JP2017040245A - ターボチャージャ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ECU28は、ウエストゲートバルブ22を開弁状態から全閉状態へ制御する際で、且つ電動アクチュエータ25の駆動電流が予め設定した所定値に達した時に、ウエストゲートバルブ22の開度を全閉位置として学習する。このため、ウエストゲートバルブ22の全閉位置の学習時間を短縮できる。具体的には、タービンハウジング等の温度変化や、摩耗等による経時変化により、電動アクチュエータ25の出力とウエストゲートバルブ22の開度にズレが生じても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を素早く学習して修正できる。また、ウエストゲートバルブ22の全閉位置と、ウエストゲートバルブ22の機械的な限界開度とが異なる場合であっても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を学習できる。
【選択図】 図1
Description
特許文献1のターボチャージャは、ウエストゲートバルブが電動アクチュエータにより駆動操作されるものであり、電動アクチュエータは制御装置によって通電制御される。
特許文献1の制御装置は、目標過給圧と実過給圧のズレ量が閾値以上で、且つウエストゲートバルブの目標開度と実開度のズレ量が閾値以下の時に、全閉位置学習を行う。
このため、従来技術に比較して、エストゲートバルブの全閉位置の学習時間を短縮できる。具体的には、ハウジング等の温度変化や、摩耗等による経時変化により、電動アクチュエータの出力とウエストゲートバルブの開度にズレが生じても、ウエストゲートバルブの全閉位置を素早く学習して修正できる。
図1〜図4に基づいて実施形態1を説明する。
自動車に搭載される走行用のエンジン1は、ターボチャージャ2を搭載する。
エンジン1は、燃料の燃焼を行って走行用の出力を発生する内燃機関であり、吸気をエンジン気筒内へ導く吸気通路3を備えるとともに、気筒内で発生した排気ガスを浄化して大気中に排出する排気通路4を備える。
そして、タービンホイール5aとコンプレッサホイール6aは、センターハウジングによって高速回転自在に支持されるシャフト7を介して結合される。
排気通路4には、排気タービン5の他に、排気タービン5の排気下流側に配置されて排気ガスの浄化を行う触媒15、排気音を消音させて排気ガスを大気中に排出するマフラー16などが設けられている。
このバイパス路21は、ウエストゲートバルブ22によって開閉される。このウエストゲートバルブ22は、バイパス路21の開度調整を行なうものであり、ウエストゲートバルブ22の開度調整により、タービンホイール5aを迂回する排気ガス量がコントロールされる。
また、ウエストゲートバルブ22は、冷間始動直後など、触媒15の温度が活性化温度に達していない時に、バイパス路21を開いて触媒15の暖機を行う。
具体的に、ウエストゲートバルブ22は、バイパス路21の開口端を閉塞可能な弁傘形状を呈するものであり、熱膨張差を吸収するべく、ウエストゲートバルブ22を回動操作するバルブアーム23との間に所定のクリアランスが設けられる。
また、この皿バネ24は、ウエストゲートバルブ22が全閉位置に達した後に、後述する電動アクチュエータ25を閉弁側へさらに回動させた際に、電動アクチュエータ25の作動角を閉弁側へ少量回動させる手段としても用いられる。
なお、皿バネ24を用いない他の形態であっても、後述するウエストゲートリンク26を構成する部品の一部が僅かに撓むことで、全閉位置の作動角θ1と限界開度の作動角θ2とが異なる。
電動アクチュエータ25は、排気ガスの熱影響を回避する目的で、排気タービン5から離れた吸気コンプレッサ6等に搭載される。このように、電動アクチュエータ25は、ウエストゲートバルブ22から離れた位置に搭載される。このため、ターボチャージャ2には、電動アクチュエータ25の出力をウエストゲートバルブ22に伝達するためのウエストゲートリンク26が設けられる。
他の過給圧制御の具体例を示すと、ECU28は、エンジン1の運転状態に基づいて目標過給圧を算出する。そして、目標過給圧に応じたウエストゲートバルブ22の目標開度を算出する。そして、算出した目標開度と位置センサ27によって検出したウエストゲートバルブ22の実開度とが一致するように電動アクチュエータ25をフィードバック制御する。
また、ターボチャージャ2は、ウエストゲートバルブ22を駆動する電動アクチュエータ25と、電動アクチュエータ25を通電制御することでウエストゲートバルブ22の開度を制御するECU28とを備える。
なお、ECU28は、制御装置に相当するものである。
そこで、ECU28は、位置センサ27によって求めるウエストゲートバルブ22の実開度をモニターする。
しかし、タービンハウジング5b等の温度変化や、電動アクチュエータ25からウエストゲートバルブ22に駆動トルクを伝達する途中部品の摩耗による経時変化などにより、ウエストゲートバルブ22の実開度のモニター精度が低下することが懸念される。
即ち、位置センサ27から求める実開度が全閉位置にあっても実際は僅かに開弁していたり、あるいは位置センサ27から求める実開度の全閉位置が開き側にずれている可能性がある。
電動アクチュエータ25の作動角を開弁側から全閉方向に向かって回動させると、図2(c)に示すようにウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに着座する全閉位置に達する。この時の電動アクチュエータ25の作動角がθ1である。
その結果、電動アクチュエータ25の駆動負荷が上昇して、図2(b)の実線A2に示すように駆動電流が上昇する。
さらに電動アクチュエータ25の作動角を閉弁方向へ回動させると、図2(d)に示すように皿バネ24が強く圧縮されるとともに、電動アクチュエータ25の閉弁方向の回動が機械的に停止する。この停止位置がハードストップ位置であり、この時の電動アクチュエータ25の作動角がθ2である。
ステップS1:この制御ルーチンに侵入すると、先ず、電流検出部の検出値に基づいて駆動電流を算出するとともに、エンジン1の運転状態からウエストゲートバルブ22の目標開度を算出し、さらに位置センサ27からウエストゲートバルブ22の実開度を算出する。
ステップS2:続いて、ウエストゲートバルブ22の実開度が、予め設定した所定開度以下であるか否かの判断を行う。この判断結果がYESの場合は、この制御ルーチンを終了する。
ステップS4:上記ステップS3の判断結果がYESの場合は、判定用の所定値αを求める。
ステップS5:電動アクチュエータ25の駆動電流が所定値α以上であるか否かの判断を行う。この判断結果がNOの場合は、この制御ルーチンを終了する。
具体的に位置センサ27を用いるこの実施形態1では、電動アクチュエータ25の駆動電流が所定値αに達した時の位置センサ27の検出角度を、ウエストゲートバルブ22の全閉位置としてECU28のメモリに記憶して更新する。
従来技術の作動例と実施形態1の作動例を比較して実施形態1の効果を説明する。
従来技術では、ウエストゲートバルブ22を開状態から全閉位置へ戻す際で、且つウエストゲートバルブ22の目標開度と実開度にズレを検出する場合に、全閉位置学習を開始する。
その結果、電動アクチュエータ25に過大な駆動負荷が与えられることになり、破線J1に示すように、駆動電流が大きくなる。
このように、従来技術は、学習を開始してから、学習を終了するまでの時間が長くかかってしまう。また、従来技術は、電動アクチュエータ25に過大な駆動負荷を与える。このため、電動アクチュエータ25を構成する部品やウエストゲートリンク26等に機械的なストレスを与える懸念がある。
実施形態1では、ウエストゲートバルブ22の開度を、開状態から全閉位置へ戻す際で、電動アクチュエータ25の駆動電流が所定値αに達する時t1に、全閉位置学習が行われるとともに、全閉位置学習が終了する。
具体的に、タービンハウジング5b等の温度変化や、摩耗等による経時変化により、電動アクチュエータ25の出力とウエストゲートバルブ22の開度にズレが生じても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を素早く学習して修正できる。
さらに、ウエストゲートバルブ22の全閉位置の学習を行う際に、電動アクチュエータ25に過大な駆動負荷を与えない。このため、電動アクチュエータ25の内蔵部品やウエストゲートリンク26等に大きな機械的ストレスを与えない。
図5、図6に基づいて実施形態2を説明する。
なお、以下の各実施形態において上記実施形態1と同一符合は同一機能物を示すものである。また、以下の各実施形態では、先に説明した実施形態に対する変更箇所のみを開示するものであり、説明していない箇所については先行して説明した形態を採用するものである。
また、実施形態2のターボチャージャ2は、第2スクロール通路32の開閉を行う流量調整バルブ33を備える。
なお、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33の両方は、排気下流側へ移動することで開弁する外開弁タイプである。あるいは、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33の両方は、排気上流側へ移動することで開弁する内開弁タイプである。
即ち、この実施形態2では、流量調整バルブ33が全閉状態から全開に向かって変化する際、流量調整バルブ33の開度が所定開度に達した後にウエストゲートバルブ22が開き始めるように設けられる。
電動アクチュエータ25と流量調整バルブ33の間には、電動アクチュエータ25の出力トルクを流量調整バルブ33に伝える切替リンク34が設けられる。
また、実施形態2のウエストゲートリング26には、電動アクチュエータ25の出力特性を変化させてウエストゲートバルブ22へ伝達する特性変換部35が設けられる。この特性変換部35は、流量調整バルブ33が全閉状態から全開に向かって変化する際に、流量調整バルブ33の開度が所定開度に達した後にウエストゲートバルブ22を開弁するように設けられている。
そして、電動アクチュエータ25の作動角をθ1より大きくすることで、図6(b)の実線C3に示すように、ウエストゲートバルブ22が閉弁状態から開弁状態に切り替わる。
その結果、電動アクチュエータ25の駆動負荷が上昇して、図6(c)の実線C4に示すように駆動電流が上昇する。そして、駆動電流が所定値αに達した際に、ウエストゲートバルブ22の開度を制御上の全閉位置として学習する全閉位置学習を実行する。
1つの電動アクチュエータ25を用いて、流量調整バルブ33の開度途中でウエストゲートバルブ22が開き始めるターボチャージャ2の場合、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を突当制御で検出することができない。
しかるに、この実施形態2のターボチャージャ2は、ウエストゲートバルブ22を開弁状態から全閉状態へ制御する際で、且つ電動アクチュエータ25の駆動電流が予め設定した所定値αに達した時に、ウエストゲートバルブ22の開度を全閉位置として学習する。
即ち、アクチュエータ数を減らしても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施できるため、ウエストゲートバルブ22のモニター精度を高めることができる。
図7〜図9に基づいて実施形態3を説明する。
上記の実施形態2で説明したように、電動アクチュエータ25の出力トルクは、ウエストゲートリンク26を介してウエストゲートバルブ22に伝えられる。なお、図7では、ウエストゲートリンク26の具体例として、ウエストゲートバルブ22の操作アーム26aと、電動アクチュエータ25の出力アーム26bをロッド26cで結合する4節リンクを採用する例を示す。
このため、ウエストゲートバルブ22が受ける排気ガスの荷重は、ウエストゲートリンク26を介して電動アクチュエータ25に伝えられる。このように、ウエストゲートバルブ22が受けて電動アクチュエータ25に伝えられる排気ガスの荷重を第1排気荷重とする。
このため、流量調整バルブ33が受ける排気ガスの荷重は、切替リンク34を介して電動アクチュエータ25に伝えられる。このように、流量調整バルブ33が受けて電動アクチュエータ25に伝えられる排気ガスによる荷重を第2排気荷重とする。
具体的な一例として、この実施形態3は、図7に示すように、ウエストゲートバルブ22が外開弁タイプであり、流量調整バルブ33が内開弁タイプを採用する。
このため、全閉位置学習を起動させると、ウエストゲートバルブ22が全閉位置とは異なる作動角で電動アクチュエータ25の駆動電流が所定値αに達する可能性があり、全閉位置の誤学習を招いてしまう。
作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作すると、実線D2に示すように、電動アクチュエータ25の作動角の変化に対して第1排気荷重が大きくなる。
これに対し、流量調整バルブ33は排気ガスから閉弁方向へ向かう圧力を受けるため、作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作する際、実線D3に示すように、電動アクチュエータ25の作動角の変化に対して第2排気荷重がマイナス側へ大きくなる。
その結果、作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作しても、実線D1に示すように電動アクチュエータ25の駆動電流が上昇しない。
エンジン回転数は、エンジン回転数センサ29によって検出される。
エンジン負荷は、図示しないエアフロメータによって検出される吸気量、あるいは過給圧センサ14によって検出される吸気圧、またはスロットルバルブ開度やアクセル開度等から求める。
具体的に、ECU28には、図9に示すように、エンジン回転数と吸気量の関係から荷重差を求めるマップが記憶される。なお、図9の横軸は吸気量の変化を示す。また、図9の実線E1〜E5はエンジン回転数の変化を示す。
ECU28は、エンジン回転数と吸気量を検出し、マップで荷重差を算出する。そして、ECU28は、算出された荷重差が所定荷重値β以上の時のみ、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施する。具体的には、エンジン回転数が低く、且つエンジン1に供給される吸気量が多い状態の時のみ、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施する。
この実施形態3を採用することにより、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33が、内開弁タイプと外開弁タイプの組合せであっても、全閉位置において駆動電流の上昇が得られるため、全閉位置の誤学習を回避できる。
換言すると、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33が内開弁タイプと外開弁タイプの組合せであっても、ウエストゲートバルブ22のモニター精度を高めることができる。
5a タービンホイール
21 バイパス路
22 ウエストゲートバルブ
25 電動アクチュエータ
28 ECU(制御装置)
Claims (4)
- エンジン(1)の排気ガスにより回転駆動されるタービンホイール(5a)と、
前記タービンホイールの排気上流側の排気ガスを、前記タービンホイールを迂回させて、前記タービンホイールの排気下流側へ導くバイパス路(21)の開閉を行うウエストゲートバルブ(22)と、
前記ウエストゲートバルブを駆動する電動アクチュエータ(25)と、
前記電動アクチュエータを通電制御することで前記ウエストゲートバルブの開度を制御する制御装置(28)とを備え、
前記制御装置は、前記ウエストゲートバルブを開弁状態から全閉状態へ制御する際、前記電動アクチュエータの駆動電流が予め設定した所定値(α)に達した時に、前記ウエストゲートバルブの開度を全閉位置として学習することを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項1に記載のターボチャージャにおいて、
前記タービンホイールを収容するタービンハウジングの内部には、排気ガスを旋回させて前記タービンホイールへ吹き付ける独立した第1、第2スクロール通路(31、32)が設けられ、
当該ターボチャージャは、前記第2スクロール通路の開閉を行う流量調整バルブ(33)を備え、
前記ウエストゲートバルブと前記流量調整バルブは、1つの前記電動アクチュエータによって駆動されるものであり、
前記流量調整バルブが全閉状態から全開に向かって変化する際、前記流量調整バルブの開度が所定開度に達した後に前記ウエストゲートバルブが開き始めることを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項2に記載のターボチャージャにおいて、
前記ウエストゲートバルブまたは前記流量調整バルブの一方は、排気上流側へ移動することで開弁する内開弁タイプであり、
前記ウエストゲートバルブまたは前記流量調整バルブの他方は、排気下流側へ移動することで開弁する外開弁タイプであり、
前記ウエストゲートバルブに作用して前記電動アクチュエータに伝えられる排気ガスによる荷重を第1排気荷重とし、
前記流量調整バルブに作用して前記電動アクチュエータに伝えられる排気ガスによる荷重を第2排気荷重とした場合、
前記制御装置は、前記第1排気荷重と前記第2排気荷重の荷重差が、予め設定した所定荷重値(β)以上の時のみ前記学習を行うことを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項3に記載のターボチャージャにおいて、
前記制御装置は、前記エンジンの回転数と前記エンジンの負荷に基づいて前記荷重差を求めることを特徴とするターボチャージャ。
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