JP2017043917A - 杭圧入工法、反力架台及び杭圧入引抜機 - Google Patents

杭圧入工法、反力架台及び杭圧入引抜機 Download PDF

Info

Publication number
JP2017043917A
JP2017043917A JP2015165632A JP2015165632A JP2017043917A JP 2017043917 A JP2017043917 A JP 2017043917A JP 2015165632 A JP2015165632 A JP 2015165632A JP 2015165632 A JP2015165632 A JP 2015165632A JP 2017043917 A JP2017043917 A JP 2017043917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction force
press
pile
fitting
chuck
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015165632A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6523867B2 (ja
Inventor
北村 精男
Morio Kitamura
北村  精男
田内 宏明
Hiroaki Tauchi
田内  宏明
翔太 掛水
Shota Kakemizu
翔太 掛水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Giken Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Giken Seisakusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Giken Seisakusho Co Ltd filed Critical Giken Seisakusho Co Ltd
Priority to JP2015165632A priority Critical patent/JP6523867B2/ja
Publication of JP2017043917A publication Critical patent/JP2017043917A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6523867B2 publication Critical patent/JP6523867B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)

Abstract

【課題】杭間を離して杭を圧入する場合、クレーン等によってその都度杭圧入引抜機、反力ウェイト、反力架台を圧入位置に搬入したり、圧入後に撤去することなく圧入作業を行う。【解決手段】鋼矢板Sを圧入した後につばSFを取り付け、圧入地盤の支持力により杭圧入引抜機1のサドル10、クランプ11、スライドフレーム12、リーダーマスト13と反力架台20の重量を鋼矢板Sで受け止め、前記サドル10等と反力架台20とを一体に上昇させ、その後スライドフレーム12のスライドによってサドル10、クランプ11、リーダーマスト13と反力架台20を一体に後方に移動させ、その後前記サドル10等と反力架台20を下降させた後、鋼矢板Sを引抜き、スライドフレーム12のスライドによりチャック15で把持した鋼矢板Sを移動する。これら一連の動作を一回又は複数回繰り返して所定位置まで杭圧入引抜機1と反力架台20を移動させる。【選択図】図7

Description

本発明は、杭圧入工法、杭圧入工法に用いられる反力架台及び杭圧入引抜機に関するものである。
各種の形鋼や鋼管杭などといった杭を地盤に打ち込んで埋設する方法として、地盤に埋め込まれた既設杭の上端を杭圧入引抜機のクランプで掴んで反力を取り、杭を把持したチャックを昇降させることにより、既設杭に隣接する位置に新しい杭を順次圧入していく施工技術が知られている。かかる施工に用いられる杭圧入引抜機は、クランプを介して既設杭に固定される、サドルと呼ばれる杭圧入引抜機のベース部分と、このサドルに対して前後方向に移動可能なスライドフレームと、スライドフレーム上で縦軸周りに旋回可能なリーダーマストと、リーダーマストの前面で昇降可能な、チャックが取り付けられたチャックフレームとを有している。またチャックには、圧入する杭を上下方向に挿通させる開口部と、開口部に通された杭を把持する一対のチャック爪が設けられている。そして、チャックの開口部に上下方向に挿通させられた杭を一対のチャック爪で把持し、リーダーマストに沿ってチャックフレームとチャックを油圧シリンダによって、一体的に昇降させて杭を地盤に圧入するようになっている。
このように杭圧入引抜機は、既に圧入された既設杭の上端をサドル下面に設けられたクランプで掴んで反力を取り、杭を把持したチャックを昇降させることにより、既設杭に隣接する位置に新しい杭を順次圧入していくものであるが、最初に杭を圧入する際(初期圧入時)には、未だ反力をとるための杭がない状態であるから、従来から反力架台が用いられている(特許文献1、非特許文献1)。
従来のこの種の反力架台は、地面に設置して使用されるが、反力架台を水平に設置し、杭圧入時に安定した圧入動作を実現するため、この反力架台に土質条件と圧入する杭の長さに応じて、たとえば杭や鋼材などの反力ウェイトを多く積載し、杭圧入引抜機をクランプでこの反力架台と固定し、最初の杭を圧入する。そして順次杭を圧入していき、所定本数の圧入が終わると、反力ウェイトを反力架台から撤去し、以降は圧入した杭をクランプで掴んで、その後の杭を圧入していく。
実開昭和56−171838号公報
"SILENT PILING TECHNOLOGIES"、[online]、2015年5月9日、全国圧入協会、[2015年6月30日検索]インターネット〈URL:http://www.giken.com/files/ja/press-in/Press-in_Method_Variations_ver028ja03.pdf〉
ところでこの種の圧入工法においては、圧入する杭は隣接して圧入されるものだけではなく、例えば土留用の構築物を構築する際の縦に配置される鋼管杭や各種の形鋼など、隣接しないで所定の距離を離間して杭が圧入される場合がある。
かかる場合、従来の反力架台を用いた方法では、最初の杭を圧入した後、杭圧入引抜機、反力ウェイト、反力架台を順次撤去し、その後所定距離離れた位置に、再び反力架台を搬入し、その後反力ウェイトを反力架台に積載し、次いで杭圧入引抜機を反力架台上に設置して、反力架台と固定するようにしていた。
しかしながら、これら杭圧入引抜機、反力ウェイト、反力架台は質量が大きく、上記したような搬入、移動、撤去はすべてクレーンで吊り込んで行う必要があり、相当な手間、労力、時間がかかっていた。また硬質な地盤や、杭が大型の場合には、それに伴ってこれら杭圧入引抜機、反力ウェイト、反力架台も質量が相当程度増加し、また杭圧入引抜機、反力架台のサイズも大型化し、その結果、作業用のクレーンも大型化するという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、杭間を離して杭を圧入する場合において、そのようなクレーンによってその都度杭圧入引抜機、反力ウェイト、反力架台等を圧入位置に搬入したり、圧入後に撤去することなく、圧入作業を円滑に行えるようにして、前記問題の解決を図ることを目的としている。
前記の目的を達成するため、本発明は、杭圧入引抜機で杭を地中に圧入する際に反力を受け止める反力架台と、前記反力架台に対して相対的に水平移動自在なリーダーマストと、前記リーダーマストに対して昇降自在に支持された、杭を把持するチャックとを備えた杭圧入引抜機を用いた杭圧入工法であって、
地面に設置された前記反力架台と前記杭圧入引抜機とを固定して、進入支持部材を前記チャックで把持し、前記チャックを下降させて前記進入支持部材を地中に進入させる動作と、
その後、前記進入支持部材の地中への進入に代えて、この進入支持部材から得られる支持力を反力として、前記進入支持部材を把持した前記チャックに対して前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に上昇させる動作と、
その後前記進入支持部材を前記チャックで把持した状態で、前記反力架台を前記リーダーマストに対して水平移動させる動作と、
その後前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に、前記チャックに対して下降させた後、前記チャックを上昇させて前記進入支持部材を地中から引抜き、その後前記リーダーマストおよび前記チャックを、前記反力架台に対して水平移動させる動作とを有している。
そして前記一連の動作、すなわち、前記した4つの動作を一回又は複数回繰り返して行うことにより、所定位置まで前記杭圧入引抜機および前記反力架台を移動させた後、前記進入支持部材に対するチャックの把持を解除し、前記チャックで杭を把持して地中に圧入することを特徴としている。
本発明によれば、地面に設置された前記反力架台と前記杭圧入引抜機とを固定して、進入支持部材を前記チャックで把持し、前記チャックを下降させて前記進入支持部材を地中に進入させ、その後、前記進入支持部材の地中への進入に代えて、この進入支持部材から得られる支持力を反力として、前記進入支持部材を把持した前記チャックに対して前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に上昇させ、その後前記進入支持部材を前記チャックで把持した状態で、前記反力架台を前記リーダーマストに対して水平移動させ、その後前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に、前記チャックに対して下降させた後、前記チャックを上昇させて前記進入支持部材を地中から引抜き、その後前記リーダーマストおよび前記チャックを、前記反力架台に対して水平移動させるようにしたので、圧入地盤の支持力により杭圧入引抜機の重量および反力架台の重量を受け止めて、杭圧入引抜機と反力架台とを一体に上昇させた状態で、進入支持部材を起点として、杭圧入引抜機と反力架台とを一体に移動させることができる。したがって、いわば杭圧入引抜機と反力架台とが一体となって自走することができる。それゆえ従来のように杭間を離して杭を圧入する場合において、クレーン等による杭圧入引抜機、反力ウェイト、反力架台を圧入位置に搬入したり、圧入後に撤去する必要はない。
そして上記した一連の動作を一回又は複数回繰り返すことにより所定位置まで杭圧入引抜機本体と反力架台とを移動させた後、前記支持部材に対するチャックの把持を解除し、前記チャックで圧入すべき杭を把持して圧入することで、杭間が離れた所定位置に杭を圧入することができる。
なお本発明において進入支持部材とは、圧入地盤の支持力により杭圧入引抜機の重量および反力架台の重量を受け止める部材、たとえば各種の形鋼の杭、鋼管杭などをいう。そして前記進入支持部材の地中への進入に代えて、この進入支持部材から得られる支持力を反力として、前記進入支持部材を把持した前記チャックに対して前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に上昇させるには、たとえば所定深さまで杭を圧入するなどして進入させ、その結果圧入抵抗が増大したり、圧入した杭の先端が岩盤、硬質地質まで達した際には、進入支持部材から得られる支持力を反力として用いて、上昇させることができる。またケーシング内にオーガスクリューを有するオーガケーシングも使用することができる。
なお杭としては、この種の圧入工法に使用される各種の形鋼(鋼矢板、H鋼など)、鋼管矢板、鋼管杭、コンクリート杭などが例示できる。
そのように進入支持部材を地中に進入させても、圧入地盤の支持力により杭圧入引抜機の重量および反力架台の重量を受け止められない場合には、前記進入支持部材を地中に進入する途中で、この進入支持部材の地中への進入を妨げる部材を進入支持部材に設け、この進入支持部材の地中への進入を、当該妨げる部材によって強制的に停止させるようにすればよい。進入支持部材の地中への進入を妨げる部材としては、杭、鋼管の外周に設けられるつばや、フランジなど、進入支持部材の外周に固定して圧入抵抗を増大させるものをいう。
また別な観点によれば、本発明は、杭圧入引抜機で杭を地中に圧入する際に反力を受け止める反力架台と、前記反力架台に対して相対的に水平移動自在なリーダーマストと、前記リーダーマストに対して昇降自在に支持された、杭を把持するチャックとを備えた杭圧入引抜機を用いた杭圧入工法であって、
地面に設置された前記反力架台と前記杭圧入引抜機とを固定して、設置支持部材を前記チャックで把持し、前記チャックを下降させて前記設置支持部材を地面に設置する動作と、
その後当該設置支持部材の支持力を反力として、前記設置支持部材を把持した前記チャックに対して前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に上昇させる動作と、
その後前記設置支持部材を前記チャックで把持した状態で、前記反力架台を前記リーダーマストに対して水平移動させる動作と、
その後前記チャックに対して前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に下降させた後、前記チャックを上昇させて前記設置支持部材を持ち上げる動作と、
その後前記リーダーマストおよび前記チャックを、前記反力架台に対して水平移動させる動作とを有している。
そして前記一連の動作、すなわち前記した5つの動作を一回又は複数回繰り返して行うことにより、所定位置まで前記杭圧入引抜機および前記反力架台を移動させた後、前記設置支持部材に対するチャックの把持を解除し、前記チャックで杭を把持して地中に圧入することを特徴としている。
前記各杭圧入工法において、前記リーダーマストの基台部は、前記リーダーマストを支持するサドルにスライド自在に設けられ、当該サドルが前記反力架台に固定されるようにしてもよい。
前記各杭圧入工法において、前記リーダーマストの基台部は、前記反力架台にスライド自在に直接設けられているようにしてもよい。
これら各杭圧入工法に使用される反力架台は、たとえば前記リーダーマストと一体に上昇した際に地面と反力架台との間に介在するローラを有するようにしてもよい。
また、これら各杭圧入工法に使用される杭圧入引抜機は、前記リーダーマストが前記反力架台と一体に上昇した際に地面と杭圧入引抜機との間に介在するローラを有するようにしてもよい。
さらにこれら各杭圧入工法に使用される反力架台の重心は、前記杭圧入引抜機と反力架台の固定部分よりも前方に位置していることがよい。
この場合、前記反力架台のフレームの少なくとも一部が、反力架台の基部を中心として側方に回動自在であるようにしてもよい。
これら各杭圧入工法に使用される反力架台は、前記チャックの回転に伴って発生する回転モーメントを地面側で受け止める手段を有するものとしてもよい。
またこれら各杭圧入工法に使用される杭圧入引抜機は、前記チャックの回転に伴って発生する回転モーメントを地面側で受け止める手段を有するものとしてもよい。
本発明によれば、いわば杭圧入引抜機と反力架台とが一体となって自走することができるから、従来のように杭間を離して杭を圧入する場合において、クレーン等による杭圧入引抜機、反力ウェイト、反力架台を圧入位置に搬入したり、圧入後にこれらをその都度撤去する必要はない。
本発明の実施の形態に使用される杭圧入引抜機の側面を模式的に示した説明図である。 本発明の実施の形態に使用される反力架台の平面図である。 本発明の実施の形態に係る圧入工法の施工プロセスを示し、最初に圧入すべき鋼矢板を圧入する状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る圧入工法の施工プロセスを示し、最初に圧入すべき鋼矢板を圧入した後、進入支持部材としての鋼矢板を杭圧入引抜機にセットした状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る圧入工法の施工プロセスを示し、進入支持部材としての鋼矢板に進入を妨げるつばを取り付けた状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る圧入工法の施工プロセスを示し、進入を妨げるつばを取り付けた鋼矢板による支持力によって、杭圧入引抜機のクランプ、サドル、スライドフレーム、リーダーマストと、反力架台とを一体に上昇させた状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る圧入工法の施工プロセスを示し、杭圧入引抜機のスライドフレームをスライドさせて杭圧入引抜機のクランプ、サドルと、反力架台とを後方に移動させる状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る圧入工法の施工プロセスを示し、杭圧入引抜機のクランプ、サドルと、反力架台を後方に移動させた後、杭圧入引抜機のクランプ、サドル、スライドフレーム、リーダーマストと、反力架台とを一体に地面に下降させた状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る圧入工法の施工プロセスを示し、進入支持部材としての鋼矢板からつばを取り外し、その後この鋼矢板を引き抜いてスライドフレームを後方に移動させる状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る圧入工法の施工プロセスを示し、杭圧入引抜機と反力架台を後方に移動させた後、再び進入支持部材としての鋼矢板を圧入しようとする状態を示す説明図である。 反力架台にローラを設けた例を示す説明図である。 回転圧入型の杭圧入引抜機が、設置支持部材をチャックで把持している状態を示す説明図である。 図12で用いた反力架台の平面図である。 鋼矢板を圧入引抜可能な杭圧入引抜機が、設置支持部材をチャックで把持している状態を示す説明図である。 サイドフレームを回動自在に構成した反力架台の平面図である。 図15の反力架台を用いて施工した鋼管杭の配列例を示し、平面視でカーブして配列した状態を示す説明図である。 図15の反力架台を用いて施工した鋼管杭の配列例を示し、平面視で直角に配列方向を変えて配列した状態を示す説明図である。 図15の反力架台を用いて施工した鋼管杭の配列例を示し、平面視でジグザグに配列方向を変えて配列した状態を示す説明図である。 回転圧入型の杭圧入引抜機において回転モーメントが発生している様子を示す平面視の説明図である。 回転圧入型の杭圧入引抜機にアンカー装置を設けた例を示す説明図である。 回転圧入型の杭圧入引抜機に使用される反力架台にアンカー装置を設けた例を示す説明図である。 スライドフレームを直接取り付け自在な反力架台の側面図である。 図22の反力架台の平面図である。 図22の反力架台にベース部分を持たない杭圧入引抜機を取り付けた様子を示す一部断面側面図である。 図22の反力架台にベース部分を持たない杭圧入引抜機を取り付けた様子を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、実施の形態で使用される杭圧入引抜機1の側面を示している。この杭圧入引抜機1は、鋼矢板を圧入する際に使用されるものである。この杭圧入引抜機1のベース部分となるサドル10の下面には、複数のクランプ11が装着されている。クランプ11は、図示しない油圧シリンダの駆動により既設杭や、反力架台20の後方側に設定された固定部21の上端を掴んでサドル10を固定し、圧入の反力をとる機能を有している。なお図1において、後方とは、紙面左側であり、紙面右側が前方である。
サドル10の上面には、前後方向に移動可能なスライドフレーム12を介してリーダーマスト13がスライド自在に装着されており、リーダーマスト13の前方には、チャックフレーム14とチャック15が配置されている。スライドフレーム12はリーダーマスト13の基台部となる。サドル10の上面においてスライドフレーム12が前後方向に移動することによって、リーダーマスト13とチャックフレーム14とチャック15は一体的に前後移動し、さらにメインシリンダ16の作動によってチャックフレーム14とチャック15は昇降する。チャック15はチャックフレーム14の下面において回転可能に構成されている。またリーダーマスト13は、スライドフレーム12上で旋回自在となるように、スライドフレーム12上に設けられている。
チャック15には、鋼矢板Uを上下方向に挿通させる開口部(図示せず)と、この開口部に通された鋼矢板Uを把持するための、水平方向に対向配置された一対のチャック爪(図示せず)が設けられている。チャック爪は、可動爪と固定爪とによって構成され、可動爪がシリンダ17で駆動されることで、可動爪と固定爪とは接近、離隔自在な構成となっている。
この実施の形態で使用される反力架台20は、図2にその平面を示したように、反力架台20の基部22の後方側には、前記した固定部21を有している。また、反力架台20の基部22前方両側には、サイドフレーム23、24が設けられている。そしてサイドフレーム23、24と基部22とによって、全体として平面視が略コ字形の構成をなしている。各サイドフレーム23、24の外側には、十分な質量を確保するためのウェイト部23a、24aが設けられている。固定部21、基部22、サイドフレーム23、24、ウェイト部23a、24aは、搬送の便を考慮して分割構造としてもよい。
そして本実施の形態では、反力架台20の重心は、固定部21よりも前方に設定されている。より具体的には、たとえば圧入する鋼矢板や後述の進入支持部材となる鋼矢板Sを挟んで、杭圧入引抜機1の重心と対峙する位置に設定されるのが良い。
実施の形態に使用される杭圧入引抜機1、反力架台20は以上のように構成されており、次に実施の形態にかかる杭圧入工法について説明する。
まず図3に示したように、地面に反力架台20を設置し、杭圧入引抜機1のクランプ11で反力架台20の固定部21をクランプして、杭圧入引抜機1と反力架台20とを固定する。次いで、最初に圧入する鋼矢板Uをチャック15にセットし、所定位置にてメインシリンダ16を作動させて、鋼矢板Uを圧入する。鋼矢板Uを所定深さまで圧入した後は、チャック15による把持を解除し、チャックフレーム14を上昇させる。
次いで図4に示したように、スライドフレーム12を後方(図中の白抜き矢印)にスライドさせて、チャック15に、進入支持部材となる鋼矢板Sを把持させる。
その後図5に示したように、鋼矢板Sを圧入する。そして所定の深さまで圧入したら、圧入動作を中断し、鋼矢板Sの地面付近の側面に、鋼矢板Sの地中への進入を妨げるつばSFを取り付ける。このつばSFは、例えば全体としての外形が円錐台形の形状を有し、分割可能な構造を有している。そしてこのつばSFの取り付け作業が完了すると、メインシリンダ16を作動させて再び圧入動作を開始する。
そうすると、つばSFによって鋼矢板Uの地中への圧入抵抗が大きく増大する。この時点でなおもメインシリンダ16を作動させると、図6に示したように、鋼矢板SのつばSFのところで、今度は反力架台20と、クランプ11、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13が鋼矢板Sを把持しているチャック15に対して、一体となって上昇する。すなわち、鋼矢板Sを介して反力架台20と、クランプ11、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13の重量が地盤の支持力で受け止められて、メインシリンダ16の作動により、反力架台20と、クランプ11、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13が一体となって上昇する。
なおここでは、つばSFを鋼矢板Sに取り付けることで図5に示す状態から図6に示す状態に移行させる例を挙げて説明したが、つばSFを鋼矢板Sに取り付けることなく、鋼矢板Sの先端が支持層に到達することをもって図5に示す状態から図6に示す状態に移行させるようにしてもよい。
このとき、反力架台20の重心は、固定部21よりも前方に位置しているので、鋼矢板Sを支点として、反力架台20と一体となったクランプ11、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13が上昇しても、後方(図中の左側)への転倒モーメントが小さく済む。なおより安定した状態を実現するために、たとえば、重心を前後方向に移動させるための重錘を、スライド自在に反力架台20、例えばサイドフレーム23、24やウェイト部23a、24aの上に設けてもよい。
そしてこの状態(チャック15が鋼矢板Sを把持した状態)で、図7の矢印に示したように、スライドフレーム12を水平方向にスライドさせることにより、杭圧入引抜機1のクランプ11およびサドル10は反力架台20と共に後方(図中の左側)に移動する。
そして所定距離移動させた後、メインシリンダ16を逆方向に作動させることにより、図8に示したように、クランプ11、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13は反力架台20と共に下降し、反力架台20が地面に設置される。
次いで図9に示したように、鋼矢板Sの側面に取り付けたつばSFを取り外し、その後メインシリンダ16を作動させて鋼矢板Sを引き抜き、次いでスライドフレーム12を作動させて、杭圧入引抜機1のリーダーマスト13、チャックフレーム14、チャック15を後方(図中の左側)に移動する。これによって図10の状態となり、以後、図4〜図10に示した同様な動作を繰り返すことで、杭圧入引抜機1と反力架台20とを後方(図中の左側)に移動させることができる。そして、最初に圧入した鋼矢板Uから所定の距離に達した時点で、鋼矢板Sを引き抜き、チャック15による鋼矢板Sの把持を解除し、鋼矢板Sに代えて、杭間を離して圧入すべき他の鋼矢板Uをチャック15で把持させて圧入していくことで、所定の距離を離して鋼矢板Uを順次圧入することができる。
このように本実施の形態によれば、杭圧入引抜機1のメインシリンダ16とスライドフレーム12の動作によって、施工現場にて、杭圧入引抜機1と反力架台20を、いわば自走させることができ、所望の位置にて鋼矢板Uを、所定距離を離して順次圧入することができる。したがって従来のように、杭間を離して鋼矢板Uを圧入する場合に、反力ウェイト、反力架台、杭圧入引抜機をそれぞれクレーンで吊りこんで、現場へ搬入し、圧入後にこれら反力ウェイト、反力架台、杭圧入引抜機を撤去し、その後再び次の圧入位置までクレーンで搬送して、設置するという煩雑な作業は不要である。
そして反力架台20は、サイドフレーム23、24と基部22とによって平面視で略コ字型に構成され、杭圧入引抜機1のチャック15は、図2に示したように、平面視でサイドフレーム23、24間に位置しているから、圧入の際、全体の重心は圧入位置に近くなり、圧入時には反力架台20の重量を効果的に利用でき、安定して圧入作業を行うことができる。
前記したように、反力架台20の重心は、固定部21よりも前方に位置するように構成されているので、鋼矢板Sを支点として、反力架台20と一体となったクランプ11、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13が上昇しても、後方(図中の左側)への転倒モーメントは小さく済むが、図11に示したように、反力架台20が上昇した際に、地面と反力架台20との間に介在するローラ31を、反力架台20の後方側に設ければ、クランプ11、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13、反力架台20が一体となって上昇した際に、後方(図中の左側)に倒れることを確実に防止することができる。しかも図7に示した状態、すなわちスライドフレーム12を作動させて、サドル10を反力架台20ごと後方へ移動させる際も、これを円滑に行うことができる。
なおローラ31は、例えば油圧シリンダで支持するように反力架台20に設けてもよい。さらにまたこのローラ31は、杭圧入引抜機1側、たとえばサドル10に設けてもよい。またローラ31自体は、水平方向に回転するだけではなく、鉛直軸を軸心として回転可能であるものが好ましい。たとえばいわゆる自在ローラも使用することができる。
前記実施の形態では、進入支持部材となる鋼矢板Sを杭圧入引抜機1のチャック15で把持して、地面に圧入し、杭圧入引抜機1のクランプ11、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13と反力架台20の上昇時の重量を受け止めて支持するようにしていたが、そのような進入支持部材に代えて、設置支持部材を用いて、杭圧入引抜機と反力架台の上昇時の重量を受け止めるようにしてもよい。
図12はかかる場合の例を示しており、図12に示した杭圧入引抜機41は、鋼管杭を圧入する際に使用されるものである。この杭圧入引抜機41は、鋼管杭をチャック15で把持しながら回転させるとともに、メインシリンダ16の作動でチャック15を昇降させることによって圧入する、いわゆる回転圧入方式の杭圧入引抜機として構成されている。
この杭圧入引抜機41は、反力架台20の固定部21において、クランプ42によって反力架台20と固定するようになっている。すなわち、図13に示したように、固定部21にはクランプ用の穴21a、21bが形成されており、この穴21a、21b内に、サドル10の下面に設けられたクランプ42の押し付け部材(図示せず)を、たとえば油圧シリンダなどによって内側から外側へと押し付けるようにして、サドル10と反力架台20とを固定するようになっている。
この反力架台20は、基部22の後方に固定部21が設けられ、基部22の前方には、平面視で略コ字型となるように、サイドフレーム23、24が設けられている。また各サイドフレーム23、24の外側には、ウェイト部23a、24aが設けられている。
このような構成を有する杭圧入引抜機41によれば、図示は省略するが、前記した杭圧入引抜機1の場合と同じく、サドル10と反力架台20とをクランプ42によって固定し、進入支持部材として鋼管杭を用いて、同様な施工プロセスを経ることで、クランプ42、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13と、反力架台20とを、メインシリンダ16の作動によって一体に上昇させることができ、またスライドフレーム12のスライドによって、クランプ42およびサドル10を反力架台20と共に後方に移動させることができる。進入支持部材としての鋼管杭としては、例えば、円筒形状の鋼管杭や、鋼管先端部に螺旋状の羽根を設けた先端羽根付鋼管杭や、鋼管先端部に略円錐形状の先端翼を設けた先端翼付鋼管杭を用いることができる。なお、クランプ42、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13と、反力架台20とを、メインシリンダ16の作動によって一体に上昇させるにあたって、鋼管杭の地中への進入を妨げる部材を鋼管杭の地面付近の外周に取り付ける場合は、その部材として、例えば、全体としての外形が円錐台形の形状を有し、分割可能な構造を有する部材を用いる。
前記した、進入支持部材を用いる実施の形態では、進入支持部材として、鋼矢板や鋼管杭などといった杭を用いる例を挙げて説明したが、杭に代えて、オーガスクリューを内蔵したオーガケーシングを用いてもよい。オーガケーシングを進入支持部材として使用する場合には、地中進入時にはオーガスクリューを回転させ、所定深さまで地中進入を終えた時点で、オーガスクリューを停止させ、その状態でメインシリンダ16を作動させることで、杭圧入引抜機1、41のクランプ11、42、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13と反力架台20の重量は、オーガケーシングで受け止めて支持することができる。
そのような鋼管杭やオーガケーシングなどの進入支持部材は、地中への進入動作を伴う。しかしながら本発明では、そのような進入支持部材の地中への進入動作を行わずに、反力架台、杭圧入引抜機を現場にて自走させることも可能である。
図12は、そのような進入支持部材に代えて使用する設置支持部材51を使用する場合を示している。この設置支持部材51は、例えば全体として外形が円柱形状を有している。また、チャック15で把持し、メインシリンダ16を作動させて、杭圧入引抜機41のクランプ42、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13と反力架台20とを一体に上昇させる場合に、十分な安定性を実現するため、設置支持部材51は、相応の重量を有している。なお安定性や地盤からの支持力を十分に得るために、図12に示したように、設置支持部材51の下部に台座部52を設けるようにしてもよい。
たとえば杭圧入引抜機41が自走するため反力架台20と固定された状態で、チャック15で設置支持部材51を掴んで、杭圧入引抜機41のクランプ42、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13と設置支持部材51とがチャック15に対して一体に上昇した際に、杭圧入引抜機41が後方へと倒れるモーメントを抑える程度の重量が必要となる。この重量は、杭圧入引抜機41のクランプ42、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13、反力架台20の重量や、クランプ42、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13が上昇した際の重心位置の関係と設置支持部材51の重心との関係、あるいは既述したローラ31の有無により変動するので、これらを総合して設定される。
このような設置支持部材51をチャック15で把持し、その状態で設置支持部材51を下げる方向にメインシリンダ16を作動させることで、杭圧入引抜機41のクランプ42、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13と反力架台20とを、設置支持部材51を把持しているチャック15に対して、一体に上昇させることができる。そしてその後にスライドフレーム12を水平方向にスライドさせて、杭圧入引抜機41のクランプ42、サドル10と反力架台20とを一体に後方に移動させ、次いでメインシリンダ16を逆方向に作動させて杭圧入引抜機41のクランプ42、サドル10、スライドフレーム12、リーダーマスト13と反力架台20とを一体に下降させて、反力架台20を地面に設置する。そしてその後メインシリンダ16を作動させて設置支持部材51を上昇させ、その状態でスライドフレーム12を後方に移動させることで、設置支持部材51を後方に移動させることができる。
このような動作を繰り返し、反力架台20、杭圧入引抜機41が、所定位置に達したら、設置支持部材51に代えて、回転圧入すべき鋼管杭をチャック15で把持し、当該鋼管杭を圧入すればよい。このように進入支持部材に代えて設置支持部材51を使用しても、反力架台20を施工現場にていわば自走させることができ、所望の位置にて、鋼管杭を所定距離離して順次圧入することができる。もちろん前記した進入支持部材を用いた場合と同様、反力ウェイト、反力架台、杭圧入引抜機をそれぞれクレーンで吊りこんで、現場へ搬入、圧入後にこれら反力ウェイト、反力架台、杭圧入引抜機を撤去し、その後再び次の圧入位置までクレーンで搬送して、次々と設置するという従来の煩雑な作業は不要である。なおこのような専用の設置支持部材51を用いることなく、たとえば既存の回転圧入工法において使用され、既設鋼管杭の上に設置されて既設の鋼管杭をさらに圧入するための打ち下げ装置を、設置支持部材51として使用してもよい。このような打ち下げ装置を使用する場合は、例えば、全体としての外形が円錐台形の形状を有し、分割可能な構造を有する着脱自在な部材を下部外周に設けることが好ましい。
前記設置支持部材51を適用した杭圧入引抜機41は、既述の如く、鋼管杭を圧入、引抜きするいわゆる回転圧入方式の杭圧入引抜機として構成されたものであったが、鋼矢板などの形鋼を圧入、引抜きする前出の杭圧入引抜機1によっても、設置支持部材51を用いた圧入工法を実施可能である。
図14は、かかる場合の様子を示している。ここで使用される設置支持部材51は、下部に台座部52を有しており、回転圧入方式の杭圧入引抜機41で使用された設置支持部材51と類似の形状を有しているが、チャック15で把持される部分は、鋼矢板Uなどの形鋼の水平断面と同一の形状を有している。また台座部52は、安定性や地盤からの支持力を十分に得るため、外形は台座部52は全体として円錐台形の形状とされている。このような設置支持部材51を用いることで、形鋼を圧入、引抜きする杭圧入引抜機1によっても、前記した回転圧入方式の杭圧入引抜機41で説明したように、設置支持部材51を使用して、現場にて杭圧入引抜機1と反力架台20を自走させて、離間して杭を圧入する作業を好適に実施することが可能である。
前記した反力架台20は、基部22に対してサイドフレーム23、24が固定された構造であったが、図15に示したように、たとえばサイドフレーム23、24の一方、または双方を、基部22側を中心として水平方向に回動自在となるように構成してもよい。そのようなサイドフレーム23、24の回動動作は、たとえば油圧シリンダ、モータ等によって実現できる。
このように反力架台20を構成することで、たとえばリーダーマスト13がスライドフレーム12上にて回転自在に構成された杭圧入引抜機を用い、スライドフレーム12の前後方向の移動と、リーダーマスト13の旋回動作を併用することで、図16〜図18に示したような、種々の配列にて鋼管杭や鋼矢板などといった杭を離間して圧入することができる。
図16は、カーブして鋼管杭P1〜P4が離間して圧入される配列例を示し、図17は、途中で直角方向に配列を変えて鋼管杭P1〜P6が離間して圧入される配列例を示し、図18は、平面視でジグザグとなるように一本ごとに進行方向を変えて鋼管杭P1〜P8が離間して圧入される配列例を示している。
ところで回転圧入方式の杭圧入引抜機41を用いて鋼管杭Pを回転圧入する際には、図19の太矢印に示したように、回転に伴う回転モーメントが杭圧入引抜機41、反力架台20に発生する。かかる事態に対処するため、例えば図19〜図21に示したように、当該回転モーメントを地面側で受け止めるアンカー装置61を杭圧入引抜機41、あるいは反力架台20に設けてもよい。
図20に示した例は、アンカー装置61を杭圧入引抜機41側に設けた例を示し、アンカー装置61は、杭圧入引抜機41のサドル10の後方端部に設けられている。このアンカー装置61は、地中に進入するアンカー部62と、このアンカー部62を上下動させるシリンダ部63とを有している。かかるアンカー装置61を設けることで、杭圧入引抜機41によって鋼管杭Pを回転圧入する際に発生する回転モーメントは、アンカー部62によって杭圧入引抜機41のサドル10を介して地面側で受け止められる。
図21に示した例は、アンカー装置61を反力架台20側に設けた例を示し、アンカー装置61は、支持部64を介して、反力架台20後方端部に設けられている。これによって、杭圧入引抜機41によって鋼管杭Pを回転圧入する際に発生する回転モーメントは、アンカー部62によって反力架台20を介して地面側で受け止められる。
なお図20、21に示したアンカー装置61は、いずれも地中に進入させるアンカー部62を有するものであったが、回転モーメントを地面側で受け止める構成のものであれば、かかる例に限られない。
たとえば地面上に鉄板を敷き、この上に反力架台20を設置し、杭圧入引抜機41のサドル10や反力架台20に磁石装置を設け、敷かれた鉄板に磁石装置の磁石によって杭圧入引抜機41のサドル10や反力架台20を固定するようにしてもよい。このような磁石による固定によっても、杭圧入引抜機41によって鋼管杭Pを回転圧入する際に発生する回転モーメントを、地面側で受け止めることができる。
また前記した反力架台20は、基部22前方両側に、サイドフレーム23、24が設けられ、かつ基部後方には固定部21を有する、平面視で略コ字型の形状を有するものであったが、もちろん本発明で採用できる反力架台は、かかる形状に限られるものではなく、たとえば平面視で略H字型の形状を有する反力架台としてもよい。かかる略H字型の反力架台として、例えば、固定部21の後方両側に、サイドフレーム23、24と同様な後部サイドフレームを設けた反力架台によれば、後方側の安定性が向上する。またかかる形状を有する反力架台では、この後部サイドフレームを、杭圧入引抜機のサドル10との固定部として用いてもよい。
ところで、前記した実施の形態では、いずれもクランプ11やクランプ42を介して杭圧入引抜機1、41のサドル10と反力架台20とを固定したものであったが、図22〜図25に示したように、杭圧入引抜機のクランプおよびサドルを省略し、杭圧入引抜機のスライドフレーム12を直接、反力架台70にスライド自在に取り付けた構成としてもよい。
すなわち、この反力架台70は、基部71の両側前方に、図23に示したように、サイドフレーム72、73を有する、全体として平面視で略コ字型形状を有し、この基部71の上に、取付け部74が設けられた形状を有している。
取付け部74は、その両側(図中の上下)に前後方向(図中の左右方向)に延びるガイド74a、74bを有している。また取付け部74の後方端部には、後述のシリンダ81のシリンダロッド82の端部を固定する固定部材75が設けられている。
かかる構成を有する反力架台70には、杭圧入引抜機のスライドフレーム12が直接スライド自在に取り付けられる。すなわち、図24、図25に示したように、杭圧入引抜機のスライドフレーム12の両側が、この取付け部74のガイド74a、74bに入り込み、これによってスライドフレーム12は、取付け部74、すなわち反力架台70に対して、前後方向にスライド自在に取り付けられる。そしてスライドフレーム12に固定されたシリンダ81のシリンダロッド82の端部が、取付け部74の固定部材75に固定されている。これによってシリンダ81のシリンダロッド82の伸縮動作により、スライドフレーム12は、前後方向、すなわち、図25中の往復矢印に示したように、スライドし、それによってリーダーマスト13を前後方向に移動させることが可能である。
このような構成を有する反力架台70、並びに前記した杭圧入引抜機1、41においてクランプ11、42およびサドル10を省略した構成の杭圧入引抜機を用いても、反力架台と杭圧入引抜機を現場にて自走させることができ、前記した杭間を離間して杭を圧入する施工方法を容易に実施することができる。
なお前記した実施の形態では、ローラ31とアンカー装置61とは、各々個別に設けられた例を示したが、もちろんローラ31とアンカー装置61の双方を具備していてもよい。また反力架台側、杭圧入引抜機側のいずれかに一方に個別に設けられていたり、あるいは反力架台側、杭圧入引抜機側のいずれかに双方とも設けられていてもよい。
本発明は、杭を離間して地盤に圧入する際に有用である。
1、41 杭圧入引抜機
10 サドル
11、42 クランプ
12 スライドフレーム
13 リーダーマスト
14 チャックフレーム
15 チャック
16 メインシリンダ
20、70 反力架台
21 固定部
22 基部
23、24、72、73 サイドフレーム
23a、24a ウェイト部
74 取付け部
75 固定部材
81 シリンダ
82 シリンダロッド
P 鋼管杭
S 鋼矢板
SF つば
U 鋼矢板

Claims (11)

  1. 杭圧入引抜機で杭を地中に圧入する際に反力を受け止める反力架台と、前記反力架台に対して相対的に水平移動自在なリーダーマストと、前記リーダーマストに対して昇降自在に支持された、杭を把持するチャックとを備えた杭圧入引抜機を用いた杭圧入工法であって、
    地面に設置された前記反力架台と前記杭圧入引抜機とを固定して、進入支持部材を前記チャックで把持し、前記チャックを下降させて前記進入支持部材を地中に進入させる動作と、
    その後、前記進入支持部材の地中への進入に代えて、この進入支持部材から得られる支持力を反力として、前記進入支持部材を把持した前記チャックに対して前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に上昇させる動作と、
    その後前記進入支持部材を前記チャックで把持した状態で、前記反力架台を前記リーダーマストに対して水平移動させる動作と、
    その後前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に、前記チャックに対して下降させた後、前記チャックを上昇させて前記進入支持部材を地中から引抜き、その後前記リーダーマストおよび前記チャックを、前記反力架台に対して水平移動させる動作とを有し、
    前記一連の動作を一回又は複数回繰り返して行うことにより、所定位置まで前記杭圧入引抜機および前記反力架台を移動させた後、前記進入支持部材に対するチャックの把持を解除し、前記チャックで杭を把持して地中に圧入することを特徴とする、杭圧入工法。
  2. 前記進入支持部材を地中に進入する途中で、この進入支持部材の地中への進入を妨げる部材を進入支持部材に設け、この進入支持部材の地中への進入を停止させることを特徴とする、請求項1に記載の杭圧入工法。
  3. 杭圧入引抜機で杭を地中に圧入する際に反力を受け止める反力架台と、前記反力架台に対して相対的に水平移動自在なリーダーマストと、前記リーダーマストに対して昇降自在に支持された、杭を把持するチャックとを備えた杭圧入引抜機を用いた杭圧入工法であって、
    地面に設置された前記反力架台と前記杭圧入引抜機とを固定して、設置支持部材を前記チャックで把持し、前記チャックを下降させて前記設置支持部材を地面に設置する動作と、
    その後当該設置支持部材の支持力を反力として、前記設置支持部材を把持した前記チャックに対して前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に上昇させる動作と、
    その後前記設置支持部材を前記チャックで把持した状態で、前記反力架台を前記リーダーマストに対して水平移動させる動作と、
    その後前記チャックに対して前記リーダーマストおよび前記反力架台を一体に下降させた後、前記チャックを上昇させて前記設置支持部材を持ち上げる動作と、
    その後前記リーダーマストおよび前記チャックを、前記反力架台に対して水平移動させる動作とを有し、
    前記一連の動作を一回又は複数回繰り返して行うことにより、所定位置まで前記杭圧入引抜機および前記反力架台を移動させた後、前記設置支持部材に対するチャックの把持を解除し、前記チャックで杭を把持して地中に圧入することを特徴とする、杭圧入工法。
  4. 前記リーダーマストの基台部は、前記リーダーマストを支持するサドルにスライド自在に設けられ、当該サドルが前記反力架台に固定されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の杭圧入工法。
  5. 前記リーダーマストの基台部は、前記反力架台にスライド自在に直接設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の杭圧入工法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の杭圧入工法に用いる反力架台であって、
    前記反力架台は、前記リーダーマストと一体に上昇した際に地面と反力架台との間に介在するローラを有することを特徴とする、反力架台。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の杭圧入工法に用いる杭圧入引抜機であって、
    前記杭圧入引抜機は、前記リーダーマストが前記反力架台と一体に上昇した際に地面と杭圧入引抜機との間に介在するローラを有することを特徴とする、杭圧入引抜機。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の杭圧入工法に用いる反力架台または請求項6に記載の反力架台であって、
    前記反力架台の重心は、前記杭圧入引抜機と反力架台の固定部分よりも前方に位置していることを特徴とする、反力架台。
  9. 請求項8に記載の反力架台であって、
    前記反力架台のフレームの少なくとも一部が、反力架台の基部を中心として側方に回動自在であることを特徴とする、反力架台。
  10. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の杭圧入工法に用いる反力架台または請求項8〜9のいずれか一項に記載の反力架台であって、
    前記チャックの回転に伴って発生する回転モーメントを地面側で受け止める手段を有することを特徴とする、反力架台。
  11. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の杭圧入工法に用いる杭圧入引抜機または請求項7に記載の杭圧入引抜機であって、
    前記チャックの回転に伴って発生する回転モーメントを地面側で受け止める手段を有することを特徴とする、杭圧入引抜機。
JP2015165632A 2015-08-25 2015-08-25 杭圧入工法、反力架台及び杭圧入引抜機 Active JP6523867B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015165632A JP6523867B2 (ja) 2015-08-25 2015-08-25 杭圧入工法、反力架台及び杭圧入引抜機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015165632A JP6523867B2 (ja) 2015-08-25 2015-08-25 杭圧入工法、反力架台及び杭圧入引抜機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017043917A true JP2017043917A (ja) 2017-03-02
JP6523867B2 JP6523867B2 (ja) 2019-06-05

Family

ID=58211249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015165632A Active JP6523867B2 (ja) 2015-08-25 2015-08-25 杭圧入工法、反力架台及び杭圧入引抜機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6523867B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019044483A (ja) * 2017-09-04 2019-03-22 株式会社技研製作所 杭圧入装置及び杭圧入工法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111236229B (zh) * 2020-02-18 2021-06-08 信阳职业技术学院 一种土木工程用打桩机

Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5521355U (ja) * 1978-07-29 1980-02-12
JPS6119041U (ja) * 1984-07-05 1986-02-04 中央自動車興業株式会社 杭圧入機
JPS63141235U (ja) * 1987-03-09 1988-09-16
JPS6414239U (ja) * 1987-07-13 1989-01-25
JPH0630222U (ja) * 1993-08-19 1994-04-19 株式会社技研製作所 鋼管杭打引抜機用反力架台
JPH0630221U (ja) * 1993-08-19 1994-04-19 株式会社技研製作所 鋼管杭打引抜機用反力架台
JPH06257151A (ja) * 1993-03-02 1994-09-13 Giken Seisakusho Co Ltd 運搬装置
JPH08144277A (ja) * 1994-11-15 1996-06-04 Giken Seisakusho Co Ltd 反力装置
JPH09125388A (ja) * 1995-10-27 1997-05-13 Giken Seisakusho Co Ltd 鋼杭の初期圧入工法及び装置
JPH1150455A (ja) * 1997-08-04 1999-02-23 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd チュービング機構の移動方法及びその装置
JP2000054376A (ja) * 1998-08-11 2000-02-22 Seinosuke Takeshita 基礎杭と建物・建築物躯体構造
JP2003119780A (ja) * 2001-10-09 2003-04-23 Tosa Kikai Kogyo Kk 鋼杭の初期圧入工法及びその初期反力装置並びに初期反力架台
US20040221543A1 (en) * 2003-05-07 2004-11-11 Eleas Chrestos H. Ground mounted pole construction
JP2005194685A (ja) * 2003-12-10 2005-07-21 Giken Seisakusho Co Ltd 反力架台及び杭等の初期圧入工法
JP2012132146A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Giken Seisakusho Co Ltd 杭の回転打ち抜き方法及び杭回転打ち抜き装置
JP2013238030A (ja) * 2012-05-15 2013-11-28 Giken Seisakusho Co Ltd 杭圧入アダプタ、及び杭施工方法
JP2014227719A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 株式会社技研製作所 自走用アダプタ及び杭施工方法

Patent Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5521355U (ja) * 1978-07-29 1980-02-12
JPS6119041U (ja) * 1984-07-05 1986-02-04 中央自動車興業株式会社 杭圧入機
JPS63141235U (ja) * 1987-03-09 1988-09-16
JPS6414239U (ja) * 1987-07-13 1989-01-25
JPH06257151A (ja) * 1993-03-02 1994-09-13 Giken Seisakusho Co Ltd 運搬装置
JPH0630222U (ja) * 1993-08-19 1994-04-19 株式会社技研製作所 鋼管杭打引抜機用反力架台
JPH0630221U (ja) * 1993-08-19 1994-04-19 株式会社技研製作所 鋼管杭打引抜機用反力架台
JPH08144277A (ja) * 1994-11-15 1996-06-04 Giken Seisakusho Co Ltd 反力装置
JPH09125388A (ja) * 1995-10-27 1997-05-13 Giken Seisakusho Co Ltd 鋼杭の初期圧入工法及び装置
JPH1150455A (ja) * 1997-08-04 1999-02-23 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd チュービング機構の移動方法及びその装置
JP2000054376A (ja) * 1998-08-11 2000-02-22 Seinosuke Takeshita 基礎杭と建物・建築物躯体構造
JP2003119780A (ja) * 2001-10-09 2003-04-23 Tosa Kikai Kogyo Kk 鋼杭の初期圧入工法及びその初期反力装置並びに初期反力架台
US20040221543A1 (en) * 2003-05-07 2004-11-11 Eleas Chrestos H. Ground mounted pole construction
JP2005194685A (ja) * 2003-12-10 2005-07-21 Giken Seisakusho Co Ltd 反力架台及び杭等の初期圧入工法
JP2012132146A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Giken Seisakusho Co Ltd 杭の回転打ち抜き方法及び杭回転打ち抜き装置
JP2013238030A (ja) * 2012-05-15 2013-11-28 Giken Seisakusho Co Ltd 杭圧入アダプタ、及び杭施工方法
JP2014227719A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 株式会社技研製作所 自走用アダプタ及び杭施工方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019044483A (ja) * 2017-09-04 2019-03-22 株式会社技研製作所 杭圧入装置及び杭圧入工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6523867B2 (ja) 2019-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017043917A (ja) 杭圧入工法、反力架台及び杭圧入引抜機
JP6309400B2 (ja) 杭撤去方法
CN102733388B (zh) 混凝土桩的埋设方法及装置
JP2019035268A (ja) 杭抜き機の杭キャップ、及び杭キャップを用いた杭抜き工法
JP3977073B2 (ja) 回転圧入機
JP2017166206A (ja) 杭圧入引抜機
JP3647788B2 (ja) 鋼杭の初期圧入工法及びその初期反力装置並びに初期反力架台
JP2599346B2 (ja) 反力装置
JP6753656B2 (ja) 杭引抜機
JP4728819B2 (ja) 杭抜装置及び杭抜方法
JP6584853B2 (ja) 鋼管貫入装置
JP2017044004A (ja) 圧入装置およびサブチャック付サブチャックフレーム
JPS583094B2 (ja) 矢板圧入装置及び矢板圧入工法
JP4719041B2 (ja) 杭圧入工法及び杭圧入引抜機
JP3173014U (ja) 低空頭型掘削装置
JP5187250B2 (ja) 振動杭打抜機
JP3692120B2 (ja) 杭抜装置
JP4363996B2 (ja) 地盤改良工法
JP2019052440A (ja) ソイルセメント杭の施工方法
JP2006125032A (ja) 杭施工機
CN217053362U (zh) 一种拉森钢板桩槽内土清理机
JP4955478B2 (ja) 杭上地盤改良システム
JP7182986B2 (ja) 杭圧入装置、杭圧入装置の杭上自走方法及び矢板連続壁の構築方法
JP2001262571A (ja) 回転杭の貫入工法
JP5105538B2 (ja) 登攀機能を備えた振動式杭打抜機および登攀工程を有する振動式杭打方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180709

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6523867

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250