JP6164795B2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンの技術に関する。
内燃機関からの排気を浄化して大気汚染の拡大を抑制することは重要な課題であるが、このためのシステム(装置)の一つとして、内燃機関からの排気の一部を燃焼室内に還流させて再燃焼させることで燃焼温度を下げ、排気中の窒素酸化物(以下、NOxという)の濃度(排出量)を低減するための所謂EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)システムが知られている。
内燃機関からのNOx排出量をより一層低減するためには、EGR率(=EGRガス量/(新気量+EGRガス量)×100(%))を増加させることが有効であるが、EGR率を大きくすると、その反面、内燃機関の燃焼室での燃焼に利用できる酸素が減ることとなって、黒煙(スス)の排出量が増加することになる。
このため、燃焼室内の空気(酸素)の利用率(空気利用率)を向上させて燃焼改善を促進することで黒煙(スス)の排出量の低減を図ると共に、燃焼室を画成する壁面からの熱損失を低減することで熱効率の改善を図ることが望まれる。
ここで、従来は、内燃機関、特に、ディーゼル燃焼機関においては、燃料を噴射供給する燃料噴射ノズルの噴孔諸元(噴孔径、噴孔数、コーン角など)と、吸気スワールなどの吸気流動と、の組み合わせにより、空気利用率の向上を狙った最適化を実施している。
しかしながら、燃料噴射ノズルから噴射される燃料の噴霧(燃料噴霧)は、ピストンの頂面に凹設される燃焼室(当該燃焼室は、シリンダヘッドやシリンダ壁と共に形成される内燃機関の燃焼室の一部を構成している)の内側壁に衝突され、気流と相俟って空気との混合が促進されるが、内燃機関の回転速度や負荷などの運転状態に応じて、燃料噴霧の衝突するピストン側位置が変わるうえに、気流の影響も変化するため、すべての運転状態において、必ずしも狙った拡散混合状態を作ることは難しいといった実情がある。
量産化にあたっても、出力性能、排気性能、燃費性能などを所定レベルに維持するためには、燃料噴霧の衝突位置のバラツキを厳しく管理する必要があり、よりロバストな(外乱の影響を受け難い)燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することが望まれる。
特開平07−42558号公報
ここで、例えば、特許文献1には、図10に示すように、ピストン10の頂面に凹設されたピストン燃焼室14の底部から突出する有底円筒状の突起16を備えて構成した燃焼室が記載されている。
このものは、低負荷運転時には、燃料噴射弁15から噴射される燃料の噴霧を、突起16の上部内壁16bに衝突させ、突起16の内側(内室14a)で主に燃焼させることで、空気との過剰混合を抑制して理論混合比よりも濃化された混合気状態で燃焼させ、燃焼温度を余り高温とさせないようにしてNOxの生成を抑制すると共に、同時に過剰混合に起因する未燃炭化水素の生成を抑制する、としている。
また、高負荷運転時には、燃料噴射量が増加して噴射期間は長くなるので、噴射開始時期が同じであれば噴射終了時期は低負荷運転時よりも遅れることになる。従って、噴射開始から所定期間は、ピストン上死点近傍で突起16の内側(内室14a)で燃焼させてNOxの生成を抑制すると共に未燃炭化水素の生成を抑制する一方で、噴射期間の後半においてはピストン10が上死点近傍から下降することにより、燃料噴霧が突起16の上端16bを越えて突起16の外側(外室14b)に供給されるようになる。その結果、内室14aと外室14bとにおける混合比が均一となり、黒煙が悪化したり燃費が悪化することを抑制する、としている。
このように、特許文献1に記載の燃焼室によれば、低負荷運転時には低負荷運転に適した燃焼が行えるように、高負荷運転時においては高負荷運転に適した燃焼が行えるように比較的広い運転領域において良好な燃焼が行えるように構成されている。
しかしながら、特許文献1に記載の燃焼室においても、燃料噴霧が突起16を越えずに内室14aに留まるか外室14bまで拡散するか否かは、燃料噴射弁のシリンダヘッド下面の突出量のバラツキや、ピストンの加工精度のバラツキや、スキッシュやスワールといった気流の影響(吸気ポートの製造精度などに影響される)され易いため、広い運転領域に亘って狙いの燃焼状態を実現することは難しいといった実情がある。
また、特許文献1に記載の燃焼室における突起16は、ピストン燃焼室14の底部から急激に立ち上がる形状であるため、熱応力などにより応力集中が生じて亀裂等の損傷等が生じ易く信頼性等にも心配があるといったおそれもある。
本発明は、かかる実情に鑑みなされたものであり、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、よりロバストな(外乱の影響を受け難い)燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができることに加え、信頼性に優れる一方で、広い運転領域に亘って、燃焼室内の空気利用率を向上させて燃焼改善を促進することで黒煙(スス)の排出量の低減を図ることができると共に、燃焼室を画成する壁面からの熱損失を低減することで熱効率の改善を図ることができるピストン燃焼室を有する内燃機関のピストンを提供することを目的とする。
このため、本発明に係る内燃機関のピストンは、
内燃機関の燃焼室の一部を構成するピストン燃焼室を有する内燃機関のピストンであって、
前記ピストン燃焼室は、
ピストン上面に回転体状に凹設されると共に
ストン燃焼室中心から外周方向に向かって延在される平坦な底部と、
平坦な底部の外側に、前記平坦な底部から外側に向かうに従って、ピストン燃焼室深さの半分以下の高さまでなだらかに隆起した後窪む円環状突起部と、
を備え、
前記円環状突起部の外側は外側に凸の円弧を描きながらピストン燃焼室入り口部に接続される一方、
燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧が、ピストン燃焼室中心方向から前記円環状突起部に衝突し、燃料噴霧の一部が該円環状突起部の内側へ進行し、残りの部分が円環状突起部の外側へと拡散すると共に、
前記円環状突起部の燃料噴霧の衝突位置に、前記円環状突起部を窪ませた凹部を設けた
ことを特徴とする。
本発明において、クランク軸回転角度において圧縮行程上死点前後約10°の範囲で、燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧の外縁が、前記円環状突起部の頂点より僅かに内側となる位置となるように設定されることを特徴とすることができる。
本発明において、ピストン燃焼室中心軸方向から見たときに、前記円環状突起部の円周方向の少なくとも一部に切り欠きが設けられることを特徴とすることができる。
本発明において、ピストン往復運動方向に直交する方向から見たときの燃料噴霧中心軸間の挟み角が、約110°〜約120°に設定されることを特徴とすることができる。
本発明によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、よりロバストな(外乱の影響を受け難い)燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができることに加え、信頼性に優れる一方で、広い運転領域に亘って、燃焼室内の空気利用率を向上させて燃焼改善を促進することで黒煙(スス)の排出量の低減を図ることができると共に、燃焼室を画成する壁面からの熱損失を低減することで熱効率の改善を図ることができるピストン燃焼室を有する内燃機関のピストンを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る実施例1のピストン燃焼室を概略的に示した断面図(ピストン往復運動方向に沿って切断した断面図)である。 図1のピストン燃焼室をピストン往復運動方向上方から見た上面図である。 同上実施例のピストン燃焼室と、従来のトロイダル型燃焼室と、を比較して示した燃焼シミュレーション結果(酸素濃度、燃焼温度)の一例である。 同上実施例のピストン燃焼室と、従来のトロイダル型燃焼室と、を比較して示した燃焼シミュレーション結果の一例(燃焼室内におけるスス量(スス生成・再酸化履歴))である。 本発明の実施例2のピストン燃焼室を概略的に示した断面図(ピストン往復運動方向に沿って切断した断面図)である。 本発明の実施例3のピストン燃焼室を概略的に示した断面図(ピストン往復運動方向に沿って切断した断面図)である。 同上実施例3のピストン燃焼室と、同上実施例1のピストン燃焼室と、を比較して示した燃焼シミュレーション結果(酸素濃度)の一例である。 実施例1のピストン燃焼室の円環状突起部の周方向の一部に切り欠きを設けた場合の一例を示す上面図である。 通常の内燃機関のピストン頂面に凹設されたトロイダル型燃焼室の一例を示す断面図である。 特許文献1の内燃機関のピストン頂面に凹設されたピストン燃焼室形状を示す断面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
本実施の形態の実施例1に係る内燃機関に用いられるピストン100の上面に凹状に形成されるピストン燃焼室110の形状は、通常のピストン500(図9参照)の上面に凹状に形成されているトロイダル形状のピストン燃焼室510の中心部に底面から隆起して設けられている円錐状の突起部520に代えて、この突起部520の中心部が削られ、図1及び図2に示すように、エッグスタンドのような形状を有する円環状突起部120を備えて構成されている。
また、ピストン燃焼室110の底部130は、円環状突起部120の裾野以外は、略平坦となるように形成されている。
また、角部140は、ある程度のRを付けて滑らかに繋ぐように形成されることができるが、図ではRの一部を省略して示している。
実施例1に係る内燃機関においては、吸気スワールは、スワール比として、従来の1.5〜2.0程度より非常に低い0から0.5程度となるように、吸気ポート(図示せず)は形成されている。なお、スワールとは、燃焼室(シリンダ)内での空気の周方向旋回流であり、スワール比とは、周方向旋回流の流速と、軸方向(ピストン往復運動方向)の流速の比である。
ここで、図示しない燃料噴射弁から噴射される燃料の噴霧(燃料噴霧)については、従来の燃料噴霧角(燃料噴霧間の挟み角:コーン角)が145〜155°程度であるのに対して、本実施例では、110〜120°程度の狭角に設定され、燃料の噴射期間中において燃料噴霧がピストン燃焼室110の底部130に衝突するように設定されている。
なお、燃料噴射弁の噴孔数(燃料が噴射される孔の数)は、6〜9噴孔とすることができるが、これに限定されるものではない。
ピストン燃焼室110の中心部の凹部150は、クランク軸回転角度において圧縮行程上死点前後約10°(degree)の範囲で燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧の外縁が、円環状突起部120の頂点(角部140)より僅かに内側となる位置となるように配設される(図3(A)参照)。
これにより、圧縮行程上死点近傍で噴射された燃料噴霧の先端は、円環状に配設された円環状突起部120に衝突し、燃料噴霧の一部は円環状突起部120の内側に拡散し、その他の部分は衝突の影響で噴霧体積を拡大する。そして、燃料噴霧中心軸線上に沿って進んだ燃料噴霧も底部130に衝突した後は、平坦な底面形状に沿ってピストン燃焼室110の半径方向に進行(発達)して行く(図3(A)参照)。
更に噴射期間が長い場合(燃料噴射量が多く負荷が高い場合など)などにおいて圧縮行程上死点後約10°を越えて噴射された燃料噴霧は、ピストン燃焼室110の底部130から隆起する円環状突起部120とは干渉せず、そのまま底部130に向かって進行(発達)し、未燃状態で側壁170からピストン燃焼室110の外部(スキッシュエリア)160へと誘導される。
このため、ピストン燃焼室110の中心部の当量比は、燃料噴射総量の如何によらず増大しない(当量比の変動が少ない)ため、ピストン燃焼室110の中心部では、酸素不足によるススの生成などを招くことなく、良好な空燃比にて燃焼を行わせることができる。また、局所的な温度は、底部130から離れた位置で最大となるため、壁面への熱損失(壁面熱損失)を低減することができるため、熱効率の向上も期待することができる。
実施例1に係るピストン燃焼室110にて、燃料噴霧の噴霧角を狭角として最適化した条件で燃焼シミュレーションを行って得られたスス生成・再酸化履歴を、図4に、通常のトロイダル型燃焼室の場合と比較して示した。
図4から、実施例1に係るピストン燃焼室110を用いた場合の方が、通常のトロイダル型燃焼室の場合に比べて、スス生成量を低減できることが確認できる。
このように、実施例1によれば、従来の噴霧特性延いては燃焼特性とは異なり、燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の噴霧角を狭い角度(狭角)に設定し、燃料をピストン燃焼室110の底部130へ向けて噴射しつつ、この燃料噴霧の一部を、ピストン燃焼室110の底部130から隆起し突出される円環状突起部120に衝突させて噴霧拡散を促進するようにしたので、空気利用率が向上されスス生成を効果的に抑制することができると共に、スワール等の空気流動を減らし、燃焼温度が高温となる部分をピストン燃焼室110の壁面から離すことで壁面熱損失を減らすことができるため、熱効率延いては燃費等を改善することができる。
特に、内燃機関の回転速度が低い領域や負荷が小さい領域では、円環状突起部120の内側で空気利用率を向上させて良好な燃焼を行わせる一方で、内燃機関の回転速度が高い領域や負荷が大きい領域では、燃料噴霧延いては燃焼を円環状突起部120の外側へと拡張させることで、円環状突起部120の外側の空気を効果的に利用すると共に燃焼ガスが高温となる部分をピストン燃焼室110の壁面から離すことで壁面熱損失を減らして熱効率を改善しつつ良好な燃焼を行わせることができる。
そして、実施例1では、吸気ポートの製造バラツキ等の影響の少ない低スワール化を図り吸気スワールによる燃料と空気の混合促進に対する依存度を下げると共に、円環状突起部120は底部130から比較的なだらかに隆起され、燃料噴霧との衝突の方向も燃料噴霧の噴霧角のバラツキ等に対して変動が少ないピストン燃焼室構造を採用しているので、ロバストな燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができることに加え、熱負荷等が小さく信頼性に優れたピストン燃焼室を実現することができる。
また、円環状突起部120の底部130を平坦とすることで、燃料噴霧の径方向への広がりを円滑かつバラツキの少ないものとすることができ、これによってもロバストな燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができる。
すなわち、本発明によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、よりロバストな(外乱の影響を受け難い)燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができることに加え、信頼性に優れる一方で、広い運転領域に亘って、燃焼室内の空気利用率を向上させて燃焼改善を促進することで黒煙(スス)の排出量の低減を図ることができると共に、燃焼室を画成する壁面からの熱損失を低減することで熱効率の改善を図ることができるピストン燃焼室を有する内燃機関のピストンを提供することができる。
本実施の形態の実施例2に係るピストン200のピストン燃焼室210に適用される燃料噴霧の噴射方向は、図1に示した実施例1と同様、燃料噴霧角(燃料噴霧間の挟み角)が110〜120°程度に設定されている。これにより、図5に示すように、ピストン燃焼室210の底部230から突出して設けられる円環状突起部220のやや外側に、燃料噴霧は到達することができるようになっている。
なお、円環状突起部220に衝突した燃料噴霧は、円環状突起部220の外側と内側に分散されると共に、燃料噴霧に随伴する気流(燃料噴霧随伴気流)として生じた縦渦によって燃料噴霧の拡散が促進される。
図5は、実施例1の円環状突起120と比較して、円環状突起220の燃料噴霧との衝突面を広く取って、燃料噴射方向のバラツキに対してロバスト性を向上させている。
詳細には、図5に示したように、円環状突起220の凸部の幅を広げることで、燃料噴霧の拡散方向をより広範囲なものとしている。
また、燃料噴霧に随伴するタンブル気流(燃料噴霧の周囲に形成される渦流)を円環状突起220の凸部の曲率を小さくすることで強めることができるようになっている。
更に、ピストン燃焼室210の中心部体積(円環状突起220の内側体積)は、円環状突起220の外周側の体積に比べて小さいため、深さ方向を深くすることで所望の体積を得ることができる。すなわち、ピストン燃焼室210の中心部(円環状突起220の内側)の深さと、円環状突起220の外周部の深さと、は、異ならせることができる。
実施例3は、図6に示すように、上述した実施例1や実施例2のピストン燃焼室110、210のような燃料噴霧に向かって凸状の円環状突起部120、220に対して、円環状突起部320の燃料噴霧との衝突位置に凹部321を形成した場合の一例である。
このように、円環状突起部320の燃料噴霧の衝突位置に凹部321を設けることで、凹部321への燃料噴霧の衝突によって初期燃料噴霧の拡散を促進することができるため、ピストン燃焼室310の上部の未使用空気の利用率を向上させることができる。
ここで、図7に燃焼シミュレーションを行った結果を示す。
図7から、ピストン圧縮上死点後40°(クランク角度)での実施例3のピストン燃焼室310を採用して燃焼させた場合の酸素濃度は、実施例1のピストン燃焼室110を採用した場合の酸素濃度と比較すると、ピストン燃焼室上部の未使用空気が減っていることが確認される。
このように、実施例2、3によっても、実施例1と同様に、従来の噴霧特性延いては燃焼特性とは異なり、燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の噴霧角を狭い角度(狭角)に設定し、燃料をピストン燃焼室210、310の底部230、330へ向けて噴射しつつ、この燃料噴霧の一部を、ピストン燃焼室210の底部230から隆起し突出される円環状突起部220、320に衝突させて噴霧拡散を促進するようにしたので、空気利用率を向上してスス生成を効果的に抑制することができると共に、スワール等の空気流動を減らし、燃焼温度が高温となる部分をピストン燃焼室210、310の壁面から離すことで壁面熱損失を減らすことができるため、熱効率延いては燃費等を改善することができる。
特に、内燃機関の回転速度が低い領域や負荷が小さい領域では、円環状突起部220、320の内側で空気利用率を向上させて良好な燃焼を行わせる一方で、内燃機関の回転速度が高い領域や負荷が大きい領域では、燃料噴霧延いては燃焼を円環状突起部220、320の外側へと拡張させることで、円環状突起部220、320の外側や外部の空気を効果的に利用すると共に燃焼ガスが高温となる部分をピストン燃焼室210、310の壁面から離すことで壁面熱損失を減らして熱効率を改善しつつ良好な燃焼を行わせることができる。
そして、実施例2、3においても、吸気ポートの製造バラツキ等の影響の少ない低スワール化を図り吸気スワールによる燃料と空気の混合促進に対する依存度を下げると共に、円環状突起部220、320は底部230、330から比較的なだらかに隆起され、燃料噴霧との衝突の方向も燃料噴霧の噴霧角のバラツキ等に対して変動が少ないピストン燃焼室構造を採用しているので、ロバストな燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができることに加え、熱負荷等が小さく信頼性に優れたピストン燃焼室を実現することができる。
また、円環状突起部220、320の底部230、330を平坦とすることで、燃料噴霧の径方向への広がりを円滑かつバラツキの少ないものとすることができ、これによってもロバストな燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができる。
すなわち、実施例2、3によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、よりロバストな(外乱の影響を受け難い)燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができることに加え、信頼性に優れる一方で、広い運転領域に亘って、燃焼室内の空気利用率を向上させて燃焼改善を促進することで黒煙(スス)の排出量の低減を図ることができると共に、燃焼室を画成する壁面からの熱損失を低減することで熱効率の改善を図ることができるピストン燃焼室を有する内燃機関のピストンを提供することができる。
なお、実施例2のピストン燃焼室210によれば、円環状突起220を、図5に示される断面において上に凸の円形状として、円環状突起220の燃料噴霧との衝突部の幅を広げることができる構成としたので、燃料噴霧の拡散方向をより広範囲なものとすることができ、外乱等からの影響を少なくしつつ、より一層良好な燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができる。
また、図6に示したように、実施例3のピストン燃焼室310によれば、円環状突起部320の燃料噴霧の衝突位置に凹部321を設けるようにしたので、凹部321への燃料噴霧の衝突によって初期燃料噴霧の拡散を促進することができるため、ピストン燃焼室310の上部の未使用空気の利用率を向上させることができ、より一層良好な燃料と空気との混合延いては燃焼を実現することができる。
ところで、円環状突起120(220、320も同様)は、図2に示したような形状に限定されるものではなく、例えば、図8に示すように、円環状突起120(220、320も同様)の円周方向の少なくとも一部に切り欠きを設けて構成することもできる。
本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
100、200、300 ピストン
110、110、210 ピストン燃焼室
120、220、320 円環状突起部
130、230、330 底部
140 角部
150 凹部
160 外部(スキッシュエリア)
170 側壁
321 凹部

Claims (4)

  1. 内燃機関の燃焼室の一部を構成するピストン燃焼室を有する内燃機関のピストンであって、
    前記ピストン燃焼室は、
    ピストン上面に回転体状に凹設されると共に
    ストン燃焼室中心から外周方向に向かって延在される平坦な底部と、
    平坦な底部の外側に、前記平坦な底部から外側に向かうに従って、ピストン燃焼室深さの半分以下の高さまでなだらかに隆起した後窪む円環状突起部と、
    を備え、
    前記円環状突起部の外側は外側に凸の円弧を描きながらピストン燃焼室入り口部に接続される一方、
    燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧が、ピストン燃焼室中心方向から前記円環状突起部に衝突し、燃料噴霧の一部が該円環状突起部の内側へ進行し、残りの部分が円環状突起部の外側へと拡散すると共に、
    前記円環状突起部の燃料噴霧の衝突位置に、前記円環状突起部を窪ませた凹部を設けた
    ことを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. クランク軸回転角度において圧縮行程上死点前後約10°の範囲で、燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧の外縁が、前記円環状突起部の頂点より僅かに内側となる位置となるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
  3. ピストン燃焼室中心軸方向から見たときに、前記円環状突起部の円周方向の少なくとも一部に切り欠きが設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関のピストン。
  4. ピストン往復運動方向に直交する方向から見たときの燃料噴霧中心軸間の挟み角が、約110°〜約120°に設定されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の内燃機関のピストン。
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