JP6477404B2 - ターボチャージャ - Google Patents

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Description

本発明は、ウエストゲートバルブを備えるターボチャージャに関し、特に電動アクチュエータによって駆動操作されるウエストゲートバルブの全閉位置の検出技術に関する。
ウエストゲートバルブの全閉位置を検出するターボチャージャとして、特許文献1に開示される技術が知られている。
特許文献1のターボチャージャは、ウエストゲートバルブが電動アクチュエータにより駆動操作されるものであり、電動アクチュエータは制御装置によって通電制御される。
特許文献1の制御装置は、ウエストゲートバルブの全閉位置の学習を行う全閉位置学習が実行可能に設けられている。
特許文献1の制御装置は、目標過給圧と実過給圧のズレ量が閾値以上で、且つウエストゲートバルブの目標開度と実開度のズレ量が閾値以下の時に、全閉位置学習を行う。
特開2014−218900号公報
特許文献1の全閉位置学習は、先ずウエストゲートバルブの開度を、全閉位置よりさらに閉弁側へ回動するように電動アクチュエータを通電制御して、電動アクチュエータの駆動電流を一旦大きくする。即ち、電動アクチュエータに過大な駆動負荷を与えることで、駆動電流を強制的に大きくする。
続いて、制御装置は、電動アクチュエータに与える駆動電流を徐々に小さくする。そして、制御装置は、駆動電流が所定値まで低下した時に、ウエストゲートバルブの開度を全閉位置として学習する(図4の破線J1〜J4参照)。
このように、特許文献1は、全閉位置学習を実行する際に、一時的に電動アクチュエータに過大な駆動負荷を与えて駆動電流を強制的に大きくした後に、駆動電流を徐々に低下させる制御を実施する。このため、学習を開始してから、学習を終了するまでの時間が長くかかってしまい、制御性の悪化要因になってしまう。
本発明の目的は、ウエストゲートバルブの全閉位置を素早く学習できるターボチャージャの提供にある。
本発明のターボチャージャによれば、電動アクチュエータとウエストゲートバルブの間に、電動アクチュエータの出力をウエストゲートバルブに伝達するリンク機構が設けられ、リンク機構は、電動アクチュエータの出力を、弾性変形可能な弾性部材を介してウエストゲートバルブに伝える。そして、電動アクチュエータの駆動電流が一定の安定した状態でウエストゲートバルブを開弁状態から全閉状態へ制御する際、位置センサによって検出される電動アクチュエータの減速速度が所定の速度まで低下した時に、ウエストゲートバルブの開度を全閉位置として学習する。
このため、従来技術に比較して、エストゲートバルブの全閉位置の学習時間を短縮できる。具体的には、ハウジング等の温度変化や、摩耗等による経時変化により、電動アクチュエータの出力とウエストゲートバルブの開度にズレが生じても、ウエストゲートバルブの全閉位置を素早く学習して修正できる。
エンジンの吸排気システムの概略図である。 電動アクチュエータの出力をウエストゲートバルブに伝達するリンク機構の概略図である。 (a)電動アクチュエータ作動角に対する過給圧の変化を示すグラフ、(b)電動アクチュエータ作動角に対する電動アクチュエータ負荷の変化を示すグラフである。 全閉位置学習を行う際における駆動電流の変化、電動アクチュエータ作動角の変化、電動アクチュエータの速度変化、ウエストゲートバルブの開度変化を示すタイムチャートである。 全閉位置学習の制御例のフローチャートである。 (a)第1所定値および第2所定値を求めるブロック図、(b)エンジン負荷とエンジン回転数と第1マップ出力の関係を示すグラフ、(c)車速と外気温と第1マップ出力の関係を示すグラフである。 (a)タービンハウジングの温度変化とロッドの温度変化と第1所定値の関係を示すグラフ、(b)タービンハウジングの温度変化とロッドの温度変化と第2所定値の関係を示すグラフである。 エンジンの吸排気システムの概略図である。 電動アクチュエータの出力を流量焼成バルブおよびウエストゲートバルブに伝達するリンク機構の概略図である。 電動アクチュエータ作動角に対する過給圧の変化、ウエストゲートバルブと流量調整バルブの開度変化、電動アクチュエータ負荷の変化を示すグラフである。 外開弁タイプのウエストゲートバルブと内開弁タイプの流量調整バルブの説明図である。 (a)電動アクチュエータ作動角に対する駆動電流の変化を示すグラフ、(b)電動アクチュエータ作動角に対する第1排気荷重の変化、第2排気荷重の変化、荷重差の変化を示すグラフである。 エンジン回転数の変化およびエンジン吸気量の変化の変化に対する荷重差を示すグラフである。 (a)電動アクチュエータ作動角を変化させて流量調整バルブの開度を変化させた場合の過給圧の変化を示すグラフ、(b)電動アクチュエータ作動角を変化させてウエストゲートバルブの開度を変化させた場合の過給圧の変化を示すグラフ、(c)電動アクチュエータ作動角を変化させて流量調整バルブとウエストゲートバルブの開度を変化させた場合の過給圧の変化を示すグラフである。 補正手段のブロック図である。
以下では、図面に基づいて発明を実施するための形態を説明する。なお、以下で開示す る実施形態は、一例を開示するものであって、本発明が実施形態に限定されないことは言うまでもない。
[実施形態1]
図1〜図7に基づいて実施形態1を説明する。
自動車に搭載される走行用のエンジン1は、ターボチャージャ2を搭載する。
エンジン1は、燃料の燃焼を行って走行用の出力を発生する内燃機関であり、吸気をエンジン気筒内へ導く吸気通路3を備えるとともに、気筒内で発生した排気ガスを浄化して大気中に排出する排気通路4を備える。
ターボチャージャ2は、エンジン1から排出される排気ガスのエネルギーによって、エンジン1に吸い込まれる吸気を加圧する過給器である。このターボチャージャ2は、エンジン1の排気ガスによって駆動される排気タービン5と、この排気タービン5により駆動されてエンジン1に吸い込まれる吸気を加圧する吸気コンプレッサ6とを備える。
排気タービン5は、エンジン1から排出された排気ガスによって回転駆動されるタービンホイール5aと、このタービンホイール5aを収容する渦巻形状のタービンハウジング5bとを備えて構成される。
吸気コンプレッサ6は、タービンホイール5aの回転力により駆動されて吸気通路3内の吸気を加圧するコンプレッサホイール6aと、このコンプレッサホイール6aを収容する渦巻形状のコンプレッサハウジングとを備えて構成される。
そして、タービンホイール5aとコンプレッサホイール6aは、センターハウジングによって高速回転自在に支持されるシャフト7を介して結合される。
吸気通路3には、吸気コンプレッサ6の他に、エアクリーナ11、インタークーラ12、スロットルバルブ13、サージタンク等に設置されて過給圧を検出する過給圧センサ14などが設けられている。
排気通路4には、排気タービン5の他に、排気タービン5の排気下流側に配置されて排気ガスの浄化を行う触媒15、排気音を消音させて排気ガスを大気中に排出するマフラー16などが設けられている。
タービンハウジング5bには、タービンホイール5aの排気上流側の排気ガスを、タービンホイール5aを迂回させて、タービンホイール5aの排気下流側へ導くバイパス路21が設けられている。
このバイパス路21は、ウエストゲートバルブ22によって開閉される。このウエストゲートバルブ22は、バイパス路21の開度調整を行なうものであり、ウエストゲートバルブ22の開度調整により、タービンホイール5aを迂回する排気ガス量がコントロールされる。
具体的に、ウエストゲートバルブ22は、エンジン1の運転中にバイパス路21の開度を調整することで過給圧のコントロールを行う。
また、ウエストゲートバルブ22は、冷間始動直後など、触媒15の温度が活性化温度に達していない時に、バイパス路21を開いて触媒15の暖機を行う。
ウエストゲートバルブ22の具体的な構造は限定するものではないが、この実施形態1ではタービンハウジング5bの内部で回動操作されるスイングバルブを採用する。
具体的に、ウエストゲートバルブ22は、バイパス路21の開口端を閉塞可能な弁傘形状を呈するものであり、熱膨張差を吸収するべく、ウエストゲートバルブ22を回動操作するバルブアーム23aとの間にクリアランスが設けられる。
なお、バルブアーム23aは、タービンハウジング5bに対して回転自在に支持されるバルブ軸23bと一体に回動する。このバルブ軸23bの一部は、タービンハウジング5bの外部に露出する。そして、タービンハウジング5bの外部に露出するバルブ軸23bには、このバルブ軸23bと一体に回動する外部レバー23cが結合されており、この外部レバー23cを回動操作することでウエストゲートバルブ22が回動操作される。
ターボチャージャ2は、ウエストゲートバルブ22を駆動操作する手段として、電動アクチュエータ25を用いる。
電動アクチュエータ25は、排気ガスの熱影響を回避する目的で、排気タービン5から離れた吸気コンプレッサ6等に搭載される。このように、電動アクチュエータ25は、ウエストゲートバルブ22から離れた位置に搭載される。このため、電動アクチュエータ25とウエストゲートバルブ22の間には、電動アクチュエータ25の出力をウエストゲートバルブ22に伝達するためのウエストゲートリンク26が設けられる。
このウエストゲートリンク26は、電動アクチュエータ25の出力を、上述した外部レバー23cに伝えるロッド26aを備える。
また、ウエストゲートリンク26は、図2に示すように、電動アクチュエータ25の出力を、弾性変形可能な弾性部材24を介してウエストゲートバルブ22に伝える。
この弾性部材24は、コイルスプリングであり、上述したクリアランスによってウエストゲートバルブ22が振らつくのを防ぐ。
また、弾性部材24は、ウエストゲートバルブ22が全閉位置に達した後、電動アクチュエータ25を閉弁側へさらに回動させた際に、電動アクチュエータ25の作動角を閉弁側へ少量回動させる手段としても用いられる。
即ち、ウエストゲートバルブ22が全閉位置となる電動アクチュエータ25の作動角θ1と、電動アクチュエータ25の閉弁方向の回動が機械的に停止する電動アクチュエータ25の作動角θ2とが異なる
電動アクチュエータ25は、通電制御により回転出力またはストローク出力を発生するものであり、この実施形態1では回転出力を発生する例を示す。なお、図2では、電動アクチュエータ25がストローク出力を発生するように描かれているが、回転出力を模式的に直線出力として描いたものである。
電動アクチュエータ25の具体例は、通電により回転出力を発生する電動モータ(例えばDCモータ)と、この電動モータの回転出力を減速して出力トルクを増大させる減速装置(例えば歯車減速装置)とを組み合わせて構成される。
また、電動アクチュエータ25には、 電動アクチュエータ25の機械的な動作を検出する位置センサ27が設けられる。位置センサ27の具体例は、電動アクチュエータ25の出力軸の回転角度(即ち、作動角)を検出する回転角センサである。なお、位置センサ27は、磁気センサ等を用いた非接触型であっても良いし、ポテンショメータなどを用いた接触型であっても良い。そして、位置センサ27のセンサ出力は、エンジン制御を行うECU28に出力される。
位置センサ27の具体的な一例を開示する。この実施形態の位置センサ27は、2つの部材の相対回転を非接触で検出する磁気型センサである。この位置センサ27は、電動アクチュエータ25の出力軸と一体に回転する永久磁石を用いた磁気回路部を備える。また、位置センサ27は、電動アクチュエータ27に装着されるカバー等に設けられる磁気検出部を備える。この磁気検出部は、磁気回路部に対して非接触の状態で接近配置される。磁気回路部は、電動アクチュエータの出力軸が変化することで、磁気検出部に与える磁束を変化させる。磁気検出部は、ホールIC等の磁気検出部を備えるものであり、電動アクチュエータ25の作動角に応じた出力電圧をECU28へ与える。
ECU28は、マイクロコンピュータを搭載するエンジン・コントロール・ユニットである。ECU28は、エンジン1に搭載されたエンジン回転数センサ29によって検出されるエンジン回転数や、エンジン1に吸い込まれる吸気量等からエンジン1の運転状態に適した目標過給圧を算出する。そして、ECU28は、過給圧センサ14で検出した実過給圧が目標過給圧に合致するように、電動アクチュエータ25の駆動電流をデューティ比制御する。
もちろん、上記の過給圧制御は一例であり、限定するものではない。
他の過給圧制御の具体例を示すと、ECU28は、エンジン1の運転状態に基づいて目標過給圧を算出する。そして、目標過給圧に応じたウエストゲートバルブ22の目標開度を算出する。そして、算出した目標開度と位置センサ27によって検出したウエストゲートバルブ22の実開度とが一致するように電動アクチュエータ25を制御する。
また、ECU28は、冷間始動直後など、触媒15の実温度または予測温度が活性化温度に達していない時に、触媒15の早期暖機を実施する。具体的に、ECU28は、触媒15の早期暖機を行う際に、ウエストゲートバルブ22の開度を大きくするように設けられている。
(実施形態1の特徴技術1)
上述したように、この実施形態1のターボチャージャ2は、排気ガスにより回転駆動されるタービンホイール5aと、バイパス路21の開閉を行うウエストゲートバルブ22とを備える。
また、ターボチャージャ2は、ウエストゲートバルブ22を駆動する電動アクチュエータ25と、電動アクチュエータ25の出力軸の作動角(機械的な動作の一例)を検出する位置センサ27とを備える。
さらに、ターボチャージャ2は、電動アクチュエータ25を通電制御することでウエストゲートバルブ22の開度を制御するECU28を備える。このECU28は、制御装置に相当する。
図3(a)の実線A1に示すように、ウエストゲートバルブ22が全閉状態の時と、ウエストゲートバルブ22が僅かに開弁する状態の時とでは、過給圧が大きく異なる。
そこで、ECU28は、位置センサ27によって求めるウエストゲートバルブ22の実開度をモニターする。
しかし、タービンハウジング5b等の温度変化や、電動アクチュエータ25からウエストゲートバルブ22に駆動トルクを伝達する途中部品の摩耗による経時変化などにより、ウエストゲートバルブ22の実開度のモニター精度が低下することが懸念される。
即ち、位置センサ27から求める実開度が全閉位置にあっても、実際の全閉位置が閉弁側にずれて僅かに開弁したり、逆に実際の全閉位置が開弁側にずれて閉弁時に減速が遅れてウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに衝突する可能性がある。
そこで、この実施形態1のECU28は、ウエストゲートバルブ22のモニター精度を高める技術として全閉位置学習を実行する。この全閉位置学習は、ECU28に搭載される制御プログラムであり、ウエストゲートバルブ22を開弁状態から全閉状態へ制御する際で、且つ位置センサ27によって検出される電動アクチュエータ25の減速速度が所定の速度まで低下した時に、ウエストゲートバルブ22の開度を制御上の全閉位置として学習する。
具体的な一例として、電動アクチュエータ25の出力軸の変化速度を角速度とした場合、角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減した時のウエストゲートバルブ22の開度を制御上の全閉位置として学習する。
ここで、電動アクチュエータ25の作動角と、電動アクチュエータ25に作用する駆動負荷の関係を説明する。
電動アクチュエータ25の作動角を開弁側から全閉方向に向かって回動させると、図3(b)の実線A2に示すように、ウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに着座する直前に、弾性部材24が圧縮を開始する。弾性部材24が圧縮を開始すると、電動アクチュエータ25の駆動負荷が増加する。
続いて、ウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに着座する全閉位置に達する。この時の電動アクチュエータ25の作動角がθ1である。
この作動角θ1の状態から、電動アクチュエータ25の作動角をさらに閉弁方向へ回動させると、弾性部材24の圧縮度合が高まり、電動アクチュエータ25の駆動負荷が上昇する。さらに、電動アクチュエータ25の作動角を閉弁方向へ回動させると、電動アクチュエータ25の閉弁方向の回動が機械的に停止する。この停止位置がハードストップ位置であり、この時の電動アクチュエータ25の作動角がθ2である。
全閉位置学習の制御例を図5のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1:この制御ルーチンに侵入すると、先ず、位置センサ27の出力に基づいて角速度を算出するとともに、エンジン1の運転状態からウエストゲートバルブ22の目標開度を算出し、さらに位置センサ27からウエストゲートバルブ22の実開度を算出する。
ステップS2:続いて、ウエストゲートバルブ22の実開度が、予め設定した所定開度以下であるか否かの判断を行う。この判断結果がYESの場合は、この制御ルーチンを終了する。
ステップS3:上記ステップS2の判断結果がNOの場合は、ウエストゲートバルブ22の目標開度が開弁状態から全閉開度に変化したか否かの判断を行う。この判断結果がNOの場合は、この制御ルーチンを終了する。
ステップS4:上記ステップS3の判断結果がYESの場合は、判定用の所定値αを求める。
ステップS5:角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減したか否かの判断を行う。即ち、角速度の絶対値の低減が判定用の所定値α以下であるか否かの判断を行う。この判断結果がNOの場合は、この制御ルーチンを終了する。
ステップS6:上記ステップS5の判断結果がYESの場合は、角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減した時のウエストゲートバルブ22の開度を制御上の全閉位置として更新する。 即ち、角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減した時の位置センサ27の検出角度を、ウエストゲートバルブ22の全閉位置としてECU28のメモリに記憶して更新する。
なお、学習技術は限定するものではなく、周知の学習技術を採用するものである。具体的な一例を開示すると、この実施形態1では、複数の学習値を用いずに、全閉位置学習によって得た最も新しい全閉位置を採用するものである。
また、学習条件は限定するものではなく、種々の学習条件を採用可能なものである。具体的な一例として、この実施形態1では、ウエストゲートバルブ22が開弁状態から全閉状態に切り替わる毎に全閉位置学習を実施するものである。即ち、学習チャンスが訪れる毎に全閉位置学習を実施するように設けられる。
(効果1)
従来技術の作動例と実施形態1の作動例を比較して実施形態1の効果を説明する。
先ず、従来技術の作動例を説明する。なお、図4では、従来技術の作動例を破線J1〜J4で示す。
従来技術では、ウエストゲートバルブ22を開状態から全閉位置へ戻す際で、且つウエストゲートバルブ22の目標開度と実開度にズレを検出する場合に、全閉位置学習を開始する。
従来技術の全閉位置学習は、破線J2に示すように、電動アクチュエータ25の作動角を全閉位置の作動角θ1よりさらに閉弁側へ操作し、電動アクチュエータ25の作動角をハードストップ位置の作動角θ2まで操作する。
続いて、電動アクチュエータ25に与える駆動電流を徐々に小さくする。そして、従来技術では、駆動電流が所定値まで低下した時t2に、ウエストゲートバルブ22の開度を制御上の全閉位置として学習する。
このように、従来技術は、学習を開始してから、学習を終了するまでの時間が長くかかってしまう。また、従来技術は、電動アクチュエータ25に過大な駆動負荷を与える。このため、電動アクチュエータ25を構成する部品やウエストゲートリンク26等に機械的なストレスを与える懸念がある。
実施形態1の作動例を説明する。なお、図4では、実施形態1の作動例を実線B1〜B4で示す。
実施形態1では、ウエストゲートバルブ22の開度を、開状態から全閉位置へ戻す際、電動アクチュエータ25の駆動デューティ比が一定の安定した駆動電流で、電動アクチュエータ25の作動角を開弁側から全閉方向に向かって回動させる。この時、図4(c)の実線B3に示すように、先ず電動アクチュエータ25の角速度が加速して最大加速に達する。
ウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに着座する直前に、弾性部材24が圧縮を開始する。弾性部材24が圧縮を開始すると、電動アクチュエータ25の駆動負荷の増加により、電動アクチュエータ25の角速度が減速を開始する。
そして、角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減した時t1に、全閉位置学習が行われるとともに、全閉位置学習が終了する。
このように、この実施形態1は、従来技術に比較して、ウエストゲートバルブ22の全閉位置の学習時間を短縮できる。
具体的に、タービンハウジング5b等の温度変化や、摩耗等による経時変化により、電動アクチュエータ25の出力とウエストゲートバルブ22の開度にズレが生じても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を素早く学習して修正できる。
また、この実施形態1のように、全閉位置の作動角θ1と、限界開度の作動角θ2とが異なる場合であっても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を学習できる。即ち、ウエストゲートバルブ22の全閉位置と、ウエストゲートバルブ22の機械的な限界開度とが異なる場合であっても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を学習できる。
さらに、ウエストゲートバルブ22の全閉位置の学習を行う際に、電動アクチュエータ25に過大な駆動負荷を与えない。このため、電動アクチュエータ25の内蔵部品やウエストゲートリンク26等に大きな機械的ストレスを与えない。
(実施形態1の特徴技術2)
電動アクチュエータ25とウエストゲートバルブ22の間には、上述したように、電動アクチュエータ25の出力をウエストゲートバルブ22に伝達するウエストゲートリンク26が設けられる。このウエストゲートリンク26は、リンク機構に相当する。
このウエストゲートリンク26には、上述したように弾性部材24が設けられており、電動アクチュエータ25の出力が弾性部材24を介してウエストゲートバルブに伝えられる。
(効果2)
位置センサ27から求める全閉位置が、ウエストゲートバルブ22の実際の全閉位置に対してずれた場合などでは、高速で電動アクチュエータ25が閉弁側へ回動操作されて、ウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに強く衝突する懸念がある。
この場合、その衝突エネルギーを弾性部材24によって吸収することができる。このため、ウエストゲートバルブ22および電動アクチュエータ25に衝突エネルギーが加わるのを抑制することができる。これにより、ウエストゲートバルブ22および電動アクチュエータ25の損傷を未然に防ぐことができ、ターボチャージャ2の信頼性を高めることができる。
(実施形態1の特徴技術3)
ウエストゲートバルブ22とタービンハウジング5bの間に異物が噛み込んだ状態で着座する場合や、ロッド26aの熱変形等によって電動アクチュエータ25の作動角に対する駆動負荷が変化する場合が懸念される。この場合は、全閉位置とは異なる作動角において角速度が変化して、全閉位置の誤学習が生じる懸念がある。
そこで、ECU28は、位置センサ27によって検出される電動アクチュエータ25の減速速度が所定の速度まで低下した時t1に、誤学習か否かの判定を行う。具体的にECU8は、位置センサ27によって検出される電動アクチュエータ25の作動角が、所定の第1所定値x1と所定の第2所定値x2の間の場合のみ、全閉位置を学習値として更新する。
(効果3)
この実施形態1では、時t1における電動アクチュエータ25の作動角が、第1所定値x1以上、もしくは第2所定値x2以下の場合、全閉位置を学習値として更新しない。このため、異物の噛み込みやロッド26aの熱変形等により全閉位置とは異なる作動角で角速度が減速する不具合が生じても、全閉位置の誤学習を防止できる。
(実施形態1の特徴技術4)
ウエストゲートバルブ22の全閉位置は、高温になるタービンハウジング5bの熱膨張と、高温に晒されるロッド26aの熱膨張の影響を受ける。
そこで、ECU28は、タービンハウジング5bの温度と、ロッド26aの温度とに基づいて、上述した第1所定値x1と第2所定値x2を算出する。
具体的な一例を、図6、図7に基づいて説明する。
ECU28は、エンジン回転数とエンジン負荷からタービンハウジング5bの温度を求めるハウジング温度算出部30aを備える。
また、ECU28は、車両の外気温度と車速からロッド26aの温度を求めるロッド温度算出部30bを備える。
さらに、ECU28は、ハウジング温度算出部30aで求めたタービンハウジング5bの温度と、ロッド温度算出部30bで求めたロッド26aの温度とから、第1所定値x1と第2所定値x2を算出する演算部30cを備える。
エンジン回転数は、エンジン回転数センサ29によって検出される。エンジン負荷は、図示しないエアフロメータによって検出される吸気量、あるいは過給圧センサ14によって検出される吸気圧、またはスロットルバルブ開度やアクセル開度等から求める。
外気温度は、図示しない外気温度センサにより求められる。車速は、図示しない車速センサにより求められる。
ハウジング温度算出部30aは、図6(b)に示すように、エンジン1の回転数と、エンジン1の負荷との関係から、タービンハウジング5bの温度を求めるマップを備えており、このマップに基づいてタービンハウジング5bの温度を算出する。なお、図6(b)の横軸はエンジン負荷の変化を示す。また、図6(b)の実線K1〜K3はエンジン回転数の変化を示す。
ロッド温度算出部30bは、図6(c)に示すように、車両の外気温度と、車速との関係から、ロッド26aの温度を求めるマップを備えており、このマップに基づいてロッド26aの温度を算出する。なお、図6(c)の横軸は車速変化を示す。また、図6(c)の実線L1〜L3は外気温度の変化を示す。
演算部30cは、図7(a)に示すように、ハウジング温度算出部30aで求めたタービンハウジング5bの温度と、ロッド温度算出部30bで求めたロッド26aの温度との関係から、第1所定値x1を求めるマップを備えており、このマップに基づいて第1所定値x1を算出する。なお、図7(a)の横軸はタービンハウジング5bの温度変化を示す。また、図7(a)の実線M1〜M3はロッド26aの温度変化を示す。
また、演算部30cは、図7(b)に示すように、ハウジング温度算出部30aで求めたタービンハウジング5bの温度と、ロッド温度算出部30bで求めたロッド26aの温度との関係から、第2所定値x2を求めるマップを備えており、このマップに基づいて第2所定値x2を算出する。なお、図7(b)の横軸はタービンハウジング5bの温度変化を示す。また、図7(b)の実線N1〜N3はロッド26aの温度変化を示す。
(効果4)
この実施形態1では、運転状態や車両環境等によって変化するタービンハウジング5bの温度とロッド26aの温度に基づいて、全閉位置の誤学習の防止を行う判定値である第1所定値x1と第2所定値x2を設定している。
このため、タービンハウジング5bの熱膨張とロッド26aの熱膨張の影響を受けてウエストゲートバルブ22の全閉位置が変化する場合であっても、高い精度で全閉位置の誤学習を防止できる。
また、タービンハウジング5bの温度を、エンジン1の回転数とエンジン1の負荷とに基づいて推定するため、タービンハウジング5bの温度を検出するためのセンサを不要にできる。
同様に、ロッド26aの温度を、ECU28に入力される車両の外気温度と車速とに基づいて推定するため、ロッド26aの温度を検出するためのセンサを不要にできる。
[実施形態2]
図8〜図10に基づいて実施形態2を説明する。
なお、以下の各実施形態において上記実施形態1と同一符合は同一機能物を示すものである。また、以下の各実施形態では、先に説明した実施形態に対する変更箇所のみを開示するものであり、説明していない箇所については先行して説明した形態を採用するものである。
実施形態2のタービンハウジング5bの内部には、排気ガスを旋回させてタービンホイール5aへ吹き付ける独立した第1、第2スクロール通路31、32が設けられる。
また、実施形態2のターボチャージャ2は、第2スクロール通路32の開閉を行う流量調整バルブ33を備える。
第1スクロール通路31は、排気ガスが常に通過するように設けられる。具体的に、第1スクロール通路31の排気上流部は、タービンハウジング5bにおける排気ガスの流入口と常に連通している。このため、エンジン1から排出された排気ガスが常に第1スクロール通路31を通ってタービンホイール5aに吹きつけられる。
第2スクロール通路32の排気上流部は、第1スクロール通路31と同様、タービンハウジング5bにおける排気ガスの流入口に連通する。しかるに、第2スクロール通路32は、タービンハウジング5bに組み付けられた流量調整バルブ33によって開閉および開度調整される。具体的には、流量調整バルブ33がバイパス路21の開度調整を行うことで、第2スクロール通路32を通過する排気ガス量がコントロールされる。
流量調整バルブ33の具体的な構造は限定するものではないが、この実施形態2ではウエストゲートバルブ22と同様、タービンハウジング5bの内部で回動操作されるスイングバルブを採用する。
なお、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33の両方は、図9に示すように、排気下流側へ移動することで開弁する外開弁タイプである。なお、図9とは異なり、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33の両方が、排気上流側へ移動することで開弁する内開弁タイプであっても良い。
具体的に、流量調整バルブ33は、第2スクロール通路32を閉塞可能な弁傘形状を呈するものであり、熱膨張差を吸収するべく、流量調整バルブ33を回動操作するバルブアーム33aとの間にクリアランスが設けられる。
なお、バルブアーム33aは、タービンハウジング5bに対して回転自在に支持されるバルブ軸33bと一体に回動する。このバルブ軸33bの一部は、タービンハウジング5bの外部に露出する。そして、タービンハウジング5bの外部に露出するバルブ軸33bには、このバルブ軸33bと一体に回動する外部レバー33cが結合されており、この外部レバー33cを回動操作することでウエストゲートバルブ22が回動操作される。
この実施形態2のウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33は、1つの電動アクチュエータ25によって駆動される。
電動アクチュエータ25と流量調整バルブ33の間には、電動アクチュエータ25の出力トルクを流量調整バルブ33に伝える切替リンク34が設けられる。
この切替リンク34は、電動アクチュエータ25の出力を、上述した外部レバー33cに伝えるロッド34aを備える。
図10(a)の実線C1に示すように、過給圧を低下させる場合、ウエストゲートバルブ22を閉じた状態で、先ず流量調整バルブ33を開いて過給圧を低下させる。そしてさらに過給圧を低下させる場合には、ウエストゲートバルブ22を開いて過給圧を低下させる。
即ち、この実施形態2では、流量調整バルブ33が全閉状態から全開に向かって変化する際、流量調整バルブ33の開度が所定開度に達した後にウエストゲートバルブ22が開き始めるように設けられる。
具体的に、実施形態2のウエストゲートリング26には、電動アクチュエータ25の出力特性を変化させてウエストゲートバルブ22へ伝達する特性変換部35が設けられる。この特性変換部35は、流量調整バルブ33が全閉状態から全開に向かって変化する際に、流量調整バルブ33の開度が所定開度に達した後にウエストゲートバルブ22を開弁するように設けられている。
電動アクチュエータ25の作動角は、少なくとも流量調整バルブ33が強く閉じられることで機械的に制限される。流量調整バルブ33が強く閉じられる電動アクチュエータ25の作動角をθ0とする。そして、作動角θ0から電動アクチュエータ25の作動角を徐々に大きくすることで、図10(b)の実線C2に示すように流量調整バルブ33の開度が大きくなる。
そして、電動アクチュエータ25の作動角をθ1より大きくすることで、図10(b)の実線C3に示すように、ウエストゲートバルブ22が閉弁状態から開弁状態に切り替わる。
一方、ウエストゲートバルブ22が開かれた状態からウエストゲートバルブ22を全閉させる場合、作動角θ1でウエストゲートバルブ22が全閉位置に達する。この状態から、電動アクチュエータ25の作動角をさらに閉弁方向へ回動させると、特性変換部35に設けた弾性部材24が圧縮される。
その結果、図10(c)の実線C4に示すように、電動アクチュエータ25の駆動負荷が上昇する。そして、実施形態1で説明したように、角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減した際に、ウエストゲートバルブ22の開度を制御上の全閉位置として学習する全閉位置学習を実行する。
なお、ウエストゲートバルブ22がハードストップ位置に達した後に、弾性部材24の反力に抗して電動アクチュエータ25を閉弁方向へさらに回動させると、流量調整バルブ33の開度が閉弁方向に向かって小さくなるとともに、電動アクチュエータ25の駆動負荷がさらに上昇する。
(実施形態2の効果)
1つの電動アクチュエータ25を用いて、流量調整バルブ33の開度途中でウエストゲートバルブ22が開き始めるターボチャージャ2の場合、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を突当制御で検出することができない。
しかるに、この実施形態2のターボチャージャ2は、電動アクチュエータ25を駆動デューティ一定の安定した平均電流で駆動させて、ウエストゲートバルブ22を開弁状態から全閉状態へ制御する際で、且つ角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減した時に、ウエストゲートバルブ22の開度を全閉位置として学習する。
このため、1つの電動アクチュエータ25を用いて、流量調整バルブ33の開度途中でウエストゲートバルブ22が開き始めるターボチャージャ2であっても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施できる。
即ち、アクチュエータ数を減らしても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施できる。
[実施形態3]
図11〜図13に基づいて実施形態3を説明する。
上記の実施形態2で説明したように、電動アクチュエータ25の出力トルクは、ウエストゲートリンク26を介してウエストゲートバルブ22に伝えられる。なお、図11では、ウエストゲートリンク26の具体例として、電動アクチュエータ25の出力アーム25aでロッド26aを駆動する4節リンクを示す。
このため、ウエストゲートバルブ22が受ける排気ガスの荷重は、ウエストゲートリンク26を介して電動アクチュエータ25に伝えられる。このように、ウエストゲートバルブ22が受けて電動アクチュエータ25に伝えられる排気ガスの荷重を第1排気荷重とする。
同様に、電動アクチュエータ25の出力トルクは、切替リンク34を介して流量調整バルブ33に伝えられる。なお、図11では、切替リンク34の具体例として、電動アクチュエータ25の出力アーム25bがロッド34aを駆動する4節リンクを示す。
このため、流量調整バルブ33が受ける排気ガスの荷重は、切替リンク34を介して電動アクチュエータ25に伝えられる。このように、流量調整バルブ33が受けて電動アクチュエータ25に伝えられる排気ガスによる荷重を第2排気荷重とする。
上記の実施形態2とは異なり、この実施形態3は、ウエストゲートバルブ22または流量調整バルブ33の一方が内開弁タイプで、ウエストゲートバルブ22または流量調整バルブ33の他方が外開弁タイプである。
具体的な一例として、この実施形態3は、図11に示すように、ウエストゲートバルブ22が外開弁タイプであり、流量調整バルブ33が内開弁タイプを採用する。
このように、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33が、内開弁タイプと外開弁タイプの場合は、第1排気荷重と第2排気荷重が打消合う。この打消合いにより、電動アクチュエータ25を作動角θ1よりさらに全閉側へ操作しても、図12(a)の実線D1に示すように電動アクチュエータ25の駆動電流が上昇しない。
このため、全閉位置学習を起動させると、ウエストゲートバルブ22が全閉位置とは異なる作動角で角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減する可能性があり、全閉位置の誤学習を招く不具合が生じる。
ここで、第1排気荷重と第2排気荷重が打消合う具体例を、図12(b)に基づき説明する。
作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作すると、実線D2に示すように、電動アクチュエータ25の作動角の変化に対して第1排気荷重が大きくなる。
これに対し、流量調整バルブ33は排気ガスから閉弁方向へ向かう圧力を受けるため、作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作する際、実線D3に示すように、電動アクチュエータ25の作動角の変化に対して第2排気荷重がマイナス側へ大きくなる。
電動アクチュエータ25の出力軸には、第1排気荷重と第2排気荷重が作用する。このため、作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作しても、実線D4に示すように、第1排気荷重と第2排気荷重が合わせられた荷重は上昇しない。
その結果、作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作しても、実線D1に示すように電動アクチュエータ25の駆動電流が上昇しない。
そこで、この実施形態3では、第1排気荷重と第2排気荷重の荷重差が、予め設定した所定荷重値β以上の時のみ全閉位置学習を行うように設けられる。
第1排気荷重と第2排気荷重の荷重差が所定荷重値β以上であるか否かの判断技術として、この実施形態3のECU28は、エンジン回転数とエンジン負荷に基づいて荷重差を求める。
一例として、この実施形態3では、エンジン回転数と吸気量に基づいて荷重差が所定荷重値β以上であるか否かの判断を行う。
具体的に、ECU28には、図13に示すように、エンジン回転数と吸気量の関係から荷重差を求めるマップが記憶される。なお、図13の横軸は吸気量の変化を示す。また、図13の実線E1〜E5はエンジン回転数の変化を示す。
ECU28は、エンジン回転数と吸気量を検出し、マップで荷重差を算出する。そして、ECU28は、算出された荷重差が所定荷重値β以上の時のみ、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施する。具体的には、エンジン回転数が低く、且つエンジン1に供給される吸気量が多い状態の時のみ、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施する。
(実施形態3の効果)
この実施形態3を採用することにより、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33が、内開弁タイプと外開弁タイプの組合せであっても、全閉位置において電動アクチュエータ25の減速がなされるため、誤学習を招くことなく全閉位置を検出できる。
換言すると、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33が内開弁タイプと外開弁タイプの組合せであっても、ウエストゲートバルブ22のモニター精度を高めることができる。
[実施形態4]
図14、図15に基づいて実施形態4を説明する。
この実施形態4は、上述した実施形態2あるいは実施形態3の構成を採用する。
また、ECU28は、エンジン1の運転状態に基づいて目標過給圧を算出する。また、ECU28は、算出した目標過給圧に応じた電動アクチュエータ25を目標作動角を求め、電動アクチュエータ25を目標作動角に制御する。即ち、ECU28は、エンジン1の運転状態に応じた目標作動角(目標動作位置の一例)に電動アクチュエータ25をフィードフォワード制御する。
ECU28は、電動アクチュエータ25をフィードフォワード制御する目的で、目標過給圧に応じた目標作動角を算出する。具体的にECU28は、流量調整バルブ33のみを回動操作した場合における過給圧の変化と、ウエストゲートバルブ22のみを回動操作した場合における過給圧の変化との関係に基づいて、目標過給圧に応じた目標作動角を算出する。即ち、図14(a)に示す実線F1と、図14(b)に示す実線F2とを組み合わせた図14(c)に示す実線F3に基づいて、目標過給圧に応じた目標作動角を算出する。以下では、実線F1の特性を第1マップ、実線F2の特性を第2マップ、実線F3の特性を第3マップと称して説明する。
なお、図14中の破線Pは、ウエストゲートバルブ22を全閉にし、且つ流量調整バルブ33を全開にした時の過給圧を示す。
全閉位置学習によって更新されるウエストゲートバルブ22の全閉位置が開弁側あるいは閉弁側へ変化することにより、実線F1と実線F2とを組み合わせた実線F3では、実線F1と実線F2の交点が変化する。すると、電動アクチュエータ25を目標作動角に設定しても、目標過給圧が得られない不具合が生じる。
そこで、ECU28には、角速度を用いて検出したウエストゲートバルブ22の全閉位置に応じて目標動作角の補正を行う補正手段36aが設けられる。この補正手段36aは、制御プログラムであり、実線F1と実線F2の交点が開弁側あるいは全閉側へ変化しても、目標作動角と目標過給圧との関係のずれを修正するように設けられる。
具体的な一例を、図15に基づいて説明する。
ECU28は、ウエストゲートバルブ22の全閉位置が最も開弁側へずれた時に、ウエストゲートバルブ22のみを回動操作した場合における目標過給圧に応じた目標作動角を算出する開弁側マップ部36bを備える。
この開弁側マップ部36bは、目標過給圧とエンジン負荷(一例として、吸気量)との関係から、目標過給圧に応じた目標作動角の第2マップを算出する。
また、ECU28は、ウエストゲートバルブ22の全閉位置が最も閉弁側へずれた時に、ウエストゲートバルブ22のみを回動操作した場合における目標過給圧に応じた目標作動角を算出する閉弁側マップ部36cを備える。
この閉弁側マップ部36cは、目標過給圧とエンジン負荷(一例として、吸気量)との関係から、目標過給圧に応じた目標作動角の第2マップを算出する。
補正手段36aは、開弁側マップ部36bが算出した第2マップおよび閉弁側マップ部36cが算出した第2マップに基づいて、全閉位置学習で求めた作動角θ1に応じた第2マップを算出する。即ち、修正後の第2マップを算出する。続いて、補正手段36aは、修正した第2マップを第1マップに組み合わせて補正後の第3マップを作成する。
そして、フィードフォワード制御は、補正後の第3マップに基づいて目標過給圧に応じた目標作動角を求める。
(実施形態4の効果)
この実施形態4は、ウエストゲートバルブ22の全閉位置が開弁側あるいは閉弁側へ変化しても、全閉位置の変化に応じて第2マップを修正してフィードフォワード制御に用いる第3マップを補正する。
このため、ウエストゲートバルブ22の全閉位置が開弁側あるいは閉弁側へ変化しても、電動アクチュエータ25を目標作動角に設定することで目標過給圧を得ることができる。即ち、ウエストゲートバルブ22の全閉位置が変化しても、フィードフォワード制御により正確な過給圧制御を実施できる。
1 エンジン
5a タービンホイール
21 バイパス路
22 ウエストゲートバルブ
25 電動アクチュエータ
27 位置センサ
28 ECU(制御装置)

Claims (8)

  1. エンジン(1)の排気ガスにより回転駆動されるタービンホイール(5a)と、
    前記タービンホイールの排気上流側の排気ガスを、前記タービンホイールを迂回させて、前記タービンホイールの排気下流側へ導くバイパス路(21)の開閉を行うウエストゲートバルブ(22)と、
    前記ウエストゲートバルブを駆動する電動アクチュエータ(25)と、
    前記電動アクチュエータの機械的な動作を検出する位置センサ(27)と、
    前記電動アクチュエータを通電制御することで前記ウエストゲートバルブの開度を制御する制御装置(28)とを備え、
    前記電動アクチュエータと前記ウエストゲートバルブの間には、前記電動アクチュエータの出力を前記ウエストゲートバルブに伝達するリンク機構(26)が設けられ、
    前記リンク機構は、前記電動アクチュエータの出力を、弾性変形可能な弾性部材(24)を介して前記ウエストゲートバルブに伝え、
    前記制御装置は、前記ウエストゲートバルブを開弁状態から全閉状態へ制御する際、前記位置センサによって検出される前記電動アクチュエータの減速速度が所定の速度まで低下した時(t1)に、前記ウエストゲートバルブの開度を全閉位置として学習することを特徴とするターボチャージャ。
  2. 請求項1に記載のターボチャージャにおいて、
    前記制御装置は、前記位置センサによって検出される前記電動アクチュエータの減速速度が所定の速度まで低下した時、前記位置センサによって検出される前記電動アクチュエータの位置が、所定の第1所定値(x1)と所定の第2所定値(x2)の間の場合のみ、前記全閉位置を学習値として更新することを特徴とするターボチャージャ。
  3. 請求項2に記載のターボチャージャにおいて、
    前記第1所定値と前記第2所定値は、前記タービンホイールを収容するタービンハウジング(5b)の温度と前記電動アクチュエータの出力を前記ウエストゲートバルブに伝えるロッド(26a)の温度に基づいて求められることを特徴とするターボチャージャ。
  4. 請求項3に記載のターボチャージャにおいて、
    前記制御装置は、
    前記エンジンの回転数と前記エンジンの負荷から前記タービンハウジングの温度を求めるとともに、
    前記エンジンを搭載する車両の外気温度と前記車両の車速から前記ロッドの温度を求めることを特徴とするターボチャージャ。
  5. 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載のターボチャージャにおいて、
    前記タービンホイールを収容するタービンハウジングの内部には、排気ガスを旋回させて前記タービンホイールへ吹き付ける独立した第1、第2スクロール通路(31、32)が設けられ、
    当該ターボチャージャは、前記第2スクロール通路の開閉を行う流量調整バルブ(33)を備え、
    前記ウエストゲートバルブと前記流量調整バルブは、1つの前記電動アクチュエータによって駆動されるものであり、
    前記流量調整バルブが全閉状態から全開に向かって変化する際、前記流量調整バルブの開度が所定開度に達した後に前記ウエストゲートバルブが開き始めることを特徴とするターボチャージャ。
  6. 請求項5に記載のターボチャージャにおいて、
    前記ウエストゲートバルブまたは前記流量調整バルブの一方は、排気上流側へ移動することで開弁する内開弁タイプであり、
    前記ウエストゲートバルブまたは前記流量調整バルブの他方は、排気下流側へ移動することで開弁する外開弁タイプであり、
    前記ウエストゲートバルブに作用して前記電動アクチュエータに伝えられる排気ガスによる荷重を第1排気荷重とし、
    前記流量調整バルブに作用して前記電動アクチュエータに伝えられる排気ガスによる荷重を第2排気荷重とした場合、
    前記制御装置は、前記第1排気荷重と前記第2排気荷重の荷重差が、予め設定した所定荷重値(β)以上の時のみ前記学習を行うことを特徴とするターボチャージャ。
  7. 請求項6に記載のターボチャージャにおいて、
    前記制御装置は、前記エンジンの回転数と前記エンジンの負荷に基づいて前記荷重差を求めることを特徴とするターボチャージャ。
  8. 請求項5ないし請求項7の内のいずれか1つに記載のターボチャージャにおいて、
    前記制御装置は、前記電動アクチュエータを前記エンジンの運転状態に応じた目標動作位置にフィードフォワード制御するものであり、前記全閉位置の変化に応じて前記目標動作位置の補正を行うことを特徴とするターボチャージャ
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