JP2017031891A - 内燃機関用のピストン、内燃機関、及び内燃機関用のピストンの設計方法 - Google Patents

内燃機関用のピストン、内燃機関、及び内燃機関用のピストンの設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ディーゼルエンジン等の内燃機関において、スワールを利用して、燃料噴霧とキャビティ内の吸気との混合を促進すると共に、燃料噴霧同士の干渉による燃料過濃領域の発生を抑制して、不完全燃焼による煤、HC、CO等の生成を回避できる内燃機関用のピストン、内燃機関、及び内燃機関用のピストンの設計方法を提供する。【解決手段】キャビティ10の領域を燃料噴射ノズル30の噴孔31ごとの区画領域Diに区分し、この区画領域Diの内側にキャビティ10の外周壁11の外周上側部分を窪みを有する棚部14を設けると共に、この区画領域Diに隣接する区画領域Di+1との境界部分では窪みのある棚部14が無い形状に形成し、この棚部14の形状をスワールの方向に関して、スワール上流では窪みの抉り量を大きく、スワール下流では窪みの抉り量を徐々に小さく形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関において、キャビティ(燃焼室)内の燃料噴霧と吸気との混合を促進すると共に、隣接する燃料噴霧同士の干渉による燃料過濃領域の発生を抑制して、不完全燃焼による煤、HC、CO等の生成を回避できる内燃機関用のピストン、内燃機関、及び内燃機関用のピストンの設計方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関用のピストンにおいては、ピストンの頂部(冠面:ピストントップ)にキャビティと呼ばれる凹部を設けて、このキャビティの中央部に対向させて設けた燃料噴射ノズルから燃料を噴射し、この噴射された燃料噴霧をキャビティの内部で吸気と混合させて燃料を燃焼させている。この燃焼においては、不完全燃焼による煤、HC、CO等の生成がある.現象としては、次に示す通りである。図8に示すように、ピストン1Xの頂部2に設けられたキャビティ10Xにおいて、図9に示すように、燃料噴霧Fはキャビティ10Xの外周壁11に衝突した後でスワールSに流されるので、このスワールSに流された燃料噴霧Fsがスワール下流側に存在することになり、図10に示すように、隣接する噴孔31から噴射された燃料噴霧F1、F2がキャビティ10X内で重なり合って干渉が生じる。
そして、この燃料噴霧F1、F2同士の干渉が生じると、燃料に対して酸素不足となる過濃領域Roが形成されるおそれがあり、煤、HC、CO等が生成する可能性がある。これは、内燃機関における燃焼の観察結果によって得られた知見である。そこで、それらの現象を回避して、燃焼効率を良くするために、キャビティの形状に様々な工夫がなされてきている。
例えば、インジェクタからキャビティに向けて噴射された燃料の噴霧がキャビティの壁面に沿って周方向に広がって隣り合う噴霧同士が干渉することによる燃料の過濃領域の形成を抑制するために、ピストンの頂部に、上方に配置されたインジェクタから周方向に間隔を隔てて複数噴射された燃料の噴霧が衝突するキャビティを凹設した内燃機関の燃焼室構造であって、キャビティの壁面に、噴霧が衝突する部分に位置して、キャビティの内外方向に沿ったガイド突起を複数設けて、噴霧が壁面に沿ってキャビティの周方向に広がることによる隣り合う噴霧同士の干渉を抑える内燃機関の燃焼室構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、煤が凹部に堆積した場合にはガイド突起の効果が薄れたり、熱応力によりガイド突起が破壊されたりする可能性が生じるとの知見を得た。
言い換えれば、噴霧の拡散を防止するための構造が、熱応力によって破損しやすい構造であるため、負荷が高い領域での使用には向いていないという改善の余地や、ピストンのキャビティの断面形状が周方向に大きく変化しておらず、スワール(横渦流:旋回)の流れを生かして噴霧と吸気の混合を促進する構造になっていないので、この面からも改善の余地があるとの知見を得た。
これに関連して、燃焼室の容積をできるだけ維持したまま、簡単な構造でスキッシュ
エリアの燃焼効率を高めたために、噴孔から噴射した勢いで燃料を霧化する燃料噴射ノズルに対応した直接噴射式ディーゼル内燃機関のピストンであって、頂部に凹設された燃焼室と、燃料噴射ノズルの複数の噴孔から噴射された燃料噴霧の拡散範囲に個別に対応させて燃焼室の外周に独立して設けられる窪みとを備え、ピストンの半径方向に沿う窪みの断面形状は、ピストンの中心に対する周方向位置によって異なる燃料噴霧の燃料濃度の分布に応じて設けられているピストンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この構成では、窪みは、ピストンの頂部に燃焼室の空間とは独立して設けられているので、この燃焼室の外周縁を越えるスキッシュエリアの燃料噴霧の燃焼の改善には効果があるが、燃焼室中心部の燃焼の改善には直接には役立たないという問題がある。
特開2011−174388号公報 特開2010−112350号公報
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、ディーゼルエンジン等の内燃機関において、スワールを利用して、キャビティ内の燃料噴霧と吸気との混合を促進すると共に、隣接する燃料噴霧同士の干渉による燃料過濃領域の発生を抑制して、不完全燃焼による煤、HC、CO等の生成を回避できる内燃機関用のピストン、内燃機関、及び内燃機関用のピストンの設計方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関用のピストンは、ピストンの頂部に凹形状に設けられたキャビティと、該キャビティの中央部に対向してシリンダヘッドに設けられた燃料噴射ノズルを有し、吸気をスワールさせる内燃機関のための内燃機関用のピストンにおいて、前記キャビティの領域を前記燃料噴射ノズルの噴孔ごとの区画領域に区分し、前記区画領域の内側に前記キャビティの周壁面の外周上側部分を窪みを有する棚部を設けると共に、前記区画領域に隣接する区画領域との境界部分では前記棚部が無い形状に形成し、スワールの方向に関して、前記区画領域のスワール最上流側では前記棚部が無い形状から外周側に抉る前記棚部を形成した形状に移行する第1移行部と、前記区画領域の中央まで徐々に前記窪みの外周側への抉り量を大きくする第1窪み部と、前記区画領域の中央で前記窪みの外周側への抉り量を最大とする最大窪み部と、前記区画領域の中央からスワール下流側に徐々に前記窪みの外周側への抉り量を小さくする第2窪み部と、前記区画領域のスワール最下流側では前記棚部のある形状から前記棚部の無い形状に移行する第2移行部とで形成して、隣接する区画領域のスワール最上流側の形状に連続させるように形成し、更に、前記第1移行部、前記第2移行部、前記第2窪み部、前記第1窪み部の順に、前記窪みの外周側への抉り量における周方向に対する変化量を小さくして構成する。
この構成によれば、燃料噴霧ごとに、ピストンのキャビティの円周方向にキャビティの断面積が変化する構造で、その区画領域内の吸気と燃料噴霧が混合するように工夫しているので、キャビティ内の吸気と燃料噴霧を十分混合することが可能となり、煤、HC、COなどの発生を抑制できる。この区画領域は、噴孔に対応して設定される、つまり、噴孔の数によって変化する。
また、隣接する噴霧同士の重なりを排除して干渉を防止しているので、隣接する燃料噴霧同士の干渉による燃料過濃領域の発生を抑制することが可能となり、これにより,不完全燃焼による煤、HC、COの生成を回避することができる。また、吸気と燃料噴霧の混合が良好に促進されるので、この面においてもSoot、COの低減が可能となる。
従って、ディーゼルエンジン等の内燃機関において、スワールを利用して、キャビティ内の燃料噴霧と吸気との混合を促進すると共に、隣接する燃料噴霧同士の干渉による燃料過濃領域の発生を抑制して、不完全燃焼による煤、HC、CO等の生成を回避できる。
上記の内燃機関用のピストンにおいて、前記第2窪み部の前記棚部のある部位において、前記ピストンの頂部との角部の口元部をピストン中心軸側にせり出させて形成する。言い換えれば、噴射された燃料噴霧が、ギャビティの外周壁に衝突した後、スワールで流される間に、キャビティの中心部の吸気と混合するように、キャビティの口元部をせり出す構造とする。これにより、スワールの流れに合わせて、燃料噴霧がキャビティの中心部の吸気と混合し易くなる。
また、この口元部の構造により、ピストンが圧縮上死点を越えて膨張行程に入るとキャビティからシリンダへの流れとなる流れを逆スキッシュ流というが、この逆スキッシュ流も活用できて、燃料噴霧と吸気の混合を促進できるようになる。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関は、上記の内燃機関用のピストンを備えて構成され、上記の燃料噴射装置と同様の作用効果を奏することができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関用のピストンの設計方法は、ピストンの頂部に凹形状に設けられたキャビティと、該キャビティの中央部に対向してシリンダヘッドに設けられた燃料噴射ノズルを有し、吸気をスワールさせる内燃機関のための内燃機関用のピストンの設計方法において、予め設定されたスワールによって、前記燃料噴射ノズルの各噴孔から噴射された燃料噴霧が流される範囲を計測または算出する第1ステップと、噴射された燃料噴霧と吸気の混合分布を計測し、燃料噴霧の量に対して混合している吸気中の酸素量が余剰となる当量比1未満領域を計測または算出する第2ステップと、前記キャビティの領域を、前記燃料噴射ノズルの噴孔ごとの区画領域に前記当量比1未満領域を含むように区分する第3ステップと、前記区画領域ごとに前記キャビティの形状を決定する第4ステップとを有することを特徴とする方法である。
また、上記の内燃機関用のピストンの設計方法において、前記第4ステップにおいて、前記噴孔から燃料が噴射される方向においては、燃料噴霧が前記キャビティの外周壁と衝突するまでの混合距離を稼ぐために、前記キャビティの外周壁をピストン中心軸から遠くに配置し、スワール下流側では、燃料噴霧が前記キャビティの前記外周壁に衝突後、スワールで流される間に前記キャビティの内部の吸気と混合するように、前記キャビティの口元部を燃料噴霧を押し込むようにせり出す形状とし、スワール上流側では、燃料噴霧が前記キャビティの前記外周壁に衝突後、隣接する燃料噴霧との干渉が無いように、前記キャビティの前記外周壁をピストン中心軸側に近づけて配置し、前記ピストン中心軸を含む平面内の前記キャビティの断面形状を、スワールの流れに沿って前記ピストン中心軸を中心にして周方向に沿って回転させたときに、この回転に伴って前記キャビティが外側に広がった後に元に戻るように連続させて前記キャビティの形状を作成する。
これらの内燃機関用のピストンの設計方法によれば、上記の内燃機関用のピストンと同様の作用効果を奏することができる。
本発明の内燃機関用のピストン、内燃機関及び内燃機関用のピストンの設計方法によれば、ディーゼルエンジン等の内燃機関において、スワールを利用して、キャビティ内の燃料噴霧と吸気との混合を促進すると共に、隣接する燃料噴霧同士の干渉による燃料過濃領域の発生を抑制して、不完全燃焼による煤、HC、CO等の生成を回避できる。
本発明に係る実施の形態の内燃機関用のピストンのキャビティの構造を模式的に示すピストンの側断面図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関用のピストンの設計方法における第1ステップを説明するための図で、キャビティ内におけるスワールによる燃料噴霧の流れを模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関用のピストンの設計方法における第2ステップと第3ステップを説明するための図で、キャビティ内における当量比1未満の領域を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関用のピストンの設計方法における第4ステップを説明するための図で、キャビティ内における区画領域と各断面の位置を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関用のピストンにおける断面形状を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関用のピストンにおける断面形状を立体的に示す斜視図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関用のピストンにおける隣接する燃料噴霧の状態を模式的に示す図である。 従来技術の内燃機関用のピストンのキャビティの構造を模式的に示すピストンの側断面図である。 従来技術の内燃機関用のピストンのキャビティ内におけるスワールによる燃料噴霧の流れを模式的に示す図である。 従来技術の内燃機関用のピストンのキャビティ内における隣接する燃料噴霧の重なりの状態を模式的に示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関用のピストン、内燃機関、及び内燃機関用のピストンの設計方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る実施の形態の内燃機関は、本発明に係る実施の形態の内燃機関用のピストンを備えて構成され、後述する内燃機関用のピストンが奏する作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
先ず、最初に、本発明の実施の形態の内燃機関用のピストンの設計方法について説明する。この内燃機関用のピストンの設計方法は、図1に示すように、ピストン1の頂部2に凹形状に設けられたキャビティ10と、このキャビティ10の中央部に対向してシリンダヘッド(図示しない)に設けられた燃料噴射ノズル30を有し、吸気をスワールさせる内燃機関のための内燃機関用のピストンの設計方法である。
なお、図1に示すように、キャビティ10は、外周壁11、底部12、外縁部13、口元部(せり出し部)13a、棚部14、窪み15、棚部14の口元部(せり出し部)16などを有して構成されている。
この内燃機関用のピストンの設計方法は、第1〜第4のステップを有しており、第1ステップでは、図2に示すように、予め設定されたスワールSによって、燃料噴射ノズル30の各噴孔31から噴射された燃料噴霧Fが仮想の外周壁11Xに衝突して流される範囲Rsを計測または算出する。この仮想の外周壁11Xは、燃料噴霧Fが流れる範囲Rsを得るためのものであるので、適当な形状でよく、例えば、先行技術の円環状の外周壁をもつキャビティの形状を使用することができる。
また、第2ステップでは、図3に示すように、噴射された燃料噴霧Fと吸気の混合分布を計測し、燃料噴霧Fの量に対して混合している吸気中の酸素量が余剰となる当量比1未満領域R1を計測または算出する。
そして、第3ステップでは、図3に示すように、キャビティ10の中心から延びる直線Liと直線Li+1とにより、キャビティ10の領域を、燃料噴射ノズル30の噴孔31ごとの区画領域Diにおいて当量比1未満領域R1を含むように区分する。次の第4ステップでは、図4〜図6に示すように、区画領域Diごとにキャビティ10の形状を決定する。この区画領域Diは、噴孔31、言い換えれば、噴孔31の数に対応して変化する。つまり、区画領域Diは、噴孔31の数に対応した数だけあることになる。
つまり、隣接する燃料噴霧Fの干渉が少なくなるようにキャビティ(燃焼室)10の形状を設定することを目的にして、予め設定されたスワールSで燃料噴霧Fが流される範囲を計測または流体解析プログラム等の使用により算出し、また、LAS法(レーザー吸収散乱法)などで当量比(空気過剰率の逆数=完全燃焼に必要な酸素の重量/実際の混合気が含む酸素の重量)を計測,当量比1未満となる領域R1、言い換えれば、酸素が余剰な領域R1が、各噴孔31から噴射される区画領域Di毎に配置されるようキャビティ10の周方向に区分された範囲となる区画領域Diを決定して、各噴孔31の噴射された燃料噴霧Fが発生する領域で決められる各区画領域Diごとのキャビティ10の断面形状(S1〜S7)を決定する。
そして、予め設定されたスワールSに基づいて、キャビティ10の上面視の周方向で当量比が1未満となるように区画領域Diを設定し、この区画領域Di毎にキャビティ10の断面形状(S1〜S7)を設定する。このキャビティ10の断面形状(S1〜S7)の設定に際して、噴射された燃料噴霧Fが直接衝突する箇所S4は、噴孔31からできるだけ遠い箇所とし、仮想の外周壁11X上で,噴霧同士が重なり、当量比が1を超えて、酸素不足が生じると計測または、計算されるような箇所(S1、S7)には壁状の形状を設定して、隣接する噴射された燃料噴霧F1、F2が重ならないようにする。そのため、各区画領域Diの両端の断面形状(S1、S7)は、隣接する区域の燃料噴霧F1、F2と干渉しないようにキャビティ10の半径方向のピストン中心軸Cからの距離を縮小させる。
また、上記の第4ステップにおいて、噴孔31から燃料噴霧Fが噴射される方向(断面S4)においては、燃料噴霧Fがキャビティ10の外周壁11と衝突するまでの混合距離を稼ぐために、キャビティ10の外周壁11をピストン中心軸Cから遠くに配置し、スワール下流側(断面S5、S6)では、燃料噴霧Fがキャビティ10の外周壁11に衝突後、スワールSで流される間にキャビティ10の内部の吸気と混合するように、キャビティ10の口元部13aを燃料噴霧Fを押し込むようにせり出す形状とし、スワール上流側(断面S2、S3)では、燃料噴霧Fがキャビティ10の外周壁11に衝突後、隣接する燃料噴霧Fとの干渉が無いように、キャビティ10の外周壁11をピストン中心軸C側に近づけて配置し、図6に示すように、ピストン中心軸Cを含む平面内のキャビティ10の断面形状(S1〜S7)を、スワールSの流れに沿ってピストン中心軸Cを中心にして周方向に沿って回転させたときに、この回転に伴ってキャビティ10が外側に広がった後に元に戻るように連続させてキャビティ10の形状を作成する。つまり、ピストン中心軸Cを含む平面内のキャビティ10の断面形状(S1〜S7)をピストン中心軸Cを中心にして、周方向に広げるように連続させてキャビティ10の形状を作成する。
つまり、キャビティ10内の吸気の流れであるスワールSに合わせて、キャビティ10をピストン中心軸Cを含む平面で切断した断面形状(S1〜S7)をスワールSの方向に従って半径方向に変化するように構成し、このキャビティ10の断面形状(S1〜S7)の変化については、燃料噴霧Fが直接衝突する箇所(S4)の口元部13aは、噴孔31から最も遠い箇所とし、第1ステップ及び第2ステップで得られた結果では、隣接する燃料噴霧Fと重なり、当量比が1を超えていた箇所(S1、S7)には、壁状の形状を設定する。また、燃料噴霧FがスワールSに流されるに従って、燃料噴霧Fがキャビティ10の中心部C側の吸気と混合するように、燃料Fを押し込むように口元部13aを中心部C側にせり出させる。
次に、本発明の実施の形態の内燃機関用のピストン(以下ピストン)1について説明する。このピストン1は、図1〜図6に示すように、ピストン1の頂部2に凹形状に設けられたキャビティ10と、このキャビティ10の中央部に対向してシリンダヘッド(図示しない)に設けられた燃料噴射ノズル30を有し、吸気をスワールさせる内燃機関のための内燃機関用のピストンである。
このピストン1において、キャビティ10の領域を燃料噴射ノズル30の噴孔31ごとの区画領域Diに区分し、この区画領域Diの内側にキャビティ10の外周壁11の外周上側部分を窪み15を有する棚部14を設ける。
それと共に、この区画領域Diに隣接する区画領域Di+1との境界部分では窪み15を有する棚部14が無い形状に形成し、スワールSの方向に関して、区画領域Diのスワール最上流側(S1)では棚部14が無い形状から外周側に抉る窪み15を設けて棚部14を形成した形状に移行する第1移行部(S1〜S2)を設ける。
また、区画領域Diの中央(S4)まで徐々に窪み15の外周側への抉り量を大きくする第1窪み部(S2〜S4)と、区画領域Diの中央(S4)で窪み15の外周側への抉り量を最大とする最大窪み部(S4)を設ける。
更に、区画領域Diの中央(S4)からスワール下流側に徐々に窪み15の外周側への抉り量を小さくする第2窪み部(S4〜S6)と、区画領域Diのスワール最下流側(S7)では窪み15を有する棚部14のある形状から窪み15を有する棚部14の無い形状に移行する第2移行部(S6〜S7)とで形成して、隣接する区画領域Di+1のスワール最上流側の形状に連続させるように形成する。
その上、第1移行部(S1〜S2)、第2移行部(S2〜S4)、第2窪み部(S4〜S6)、第1窪み部(S6〜S7)の順に、窪み15の外周側への抉り量における周方向に対する変化量を小さくして構成する。
つまり、キャビティ(燃焼室)10の形状に関しては、燃料噴射ノズル30の噴孔31から噴射される燃料噴霧Fごとに、ピストン中心軸Cから半径方向に延びる断面形状(S1〜S7)を周方向に扇状に重ね合わせるようにしてキャビティ形状を作成する。
そして、燃料噴霧Fが直接衝突する箇所である最大窪み部(S4)は、燃料噴霧Fが衝突するまでの混合距離を稼ぐため出来るだけ遠くになるようにする。また、第2窪み部(S4〜S6)では、燃料噴霧Fがキャビティ10の外周壁11に衝突後、スワールSで流される間にキャビティ10の中心部Cの吸気と混合するようにキャビティ10の口元部13aが燃料噴霧Fを押し込むように口元部13aをピストン中心軸C側にせり出す形状にする。
これにより、燃料噴霧Fと吸気の混合をできる限り促進したい部位(S4〜S6)では、混合時間が長く、また、混合領域が大きくなるように、噴射された燃料噴霧Fが衝突するキャビティ10の外周壁11の位置を遠くにして形成する。
一方で、区画領域Diの両側では隣接する燃料噴霧Fとの干渉が生じないように、スワール流れの向きと反対側の方向のスワール上流側の第1窪み部(S2〜S4)では、隣接する噴射された燃料噴霧Fと干渉しないようにキャビティ10の半径方向のピストン中心軸Cからの距離を徐々に縮小させ、隣接する噴射された燃料噴霧Fと重なることなく、干渉しないようにする障壁を形成する形状にする。
このキャビティ10では、ピストン1の頂部2の内側のラインとなる外縁部13は、図4及び図6に示すように、ピストン中心軸Cの上から見たときに、噴孔31からの燃料噴射の方向に対して、線対称とはならず、非線対称となる。
この構成によれば、燃料噴霧Fごとに、ピストン1のキャビティ10の円周方向にキャビティ10の断面積が変化する構造で、その区画領域Di内の吸気と燃料噴霧Fが混合するように工夫しているので、キャビティ10内の吸気と燃料噴霧Fを十分混合することが可能となり、煤、HC、COなどの発生を抑制できる。
また、図7の領域Rxに示すように、噴射された隣接する燃料噴霧F1、F2同士の重なりを排除して干渉が無いようにしているので、隣接する燃料噴霧F1、F2同士の干渉による燃料過濃領域の発生を抑制することが可能となり、これにより,不完全燃焼による煤、HC、COの生成を回避することができる。また、吸気と燃料噴霧Fの混合が良好に促進されるので、この面においてもSoot、COの低減が可能となる。
また、第2窪み部の棚部14のある部位(S4〜S6)において、ピストン1の頂部2との角部の口元部13a、及び、棚部14の口元部16をピストン中心軸C側にせり出させて形成する。言い換えれば、噴射された燃料噴霧Fが、ギャビティ10の外周壁11に衝突した後、スワールSで流される間に、キャビティ10の中心部側の吸気と混合するように、キャビティ10の口元部13a、及び、棚部14の口元部16をせり出す構造とする。これにより、スワールSの流れに合わせて、燃料噴霧Fがキャビティ10の中心部側の吸気と混合し易くなる。
また、この口元部13a、16の構造により、ピストン1が圧縮上死点を越えて膨張行程に入るとキャビティ10からシリンダへの流れとなる逆スキッシュ流も活用できて、燃料噴霧Fと吸気の混合を促進できるようになる。
従って、上記の構成の内燃機関用のピストン、内燃機関、及び内燃機関用のピストンの設計方法によれば、ディーゼルエンジン等の内燃機関において、スワールSを利用して、キャビティ10内の燃料噴霧Fと吸気との混合を促進すると共に、隣接する燃料噴霧F同士の干渉による燃料過濃領域の発生を抑制して、不完全燃焼による煤、HC、CO等の生成を回避できる。
1、1X 内燃機関用のピストン(ピストン)
2 ピストンの頂部
10、10X キャビティ
11 キャビティの外周壁
11X 仮想の外周壁
12 キャビティの底部
13 キャビティの外縁部
13a キャビティの口元部(せり出し部)
14 棚部
15 窪み
16 棚部の口元部(せり出し部)
30 燃料噴射ノズル
31 噴孔
C キャビティの中心部(ピストン中心軸)
Di 区画領域
F 燃料噴霧
Li、Li+1 キャビティの中心から延びる直線
Rs 燃料噴霧が仮想の外周壁に衝突して流される範囲
R1 当量比1未満領域
S スワール
S1〜S7 キャビティの断面形状

Claims (5)

  1. ピストンの頂部に凹形状に設けられたキャビティと、該キャビティの中央部に対向してシリンダヘッドに設けられた燃料噴射ノズルを有し、吸気をスワールさせる内燃機関のための内燃機関用のピストンにおいて、
    前記キャビティの領域を前記燃料噴射ノズルの噴孔ごとの区画領域に区分し、
    前記区画領域の内側に前記キャビティの外周壁の外周上側部分を窪みを有する棚部を設けると共に、前記区画領域に隣接する区画領域との境界部分では前記棚部が無い形状に形成し、
    スワールの方向に関して、
    前記区画領域のスワール最上流側では前記棚部が無い形状から外周側に抉る前記棚部を形成した形状に移行する第1移行部と、前記区画領域の中央まで徐々に前記窪みの外周側への抉り量を大きくする第1窪み部と、前記区画領域の中央で前記窪みの外周側への抉り量を最大とする最大窪み部と、前記区画領域の中央からスワール下流側に徐々に前記窪みの外周側への抉り量を小さくする第2窪み部と、前記区画領域のスワール最下流側では前記棚部のある形状から前記棚部の無い形状に移行する第2移行部とで形成して、隣接する区画領域のスワール最上流側の形状に連続させるように形成し、
    更に、前記第1移行部、前記第2移行部、前記第2窪み部、前記第1窪み部の順に、前記窪みの外周側への抉り量における周方向に対する変化量を小さくしたことを特徴とする内燃機関用のピストン。
  2. 前記第2窪み部の前記棚部のある部位において、前記ピストンの頂部との角部の口元部をピストン中心軸側にせり出させて形成した請求項1に記載の内燃機関用のピストン。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関用のピストンを備えたことを特徴とする内燃機関。
  4. ピストンの頂部に凹形状に設けられたキャビティと、該キャビティの中央部に対向してシリンダヘッドに設けられた燃料噴射ノズルを有し、吸気をスワールさせる内燃機関のための内燃機関用のピストンの設計方法において、
    予め設定されたスワールによって、前記燃料噴射ノズルの各噴孔から噴射された燃料噴霧が流される範囲を計測または算出する第1ステップと、
    噴射された燃料噴霧と吸気の混合分布を計測し、燃料噴霧の量に対して混合している吸気中の酸素量が余剰となる当量比1未満領域を計測または算出する第2ステップと、
    前記キャビティの領域を、前記燃料噴射ノズルの噴孔ごとの区画領域に前記当量比1未満領域を含むように区分する第3ステップと、
    前記区画領域ごとに前記キャビティの形状を決定する第4ステップとを有することを特徴とする内燃機関用のピストンの設計方法。
  5. 前記第4ステップにおいて、
    前記噴孔から燃料が噴射される方向においては、燃料噴霧が前記キャビティの外周壁と衝突するまでの混合距離を稼ぐために、前記キャビティの外周壁をピストン中心軸から遠くに配置し、
    スワール下流側では、燃料噴霧が前記キャビティの前記外周壁に衝突後、スワールで流される間に前記キャビティの内部の吸気と混合するように、前記キャビティの口元部を燃料噴霧を押し込むようにせり出す形状とし、
    スワール上流側では、燃料噴霧が前記キャビティの前記外周壁に衝突後、隣接する燃料噴霧との干渉が無いように、前記キャビティの前記外周壁をピストン中心軸側に近づけて配置し、
    前記ピストン中心軸を含む平面内の前記キャビティの断面形状を、スワールの流れに沿って前記ピストン中心軸を中心にして周方向に沿って回転させたときに、この回転に伴って前記キャビティが外側に広がった後に元に戻るように連続させて前記キャビティの形状を作成する請求項4に記載の内燃機関用のピストンの設計方法。
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