JP2017032179A - 風呂装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 入浴による低温やけどを防止できる風呂装置を提供する。【解決手段】 風呂装置は、浴槽に接続される追焚循環回路と、この追焚循環回路に設けられたポンプ、加熱部および湯温センサと、メモリと、演算制御部とを備えている。メモリは、浴槽湯温と上限入浴時間との関係を表す低温やけど防止のための相関データを記憶している。演算制御部は、上記ポンプを駆動させることにより浴槽の湯を追焚循環回路を介して循環させ、上記湯温センサからの浴槽湯温の検出情報に応じて上記加熱部からの熱を供給することにより、追焚を実行するとともに、浴槽への入浴の有無を判断し、入浴中の低温やけどのリスクレベルを、上記湯温センサからの検出情報に基づく浴槽湯温と、入浴時間と、上記メモリに記憶された上記相関データに基づき演算し、演算されたリスクレベルに基づき、注水や報知等、低温やけど防止のための動作を実行する。【選択図】 図4

Description

本発明は、入浴者が低温やけどを負うのを防止できる風呂装置に関する。
近年、低温やけどに対する関心が高まっている。非特許文献1は、豚の皮膚に局所的に熱源を当てた時に生じる低温やけどの研究について記述している。この研究で、低温やけどが生じる、皮膚表面温度と経過時間との関係が明らかになった。すなわち、皮膚表面温度が1℃低下するごとに、低温やけどが生じる経過時間が約2倍になる。図7の曲線Aは、非特許文献1の皮膚表面温度―経過時間の相関データにほぼ対応したものである。
本明細書では、上記低温やけどに関する温度―時間の相関データにおいて、温度が1℃低下するごとに増大する経過時間の倍率を係数Kと定義する。この定義によれば、非特許文献1の相関データでは、係数K=2となる。
上記非特許文献1の研究に基づき、大阪ガスから給湯時のやけどを防止するための「性能評価技術基準」が提示された。図7の曲線Bは、この基準に沿った給湯温度―上限給湯時間の相関データを示している。図7の曲線A,Bの比較から明らかなように、上記基準は、非特許文献1の研究による相関データより安全側にシフトしている。具体的には、曲線Aでは温度44℃での時間を6時間とし、係数Kを2に設定しているのに対して、曲線Bは、曲線Aと同じく温度44℃での時間を6時間とするが、係数Kを2.27に設定している。これにより、44℃より高い温度では、時間が短くなっている。
特許文献1は、最近の住宅に装備されている一般的な風呂・給湯装置を開示している。この装置は、浴槽に接続された追焚循環回路と、この追焚循環回路に注湯管を介して接続された給湯回路を備えている。
上記風呂・給湯装置では、自動運転スイッチがオンされた時に、自動運転モードを実行する。すなわち、給湯回路で熱を付与された湯を注湯管および追焚循環回路を介して浴槽へ送り、浴槽内の湯の温度および水位を、設定水位、設定温度にする(湯張り)。その後は、所定時間間隔で浴槽の水位と湯温を監視し、水位が設定水位より低下している時には、注湯(足し湯)を行い、湯温が設定温度より低下している時には追焚を行い、水位、湯温を設定水位、設定温度に維持する。追焚は、追焚循環回路のポンプを駆動して浴槽の湯を循環させるとともに、熱を付与することにより実行する。
「Studies of thermal injury II.The relative importance of time and surface temperature in the causation of cutaneous burns」Am J Pathol 1947;23:695-720. Moritz AR, Henriques FC.
特開平11−304248号公報
入浴時の低温やけど防止について、今まで提案がなかった。特許文献1に開示されている一般的な風呂装置は、設定温度の上限を48℃にするだけで、低温やけどを防止するための特別の機能はなく、入浴者の自己管理に委ねられている。
非特許文献1の研究は、入浴時の低温やけどを防止することを意図したものではない。また、その温度―時間の相関データは、人間よりはるかに皮膚の厚い豚の皮膚に関するものであり、人間に適用できない。また、皮膚の狭い領域(直径1インチ=直径約25mm)に熱源を当てた時のデータであり、皮膚の広い領域が湯に接する入浴に適用することはできない。さらに、湯から与えられる熱が皮膚内部に到達して蓄えられる(真皮到達蓄熱量)と共に、血流により熱が肺に送られ、外気との熱交換によって冷却される点(冷却熱量)について考慮されていない。
また、大阪ガスの「性能評価技術基準」は、給湯の際の低温やけどに適用しようとするものであり、入浴時の低温やけどを防止することを意図したものではない。しかも、この基準は、豚の皮膚に関する非特許文献1の研究データを念頭におき、これより高温温熱熱傷方向については安全サイドに設定しているものの、皮膚の広い領域が湯に接する入浴時の低温温熱熱傷である低温やけどに適用することはできない。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、浴槽に接続される追焚循環回路と、この追焚循環回路に設けられたポンプ、加熱部および湯温センサと、メモリと、演算制御部とを備えた風呂装置において、
上記メモリは、浴槽湯温と上限入浴時間との関係を表す低温やけど防止のための相関データを記憶し、
上記演算制御部は、上記ポンプを駆動させることにより浴槽の湯を上記追焚循環回路を介して循環させ、上記湯温センサからの浴槽湯温の検出情報に応じて上記加熱部からの熱を供給することにより、追焚を実行するとともに、
ア.浴槽への入浴の有無を判断し、
イ.入浴中の低温やけどのリスクレベルを、上記湯温センサからの検出情報に基づく浴槽湯温と、入浴時間と、上記メモリに記憶された上記相関データに基づき演算し、
ウ.上記演算されたリスクレベルに基づき、低温やけど防止のための動作を実行する
ことを特徴とする。
好ましくは、上記相関データは、浴槽湯温をT、上限入浴時間をP、基準浴槽湯温をTs、この基準浴槽湯温Tsでの上限入浴時間Ps,係数をKとしたときに、P=Ps×K(Ts−T) で表され、上記係数Kが2未満である。
一態様では、上記演算制御部は、上記相関データに基づいて上記入浴中の浴槽湯温に対応する上限入浴時間を求め、この上限入浴時間に対する上記浴槽湯温での入浴時間の比を、リスク量として求め、上記浴槽湯温毎のリスク量の積算値を上記リスクレベルとして求める。
一態様では、上記演算制御部は、上記入浴時間を単位時間に分割し、単位時間毎に上記相関データに基づいて上記入浴中の浴槽湯温に対応する上限入浴時間を求め、この上限入浴時間に対する上記単位時間の比を、リスク量として求め、この単位時間毎のリスク量を、上記入浴時間にわたって積算することにより、上記リスクレベルを求める。
一態様では、さらに浴槽に接続された注水手段を備え、上記演算制御部は、低温やけど防止のための動作として、この注水手段による浴槽への注水を実行し、浴槽湯温を低下させる。(第1実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、上記リスクレベルの閾値を複数段階に設定し、リスクレベルが各閾値に達する度に注水を実行して、浴槽湯温を段階的に低下させる。(第1実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、上記注水実行後の追焚を禁じる。(第1実施形態参照)
一態様では、さらに報知手段を備え、上記演算制御部は、上記リスクレベルの閾値として、注水用閾値と、この注水用閾値より高い報知用閾値とを設定し、リスクレベルが上記注水用閾値に達した時には上記注水により浴槽湯温を所定温度まで下げ、上記リスクレベルが上記報知用閾値に達した時には、注水を行わずに、低温やけど防止の動作として上記報知手段を動作させる。(第2実施形態参照)
一態様では、さらに報知手段を備え、上記演算制御部は、上記リスクレベルが閾値に達した時に、低温やけど防止の動作として、上記報知手段を動作させる。(第2実施形態参照)
一態様では、さらに自動運転スイッチと追焚スイッチを備え、
上記演算制御部は、自動運転スイッチのオン状態において、所定時間間隔毎に追焚タイミングを設定して、ポンプを駆動し、浴槽湯温が設定温度になるように追焚を実行し、さらに、上記追焚スイッチのオン時には、他の追焚タイミングとしてポンプを駆動するとともに設定温度とは無関係に浴槽湯温が目標湯温上昇分だけ上昇するように追焚を実行し、上記リスクレベルが高くなるにしたがって、上記追焚スイッチのオンに応答して追焚できる回数を減じる。(第3実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、上記リスクレベルに対応した追焚可能回数を、設定温度が高くなるにしたがって少なくなるように設定する。(第3実施形態参照)
一態様では、上記追焚循環回路には水位センサが設けられ、上記演算制御部は、上記水位センサで検出される浴槽水位に基づき、入浴と出浴を判断する。(第1実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部はさらに、入浴する際の上記水位センサによる検出水位の上昇値に基づいて入浴者の湯に漬かっている体積を演算し、この演算された体積に基づき、上記相関データを選択する。(第1実施形態参照)
一態様では、上記追焚循環回路には水位センサが設けられ、上記演算制御部は、上記水位センサで検出される浴槽水位に基づき、入浴と出浴を判断するとともに、検出水位の上昇値に基づいて入浴者の湯に漬かっている体積を演算し、この体積を閾値と比較し、この閾値より大きい場合には大人の全身浴と判断して上記係数Kを第1の値に設定し、この閾値より小さい場合には大人の半身浴または子供の入浴と判断して、上記係数Kを上記第1の値より小さな第2の値に設定する。(第1実施形態参照)
一態様では、上記追焚循環回路には水位センサが設けられ、上記演算制御部は、上記水位センサで検出される浴槽水位に基づき、入浴と出浴を判断するとともに、検出水位の上昇値に基づいて入浴者の湯に漬かっている体積を演算し、この体積を第1閾値およびこれより小さい第2閾値と比較し、上記体積が第1閾値より大きい場合には、上記係数Kを第1の値に設定し、上記体積が第2閾値より小さい場合には上記係数Kを上記第1の値より小さい第2の値に設定し、上記体積が第1閾値と第2閾値との間にある場合には、上記係数Kを、上記第1の値と第2の値の範囲で体積が増大するにつれて大きくなるように設定する。(第9実施形態参照)
一態様では、上記演算制御部は、出浴と判断した後に再び入浴有りと判断した時には、同一人が再入浴したのか、別人が入浴したのかを判断し、同一人が再入浴したと判断した時には、前回の入浴時に演算した上記リスクレベルに、今回の入浴により演算するリスクレベルを累積加算し、別人が入浴したと判断した時には、前回の入浴時に演算したリスクレベルをクリアし、新たに今回の入浴でのリスクレベルを演算する。(第4実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、
a.前回入浴時に検出された浴槽水位の変化量と今回の入浴時に検出された浴槽水位の変化量の比較、
b.前回出浴から今回入浴までの間の経過時間、
c.前回出浴時から今回入浴開始時までの間における給湯装置による給湯使用状況
の少なくとも一つに基づき、同一人の再入浴か別人の入浴かを判断する。(第4実施形態参照)
一態様では、上記追焚循環回路には水位センサが設けられ、
演算制御部は、上記水位センサからの情報に基づき、足湯での入浴であるか否かを判断し、前回の入浴で足湯と判断した場合には、今回の再入浴時での検出水位の変化が大きくても、同一人の再入浴と判断する。(第6実施形態参照)
一態様では、上記演算制御部は、出浴から再入浴までの経過時間に応じて上記リスクレベルを低減させる。(第8実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、再入浴検出後、所定時間経過した後で上記ポンプを駆動して上記湯温センサにより浴槽湯温を検出し、この再入浴に伴う浴槽湯温の低下に応じてリスクレベルを低減させる。(第8実施形態参照)
一態様では、上記演算制御部は、上記水位センサで検出される浴槽水位に基づき、足湯での入浴であるか否かを判断し、足湯と判断した場合には、浴槽への注湯を監視し、注湯終了後に、浴槽水位の変化が、浴槽に入浴者が居ない場合に想定される積算注湯量に相当する変化量であるか否かを判断し、上記浴槽水位の変化が浴槽に入浴者が居ない場合の積算注湯量に相当する変化量であると判断した場合には、出浴と判断してリスクレベルの累積加算を中断し、上記浴槽水位の変化が、浴槽に入浴者が居ない場合に想定される積算注湯量に相当する変化量より所定量以上大きい場合には、入浴継続中であると判断し、リスクレベルの累積加算を継続する。(第7実施形態参照)
一態様では、さらに環境温度センサを備え、上記演算制御部は、上記環境温度センサで検出される環境温度が高いほど上記係数Kを小さくする。(第10実施形態参照)
一態様では、上記湯温センサによる浴槽湯温の主たる検出タイミングは、自動運転モードで所定時間間隔毎に実行する追焚の完了時点、追焚スイッチオンに応答して実行する追焚の完了時点であり、上記演算制御部は、この主たる検出タイミングで検出された浴槽湯温を、上記リスクレベルのリアルタイム演算に用いる。(第1実施形態参照)
一態様では、さらに、従たる検出タイミングとして、上記追焚開始の際にポンプ駆動から所定時間経過した時点が設定され、上記演算制御部は、この従たる検出タイミングで上記湯温センサにより検出された、追焚の影響を受けない浴槽湯温と、前回の追焚の完了時点で検出された浴槽湯温に基づき、上記リスクレベルを遡及演算し、上記リアルタイム演算されたリスクレベルと置換する。(第11実施形態参照)
一態様では、上記演算制御部は、浴槽内の湯量と、追焚循環回路内の水量と、追焚終了時に上記湯温センサで検出される浴槽湯温と、ポンプ開始直後に上記湯温センサで検出される追焚循環回路内の水の温度と、追焚に要した燃焼熱量に基づき、追焚直前の浴槽湯温を演算し、この演算された浴槽湯温と、前回追焚の完了時点での検出湯温に基づき、上記リスクレベルを遡及演算し、上記リアルタイム演算されたリスクレベルと置換する。(第12実施形態参照)
一態様では、上記演算制御部は、上記水位センサの水位情報に基づき、浴槽水位が閾値より大きく変動している場合には、安全側にシフトした相関データを用いる。(第13実施形態参照)
一態様では、さらに、ジャグジー部またはマイクロバルブ発生部を備え、上記演算制御部は、上記ジャグジー部またはマイクロバルブ発生部が運転されている時には、安全側にシフトした相関データを用いる。(第14実施形態参照)
一態様では、さらに、追焚循環回路に設けられた導電度センサを備え、上記演算制御部は、上記導電度センサからの情報に基づき、浴槽湯の導電度が大になるほど安全側にシフトした相関データを用いる。(第15実施形態参照)
一態様では、上記演算制御部は、自動運転スイッチオンに応答して、その直前の給湯時の給湯量、給湯設定温度と、給湯終了から上記自動運転スイッチオンまでの時間を読み込むとともに、所定量の湯を浴槽に注湯した後に、浴槽湯量を検出または演算し、この浴槽湯量から上記所定量を差し引いた値が、上記給湯量に対応する場合には、足湯があったものと判断して、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの足湯によるリスクレベルを遡及演算する。(第16、19実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、自動運転スイッチオンに応答して、その直前の給湯時の給湯量、給湯設定温度と、給湯終了から上記自動運転スイッチオンまでの時間を読み込むとともに、所定量の湯を浴槽に注湯した後に、浴槽湯量を検出または演算し、この浴槽湯量から上記所定量を差し引いた値が、上記給湯量に対応する場合には、足湯があったものと判断して、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの足湯によるリスクレベルを遡及演算する。(第16、19実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、リスクレベルを遡及演算する際に、上記給湯設定温度を、上記相関データと照合すべき足湯時の浴槽湯温として用いる。(第16、19実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、自動運転スイッチオン時に、上記追焚循環回路を満たすのに十分な第1の量の注湯を行い、その後でポンプを駆動して上記追焚循環回路に設けた水流スイッチがオンするか否かを判断し、肯定判断した場合には上記第1の量を上記所定量として用いて、自動運転スイッチオン前の足湯の有無を判断し、否定判断した場合には、さらに第2の量の注湯を行なって浴槽湯の水位を循環金具より上にし、上記第1の量と第2の量の合計値を上記所定量として用いて、自動運転スイッチオン前の足湯の有無を判断する。(第16、19実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、上記注湯後水位センサで検出される浴槽水位に基づき、上記注湯後の浴槽湯量を求める。(第16実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、上記注湯後に追焚を実行して浴槽湯温を設定温度にし、この追焚時の浴槽湯温の温度上昇勾配に基づき、上記注湯後の浴槽湯量を演算する。(第19実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、自動運転スイッチオンに応答して、その直前の給湯時の給湯設定温度と、給湯終了から上記自動運転スイッチオンまでの時間を読み込むとともに、自動運転スイッチオン時の浴槽湯温と上記給湯設定温度を比較し、自動運転スイッチオン時の浴槽温度が直前の給湯設定温度より所定温度以上低い場合には、足湯があったものと判断して、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの足湯によるリスクレベルを遡及演算する。(第19実施形態参照)
一態様では、上記演算制御部は、検出される浴槽水位が循環金具より下になるまで排水された時には、足湯が開始されたものと判断し、リスクレベルの演算をリモコン運転スイッチがオフになるまで継続する。(第17実施形態参照)
一態様では、上記演算制御部は、所定時間間隔の追焚タイミングで上記ポンプを駆動して湯温センサからの浴槽湯温を読み込み、前回の追焚タイミングでの浴槽湯温と今回の追焚タイミングでの浴槽湯温との比較から、これら追焚タイミング間で入浴が有ったか否かを判断し、肯定判断した時には、リスクレベルの演算を実行する。(第18実施形態参照)
好ましくは、上記演算制御部は、上記入浴判断した場合、前回の追焚タイミングまたは前回の追焚タイミングと今回の追い焚きタイミングとの間の中間の時点まで遡ってリスクレベルを演算する。(第18実施形態参照)
一態様では、上記演算制御部は、自動運転スイッチオンにより自動運転モードを実行している状況において、所定時間間隔の追焚タイミングで上記ポンプを駆動し、上記追焚循環回路に設けられた水流スイッチによる水流検出の有無により、浴槽水位が循環金具より上にあるか否かを確認し、否定判断した場合には自動運転モードを終了するが、足湯の状態にあると仮定してリスクレベルを演算する。(第20実施形態参照)
本発明によれば、入浴による低温やけどを防止できる。
本発明の第1実施形態をなす風呂・給湯装置の回路構成図である。 低温やけど防止のために本発明で用いられる浴槽湯温―上限入浴時間の相関データと、豚の低温やけどの研究で得られた皮膚表面温度―経過時間の相関データと、性能評価技術基準で示された給湯温度―上限給湯時間の相関データを示す図である。 上記風呂・給湯装置における自動運転モードでの浴槽湯温の経時変化と、追焚スイッチオン操作による浴槽湯温の経時変化を示す図である。 上記風呂・給湯装置の演算制御部で実行される低温やけど防止制御のフローチャートである。 出浴後に再入浴する場合を想定した低温やけど防止制御のフローチャートの一部である。 足湯を想定した低温やけど防止制御のフローチャートの一部である。 豚の低温やけどの研究で得られた皮膚表面温度―経過時間の相関データを基にしたと思われる相関データと、性能評価技術基準で示された給湯温度―上限給湯時間の相関データを示す図である。
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図5を参照しながら説明する。図1に示すように風呂・給湯装置は、構成の一部を共有する風呂装置Aと給湯装置Bを備えている。詳述すると、缶体(図示せず)の下部には給湯,追焚兼用のガスバーナ1が配置され、缶体の上部には給湯,追焚兼用の熱交換部2(加熱部)が配置され、缶体の底部にはガスバーナ1に燃焼空気を供給するためのファン(図示せず)が配置されている。
上記ガスバーナ1にガスを供給する手段は、ガス管3と、このガス管3に設けられた電磁開閉弁4および電磁比例弁5とを有している。熱交換部2には、給湯装置Bの給湯回路10と風呂装置Aの追焚循環回路20が通っている。
上記給湯回路10は、上記熱交換部2を通る受熱管11と、この受熱管11の入口端に接続された給水管12と、出口端に接続された給湯管13とを有している。給湯管13の末端には給湯栓14が設けられている。実際には、給湯管13は、浴室と台所等に複数に分岐され、これら分岐路の末端に給湯栓やシャワーが設けられているが、図を簡略化するため分岐路を省略し、複数の給湯栓やシャワーを1つの給湯栓14で示している。給水管12には給水温度センサ15と、フローセンサ16が設けられ、給湯管13には出湯温度センサ17と流量制御弁18が設けられている。給水管12と給湯管13との間には、バイパス管19が受熱管11と並列に接続されている。
上記追焚循環回路20は、熱交換部2を貫通する受熱管21と、その入口端と浴槽6の循環金具6aとの間に接続された復路管22と、受熱管21の出口端と循環金具6aとの間に接続された往路管23とを備えている。復路管22には、ポンプ24、水流スイッチ25,湯温センサ26が設けられている。
上記給湯回路10の給湯管13と追焚循環回路20の復路管22との間には、浴槽6への注湯のための注湯管31が設けられている。注湯管31には、電磁開閉弁からなる注湯弁32が設けられている。上記給湯回路10、注湯管31、注湯弁32、追焚循環回路20により、本発明の注水手段30が構成されている。
上記注湯弁32の下流側には圧力センサからなる水位センサ33が設けられている。この水位センサ33は、後述するように、入浴、出浴の検出のみならず、入浴者の湯につかる体積の演算や、大人、子供、下肢のみの半身浴等の判別にも用いられる。
上記風呂・給湯装置は、さらに、制御ユニット50と、浴室に設けられたリモートコントローラ60(以下、浴室リモコンと称す)と、台所に設けられたリモートコントローラ70(以下、台所リモコンと称す)とを備えている。
上記浴室リモコン60は、従来のものと同様に、リモコン運転スイッチ60a,自動運転モードを実行するための自動運転スイッチ61、追焚を実行するための追焚スイッチ62,給湯温度設定部63,浴槽湯温設定部64,浴槽水位設定部65、音声報知部66(報知手段),表示部67を有している。
上記台所リモコン70は、従来のものと同様に、リモコン運転スイッチ70a,給湯温度設定部73、音声報知部76(報知手段),表示部77を有している。
上記制御ユニット50は、CPUを含む演算制御部51と、メモリ52,タイマ53,駆動回路,インターフェイス等を内蔵している。演算制御部51は、上述した種々の検出手段、すなわち温度センサ15,17,26,フローセンサ16,水流スイッチ25、水位センサ33と、リモコン60,70等からの情報、メモリ52、タイマ53からの情報に基づいて、点火機構,ファン,開閉弁4,比例弁5,流量制御弁GM,ポンプ24,注湯弁32,リモコン60,70の音声報知部65,75,表示部66,76を制御する。
上記演算制御部51は、後述の制御説明から明らかなように、追焚実行手段、入浴判断手段、リスクレベル演算手段、低温やけど防止のための動作指令手段、体積演算手段、相関データ選択手段等を、実質的に含んでいる。
本実施形態では、上記メモリ52は、図2に示す、低温やけどを防止するための浴槽湯温―上限入浴時間の相関データD1,D2を記憶している。これら相関データD1,D2については後述する。
上記構成をなす装置における給湯制御について簡単に説明する。ユーザーが給湯栓14を開くと、フローセンサ16が所定量以上の水流を検出する。演算制御部51はこの水流検出に応答して、点火機構およびファンを作動させる。これと同時期に、開閉弁4を開き、ガスをガスバーナ1に供給して燃焼を開始する。給水管12からの水は受熱管11を通る過程で燃焼熱を受けて湯となり、給湯管13を経て給湯栓14から吐出される。この際、演算制御部51は、給湯温度が給湯温度設定部63または73で設定された温度になるように、比例弁5や流量制御弁18を制御する。
ユーザーにより自動運転スイッチ61がオンされた時には、演算制御部51は自動運転モードを実行する。この自動運転モードでは、最初に注湯(湯張り)を行う。すなわち、給湯時と同様にガスバーナ1を燃焼させるとともに、注湯弁32を開いて、給湯回路10からの湯を注湯管31、追焚循環回路20を経て浴槽6に供給する。この際、浴室リモコン60のふろ温度設定部64で設定した温度となるように、出湯温度センサ17の検出温度のフィードバック信号に基づいて比例弁5を制御する。上記メモリ52に記憶された注湯流量と浴槽水位の関係が記憶されており、フローセンサ16の積算流量がリモコンで設定された設定水位に対応する注湯流量になったら、注湯を終了する。その結果、浴槽6には、浴室リモコン60で設定されたふろ設定温度の湯が設定水位まで満たされることになる。
上記湯張り後に、自動注湯,自動保温を行う。以下、詳述する。
水位センサ33で検出される浴槽水位が設定水位より下がったら、上記注湯と同様にして浴槽6に湯を注ぎ込み、設定水位にする( 自動注湯)。
図3において実線Qで示すように、所定時間(例えば30分)間隔で追焚タイミング(図3において符号tで示す)が設定されている。この追焚タイミングtでポンプ24を駆動し、浴槽6内の湯を追焚循環回路20経由で循環させ、ポンプ24の駆動開始から所定時間(例えば約30秒)経過時点で湯温センサ26により浴槽湯温を検出する。検出湯温が設定湯温より低い場合(例えば0.5℃以上低い場合)には、ガスバーナ1を燃焼させて追焚を行い、この浴槽湯温をふろ設定温度まで上昇させる( 自動保温) 。追焚終了時点を符号t’で示す。この追焚終了時点t’の検出湯温は後述する低温やけど防止制御に用いられる。なお、検出湯温と設定温度の差が0.5℃未満の場合には、追焚を行わずにポンプ24を停止する。このポンプ24の停止時点の検出浴槽湯温も、追焚終了時点での検出浴槽湯温として、低温やけど防止制御に用いられる。
演算制御部51は、自動保温モードであっても、ユーザーにより追焚スイッチ62がオンされた時(手動による追焚指示があった時)には、このオン時を追焚タイミングとする(図3において全て同符号tで示す)。この追焚タイミングtでは、ポンプ24を駆動させるとほぼ同時に(すなわち湯温検出のためのポンプ駆動時間を待たずに)、ガスバーナ1を燃焼させ、浴槽湯温を追焚前の温度から所定温度例えば1℃上昇させる。具体的には、ポンプ24の駆動と同時に演算制御部51は湯温センサ26からの検出温度を監視する。初期には追焚回路20の配管内の水の温度が検出されるが、約30秒後には、追焚による温度上昇が反映される前の浴槽湯温(すなわち追焚前の浴槽湯温)が検出される。さらに数十秒経過すると、追焚による温度上昇を伴った浴槽湯温が検出される。演算制御部51は、この浴槽湯温が追焚前の浴槽湯温から1℃上昇した時点で追焚を終了する。追焚終了時点を図3において符号t’で示す。この追焚終了時点t’の検出湯温も後述する低温やけど防止制御に用いられる。
なお、追焚スイッチ62のオン時に、ポンプ24による湯の循環を待たずにオンに応答して即座に追焚を行うのは次の理由による。入浴者は浴槽湯温が低いと感じて追焚スイッチ62をオンするのであり、追焚をせずにポンプ24を駆動して湯を循環させたのでは、湯温をさらに低下させてしまい(追焚循環回路20の水が入り込むため)、入浴者を不快にさせるからである。
上記手動操作に基づく追焚では、検出湯温のフィードバック情報を用いず、所定時間、所定燃焼熱量の追焚を実行してもよい。この燃焼熱量は満水時の浴槽の湯を約1℃上昇させるように設定する。この場合でも、追焚終了時点t’で湯温センサ26により検出された浴槽湯温が低温やけど防止制御に用いられる。
その後、浴槽湯温が放熱により設定温度まで下がり切らないうちに短時間間隔で追焚スイッチ62をオンし、追焚を実行すると、図3の破線Sで示すように浴槽湯温は段階的に上昇する。
参考までに、1回目の追焚スイッチ62オンに応答して浴槽湯温を1℃上昇させた後に放置した場合には、図2の一点鎖線Rで示すように浴槽湯温は放熱により徐々に低下する。
ところで、糖尿病患者は、皮膚の神経が傷んでおり、湯温を低く感じる傾向がある。そのため、浴槽湯温が上昇しているにも拘わらず、当人は、浴槽湯温が設定温度より低いと勘違いして設定温度に戻すべく追焚スイッチ62を繰り返しオンする傾向がある。その結果、低温やけどのリスクが高まる。
また、子供の場合、興味本位に追焚スイッチ62のオン操作を繰り返しこともあるので、同様に浴槽湯温の上昇を招くことがある。
そこで、演算制御部51では低温やけど防止制御を実行する。この低温やけど防止制御を説明する前に浴槽湯温の検出タイミングと、上記相関データD1,D2について詳述する。
浴槽湯温の検出タイミング
浴槽湯温は、ポンプ24の駆動により浴槽6の湯が循環回路20を循環し、湯温センサ26に達しなければ正確に検出できない。そのため、浴槽湯温は常時監視されているわけではない。本実施形態では、演算制御部51は、沸き上がり時点t、追焚終了時点(図2において符号t’、t’で示す)での湯温センサ26による検出湯温を、低温やけど防止制御のための浴槽湯温として用いる。なお、時点t、t’での検出湯温は設定温度とほぼ等しい。
相関データD1,D2について
図2の相関データD1、D2は、低温やけどを防止するための浴槽湯温―上限入浴時間の相関データであり、式で表すと下記の通りである。
P=Ps×K(Ts−T) ・・・(1)
ここで、Tは浴槽湯温、Pは上限入浴時間、Tsは基準浴槽湯温、Psは基準浴槽湯温Tsでの上限入浴時間、Kは係数(定数)を表す。
上限入浴時間Pは、浴槽湯温Tで入浴を継続した場合に、低温やけどが生じないで済む上限の時間に設定する。式(1)から明らかなように、浴槽湯温Tが低下するにしたがって、上限入浴時間Pが指数関数的に増大する。なお、上限入浴時間Pを、低温やけどが生じない上限の時間より短く設定して、より安全に配慮してもよい。
上記相関データD1,D2は、メモリ52に、マップとして記憶してもよいし、上記演算式(1)で記憶してもよい。
相関データD1は糖尿病患者の低温やけどを防止するための相関データであり、基準浴槽温度Tsを48℃以上で設定している。具体的には、Ts=50℃、Ps=2分に設定するとともに、係数Kを1.515に設定してある。
相関データD2は子供または半身浴(下肢、すなわち尻から下の部分の入浴)の場合の相関データであり、Ts、Psは相関データD2と等しいが、係数Kを1.4に設定してある。
なお、上記相関データD1,D2では、基準浴槽湯温Tsを50℃に設定しているが、実際の追焚では浴槽湯温の上限を48℃に設定している。
図2の相関データD1、D2の具体的数値を下記の表1に示す。
Figure 2017032179
図2には、比較のために図7に示す豚の低温やけどに関する皮膚表面温度―経過時間の相関データAと、給湯時のやけど防止に関する性能評価技術基準の相関データBも示す。この比較から、本実施形態で用いられる相関データD1,D2が相関データA,Bよりはるかに安全に配慮して設定されていることを理解できる。
さらに詳述すると、60℃以上で起こる高温温熱熱傷方向については、例えば火のついたタバコを押しあてられると瞬時に火傷するのと同じように、相関データA,B,D1,D2すべてが(皮膚の厚さ等を考慮しなければならないが)図2左上に集約されるのに対し、低温温熱熱傷(低温火傷)については、相関データA,Bは、湯から与えられて皮膚内部に蓄えられる真皮到達蓄熱量が、湯が当たる面積が少ない(例えば直径1インチ)がゆえに少なく、よって、血流により熱が奪われ、肺での外気との熱交換によって冷却される結果、真皮到達蓄熱量が低温火傷する位に蓄えられる時間はかなり長時間を有す(例えば44℃時で6時間)。これに対して本願相関データD1,D2の低温火傷については、皮膚の広い領域が湯に接する入浴である点、すなわち、湯が当たる面積が多いゆえに皮膚内部に蓄えられる真皮到達蓄熱量が多く、肺で行われる熱交換によって真皮到達蓄熱量を少なくする冷却が間に合わず低温火傷に至る点を考慮したもの(例えば44℃時で15〜24分)となっている。
本発明は、成人の正常者の低温やけど防止を目的とすることもできるが、その場合には、入浴時間をより長く設定できる。例えばTs、Psを相関データD1,D2と等しくした場合、係数Kをより大きく設定できる(例えば2未満、より好ましくは1.8未満)。
本実施形態では、入浴者に糖尿病患者が含まれる可能性を考慮し、相関データD1を用いて安全性を高めた。糖尿病患者は正常者に比べて、皮膚が薄いため熱が真皮層に到達しやすく、真皮層に蓄積されつつある熱を血流によって他の部位に移送する機能も低いからである。
さらに本実施形態では、入浴者には子供が含まれることを考慮した。すなわち、子供の入浴の場合には、相関データD1よりも安全サイドにシフトした相関データD2を用いることにした。子供は、成人に比べて皮膚の厚さが1/3であり、糖尿病患者に比べても薄いからである。
子供の場合に相関データD2を用いるもう一つの理由は、子供の入浴体積が少ないこと、浴槽湯温は常時検出されるわけではなく検出タイミングが限られていること、にある。以下、詳述する。
浴槽湯温は、検出タイミングでの検出温度から自然放熱により徐々に低下する。さらに、人が浴槽6に入った時(入浴時)には、浴槽6の湯と人との間で熱交換が生じる。また、入浴者は肺呼吸により湯から受け取った熱の一部を放熱する。その結果、浴槽湯温は徐々に低下する。
大人が入浴する場合には、上記検出湯温と相関データD1を用いて低温やけど防止制御を実行する。大人は体積が大きいため、上記熱交換量、放熱量が大きく、上記浴槽湯温の低下は大きくなる。そのため、実際の浴槽湯温より高い検出浴槽温度を用いて、相関データD1から上限入浴時間を演算するので、より安全サイドで低温やけど防止を行うことができる。
子供の場合には、上記検出タイミングで検出された浴槽湯温と相関データD2を用いて低温やけど防止制御を実行する。子供の場合、大人より体温が高く体積が小さいので、上記熱交換量、放熱量が小さく、上記浴槽湯温は大人の場合ほど低下しない。そのため、大人に対して相関データD1を用いたのと同レベルの安全性を担保するために、相関データD2を用いるのである。
最近、浴槽の中間高さに段差があり、満水状態でもこの段差に腰かけて半身浴ができる浴槽が開発されている。このような浴槽で半身浴をする場合には、糖尿病患者の半身浴を想定して子供と同じ相関データD2を用いる。上記熱交換量、放熱量が小さく、浴槽湯温の低下が比較的小さいからである。
低温やけど防止制御の第1実施形態(注水)
本実施形態では、演算制御部51の制御により、注水を行って低温やけどを防止する。なお、この注水は、ガスバーナ1を燃焼させずに、注湯弁32を開き、注湯回路10からの水を注湯管31、追焚循環回路20を経て浴槽6に供給することにより実行される。
以下、本実施形態の低温やけど防止制御について、図4を参照しながら説明する。
水位センサ33による浴槽6の水位を読み込み、所定量を越えた水位の上昇があったか否か、すなわち人が浴槽6に入ったかどうかを判断する(ステップ101)。
ステップ101で肯定判断した場合には、水位の変化量から体積Vを演算する(ステップ102)。具体的には、対象となる浴槽6の水位と貯水量との関係を予めメモリに記憶しておき、このデータと水位の変化量から、入浴者の体積V(正確に述べると、湯につかっている部分の体積)を演算する。
次に、上記演算された体積Vが閾値V(例えば32リットル)以上か否かを判断する(ステップ103)。
なお、浴槽6の内部空間の断面積が高さに応じて変化がない場合には、体積の代わりに水位変化量そのものを用いても良い。断面積が既知であるので、この水位変化量は実質的に体積に相当するからである。
上記ステップ103で肯定判断した場合、すなわち体積Vが閾値Vを越えており、大人が入浴しているものと判断した場合には、図2の浴槽湯温―上限入浴時間の相関データD1(係数K=1.515)を選択し(ステップ104)、否定判断した場合、すなわち体積Vが閾値V未満であり、大人の半身浴か子供が入浴しているものと判断した場合には、図2の浴槽湯温―上限入浴時間の相関データD2(係数K=1.4)を選択する(ステップ105)。
上記相関データの選択後に、ステップ106に進みリスクレベルRLを演算する。以下、詳述する。
入浴開始時点前に前記検出タイミングで検出された最新の検出浴槽湯温Tmを読み込む。次に、検出された浴槽湯温Tmを、上記式(1)に浴槽湯温Tとして代入して上限入浴時間Pmを得る。相関データがマップの場合には、検出浴槽湯温Tmを相関データのマップと照合することにより上限入浴時間Pmを求める。
なお、入浴開始時点でポンプ24を駆動して所定時間(例えば30秒)後に湯温センサ26で検出される浴槽湯温を最新の検出浴槽湯温Tmとしてもよい。
次に、上記浴槽湯温Tmでの実際の入浴継続時間Paの情報をタイマ53から得る。
次に、下記の式に基づき時間比を演算する。
R=Pa/Pm (2)
この時間比Rは、上記式(2)から明らかなように、浴槽湯温Tmで低温やけど防止のための上限の入浴時間Pmに対する、実際の入浴継続時間Paの割合を意味する。換言すれば、上記時間比Rは、上記浴槽湯温Tmでの上限入浴時間Pmによる真皮到達熱量に対する、入浴継続時間Paでの真皮到達熱量の割合を意味する。
Pa=Pmで、時間比R=1であれば、入浴者が浴槽湯温Tmで上限入浴時間Pa継続して入浴したために、低温やけどを招く熱量に近い上限熱量が入浴者の真皮層に蓄積されたことを意味する。
入浴時間Paが上浴時間Pxの半分であれば、真皮到達熱量が上限の真皮到達熱量の半分に達したことを意味する。
以下、上記時間比Rを低温やけどのリスク量と称することにする。
入浴中に浴槽湯温Tmが変化しない場合には、上記リスク量RがそのままリスクレベルRLとなる。追焚スイッチ62オン等により浴槽湯温Tmが変化した場合には、各温度毎にリスク量Rを演算し、このリスク量Rの累積値がリスクレベルRLとなる。
なお、ステップ106で入浴継続時間を単位時間ΔPに分割してリスク量Rを演算してもよい。すなわち、単位時間ΔPの間隔で最新の検出浴槽湯温Tmを読込み、対応する上限入浴時間Pmを演算し、上限入浴時間Pmに対する単位時間ΔPの時間比(リスク量)Rを下記のように演算する。
R=ΔP/Pm (2’)
この単位時間ΔP毎の時間比(リスク量)Rを、入浴継続時間にわたって積算することにより、リスクレベルRLを演算する。
次に、リスクレベルRLが第1の閾値例えば0.5に達したか否かを判断する(ステップ107)。ここで否定判断した場合には、上記ステップ106を所定時間間隔で繰り返す。
ステップ107で肯定判断した時には、以後の追焚を禁じる(ステップ108)。すなわち、自動運転モードを停止するとともに、追焚スイッチ62オン信号の受け取りを拒否する。
さらに、ステップ109に進み、ここで、1回目の注水動作を実行し、浴槽湯温を第1の目標温度として設定温度(例えば43℃)まで下げる。本実施形態では、最新の検出湯温と水位センサによる水位から導出された浴槽6の貯湯量と、注水温度に基づき、設定温度まで湯温を低下させるための注水量を演算し、この量だけ注水を実行する。そのため、以下の制御では、浴槽湯温は設定温度と推定する。
次に、ステップ110に進み、ここでリスクレベルRLを演算する。以下詳述する。上記の推定した浴槽湯温Tm’(設定温度)を浴槽湯温として用い、選択された相関データに基づき、この浴槽湯温Tm’に対応する上限入浴時間Px’を演算するとともに、この推定湯温Tm’での実際の入浴継続時間Pa’の情報を得る。
そして、下記の式に基づき推定湯温Tm’での時間比(リスク量)R’を演算する。
R’=Pa’/Pm’ (3)
演算した時間比(リスク量)R’を注水前に演算したリスクレベルRLに積算してリスクレベルRLを更新する。
次に、演算されたリスクレベルRLが第2の閾値1.0に達したか否かを判断する(ステップ111)。
上記ステップ111で否定判断した場合には、ステップ110を繰り返し実行する。ステップ111で肯定判断した場合には、ステップ112に進み、2回目の注水動作を実行し、浴槽湯温を第2の目標温度、例えば37℃に下げる。この注水動作も第1回目と同様に行うため、37℃は推定値となる。
37℃は、低温やけどが実質的に生じず、しかも体温より若干高いので入浴者に大きな不快感を与えない。
なお、ステップ110で、1回目の注湯後において演算される時間比(リスク量)R’の積算に基づくリスクレベルRL’を演算し、ステップ111でこのリスクレベルRL’が0.5に達したか否かを判断してもよい。これは、上述したように更新されたリスクレベルRLが1.0に達したか否かを判断するのと、実質的に等しい。
別ルーチンでは、入浴後も水位センサ33の水位を監視する。水位が所定量以上低下した場合には、出浴と判断し、上記低温やけど防止制御を中断してリスクレベルRLをクリアし、次の人の入浴に備える。すなわち、ステップ101に戻る。
上記注水動作で浴槽湯温を目標温度(設定温度または37℃)まで低下させる度に、ポンプ24を駆動して浴槽湯温を検出してもよい。この場合、検出湯温に基づいて微小量の注水を追加的に行うことにより、正確に目標湯温まで下げることができる。
上記注水動作で目標温度まで低下させる際に、前述と同様にこの目標温度まで低下させるために必要とする注水量を演算し、この量だけ注水した後、ポンプ24を駆動して浴槽湯温を検出し、この後、追加的な注水を行わずに、検出した湯温(目標温度に近い湯温)に基づきリスクレベルRLを演算してもよい。
上記実施形態では第1回目の注水での目標温度を設定温度としたが、設定温度より低くてもよいし、高くてもよい。
浴槽湯温を低下させる目標温度として、湯温を所定温度ずつ例えば2℃ずつ下げるような注水制御であってもよい。
上記実施形態では、注水動作は2回であったが、リスクレベルが「1」になった時に、1回目の注水を実行し、一気に37℃まで低下させてもよい。
注水動作回数Nは3回以上あってもよい。この場合、リスクレベルの複数の閾値の設定は種々可能であり、均等割りであってもよいし、不均等割りであってもよい。
注水動作が複数回ある場合、2回目以降の注水時に自動運転モードの停止や追焚スイッチ62オンの拒否を行ってもよい。
上記制御の理解を容易にするために、単純化した例について表1を参照しながら説明する。
表1に示すように、大人の糖尿病患者が全身入浴する場合、浴槽湯温45℃に対応する上限浴槽湯温は16分、44℃で24分、43℃で37分である。
注水を2回行う場合について説明すると、例えば設定温度が43℃であるにもかかわらず、追焚スイッチ62を繰り返しオン操作することにより浴槽湯温が45℃を維持した状態で8分間入浴した場合には、リスクレベルが「1/2」になる。1回目の注水はリスクレベルが「1/2」になった時に実行する。この注水で浴槽湯温は設定温度例えば43℃になるまで低下する。この後、リスクレベルが「1」に達した時、例えば43℃を維持した状態で18.3分経過した時には43℃でのリスクレベルが「1/2」となり、上記45℃でのリスクレベル「1/2」と合わせて「1」に達したので、2回目の注水を行い浴槽湯温を37℃になるまで下げる。
注水を3回行う場合について説明すると、設定温度が43℃であるにも拘わらず45℃を維持していた場合に、5.3分経過してリスクレベルが「1/3」に達した時には、1回目の注水を実行して浴槽湯温を44℃にし、44℃で8分経過して44℃でのリスク量が「1/3」に達し、累積のリスクレベルが「2/3」に達した時には2回目の注水を実行して浴槽湯温を43℃にし、43℃を維持したまま12.2分経過して43℃でのリスク量が「1/3」に達し、累積のリスクレベルが「1」に達した時には、3度目の注水を行い、浴槽湯温を強制的に37℃にする。
上記例ではリスクレベルの閾値を均等割りして複数回の注水を行ったが、例えば、下記のようにしてもよい。45℃で8分経過してリスクレベルが「1/2」に達した時に第1回目の注水を実行して浴槽湯温を44℃にし、44℃で6分経過してリスク量が「1/4」に達した時、すなわち累積のリスクレベルが「3/4」に達した時には2回目の注水を実行して浴槽湯温を設定温度43℃にし、43℃で4.6分経過してリスク量が「1/8」に達した時すなわち累積のリスクレベルが「7/8」に達した時(またはリスクレベルが「1」に達した時)に、3回目の注水を行い、浴槽湯温を強制的に37℃にする。
上述した説明では、冷えを感じやすい糖尿病患者が追焚スイッチ62のオンを繰り返して、浴槽湯温が設定温度より高温になる場合を想定したが、上記実施形態の制御は、設定温度で長時間入浴する場合にも適用されることは勿論である。この場合には、設定温度でのリスクレベルが、「1」または「1」未満の閾値で注水動作を行い例えば浴槽湯温を37℃に下げる。設定温度で長時間入浴するのは、冷え感を伴わない感覚神経障害者(ギラン・バレー症候群等)にも良く見られる傾向である。
低温やけど防止制御の第2実施形態(報知)
上記注水動作の代わりに、リスクレベルの情報に基づき、リモコン60,70の音声報知部66,67を作動させる等により、報知を行ってもよい。この音声報知は、現在の浴槽湯温の報知、低温やけどのリスクがある旨の報知を含む。さらに報知の態様として、管理人室やナースセンター等へのコール信号送信を含む。
また、注水動作と報知を組み合わせて低温やけど防止制御を行ってもよい。
複数の注水動作のうち最後の注水動作(上記実施形態において浴槽温度を設定温度から37℃に下げる)の代わりに、報知を行ってもよい。これによれば、入浴者の不快感を殆ど無くすことができる。
低温やけど防止制御の第3実施形態(追焚可能回数の制限)
上記注水、報知の代わりに、リスクレベルの情報に基づき、追焚スイッチ62のオン操作による追焚回数を制限することにより、低温やけど防止制御を行ってもよい。例えば、リスクレベルが第1閾値に達するまでは追焚スイッチ62のオンを受けて追焚する回数を2回に制限し、第1閾値に達した後は追焚回数を1回に制限し、第2閾値に達した後は0回に制限する。この追焚制限は、追焚スイッチ62のオン信号の受取拒否により実行される。
上記リスクレベルと設定温度の情報を組み合わせて追焚可能回数を制限してもよい。例えば、下記の通りである。
(1)リスクレベルが、第1閾値(例えば1/2)に達するまでの追焚可能回数
42℃設定ならば2回
43℃設定ならば2回
44℃設定ならば1回
45℃設定ならば1回
46℃設定ならば0回
(2)リスクレベルが、第1閾値を越えた時の追焚可能回数
42℃設定ならば1回
43℃設定ならば1回
44℃設定ならば0回
45℃設定ならば0回
46℃設定ならば0回
(3)リスクレベルが、第2閾値2/3を超えた場合には設定温度に拘わらず追焚可能回数を0回にする。
上記のリスクレベルに応じた追焚可能回数は、所定入浴時間(例えば30分)内で制限してもよい。すなわち、入浴中において、所定時間より前の追焚を、追い焚き可能回数から除外する。
上記追焚可能回数の制限は、注水動作または報知動作と並行して実行することもできる。 追焚可能回数の制限は、注水機能や報知機能がない風呂装置でも実施可能である。
低温やけど防止制御の第4実施形態(再入浴時のリスクレベルの累積加算)
上記実施形態では、入浴してから出浴するまでの低温やけどの制御であり、上記リスクレベルは出浴時にクリアされる。
本実施形態では、出浴時にリスクレベルRLをクリアしない。その代り、入浴検出した時に、別人が新たに入浴したのか、同一人が再入浴したのかを判断する。具体的には、図4のステップ104またはステップ105の後に、図5に示すステップ120を実行し、ステップ120で別人が入浴したと判断した場合には、リスクレベルRLをクリアし(ステップ125)、同一人が再入浴した場合には、前回の入浴時に演算したリスクレベルRLをそのまま維持し(ステップ126)、図4のステップ106に進む。
これにより、今回の入浴で演算されるリスク量(リスクレベル)を前回の入浴時に演算したリスクレベルRLに累積加算して、このリスクレベルRLを更新する。これにより、前回の入浴時の真皮到達熱量をも勘案した低温やけど制御を行うことができる。
上記ステップ120は、本実施形態ではステップ121〜123を含む。ステップ121では、前回の入浴と今回の入浴で入浴体積が変化したか否かを判断する。本実施形態では、体積差が許容値を越えていれば、体積変化有りとしてステップ125に進み、前回の入浴時に演算されたリスクレベルRLをクリアする。体積差が許容値以下であれば、体積変化無しと判断し、一応同一人の再入浴と推定してステップ122に進む。
なお、前回の入浴と今回の入浴で入浴体積が変化したか否かを判断する代わりに、前回の入浴時に選択した相関データと今回の入浴時に選択した相関データが相違するか否かを判断してもよい。
ステップ122では、出浴後所定時間(例えば30分)経過した後の入浴であるか否かを判断する。ここで肯定判断した場合には、別人の入浴であるとしてステップ125に進んでリスクレベルRLをクリアし、否定判断した場合には、一応同一人の再入浴と推定してステップ123に進む。
ステップ123では、出浴から今回の入浴までにシャワーの使用があったか否かを判断し、否定判断の場合すなわちシャワーの使用が無いと判断した場合には、別人の入浴である判断してステップ125に進み、リスクレベルRLをクリアする。肯定判断した場合には、同一人の再入浴であると判断して、ステップ126に進み、リスクレベルRLを維持する。なお、シャワー使用の検出は、出浴後において、給湯回路10のフローセンサQaが単位時間あたり閾値以上の流量を検出したか否かで判断する。この閾値は、台所での給湯時の湯量より大きく設定しておき、シャワーと台所給湯を区別できるようにする。
上記実施形態では、ステップ121〜123で設定した3つの条件を満足した時のみ、同一人の再入浴と判断するが、これら条件のうちのいずれか1つまたは2つ満足した時に同一人の再入浴と判断してもよい。
低温やけど防止制御の第5実施形態(足湯想定)
本実施形態では、糖尿病患者が足湯を行なう場合を想定している。ここで足湯について説明する。足湯とは膝から下の部分を湯につけることを意味する。糖尿病患者は、足、特に膝から下の部分の血流が悪く、冷え切っているので、足湯で温めることが多々ある。特に段差付きの浴槽の場合には、段差に腰かけることができるので足湯に便利である。本実施形態では、浴槽6の水位が満水レベルより低く、循環金具6aの位置より高い場合を想定している。
本実施形態では、図4の第1実施形態に似た制御フローが用いられる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。上記足湯を検出するため、本実施形態では、ステップ103の代わりのステップにおいて、入浴体積の閾値として、閾値V(例えば32リットル)の他に、閾値V’(例えば12リットル)も用いられる。この閾値V’は、子供入浴、大人半身浴と足湯とを区別するためのものであり、閾値V’以上閾値V未満であれば子供入浴または大人半身浴と判断し、閾値V’未満であれば、足湯であると判断する。入浴体積が12リットル未満の子供(幼児)が一人で入浴することは不可能であるから、第2閾値V’未満の場合には子供入浴の可能性を排除できる。
なお、本実施形態では、入浴判断のための閾値(ステップ101で用いられる閾値)は、この閾値V’より小さな値に設定されている。
本実施形態では、上記ステップ103の代わりのステップにおいて、入浴体積Vが第2閾値V’未満であり足湯と判断した場合には、相関データD2が選択される。ただし、糖尿病患者の足は冷え切っており、浴槽湯温は検出タイミングでの検出湯温より低下するため、相関データD1を用いてもよい。
上記のようにして、足湯の場合でもリスクレベルを演算して低温やけど防止動作を行うことができる。
足湯には2つの方法がある。服を着たまま足湯を行う場合と、服を脱いで足湯を行う場合である。本実施形態は特に、服を着たままで長時間にわたり足湯を行い、追焚スイッチ62のオン操作によって追焚を行う場合に有効である。
低温やけど防止制御の第6実施形態(足湯後の再入浴想定)
糖尿病患者が服を脱いで足湯を行なった後、出浴して洗髪や体を洗って再入浴する場合、足には足湯時の真皮到達熱量の影響が残っている。本実施形態は、このような状況を想定した制御である。
本実施形態では、図4の制御ルーチンを第5実施形態と同様に修正して、入浴体積Vと閾値V0’の比較により足湯検出を可能にする。さらに、足湯と判断した時には、足湯フラグをセットしておく(足湯を行った事実を記憶しておく)。
本実施形態では、図5と似た制御ルーチンも実行する。図5と異なる点を説明する。図5のステップ120の前に足湯フラグがセットされているか否かを判断するステップを追加する。このステップで肯定判断した場合には、ステップ126に進み、リスクレベルRLを維持する。すなわち、前回の入浴で足湯が行われた事実を考慮し、ステップ120で設定された条件と無関係に、前回の入浴で演算されたリスクレベルRLに今回の入浴でのリスクレベルを累積加算する。
糖尿病患者は足に損傷がある場合が多く、入浴すると湯が汚れるため、家族の中で最後の入浴者となる。足湯で足を温めた後、そこで、足湯の後に再入浴を検出する場合には、同一人の再入浴と判断し、リスクレベルRLの累積演算を行うのである。
低温やけど防止制御の第7実施形態(足湯から全身浴への移行時の出浴判断)
糖尿病患者が足湯で足を温めた後、注湯をして浴槽水位を満水レベルまたはそれに近いレベルにして全身浴を行ない、全身浴によって体全体が温まり体が動かせるようになったら、出浴して洗髪等を行うことが多い。本実施形態は、そのような状況を想定した制御である。
なお、浴槽6への注湯は、自動運転スイッチ61のオン、または浴槽6の上方に配置された給湯栓からの湯の落とし込みにより実行される。
上記注湯により水位が上昇している過程で、出浴する可能性がある。この場合、出浴を検出することができない。そこで、本実施形態では、第6実施形態と同様に図4、図5に似たルーチンを実行するとともに、図6のルーチンを実行する。以下、詳述する。
図6のルーチンは、足湯状態にある時、すなわち足湯フラグがセットされた時に実行される。ステップ131でフローセンサ16からの情報により給湯開始か否かを判断する。
ステップ131で肯定判断した時には、フローセンサ16からの検出情報に基づき注湯量を積算する(ステップ132)。次に注湯が終了したか否か、すなわちフローセンサ16で流量を検出しなくなったか否かを判断する(ステップ133)。ここで否定判断した場合には上記積算を続ける。
ステップ133で肯定判断した時には、注湯後の水位を検出する(ステップ134)。次に、この検出水位を注湯前の水位と比較し、水位が上昇したか否かを判断する(135)。否定判断した場合には、浴槽6への注湯ではなく、台所等の給湯栓からの給湯であると判断し、ステップ131に戻る。
ステップ135で肯定判断した場合には、その水位変化量ΔLが、浴槽6への入浴状況ではないときに上記積算注湯量によって見込まれる水位変化量ΔLを大きく超えているか否かを判断する(ステップ136)。ここで肯定判断した場合には、入浴者が入浴したまま足湯から全身浴に変更したものと判断し(ステップ137)、ステップ138で相関データをD2からD1に変更し(係数をK=1.4からK=1,515に変更し)、図4のステップ106に進む。なお、足湯判断時に相関データD1を選択する場合にはステップ138は省略する。
ステップ136で否定判断した場合には、注湯中に出浴したものと判断し(ステップ139)、図4のステップ101に進む。
上述したように、足湯から全身浴に移行して入浴を継続する場合には、全身浴での時間の経過にしたがってリスクレベルの累積加算がなされるが、注湯時に出浴があった時には、再入浴時までリスクレベルの経過時間に伴う累積加算が中断され、再入浴後に新たに演算されるリスクレベルを足湯時に演算されたリスクレベルに累積加算する。
低温やけど防止制御の第8実施形態(出浴から再入浴までの体温低下に伴うリスクレベルの減算処理)
出浴から再入浴まで浴室で過ごすと、体は冷えてくる。つまり、真皮層に到達した熱の放散がなされる。本実施形態では、再入浴時に、この冷えた分だけ前回入浴時に演算されたリスクレベルから減算してもよい。例えば出浴から再入浴までの経過時間が長いほど減算量が増大するように調節してもよい。
出浴時の過ごし方(体を洗い、洗髪するか、単に休むか等)により冷え方が異なる点に留意し、下記のようにすればより精度が高まる。
再入浴検出後、所定時間(2〜3分)経過した後でポンプを駆動し、ポンプ駆動後所定時間経過した後で湯温センサ26により浴槽湯温を検出する。体が冷えているほど前回検出した浴槽湯温からの低下が大きくなる。この低下分から自然放熱により想定される温度低下分を差し引いた値が大きいほど、減算量を大きくする。
なお、再入浴検出後に所定時間待ってからポンプを駆動するのは、入浴者の体と浴槽湯との間の熱交換が完了するのにある程度の時間を要するからである。
上記経過時間と上記再入浴時の湯温低下の2つの因子に基づいてリスクレベルの減算処理を行ってもよい。
前述した全ての実施形態において、低温やけど防止制御に用いられる最初の浴槽湯温は、この時の検出湯温を用いてもよい。
低温やけど防止制御の第9実施形態(入浴体積に応じた相関データの調整)
上記実施形態では、メモリ52に2つの相関データD1,D2を記憶させ、入浴体積が閾値以上か否かで相関データを選択したが、相関データを体積に応じてより細かく設定してもよい。この場合、閾値V”として標準体積例えば63リットルを設定する。閾値V=32リットルと閾値V”=63リットルとの間では、相関データの係数Kを1.4〜1.515の範囲で入浴体積に応じてシフトさせる。例えばリニアにシフトさせる。
具体例を挙げると、大人の糖尿病患者が食事制限により体重が減少する。このような場合、入浴体積が少なく例えば45リットルになっている。この場合には、係数Kは下記のように計算される。
K=1.4+(1.515−1.4)・(45−32)/(63ー32)=1.45
このように、係数Kを小さくすることにより、入浴体積が60リットルの人と同等の安全性を確保する。
肥満のため入浴体積が閾値V”=60リットルを越えている場合には、係数Kを1.515のまま維持する。肥満であればあるほど入浴時に浴槽湯温を低下させることができ、この観点から係数Kを1.515より大きくすることができるが、血流が悪く熱放散機能が弱いのでこの観点から係数Kを小さくすることが望まれる。そこで両者の効果を相殺することにより、係数Kを1,515に維持するのである。
低温やけど防止制御の第10実施形態(外気温に応じた相関データの調整)
夏に入浴する場合と、冬に入浴する場合とでは、浴槽湯温の下がり具合が異なる。そこで、外気温センサ(環境温度センサ)を用いて夏場のように外気温(環境温度)が高いほど係数Kを小さくなるようにシフトさせ、冬場のように外気温が低いほど大きくなるようにシフトさせる。外気温センサとしては、給湯装置(風呂装置)が設置してある場所に設けた凍結防止用の外気温サーミスタを用いてもよい。
低温やけど防止制御の第11実施形態(追焚直前の検出浴槽湯温の利用)
本実施形態では、追焚終了時点だけの浴槽湯温の検出情報のみならず、追焚直前の浴槽湯温の検出情報を用いてリスクレベルを演算する。以下、詳述する。
自動運転モードでは、所定時間間隔でポンプを駆動して数十秒経過後に浴槽湯温を読み込み、この浴槽湯温が設定温度より0.5℃以上低い場合には追焚を行うようにしており、追焚直前の温度を正確に検出することができる。また、追焚スイッチオンと同時に開始される追焚時でも、ポンプ駆動開始から数十秒後経過後には、追焚の影響を受けない浴槽湯温、すなわち追焚直前の浴槽湯温を検出することができる。
演算制御部51は、今回の追焚直前の検出湯温と前回の追焚終了時点の検出湯温に基づいて、その間のリスクレベルを遡って演算する。この場合、浴槽湯温がリニアに低下していると仮定して演算する。具体的には、今回の追焚直前の検出湯温と前回の追焚終了時点の検出湯温の平均値を、相関データに代入すべき浴槽湯温として用いる。そして、前回の追焚終了時点からの仮演算されたリスクレベルを、この遡及演算されたリスクレベルに置き換える(リスクレベルの修正)。
なお、上記のように、前回の追焚終了時点の検出湯温と今回の追焚直前の浴槽湯温と相関データに基づいてリスクレベルを遡及演算する代わりに、次のようにして相関データの係数Kを調整してもよい。すなわち、前回の追い焚き終了時点から今回の追焚直前までの湯温の低下が大きいほど係数Kを大きくし、湯温低下が小さいほど係数Kを小さくする。この場合には、浴槽湯温は追焚終了時点の検出湯温と調整された係数Kを用いてリスクレベルを遡及演算する。
低温やけど防止制御の第12実施形態(ショートサーキット現象を想定した制御)
本実施形態は、第11実施形態と同様にリスクレベルを遡及演算するが、ショートサーキット現象を想定している。
追焚時に循環金具6aに近距離で足を向けて入浴していると、往路管23を経て循環金具6aから浴槽6内に入った湯は,足に邪魔されて浴槽6内を循環せずに直ぐに循環金具6aに入り復路管22を流れる。このショートサーキット現象は、特に足の感覚が鈍い糖尿病患者等が入浴する時に見られる現象である。
上記ショートサーキット現象が生じていると、湯温センサ26では一時的に実際の浴槽湯温より高い温度を検出してしまい、追焚直前(ポンプ駆動直前)の浴槽湯温を検出できない。そこで、第11実施形態においてリスクレベル遡及演算に用いられる追焚直前(ポンプ駆動直前)の浴槽湯温を、湯温センサ26による検出ではなく、下記の演算により求める。
(1)入浴前の水位と、予め記憶されているP−Q(水位―注湯量)データで浴槽湯量Wxを求める。
(2)今回のポンプ駆動時初期に検出される復路管22内に滞留している水の温度Tcを求める。この滞留水の温度は浴槽湯温に比べて著しく低く例えば、30℃である。
(3)目標温度まで追焚を継続する。前述したように自動運転モードでの追焚と追い焚きスイッチオンに応答した追焚では目標温度が異なるので、分けて説明する。
(3−1)自動運転モードにおける追焚の場合
自動運転モードでの追焚では、目標温度が設定温度であり、この設定温度になるまで追焚きを行う。上記ショートサーキット現象が生じている場合には、追焚の燃焼熱が浴槽の湯全体に行き渡らず、比較的短時間に復路管22を流れる湯の検出湯温に反映されて設定温度に到達するので、追焚燃焼が停止される。この過程で、ポンプ24は駆動し続けているので、検出温度が直ぐに上記設定温度より低下し、これに応答して追焚燃焼が再開される。これを繰り返すことにより、浴槽湯温が設定温度に到達する。
(3−2)追焚スイッチオンに応答しての追焚の場合
追焚スイッチオンに応答した追焚の場合には、ポンプ駆動と同時に追焚が開始されるが、追焚開始前の浴槽湯温を仮決定してこれより1℃高い目標温度を定める必要がある。ショートサーキット現象が生じていると、追焚直後を除いて比較的早期に検出湯温が乱高下する。そこで、追焚直後の所定時間(追焚循環回路の滞留水の温度を検出する時間)を待ち、その後で検出される湯温のうち最低値を上記「追焚開始前の浴槽湯温」と仮決定し、これより1℃高い目標温度を定めて追焚を行なう。
(4)目標温度まで追焚が終了したら、下記演算式に基づき追焚直前の浴槽湯温を演算する。
追焚終了時点での浴槽6および追焚循環回路20内の湯の総熱量Qaは下記式から求められる。
Qa=(Wx+Wy)Ta (4)
ここでWxは前述したように浴槽湯量、Wyは追焚循環回路20の水量(復路管22、往路管23と、受熱管21を含む器具内の容積の合計)、Taは追焚終了時点での検出浴槽湯温である。
さらに、追焚直前の浴槽湯および追焚循環回路20の水の総熱量Qbは下記式から求められる。
Qb=Wx・Tb+Wy・Tc (5)
ここでTbは追焚直前の浴槽湯温、Tcは追焚直前の追焚循環回路20内の水の温度(ポンプ駆動直後に検出される)である。
追焚に費やした燃焼熱量をΔQとすると下記式が成立する。
Qa=Qb+ΔQ (6)
上記式(4)〜(6)から、追焚直前の浴槽湯温Tbを求める下記式が得られる。
Tb={(Wx+Wy)Ta−ΔQ−Wy・Tc}/Wx (7)
なお、追焚循環回路20の容量Wyは最大値を用いるのが好ましい。Tbが最も高く演算されるからであり、これにより低温やけど防止制御を安全サイドにシフトできるからである。
例えばTa=44.5℃、Tc=30℃、追焚燃焼熱量Q=325Kcal、浴槽湯量Wx=250リットル、追焚循環回路20の容量(最大値)Wy=5.64リットルとした場合、Tbは追焚直前の浴槽湯温Tbは下記の通りとなる。
Tb={(250+5.64)×44.5−325−5.64×30)/(250)
=43.5℃
なお、上記ショートサーキット現象が生じているか否かは、検出される浴槽湯温が複数回上下動し、追焚の停止、再開を複数回実行することから判断できる。そこで、ショートサーキット現象を検出しない場合には、第11の実施形態のように湯温センサ26の検出湯温を追焚直前の浴槽湯温として用い、ショートサーキットが生じている場合には、本実施形態のように追焚燃焼熱量に基づき演算により追焚直前の浴槽湯温を求めてもよい。
低温やけど防止制御の第13実施形態(入浴状況に応じた相関データの調整・その1)
入浴時にじっとしている場合には、体表面から湯にかけて温度勾配が生じる。すなわち、浴槽湯温より低い温度の湯が体表面に接する。これに対して入浴中に体を激しく動かすと温度勾配は生じず常に新しい湯が体表面に接する。そのため、前者に比べて後者の場合の方が真皮到達熱量が多くなる。そこで、水位センサ33の水位情報に基づき、浴槽水位が閾値より大きく変動している場合には、相関データを安全側にシフトさせる(係数Kを小さくして、上限入浴時間を減じるように調整する)。
低温やけど防止制御の第14実施形態(入浴状況に応じた相関データの調整・その2)
浴槽6にジャグジー部や白濁(マイクロバルブ)を発生させるマイクロバルブ発生部(いずれも周知であるので図示せず)を設置した風呂装置の場合には、上記と同様の理由により、リモコンからのこれらジャグジー運転や白濁運転の信号を受けて、相関データを安全側にシフトさせる(係数Kを小さくして、上限入浴時間を減じるように調整する)。
低温やけど防止制御の第15実施形態(入浴状況に応じた相関データの調整・その3)
さら湯に入浴すると発汗量が多いことは知られている。発汗すると、真皮に到達した熱量を放出することができる。これに対して、入浴剤を入れたり、2番目以降の入浴または前日の残り湯を用いる場合には、イオン量、炭酸等が多くなり、入浴時の発汗量が減少し、熱量の放出量が減少する。
そこで、追焚循環回路20に導電度センサを設け、この導電度情報に基づき相関データを調整する。すなわち、導電度大(抵抗小)の場合には、発汗量が小さいので、相関データを安全側にシフトさせる(係数Kを小さくする)。
低温やけど防止制御の第16実施形態(浴槽への湯の落とし込みによる足湯から、自動スイッチオンによる全身浴への移行を想定した制御)
本実施形態は、蛇口から浴槽6へ湯を落とし込み、その湯で足湯を行い、その後で自動運転スイッチ61をオンして全身浴を行う場合を想定した制御である。
自動運転スイッチ61のオン時に、その直前の給湯時の設定温度と、給湯量と、給湯終了から自動運転スイッチオンまでの時間を読み込む。これと同時に第1の量例えば10リットルを注湯する。これは、追焚循環回路20に湯を満たしポンプ24の空回りを予防するためである。次に、ポンプ24を駆動し、所定時間(数秒)後に水流スイッチ25がオンするか否かを判断する。オンの場合には、上記10リットルを含む浴槽6の残水の水位が、循環金具6aより高いと判断し、オフの場合には、この残水の水位が循環金具6aより低いと判断する。
残水の水位が循環金具6aより高いと判断した場合には、浴槽水位を検出するとともに、ポンプオンから所定時間経過後の浴槽湯温を検出する。そして、検出された浴槽水位に相当する浴槽残水量から10リットルを差し引いた値が、直前の給湯量とほぼ一致している場合(湯に漬かっている足の体積に相当する分の相違は無視する)には、入浴者が蛇口から浴槽へ湯を落とし込んだ後で足湯を実行し、そのまま自動運転スイッチ61をオンしたものと判断し、自動運転スイッチオン前の足湯でのリスクレベルを遡って演算する。
具体的には、給湯終了直後から足湯を実行したものと判断し、給湯設定温度と、自動運転スイッチ61オン時の浴槽湯温と、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの時間に基づき、リスクレベルを演算する。相関データに代入すべき浴槽湯温は、上記給湯設定温度から上記自動運転スイッチオン時の浴槽湯温まで、リニアに変化するものと仮定し、その平均値を採用する。なお、この自動運転スイッチオン時の浴槽湯温は、上記注湯量(10リットル)、注湯温度、注湯後の水位(浴槽湯量)および上記ポンプ駆動に伴う検出浴槽湯温に基づき求められる。
なお、上記10リットルを含む浴槽6の残水の水位が循環金具6aより高いと判断した後、追焚を実行して設定温度にしてもよい。この場合、追焚に要した燃焼熱量と浴槽残水量(浴槽水位に基づき得られる)と、注湯熱量(上記注湯量×注湯温度)と設定温度に基づき、自動運転スイッチオン時の浴槽湯温を求めることができる。
10リットルの注湯後の浴槽残水の水位が循環金具6aより低いと判断した場合には、さらに90リットル(第2の量)の注湯を行う。これにより、浴槽には合計100リットルの注湯が行われたことになる。本実施形態での100リットルは、浴槽残水がゼロであっても浴槽水位が循環金具6aより上に位置する注湯量である。その後で、浴槽水位を検出するとともにポンプ24を回して浴槽湯温を検出する。
上記検出された浴槽水位に相当する湯量が上記注湯量(100リットル)と一致する場合には、自動運転スイッチオン時に浴槽残水量がゼロで足湯が無かったものと判断する。検出水位に相当する湯量と上記注湯量が相違し、その差が直前の給湯量にほぼ相当する(湯に漬かっている足の体積に相当する分の相違は無視する)場合には、足湯があったものと判断し、上記と同様にして、直前の給湯での給湯設定温度と、上記自動運転スイッチオン時の浴槽温度と、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの時間に基づき、リスクレベルを積算する。
上記自動運転スイッチオン時の浴槽温度は、上記と同様に演算される。すなわち、合計100リットルの注湯終了時の浴槽水位に対応する浴槽湯量と検出浴槽温度の積により得られる熱量から注湯熱量(100リットルの注湯量に注湯温度を乗じた熱量)を減じ、これを注湯前の残水量(注湯後に検出された浴槽水位に対応する浴槽湯量―注湯量)で除することにより得られる。
なお、合計100リットルの注湯後に追焚を実行して設定温度にしてもよい。この場合、追焚に要した燃焼熱量と、浴槽残水量(浴槽水位に基づき得られる)と、設定温度と、上記注湯量と注湯温度に基づき、自動運転スイッチオン時の浴槽湯温を求めてもよい。
上記自動運転スイッチオン時の浴槽湯温の情報を用いず、上記給湯設定温度を相関データに代入すべき浴槽湯温として用い、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの時間に基づき、足湯による蓄積されたリスクレベルを演算してもよい。後述する第19実施形態でも同様である。
上記の10リットルの注湯後または2回にわたる100リットルの注湯後に、設定水位まで最後の注湯を行って浴槽6に湯を満たすが、足湯ありと判断した場合には、足湯で累積されたリスクレベルにこの最後の注湯の過程で累積されたリスクレベルをも加算する。この最後の注湯の過程でのリスクレベルは、上記10リットルまたは100リットルの初期注湯後に追焚を実行しない場合には、直前の検出浴槽湯温と設定温度の間の温度勾配と、最後の注湯に要した時間に基づいて演算する。なお、初期注湯注湯後に追焚を行う場合には、設定温度と最後の注湯に要した時間に基づいて演算する。
低温やけど防止制御の第17実施形態(一部排水した後の残湯で足湯のみを実行する場合を想定した制御)
家族が入浴を済ませた後で最後に、糖尿病患者が残湯で服を着たまま足湯を行うことがある。
この場合、浴槽の湯が一部排水され、浴槽水位は足湯に適した所望水位になる。この排水時の水位センサからの検出水位の低下情報に基づき、自動運転モードを停止する。
上記浴槽水位が循環金具より上で排水が終了した場合、その後の水位変化を監視する。やがて足が浴槽に入り、その分水位が上昇した時には、この水位上昇検出時点を入浴開始時点として特定する。直前の検出湯温に基づいてリスクレベルを演算する。その後、追焚スイッチオンに応答して追焚がなされた時には、この追焚の終了時点の検出湯温を用いて演算する。相関データと係数は1.4を用いる。リスクレベルが閾値に達した時の低温やけど防止制御は前述の第1〜第3実施形態と同様である。なお、この場合、所定時間間隔でポンプを駆動して浴槽湯温を検出し、この検出湯温を用いてリスクレベルを演算してもよい。ここまでの制御は、第5実施形態と似ている。
上記浴槽水位が循環金具6aより下まで排水された場合には、その後の水位変化を監視することができず、足湯を検出できない。そこで、この場合には、浴槽水位が循環金具6aより下回った時点を足湯開始時点(入浴開始時点)と判断し、それ以後は排水直前に検出された浴槽湯温でリスクレベルを演算する。なお、浴槽湯温は自然放熱分を考慮して徐々に低下する温度を用いてもよい。
浴槽水位が循環金具6aより下の場合には出浴を検出できないが、リモコン運転スイッチ60aがオンのままであれば足湯が継続していると判断し、オフされた場合には、出浴と判断し上記リスクレベルをクリアし、制御を終了する。
低温やけど防止制御の第18実施形態(水位センサを搭載しない風呂装置の場合)
本発明は、水位センサを搭載しない風呂装置にも適用できる。この風呂装置で自動運転スイッチ61がオンされると、浴槽水位を設定水位にする代わりに設定注湯量による注湯を行う。浴槽に残水がある場合には設定注湯量から残水量を差し引いた量の注湯を行う。残水量検出については後述する(第19実施形態参照)。
水位センサ不搭載の風呂装置では、湯温センサを用いて入浴開始時点を特定する。以下詳述する。最初に通常の自動運転モード実行の過程での入浴開始時点の特定について説明する。
自動運転モード実行中の追焚タイミングを比較的短時間間隔例えば10分間隔にする。ポンプ駆動から所定時間経過後に浴槽湯温を検出し、この検出湯温が設定温度より0.5℃未満の低下であれば追焚せず、それより低下している場合には追焚を行う点は前述の実施形態と同様である。
上記検出湯温の設定温度からの低下が自然放熱で見込まれる温度低下を越えていると判断した時には、前回の追焚タイミング(ポンプ駆動時)から今回の追焚タイミングまでの間に入浴があったものと判断し、その中間の時点または前回の追焚終了時点を入浴開始時点と判断する。
上記入浴開始時点からリスクレベルを演算する。このリスクレベルを検出湯温(自動運転モードでの追焚の終了時点の検出湯温すなわち設定温度あるいは追焚スイッチオンに応答した追焚の終了時点での検出湯温)と相関データ(係数)に基づいて演算する点は前述の実施形態と同様である。ただし、本実施形態の風呂装置は入浴者の体積を求めることができないので、この体積に応じた相関データ(係数)の選択はできず、基本的には相関データD1(係数K=1.515)またはD2(係数K=1.4)のいずれかを用いるかその中間値を用いる。最大限の安全を確保する場合には、K=1.4を用いる。
上記風呂装置では出浴を判断できないので、入浴開始時点から上記リスクレベルを演算し続ける。その間にリスクレベルが閾値に達したら、報知、追焚スイッチオンの受け入れ回数の制限等の低温防止制御を実行する。なお、追焚スイッチオンの受け入れ回数の制限をする場合、報知を伴うのが好ましい。報知に気づいた人は、入浴者が居ないことを確認してリモコンのリセットボタン(図示しない)を押すことにより、上記リスクレベルをクリアすることができる。
新たに別の人が入浴して浴槽湯温が低下した時には、新たに入浴開始時点を特定してリスクレベルをクリアし、新たにリスクレベルの演算を開始する。
低温やけど防止制御の第19実施形態(水位センサを搭載しない風呂装置において、浴槽への湯の落とし込みによる足湯から、自動スイッチオンによる全身浴への移行を想定した制御)
上記水位センサ不搭載の風呂装置において、蛇口から浴槽6へ湯を落とし込み、この湯で足湯を行った後で自動運転スイッチ61をオンすることにより全身浴に移行する場合を想定して下記の制御を行うことができる。
自動運転スイッチ61のオン時に、第16実施形態と同様に、直前の給湯の設定温度と、給湯量と、給湯終了から自動運転スイッチオンまでの時間を読み込むとともに、最初に例えば10リットル(第1の量)を注湯する。次に、ポンプ24を駆動し、所定時間(数秒)後に水流スイッチ25がオンするか否かを判断する。オンの場合には、上記10リットルを含む浴槽の残水の水位が、循環金具6aより高いと判断し、オフの場合には、この残水の水位が循環金具6bより低いと判断する。
浴槽水位が循環金具6aより高いと判断した場合には、ポンプ24を駆動して追焚を行なって設定温度にする。この過程で、追焚前の浴槽湯温を検出する。また、この追焚による浴槽湯温の温度上昇の勾配も検出する。追焚時の単位時間当たりの燃焼熱量は一定であり、この温度勾配から、予め求めておいた温度勾配―残水量の関係式またはマップに基づき、浴槽6の残水量を演算する。さらに、この残水量から10リットルを差し引いて、自動運転スイッチオン直前の浴槽残水量を演算する。
次に、自動運転スイッチオン直前の浴槽残水量が直前の給湯量にほぼ相当するか否かを判断する(湯に漬かっている足の体積に相当する分の相違は無視する)。肯定判断した場合、すなわち直前に足湯を行っていたと判断した場合には、直前の給湯での給湯設定温度と、上記検出された追焚前の浴槽温度と、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの時間に基づき、リスクレベルを遡及演算する。相関データに代入する浴槽湯温は、給湯設定温度から上記自動運転スイッチオン時の検出浴槽温度までリニアに変化するものと仮定し、その平均値を用いる。
最後に、設定注湯量から上記自動運転スイッチオン前の浴槽残水量を差し引いた量の注湯を行い、この注湯の過程およびその後出浴するまでのリスクレベルを上記足湯でのリスクレベルに累積加算する。
浴槽水位が循環金具6aより下にあると判断した場合には、さらに90リットル(第2の量)注湯し、浴槽水位を循環金具6aより上にし、この状態で上記と同様に追焚、足湯の有無の判断、注湯を実行し、足湯有りと判断した時のリスクレベルの遡及演算、および注湯の過程およびそれ以後のリスクレベルの演算等を行う。
なお、第16実施形態および本実施形態において、上記足湯の有無を判断する別の方法として、循環金具6aより上までの浴槽水位において、自動運転スイッチオン時の浴槽温度が直前の給湯温度より所定温度以上低い場合には、自動運転スイッチオンの直前まで足湯をしていたと判断してもよい。
低温やけど防止制御の第20実施形態(水位センサを搭載しない風呂装置において、一部排水した後の残湯で足湯を実行する場合を想定した制御)
上記水位センサ不搭載の風呂装置において、一部排水した後の残湯で足湯を実行する場合を想定した制御について説明する。
この場合、水位センサが無いので、直接的には排水を検出できず、足が浴槽に入ったことも検出できない。そこで下記のような手段を採用する。
自動運転スイッチ61がオンされている場合には、所定時間間隔(10分間隔)の追焚タイミングでポンプを駆動し、水流スイッチがオンするか否かを監視する。水流スイッチオンは前述したように浴槽水位が循環金具6aより上にあることを意味する。水流スイッチがオンと判断した場合には、浴槽湯温を検出するとともに、この浴槽湯温が設定温度より低い場合には追焚を実行する。前述したように、この時の検出温度により、入浴したか否かを判断することができ、この追焚時の温度勾配により足湯(または半身浴)か全身浴かを判断することができる。
ポンプ駆動時に水流スイッチがオンしない場合には、浴槽水位が循環金具を下回ったと判断し、自動運転モードを終了するが、足湯は継続していると判断し、リスクレベルを継続して演算する。実際に足湯が無いかも知れないが、安全を確保するためである。この足湯開始時点は前回の追焚終了時点とみなし、相関データに代入すべき浴槽湯温としてこの追焚終了時点の検出浴槽湯温を用いる。このリスクレベル演算は、浴室リモコンスイッチ60aのオフにより終了する。
本発明は上記実施形態に制約されず、さらに種々の態様が可能である。記述した多くの実施形態は、特に支障がなければ適宜組み合わせることもできる。
上記実施形態では風呂装置と給湯装置がガスバーナと熱交換器を共有しているが、これら構成をそれぞれ別個に装備してもよい。
自動運転モードを実行しない手動操作による風呂装置にも適用できる。
給湯回路を備えておらず、追焚循環回路だけを備えた風呂装置にも適用できる。
追焚は、貯湯槽に蓄えられた高温の湯中から熱をもらうことで行うものであっても良い。
第10実施形態では、係数Kを外気温によって可変するようにしたが、外気温以外の環境温度によって可変するようにしても良い。例えば、浴室暖房乾燥機に設置されているサーミスタ(浴室温度センサ:環境温度センサ)で検出された浴室温度(環境温度)を読み込み、浴室温度が高いほど係数Kを小さく(相関データを安全サイドにシフト)しても良い。入浴時において、皮膚内部に到達し蓄積された熱量の肺呼吸による放出効果は、浴室温度(吸い込む空気温度)が低いほど大きく、浴室温度が高いほど小さいからである。
なお、浴室温度センサとして、浴室リモコンにサーミスタを付け、このサーミスタからの温度情報を用いても良いし、浴室に持って入ったスマホから浴室温度情報を受けても良い。
上記実施形態は主に糖尿病患者を念頭においた制御であるが、皮膚が薄い、血流が少ないため冷えを感じやすい、血流が少ないために皮膚の熱を全身に放散する能力が劣る等は、高齢者、抹消血管障害者、閉塞性血栓血管炎(ビュルガー病、バージャー病)患者、感覚神経障害者(ギラン・バレー症候群等)にも適用される。
A 風呂装置
B 給湯装置
2 熱交換部(加熱部)
6 浴槽
6a 循環金具
10 給湯回路
20 追焚循環回路
24 ポンプ
26 湯温センサ
30 注水手段
33 水位センサ
51 演算制御部
52 メモリ
53 タイマ
60a リモコン運転スイッチ
61 自動運転スイッチ
62 追焚スイッチ
66、76 音声報知部(報知手段)

Claims (39)

  1. 浴槽に接続される追焚循環回路と、この追焚循環回路に設けられたポンプ、加熱部および湯温センサと、メモリと、演算制御部とを備えた風呂装置において、
    上記メモリは、浴槽湯温と上限入浴時間との関係を表す低温やけど防止のための相関データを記憶し、
    上記演算制御部は、上記ポンプを駆動させることにより浴槽の湯を上記追焚循環回路を介して循環させ、上記湯温センサからの浴槽湯温の検出情報に応じて上記加熱部からの熱を供給することにより、追焚を実行するとともに、
    ア.浴槽への入浴の有無を判断し、
    イ.入浴中の低温やけどのリスクレベルを、上記湯温センサからの検出情報に基づく浴槽湯温と、入浴時間と、上記メモリに記憶された上記相関データに基づき演算し、
    ウ.上記演算されたリスクレベルに基づき、低温やけど防止のための動作を実行する
    ことを特徴とする風呂装置。
  2. 上記相関データは、浴槽湯温をT、上限入浴時間をP、基準浴槽湯温をTs、この基準浴槽湯温Tsでの上限入浴時間Ps,係数をKとしたときに、P=Ps×K(Ts−T) で表され、上記係数Kが2未満であることを特徴とする請求項1に記載の風呂装置。
  3. 上記演算制御部は、上記相関データに基づいて上記入浴中の浴槽湯温に対応する上限入浴時間を求め、この上限入浴時間に対する上記浴槽湯温での入浴時間の比を、リスク量として求め、上記浴槽湯温毎のリスク量の積算値を上記リスクレベルとして求めることを特徴とする請求項1または2に記載の風呂装置。
  4. 上記演算制御部は、上記入浴時間を単位時間に分割し、単位時間毎に上記相関データに基づいて上記入浴中の浴槽湯温に対応する上限入浴時間を求め、この上限入浴時間に対する上記単位時間の比を、リスク量として求め、この単位時間毎のリスク量を、上記入浴時間にわたって積算することにより、上記リスクレベルを求めることを特徴とする請求項1または2に記載の風呂装置。
  5. さらに浴槽に接続された注水手段を備え、上記演算制御部は、低温やけど防止のための動作として、この注水手段による浴槽への注水を実行し、浴槽湯温を低下させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の風呂装置。
  6. 上記演算制御部は、上記リスクレベルの閾値を複数段階に設定し、リスクレベルが各閾値に達する度に注水を実行して、浴槽湯温を段階的に低下させることを特徴とする請求項5に記載の風呂装置。
  7. 上記演算制御部は、上記注水実行後の追焚を禁じることを特徴とする請求項5または6に記載の風呂装置。
  8. さらに報知手段を備え、
    上記演算制御部は、上記リスクレベルの閾値として、注水用閾値と、この注水用閾値より高い報知用閾値とを設定し、リスクレベルが上記注水用閾値に達した時には上記注水により浴槽湯温を所定温度まで下げ、上記リスクレベルが上記報知用閾値に達した時には、注水を行わずに、低温やけど防止の動作として上記報知手段を動作させることを特徴とする請求項5に記載の風呂装置。
  9. さらに報知手段を備え、上記演算制御部は、上記リスクレベルが閾値に達した時に、低温やけど防止の動作として、上記報知手段を動作させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の風呂装置。
  10. さらに自動運転スイッチと追焚スイッチを備え、
    上記演算制御部は、自動運転スイッチのオン状態において、所定時間間隔毎に追焚タイミングを設定して、ポンプを駆動し、浴槽湯温が設定温度になるように追焚を実行し、さらに、上記追焚スイッチのオン時には、他の追焚タイミングとしてポンプを駆動するとともに設定温度とは無関係に浴槽湯温が目標湯温上昇分だけ上昇するように追焚を実行し、上記リスクレベルが高くなるにしたがって、上記追焚スイッチのオンに応答して追焚できる回数を減じることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の風呂装置。
  11. 上記演算制御部は、上記リスクレベルに対応した追焚可能回数を、設定温度が高くなるにしたがって少なくなるように設定することを特徴とする請求項10に記載の風呂装置。
  12. 上記追焚循環回路には水位センサが設けられ、上記演算制御部は、上記水位センサで検出される浴槽水位に基づき、入浴と出浴を判断することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の風呂装置。
  13. 上記演算制御部はさらに、入浴する際の上記水位センサによる検出水位の上昇値に基づいて入浴者の湯に漬かっている体積を演算し、この演算された体積に基づき、上記相関データを選択することを特徴とする請求項12に記載の風呂装置。
  14. 上記追焚循環回路には水位センサが設けられ、
    上記演算制御部は、上記水位センサで検出される浴槽水位に基づき、入浴と出浴を判断するとともに、検出水位の上昇値に基づいて入浴者の湯に漬かっている体積を演算し、この体積を閾値と比較し、この閾値より大きい場合には大人の全身浴と判断して上記係数Kを第1の値に設定し、この閾値より小さい場合には大人の半身浴または子供の入浴と判断して、上記係数Kを上記第1の値より小さな第2の値に設定することを特徴とする請求項2に記載の風呂装置。
  15. 上記追焚循環回路には水位センサが設けられ、
    上記演算制御部は、上記水位センサで検出される浴槽水位に基づき、入浴と出浴を判断するとともに、検出水位の上昇値に基づいて入浴者の湯に漬かっている体積を演算し、この体積を第1閾値およびこれより小さい第2閾値と比較し、上記体積が第1閾値より大きい場合には、上記係数Kを第1の値に設定し、上記体積が第2閾値より小さい場合には上記係数Kを上記第1の値より小さい第2の値に設定し、上記体積が第1閾値と第2閾値との間にある場合には、上記係数Kを、上記第1の値と第2の値の範囲で体積が増大するにつれて大きくなるように設定することを特徴とする請求項2に記載の風呂装置。
  16. 上記演算制御部は、出浴と判断した後に再び入浴有りと判断した時には、同一人が再入浴したのか、別人が入浴したのかを判断し、同一人が再入浴したと判断した時には、前回の入浴時に演算した上記リスクレベルに、今回の入浴により演算するリスクレベルを累積加算し、別人が入浴したと判断した時には、前回の入浴時に演算したリスクレベルをクリアし、新たに今回の入浴でのリスクレベルを演算することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の風呂装置。
  17. 上記演算制御部は、
    a.前回入浴時に検出された浴槽水位の変化量と今回の入浴時に検出された浴槽水位の変化量の比較、
    b.前回出浴から今回入浴までの間の経過時間、
    c.前回出浴時から今回入浴開始時までの間における給湯装置による給湯使用状況
    の少なくとも一つに基づき、同一人の再入浴か別人の入浴かを判断することを特徴とする請求項16に記載の風呂装置。
  18. 上記追焚循環回路には水位センサが設けられ、
    演算制御部は、上記水位センサからの情報に基づき、足湯での入浴であるか否かを判断し、前回の入浴で足湯と判断した場合には、今回の再入浴時での検出水位の変化が大きくても、同一人の再入浴と判断することを特徴とする請求項16に記載の風呂装置。
  19. 上記演算制御部は、出浴から再入浴までの経過時間に応じて上記リスクレベルを低減させることを特徴とする請求項16〜18のいずれかに記載の風呂装置。
  20. 上記演算制御部は、再入浴検出後、所定時間経過した後で上記ポンプを駆動して上記湯温センサにより浴槽湯温を検出し、この再入浴に伴う浴槽湯温の低下に応じてリスクレベルを低減させることを特徴とする請求項16〜19のいずれかに記載の風呂装置。
  21. 上記演算制御部は、
    上記水位センサで検出される浴槽水位に基づき、足湯での入浴であるか否かを判断し、足湯と判断した場合には、浴槽への注湯を監視し、注湯終了後に、浴槽水位の変化が、浴槽に入浴者が居ない場合に想定される積算注湯量に相当する変化量であるか否かを判断し、
    上記浴槽水位の変化が浴槽に入浴者が居ない場合の積算注湯量に相当する変化量であると判断した場合には、出浴と判断してリスクレベルの累積加算を中断し、
    上記浴槽水位の変化が、浴槽に入浴者が居ない場合に想定される積算注湯量に相当する変化量より所定量以上大きい場合には、入浴継続中であると判断し、リスクレベルの累積加算を継続することを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の風呂装置。
  22. さらに環境温度センサを備え、上記演算制御部は、環境温度センサで検出される環境温度が高いほど上記係数Kを小さくすることを特徴とする請求項2に記載の風呂装置。
  23. 上記湯温センサによる浴槽湯温の主たる検出タイミングは、自動運転モードで所定時間間隔毎に実行する追焚の完了時点、追焚スイッチオンに応答して実行する追焚の完了時点であり、上記演算制御部は、この主たる検出タイミングで検出された浴槽湯温を、上記リスクレベルのリアルタイム演算に用いることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の風呂装置。
  24. さらに、従たる検出タイミングとして、上記追焚開始の際にポンプ駆動から所定時間経過した時点が設定され、上記演算制御部は、この従たる検出タイミングで上記湯温センサにより検出された、追焚の影響を受けない浴槽湯温と、前回の追焚の完了時点で検出された浴槽湯温に基づき、上記リスクレベルを遡及演算し、上記リアルタイム演算されたリスクレベルと置換することを特徴とする請求項23に記載の風呂装置。
  25. 上記演算制御部は、浴槽内の湯量と、追焚循環回路内の水量と、追焚終了時に上記湯温センサで検出される浴槽湯温と、ポンプ開始直後に上記湯温センサで検出される追焚循環回路内の水の温度と、追焚に要した燃焼熱量に基づき、追焚直前の浴槽湯温を演算し、この演算された浴槽湯温と、前回追焚の完了時点での検出湯温に基づき、上記リスクレベルを遡及演算し、上記リアルタイム演算されたリスクレベルと置換することを特徴とする請求項24に記載の風呂装置。
  26. 上記演算制御部は、上記水位センサの水位情報に基づき、浴槽水位が閾値より大きく変動している場合には、安全側にシフトした相関データを用いることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の風呂装置。
  27. さらに、ジャグジー部またはマイクロバルブ発生部を備え、
    上記演算制御部は、上記ジャグジー部またはマイクロバルブ発生部が運転されている時には、安全側にシフトした相関データを用いることを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の風呂装置。
  28. さらに、追焚循環回路に設けられた導電度センサを備え、
    上記演算制御部は、上記導電度センサからの情報に基づき、浴槽湯の導電度が大になるほど安全側にシフトした相関データを用いることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の風呂装置。
  29. 上記演算制御部は、自動運転スイッチオンに応答して、その直前の給湯時の給湯量、給湯設定温度と、給湯終了から上記自動運転スイッチオンまでの時間を読み込むとともに、所定量の湯を浴槽に注湯した後に、浴槽湯量を検出または演算し、この浴槽湯量から上記所定量を差し引いた値が、上記給湯量に対応する場合には、足湯があったものと判断して、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの足湯によるリスクレベルを遡及演算することを特徴とする請求項1〜28のいずれかに記載の風呂装置。
  30. 上記演算制御部は、自動運転スイッチオンに応答して、その直前の給湯時の給湯量、給湯設定温度と、給湯終了から上記自動運転スイッチオンまでの時間を読み込むとともに、所定量の湯を浴槽に注湯した後に、浴槽湯量を検出または演算し、この浴槽湯量から上記所定量を差し引いた値が、上記給湯量に対応する場合には、足湯があったものと判断して、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの足湯によるリスクレベルを遡及演算することを特徴とする請求項1〜28のいずれかに記載の風呂装置。
  31. 上記演算制御部は、リスクレベルを遡及演算する際に、上記給湯設定温度を、上記相関データと照合すべき足湯時の浴槽湯温として用いることを特徴とする請求項29に記載の風呂装置。
  32. 上記演算制御部は、自動運転スイッチオン時に、上記追焚循環回路を満たすのに十分な第1の量の注湯を行い、その後でポンプを駆動して上記追焚循環回路に設けた水流スイッチがオンするか否かを判断し、
    肯定判断した場合には上記第1の量を上記所定量として用いて、自動運転スイッチオン前の足湯の有無を判断し、
    否定判断した場合には、さらに第2の量の注湯を行なって浴槽湯の水位を循環金具より上にし、上記第1の量と第2の量の合計値を上記所定量として用いて、自動運転スイッチオン前の足湯の有無を判断することを特徴とする請求項29〜31のいずれかに記載の風呂装置。
  33. 上記演算制御部は、上記注湯後水位センサで検出される浴槽水位に基づき、上記注湯後の浴槽湯量を求めることを特徴とする請求項29〜32のいずれかに記載の風呂装置。
  34. 上記演算制御部は、上記注湯後に追焚を実行して浴槽湯温を設定温度にし、この追焚時の浴槽湯温の温度上昇勾配に基づき、上記注湯後の浴槽湯量を演算することを特徴とする請求項29〜32のいずれかに記載の風呂装置。
  35. 上記演算制御部は、自動運転スイッチオンに応答して、その直前の給湯時の給湯設定温度と、給湯終了から上記自動運転スイッチオンまでの時間を読み込むとともに、自動運転スイッチオン時の浴槽湯温と上記給湯設定温度を比較し、自動運転スイッチオン時の浴槽温度が直前の給湯設定温度より所定温度以上低い場合には、足湯があったものと判断して、給湯終了時点から自動運転スイッチオンまでの足湯によるリスクレベルを遡及演算することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の風呂装置。
  36. 上記演算制御部は、検出される浴槽水位が循環金具より下になるまで排水された時には、足湯が開始されたものと判断し、リスクレベルの演算をリモコン運転スイッチがオフになるまで継続することを特徴とする請求項12〜14に記載の風呂装置。
  37. 上記演算制御部は、所定時間間隔の追焚タイミングで上記ポンプを駆動して湯温センサからの浴槽湯温を読み込み、前回の追焚タイミングでの浴槽湯温と今回の追焚タイミングでの浴槽湯温との比較から、これら追焚タイミング間で入浴が有ったか否かを判断し、肯定判断した時には、リスクレベルの演算を実行することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の風呂装置。
  38. 上記演算制御部は、上記入浴判断した場合、前回の追焚タイミングまたは前回の追焚タイミングと今回の追い焚きタイミングとの間の中間の時点まで遡ってリスクレベルを演算することを特徴とする請求項37に記載の風呂装置。
  39. 上記演算制御部は、自動運転スイッチオンにより自動運転モードを実行している状況において、所定時間間隔の追焚タイミングで上記ポンプを駆動し、上記追焚循環回路に設けられた水流スイッチによる水流検出の有無により、浴槽水位が循環金具より上にあるか否かを確認し、否定判断した場合には自動運転モードを終了するが、足湯の状態にあると仮定してリスクレベルを演算することを特徴とする請求項1〜11に記載の風呂装置。
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