JP2018124057A - 魚介類用スラリーアイス生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 殺菌機能を有する魚介類用スラリーアイスを連続して大量に製造できる方法を提供する。
【解決手段】塩水供給源から塩水を取り込む塩水取得工程と、希釈水供給源から希釈水を取り込む希釈水取得工程と、取り込んだ塩水を電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解工程と、生成された電解水と取り込んだ希釈水とを混合させて電解次亜水を生成する希釈工程と、希釈水と電解水との混合比を調整して、電解次亜水の次亜塩素酸濃度を調整する次亜塩素酸濃度調整工程と、取り込んだ電解次亜水を冷却して冷却媒体を生成する冷却媒体生成工程を含み、生産される魚介類用スラリーアイスは、温度が0〜−1.5℃、塩濃度が2%未満であり、次亜塩素酸濃度を10〜80ppmとし、電解次亜水のpHを6.5以下とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、殺菌機能を有する魚介類用スラリーアイスを生産するための方法及びシステムに関する。
魚介類や野菜・果実などの生鮮食品の鮮度を長期間にわたり保持するため、スラリーアイスを用いて生鮮食品を冷却保存することが知られている。スラリーアイスは、微細な氷粒子と液体とのシャーベット状混合物であって、流動性を有している。砕氷を冷却保存に用いると、砕氷は硬質の塊状物であるため、生鮮食品の表面を傷つけるおそれがあるのに対し、スラリーアイスは氷粒子が微細であり、流動性を有するので、生鮮食品を傷つけないのみならず、生鮮食品との接触面積が大きいので、冷却速度が大きいという利点を有している。
従来のスラリーアイス製造装置は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されるスラリーアイス製造装置は、海水等の塩水又は清水が内部に供給される内管と、内管の外周面を覆い、内管外周面との間に冷媒流路が設けられる外管と、内管内部に回転可能に配設される回転部材と、回転部材の外周面から半径方向に突出するように設けられたスクレーパを有する掻き取り部と、内管の両端を閉塞する蓋部材を具備してなる。一方の蓋部材には、塩水又は清水を内管内部に供給するための供給部が設けられ、他方の蓋部材には、生成されたスラリーアイスを排出するための排出部が設けられる。またスクレーパは、先端と内管内面との間に所定量の間隙を有するように配置される。これによって、スクレーパは、内管内部で回転することによって、内管内面で凍結する氷の表面部分のみを掻き取ることが可能である。
このように構成されるスラリーアイス製造装置は、内管と外管との間に設けられた環状の冷媒空間に冷媒を流通させて内管を冷却し、内管内部に供給された塩水又は清水のうち、内管内面に接する部分を凍結させる。これと同時に、内管内部で回転する掻き取り部のスクレーパで、凍結した氷結晶の表面部分を掻き取るとともに、掻き取った氷結晶を未凍結の液体部分と混合撹拌する。その結果、微細な氷結晶が塩水または清水に分散した、シャーベット状の流動性を有するスラリーアイスを製造することができる。
特許第4638393号公報
塩水に含まれるNaClなどの溶質は、多くの細菌に対し殺菌機能を有するとされているものの、塩濃度に殺菌性の相関があり、低塩分濃度になるに従いその効果が小さくなる。また、ノロウイルス、黄色ブドウ状球菌など一部の病原体に対しては高塩分濃度でも有効な殺菌力を発揮することができない。そこで、殺菌力の強い次亜塩素酸水を用いてスラリーアイスを製造することが考えられる。
この場合において、大量のスラリーアイスを製造するには、スラリーアイス製造装置へ連続的に次亜塩素酸水を供給する手段が必要となる。これには、たとえば次亜塩素酸水を貯留するタンクを設け、このタンクからスラリーアイス製造装置へ次亜塩素酸水を供給することが考えられる。しかしながら、タンクの容量を超えて次亜塩素酸水を供給することはできないため、従来の技術では、次亜塩素酸水を用いて大量のスラリーアイスを製造するのが困難である。
本発明は、次亜塩素酸水を用いて、殺菌機能を有するスラリーアイスなどの冷却媒体を、連続して大量に生産することが可能なシステムおよび生産方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明が採用した請求項1に係る冷却媒体生産システムの特徴は、塩水が貯留される塩水供給源、塩水供給源から塩水を取り込む塩水取得手段、希釈水供給源から希釈水取得部を通じて希釈水を取り込む希釈水取得手段、取り込んだ塩水を電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解手段、生成された電解水と取り込んだ希釈水とを混合させて電解次亜水を生成する希釈部、および、生成された電解次亜水を送出させる電解次亜水送出部を有する電解次亜水生成装置と、
電解次亜水を取り込む電解次亜水取得部を有し、取り込んだ電解次亜水を冷却して冷却媒体を生成する冷却媒体生成装置と、電解次亜水送出部から電解次亜水取得部へ電解次亜水を送給する送水手段と、電解次亜水生成装置の動作、冷却媒体生成装置の動作、および、送水手段の動作を制御する制御手段を備えることである。
請求項2に係る冷却媒体生産システムの特徴は、 前記電解次亜水生成装置は、希釈水取得手段から希釈部へ向う希釈水の流量を調整する希釈水流量調整手段と、電解手段から希釈部へ向う電解水の流量を調整する電解水流量調整手段とをさらに備え、
前記制御手段は、電解手段を制御することによって、電解水の次亜塩素酸濃度を予め定める値に調節する機能、希釈水流量調整手段および電解水流量調整手段を制御することによって、希釈部における希釈水と電解水との混合比を調整して、電解次亜水の次亜塩素酸濃度を調整する次亜塩素酸濃度調整機能を有することである。
請求項3に係る冷却媒体生産システムの特徴は、
前記電解次亜水生成装置は、予め定める塩濃度の食品添加物水溶液が貯留される食品添加物水溶液供給源と、食品添加物水溶液供給源から食品添加物水溶液を取り込む食品添加物水溶液取得手段と、取り込んだ食品添加物水溶液を希釈液、電解水または電解次亜水に混合する食品添加物水溶液混合部と、食品添加物水溶液供給源から食品添加物水溶液混合部へ向う食品添加物水溶液の流量を調整する食品添加物水溶液流量調整手段とをさらに備え、
前記制御手段は、食品添加物水溶液流量調整手段を制御することによって、食品添加物水溶液混合部における食品添加物水溶液の混合量を調節して、電解次亜水の食品添加物濃度を調整する食品添加物濃度調整機能を有することである。
請求項4に係る冷却媒体生産システムの特徴は、 前記電解次亜水生成装置は、予め定めるpHの酸溶液が貯留される酸溶液供給源と、酸溶液供給源から酸溶液を取り込む酸溶液取得手段と、取り込んだ酸溶液を希釈水、電解水、または電解次亜水に混合する酸溶液混合部と、酸溶液供給源から酸溶液混合部へ向う酸溶液の流量を調整する酸溶液流量調整手段とをさらに備え、
前記制御手段は、酸溶液流量調整手段を制御することによって、酸溶液混合部における酸溶液の混合量を制御して、電解次亜水のpHを調整するpH調整機能を有することである。
請求項5に係る冷却媒体生産システムの特徴は、
前記送水手段は、電解次亜水を貯留する貯水タンクと、電解次亜水送出部と貯水タンクとを連絡する第1電解次亜水送給路と、貯水タンクと電解次亜水取得部とを連絡する第2電解次亜水送給路と、第2電解次亜水送給路に設けられ、電解次亜水を電解次亜水取得部へ送給する電解次亜水送給ポンプと、貯水タンクの貯水量を検知する貯水量センサとを有し、
前記制御手段は、貯水量センサが検知した貯水タンクの貯水量が予め定める値に達すると、電解次亜水生成装置、冷却媒体生成装置、または電解次亜水送給ポンプの動作を停止させる機能を有することである。
請求項6に係る冷却媒体生産システムの特徴は、 前記送水手段は、電解次亜水送出部と電解次亜水取得部とを連絡する第3電解次亜水送給路と、第3電解次亜水送給路に設けられ、電解次亜水を電解次亜水取得部へ送給する電解次亜水送給ポンプとを有し、
前記制御手段は、電解次亜水送給ポンプの動作を制御して、電解次亜水送出部から電解次亜水取得部へ送給される電解次亜水の流量を予め定める値に調整する機能を有することである。
請求項7に係る冷却媒体生産システムの特徴は、前記送水手段は、電解次亜水取得部へ送給される電解次亜水の水温を予め定める温度に調節する水温調節部をさらに備えることである。
請求項8に係る冷却媒体生産システムの特徴は、前記水温調節部が貯水タンクに設けられることである。
請求項1に係る本発明によれば、電解次亜水生成装置で生成した電解次亜水を、送水手段によって冷却媒体生成装置へ送給し、冷却媒体生成装置で電解次亜水を冷却し、冷却媒体を生成する。電解次亜水生成装置は、塩水供給源から供給される塩水を、電解手段で電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成し、生成された電解水と、希釈水取得手段によって取り込んだ希釈水とを混合させて電解次亜水を生成する。冷却媒体生成装置は、電解次亜水を冷却して、冷却媒体を生成する。
本発明に係る冷却媒体生産システムによって生産される冷却媒体は、次亜塩素酸を含むので、優れた殺菌機能を発揮する。次亜塩素酸は、特に塩水に耐性のあるノロウイルス、黄色ブドウ状球菌、腸炎ビブリオ菌などにも有効である。したがって、この冷却媒体は、生鮮食品などの食材の冷却保存に使用したときに、鮮度保持と衛生管理の両面で効果がある。
希釈水の供給源として、例えば上水道などを使用すれば、希釈水の供給量を確保できる。それと同時に、塩水供給源として例えば高濃度食塩水などを使用すれば、所定濃度の次亜塩素酸の生成に必要な塩水の使用量を抑制することができる。よって、大量の電解次亜水を連続して生成することができ、連続的に生成される電解次亜水を用いて、殺菌機能を有する冷却媒体を大量に生産することが可能である。
請求項2に係る本発明によれば、電解手段で生成される電解水の次亜塩素酸濃度が予め定める値に調節され、制御手段により希釈水流量調整手段および電解水流量調整手段を制御することによって、希釈水と電解水との混合比を調整して、電解次亜水の次亜塩素酸濃度を調整することが可能である。したがって、次亜塩素酸濃度を、冷却媒体の種類や用途に応じた適切な値に調整するのが容易である。
請求項3に係る本発明によれば、予め定める濃度の食品添加物水溶液を、希釈液、電解水または電解次亜水に混合するものであって、食品添加物水溶液の混合量は、食品添加物水溶液流量調整手段の制御により調節することができる。したがって、電解次亜水の食品添加物濃度を、冷却媒体の種類や用途に応じた適切な値に調整するのが容易である。
請求項4に係る本発明によれば、予め定めるpHの酸溶液を、希釈水、電解水、または電解次亜水に混合するものであって、酸溶液の混合量は、酸溶液流量調整手段の制御により調節することができる。したがって、電解次亜水のpHを、次亜塩素酸が安定して存在するのに適切な値に調整するのが容易である。
請求項5に係る本発明によれば、送水手段が、電解次亜水生成装置で生成された電解次亜水を貯留する貯水タンクと、電解次亜水を冷却媒体生成装置へ送給する電解次亜水送給ポンプと、貯水タンクの貯水量を検知する貯水量センサとを有し、貯水量センサで検知した貯水タンクの貯水量に基づいて、電解次亜水生成装置、冷却媒体生成装置、または電解次亜水送給ポンプの動作を停止させる。したがって、たとえば、貯水タンクの貯水量が予め定める上限値を超えたときには、電解次亜水生成装置の動作を停止させ、貯水タンクのオーバーフローを防止できる。反対に、貯水タンクの貯水量が予め定める下限値に達したときには、冷却媒体生成装置および電解次亜水送給ポンプを停止させ、これらが不要に運転をするのを回避することが可能である。
請求項6に係る本発明によれば、電解次亜水送出部と電解次亜水取得部とが第3電解次亜水送給路によって直結されるので、冷却媒体生産システムの構成を簡素化することができるとともに、電解次亜水生成装置と冷却媒体生成装置とを一体化させて、システムのコンパクト化を図ることができる。
請求項7に係る本発明によれば、冷却媒体生成装置に送給される電解次亜水の水温を予め定める温度に調節する水温調節部をさらに備えるので、電解次亜水の水温を、冷却媒体の生成に最適な水温に調節して、冷却媒体の生成効率を向上させることができる。
請求項8に係る本発明によれば、水温調節部を貯水タンクに設け、貯水タンクに貯留された状態の電解次亜水の水温調節を行うので、貯水タンクの電解次亜水全体を均一な水温にすることによって、冷却媒体生成装置へ送給される電解次亜水の水温を安定化させることができる。
本発明に係る冷却媒体生産システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施例に係る冷却媒体生産システムを示すブロック図である。 特許文献1に記載される従来のスラリーアイス製造装置を示す図である。
図1は、本発明に係る冷却媒体生産システム(以下、「本件システム」と言う)Rの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本件システムRは、電解次亜水生成装置20、冷却媒体生成装置30、および、送水手段40を備える。
電解次亜水生成装置20は、塩水が貯留される塩水供給源21、塩水供給源21から塩水を取り込む塩水取得手段22、希釈水供給源から希釈水取得部28aを通じて希釈水を取り込む希釈水取得手段28、取り込んだ塩水を電気分解して次亜塩素酸(HClO)を含む電解水を生成する電解手段23、電解水と希釈水とを混合させて電解次亜水を生成する希釈部M1、および、生成された電解次亜水を送出させる電解次亜水送出部29を有する。塩水取得手段22は、例えば管路22aとポンプ22bとで構成される。
塩水供給源21は、例えば高濃度食塩水が貯留される高濃度食塩水タンクを使用することができる。希釈水供給源には、たとえば上水道を使用することができる。この場合、希釈水取得手段28は、希釈水取得部28aとなる管端部を水道管の給水栓に接続した管路で構成される。
また電解次亜水生成装置20は、希釈水取得手段28から希釈部M1へ向う希釈水の流量を調整する希釈水流量調整手段(図示せず)と、電解手段23から希釈部M1へ向う電解水の流量を調整する電解水流量調整手段とを備える。希釈水流量調整手段は、例えば流量調整バルブによって実現される。
さらに電解次亜水生成装置20は、予め定める濃度の食品添加物水溶液が貯留される食品添加物水溶液供給源24と、食品添加物水溶液供給源24から食品添加物水溶液を取り込む食品添加物水溶液取得手段25と、取り込んだ食品添加物水溶液を希釈液、電解水または電解次亜水に混合する食品添加物水溶液混合部M2と、食品添加物水溶液供給源24から食品添加物水溶液混合部M2へ向う食品添加物水溶液の流量を調整する食品添加物水溶液流量調整手段とを備える。なお、食品添加物水溶液混合部M2を設ける位置は、変更が可能である。
食品添加物水溶液取得手段25は、たとえば管路25aとポンプ25bとで構成される。
食品添加物水溶液取得手段25が、食品添加物水溶液流量調整手段を兼ねることができる
。食品添加物水溶液としては、塩化カルシウムなどを使用することができる。食品添加物水溶液に塩化カルシウム水溶液を用いれば、電解次亜水の食塩濃度を小さくすることができる。
さらにまた電解次亜水生成装置20は、予め定めるpHの酸溶液が貯留される酸溶液供給源26と、酸溶液供給源26から酸溶液を取り込む酸溶液取得手段27と、取り込んだ酸溶液を希釈水、電解水、または電解次亜水に混合する酸溶液混合部M3と、酸溶液供給源26から酸溶液混合部M3へ向う酸溶液の流量を調整する酸溶液流量調整手段とを備える。なお、酸溶液混合部M3を設ける位置は、変更が可能である。
酸溶液としては、塩酸が使用される。酸溶液取得手段27は、例えば管路27aとポンプ27bとで構成される。酸溶液取得手段27が、酸溶液流量調整手段を兼ねることができる。
冷却媒体生成装置30は、電解次亜水を取り込む電解次亜水取得部30aを有し、取り込んだ電解次亜水を冷却して冷却媒体を生成する装置であって、例えば特許文献1に記載されるスラリーアイス製造装置を使用することができる。
送水手段40は、電解次亜水送出部29から電解次亜水取得部30aへ電解次亜水を送給する機能を有するものである。図1に示す本例の送水手段40は、電解次亜水を貯留する貯水タンク41と、電解次亜水送出部29と貯水タンク42とを連絡する第1電解次亜水送給路42と、貯水タンク41と電解次亜水取得部30aとを連絡する第2電解次亜水送給路43と、第2電解次亜水送給路43に設けられ、電解次亜水を電解次亜水取得部30aへ送給する電解次亜水送給ポンプ44と、貯水タンク41の貯水量を検知する貯水量センサ(図示せず)とを有している。
なお必要に応じ、送水手段40に、電解次亜水取得部30aへ送給される電解次亜水の水温を予め定める温度に調節する水温調節部(図示せず)を配置してもよい。水温調節部は、貯水タンク41に設けてもよく、第1電解次亜水送給路42または第2電解次亜水送給路43のいずれかに設けてもよい。水温調節部は、電解次亜水を、予め冷却して、冷却媒体生成装置30における冷却媒体の生成効率を高めるためのものである。冷却温度は約0〜5℃の範囲である。貯水タンク43に水温調節部を設けて、貯水タンク41に貯留されている電解次亜水全体を所定温度に冷却しておけば、冷却媒体生成装置30へ送給される電解次亜水の水温の変動を小さくできるので、冷却媒体の安定生成を図ることができる。
図示は省略するが、電解次亜水生成装置20の動作、冷却媒体生成装置30の動作、および、送水手段40の各動作を制御する制御手段が備えられる。制御手段は、生成される電解次亜水の特性値が適正な値となるようにするため、以下に述べるような機能を有している。
1)電解手段23を制御することによって、電解水の次亜塩素酸濃度を予め定める値に調節する機能2)希釈水流量調整手段および電解水流量調整手段を制御することによって、希釈部M1における希釈水と電解水との混合比を調整して、電解次亜水の次亜塩素酸濃度を調整する次亜塩素酸濃度調整機能3)食品添加物水溶液流量調整手段を制御することによって、食品添加物水溶液混合部M2における食品添加物水溶液の混合量を調節して、電解次亜水の食品添加物濃度を調整する食品添加物濃度調整機能
4)酸溶液流量調整手段を制御することによって、酸溶液混合部M3における酸溶液の混合量を制御して、電解次亜水のpHを調整するpH調整機能
また制御手段は、次の機能を有している。
5)貯水量センサが検知した貯水タンク41の貯水量が予め定める値に達すると、電解次亜水生成装置20、冷却媒体生成装置30、または電解次亜水送給ポンプ44の動作を停止させる機能
以上のように構成される本件システムRは、以下の工程を行って、冷却媒体を生産する。
a)予め定める塩濃度の塩水が貯留される塩水供給源21から塩水を取り込む塩水取得工程
b)取り込んだ塩水を電気分解して予め定める濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成工程
c)希釈水供給源から希釈水を取り込む希釈水取得工程
d)取り込んだ希釈水の流量を予め定める値に調整する希釈水流量調整工程
e)希釈水流量調整工程で調整された希釈水の流量と、電解水生成工程で生成される電解水の次亜塩素酸濃度とに基づいて決定される混合比にしたがって希釈水と電解水とを混合
して、予め定める次亜塩素酸濃度を有する電解次亜水を生成する希釈工程
f)予め定める濃度の食品添加物水溶液が貯留される食品添加物水溶液供給源24から食品添加物水溶液を取り込む食品添加物水溶液取得工程
g)取り込んだ食品添加物水溶液を、希釈液、電解水または電解次亜水に混合して、電解次亜水の塩濃度を予め定める値に調整する食品添加物濃度調整工程
h)予め定めるpHの酸溶液が貯留される酸溶液供給源26から酸溶液を取り込む酸溶液取得工程
i)取り込んだ酸溶液を、希釈液、電解水または電解次亜水に混合して、電解次亜水のpHを調整するpH調整工程
j)次亜塩素酸濃度、食品添加物濃度、pHが調整された電解次亜水を冷却媒体生成装置30へ送給し、これを冷却して冷却媒体を生成する冷却工程
本件システムRは、制御手段が、電解次亜水生成装置20の動作を制御することによって、前記1〜4の機能を発揮して、たとえば次亜塩素酸濃度10〜80ppm、塩濃度1〜3.5%、pH6.5以下に調整された電解次亜水を生成する。次亜塩素酸濃度を10〜80ppmとすることにより、殺菌効果が確実に発揮され、且つ、人体に対する悪影響を少なくすることができる。またpHを6.5以下とすることにより、次亜塩素酸を電解次亜水中で安定させて存在させることができる。
電解次亜水の塩濃度が1〜3.5%の範囲が好ましい理由は次のとおりである。塩濃度を1%以上とすることにより、生成される冷却媒体の温度を、0℃以下にすることができる。生鮮食品、特に魚の鮮度を保持するには、魚体を0℃以下で保存するのが望ましいが、塩濃度が1%未満であると、冷却媒体の温度が0℃付近までしが低下しないため、魚体の温度を0℃付近に維持するのが難しくなる。また塩濃度が1%未満であると、冷却媒体としてスラリーアイスを製造する際に、氷結晶が硬くなるので、氷粒子を微細化しにくくなるという問題がある。そこで、電解次亜水の塩濃度は1%以上に設定するのが好ましい。
電解次亜水の塩濃度が海水の塩濃度である3.5%を超えると、魚が海水よりも高塩濃度の環境下に置かれることによって、魚体にダメージが与えられるおそれがある。そこで、塩濃度は3.5%以下が好ましい。
なお、魚の細胞が凍結しない温度で保持すれは、魚を長期にわたり新鮮な状態で保存することが可能であり、そのために最適な冷却媒体の温度条件は0〜−1.5℃である。冷却媒体をこのような温度条件にするには、電解次亜水の塩濃度を1〜2%の範囲とすればよい。すなわち、電解次亜水の塩濃度を1〜2%とすれば、魚に与えるダメージが少ない冷却媒体を提供することができる。
なお本件システムRで使用する塩水を食塩水とすれば、生成される電解次亜水は、食塩水を電気分解することによって生成される電解水であって、食品衛生法上の食品添加物として認められている次亜塩素酸ナトリウムを希釈したものと同等と考えられるものである。また、他の添加物は、食品添加物水溶液である。よって本件システムRで生成される電解次亜水は、食品衛生法上の食品添加物として使用することが可能である。
電解次亜水生成装置20で生成される上記特性を有する電解次亜水は、一旦、貯水タンク41に貯留され、水温調節部を設けた場合には、適切な水温調節がなされた後、電解次亜水送給ポンプ44によって、冷却媒体生成装置30へ送給される。冷却媒体生成装置30は、電解次亜水を冷却し、スラリーアイスや砕氷などの冷却媒体を生成する。
貯水タンク41から冷却媒体生成装置30への電解次亜水の送給量は、電解次亜水送給ポンプ44によって一定値に調節することが可能である。この場合、電解次亜水生成装置20における電解次亜水生成量と、貯水タンク41から冷却媒体生成装置30への電解次亜水送給量とが一致しなかった場合、貯水タンク41の貯水量が変動する。そこで、貯水タンク41の貯水量を検知する、例えばフロートセンサのような貯水量センサを設け、貯水量センサが検知した貯水量に基づき、制御手段によって、電解次亜水生成装置20、冷却媒体生成装置30、または電解次亜水送給ポンプ44の動作を停止させる制御を行うことが望ましい。具体的には、貯水タンク41の貯水量が予め定める上限値を超えたときには、電解次亜水生成装置20の動作を停止させ、貯水タンク41への電解次亜水の流入を停止させて、オーバーフローの発生を防止する。反対に、貯水タンクの貯水量が予め定める下限値に達したとき、つまり渇水状態に近づいたときには、冷却媒体生成装置30および電解次亜水送給ポンプ44を停止させ、これらが不要に運転を続けるのを回避する。それとともに、電解次亜水生成装置の運転を継続させ、貯水タンク41の貯水量が回復するのを待つことができる。
冷却媒体としてスラリーアイスを生成する場合、その氷充填率は10〜30%の範囲が好ましい。また、スラリーアイスを構成する氷粒子の粒径は、0.05〜0.5mm程度であることが好ましい。このような性状のスラリーアイスは、流動性に優れ、生鮮食品などの被冷却物の表面との接触面積が大きいから、冷却速度が大きい。また、被冷却物の表面を傷つけるおそれがないという利点を有している。従来、魚や野菜などの生鮮食品の冷却保存に砕氷を使用すると、砕氷は硬質の塊状物であるため、生鮮食品などの被冷却物の表面を傷つけるおそれがあった。また、砕氷の粒径が大きいため、被冷却物との接触面積が小さく、冷却速度が小さいという問題があった。冷却媒体をスラリーアイスとすることにより、上記従来の問題は解決される。
[実施例]
図2は、本発明を、水道水を用いて、殺菌可能なスラリーアイスを生産するシステムR1(以下、「スラリーアイス生産システムR1」という)に適用した実施例を示すブロック図である。図2に示すスラリーアイス生産システムR1は、電解次亜水生成装置20、冷却媒体生成装置30、および送水手段40を備える。さらに電解次亜水生成装置20の動作を制御する第1制御手段200、および、冷却媒体生成装置30の動作を制御する第2制御手段300が設けられる。第1制御手段200および第2制御手段300により、制御手段が構成される。本例では、希釈水供給源を上水道とする。したがって、希釈水は水道水である。また生産する冷却媒体はスラリーアイスである。したがって、冷却媒体生成装置30は、スラリーアイス生成装置である。
電解次亜水生成装置20は、塩水供給源21、塩水取得手段22、電解手段23、食品添加物水溶液供給源24、食品添加物水溶液取得手段25、酸溶液供給源26、酸溶液取得手段27、希釈水取得手段28、電解次亜水送出部29、希釈部M1、食品添加物水溶液混合部M2、酸溶液混合部M3、電解水流量調整手段、希釈水流量調整手段、食品添加物水溶液流量調整手段、酸溶液流量調整手段、および、第1制御手段200を備える。
希釈水取得手段28は、上水道に接続される管路28pからなり、その管端部が、希釈水取得部28aとして、水道管に接続される。希釈水取得手段28の管路28pには、減圧弁28b、電磁弁などの給水弁28c、モータによって開度を調節可能な流量調節バルブ28d、および流量センサ28eが備えられる。また管路28pには、後述する電解水と希釈水とを混合させる希釈部M1、食品添加物水溶液を混合させる食品添加物水溶液混合部M2、および、酸溶液を混合させる酸溶液混合部M3が設けられる。
給水弁28cおよび流量調節バルブ28dは、流量センサ28eが検知した希釈水の流量に基づき、希釈水流量を所定の値となるように、第1制御手段200によって動作が制御される。したがって本例では、希釈水取得手段28が、希釈水流量調整手段を兼用する。
塩水供給源21は、高濃度食塩水を貯留する塩水タンクであって、この塩水タンクには、希釈水取得手段28から分岐させた管路21aを通じて水道水を流入させるボールタップ21bと、水道水に食塩を混合させる食塩供給手段(図示せず)とが備えられる。ボールタップ21bの機能により、塩水タンクの水位は一定に維持される。食塩供給手段は、飽和濃度まで食塩を供給する。なお、必要に応じ、塩水タンクに塩濃度センサを設け、塩濃度センサで検知した塩濃度値を、第1制御手段200へ出力するようにしてもよい。
塩水取得手段22は、塩水供給源21と電解手段23とを連絡する管路22aと、ポンプ22bとで構成される。ポンプ22bの動作は、第1制御手段200によって、塩水流量が所定の値となるように制御される。したがって本例では、塩水取得手段22が、塩水流量調整手段を兼用する。
電解手段23は、流入部23aが管路22aに接続され、流出部23bが管路23cによって、希釈部M1に接続される。また、第1制御手段200によって電圧制御される電圧部23dを備える。電解手段23は、塩水供給源21から塩水取得手段22によって供給される高濃度塩水を、流動状態下で電気分解して、次亜塩素酸(HClO)を含む電解水を生成し、希釈部M1へ送出する。電解手段23から送出する電解水の流量は、塩水取得手段22のポンプ22bの流量に従う。したがって本例では、塩水取得手段22が、電解水流量調整手段を兼用する。
塩水流量と塩濃度とが一定であれば、電解電圧を一定に制御することによって、電解手段23が生成する次亜塩素酸の濃度を一定に維持することが可能である。塩水の流量または塩濃度が変化したときには、それに合わせて電圧制御することにより、所定の次亜塩素酸濃度を得ることができる。
食品添加物水溶液供給源24は、食品添加物水溶液を貯留する溶液タンクであって、この溶液タンクには、希釈水取得手段28から分岐させた管路24aを通じて水道水を流入させるボールタップ24bと、水道水に食品添加物を混合させる食品添加物供給手段(図示せず)とが備えられる。本例では、食品添加物として塩化カルシウムを使用するが、これに限定されない。ボールタップ21bの機能により、溶液タンクの水位は一定に維持される。食品添加物供給手段は、飽和濃度まで食品添加物を供給する。必要に応じ、溶液タンクに食品添加物濃度センサを設け、食品添加物濃度センサで検知した食品添加物濃度値を、第1制御手段200へ出力するようにしてもよい。
食品添加物水溶液取得手段25は、食品添加物水溶液供給源24から、食品添加物水溶液を、食品添加物水溶液混合部M2へ送給するものであり、管路25aとポンプ25bとで構成される。ポンプ25bの動作は、第1制御手段200によって、食品添加物水溶液流量が所定の値となるように制御される。したがって本例では、食品添加物水溶液取得手段25が、食品添加物水溶液流量調整手段を兼用する。
酸溶液供給源26は、酸溶液を貯留する酸溶液タンクであって、本例では、酸溶液として、塩酸を使用するが、これに限定されない。必要に応じ、酸溶液タンクにpHセンサを設け、pHセンサで検知したpH値を、第1制御手段200へ出力するようにしてもよい。
酸溶液取得手段27は、酸溶液供給源26から、酸溶液を、酸溶液混合部M3へ送給するものであり、管路27aとポンプ27bとで構成される。ポンプ27bの動作は、第1制御手段200によって、酸溶液流量が所定の値となるように制御される。したがって本例では、酸溶液取得手段27が、酸溶液流量調整手段を兼用する。
送水手段40は、電解次亜水送出部29から送出される電解次亜水を貯留する貯水タンク41と、電解次亜水送出部29と貯水タンク41とを連絡する第1電解次亜水送給路42と、貯水タンク41と電解次亜水取得部30aとを連絡する第2電解次亜水送給路43と、第2電解次亜水送給路43に設けられ、電解次亜水を電解次亜水取得部30aへ送給する電解次亜水送給ポンプ44と、貯水タンク41の貯水量を検知するためのフロートセンサなどの貯水量センサ45とを備える。さらに貯水タンク41には、貯留される電解次亜水を冷却して水温を0〜5℃に保持する水温調節部(図示せず)が配置される。
電解次亜水送給ポンプ44は、第2制御手段300によって動作が制御され、電解次亜水を冷却媒体生成装置30へ一定流量で送給する。ポンプ流量は、冷却媒体生成装置30における冷却媒体(本例ではスラリーアイス)の生産能力に基づいて決定される。
貯水量センサ45で検出した貯水量情報は第1制御手段200へ出力される。第1制御手段200は、貯水量センサ45によって検知した貯水量が予め定める上限値に達したならば、電解次亜水生成装置20の動作を停止させ、貯水タンク41においてオーバーフローが発生するのを防止できる。なお、貯水量の下限値を予め定めておき、貯水量が予め定める下限値に達したならば、第2制御手段300によって、電解次亜水送給ポンプ44および冷却媒体生成装置30の動作を停止される制御を行ってもよい。
本例では、冷却媒体生成装置30として、特許文献1に記載のスラリーアイス製造装置Sを使用する。このスラリーアイス製造装置Sの構成を、図3を用いて説明すると、以下のとおりである。内管1と、内管1の外周面との間に冷媒流路3となる空間を有して内管1の外周面を覆う外管2と、内管1の内部に回転可能に配設された回転部材4と、回転部材4の外周面から半径方向に突出する掻き取り部5と、内管1の両端を閉塞する蓋部材6とから構成されている。
このスラリーアイス製造装置Sは、一方の蓋部材6端面にボルト等の固定部材71で固定された設置用部材7によって軸を縦向き(鉛直方向)にして支持されている。内管1は円筒状体であって、その下端側の蓋部材6に、電解次亜水を内部に供給するための供給部1aが設けられ、上端側の蓋部材6に、生成されたスラリーアイスを排出するための排出部1bが設けられている。
回転部材4は、内管の中心軸とほぼ同軸に配設された回転軸であり、その外周面に掻き取り部5が半径方向に突出するようにして配設されている。回転部材4は、蓋部材6の内部にベアリングによって支持され、且つ、その上端部がカップリング81を介してモータ等の電動機8に接続されて構成され、円滑な回転動作を可能としている。
上記スラリーアイス製造装置Sは、二重構造の内管と外管との間に設けられた環状空間内に冷媒を流通させ、内管内部に供給された電解次亜水を冷却して内管1内面で凍結させ、氷を生成させる。そして、内管1内部で回転する掻き取り部5のスクレーパによって、氷を掻き取ると同時に、掻き取った氷を溶液中に分散させ、流動性を有するシャーベット状のスラリーアイスを生成することができる。
冷媒入口31から供給された冷媒は、冷媒流路3を通過し、冷媒出口32から排出される。冷媒出口32より排出される冷媒は、冷媒流路3内で膨張してガス化し、冷媒出口32から排出された後、蒸発圧力調整弁12を介して圧縮機13へ送られ、圧縮機13にて圧縮され、次いで凝縮器14において再液化され、さらに膨張弁15を介して減圧した後に、冷媒流路3へ再度供給されように構成されている(図2参照)。
掻き取り部5のスクレーパは、長方形の板状体であり、氷掻き取り側の端縁部(スクレーパ先端)は、内管1内面に対し、0.1〜3mm程度の間隙を有するように配置される。なお、スクレーパ先端の、内管1の内面に対する傾斜角度や、内管1内面との間隙量は調整可能である。スクレーパは、内管1内面に発生する氷の膜を全て掻き取るのではなく、氷の膜の表面部分のみを掻き取るので、掻き取り部5に対する負荷が少なく、効率の良い掻き取りを行うことができる。また、スクレーパは氷にのみ接触するので、部品の磨耗が少なく、メンテナンス性にも優れるという利点を有している。
以上説明したスラリーアイス生産システムR1は、塩水供給源21から塩水を取り込み、取り込んだ塩水を電解手段23で電気分解し、予め定める濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成する。この電解水と、上水道から取り込んだ希釈水とを、所定の比率で混合して、次亜塩素酸濃度が10〜80ppmの電解次亜水を生成する。また、この電解次亜水に、食品添加剤として塩化カルシウム水溶液を混合して、電解次亜水の塩濃度を1〜3.5%に調整するとともに、酸溶液(塩酸)を混合して、電解次亜水のpHを6.5以下に調整する。
次いで電解次亜水を、貯水タンク41に一旦貯留したのち、水温調節部によって約0〜5℃に冷却したのち、電解次亜水送給ポンプ43でスラリーアイス製造装置Sへ送給する。そしてスラリーアイス製造装置Sにおいて、氷充填率が10〜30%のスラリーアイスを生成する。
こうして得られるスラリーアイスは、次亜塩素酸濃度10〜80ppm、塩濃度1〜3.5%、pH6.5以下に調整された電解次亜水を用いたものであるから、適度な低温による鮮度保持力と、次亜塩素酸の優れた殺菌力とを同時に発揮する冷却媒体となる。また、氷充填率が10〜30%のスラリーアイスであるので、流動性に優れ、生鮮食品などの被冷却物の表面との接触面積が大きいから、冷却速度が大きく、しかも、被冷却物の表面を傷つけるおそれがない冷却媒体を提供することができる。
なお本実施例のスラリーアイス生産システムR1は、塩水、希釈水、食品添加物としての塩化カルシウム水溶液および酸溶液の各流量を制御することによって、生成する電解次亜水の次亜塩素酸濃度、塩濃度、およびpHを適切な値に調整することができるので、これらの特性を検出するためのセンサーを不要または減少させることができるので、システム構成を簡素にできるという効果を発揮する。
[その他の実施例]
送水手段40を、電解次亜水送出部29と電解次亜水取得部30aとを連絡する第3電解次亜水送給路と、この第3電解次亜水送給路に設けられ、電解次亜水を電解次亜水取得部30aへ送給する電解次亜水送給ポンプとで構成することも考えられる、この場合、電解次亜水生成装置20と冷却媒体生成装置30とが直結される構造となるので、電解次亜水送給ポンプの流量を、冷却媒体生成装置30の生産能力に応じた値に調整することが望ましい。
本発明は、スラリーアイスの製造以外に、砕氷の製造にも適用できる。また、塩濃度が高い電解次亜水を生成し、これを凍結させないで、液体の冷却溶媒とすることもできる。また、塩水供給源として海水を使用すれば、より大量の冷却媒体を連続して生産することが可能である。
R 本件システム(冷却媒体生産システム)
R1 スラリーアイス生産システム
20 電解次亜水生成装置
21 塩水供給源
22 塩水取得手段
23 電解手段
24 食品添加物水溶液供給源
25 食品添加物水溶液取得手段
26 酸溶液供給源
27 酸溶液取得手段
28 希釈水取得手段
29 電解次亜水送出部
30 冷却媒体生成装置
40 送水手段
41 貯水タンク
44 電解次亜水送給ポンプ
200 第1制御手段
300 第2制御手段

Claims (5)

  1. 塩水供給源から塩水を取り込む塩水取得工程と、希釈水供給源から希釈水を取り込む希釈水取得工程と、取り込んだ塩水を電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解工程と、生成された電解水と取り込んだ希釈水とを混合させて電解次亜水を生成する希釈工程と、希釈水と電解水との混合比を調整して、電解次亜水の次亜塩素酸濃度を調整する次亜塩素酸濃度調整工程と、取り込んだ電解次亜水を冷却して冷却媒体を生成する冷却媒体生成工程を含み、
    生産される冷却媒体は、温度が0〜−1.5℃、塩濃度が2%未満であり、次亜塩素酸濃度を10〜80ppmとし、電解次亜水のpHを6.5以下とすることを特徴とする魚介類用スラリーアイス生産方法。
  2. 電解次亜水の食品添加物濃度を調整する食品添加物濃度調整工程をさらに含む請求項1に記載の魚介類用スラリーアイス生産方法。
  3. 前記食品添加物が塩化カルシウムである請求項2に記載の魚介類用スラリーアイス生産方法。
  4. 酸溶液供給源から取り込んだ酸溶液の混合量を制御して、電解次亜水のpHを調整するpH調整工程をさらに含む請求項1に記載の魚介類用スラリーアイス生産方法。
  5. 電解次亜水の食品添加物濃度を調整する食品添加物濃度調整工程と電解次亜水のpHを調整するpH調整工程とを含み、時間的に次亜塩素酸濃度調整工程、食品添加物濃度調整工程、pH調整工程の順にそれぞれの調整工程を行う請求項1に記載の魚介類用スラリーアイス生産方法。
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