JP6944322B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関し、詳しくは、カーボンブラックの凝集異物が少なく分散性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂にカーボンブラックを添加して、製品を黒着色化することは一般的に行われており、自動車、電気・電子機器、精密機械、事務機等の各種部品に広くに使用されている。黒色に着色する場合、樹脂のペレットまたは粉末に、カーボンブラックを配合し、押出機で溶融混練しストランド状に押出したものを切断してペレット状にする方法が行われている。
カーボンブラックは各種の炭化水素あるいは炭素を含む化合物を不完全燃焼して得られる超微細な球状粒子の集合体であり、製造された時点の原料カーボンブラックは、一次粒子が相互に化学的物理的に結合したストラクチャーが発達しており、また、小さい嵩密度と大きな表面積を有する粉末状物質であるため、凝集性が高く、非常に飛散性である。そのため、カーボンブラック粉末をそのまま熱可塑性樹脂に配合する場合、作業環境の汚染、ハンドリングの問題、さらに分級あるいは凝集などによるカーボンブラックのブツの発生、後続ロットへの色残り、色混じり等の問題があるため、一般には、カーボンブラックを熱可塑性樹脂に高濃度に配合したマスターバッチを一旦製造し、得られたマスターバッチを熱可塑性樹脂に添加する手法が多く採用されている。
熱可塑性樹脂にカーボンブラックを配合した樹脂組成物については、従来から各種提案されており、特許文献1では、ポリカーボネート樹脂と重合触媒を失活処理したポリエチレンテレフタレート樹脂に配合するカーボンブラックとして、30〜1500m/gのBET比表面積とDBP吸収量100〜500cm/100gのものを用いる発明が記載されている。また、特許文献2には、カーボンブラックとして、一次粒子径が70〜200nmで、DBP吸収量と一次粒子径の比が0.5〜1.5のものを用いる発明が記載されている。また、特許文献3ではポリアセタール樹脂にカーボンブラックと分散剤を配合することが提案され、カーボンブラックの平均粒径は5〜50nmが好ましいことが記載されている。しかしながら、これら特許文献に記載された発明は、いずれもカーボンブラックを熱可塑性樹脂や他の添加剤とに直接添加し押出機等で溶融混練するため、カーボンブラックの凝集異物に関しては不十分な場合がある。
カーボンブラックマスターバッチを熱可塑性樹脂に配合する方法としては、カーボンブラックマスターバッチにはカーボンブラックとのなじみの良いポリスチレン系樹脂等がマスターバッチ用樹脂として多用されている(例えば、特許文献4−5を参照)。また、特許文献6では、平均一次粒径が10〜24μmのカーボンブラックをポリカーボネートオリゴマーにすることも提案されている(特許文献6)。
これらのカーボンブラックマスターバッチの製造は、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等で混練することにより行われているが、上記特許文献にあるように、通常にマスターバッチを作成した場合、凝集した二次粒子は殆ど破壊されずに取り込まれる格好となるため、このようなカーボンブラックマスターバッチを用いて熱可塑性樹脂に配合させたとしても、最終的にはカーボンブラック凝集異物はなくならず、その結果、外観不良や強度低下の問題が起きやすい。
特開2012−77242号公報 国際公開第2012/131829号 特開2017−14304号公報 特開2016−138200号公報 特開2012−057152号公報 特開平06−345951号公報
前記したように、カーボンブラックは凝集性が高く、一般にストラクチャーと呼ばれる一次凝集体および二次凝集体を起こしているものと考えられている。このためカーボンブラックを高濃度で含有するマスターバッチは、これを配合する樹脂よりも流れ難く、異物発生や強度低下の問題が起きやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みて創案されたもので、カーボンブラックの凝集異物の発生が少なく分散性に優れ、成形品の強度低下等の問題がない熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、カーボンブラックは鎖状構造の度合が異なる球状粒子(ストラクチャー)を形成しているが、永続的に融着した一次凝集体(アグリゲート)と、ファンデルワ―ス力の相互作用による分散系における二次凝集体(アグロメレート)から形成されており、特にこの二次凝集体に着目し、機械的粉砕によってこれら二次凝集体を破壊し分散性を向上させることにより、カーボンブラックの凝集異物の発生が少なく分散性に優れ、成形品の強度低下等の問題がない熱可塑性樹脂組成物を安定して製造できることを見出した。
本発明は、以下の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
[1]熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
熱可塑性樹脂(A−1)50〜90質量%とジェットミル粉砕機で粉砕処理したカーボンブラック(B)50〜10質量%を二軸押出機に供給し溶融混練してスクリーンメッシュを通過させてカーボンブラックマスターバッチ(MB)を製造する工程、
熱可塑性樹脂(A−2)及び前記カーボンブラックマスターバッチ(MB)、並びに、安定剤(C)又は離型剤(D)の少なくとも1種を、二軸押出機に供給し溶融混練して樹脂組成物中のカーボンブラックの含有量が0.1〜5質量%となる樹脂組成物を生成する工程を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[2]前記スクリーンメッシュのメッシュが100メッシュ以上である上記[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[3]前記粉砕処理したカーボンブラックのレーザー回折散乱法における平均粒子径(Dp50)が0.3〜5μmであり、且つ10μm以上である粒子径の割合が5%以下である上記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[4]熱可塑性樹脂(A−1)が、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリアセタール樹脂から選択される樹脂である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[5]熱可塑性樹脂(A−2)が、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリアセタール樹脂から選択される樹脂である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[6]前記粉砕したカーボンブラック(B)を、二軸押出機の少なくとも1箇所以上から多段供給する上記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[7]二軸押出機の上記カーボンブラック(B)の供給部に角フライト形状のスクリューを用いる上記[6]に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法によれば、カーボンブラックの凝集異物の発生が少なく分散性に優れ、成形品の強度低下等の問題のない熱可塑性樹脂組成物を安定して製造することができる。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂(A−1)50〜90質量%とジェットミル粉砕機で粉砕処理したカーボンブラック(B)50〜10質量%を二軸押出機に供給し溶融混練してスクリーンメッシュを通過させてカーボンブラックマスターバッチ(MB)を製造する工程、
熱可塑性樹脂(A−2)及び前記カーボンブラックマスターバッチ(MB)、並びに、安定剤(C)又は離型剤(D)の少なくとも1種を、二軸押出機に供給し溶融混練して樹脂組成物中のカーボンブラックの含有量が0.1〜5質量%となる樹脂組成物を生成する工程を含むことを特徴とする。
[カーボンブラック(B)]
本発明の製造方法において、カーボンブラックとして、ジェットミル粉砕機で粉砕処理したカーボンブラック(B)を使用する。カーボンブラック(B)の原料カーボンブラックとしては、その製造方法、原料種等に制限はなく、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。これらの中でも着色性とコストの点から、オイルファーネスブラックが特に好ましい。
原料カーボンブラックの平均粒子径は適宜選択して決定すればよいが、中でも5〜60nmが好ましく、更には7〜55nm、特に10〜50nmであることが好ましい。
また、原料カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、通常1000m/g未満が好ましく、中でも50〜400m/gであることが好ましい。なお、窒素吸着比表面積(単位:m/g)は、JIS K6217に準拠して測定することができる。
また、原料カーボンブラックのDBP吸収量は、300cm/100g未満であることが好ましく、中でも30〜200cm/100gであることが好ましい。なお、DBP吸収量(単位:cm/100g)は、JIS K6217に準拠して測定することができる。
本発明で用いる原料カーボンブラックは、単独でまたは二種以上併用して使用することができる。
本発明において、カーボンブラックマスターバッチを製造する際のカーボンブラックとしては、上記したような原料カーボンブラックを、ジェットミル粉砕機で粉砕処理したカーボンブラック(B)を用いる。原料カーボンブラックは、永続的に融着した一次凝集体(アグリゲート)と、ファンデルワース力の相互作用、分散系における二次凝集体(アグロメレート)からなるが、ジェットミル粉砕機で粉砕処理を施すことにより、特に二次凝集体を破壊し分散性を向上させる。
ジェットミル粉砕機は、空気等の高速のジェット流に粒子を付し、粒子間の衝突により微粒子化する装置であり、例えばFluid EnergyProcessing社製のJET−O−Mizer、Sturtvent Mill社製のMicronizerのように粉砕ゾーンと分級ゾーンに分かれて微粉を得るタイプや、Majac社製のMajac Jet Pulverizer、日精エンジニアリング社製のスーパージェットミル、日本コークス社製のCGS型ジェットミル、ホソカワミクロン社製のスパイラルジェットミル、セイシン企業社製のSK−シングルトラックジェットミル等のように、ジェット気流で加速された粒子同士を2方向、3方向から衝突されることによって粉砕を達成させるタイプが用いられるが、後者のジェットミル粉砕機が好ましく、特にはシングルトラック型のものが好ましい。
ジェットミル粉砕時の条件としては、使用する粉砕機によっても異なるが、通常、ノズル圧力は0.5〜2.0MPa、風量は1〜50m/min、処理量0.5〜100kg/hr程度であることが好ましい。
ジェットミル粉砕機で粉砕処理したカーボンブラック(B)は、その平均粒子径(Dp50)が0.3〜5μmであることが好ましく、また、10μm以上である粒子径の割合は5%以下であることが好ましい。このような粒子径及び粒子径分布とすることにより、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物中のカーボンブラックの分散性を向上させ、カーボンブラックの凝集異物の発生が少なく、成形品の強度低下等の問題がない熱可塑性樹脂組成物を安定して製造することが可能となる。カーボンブラック(B)の平均粒子径(Dp50)は0.3〜5μmの範囲であることが好ましく、0.5〜1μmがより好ましい。且つ10μm以上である粒子径の割合は5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。平均粒子径が0.3μmを下回るとカーボンブッラクの粉砕処理後に二次凝集が発生し易く、また平均粒径が5μmを上回ったり、10μm以上の粒子径の割合が5%を超えてしまうと、凝集異物が大きくなる傾向にあり、機械物性等の性能低下を招くため好ましくない、
なお、粉砕処理したカーボンブラック(B)の粒子径はレーザー回折散乱法により測定される値であり、平均粒子径Dp50はレーザー回折散乱法における積算分布が50%となる粒子径をいう。
[カーボンブラックマスターバッチ(MB)の製造]
カーボンブラックマスターバッチ(MB)の製造は、熱可塑性樹脂(A−1)50〜90質量%とジェットミル粉砕機で粉砕処理したカーボンブラック(B)50〜10質量%を、二軸押出機に供給し溶融混練してスクリーンメッシュを通過させることにより行われる。
熱可塑性樹脂(A−1)としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂等のポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD等のポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。中でも、熱可塑性樹脂(A−1)としては、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂を使用することが好ましい。熱可塑性樹脂(A−1)は、後記する熱可塑性樹脂(A−2)と同じ種類の熱可塑性樹脂を使用するのが好ましいが、熱可塑性樹脂(A−2)がポリカーボネート樹脂の場合は、熱可塑性樹脂(A−1)としてはポリスチレン樹脂であることも好ましい。また、熱可塑性樹脂(A−1)は2種類以上の熱可塑性樹脂を配合してもよい。
カーボンブラックマスターバッチ(MB)にする際の、熱可塑性樹脂(A−1)とカーボンブラック(B)の配合割合は、熱可塑性樹脂(A−1)を50〜90質量%、カーボンブラック(B)は50〜10質量%であるが、カーボンブラック(B)の好ましい量は45〜10質量%である。
溶融混練する方法としては、二軸押出機を用いて溶融混練する。二軸押出機としては、同方向回転式、異方向回転式の両者共に使用可能である。溶融混練温度は好ましくは、180〜350℃の温度が好ましく、後述する各熱可塑性樹脂(A−1)の融点(Tm)±10℃の範囲とすることが好ましい。
溶融混練して製造された混合物は、二軸押出機内の、好ましくは最後方に設けたスクリーンメッシュを通過させて、カーボンブラックマスターバッチ(MB)とされる。押出機内で発生した凝集異物はスクリーンメッシュで捕捉されるが、スクリーンメッシュのメッシュは、好ましくは100メッシュ以上であり、より好ましくは200メッシュ以上、さらに好ましくは300メッシュ以上である。
カーボンブラックマスターバッチ(MB)を製造する方法としては、例えば以下のような態様が好ましく挙げられる。
押出機としては、最上流部に熱可塑性樹脂(A−1)用の第1の原料供給口と、その下流に原料カーボンブラック(B)用の第2の原料供給口を、単数または複数有し、オープンベントまたは真空ベントのベント口を備えた構成の二軸スクリュー押出機を使用する。
粉砕したカーボンブラック(B)は、二軸押出機の少なくとも1箇所以上から多段供給することが好ましい。熱可塑性樹脂(A−1)は第1の原料供給口から供給し、原料カーボンブラックは第2の原料供給口(単数または複数)からサイドフィーダーを用いて供給する。サイドフィードからの供給口と二軸押出機の結合部又はその上流側には、少なくとも一つのベント口を設けることが好ましい。
スクリューアレンジとしては、二軸押出機の上記カーボンブラック(B)の供給部に角フライト形状のスクリューを用いることが好ましい。そして、第1の原料供給部側から、搬送用フルフライトスクリュー部、可塑化用ニーディングスクリュー部、混練用ニーディングスクリュー部を備え、さらに、第2の原料供給口に対応して搬送用フライトスクリュー部、混練用ニーディングスクリュー部を備えていることが好ましい。
溶融混練した後は、押出機の最後方に設置されたスクリーンメッシュを通過させ、先端ノズルからストランドとして押出し、押出されたストランドは、好ましくは30〜50℃の温度範囲に調整した水槽に導入して冷却し、ペレタイザーに挿入してカッティングして、カーボンマスターバッチのペレットを製造する。
[熱可塑性樹脂組成物の製造]
熱可塑性樹脂組成物の製造は、上記で得られたカーボンブラックマスターバッチ(MB)と熱可塑性樹脂(A−2)、並びに、安定剤(C)又は離型剤(D)の少なくとも1種を、二軸押出機に供給し溶融混練して製造する。熱可塑性樹脂組成物の製造は、上記したカーボンブラックマスターバッチ(MB)の製造工程に引き続いて行ってもよいし、得られたカーボンブラックマスターバッチ(MB)を一旦保持、あるいは保管した後、使用してもよい。
熱可塑性樹脂(A−2)としては、特に限定されず、例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂等のポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD等のポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂を好ましく挙げることができ、中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂を使用することがより好ましい。
熱可塑性樹脂(A−2)は、前記したように、熱可塑性樹脂(A−1)と同じ種類の熱可塑性樹脂を使用するのが好ましいが、熱可塑性樹脂(A−2)がポリカーボネート樹脂の場合は、熱可塑性樹脂(A−1)がポリスチレン樹脂であることも好ましい。また、使用する熱可塑性樹脂(A−2)は単独でも2種以上配合してもよい。
カーボンブラックマスターバッチ(MB)は、得られる熱可塑性樹脂組成物中のカーボンブラックの含有量が0.1〜5質量%となるように配合される。熱可塑性樹脂組成物中のカーボンブラックの好ましい含有量は、0.20〜5質量%である。カーボンブラックの含有量が多すぎると、表面外観性が損なわれ、成形時に金型汚染を引き起こす場合があるため好ましくない。カーボンブラックの含有量が0.1質量%未満になると期待する機能性付与が十分に発揮されない場合がある。
熱可塑性樹脂(A−2)及びカーボンブラックマスターバッチ(MB)以外に配合される安定剤(C)及び/又は離型剤(D)としては、特に制限はなく、各種のリン系安定剤、フェノール系安定剤、硫黄系安定剤等、また各種の離型剤が使用できる。
[安定剤(C)]
リン系安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第10族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられる。
中でも、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等の有機ホスファイトが好ましい。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
フェノール系安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系安定剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、BASF社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等が挙げられる。また、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]も好ましく、具体例としてはBASF社製「イルガノックス245」が好ましく挙げられる。
硫黄系安定剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などを挙げることができる。
上記のうち、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。このような硫黄系安定剤としては、具体的にはシプロ化成社製「シーノックス412S」が好ましく挙げられる。
安定剤(C)の配合量は、熱可塑性樹脂(A−1)及び(A−2)の合計100質量部に対して0.01〜1質量部が好ましく、0.05〜0.8質量部がより好ましく、0.1〜0.5質量部がさらに好ましい。
[離型剤(D)]
離型剤(D)としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、ポリオレフィン系ワックス等が好ましく挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸は、脂環式カルボン酸も包含する。このうち好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36のモノ又はジカルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和モノカルボン酸がさらに好ましい。このような脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸エステルを構成する脂肪族カルボン酸成分としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、脂肪族カルボン酸エステルを構成するアルコール成分としては、飽和又は不飽和の1価アルコール、飽和又は不飽和の多価アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらのアルコールのうち、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、さらに炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが好ましい。ここで脂肪族アルコールは、脂環式アルコールも包含する。
これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。これらの脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸オクチルドデシル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等を挙げることができる。
ポリオレフィン系ワックスとしては、オレフィンの単独重合体及び共重合体等が挙げられる。オレフィンの単独重合体としては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等及びこれらの部分酸化物又はこれらの混合物等が挙げられる。オレフィンの共重合体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、2−メチルブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィン等の共重合体、これらのオレフィンと共重合可能なモノマー、例えば、不飽和カルボン酸又はその酸無水物(無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸等)、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステル等)等の重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。また、これらの共重合体には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体が含まれる。オレフィン共重合体は、通常、エチレンと、他のオレフィン及び重合性モノマーから選択された少なくとも1種のモノマーとの共重合体である。これらのポリオレフィンワックスのうち、ポリエチレンワックスが最も好ましい。なお、ポリオレフィンワックスは、線状又は分岐構造であってよい。
離型剤(D)の配合量は、熱可塑性樹脂(A−1)及び(A−2)の合計100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましく、0.1〜2質量部がさらに好ましい。
熱可塑性樹脂組成物の製造に使用する押出機は、二軸押出機である。二軸押出機は、通常、ホッパー原料供給口、温度調節可能なシリンダーと、シリンダー内に回転可能に配備された2本のスクリューと、2本のスクリューを回転させるモーターおよび減速機からなる回転駆動機構、押出機先端に取り付けたダイスから構成される。本発明で使用する押出機のスクリューは、回転が同方向、異方向の両方のいずれをも用いることができるが、同方向二軸スクリューであることが好ましい。
二軸押出機は、そのLTL/DTL(LTL=押出機スクリュー長さ、DTL=押出機スクリュー直径)が30〜80であることが好ましい。LTL/DTLが30未満では所望のスクリュー構成を得ることが困難となり、LTL/DTLが80を超えると樹脂の滞留時間が長くなり樹脂の分解劣化が進行しやすくなるため好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A−2)およびカーボンブラックマスターバッチ(MB)と、安定剤(C)及び/又は離型剤(D)、並びに必要により他の成分を、十分にドライブレンドした後、二軸押出機の原料供給部に供給し、溶融混練することにより得ることができる。溶融混練時の樹脂温度は、熱可塑性樹脂(A−2)によっても異なるが、好ましくは200〜350℃である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記した以外の各種樹脂添加剤等が挙げられる。
樹脂添加剤としては、例えば、充填材、難燃剤、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明の方法で製造された熱可塑性樹脂組成物は、カーボンブラックの凝集異物の発生が少なく分散性に優れ、成形品の強度低下等の問題がないので、例えば電気機器分野、電子機器分野、住宅関連分野、自動車分野、その他の各種の分野における成形品あるいは部品等として、幅広く利用することができる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
[カーボンブラックマスターバッチ(MB)の製造]
以下のカーボンブラックマスターバッチ(MB)の製造において、熱可塑性樹脂(A−1)としては、以下の表1に記載の熱可塑性樹脂を使用した。
Figure 0006944322
原料のカーボンブラックとして、以下の表2に記載のカーボンブラックを使用した。
Figure 0006944322
なお、上記したカーボンブラックのDp50および10μm以上の粒子割合は、セイシン企業社製のレーザー回折・散乱式粒度分布測定器「LMS−2000e」を用いて、カーボンブッラク試料を、0.5%の界面活性剤水溶液で超音波洗浄機で3分間分散させた後に、循環式にて粒度分布測定を行って求めた。
[カーボンブラックのジェットミル粉砕処理]
セイシン企業社製のシングルトラックジェットミル(横型ジェット粉砕機)「STJ−200」を用いて、上記表2に記載のカーボンブラックCB1、CB2及びCB4を、以下の表3に記載した処理条件で粉砕処理し、バグフィルターで回収して、粉砕処理したカーボンブラック(CB1−M1、CB2−M1、CB2−M2、CB4−M1)を得た。
Figure 0006944322
[カーボンブラックマスターバッチ(MB)の製造(製造例1〜8)]
押出機として、最上流部のC1(第1原料供給口)と、その下流のC5(第2原料供給口)及びC8(第3原料供給口)に供給口を有し、C4(オープンベント)、C7(オープンベント)及びC11(真空ベント)にベント口を備えた全12シリンダー構成(上流より、C1〜C12シリンダーと称す。)の東芝機械社製噛合い型同方向回転二軸スクリュー押出機「TEM37BS」を使用した。
第1原料供給口から熱可塑性樹脂(A−1)を供給し、カーボンブラックは、第2原料供給口および第3原料供給口から、それぞれサイドフィーダー(東芝機械社製「HSF−37」)を用いて、供給した。
スクリューアレンジは、第1原料供給部側から、搬送用フルフライトスクリュー部、可塑化用ニーディングスクリュー部、混練用ニーディングスクリュー部を備え、さらに第2原料供給口、第3原料供給口に対応して搬送用フライトスクリュー部、混練用ニーディングスクリュー部を備え、最下流には表4に記載したメッシュのスクリューメッシュを備えている。
表1に記載の熱可塑性樹脂(A−1)、並びに、表3に記載のジェットミル粉砕カーボンブラックもしくは未粉砕のカーボンブラックを、表4に記載した原料配合、供給条件及び押出条件にて、それぞれの供給口から上記二軸押出機に供給し、ノズル数4穴(円形(φ4mm、長さ1.5cm)から約1時間ストランドとして押出した。押出されたストランドを、温度を30〜50℃の範囲に調整した水槽に導入して冷却し、ペレタイザーに挿入してカッティングして、カーボンブラックマスターバッチ(MB−1〜8)のペレットを製造した。
評価方法は以下の通りである。
<押出し安定性>
製造例1〜8の条件でそれぞれ1時間運転したときの押出し安定性について
樹脂ベントアップ有無、押出機先端圧力上昇の有無、ストランド引き取り性について確認した。
<ストランド表面外観>
得られたストランドの表面外観を目視にて観察し、
表面の平滑性が高くブツのないものを○、
表面の平滑性はやや劣り、微小なブツがあるものを△、
表面の平滑性がなくざらつき感がありブツがあるもの×として評価した。
結果を以下の表4に示す。
なお、表4中、各供給量の「%」は全て「質量%」である。
Figure 0006944322
(実施例1〜5および比較例1〜4)
熱可塑性樹脂(A−2)、安定剤(C)及び離型剤(D)として、以下の表5に記載のものを使用した。
Figure 0006944322
前記表4に記載のカーボンブラックマスターバッチ(MB−1〜8)、上記表5に記載の熱可塑性樹脂(A−2)、安定剤(C)及び離型剤(D)を、後記表6〜7に記載した配合比で十分にドライブレンドした後、250℃に設定(実施例5のみ200℃に設定)した東芝機械社製噛合い型同方向回転二軸スクリュー押出機「TEM37BS」を用い、吐出量50kg/hr、スクリュー回転数400rpmの条件でペレット化した。
得られたペレットを120℃(実施例5のみ80℃)、6時間乾燥し、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80III」)を用い、シリンダー温度250℃(実施例5のみ210℃)、金型温度100℃(実施例5のみ80℃)、サイクル時間42secの条件で、引張試験評価用のISO試験片(厚さ4mm)をそれぞれ100本射出成形した。
[評価方法]
評価の方法は、以下の通りである。
引張試験評価は、ストログラフ(東洋精機製「APII」)を用い、引張速度500mm/min、チャック間距離70mmの条件にて、100本試験し、降伏前破断した本数をカウントした。
さらに、降伏前破断した試験片の破断面について、真空デバイス社製マルチコーター「VES−10」を用い、C源で膜厚25nmに蒸着した後に、SEM観察(装置:日立ハイテク製「SU8020」、測定条件:10kV−250倍〜1000倍)を行い、カーボンブラック凝集体の最大粒子径(円相当径)を測定した。
評価した結果を、以下の表6〜7に示す。
Figure 0006944322
Figure 0006944322
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、カーボンブラックの凝集異物が少なく分散性に優れた熱可塑性樹脂組成物を製造できるので、産業上の利用性は高い。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
    熱可塑性樹脂(A−1)50〜90質量%とジェットミル粉砕機で粉砕処理したカーボンブラック(B)50〜10質量%を二軸押出機に供給し溶融混練してスクリーンメッシュを通過させてカーボンブラックマスターバッチ(MB)を製造する工程、
    熱可塑性樹脂(A−2)及び前記カーボンブラックマスターバッチ(MB)、並びに、安定剤(C)又は離型剤(D)の少なくとも1種を、二軸押出機に供給し溶融混練して樹脂組成物中のカーボンブラックの含有量が0.1〜5質量%となる樹脂組成物を生成する工程を含み、
    前記粉砕処理したカーボンブラックのレーザー回折散乱法における平均粒子径(Dp50)が0.3〜5μmであり、且つ10μm以上である粒子径の割合が5%以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記スクリーンメッシュのメッシュが100メッシュ以上である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂(A−1)が、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリアセタール樹脂から選択される樹脂である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂(A−2)が、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリアセタール樹脂から選択される樹脂である請求項1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記粉砕したカーボンブラック(B)を、二軸押出機の少なくとも1箇所以上から多段供給する請求項1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 二軸押出機の上記カーボンブラック(B)の供給部に角フライト形状のスクリューを用いる請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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