JP2017030977A - タルク粒子およびそれを含有する有機重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 粒子同士の凝集が生じず、ホッパーでの詰まり、混合装置、混練装置、成形装置などに設けたフィルターなどの目詰まりを生じず、しかも有機重合体に配合したときに、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、硬度などなどの力学的特性、表面特性に優れる成形品を小さい成形収縮率で製造することのできる有機重合体組成物を与えるタルク粒子、および当該タルク粒子を含有する有機重合体の提供。【解決手段】 レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置によって得られる、体積累積度が50%となる平均粒子径(D50)が5μmを超え12μm以下であり、体積累積度が90%となる粒度(D90)と体積累積度が10%となる粒度(D10)との比(D90/D10)が5以下であるタルク粒子、および当該タルク粒子を含有する有機重合体組成物によって、上記課題が解決される。【選択図】 なし
Description
本発明は、タルク粒子(タルク粉末)およびそれを含有する有機重合体組成物に関する。より詳細には、本発明は、嵩比重が小さ過ぎないことによってコンパクトに包装することができて貯蔵時や搬送時の取り扱い性に優れ、しかも粒子同士の凝集が生じず有機重合体中に均一に混合することができ、有機重合体に配合することによって、成形収縮率を低減しながら良好な寸法安定性で、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、硬度などの力学的特性に優れ、しかも耐熱性、表面状態、電気絶縁性などの諸特性にも優れる成形品を与える有機重合体組成物を得ることのできるタルク粒子、および当該タルク粒子を含有する有機重合体組成物に関する。
タルク粒子は、鉱物中で最も柔らかくてモース硬度1の標準に指定されている滑石を粉砕して得られる板状の結晶構造を有する含水ケイ酸マグネシウム粒子(粉末)であって、式:「Mg3Si4O10(OH)2」で表される化学組成を有する。
タルク粒子は、耐熱性に優れ、しかも化学的に安定であることから、プラスチックやゴムなどの有機重合体、製紙、塗料、医薬品、化粧品、セラミック、農薬・肥料などの種々の用途で用いられている。
タルク粒子は、耐熱性に優れ、しかも化学的に安定であることから、プラスチックやゴムなどの有機重合体、製紙、塗料、医薬品、化粧品、セラミック、農薬・肥料などの種々の用途で用いられている。
熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性重合体にタルク粒子を配合すると、剛性の向上、クリープ抵抗の向上、耐熱性の向上、電気絶縁性の向上、離型性の向上、成形収縮の低減、艶消しなどの効果が得られ、また熱可塑性重合体の種類や配合組成などによっては更に耐衝撃性や引張強度などの他の力学的特性の向上効果なども得られることから、近年、タルクはプラスチック分野で汎用されている。
例えば、タルク粒子を配合したポリプロピレン組成物を用いると、剛性が高く、高い高温クリープ抵抗を有する、表面の仕上がりの良好な、軽量性に優れる成形品を、良好な成形加工性で、低い成形収縮率で製造できることから、タルクを配合したプロピレン組成物は、自動車のバンパー、インスツルメントパネル、ドアトリム、ファン覆い、ヒーターハウジング、ダクトなどとして自動車業界で広く用いられている。
例えば、タルク粒子を配合したポリプロピレン組成物を用いると、剛性が高く、高い高温クリープ抵抗を有する、表面の仕上がりの良好な、軽量性に優れる成形品を、良好な成形加工性で、低い成形収縮率で製造できることから、タルクを配合したプロピレン組成物は、自動車のバンパー、インスツルメントパネル、ドアトリム、ファン覆い、ヒーターハウジング、ダクトなどとして自動車業界で広く用いられている。
タルク粒子を配合した有機重合体組成物では、タルク粒子の平均粒子径が小さいほど、剛性、クリープ抵抗、成形収縮の低減などの向上効果が大きいとされていて、かかる点から、平均粒子径が5mμ以下のタルクが汎用されてきた(例えば、特許文献1の実施例、特許文献2の段落[0011]などを参照)。
しかし、タルクの平均粒子径が小さくなるほど、嵩密度が低下して嵩比容が大きくなるため、所定の質量ごとに包装して保管、搬送する際に、包装物の容量が大幅に大きくなってしまい、大きな保管場所が必要になったり、1台の搬送車で運べるタルクの量が少なくなり、コストの上昇を招く。かかる点から、平均粒子径が小さくて嵩密度の低いタルクでは、圧縮・脱気して嵩密度を増加させて、包装、保管、搬送することが行われており、平均粒子径がより小さくて嵩密度がより小さいタルクほど、圧縮度合が高くなる。しかしながら、圧縮・脱気したタルクは、有機重合体などに配合する際に、一部が凝集塊のままになっていて個々の一次粒子に分離せず、有機重合体中に均一に混合・分散しないという問題が生じ易い。
また、平均粒子径の小さいタルクは、嵩密度を増加させるための圧縮処理を施さない場合にも、それ自体でタルク粒子同士が凝集して凝集塊を生じ易い。凝集塊の生じたタルクは、ホッパーから有機重合体に供給する際にホッパーでの詰まり、タルク粒子を有機重合体中に均一に混合・分散させるための要処理時間の長時間化などによる生産性の低下が生じ易く、さらに個々のタルク粒子(一次粒子)に完全に分離せずに有機重合体組成物中にタルクの凝集塊が存在するという問題を生じ易い。有機重合体組成物中にタルクの凝集塊が含まれていると、混合装置、混練装置、成形装置などに設けたフィルターの目詰まり、成形して得られる成形品における品質斑、脆弱部の発生などの種々の問題を生ずる。
本発明の目的は、粒子同士の凝集が生じず、ホッパーでの詰まり、混合装置、混練装置、成形装置などに設けたフィルターの目詰まりなどがなく、余分な時間をかけずに有機重合体中に均一に混合・分散させることのできるタルク粒子であって、しかも当該タルク粒子を有機重合体組成物に配合して成形品を製造したときに、成形収縮率を低減して良好な寸法安定性で、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、硬度などの力学的特性に優れ、耐熱性、表面状態、電気絶縁性などの諸特性にも優れる成形品を得ることのできるタルク粒子、および当該タルク粒子を含有する有機重合体組成物を提供することである。
本発明者らは上記の目的を達成すべく種々研究を重ねてきた。その結果、タルクの平均粒子径および粒度分布を、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置による体積累積度分布曲線より求めた平均粒子径(D50)(メディアン径)が5μmを超え12μm以下であり且つ当該体積累積分布曲線より求めた体積累積度が90%となる粒度(D90)と体積累積度が10%となる粒度(D10)との比(D90/D10)が5以下になるようにすると、タルク粒子同士の凝集や、ホッパーでの詰まり、混合装置、混練装置、成形装置などに設けたフィルターやスクリーンなどの目詰まりが生じず、有機重合体中に均一に混合・分散させることができ、そして当該タルク粒子を含有する有機重合体組成物を用いて成形品を製造すると、成形時の収縮が小さく、曲げ強度や曲げ弾性率が大きくて高い剛性を有し、衝撃強度、硬度などのその他の力学的特性にも優れ、しかも耐熱性、表面状態、電気絶縁性などの諸特性にも優れる成形品が得られることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置によって得られる、累積度が50%となる平均粒子径(D50)[以下単に「平均粒子径(D50)」ということがある]が5μmを超え12μm以下であり、累積度が90%となる粒度(D90)と累積度が10%となる粒度(D10)との比(D90/D10)が5以下であることを特徴とするタルク粒子である。
なお、本明細書における「タルク粒子」とは、「タルク粒子」および「タルク粉末」の総称である。
(1) レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置によって得られる、累積度が50%となる平均粒子径(D50)[以下単に「平均粒子径(D50)」ということがある]が5μmを超え12μm以下であり、累積度が90%となる粒度(D90)と累積度が10%となる粒度(D10)との比(D90/D10)が5以下であることを特徴とするタルク粒子である。
なお、本明細書における「タルク粒子」とは、「タルク粒子」および「タルク粉末」の総称である。
そして、本発明は、
(2) 平均粒子径(D50)が6〜12μmである請求項1に記載のタルク粒子;
(3) 比(D90/D10)が4.7以下である前記(1)又は(2)のタルク粒子;および、
(4)有機重合体への接着性および/または分散性を向上させるための表面処理剤の1種以上によって表面処理されているかまたは表面処理されていない前記(1)〜(3)のいずれかのタルク粒子;
である。
(2) 平均粒子径(D50)が6〜12μmである請求項1に記載のタルク粒子;
(3) 比(D90/D10)が4.7以下である前記(1)又は(2)のタルク粒子;および、
(4)有機重合体への接着性および/または分散性を向上させるための表面処理剤の1種以上によって表面処理されているかまたは表面処理されていない前記(1)〜(3)のいずれかのタルク粒子;
である。
さらに、本発明は、
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかのタルク粒子および有機重合体を含有することを特徴とする有機重合体組成物である。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかのタルク粒子および有機重合体を含有することを特徴とする有機重合体組成物である。
そして、本発明は、
(6) 有機重合体組成物中の固形物の全質量に基づいて、タルク粒子の含有割合が5〜80質量%である前記(5)の有機重合体組成物;および、
(7) 有機重合体が熱可塑性重合体である前記(5)又は(6)の有機重合体組成物;
である。
(6) 有機重合体組成物中の固形物の全質量に基づいて、タルク粒子の含有割合が5〜80質量%である前記(5)の有機重合体組成物;および、
(7) 有機重合体が熱可塑性重合体である前記(5)又は(6)の有機重合体組成物;
である。
平均粒子径(D50)が5μm以下の微細なタルク粒子は嵩密度が低くて所定の質量ごとに包装したときに包装物の体積が大きくなり、保管や輸送コストの上昇を招き、また場合によっては体積を低減するための圧縮処理が必要であるが、本発明のタルク粒子は5μmを超え12μm以下という平均粒子径(D50)を有していることによって嵩密度が小さくなり過ぎないため、コンパクトに包装することができ、保管や輸送時のコストを低減することができる。
本発明のタルク粒子は粒子同士の凝集が生じず、ホッパーでの詰まり、混合装置、混練装置、成形装置などに設けたフィルターなどの目詰まりを生じない。
本発明のタルク粒子は粒子同士の凝集が生じず、ホッパーでの詰まり、混合装置、混練装置、成形装置などに設けたフィルターなどの目詰まりを生じない。
本発明のタルク粒子は、5μmを超え12μm以下という平均粒子径(D50)を有しているにも拘わらず、当該タルク粒子を含有する本発明の有機重合体組成物は、成形時の収縮が少なく、しかも本発明の有機重合体組成物を用いることによって、平均粒子径(D50)が5μm以下のタルク粒子を含有する有機重合体組成物を用いた場合と比べて、同等またはより優れた力学的特性(曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、硬度など)を有し、しかも表面特性に優れる成形品を良好な寸法安定性で製造することができる。
本発明に有機重合体組成物を用いることによって、高剛性で、耐熱性、電気絶縁性などに優れる成形品を製造することができる。
本発明に有機重合体組成物を用いることによって、高剛性で、耐熱性、電気絶縁性などに優れる成形品を製造することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明のタルク粒子は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を使用して求めたタルク粒子の体積累積度分布曲線において、
(α)累積度が50%となる平均粒子径(D50)が5μmを超え12μm以下であり;且つ
(β)累積度が90%となる粒度(D90)(μm)と累積度が10%となる粒度(D10)(μm)との比(D90/D10)が5以下である;
という要件(α)[平均粒子径(D50)]および要件(β)(粒度分布)を満たすタルク粒子である。
本発明のタルク粒子では、平均粒子径(D50)が6〜12μmであることが好ましく、6.5〜11μmであることがより好ましく、7〜11μmであることが更に好ましい。
また、本発明のタルク粒子では、D90/D10が4.7以下であることが好ましく、4.6以下であることがより好ましく、4.0以下であることが更に好ましい。
ここで、本明細書におけるタルク粒子の平均粒子径(D50)およびD90/D10は、タルク粒子を、必要に応じてピロリン酸ナトリウムまたはヘキサメタリン酸ナトリウムなどの分散助剤を用いて、水に分散させて、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を使用して粒径の体積累積度分布曲線から求めた平均粒子径(D50)(メディアン径)およびD90/D10であり、その詳細な測定方法は、以下の実施例に記載するとおりである。
本発明のタルク粒子は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を使用して求めたタルク粒子の体積累積度分布曲線において、
(α)累積度が50%となる平均粒子径(D50)が5μmを超え12μm以下であり;且つ
(β)累積度が90%となる粒度(D90)(μm)と累積度が10%となる粒度(D10)(μm)との比(D90/D10)が5以下である;
という要件(α)[平均粒子径(D50)]および要件(β)(粒度分布)を満たすタルク粒子である。
本発明のタルク粒子では、平均粒子径(D50)が6〜12μmであることが好ましく、6.5〜11μmであることがより好ましく、7〜11μmであることが更に好ましい。
また、本発明のタルク粒子では、D90/D10が4.7以下であることが好ましく、4.6以下であることがより好ましく、4.0以下であることが更に好ましい。
ここで、本明細書におけるタルク粒子の平均粒子径(D50)およびD90/D10は、タルク粒子を、必要に応じてピロリン酸ナトリウムまたはヘキサメタリン酸ナトリウムなどの分散助剤を用いて、水に分散させて、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を使用して粒径の体積累積度分布曲線から求めた平均粒子径(D50)(メディアン径)およびD90/D10であり、その詳細な測定方法は、以下の実施例に記載するとおりである。
平均粒子径(D50)が5μmを超え12μm以下のタルク粒子であっても、D90/D10が5よりも大きくてタルク粒子の粒径の不揃い度合が大きくなると、当該タルク粒子を有機重合体に配合して成形品を製造したときに、成形時の収縮が大きくなり、しかも得られる成形品は、曲げ強度、曲げ弾性率などが小さくなって剛性が低くなり、しかも衝撃強度や硬さなどが低くなる。
また、平均粒子径(D50)が12μmよりも大きく且つD90/D10が5よりも大きいタルク粒子は、当該タルク粒子を有機重合体に配合して成形品を製造したときに、成形時の収縮が大きくなり、しかも得られる成形品は、曲げ強度、曲げ弾性率などが小さくなって剛性が低くなり、しかも衝撃強度や硬さなどが低くなる。
平均粒子径(D50)が5μm以下のタルク粒子は、D90/D10の値が5以下で粒度が揃っていても、嵩密度が低くて包装物の体積が大きくなり、保管時や輸送時に圧縮処理することが必要になり、しかも粒子同士が凝集して、ホッパーでの詰まり、混合装置、混練装置、成形装置などに設けたフィルターなどの目詰まりを生じ易く、また当該タルク粒子を配合した有機重合体組成物から製造した成形品の衝撃強度や硬さが、上記の要件(α)および(β)を満たす本発明のタルク粒子を配合した有機重合体組成物から製造した成形品に比べて低い。
また、平均粒子径(D50)が12μmよりも大きく且つD90/D10が5よりも大きいタルク粒子は、当該タルク粒子を有機重合体に配合して成形品を製造したときに、成形時の収縮が大きくなり、しかも得られる成形品は、曲げ強度、曲げ弾性率などが小さくなって剛性が低くなり、しかも衝撃強度や硬さなどが低くなる。
平均粒子径(D50)が5μm以下のタルク粒子は、D90/D10の値が5以下で粒度が揃っていても、嵩密度が低くて包装物の体積が大きくなり、保管時や輸送時に圧縮処理することが必要になり、しかも粒子同士が凝集して、ホッパーでの詰まり、混合装置、混練装置、成形装置などに設けたフィルターなどの目詰まりを生じ易く、また当該タルク粒子を配合した有機重合体組成物から製造した成形品の衝撃強度や硬さが、上記の要件(α)および(β)を満たす本発明のタルク粒子を配合した有機重合体組成物から製造した成形品に比べて低い。
本発明のタルク粒子は、上記した要件(α)および(β)に加えて、さらにアスペクト比が大きく、且つマグネサイト、ドロマイト、緑泥石、方解石、石英、黄鉄鉱などの不純物量が少ないことが好ましい。
本発明のタルク粒子は、上記の要件(α)および(β)を満たすタルク粒子であれば、タルク粒子の原料である滑石の産地、タルク粒子の製造方法、タルク粒子の成分組成などは特に制限されない。
本発明のタルク粒子の原料である滑石としては、アフガニスタン産、パキスタン産、インド産、中国産、オーストラリア産、アメリカ合衆国産、ヨーロッパ産、アフリカ産などのいずれであってもよい。アスペクト比が高く、不純物が少ない滑石が好ましく用いられる。
また、本発明のタルク粒子を得るために使用し得る粉砕装置として、例えば、ハンマーミル、ミクロンミル、ローラーミル、竪型ミル、ディスクミル、ジェットミル、ビーズミルなどを挙げることができ、それらのうちでも、ハンマーミル、ミクロンミルがデラミネーション、コストなどの点から好ましく用いられる。
本発明のタルク粒子の原料である滑石としては、アフガニスタン産、パキスタン産、インド産、中国産、オーストラリア産、アメリカ合衆国産、ヨーロッパ産、アフリカ産などのいずれであってもよい。アスペクト比が高く、不純物が少ない滑石が好ましく用いられる。
また、本発明のタルク粒子を得るために使用し得る粉砕装置として、例えば、ハンマーミル、ミクロンミル、ローラーミル、竪型ミル、ディスクミル、ジェットミル、ビーズミルなどを挙げることができ、それらのうちでも、ハンマーミル、ミクロンミルがデラミネーション、コストなどの点から好ましく用いられる。
限定されるものではないが、本発明のタルク粒子の製造方法としては、原石(滑石)、またはその粗粉砕物を原料として用いて粉砕して、平均粒子径(D50)が7〜15μm程度で、D90/D10が6以下またはその近辺のタルク粒子とし、それを原料として用いるか、または市販のタルク粒子を原料として用いて、上記した粉砕装置を使用して粉砕処理を行って平均粒子径(D50)が、好ましくは7〜12μmの範囲にあるタルク粒子とし、それを分級処理することによって、平均粒子径(D50)が5μmを超え12μm以下で、D90/D10が5以下である本発明のタルク粒子を製造する方法などを挙げることができる。
本発明のタルク粒子は、表面処理されていなくてもよいし、または表面処理されていてもいずれでもよい。タルク粒子の用途などに応じて、表面処理の有無、表面処理剤の種類などを選択することができる。
表面処理剤としては、有機重合体へのタルク粒子の接着性および/または分散性を向上させ得る表面処理剤が好ましく用いられる。
表面処理剤としては、有機重合体へのタルク粒子の接着性および/または分散性を向上させ得る表面処理剤が好ましく用いられる。
本発明のタルク粒子を表面処理する場合は、表面処理剤として、例えば、有機シランカップリング剤、有機チタネートカップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルなどを用いることができる。特に、本発明のタルク粒子を有機シランカップリング剤および/または有機チタネートカップリング剤で表面処理しておくと、タルク粒子を配合する材料(有機重合体などの基材)との親和性が向上して、タルク粒子の配合した組成物(特に有機重合体組成物)から得られる成形品などでは、引張強度、伸び、衝撃強度、弾性率、表面硬度などが向上する。
本発明のタルク粒子の表面処理に用い得る有機シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシ基含有シラン;アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系カップリング剤;グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系カップリング剤;メルカトプロピルトリメトキシシラン、メルカトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプトシラン系カップリング剤;ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、トリシラザン、シクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザンなどのオルガノシラザン化合物などを挙げることができる。
本発明のタルク粒子の表面処理に用い得る有機チタンカップリング剤としては、例えば、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジステアレート、ブチルチタネートダイマー、チタンオクチレングリコレート、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシチタンビスラクテート、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネートなどを挙げることができる。
本発明のタルク粒子の表面処理に用い得る脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、エルカ酸などの飽和または不飽和脂肪酸、これらの脂肪酸のマグネシウム、カルシウム、リチウム、亜鉛、ナトリウムなどの金属塩、これらの脂肪酸のエステルなどを挙げることができる。
本発明のタルク粒子を表面処理する場合は、上記した表面処理剤の1種または2種以上を用いることができる。
本発明のタルク粒子を表面処理する場合は、上記した表面処理剤の1種または2種以上を用いることができる。
本発明のタルク粒子は、有機重合体の物性改善用充填剤;塗料用途(塗料の体質顔料、たれ防止剤、艶消し剤、防錆塗料、粉体塗料など);紙・パルプ用途(填料、ピッチコントロール剤、塗工剤など);医薬用途(錠剤の賦形剤など);化粧品用途(ファンデーション、ボディパウダー、アイシャドウ、口紅など);農薬・肥料用途(農薬のキャリヤー、肥料の固結防止剤など);セラミックス用途(陶磁器の釉薬、陶磁器のさや、ステアタイト陶磁器など)などの種々の用途に用いることができる。
そのうちでも、本発明のタルク粒子は、有機重合体の物性改善用の充填剤として適しており、したがって本発明は本発明のタルク粒子を含有する有機重合体組成物を包含する。
本発明のタルク粒子を含有する本発明の有機重合体組成物は、成形時の収縮が小さく、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、硬度などの力学的特性に優れ、高剛性で、耐熱性、電気絶縁性などにも優れ、良好な表面特性を有する成形品を与える。
本発明の有機重合体組成物で用い得る有機重合体としては、熱可塑性の有機重合体(熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー)、熱硬化性樹脂、ゴム(天然ゴムまたは合成ゴム)、セルロース系重合体などを挙げることができる。
本発明のタルク粒子を含有する本発明の有機重合体組成物は、成形時の収縮が小さく、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、硬度などの力学的特性に優れ、高剛性で、耐熱性、電気絶縁性などにも優れ、良好な表面特性を有する成形品を与える。
本発明の有機重合体組成物で用い得る有機重合体としては、熱可塑性の有機重合体(熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー)、熱硬化性樹脂、ゴム(天然ゴムまたは合成ゴム)、セルロース系重合体などを挙げることができる。
本発明の有機重合体組成物で用い得る熱可塑性樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリブテン−1樹脂、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・4−メチルペンテン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・ヘプテン共重合体、エチレン・オクテン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系樹脂;スチレン単独重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;ポリビニルアルコール;ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド6・10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6・12、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、キシレン基含有ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリアクリル酸メチルやポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマーなどのポリオキシメチレン系樹脂;ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンエーテル;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;液状ポリエステルなどを挙げることができる。
本発明の有機重合体組成物で用い得る熱可塑性エラストマーの例としては、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、低結晶性1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリマー系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、イオン架橋熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。
本発明の有機重合体組成物で用い得る熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド、シクロペンタジエン由来の熱硬化性樹脂、芳香族ニトリル由来の熱硬化性樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂などを挙げることができる。
本発明の有機重合体組成物で用い得るゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR) 、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、イソプチレン・イソプレンゴム(またはブチルゴム、IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、)アクリロニトリルブタジエンゴム(またはニトリルゴム、NBR)、シリコーンゴム、ふっ素ゴム、アクリルゴム、エビクロルヒドリンゴムなどを挙げることができる。
本発明の有機重合体組成物で用い得るセルロース系重合体としては、ニトロセルロース、アセチルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロースなどを挙げることができる。
本発明の有機重合体組成物は、組成物の用途などに応じて、上記した有機重合体の1種または2種以上を含有することができる。
そのうちでも、本発明の有機重合体組成物は、有機重合体として熱可塑性の有機重合体(熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマー)のうちの1種または2種以上を含有していることが好ましい。
そのうちでも、本発明の有機重合体組成物は、有機重合体として熱可塑性の有機重合体(熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマー)のうちの1種または2種以上を含有していることが好ましい。
有機重合体組成物におけるタルク粒子の含有量は、有機重合体組成物の用途、有機重合体組成物を構成する有機重合体の種類などに応じて異なり得るが、成形加工性、得られる成形品の物性などの点から、一般的には、有機重合体組成物中の固形物の全質量に基づいて5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。
本発明の有機重合体組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、耐候性向上剤、離型剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤などの1種または2種以上を含有することができる。
また、本発明の有機重合体組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、タルク粒子以外の充填剤(例えば、炭酸カルシウム、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、ウィスカー、炭素繊維、炭酸マグネシウム、カオリン、グラファイト、二硫化モリブデン、酸化亜鉛など)の1種または2種以上を含有することができる。
さらに、本発明の有機重合体組成物は、有機重合体を溶解する溶媒や有機重合体を溶解しない液体媒体を含有する液状の組成物であってもよい。
また、本発明の有機重合体組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、タルク粒子以外の充填剤(例えば、炭酸カルシウム、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、ウィスカー、炭素繊維、炭酸マグネシウム、カオリン、グラファイト、二硫化モリブデン、酸化亜鉛など)の1種または2種以上を含有することができる。
さらに、本発明の有機重合体組成物は、有機重合体を溶解する溶媒や有機重合体を溶解しない液体媒体を含有する液状の組成物であってもよい。
本発明の有機重合体組成物は、有機重合体の種類などに応じて、従来から採用されているのと同様にして製造することができる。
有機重合体が熱可塑性有機重合体で場合は、押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの溶融混練装置を用いて有機重合体とタルク粒子及び必要に応じて他の成分を溶融混合することによって、本発明の有機重合体組成物を製造することができる。熱可塑性有機重合体と本発明のタルク粒子を二軸押出機などの押出機に供給して溶融混練した後、押し出し、切断してペレット状の有機重合体組成物にしておくと、有機重合体組成物を成形に便利に使用することができる。
また、有機重合体が熱硬化性樹脂や加硫を伴うゴムである場合は、硬化前または加硫前に有機重合体にタルク粒子を混合することによって、本発明の有機重合体組成物を製造することができる。
さらに、有機重合体が熱可塑性であってもその溶融温度が高い場合、有機重合体の溶融温度と熱分解温度が近い場合には、有機重合体を適当な溶媒に溶解し、そこにタルク粒子を混合し、溶媒を除去するかまたは除去せずに本発明の有機重合体組成物を製造することもできる。
有機重合体が熱可塑性有機重合体で場合は、押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの溶融混練装置を用いて有機重合体とタルク粒子及び必要に応じて他の成分を溶融混合することによって、本発明の有機重合体組成物を製造することができる。熱可塑性有機重合体と本発明のタルク粒子を二軸押出機などの押出機に供給して溶融混練した後、押し出し、切断してペレット状の有機重合体組成物にしておくと、有機重合体組成物を成形に便利に使用することができる。
また、有機重合体が熱硬化性樹脂や加硫を伴うゴムである場合は、硬化前または加硫前に有機重合体にタルク粒子を混合することによって、本発明の有機重合体組成物を製造することができる。
さらに、有機重合体が熱可塑性であってもその溶融温度が高い場合、有機重合体の溶融温度と熱分解温度が近い場合には、有機重合体を適当な溶媒に溶解し、そこにタルク粒子を混合し、溶媒を除去するかまたは除去せずに本発明の有機重合体組成物を製造することもできる。
本発明の有機重合体組成物が成形品の製造に用いられる組成物である場合は、組成物に含まれる有機重合体の種類(特に溶融成形可能な有機重合体であるか否か)などに応じて、従来から採用されている方法によって成形品を製造することができる。
具体的には、熱可塑性有機重合体の組成物である場合は、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形(押出ブロー成形、射出ブロー成形)、カレンダー加工、圧縮成形、シートフォーミング成形(真空成形、圧空成形)、粉末成形、スラッシュ成形などによって成形品を製造することができる。
また、本発明の有機重合体組成物が熱硬化性樹脂の組成物である場合は、例えば、圧縮成形、積層成形、トラスファ成形、射出成形、注型、流延成形などによって成形品を製造することができる。
本発明の有機重合体組成物がゴム(加硫を伴うゴム)の組成物である場合は、例えば、金型成形(直圧成形、直圧注入成形)、射出成形、トランスファー成形、積層成形、押出成形などによって成形品を製造することができる。
具体的には、熱可塑性有機重合体の組成物である場合は、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形(押出ブロー成形、射出ブロー成形)、カレンダー加工、圧縮成形、シートフォーミング成形(真空成形、圧空成形)、粉末成形、スラッシュ成形などによって成形品を製造することができる。
また、本発明の有機重合体組成物が熱硬化性樹脂の組成物である場合は、例えば、圧縮成形、積層成形、トラスファ成形、射出成形、注型、流延成形などによって成形品を製造することができる。
本発明の有機重合体組成物がゴム(加硫を伴うゴム)の組成物である場合は、例えば、金型成形(直圧成形、直圧注入成形)、射出成形、トランスファー成形、積層成形、押出成形などによって成形品を製造することができる。
本発明の有機重合体組成物を用いて製造される成形品は、成形品を形成する有機重合体の種類などに応じて、従来と同様の用途に使用することができる。
何ら限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレンや、ポリカーボネートとABSの組成物や、ポリエステルとABSの組成物や、熱可塑性エラストマーなどに本発明のタルク粒子を配合した有機重合体は、自動車のバンパー、インスツルメントパネル、ドアトリム、ファン覆い、ヒーターハウジング、ダクトなどとして自動車用途に有効に使用することができ、ポリアミドなどのエンジニアリング用樹脂に本発明のタルク粒子を配合した有機重合体組成物は、エンジニアリング材料として有効に使用することができ、またポリプロピレンに本発明のタルク粒子を配合した有機重合体組成物は、トレー容器などの用途に有効に使用することができる。
何ら限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレンや、ポリカーボネートとABSの組成物や、ポリエステルとABSの組成物や、熱可塑性エラストマーなどに本発明のタルク粒子を配合した有機重合体は、自動車のバンパー、インスツルメントパネル、ドアトリム、ファン覆い、ヒーターハウジング、ダクトなどとして自動車用途に有効に使用することができ、ポリアミドなどのエンジニアリング用樹脂に本発明のタルク粒子を配合した有機重合体組成物は、エンジニアリング材料として有効に使用することができ、またポリプロピレンに本発明のタルク粒子を配合した有機重合体組成物は、トレー容器などの用途に有効に使用することができる。
以下に実施例などによって本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例によって何ら限定されない。
以下の例において、タルク粒子の平均粒子径(D50)、D90/D10および嵩密度の算出、タルク粒子の凝縮性の評価、成形時の成形収縮率、成形して得られた成形品の曲げ強度、曲げ弾性率、引張強度、引張破断伸度、IZOD衝撃強度およびロックウエル硬さの測定は、以下のようにして行った。
以下の例において、タルク粒子の平均粒子径(D50)、D90/D10および嵩密度の算出、タルク粒子の凝縮性の評価、成形時の成形収縮率、成形して得られた成形品の曲げ強度、曲げ弾性率、引張強度、引張破断伸度、IZOD衝撃強度およびロックウエル硬さの測定は、以下のようにして行った。
(1)タルク粒子の平均粒子径(D50)およびD90/D10:
タルク粒子150〜200mgを水100mlに均一に分散させて調製した分散液を、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製「マイクロトラック MT3300EX」)の湿式サンプルセルに入れ、同測定装置を使用してタルク粒子の体積累積度分布曲線を求め、当該曲線に基づいて、累積度50%における粒径[平均粒子径(D50)]を求め、また累積度10%における粒径(D10)と累積度90%における粒径(D90)からD90/D10を求めた。
タルク粒子150〜200mgを水100mlに均一に分散させて調製した分散液を、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製「マイクロトラック MT3300EX」)の湿式サンプルセルに入れ、同測定装置を使用してタルク粒子の体積累積度分布曲線を求め、当該曲線に基づいて、累積度50%における粒径[平均粒子径(D50)]を求め、また累積度10%における粒径(D10)と累積度90%における粒径(D90)からD90/D10を求めた。
(2)タルク粒子の凝集性:
以下の表1に示す評価基準に従って、タルク粒子の凝集性を評価した。
以下の表1に示す評価基準に従って、タルク粒子の凝集性を評価した。
(3)成形時の成形収縮率:
射出成形用金型(型キャビティ寸法:縦×横×厚み=80mm×80mm×3.2mm)を用いて射出成形を行い、それによって得られた成形品の縦および横寸法(流れ方向と流れに直角方向の寸法)を測定して、下記の式から成形収縮率(%)を求めた。
成形収縮率(%)={(A0−A)/A0+(B0−B)/B0}/2
[上記式中、A0=型キャビティの縦寸法(mm)、A=常温(23℃)での成形品の縦寸法(mm)、B0=型キャビティの横寸法(mm)、B=常温(23℃)での成形品の横寸法(mm)を示す。]
射出成形用金型(型キャビティ寸法:縦×横×厚み=80mm×80mm×3.2mm)を用いて射出成形を行い、それによって得られた成形品の縦および横寸法(流れ方向と流れに直角方向の寸法)を測定して、下記の式から成形収縮率(%)を求めた。
成形収縮率(%)={(A0−A)/A0+(B0−B)/B0}/2
[上記式中、A0=型キャビティの縦寸法(mm)、A=常温(23℃)での成形品の縦寸法(mm)、B0=型キャビティの横寸法(mm)、B=常温(23℃)での成形品の横寸法(mm)を示す。]
(4)成形品の曲げ強度および曲げ弾性率:
JIS K7171に準じて曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。測定に当たっては、島津製作所製の万能試験機(AG−100kNF)を使用した。
JIS K7171に準じて曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。測定に当たっては、島津製作所製の万能試験機(AG−100kNF)を使用した。
(5)成形品の引張強度および引張伸び:
JIS K7161に準じて引張強度および引張伸びを測定した。測定に当たっては、島津製作所製の万能試験機(AG−100kNF)を使用した。
JIS K7161に準じて引張強度および引張伸びを測定した。測定に当たっては、島津製作所製の万能試験機(AG−100kNF)を使用した。
(6)成形品のIZOD衝撃強度:
JIS K7110に準じてIZOD衝撃強度を測定した。測定に当たっては、安田製作所製の万能衝撃試験機(No.258)を使用した。
JIS K7110に準じてIZOD衝撃強度を測定した。測定に当たっては、安田製作所製の万能衝撃試験機(No.258)を使用した。
(7)成形品のロックウエル硬さ:
JIS K7202−2に準じてロックウエル硬さを測定した。測定に当たっては、東洋精機製ロックウェル硬度試験機(No.566)を使用した。
JIS K7202−2に準じてロックウエル硬さを測定した。測定に当たっては、東洋精機製ロックウェル硬度試験機(No.566)を使用した。
《実施例1》[タルク粒子(A1)の製造]
インド ラージャスターン州産タルク原石を原料として用い、当該タルク原石をミクロンミル(河本鉄工製「ミクロ・コロイザー FKM−200」に供給して回転数1800rpm、毎分12kgの条件下で粉砕処理して、平均粒子径(D50)が10.5μm、D90/D10が3.8のタルク粒子を製造した。
インド ラージャスターン州産タルク原石を原料として用い、当該タルク原石をミクロンミル(河本鉄工製「ミクロ・コロイザー FKM−200」に供給して回転数1800rpm、毎分12kgの条件下で粉砕処理して、平均粒子径(D50)が10.5μm、D90/D10が3.8のタルク粒子を製造した。
《実施例2》[タルク粒子(A2)の製造]
実施例1で得られたタルク粒子(A1)を分級装置(勝光山鉱業所製)に供給して粒径が40μm以上の部分を除いて、平均粒子径(D50)が7.2μmおよびD90/D10が3.9のタルク粒子[以下、「タルク粒子(A2)」という]を得た。
実施例1で得られたタルク粒子(A1)を分級装置(勝光山鉱業所製)に供給して粒径が40μm以上の部分を除いて、平均粒子径(D50)が7.2μmおよびD90/D10が3.9のタルク粒子[以下、「タルク粒子(A2)」という]を得た。
《実施例3》[タルク粒子(A3)の製造]
インドラージャスターン州産タルク原石を原料として用い、当該タルク原石をハンマーミル(ShriKrishna社製「PULVERISER42型」に供給して回転数1000rpm、毎分32kgの条件下で粉砕処理して、平均粒子径(D50)が6.8μm、D90/D10が4.6のタルク粒子を製造した。
インドラージャスターン州産タルク原石を原料として用い、当該タルク原石をハンマーミル(ShriKrishna社製「PULVERISER42型」に供給して回転数1000rpm、毎分32kgの条件下で粉砕処理して、平均粒子径(D50)が6.8μm、D90/D10が4.6のタルク粒子を製造した。
《比較例1》[タルク粒子(B1)の製造]
中国広西チワン族自治区産タルク原石を原料として用い、当該タルク原石をローラーミル(石井粉砕機械製作所製「RM36」)に供給して回転数1050rpm、毎分16kgの条件下で粉砕処理して、平均粒子径(D50)が13.1μm、D90/D10が6.7のタルク粒子[以下、「タルク粒子(B1)」という]を製造した。
中国広西チワン族自治区産タルク原石を原料として用い、当該タルク原石をローラーミル(石井粉砕機械製作所製「RM36」)に供給して回転数1050rpm、毎分16kgの条件下で粉砕処理して、平均粒子径(D50)が13.1μm、D90/D10が6.7のタルク粒子[以下、「タルク粒子(B1)」という]を製造した。
《比較例2》[タルク粒子(B2)の製造]
比較例1で得られたタルク粒子を分級装置(ユーラステクノ社製「YACA−400HU」)に供給し粒径が75μm以上の部分を除いて、平均粒子径(D50)が7.5μmおよびD90/D10が6.9のタルク粒子[以下、「タルク粒子(B2)」という]を得た。
比較例1で得られたタルク粒子を分級装置(ユーラステクノ社製「YACA−400HU」)に供給し粒径が75μm以上の部分を除いて、平均粒子径(D50)が7.5μmおよびD90/D10が6.9のタルク粒子[以下、「タルク粒子(B2)」という]を得た。
上記の実施例1〜3および比較例1〜2で得られたタルク粒子を表にまとめると以下の表2に示すとおりである。
《実施例4》[ポリプロピレン組成物]
(1) ポリプロピレン(プライムポリマー社製「J708UG」)80質量部と実施例1で製造したタルク粒子(A1)20質量部を二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30」)に供給して、200℃で溶融混練した後、押し出し、切断して、ペレット状のポリプロピレン組成物を製造した。
その際に、タルク粒子(A1)の凝集性を上記の表1に記載した評価基準に従って評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のポリプロピレン組成物を射出成形機(日本製鋼所製「J75E II」)を用いて、溶融温度210℃、金型温度40℃の条件下で射出成形して、物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表3に示す。
(1) ポリプロピレン(プライムポリマー社製「J708UG」)80質量部と実施例1で製造したタルク粒子(A1)20質量部を二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30」)に供給して、200℃で溶融混練した後、押し出し、切断して、ペレット状のポリプロピレン組成物を製造した。
その際に、タルク粒子(A1)の凝集性を上記の表1に記載した評価基準に従って評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のポリプロピレン組成物を射出成形機(日本製鋼所製「J75E II」)を用いて、溶融温度210℃、金型温度40℃の条件下で射出成形して、物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表3に示す。
《実施例5〜6および比較例3〜4》[ポリプロピレン組成物]
(1) タルク粒子(A1)20質量部の代わりに、実施例2、3、比較例1または2で製造したタルク粒子(A2)、(A3)、(B1)または(B2)のそれぞれを20質量部用いた以外は、実施例4の(1)と同様にしてペレット状のポリプロピレン組成物をそれぞれ製造した。
その際に、タルク粒子(A2)、(A3)、(B1)および(B2)の凝集性を上記の表1に記載した評価基準に従って評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のポリプロピレン組成物のそれぞれを用いて、実施例4の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表3に示す。
(1) タルク粒子(A1)20質量部の代わりに、実施例2、3、比較例1または2で製造したタルク粒子(A2)、(A3)、(B1)または(B2)のそれぞれを20質量部用いた以外は、実施例4の(1)と同様にしてペレット状のポリプロピレン組成物をそれぞれ製造した。
その際に、タルク粒子(A2)、(A3)、(B1)および(B2)の凝集性を上記の表1に記載した評価基準に従って評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のポリプロピレン組成物のそれぞれを用いて、実施例4の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表3に示す。
《比較例5〜7》[ポリプロピレン組成物]
(1) タルク粒子(A1)20質量部の代わりに、3種類の市販のタルク粒子(C1)[中国産、平均粒子径(D50)=4.8μm、D90/D10=4.4]、タルク粒子(C2)[中国産、平均粒子径(D50)=4.8μm、D90/D10=4.6]、およびタルク粒子(C3)[中国産、平均粒子径(D50)=4.9μm、D90/D10=4.9]のそれぞれを20質量部用いた以外は、実施例4の(1)と同様にしてペレット状のポリプロピレン組成物をそれぞれ製造した。
その際に、タルク粒子(C1)、(C2)および(C3)の凝集性を上記の表1に記載した評価基準に従って評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のポリプロピレン組成物のそれぞれを用いて、実施例4の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表3に示す。
(1) タルク粒子(A1)20質量部の代わりに、3種類の市販のタルク粒子(C1)[中国産、平均粒子径(D50)=4.8μm、D90/D10=4.4]、タルク粒子(C2)[中国産、平均粒子径(D50)=4.8μm、D90/D10=4.6]、およびタルク粒子(C3)[中国産、平均粒子径(D50)=4.9μm、D90/D10=4.9]のそれぞれを20質量部用いた以外は、実施例4の(1)と同様にしてペレット状のポリプロピレン組成物をそれぞれ製造した。
その際に、タルク粒子(C1)、(C2)および(C3)の凝集性を上記の表1に記載した評価基準に従って評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のポリプロピレン組成物のそれぞれを用いて、実施例4の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表3に示す。
《参考例1》[ポリプロピレン単独]
実施例4で用いたのと同じポリプロピレンを単独で使用して、実施例4の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表3に示す。
実施例4で用いたのと同じポリプロピレンを単独で使用して、実施例4の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表3に示す。
上記の表3の結果にみるように、実施例1〜3で得られたタルク粒子(A1)〜(A3)は、平均粒子径(D50)が5μmを超え12μm以下であり且つD90/D10が5以下であることにより、凝集が生じず取り扱い性に優れている。
そして、実施例1〜3で得られた当該タルク粒子(A1)〜(A3)を含有する実施例4〜6のポリプロピレン組成物は、成形時の収縮率が小さく、しかも実施例4〜6のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品は、平均粒子径(D50)が5μm以下であるタルク粒子(C1)〜(C3)を含有する比較例5〜7のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品と同等の曲げ強度および曲げ弾性率を有していて剛性が高く、更にIZOD衝撃強度およびロックウエル硬さの値が高くて、耐衝撃性および硬さに優れている。
そして、実施例1〜3で得られた当該タルク粒子(A1)〜(A3)を含有する実施例4〜6のポリプロピレン組成物は、成形時の収縮率が小さく、しかも実施例4〜6のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品は、平均粒子径(D50)が5μm以下であるタルク粒子(C1)〜(C3)を含有する比較例5〜7のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品と同等の曲げ強度および曲げ弾性率を有していて剛性が高く、更にIZOD衝撃強度およびロックウエル硬さの値が高くて、耐衝撃性および硬さに優れている。
それに対して、比較例1および2で得られた、D90/D10が5を超えているタルク粒子を含有する比較例3および4のポリプロピレン組成物は、実施例4〜6に比べて成形時の収縮率が高く、しかも比較例3および4のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品は、実施例4〜6のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品に比べて、曲げ強度、曲げ弾性率、IZO衝撃強度およびロックウエル硬さの値が低くて、剛性、耐衝撃性および硬さに劣っている。
また、平均粒子径(D50)が5μm以下である市販のタルク粒子(C1)〜(C3)は、凝集が生じ易くて、取り扱い性に劣っている。
そして、平均粒子径(D50)が5μm以下であるタルク粒子(C1)〜(C3)を含有する比較例5〜7のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品は、実施例4〜6のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品に比べて、IZO衝撃強度およびロックウエル硬さの値が低くて、耐衝撃性および硬さに劣っている。
そして、平均粒子径(D50)が5μm以下であるタルク粒子(C1)〜(C3)を含有する比較例5〜7のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品は、実施例4〜6のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品に比べて、IZO衝撃強度およびロックウエル硬さの値が低くて、耐衝撃性および硬さに劣っている。
《実施例7》[ABS樹脂組成物]
(1) ABS樹脂(東レ株式会社製「トヨラック700−314」)80質量部と実施例2で製造したタルク粒子(A2)20質量部を二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30」)に供給して、230℃で溶融混練した後、押し出し、切断して、ペレット状のABS樹脂組成物を製造した。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のABS樹脂組成物を射出成形機(日本製鋼所製「J75E II」)を用いて、溶融温度250℃、金型温度60℃の条件下で射出成形して、物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表4に示す。
(1) ABS樹脂(東レ株式会社製「トヨラック700−314」)80質量部と実施例2で製造したタルク粒子(A2)20質量部を二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30」)に供給して、230℃で溶融混練した後、押し出し、切断して、ペレット状のABS樹脂組成物を製造した。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のABS樹脂組成物を射出成形機(日本製鋼所製「J75E II」)を用いて、溶融温度250℃、金型温度60℃の条件下で射出成形して、物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表4に示す。
《実施例8》[ABS樹脂組成物]
(1) タルク粒子(A2)20質量部の代わりに、実施例3で製造したタルク粒子(A3)を20量部用いた以外は、実施例7の(1)と同様にしてペレット状のABS樹脂組成物を製造した。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のABS樹脂組成物を用いて、実施例7の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表4に示す。
(1) タルク粒子(A2)20質量部の代わりに、実施例3で製造したタルク粒子(A3)を20量部用いた以外は、実施例7の(1)と同様にしてペレット状のABS樹脂組成物を製造した。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のABS樹脂組成物を用いて、実施例7の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表4に示す。
《比較例8》[ABS樹脂組成物]
(1) タルク粒子(A2)20質量部の代わりに、市販のタルク粒子(C4)[中国産、平均粒子径(D50)=8.1μm、D90/D10=9.8]を20量部用いた以外は、実施例7の(1)と同様にしてペレット状のABS樹脂組成物を製造した。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のABS樹脂組成物を用いて、実施例7の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表4に示す。
(1) タルク粒子(A2)20質量部の代わりに、市販のタルク粒子(C4)[中国産、平均粒子径(D50)=8.1μm、D90/D10=9.8]を20量部用いた以外は、実施例7の(1)と同様にしてペレット状のABS樹脂組成物を製造した。
(2) 上記(1)で得られたペレット状のABS樹脂組成物を用いて、実施例7の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表4に示す。
《参考例2》[ABS樹脂単独]
実施例7で用いたのと同じABS樹脂を単独で使用して、実施例7の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表4に示す。
実施例7で用いたのと同じABS樹脂を単独で使用して、実施例7の(2)と同様にして射出成形して物性測定用の試験片を作製して、上記した方法で各物性を測定した。
その結果を下記の表4に示す。
上記の表4の結果にみるように、実施例2または3で得られたタルク粒子(A2)または(A3))を含有する実施例7および8のABS樹脂組成物を用いて得られた成形品は、高い曲げ強度および曲げ弾性率を有していて剛性が高く、更に引張強度およびIZOD衝撃強度の値が高くて、耐衝撃性および硬さに優れている。
それに対して、平均粒子径(D50)が8.0で且つD90/D1が9.8である市販のタルク粒子(C4)を含有する比較例8のABS樹脂組成物を用いて得られた成形品は、実施例7〜8のポリプロピレン組成物を用いて得られた成形品に比べて、曲げ強度、曲げ弾性率、IZOD衝撃強度が低くて、剛性、耐衝撃性に劣っている。
本発明のタルク粒子は、嵩密度が小さくなり過ぎず、コンパクトに包装することができ、粒子同士の凝集が生じず、ホッパーでの詰まり、混合装置、混練装置、成形装置などに設けたフィルターなどの目詰まりを生じず、有機重合体に配合したときに、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、硬度などに優れ、しかも表面特性に優れる成形品を良好な寸法安定性で製造することができる有機重合体組成物を得ることができるので、本発明のタルク粒子およびそれを含有する有機重合体組成物は、各種用途に有効に使用することができる。
Claims (7)
- レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置によって得られる、累積度が50%となる平均粒子径(D50)が5μmを超え12μm以下であり、累積度が90%となる粒度(D90)と累積度が10%となる粒度(D10)との比(D90/D10)が5以下であることを特徴とするタルク粒子。
- 平均粒子径(D50)が6〜12μmである請求項1に記載のタルク粒子。
- 比(D90/D10)が4.7以下である請求項1または2に記載のタルク粒子。
- 有機重合体への接着性および/または分散性を向上させるための表面処理剤の1種以上によって表面処理されているかまたは表面処理されていない請求項1〜3のいずれか1項に記載のタルク粒子。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタルク粒子および有機重合体を含有することを特徴とする有機重合体組成物。
- 有機重合体組成物中の固形物の全質量に基づいて、タルク粒子の含有割合が5〜80質量%である請求項5に記載の有機重合体組成物。
- 有機重合体が熱可塑性重合体である請求項5または6に記載の有機重合体組成物。
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