JP2017040467A - 一定融点温度の固液混合物を生成する方法・システム - Google Patents

一定融点温度の固液混合物を生成する方法・システム Download PDF

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Abstract

【課題】対象物の温度を一定温度の範囲内に維持することの需要があるであろう。例えば生鮮魚介類等の氷温による輸送・保存がある。ここで氷温とはその生鮮魚介類等の凍結温度と0℃の間の温度である。氷温での生鮮魚介類等の輸送・保存は以下の利点を持つ。1)対象物の生存保持、2)微生物の増殖抑制、3)病原性細菌の減少、4)酵素的変化及び酸化反応等の抑制。しかし氷温は温度変動の許容度が小さい。【解決手段】本発明は対象物の温度を一定温度の範囲内に維持するために用いる固液混合物(柔らかな固体状及び難融解性氷液混合物等)を低イニシャルコスト、簡単な操作及び連続大量生成する方法を提供する。その方法は、基本的に原液タンク、希釈液タンク及び混合タンクからなる一定溶質濃度の溶液を得る工程と冷却回転円筒、円筒溶液槽及び掻き取り刃からなり冷却回転円筒の冷却温度と回転数により一定融点の固液混合物を連続生成する工程で構成する。【選択図】図1

Description

本発明は対象物の温度を一定温度の範囲内に維持するための技術に関する。
対象物の温度を一定温度の範囲内に維持することの需要があるであろう。例えば生鮮魚介類、野菜、果樹、細胞及び臓器等(対象物)の氷温による輸送・保存がある。ここで氷温とは上記対象物の凍結温度と0℃の間の温度である(なお、氷温には対象物の凍結温度と0℃は含まれない)。氷温での対象物の輸送、保存は以下の利点を持つ。1)対象物の生存保持、2)微生物の増殖抑制、3)病原性細菌の減少(非特許文献1 p.110)、4)酵素的変化(色調、風味、成分の変質等)及び酸化反応等の抑制(非特許文献1 p.88)。しかし氷温は温度変動の許容度が小さい。例えば生鮮魚介類の凍結温度は−2.25〜−0.75℃とされる(非特許文献1 p.84)。対象物の輸送等において上記氷温等の維持のためにその対象物全てを空間的に温度の変動幅を1℃以内に抑えることは容易ではない。例えば、冷凍機を用いた場合、温度センサの精度、温度測定の位置による温度分布、温度差1℃以内での冷凍機の頻繁なON,OFF作動等の問題がある。この問題の解決方法として氷温の氷(塩水からの氷液混合物等)を用いた対象物の氷蔵が提案されている(非特許文献1 p.36)。
小嶋秩夫編、魚のスーパーチリング、恒星社厚生閣、東京 1986
上記の氷蔵のための氷温氷の生成を可能とする装置には、氷と海水を混合する大規模な装置、または円筒槽内に水溶液を満たし、円筒槽内面(冷却面)に氷層を形成し、その氷層を掻き取り、円筒槽内で掻き取られた氷と水溶液を混合し、融点一定の氷液混合物を作る装置もある。しかしこれらの装置は、氷液混合物生成槽全体の氷と液の割合(又は割合分布)を一定にしなければならない。このため氷液混合物の排出が間欠的となったり、また装置の初動に時間がかかり、かつ氷液混合物の融点の変更を必要とする需要(凍結点の異なる複種の魚介類等)に迅速に対応できない。また、液状の氷液混合物の場合、離れた場所にある対象物への供給において氷と水溶液の分離(比重差)の問題が生じ易い。
また、水産業等においては固定円筒内面(冷却面)へ落水(水道水)し、回転する掻取り刃により氷を生成する装置が広く使われている。この形式の製氷機を用い水道水を海水に変えることにより一定融点温度の氷を生成することが考えられるであろう。
しかし、この落水による製氷は、冷却面に発達する氷層へ溶質が取り込まれ難い(非特許文献2、3)。このため冷却面を落水した原液は、(氷の生成により)溶質よりも水分の除去割合が大きい。また、原液の溶質濃度が低いほど水分の除去割合が大きい(氷層へ溶質が取り込まれ難い)。
Chen Ping,Xiao Dong Chen,Kevin W.Free、An experimental study on the spatial uniformity of solute inclusion in ice formed from falling film flows on a sub−cooled surfasce、Journal of Food Engineering,Vol.39,p.101 1999 Muller,M.and I.Sekoulov,Waste water reuse by freeze concentration with a falling film reactor,Wat.Sci.Tech.,Vol.26,No.7−8,p.1475 1992
この落水型製氷機において連続的に氷層を生成するために原液を循環するとした場合、上記により氷の溶質濃度の調整が難しいものとなる。さらに氷を海水との混合により融点を調整することもいっそう困難な作業となる。
上記問題を避けるためにこの型の製氷機において原液を循環せず、常に新たな一定溶質濃度の原液(海水等)を供給することが考えられる。しかしこの場合、原液を常時新たに(顕熱)冷却し冷却面へ供給しなければならず原液の冷却のためのエネルギが非常に大きなものになる。
一般的に冷凍機を用い(特に輸送において)対象物(生鮮魚介類、細胞及び臓器等)全てを空間的に温度の変動幅を1℃以内に抑えることは困難である。また、左記目的のための氷蔵による方法がある。しかし氷蔵のための一定融点の氷液混合物を生成する既存装置は以下等の問題点を持つ。・大規模(高イニシャルコスト)となる。・氷液混合物が液状となる。・数種の融点への需要に迅速に対応できない。
本発明は以下の文献研究を検討することにより考案された。
非特許文献4に次の事が記されている。溶液に対して冷却面からの一方向冷却の場合、氷結晶は冷却面に対して(垂直に交叉した枝を持つ)針状又は棒状の結晶に成長する(p.117)。また、結晶核(微細結晶)の生成速度は過冷却度(冷却面と溶液の温度差)の2乗に比例し(過冷却度が大きい程、微細結晶の量が多くなる)、結晶の成長速度は過冷却度の1乗に比例する(p.121)。さらに結晶核の生成速度が速い程、結晶の成長速度が遅い(p.120)。
上記文献の記述から一方向冷却と大きな過冷却度により冷却面に溶質及び微細気泡を取り込んだ氷層(氷液混合物)を作ることが可能と考えられる。
Thijssen,H.A.C.,Advance in Preconcentration and Dehydration of Foods,A.Spicer ed.p.115,Applied Scinence Pub.LTD,London,UK(1974)
非特許文献5は、凍結濃縮装置を試作しその装置の経済性について検討している。装置は基本的に真空蒸発装置、遠心分離機及び円筒凍結機(冷却回転円筒氷液混合物生成機)からなり、上記円筒凍結機は冷却回転円筒、円筒溶液槽(冷却回転円筒を溶液に浸す槽)及び冷却回転円筒の表面に接近して設けられた掻き取り刃によって構成されているこの文献は装置の経済性の研究であるが、その中で円筒溶液槽中の海水原液(模擬海水:岩塩水)の初期比重1.0215における円筒凍結機から排出される氷布(氷片)(氷液混合物)の比重の変化が4時間で1.021から1.024であることが知られる。
岡部豊彦、酒井真一、食塩水の凍結による濃縮(II)、電気試験所業報,Vol.20,No.11,p.856 1956
一方、非特許文献6は、上記非特許文献5と関係を持たない研究であるが海水の比重と塩分濃度の関係が記されている。
Figure 2017040467
さらに、非特許文献7は、上記非特許文献5及び特許文献6と関係を持たない研究であるが冷凍海水の塩分濃度と氷点の関係が記されている。
馬野周二、川崎成武、海水の冷凍濃縮および海水成分の有効利用に関する研究(第一報)、東工試報,Vol.53,No.11,p.365 1958
これらのことから上記非特許文献5の円筒溶液槽中の海水原液の初期比重1.0215(塩分濃度約3wt%)における生成する氷片の氷点の変化は、4時間で−1.49℃(比重1.021)から−1.70℃(比重1.024)までのわずか0.21℃だけであることが知られる。
非特許文献8は、海水及び海水希釈液からの氷液混合物における氷の含有率(50%以下)による融点の変化を(表として)記している
児玉修、シャーベット海水氷の実力と使用方法、養殖、Vol.42,No.5,p.18 2005
上記の結果から本発明は、一定融点の固液混合物を生成するための基本的に原液タンク、希釈液タンク、混合タンク及び回転円筒固液混合物生成機から構成され、さらに固液混合物の固体の含有率を一定とするシステムを提案する。
その工程は以下となる。原液タンク中の原液(溶質を含んだ液)と希釈液タンク中の希釈液が混合タンクへ送られる。この時、混合タンク中の溶液の溶質濃度が(対象物による)目的の固液混合物の融点(固液混合物の固体の割合)に対応した溶質濃度(左記固液混合物中の固体が融解しその固体の含有率が0となった時の混合物の溶質濃度)となるよう混合タンクへ送られる原液量と希釈液量の割合を(原液タンク及び希釈液タンクに設けられた液位センサ等により)一定割合とする。この時、混合タンク中の混合液を攪拌してもよい。なお、本発明の使用の目的により原液、希釈液、またはその混合液をろ過及び殺菌(紫外線殺菌等)してもよい。上記により溶質濃度の調整された混合タンク中の混合液は、回転円筒固液混合物生成機の円筒溶液槽(冷却回転円筒を混合液に浸す槽)(なお、円筒溶液槽はどのような形状であってもよい)へ送られる。
回転円筒固液混合物生成機は基本的に冷却回転円筒、円筒溶液槽及び冷却回転円筒の表面に接近して設けられた掻き取り刃によって構成されている。冷却回転円筒はその表面材料の裏面が冷媒(またはブライン)によって冷却されており、また 冷却回転円筒は 円筒溶液槽中の混合液に浸されている。冷却回転円筒は冷却回転円筒表面に混合液から固液混合物を生成し、生成された固液混合物は掻き取り刃によって掻き取られ排出される。
この時、排出される固液混合物の固体の含有率(融点)を一定とするため冷却回転円筒の冷却温度と回転数を排出される固液混合物の希望する融点(固体の含有率)、混合液の溶質濃度及び外気温度に対応した値とする。なお、冷却回転円筒の回転数はその冷却温度によって(または冷却温度は回転数によって)決めることが出来る。また、ここでの外気温度とは回転円筒固液混合物生成機の雰囲気温度、またはその構成要素によって作られる空間温度である。この時必要であればこの外気温度、または回転円筒固液混合物生成機の構成機器を断熱材及び温度制御システムにより一定温度にしてもよい。さらに対象物(魚介類等)、または用途が限定される場合は、上記冷却回転円筒の回転数、冷却温度、混合液の溶質濃度、外気温度のどれか、または複数、または全てを固定の値としても良い。
上記冷却回転円筒の回転数及び冷却温度の調整は、回転数がインバータ等を用い、冷却温度が電磁弁等による(冷凍機と冷却回転円筒の間の)冷媒回路の変更、または冷凍機へのインバータの使用等の方法を用いる事が出来る。
冷却回転円筒により生成する固液混合物の融点の時間による変動幅を小さくするために円筒溶液槽内の溶液を定期的(例えば1〜2時間おき)に排出し、新規に混合タンクからの混合液を円筒溶液槽へ供給してもよい。さらに、この円筒凍結機の円筒溶液槽は冷却回転円筒を溶液に浸すための物である。このため円筒溶液槽中の溶液の液量を多く必要とせず、上記の溶液の排出のための冷熱エネルギの損失は大きなものにならない。
本発明の回転円筒固液混合物生成機は単純な構造で固液混合物を連続的に生成する。また、冷却面からの固液混合物層の掻き取り残し(冷却伝熱抵抗)もない。このため装置単位体積当たりの固液混合物の大量生成が可能である。
なお、本発明における一定融点とは一点の温度ではなくわずかな幅を持つ温度であってもよい。例えば、本発明のシステム稼働時間(例えば1時間、又は3時間)中の生成する固液混合物の融点の変動幅が0.25℃以内、0.5℃以内及び1℃以内であってもよい。
本発明の固液混合物の生成方法は、背景技術に記した氷温の維持の他に以下の利点を持つ。
1)本発明は、固液混合物を扁平形状及び固体状(例えば厚さ3mmの扁平氷片)に生成することができる(本発明の固体状の固液混合物は固体の含有率を50%以上としても良い)。このため以下の理由により(シャーベット氷等に比べ)溶けにくく(対象物の低温維持での)長期輸送・保存に適している。
・固液混合物の扁平形状は扁平固液混合物間に空気層を持つ多層を形成する。このため断熱性を持ち溶け難い。
・当然の事であるが、固体状の固液混合物は液状の固液混合物に比べ単位体積当たりの固体の割合が多い。このことは、固体状の固液混合物は融解潜熱量が多く、低温の維持を格段に長時間化することになる。
・固液混合物中の固体の融解速度は、液体の割合が多い程(液体の流動による熱移動速度が速くなり)速くなる。このため固体状の氷液混合物は液状の氷液混合物に比べ氷の融解速度が遅い。
2)本発明は生成する固液混合物の必要融点と混合液の溶質濃度の関係等により固液混合物の固体の含有率を変えることが出来る。このため柔らかな固液混合物(柔らかい氷片等)を得るための混合液の溶質濃度と固液混合物の固体(氷等)の含有率を選択出来る。柔らかな氷片は魚体等の水産物を傷つけることがない。
3)本発明による固体状の氷液混合物(氷片)は離れた場所にある対象物への供給(スクリウコンベア等)が容易となる。一方、(他の技術による)液状の氷液混合物の場合、離れた場所にある対象物への供給は、(氷液の比重差により)供給中に氷液が分離し易い難点を抱える。
4)本発明は短時間(数分等)の簡単な操作(予め作成された表、またはプログラム制御器等による混合液の溶質濃度、冷却回転円筒の回転数及び冷却温度等の設定)で一定融点の固液混合物を生成できる。このため初動の定常運転までの時間が非常に短い。また、固液混合物の融点温度の変更も同様に短時間で行うことが出来、複数の種類の対象物(凍結点の異なる複数の魚介類等)を持つ需要に対しても迅速に対応する。一方、既存のシャーベット氷等の生成方法は、氷生成槽又は氷液混合槽において槽全体の氷と液の割合(又は割合分布)を一定にしなければならない。このため装置の初動に時間がかかり、また氷液混合物の融点の変更に迅速に対応できない。
5)水産物(魚介類及び海草等)は、(その種類により)漁獲時期・期間が限定的であるのが一般的である。また、対象水産物における本発明の一定融点温度固液混合物による鮮度保持の有効性確認のためには現地での漁獲直後のテストが最適であろう。このため本発明のシステムは、必要場所で必要期間稼働する移動式(車、船等)が好まれる場合が多いと思われる。この点において本発明のシステムは装置構造が簡単であるため、移動体(車体及び船体等)への搭載が容易である利点を持つ。
なお、0012に記した様に溶液の凍結においては、過冷却度が大きい程、微細結晶の量が多くなる。このことから凍結濃縮を目的として水溶液を凍結する場合、水溶液の過冷却度が小さい(冷却温度が氷液の融点に近い)程、好ましい。これは凍結濃縮の場合、過冷却度が小さい程、氷の結晶径が大きくなり、氷と濃縮液の分離効率が良くなることによる(凍結濃縮の分離効率は平均結晶径の2乗に比例する:非特許文献4 p.130)。なお、海水(塩分濃度3.5wt%)の融点は−2.2℃である(非特許文献8)。一方、本発明の技術は過冷却度が大きい(冷却温度が低い)程、好ましい。これは冷却温度が低い程、微細結晶が増加し氷層(氷液混合物)に溶質及び微細気泡が取り込まれ易くなるためである。このため本発明技術の水溶液の冷却面温度は(一般的な製氷のための製氷機の冷却面温度である−15〜−10℃程よりもさらに低い)−20℃以下が好ましい。
また、本発明では氷液混合物を固体状とし、かつその融点を生鮮魚介類の氷温域とするためには、混合液の塩分濃度を2wt%以下とすることが好ましい(0021参照)。
なお、本発明は混合液を海水(塩分濃度3.5wt%)とした場合、氷液混合物の氷の含有率20%以下での冷却面への氷層(氷液混合物)の生成は困難である(この氷の含有率20%以下の氷液混合物は液状であるため氷層を形成できないことによる)。この時、海水(塩分濃度3.5wt%)の氷液混合物の氷の含有率20%以上における融点は−2.8℃以下となる(非特許文献8)。
また、本発明は、混合液(ここでの混合液は溶質を含まない液、溶質濃度が調整されていない溶液及びサスペンション液であってもよい)中に浮遊させた微細な気泡(窒素、オゾン等)も生成する固液混合物(氷片等)中に含ませることができる。この時、固液混合物中の固体(氷結晶等)間の液中及び固体間に微細気泡が取り込まれるため固液混合物から気泡が抜け難く、気泡によるその期待効果(酸化抑制、殺菌性等)を持続させることができる。また、固体が氷等の低温物質の場合、低温であることによる固液混合物からの気泡の抜け難さの効果も期待できる。
また、本発明によって生成される固液混合物中の固化物は結晶に限らずアモルファスを含むどのような物であってもよい。
また、本発明の装置の大きさは、その用途及び使用に応じてさまざまな大きさがあってもよい。
また、本発明の技術は食品(生鮮魚介類等)以外の分野へも用いることができる。例えば医学及び医療における細胞、微生物及び臓器の輸送・保存への利用も考えられる。
本発明により対象物の温度を一定温度の範囲内に維持するために用いる固液混合物(氷液混合物等)を低イニシャルコスト、簡単な操作及び大量生成することが可能となる。
本発明の実施形態の1例を示すフロー図 本発明の冷却回転円筒製氷機
図1は本発明の実施形態の1例を示す海水タンク1、水道水タンク2、混合タンク3及び冷却回転円筒製氷機4(図2)から基本的に構成されるシステムである。海水タンク1中の海水1aと水道水タンク2中の水道水2aが、混合タンク3へ送られる。この時、混合タンク中の溶液(混合液3a)の塩分濃度が目的の氷液混合物4aの融点(氷液混合物4aの氷の割合)に対応した塩分濃度(左記氷液混合物中の氷が融解し氷の含有率が0となった時の混合物の塩分濃度)となるよう混合タンクへ送られる海水量と水道水量の割合を海水タンク1と水道水タンク2のそれぞれの水位センサにより一定割合とする。混合タンク3中の混合液3aは冷却回転円筒製氷機4の円筒溶液槽4cへ円筒溶液槽4cの水位を検知することにより供給される。冷却回転円筒4bは、その表面材料の裏面が冷媒によって冷却されており、また冷却回転円筒4bは円筒溶液槽4c中の混合液に浸されている。冷却回転円筒は冷却回転円筒表面に混合液から氷液混合物を生成し、生成された氷液混合物4aは掻き取り刃4dによって掻き取られ排出される。この時、冷却回転円筒製氷機4の雰囲気温度(外気温度)6が計測されており、その信号が制御器5に送られている。制御器5は、上記雰囲気温度6、冷却回転円筒4bの冷却温度、冷却回転円筒製氷機4から排出される氷液混合物4aの希望する融点(氷の含有率)及び混合液3aの塩分濃度に対応した冷却回転円筒4bの回転数となるよう制御信号7を冷却回転円筒製氷機4に送っている。なお、この実施形態では冷却回転円筒の冷却温度は−20℃の固定温度としている。
本発明は対象物の温度を氷温等の一定温度の範囲内に維持するために用いる固液混合物を低イニシャルコスト、簡単な操作及び連続大量生成する方法を提供する。
1 海水タンク
1a 海水
2 水道水タンク
2a 水道水
3 混合タンク
3a 混合液
4 冷却回転円筒製氷機
4a 氷液混合物
4b 冷却回転円筒
4c 円筒溶液槽
4d 掻き取り刃
5 制御器
6 外気温度センサー
7 冷却回転円筒の回転数制御信号

Claims (2)

  1. 原液と希釈液を混合し一定溶質濃度の混合液を得る工程と冷却回転円筒、該冷却回転円筒を混合液に浸す円筒溶液槽及び該冷却回転円筒に接近して設けられた掻き取り刃からなる氷液混合物を生成する工程からなり、
    該混合液を該円筒溶液槽に送り、該冷却回転円筒表面に氷液混合物を生成し、生成された氷液混合物を該掻き取り刃によって掻き取り排出し、
    この時、該冷却回転円筒の冷却温度と回転数を該混合液の溶質濃度、外気温度及び希望する排出氷液混合物の氷の含有率に対応した値としている、
    冷却回転円筒の回転稼働時間中に排出する氷液混合物の融点温度が生鮮魚介類の氷温である氷液混合物を連続的に生産する方法。
  2. 請求項1において混合液に微細気泡が含まれている、
    該冷却回転円筒の回転稼働時間中に排出する氷液混合物の融点温度が生鮮魚介類の氷温である微細気泡を含む氷液混合物を連続的に生産する方法。
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