JP3159346B2 - 過給機付エンジンの制御方法 - Google Patents

過給機付エンジンの制御方法

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JP3159346B2 JP18141793A JP18141793A JP3159346B2 JP 3159346 B2 JP3159346 B2 JP 3159346B2 JP 18141793 A JP18141793 A JP 18141793A JP 18141793 A JP18141793 A JP 18141793A JP 3159346 B2 JP3159346 B2 JP 3159346B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの吸、排気系
にプライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機と
を並列に配置し、運転状態に基づきターボ過給機の作動
個数を切換える過給機付エンジンの制御方法に関し、詳
しくは、シングルターボ状態からツインターボ状態への
切換に際してプライマリターボ過給機の信頼性を向上す
る過給機付エンジンの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの吸、排気系にプライマ
リターボ過給機とセカンダリターボ過給機とを並列に配
置し、セカンダリターボ過給機に接続される吸、排気系
に吸気制御弁と排気制御弁をそれぞれ配設し、両制御弁
を開閉することで、過給機の作動個数をエンジン運転領
域に応じて適宜切換える過給機付エンジンが提案されて
いる。
【0003】そして、この過給機付エンジンでは、エン
ジン運転領域を低速域のシングルターボ領域と高速域の
ツインターボ領域とに区分し、運転領域がシングルター
ボ領域にあるとき、吸気制御弁を閉弁すると共に排気制
御弁を閉弁あるいは小開(セカンダリターボ過給機を予
備回転させるため)してプライマリターボ過給機のみを
過給動作させ、運転領域がツインターボ領域にあるとき
には、両制御弁を共に開弁して両ターボ過給機を過給動
作させ、低速域から高速域に亘り出力性能の向上を可能
としている。
【0004】また、図21に示すように、この種の過給
機付エンジンは、軸トルクとエンジン回転数との関係
(但し、エンジン負荷は一定)で見ると、プライマリタ
ーボ過給機のみ過給作動のシングルターボ時のトルク曲
線TQ1に対し、ある回転数N0 以上では両ターボ過給
を過給動作するツインターボ時のトルク曲線TQ2の方
が高くなり、高い軸トルクを得ることができるが、その
回転数N0 よりも低い領域では、セカンダリターボ過給
機の動作によりツインターボ時の軸トルクが却って低下
する。従って、図における両トルク曲線が一致する点C
で、シングルターボ状態からツインターボ状態に切換え
るようにしている。
【0005】もっとも、両トルク曲線の一致する回転数
はエンジン負荷によって異なるため、予め実験等により
エンジン負荷及びエンジン回転数に対応して両トルク曲
線の一致点を求め、図6に示すようにシングル→ツイン
切換判定ラインL2 を設定し、このシングル→ツイン切
換判定ラインL2 を境としてエンジン運転領域が低速側
のシングルターボ領域から高速側のツインターボ領域に
移行したときに、排気制御弁を小開させ、あるいは小開
維持し、セカンダリターボ過給機の回転数を上昇させ、
設定時間経過後に排気制御弁を全開し、セカンダリター
ボ過給機によるコンプレッサ圧を高め、その後、吸気制
御弁を開弁させプライマリターボ過給機のみ過給動作の
シングルターボ状態から両ターボ過給機過給動作のツイ
ンターボ状態に切換え、シングルターボ状態からツイン
ターボ状態への切換え時の過給圧低下に伴うトルク変動
を防止してトルクショックの発生を防止するようにして
いる(例えば、特開平3−260326号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行例では、エンジン運転領域がシングル→ツイン切換判
定ラインL2 を境にシングルターボ領域からツインター
ボ領域に移行した後、設定時間を経過しない限り排気制
御弁が全開されないため、上記設定時間内にエンジン回
転数及びエンジン負荷が急増してエンジン運転領域がシ
ングルターボ状態でのプライマリターボ過回転領域に移
行しても、排気制御弁は小開状態に保持される。このた
め、エンジン負荷及びエンジン回転数の急増で上昇した
高い排気圧の排気流の殆どがプライマリターボ過給機に
導入して、プライマリターボ過給機は、過回転状態とな
り臨界回転数に達してサージングを生じたり、熱負荷が
急増して損傷する虞れがある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、シングルターボ状態からツインターボ状態への切換
えに際し、エンジン運転領域のプライマリターボ過回転
領域への移行を的確に判断し、プライマリターボ過回転
領域へ移行したと判断されるときには直ちに排気制御弁
を全開して排気流を分散させ、プライマリターボ過給機
の過回転を防止して信頼性の向上を図ることが可能な過
給機付エンジンの制御方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による過給機付エンジンの制御方法は、エン
ジンの吸、排気系にプライマリターボ過給機とセカンダ
リターボ過給機とを並列に配置し、セカンダリターボ過
給機に接続される吸、排気系にそれぞれ吸気制御弁、排
気制御弁を配設し、高速域で上記両制御弁を共に全開し
て上記両ターボ過給機を共に過給動作させるツインター
ボ領域と低速域で吸気制御弁を閉弁すると共に排気制御
弁を閉弁あるいは小開して上記プライマリターボ過給機
のみを過給動作させるシングルターボ領域とにエンジン
運転領域を区分し、エンジン運転領域に基づき設定され
たシングル→ツイン切換判定値により設定されるシング
ル→ツイン切換判定ラインを境に上記運転領域がシング
ルターボ領域からツインターボ領域側に移行した後、設
定時間経過後に排気制御弁を全開させ、その後、吸気制
御弁を開弁させてプライマリターボ過給機のみ過給動作
のシングルターボ状態から両ターボ過給機過給動作のツ
インターボ状態に切換える過給機付エンジンの制御方法
において、エンジン運転状態に基づき、シングルターボ
状態下におけるプライマリターボ過給機の過回転を判断
する為のプライマリターボ過回転判定値を設定し、上記
設定時間を経過する前に、エンジン運転領域が上記プラ
イマリターボ過回転判定値によるプライマリターボ過回
転判定ラインをツインターボ領域側に越えたときには、
排気制御弁を全開させることを特徴とする。
【0009】
【作用】上記過給機付エンジンの制御方法では、エンジ
ン運転状態に基づき、シングルターボ状態下におけるプ
ライマリターボ過給機の過回転を判断する為のプライマ
リターボ過回転判定値を設定し、エンジン運転領域が、
シングルターボ状態からツインターボ状態への切換えを
判断する為のシングル→ツイン切換判定ラインをシング
ルターボ領域からツインターボ領域側に移行した後、設
定時間を経過する前に、プライマリターボ過回転判定値
によるプライマリターボ過回転判定ラインをツインター
ボ領域側に越えたときには、エンジン運転領域がプライ
マリターボ過回転領域に移行したと判断し、直ちに排気
制御弁が全開されてプライマリターボ過給機に導入され
る排気流がセカンダリターボ過給機に直ちに分散され
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。先ず、図19において、本発明が適用される過
給機付エンジンの全体構成について説明する。
【0011】符号1は水平対向式エンジン(本実施例に
おいては4気筒エンジン)のエンジン本体であり、クラ
ンクケース2の左右バンク3,4に、燃焼室5、吸気ポ
ート6、排気ポート7、点火プラグ8、動弁機構9等が
設けられている。そして左バンク3側に#2,#4気筒
を、右バンク4側に#1,#3気筒を備える。また、こ
のエンジン短縮形状により左右バンク3,4の直後に、
プライマリターボ過給機40とセカンダリターボ過給機
50とがそれぞれ配設されている。排気系として、左右
両バンク3,4からの共通の排気管10が両ターボ過給
機40,50のタービン40a,50aに連通され、タ
ービン40a,50aからの排気管11が1つの排気管
12に合流して触媒コンバータ13、マフラ14に連通
される。上記プライマリターボ過給機40は、低中速域
で過給能力の大きい小容量の低速型であり、これに対し
てセカンダリターボ過給機50は、中高速域で過給能力
の大きい大容量の高速型である。このためプライマリタ
ーボ過給機40の方が容量が小さいことで、排気抵抗が
大きくなる。
【0012】吸気系として、エアクリーナ15の下流か
ら2つに分岐した吸気管16,17がそれぞれ両ターボ
過給機40,50のコンプレッサ40b,50bに連通
され、このコンプレッサ40b,50bからの吸気管1
8,19がインタークーラ20に連通される。そしてイ
ンタークーラ20からスロットル弁21を有するスロッ
トルボディー27を介してチャンバ22に連通され、チ
ャンバ22から吸気マニホールド23を介して左右バン
ク3,4の各気筒の吸気ポート6に連通されている。ま
た、アイドル制御系として、スロットル弁21をバイパ
スしエアクリーナ15の直下流の吸気管と吸気マニホー
ルド23とを連通するバイパス通路24に、アイドル制
御弁(ISCV)と負圧で開く逆止弁26が、アイドル
時や減速時に吸入空気量を制御する為、設けられてい
る。
【0013】また、燃料系として、吸気マニホールド2
3の各気筒における吸気ポート6直上流にインジェクタ
30が配設され、燃料ポンプ31を有する燃料タンク3
2からの燃料通路33が、フィルタ34、燃料圧レギュ
レータ35を備えてインジェクタ30に連通される。燃
料圧レギュレータ35は、吸気マニホールド内の吸気圧
力に応じて調整作用するものであり、これによりインジ
ェクタ30に供給する燃料圧力を吸気圧力に対して常に
一定の高さに保ち、後述する電子制御装置100からの
噴射信号のパルス幅によりインジェクタ30を駆動して
燃料噴射量制御することが可能になっている。また、点
火系として、各点火プラグ8毎に連設する点火コイル8
a毎にイグナイタ36からの点火信号が入力するよう接
続されている。
【0014】次に、プライマリターボ過給機40の作動
系について説明する。
【0015】プライマリターボ過給機40は、タービン
40aに導入する排気のエネルギによりコンプレッサ4
0bを回転駆動し、空気を吸入、加圧して常に過給する
ように作動する。タービン40a側にはダイヤフラム式
アクチュエータ42を備えたプライマリウエストゲート
弁41が設けられる。アクチュエータ42の圧力室には
コンプレッサ40bの直下流からの制御圧通路44がオ
リフィス48を有して連通し、過給圧が設定値以上に上
昇すると応答良くウエストゲート弁41を開くように連
通される。また、この制御圧通路44は更に過給圧をコ
ンプレッサ40bの上流側にリークするデューティソレ
ノイド弁D.SOL.1 に連通し、このデューティソレノイド
弁D.SOL.1 により所定の制御圧を生じてアクチュエータ
42に作用し、ウエストゲート弁41の開度を変化して
過給圧制御する。ここで、デューティソレノイド弁D.SO
L.1 は後述する電子制御装置100からのデューティ信
号により作動し、デューティ信号のデューティ比が小さ
い場合には高い制御圧でウエストゲート弁41の開度を
増して過給圧を低下し、デューティ比が大きくなるほど
リーク量の増大により制御圧を低下し、ウエストゲート
弁41の開度を減じて過給圧を上昇する。
【0016】一方、スロットル弁急閉時のコンプレッサ
回転の低下や吸気騒音の発生を防止する為、コンプレッ
サ40bの下流としてスロットル弁21近くのインター
クーラ20の出口側と、コンプレッサ40bの上流との
間にバイパス通路46が連通される。そして、このバイ
パス通路46にエアバイパス弁45が、スロットル弁急
閉時に通路47によりマニホールド負圧を導入して開
き、コンプレッサ40b下流に封じ込められる加圧空気
を迅速にリークするように設けられる。
【0017】セカンダリターボ過給機50の作動系につ
いて説明する。
【0018】セカンダリターボ過給機50は同様に排気
によりタービン50aとコンプレッサ50bが回転駆動
して過給するものであり、タービン50a側にアクチュ
エータ52を備えたセカンダリウエストゲート弁51が
設けられている。また、タービン50aの上流の排気管
10には、ダイヤフラム式アクチュエータ54を備えた
下流開き式の排気制御弁53が設けられ、コンプレッサ
50bの下流には同様のアクチュエータ56を備えたバ
タフライ式の吸気制御弁55が設けられ、コンプレッサ
50bの上、下流間を連通するリリーフ通路58に過給
圧リリーフ弁57が設けられる。
【0019】これら各弁の作動系について説明する。
【0020】先ず、負圧源のサージタンク60がチェッ
ク弁62を有する通路61により吸気マニホールド23
に連通して、スロットル弁21の全閉時に負圧を貯え且
つ脈動圧を緩衝する。また、過給圧リリーフ弁57を開
閉する過給圧リリーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.
1、吸気制御弁55を開閉する吸気制御弁用切換ソレノ
イド弁SOL.2、排気制御弁53を開閉する第1と第
2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.3,4、排
気制御弁53を小開制御するデューティソレノイド弁D.
SOL.2 、及びセカンダリウエストゲート弁51を開閉す
るセカンダリウエストゲート弁用切換ソレノイド弁SO
L.Wを有する。各切換ソレノイド弁SOL.W,SO
L.1〜4は電子制御装置100からのON,OFF信
号によりサージタンク60からの負圧通路63を介して
の負圧、吸気制御弁55下流に連通する正圧通路64
a,64bからの正圧、或いは大気圧等を選択し、各制
御圧通路70a〜74aによりアクチュエータ側に導い
て、セカンダリウエストゲート弁51、過給圧リリーフ
弁57、各制御弁55,53を作動する。また、デュー
ティソレノイド弁D.SOL.2 は電子制御装置100からの
デューティ信号によりアクチュエータ54の正圧室54
aに作用する正圧を調圧し、排気制御弁53を小開制御
する。
【0021】上記過給圧リリーフ弁用切換ソレノイド弁
SOL.1は、通電がOFFされると、正圧通路64a
側を閉じて負圧通路63側を開き、制御圧通路71aを
介して過給圧リリーフ弁57のスプリングが内装された
圧力室に負圧を導くことでスプリングの付勢力に抗して
過給圧リリーフ弁57を開く。また、ONされると、逆
に負圧通路63側を閉じて正圧通路64a側を開き過給
圧リリーフ弁57の圧力室に正圧を導くことで過給圧リ
リーフ弁57を閉じる。
【0022】吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2
は、OFFされると大気ポートを閉じて負圧通路63側
を開き、制御圧通路72aを介してアクチュエータ56
のスプリングが内装された圧力室に負圧を導くことでス
プリングの付勢力に抗して吸気制御弁55を閉じ、ON
されると負圧通路63側を閉じ大気ポートを開きアクチ
ュエータ56の圧力室に大気圧を導くことで圧力室内の
スプリングの付勢力により吸気制御弁55を開く。
【0023】セカンダリウエストゲート弁用切換ソレノ
イド弁SOL.Wは、電子制御装置100により点火進
角量等に基づきハイオクガソリン使用と判断されたとき
のみOFFされ、レギュラーガソリン使用と判断された
ときにはONされる。そしてセカンダリウエストゲート
弁用切換ソレノイド弁SOL.Wは、OFFされると吸
気制御弁55の上流に連通する通路65を閉じて大気ポ
ートを開き大気圧を制御圧通路70aを介してアクチュ
エータ52に導入することで、アクチュエータ52内に
配設されたスプリングの付勢力によりセカンダリウエス
トゲート弁51を閉じる。また、ONで大気ポートを閉
じ通路65側を開き、両ターボ過給機40,50作動時
のセカンダリターボ過給機50下流の過給圧がアクチュ
エータ52に導かれ、この過給圧に応じてセカンダリウ
エストゲート弁51を開き、レギュラーガソリン使用時
にはハイオクガソリン使用時に比べて相対的に過給圧が
低下される。
【0024】また、第1の排気制御弁用切換ソレノイド
弁SOL.3からの制御圧通路73aが排気制御弁53
を作動するアクチュエータ54の正圧室54aに、第2
の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4からの制御
圧通路74aがアクチュエータ54のスプリングを内装
した負圧室54bにそれぞれ連通されている。そして、
両切換ソレノイド弁SOL.3,4が共にOFFのと
き、第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.3は
正圧通路64b側を閉じ大気ポートを開き、第2の排気
制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4は負圧通路63側
を閉じ大気ポートを開くことで、アクチュエータ54の
両室54a,54bが大気開放され、負圧室54bに内
装されたスプリングの付勢力により排気制御弁53が全
閉する。また、両切換ソレノイド弁SOL.3,4が共
にONのとき、それぞれ大気ポートを閉じ、第1の排気
制御弁用切換ソレノイド弁SOL.3は正圧通路64b
側を開き、第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SO
L.4は負圧通路63側を開くことで、アクチュエータ
54の正圧室54aに正圧を、負圧室54bに負圧を導
き、スプリングの付勢力に抗して排気制御弁53を全開
する。
【0025】上記第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁
SOL.3からの制御圧通路73aにはオリフィス67
が設けられ、このオリフィス67の下流側と吸気管16
にリーク通路66が連通され、このリーク通路66に上
述の排気制御弁小開制御用のデューティソレノイド弁D.
SOL.2 が設けられている。そして第1の排気制御弁用切
換ソレノイド弁SOL.3のみがONで、正圧をアクチ
ュエータ54の正圧室54aに供給し負圧室54bを大
気開放する状態で、デューティソレノイド弁D.SOL.2 に
よりその正圧をリークして排気制御弁53を小開する。
ここでデューティソレノイド弁D.SOL.2 は、電子制御装
置100からのデューティ信号におけるデューティ比が
大きいと、リーク量の増大により正圧室54aに作用す
る正圧を低下して排気制御弁53の開度を減じ、デュー
ティ比が小さくなるほど、リーク量を減じて正圧を高く
保持し、排気制御弁53の開度を増すように動作する。
そして、シングルターボモード下でエンジン運転領域が
所定の排気制御弁小開制御モード領域にあるとき、デュ
ーティソレノイド弁D.SOL.2 による排気制御弁53の開
度で過給圧をフィードバック制御し、この過給圧制御に
伴い排気制御弁53を小開する。
【0026】次いで、各種のセンサについて説明する。
【0027】差圧センサ80が吸気制御弁55の上、下
流の差圧を検出するよう設けられ、絶対圧センサ81が
切換ソレノイド弁76により吸気管圧力(吸気マニホー
ルド23内の吸気圧)と大気圧とを選択して検出するよ
う設けられる。
【0028】またエンジン本体1にノックセンサ82が
取付けられると共に、左右両バンク3,4を連通する冷
却水通路に水温センサ83が臨まされ、排気管10にO
2 センサ84が臨まされている。さらに、スロットル弁
21にスロットル開度センサとスロットル全閉を検出す
るアイドルスイッチとを内蔵したスロットルセンサ85
が連設され、エアクリーナ15の直下流に吸入空気量セ
ンサ86が配設されている。
【0029】また、エンジン本体1に支承されたクラン
クシャフト1aにクランクロータ90が軸着され、この
クランクロータ90の外周に、電磁ピックアップ等から
なるクランク角センサ87が対設されている。さらに、
動弁機構9におけるカムシャフトに連設するカムロータ
91に、電磁ピックアップ等からなる気筒判別用のカム
角センサ88が対設されている。
【0030】上記クランク角センサ87、カム角センサ
88では、それぞれ上記クランクロータ90、カムロー
タ91に所定間隔毎に形成された突起(或いはスリッ
ト)をエンジン運転に伴い検出し、クランクパルス、カ
ムパルスを電子制御装置100に出力する。そして電子
制御装置100において、クランクパルス(検出した突
起)の間隔時間からエンジン回転数を算出すると共に、
点火時期及び燃料噴射開始時期等を演算し、さらに、ク
ランクパルス及びカムパルスの入力パターンから気筒判
別を行う。
【0031】次に、図20に基づき電子制御系の構成に
ついて説明する。電子制御装置(ECU)100は、C
PU101、ROM102、RAM103、バックアッ
プRAM104、及びI/Oインターフェイス105を
バスラインを介して接続したマイクロコンピュータを中
心として構成され、各部に所定の安定化電源を供給する
定電圧回路106や駆動回路107が組込まれている。
【0032】上記定電圧回路106は、ECUリレー9
5のリレー接点を介してバッテリ96に接続され、この
バッテリ96に、上記ECUリレー95のリレーコイル
がイグニッションスイッチ97を介して接続されてい
る。また、上記バッテリ96には、上記定電圧回路10
6が直接接続され、さらに、燃料ポンプリレー98のリ
レー接点を介して燃料ポンプ31が接続されている。
【0033】すなわち、上記定電圧回路106は、上記
イグニッションスイッチ97がONされ、上記ECUリ
レー95のリレー接点が閉となったとき、制御用電源を
各部に供給し、また、イグニッションスイッチ97がO
FFされたとき、バックアップ用の電源をバックアップ
RAM104に供給する。
【0034】また、上記I/Oインターフェイス105
の入力ポートに、各種センサ80〜88、車速センサ8
9、及びバッテリ96が接続されている。また、I/O
インターフェイス105の出力ポートには、イグナイタ
36が接続され、さらに、駆動回路107を介してIS
CV25、インジェクタ30、各切換ソレノイド弁7
6,SOL.W,SOL.1〜4、デューティソレノイ
ド弁D.SOL.1,2 、及び燃料ポンプリレー98のリレーコ
イルが接続されている。
【0035】そして、イグニッションスイッチ97がO
Nされると、ECUリレー95がONし、定電圧回路1
06を介して各部に定電圧が供給され、ECU100は
各種制御を実行する。すなわち、ECU100において
CPU101が、ROM102に格納されている演算プ
ログラムに基づき、I/Oインターフェイス105を介
して各種センサ80〜89からの検出信号を入力処理
し、RAM103及びバックアップRAM104に記憶
されている各種データ、ROMに格納されている固定デ
ータ、テーブル値に基づき、各種制御量を演算する。そ
して、駆動回路107により燃料ポンプリレー98をO
Nし燃料ポンプ31を通電して駆動させると共に、駆動
回路107を介して各切換ソレノイド弁76,SOL.
W,SOL.1〜4にON,OFF信号を、デューティ
ソレノイド弁D.SOL.1,2 にデューティ信号を出力してタ
ーボ過給機作動個数切換制御および過給圧制御を行い、
演算した燃料噴射量に相応する駆動パルス幅信号を所定
のタイミングで該当気筒のインジェクタ30に出力して
燃料噴射制御を行い、また、所定のタイミングでイグナ
イタ36に点火信号を出力して点火時期制御を実行し、
ISCV25に制御信号を出力してアイドル回転数制御
等を実行する。
【0036】次に、上記ECU100による過給機作動
個数切換制御を図1〜図4のターボ切換制御ルーチンに
示すフローチャートに従って説明する。このターボ切換
制御ルーチンはイグニッションスイッチ97をONした
後、設定時間(例えば、10msec)毎に実行される
ものである。
【0037】イグニッションスイッチ97のONにより
ECU100に電源が投入されると、システムがイニシ
ャライズ(各フラグ、各カウント値をクリア)され、先
ず、ステップS1でツインターボモード判別フラグF1
の値を参照する。そして、このツインターボモード判別
フラグF1がクリアされていればステップS2へ進み、
またセットされていればステップS60へ進む。このツ
インターボモード判別フラグF1は、現制御状態がプラ
イマリターボ過給機40のみを過給動作させるシングル
ターボモードのときクリアされ、両ターボ過給機40,
50を過給動作させるツインターボモードのときにセッ
トされる。
【0038】以下の説明では、まずシングルターボモー
ドについて説明し、次いで、シングル→ツイン切換制
御、最後にツインターボモードについて説明する。
【0039】イグニッションスイッチ97をONした直
後、及び現制御状態がシングルターボモードの場合、F
1=0である為、ステップS2へ進む。
【0040】ステップS2ではエンジン回転数Nに基づ
きターボ切換判定値テーブルを補間計算付で参照してシ
ングル→ツイン切換判定基本値TP2B を設定する。この
シングル→ツイン切換判定基本値TP2B は、標準大気圧
(760mmHg)において、シングルターボモードか
らツインターボモードへの切換えを判断する為のもので
ある。図6に示すように、上記ターボ切換判定値テーブ
ルには、エンジン回転数Nとエンジン負荷(本実施例で
は、基本燃料噴射パルス幅)TP との関係からシングル
ターボモードからツインターボモードへ切換えるシング
ル→ツイン切換判定ラインL2 と、その逆にツインター
ボモードからシングルターボモードへ切換えるツイン→
シングル切換判定ラインL1 を標準大気圧下において予
め実験などから求め、シングルターボ領域とツインター
ボ領域とが設定されている。そして、各ラインL2 ,L
1 に対応してそれぞれシングル→ツイン切換判定基本値
TP2B 、及びツイン→シングル切換判定基本値TP1B が
エンジン回転数Nをパラメータとしたテーブルとして予
めROM102の一連のアドレスに格納されている。
【0041】ここで、シングル→ツイン切換判定ライン
L2 は、切換時のトルク変動を防止するため図21の出
力特性のシングルターボ状態時のトルク曲線TQ1とツ
インターボ状態時のトルク曲線TQ2とが一致する点C
に設定する必要があり、このため、図6に示すように
低、中回転数域での高負荷からエンジン回転数Nの上昇
に応じて低負荷側に設定される。また、同図に示すよう
にターボ過給機作動個数の切換時の制御ハンチングを防
止するため、ツイン→シングル切換判定ラインL1 は、
シングル→ツイン切換判定ラインL2 に対して低回転数
側に比較的広い幅のヒステリスを有して設定される。
【0042】次いで、ステップS3へ進み、大気圧(絶
対圧値)ALTに基づきシングル→ツイン大気圧補正係
数テーブルを補間計算付で参照して、シングル→ツイン
大気圧補正係数KTWNALT(0<KTWNALT≦1.0)を設
定する。図7に示すように、このシングル→ツイン大気
圧補正係数テーブルには、標準大気圧(760mmH
g)を1.0とし、大気圧が低下するに従って小さい値
のシングル→ツイン大気圧補正係数KTWNALTが格納され
ている。
【0043】そして、ステップS4で、上記シングル→
ツイン切換判定基本値TP2B をシングル→ツイン大気圧
補正係数KTWNALTで補正して、シングル→ツイン切換判
定値TP2を設定する。
【0044】次いで、ステップS5へ進み、上記シング
ル→ツイン切換判定値TP2と現在の基本燃料噴射パルス
幅TP (以下「エンジン負荷」)とを比較し、TP <T
P2の場合、ステップS6へ進み、TP ≧TP2の場合に
は、ステップS30へ分岐してシングルターボ状態から
ツインターボ状態に切換える為のシングル→ツイン切換
制御に移行する。
【0045】上記シングル→ツイン切換判定値TP2は、
上記シングル→ツイン大気圧補正係数KTWNALTにより大
気圧ALTが低いほど小さい値に補正される。このた
め、大気圧ALTが低くなるに従い、シングル→ツイン
切換判定値TP2による、プライマリターボ過給機40の
み過給作動のシングルターボ状態から両ターボ過給機4
0,50過給作動のツインターボ状態への切換えを判断
するためのシングル→ツイン切換判定ラインL2 が、図
14に示す実線の標準大気圧の場合に対して、一点鎖線
のように低負荷、低回転側に補正される。
【0046】これにより、エンジン運転領域がシングル
→ツイン切換判定ラインL2 を境にシングルターボ領域
側からツインターボ領域側に移行するタイミングが早め
られ、シングルターボモードからシングル→ツイン切換
制御への移行が早められてシングルターボ状態からツイ
ンターボ状態への切換えが早められる。
【0047】過給圧制御を絶対圧により行う場合は、大
気圧ALTの低い高地走行等、大気圧ALTが低いほど
目標過給圧と大気圧との差圧が大きくなり、所定の目標
過給圧を得ようとすればターボ過給機の回転数が相対的
に高くなる。この結果、エンジン運転状態を表すエンジ
ン回転数Nと負荷TP との増大に伴うプライマリターボ
過給機40の回転数上昇率も高くなる。そして、プライ
マリターボ過給機40のみ過給作動のシングルターボ状
態では、排気ガスの殆どがプライマリターボ過給機40
に導入されるため、大気圧ALTが低いほどプライマリ
ターボ過給機40が過回転状態となるエンジン運転領域
が低負荷、低回転側に拡大される。前述のようにプライ
マリターボ過給機40を低速型の小容量とした場合には
顕著となる。そこで、大気圧ALTが低いほどエンジン
運転状態に基づくシングルターボモードからシングル→
ツイン切換制御に移行するタイミングを早め、後述する
排気制御弁53の全開制御時期を早めることで、排気制
御弁53の全開によりプライマリターボ過給機40に導
入される排気流をセカンダリターボ過給機50に分散さ
せて、プライマリターボ過給機40の過回転を防止する
のである。これにより、プライマリターボ過給機40
は、排気圧および排気流量の上昇により過回転状態とな
り臨界回転数に達することによるサージングの発生が大
気圧ALTの変化に拘わらず防止され、損傷が防止され
る。また、同じエンジン運転状態であっても気圧変動に
よりシングルターボ状態下においてプライマリターボ過
給機40の回転数上昇率が変化しセカンダリターボ過給
機50作動開始による運転フィーリングが変化するが、
大気圧ALTが低いほどツインターボ状態への切換えを
早めることで、大気圧変化(例えば、高地走行と低地走
行)に拘わらずセカンダリターボ過給機50作動開始に
伴う運転フィーリングを略同じにすることができる。
【0048】一方、上記ステップS5で、TP <TP2で
あり、ステップS6へ進んだ場合には、シングルターボ
モード制御を行う。
【0049】ステップS6へ進むと、過給圧制御モード
判別フラグF2の値を参照する。この過給圧制御モード
判別フラグF2は、現運転領域が排気制御弁53の小開
により過給圧制御を行うと共にセカンダリターボ過給機
50を予備回転させる排気制御弁小開制御モード領域内
のときセットされ、領域外のときクリアされる。
【0050】従って、イグニッションスイッチ97をO
Nした直後はイニシャルセットにより、また前回ルーチ
ン実行時に運転領域が排気制御弁小開制御モード領域外
のときは、F2=0であるため、ステップS7へ進み、
ステップS7ないしステップS9の条件判断により現在
の運転領域が排気制御弁小開制御モード領域内に移行し
たかを判断する。
【0051】この排気制御弁小開制御モード領域への移
行判定は、図8に示すようにエンジン回転数Nと吸気管
圧力(過給圧)Pとの関係で、シングル→ツイン切換判
定ラインL2 よりも低回転低負荷側、すなわちシングル
ターボモード下において、設定値N2(例えば、265
0rpm)、P2(例えば、1120mmHg)で囲ま
れた領域で、且つスロットル開度THが設定値TH2
(例えば、30deg)以上のとき、領域内に移行した
と判定する。
【0052】すなわち、ステップS7でエンジン回転数
Nと設定値N2とを比較し、ステップS8で吸気管圧力
Pと設定値P2とを比較し、ステップS9でスロットル
開度THと設定値TH2とを比較する。そして、N<N
2、或いはP<P2、或いはTH<TH2の場合、ステ
ップS10へ進み、現運転領域が排気制御弁小開制御モ
ード領域外にあると判断して過給圧制御モード判別フラ
グF2をクリアし、また、N≧N2且つP≧P2且つT
H≧TH2の場合にはステップS11へ進み、現運転領
域が排気制御弁小開制御モード領域に移行したと判断し
て過給圧制御モード判別フラグF2をセットする。
【0053】そして、ステップS12へ進んで、過給圧
リリーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1をOFFし、
ステップS13で吸気制御弁用切換ソレノイド弁SO
L.2をOFFする。次いでステップS14へ進むと、
過給圧制御モード判別フラグF2の値を参照し、F2=
0の場合、ステップS15へ進み、第1の排気制御弁用
切換ソレノイド弁SOL.3をOFFし、ステップS1
6で第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4を
OFFする。
【0054】その後、ステップS17〜S19で上記ツ
インターボモード判別フラグF1、後述する差圧検索フ
ラグF3、制御弁切換時間カウント値C1をそれぞれク
リアした後、ルーチンを抜ける。
【0055】従って、シングルターボモード下で、且つ
排気制御弁小開制御モード領域外の低回転、低負荷の運
転領域では、各切換ソレノイド弁SOL.1〜4がいず
れもOFFする。そこで過給圧リリーフ弁57は、過給
圧リリーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1のOFFに
よりサージタンク60からの負圧が圧力室に導入される
ことでスプリングの付勢力に抗して開弁し、吸気制御弁
55は、吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2のO
FFによりアクチュエータ56の圧力室に負圧が導入さ
れることでスプリングの付勢力に抗して逆に閉弁する。
また、排気制御弁53は、両排気制御弁用切換ソレノイ
ド弁SOL.3,4のOFFによりアクチュエータ54
の両室54a,54bに大気圧が導入されることでスプ
リングの付勢力により閉弁する。
【0056】そして、排気制御弁53の閉弁によりセカ
ンダリターボ過給機50への排気の導入が遮断され、セ
カンダリターボ過給機50が不作動となり、プライマリ
ターボ過給機40のみ作動のシングルターボ状態とな
る。また、吸気制御弁55の閉弁により、プライマリタ
ーボ過給機40からの過給圧の吸気制御弁55を介して
のセカンダリターボ過給機50側へのリークが防止さ
れ、過給圧の低下が防止される。
【0057】なお、シングルターボモード下で且つ排気
制御弁小開制御モード領域外の場合、或いは後述するツ
インターボモード下の場合には、過給圧フィードバック
制御は、ここでは詳述しないがプライマリウエストゲー
ト弁41のみを用いて行われる。そして、この過給圧制
御は、絶対圧を用い、エンジン運転状態に基づき目標過
給圧を設定して絶対圧センサ81により検出される吸気
管圧力、すなわち実過給圧Pとを比較し、その比較結果
に応じて例えばPI制御によりデューティソレノイド弁
D.SOL.1 に対するONデューティ(デューティ比)を演
算し、このONデューティのデューティ信号をデューテ
ィソレノイド弁D.SOL.1 に出力してプライマリウエスト
ゲート弁41を制御することにより行う。
【0058】一方、上記ステップS11で、現運転領域
が排気制御弁小開制御モード領域内と判断されて過給圧
制御モード判別フラグF2がセットされた場合には、ス
テップS12〜S14を介してステップS20へ進み、
第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.3のみを
ONする。そこで第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁
SOL.3のONによりアクチュエータ54の正圧室5
4aに正圧が導入され、排気制御弁53が開かれる。
【0059】なお、この排気制御弁小開制御モード下で
は、図5に示す排気制御弁小開制御ルーチンが設定時間
(例えば、480msec)毎に実行されることで、排
気制御弁53を用いて過給圧フィードバック制御が行わ
れ、これに伴い排気制御弁53が小開される。すなわ
ち、図5において、ステップS100で過給圧制御モー
ド判別フラグF2の値を参照し、F2=0のときにはル
ーチンを抜け、F2=1で排気制御弁小開制御モードの
場合、ステップS101へ進み、過給圧リリーフ弁用切
換ソレノイド弁SOL.1に対する通電状態を判断し、
SOL.1=ONの場合にはルーチンを抜け、SOL.
1=OFFのとき、ステップS102へ進み、絶対圧に
よる目標過給圧と絶対圧センサ81により検出される実
過給圧Pとを比較し、その比較結果に応じて、例えばP
I制御により排気制御弁小開制御用デューティソレノイ
ド弁D.SOL.2 に対するONデューティ(デューティ比)
を演算し、このONデューティのデューティ信号をデュ
ーティソレノイド弁D.SOL.2に出力し、過給圧フィード
バック制御を実行する。このため、デューティソレノイ
ド弁D.SOL.2 によりアクチュエータ54の正圧室54a
に作用する正圧が調圧され、図17に示すように、排気
制御弁53が小開して排気制御弁53のみを用いて過給
圧フィードバック制御が行われる。そして、排気制御弁
53の小開により排気の一部がセカンダリターボ過給機
50のタービン50aに供給され、セカンダリターボ過
給機50が予備回転され、ツインターボ状態への移行に
備えられる。
【0060】この状態下では、吸気制御弁55が閉弁さ
れているため、セカンダリターボ過給機50のコンプレ
ッサ50b下流と吸気制御弁55との間に過給圧(セカ
ンダリターボ過給機50によるコンプレッサ圧)が封じ
込められるが、このとき過給圧リリーフ弁57の開弁に
より、この過給圧をリークさせ、予備回転の円滑化を図
っている。
【0061】また、シングルターボモード下でエンジン
運転領域が排気制御弁小開制御モード領域内にあり、過
給圧制御モード判別フラグF2がセット(F2=1)さ
れた場合には、前記ステップS6からステップS21へ
進み、ステップS21ないしステップS23の条件判断
により現在の運転領域が排気制御弁小開制御モード領域
外に移行したかの判断がなされる。
【0062】この領域外への移行判定は、過給圧制御モ
ード切換時の制御ハンチングを防止するため、図8に示
すように、前記設定値N2,P2,TH2よりも低い値
の設定値N1(例えば、2600rpm)、P1(例え
ば、1070mmHg)、TH1(例えば、25de
g)により行う。そして、ステップS21でエンジン回
転数Nと設定値N1とを比較し、ステップS22で吸気
管圧力(過給圧)Pと設定値P1とを比較し、ステップ
S23でスロットル開度THと設定値TH1とを比較
し、N<N1、或いはP<P1、或いはTH<TH1の
場合、現運転領域が排気制御弁小開制御モード領域外に
移行したと判断して前述のステップS10へ進み、過給
圧制御モード判別フラグF2をクリアする。これによ
り、排気制御弁小開制御が解除される。また、N≧N1
且つP≧P1且つTH≧TH1の場合には、現運転領域
が領域内のままであると判断して前記ステップS11へ
進み、過給圧制御モード判別フラグF2をF2=1の状
態に保持し、排気制御弁小開制御を継続する。
【0063】以上のように、シングルターボモード下で
は、エンジン本体1からの排気の殆どが、プライマリタ
ーボ過給機40に導入されてタービン40aによりコン
プレッサ40bを回転駆動する。そこでコンプレッサ4
0bにより空気を吸入圧縮し、この圧縮空気がインター
クーラ20で冷却され、スロットル弁21の開度で流量
調整されチャンバ22、吸気マニホールド23を介して
各気筒に高い充填効率で供給されて過給作用する。そし
て、このシングルターボモードによるプライマリターボ
過給機40のみ作動のシングルターボ状態では、図21
の出力特性に示すように、低、中回転数域で高い軸トル
クのシングルターボ時のトルク曲線TQ1が得られる。
【0064】次に、シングル→ツイン切換制御について
説明する。
【0065】前記ステップS5で、TP ≧TP2、すなわ
ち現在の運転領域がシングル→ツイン切換判定ラインL
2 を境としてシングルターボ領域からツインターボ領域
(図14参照)に移行したと判断されると、ステップS
30へ分岐してプライマリターボ過給機40のみ作動の
シングルターボ状態から両ターボ過給機40,50作動
のツインターボ状態へ切換える為のシングル→ツイン切
換制御を実行する。
【0066】すると、先ずステップS30で、過給圧リ
リーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1に対する通電状
態を判断し、ステップS32で第1の排気制御弁用切換
ソレノイド弁SOL.3に対する通電状態を判断し、両
切換ソレノイド弁SOL.1,3が共にONの場合は、
そのままステップS34へ進む。また、上記各切換ソレ
ノイド弁SOL.1,3がOFFの場合、ステップS3
1,S33でそれぞれONにした後、ステップS34へ
進む。
【0067】そこで過給圧リリーフ弁57は、過給圧リ
リーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1のONにより正
圧通路64aからの正圧が圧力室に導入されることで、
この正圧及びスプリングの付勢力により直ちに閉弁す
る。また、排気制御弁53は、第1の排気制御弁用切換
ソレノイド弁SOL.3のONによりアクチュエータ5
4の正圧室54aに正圧が導入されることで開弁する。
なお、シングルターボモード下の排気制御弁小開制御モ
ードからシングル→ツイン切換制御に移行した場合に
は、上記過給圧リリーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.
1のONにより、図5の排気制御弁小開制御ルーチンに
おいて、過給圧フィードバック制御を行うことなくステ
ップS101を介してルーチンを抜けることで、排気制
御弁53による過給圧フィードバック制御が中止され、
排気制御弁小開制御用デューティソレノイド弁D.SOL.2
が全閉され、正圧通路64bを介しての正圧がデューテ
ィソレノイド弁D.SOL.2 によりリークされることなく直
接アクチュエータ54の正圧室54aに導入されるの
で、排気制御弁53の開度が増大される。
【0068】そして、過給圧リリーフ弁57の閉弁によ
りリリーフ通路58が遮断され、且つ排気制御弁53の
開弁、及びその開度増大によりセカンダリターボ過給機
50の回転数が上昇されると共に、セカンダリターボ過
給機50のコンプレッサ50b下流と吸気制御弁55と
の間の過給圧が次第に上昇され、ツインターボモードへ
の移行に備えられる。
【0069】ステップS34では、差圧検索フラグF3
の値を参照し、F3=0の場合、ステップS35へ進
み、F3=1の場合、ステップS39へジャンプする。
【0070】シングル→ツイン切換制御に移行後、初回
のルーチン実行時にはF3=0であるためステップS3
5へ進み、まず、車速VSPに基づき排気制御弁開ディ
レー時間設定テーブルを補間計算付で参照して、シング
ル→ツイン切換制御移行後の排気制御弁53の全開制御
(第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4をO
FFからONにする)時期を定める排気制御弁開ディレ
ー時間T1を設定し、ステップS36で車速VSPに基
づき吸気制御弁開ディレー時間設定値テーブルを補間計
算付で参照して、上記排気制御弁53の全開制御後に吸
気制御弁55の開弁制御(吸気制御弁用切換ソレノイド
弁SOL.2をOFFからONにする)開始時期の条件
を定めるための吸気制御弁開ディレー時間T2を設定す
る。さらに、ステップS37で吸気制御弁55の上流圧
PU と下流圧PD との差圧(差圧センサ80の読込み
値)DPS(=PU −PD )に基づき、吸気制御弁55
の開弁制御開始時期を定めるための吸気制御弁開差圧D
PSSTを設定する。
【0071】図9に排気制御弁開ディレー時間設定テー
ブルの概念図を、図10に吸気制御弁開ディレー時間設
定テーブルの概念図をそれぞれ示す。図に示すように、
車速VSPが高い程、排気制御弁開ディレー時間T1及
び吸気制御弁開ディレー時間T2を短くして、排気制御
弁53を全開させるタイミング及び吸気制御弁55を開
けるタイミング、すなわち、ツインターボモードに切換
わるタイミングを早め、車速に拘わらず加速応答性を均
一化させ、ドライバビリティの向上を図るようにしてい
る。
【0072】また、図11に吸気制御弁開差圧設定テー
ブルの概念図を示す。同図に示すようにエンジン運転状
態がシングルターボ領域から前記シングル→ツイン切換
判定ラインL2 (シングル→ツイン切換判定値TP2)を
境としてツインターボ領域(図14参照)に移行した直
後の差圧DPSがマイナス側にある程、すなわち、吸気
制御弁55の上流圧PU に対し下流圧PD が高く、高過
給状態である程、吸気制御弁開差圧DPSSTをマイナ
ス側とし、吸気制御弁55を開けるタイミングを早め、
加速応答性を向上させている。
【0073】そして、これらディレー時間T1,T2、
及び吸気制御弁開差圧DPSSTを設定した後は、ステ
ップS38に進んで差圧検索フラグF3をセットしてス
テップS39へ進む。
【0074】ステップS39では第2の排気制御弁用切
換ソレノイド弁SOL.4に対する通電状態を判断する
ことで、既に排気制御弁53に対する全開制御が開始さ
れているかを判断し、SOL.4=ONであり、既に排
気制御弁全開制御が開始されている場合には、ステップ
S49へジャンプして第2の排気制御弁用切換ソレノイ
ド弁SOL.4をONに保持し、SOL.4=OFFの
場合には排気制御弁全開制御実行前であるため、ステッ
プS40へ進み、制御弁切換時間カウント値C1と上記
排気制御弁開ディレー時間T1とを比較し、シングル→
ツイン切換制御移行後、排気制御弁開ディレー時間T1
が経過したかを判断する。
【0075】そして、C1≧T1の場合には、ステップ
S47へジャンプして第2の排気制御弁用切換ソレノイ
ド弁SOL.4をONさせ、排気制御弁53を全開させ
る。また、C1<T1のディレー時間経過前のときに
は、ステップS41へ進み、エンジン負荷TP と前記ス
テップS4で設定したシングル→ツイン切換判定値TP2
から設定値WGSを減算した値とを比較し、TP <TP2
−WGSの場合には、ステップS10へ戻り、シングル
→ツイン切換制御を中止して直ちにシングルターボモー
ドに切換える。これは、エンジン負荷TP が落ちた場
合、シングルターボモードへ戻ることで、運転の違和感
をなくす為である。
【0076】さらに詳述すれば、図6に示すように、エ
ンジン運転状態がシングルターボ領域からシングル→ツ
イン切換判定ラインL2 (TP2)をツインターボ領域側
へ一旦越えると、ツイン→シングル切換判定ラインL1
(ツイン→シングル切換判定値TP1、詳細は後述する)
をシングルターボ領域側に越えない限り、ディレー時間
T1経過後に排気制御弁53が全開となり(ステップS
47)、さらに、ディレー時間T2経過後に差圧DPS
が吸気制御弁開差圧DPSSTに達すれば吸気制御弁5
5が開き(ステップS52)、ツインターボ状態に切換
わる。従って、一旦、シングル→ツイン切換判定ライン
L2 を越えた後、ツイン→シングル切換判定ラインL1
とシングル→ツイン切換判定ラインL2 とで囲まれた領
域に運転状態が留まっていた場合、ディレー時間経過後
にツインターボ状態に切換わってしまう。しかし、この
領域では、図21に示すように、シングルターボ時の軸
トルクに対してセカンダリターボ過給機50作動による
ツインターボ時の軸トルクが却って低くなり、シングル
ターボ状態からツインターボ状態へ切換わると、トルク
の急減によりトルクショックを生じると共に、運転者に
違和感を与えてしまう。
【0077】これに対処するため、ツイン→シングル切
換判定ラインL1 をシングル→ツイン切換判定ラインL
2 に近づけて両切換ラインの幅(ヒステリシス)を狭め
れば良いが、両切換判定ラインL1 ,L2 間の幅を狭め
ると、シングルターボとツインターボとの切換わり頻度
が増し、各制御弁を作動させる負圧源としてのサージタ
ンク60の負圧容量が不足するためにサージタンク60
を大容量としなければならず、且つ、上記幅を狭めすぎ
ると、運転状態がシングル→ツイン切換判定ラインL2
付近に留まった場合、ターボ切換えのパラメータである
エンジン負荷TP の変動により、切換ディレー時間の設
定の無い過給圧リリーフ弁57がチャタリングを起こし
てしまう不都合がある。
【0078】これらを防ぐため、運転状態がシングル→
ツイン切換判定ラインL2 をツインターボ領域側に越え
た後、ディレー時間T1経過以前に、シングル→ツイン
切換判定ラインL2に対し、間隔が狭くシングルターボ
領域側に設定値WGSだけ減算した図6に破線で示すシ
ングル→ツイン切換判定中止ラインL3 (=TP2−WG
S)をシングルターボ領域側に越えた場合は、ツインタ
ーボ状態へ切換えるシングル→ツイン切換制御を中止し
て直ちにシングルターボモードに移行させ、プライマリ
ターボ過給機40のみ作動のシングルターボ状態を維持
させることで、ツインターボ状態でのトルクの低い領域
での運転を無くし、運転性の向上を図る。
【0079】一方、上記ステップS41で、TP ≧TP2
−WGSのときにはステップS42へ進み、エンジン回
転数Nに基づき切換判定値テーブルを補間計算付きで参
照してプライマリターボ過回転判定基本値EM2TPを設
定する。このプライマリターボ過回転判定基本値EM2
TPは、シングル→ツイン切換制御移行後、ディレー時間
T1経過以前にエンジン回転数N,エンジン負荷TP の
急増によりエンジン運転領域がシングルターボ状態下の
プライマリターボ過回転領域に移行したかを判断する為
の基準値であり、図6及び図13に示すように、標準大
気圧におけるエンジン回転数Nとエンジン負荷TP との
関係から、シングルターボ状態下でプライマリターボ過
給機40が臨界回転数に達するプライマリターボ過回転
領域(図13に斜線で示す)の境界となるプライマリタ
ーボ過回転判定ラインL4 を予め実験等により求め、こ
の標準大気圧におけるプライマリターボ過回転判定ライ
ンL4 に対応して、予めROM102の一連のアドレス
にエンジン回転数Nをパラメータとした切換判定値テー
ブルとして格納されている。なお、当然ながら上記プラ
イマリターボ過回転判定ラインL4 は、前記シングル→
ツイン切換判定ラインL2 よりも高負荷側に設定され
る。
【0080】次いで、ステップS43で、大気圧ALT
に基づき判定値大気圧補正係数テーブルを補間計算付で
参照して、判定値大気圧補正係数KEM2 を設定する。上
記判定値大気圧補正係数テーブルの概念図を図12に示
す。同図に示すように、上記判定値大気圧補正係数KEM
2 は、標準大気圧(760mmHg)以上のときを1.
0とし、大気圧が低くなるに従い、小さい値に設定され
る。
【0081】そして、ステップS44で、上記プライマ
リターボ過回転判定基本値EM2TPを判定値大気圧補正
係数KEM2 により補正して、プライマリターボ過回転判
定値EMV2TPを設定する。その結果、大気圧ALTが
低くなるに従い、プライマリターボ過回転判定値EMV
2TPによるプライマリターボ過回転判定ラインL4 が、
図14に実線で示す標準大気圧の場合に対して、シング
ル→ツイン切換判定ラインL2 と同様に、一点鎖線のよ
うに低負荷、低回転側に補正され、大気圧変化に拘わら
ず常にシングル→ツイン切換判定ラインL2 より高負荷
側に設定される。
【0082】次いで、ステップS45で、エンジン負荷
TP と上記プライマリターボ過回転判定値EMV2TPと
を比較し、TP <EMV2TPの場合には、ステップS4
6へ進み、制御弁切換時間カウント値C1をカウントア
ップしてルーチンを抜ける。一方、TP ≧EMV2TPで
あり、ディレー時間T1経過以前に、エンジン回転数
N,エンジン負荷TP の急増によりエンジン運転領域が
プライマリターボ過回転領域に移行した(例えば、急加
速、レーシング等の場合に相当する)と判断される場合
には、ステップS47へ進み、第2の排気制御弁用切換
ソレノイド弁SOL.4を直ちにONし、排気制御弁5
3を全開させ、直ちにセカンダリターボ過給機50側に
も排気を流す。
【0083】そこで、エンジン負荷TP 、エンジン回転
数Nの急増で上昇した高い排気圧の排気流が、直ちにプ
ライマリターボ過給機40とセカンダリターボ過給機5
0とに略等分に分散して導入される。これにより、プラ
イマリターボ過給機40は、排気圧及び排気流量の急上
昇により過回転状態となり臨界回転数に達することによ
るサージングの発生が防止され、且つ熱負荷が軽減し
て、損傷が確実に防止される。
【0084】なお、このとき前述のように、大気圧AL
Tが低いほどプライマリターボ過給機40が過回転状態
となるエンジン運転領域が低負荷、低回転側に拡大され
るが、これに対応してプライマリターボ過給機40の過
回転を判断する為のプライマリターボ過回転判定ライン
L4 が大気圧ALTの低下に伴い低負荷、低回転側に補
正されるため、大気圧ALTが変化しても的確にプライ
マリターボ過回転を判断することができ、大気圧変化に
拘わらず適正且つ確実にプライマリターボ過給機40の
過回転を防止して損傷を防止することができる。
【0085】さらに、エンジン回転数Nに基づきプライ
マリターボ過回転判定基本値EM2TPを設定し、これを
判定値大気圧補正係数KEM2 により大気圧補正して得た
プライマリターボ過回転判定値EMV2TPとエンジン負
荷TP とを比較してプライマリターボ過給機40の過回
転状態への移行を判断しているので、エンジン回転数、
エンジン負荷及び大気圧の全域で正確に判定し得、確実
にプライマリターボ過給機40の損傷を防止し得る。
【0086】シングル→ツイン切換制御に移行後、排気
制御弁開ディレー時間T1が経過してステップS40か
ら、或いはステップS45からステップS47へ進む
と、第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4が
ONされて、排気制御弁53が全開され、セカンダリタ
ーボ過給機50の回転数がより上昇されコンプレッサ5
0bと吸気制御弁55との間のセカンダリターボ過給機
50によるコンプレッサ圧(過給圧)も上昇し、図17
に示すように、吸気制御弁55の上流と下流との差圧D
PSが上昇する。
【0087】その後、ステップS48へ進み、排気制御
弁全開制御後の時間を計時するため制御弁切換時間カウ
ント値C1をクリアし、ステップS49へ進む。
【0088】そして、前記ステップS39或いはステッ
プS48からステップS49へ進むと、排気制御弁全開
制御(SOL.4OFF→ON)後の時間を表すカウン
ト値C1と吸気制御弁開ディレー時間T2とを比較し、
C1<T2の場合には、吸気制御弁55開弁条件が成立
していないと判断してステップS46でカウント値C1
をカウントアップしてルーチンを抜ける。また、C1≧
T2の場合には、開弁条件成立と判断してステップS5
0へ進み、現在の差圧DPSと吸気制御弁開差圧DPS
STとを比較し、吸気制御弁55の開弁開始時期に達し
たかを判断する。
【0089】そして、DPS<DPSSTのときには開
弁開始時期に達していないと判断してステップS51へ
進み、また、DPS≧DPSSTのときには、吸気制御
弁55の上流圧PU と下流圧PD とが略等しくなり、す
なわち、セカンダリターボ過給機50のコンプレッサ5
0bと吸気制御弁55との間のセカンダリターボ過給機
50による過給圧が上昇してプライマリターボ過給機4
0による過給圧と略等しくなり、吸気制御弁開弁開始時
期に達したと判断して、ステップS52へ進み、吸気制
御弁用切換ソレノイド弁SOL.2をONさせ、吸気制
御弁55を開弁させる。
【0090】その結果、セカンダリターボ過給機50か
らの過給が開始され、ツインターボ状態となる。そし
て、ステップS53へ進み、シングル→ツイン切換制御
の終了により、次回、ツインターボモードへ移行させる
べくツインターボモード判別フラグF1をセットしてル
ーチンを抜ける。
【0091】また、上記ステップS50でDPS≧DP
SSTと判断されてステップS51に進んだ場合には、
さらに上記カウント値C1を、吸気制御弁開ディレー時
間T2に設定値TDPを加算した値と比較し、C1<T
2+TDPのときにはステップS46へ進み、カウント
値C1をカウントアップしてルーチンを抜け、C1≧T
2+TDPのときにはステップS52へ進み、差圧DP
Sが吸気制御弁開差圧DPSSTに達していなくても吸
気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2をONとし、吸
気制御弁55を開弁させてツインターボモードに移行さ
せる。
【0092】すなわち、差圧センサ80系の故障によ
り、差圧センサ80による差圧DPSが上昇しない場
合、排気制御弁53全開制御後、何時迄たっても吸気制
御弁55が開弁されず、セカンダリターボ過給機50の
コンプレッサ50bと吸気制御弁55との間の過給圧が
異常上昇してセカンダリターボ過給機50がサージング
を生じて損傷してしまう。このため、排気制御弁53全
開制御後、差圧DPSが吸気制御弁開差圧DPSSTに
達していなくても、T2+TDPにより与えられる設定
時間経過後は、吸気制御弁55を開弁させることで、差
圧センサ80系の故障に伴うセカンダリターボ過給機5
0の損傷を未然に防止するのである。
【0093】なお、以上のシングル→ツイン切換制御に
よるシングルターボモードからツインターボモードへの
切換わり状態を図17のタイムチャートに示す。
【0094】上述のように、シングル→ツイン切換制御
においては、先ず、過給圧リリーフ弁57を閉弁すると
共に、排気制御弁53を開弁し、セカンダリターボ過給
機50の予備回転数を上昇させると共に、その後、セカ
ンダリターボ過給機50の予備回転数を上昇させるに必
要な時間を排気制御弁開ディレー時間T1により与え、
このディレー時間T1経過後に排気制御弁53を全開に
する。そして、セカンダリターボ過給機50のブロワ5
0bと吸気制御弁55間のセカンダリターボ過給機50
による過給圧が上昇して差圧DPSが上昇し、排気制御
弁全開制御後、吸気制御弁開ディレー時間T2により排
気制御弁53が全開されるまでの作動遅れ時間を補償
し、ディレー時間T2経過後、吸気制御弁55の上流と
下流との差圧DPSが吸気制御弁開差圧DPSSTに達
した時点で吸気制御弁55を開弁する。これによって、
プライマリターボ過給機40のみ作動のシングルターボ
状態から両ターボ過給機40,50作動によるツインタ
ーボ状態への切換わりがスムーズに行われ、さらに、吸
気制御弁の上流圧PU と下流圧PD とが略等しくなった
時点で吸気制御弁55を開弁してセカンダリターボ過給
機50からの過給を開始させるので、ツインターボ状態
への切換え時に発生する過給圧の一時的な低下によるト
ルクショックの発生が有効かつ確実に防止される。
【0095】また、シングル→ツイン切換制御に移行
後、設定時間(排気制御弁開ディレー時間T1)に達し
ていなくても、TP ≧EMV2TP(ステップS45)に
よりエンジン運転領域がシングルターボ状態下でプライ
マリターボ過回転領域に移行したと判断されるときに
は、図17に破線で示すように、直ちに第2の排気制御
弁切換ソレノイド弁SOL.4をONとして排気制御弁
53を全開させ、セカンダリターボ過給機50側に排気
を分散させることで、排気圧及び排気流量の急増により
プライマリターボ過給機40が過回転状態となり臨界回
転数に達してサージングを生じることによるプライマリ
ターボ過給機40の損傷が確実に防止される。
【0096】さらに、プライマリターボ過回転領域、す
なわちエンジン高負荷高回転状態のときには、排気制御
弁53の全開開始時期が早められることで、これに対応
して図17の破線で示すように、吸気制御弁55の開弁
開始時期も早められ、ツインターボ状態へ迅速に切換わ
る。このため、図21の出力特性図に示すように、シン
グル→ツイン切換判定ラインL2 を境とした高回転側の
領域で軸トルクの高いツインターボ状態に、シングルタ
ーボ状態から早期に切換えられることで、同時に運転者
の加速要求に適応して良好な加速性能が得られる。
【0097】次に、ツインターボモードについて説明す
る。
【0098】シングル→ツイン切換制御の終了によりツ
インターボモード判別フラグF1がセットされると、或
いは前回ルーチン実行時にツインターボモードであった
場合、今回ルーチン実行時、F1=1によりステップS
1からステップS60に分岐する。
【0099】そして、ステップS60でエンジン回転数
Nに基づきターボ切換判定値テーブルを補間計算付で参
照してツイン→シングル切換判定基本値TP1B を設定し
(図6参照)、ステップS61へ進んで、大気圧ALT
に基づきツイン→シングル大気圧補正係数テーブルを補
間計算付で参照して、ツイン→シングル大気圧補正係数
KSGLALTを設定する。図15に示すように、上記ツイン
→シングル大気圧補正係数テーブルには、前述のシング
ル→ツイン大気圧補正係数テーブルと同様に、標準大気
圧以上を1.0とし、大気圧ALTが低下するに従い、
小さい値のツイン→シングル大気圧補正係数KSGLALTが
格納されている。
【0100】そして、ステップS62で、上記ツイン→
シングル切換判定基本値TP1B をツイン→シングル大気
圧補正係数KSGLALTで補正して、ツインターボモードか
らシングルターボモードへの切換えを判断する為のツイ
ン→シングル切換判定値TP1を設定する。
【0101】上記ツイン→シングル大気圧補正係数KSG
LALTが大気圧ALTが低下するに従い小さな値に設定さ
れる為、ツイン→シングル切換判定値TP1によるツイン
→シングル切換判定ラインL1 が、図14に実線で示す
標準大気圧の場合に対し、前述のシングル→ツイン切換
判定ラインL2 と同様に、大気圧ALTが低いほど図の
一点鎖線で示すように低負荷低回転側に補正される。そ
の結果、シングルターボ状態からツインターボ状態への
切換えを判断するためのシングル→ツイン切換判定ライ
ンL2 と、ツインターボ状態からシングルターボ状態へ
の切換えを判断するためのツイン→シングル切換判定ラ
インL1 とに、大気圧ALTの変化に拘わらず常に略一
定の適正なヒステリシスを設定することが可能となり、
ターボ過給機作動個数切換えの制御ハンチングを有効か
つ確実に防止でき、さらに、ツインターボ状態からシン
グルターボ状態への切換えに伴う運転フィーリングを大
気圧ALTの変化に拘わらず略同じとすることができ
る。
【0102】次いで、ステップS63へ進み、エンジン
負荷TP と上記ツイン→シングル切換判定値TP1とを比
較し、TP >TP1の場合、現在の運転領域がツインター
ボ領域にある為、ステップS64で判定値検索フラグF
4をクリアし、ステップS65でシングルターボ領域に
移行後のシングルターボ領域継続時間をカウントする為
のシングルターボ領域継続時間カウント値C2をクリア
した後、ステップS74へジャンプし、ステップS74
ないしステップS77で過給圧リリーフ弁用切換ソレノ
イド弁SOL.1、吸気制御弁用切換ソレノイド弁SO
L.2、第1,第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁S
OL.3,4をそれぞれONさせ、過給圧リリーフ弁5
7を閉弁に、吸気制御弁55及び排気制御弁53を共に
全開に保持し、ステップS78でツインターボモード判
別フラグF1をセットして、ステップS19へ戻り、制
御弁切換時間カウント値C1をクリアした後、ルーチン
を抜ける。
【0103】このツインターボモード下では、過給圧リ
リーフ弁57の閉弁、吸気制御弁55及び排気制御弁5
3の全開により、プライマリターボ過給機40に加えて
セカンダリターボ過給機50が本格作動し、両ターボ過
給機40,50の過給動作によるツインターボ状態とな
り、両ターボ過給機40,50の過給による圧縮空気が
吸気系に供給され、図21の出力特性に示すように高回
転数域で高い軸トルクのツインターボ時のトルク曲線T
Q2が得られる。
【0104】一方、上記ステップS63でTP ≦TP1、
すなわち、現在の運転領域がツイン→シングル切換判定
ラインL1 を境にシングルターボ領域(図14参照)に
移行したと判断されると、ステップS66へ進み、判定
値検索フラグF4の値を参照し、F4=0の場合にはス
テップS67へ進み、また、F4=1の場合にはステッ
プS69へジャンプする。
【0105】上記判定値検索フラグF4は、ツインター
ボモードで、且つエンジン負荷TPがツイン→シングル
切換判定ラインL1 (TP1)を境にエンジン運転状態が
ツインターボ領域内のときにクリアされる(ステップS
64)。従って、TP ≦TP1後、初回のルーチン実行に
際してはステップS67へ進み、エンジン負荷TP に基
づきシングルターボ領域継続時間判定値テーブルを補間
計算付で参照してシングルターボ領域継続時間判定値T
4を設定する。この判定値T4は、エンジン運転状態が
ツインターボ領域からシングルターボ領域へ移行した
後、所定時間経過後にプライマリターボ過給機40のみ
作動のシングルターボモードに切換えるための基準値で
ある。
【0106】図16にシングルターボ領域継続時間判定
値テーブルの概念図を示す。エンジン負荷TP に応じて
設定されるシングルターボ領域継続時間判定値T4は、
例えば、最大2.3sec、最小0.6secに設定さ
れ、エンジン負荷TP の値が大きく高負荷である程、小
さい値に設定される。これにより、エンジン運転状態が
ツインターボ領域からセカンダリターボ領域に移行後、
ツインターボモードからシングルターボモードに切換え
るまでの時間がエンジン負荷が高いほど早められる。
【0107】次いで、ステップS68で判定値検索フラ
グF4をセットした後、ステップS69へ進む。
【0108】そして、ステップS69でシングルターボ
領域継続時間カウント値C2をカウントアップした後、
ステップS70で上記判定値T4とカウント値C2とを
比較し、C2≧T4の場合、ステップS73へ進み、カ
ウント値C2をクリアした後、ステップS10へ戻り、
ツインターボモードからシングルターボモードに切換わ
る。これにより、各切換ソレノイド弁SOL.1〜4が
OFFとなり、過給圧リリーフ弁57が開弁され、吸気
制御弁55及び排気制御弁53が共に閉弁されること
で、両過給機40,50作動のツインターボ状態からプ
ライマリターボ過給機40のみ作動のシングルターボ状
態に切換わる。
【0109】このときの切換わり状態をタイムチャート
で示すと、図18の実線の通りとなる。このように、ツ
インターボモードからシングルターボモードへの切換わ
りは、エンジン運転領域がツインターボ領域からシング
ルターボ領域に移行後(TP≦TP1)、その状態が設定
時間継続したとき(C2≧T4)、行われることにな
り、変速機の変速時等に伴いエンジン回転数Nが一時的
に低下することによる不要な過給機の切換わりが未然に
防止される。
【0110】ここで、上記設定時間を与えるシングルタ
ーボ領域継続時間判定値T4が、エンジン負荷TP の値
が高く高負荷である程、短い時間に設定されてシングル
ターボ状態への切換わりが早められる。すなわち、エン
ジン高負荷運転時には高トルクを要すが、図21に示す
ように、ツイン→シングル切換判定ラインL1 を境とし
たシングルターボ領域側は、ツインターボ時の軸トルク
曲線TQ2で与えられるトルク(例えば、同図の点A)
よりも、シングルターボ時の軸トルク曲線TQ1で与え
られるトルク(図の点B)の方が高く、この領域でツイ
ンターボ状態を維持すると軸トルクが充分得られず、出
力性能が悪化し、再加速性能も悪化する。このため、エ
ンジン高負荷時には、上記シングルターボ領域継続時間
判定値T4が短い値に設定されることで、ツインターボ
状態からシングルターボ状態への切換えが迅速化され、
ツインターボ状態でのトルクの低い領域での運転を必要
最低限としてトルクの高いシングルターボ状態に迅速に
切換える(図21の点Aから点Bに移行する)ことで、
出力性能が向上されると共に、再加速性能も向上され
る。
【0111】また、低負荷運転時は、低トルク状態であ
り、ツインターボ時とシングルターボ時とのトルクの段
差が小さく、上記設定時間を充分与えてツインターボ状
態からシングルターボ状態へ切換わってもトルク変動を
殆ど生じない。このため低負荷時には、エンジン運転領
域がツイン→シングル切換判定ラインL1 を境にツイン
ターボ領域側からシングルターボ領域へ移行後、その状
態を上記シングルターボ領域継続時間判定値T4で与え
られる比較的長い時間継続した後、ツインターボ状態か
らシングルターボ状態に切換えることで、エンジン回転
数Nの一時的に低下することによる過給機の不要な切換
わりが有効且つ確実に回避される。
【0112】一方、上記ステップS70においてC2<
T4の場合は、ステップS71へ進み、スロットル開度
THと設定値TH3(例えば、30deg)とを比較
し、TH>TH3の場合、上記ステップS73を経てス
テップS10へ戻り、エンジン運転領域がシングルター
ボ領域に移行後、その状態が設定時間継続する以前であ
っても、図18の破線で示すように、直ちにシングルタ
ーボモードに切換わり、過給圧リリーフ弁57が開弁さ
れると共に、排気制御弁53及び吸気制御弁55が共に
閉弁されてセカンダリターボ過給機50の過給動作が停
止し、プライマリターボ過給機40のみ過給動作のシン
グルターボ状態に切換えられる。
【0113】上記設定値TH3は、加速要求を判断する
ためのものである。すなわち、シングルターボ領域にお
いては(TP <TP1)、図21の出力特性に示すように
ツイン→シングル切換判定ラインL1 の低回転側にあ
り、ツインターボ時のトルク曲線TQ2の軸トルクの低
い領域であり、この状態でツインターボモードを維持し
ツインターボ状態を保持すると、アクセルペダルを踏み
込んでも充分な加速性能を得ることができない。そのた
め、この領域で運転されているときに、加速要求と判断
されるとき(TH>TH3)には、直ちにシングルター
ボモードへ移行させ、シングルターボ状態とし、シング
ルターボ時の高い軸トルクのトルク曲線TQ1を得るこ
とで、加速応答性の向上を図る。
【0114】また、上記ステップS71でTH≦TH3
の場合には、ステップS72へ進み、車速VSPと設定
値VSP2(例えば、2Km/h)とを比較し、VSP
>VSP2で車両走行状態と判断される場合には、前記
ステップS74へ進み、ツインターボモードを維持し、
VSP≦VSP2で停車状態と判断される場合には、上
述と同様にステップS73を経てステップS10へ戻
り、直ちにシングルターボモードに移行する。
【0115】上記設定値VSP2は、車両の停車状態を
判断する為のもので、停車中の、例えばアイドル回転数
の状態で、アクセルを踏込みエンジンを空吹かしする
と、エンジン負荷TP の上昇と共にエンジン回転数Nが
上昇して、エンジン運転領域がシングルターボ領域から
ツインターボ領域に移行し、ツインターボ状態となり、
アクセル開放の空吹かし後、エンジン負荷TP 及びエン
ジン回転数Nが直ちに低下し、エンジン運転領域がツイ
ン→シングル切換判定ラインL1 (図6あるいは図14
参照)を境として再びシングルターボ領域に移行した場
合、シングルターボ領域移行後、設定時間を経過しない
と(C2≧T4)シングルターボモードに切換わらず、
この間、エンジン回転数Nが低下し、アイドル回転数近
く(例えば、700rpm近辺)に下がってから各切換
ソレノイド弁SOL.1〜4の切換わりが行われて、過
給圧リリーフ弁57及び各制御弁53,55が切換わ
る。このとき、エンジン回転数Nが低いためエンジン回
転による暗騒音が低く、各弁の切換わりの際の発生音が
運転者に聞こえ、運転者に不快感を与えてしまう。この
ため、車両停車状態と判断されるときには(VSP≦V
SP2)、シングルターボ領域に移行後、設定時間を経
過していなくても(C2<T4)、直ちにシングルター
ボモードに切換えることで、エンジン回転数が低下して
暗騒音が低くなる前に各弁の切換わりを完了させ、弁作
動の騒音による不快感を解消する。なお、このときのツ
インターボモードからシングルターボモードへの切換わ
り状態を図18に一点鎖線で示す。
【0116】以上、本発明の一実施例について説明した
が、これに限定されず、エンジン負荷として基本燃料噴
射パルス幅TP 以外のものを用いるようにしても良い。
また、水平対向エンジン以外のエンジンにも適用するこ
とができる。
【0117】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
エンジン運転状態に基づき、シングルターボ状態下にお
けるプライマリターボ過給機の過回転を判断する為のプ
ライマリターボ過回転判定値を設定し、エンジン運転領
域が、シングルターボ状態からツインターボ状態への切
換を判断する為のシングル→ツイン切換判定ラインをシ
ングルターボ領域からツインターボ領域側に移行した
後、設定時間を経過する前に、プライマリターボ過回転
判定値によるプライマリターボ過回転判定ラインをツイ
ンターボ領域側に越えたときには、エンジン運転領域が
過回転領域に移行したと判断するので、エンジン運転領
域のプライマリターボ過回転領域への移行を的確に判断
することができ、また、このとき直ちに排気制御弁が全
開されて、プライマリターボ過給機に導入される排気流
がセカンダリターボ過給機に直ちに分散されるので、シ
ングルターボ状態からツインターボ状態への切換えに際
し、プライマリターボ過給機は、排気圧及び排気流量の
急上昇により過回転状態となり臨界回転数に達すること
によるサージングの発生が防止されると共に熱負荷が軽
減して、損傷が確実に防止され、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターボ切換制御ルーチンを示すフローチャート
【図2】ターボ切換制御ルーチンを示すフローチャート
【図3】ターボ切換制御ルーチンを示すフローチャート
【図4】ターボ切換制御ルーチンを示すフローチャート
【図5】排気制御弁小開制御ルーチンを示すフローチャ
ート
【図6】各切換判定値、及びシングルターボ領域とツイ
ンターボ領域との関係を示す説明図
【図7】シングル→ツイン大気圧補正係数テーブルの概
念図
【図8】排気制御弁小開制御モード領域の説明図
【図9】排気制御弁開ディレー時間設定テーブルの概念
【図10】吸気制御弁開ディレー時間設定テーブルの概
念図
【図11】吸気制御弁開差圧設定テーブルの概念図
【図12】判定値大気圧補正係数テーブルの概念図
【図13】各判定ラインとプライマリターボ過回転領域
との関係を示す説明図
【図14】各判定ラインの大気圧補正状態を示す説明図
【図15】ツイン→シングル大気圧補正係数テーブルの
概念図
【図16】シングルターボ領域継続時間判定値テーブル
の概念図
【図17】シングルターボモードからツインターボモー
ドへの切換わり状態を示すタイムチャート
【図18】ツインターボモードからシングルターボモー
ドへの切換わり状態を示すタイムチャート
【図19】過給機付エンジンの全体構成図
【図20】制御装置の回路図
【図21】シングルターボ時とツインターボ時との出力
特性を示す説明図
【符号の説明】
40…プライマリターボ過給機 50…セカンダリターボ過給機 53…排気制御弁 55…吸気制御弁 100…電子制御装置(ECU) TP2…シングル→ツイン切換判定値 L2 …シングル→ツイン切換判定ライン EMV2TP…プライマリターボ過回転判定値 L4 …プライマリターボ過回転判定ライン T1…排気制御弁開ディレー時間(設定時間)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸、排気系にプライマリター
    ボ過給機(40)とセカンダリターボ過給機(50)とを並列に
    配置し、セカンダリターボ過給機(50)に接続される吸、
    排気系にそれぞれ吸気制御弁(55)、排気制御弁(53)を配
    設し、高速域で上記両制御弁(55,53)を共に全開して上
    記両ターボ過給機(40,50)を共に過給動作させるツイン
    ターボ領域と低速域で吸気制御弁(55)を閉弁すると共に
    排気制御弁(53)を閉弁あるいは小開して上記プライマリ
    ターボ過給機(40)のみを過給動作させるシングルターボ
    領域とにエンジン運転領域を区分し、エンジン運転領域
    に基づき設定されたシングル→ツイン切換判定値(TP2)
    により設定されるシングル→ツイン切換判定ライン(L2)
    を境に上記運転領域がシングルターボ領域からツインタ
    ーボ領域側に移行した後、設定時間(T1)経過後に排気制
    御弁(53)を全開させ、その後、吸気制御弁(55)を開弁さ
    せてプライマリターボ過給機(40)のみ過給動作のシング
    ルターボ状態から両ターボ過給機(40,50)過給動作のツ
    インターボ状態に切換える過給機付エンジンの制御方法
    において、 エンジン運転状態に基づき、シングルターボ状態下にお
    けるプライマリターボ過給機(40)の過回転を判断する為
    のプライマリターボ過回転判定値(EMV2TP)を設定し、 上記設定時間(T1)を経過する前に、エンジン運転領域が
    上記プライマリターボ過回転判定値(EMV2TP)によるプラ
    イマリターボ過回転判定ライン(L4)をツインターボ領域
    側に越えたときには、排気制御弁(53)を全開させること
    を特徴とする過給機付エンジンの制御方法。
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