JP2017038576A - コンバイン - Google Patents

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圭介 佐嶋
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Abstract

【課題】排気を空気中に放散させ易いものでありながら、穀粒タンクに貯留される穀粒に悪影響を与えるおそれを少なくすることが望まれていた。【解決手段】エンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置58が、運転部の機体後方側に位置する状態で備えられ、処理後の排ガスを外部に排出する排気管75が、脱穀装置5と穀粒タンク6との間において、排気口84が脱穀装置5の上端よりも上方に位置するように上方に向けて延設され、排気管75の上端部に排気口84が形成され、その排気管75の上端部が脱穀装置5側に向けて延設されている。【選択図】図2

Description

本発明は、機体前部の運転部の下方にエンジンが備えられているコンバインに関する。
コンバインは、機体前部に運転部が備えられるとともに、運転部の下方側の空間を利用してエンジンが搭載され、機体後部に、脱穀装置と穀粒タンクとが機体横幅方向に沿って並ぶ状態で備えられている。そして、従来では、エンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置が、脱穀装置と穀粒タンクとの間の空間の低い位置に備えられ、排ガス処理装置から排出される排ガスを外方に排出する排気管が脱穀装置の上端部よりも上方に向けて延び、上端部に形成された排気口が機体後方に向けて排ガスを排出するように構成したものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−193120号公報
上記従来構成は、排気管が脱穀装置の上端部よりも上方にまで延設されて、高い位置に排気口が形成されるので、排気が籠ることなく空気中に放散させ易いものとなる。しかし、上記従来構成では、排気口が機体後方に向けて排ガスを排出する構成であり、排ガスが穀粒タンクに向けて吹き付けられるので、穀粒タンクに貯留される穀粒に対して、高温の排ガスによる悪影響を与えるおそれがあった。
そこで、排気を空気中に放散させ易いものでありながら、穀粒タンクに貯留される穀粒に悪影響を与えるおそれを少なくすることが望まれていた。
本発明に係るコンバインの特徴構成は、
機体前部側に位置する運転部と、前記運転部の下方に位置する原動部と、前記運転部の後方に位置する穀粒タンクと、前記穀粒タンクの横側に位置する脱穀装置と、前記原動部に備えられたエンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置とを備え、
前記排ガス処理装置は前記運転部の機体後方側に位置する状態で備えられ、
前記排ガス処理装置にて処理された後の排ガスを外部に排出する排気管が、前記脱穀装置と前記穀粒タンクとの間において、排気口が前記脱穀装置の上端よりも上方に位置するように上方に向けて延設され、
前記排気管の上端部に前記排気口が形成され、その排気管の上端部が前記脱穀装置側に向けて延設されている点にある。
本発明によれば、運転部の下方に備えられたエンジンの排ガスが、運転部の機体後方側に位置する排ガス処理装置にて浄化処理された後に排気管を通して外部に排出される。排気管は、脱穀装置と穀粒タンクとの間において排ガス処理装置から上方に向けて延設される。排気管は、脱穀装置の上端よりも上方に排気口が位置しており、高い位置で排気が排出されるので、排気が機体内部に籠ることなく空気中に放散され易い。
そして、排気管の上端部に排気口が形成され、その排気管の上端部が脱穀装置側に向けて延設されているので、排ガスは、排気管の上端部付近で滞留することなく脱穀装置側に向けて流動案内され、排気口から脱穀装置の上方に向けて排出される。
このような構成に代えて、排気口を上向き開放状に形成する構成や、排気口を後向き開放状に形成する構成が考えられる。しかし、排気口を上向き開放状に形成するものでは、雨水が容易に排気口の内部に侵入する不利があり、排気口を後向き開放状に形成するものでは、排出される高温の排気が穀粒タンクに向けて流動して穀粒タンクに貯留される穀粒に悪影響を与えるおそれがある。
これに対して、本発明によれば、排気管の上端部が脱穀装置側に向けて延設されているので、排気管の上端部に形成される排気口は脱穀装置側に向けて開口されることになる。その結果、雨水が容易に排気管の内部に侵入するおそれが少なく、高温の排ガスを、脱穀装置の上方側の外方すなわち穀粒タンクから離れる方向に向けて排出させることができ、穀粒タンクに貯留される穀粒に対する排ガスによる悪影響を少なくすることができる。
従って、排気を空気中に放散させ易いものでありながら、穀粒タンクに貯留される穀粒に悪影響を与えるおそれが少ないものになった。
本発明においては、
前記排気管の上端部が、上下方向に延びる上下延設部に対して湾曲されて、前記脱穀装置側に向けられていると好適である。
本構成によれば、排気管の上下延設部を通して上下方向に沿って流動案内された排ガスは、上下延設部に対して湾曲されて脱穀装置側に向けられている排気管の上端部を通して滑らかに流動する。その結果、排ガスが、排気管の上端部において一部が滞留したり、流れが乱される等の不利のない状態で円滑に流動して、脱穀装置の上方側の外方空間に向けて排出される。
本発明においては、
前記排気管の上端部の端面に前記排気口が形成され、
前記排気口は上縁が下縁よりも前記穀粒タンクから離れる側に突出する形状に形成されていると好適である。
本構成によれば、排気管の端面に形成された排気口は、上縁が下縁よりも穀粒タンクから離れる側に突出しているので、雨水が降りかかっても、雨水が排気口の上縁によって受止められ、排気口の内部に入り込むことを回避し易い。その結果、排気口の形状を工夫することで、簡単な構成により、排気管の内部に雨水が侵入するおそれが少ないものとなる。
本発明においては、
前記脱穀装置の天板が、前記穀粒タンク側で且つ前記排気管の上端部の下方に位置する前後向き軸心まわりで、閉位置と開位置とにわたり揺動開閉可能に支持され、
前記排気口は、前記天板の前記開位置への揺動を許容するように、前記排気口の下縁が上縁よりも前記穀粒タンク側に引退した傾斜形状に形成されていると好適である。
本構成によれば、脱穀装置の扱室内部にて堆積したワラ屑等を除去したり、各部の点検修理を行う等のメンテナンス作業を行う場合、天板を開位置に揺動開放させることで作業を容易に行える。
天板は、穀粒タンク側で且つ排気管の上端部の下方に位置する前後向き軸心まわりで揺動開閉可能に支持されている。ここで「下方」というのは、排気管の上端部の直下方又は略直下方を意味する。そして、排気口は、天板の開位置への揺動を許容するように、排気口の下縁が上縁よりも穀粒タンク側に引退した傾斜形状に形成されているので、天板を開位置に揺動させる際に、排気管が天板に干渉して揺動を阻害することはなく、天板の開操作が行い易い。
従って、排気管が脱穀装置の天板の揺動を阻害することなく、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
コンバインの全体側面図である。 コンバインの全体平面図である。 コンバイン前部の横断平面図である。 脱穀装置と排気管との位置関係を示す縦断背面図である。 コンバイン前部の右側面図である。 原動部の左側面図である。 回動支持構造を示す縦断側面図である。 穀粒タンクの背面図である。 穀粒タンクの平面図である。 穀粒タンクの斜視図である。 穀粒タンクの斜視図である。 排気管の縦断正面図である。 遮熱カバーの斜視図である。 遮熱カバーの横断平面図である。
以下、本発明の実施の形態を自脱型のコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1及び図2に示すように、本発明に係るコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1,1によって自走する走行機体の前部に植立穀稈を刈り取る刈取部2が備えられている。走行機体の前部右側にキャビン3にて周囲が覆われた運転部4が備えられ、走行機体の後部には、刈取部2にて刈り取られた穀稈を脱穀処理する脱穀装置5と、脱穀処理にて得られた穀粒を貯留する穀粒タンク6とが、横方向に並ぶ状態で備えられている。走行機体の運転部4における運転座席7の下方に位置する状態で原動部8が備えられ、穀粒タンク6に貯留された穀粒を機外に排出するアンローダ9が備えられている。
この実施形態では、機体の前後方向を定義するときは、作業状態における機体進行方向に沿って定義し、機体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、図1及び図2に符号(F)で示す方向が機体前側、図1及び図2に符号(B)で示す方向が機体後側である。図2に符号(L)で示す方向が機体左側、図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。
刈取部2は、刈取対象となる植立穀稈の株元を分草案内する分草具10と、分草された植立穀稈を縦姿勢に引き起こす複数の引き起こし装置11、引き起された植立穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置12、刈取穀稈を縦姿勢から徐々に横倒れ姿勢になるように姿勢変更しながら後方に搬送して脱穀装置5に供給する縦搬送装置13等を備えている。
脱穀装置5は、供給された刈取穀稈の株元側を脱穀フィードチェーン5aと挟持レール5bとによって挟持して機体後方向きに搬送しながら、穂先側を扱室14に供給して脱穀処理する。扱室14は、脱穀装置5の左右両側の横側壁15、天板16、前部壁17、後部壁18の夫々によって区画して形成されている。その扱室14の内部に、前部壁17と後部壁18とにわたって回動自在に支持されて前後軸心まわりで回転駆動される扱胴19、その下方側の外周に沿う前後方向視で円弧状の受網20(図4参照)等を備え、扱胴19と受網20とによって刈取穀稈の穂先側を扱き処理して脱穀処理を行う。
脱穀処理された後の処理物が下方の選別部21にて穀粒とワラ屑等に選別される。穀粒は、図示しない一番物搬送スクリューにより脱穀装置5の右横側外方に搬出されたのち、揚穀コンベア22により揚送されて穀粒タンク6の内部に搬送される。穀粒タンク6は、脱穀装置5から送り込まれる穀粒を貯留する。その後、穀粒タンク6に貯留された穀粒は、アンローダ9により外部に搬出される。
選別部21は、図4に示すように、図示しない揺動選別装置により脱穀処理物を揺動移送しながら比重差選別を行い、唐箕23にて発生する選別風によってワラ屑等を吹き飛ばして、脱穀装置5の機体後端部に形成された排塵口(図示せず)から外部に排出される。唐箕23は、脱穀装置5の機体前部側下方位置に設けられている。唐箕23は、機体左右方向に沿って延びる駆動軸24の外周部に複数の羽根体25を一体回転自在に備えている。図4及び図5に示すように、唐箕23が備えられる箇所の脱穀装置5の左右両側の横側壁15に吸気口26が形成されている。唐箕23は、駆動軸24が回転駆動されて羽根体25が回転することで、左右の吸気口26から外部の空気を吸引しながら、その吸引した空気を選別部21に向けて選別風として送風する。
脱穀装置5は、天板16と扱胴19等を一体的に上方に開放して、受網20に付着している詰まり穀稈を除去する作業や、作業終了後の点検修理等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
図2及び図4に示すように、扱室14における前部壁17、後部壁18、扱胴19、天板16などを備えた上部構造体27が、一体的に支持アーム28を介して、機体右側(穀粒タンク側)に位置する前後軸心Xまわりで回動自在に下部フレーム体29に支持されている。上部構造体27と下部フレーム体29とにわたって油圧シリンダ30が設けられている。この油圧シリンダ30を伸縮操作することで、上部構造体27は、下部フレーム体29に近接して天板16が閉じた閉位置と、上昇揺動して天板16や扱胴19等が開放されたメンテナンス用の開位置(図4の仮想線で示す位置)とに揺動開閉可能に設けられている。
〔運転部周りの開閉構造〕
図3に示すように、運転部4は、運転座席7、運転座席7の前方に位置するフロントパネル31、このフロントパネル31と運転座席7との間に位置する床部32、運転座席7に対して機体左右方向内側(左側)に位置するサイドパネル33等を備えている。運転部4は、上方側がキャビン3にて覆われている。運転座席7は、原動部8に備えられたディーゼル型式のエンジン34の上方を覆うエンジンボンネット35の上部に支持されている。
図5に示すように、エンジンボンネット35は、エンジン34の機体前方側に位置する前板部35a、エンジン34の機体上方側に位置する上面部35b、上面部35bの後方に連なる状態で運転座席7の後方に形成された給気室構成部35c等を備えてエンジンルームを形成している。
図2及び図3に示すように、エンジンボンネット35、フロントパネル31、サイドパネル33、床部32、運転座席7、キャビン3等が一体的に連結されて運転部構造体36が形成されている。この運転部構造体36は、図2及び図5〜7に示すように、運転座席7の左後部側の上下軸心Y1まわりで回動自在に機体フレーム37に支持されている。
次に、運転部構造体36の回動支持構造について詳述する。
図3、図5〜図7に示すように、運転部4の左後部側箇所において、機体フレーム37から筒状の支持部材38が立設されている。一方、運転部構造体36の背部の左側箇所に、アーム部39を介して、上下方向に長く延びる回動支点部材40が一体的に連結されている。回動支点部材40が支持部材38に上方から差し込み挿入され、上下軸心Y1まわりで回動自在に支持される。従って、運転部構造体36が機体内方側に位置する引退姿勢と機体横外側方に張り出す張り出し姿勢とにわたり姿勢切り換え可能に構成されている。
説明を加えると、図7に示すように、支持部材38は、径方向内方側に位置する内筒部材41と、径方向外方側に位置する外筒部材42とを備えている。内筒部材41が下側に位置し、外筒部材42が上側に位置するとともに、内筒部材41と外筒部材42とが一部嵌まり合う状態でボルト43で連結されている。内筒部材41の下部を、機体フレーム37に溶接固定された固定ピン44に外嵌装着した状態で、下端部に一体的に形成されたフランジ部45を機体フレーム37にボルト連結することで、内筒部材41は機体フレーム37に固定されている。外筒部材42の上下長さは内筒部材41の上下長さよりも長い。
支持部材38の内部に、回動支点部材40を軸心方向での位置を規制しながら回動自在に受け止め支持する軸受部46が備えられている。すなわち、図7に示すように、支持部材38の内部において、内筒部材41の上端部によって縮径部47が形成されている。縮径部47よりも下部側箇所の内径は、縮径部47よりも上部側箇所の内径よりも小径である。
図7に示すように、縮径部47の内周部には摺動案内用のブッシュ48が備えられている。そして、回動支点部材40の下端部には、回動支点部材40の外径よりも小径の回動軸部49が下方に突出する状態で備えられている。回動支点部材40の下端部が内筒部材41の上側端面にて受止め支持されるとともに、回動軸部49が縮径部47の内周部に備えられたブッシュ48に嵌合して、上下軸心Y1まわりで回動自在に支持部材38に支持されている。回動支点部材40の下端部に形成された回動軸部がブッシュ48に嵌り込み、回動支点部材40の下端面が内筒部材41の上端面41aに接当支持され、回動支点部材40が内筒部材41に回動自在に受止め支持されている。
従って、内筒部材41の上端部が軸受部46として機能するとともに、回動軸部49と縮径部47の内周部に備えられたブッシュ48との間に摺動部53が構成されている。尚、回動支点部材40の上端部は、脱穀装置5の横側壁15に連結されたブラケット50によって上下軸心Y1まわりで回動自在に支持されている。
内筒部材41と外筒部材42とは、それらが嵌まり合う箇所において、周方向に間隔をあけた複数箇所において、径方向に沿ってボルトで連結されている。このボルト連結が解除された状態では、内筒部材41と外筒部材42とを分離可能である。内筒部材41と外筒部材42との連結が解除されて、外筒部材42が内筒部材41から取り外されると、内筒部材41の上端部は外方に開放された状態となる。このように内筒部材41の上端部が外方に開放された状態で、容易にブッシュ48を交換することができる。
上記構成により、運転部構造体36が回動支点部材40を介して上下軸心Y1まわりで回動自在に支持部材38に支持される。そして、エンジンボンネット35を有する運転部構造体36が上下軸心Y1まわりで回動自在に機体フレーム37に支持され、図2の実線に示すように、運転部構造体36が、原動部8の上方を覆うように機体内方側に位置する引退姿勢と、図2の二点鎖線で示すように、原動部8の上方を開放するように機体外方側に張り出す張り出し姿勢とにわたり姿勢切り換え自在である。運転部構造体36を張り出し姿勢に切り換えることにより、原動部8の上方が大きく開放されるので、原動部8のメンテナンス作業が行い易いものとなる。
〔穀粒タンク〕
図8に示すように、穀粒タンク6の底部は、正面視で略V字形の下窄まり状に形成され、穀粒タンク6の最下端部には、貯留している穀粒を機体後部側外方に搬送する搬送スクリュー51が備えられている。搬送スクリュー51にて機体後部側外方に搬送された穀粒は、アンローダ9(図1、図2参照)によって搬送されて機体外方に排出される。
図1に示すように、アンローダ9は、搬送スクリュー51にて搬送された穀粒を上方に向けて縦送り搬送する縦送りスクリューコンベア9Aと、その縦送りスクリューコンベア9Aの上部に接続されるとともに、穀粒を先端の排出口52まで横送り搬送する横送りスクリューコンベア9Bとを備えている。
図10に示すように、穀粒タンク6は、機体正面視で下窄まり状に形成されるとともに、下窄まり状の底部傾斜面6aにおける機体前部側に、平面視で略矩形状で且つ機体正面視で略菱形の第1凹入部Q1が形成されている。第1凹入部Q1は、縦方向に沿った姿勢で且つ前後方向に沿った姿勢の内奥側縦面6bと、縦方向に沿った姿勢で且つ左右方向に沿った姿勢の後側縦面6cと、上側に位置する上側面6dとの各面により囲われた凹入部となっている。
図11に示すように、第1凹入部Q1の上側には、脱穀装置5の右側の横側壁15に近接する状態で位置する縦方向に沿った姿勢の前部左側面6eと、その前部左側面6eの上端部から脱穀装置5の上方に向けて斜め左方向上方に延びる上部斜面6fと、その上部斜面6fの上端部から上方に延びる縦方向に沿った姿勢の延長側縦面6gと、前面側に位置する前部面6hと、後部側に位置する後部面6iとにより形成される膨出部6Aが形成されている。このように脱穀装置5の上方に向けて膨出する膨出部6Aを形成することで穀粒貯留量を増加させている。
図10及び図11に示すように、第1凹入部Q1の機体後方側に連なり、機体後部側ほど上方に位置する凹溝としての第2凹入部Q2が形成されている。第2凹入部Q2は、底部傾斜面6aの上端部から縦向きに形成された右側縦面6jからタンク内方側に入り込んだ状態で形成される内奥側縦面6kと、機体後部側ほど上方に位置する斜め姿勢の底部面6lと、機体後部側ほど上方に位置する斜め姿勢の上部面6mとの各面により囲われた溝状に形成されている。この第2凹入部Q2には、後述する排気管75が入り込む状態で配備される。
第2凹入部Q2の機体後方側に連なり、且つ、上下方向に沿って延びる第3凹入部Q3が形成されている。第3凹入部Q3は、穀粒タンク6の右側部において、底部傾斜面6aからタンク上端部に亘って上下方向に長く、且つ、タンク内方側(機体右側)に凹入する状態で形成されている。第3凹入部Q3は、膨出部6Aの後部面6iと、後部側に位置して機体左側ほど機体後部側に位置する傾斜姿勢の後部側縦面6nと、最内奥側に位置する幅狭の内奥側縦面6oとにより囲われて形成されている。この第3凹入部Q3には、揚穀コンベア22が入り込む状態で配備される。
第3凹入部Q3の後部側縦面6nと後部側の左側面6pとの間の角部における下部側箇所を切り欠く状態で、第3凹入部Q3の機体後方側に連なり、平面視で略菱形(図9参照)の第4凹入部Q4が形成されている。第4凹入部Q4は、縦向き姿勢で且つ前後向き姿勢の内側縦面6qと、縦向き姿勢で且つ内側縦面6qの前端から機体内側ほど機体前部側に位置する傾斜姿勢の後側縦面6rと、底部傾斜面6aと略平行な斜め姿勢の上側面6sとの各面により囲われた凹入部となっている。この第4凹入部Q4には、脱穀装置5の選別部にて発生する枝付き籾等の2番物を扱室14に還元する2番還元装置(図示せず)が入り込む状態で配備される。
穀粒タンク6の後部左側箇所には、図示しない排ワラ搬送装置の通過を許容するための第5凹入部Q5が形成されている。図11に示すように、後部側の左側面6pと後面側に位置する後部面6tとにわたって、機体後部側ほど機体右側に位置する傾斜姿勢の傾斜面6uを備えて、第5凹入部Q5が形成されている。
前部左側面6eと後部側の左側面6pとは、機体左右方向に略同じ位置に設けられ、膨出部6Aの延長側縦面6gは、前部左側面6eと後部側の左側面6pよりも機体右方向に突出する位置に設けられている。第2凹入部Q2の内奥側縦面6kと、第4凹入部Q4の内側縦面6qとは、機体左右方向で略同じ位置に設けられている。
図2に示すように、穀粒タンク6は、縦送りスクリューコンベア9Aの回転軸芯である上下軸芯Y2周りで回動自在に機体フレーム37に支持され、機体内方側に引退する通常作業姿勢(図2の実線で示す状態)と、機体横側外方に張り出す張り出し姿勢(図2の2点鎖線で示す状態)とにわたって姿勢変更自在に設けられている。運転部構造体36を張り出し姿勢に切り換えるときは、予め穀粒タンク6を張り出し姿勢に切り換えておく必要がある。
〔原動部〕
図3及び図5に示すように、原動部8は、エンジン34、エアークリーナ54、エンジン冷却用のラジエータ55、冷却ファン56等を備えている。エアークリーナ54は、エンジンボンネット35の給気室構成部35cに備えられ、プレクリーナ54aは、図1及び図2に示すように、キャビン3の屋根部の後部右側箇所に備えられている。そして、図3、図5及び図6に示すように、エンジン34の排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置57と、その第1排ガス処理装置57にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置58(本発明における排ガス処理操作に相当)とを備えている。
第1排ガス処理装置57は、排ガスに含まれるディーゼル微粒子を捕集する公知技術であるディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)(図示せず)を備え、排ガスが通過することによってディーゼル微粒子を減少させる。
第2排ガス処理装置58は、公知技術である選択触媒還元(SCR)を利用して排ガスの浄化処理を行う。具体的には、還元剤の一例である尿素水を排ガス中に噴射して加水分解させてアンモニアを生成し、そのアンモニア(NH)と排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)とを化学反応させて、窒素(N)と水(HO)とに還元させることで排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減させる。
図3及び図6に示すように、第1排ガス処理装置57は、エンジンボンネット35の内部に配備されている。すなわち、運転座席7よりも機体左側に偏倚する状態で、サイドパネル33の下方で且つエンジン34の上部における機体横幅方向内方側箇所に、長手方向が機体前後方向に沿う状態で配備されている。そして、第1排ガス処理装置57は、機体前後両側の一対の支持部59,60によってエンジン34に連結支持されている。
図6に示すように、第1排ガス処理装置57における機体前部側の下側箇所に排ガス導入口61が備えられ、排ガス導入口61がエンジン34側の排気管63に接続されている。図3に示すように、第1排ガス処理装置57における機体後部側の右側箇所に排ガス出口部62が備えられている。
図3及び図6に示すように、第2排ガス処理装置58は、エンジンボンネット35の外部であって、平面視で運転部4の機体後方側に位置する状態で備えられている。第2排ガス処理装置58は、穀粒タンク6の前部下方に位置するとともに、平面視で穀粒タンク6と重複する状態で配備されている。
上述したように、穀粒タンク6は、正面視で下窄まり状に形成され、且つ、その下窄まり状の底部傾斜面6aにタンク内方に向けて凹入する第1凹入部Q1が形成されている。そして、図8にも示すように、第2排ガス処理装置58が第1凹入部Q1に入り込む状態で配備されている。
図5及び図6に示すように、第2排ガス処理装置58は、第1排ガス処理装置57から供給される排ガスに対して尿素水が噴射供給される円筒形状のドージング部64と、ドージング部64よりも大径の円筒形状であって且つ還元処理を行う本体処理部65とを備えている。ドージング部64と本体処理部65とは、各々の下部において一体的に連結され、ドージング部64にて尿素水が噴射供給された排ガスが本体処理部65に供給されるように連通している。円筒形状のドージング部64及び本体処理部65は夫々、円筒形状の中心軸に沿う方向に沿って長尺に形成されている。
本体処理部65は円筒形状の中心軸に沿う方向が機体上下方向に沿う姿勢で配備されている。円筒形状のドージング部64は、本体処理部65に対して機体右側に位置して、本体処理部65に平行に並ぶ状態で、円筒形状の中心軸に沿う方向が機体上下方向に沿う姿勢で配備されている。
従って、第2排ガス処理装置58は、円筒形状の本体処理部65及びドージング部64の円筒形状の中心軸に沿う方向すなわち長手方向が上下方向に沿う状態で縦置き姿勢にて配備されている。
図3及び図6に示すように、第2排ガス処理装置58は、上部側の連結支持部66及び下部側の連結支持部67にて、運転部構造体36を回動自在に支持する支持部材38における外筒部材42に支持されている。すなわち、上部側の連結支持部66及び下部側の連結支持部67の夫々において、外筒部材42の外周部に一体的に側面視L字形の連結ブラケット68が固定されている。第2排ガス処理装置58の本体処理部65の外周部に、上下両側の連結ブラケット68に対応する箇所に横向き支持体69が固定されている。上下両側の横向き支持体69を上下両側の連結ブラケット68にボルトで連結することで、第2排ガス処理装置58が外筒部材42に支持されている。
図3に示すように、第1排ガス処理装置57における機体後部側の機体右側(機体横幅方向外方側)に排ガス出口部62が形成されている。図3及び図5に示すように、第2排ガス処理装置58において、本体処理部65に対して機体右側に位置するドージング部64の上部側箇所に排ガス供給部70が形成されている。
図3に示すように、第1排ガス処理装置57の排ガス出口部62と、第2排ガス処理装置58の排ガス供給部70とが接続部材としての連通接続管71を介して連通接続されている。連通接続管71は、第1排ガス処理装置57の排ガス出口部62にフランジ連結されるとともに、第2排ガス処理装置58の排ガス供給部70にフランジ連結される。
連通接続管71は可撓性を有する蛇腹管71Aを備えており、撓み変形が可能な構成となっている。蛇腹管71Aを備えることにより、ゴムマウントを介して機体フレーム37に支持されるエンジン34の振動が第2排ガス処理装置58に伝わるのを防止して、第2排ガス処理装置58を安定した状態で支持するようにしている。
図3及び図5に示すように、第2排ガス処理装置58に供給する還元剤としての尿素水を貯留する尿素水タンク72が、運転部4の床部32の下方側に備えられている。尿素水タンク72は機体フレーム37に支持されている。詳述はしないが、尿素水タンク72の尿素水をポンプにより配管を通して第2排ガス処理装置58に送給するように構成されている。尚、噴射されずに余った尿素水は尿素水タンク72に戻される。
図6に示すように、第2排ガス処理装置58における本体処理部65の上部側で且つ機体後部側箇所には排ガス流出管73が備えられている。排ガス流出管73は、第2排ガス処理装置58の排ガス出口部74から機体後方側に向かって水平又はほぼ水平に延出する基端側部73aと、この基端側部73aの延出端から機体後方向き状態から機体上方後方向きに屈曲して延出する屈曲先端側部73bとを備えている。第1排ガス処理装置57及び第2排ガス処理装置58にて処理されて、排ガス流出管73を通して排出される排ガスを、外部に排出する排気管75が備えられている。この排気管75については後述する。
〔遮熱カバー〕
図3、図6、図8、図13及び図14に示すように、穀粒タンク6と第2排ガス処理装置58との間に位置して第2排ガス処理装置58の熱を遮る遮熱カバー76が備えられている。この遮熱カバー76は、第2排ガス処理装置58の周囲のうち、上部側箇所、脱穀装置5とは反対側に対応する箇所、及び、後部側箇所の夫々に対応する箇所を覆う状態で設けられている。説明を加えると、遮熱カバー76は、穀粒タンク6の第1凹入部Q1における内奥側縦面6b、後側縦面6c、上側面6dの夫々に対向する箇所を覆って遮熱するように設けられている。
穀粒タンク6の第1凹入部Q1における上側面6dは、底部傾斜面6aと略平行な斜め姿勢に形成されている。すなわち、上側面6dは、内奥側縦面6bに連なる機体右側(脱穀装置と反対側)の端部が最も低い位置にあり、機体左側(脱穀装置側)に向かうほど高い位置になる傾斜姿勢に形成されている。
図13に示すように、遮熱カバー76における穀粒タンク6の上側面6dに対向する箇所を覆う上部面77は、穀粒タンク6の上側面6dに沿うように、脱穀装置5側に向かうほど高い位置になる傾斜姿勢に設けられている。このように上部面77を傾斜姿勢にすることで、第2排ガス処理装置58の上方側の空間を広くすることができ、第2排ガス処理装置58にて発生する熱が狭い空間内に籠るのを防止して熱を発散し易くなる。
傾斜姿勢の遮熱カバー76の上部面77は、基端側部分77aとそれに連なる延長側部分77bとに分割されている。基端側部分77aは、穀粒タンク6の内奥側縦面6bに対向する内奥面78及び穀粒タンク6の後側縦面6cに対向する後側面79と共に一体的に形成されている。上部面77の延長側部分77bは、その下端部が上部面77の基端側部分77aに複数箇所をボルトで連結して固定されている。ボルト連結を解除することで、延長側部分77bを取り外すことができる。
図13及び図14に示すように、穀粒タンク6の後側縦面6cに対向する箇所を覆う遮熱カバー76の後側面79は、後側縦面6cに沿う傾斜面部分79aと、機体左右方向に沿う横向き延設面部分79bと、横向き延設面部分79bと上部面77の延長側部分77bとの間に位置する上部側延設面部分79cとを備え、穀粒タンク6の後側縦面6cに対向する箇所を略全域を覆っている。横向き延設面部分79bの上部側箇所には、排ガス流出管73が挿通する挿通部80が形成されている。上部側延設面部分79cは通気部としての多孔状部材81を備えている。多孔状部材81は網体にて形成されている。多孔状部材81は網体に限らず、多数の孔を穿設した多孔状板体等でもよい。
穀粒タンク6の内奥側縦面6bに対向する箇所を覆う遮熱カバー76の内奥面78(脱穀装置5側と反対側の側面に相当)には、通気部としての多孔状部材82が備えられている。多孔状部材82は網体にて形成されている。多孔状部材82は網体に限らず、多数の孔を穿設した多孔状板体等でもよい。
内奥面78の機体前部下方側には脱穀装置5側に向けて凹入する凹入部83が形成されている。凹入部83を形成することで、穀粒タンク6を張り出し姿勢に切り換えた状態で、原動部8に作業者が手を差し入れるための作業スペースを確保している。
図14に示すように、第2排ガス処理装置58の周囲のうち脱穀装置5に臨む機体左横側箇所は、遮熱カバー76にて覆うことなく開放された状態となっている。この開放された箇所が脱穀装置5における唐箕23の選別風の吸気口26と側面視で重複している。唐箕23が回転作動することで、吸気口26を通して外部の空気を吸引するときに、第2排ガス処理装置58の周囲の空気を共に吸引する。
第2排ガス処理装置58の周囲の空気は、第2排ガス処理装置58にて発生する熱が原因で高温になっている。唐箕23が作動している刈取作業中においては、このような高温の空気が唐箕23によって吸引されて脱穀装置5内を通過したのち機体外方に排出される。このとき、唐箕23によって第2排ガス処理装置58の周囲の空気が吸引されるのに伴って、原動部8内の空気も合わせて吸引される。さらに、内奥面78の多孔状部材82を通して外部の低温の空気が吸引されるので、第2排ガス処理装置58の周囲の空気の温度が低下する。
路上走行時のように、唐箕23が作動していない状態では、第2排ガス処理装置58の周囲の空気が唐箕23によっては吸引されないが、第2排ガス処理装置58の周囲の空気は、内奥面78の多孔状部材82を通して外方に排出されるので、遮熱カバー76の内部の狭い空間に熱が籠ることはない。
遮熱カバー76は、機体側の図示しない支持部に対して複数箇所ボルト止めして固定支持されている。穀粒タンク6を張り出し姿勢に切り換えたとき遮熱カバー76は機体側に残ることになる。穀粒タンク6を張り出し姿勢に切り換えたのちに、運転部構造体36を張り出し姿勢に切り換えてメンテナンス作業を行う場合には、遮熱カバー76の上部面77のうち延長側部分77b及び上部側延設面部分79cを取り外す。それにより運転部構造体36が回動に伴って遮熱カバー76と干渉することを回避できる。上部側延設面部分79cが上部面77の延長側部分77bと一体的に連結されており、取扱いが容易である。
このように、遮熱カバー76は、第2排ガス処理装置58との間、並びに、穀粒タンク6との間に間隔をあける状態で備えられ、空気により断熱層を形成して第2排ガス処理装置58からの熱が穀粒タンク6に伝わり難くなるようにしている。
第2排ガス処理装置58の周囲のうち原動部8に臨む機体前部側箇所は、遮熱カバー76にて覆うことなく開放された状態となっている。原動部8に備えられた第1排ガス処理装置57と第2排ガス処理装置58とを接続する連通接続管71を、遮熱カバー76に干渉することなく良好に配備できる。
〔排気管〕
排気管75は、脱穀装置5と穀粒タンク6との間において、排気口84が脱穀装置5の上端よりも上方に位置するように上方に向けて延設されている。排気管75の上端部に排気口84が形成され、その排気管75の上端部が脱穀装置5側に向けて延設されている。
図4及び図12に示すように、排気管75は、第2排ガス処理装置58側に位置する上下延設管としての第1排気管75Aと、排気口84側に位置する排気管75の上端部としての第2排気管75Bとを備えている。第1排気管75Aは、第2排ガス処理装置58の排ガス出口部74に対応する箇所から後上り傾斜姿勢で上下方向に沿って延設されている。第2排気管75Bは、第1排気管75Aに対して湾曲されて脱穀装置側に向けて延設されている。
第1排気管75Aは、排ガス流出管73の出口部から脱穀装置5の上端部に相当する位置まで延びている。この第1排気管75Aは、図12に示すように、内側に位置する円筒形状の内管85と、外側に位置する円筒形状の外管86との2重管構造となっており、さらに、外管86における穀粒タンク6の第2凹入部Q2側を覆う断面略U字形のカバー部材87を備えている。このようにして、内管85の内部を通流する排ガスの熱が外方側に伝わらないようにしている。
内管85は、外管86に内挿された状態で外管86に固定され、上方側に向けて外管86の端部から突出している。外管86の機体前部側箇所が、取付ブラケット88を介して脱穀装置5の右側の側壁に支持されている。外管86の機体後部側箇所が、揚穀コンベア22を脱穀装置5の右側の側壁に支持するための連結部材89に支持されている。カバー部材87は、外管86に備えられた取付ブラケット90にボルト連結にて固定されている。
図12に示すように、第2排気管75Bは、第1排気管75Aの内管85よりも大径に設けられ、第2排気管75Bの排気流動方向上手側箇所と内管85の排気流動方向下手側箇所とが排気流動方向に沿って重複して、それらの間に径方向に隙間が形成されている。排気の流動に伴うエジェクタ作用によって、隙間から外気を内部に吸引して排ガスの冷却を行なうことができる。
第2排気管75Bに排気口が形成され、第2排気管75Bが、第1排気管75Aに対して湾曲されて、脱穀装置5側に向けられている。第2排気管75Bは、断面が略円形となる円筒状体にて構成され、機体前後方向視で上方に向かうほど脱穀装置5側に向けて略円弧状に曲がるように湾曲状に脱穀装置5側に向けて延設されている。そして、第2排気管75Bの先端部の端面に排気口84が形成されている。排気口84は上縁が下縁よりも穀粒タンク6から離れる側すなわち機体左側に突出する形状に形成されている。排気口84は、円筒状体を上側が下側よりも外方側に位置する傾斜姿勢で前後方向視で直線状に形成されている。
そして、図4に示すように、第2排気管75Bの排気口84は、脱穀装置5の上部構造体27が開位置へ揺動するのを許容するように、排気口84の下縁が上縁よりも穀粒タンク6側に引退した傾斜形状に形成されている。
排気管75は、先端部が穀粒タンク6の上端よりも下方に位置しており、しかも、排気管75の先端部は収納位置にあるアンローダ9の横送りスクリューコンベア9Bよりも下方に位置している。従って、横送りスクリューコンベア9Bを収納位置に収納している状態だけでなく、機体振動等により収納位置から外れることがあっても、排気管75が横送りスクリューコンベア9Bに干渉するおそれがない。
エンジン34から排出された排ガスは、第1排ガス処理装置57にてディーゼル微粒子を減少させる浄化処理が行われ、第2排ガス処理装置58にて、排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減させる浄化処理が行われて、浄化処理を終えた排ガスが排気管75を通して機体外部に排出される。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、排気管の上端部である第2排気管75Bが、略円形の断面を有する円筒状体にて構成されるものを示したが、この構成に代えて、断面形状が、例えば、四角形、五角形、六角形等の多角形状に設けられる構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、第2排気管75Bが、第1排気管75Aに対して湾曲されて、脱穀装置5側に向けられる構成としたが、この構成に代えて、第2排気管75Bを屈曲状に曲げて脱穀装置5側に向けて延設する構成でもよい。
(3)上記実施形態では、排気口として、その下縁が上縁よりも穀粒タンク側に引退した傾斜形状に形成されるものを示したが、この構成に代えて、排気口として、上縁が下縁よりも穀粒タンクから離れる側に突出するように、複数段の階段状に形成されるものでもよく、傾斜形状に形成されるものに限らない。
(4)上記実施形態では、扱室14における前部壁17、後部壁18、扱胴19、天板16などを備えた上部構造体27が、一体的に前後軸心Xまわりで回動自在に下部フレーム体29に支持される構成としたが、この構成に代えて、前部壁17、後部壁18、扱胴19は固定状態で、天板16だけが前後軸心Xまわりで回動自在に支持されて開放可能に構成されるものでもよい。このような天板の回動構造を備えない構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、排ガス処理装置として、排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置58を備える構成としたが、エンジン34の排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置57であってもよく、他の種類の排出ガス処理装置でもよい。
(6)上記実施形態では、自脱型コンバインに適用したものを示したが、本発明は普通型コンバインにも適用できる。
本発明は、機体前部の運転部の下方にエンジンが備えられているコンバインに適用できる。
4 運転部
5 脱穀装置
6 穀粒タンク
8 原動部
16 天板
34 エンジン
58 第2排ガス処理装置(排ガス処理装置)
75 排気管
75A 上下延設部
75B 上端部
84 排気口
X 前後向き軸心

Claims (4)

  1. 機体前部側に位置する運転部と、前記運転部の下方に位置する原動部と、前記運転部の後方に位置する穀粒タンクと、前記穀粒タンクの横側に位置する脱穀装置と、前記原動部に備えられたエンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置とを備え、
    前記排ガス処理装置は前記運転部の機体後方側に位置する状態で備えられ、
    前記排ガス処理装置にて処理された後の排ガスを外部に排出する排気管が、前記脱穀装置と前記穀粒タンクとの間において、排気口が前記脱穀装置の上端よりも上方に位置するように上方に向けて延設され、
    前記排気管の上端部に前記排気口が形成され、その排気管の上端部が前記脱穀装置側に向けて延設されているコンバイン。
  2. 前記排気管の上端部が、上下方向に延びる上下延設部に対して湾曲されて、前記脱穀装置側に向けられている請求項1記載のコンバイン。
  3. 前記排気管の上端部の端面に前記排気口が形成され、
    前記排気口は上縁が下縁よりも前記穀粒タンクから離れる側に突出する形状に形成されている請求項1又は2に記載のコンバイン。
  4. 前記脱穀装置の天板が、前記穀粒タンク側で且つ前記排気管の上端部の下方に位置する前後向き軸心まわりで、閉位置と開位置とにわたり揺動開閉可能に支持され、
    前記排気口は、前記天板の前記開位置への揺動を許容するように、前記排気口の下縁が上縁よりも前記穀粒タンク側に引退した傾斜形状に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
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