JP2011085388A - 塩水混合シャーベット状アイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的多量のシャーベット状アイスを製造する場合でも過負荷状態からロック状態に陥りにくいようにすると共に、シャーベット状アイスが融けた場合でも、通常の海水と同程度の塩分濃度を維持できるようにすると共にシャーベット状アイスの凝固の初期段階でシャーベット状アイスの凝固を抑制、防止する。
【解決手段】貯氷タンク14に貯められた塩水混合シャーベット状アイスを貯氷タンクから製氷装置1に複数回還流しながら貯氷タンク内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で製氷装置の駆動原の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記冷凍装置4,5の冷凍サイクルを逆サイクルに切り換えて冷凍装置の凝縮熱で製氷装置内を加熱することによって定常運転負荷状態に復旧する。
【選択図】図1
【解決手段】貯氷タンク14に貯められた塩水混合シャーベット状アイスを貯氷タンクから製氷装置1に複数回還流しながら貯氷タンク内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で製氷装置の駆動原の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記冷凍装置4,5の冷凍サイクルを逆サイクルに切り換えて冷凍装置の凝縮熱で製氷装置内を加熱することによって定常運転負荷状態に復旧する。
【選択図】図1
Description
この発明は、供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパで微細氷とし、当該微細氷と前記塩水とを混合して塩水混合のシャーベット状アイス水を作る塩水混合シャーベット状アイスの製造方法に関するものである。
従来、一般的には海水魚の鮮度を保つために塊状氷で海水魚を冷やすけれども、通常の塊状氷では海上運送、陸上運送中の振動で塊状氷によって海水魚が損傷することことや、塊状氷が融ければ真水となり海水魚の鮮度が落ちること等から、近年では、例えば特許文献1に開示されているように、塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ(掻き取り機あるいは掻き取り羽根とも言われる)でシャーベット状または粉雪状のアイスとし当該シャーベット状または粉雪状のアイスで海水魚を冷やすことが行われつつある。
特許文献1に見られる従来のシャーベット状または粉雪状のアイスの製氷機では、氷取り出し口が製氷部の最上部の上側に設けられていることから、オーガスクリューで氷取り出し口に押し出されたシャーベット状または粉雪状のアイスを氷取り出し口から取り出してそのまま利用に供されるものと解されるが、中型船や大型船、魚市場などで利用する場合は、その量が多く、利用量を充分に充足できないことが考えられ、また、シャーベット状または粉雪状のアイスを多量に製造しようとすれば、単位時間当たりのシャーベット状または粉雪状のアイスの生成量を多くする必要があるため、当該生成量より前記氷取り出し口での取り出し量が少なければシャーベット状または粉雪状のアイスが前記氷取り出し口に詰まって製氷装置が過負荷状態となり、ひいては前記氷取り出し口に詰まったシャーベット状または粉雪状のアイスが凝固して塊状となり製氷装置が作動しなくなるロック状態に陥ることが考えられる。従って、比較的多量のシャーベット状アイスを製造する場合でも前記過負荷状態から前記ロック状態に陥りにくいようにすることが望ましい。
また、オーガスクリューで氷取り出し口に押し出されたシャーベット状または粉雪状のアイスを氷取り出し口から取り出してそのまま利用に供する場合は、シャーベット状または粉雪状のアイスの粒子間に存在する海水が少ないため、シャーベット状または粉雪状のアイスが融けた場合、海水の量が少なく、塩分濃度が通常の海水の塩分濃度(地域によって異なるが、通常は3%以上)より可成り低くなり、海水魚の鮮度を充分に維持できない可能性がある。従って、シャーベット状アイスが融けた場合でも、通常の海水と同程度の塩分濃度を維持できるようにすることが望ましい。
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、比較的多量のシャーベット状アイスを製造する場合でも前記過負荷状態から前記ロック状態に陥りにくいようにすると共に、シャーベット状アイスが融けた場合でも、通常の海水と同程度の塩分濃度を維持できるようにすると共にシャーベット状アイスの凝固の初期段階でシャーベット状アイスの凝固を抑制、防止することを目的とするものである。
この発明に係る塩水混合シャーベット状アイスの製造方法は、製氷装置において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、
この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置から貯氷タンクに送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンクに貯め、
当該貯氷タンクに貯められた前記塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンクから前記製氷装置に複数回還流しながら前記貯氷タンク内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える
塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、
前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置の駆動原の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記冷凍装置の冷凍サイクルを逆サイクルに切り換えて冷凍装置の凝縮熱で前記製氷装置内を加熱することによって定常運転負荷状態に復旧する
塩水混合シャーベット状アイスの製造方法である。
この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置から貯氷タンクに送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンクに貯め、
当該貯氷タンクに貯められた前記塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンクから前記製氷装置に複数回還流しながら前記貯氷タンク内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える
塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、
前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置の駆動原の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記冷凍装置の冷凍サイクルを逆サイクルに切り換えて冷凍装置の凝縮熱で前記製氷装置内を加熱することによって定常運転負荷状態に復旧する
塩水混合シャーベット状アイスの製造方法である。
この発明は、製氷装置において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置から貯氷タンクに送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンクに貯め、当該貯氷タンクに貯められた前記塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンクから前記製氷装置に複数回還流しながら前記貯氷タンク内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置の駆動原の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記冷凍装置の冷凍サイクルを逆サイクルに切り換えて冷凍装置の凝縮熱で前記製氷装置内を加熱することによって定常運転負荷状態に復旧する塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であるので、比較的多量のシャーベット状アイスを製造する場合でも、通常の海水と同程度の塩分濃度を維持できると共に、前記過負荷状態から前記ロック状態に陥るようなことを確実に防止できる上、シャーベット状アイスの凝固の初期段階でシャーベット状アイスの凝固を短時間で抑制、防止できる効果がある。
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1により説明する。図1はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。
以下この発明の実施の形態1を図1により説明する。図1はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。
図1において、塩水混合シャーベット状アイスの製造装置は、製氷装置(アイスジェネレータとも言われる)1と、前記製氷装置1の駆動源(この実施の形態1では後述の回転円筒1fを駆動するモータ)2と、前記製氷装置1の負荷状態を検出する製氷装置負荷検出センサー(電流センサー、電流計、等)3と、冷凍機4と、圧縮機5と、凝縮機6と、冷媒配管7と、膨張弁8と、圧力センサー9と、温度センサー10と、循環ポンプ11と、インバータ等のポンプ制御装置11aと、塩水用配管(この実施の形態1では海水用配管である)12と、シャーベット状アイスと塩水との混合水が流れるシャーベット配管13と、シャーベット状アイスと塩水との混合水、即ち塩水混合シャーベット状アイス、を貯える貯氷タンク14と、攪拌機(アジテータとも言う)16の駆動源(モータ等)15と、貯氷タンク14用の第1のバルブ19と、貯氷タンク14用の第2のバルブ21と、塩分濃度調整タンク22と、海水23と、真水24と、真水量調整バルブ25と、塩分濃度センサー26と、塩分濃度センサー26と、塩分濃度設定器261と、 27 冷海水貯蔵タンク等の冷海水貯蔵手段27と、冷海水供給制御バルブ28、タンク還流ループ29とを備えている。
前記製氷装置1は、蒸発器の機能を有する冷媒側通路1aと、塩水側通路1bと、スクレーパ(掻き取り機あるいは掻き取り羽根とも言う)1cと、外筒1dと、内筒1eと、回転円筒1fとを備えている。前記外筒1dと前記内筒1eとの間に前記冷媒側通路1aが形成され、該冷媒側通路1aの形状は円筒状を成している。前記回転円筒1fと前記内筒1eとの間に前記塩水側通路1bが形成され、該塩水側通路1bの形状は円筒状を成している。前記回転円筒1fの外周に複数個の前記スクレーパ1cが周方向および中心線の延在方向に夫々所定間隔に取り付けられており、当該複数個のスクレーパ1cは前記塩水側通路1b内に配設されている。
前記貯氷タンク14の低部近傍の側壁に設けられた塩水混合シャーベット状アイス排出路141に、該塩水混合シャーベット状アイス排出路141を開閉する塩水混合シャーベット状アイス排出路開閉バルブ14aが設けられている。
前記貯氷タンク14の低部に設けられたドレン排出路142に、該ドレン排出路142を開閉するドレン排出路開閉バルブ14bが設けられている。
前記貯氷タンク14内には、該貯氷タンク14内の塩水混合シャーベット状アイス143の貯蔵レベル14dを検出する塩水混合シャーベット状アイス貯蔵レベルセンサー14cが設けられている。
次に、図1により動作を説明する。
塩分濃度設定器261によって設定された塩分濃度(例えば、2%、3%、3.5%な
ど、ユーザによって設定される)の塩水が、塩分濃度調整タンク22において、海水23と真水24とから生成される。塩分濃度調整タンク22内の塩水の塩分濃度は、塩分濃度センサー26によって検出され、該塩分濃度センサー26の出力に応じて真水量調整バルブ25の開度が自動調整されて真水24の量が制御され、前記設定された塩分濃度(以下、「所定の塩分濃度」と言う)の塩水が生成され、この生成された所定の塩分濃度の塩水は、チラー等(図示省略)によって所定の温度(例えば2℃)に冷却され、次段の冷海水貯蔵タンク等の冷海水貯蔵手段27に貯えられる。
ど、ユーザによって設定される)の塩水が、塩分濃度調整タンク22において、海水23と真水24とから生成される。塩分濃度調整タンク22内の塩水の塩分濃度は、塩分濃度センサー26によって検出され、該塩分濃度センサー26の出力に応じて真水量調整バルブ25の開度が自動調整されて真水24の量が制御され、前記設定された塩分濃度(以下、「所定の塩分濃度」と言う)の塩水が生成され、この生成された所定の塩分濃度の塩水は、チラー等(図示省略)によって所定の温度(例えば2℃)に冷却され、次段の冷海水貯蔵タンク等の冷海水貯蔵手段27に貯えられる。
冷海水貯蔵手段27に貯えられた所定塩分濃度且つ所定温度の塩水は、冷海水供給制御バルブ28を介して貯氷タンク14に蓄えられる。
貯氷タンク14に蓄えられた所定塩分濃度且つ所定温度の塩水は、循環ポンプ11により製氷装置(アイスジェネレータ)1の塩水側通路1b内に投入される。製氷装置1の冷媒側通路(蒸発器)1aに、冷凍機4から供給される−12℃程度の冷媒液が流れる。
製氷装置1の塩水側通路1bに前記所定塩分濃度且つ所定温度の塩水が流れ、該塩水は製氷装置1の内筒1eの内周面(伝熱面)に接触し、接触した当該塩水が冷媒側通路(蒸発器)1aの冷媒によって冷却され前記内筒1eの内周面に氷が生成される。
前記内筒1eの内周面に生成された氷は、製氷装置の駆動源(回転円筒駆動モータ)2で回転駆動されている回転円筒1fの外周のスクレーパ(掻き取り羽根)1cによって掻き取られる。
スクレーパ1cによって掻き取られた氷は、およそ0.1mmの大きさの粒子であり、製
氷装置1の塩水側通路1b内の塩水中に浮遊し、塩水を含んだシャーベット状となる。つまり、塩水混合シャーベット状アイスとなる。
氷装置1の塩水側通路1b内の塩水中に浮遊し、塩水を含んだシャーベット状となる。つまり、塩水混合シャーベット状アイスとなる。
製氷装置1の塩水側通路1b内に生成された塩水混合シャーベット状アイスは、循環ポンプ11により塩水側通路1bから押し出され、配管13を通過し、貯氷タンク14に蓄えられる。
貯氷タンク14に蓄えられた塩水混合シャーベット状アイス143は、循環ポンプ11により製氷装置1の塩水側通路1b内へ還流され、前述と同様にして、内筒1eの内周面で氷が生成され、スクレーパ1cによって掻き取られ、氷の粒子の多い塩水混合シャーベット状アイスが塩水側通路1b内に生成される。
氷の粒子の多い塩水混合シャーベット状アイスは、更に、前述と同様に、循環ポンプ11により塩水側通路1bから押し出され、配管13を通過し、貯氷タンク14に蓄えられる。
前述の、塩水混合シャーベット状アイスの、貯氷タンク14内から塩水側通路1b内への還流、塩水側通路1b内でのより氷粒子の多い塩水混合シャーベット状アイスの生成、塩水側通路1b内のより氷粒子の多い塩水混合シャーベット状アイスの貯氷タンク14への還流、のサイクルの還流を何度も繰り返し行い、所定のシャーベット濃度の塩水混合シャーベット状アイス143を貯氷タンク14に所定量貯える。なお、シャーベット濃度とは、塩水混合シャーベット状アイスの量に対する氷粒子の量(氷量とも言う)の割合を言う。
このように、塩水が製氷装置1を1回通過しただけでは、所定のシャーベット濃度の塩水混合シャーベット状アイス143が得られるのではなく、前記還流を何度も繰り返して行うことにより所定シャーベット濃度の塩水混合シャーベット状アイス143を徐々に生成する。
例えば、10トンの所定シャーベット濃度30%の塩水混合シャーベット状アイス143を生成する場合は、10時間前後の時間をかけて前記還流を繰り返し徐々に生成する。従って、製氷装置1の塩水側通路1b内に短時間で多量の氷が生成されないので、前述の従来の方法や装置に比べて、シャーベット状アイスの凝固による塊状化によって製氷装置が作動しなくなる(回転円筒1fが回転しなくなる)ロック状態に陥ることは殆ど無くなる。
なお、前記還流を何度も繰り返して行うことにより塩水混合シャーベット状アイスの前記シャーベット濃度は徐々に高くなっていき、その粘度も徐々に高くなっていく。塩水混合シャーベット状アイスのシャーベット濃度が徐々に高くなっていき、その粘度も徐々に高くなっていくということは、製氷装置1が過負荷状態に陥りやすい状態、ロック状態に陥りやすい状態に近づいていくことを意味する。従って、この発明の実施の形態1では前述のようにロック状態に陥ることは殆ど無くなるけれども、例えば、万一、天候の急変による周囲温度の急低下や短時間停電の繰り返しなどが発生した場合には、ロック状態に陥ることも想定して対策を講じておくことが、より信頼性の高い塩水混合シャーベット状アイスの製造方法、塩水混合シャーベット状アイスの製造装置を実現することになる。
また、塩水混合シャーベット状アイスのシャーベット濃度が高くなり過ぎると、例えばシャーベット濃度が例えば50%を超え、60%、70%、80%と可成り高くなっていくと、塩水混合シャーベット状アイス143粘性が高くなり、循環ポンプ11による製氷装置1の塩水側通路1bへの押し込み通水が困難となっていくばかりでなく、製氷装置の駆動源(回転円筒駆動モータ)2が高負荷、過負荷となっていき、遂には停止するに至る。従って、適正なシャーベット濃度の塩水混合シャーベット状アイス、例えばシャーベット濃度30%の塩水混合シャーベット状アイス、が生成されたとき、それ以上シャーベット状アイスができない様に、冷凍機を停止し製氷をストップする。その場合、適正なシャーベット濃度となったことの判断は、例えば、温度センサー10,29bで測定した塩水混合シャーベット状アイスの温度とする。すなわち塩水混合シャーベット状アイスの温度が規定温度に達した場合、冷凍機4を停止する。このように、塩水混合シャーベット状アイスの温度を監視することにより、冷凍機4の運転を制御することにより、シャーベット濃度が高くなり過ぎることによる製氷装置1の過負荷、停止を未然に防止できる。
なお、前記規定温度は海水の塩分濃度に依存する。たとえば、塩分濃度が3.5%のと
きは−2.1℃であり、2%のとき、−1.1℃である。−2.1℃<−1.1℃である。ところで海水の塩分濃度は、環境により変化する。たとえば、大雨の直後や河口近くは塩分濃度が低くなる。したがって、塩分濃度が低くなると、塩分濃度センサー26による検出値に応じて前記規定温度を上げ、適切なシャーベット濃度に達したとき、冷凍機4を速やかに停止しなければならない。しかし、塩分濃度が低くなって前記規定温度を上げた場合でも、実際には必ずしも理論通りにはならず、理論上予測したシャーベット濃度より高濃度の塩水混合シャーベット状アイスが生成され、塩水混合シャーベット状アイスの粘性が高くなり、製氷装置1の塩水側通路1bへの循環ポンプ11による押し込み通水が困難となるばかりでなく、製氷装置の駆動源(回転円筒駆動モータ)2が高負荷により停止する場合があった。また、さらにシャーベット濃度が高まると、製氷装置1の塩水側通路1bにおける塩水混合シャーベット状アイス内の氷が成長し、その容積が増えるために、製氷装置1本体を破損することがあった。
きは−2.1℃であり、2%のとき、−1.1℃である。−2.1℃<−1.1℃である。ところで海水の塩分濃度は、環境により変化する。たとえば、大雨の直後や河口近くは塩分濃度が低くなる。したがって、塩分濃度が低くなると、塩分濃度センサー26による検出値に応じて前記規定温度を上げ、適切なシャーベット濃度に達したとき、冷凍機4を速やかに停止しなければならない。しかし、塩分濃度が低くなって前記規定温度を上げた場合でも、実際には必ずしも理論通りにはならず、理論上予測したシャーベット濃度より高濃度の塩水混合シャーベット状アイスが生成され、塩水混合シャーベット状アイスの粘性が高くなり、製氷装置1の塩水側通路1bへの循環ポンプ11による押し込み通水が困難となるばかりでなく、製氷装置の駆動源(回転円筒駆動モータ)2が高負荷により停止する場合があった。また、さらにシャーベット濃度が高まると、製氷装置1の塩水側通路1bにおける塩水混合シャーベット状アイス内の氷が成長し、その容積が増えるために、製氷装置1本体を破損することがあった。
そこで、この発明の実施の形態1では、製氷装置1の回転円筒1fを駆動する駆動源(回転円筒駆動モータ)2の負荷状態を検出する製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3を設け、その出力により、駆動源2の負荷が上昇すればポンプ制御装置(インバータ)11aを自動的に制御して循環ポンプ11の出力を上げ、循環ポンプ11の吐出圧力を高めて、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で塩水側通路1bから配管13へ強制的に押し出し、製氷装置1が過負荷状態、ロック状態に陥るのを未然に防止するようにしてある。なお、製氷装置1の負荷が所定値以上となった場合、ブザーや音声等による報知するようにし、当該報知があった場合、人手により循環ポンプ11の出力を上げるようにしてもよい。しかし、人手による場合は、そうちは若干安価にはなるが、循環ポンプ11の出力を上げるタイミングが遅れたり、循環ポンプ11の出力を上げる量が少なかったりする場合が生じ得るので、このようなことが生じないように自動的に制御されるようにした方が好ましい。
また、前記還流を何度も繰り返して行っている状態下では、冷海水供給制御バルブ28は閉じられている。一方、前記還流を何度も繰り返して行っている状態下では、塩水側通路1b内のシャーベット状アイスと塩水との混合水の温度は0℃以下の温度(例えば、塩分濃度2.5%の場合は約−1.4℃、塩分濃度3.5%の場合は約−2.1℃)である。冷海水貯蔵手段(冷海水貯蔵タンク)27に貯えられた冷海水の温度は例えば約2℃である。
そこで、この発明の実施の形態1では、前記製氷装置負荷検出センサー3の出力による循環ポンプ11出力の自動制御に加え、前記製氷装置負荷検出センサー3の出力によって冷海水供給制御バルブ28を自動的に開放制御し、塩水側通路1b内のシャーベット状アイスと塩水との混合水の温度より温度が高い冷海水貯蔵手段27の冷海水を、循環ポンプ11を介して塩水側通路1b内へ供給し、塩水側通路1b内での前記シャーベット状アイスの凝固を抑制するように構成してある。なお、製氷装置1の負荷が所定値以上となった場合、ブザーや音声等による報知するようにし、当該報知があった場合、人手により冷海水供給制御バルブ28を開放するようにしてもよい。しかし、人手による場合は、装置コストは若干安価にはなるが、冷海水供給制御バルブ28を開放するタイミングが遅れたり、冷海水供給制御バルブ28を開放する量が少なかったりする場合が生じ得るので、このようなことが生じないように自動的に制御されるようにした方が好ましい。
また、前記循環ポンプ11の出力制御および前記冷海水供給制御バルブ28の開放制御の何れか一方のみを行う構成としても、それなりの効果はある。
更にまた、前述では、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で塩水側通路1bから配管13へ強制的に押し出すポンプとして循環ポンプ11を利用する場合を例示したが、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で塩水側通路1bから配管13へ強制的に押し出す専用ポンプを別途設けても同様な効果を奏する。
前述のように、この発明の実施の形態1は、製氷装置1において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ1bで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置1から貯氷タンク14に送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14に貯め、当該貯氷タンク14に貯められた前記塩水混合シャーベット状アイス143を前記貯氷タンク14から前記製氷装置1に複数回還流しながら前記貯氷タンク14内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であって、前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置1の負荷状態を検出する負荷状態検出手段3、及び前記製氷装置1から前記貯氷タンク14に前記混合水を送給する方向に前記混合水を前記製氷装置1に送給するポンプ11を備え、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、前記ポンプ11により前記製氷装置1内の過生成シャーベット状アイスが前記貯氷タンク側へ押し出される塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、比較的多量のシャーベット状アイスを製造する場合でも前記過負荷状態から前記ロック状態に陥りにくいようにすると共に、シャーベット状アイスが融けた場合でも、通常の海水と同程度の塩分濃度を維持できるものである。
また、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、当該前記負荷状態検出手段3の出力に応じて前記ポンプ11がその出力を上げて前記製氷装置1内の過生成シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14側へ押し出す塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、適時に前記過負荷状態から前記ロック状態に陥りにくいようにするものである。
また、製氷装置1において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ1bで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置1から貯氷タンク14に送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14に貯め、当該貯氷タンク14に貯められた前記塩水混合シャーベット状アイス143を前記貯氷タンク14から前記製氷装置1に複数回還流しながら前記貯氷タンク14内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であって、前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置1の負荷状態を検出する負荷状態検出手段3を備え、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、前記製氷装置1内の前記混合水より温度の高い塩水が前記製氷装置1へ供給される塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、短時間で前記過負荷状態から前記ロック状態に陥りにくいようにするものである。
また、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、当該負荷状態検出手段3の出力に応動して、前記製氷装置1内の前記混合水より温度の高い塩水の前記製氷装置1内への供給が開始される塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、適時に、短時間で前記過負荷状態から前記ロック状態に陥りにくいようにするものである。
実施の形態2.
製氷装置1の負荷が所定値以上となった場合、製氷装置1の内筒1eを冷却する圧縮機5、凝縮機6、蒸発器(冷媒側通路)1aの冷凍サイクルを周知の手段で通常運転時と逆サイクルに切り換えて、塩水側通路1bが凝縮機の機能を有するようにすれば、塩水側通路1b内の温度が上がるので、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で塩水側通路1b内でのシャーベット状アイスの凝固を短時間で抑制、防止できる。なお、この場合は、シャーベット状アイス凝固の抑制、防止の即効性はあるが、製氷装置1に与える熱ショックが大きいので、製氷装置1は該熱ショックを考慮した構造、材質とするとよい。
製氷装置1の負荷が所定値以上となった場合、製氷装置1の内筒1eを冷却する圧縮機5、凝縮機6、蒸発器(冷媒側通路)1aの冷凍サイクルを周知の手段で通常運転時と逆サイクルに切り換えて、塩水側通路1bが凝縮機の機能を有するようにすれば、塩水側通路1b内の温度が上がるので、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で塩水側通路1b内でのシャーベット状アイスの凝固を短時間で抑制、防止できる。なお、この場合は、シャーベット状アイス凝固の抑制、防止の即効性はあるが、製氷装置1に与える熱ショックが大きいので、製氷装置1は該熱ショックを考慮した構造、材質とするとよい。
即ち、製氷装置1において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ1bで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置1から貯氷タンク14に送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14に貯め、当該貯氷タンク14に貯められた前記塩水混合シャーベット状アイス143を前記貯氷タンク14から前記製氷装置1に複数回還流しながら前記貯氷タンク14内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置1の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記冷凍装置4の冷凍サイクルを逆サイクルに切り換えて冷凍装置4の凝縮熱で前記製氷装置1内を加熱することによって定常運転負荷状態に復旧する塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であり、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で塩水側通路1b内でのシャーベット状アイスの凝固を短時間で抑制、防止できるものである。
実施の形態3.
製氷装置1の負荷が所定値以上となった場合、製氷装置1の内筒1eを冷却する冷凍機4の凝縮機6の冷却ファンを停止すれば、冷媒側通路1aには高温の冷媒が供給され、塩水側通路1b内の温度が上がるので、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で塩水側通路1b内でのシャーベット状アイスの凝固を、短時間で抑制、防止できる。なお、この場合は、シャーベット状アイス凝固の抑制、防止の即効性は前述の実施の形態1よりはあり、また、前述の実施の形態2に比べて、製氷装置1に与える熱ショックは小さくなる。
製氷装置1の負荷が所定値以上となった場合、製氷装置1の内筒1eを冷却する冷凍機4の凝縮機6の冷却ファンを停止すれば、冷媒側通路1aには高温の冷媒が供給され、塩水側通路1b内の温度が上がるので、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で塩水側通路1b内でのシャーベット状アイスの凝固を、短時間で抑制、防止できる。なお、この場合は、シャーベット状アイス凝固の抑制、防止の即効性は前述の実施の形態1よりはあり、また、前述の実施の形態2に比べて、製氷装置1に与える熱ショックは小さくなる。
即ち、この発明の実施の形態2の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法は、製氷装置1において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ1bで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置1から貯氷タンク14に送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14に貯め、当該貯氷タンク14に貯められた前記塩水混合シャーベット状アイス143を前記貯氷タンク14から前記製氷装置1に複数回還流しながら前記貯氷タンク14内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置1の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記冷凍装置1の凝縮器6のファンを停止し、当該凝縮器ファンの停止状態下の凝縮器6の出力冷媒を前記蒸発器1bに供給して前記製氷装置1内の前記混合水を加熱することによって定常運転負荷状態に復旧する塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であり、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で塩水側通路1b内でのシャーベット状アイスの凝固を短時間で抑制、防止でき、また、前述の冷凍サイクルを逆サイクルに切り換える場合に比べ、製氷装置1に与える熱ショックが小さくなるものである。
実施の形態4.
以下この発明の実施の形態4を図2により説明する。図2はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜3と異なる点を主体に以下に説明する。
以下この発明の実施の形態4を図2により説明する。図2はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜3と異なる点を主体に以下に説明する。
実施の形態1においては、シャーベット状アイスの凝固の初期段階で、循環ポンプ11の流量を増すことにより速やかに高濃度のシャーベット状アイスを排出する場合を例示したが、この方法ではシャーベット濃度を直接下げることはできない。この実施の形態4では、高濃度の塩水を導入することにより製氷装置1内で凝固点を下げる方法および装置の事例を例示する。
塩水は塩分濃度が濃くなると凝固点が低下する。例えば、通常の海水の塩分濃度3.5
%のとき、凝固点は−2.1℃であり、それより薄い塩分濃度2.5%のとき、1.4℃と
なる。シャーベット濃度が濃くなり、粘性が高まった場合、その中に、塩分濃度の濃い塩水を投入すれば、凝固点が低くなり、シャーベットの一部を融解させ、粘度を低下させ、塩水混合シャーベット状アイスをスムーズに流すことができる。
%のとき、凝固点は−2.1℃であり、それより薄い塩分濃度2.5%のとき、1.4℃と
なる。シャーベット濃度が濃くなり、粘性が高まった場合、その中に、塩分濃度の濃い塩水を投入すれば、凝固点が低くなり、シャーベットの一部を融解させ、粘度を低下させ、塩水混合シャーベット状アイスをスムーズに流すことができる。
具体的には図2に示すように、製氷装置1と貯氷タンク14との間に貯氷タンク14をバイパスするバイパス路170を設け、このバイパス路170に高塩分濃度海水タンク等の高塩分濃度の塩水を貯えた常設の常温の塩水貯蔵手段17と、当該高濃度の塩水貯蔵手段17の上流側および下流側に位置する第1のバルブ18および第2のバルブ20とを設けてある。
製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力が、製氷装置1の塩水側通路1b内でシャーベット状アイスが凝固して塊状となり始めたと判断される大きさまで増加すると、つまり、製氷装置1の回転円筒1fを駆動する駆動源(回転円筒駆動モータ)2の負荷が製氷装置1の塩水側通路1b内でシャーベット状アイスが凝固して塊状となり始めたと判断される負荷まで増加すると、製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力により貯氷タンク14へのバルブ21,19を自動的に閉じると共に、塩水貯蔵手段17の上流および下流の第1および第2のバルブ18,20を自動的に開け、塩水貯蔵手段17から高塩分濃度の塩水を、循環ポンプ11により製氷装置1の塩水側通路1b内へ供給する。製氷装置1の塩水側通路1b内に高塩分濃度の塩水が供給されると、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを溶かすことができる。特に、前述の実施の形態1の場合のように、例えば塩分濃度2%、温度2℃に調整された冷海水貯蔵手段(冷海水貯蔵タンク)27内の塩水を製氷装置1の塩水側通路1b内に供給する場合に比べ、例えば通常の海水そのまま(塩分濃度3.5%〜)或は更に高い塩分濃度の塩水を供給することができ、しかも、塩水貯蔵手段17内の塩水温度は、塩水貯蔵手段17が設置されている室内環境の温度(例えば15℃〜25℃)であるので高い温度であるので、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスをより効果的に溶かすことができる。なお、塩水貯蔵手段17内の高塩分濃度の海水は通常の海水の塩分濃度3.4%より高く、例えば6%以上が望ましい。また塩水貯蔵手段17からの高濃度の塩水の循環時間はその継続時間が1分以上であることが望ましい。
この場合、併せて循環ポンプ11の出力も、前述の実施の形態1と同様に、製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力により大きくすると、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスは融けながら塩水側通路1b外へ強制的に送り出されるので、更に効果的であり、早く定常運転負荷状態に復旧できる。
なお、製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力により、貯氷タンク14へのバルブ21,19を自動的に閉じると共に、塩水貯蔵手段17の上流および下流の第1および第2のバルブ18,20を自動的に開ける代わりに、製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力が、製氷装置1の塩水側通路1b内でシャーベット状アイスが凝固して塊状となり始めたと判断される大きさまで増加すると、その旨を、例えばブザー等の報知手段で報知し、この報知に基づいて人が、人為的に、貯氷タンク14へのバルブ21,19を閉じると共に、塩水貯蔵手段17の上流および下流の第1および第2のバルブ18,20を開けても、同様な効果を奏する。しかし、人手による場合は、装置コストは若干安価にはなるが、前記各バルブ21,19,18,20を開閉操作するタイミングが遅れたり、開閉量が適正でなかったりする場合が生じ得るので、このようなことが生じないように自動的に開閉制御されるようにした方が好ましい。
この発明の実施の形態4は、即ち、製氷装置1において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ1bで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置1から貯氷タンク14に送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14に貯め、当該貯氷タンク14に貯められた前記塩水混合シャーベット状アイス143を前記貯氷タンク14から前記製氷装置1に複数回還流しながら前記貯氷タンク14内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であって、前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置1の負荷状態を検出する負荷状態検出手段3、及び前記製氷装置1内の前記混合水より塩分濃度の高い高濃度の塩水を貯える高濃度の塩水貯蔵手段17を備え、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、前記高濃度の塩水貯蔵手段17の高濃度の塩水が前記製氷装置1内に供給される塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスをより効果的に溶かすことができ、また、前述の実施の形態2,3の事例の場合のような製氷装置1の熱ショックや熱的ストレスはなくなる。
また、前記高濃度の塩水貯蔵手段が常設されている塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であるので、前述の実施の形態1の場合のように、例えば塩分濃度2%、温度2℃に調整された冷海水貯蔵手段(冷海水貯蔵タンク)27内の塩水を製氷装置1の塩水側通路1b内に供給する場合に比べ、例えば通常の海水そのまま(塩分濃度3.5%〜)或は
更に高い塩分濃度の塩水を供給することができ、しかも、塩水貯蔵手段17内の塩水温度は、塩水貯蔵手段17が設置されている室内環境の温度(例えば15℃〜25℃)であるので高い温度であるので、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスをより効果的に溶かすことができる。
更に高い塩分濃度の塩水を供給することができ、しかも、塩水貯蔵手段17内の塩水温度は、塩水貯蔵手段17が設置されている室内環境の温度(例えば15℃〜25℃)であるので高い温度であるので、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスをより効果的に溶かすことができる。
また、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、当該負荷状態検出手段3の出力により前記高濃度の塩水貯蔵手段17が前記製氷装置1に接続されて前記高濃度の塩水貯蔵手段の高濃度の塩水が前記製氷装置1内に供給塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、適時に、短時間で前記過負荷状態から前記ロック状態に陥りにくいようにするものである。
また、バイパス路170に高濃度の塩水貯蔵手段17が設けられ、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、前記製氷装置1内の前記混合水より温度の高い前記高濃度塩水が前記バイパス路170から前記製氷装置1へ供給される塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であるので、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを更に効果的に溶かすことができる。
実施の形態5.
この実施の形態5は、前記高濃度の塩水貯蔵手段17を、常設に代えて、可搬式の高濃度の塩水貯蔵手段とするものであり、定常時は、可搬式の高濃度の塩水貯蔵手段17は、バイパス路170から取り外されており、製氷装置1の近傍に塩水貯蔵手段17は無いので、その空間の有効利用を図ることができる。
この実施の形態5は、前記高濃度の塩水貯蔵手段17を、常設に代えて、可搬式の高濃度の塩水貯蔵手段とするものであり、定常時は、可搬式の高濃度の塩水貯蔵手段17は、バイパス路170から取り外されており、製氷装置1の近傍に塩水貯蔵手段17は無いので、その空間の有効利用を図ることができる。
即ち、この発明の実施の形態5は、前記高濃度の塩水貯蔵手段17が可搬式の高濃度の塩水貯蔵手段であり、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、前記可搬式の高濃度の塩水貯蔵手段17が前記製氷装置1に接続されて前記高濃度の塩水貯蔵手段17の高濃度の塩水が前記製氷装置1内に供給される塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、前述のこの発明の実施の形態4に比べ、定常時は製氷装置1の近傍に塩水貯蔵手段17が無いので、空間の有効利用を図ることができるものである。
また、前記製氷装置1内の前記混合水より温度の高い塩水を貯える可搬式の塩水貯蔵手段17を備え、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、前記可搬式の塩水貯蔵手段17が前記製氷装置1に接続されて当該可搬式の塩水貯蔵手段17から前記製氷装置内の前記混合水より温度の高い塩水が前記製氷装置1内に供給される塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であるので、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスをより効果的に溶かすことができ、しかも、塩水貯蔵手段17が常設されている場合に比べ、通常時は塩水貯蔵手段17が存在しない空間を有効利用することが可能となる。
実施の形態6.
以下この発明の実施の形態6を図3により説明する。図3はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜5と異なる点を主体に以下に説明する。
以下この発明の実施の形態6を図3により説明する。図3はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜5と異なる点を主体に以下に説明する。
前述の実施の形態4,5においては、塩水貯蔵手段17内の高塩分濃度の塩水を注入することにより、製氷装置1の塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを融解させる方式としたが、より短い時間で融解させるために、塩水貯蔵手段1717にヒータ等の加温手段17aを設け、塩水貯蔵手段17内の高塩分濃度の塩水を予め予熱しておくことにより、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを、図2に示す前述の実施の形態4より、更に速やかに溶かすことができるようにしたものである。なお、予熱温度は40℃程度のぬるま湯程度でよい。また予熱をすることにより、塩水貯蔵手段17からの高濃度の塩水の循環時間は、予熱無しの場合(前述の実施の形態4の場合)の循環時間の1/2相当の30秒程度でよい。
なお、この図3に示す事例は、塩水貯蔵手段17にヒータ等の加温手段17aを設け、塩水貯蔵手段17内の高塩分濃度の塩水を予め予熱しておくことにより、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを、図2に示す前述の実施の形態4より、更に速やかに溶かすことができるようにしただけではなく、図1〜図2の機能をも全て具備している。
即ち、図3に示す事例は、製氷装置1において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ1bで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置1から貯氷タンク14に送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14に貯め、当該貯氷タンク14に貯められた前記塩水混合シャーベット状アイス143を前記貯氷タンク14から前記製氷装置1に複数回還流しながら前記貯氷タンク14内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置1の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記貯氷タンク14から前記製氷装置1への前記混合水の還流量を増加すると共に、前記製氷装置1内の混合水の塩分濃度および前記製氷装置1内の混合水の温度を上げることによって定常運転負荷状態に復旧する
塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であり、図1〜図2の事例の各効果を奏するものである。
塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であり、図1〜図2の事例の各効果を奏するものである。
また、前記製氷装置1に供給される塩水が所定温度および所定濃度の少なくとも一方に調整された冷海水である。
また、前記製氷装置1の負荷状態が所定負荷を超えた場合、前記製氷装置1内の混合水より塩分濃度が高い別途準備された塩水を前記製氷装置内へ供給することにより前記製氷装置内の混合水の塩分濃度を上げる塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であり、図1〜図3の事例の各効果を奏するものである。
また、前記貯氷タンクをバイパスするバイパス路170が設けられ、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、前記製氷装置1内の前記混合水より温度の高い前記塩水が前記バイパス路170から前記製氷装置へ供給される塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを、効果的に速やかに溶かすことができる。
また、加温手段17aを備え、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると前記製氷装置1内に供給される前記温度の高い塩水が、前記加温手段17aで加温された塩水である塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であるので、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを、更に効果的に速やかに溶かすことができる。
実施の形態7.
以下この発明の実施の形態7を図4により説明する。図4はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図3と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図3と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜6と異なる点を主体に以下に説明する。
以下この発明の実施の形態7を図4により説明する。図4はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図3と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図3と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜6と異なる点を主体に以下に説明する。
前述の実施の形態1,4〜6については、塩水側に工夫を施し、製氷装置1の塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを融解させる場合を例示したが、実施の形態7では、冷媒側にて対応する場合を例示する。
実施の形態7では、図4に示すように、冷凍回路にバルブ30,31を設け、前述の製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力が所定値以上に大きくなると、製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力に応動して前記バルブ30,31が開放制御され、冷凍機4の圧縮機5出口の高温冷媒を凝縮機6直後の冷媒に、一部混合させる。これにより、製氷装置1の冷媒側回路1aへ供給する高温の冷媒を生成する。その高温の冷媒を製氷装置1の冷媒側回路1aに流す。これにより製氷装置1の伝熱面を介して、高温の冷媒より熱が伝わり、内筒1eの内周面の伝熱面に付いた過成長の氷を直接、融解することができるようにしたものである。
この発明の実施の形態7は、製氷装置1の塩水側通路1b内で凝固して塊状となり氷が過成長し、前述の製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力が可成り大きくなった場合に、緊急的に行われるものである。
なお、製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力により、バルブ30,31を自動的に開ける代わりに、製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力が、製氷装置1の塩水側通路1b内でシャーベット状アイスが凝固して塊状となり氷が過成長していると判断される大きさまで増加すると、その旨を、例えばブザー等の報知手段で報知し、この報知に基づいて人が、人為的に、バルブ30,31を開けても、同様な効果を奏する。しかし、人手による場合は、装置コストは若干安価にはなるが、前記各バルブ30,31を開操作するタイミングが遅れたり、開量が適正でなかったりする場合が生じ得るので、このようなことが生じないように自動的にバルブが開制御されるようにした方が好ましい。
また、この発明の実施の形態7は、製氷装置1において供給された塩水を冷凍装置4の蒸発器1aで冷却することにより生成された氷をスクレーパ1bで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置1から貯氷タンク14に送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14に貯め、当該貯氷タンク14に貯められた前記塩水混合シャーベット状アイス143を前記貯氷タンク14から前記製氷装置1に複数回還流しながら前記貯氷タンク14内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置1の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記蒸発器1a内の冷媒を加熱して前記製氷装置1内の前記混合水を加熱することによって定常運転負荷状態に復旧する塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であり、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスをより効果的に溶かすことができる。
また、前記蒸発器1a内の冷媒の加熱を、蒸発器1aへ供給する液冷媒に加えて、蒸発器1aへ高温ガス冷媒を供給することにより行う塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であるので、前述の実施の形態2の事例のように冷凍サイクルを逆サイクルに切り換える場合に比べ、製氷装置1の熱ショックや熱的ストレスはなくなる。
実施の形態8.
以下この発明の実施の形態8を図5により説明する。図5はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図4と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図4と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜7と異なる点を主体に以下に説明する。
以下この発明の実施の形態8を図5により説明する。図5はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図4と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図4と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜7と異なる点を主体に以下に説明する。
図5は、前述の図1に例示する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例に、更に、冷媒加熱用のヒータ32を設けたものである。具体的には、前記冷媒加熱用のヒータ32は、冷媒側通路(蒸発器)1a内に、内筒1eを囲繞するように設けられ、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを負荷状態検出手段3が検出すると、負荷状態検出手段3の出力に基づいて自動的に通電され、冷媒側通路(蒸発器)1a内が加温され、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを速やかに溶かすようにしたものである。
また、蒸発器1a内の冷媒の加熱を、前記製氷装置に内蔵されたヒータ32で行う塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であるので、ヒータ32は通常は比較的徐々に温度が上昇していくので、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを速やかに溶かすことができ、しかも、前述の実施の形態2のように冷凍サイクルを逆サイクルに切り換える場合に比べ、製氷装置1の熱ショック、ストレスを小さく抑えることができる。
実施の形態9.
以下この発明の実施の形態9を図6により説明する。図6はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図5と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図5と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜8と異なる点を主体に以下に説明する。
以下この発明の実施の形態9を図6により説明する。図6はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図5と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図5と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜8と異なる点を主体に以下に説明する。
図6は、前述の図1に例示する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例に、更に、圧力調整弁等の流体抵抗調整手段33を設けたものである。具体的には、流体抵抗調整手段33は、製氷装置1と貯氷タンク14との間の塩水混合シャーベット状アイスが通る配管12または13に設けられ(図6は配管13に設けた場合を例示)、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを負荷状態検出手段3が検出すると、負荷状態検出手段3の出力に基づいて自動的にその流体抵抗が、定常時より小さくなるように調整され、定常時に比べ、塩水混合シャーベット状アイスが流れやすくし、塩水混合シャーベット状アイスの流れる量や速度を大とすることにより、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを、冷媒側通路1a外に速やかに追い出すようにしたものである。
なお、製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力により、流体抵抗調整手段33の流体抵抗を自動的に小さく調整する代わりに、製氷装置負荷検出センサー(電流センサー)3の出力が、製氷装置1の塩水側通路1b内でシャーベット状アイスが凝固して塊状となり氷が過成長していると判断される大きさまで増加すると、その旨を、例えばブザー等の報知手段で報知し、この報知に基づいて人が、人為的に、流体抵抗調整手段33の流体抵抗を小さくなるように調整操作するようにしても、同様な効果を奏する。しかし、人手による場合は、装置コストは若干安価にはなるが、前記流体抵抗調整手段33の流体抵抗を小さく調整操作するタイミングが遅れたり、調整量が適正でなかったりする場合が生じ得るので、このようなことが生じないように、流体抵抗調整手段33の流体抵抗が自動的に小さく調整されるようにした方が好ましい。
この発明の実施の形態9は、即ち、製氷装置1において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ1bで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置1から貯氷タンク14に送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14に貯め、当該貯氷タンク14に貯められた前記塩水混合シャーベット状アイス143を前記貯氷タンク14から前記製氷装置1に複数回還流しながら前記貯氷タンク14内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であって、前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置の負荷状態を検出する負荷状態検出手段3、及び前記製氷装置1と前記貯氷タンク14との間の混合水流路の流体抵抗を調整する流体抵抗調整手段33を備え、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、前記流体抵抗調整手段33により前記混合水流路の流体抵抗を小さくして前記製氷装置1内の過生成シャーベット状アイスが前記貯氷タンク側へ押し出される塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、流体抵抗調整手段33の流体抵抗を、定常時より小さくなるように調整し、定常時に比べ、塩水混合シャーベット状アイスが流れやすくし、塩水混合シャーベット状アイスの流れる量や速度を大とすることにより、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを、冷媒側通路1a外に速やかに追い出すことができる。
また、前記製氷装置1が所定負荷を超えたことを前記負荷状態検出手段3が検出すると、当該前記負荷状態検出手段3の出力に応じて前記流体抵抗調整手段33が前記混合水流路の流体抵抗を小さくして前記製氷装置1内の過生成シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14側へ押し出す塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、前記流体抵抗調整手段33を人為的に調整する場合に比べ、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを、冷媒側通路1a外に適時、適正に速やかに追い出すことができる。
また、流体抵抗調整手段33の流体抵抗を小さく調整することと併せて、循環ポンプ11の出力も上げれば、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスを冷媒側通路1a外に更に速やかに追い出すことができる。
また、流体抵抗調整手段33は、貯氷タンク用の第1のバルブ19や貯氷タンク用の第2のバルブで代用してもよい。
実施の形態10.
以下この発明の実施の形態10を図7により説明する。図7はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図6と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図6と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜9と異なる点を主体に以下に説明する。
以下この発明の実施の形態10を図7により説明する。図7はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図6と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図6と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜9と異なる点を主体に以下に説明する。
図7は、前述の図1に例示する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例に、更に、高温水注入口34、および高温水注入口開閉バルブ35を設けたものである。具体的には、高温水注入口34は、製氷装置1にその上方に位置して取り付けられており、塩水側通路1b内で凝固して塊状となり始めたり、塩水側通路1b内で氷が過成長した場合、高温水注入口開閉バルブ35を開き、凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスや過成長した氷に、湯や加熱した海水を直接注ぐことができ、極めて早く即効的に異常状態を解消できる。
この発明の実施の形態10は、即ち、製氷装置1において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ1bで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置1から貯氷タンク14に送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンク14に貯め、当該貯氷タンク14に貯められた前記塩水混合シャーベット状アイス143を前記貯氷タンク14から前記製氷装置1に複数回還流しながら前記貯氷タンク14内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であって、前記製氷装置1が所定負荷を超えた場合に前記製氷装置1に、高温真水および高温塩水の少なくとも一方を供給する高温水注入口34を備えている塩水混合シャーベット状アイスの製造装置であり、凝固して塊状となり始めたシャーベット状アイスや過成長した氷に、湯や加熱した海水を直接注ぐことができ、極めて早く即効的に異常状態を解消できるものである。
実施の形態11.
以下この発明の実施の形態11を図8により説明する。図8はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図7と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図7と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜10と異なる点を主体に以下に説明する。
以下この発明の実施の形態11を図8により説明する。図8はこの発明の塩水混合シャーベット状アイスの製造方法を実施する塩水混合シャーベット状アイスの製造装置の全体のシステム構成の事例を示す図であり、塩水として海水を利用する場合を例示してある。なお、前述の図1〜図7と同一又は相当部分には同一符号を付し、前述の図1〜図7と同一又は相当部分については説明を割愛し、前述のこの発明の実施の形態1〜10と異なる点を主体に以下に説明する。
図8は、前述の図1および図4の各機能を全て有する事例を例示したものであり、前述の図1および図4の各事例の各効果を全て奏するものである。異常状態から定常状態に復旧する動作シーケンスは、製氷装置1が所定負荷を超えた場合に、例えば、先ず最初に循環ポンプ11の出力を上げ、定常状態に復旧できない場合は、次いで冷海水貯蔵手段27から前記調整された温度、調整された塩分濃度の冷海水を製氷装置1へ供給し、それでも定常状態に復旧できない場合は、次いで、高濃度塩水加熱用のヒータ17aで加熱された塩水貯蔵手段17内の比較的高温、高塩分濃度の塩水を製氷装置1へ供給し、それでも定常状態に復旧できない場合は、次いで、冷凍機4の圧縮機5から高温のガス冷媒を製氷装置1へ供給するシーケンスとしてあり、適正かつ確実に異常状態から定常状態に復旧できるようにしてある。
1 製氷装置(アイスジェネレータ)、
1a 冷媒側通路(蒸発器)、
1b 塩水側通路、
1c スクレーパ(掻き取り羽根)、
1d 外筒、
1e 内筒、
1f 回転円筒、
2 製氷装置の駆動源(回転円筒駆動モータ)、
3 製氷装置負荷検出センサー(電流センサー、電流計)、
4 冷凍機、
5 圧縮機、
6 凝縮機、
7 冷媒配管、
8 膨張弁、
9 圧力センサー、
10 温度センサー、
11 循環ポンプ、
11a ポンプ制御装置(インバータ)、
12 塩水用配管(海水用配管)、
13 シャーベット配管、
14 貯氷タンク、
141 塩水混合シャーベット状アイス排出路、
142 ドレン排出路、
14a 塩水混合シャーベット状アイス排出路開閉バルブ、
14b ドレン排出路開閉バルブ、
14c 塩水混合シャーベット状アイス貯蔵レベルセンサー、
15 攪拌機(アジテータ)の駆動源(モータ)、
16 攪拌機(アジテータ)、
17 高濃度の塩水貯蔵手段(高塩分濃度海水タンク)、
17a 高濃度塩水加熱用のヒータ、
170 バイパス路、
18 高濃度の塩水貯蔵手段(高塩分濃度海水タンク)用の第1のバルブ、
19 貯氷タンク用の第1のバルブ、
20 高濃度の塩水貯蔵手段(高塩分濃度海水タンク)用の第2のバルブ、
21 貯氷タンク用の第2のバルブ、
22 塩分濃度調整タンク、
23 海水、
24 真水、
25 真水量調整バルブ、
26 塩分濃度センサー、
261 塩分濃度設定器、
27 冷海水貯蔵手段(冷海水貯蔵タンク)、
28 冷海水供給制御バルブ、
29 タンク還流ループ、
29a タンク還流ループ用のポンプ、
29b タンク還流ループの温度センサー、
30 冷媒回路切替用の第1のバルブ、
31 冷媒回路切替用の第2のバルブ、
32 冷媒加熱用のヒータ、 33 流体抵抗調整手段(圧力調整弁)、
34 高温水注入口、
35 高温水注入口開閉バルブ。
1a 冷媒側通路(蒸発器)、
1b 塩水側通路、
1c スクレーパ(掻き取り羽根)、
1d 外筒、
1e 内筒、
1f 回転円筒、
2 製氷装置の駆動源(回転円筒駆動モータ)、
3 製氷装置負荷検出センサー(電流センサー、電流計)、
4 冷凍機、
5 圧縮機、
6 凝縮機、
7 冷媒配管、
8 膨張弁、
9 圧力センサー、
10 温度センサー、
11 循環ポンプ、
11a ポンプ制御装置(インバータ)、
12 塩水用配管(海水用配管)、
13 シャーベット配管、
14 貯氷タンク、
141 塩水混合シャーベット状アイス排出路、
142 ドレン排出路、
14a 塩水混合シャーベット状アイス排出路開閉バルブ、
14b ドレン排出路開閉バルブ、
14c 塩水混合シャーベット状アイス貯蔵レベルセンサー、
15 攪拌機(アジテータ)の駆動源(モータ)、
16 攪拌機(アジテータ)、
17 高濃度の塩水貯蔵手段(高塩分濃度海水タンク)、
17a 高濃度塩水加熱用のヒータ、
170 バイパス路、
18 高濃度の塩水貯蔵手段(高塩分濃度海水タンク)用の第1のバルブ、
19 貯氷タンク用の第1のバルブ、
20 高濃度の塩水貯蔵手段(高塩分濃度海水タンク)用の第2のバルブ、
21 貯氷タンク用の第2のバルブ、
22 塩分濃度調整タンク、
23 海水、
24 真水、
25 真水量調整バルブ、
26 塩分濃度センサー、
261 塩分濃度設定器、
27 冷海水貯蔵手段(冷海水貯蔵タンク)、
28 冷海水供給制御バルブ、
29 タンク還流ループ、
29a タンク還流ループ用のポンプ、
29b タンク還流ループの温度センサー、
30 冷媒回路切替用の第1のバルブ、
31 冷媒回路切替用の第2のバルブ、
32 冷媒加熱用のヒータ、 33 流体抵抗調整手段(圧力調整弁)、
34 高温水注入口、
35 高温水注入口開閉バルブ。
Claims (1)
- 製氷装置において供給された塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパで微細氷とし当該微細氷と前記塩水との混合により塩水混合シャーベット状アイスを作り、
この塩水混合シャーベット状アイスを前記製氷装置から貯氷タンクに送給して当該塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンクに貯め、
当該貯氷タンクに貯められた前記塩水混合シャーベット状アイスを前記貯氷タンクから前記製氷装置に複数回還流しながら前記貯氷タンク内に所定シャーベット濃度で所定低温の所定量の前記塩水混合シャーベット状アイスを貯える
塩水混合シャーベット状アイスの製造方法であって、
前記塩水混合シャーベット状アイスの製造過程で前記製氷装置の駆動原の負荷状態を検出し、所定負荷を超えた場合は、前記冷凍装置の冷凍サイクルを逆サイクルに切り換えて冷凍装置の凝縮熱で前記製氷装置内を加熱することによって定常運転負荷状態に復旧する
塩水混合シャーベット状アイスの製造方法。
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