JP2605721Y2 - 過給機付エンジン - Google Patents

過給機付エンジン

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JP2605721Y2
JP2605721Y2 JP1993052684U JP5268493U JP2605721Y2 JP 2605721 Y2 JP2605721 Y2 JP 2605721Y2 JP 1993052684 U JP1993052684 U JP 1993052684U JP 5268493 U JP5268493 U JP 5268493U JP 2605721 Y2 JP2605721 Y2 JP 2605721Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、エンジンの吸,排気系
にプライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機と
を並列に配置し、セカンダリターボ過給機側の吸,排気
系に配設された吸気制御弁,排気制御弁を開閉すること
によりセカンダリターボ過給機の過給作動を制御する過
給機付エンジンに関し、詳しくは、排気制御弁の全閉位
置を規制するストッパ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの吸,排気系にプライマリター
ボ過給機とセカンダリターボ過給機とを並列に配置し、
セカンダリターボ過給機に接続される吸,排気系に吸気
制御弁と排気制御弁とをそれぞれ配設し、エンジン運転
領域が低速域のときには両制御弁を共に閉弁してセカン
ダリターボ過給機の過給作動を停止させてプライマリタ
ーボ過給機のみを過給作動させ、高速域のときには両制
御弁を共に全開して両ターボ過給機を過給作動させるこ
とで、低速域から高速域に亘り出力性能の向上を可能と
する過給機付エンジンが知られている。ここで排気制御
弁は、開弁時の応答性等を重視して下流開き式に構成す
ることが本出願人により提案されている。
【0003】そして、上記排気制御弁は、実開平2−2
2618号公報に示されるように、全閉時に弁体の熱膨
張や経時変化を吸収してシール性を確保するため、アー
ムと弁体との間に遊びを設ける必要がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、下流開き式の
排気制御弁では、排気脈動の影響を直接受け、特に弁体
の開き始めや閉じ終了直前に、アームと弁体との間に遊
びがあるため排気脈動により弁体が振動して、弁座との
間で叩かれ音(チャタリング)を生じることがある。ま
た、排気制御弁を完全に全閉してセカンダリターボ過給
機の回転を停止すると、セカンダリターボ過給機は、そ
の潤滑系のオイルシールの機能が低下してオイル漏れを
生じることがある。更に、排気中の水分による凝縮水が
弁体を揺動する弁軸付近に溜って錆を発生したり、極低
温時には凝縮水の凍結で作動不良を生じる等の不都合が
ある。
【0005】本考案は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、下流開き式の排気制御弁の叩かれ音を防ぐと共に、
セカンダリターボ過給機のオイル漏れ、凝縮水等の不具
合を解消することが可能な過給機付エンジンを提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案による過給機付エンジンは、エンジンの吸,
排気系にプライマリターボ過給機とセカンダリターボ過
給機とを並列に配置し、共に全開のときにはセカンダリ
ターボ過給機を過給作動させ、共に全閉のときにはセカ
ンダリターボ過給機の過給作動を停止させる吸気制御
弁、下流開き式の排気制御弁を、セカンダリターボ過給
機に接続させる吸,排気系にそれぞれ配設した過給機付
エンジンにおいて、排気制御弁の作動リンクに排気制御
弁全閉を小開状態に規制するストッパを対向設置するこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】上記構成により、排気制御弁の作動リンクに対
向配置したストッパにより、排気制御弁の全閉時、排気
制御弁は完全に全閉することなく弁体と弁座とが離間し
た小開状態に保持される。このため、排気制御弁の開き
始めや閉じ終了直前においても弁体と弁座とが離間し、
排気脈動が作用しても両者の叩かれ音が生じなくなる。
また、排気制御弁の小開により排気の一部が排気制御弁
を介してセカンダリターボ過給機に作用してセカンダリ
ターボ過給機が微速回転され、その潤滑系のシール機能
が確保されると共に、排気中の水分の凝縮水による不具
合も生じなくなる。
【0008】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。先ず、図1において、本考案が適用される過給
機付エンジンの全体構成について説明する。符号1は水
平対向式エンジン(本実施例においては4気筒エンジ
ン)のエンジン本体であり、クランクケース2の左右の
バンク3,4に、燃焼室5、吸気ポート6、排気ポート
7、点火プラグ8、動弁機構9等が設けられている。そ
して左バンク3側に#2,#4気筒を、右バンク4側に
#1,#3気筒を備える。またこのエンジン短縮形状に
より左右バンク3,4の直後に、プライマリターボ過給
機40とセカンダリターボ過給機50がそれぞれ配設さ
れている。排気系として、左右バンク3,4からの共通
の排気管10が両ターボ過給機40,50のタービン4
0a,50aに連通され、タービン40a,50aから
の排気管11が1つの排気管12に合流して触媒コンバ
ータ13、マフラ14に連通される。プライマリターボ
過給機40は低中速域で過給能力の大きい小容量の低速
型であり、セカンダリターボ過給機50は中高速域で過
給能力の大きい大容量の高速型である。
【0009】吸気系として、エアクリーナ15に接続す
る吸気管16から2つに分岐した吸気管17a,17b
はそれぞれ両ターボ過給機40,50のブロワ40b,
50bに連通され、このブロワ40b,50bからの吸
気管18,19がインタークーラ20に連通される。そ
してインタークーラ20からスロットル弁21を有する
スロットルボデー27を介してチャンバ22に連通さ
れ、チャンバ22から吸気マニホールド23を介して左
右バンク3,4の各気筒に連通されている。またアイド
ル制御系として、エアクリーナ15の直下流の吸気管1
6と吸気マニホールド23の間のバイパス通路24に、
アイドル制御弁(ISCV)25と負圧で開く逆止弁2
6が、アイドル時や減速時に吸入空気量を制御するよう
に設けられる。
【0010】燃料系として、各気筒の吸気ポート6にイ
ンジェクタ30がそれぞれ配設される。また燃料タンク
32の燃料ポンプ31からの燃料通路33が、フィルタ
34、インジェクタ30、燃料圧レギュレータ35を介
して燃料タンク32に還流するように連通される。燃料
圧レギュレータ35は吸気マニホールド23の吸気圧力
に応じて圧力調整し、インジェクタ30の燃料圧力を吸
気圧力に対して常に一定の高さに保って、噴射信号のパ
ルス幅により燃料噴射制御することが可能になってい
る。点火系として、各気筒の点火プラグ8毎に連設する
点火コイル8aにイグナイタ36からの点火信号が入力
するように接続されている。
【0011】プライマリターボ過給機40の作動系につ
いて説明する。プライマリターボ過給機40は、タービ
ン40aに導入する排気のエネルギによりブロワ40b
を回転駆動し、空気を吸入、加圧して常に過給するよう
に作動する。タービン側にはダイアフラム式アクチュエ
ータ42を備えたプライマリウエストゲート弁41が設
けられる。アクチュエータ42の圧力室にはブロワ40
bの直下流からの制御圧通路44がオリフィス48を有
して連通し、過給圧が設定値以上に上昇すると応答良く
ウエストゲート弁41を開くように連通される。またこ
の制御圧通路44は更に過給圧をブロワ40bの上流側
にリークするデューティソレノイド弁43に連通し、こ
のデューティソレノイド弁43により所定の制御圧を生
じてアクチュエータ42に作用し、ウエストゲート弁4
1の開度を変化して過給圧制御する。ここでデューティ
ソレノイド弁43は後述する電子制御装置100からの
デューティ信号により作動し、デューティ信号のデュー
ティ比が小さい場合は高い制御圧でウエストゲート弁4
1の開度を増して過給圧を低下し、デューティ比が大き
くなるほどリーク量の増大により制御圧を低下し、ウエ
ストゲート弁41の開度を減じて過給圧を上昇する。
【0012】一方、スロットル弁急閉時のブロワ回転の
低下や吸気騒音の発生を防止するため、ブロワ40bの
下流としてスロットル弁21の近くのインタークーラ2
0の出口側と、ブロワ40bの上流との間にバイパス通
路46が連通される。そしてこのバイパス通路46にエ
アバイパス弁45が、スロットル弁急閉時に通路47に
よりマニホールド負圧を導入して開き、ブロワ下流に封
じ込められる加圧空気を迅速にリークするように設けら
れる。
【0013】セカンダリターボ過給機50の作動系につ
いて説明する。セカンダリターボ過給機50は同様に排
気によりタービン50aとブロワ50bが回転駆動して
過給するものであり、タービン側にアクチュエータ52
を備えたウエストゲート弁51が設けられている。また
タービン50aの上流の排気管10には、ダイアフラム
式アクチュエータ54を備えた下流開き式の排気制御弁
53が設けられ、ブロワ50bの下流には同様のアクチ
ュエータ56を備えたバタフライ式の吸気制御弁55が
設けられ、ブロワ50bの上、下流の間のリリーフ通路
58に過給圧リリーフ弁57が設けられる。
【0014】これら各弁の圧力動作系について説明す
る。先ず、負圧源のサージタンク60がチェック弁62
を有する通路61により吸気マニホールド23に連通し
て、スロットル弁全閉時に負圧を貯え且つ脈動圧を緩衝
する。また過給圧リリーフ弁57を開閉する過給圧リリ
ーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1、吸気制御弁55
を開閉する吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2、
排気制御弁53を開閉する第1と第2の排気制御弁用切
換ソレノイド弁SOL.3,SOL.4、排気制御弁5
3を小開制御するデューティソレノイド弁75、及びセ
カンダリウエストゲート弁51を開閉するセカンダリウ
エストゲート切換ソレノイド弁70を有する。各切換ソ
レノイド弁70,SOL.1〜4は電子制御装置100
からのON.OFF信号によりサージタンク60からの
負圧通路63の負圧、吸気制御弁下流に連通する正圧通
路64a,64bの正圧、大気圧等を選択し、各制御圧
通路70a〜74aによりアクチュエータ側に導いてセ
カンダリウエストゲート弁51、過給圧リリーフ弁5
7、及び両制御弁53,55を作動する。またデューテ
ィソレノイド弁75は電子制御装置100からのデュー
ティ信号によりアクチュエータ54の正圧室54aに作
用する正圧を可変制御し、排気制御弁53を小開制御す
る。
【0015】上記過給圧リリーフ弁用切換ソレノイド弁
SOL.1は、通電がOFFされると、正圧通路64a
側を閉じて負圧通路63側を開き、制御圧通路71aを
介して過給圧リリーフ弁57のスプリングが内装された
圧力室に負圧を導くことでスプリングの付勢力に抗して
過給圧リリーフ弁57を開く。また、ONされると、逆
に負圧通路63側を閉じて正圧通路64a側を開き過給
圧リリーフ弁57の圧力室に正圧を導くことで過給圧リ
リーフ弁57を閉じる。
【0016】吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2
は、OFFされると、大気ポートを閉じて負圧通路63
側を開き、制御圧通路72aを介してアクチュエータ5
6のスプリングが内装された圧力室に負圧を導くことで
スプリングの付勢力に抗して吸気制御弁55を閉じ、O
Nされると、負圧通路63側を閉じ大気ポートを開きア
クチュエータ56の圧力室に大気圧を導くことで圧力室
内のスプリングの付勢力により吸気制御弁55を開く。
【0017】セカンダリウエストゲート切換ソレノイド
弁70は、電子制御装置100により点火進角量等に基
づきハイオクガソリン使用と判断されたときのみOFF
され、レギュラーガソリン使用と判断されたときにはO
Nされる。そしてセカンダリウエストゲート切換ソレノ
イド弁70は、OFFされると吸気制御弁55の上流に
連通する通路65を閉じて大気ポートを開き、制御圧通
路70aを介して大気圧をアクチュエータ52に導入す
ることでアクチュエータ52内に配設されたスプリング
の付勢力によりセカンダリウエストゲート弁51を閉じ
る。また、ONで大気ポートを閉じ通路65側を開き、
両ターボ過給機40,50作動時のセカンダリターボ過
給機50下流の過給圧がアクチュエータ52に導かれ、
この過給圧に応じてセカンダリウエストゲート弁51を
開き、レギュラーガソリン使用時には、ハイオクガソリ
ン使用時に比べて相対的に過給圧が低下される。
【0018】また、第1の排気制御弁用切換ソレノイド
弁SOL.3からの制御圧通路73aが排気制御弁53
を作動するアクチュエータ54の正圧室54aに、第2
の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4からの制御
圧通路74aがアクチュエータ54のスプリングを内装
した負圧室54bにそれぞれ連通されている。そして両
切換ソレノイド弁SOL.3,4が共にOFFのとき、
第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.3は正圧
通路64b側を閉じ大気ポートを開き、第2の排気制御
弁用切換ソレノイド弁SOL.4は負圧通路63側を閉
じ大気ポートを開くことで、アクチュエータ54の両室
54a,54bが大気開放され、負圧室54bに内装さ
れたスプリングの付勢力により排気制御弁53が全閉す
る。また、両切換ソレノイド弁SOL.3,4が共にO
Nのとき、それぞれ大気ポートを閉じ、第1の排気制御
弁用切換ソレノイド弁SOL.3は正圧通路64b側を
開き、第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4
は負圧通路63側を開くことで、アクチュエータ54の
正圧室54aに正圧を、負圧室54bに負圧を導き、ス
プリングの付勢力に抗して排気制御弁53を全開する。
【0019】上記第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁
SOL.3からの制御圧通路73aにはオリフィス67
が設けられ、このオリフィス67の下流側と吸気管17
aにリーク通路66が連通され、このリーク通路66に
電子制御装置100からのデューティ信号により作動す
る排気制御弁小開制御用のデューティソレノイド弁75
が配設されている。そして排気制御弁用第1の切換ソレ
ノイド弁SOL.3のみがONで正圧をアクチュエータ
54の正圧室54aに供給し負圧室54bを大気開放す
る状態で、デューティソレノイド弁75によりその正圧
をリークして排気制御弁53を小開する。ここで、デュ
ーティソレノイド弁75はデューティ信号におけるデュ
ーティ比が大きいと、リーク量の増大により正圧室54
aに作用する正圧を低下して排気制御弁53の開度を減
じ、デューティ比が小さくなるほど正圧を高くして排気
制御弁53の開度を増すように動作する。そしてプライ
マリターボ過給機40のみを過給作動とするシングルタ
ーボ状態下でエンジン運転状態が所定の排気制御弁小開
制御領域内にあるとき、デューティソレノイド弁75に
よる排気制御弁53の開度で過給圧をフィードバック制
御し、この過給圧制御に伴い排気制御弁53を小開する
ように構成される。
【0020】各種のセンサについて説明すると、差圧セ
ンサ80が吸気制御弁55の上,下流の差圧を検出する
ように設けられ、絶対圧センサ81が切換ソレノイド弁
76により吸気管圧力と大気圧を選択して検出するよう
に設けられている。
【0021】またエンジン本体1にノックセンサ82が
取付られると共に、左右両バンク3,4を連通する冷却
水通路に水温センサ83が臨まされ、排気管10にO2
センサ84が装着されている。さらに、スロットル弁2
1にスロットル開度センサとスロットル弁全閉を検出す
るアイドルスイッチとを内蔵したスロットルセンサ85
が連設され、エアクリーナ15の直下流に吸入空気量セ
ンサ86が配設されている。
【0022】また、エンジン本体1に支承されたクラン
クシャフト1aにクランクロータ90が軸着され、この
クランクロータ90の外周に、電磁ピックアップ等から
なるクランク角センサ87が対設されている。さらに、
動弁機構9におけるカムシャフトに連設するカムロータ
91に、電磁ピックアップ等からなる気筒判別用のカム
角センサ88が対設されている。
【0023】次に、図2及び図3において、排気制御弁
53の構成について詳細に説明する。セカンダリターボ
過給機50はエンジン本体1の右バンク4の直後で車体
前後方向に略水平に搭載され、タービンハウジング50
cの下部に排気制御弁53の弁ボデー53aがボルト9
0により締結される。排気制御弁53は、弁ボデー53
aの弁ポート53bの下流に弁座53cを介して広い弁
室53dが形成され、弁室53dの内部に弁軸53eが
水平に設けられる。そして弁軸53eと一体的なアーム
53gに円板状の弁体53fが取付けられ、弁体53f
を下流開きで開閉するように構成される。
【0024】またセカンダリターボ過給機50の近傍の
ブラケット91にはアクチュエータ54が取付けられ
る。そしてアクチュエータ54が作動リンク54cのロ
ッド54dとレバー54eを介して排気制御弁53の弁
軸53eに連結される。
【0025】続いて、排気制御弁53の叩かれ音等の防
止対策について説明する。叩かれ音は弁体53fの全閉
とアーム53gとの遊びとに起因するので、全閉位置で
弁体53fを小開状態に規制し、この規制に基づいて遊
びを無くせば良い。そこで排気制御弁53の弁ボデー5
3aの外部において、レバー54eの全閉側に調節ねじ
93を備えたストッパ92が対向して全閉位置を規制す
るように設置される。そしてストッパ92の調節ねじ9
3を微調整して、排気制御弁作動系の誤差が吸収され、
更に弁体53fと弁座53cのクリアランスγが排気リ
ークを少なくして且つ叩かれ音を生じない適正な小開状
態に設定される。また排気制御弁53では、アーム53
gに対して弁体53fがナット53hで遊びの無いリジ
ットに固定される。
【0026】次に、図4に基づき電子制御系の構成につ
いて説明する。電子制御装置(ECU)100は、CP
U101,ROM102,RAM103,バックアップ
RAM104,及びI/Oインターフェイス105をバ
スラインを介して接続したマイクロコンピュータを中心
として構成され、各部に所定の安定化電源を供給する定
電圧回路106や駆動回路107が組込まれている。
【0027】上記定電圧回路106は、ECUリレー9
5のリレー接点を介してバッテリ96に接続され、この
バッテリ96に、上記ECUリレー95のリレーコイル
がイグニッションスイッチ97を介して接続されてい
る。また、上記バッテリ96には、上記定電圧回路10
6が直接接続され、さらに燃料ポンプリレー98のリレ
ー接点を介して燃料ポンプ31が接続されている。
【0028】すなわち、定電圧回路106は、上記イグ
ニッションスイッチ97がONされ、ECUリレー95
のリレー接点が閉となったとき、制御用電源を供給し、
また、イグニッションスイッチ97がOFFされたと
き、バックアップ用の電源をバックアップRAM104
に供給する。
【0029】また、上記I/Oインターフェイス105
の入カポートに、各種センサ80〜88,車速センサ8
9,及びバッテリ96が接続されている。また、I/O
インターフェイス105の出力ポートには、イグナイタ
36が接続され、さらに、駆動回路107を介してIS
CV25、インジェクタ30、各切換ソレノイド弁7
0,76,SOL.1〜4、デューティソレノイド弁4
3,75、及び燃料ポンプリレー98のリレーコイルが
接続されている。
【0030】そして、イグニッションスイッチ97がO
Nされると、ECUリレー95がONしてECU100
に電源が投入され、定電圧回路106を介して各部に定
電圧が供給され、ECU100は各種制御を実行する。
すなわち、ECU100においてCPU101が、RO
M102にメモリされている制御プログラムに基づき、
I/Oインターフェイス105を介して各種センサ80
〜89からの検出信号、及びバッテリ電圧等を入力処理
し、RAM103及びバックアップRAM104に格納
された各種データ、ROM102にメモリされている固
定データに基づき各種制御量を演算する。そして駆動回
路107により燃料ポンプリレー98をONし燃料ポン
プ31を通電して駆動させると共に、駆動回路107を
介して各切換ソレノイド弁70,76,SOL.1〜4
にON.OFF信号を、デューティソレノイド弁43,
75にデューティ信号を出力してターボ過給機作動個数
切換制御、及び過給圧制御を行い、演算した燃料噴射パ
ルス幅に相応する駆動パルス幅信号を所定のタイミング
で該当気筒のインジェクタ30に出力して燃料噴射制御
を行い、また、演算した点火時期に対応するタイミング
でイグナイタ36に点火信号を出力して点火時期制御を
実行し、ISCV25に制御信号を出力してアイドル回
転数制御等を実行する。
【0031】次に、作用について、ECU100による
過給機作動個数切換制御に基づき説明する。エンジン運
転時において、図5に示すように、エンジン回転数N及
びエンジン負荷Tp(基本燃料噴射パルス幅;=K×Q
/N,Kはインジェクタ特性補正定数、Qは吸入空気
量)による運転領域が、プライマリターボ過給機40の
み過給作動させるシングルターボ状態から両ターボ過給
機40,50を過給作動させるツインターボ状態へ切換
えるシングル→ツイン切換ラインL2よりも低速域のシ
ングルターボ領域にあり、且つ、図6に示すように、シ
ングル→ツイン切換判定ラインL2と予め設定された吸
気管圧力P1及びエンジン回転数N1とで囲まれる排気
制御弁小開制御領域外の低回転,低負荷域にあるとき、
4つの切換ソレノイド弁SOL.1〜4がいずれもOF
Fされる。そこで過給圧リリーフ弁57は、過給圧リリ
ーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1のOFFによりサ
ージタンク60からの負圧が圧力室に導入されることで
スプリングの付勢力に抗して開弁し、吸気制御弁55
は、吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2のOFF
によりアクチュエータ56の圧力室に負圧が導入される
ことでスプリングの付勢力に抗して逆に閉弁する。ま
た、排気制御弁53は、両排気制御弁用切換ソレノイド
弁SOL.3,4のOFFによりアクチュエータ54の
両室54a,54bに大気圧が導入されることでスプリ
ングの付勢力により閉弁する。そして排気制御弁53の
閉弁によりセカンダリターボ過給機50への排気の導入
が遮断され、セカンダリターボ過給機50が不作動とな
り、プライマリターボ過給機40のみ過給作動のシング
ルターボ状態となる。そしてプライマリターボ過給機4
0のみの過給作動により低速域で高い軸トルクが得られ
る。また吸気制御弁55の閉弁によりプライマリターボ
過給機40からの過給圧の吸気制御弁55を介してのセ
カンダリターボ過給機50側へのリークが防止され、過
給圧の低下が防止される。
【0032】このとき、排気制御弁53は、排気制御弁
53を動作するアクチュエータ54のレバー54eが図
2の実線のようにストッパ92の調節ねじ93に当接し
て規制され、排気制御弁53の弁体53fが図3の実線
で示すように弁座53cから離間した小開状態に保持さ
れる。またこのとき、排気制御弁53の弁体53fは、
ナット53hによりアーム53gにリジットに固定され
ているため、排気脈動が作用しても振動することなく、
チャタリングが防止される。
【0033】そして、セカンダリターボ過給機50の過
給作動停止時において、常に排気制御弁53が小開状態
に保持されるため、この弁開度に応じた少量の排気Eが
リークしてセカンダリターボ過給機50のタービンハウ
ジング50cに流入し、タービン50aとブロワ50b
が微速回転される。そこで不作動状態のセカンダリター
ボ過給機50は、微速回転により潤滑系のオイルシール
の油膜が確保されてオイル漏れ等が防止される。またリ
ークした排気により弁軸53e等が加熱されるため、排
気中の水分の凝縮水が付着したり、極低温時に凝縮水が
凍結することが防止される。そのときブロワ50bの下
流の空気圧が上昇しても、開弁する過給圧リリーフ弁5
7により適宜リークされる。
【0034】また、エンジン回転数N,エンジン負荷T
pが上昇して運転領域が図5に示す排気制御弁小開制御
領域に入ると、第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁S
OL.3のみをONする。そこでアクチュエータ54の
正圧室54aに正圧が導入されることでアクチュエータ
54のロッド54dが突出してレバー54eが揺動し、
排気制御弁53において弁軸53e,アーム53gによ
り弁体53fが開弁動作されて排気制御弁53は開度を
増すが、このときデューティソレノイド弁75によりア
クチュエータ54の正圧室54aに作用する正圧が調圧
され、排気制御弁53の小開開度(ただし、上述のスト
ッパ92により規制される小開開度よりも大きい)が制
御されてセカンダリターボ過給機50の回転数が上昇し
てセカンダリターボ過給機50が予備回転される。また
このとき、過給圧リリーフ弁57が開かれていること
で、予備回転によるセカンダリターボ過給機50による
コンプレッサ圧がリークされ、予備回転の円滑化が図ら
れる。
【0035】ここで、排気制御弁53が開き始める際、
弁体53fと弁座53cとが離間した状態から開かれ、
且つ弁体53fがアーム53gにナット53hによりリ
ジットに固定されているため、排気脈動が作用しても叩
かれ音を生じない。
【0036】そして、エンジン回転数N及びエンジン負
荷Tpによる運転領域がシングルターボ領域からシング
ル→ツイン切換ラインL2を境にツインターボ領域側に
移行すると(図5参照)、直ちに過給圧リリーフ弁用切
換ソレノイド弁SOL.1をONし、過給圧リリーフ弁
57を閉弁する。なお、これに同期して排気制御弁小開
制御用デューティソレノイド弁75が全閉されて正圧通
路64bを介しての正圧がリークされることなく直接ア
クチュエータ54の正圧室54aに導入され、排気制御
弁53の開度が増大される。そして、過給圧リリーフ弁
57の閉弁によりリリーフ通路58が遮断され、且つ排
気制御弁53の開度増大によりセカンダリターボ過給機
50の回転数がさらに上昇して吸気制御弁55上流のセ
カンダリターボ過給機50によるコンプレッサ圧が次第
に上昇され、ツインターボ状態への移行に備えられる。
その後、所定時間経過後に第2の排気制御弁用切換ソレ
ノイド弁SOL.4をONして排気制御弁53を全開に
し、さらにセカンダリターボ過給機50の予備回転数を
上昇させる。さらに所定時間経過後、セカンダリターボ
過給機50によるコンプレッサ圧が上昇し、吸気制御弁
55の上流圧と下流圧との差圧が設定値に達した時点で
吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2をONして吸
気制御弁55を開弁させ、プライマリターボ過給機40
の過給作動に加えてセカンダリターボ過給機50が過給
作動する。これにより高速域の排気流量の大きい領域で
は両ターボ過給機40,50の過給作動により高い軸ト
ルクが得られ出力が向上される。
【0037】また、エンジン回転数N,エンジン負荷T
pが減少してエンジン運転領域がツインターボ領域から
ツイン→シングル切換ラインL1(図5参照)を境にシ
ングルターボ領域側へ移行すると、所定時間経過後に4
つの切換ソレノイド弁SOL.1〜4がOFFされる。
これにより、過給圧リリーフ弁57が開弁されて、排気
制御弁53及び吸気制御弁55が共に閉弁されてセカン
ダリターボ過給機50の過給作動が停止され、プライマ
リターボ過給機40のみ過給作動のシングルターボ状態
に戻る。
【0038】ここで、排気制御弁53は、アクチュエー
タ54の両室54a,54bが大気開放されることで、
スプリングの付勢力によりアクチュエータ54のロッド
54dが引っ込んでレバー54eが揺動し、排気制御弁
53において弁軸53e,アーム53gにより弁体53
fが閉弁動作する。このとき全閉位置の直前でレバー5
4eが図2の実線のようにストッパ92の調節ねじ93
に当たって規制され、弁体53fは図3の実線のように
弁座53cから離間した小開状態で停止する。このた
め、排気脈動が作用しても叩かれ音が生じない。
【0039】なお、過給圧制御については、シングルタ
ーボ状態下での排気制御弁小開制御領域では、排気制御
弁53の小開開度制御による過給圧の変化が大きいこと
から、ウエストゲート弁41を閉弁し、この状態で目標
過給圧と実過給圧とに基づきPI制御によるデューティ
信号をデューティソレノイド弁75に与え、排気制御弁
53のみを用いて過給圧をフィードバック制御する。ま
た、シングルターボ状態下で排気制御弁小開制御領域外
のとき、及びツインターボ状態下では、プライマリター
ボ過給機40側のデューティソレノイド弁43に上述と
同様、PI制御によるデューティ信号を与え、プライマ
リターボ過給機40のウエストゲート弁41により過給
圧をフィードバック制御する。
【0040】以上、本考案の実施例について説明した
が、水平対向式以外のエンジンにも適用できる。
【0041】
【考案の効果】以上、説明したように本願考案による
と、過給機付エンジンの下流開き式の排気制御弁の作動
リンクの対向位置にストッパが付設されて全閉位置を小
開状態に規制するように構成されるので、排気制御弁
は、特に弁体の開き始めや閉じ終了直前に、全閉位置を
小開状態に規制することで排気脈動による叩かれ音を防
ぐことができて、騒音、耐久性等の点で有利になる。ま
た、排気制御弁の閉弁作用によりセカンダリターボ過給
機の過給作動が停止する場合、排気制御弁は、全閉位置
を小開状態に規制するため排気ガスの一部が排気制御弁
を介してセカンダリターボ過給機にリークするので、セ
カンダリターボ過給機が微速回転をして、セカンダリタ
ーボ過給機の潤滑系のオイルシール機能の低下によるオ
イル漏れを防止することができると共に、排気ガス中の
水分による凝縮水が排気制御弁の弁体を搖動する弁軸付
近に溜まらなくなるので錆の発生を防止し、また、極低
温時における凝縮水の凍結による弁体の作動不良を防止
する。また、ストッパは調節ねじを有するので、排気制
御弁の弁体と弁座のクリアランスを適正に微調整して、
排気制御弁の作動系の誤差を吸収したり、排気リーク量
を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案が適応される過給機付エンジンの一例を
示す構成図
【図2】本考案の実施例の要部を示す側面図
【図3】同要部の断面図
【図4】過給機付エンジンの制御系の回路図
【図5】シングルターボ状態とツインターボ状態との切
換え領域を示す説明図
【図6】排気制御弁小開制御領域を示す説明図
【符号の説明】 1 エンジン本体 10,11 排気管 16,17a,17b,18,19 吸気管 40 プライマリターボ過給機 50 セカンダリターボ過給機 53 排気制御弁 53c 弁座 53e 弁軸 53f 弁体 53g アーム 54c 作動リンク 55 吸気制御弁 92 ストッパ 93 調節ねじ

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸,排気系にプライマリター
    ボ過給機とセカンダリターボ過給機とを並列に配置し、
    共に全開のときにはセカンダリターボ過給機を過給作動
    させ、共に全閉のときにはセカンダリターボ過給機の過
    給作動を停止させる吸気制御弁、下流開き式の排気制御
    弁を、セカンダリターボ過給機に接続される吸,排気系
    にそれぞれ配設した過給機付エンジンにおいて、排気制
    御弁の作動リンクに排気制御弁全閉を小開状態に規制す
    るストッパを対向設置することを特徴とする過給機付エ
    ンジン。
  2. 【請求項2】 ストッパは排気制御弁の全閉位置の弁体
    と弁座のクリアランスを調整する調節ねじを有し、排気
    制御弁は弁軸と一体的なアームに弁体がリジットに固定
    されることを特徴とする請求項1記載の過給機付エンジ
    ン。
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