入率(%)は、具体的には後述の実施例に記載の方法で求められる。
(炭化水素基を有するアミン)
C成分の修飾基として結合される炭化水素基としては、飽和アルキル基又は不飽和アルキル基などが使用でき、芳香族を含んでも良い。
炭化水素基が修飾基として結合するC成分の改質セルロース繊維は、前記の酸化セルロース繊維のカルボキシ基が、炭化水素基を有するアミンとイオン結合又は共有結合している。該アミンとしては、第1級アルキルアミン、第2級アルキルアミン、第3級アルキルアミン、第4級アルキルアンモニウム化合物のいずれでもよい。
第1〜3級アルキルアミン化合物としては、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、ドデシルアミン、ジドデシルアミン、トリドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジステアリルアミンが挙げられる。
第4級アンモニウム化合物としては、炭素数が好ましくは1〜40、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜8の第4級アルキルアンモニウム化合物が好ましい。炭素数1〜40の第4級アルキルアンモニウム化合物としては、例えば、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、テトラブチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ココナットアミンが挙げられる。
(芳香族炭化水素基を有するアミン)
芳香族を含む炭化水素基が修飾基として結合するC成分の改質セルロース繊維は、前記の酸化セルロース繊維のカルボキシ基が、芳香族炭化水素基を有するアミンとイオン結合又は共有結合している。該アミンとしては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンのいずれでもよいが、反応性の観点から、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。
(芳香族炭化水素基)
本発明における芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基及びアラルキル基からなる群より選ばれる。アリール基及びアラルキル基としては、芳香族環そのものが置換されたものでも非置換のものであってもよい。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ターフェニル基、及びこれらの基が後述する置換基で置換された基が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上が前記アミンに含まれていてもよい。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基、フェニルオクチル基、及びこれらの基の芳香族基が後述する置換基で置換された基などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上が前記アミンに含まれていてもよい。
前記アリール基及びアラルキル基の総炭素数は、樹脂との相溶性の観点から、好ましくは6以上であり、また、同様の観点から、好ましくは24以下である。
前記アリール基及びアラルキル基の置換基としては、置換基を含めた芳香族炭化水素基全体の総炭素数が前記範囲内となるものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルコキシ基の炭素数が1〜6のアルコキシ−カルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アセチル基、プロピオニル基等の炭素数1〜6のアシル基;アラルキル基;アラルキルオキシ基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;アルキル基の炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基が挙げられる。なお、前記した芳香族基そのものが置換基として結合していてもよい。
前記芳香族炭化水素基を有するアミンにおいて、芳香族炭化水素基とN原子とは、直接に又は連結基を介して結合しているものが好ましい。連結基としては炭化水素基が好ましく、炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3のアルキレン基が用いられる。例えば、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
かかる芳香族炭化水素基を有するアミンの具体例を以下に挙げる。例えば、アリール基を有するアミンとしては、アニリン、4−ビフェニリルアミン、ジフェニルアミン、2−アミノナフタレン、p−テルフェニルアミン、2−アミノアントラセン、2-アミノアントラキノンが挙げられる。また、樹脂との相溶性の観点から、アラルキル基を有するアミンとしては、ベンジルアミン、フェネチルアミン、3−フェニルプロピルアミン、5−フェニルペンチルアミン、6−フェニルヘキシルアミン、7−フェニルヘプチルアミン、8−フェニルオクチルアミンが挙げられる。
〔D成分〕
D成分は、シリコーンオイル及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種以上である。
D成分のシリコーンオイルは前記B成分における「シリコーンオイル」と同じものであり、D成分のシリコーン樹脂は前記B成分における「主鎖にポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂」と同じものである。
<C成分及びD成分を含有する本発明の組成物>
本発明の組成物におけるC成分の量は、成形体の所望の物性や成形法によって一概には決められないが、改質セルロース繊維の添加効果を発揮させる観点から、配合量で換算して、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、一方、B成分本来の性能を発揮させる観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
本発明の組成物におけるD成分の量は、成形体の所望の物性や成形法によって一概には決められないが、D成分本来の性能を発揮させる観点から、配合量で換算して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、一方、改質セルロース繊維の添加効果を発揮させる観点から、好ましくは99.95質量%以下、より好ましくは99.9質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
本発明の組成物におけるC成分の改質セルロース繊維の量は、組成物の所望の物性や成形法によって一概には決められないが、改質セルロース繊維の添加効果を発揮させる観点から、配合量で換算して、D成分を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上であり、一方、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
〔その他の成分〕
C成分及びD成分を含有する組成物は、前記のA成分及びB成分を含有する組成物と同様の「その他成分」を含んでいてもよい。
なお、必要に応じて、本発明の組成物中から揮発性成分の一部又は全部を除去してもよく、かかる除去後のものも、本発明の組成物に該当する。
かかるC成分及びD成分を含有する組成物を公知の方法で成形することによって、寸法安定性が高い成形体を製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
〔セルロース繊維、酸化セルロース繊維等の平均繊維径及び平均繊維長〕
測定対象のセルロース繊維にイオン交換水を加えて、その含有量が0.01質量%の分散液を調製する。該分散液を湿式分散タイプ画像解析粒度分布計(ジャスコインターナショナル社製、商品名:IF−3200)を用いて、フロントレンズ:2倍、テレセントリックズームレンズ:1倍、画像分解能:0.835μm/ピクセル、シリンジ内径:6515μm、スペーサー厚み:500μm、画像認識モード:ゴースト、閾値:8、分析サンプル量:1mL、サンプリング:15%の条件で測定する。セルロース繊維を100本以上測定し、それらの平均ISO繊維径を平均繊維径をとして、平均ISO繊維長を平均繊維長として算出する。
〔微細化されたセルロース繊維等の平均繊維径及び平均繊維長〕
測定対象のセルロース繊維に水又はエタノールを加えて、その含有量が0.0001質量%の分散液を調製し、該分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM)、(Digital instrument社製、Nanoscope III Tapping mode AFM、プローブはナノセンサーズ社製、Point Probe (NCH)を使用)を用いて、該観察試料中のセルロース繊維の繊維高さを測定する。その際、該セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、測定対象のセルロース繊維を100本以上抽出し、それらの繊維高さから平均繊維径を算出する。繊維方向の距離より、平均繊維長を算出する。平均アスペクト比は平均繊維長/平均繊維径より算出し、標準偏差も算出する。
〔各種セルロース繊維のカルボキシ基含有量〕
乾燥質量0.5gの測定対象のセルロース繊維を100mLビーカーにとり、イオン交換水を加えて全体で55mLとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製する。測定対象のセルロース繊維が十分に分散するまで該分散液を撹拌する。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5〜3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、商品名「AUT−701」)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定する。pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得る。この電導度曲線から水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、測定対象のセルロース繊維のカルボキシ基含有量を算出する。
カルボキシ基含有量(mmol/g)=水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)/測定対象のセルロース繊維の質量(0.5g)
〔改質セルロース繊維におけるEO/PO共重合部を有するアミンの平均結合量及び導入率(イオン結合)〕
EO/PO共重合部を有するアミンの結合量を次のIR測定方法によって求め、下記式によりその平均結合量及び導入率を算出する。IR測定は、具体的には、乾燥させた改質セルロース繊維を赤外吸収分光装置(IR)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、商品名:Nicolet 6700)を用いATR法にて測定し、次式により、イオン結合による前記アミンの平均結合量及び導入率を算出する。以下はイオン性基がカルボキシ基の場合を示す。以下の「1720cm−1のピーク強度」は、カルボニル基に由来するピーク強度である。なお、カルボキシ基以外のイオン性基の場合はピーク強度の値を適宜変更し、アミンの平均結合量及び導入率を算出すればよい。
EO/PO共重合部を有するアミンの結合量(mmol/g)=[アニオン変性セルロース繊維のカルボキシ基含有量(mmol/g)]×[(アニオン変性セルロース繊維の1720cm−1のピーク強度−EO/PO共重合部を有するアミン結合後の改質セルロース繊維の1720cm−1のピーク強度)/アニオン変性セルロース繊維の1720cm−1のピーク強度]
EO/PO共重合部を有するアミンの導入率(%)=100×(EO/PO共重合部を有するアミンの結合量(mmol/g))/(アニオン変性セルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g))
〔改質セルロース繊維におけるEO/PO共重合部を有するアミンの平均結合量及び導入率(共有結合)〕
平均結合量については下記式により算出する。
EO/PO共重合部を有するアミド基の結合量(mmol/g)=アミド基導入前のアニオン変性セルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)−アミド基導入後の改質セルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)
導入率(%)=〔アミド基の結合量(mmol/g)/アミド基導入前のアニオン変性セルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)〕×100
〔アニオン変性セルロース繊維の調製〕
調製例1(アニオン変性セルロース繊維1の調製)
針葉樹の漂白クラフトパルプ(ウエストフレザー社製、商品名:ヒントン)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製、10.5質量%水溶液)を用いた。臭化ナトリウムとしては市販品(和光純薬工業社製)を用いた。
まず、前記漂白クラフトパルプ繊維10gを990gのイオン交換水で十分に撹拌した後、該パルプ繊維10gに対し、TEMPO 0.13g、臭化ナトリウム1.3g、10.5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液27gをこの順で添加した。自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、商品名:AUT−701)でpHスタット滴定を用い、0.5M水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10.5に保持した。撹拌速度200rpmにて反応を120分(20℃)行った後、水酸化ナトリウムの滴下を停止し、アニオン変性セルロース繊維を得た。
得られたアニオン変性セルロース繊維を0.01Mの塩酸で中和処理を行ったのち、イオン交換水を用いてコンパクト電気伝導率計(堀場製作所製、LAQUAtwin EC-33B)によるろ液の電導度測定において200μs/cm以下になるまで十分に洗浄、次いで脱水処理を行って、アニオン変性セルロース繊維1を得た。また、このアニオン変性セルロース繊維のカルボキシ基含有量は1.3mmol/gであった。
調製例2(アニオン変性セルロース繊維2の調製)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたバイアル瓶に、調製例1で得られたアニオン変性セルロース繊維1を絶乾質量で7.2g仕込み、処理液の質量が360gとなるまで、イオン交換水を添加し、処理液を95℃で24時間撹拌することで、アニオン変性セルロース繊維2を得た。また、このアニオン変性セルロース繊維のカルボキシ基含有量は1.3mmol/gであった。
調製例3(微細化されたアニオン変性セルロース繊維1の調製)
調製例1で得られたアニオン変性セルロース繊維1の懸濁液(固形分含有量2.0質量%)100gを調製し、これに0.5M水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH=10に調整後、イオン交換水を加えて合計200gとした。この懸濁液を高圧ホモジナイザー(吉田機械社製、ナノヴェイタL−ES)を用いて150MPaで微細化処理を3回行い、微細化されたアニオン変性セルロース繊維1の分散液を得た。その後、該分散液に、1M塩酸水溶液をpHが2となるまで添加し、室温下1時間反応させプロトン化を行った。反応終了後ろ過し、得られたケークをイオン交換水にて洗浄し塩酸及び塩を除去した。最後にイソプロピルアルコール(IPA)、次いでメチルエチルケトン(MEK)で溶媒置換し、微細化されたアニオン変性セルロース繊維1の分散液を得た。得られた分散液(固形分含有量2.03質量%)中の微細化されたアニオン変性セルロース繊維1の平均繊維径は3.7nm、カルボキシ基含有量は1.3mmol/gであった。
調製例4(微細化されたアニオン変性セルロース繊維2の製造)
調製例2で得られたアニオン変性セルロース繊維2の懸濁液(固形分含有量2.0質量%)100gを調製し、これに0.5M水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH=10に調整後、この懸濁液を高圧ホモジナイザー(吉田機械社製、ナノヴェイタL−ES)を用いて150MPaで微細化処理を3回行い、微細化されたアニオン変性セルロース繊維2の分散液を得た。その後、該分散液に、1M塩酸水溶液をpHが2となるまで添加し、室温下1時間反応させプロトン化を行った。反応終了後ろ過し、得られたケークをイオン交換水にて洗浄し塩酸及び塩を除去した。最後にアセトンで溶媒置換し、微細化されたアニオン変性セルロース繊維2の分散液を得た。得られた分散液(固形分含有量5.82質量%)中の微細化されたアニオン変性セルロース繊維2の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.3mmol/gであった。
〔改質セルロース繊維の製造〕
製造例1(改質セルロース繊維1の製造)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例4で得られた微細化されたアニオン変性セルロース繊維2の分散液30.0g(固形分濃度5.82質量%)を仕込んだ。続いて、修飾用化合物としてのアミノ変性シリコーン(東レ・ダウコーニング株式会社製:SS−3551)を、微細化されたアニオン変性セルロース繊維100質量部に対して200質量部仕込み、シリコーンオイル(信越シリコーン製:KF−96L−0.65cs)を147g添加した。
これらの混合物を室温(25℃)で30分間反応させた後、高圧ホモジナイザーを用いて、150MPaで5パス分散処理して、微細化されたアニオン変性セルロース繊維2に、アミノ変性シリコーンがイオン結合を介して連結した改質セルロース繊維1のシリコーンオイル分散体(改質セルロース繊維濃度1%、総固形分濃度3%)を得た。本改質セルロース繊維はA成分に該当し、シリコーンオイルはB成分に該当するため、得られたシリコーンオイル分散体は本発明の組成物である。
製造例2(改質セルロース繊維2の製造)
修飾用化合物として使用するアミノ変性シリコーンを、東レ・ダウコーニング株式会社製:FZ 3760とし、その仕込み量を、微細化されたアニオン変性セルロース繊維100質量部に対して100質量部に変更した以外は、製造例1と同様にして、改質セルロース繊維2のシリコーンオイル分散体(改質セルロース繊維濃度1%、総固形分濃度2%)を得た。
製造例3(改質セルロース繊維3の製造)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例3で得られた微細化されたアニオン変性セルロース繊維1の分散液25.0g(固形分濃度2.03質量%)を仕込んだ。続いて、修飾用化合物としてのアミノ変性シリコーン(SS−3551)を、微細化されたアニオン変性セルロース繊維100質量部に対して155質量部、及び更なる修飾用化合物としてのEOPOアミン(ハンツマン社製:Jeffamine M−2070)を、微細化されたアニオン変性セルロース繊維100質量部に対して80質量部仕込み、MEKを86.1g添加した。
これらの混合物を室温(25℃)で30分間反応させた後、高圧ホモジナイザーを用いて、150MPaで10パス分散処理して、微細化されたアニオン変性セルロース繊維1に、アミノ変性シリコーンとEOPOアミンがイオン結合を介して連結した改質セルロース繊維3のMEK分散体(改質セルロース繊維濃度0.5%、総固形分濃度1.67%)を得た。
実施例1
製造例1で得られた改質セルロース繊維1の分散体1g(即ち、改質セルロース繊維換算で0.01g)と、一液型RTVシリコーンゴム(B成分、信越シリコーン社製、KE−347T)1gと、シリコーンオイル(B成分、信越シリコーン製、KF−96L−0.65cs)4gとを、自動公転式撹拌機(シンキー社製、あわとり練太郎)を用いて、室温(25℃)で2000rpmで9分間攪拌して混合した。次いで室温(25℃)で2200rpmで1分間攪拌して脱泡し、塗工液(本発明の組成物)を得た。塗工液は、透明度の高い液状の組成物として得られた。
得られた液状の塗工液をPTFE製のシャーレ(外径55mmφ)に6g流し込み、25℃で24時間乾燥させて、シリコーンオイル及び溶媒(アセトン)を除去し、本発明の樹脂成形体(塗膜)(塗膜厚は約0.3mm)を製造した。樹脂成形体の組成等を表1に示す。
実施例2
改質セルロース繊維1の分散体の代わりに、製造例2で得られた改質セルロース繊維2の分散体を用いる以外は実施例1と同様にして、本発明の樹脂成形体(塗膜)(塗膜厚は約0.3mm)を製造した。樹脂成形体の組成等を表1に示す。
実施例3
製造例3で得られた改質セルロース繊維3の分散体2g(即ち、改質セルロース繊維換算で0.01g)と、一液型RTVシリコーンゴム(B成分、信越シリコーン社製、KE−347T)1gと、MEK3gとを、自動公転式撹拌機(シンキー社製、あわとり練太郎)を用いて、室温(25℃)で2000rpmで9分間攪拌して混合した。次いで室温(25℃)で2200rpmで1分間攪拌して脱泡し、塗工液(本発明の組成物)を得た。塗工液は、透明度の高い液状の組成物として得られた。
得られた液状の塗工液をPTFE製のシャーレ(外径55mmφ)に6g流し込み、25℃で24時間乾燥させて、シリコーンオイル及び溶媒(MEK)を除去し、本発明の樹脂成形体(塗膜)(塗膜厚は約0.3mm)を製造した。樹脂成形体の組成等を表1に示す。
比較例1
改質セルロース繊維の分散体1gを配合しなかったこと以外は実施例1と同じ方法により、樹脂成形体を製造した。
比較例2
改質セルロース繊維の代わりに、酸化処理や改質処理を受けていないセルロース繊維(ダイセル社製:セリッシュFD−100G、平均繊維径:50nm)を用いた。このセルロース繊維にシリコーンオイル(信越シリコーン製:KF−96L−0.65cs)を添加し、高圧ホモジナイザーを用いて、150MPaで5パス分散処理して、セルロース繊維換算で0.01g含有する1gのシリコーンオイル懸濁液を得た。改質セルロース繊維の分散体1gに代えて、このシリコーンオイル懸濁液1gを使用したこと以外は実施例1と同じ方法により、樹脂成形体を製造した。
試験例1(寸法安定性)
前記の実施例及び比較例のそれぞれで得られた樹脂成形体を、幅3mm、長さ20mmの短冊型に切断してサンプルとした。熱応力歪測定装置(セイコー電子社製、EXSTAR TMA/SS6100)を用いて、窒素雰囲気下で1分間に5℃の割合で、該短冊型サンプルの温度を上昇又は降下させて、引張モードで荷重を30mNに設定して計測した。線熱膨張係数は、前記シリコーンゴム(KE−347T)のTg以上の20℃から40℃(昇温モード)と65℃から55℃(降温モード)のそれぞれの温度範囲での平均線熱膨張係数を算出して得た。表1に示された各寸法安定性の値は、比較例1における線熱膨張係数を100とした相対値(Index)である。線熱膨張係数(又は係数のIndex)の値が低い方が寸法安定性に優れていることを示す。
Figure 2020158764
上記の実験結果から、セルロース繊維そのものを含まない成形体(比較例1)と比べて、本発明の成形体(実施例1〜3)は線熱膨張係数が低く、寸法安定性に優れていることが分かった。また、実施例1〜3の成形体は比較例1の成形体と同等の透明性を示し、セルロース繊維による透明性悪化は見られなかった。一方、比較例2においては、高圧ホモジナイザーによるセルロース繊維の分散処理を行っても、分散液が透明に分散せず、静置後速やかに沈殿物が生じることが確認できたので、成形体の寸法安定性の評価を行わなかった。沈降物の生成から、成形体調製時にはセルロース繊維による著しい透明性悪化が容易に推測された。
本発明の組成物は、透明樹脂材料、3次元造形材料、クッション材、補修材、接着剤、シーリング材、断熱材、吸音材、人工皮革材料、塗料、電子材、包装材料、タイヤ、自動車部品、繊維複合材料等の各種樹脂製品の原料成分として利用することができる。

Claims (7)

  1. (A)イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなる改質セルロース繊維、及び、
    (B)シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上
    を含有する組成物。
  2. 前記(B)がシリコーン樹脂である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記(A)の改質セルロース繊維におけるイオン性基がカルボキシ基である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物を硬化してなる、成形体。
  5. (A)イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなる改質セルロース繊維、及び、
    (B)シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上
    を混合する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物の製造方法。
  6. イオン性基を含むセルロース繊維を含む分散体、
    シリコーン化合物、並びに
    シリコーンオイル及び樹脂からなる群より選択される1種以上
    を混合する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物の製造方法。
  7. (C)イオン性基を含むセルロース繊維のイオン性基に、EO/PO共重合部及び炭化水素基からなる群より選択される1種以上が修飾基として結合されてなる改質セルロース繊維、及び、
    (D)シリコーンオイル及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種以上
    を含有する組成物。
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