JP2017033801A - ガーネット型酸化物固体電解質の製造方法 - Google Patents

ガーネット型酸化物固体電解質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、加熱中にるつぼ由来のAlイオンの溶出が抑制されたガーネット型酸化物固体電解質の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のガーネット型酸化物固体電解質の製造方法は、原料としてLiOH、La2O3、ZrO2及びNb2O5を用い、フラックスとしてNaClを用いて、当該原料と当該フラックスを混合する工程、前記混合物をAl2O3製のるつぼ中で加熱する工程、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガーネット型酸化物固体電解質の製造方法に関する。
従来、固体電解質膜の一面側に正極活物質を含む正極を設け、他面側に負極活物質を含む負極を設けた全固体リチウム二次電池が提案されている。このような固体電解質に用いるリチウムイオン伝導性物質の中でも、ガーネット型酸化物固体電解質はリチウムイオン伝導率が非常に高い。
特許文献1には、フラックスとしてLiOHを使用して、他の原料と共にるつぼ中で加熱することによって、Li、La、Zr及びOを含有するガーネット型固体電解質を得る製造方法が記載されている。ここで、特許文献1のようにフラックス法でガーネット型固体電解質を得る場合には、高温に対する耐性が求められるため、通常、Al、ZrO、MgOなどを素材とするるつぼを使用する必要があり、特にAl製のるつぼを使用することが好ましい。
しかし、フラックスがLiOHである場合には、Al製のるつぼを使用すると、加熱中にLiOHとAlが反応すること、当該反応によりるつぼ由来のAlイオンが混合物中に溶融することが知られている。
このようにLiOHとAlが反応すると、目的とするガーネット型固体電解質と共に、るつぼ由来のAlを含む不純物が生成される等の問題が生じる。
特開2012−174659号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、加熱工程におけるフラックスとAl製るつぼの反応や、当該反応によるAlイオンの溶出が抑制されたガーネット型酸化物固体電解質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のガーネット型酸化物固体電解質の製造方法は、原料としてLiOH、La、ZrO及びNbを用い、フラックスとしてNaClを用いて、当該原料と当該フラックスを混合する工程、前記混合物をAl製のるつぼ中で加熱する工程、を有することを特徴とする。
本発明によれば、加熱工程におけるフラックスとAl製るつぼの反応や、当該反応によるAlイオンの溶出が抑制されたガーネット型酸化物固体電解質の製造方法を提供することができる。
本発明のガーネット型酸化物固体電解質の製造工程例を示した図である。 実施例1の製造方法で得られたガーネット型酸化物固体電解質のXRDスペクトルである。 実施例1の製造方法で得られたガーネット型酸化物固体電解質のSEM観察画像である。 比較例1の製造方法で得られた、ガーネット型酸化物固体電解質のXRDスペクトルである。 比較例1の製造方法で得られた、ガーネット型酸化物固体電解質のSEM観察画像である。 比較例2の製造方法で得られた、ガーネット型酸化物固体電解質のSEM観察画像である。 従来技術のガーネット型酸化物固体電解質の製造工程例を示した図である。
本発明のガーネット型酸化物固体電解質の製造方法は、原料としてLiOH、La、ZrO及びNbを用い、フラックスとしてNaClを用いて、当該原料と当該フラックスを混合する工程、前記混合物をAl製のるつぼ中で加熱する工程、を有することを特徴とする。
従来技術では、フラックスとしてLiOHを使用するため、当該LiOHとるつぼの素材であるAlが加熱中に反応し、Alイオンが混合物中に溶融してしまう。そのため、以下に代表される問題が生じていた。
第1に、溶融したAlイオンがガーネット型酸化物中のLiイオンと置換し、目的とするガーネット型酸化物固体電解質のLiイオン伝導率が低下するという問題があった。
第2に、溶融したAlイオンがLiAl(OH)やLiAlOを不純物として生成して、当該不純物がガーネット型酸化物固体電解質のLiイオン伝導率を低下させるため、本来必要の無い当該不純物を除去する工程を設ける必要があった。
第3に、加熱中にフラックスであるLiOHとるつぼの素材であるAlが反応しているため、本来、水に溶解して簡単に除去できるフラックスが水に溶解しにくくなり、ガーネット型酸化物を分離する作業が困難であるという問題が生じていた。
第4に、フラックスであるLiOHを水に溶解してガーネット型酸化物を分離する工程で、ガーネット型酸化物中のLiイオンが水由来のプロトンと置換してしまうことから、本来必要の無い置換したプロトンを再度Liイオンに交換する工程を設ける必要があった。
ここで、NaClは加熱してもAlと反応しないため、フラックスとしてNaClを用いることで、上記問題は解消できる。しかし、従来技術の製造方法の原料組成では、フラックスをLiOHからNaClに変更するとガーネット型酸化物を製造することができなくなるという問題があった。
本発明のガーネット型酸化物固体電解質の製造方法では、フラックスとしてNaClを使用することで、上記問題を解決すると共に、原料としてLiOH、La、ZrO及びNbを使用することで、NaClをフラックスとしてもガーネット型酸化物固体電解質を得ることを可能にした。
本発明の製造方法では、フラックス法を用いてガーネット型酸化物固体電解質を製造する。
フラックス法とは結晶化合物の結晶成長法の一つであり、結晶成分となる原材料と目的とする結晶化合物を融点以下の温度で溶解するフラックス(融剤)とを混合して結晶化合物を得るものである。
本発明において、ガーネット型酸化物とは、組成・結晶構造中にLiを含み、Li12の化学組成で表される酸化物をいう。ここで、Xは、Aの価数をa、Bの価数をbとした時、X=24-3a-2bの関係を満たす。
また、本発明において、固体電解質とは、Liイオン伝導性の電解質をいう。
<ガーネット型酸化物固体電解質の製造方法>
以下、本発明のガーネット型酸化物固体電解質の製造工程を、必要に応じて従来技術の製造方法と対比しながら説明する。図1に本発明の製造工程例、図7に従来技術の製造工程例のフローを示す。なお、以下、又は、図1に記載されたすべての工程が本発明の製造方法において必須であるわけではない。
[混合工程]
本発明では、原料としてLiOH、La、ZrO及びNbを用い、フラックスとしてNaClを用いて、当該原料と当該フラックスを混合する。
まず、原料であるLiOH、La、ZrO及びNb、並びに、フラックスであるNaClを準備する。
目的とする酸化物固体電解質の構造や組成等に影響しない程度に、前記原料や前記フラックス以外に他の成分が混入していても良いが、他の成分の混入は可能な限り少ないことが好ましい。純度の高いガーネット型の酸化物固体電解質を得るために、各原料は純度が高いものであると好ましく、98%以上の純度であることが好ましく、99%以上の純度であることがさらに好ましい。
目的とするガーネット型固体電解質の化学量論組成から、原料ごとに必要量を算出する。
フラックスであるNaClの量には、特に制限はないが、原料の総質量を100質量%としたときに、フラックスの含有割合を25〜90質量%とすることが好ましい。
フラックスの含有割合が25質量%未満であると、フラックスが少なすぎるため、溶質を十分に溶解できない、結晶面の発達が乏しい、結晶性の高い固体電解質を育成できなくなる等のおそれがある。
フラックスの含有割合が90質量%を超えると、フラックスが多すぎるため、目的とする組成の固体電解質が得られない、収量が少ないため生産効率が悪い、又は結晶が十分に発達できなくなる等のおそれがある。
本工程においては、混合物の総質量を100質量%としたときに、当該混合物中においてフラックスとして働く化合物の総含有割合が55〜85質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがより好ましい。
算出した量に従って秤量した原料及びフラックスを混合する。
混合物の混合方法は、均一に混合できる方法であれば特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、乳鉢による混合や、メカニカルミリングによる攪拌混合、プラネタリーミキサーによる撹拌混合、振とう器やシェーカーによる撹拌混合等が挙げられる。
上記混合方法のうち、メカニカルミリングは、原料組成物を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えばボールミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができる。
[加熱工程]
本発明では、前記混合物をAl製のるつぼ中で加熱する。
上述したように、フラックスであるNaClとAlは、加熱しても反応しない。よって、加熱工程において、混合物中へのAlイオンの溶出が無いため、従来技術のように目的とするガーネット型酸化物固体電解質中のLiイオンとるつぼ由来のAlイオンが置換したり、アルミニウム化合物が不純物として生成するなどの問題が生じることが無い。
なお、図7に示すように従来技術においては、加熱中にフラックスであるLiOHとるつぼの素材であるAlが反応することにより生じた不純物であるアルミニウム化合物を、ホモジナイザーなどで凝集させて除去する工程を設けていたが、完全に不純物を除去することはできない上、本来必要の無い工程が追加されるため製造効率の面で劣っていた。
本発明の製造方法において、加熱条件は、ガーネット型酸化物が得られれば特に制限はない。結晶化度の高いガーネット型酸化物を得るために、加熱温度は600〜1000℃であることが好ましく、950℃程度であるとさらに好ましい。また、加熱時間は1〜40時間であることが好ましく、10時間程度であるとさらに好ましい。
加熱方法は、上記条件の加熱が可能であれば、特に限定されない。加熱雰囲気は特に限定されないが、大気下での加熱、又は酸素雰囲気下での加熱が好ましい。
具体的な加熱方法としては、電気炉による加熱、ヒートガンによる加熱、面ヒータや線ヒータによる加熱、プラズマ照射による加熱、赤外線加熱、アーク加熱、誘導加熱、レーザ加熱等が挙げられる。
[その他の工程]
加熱工程終了後、るつぼごと反応混合物を放熱し冷却する。
水溶液を用いて反応混合物中のフラックスであるNaClを溶解する。
本発明において、フラックスを溶解する水溶液はNaClを溶解することができれば、特に制限はないが、水溶液中のプロトンが少ないことが好ましく、水溶液中のLi濃度が高いことが好ましい。水溶液に使用するLi含有化合物に特に制限はないが、LiOHであるとさらに好ましい。LiOH溶液を使用する場合の濃度は、1.0〜5.3mol/Lであることが好ましく、4.0〜5.0mol/Lであると更に好ましい。
反応混合物を含むLiOH溶液を濾過することによって、溶解成分からガーネット型酸化物を分離し回収することができる。
図7に示すように、従来技術では、フラックスであるLiOHを溶解・除去するために水を使用する必要があったため、ガーネット型酸化物中のLiイオンが水由来のプロトンと置換され、Liイオン伝導度が低下するという問題があった。
これに対し、本発明でフラックスとして使用するNaClは、プロトンをほとんど含有しないLiOH溶液に溶解することから、フラックスの除去にLiOH溶液を使用することが可能であり、ガーネット型酸化物中のLiイオンのプロトンよる置換を抑制することができる。
なお、従来技術においても、Liイオンがプロトンと置換されたガーネット型酸化物に対しては、図7に示すようなイオン交換する工程を設けることによって、再度プロトンをLiイオンに置換することが可能であったが、本来必要の無い工程が追加されるため製造効率の面で劣っていた。
<本発明の製造方法で得られるガーネット型酸化物固体電解質>
以下、本発明の製造方法で得られるガーネット型酸化物固体電解質について説明する。
本発明の製造方法で得られるガーネット型酸化物固体電解質は、ガーネット型酸化物固体電解質中のLiイオンが、るつぼ由来のAlイオンにほとんど置換されておらず、不純物であるアルミニウム化合物もほとんど含有しない。
本発明の製造方法で得られるガーネット型酸化物固体電解質はLiイオンを含有するガーネット酸化物であれば特に制限はないが、Liイオン伝導性などの観点から、(Li7−X)(La)(Zr2−X,Nb)O12の組成を有することが好ましい。ここで、Xは、0を超えて2.00未満の範囲にあることが好ましい。
本発明の製造方法で得られるガーネット型酸化物固体電解質は立方晶系の結晶構造を持ち格子定数(Å)は12.30〜12.98の範囲にあることが好ましい。
また、本発明の製造方法で得られるガーネット型酸化物固体電解質は、縦、横、及び奥行きのうち少なくとも一辺の長さが0.1μm以上1mm以下の粒子であることが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
<ガーネット型酸化物固体電解質の製造>
[実施例1]
Li6.4LaZr1.4Nb0.612の組成のガーネット型酸化物固体電解質が得られるように、原料であるLiOH(シグマ アルドリッチ社製)、La(株式会社高純度化学研究所製)、ZrO(株式会社高純度化学研究所製)、及びNb(株式会社高純度化学研究所製)がmol比で、12.8:3.0:1.4:0.6となるように秤量した。
また、フラックスであるNaCl(株式会社高純度化学研究所製)は、前記原料総量の2.8倍の質量となるように秤量した。
前記の各原料とフラックスは、遊星ボールミル(商品名:P−5、フリッチュ社製)を用いて乾式で混合した。
前記原料とフラックスの混合物13gを容量50mLのAl製のるつぼ(株式会社ニッカトー製)に入れ、電気炉(商品名:KDF、アズワン株式会社製)を用いて、950℃で10時間加熱した。
室温まで冷却後、るつぼ中に5mol/LのLiOH水溶液を200mL加えフラックスであるNaClを溶解した。
当該フラックスや酸化物固体電解質等を含む溶液を濾過することで、実施例のガーネット型酸化物固体電解質を分離回収し、実施例1のガーネット型酸化物固体電解質を得た。
[比較例1]
製造するガーネット型酸化物固体電解質の組成がLiLaZr12となるように、原料兼フラックスであるLiOH(シグマ アルドリッチ社製)、並びに原料であるLa(株式会社高純度化学研究所製)及びZrO(株式会社高純度化学研究所製)がmol比で、140:3:2となるように秤量した。
前記のように秤量して準備した各成分を遊星ボールミル(商品名:P−5、フリッチュ社製)を用いて乾式で混合した。前記原料とフラックスの混合物13gを容量50mLのAl製のるつぼ(株式会社ニッカトー製)に入れた。
混合物の入った前記るつぼを、電気炉(商品名:KDF、アズワン株式会社製)を用いて、900℃で10時間加熱した。
室温まで冷却後、るつぼ中に蒸留水200mLを加えフラックスであるLiOHを溶解した。
当該フラックスや酸化物固体電解質を含む溶液を濾過することで、ガーネット型酸化物固体電解質を分離し、比較例1のガーネット型酸化物固体電解質を回収した。
[比較例2]
加熱終了後、フラックスであるLiOHを蒸留水で溶解するまでは、比較例1と同様に製造した。
当該フラックスや酸化物固体電解質を含む蒸留水中に含まれる、加熱反応によって生じた酸化アルミニウムなどの不純物を、ホモジナイザー(商品名:ハンドホモジナイザー、ドレメル社製)を用いて凝集させ、凝集した不純物はふるいによって除去した。
不純物が除かれた状態のフラックスや酸化物固体電解質を含む溶液を濾過することで、ガーネット型酸化物固体電解質を分離し回収した。
フラックス溶解工程でガーネット型酸化物固体電解質の一部のLiイオンと置換したプロトンをLiイオンに再置換する目的で、得られたガーネット型酸化物固体電解質を、5mol/LのLiNO水溶液200mLに加えて、イオン交換を行い、比較例2のガーネット型酸化物固体電解質を得た。
<X線結晶回折(XRD)測定>
実施例1及び比較例1で得られたガーネット型酸化物固体電解質のXRDスペクトルは、XRD測定装置(商品名:SmartLab、株式会社リガク製)によるCuKα線を用いた粉末X線回折測定によって得た。Arガスの不活性雰囲気で、スキャンスピードは5°/min、サンプリング幅は0.01°として、2θ=10〜80°の範囲で測定した。
<電子顕微鏡観察>
実施例1、比較例1及び比較例2で得られたガーネット型酸化物固体電解質を試料室にセットし、走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:JSM7500、日本電子株式会社製)を用いて加速電圧15kVにて、倍率100〜6000倍で観察を行った。
<評価結果>
実施例1のガーネット型酸化物固体電解質のXRDスペクトルを図2に、SEM観察画像を図3に示す。比較例1のガーネット型酸化物固体電解質のXRDスペクトルを図4に、SEM観察画像を図5に示す。また、比較例2のガーネット型酸化物固体電解質のSEM観察画像を図6に示す。
図6に示すように、比較例2のガーネット型酸化物固体電解質のSEM観察画像では、20面体の粒子が大部分を占めているが、図5に示すように、比較例1ガーネット型酸化物固体電解質SEM観察画像では、20面体の粒子の周辺に、不純物が確認された。
図4に示すように、比較例1のガーネット型酸化物固体電解質のXRDスペクトルには、目的としたLiLaZr12に帰属可能なスペクトル以外にも、LiAl(OH)やLiAlOのスペクトルが確認されたことから、比較例1のガーネット型酸化物固体電解質のSEM観察画像で確認された不純物はLiAl(OH)やLiAlOであると考えられた。これらの不純物は、フラックスであるLiOHとるつぼ素材のAlの反応により、Alイオンが混合物中に溶融した結果生じた不純物であると考えられた。
比較例2の製造方法では、凝集工程を設けることにより、比較例1のガーネット型酸化物固体電解質に含まれるLiAl(OH)やLiAlOを主成分とする不純物が除去されたと考えられた。
これらに対して、図3に示す実施例1のガーネット型酸化物固体電解質のSEM観察画像では、20面体の粒子がのみ観察され、比較例で観察された不純物は確認されなかった。また、図2に示すように、実施例1のガーネット型酸化物固体電解質のXRDスペクトルには、目的としたLi6.4LaZr1.4Nb0.612に帰属可能なスペクトルのみが確認され、比較例1で確認された不純物のスペクトルはほとんど認められなかった。
このように、実施例1のガーネット型酸化物固体電解質では、凝集工程を設けていないにも係らず、LiAl(OH)やLiAlOの不純物が確認されないことから、加熱工程で、るつぼ由来のAlイオンの溶出がほとんど無いと考えられた。
また、図3と図6のSEM観察画像を対比すると、図6では20面体の粒子の周辺に、少量ではあるが不純物が確認されたことから比較例2の製造方法において、不純物の凝集工程を経ても不純物が完全に除去できていないことが明らかとなった。
以上の結果より、本発明のガーネット型酸化物固体電解質の製造方法では、フラックスとしてNaClを使用することで、LiOHとるつぼの素材であるAlが加熱中に反応してLiイオンが溶融するという問題を解決すると共に、原料としてLiOH、La、ZrO及びNbを使用することで、NaClをフラックスとしてもガーネット型酸化物固体電解質が得られることが明らかとなった。

Claims (1)

  1. ガーネット型酸化物固体電解質の製造方法であって、
    原料としてLiOH、La、ZrO及びNbを用い、フラックスとしてNaClを用いて、当該原料と当該フラックスを混合する工程、
    前記混合物をAl製のるつぼ中で加熱する工程、を有することを特徴とする、ガーネット型酸化物固体電解質の製造方法。
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