JP2600853Y2 - 過給機付エンジンにおける差圧センサの接続構造 - Google Patents

過給機付エンジンにおける差圧センサの接続構造

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JP2600853Y2 JP1993054298U JP5429893U JP2600853Y2 JP 2600853 Y2 JP2600853 Y2 JP 2600853Y2 JP 1993054298 U JP1993054298 U JP 1993054298U JP 5429893 U JP5429893 U JP 5429893U JP 2600853 Y2 JP2600853 Y2 JP 2600853Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、エンジンの吸,排気系
にプライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機と
を並列に配置し、セカンダリターボ過給機側の吸,排気
系に配設された吸気制御弁,排気制御弁を開閉すること
によりセカンダリターボ過給機の過給作動を制御する過
給機付エンジンに関し、詳しくは、吸気制御弁の上流の
吸気系と下流の吸気系との間に連設される差圧センサの
接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの吸,排気系にプライマリター
ボ過給機とセカンダリターボ過給機とを並列に配置し、
セカンダリターボ過給機に接続される吸,排気系に吸気
制御弁と排気制御弁をそれぞれ配設し、エンジン運転領
域が低速域のときには両制御弁を共に閉弁してセカンダ
リターボ過給作動を停止させてプライマリターボ過給機
のみを過給作動させるシングルターボ状態とし、高速域
のときには両制御弁を共に開弁して両ターボ過給機を過
給作動さぜることで、低速域から高速域に亘り出力性能
の向上を可能とする過給機付エンジンが知られている
(例えば、特開平3−260328号公報)。
【0003】ここで、シングルターボ状態からツインタ
ーボ状態への切換時に、過給圧の一時的な低下によるト
ルクショックの発生を防止するため、吸気制御弁の上流
の吸気系と下流の吸気系との間に差圧センサを連設し、
排気制御弁の全開後、差圧センサにより検出される吸気
制御弁の上流圧と下流圧との差圧が設定値に達したとき
に吸気制御弁を開弁することが本出願人により提案され
ている(特開平5−156955号公報参照)
【0004】上記差圧センサは、シリコンダイヤフラム
上に回路素子を付設し、シリコンダイヤフラムの一方側
と他方側とをそれぞれ吸気制御弁の上,下流の吸気系に
連通させ、シリコンダイヤフラムの撓みによる回路素子
の抵抗変化(歪みゲージと同じ原理)により差圧を検出
するようにしている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記差圧セ
ンサは、ダイヤフラムの両側に対する吸気制御弁の上流
圧と下流圧のかけ方によりセンサ出力値の正負が逆にな
る。従って、シングルターボ状態からツインターボ状態
への切換時において、排気制御弁の全開後、例えは差圧
に応じた負の差圧センサ出力値を検出し、設定値として
負の吸気制御弁開差圧を設定して差圧センサ出力値が吸
気制御弁開差圧に達した時点で吸気制御弁を開弁制御す
る場合、差圧センサが誤って逆に組付けられて正の出力
値を出力すると、吸気制御弁が直ちに開弁されてしま
い、プライマリターボ過給機による過給圧が、吸気制御
弁を介してセカンダリターボ過給機側にリークし、過給
圧が一時的に低下してトルクショックを生じる等の不具
合を招く。
【0006】本考案は上記事情に鑑み、差圧センサの誤
組付けを確実に防止して信頼性を向上し得る過給機付エ
ンジンにおける差圧センサの接続構造を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案による過給機付エンジンにおける差圧センサ
の接続構造は、エンジンの吸,排気系にプライマリター
ボ過給機とセカンダリターボ過給機とを並列に配設し、
低速域では共に閉弁してセカンダリターボ過給機の過給
作動を停止させるシングルターボ状態とし、高速域では
共に開弁して両ターボ過給機を共に過給作動させるツイ
ンターボ状態とする吸気制御弁,排気制御弁を、セカン
ダリターボ過給機に接続される吸,排気系にそれぞれ配
設し、2つの圧力導入ポートを有して各圧力導入ポート
をそれぞれ上記吸気制御弁の上流の吸気系と下流の吸気
系とに各通路を介して接続連通する差圧センサを備え
シングルターボ状態からツインターボ状態への切換時
に、上記排気制御弁を全開後、上記差圧センサにより検
出される吸気制御弁の上流圧と下流圧との差圧が設定値
に達したときに上記吸気制御弁を開弁させる過給機付エ
ンジンにおいて、上記差圧センサの一方の圧力導入ポー
トの管径を他方の圧力導入ポートの管径よりも太径とし
て、一方の圧力導入ポートに対し他方の圧力導入ポート
を細径とすると共に、これら各圧力導入ポートに連通接
続する上記各通路の管径を、それぞれ各圧力導入ポート
の管径に対応して設定し、差圧センサの各圧力導入ポー
と吸気制御弁の上,下流にそれぞれ連通する通路
の、太いもの同士と細いもの同士とをそれぞれ連通接続
して、上記吸気制御弁の上流圧と下流圧との差圧を差圧
センサにより検出することを特徴とする。
【0008】
【作用】上記構成により、2つの圧力導入ポートを有す
る差圧センサを過給機付エンジンに組付ける際に、管径
が太径の圧力導入ポートを同じ太径の通路に連通接続
し、細径の圧力導入ポートを同じ細径の通路に連通接続
することで、差圧センサの誤組付けが確実に防止され
て、差圧センサが正しく接続される。これによりエンジ
ン運転時には、差圧センサのダイヤフラムの両側に吸気
制御弁の上流圧と下流圧とが正常に対向して作用し、両
者の差圧に応じて例えばマイナス側の出力値が差圧セン
サから適正に出力される。
【0009】そこで、プライマリターボ過給機のみ過給
作動のシングルターボ状態から両ターボ過給機の過給作
動によるツインターボ状態への切換時に、排気制御弁の
全開後、差圧センサにより吸気制御弁の上流圧と下流圧
との差圧が常に適正に検出され、差圧と設定値との比較
に基づき吸気制御弁が適正に開弁して両ターボ過給機の
過給作動によるツインターボ状態に切換わる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図3において、本考案が適用される過給機付エ
ンジンの全体構成について説明する。符号1は水平対向
式エンジン(本実施例においては4気筒エンジン)のエ
ンジン本体であり、クランクケース2の左右のバンク
3,4に、燃焼室5、吸気ポート6、排気ポート7、点
火プラグ8、動弁機構9等が設けられている。そして左
バンク3側に#2,#4気筒を、右バンク4側に#1,
#3気筒を備える。またこのエンジン短縮形状により左
右バンク3,4の直後に、プライマリターボ過給機40
とセカンダリターボ過給機50がそれぞれ配設されてい
る。排気系として、左右バンク3,4からの共通の排気
管10が両ターボ過給機40,50のタービン40a,
50aに連通され、タービン40a,50aからの排気
管11が1つの排気管12に合流して触媒コンバータ1
3、マフラ14に連通される。
【0011】プライマリターボ過給機40は、低中速域
で過給能力の大きい小容量の低速型であり、これに対し
てセカンダリターボ過給機50は、中高速域で過給能力
の大きい大容量の高速型である。このためプライマリタ
ーボ過給機40の方が容量が小さいことで、排気抵抗が
大きくなる。
【0012】吸気系として、エアクリーナ15に接続す
る吸気管16から2つに分岐した吸気管17a,17b
がそれぞれ両ターボ過給機40,50のブロワ40b,
50bに連通され、このブロワ40b,50bからの吸
気管18,19がインタークーラ20に連通される。そ
してインタークーラ20からスロットル弁21を有する
スロットルボデー27を介してチャンバ22に連通さ
れ、チャンバ22から吸気マニホールド23を介して左
右バンク3,4の各気筒に連通されている。またアイド
ル制御系として、エアクリーナ15の直下流の吸気管1
6と吸気マニホールド23の間のバイパス通路24に、
アイドル制御弁(ISCV)25と負圧で開く逆止弁2
6が、アイドル時や減速時に吸入空気量を制御するよう
に設けられる。
【0013】燃料系として、吸気マニホールド23のポ
ート近傍にインジェクタ30が配設され、燃料ポンプ3
1を有する燃料タンク32からの燃料通路33が、フィ
ルタ34、燃料圧レギュレータ35を備えてインジェク
タ30に連通される。燃料圧レギュレータ35は、吸気
圧力に応じて調整作用するものであり、これによりイン
ジェクタ30に供給する燃料圧力を吸気圧力に対して常
に一定の高さに保ち、噴射信号のパルス幅により燃料噴
射制御することが可能になっている。点火系として、各
気筒の点火プラグ8毎に連設する点火コイル8aにイグ
ナイタ36からの点火信号が入力するように接続されて
いる。
【0014】プライマリターボ過給機40の作動系につ
いて説明する。プライマリターボ過給機40は、タービ
ン40aに導入する排気エネルギによりブロワ40bを
回転駆動し、空気を吸入,加圧して常に過給するように
作動する。タービン側にはダイアフラム式アクチュエー
タ42を備えたプライマリウエストゲート弁41が設け
られる。アクチュエータ42の圧力室にはブロワ40b
の直下流からの制御圧通路44がオリフィス48を有し
て連通し、過給圧が設定値以上に上昇すると応答良くウ
エストゲート弁41を開くように連通される。またこの
制御圧通路44は更に過給圧をブロワ40bの上流側に
リークするデューティソレノイド弁43に連通し、この
デューティソレノイド弁43により所定の制御圧を生じ
てアクチュエータ42に作用し、ウエストゲート弁41
の開度を変化して過給圧制御する。ここでデューティソ
レノイド弁43は、後述する電子制御装置100からの
デューティ信号により作動し、デューティ信号のデュー
ティ比が小さい場合は高い制御圧でウエストゲート弁4
1の開度を増して過給圧を低下し、デューティ比が大き
くなるほどリーク量の増大により制御圧を低下し、ウエ
ストゲート弁41の開度を減じて過給圧を上昇する。
【0015】一方、スロットル弁急閉時のブロワ回転の
低下や吸気騒音の発生を防止するため、ブロワ40bの
下流としてスロットル弁21の近くのインタークーラ2
0の出口側と、ブロワ40bの上流との間にバイパス通
路46が連通される。そしてこのバイパス通路46にエ
アバイパス弁45が、スロットル弁急閉時に通路47に
よりマニホールド負圧を導入して開き、ブロワ下流に封
じ込められる加圧空気を迅速にリークするように設けら
れる。
【0016】セカンダリターボ過給機50の作動系につ
いて説明する。セカンダリターボ過給機50は同様に排
気によりタービン50aとブロワ50bが回転駆動して
過給するものであり、タービン側にアクチュエータ52
を備えたセカンダリウエストゲート弁51が設けられて
いる。またタービン50aの上流の排気管10には、ダ
イアフラム式アクチュエータ54を備えた下流開き式の
排気制御弁53が設けられ、ブロワ50bの下流には同
様のアクチュエータ56を備えたバタフライ式の吸気制
御弁55が設けられ、ブロワ50bの上、下流の間のリ
リーフ通路58に過給圧リリーフ弁57が設けられる。
【0017】これら各弁の圧力動作系について説明す
る。先ず、負圧源のサージタンク60がチェック弁62
を有する通路61により吸気マニホールド23に連通し
て、スロットル弁全閉時に負圧を貯え且つ脈動圧を緩衝
する。また過給圧リリーフ弁57を開閉する過給圧リリ
ーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1、吸気制御弁55
を開閉する吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2、
排気制御弁53を開閉する第1と第2の排気制御弁用切
換ソレノイド弁SOL.3,SOL.4、排気制御弁5
3を小開制御するデューティソレノイド弁75、及びセ
カンダリウエストゲート弁51を開閉するセカンダリウ
エストゲート切換ソレノイド弁70を有する。各切換ソ
レノイド弁70,SOL.1〜4は、電子制御装置10
0からのON・OFF信号によりサージタンク60から
の負圧通路63の負圧、吸気制御弁下流に連通する正圧
通路64a,64bからの正圧、大気圧等を選択し、各
制御圧通路70a〜74aによりアクチュエータ側に導
いてセカンダリウエストゲート弁51、過給圧リリーフ
弁57、及び両制御弁55,53を作動する。またデュ
ーティソレノイド弁75は、電子制御装置100からの
デューティ信号によりアクチュエータ54の正圧室54
aに作用する正圧を可変制御し、排気制御弁53を小開
制御する。
【0018】上記過給圧リリーフ弁用切換ソレノイド弁
SOL.1は、通電がOFFされると、正圧通路64a
側を閉じて負圧通路63側を開き、制御圧通路71aを
介して過給圧リリーフ弁57のスプリングが内装された
圧力室に負圧を導くことでスプリングの付勢力に抗して
過給圧リリーフ弁57を開く。また、ONされると、逆
に負圧通路63側を閉じて正圧通路64a側を開き、過
給圧リリーフ弁57の圧力室に正圧を導くことで過給圧
リリーフ弁57を閉じる。
【0019】吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2
は、OFFされると、大気ポートを閉じて負圧通路63
側を開き、制御圧通路72aを介してアクチュエータ5
6のスプリングが内装された圧力室に負圧を導くことで
スプリングの付勢力に抗して吸気制御弁55を閉じ、O
Nされると、負圧通路63側を閉じて大気ポートを開
き、アクチュエータ56の圧力室に大気圧を導くことで
圧力室内のスプリングの付勢力により吸気制御弁55を
開く。
【0020】セカンダリウエストゲート切換ソレノイド
弁70は、電子制御装置100により点火進角量等に基
づきハイオクガソリン使用と判断されたときのみOFF
され、レギュラーガソリン使用と判断されたときにはO
Nされる。そしてセカンダリウエストゲート切換ソレノ
イド弁70は、OFFされると、吸気制御弁55の上流
に連通する通路65を閉じて大気ポートを開き、大気圧
を制御圧通路70aを介してアクチュエータ52に導入
することで、アクチュエータ52内に配設されたスプリ
ングの付勢力によりセカンダリウエストゲート弁51を
閉じる。また、ONで大気ポートを閉じて通路65側を
開き、両ターボ過給機40,50作動時のセカンダリタ
ーボ過給機50下流の過給圧がアクチュエータ52に導
かれ、この過給圧に応じてセカンダリウエストゲート弁
51を開き、レギュラーガソリン使用時にはハイオクガ
ソリン使用時に比べて相対的に過給圧が低下される。
【0021】また、第1の排気制御弁用切換ソレノイド
弁SOL.3からの制御圧通路73aが排気制御弁53
を作動するアクチュエータ54の正圧室54aに、第2
の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4からの制御
圧通路74aがアクチュエータ54のスプリングを内装
した負圧室54bにそれぞれ連通されている。そして両
切換ソレノイド弁SOL.3,4が共にOFFのとき、
第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.3は正圧
通路64b側を閉じて大気ポートを開き、第2の排気制
御弁用切換ソレノイド弁SOL.4は負圧通路63側を
閉じて大気ポートを開くことで、アクチュエータ54の
両室54a,54bが大気開放され、負圧室54bに内
装されたスプリングの付勢力により排気制御弁53が全
閉する。また、両切換ソレノイド弁SOL.3,4が共
にONのとき、それぞれ大気ポートを閉じ、第1の排気
制御弁用切換ソレノイド弁SOL.3は正圧通路64b
側を開き、第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SO
L.4は負圧通路63側を開くことで、アクチュエータ
54の正圧室54aに正圧を、負圧室54bに負圧を導
き、スプリングの付勢力に抗して排気制御弁53を全開
する。
【0022】第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁SO
L.3からの制御圧通路73aにはオリフィス67が設
けられ、このオリフィス67の下流側と吸気管17aに
リーク通路66が連通され、このリーク通路66に電子
制御装置100からのデューティ信号により作動する排
気制御弁小開制御用のデューティソレノイド弁75が配
設されている。そして第1の排気制御弁用切換ソレノイ
ド弁SOL.3のみがONで正圧をアクチュエータ54
の正圧室54aに供給し負圧室54bを大気開放する状
態で、デューティソレノイド弁75によりその正圧をリ
ークして排気制御弁53を小開する。ここでデューティ
ソレノイド弁75は、デューティ信号におけるデューテ
ィ比が大きいと、リーク量の増大により正圧室54aに
作用する正圧を低下して排気制御弁53の開度を減じ、
デューティ比が小さくなるほど正圧を高くして排気制御
弁53の開度を増すように動作する。そしてプライマリ
ターボ過給機40のみを過給作動するシングルターボ状
態下でエンジン運転状態が所定の排気制御弁小開制御領
域内にあるとき、デューティソレノイド弁75による排
気制御弁53の開度で過給圧をフィードバック制御し、
この過給圧制御に伴い排気制御弁53を小開するように
構成される。
【0023】各種のセンサについて説明する。差圧セン
サ80は、吸気制御弁55の上,下流の差圧を検出する
ように設けられ、絶対圧センサ81が切換ソレノイド弁
76により吸気管圧力と大気圧を選択して検出するよう
に設けられている。またエンジン本体1にノックセンサ
82が取付られると共に、左右両バンク3,4を連通す
る冷却水通路に水温センサ83が臨まされ、排気管10
にO2 センサ84が臨まされている。さらに、スロット
ル弁21にスロットル開度センサとスロットル全閉を検
出するアイドルスイッチとを内蔵したスロットルセンサ
85が連設され、エアクリーナ15の直下流に吸入空気
量センサ86が配設されている。
【0024】また、エンジン本体1に支承されたクラン
クシャフト1aにクランクロータ90が軸着され、この
クランクロータ90の外周に、電磁ピックアップ等から
なるクランク角センサ87が対設されている。さらに、
動弁機構9におけるカムシャフトに連設するカムロータ
91に、電磁ピックアップ等からなる気筒判別用のカム
角センサ88が対設されている。
【0025】上記クランク角センサ87,カム角センサ
88では、それぞれ上記クランクロータ90,カムロー
タ91に所定間隔毎に形成された突起(或いはスリッ
ト)をエンジン運転に伴い検出し、クランクパルス,カ
ムパルスを電子制御装置100に出力する。そして電子
制御装置100において、クランクパルス(検出した突
起)の間隔時間からエンジン回転数を算出すると共に、
点火時期及び燃料噴射開始時期等を演算し、さらに、ク
ランクパルス及びカムパルスの入力パターンから気筒判
別を行う。
【0026】次に、図4に基づき電子制御系の構成につ
いて説明する。電子制御装置(ECU)100は、CP
U101,ROM102,RAM103,バックアップ
RAM104,及びI/Oインターフェイス105をバ
スラインを介して接続したマイクロコンピュータを中心
として構成され、各部に所定の安定化電源を供給する定
電圧回路106や駆動回路107が組込まれている。
【0027】上記定電圧回路106は、ECUリレー9
5のリレー接点を介してバッテリ96に接続され、この
バッテリ96に、上記ECUリレー95のリレーコイル
がイグニッションスイッチ97を介して接続されてい
る。また、上記バッテリ96には、上記定電圧回路10
6が直接接続され、更に燃料ポンプリレー98のリレー
接点を介して燃料ポンプ31が接続されている。即ち、
上記定電圧回路106は、上記イグニッションスイッチ
97がONされ、上記ECUリレー95のリレー接点が
閉となったとき、制御用電源を各部に供給し、また、イ
グニッションスイッチ97がOFFされたとき、バック
アップ用の電源をバックアップRAM104に供給す
る。
【0028】また、上記I/Oインターフェイス105
の入力ポートに、各種センサ80〜88,車速センサ8
9,及びバッテリ96が接続されている。また、I/O
インターフェイス105の出力ポートには、イグナイタ
36が接続され、さらに、駆動回路107を介してIS
CV25、インジェクタ30、各切換ソレノイド弁7
0,76,SOL.1〜4、デューティソレノイド弁4
3,75、及び燃料ポンプリレー98のリレーコイルが
接続されている。
【0029】そして、イグニッションスイッチ97がO
Nされると、ECUリレー95がONし、定電圧回路1
06を介して各部に定電圧が供給され、ECU100は
各種制御を実行する。すなわち、ECU100において
CPU101が、ROM102にメモリされているプロ
グラムに基づき、I/Oインターフェイス105を介し
て各種センサ80〜89からの検出信号、及びバッテリ
電圧等を入力処理し、RAM103及びバックアップR
AM104に格納された各種データ,ROM102にメ
モリされている固定データに基づき、各種制御量を演算
する。そして駆動回路107により、燃料ポンプリレー
98をONし燃料ポンプ31を通電して駆動させると共
に、駆動回路107を介して各切換ソレノイド弁70,
76,SOL.1〜4にON・OFF信号を、デューテ
ィソレノイド弁43,75にデューティ信号を出力して
ターボ過給機作動個数切換制御及び過給圧制御を行い、
演算した燃料噴射パルス幅に相応する駆動パルス幅信号
を所定のタイミングで該当気筒のインジェクタ30に出
力して燃料噴射制御を行い、また、演算した点火時期に
対応するタイミングでイグナイタ36に点火信号を出力
して点火時期制御を実行し、ISCV25に制御信号を
出力してアイドル回転数制御等を実行する。
【0030】次に図1及び図2において、差圧センサと
差圧センサ接続構造について説明する。差圧センサ80
は、シリコンダイヤフラム123上に回路素子124を
付設した圧力センサであり、センサ本体120の内部に
孔の明いた板状の基板121を有し、基板121の片側
に筒状の台座122が取付けられ、台座122にシリコ
ンダイヤフラム123が実装される。シリコンダイヤフ
ラム123の一方側には基板121と一体的な圧力導入
ポート131が設けられ、シリコンダイヤフラム123
の他方側には基板121にキャップ130を被せてこの
キャップ130に圧力導入ポート132が設けられ、2
つの圧力媒体を対向して作用する。シリコンダイヤフラ
ム123は中央を薄膜状とし、その表面に歪ゲージと同
様の回路素子124が付設され、回路素子124を保護
膜(ポッティングゲル)125で覆い、シリコンダイヤ
フラム123の両側に作用する圧力の差圧に応じたシリ
コンダイヤフラム123の撓みによる回路素子124の
抵抗変化により、回路素子124から歪信号を金線から
なるボンディング線126を介して出力する。ボンディ
ング線126は出力端子127を介して回路基板128
に接続され、歪信号を電圧変化して外部接続端子129
により出力するように構成される。
【0031】また差圧センサ80に対する圧力のかけ方
について説明すると、シリコンダイヤフラム123の一
方の台座122側に吸気制御弁55の下流圧PD、即ち
プライマリターボ過給機40のブロワ圧を作用し、シリ
コンダイヤフラム123の回路素子124が付設された
側に吸気制御弁55の上流圧PU、即ちセカンダリター
ボ過給機50のブロワ圧をそれぞれ作用するように接続
される。そして差圧DPSとして、DPS=PU−PD
に基づく出力値を検出する。ここで後述するプライマリ
ターボ過給機40のみを過給作動させるシングルターボ
モード下では、PU≦PDの関係となり、このとき差圧
DPSは常にマイナス側の値になり、セカンダリターボ
過給機50が不作動でPU=0の場合に差圧DPSがマ
イナス側で最も大きい値となる。従って、後述するシン
グル→ツイン切換制御で、差圧DPSに基づき吸気制御
弁55を開弁させる際の判定値としての吸気制御弁開差
圧DPSSTも、零に近いマイナス側に設定される。
【0032】そして、プライマリターボ過給機40のみ
過給作動のシングルターボ状態から両ターボ過給機4
0,50の過給作動によるツインターボ状態への切換時
に、排気制御弁53を全開後、差圧センサ80により検
出される差圧DPSが吸気制御弁開差圧DPSSTに達
した時点で吸気制御弁55を開弁させて、プライマリタ
ーボ過給機40の過給作動に加えてセカンダリターボ過
給機50を本格作動させる。
【0033】このように差圧センサ80は正しい接続状
態が予め決められている。従って、誤組付けにより接続
状態が逆になると、差圧DPSとして、DPS=PD−
PUの出力値が出力され、正負の関係が全く逆になる。
すると差圧センサ80による差圧DPSは吸気制御弁開
差圧DPSST以上となり、直ちに吸気制御弁55が開
弁されてしまい、プライマリターボ過給機40による過
給圧が吸気制御弁55を介してセカンダリターボ過給機
50側にリークし、過給圧の一時的な低下によるトルク
ショツクを生じてしまう。
【0034】次いで、差圧センサ80の誤組付けを防止
する手段について説明すると、差圧センサ80は車両の
生産ラインで短時間に組付けられるため、単純明瞭化し
た手段が望ましい。そこで差圧センサ80の2つの圧力
導入ポート131,132の管径D2,D1が、例えば
D1>D2に大小関係で設定され、圧力導入ポート13
1が細く、圧力導入ポート132が太く設定される。ま
た吸気制御弁55の下流の吸気管19に連通する通路1
34が細く、吸気制御弁55上流のリリーフ通路58に
連通接続する通路133が太く設定される。そして2組
の圧力導入ポート131,132と通路133,134
の太いもの同士と細いもの同士を連通接続することで、
差圧センサ80のシリコンダイヤフラム123の台座1
22側を吸気制御弁下流に、回路素子124側を吸気制
御弁55の上流に正しく接続する。また、異径のもの同
士を連通しようとしてもその連通接続を不能にして、誤
組付けを防止するように構成される。
【0035】図2は差圧センサ80の実際の全体構成を
示すものであり、センサ本体120の左右に2つの接続
管141,142が同軸上に突設され、これら接続管1
41,142の孔143の内部に圧力導入ポート13
1,132がOリング140でシールして挿入される。
そこでこの場合は、2つの接続管141,142の管径
D4,D3が、D3>D4に大小関係で設定される。そ
して、接続管141を介してシリコンダイヤフラム12
3の台座122側の圧力導入ポート131と通路134
が接続され、また、接続管142を介して回路素子12
4側の圧力導入ポート132と通路133が接続され
る。
【0036】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、差圧センサ80の組付けの際に、差圧センサ
80の細い圧力導入ポート131を接続管141を介し
て同じ細い通路134に連通接続し、太い圧力導入ポー
ト132を接続管142を介して同じ太い通路133に
連通接続する。これにより差圧センサ80は組付け時に
シリコンダイヤフラム123の台座122側を吸気制御
弁55下流の吸気管19に、回路素子124側を吸気制
御弁55上流のリリーフ通路58にそれぞれ連通して正
しく接続される。そこでエンジン運転時には、差圧セン
サ80のシリコンダイヤフラム123の台座122側に
吸気制御弁55の下流圧PDが導入し、回路素子124
側に吸気制御弁55の上流圧PUが導入して、シリコン
ダイヤフラム123の両側に上記上流圧PUと下流圧P
Dとが対向して作用する。このため両者の差圧DPS
が、DPS=PU−PDになり、この差圧DPSのゲー
ジ歪信号を電圧変化してマイナス側の出力値が適正に検
出される。
【0037】続いて、上記ECU100による過給機作
動個数切換制御を図5〜図8のターボ切換制御ルーチン
に示すフローチャートに従って説明する。このターボ切
換制御ルーチンは、イグニッションスイッチ97をON
した後、設定時間(例えば10msec)毎に実行され
るものである。
【0038】イグニッションスイッチ97のONにより
ECU100に電源が投入されると、システムがイニシ
ャライズ(各フラグ,各カウント値をクリア)され、先
ず、ステップS1でツインターボモード判別フラグF1
の値を参照する。そして、このツインターボモード判別
フラグF1がクリアされていればステップS2へ進み、
またセットされていればステップS60へ進む。このツ
インターボモード判別フラグF1は、現制御状態がプラ
イマリターボ過給機40のみを過給作動させるシングル
ターボモードのときクリアされ、両ターボ過給機40,
50を過給作動させるツインターボモードのときにセッ
トされる。
【0039】以下の説明では、先ずシングルターボモー
ドについて説明し、次いでシングル→ツイン切換制御、
最後にツインターボモードについて説明する。イグニッ
ションスイッチ97をONした直後、及び現制御状態が
シングルターボモードの場合、F1=0であるためステ
ップS2へ進む。
【0040】ステップS2では、エンジン回転数Nに基
づきターボ切換判定値テーブルを補間計算付で参照して
シングル→ツイン切換判定値Tp2を設定する。図10
に示すように、上記ターボ切換判定値テーブルには、エ
ンジン回転数Nとエンジン負荷(本実施例では基本燃料
噴射パルス幅)Tpとの関係からシングルターボモード
からツインターボモードへ切換えるシングル→ツイン切
換判定ラインL2と、その逆にツインターボモードから
シングルターボモードへ切換えるツイン→シングル切換
判定ラインL1を予め実験等から求め、シングルターボ
領域とツインターボ領域とが設定されている。そして、
各ラインL2,L1に対応してそれぞれシングル→ツイ
ン切換判定値Tp2,及びツイン→シングル切換判定値
Tp1がエンジン回転数Nをパラメータとしたテーブル
として予めROM102の一連のアドレスに格納されて
いる。なお、シングル→ツイン切換判定ラインL2は、
切換時のトルク変動を防止するため図15の出力特性の
シングルターボ時のトルク曲線TQ1とツインターボ時
のトルク曲線TQ2とが一致する点Cに設定する必要が
あり、このため図10に示すように、低,中回転数域で
の高負荷からエンジン回転数Nの上昇に応じて低負荷側
に設定される。また図に示すように、ターボ過給機作動
個数の切換時の制御ハンチングを防止するため、ツイン
→シングル切換判定ラインL1は、シングル→ツイン切
換判定ラインL2に対して低回転数側に比較的広い幅の
ヒステリシスHを有して設定される。
【0041】そして、ステップS3で上記シングル→ツ
イン切換判定値Tp2と現在の基本燃料噴射パルス幅
(以下、エンジン負荷)Tpとを比較し、Tp<Tp2
の場合、ステップS4へ進み、シングルターボモード制
御を行う。また、Tp≧Tp2の場合はステップS30
へ進み、シングル→ツイン切換制御を行う。
【0042】ステップS3からステップS4へ進むと、
過給圧制御モード判別フラグF2の値を参照する。この
過給圧制御モード判別フラグF2は、現運転領域が排気
制御弁53の小開により過給圧制御を行うと共にセカン
ダリターボ過給機50を予備回転させる排気制御弁小開
制御モード領域内のときセットされ、領域外のときクリ
アされる。従って、イグニッションスイッチ97をON
した直後はイニシャルセットにより、また前回ルーチン
実行時に運転領域が排気制御弁小開制御モード領域外の
ときはF2=0であるためステップS5へ進み、ステッ
プS5ないしステップS7の条件判断により現在の運転
領域が排気制御弁小開制御モード領域内に移行したかを
判断する。
【0043】この排気制御弁小開制御モード領域への移
行判定は、図11に示すように、エンジン回転数Nと吸
気管圧力(過給圧)Pとの関係で、シングル→ツイン切
換判定ラインL2よりも低回転低負荷側、すなわちシン
グルターボモード下において、設定値N1(例えば26
50rpm),P1(例えば1120mmHg)で囲ま
れた領域で、且つスロットル開度THが設定値TH1
(例えば30deg)以上のとき、領域内に移行したと
判定する。
【0044】すなわち、ステップS5でエンジン回転数
Nと設定値N1とを比較し、ステップS6で吸気管圧力
Pと設定値P1とを比較し、ステップS7でスロットル
開度THと設定値TH1とを比較する。そして、N<N
1,或いはP<P1,或いはTH<TH1の場合にステ
ップS8へ進み、現運転領域が排気制御弁小開制御モー
ド領域外にあると判断して過給圧制御モード判別フラグ
F2をクリアし、また、N≧N1且つP≧P1且つTH
≧TH1の場合にはステップS9へ進み、現運転領域が
排気制御弁小開制御モード領域に移行したと判断して過
給圧制御モード判別フラグF2をセットする。
【0045】そしてステップS10へ進んで、過給圧リ
リーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1をOFFし、ス
テップS11で吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.
2をOFFする。次いでステップS12へ進むと、過給
圧制御モード判別フラグF2の値を参照し、F2=0の
場合、ステップS13へ進み、第1の排気制御弁用切換
ソレノイド弁SOL.3をOFFし、ステップS14で
第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4をOF
Fする。その後、ステップS15〜S17で上記ツイン
ターボモード判別フラグF1,後述する差圧検索フラグ
F3,制御弁切換時間カウント値C1をそれぞれクリア
した後、ルーチンを抜ける。
【0046】従ってシングルターボモード下で、且つ排
気制御弁小開制御モード領域外の低回転,低負荷の運転
領域では、各切換ソレノイド弁SOL.1〜4がいずれ
もOFFする。そこで過給圧リリーフ弁57は、過給圧
リリーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1のOFFによ
りサージタンク60からの負圧が圧力室に導入されるこ
とでスプリングの付勢力に抗して開弁し、吸気制御弁5
5は、吸気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.2のOF
Fによりアクチュエータ56の圧力室に負圧が導入され
ることでスプリングの付勢力に抗して逆に閉弁する。ま
た、排気制御弁53は、両排気制御弁用切換ソレノイド
弁SOL.3,4のOFFによりアクチュエータ54の
両室54a,54bに大気圧が導入されることでスプリ
ングの付勢力により閉弁する。
【0047】そして排気制御弁53の閉弁により、セカ
ンダリターボ過給機50への排気の導入が遮断され、セ
カンダリターボ過給機50が不作動となり、プライマリ
ターボ過給機40のみ作動のシングルターボ状態とな
る。また吸気制御弁55の閉弁により、プライマリター
ボ過給機40からの過給圧の吸気制御弁55を介しての
セカンダリターボ過給機50側へのリークが防止され、
過給圧の低下が防止される。なお、シングルターボモー
ド下で且つ排気制御弁小開制御モード領域外の場合、或
いはツインターボモード下の場合には、過給圧フィード
バック制御は、ここでは詳述しないがプライマリウエス
トゲート弁41のみを用いて行われる。
【0048】一方、上記ステップS9で、現運転領域が
排気制御弁小開制御モード領域内と判断されて過給圧制
御モード判別フラグF2がセットされた場合には、ステ
ップS10〜S12を介してステップS18へ進み、第
1の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.3のみをO
Nする。そこで第1の排気制御弁用切換ソレノイド弁S
OL.3のONによりアクチュエータ54の正圧室54
aに正圧が導入され、排気制御弁53が開かれる。な
お、この排気制御弁小開制御モード下では、図9に示す
排気制御弁小開制御ルーチンが設定時間(例えば480
msec)毎に実行されることで、排気制御弁53を用
いて過給圧フィードバック制御が行われ、これに伴い排
気制御弁53が小開される。すなわち、図9において、
ステップS100で過給圧制御モード判別フラグF2の
値を参照し、F2=0のときにはルーチンを抜け、F2
=1で排気制御弁小開制御モードの場合、ステップS1
01へ進み、過給圧リリーフ弁用切換ソレノイド弁SO
L.1に対する通電状態を判断し、SOL.1=ONの
場合にはルーチンを抜け、SOL.1=OFFのときス
テップS102へ進み、目標過給圧と絶対圧センサ81
により検出される実過給圧とを比較し、その比較結果に
応じて、例えばPI制御により排気制御弁小開制御用デ
ューティソレノイド弁75に対するONデューティ(デ
ューティ比)を演算し、このONデューティのデューテ
ィ信号をデューティソレノイド弁75に出力し、過給圧
フィードバック制御を実行する。このため、デューティ
ソレノイド弁75によりアクチュエータ54の正圧室5
4aに作用する正圧が調圧され、図13に示すように、
排気制御弁53が小開して排気制御弁53のみを用いて
過給圧フィードバック制御が行われる。そして、排気制
御弁53の小開により排気の一部がセカンダリターボ過
給機50のタービン50aに供給され、セカンダリター
ボ過給機50が予備回転され、ツインターボ移行に備え
られる。
【0049】この状態下では、吸気制御弁55が閉弁さ
れているため、セカンダリターボ過給機50のブロワ5
0b下流と吸気制御弁55との間に過給圧が封じ込めら
れるが、このとき過給圧リリーフ弁57の開弁によりこ
の過給圧をリークさせ、予備回転の円滑化を図ってい
る。
【0050】また、シングルターボモード下で排気制御
弁小開制御モード領域で過給圧制御モード判別フラグF
2がセット(F2=1)された場合には、前記ステップ
S4からステップS19へ進み、ステップS19ないし
ステップS21の条件判断により現在の運転領域が排気
制御弁小開制御モード領域外に移行したかの判断がなさ
れる。
【0051】この領域外への移行判定は、過給圧制御モ
ード切換時の制御ハンチングを防止するため、図11に
示すように、前記設定値N1,P1,TH1よりも低い
値の設定値N2(例えば2600rpm),P2(例え
ば1070mmHg),TH2(例えば25deg)に
より行う。そしてステップS19で、エンジン回転数N
と設定値N2とを比較し、ステップS20で吸気管圧力
(過給圧)Pと設定値P2とを比較し、ステップS21
でスロットル開度THと設定値TH2とを比較し、N<
N2,或いはP<P2,或いはTH<TH2の場合、現
運転領域が排気制御弁小開制御モード領域外に移行した
と判断して前述のステップS8へ進み、過給圧制御モー
ド判別フラグF2をクリアする。これにより、排気制御
弁小開制御が解除される。また、N≧N2且つP≧P2
且つTH≧TH2の場合には、現運転領域が領域内のま
まであると判断して前記ステップS9へ進み、過給圧制
御モード判別フラグF2をF2=1の状態に保持し、排
気制御弁小開制御を継続する。
【0052】以上のように、シングルターボモード下で
は、エンジン本体1からの排気のほとんどがプライマリ
ターボ過給機40に導入されて、タービン40aにより
ブロワ40bを回転駆動する。そこでブロワ40bによ
り空気を吸入圧縮し、この圧縮空気がインタークーラ2
0で冷却され、スロットル弁21の開度で流量調整さ
れ、チャンバ22,吸気マニホールド23を介して各気
筒に高い充填効率で供給されて過給作用する。そして、
このシングルターボモードによるプライマリターボ過給
機40のみ作動のシングルターボ状態では、図15の出
力特性に示すように、低,中回転数域で高い軸トルクの
シングルターボ時のトルク曲線TQ1が得られる。
【0053】次に、シングル→ツイン切換制御について
説明する。前記ステップS3でTp≧Tp2、すなわち
現在の運転領域がシングルターボ領域からツインターボ
領域(図10参照)に移行したと判断されると、ステッ
プS30へ分岐してプライマリターボ過給機40のみ作
動のシングルターボ状態から両ターボ過給機40,50
作動のツインターボ状態へ切換えるためのシングル→ツ
イン切換制御を実行する。
【0054】すると、先ずステップS30で、過給圧リ
リーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1に対する通電状
態を判断し、ステップS32で第1の排気制御弁用切換
ソレノイド弁SOL.3に対する通電状態を判断し、両
切換ソレノイド弁SOL.1,3が共にONの場合は、
そのままステップS34へ進む。また、上記各切換ソレ
ノイド弁SOL.1,3がOFFの場合、ステップS3
1,S33でそれぞれONにした後、ステップS34へ
進む。
【0055】そこで過給圧リリーフ弁57は、過給圧リ
リーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.1のONにより正
圧通路64aからの正圧が圧力室に導入されることで、
この正圧及びスプリングの付勢力により直ちに閉弁す
る。また、排気制御弁53は、第1の排気制御弁用切換
ソレノイド弁SOL.3のONによりアクチュエータ5
4の正圧室54aに正圧が導入されることで開弁する。
なお、シングルターボモード下の排気制御弁小開制御モ
ードからシングル→ツイン切換制御に移行した場合に
は、上記過給圧リリーフ弁用切換ソレノイド弁SOL.
1のONにより、図9の排気制御弁小開制御ルーチンに
おいて、過給圧フィードバック制御を行うことなくステ
ップS101を介してルーチンを抜けることで、排気制
御弁53による過給圧フィードバック制御が中止され、
排気制御弁小開制御用デューティソレノイド弁75が全
閉され、正圧通路64bを介しての正圧がデューティソ
レノイド弁75によりリークされることなく直接アクチ
ュエータ54の正圧室54aに導入されるので、排気制
御弁53の開度が増大される。
【0056】そして、過給圧リリーフ弁57の閉弁によ
りリリーフ通路58が遮断され、且つ排気制御弁53の
開弁,及びその開度増大によりセカンダリターボ過給機
50の回転数が上昇されると共に、セカンダリターボ過
給機50のブロワ50b下流と吸気制御弁55との間の
過給圧が次第に上昇され、ツインターボモードへの移行
に備えられる。ステップS34では、差圧検索フラグF
3の値を参照し、F3=0の場合、ステップS35へ進
み、F3=1の場合にはステップS39へジャンプす
る。
【0057】シングル→ツイン切換制御に移行後、初回
のルーチン実行時には、F3=0であるためステップS
35へ進み、まず、車速Vに基づき排気制御弁開ディレ
ー時間設定テーブルを補間計算付で参照して、シングル
→ツイン切換制御移行後の排気制御弁53の全開制御
(第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4をO
FFからONにする)時期を定める排気制御弁開ディレ
ー時間T1を設定し、ステップS36で車速Vに基づき
吸気制御弁開ディレー時間設定テーブルを補間計算付で
参照して、上記排気制御弁53の全開制御後に吸気制御
弁55の開弁制御(吸気制御弁用切換ソレノイド弁SO
L.2をOFFからONにする)開始時期の条件を定め
るための吸気制御弁開ディレー時間T2を設定する。さ
らに、ステップS37で、吸気制御弁55の上流圧PU
と下流圧PDとの差圧(差圧センサ80の読込み値)D
PS(=PU−PD)に基づき、吸気制御弁55の開弁
制御開始時期を定めるための吸気制御弁開差圧DPSS
Tを設定する。
【0058】図12(a)に排気制御弁開ディレー時間
設定テーブルの概念図を、同図(b)に吸気制御弁開デ
ィレー時間設定テーブルの概念図をそれぞれ示す。図に
示すように車速Vが高い程、排気制御弁開ディレー時間
T1及び吸気制御弁開ディレー時間T2を短くして、排
気制御弁53を全開させるタイミング及び吸気制御弁5
5を開けるタイミング、すなわちツインターボモードに
切換わるタイミングを早め、車速に拘らず加速応答性を
均一化させ、ドライバビリティの向上を図るようにして
いる。
【0059】また、図12(c)に吸気制御弁開差圧設
定テーブルの概念図を示す。同図に示すように、エンジ
ン運転状態がシングルターボ領域から前記シングル→ツ
イン切換判定ラインL2(シングル→ツイン切換判定値
Tp2)を境としてツインターボ領域(図10参照)に
移行した直後の差圧DPSがマイナス側にある程、すな
わち、吸気制御弁55の上流圧PUに対し下流圧PDが
高く、高過給状態である程、吸気制御弁開差圧DPSS
Tをマイナス側とし、吸気制御弁55を開けるタイミン
グを早め、加速応答性を向上させる。
【0060】そして、これらディレー時間T1,T2及
び吸気制御弁開差圧DPSSTを設定した後は、ステッ
プS38に進んで差圧検索フラグF3をセットして、ス
テップS39へ進む。ステップS39では、第2の排気
制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4に対する通電状態
を判断することで、既に排気制御弁53に対する全開制
御が開始されているかを判断し、SOL.4=ONであ
り、既に排気制御弁全開制御が開始されている場合には
ステップS47へジャンプして、第2の排気制御弁用切
換ソレノイド弁SOL.4をONに保持し、SOL.4
=OFFの場合には、排気制御弁全開制御実行前である
ためステップS40へ進み、制御弁切換時間カウント値
C1と上記排気制御弁開ディレー時間T1とを比較し、
シングル→ツイン切換制御移行後、排気制御弁開ディレ
ー時間T1が経過したかを判断する。
【0061】そして、C1≧T1の場合には、ステップ
S45へジャンプして第2の排気制御弁用切換ソレノイ
ド弁SOL.4をONさせ、排気制御弁53を全開させ
る。また、C1<T1のディレー時間経過前のときには
ステップS41へ進み、エンジン負荷Tpと前記ステッ
プS2で設定したシングル→ツイン切換判定値Tp2か
ら設定値WGSを減算した値とを比較し、Tp<Tp2
−WGSの場合にはステップS8へ戻り、シングル→ツ
イン切換制御を中止して直ちにシングルターボモードに
切換える。これは、エンジン負荷Tpが落ちた場合、シ
ングルターボモードへ戻ることで運転の違和感を無くす
ためである。
【0062】さらに詳述すれば、図10に示すように、
エンジン運転状態がシングルターボ領域からシングル→
ツイン切換判定ラインL2(Tp2)をツインターボ領
域側へ一旦越えると、ツイン→シングル切換判定ライン
L1(Tp1)をシングルターボ領域側に越えない限
り、ディレー時間T1経過後に排気制御弁53が全開と
なり(ステップS45)、さらに、ディレー時間T2経
過後に差圧DPSが吸気制御弁開差圧DPSSTに達す
れば吸気制御弁55が開き(ステップS49)、ツイン
ターボ状態に切換わる。従って、一旦、シングル→ツイ
ン切換判定ラインL2を越えた後、ツイン→シングル切
換判定ラインL1とシングル→ツイン切換判定ラインL
2とで囲まれた領域に運転状態が留まっていた場合、デ
ィレー時間経過後にツインターボ状態に切換わってしま
う。しかし、この領域では、図15に示すように、トル
ク曲線TQ1で与えられるシングルターボ時の軸トルク
に対して、セカンダリターボ過給機50作動によるツイ
ンターボ時のトルク曲線TQ2の軸トルクが却って低く
なり、シングルターボ状態からツインターボ状態へ切換
わると、トルクの急減によりトルクショックを生じると
共に、運転者に違和感を与えてしまう。
【0063】これに対処するため、ツイン→シングル切
換判定ラインL1をシングル→ツイン切換判定ラインL
2に近づけて両切換ラインの幅(ヒステリシス)を狭め
ればよいが、両切換ラインL1,L2間の幅を狭める
と、シングルターボとツインターボとの切換わり頻度が
増し、各制御弁を作動させる負圧源としてのサージタン
ク60の負圧容量が不足するために、サージタンク60
を大容量としなければならず、且つ上記幅を狭めすぎる
と、運転状態がシングル→ツイン切換判定ラインL2付
近に留まった場合、ターボ切換えのパラメータであるエ
ンジン負荷Tpの変動により、切換ディレー時間の設定
の無い過給圧リリーフ弁57がチャタリングを起してし
まう不都合がある。
【0064】これらを防ぐため、運転状態がシングル→
ツイン切換判定ラインL2をツインターボ領域側に越え
た後、ディレー時間T1経過以前に、シングル→ツイン
切換判定ラインL2に対し間隔が狭くシングルターボ領
域側に設定値WGSだけ減算した図10に破線で示すシ
ングル→ツイン切換判定中止ラインL3(=Tp2−W
GS)をシングルターボ領域側に越えた場合は、ツイン
ターボ状態へ切換えるシングル→ツイン切換制御を中止
して直ちにシングルターボモードに移行させ、プライマ
リターボ過給機40のみ作動のシングルターボ状態を維
持させることで、ツインターボ状態でのトルクの低い領
域での運転を無くし、運転性の向上を図る。
【0065】一方、ステップS41でTp≧Tp2−W
GSのときにはステップS42へ進み、シングル→ツイ
ン切換制御移行後、ディレー時間T1経過以前にエンジ
ン運転状態が高負荷高回転数域に移行したかを判断する
ための高負荷判定値TpHを、エンジン回転数Nに基づ
き高負荷判定値テーブルを補間計算付で参照して設定す
る。
【0066】図12(d)に高負荷判定値テーブルの概
念図を示す。燃料噴射パルス幅(エンジン負荷)Tp
は、 Tp=K×Q/N K:定数,Q:吸入空気量 で求められ、高負荷時、吸入空気量Qを一定とした場
合、燃料噴射パルス幅(エンジン負荷)Tpはエンジン
回転数Nに反比例する。従って、図に示すように高負荷
判定値TpHは、エンジン回転数Nが高い程、低い値に
設定される。
【0067】次いで、ステップS43でエンジン負荷T
pと上記高負荷判定値TpHとを比較し、Tp≦TpH
の場合にはステップS44へ進み、制御弁切換時間カウ
ント値C1をカウントアップしてルーチンを抜ける。一
方、Tp>TpHであり、ディレー時間T1経過以前に
エンジン運転状態が高負荷高回転数域に移行した(例え
ば急加速,レーシング等の場合に相当する)と判断され
る場合には、ステップS45へ進み、第2の排気制御弁
用切換ソレノイド弁SOL.4を直ちにONし、排気制
御弁53を全開させ、セカンダリターボ過給機50側に
も排気を流すことで、排気流量急上昇により臨界回転数
に達することによるプライマリターボ過給機40のサー
ジングと損傷を防止する。
【0068】シングル→ツイン切換制御に移行後、排気
制御弁開ディレー時間T1が経過してステップS40か
ら、或いはステップS43からステップS45へ進む
と、第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁SOL.4が
ONされて、排気制御弁53が全開され、セカンダリタ
ーボ過給機50の回転数がより上昇されてブロワ50b
と吸気制御弁55との間のセカンダリターボ過給機50
によるコンプレッサ圧(過給圧)も上昇し、図13に示
すように、吸気制御弁55の上流と下流との差圧DPS
が上昇する。その後、ステップS46へ進み、排気制御
弁全開制御後の時間を計時するため制御弁切換時間カウ
ント値C1をクリアし、ステップS47へ進む。
【0069】そして、前記ステップS39或いはステッ
プS46からステップS47へ進むと、排気制御弁全開
制御(SOL.4OFF→ON)後の時間を表すカウン
ト値C1と吸気制御弁開ディレー時間T2とを比較し、
C1<T2の場合には、吸気制御弁55開弁条件が成立
していないと判断して、ステップS44でカウント値C
1をカウントアップしてルーチンを抜ける。またC1≧
T2の場合には、開弁条件成立と判断してステップS4
8へ進み、現在の差圧DPSと吸気制御弁開差圧DPS
STとを比較し、吸気制御弁55の開弁開始時期に達し
たかを判断する。
【0070】そして、DPS<DPSSTの時には開弁
開始時期に達していないと判断してルーチンを抜け、D
PS≧DPSSTの時には吸気制御弁55の上流圧PU
と下流圧PDとが略等しくなり、すなわち、セカンダリ
ターボ過給機50のブロワ50bと吸気制御弁55との
間のセカンダリターボ過給機50による過給圧が上昇し
てプライマリターボ過給機40による過給圧と略等しく
なり、吸気制御弁開弁開始時期に達したと判断してステ
ップS49へ進み、吸気制御弁用切換ソレノイド弁SO
L.2をONさせ、吸気制御弁55を開弁させる。
【0071】その結果、セカンダリターボ過給機50か
らの過給が開始され、ツインターボ状態となる。そして
ステップS50へ進み、シングル→ツイン切換制御の終
了により、次回、ツインターボモードへ移行させるべく
ツインターボモード判別フラグF1をセットして、ルー
チンを抜ける。なお、以上のシングル→ツイン切換制御
によるシングルターボモードからツインターボモードへ
の切換わり状態を、図13のタイムチャートに示す。
【0072】上述のように、シングル→ツイン切換制御
においては、先ず、過給圧リリーフ弁57を閉弁すると
共に、排気制御弁53を開弁し、セカンダリターボ過給
機50の予備回転数を上昇させ、その後、セカンダリタ
ーボ過給機50の予備回転数を上昇させるに必要な時間
を排気制御弁開ディレー時間T1により与え、このディ
レー時間T1経過後に排気制御弁53を全開にする。そ
してセカンダリターボ過給機50のブロワ50bと吸気
制御弁55間のセカンダリターボ過給機50による過給
圧が上昇して差圧DPSが上昇し、排気制御弁全開制御
後、吸気制御弁開ディレー時間T2により排気制御弁5
3が全開されるまでの作動遅れ時間を補償し、ディレー
時間T2経過後、吸気制御弁55の上流と下流との差圧
DPSが吸気制御弁開差圧DPSSTに達した時点で吸
気制御弁55を開弁する。これによって、プライマリタ
ーボ過給機40のみ作動のシングルターボ状態から両タ
ーボ過給機40,50作動によるツインターボ状態への
切換わりがスムーズに行われ、さらに、吸気制御弁55
の上流圧PUと下流圧PDとが略等しくなった時点で吸
気制御弁55を開弁してセカンダリターボ過給機50か
らの過給を開始させるので、ツインターボ状態への切換
え時に発生する過給圧の一時的な低下によるトルクショ
ックの発生が有効かつ確実に防止される。
【0073】次に、ツインターボモードについて説明す
る。シングル→ツイン切換制御の終了によりツインター
ボモード判別フラグF1がセットされると、或いは前回
ルーチン実行時にツインターボモードであった場合、今
回ルーチン実行時、F1=1によりステップS1からス
テップS60に分岐する。
【0074】そしてステップS60で、エンジン回転数
Nに基づきターボ切換判定値テーブルを補間計算付で参
照してツイン→シングル切換判定値Tp1を設定し(図
10参照)、ステップS61へ進んで、エンジン負荷T
pと上記ツイン→シングル切換判定値Tp1とを比較
し、Tp≧Tp1の場合、現在の運転状態がツインター
ボ領域であるためステップS62で判定値検索フラグF
4をクリアし、ステップS63でシングルターボ領域に
移行後のシングルターボ領域継続時間をカウントするた
めのシングルターボ領域継続時間カウント値C2をクリ
アした後、ステップS72へジャンプし、ステップS7
2ないしステップS75で過給圧リリーフ弁用切換ソレ
ノイド弁SOL.1、吸気制御弁用切換ソレノイド弁S
OL.2、第1,第2の排気制御弁用切換ソレノイド弁
SOL.3,4をそれぞれONさせ、過給圧リリーフ弁
57を閉弁に、吸気制御弁55及び排気制御弁53を共
に全開に保持し、ステップS76でツインターボモード
判別フラグF1をセットして、ステップS17へ戻り、
制御弁切換時間カウント値C1をクリアした後、ルーチ
ンを抜ける。
【0075】このツインターボモード下では、過給圧リ
リーフ弁57の閉弁,吸気制御弁55の開弁,排気制御
弁53の全開により、プライマリターボ過給機40に加
えてセカンダリターボ過給機50が本格作動し、両ター
ボ過給機40,50の過給作動によるツインターボ状態
となり、両ターボ過給機40,50の過給による圧縮空
気が吸気系に供給され、図15の出力特性に示すよう
に、高回転数域で高い軸トルクのツインターボ時のトル
ク曲線TQ2が得られる。
【0076】一方、上記ステップS61でTp<Tp
1、すなわち現在の運転状態がシングルターボ領域(図
10参照)に移行したと判断されるとステップS64へ
進み、判定値検索フラグF4の値を参照し、F4=0の
場合にはステップS65へ進み、またF4=1の場合に
はステップS67へジャンプする。
【0077】上記判定値検索フラグF4は、ツインター
ボモードで且つエンジン負荷Tpがツイン→シングル切
換判定ラインL1(Tp1)を境にエンジン運転状態が
ツインターボ領域内のときにクリアされる(ステップS
62)。従ってTp<Tp1後、初回のルーチン実行に
際してはステップS65へ進み、エンジン負荷Tpに基
づきシングルターボ領域継続時間判定値テーブルを補間
計算付で参照してシングルターボ領域継続時間判定値T
4を設定する。この設定値T4は、エンジン運転状態が
ツインターボ領域からシングルターボ領域へ移行した
後、所定時間経過後にプライマリターボ過給機40のみ
作動のシングルターボモードに切換えるための基準値で
ある。
【0078】図12(e)にシングルターボ領域継続時
間判定値テーブルの概念図を示す。エンジン負荷Tpに
応じて設定されるシングルターボ領域継続時間判定値T
4は、例えば最大2.3sec,最小0.6secに設
定され、エンジン負荷Tpの値が大きく高負荷である
程、小さい値に設定される。これにより、エンジン運転
状態がツインターボ領域からシングルターボ領域に移行
後、ツインターボモードからシングルターボモードに切
換わるまでの時間がエンジン負荷が高いほど早められ、
ツインターボ状態での軸トルクの低い部分での運転が防
止され、再加速性が向上する。
【0079】次いで、ステップS66で判定値検索フラ
グF4をセットした後、ステップS67へ進む。そして
ステップS67で、シングルターボ領域継続時間カウン
ト値C2をカウントアップした後、ステップS68で上
記判定値T4とカウント値C2とを比較し、C2≧T4
の場合、ステップS71へ進み、カウント値C2をクリ
アした後ステップS8へ戻り、ツインターボモードから
シングルターボモードに切換わる。これにより、各切換
ソレノイド弁SOL.1〜4がOFFとなり、過給圧リ
リーフ弁57が開弁され、吸気制御弁55及び排気制御
弁53が共に閉弁されることで、両ターボ過給機40,
50作動のツインターボ状態からプライマリターボ過給
機40のみ作動のシングルターボ状態に切換わる。
【0080】この時の切換わり状態をタイムチャートで
示すと、図14の実線の通りとなる。このように、ツイ
ンターボモードからシングルターボモードへの切換わり
は、エンジン運転領域がツインターボ領域からシングル
ターボ領域へ移行後(Tp<Tp1)、その状態が設定
時間継続した時(C2≧T4)行われることになり、シ
フトチェンジ等に伴いエンジン回転数Nが一時的に低下
することによる不要な過給機の切換わりが未然に防止さ
れる。
【0081】一方、C2<T4の場合はステップS69
へ進み、スロットル開度THと設定値TH3(例えば3
0deg)とを比較し、TH>TH3の場合、上記ステ
ップS71を経てステップS8へ戻り、エンジン運転領
域がシングルターボ領域に移行後、その状態が設定時間
継続する以前であっても、図14の破線で示すように直
ちにシングルターボモードに切換わり、過給圧リリーフ
弁57が開弁されると共に、排気制御弁53及び吸気制
御弁55が共に閉弁されてセカンダリターボ過給機50
の過給作動が停止し、プライマリターボ過給機40のみ
過給作動のシングルターボ状態に切換えられる。
【0082】上記設定値TH3は、加速要求を判断する
ためのものである。すなわち、シングルターボ領域にお
いては(Tp<Tp1)、図15の出力特性に示すよう
にツイン→シングル切換判定ラインL1の低回転側にあ
り、ツインターボ時のトルク曲線TQ2の軸トルクの低
い領域であり、この状態でツインターボモードを維持し
ツインターボ状態を保持すると、アクセルペダルを踏込
んでも充分な加速性能を得ることができない。そのた
め、この領域で運転されている際、加速要求と判断され
るとき(TH>TH3)には、直ちにシングルターボモ
ードへ移行させてシングルターボ状態とし、シングルタ
ーボ時の高い軸トルクのトルク曲線TQ1を得ること
で、加速応答性の向上を図る。
【0083】また、上記ステップS69でTH≦TH3
の場合にはステップS70へ進み、車速Vと設定値(例
えば2Km/h)とを比較し、V>V2で車両走行状態
と判断される場合には前記ステップS72へ進み、ツイ
ンターボモードを維持し、V≦V2で停車状態と判断さ
れる場合には上述と同様にステップS71を経てステッ
プS8へ戻り、直ちにシングルターボモードに移行す
る。
【0084】上記設定値V2は、車両の停車状態を判断
するためのもので、停車中の、例えばアイドル回転数の
状態で、アクセルを踏込みエンジンを空吹しすると、エ
ンジン負荷Tpの上昇と共にエンジン回転数Nが上昇し
て、エンジン運転領域がシングルターボ領域からツイン
ターボ領域に移行し、ツインターボ状態となり、アクセ
ル開放の空吹し後、エンジン負荷Tp及びエンジン回転
数Nが直ちに低下し、エンジン運転領域がツイン→シン
グル切換判定ラインL1(図10参照)を境として再び
シングルターボ領域に移行した場合、シングルターボ領
域へ移行後、設定時間を経過しないと(C2≧T4)シ
ングルターボモードに切換わらず、この間、図14に示
すように、エンジン回転数Nが低下してアイドル回転数
Ni近く(例えば700rpm近辺)に下がってから、
各切換ソレノイド弁SOL.1〜4の切換わりが行われ
て、過給圧リリーフ弁57及び各制御弁53,55が切
換わる。このときエンジン回転数Nが低いため、エンジ
ン回転による暗騒音が低く、各弁の切換わりの際の発生
音が運転者に聞こえ、運転者に不快感を与えてしまう。
このため、車両停車状態と判断される時には(V≦V
2)、シングルターボ領域に移行後、設定時間を経過し
ていなくても(C2<T4)、直ちにシングルターボモ
ードに切換えることで、エンジン回転数が低下して暗騒
音が低くなる前に各弁の切換わりを完了させ、弁作動の
騒音による不快感を解消する。なお、このときのツイン
ターボモードからシングルターボモードへの切換わり状
態を図14に一点鎖線で示す。
【0085】以上、本考案の実施例について説明した
が、水平対向式以外の過給機付エンジンにも適用でき
る。
【0086】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、
差圧センサの一方の圧力導入ポートの管径を他方の圧力
導入ポートの管径よりも太径として、一方の圧力導入ポ
ートに対し他方の圧力導入ポートを細径とすると共に、
これら各圧力導入ポートに連通接続する上記各通路の管
径を、それぞれ各圧力導入ポートの管径に対応して設定
し、差圧センサの各圧力導入ポートと吸気制御弁の上,
下流にそれぞれ連通する各通路の、太いもの同士と細い
もの同士とをそれぞれ連通接続して、吸気制御弁の上流
圧と下流圧との差圧を差圧センサにより検出する。これ
により、2つの圧力導入ポートを有する差圧センサを過
給機付エンジンに組付ける際に、管径が太径の圧力導入
ポートを同じ太径の通路に連通接続し、細径の圧力導入
ポートを同じ細径の通路に連通接続することで、差圧セ
ンサの組付け時に、差圧センサの誤組付けを確実に防止
することができ、差圧センサを正しく接続させることが
できる。従って、差圧センサの出力値の正負が常に適正
になって、プライマリターボ過給機のみ過給作動のシン
グルターボ状態から両ターボ過給機作動によるツインタ
ーボ状態への切換えの際に吸気制御弁を適正時期に開弁
させることができ、過給圧の一時的な低下によるトル
クショックの発生回避することができる。 また、差圧
センサの一方の圧力導入ポート並びにこれに接続される
通路の管径と、差圧センサの他方の圧力導入ポート並び
にこの圧力導入ポートに接続される通路の管径とを、
化して設定するだけであるから、差圧センサの誤組付け
防止対策を簡単な構成で実現することができ、且つ、組
付け作業性も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る過給機付エンジンにおける差圧セ
ンサの接続構造の実施例を一部断面して示す構成図であ
る。
【図2】実際の差圧センサにおいて本考案の要部を一部
断面して示す平面図である。
【図3】過給機付エンジンの全体構成図である。
【図4】制御装置の回路図である。
【図5】ターボ切換制御ルーチンを示すフローチャート
である。
【図6】ターボ切換制御ルーチンを示すフローチャート
である。
【図7】ターボ切換制御ルーチンを示すフローチャート
である。
【図8】ターボ切換制御ルーチンを示すフローチャート
である。
【図9】排気制御弁小開制御ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図10】各切換判定値、及びシングルターボ領域とツ
インターボ領域との関係を示す説明図である。
【図11】排気制御弁小開制御モード領域の説明図であ
る。
【図12】(a)は排気制御弁開ディレー時間設定テー
ブル,(b)は吸気制御弁開ディレー時間設定テーブ
ル,(c)は吸気制御弁開差圧設定テーブル,(d)は
高負荷判定値テーブル,(e)はシングルターボ領域継
続時間判定値テーブルをそれぞれ示す概念図である。
【図13】シングルターボモードからツインターボモー
ドへの切換わり状態を示すタイムチャートである。
【図14】ツインターボモードからシングルターボモー
ドへの切換わり状態を示すタイムチャートである。
【図15】シングルターボ時とツインターボ時との出力
特性を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 40 プライマリターボ過給機 50 セカンダリターボ過給機 53 排気制御弁 55 吸気制御弁 57 過給圧リリーフ弁 80 差圧センサ 131,132 圧力導入ポート 133,134 通路

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの吸,排気系にプライマリターボ
    過給機とセカンダリターボ過給機とを並列に配設し、低
    速域では共に閉弁してセカンダリターボ過給機の過給作
    動を停止させるシングルターボ状態とし、高速域では共
    に開弁して両ターボ過給機を共に過給作動させるツイン
    ターボ状態とする吸気制御弁,排気制御弁を、セカンダ
    リターボ過給機に接続される吸,排気系にそれぞれ配設
    し、2つの圧力導入ポートを有して各圧力導入ポートを
    それぞれ上記吸気制御弁の上流の吸気系と下流の吸気系
    に各通路を介して接続連通する差圧センサを備え、シ
    ングルターボ状態からツインターボ状態への切換時に、
    上記排気制御弁を全開後、上記差圧センサにより検出さ
    れる吸気制御弁の上流圧と下流圧との差圧が設定値に達
    したときに上記吸気制御弁を開弁させる過給機付エンジ
    ンにおいて、上記差圧センサの一方の圧力導入ポートの管径を他方の
    圧力導入ポートの管径よりも太径として、一方の圧力導
    入ポートに対し他方の圧力導入ポートを細径とすると共
    に、これら各圧力導入ポートに連通接続する上記各通路
    の管径を、それぞれ各圧力導入ポートの管径に対応して
    設定し、 差圧センサの各圧力導入ポート と吸気制御弁の上,下流
    それぞれ連通する通路の、太いもの同士と細いもの
    同士とをそれぞれ連通接続して、上記吸気制御弁の上流
    圧と下流圧との差圧を差圧センサにより検出することを
    特徴とする過給機付エンジンにおける差圧センサの接続
    構造
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