JP6477404B2 - ターボチャージャ - Google Patents
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Description
特許文献1のターボチャージャは、ウエストゲートバルブが電動アクチュエータにより駆動操作されるものであり、電動アクチュエータは制御装置によって通電制御される。
特許文献1の制御装置は、目標過給圧と実過給圧のズレ量が閾値以上で、且つウエストゲートバルブの目標開度と実開度のズレ量が閾値以下の時に、全閉位置学習を行う。
このため、従来技術に比較して、エストゲートバルブの全閉位置の学習時間を短縮できる。具体的には、ハウジング等の温度変化や、摩耗等による経時変化により、電動アクチュエータの出力とウエストゲートバルブの開度にズレが生じても、ウエストゲートバルブの全閉位置を素早く学習して修正できる。
図1〜図7に基づいて実施形態1を説明する。
自動車に搭載される走行用のエンジン1は、ターボチャージャ2を搭載する。
エンジン1は、燃料の燃焼を行って走行用の出力を発生する内燃機関であり、吸気をエンジン気筒内へ導く吸気通路3を備えるとともに、気筒内で発生した排気ガスを浄化して大気中に排出する排気通路4を備える。
そして、タービンホイール5aとコンプレッサホイール6aは、センターハウジングによって高速回転自在に支持されるシャフト7を介して結合される。
排気通路4には、排気タービン5の他に、排気タービン5の排気下流側に配置されて排気ガスの浄化を行う触媒15、排気音を消音させて排気ガスを大気中に排出するマフラー16などが設けられている。
このバイパス路21は、ウエストゲートバルブ22によって開閉される。このウエストゲートバルブ22は、バイパス路21の開度調整を行なうものであり、ウエストゲートバルブ22の開度調整により、タービンホイール5aを迂回する排気ガス量がコントロールされる。
また、ウエストゲートバルブ22は、冷間始動直後など、触媒15の温度が活性化温度に達していない時に、バイパス路21を開いて触媒15の暖機を行う。
具体的に、ウエストゲートバルブ22は、バイパス路21の開口端を閉塞可能な弁傘形状を呈するものであり、熱膨張差を吸収するべく、ウエストゲートバルブ22を回動操作するバルブアーム23aとの間にクリアランスが設けられる。
電動アクチュエータ25は、排気ガスの熱影響を回避する目的で、排気タービン5から離れた吸気コンプレッサ6等に搭載される。このように、電動アクチュエータ25は、ウエストゲートバルブ22から離れた位置に搭載される。このため、電動アクチュエータ25とウエストゲートバルブ22の間には、電動アクチュエータ25の出力をウエストゲートバルブ22に伝達するためのウエストゲートリンク26が設けられる。
また、ウエストゲートリンク26は、図2に示すように、電動アクチュエータ25の出力を、弾性変形可能な弾性部材24を介してウエストゲートバルブ22に伝える。
また、弾性部材24は、ウエストゲートバルブ22が全閉位置に達した後、電動アクチュエータ25を閉弁側へさらに回動させた際に、電動アクチュエータ25の作動角を閉弁側へ少量回動させる手段としても用いられる。
電動アクチュエータ25の具体例は、通電により回転出力を発生する電動モータ(例えばDCモータ)と、この電動モータの回転出力を減速して出力トルクを増大させる減速装置(例えば歯車減速装置)とを組み合わせて構成される。
他の過給圧制御の具体例を示すと、ECU28は、エンジン1の運転状態に基づいて目標過給圧を算出する。そして、目標過給圧に応じたウエストゲートバルブ22の目標開度を算出する。そして、算出した目標開度と位置センサ27によって検出したウエストゲートバルブ22の実開度とが一致するように電動アクチュエータ25を制御する。
上述したように、この実施形態1のターボチャージャ2は、排気ガスにより回転駆動されるタービンホイール5aと、バイパス路21の開閉を行うウエストゲートバルブ22とを備える。
また、ターボチャージャ2は、ウエストゲートバルブ22を駆動する電動アクチュエータ25と、電動アクチュエータ25の出力軸の作動角(機械的な動作の一例)を検出する位置センサ27とを備える。
さらに、ターボチャージャ2は、電動アクチュエータ25を通電制御することでウエストゲートバルブ22の開度を制御するECU28を備える。このECU28は、制御装置に相当する。
そこで、ECU28は、位置センサ27によって求めるウエストゲートバルブ22の実開度をモニターする。
しかし、タービンハウジング5b等の温度変化や、電動アクチュエータ25からウエストゲートバルブ22に駆動トルクを伝達する途中部品の摩耗による経時変化などにより、ウエストゲートバルブ22の実開度のモニター精度が低下することが懸念される。
即ち、位置センサ27から求める実開度が全閉位置にあっても、実際の全閉位置が閉弁側にずれて僅かに開弁したり、逆に実際の全閉位置が開弁側にずれて閉弁時に減速が遅れてウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに衝突する可能性がある。
電動アクチュエータ25の作動角を開弁側から全閉方向に向かって回動させると、図3(b)の実線A2に示すように、ウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに着座する直前に、弾性部材24が圧縮を開始する。弾性部材24が圧縮を開始すると、電動アクチュエータ25の駆動負荷が増加する。
続いて、ウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに着座する全閉位置に達する。この時の電動アクチュエータ25の作動角がθ1である。
ステップS1:この制御ルーチンに侵入すると、先ず、位置センサ27の出力に基づいて角速度を算出するとともに、エンジン1の運転状態からウエストゲートバルブ22の目標開度を算出し、さらに位置センサ27からウエストゲートバルブ22の実開度を算出する。
ステップS2:続いて、ウエストゲートバルブ22の実開度が、予め設定した所定開度以下であるか否かの判断を行う。この判断結果がYESの場合は、この制御ルーチンを終了する。
ステップS4:上記ステップS3の判断結果がYESの場合は、判定用の所定値αを求める。
ステップS5:角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減したか否かの判断を行う。即ち、角速度の絶対値の低減が判定用の所定値α以下であるか否かの判断を行う。この判断結果がNOの場合は、この制御ルーチンを終了する。
従来技術の作動例と実施形態1の作動例を比較して実施形態1の効果を説明する。
先ず、従来技術の作動例を説明する。なお、図4では、従来技術の作動例を破線J1〜J4で示す。
従来技術では、ウエストゲートバルブ22を開状態から全閉位置へ戻す際で、且つウエストゲートバルブ22の目標開度と実開度にズレを検出する場合に、全閉位置学習を開始する。
続いて、電動アクチュエータ25に与える駆動電流を徐々に小さくする。そして、従来技術では、駆動電流が所定値まで低下した時t2に、ウエストゲートバルブ22の開度を制御上の全閉位置として学習する。
実施形態1では、ウエストゲートバルブ22の開度を、開状態から全閉位置へ戻す際、電動アクチュエータ25の駆動デューティ比が一定の安定した駆動電流で、電動アクチュエータ25の作動角を開弁側から全閉方向に向かって回動させる。この時、図4(c)の実線B3に示すように、先ず電動アクチュエータ25の角速度が加速して最大加速に達する。
そして、角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減した時t1に、全閉位置学習が行われるとともに、全閉位置学習が終了する。
具体的に、タービンハウジング5b等の温度変化や、摩耗等による経時変化により、電動アクチュエータ25の出力とウエストゲートバルブ22の開度にズレが生じても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を素早く学習して修正できる。
さらに、ウエストゲートバルブ22の全閉位置の学習を行う際に、電動アクチュエータ25に過大な駆動負荷を与えない。このため、電動アクチュエータ25の内蔵部品やウエストゲートリンク26等に大きな機械的ストレスを与えない。
電動アクチュエータ25とウエストゲートバルブ22の間には、上述したように、電動アクチュエータ25の出力をウエストゲートバルブ22に伝達するウエストゲートリンク26が設けられる。このウエストゲートリンク26は、リンク機構に相当する。
このウエストゲートリンク26には、上述したように弾性部材24が設けられており、電動アクチュエータ25の出力が弾性部材24を介してウエストゲートバルブに伝えられる。
位置センサ27から求める全閉位置が、ウエストゲートバルブ22の実際の全閉位置に対してずれた場合などでは、高速で電動アクチュエータ25が閉弁側へ回動操作されて、ウエストゲートバルブ22がタービンハウジング5bに強く衝突する懸念がある。
この場合、その衝突エネルギーを弾性部材24によって吸収することができる。このため、ウエストゲートバルブ22および電動アクチュエータ25に衝突エネルギーが加わるのを抑制することができる。これにより、ウエストゲートバルブ22および電動アクチュエータ25の損傷を未然に防ぐことができ、ターボチャージャ2の信頼性を高めることができる。
ウエストゲートバルブ22とタービンハウジング5bの間に異物が噛み込んだ状態で着座する場合や、ロッド26aの熱変形等によって電動アクチュエータ25の作動角に対する駆動負荷が変化する場合が懸念される。この場合は、全閉位置とは異なる作動角において角速度が変化して、全閉位置の誤学習が生じる懸念がある。
この実施形態1では、時t1における電動アクチュエータ25の作動角が、第1所定値x1以上、もしくは第2所定値x2以下の場合、全閉位置を学習値として更新しない。このため、異物の噛み込みやロッド26aの熱変形等により全閉位置とは異なる作動角で角速度が減速する不具合が生じても、全閉位置の誤学習を防止できる。
ウエストゲートバルブ22の全閉位置は、高温になるタービンハウジング5bの熱膨張と、高温に晒されるロッド26aの熱膨張の影響を受ける。
そこで、ECU28は、タービンハウジング5bの温度と、ロッド26aの温度とに基づいて、上述した第1所定値x1と第2所定値x2を算出する。
ECU28は、エンジン回転数とエンジン負荷からタービンハウジング5bの温度を求めるハウジング温度算出部30aを備える。
また、ECU28は、車両の外気温度と車速からロッド26aの温度を求めるロッド温度算出部30bを備える。
さらに、ECU28は、ハウジング温度算出部30aで求めたタービンハウジング5bの温度と、ロッド温度算出部30bで求めたロッド26aの温度とから、第1所定値x1と第2所定値x2を算出する演算部30cを備える。
外気温度は、図示しない外気温度センサにより求められる。車速は、図示しない車速センサにより求められる。
この実施形態1では、運転状態や車両環境等によって変化するタービンハウジング5bの温度とロッド26aの温度に基づいて、全閉位置の誤学習の防止を行う判定値である第1所定値x1と第2所定値x2を設定している。
このため、タービンハウジング5bの熱膨張とロッド26aの熱膨張の影響を受けてウエストゲートバルブ22の全閉位置が変化する場合であっても、高い精度で全閉位置の誤学習を防止できる。
同様に、ロッド26aの温度を、ECU28に入力される車両の外気温度と車速とに基づいて推定するため、ロッド26aの温度を検出するためのセンサを不要にできる。
図8〜図10に基づいて実施形態2を説明する。
なお、以下の各実施形態において上記実施形態1と同一符合は同一機能物を示すものである。また、以下の各実施形態では、先に説明した実施形態に対する変更箇所のみを開示するものであり、説明していない箇所については先行して説明した形態を採用するものである。
また、実施形態2のターボチャージャ2は、第2スクロール通路32の開閉を行う流量調整バルブ33を備える。
なお、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33の両方は、図9に示すように、排気下流側へ移動することで開弁する外開弁タイプである。なお、図9とは異なり、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33の両方が、排気上流側へ移動することで開弁する内開弁タイプであっても良い。
電動アクチュエータ25と流量調整バルブ33の間には、電動アクチュエータ25の出力トルクを流量調整バルブ33に伝える切替リンク34が設けられる。
この切替リンク34は、電動アクチュエータ25の出力を、上述した外部レバー33cに伝えるロッド34aを備える。
即ち、この実施形態2では、流量調整バルブ33が全閉状態から全開に向かって変化する際、流量調整バルブ33の開度が所定開度に達した後にウエストゲートバルブ22が開き始めるように設けられる。
そして、電動アクチュエータ25の作動角をθ1より大きくすることで、図10(b)の実線C3に示すように、ウエストゲートバルブ22が閉弁状態から開弁状態に切り替わる。
その結果、図10(c)の実線C4に示すように、電動アクチュエータ25の駆動負荷が上昇する。そして、実施形態1で説明したように、角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減した際に、ウエストゲートバルブ22の開度を制御上の全閉位置として学習する全閉位置学習を実行する。
1つの電動アクチュエータ25を用いて、流量調整バルブ33の開度途中でウエストゲートバルブ22が開き始めるターボチャージャ2の場合、ウエストゲートバルブ22の全閉位置を突当制御で検出することができない。
しかるに、この実施形態2のターボチャージャ2は、電動アクチュエータ25を駆動デューティ一定の安定した平均電流で駆動させて、ウエストゲートバルブ22を開弁状態から全閉状態へ制御する際で、且つ角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減した時に、ウエストゲートバルブ22の開度を全閉位置として学習する。
即ち、アクチュエータ数を減らしても、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施できる。
図11〜図13に基づいて実施形態3を説明する。
上記の実施形態2で説明したように、電動アクチュエータ25の出力トルクは、ウエストゲートリンク26を介してウエストゲートバルブ22に伝えられる。なお、図11では、ウエストゲートリンク26の具体例として、電動アクチュエータ25の出力アーム25aでロッド26aを駆動する4節リンクを示す。
このため、ウエストゲートバルブ22が受ける排気ガスの荷重は、ウエストゲートリンク26を介して電動アクチュエータ25に伝えられる。このように、ウエストゲートバルブ22が受けて電動アクチュエータ25に伝えられる排気ガスの荷重を第1排気荷重とする。
このため、流量調整バルブ33が受ける排気ガスの荷重は、切替リンク34を介して電動アクチュエータ25に伝えられる。このように、流量調整バルブ33が受けて電動アクチュエータ25に伝えられる排気ガスによる荷重を第2排気荷重とする。
具体的な一例として、この実施形態3は、図11に示すように、ウエストゲートバルブ22が外開弁タイプであり、流量調整バルブ33が内開弁タイプを採用する。
このため、全閉位置学習を起動させると、ウエストゲートバルブ22が全閉位置とは異なる作動角で角速度の絶対値が判定用の所定値α分だけ低減する可能性があり、全閉位置の誤学習を招く不具合が生じる。
作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作すると、実線D2に示すように、電動アクチュエータ25の作動角の変化に対して第1排気荷重が大きくなる。
これに対し、流量調整バルブ33は排気ガスから閉弁方向へ向かう圧力を受けるため、作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作する際、実線D3に示すように、電動アクチュエータ25の作動角の変化に対して第2排気荷重がマイナス側へ大きくなる。
その結果、作動角θ1より電動アクチュエータ25を閉弁側へ操作しても、実線D1に示すように電動アクチュエータ25の駆動電流が上昇しない。
第1排気荷重と第2排気荷重の荷重差が所定荷重値β以上であるか否かの判断技術として、この実施形態3のECU28は、エンジン回転数とエンジン負荷に基づいて荷重差を求める。
一例として、この実施形態3では、エンジン回転数と吸気量に基づいて荷重差が所定荷重値β以上であるか否かの判断を行う。
ECU28は、エンジン回転数と吸気量を検出し、マップで荷重差を算出する。そして、ECU28は、算出された荷重差が所定荷重値β以上の時のみ、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施する。具体的には、エンジン回転数が低く、且つエンジン1に供給される吸気量が多い状態の時のみ、ウエストゲートバルブ22の全閉位置学習を実施する。
この実施形態3を採用することにより、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33が、内開弁タイプと外開弁タイプの組合せであっても、全閉位置において電動アクチュエータ25の減速がなされるため、誤学習を招くことなく全閉位置を検出できる。
換言すると、ウエストゲートバルブ22と流量調整バルブ33が内開弁タイプと外開弁タイプの組合せであっても、ウエストゲートバルブ22のモニター精度を高めることができる。
図14、図15に基づいて実施形態4を説明する。
この実施形態4は、上述した実施形態2あるいは実施形態3の構成を採用する。
また、ECU28は、エンジン1の運転状態に基づいて目標過給圧を算出する。また、ECU28は、算出した目標過給圧に応じた電動アクチュエータ25を目標作動角を求め、電動アクチュエータ25を目標作動角に制御する。即ち、ECU28は、エンジン1の運転状態に応じた目標作動角(目標動作位置の一例)に電動アクチュエータ25をフィードフォワード制御する。
なお、図14中の破線Pは、ウエストゲートバルブ22を全閉にし、且つ流量調整バルブ33を全開にした時の過給圧を示す。
ECU28は、ウエストゲートバルブ22の全閉位置が最も開弁側へずれた時に、ウエストゲートバルブ22のみを回動操作した場合における目標過給圧に応じた目標作動角を算出する開弁側マップ部36bを備える。
この開弁側マップ部36bは、目標過給圧とエンジン負荷(一例として、吸気量)との関係から、目標過給圧に応じた目標作動角の第2マップを算出する。
この閉弁側マップ部36cは、目標過給圧とエンジン負荷(一例として、吸気量)との関係から、目標過給圧に応じた目標作動角の第2マップを算出する。
そして、フィードフォワード制御は、補正後の第3マップに基づいて目標過給圧に応じた目標作動角を求める。
この実施形態4は、ウエストゲートバルブ22の全閉位置が開弁側あるいは閉弁側へ変化しても、全閉位置の変化に応じて第2マップを修正してフィードフォワード制御に用いる第3マップを補正する。
このため、ウエストゲートバルブ22の全閉位置が開弁側あるいは閉弁側へ変化しても、電動アクチュエータ25を目標作動角に設定することで目標過給圧を得ることができる。即ち、ウエストゲートバルブ22の全閉位置が変化しても、フィードフォワード制御により正確な過給圧制御を実施できる。
5a タービンホイール
21 バイパス路
22 ウエストゲートバルブ
25 電動アクチュエータ
27 位置センサ
28 ECU(制御装置)
Claims (8)
- エンジン(1)の排気ガスにより回転駆動されるタービンホイール(5a)と、
前記タービンホイールの排気上流側の排気ガスを、前記タービンホイールを迂回させて、前記タービンホイールの排気下流側へ導くバイパス路(21)の開閉を行うウエストゲートバルブ(22)と、
前記ウエストゲートバルブを駆動する電動アクチュエータ(25)と、
前記電動アクチュエータの機械的な動作を検出する位置センサ(27)と、
前記電動アクチュエータを通電制御することで前記ウエストゲートバルブの開度を制御する制御装置(28)とを備え、
前記電動アクチュエータと前記ウエストゲートバルブの間には、前記電動アクチュエータの出力を前記ウエストゲートバルブに伝達するリンク機構(26)が設けられ、
前記リンク機構は、前記電動アクチュエータの出力を、弾性変形可能な弾性部材(24)を介して前記ウエストゲートバルブに伝え、
前記制御装置は、前記ウエストゲートバルブを開弁状態から全閉状態へ制御する際、前記位置センサによって検出される前記電動アクチュエータの減速速度が所定の速度まで低下した時(t1)に、前記ウエストゲートバルブの開度を全閉位置として学習することを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項1に記載のターボチャージャにおいて、
前記制御装置は、前記位置センサによって検出される前記電動アクチュエータの減速速度が所定の速度まで低下した時、前記位置センサによって検出される前記電動アクチュエータの位置が、所定の第1所定値(x1)と所定の第2所定値(x2)の間の場合のみ、前記全閉位置を学習値として更新することを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項2に記載のターボチャージャにおいて、
前記第1所定値と前記第2所定値は、前記タービンホイールを収容するタービンハウジング(5b)の温度と前記電動アクチュエータの出力を前記ウエストゲートバルブに伝えるロッド(26a)の温度に基づいて求められることを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項3に記載のターボチャージャにおいて、
前記制御装置は、
前記エンジンの回転数と前記エンジンの負荷から前記タービンハウジングの温度を求めるとともに、
前記エンジンを搭載する車両の外気温度と前記車両の車速から前記ロッドの温度を求めることを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載のターボチャージャにおいて、
前記タービンホイールを収容するタービンハウジングの内部には、排気ガスを旋回させて前記タービンホイールへ吹き付ける独立した第1、第2スクロール通路(31、32)が設けられ、
当該ターボチャージャは、前記第2スクロール通路の開閉を行う流量調整バルブ(33)を備え、
前記ウエストゲートバルブと前記流量調整バルブは、1つの前記電動アクチュエータによって駆動されるものであり、
前記流量調整バルブが全閉状態から全開に向かって変化する際、前記流量調整バルブの開度が所定開度に達した後に前記ウエストゲートバルブが開き始めることを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項5に記載のターボチャージャにおいて、
前記ウエストゲートバルブまたは前記流量調整バルブの一方は、排気上流側へ移動することで開弁する内開弁タイプであり、
前記ウエストゲートバルブまたは前記流量調整バルブの他方は、排気下流側へ移動することで開弁する外開弁タイプであり、
前記ウエストゲートバルブに作用して前記電動アクチュエータに伝えられる排気ガスによる荷重を第1排気荷重とし、
前記流量調整バルブに作用して前記電動アクチュエータに伝えられる排気ガスによる荷重を第2排気荷重とした場合、
前記制御装置は、前記第1排気荷重と前記第2排気荷重の荷重差が、予め設定した所定荷重値(β)以上の時のみ前記学習を行うことを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項6に記載のターボチャージャにおいて、
前記制御装置は、前記エンジンの回転数と前記エンジンの負荷に基づいて前記荷重差を求めることを特徴とするターボチャージャ。 - 請求項5ないし請求項7の内のいずれか1つに記載のターボチャージャにおいて、
前記制御装置は、前記電動アクチュエータを前記エンジンの運転状態に応じた目標動作位置にフィードフォワード制御するものであり、前記全閉位置の変化に応じて前記目標動作位置の補正を行うことを特徴とするターボチャージャ。
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