JP2017052657A - 窯道具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジルコニア質の被覆層の剥離の起きにくさの点で優れ、昇温及び冷却の条件の厳しい熱的サイクルにも繰り返し耐えることができ、長寿命の窯道具を提供する。
【解決手段】本発明の窯道具は、SiC質を含むセラミックスを基材とし、該基材と界面を形成するムライト質の被覆層を有し、該ムライト質の被覆層の表面側に、ジルコニア質の被覆層を有する窯道具であって、前記ムライト質の被覆層の平均気孔径が1μm以上50μm以下である。前記ムライト質の被膜層の平均気孔径/累積気孔径(D50)値が0.5以上0.9以下の範囲であることが好ましい。前記ムライト質の被覆層の気孔径分布における累積気孔径(D50)が、2μm以上70μm以下の範囲に観察されることも好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、窯道具に関する。本発明の窯道具は例えば電子部品の焼成用に好適に用いられる。
積層セラミックコンデンサ(MLCC)、圧電素子及びサーミスタ等の電子部品の製造工程には、その一つに焼成工程がある。焼成工程においては、焼成されるべきワークが、例えば棚板と呼ばれる板状耐火物の窯道具上に複数載置され、その状態下に焼成が行われる。このような電子部品の焼成工程においては、部品の極小型化がなされてきた結果、焼成する電子部品を焼成用窯道具とともに、非常に高温の炉に短時間投入することで、炉から取り出して焼成を完了させる、急激な昇温及び/又は急激な冷却を伴う焼成である迅速焼成のプロセスが主流になりつつある。それに伴って、焼成用窯道具も従来より更に耐熱衝撃性及び低熱容量が求められるようになってきている。その結果、窯道具の材質は、アルミナ質から炭化ケイ素(SiC)質へと変化している。SiC質は、前記の耐熱衝撃性及び低熱容量という特性は満たすものの、電子部品と反応する場合があるため、これを防止するためジルコニア質の被覆層を表面に設けることが通常行われている。このジルコニア質の被覆層は、窯道具の使用中にSiC質の基材から剥離しやすいという欠点を有している。
例えば特許文献1には、SiC質の基板である第1層と、ZrO2等の第3層との間に、Al23、Al23−SiO2質、Al23−SiO2−MgO質、MgO−Al23−ZrO2質から選ばれたセラミックスからなる第2層を設けた熱処理用治具が記載されている。同文献には、前記の第2層を設けることで、被覆層の剥離防止効果を付与する旨が記載されている。
特許文献2には、SiC質等のセラミックからなる基材表面にコーティング層が形成され、前記コーティング層が、前記基材の表面に気孔率が10%以下のAl23質又はAl23−SiO2質を主成分とする中間層と、気孔率が20〜70%であるジルコニア質等の表層から構成された電子部品用焼成治具が記載されている。同文献には、表層の気孔率を高くすることで、表層の剥離を防止させることができると記載されている。
特開2003-306392号公報 特開2006-183972号公報
しかしながら、従来の窯道具は、近年進む迅速焼成に対応するほど十分に、表層のジルコニア質の被覆層の剥離防止がなされたものではない。
従って、本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る窯道具を提供することにある。
本発明は、SiC質を含むセラミックスを基材とし、該基材と界面を形成するムライト質の被覆層を有し、該ムライト質の被覆層の表面側に、ジルコニア質の被覆層を有する窯道具であって、
前記ムライト質の被覆層の平均気孔径が1μm以上50μm以下である窯道具を提供するものである。
本発明の窯道具は、ジルコニア質の被覆層の剥離の起きにくい点で優れたものである。従って、本発明の窯道具は、昇温及び冷却の条件の厳しい熱的サイクルにも繰り返し耐えることができるため、電子部品の焼成用窯道具として用いた場合長期間に亘って使用が可能である。
実施例1及び比較例1でそれぞれ得られた窯道具の昇温−冷却サイクル試験前の断面のSEM写真である。(a)が実施例1の窯道具の断面図、(b)が比較例1の窯道具の断面図である。 実施例1及び比較例1でそれぞれ得られた窯道具に係る、昇温−冷却サイクルを20回繰り返した後の断面のSEM写真である。(a)が実施例1の窯道具の断面図、(b)が比較例1の窯道具の断面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の窯道具は、SiC質を含むセラミックスを基材とし、該基材と界面を形成するムライト質の被覆層を有し、該ムライト質の被覆層の表面側に、ジルコニア質の被覆層を有する。以下、各構成について順次説明する。
<基材>
基材は、本発明の窯道具の外形をなすものであり、その形状としては、例えば棚板と呼ばれる板状のものや、さやないし匣鉢と呼ばれる三次元の容器形のものが挙げられるが、これらに限られない。
基材はセラミックスから構成されており、該セラミックスに含まれる炭化ケイ素(SiC)質としては、再結晶SiC、常圧焼結SiC、窒化ケイ素結合SiC、珪酸塩結合SiC、シリコン含浸SiCなど、当該技分野において従来用いられている炭化ケイ素質であれば特に制限なく用いることができる。
基材における炭化ケイ素(SiC)の含有量は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが特に好ましい。また基材における炭化ケイ素(SiC)の含有量の上限は100質量%であるが、例えば99質量%以下であることが、基材の入手しやすさ等の観点から好ましい。基材における炭化ケイ素(SiC)の含有量は蛍光X線により測定できる。
本発明の窯道具においては、SiC質を含むセラミックスである基材は、ムライト質の被覆層と界面を形成している。このような本発明の窯道具においては、通常、基材表面に露出したSiC質が、ムライト質以外の材質の層に介在されない状態でムライト質の被覆層と直接接触した状態で配されている。
<ムライト質の被覆層>
ムライト質の被覆層は、ムライト(3Al23・2SiO2)を中心としたムライト質で構成されている。ムライト質の被覆層は基材表面における少なくとも被焼成物が戴置部分に形成されていればよいが、好ましくは基材表面全体と界面を形成している。
本発明者らは、SiC質を含むセラミックス基材と、表層であるジルコニア質の被覆層とを有する窯道具におけるジルコニア質の被覆層の剥離しやすさについて鋭意研究した。その結果、基材とジルコニア質の被覆層との間にムライト質の被覆層を中間層として設けたときのムライト質の被覆層の平均気孔径が、ムライト質の被覆層の表面側に位置するジルコニア質の被覆層の剥離のしやすさと強く関係していることを見出した。ここで表面側とは、前記被覆層を基準としたときに、基材側ではなく外表面に面した側をいう。そして、この平均気孔径を特定範囲に設定することで、過酷な熱サイクル下でも窯道具におけるジルコニア質の被覆層の剥離しにくさを効果的に向上させることができることが判明した。なお、本明細書でいうジルコニア質の被覆層の剥離とは、ジルコニア質の被覆層が、該被覆層の基材側に位置する別の被覆層から剥離する場合のみならず、ジルコニア質の被覆層が、ムライト質の被覆層ごと又はムライト質の被覆層及びアルミナ質等の被覆層(中間層)ごと基材から剥離する場合や、ジルコニア質の被覆層が、アルミナ質等の被覆層(中間層)ごとムライト質の被覆層から剥離する場合も全て含まれる。
具体的には、ムライト質の被覆層の平均気孔径は1μm以上50μm以下であることが重要である。前記の剥離しにくさの向上効果を一層高める観点から、ムライト質の被覆層に見られる気孔につき、気孔径の個数による平均気孔径は5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下が特に好ましい。本明細書においては、上述の気孔径の個数による平均の気孔径を平均気孔径というが、この平均気孔径は、被覆層断面の顕微鏡写真を撮影し、その写真に基づきインターセプト法により測定される。例えば後述する実施例に記載の方法で測定される。
本発明において、ムライト質の被覆層の平均気孔径を前記の範囲に設定するためには、粒径の異なる2種又はそれ以上のムライト質の粉末を用いてムライト質の被覆層を形成し、且つその際に2種又はそれ以上の粉末の粒径及び使用量を調整すればよい。具体的にはムライト質の被覆層を形成するための原料粉末は、2つの異なる特定の粒径範囲の粉末を含有することが好ましい。2つの異なる特定の粒径範囲とは平均粒径d50が1μm以上10μm以下の範囲、及び平均粒径d50が20μm以上100μm以下の範囲である。本発明の窯道具は、結晶粒の粒度分布を調整したムライト質の被覆層を有することで、より一層確実に、ジルコニア質の被覆層の剥離が起きにくいものとなる。本明細書中、粉末の平均粒径d50は、例えばレーザー回折散乱式粒度分布測定器(日機装社製又はマイクロトラック・ベル社製 マイクロトラック MT3000II)によって測定される。d50は、体積基準の積算分率における50%径である。
本発明の窯道具は、ムライト質の被覆層の平均気孔径に加えて、当該被覆層における気孔径分布も特定のものであることが、窯道具を、より一層ジルコニア質の被覆層の剥離が起こりにくいものとすることができる点で好ましい。具体的には前記の気孔径分布は累積分布50%における累積気孔径(D50)が2μm以上70μm以下であることが好ましく、5μm以上60μm以下であることがより好ましく、10μm以上50μm以下であることが特に好ましい。
更に、ムライト質の被覆層は、本発明の効果をより確実に奏する観点から前記の気孔径分布は小径側からの累積分布10%における累積気孔径(D10)が特定範囲であることが好ましい。具体的には、ムライト質の被覆層における前記のD10は1μm以上15μm以下であることが好ましく、2μm以上10μm以下であることがより好ましく、5μm以上9μm以下であることが特に好ましい。
更に本発明の効果をより確実に奏する観点から前記の気孔径分布は小径側からの累積分布90%における累積気孔径(D90)が特定範囲であることが好ましい。具体的には、ムライト質の被覆層における前記のD90は1μm以上200μm以下であることが好ましく、3μm以上150μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることが特に好ましい。
50、D10及びD90は、被覆層断面の顕微鏡写真を撮影し、その写真に基づきインターセプト法により気孔径を測定し、当該気孔径のデータ50点以上を、気孔径(μm)を横軸に、データ数の累積を縦軸にしてプロットして分布を得ることにより測定できる。例えば後述する実施例に記載の方法で得られる。
本発明において、ムライト質の被覆層の気孔径分布を前記の範囲に設定するためには、粒径の異なる2種又はそれ以上のムライト質の粉末を用いてムライト質の被覆層を形成し、且つその際に2種又はそれ以上の粉末の粒径及び使用量を調整すればよい。具体的に2つの特定範囲とは、平均粒径d501μm以上10μm以下の範囲、及び平均粒径d5020μm以上100μm以下の範囲である。本発明の窯道具は、結晶粒の粒度分布を調整したムライト質の被覆層を有することで、より一層確実に、ジルコニア質の被覆層の剥離が起きにくいものとなる。
本発明では、ムライト質の被覆層の累積気孔径(D50)の値に対する平均気孔径の比である「平均気孔径/累積気孔径(D50)」の値が特定範囲であることも重要である。平均気孔径/累積気孔径(D50)の値は通常1以下である。1よりも大きい場合、被覆層の密着性が弱く、容易に磨耗、剥離してしまうためである。更に、本発明者らは、平均気孔径/累積気孔径(D50)が一定範囲内とすることでジルコニア質の被覆層の剥離が一層防止しやすいことを見出した。この理由は明確ではないが、被覆層の密着性の観点と熱膨張の緩和の2点が影響しているためと本発明者らは推定している。具体的には、被膜層の平均気孔径/累積気孔径(D50)の値は、0.5以上0.9以下であることがより好ましく、0.7以上0.85以下であることが更に好ましい。本発明において、ムライト質の被覆層の平均気孔径/累積気孔径(D50)を前記の範囲に設定するためには、粒径の異なる2種又はそれ以上のムライト質の粉末を用いてムライト質の被覆層を形成し、且つその際に2種又はそれ以上の粉末の粒径及び使用量を調整すればよい。
ムライト質の被覆層は、平均気孔径が前記範囲であることに加えて、気孔率が、10%以上50%以下であることが好ましい。10%以上であることは、ムライト質の被覆層とジルコニア質の被覆層の剥離防止の観点から好ましく、50%以下であることは、基材とムライト質の被覆層の磨耗防止の観点から好ましい。これらの観点から、ムライト質の被覆層の気孔率は、15%以上45%以下であることがより好ましく、20%以上40%以下であることが更に一層好ましい。前記気孔率は、インターセプト法を用い、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。ムライト質の被覆層の気孔率を前記の範囲とするためには後述する製造方法に従い本発明の窯道具を製造すればよい。
上述の通りムライトは3Al・2SiOで表されるところ、ムライト質の被覆層は、Alを70質量%以上75質量%以下含有することが剥離防止の観点から好ましく、72質量%以上74質量%以下含有することが特に好ましい。ムライト質の被覆層は、SiOを25質量%以上30質量%以下含有することが同様の観点から好ましく、26質量%以上28質量%以下含有することが特に好ましい。同様の観点からムライト質の被覆層におけるSiO2/Al23の質量比は好ましくは70/30〜75/25、更に好ましくは72/28〜74/26の範囲である。前記のAlの含有量及びSiOの含有量は窯道具からムライト質の被覆層を切り出して蛍光X線分析を行うことにより求められる。
ムライト質の被覆層の厚さは、本発明の効果を高める観点から30μm以上であることが好ましい。またムライト質の被覆層の厚さはムライト質の被覆層の剥離防止の観点から150μm以下であることが好ましい。これらの観点から、ムライト質の被覆層の厚さは、50μm以上120μm以下であることがより好ましく、70μm以上110μm以下であることが更に好ましい。厚さは後述する実施例に記載の方法にて測定できる。
<ジルコニア質の被覆層>
ジルコニア質の被覆層は、ムライト質の被覆層の表面側に形成されている。ジルコニア質の被覆層は、ムライト質の被覆層と界面を形成していても良い。或は、ジルコニア質の被覆層とムライト質の被覆層との間には、別の層が設けられ、この別の層によりジルコニア質の被覆層とムライト質の被覆層とが隔てられ、界面を形成しない状態であってもよい。ジルコニア質の被覆層は、基材及び/又はムライト質の被覆層の略全体を覆っていてもよく一部を覆っていてもよい。本発明の窯道具は、ジルコニア層の表面側に更に別の層を有していても良く、有していなくてもよい。ジルコニア層の表面側に該別の層を有しない場合、ジルコニア質の被覆層は本発明の窯道具の最表面に位置している。
上述した通り、本発明ではムライト質の被覆層の平均気孔径が重要であるところ、これに加えて、ジルコニア質の被覆層の平均気孔径が特定範囲であると、本発明の窯道具を、ジルコニア質の被覆層の剥がれが更に一層起きにくいものとできる点、及び磨耗防止の点で好ましい。ジルコニア質の被覆層の平均気孔径は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
本発明の窯道具は、ムライト質の被覆層の平均気孔径が前記範囲であることに加えて、ジルコニア層の被覆層における気孔径分布も特定のものであることが本発明の窯道具を、ジルコニア質の被覆層の剥がれが更に一層起きにくいものとできる点、及び磨耗の点で好ましい。例えば前記の気孔径分布は累積気孔径(D50)が2μm以上70μm以下であることが好ましく、5μm以上60μm以下であることがより好ましく、10μm以上50μm以下であることが特に好ましい。
ジルコニア質の被覆層は気孔率が、10%以上50%以下であることが好ましい。10%以上であることは、剥離の観点から好ましく、50%以下であることは、磨耗の観点から好ましい。これらの観点から、ジルコニア質の被覆層の気孔率は、15%以上45%以下であることがより好ましく、20%以上40%以下であることが更に一層好ましい。
ジルコニア質の被覆層の平均気孔径、累積気孔径(D50)及び気孔率はそれぞれ、ムライト質の被覆層の平均気孔径、累積気孔径(D50)及び気孔率と同様の方法で測定される。
ジルコニア(酸化ジルコニウム、ZrO2)質としては、未安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア及び安定化ジルコニア、あるいはこれらの混合物が挙げられる。安定化又は部分安定化はイットリア(Y23)、カルシア(CaO)やマグネシア(MgO)等をジルコニアに添加することにより達成できる。
ジルコニア質の被覆層の厚さは、本発明の効果を高める観点、及び被焼成物との耐反応性の観点から50μm以上であることが好ましい。またジルコニア質の被覆層の厚さはムライト質の被覆層の剥離防止の観点から250μm以下であることが好ましい。これらの観点から、ジルコニア質の被覆層の厚さは、50μm以上200μm以下であることがより好ましく、70μm以上150μm以下であることが更に好ましい。厚さは後述する実施例に記載の方法にて測定できる。
本発明の窯道具は、上述したようにムライト質の被覆層とジルコニア質の被覆層との間に中間層を設けることが可能であるところ、この中間層として、例えばアルミナ質の被覆層を設けることが好ましい。
<アルミナ質の被覆層>
アルミナ質の被覆層は、アルミナ(Al)から構成されている。アルミナ質の被覆層は、ムライト質の被覆層と界面を形成していることが好ましい。アルミナ質の被覆層は、基材及び/又はムライト質の被覆層の略全体を覆っていてもよく一部を覆っていてもよい。アルミナ質の被覆層は、その表面側に位置するジルコニア質の被覆層とも界面を形成していることが好ましい。
上述した通り、本発明ではムライト質の被覆層の平均気孔径が重要であるところ、これに加えて、アルミナ質の被覆層の平均気孔径が特定範囲であると、本発明の窯道具を、ジルコニア質の被覆層の剥がれが更に一層起きにくいものとできる点で好ましい。アルミナ質の被覆層の平均気孔径は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
本発明の窯道具は、ムライト質の被覆層の平均気孔径が前記範囲であることに加えてアルミナ層の被覆層における気孔径分布も特定のものであることが本発明の窯道具を、ジルコニア質の被覆層の剥がれが更に一層起きにくいものとできる点で好ましい。例えば前記の気孔径分布は累積頻度50%における気孔径D50が2μm以上70μm以下であることが好ましく、5μm以上60μm以下であることがより好ましく、10μm以上50μm以下であることが特に好ましい。
アルミナ質の被覆層は気孔率が、10%以上50%以下であることが好ましい。10%以上であることは、剥離の観点から好ましく、50%以下であることは、磨耗の観点から好ましい。これらの観点から、アルミナ質の被覆層の気孔率は、15%以上45%以下であることがより好ましく、20%以上40%以下であることが更に一層好ましい。
アルミナ質の被覆層の平均気孔径、累積気孔径(D50)及び気孔率はそれぞれ、ムライト質の被覆層の平均気孔径、累積気孔径(D50)及び気孔率と同様の方法で測定される。
アルミナ質の被覆層の厚さは、本発明の効果を高める観点から50μm以上であることが好ましい。またアルミナ質の被覆層の厚さはアルミナ質の被覆層の剥離防止の観点から200μm以下であることが好ましい。これらの観点から、アルミナ質の被覆層の厚さは、50μm以上150μm以下であることがより好ましく、70μm以上120μm以下であることが更に好ましい。厚さは後述する実施例に記載の方法にて測定できる。
<製造方法>
本発明の窯道具の好適な製造方法は、基材を製造する工程と、基材の表面にムライト質の被覆層を形成する工程と、ムライト質の被覆層の表面側にジルコニア質の被覆層を形成する工程とを含む。
基材は、その形状に応じて種々の方法で製造することができる。例えば、プレス成形、押し出し成形、鋳込み成形、油圧成形、キャスト成形、振動成形等によって成形体を製造し、該成形体を焼成すればよい。
次いで、得られた基材の表面に、ムライト質の被覆層を直接に形成する。ムライト質の原料粉末は、平均粒径d50が1μm以上10μm以下の範囲のムライト質の粉末、及び平均粒径d50が20μm以上100μm以下の範囲のムライト質の粉末を含有する。
ムライト質の原料粉末におけるSiO2の含有率、Al23の含有率、SiO2/Al23の質量比それぞれの好ましい範囲としては、これを用いて得られるムライト質の被覆層のSiO2の含有率、Al23の含有率、SiO2/Al23の質量比の好ましい範囲として前記で上げた範囲と同様の範囲を挙げることができる。
ムライト質の原料粉末を用いて基材にムライト質の被覆層を形成する方法としては、スプレーコート法、溶射法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、PVD(Physical Vapor Deposition)法が挙げられる。例えばスプレーコート法でムライト質の被覆層を形成する場合は、前記の原料粉末に液媒及び必要に応じてバインダを混合してスラリーとし、このスラリーを基材表面にスプレーコートする。液媒としては、水等を用いることができ、ムライト質の原料粉末100質量部に対して例えば10質量部以上40質量部以下の濃度で用いることが好ましい。バインダとしてはPVA、メチルセルロースを用いることができる。バインダは原料粉末100質量部に対して例えば1質量部以上10質量部以下の濃度で用いることが好ましい。また溶射の場合は、前記の原料粉末をそのまま、或はスラリー状にして溶射することができる。溶射方法としては、例えばプラズマ溶射法であれば、水プラズマ溶射、ガスプラズマ溶射などが知られており、いずれの溶射方法を採用してもよい。
得られたムライト質の被覆層表面には、そのまま直接ジルコニア質の被覆層を形成するか、或は、アルミナ質の被覆層等の中間層を形成した後にジルコニア質の被覆層を形成する。
本発明の窯道具の製造方法の例としては、以下の(1)〜(3)の方法が挙げられるが、これに限定されない。
(1) (i):基材表面にムライト質の原料粉末を溶射してムライト質の溶射膜である被覆層を形成する。(ii):(i)で得られたムライト質の被覆層の表面に、アルミナ質の原料粉末を溶射してアルミナ質の溶射膜である被覆層を形成する。(iii):(ii)で得られたアルミナ質の被覆層の表面に、ジルコニア質の原料粉末を溶射してジルコニア質の溶射膜である被覆層を形成する。
(2)(i):基材表面にムライト質の原料粉末を含むスラリーをスプレーコートしてムライト質のコーティング層を形成する。(ii):(i)で得られたムライト質のコーティング層表面にアルミナ質の原料粉末を含むスラリーをスプレーコートしてアルミナ質のコーティング層を形成する。(iii):(ii)で得られたムライト質のコーティング層表面にジルコニア質の原料粉末を含むスラリーをスプレーコートしてジルコニア質のコーティング層を形成する。(iv):(iii)で得られたムライト質、アルミナ質及びジルコニア質の各コーティング層が形成された基材を焼成する。
(3)(i):基材表面にムライト質の原料粉末を含むスラリーをスプレーコートしてムライト質のコーティング層を形成する。(ii):(i)で得られたムライト質のコーティング層表面にジルコニア質の原料粉末を含むスラリーをスプレーコートしてジルコニア質のコーティング層を形成する。(iii):(ii)で得られたムライト質及びジルコニア質の各コーティング層が形成された基材を焼成する。
焼成工程における焼成温度としては、例えば1200℃以上1500℃以下が好ましい。焼成雰囲気としては大気等の含酸素雰囲気が挙げられる。焼成時間としては焼成温度を上記範囲とする条件にて1時間以上50時間以下が好ましい。
このようにして得られた本発明の窯道具は、加熱速度及び冷却速度が大きく熱的サイクルの厳しい条件下においても、ジルコニア質の被覆層の剥離が効果的に防止される。このため、被焼成物である各種の電子部品、例えば誘電体、積層コンデンサ、セラミックコンデンサ、積層セラミックコンデンサ(MLCC)、圧電素子、サーミスタ、インダクタ等の製造工程において焼成を行うときに好適に用いられる。そして、そのような電子部品の製造に本発明の窯道具を用いることで、窯道具の繰り返し使用の耐久性が向上する。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
基材として、縦100mmであり、横100mmであり、厚さ2mmの再結晶SiCからなる板状の基材を用いた。この基材は原料としてSiC粉末を、鋳込み成形法により成形し、得られた成形体を焼成して得たものであり、SiC含有量が98質量%のものであった。ムライト質の被覆層の形成材料として、ムライト質の原料粉末(Al含有率72%/SiO含有率28%)を用いた。ムライト質の原料粉末は粒子形状が略球状(粒状)であった。このムライト質の原料粉末は、平均粒径d50が8μmのムライト質の粉末と、平均粒径d50が75μmのムライト質の粉末とを質量比(前者:後者)3:7で混合したものであった。このムライト質の原料粉末100質量部に対し、液媒として水を25質量部、バインダとしてPVAを5質量部混合してスラリーとした。このスラリーを基材表面にスプレーコートし、100℃で乾燥させて、ムライト質のコーティング層を形成した。ムライト質のコーティング層の厚さは、後工程である焼成後に厚さが55μmとなるように調整した。
前記の工程により、得られたコーティング層付き基材を、1200℃で8時間焼成した。焼成後、72時間静置して室温まで冷却した。焼成により得られたムライト質の被覆層の表面にプラズマ溶射法によりアルミナ質の被覆層を形成するとともに、該アルミナ質の被覆層の表面に更にプラズマ溶射法によりジルコニア質の被覆層を形成した。これらのプラズマ溶射の条件としては、作動ガスとしてArを用いた。プラズマ溶射の電流値及び溶射時間をコントロールして、厚みが65μmのアルミナ質の被膜層及びその上に厚みが52μmのジルコニア質の被覆層を形成した。
以上の工程により、実施例1の窯道具を得た。
〔実施例2〕
ムライト質の原料粉末を構成する2種のムライト質の粉末の平均粒径d50及び該2種の粉末の混合比率(質量比、以下同様)について表1の記載の通りとした。ムライト質の被覆層を溶射により形成し、且つ、ムライト質の被覆層、アルミナ質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さが表1に記載の厚さとなるように調整した。これらの点以外は、実施例1と同様にして窯道具を得た。
〔実施例3〕
ムライト質の原料粉末を構成する2種のムライト質の粉末の平均粒径d50及び該2種の粉末の混合比率について表1の記載の通りとした。ムライト質、アルミナ質及びジルコニア質の各被膜層の形成を全てスプレーコーティングで実施した。焼成は各被覆層をスプレーコーティングした後に行った。ムライト質の被覆層、アルミナ質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さが表1に記載の厚さとなるように調整した。これらの点以外は、実施例1と同様にして窯道具を得た。
〔実施例4〕
ムライト質の原料粉末を構成する2種のムライト質の粉末の平均粒径d50及び該2種の粉末の混合比率について表1の記載の通りとした。ムライト質の被覆層、アルミナ質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さが表1に記載の厚さとなるように調整した。これらの点以外は、実施例3と同様にして窯道具を得た。
〔実施例5〕
ムライト質の粉末を構成する2種の粉末の平均粒径d50及びその混合比率について表1の記載の通りとした。ムライト質の被覆層、アルミナ質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さが表1に記載の厚さとなるように調整した。これらの点以外は、実施例3と同様にして窯道具を得た。
〔実施例6〕
ムライト質の粉末を構成する2種の粉末の平均粒径d50及びその混合比率について表1の記載の通りとした。アルミナ質の被覆層の形成をスプレーコーティングにより行い、焼成はムライト質の被覆層及びアルミナ質の被覆層をスプレーコーティングした後に行った。また、ムライト質の被覆層、アルミナ質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さが表1に記載の厚さとなるように調整した点以外は、実施例1と同様にして窯道具を得た。
〔実施例7〕
ムライト質の粉末を構成する2種の粉末の平均粒径d50及びその混合比率について表1の記載の通りとした。ジルコニア質の被覆層の形成をスプレーコーティングにより行った。焼成は、ムライト質の被覆層、アルミナ質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さが表1に記載の厚さとなるように調整した点以外は、実施例1と同様にして窯道具を得た。
〔実施例8〕
基材として、常圧焼成SiCを用いた。この基材は、原料としてSiC粉末をCIP成形法により成形し、得られた成形体を焼成して得たものであり、SiCを98質量%含有していた。ムライト質の粉末を構成する2種の粉末の平均粒径d50及びその混合比率について表1の記載の通りとした。またムライト質の被覆層、アルミナ質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さが表1に記載の厚さとなるように調整した。これらの点以外は、実施例1と同様にして窯道具を得た。
〔実施例9〕
基材として、窒化ケイ素結合SiCを用いた。この基材は、原料としてSiとSiCという構成の粉末を鋳込み成形法により成形し、得られた成形体を焼成して得たものであり、SiCを70質量%含有していた。ムライト質の粉末を構成する2種の粉末の平均粒径d50及びその混合比率について表1の記載の通りとした。またムライト質の被覆層、アルミナ質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さが表1に記載の厚さとなるように調整した。これらの点以外は、実施例1と同様にして窯道具を得た。
〔実施例10〕
ムライト質の粉末を構成する2種の粉末の平均粒径d50及びその混合比率について表1の記載の通りとした。基材にムライト質の原料粉末をスプレーコートして焼成した後に、アルミナ質の原料粉末の溶射を行わずに、ジルコニア質の原料粉末の溶射を行った。またムライト質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さを表1に記載の厚さとなるように調整した。これらの点以外は、実施例1と同様にして窯道具を得た。
〔比較例1〕
基材にムライト質の原料粉末をスプレーコートせず、アルミナ質の被覆層及びジルコニア質の被覆層それぞれの厚さを表2に記載の厚さとなるように調整した点以外は、実施例1と同様にして、窯道具を得た。
〔比較例2〕
ムライト質の粉末を構成する2種の粉末の平均粒径d50及びその混合比率について表2の記載の通りとした。ムライト質、アルミナ質及びジルコニア質の各被覆層の厚みを表2に記載の厚さとなるように調整した。これらの点以外は実施例1と同様にして、窯道具を得た。
〔比較例3〕
ムライト質の粉末を構成する2種の粉末の平均粒径d50及びその混合比率について表2の記載の通りとした。ムライト質、アルミナ質及びジルコニア質の各被覆層の厚みが表2に記載の厚さとなるように調整した。これらの点以外は実施例1と同様にして、窯道具を得た。
〔評価〕
実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた窯道具について、以下の方法にて、ムライト質の被覆層の平均気孔率、累積気孔径(D50、D10、D90)、気孔率を求めたほか、ジルコニア質及びアルミナ質の被覆層の気孔率を求めた。また各被覆層の厚さを確認した。また以下の方法で剥離耐性を調べた。それらの結果を表1及び表2に示す。
<平均気孔径、累積気孔径(D50、D10、D90)及び気孔率>
窯道具をダイヤモンドカッターで切断し、窯道具の厚みに沿う断面を得た。この断面を樹脂埋め後に研磨盤により研磨した後、走査型電子顕微鏡(日本電子社製のJSM−6380、倍率200倍)により断面を観察し、断面写真を撮影し、この写真に基づきインターセプト法にて各被覆層の気孔径を測定した。具体的には、得られたSEM写真(写真の寸法で縦12cm×横9cm)に対し、1cm間隔で水平方向(横方向)の線を引いた。この線と気孔とが交わっている部分の長さを気孔径(μm)とした。この方法により、一つの被覆層について、50個以上の気孔径を求め、それらの平均値を平均気孔径(μm)とした。また、50個以上の気孔径データについて、該気孔径(μm)を横軸とし、気孔径の累積を縦軸として気孔径分布を得た。得られた分布における累積気孔径の50%を累積気孔径(D50)(μm)とした。また小粒側からの気孔径の累積10%を累積気孔径(D10)(μm)及び小粒側からの気孔径の累積90%を累積気孔径(D90)(μm)も併せて求めた。
実施例1及び比較例1で得られた窯道具の断面のSEM写真を図1に示す。図1におけるムライト質の被覆層中、黒く示されている部分が気孔である。また、気孔率(%)は、前記のSEM写真において、上記同様のインターセプト法で気孔径長さの計と原料長さとの比率を算出し測定した。具体的には、気孔率は以下の式に従って算出した。
気孔率(%)=気孔径長さの総和/(気孔径長さの総和+原料長さの総和)×100
ここで、気孔径長さの総和とは、上記のインターセプト法で求めた50個以上の気孔径の総和をいう。また、原料長さの総和は、インターセプト法で求めた50個以上(気孔径の総和に用いた気孔径数と同数)の原料長さの総和をいう。ここでいう原料とは、各被覆層を構成する材料粒子を意味し、原料長さの総和は、窯道具を厚み方向に沿う断面について、走査型電子顕微鏡による倍率200倍で観察してなる写真における、材料粒子の粒径を上記で述べたものと同様のインターセプト法により測定することにより求められる。
<厚さ>
各被覆層の厚さは、窯道具の縦断面を顕微鏡(日本電子社製 JSM−6380)で観察(倍率50倍)することで測定した。
<剥離耐性(サイクル試験)>
室温の炉に窯道具を載置して、大気雰囲気下2℃/分の昇温速度で昇温した。1200℃まで昇温した後、1時間にわたって1200℃を保持した。その後、炉冷した。以上を1サイクルとし、表層の剥離が観察されるまで当該サイクルを繰り返した。剥離の有無と剥離が観察された回数を表1及び表2に示す。なお、「無」と記載された場合100回以上サイクルを繰り返しても剥離が観察されなかったことを示す。20回サイクルを繰り返した後、上述した気孔径の測定で行った方法と同様の方法にて、実施例1及び比較例1で得られた窯道具の断面を得て、そのSEM写真を撮影した。図2にこのSEM写真を示す。図2から明らかな通り、実施例1の窯道具では20回の昇温−冷却サイクル後に各被覆層間、及び被覆層と基材間との間で剥離が観察されなかった。これに対し比較例1の窯道具では、20回の昇温−冷却サイクル後における被覆層と基材との間の剥離が顕著であった。
前記表1の記載より、ムライト質の被覆層における平均気孔径が1μm以上50μm以下である各実施例の窯道具は、耐剥離性が非常に高いことが判る。これに対し、前記表2の記載より、ムライト質の被覆層における平均気孔径が本発明の範囲外である各比較例の窯道具は、耐剥離性に劣る。従って、本発明の窯道具は、迅速焼成条件下での繰り返し使用に優れ、電子部品の焼成用窯道具として有用である。

Claims (15)

  1. SiC質を含むセラミックスを基材とし、該基材と界面を形成するムライト質の被覆層を有し、該ムライト質の被覆層の表面側に、ジルコニア質の被覆層を有する窯道具であって、
    前記ムライト質の被覆層の平均気孔径が1μm以上50μm以下である窯道具。
  2. 前記ムライト質の被膜層の平均気孔径/累積気孔径(D50)値が0.5以上0.9以下の範囲である請求項1に記載の窯道具。
  3. 前記ムライト質の被覆層の気孔径分布における累積気孔径(D50)が、2μm以上70μm以下の範囲に観察される請求項1又は2に記載の窯道具。
  4. 前記ムライト質の被覆層の気孔率が10%以上50%以下である請求項1ないし3にいずれか一項に記載の窯道具。
  5. 前記ムライト質の被覆層の厚さが30μm以上150μm以下である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の窯道具。
  6. 前記ジルコニア質の被覆層の平均気孔径が1μm以上50μm以下である請求項1ないし5のいずれか一項に記載の窯道具。
  7. 前記ジルコニア質の被覆層の気孔径分布における累積気孔径(D50)が、2μm以上70μm以下の範囲に観察される請求項1ないし6のいずれか一項に記載の窯道具。
  8. 前記ジルコニア質の被覆層の気孔率が10%以上50%以下である請求項1ないし7のいずれか一項に記載の窯道具。
  9. 前記ジルコニア質の被覆層の厚さが50μm以上250μm以下である請求項1ないし8のいずれか一項に記載の窯道具。
  10. 前記ムライト質の被覆層と前記ジルコニア質の被覆層との間に、該ムライト質の被覆層と界面を形成するアルミナ質の被覆層を更に有する請求項1ないし9のいずれか一項に記載の窯道具。
  11. 前記アルミナ質の被覆層の平均気孔径が1μm以上50μm以下である請求項10に記載の窯道具。
  12. 前記アルミナ質の被覆層の累積気孔径(D50)が、2μm以上70μm以下の範囲に観察される請求項10又は11に記載の窯道具。
  13. 前記アルミナ質の被覆層の気孔率が10%以上50%以下である請求項10ないし12のいずれか一項に記載の窯道具。
  14. 前記アルミナ質の被覆層の厚さが50μm以上150μm以下である請求項10ないし13のいずれか一項に記載の窯道具。
  15. 電子部品の焼成に用いられる請求項1ないし14のいずれか一項に記載の窯道具。
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