JP2016155924A - ポリアミドマスターバッチペレット、それを用いたポリアミド樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ポリアミドマスターバッチペレット、それを用いたポリアミド樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】薄肉の難燃性と優れたヒンジ特性を有する成形品を与えるポリアミドマスターバッチペレット、それを用いて得られるポリアミド樹脂組成物及び成形体を提供する。
【解決手段】本発明のポリアミドマスターバッチペレットは、(A)ポリアミド樹脂60〜75質量部と、(B)メラミンシアヌレート系難燃剤40〜25質量部と、(C)界面活性剤とを含み、(C)成分が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1.1〜3.5質量部含まれてなる少なくとも1種のポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルであり、(B)成分が、長径2μm以下の粒子を(B)成分全体の2〜8質量%含み、且つ、長径10μm以上の粒子を(B)成分全体の17〜30質量%含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い難燃性を有するポリアミドマスターバッチペレット、それを用いたポリアミド樹脂組成物及び成形体に関する。
ポリアミド樹脂は、機械特性をはじめとして、成形加工性等において優れた特性を有するため、従来から自動車部品、電子電気部品、工業機械部品等各種部品に広く利用されている。特に靭性に優れることからコネクターやクリップ等のヒンジ部を備える成形品に用いられている。多くの場合、これらの製品には難燃性が要求される。難燃性ポリアミド樹脂において、特に環境負荷の観点から非ハロゲンの難燃剤を用いることが、更に望まれている。
このような難燃性ポリアミド樹脂の代表例として、メラミンシアヌレート系難燃剤を含む難燃性ポリアミド樹脂材料が挙げられ、例えば、電気電子分野においてコネクタやクリップ等のように、難燃性やはんだ耐熱性を要求される分野で広く利用されている(特許文献1、特許文献2)。特許文献3及び特許文献4では、予めメラミンシアヌレートの濃度の高いマスターバッチを作り、これを成形機等でポリアミド樹脂と混合してメラミンシアヌレート含有ポリアミド樹脂組成物を成形する方法が提案されている。
特開昭53−125459号公報 特開昭53−031759号公報 特開平08−245875号公報 特開平11−302536号公報
しかしながら、メラミンシアヌレート含有ポリアミド樹脂組成物は、メラミンシアヌレートがポリアミド樹脂中に充分に相溶せず、無機充填剤のように分散された状態で組成物中に含有されている。したがって、メラミンシアヌレート含有ポリアミド樹脂組成物を用いて得られた成形品は、ヒンジ特性が低下する傾向にあり、特許文献3または特許文献4に記載の成形法をもってしても、薄肉の難燃性(UL94)及びヒンジ特性を充分に満足する成形品を得ることはできない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、薄肉の難燃性と優れたヒンジ特性を有する成形品を得ることが可能なポリアミドマスターバッチペレット、及び、それを用いて得られるポリアミド樹脂組成物及び成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリアミド樹脂とメラミンシアヌレート系難燃剤とポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルを少なくとも1種含む界面活性剤とを特定の配合比で配合し、更に、メラミンシアヌレート系難燃剤の平均分散粒子径を特定の範囲とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリアミドマスターバッチペレットは、
(A)ポリアミド樹脂60〜75質量部と、
(B)メラミンシアヌレート系難燃剤40〜25質量部と、
(C)界面活性剤とを含み、
(C)成分が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1.1〜3.5質量部含まれてなる少なくとも1種のポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルであり、
(B)成分が、
長径2μm以下の粒子を、(B)成分全体の2〜8質量%含み、且つ、
長径10μm以上の粒子を、(B)成分全体の17〜30質量%含む。
本明細書において、(B)成分の粒子の長径は、測定対象の重心を通り、且つ、測定対象の外周の2点を結ぶ径のうちで最大の値を意味するものとする。また、(B)成分の粒子の長径は、ポリアミドマスターバッチペレットを切削して薄片とし、その切削面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて、500倍の倍率で観察し、画像解析装置を用いて観察されるメラミンシアヌレート系難燃剤粒子について測定した値とする。観察方向は、観察対象が円柱状ペレット形状の場合は、ペレット長辺に対してほぼ垂直な断面に切削し観察する。各粒径範囲の粒子の含有率は、粒子500個について測定した長径の値より算出したものとする。
本発明のポリアミドマスターバッチペレットにおいて、(B)成分は、長径2μm以下の粒子を(B)成分全体の2〜5質量%含み、且つ、長径10μm以上の粒子を(B)成分全体の18〜30質量%含むことが好ましい。
また、(C)成分と(B)成分の質量比である[C]/[B]は、0.045超0.09未満であることが好ましい。
(A)成分のポリアミド樹脂は、ポリアミド66の単量体単位50〜95質量%とポリアミド6の単量体単位5〜50質量%とからなるポリアミド66/6共重合体、または、かかる共重合体とポリアミド6とを含むものであることが好ましい。
本明細書において、「ポリアミドの単量体単位」とは、それぞれのポリアミドの繰り返し単位を意味する。
(B)成分のメラミンシアヌレート系難燃剤としては、メラミンシアヌレートが好ましい。
(C)成分の界面活性剤は、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、(B)成分の中位径(D50)は1〜10μmであることが好ましい。
本明細書において、中位径(D50)は、JISZ8901に定義されているとおり、粒体の粒子径分布において、ある粒子径より大きい粒子の質量が全粒体の質量の50%を占める時の粒子径を意味し、レーザー回折散乱法により測定された値とする。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記本発明のポリアミドマスターバッチペレット1〜40質量部と、(D)ポリアミド樹脂100質量部とを含むポリアミド樹脂組成物であって、
(D)成分のポリアミド樹脂が、98%硫酸相対粘度ηrが2.0〜2.6のポリアミド6,ηrが2.7〜3.0のポリアミド66,及びηrが2.5〜3.0のポリアミド66/6共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミドである。(D)成分のポリアミド樹脂は、ηrが2.0〜2.6のポリアミド6,ηrが2.7〜3.0のポリアミド66、ηrが2.5〜3.0のポリアミド66/6共重合体からなる群から選ばれる少なくとも2種のポリアミドであることが好ましい。
本明細書において、硫酸相対粘度ηrとは、JIS K6810に従って、98%硫酸での相対粘度を測定した値とする。
本発明の成形体は、上記本発明のポリアミドマスターバッチペレットを用いて製造されてなる、または、上記本発明のポリアミド樹脂組成物を用いて製造されてなるものである。
本発明のポリアミドマスターバッチペレットは、(A)ポリアミド樹脂60〜75質量部と、(B)メラミンシアヌレート系難燃剤40〜25質量部と、(C)少なくとも1種のポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルとを含み、(C)成分が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1.1〜3.5質量部含まれてなり、(B)成分が、長径2μm以下の粒子を(B)成分全体の2〜8質量%含み、且つ、長径10μm以上の粒子を(B)成分全体の17〜30質量%含んだ構成としている。かかる構成によれば、薄肉の難燃性に優れるだけでなく、ヒンジ特性に優れる成形品を得ることが可能なポリアミドマスターバッチペレットを提供することができる。
ヒンジ特性の試験に用いる成形品の上面図である。 ヒンジ特性の試験に用いる成形品の側面図である。
「ポリアミドマスターバッチペレット」
以下、本発明のポリアミドマスターバッチペレットについて詳述する。
本発明のポリアミドマスターバッチペレットは、
(A)ポリアミド樹脂60〜75質量部と、
(B)メラミンシアヌレート系難燃剤40〜25質量部と、
(C)少なくとも1種のポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルとを含み、
(C)成分が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1.1〜3.5質量部含まれてなり、
(B)成分が、
長径2μm以下の粒子を、(B)成分全体の2〜8質量%含み、且つ、
長径10μm以上の粒子を、(B)成分全体の17〜30質量%含むものである。
以下、各成分について詳細に説明する。
[(A)成分:ポリアミド樹脂]
本発明において、ポリアミド樹脂((A)成分、以下ポリアミド樹脂(A)とも記載する。)は、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体であり、例えば、ポリカプロラクタム(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンシクロヘキシルアミド(ポリアミド6C)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカラクタム(ポリアミド11)、ポリドデカラクタム(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)及びこれらのうち少なくとも2種類の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合体、ならびにこれらの混合物などが挙げられる。
中でも、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6I、及び、これらのうち少なくとも2種類の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合体、ならびにこれらの混合物などが好ましい。
本発明において、ポリアミド樹脂(A)は、ヒンジ特性の観点で、ポリアミド66の単量体単位50〜95質量%と、ポリアミド6の単量体単位5〜50質量%とを含むポリアミド共重合体が好ましく、かかるポリアミド共重合体とポリアミド6との混合物がより好ましい。
[(B)成分:メラミンシアヌレート系難燃剤]
本発明において、メラミンシアヌレート系難燃剤((B)成分、以下、メラミンシアヌレート系難燃剤(B)とも記載する。)は、メラミンまたはその誘導体と、シアヌル酸またはその誘導体との反応物であり、かかる反応物であれば特に限定されない。メラミンシアヌレート系難燃剤は、例えば、シアヌル酸またはその誘導体の水溶液中に、メラミンまたはその誘導体を添加して、90〜100℃程度で撹拌する。反応生成物として得られた沈殿物を濾過乾燥後、粉砕して微粉末とすることにより製造することができる。
好ましいメラミンシアヌレート系難燃剤としては、メラミンとシアヌル酸との等モル反応物であるメラミンシアヌレートが挙げられる。メラミンシアヌレートはその中に未反応のメラミンやシアヌル酸を0.001質量%以上0.30質量%以下含んでいてもよい。このようなメラミンシアヌレートは市販されており、本発明では、工業的に入手可能な市販のメラミンシアヌレートを適宜使用することができる。
本発明において、(B)成分は、長径2μm以下の粒子を(B)成分全体の2〜8質量%含み、且つ、長径10μm以上の粒子を(B)成分全体の17〜30質量%含むものであり、長径2μm以下の粒子を(B)成分全体の2〜5%、長径10μm以上の粒子を(B)成分全体の18〜30%含むことが好ましい。この範囲の分散形態にすることにより、ポリアミドマスターバッチペレットを用いた樹脂組成物、及び成形体の難燃性とヒンジ特性のバランスが向上する。
また、メラミンシアヌレート系難燃剤(B)の中位径(D50)は、メラミンシアヌレート系難燃剤(B)の分散性の観点で、1μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmがより好ましく、1μm〜3μmが特に好ましい。メラミンシアヌレート系難燃剤(B)の中位径が1μm以上であることにより、ハンドリングが容易となり、メラミンシアヌレート系難燃剤(B)の凝集性悪化を抑制することができる。メラミンシアヌレート系難燃剤(B)の中位径が10μm以下であることにより、ポリアミドマスターバッチペレットにおける分散性とハンドリングとのバランスに優れる。
ポリアミドマスターバッチペレット中のメラミンシアヌレート系難燃剤(B)の含有量は、難燃性と引張特性(引張強度及び引張破断伸度)の観点から、ポリアミド樹脂(A)とメラミンシアヌレート系難燃剤(B)の合計100質量部に対して25質量部〜40質量部であり、30質量部〜40質量部であることが好ましく、35質量部〜40質量部であることがより好ましい。
[(C)成分:界面活性剤]
本発明のポリアミドマスターバッチペレットに含まれる界面活性剤((C)成分、以下、界面活性剤(C)とも記載する。)は、ポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルを少なくとも1種含む界面活性剤である。
ポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリアルキレン多価アルコールと、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、エルカ酸などの脂肪族カルボン酸と、のエステルまたはその誘導体が挙げられ、これらは工業的に入手が容易である。メラミンシアヌレート系難燃剤(B)の分散性の観点から、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステルが好ましく、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸(炭素数12個以上)エステルまたはその誘導体がより好ましい。
好適なポリエチレングリコールの高級脂肪酸エステルとしては、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエートが挙げられる。
また、好適なポリエチレングリコールの高級脂肪酸エステル誘導体としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが挙げられる。
界面活性剤(C)としては、上記ポリエチレングリコールの高級脂肪酸エステル及びポ高級脂肪酸エステル誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特にポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエートが好ましい。
ポリアミドマスターバッチペレット中の界面活性剤(C)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)及びメラミンシアヌレート系難燃剤(B)の合計100質量部に対し、1.1質量部〜3.5質量部であり、1.2〜2.7質量部が好ましく、1.2〜1.9質量部がより好ましい。
また、(B)成分の含有量に対する質量比[C]/[B]は、0.045超0.09未満であることが、本発明のポリアミドマスターバッチペレットを用いて製造されるポリアミド樹脂組成物及び成形体における機械物性と加工性、難燃性の観点において好ましい。[C]/[B]は、0.05超0.07未満であるとより好ましく、0.05超0.065未満であると更に好ましい。(B)成分と(C)成分の質量比[C]/[B]を上記範囲とすることで、難燃性とヒンジ特性とのバランス、更にメヤニが一層改良される。メヤニが優れるメカニズムの詳細は明らかになっていないが、(C)成分が(A)成分の可塑化剤として作用している、と推測される(但し、本実施形態の作用効果はこれに限定されない)。
本発明のポリアミドマスターバッチペレットの製造方法は特に限定されず、種々の方法で製造することができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練して溶融組成物とし、溶融組成物をペレタイズすることにより製造することができる。
例えば、少なくとも1機の原料供給装置を用いて二軸押出機の第一供給口から上記(A)〜(C)成分を投入して溶融混練し、その後、その溶融した(A)〜(C)成分の混練物をストランド状に送出し、水冷後、カッティングすることによりペレタイズする方法を例示できる。なお、ペレットの形状は、特に限定されるものではなく、例えば、粉状、直方体状、フレーク状、球状、円柱状、マーブル状、タブレット状等やこれらの混合物等が挙げられる。これらの内、成形の際の取扱い性や、製造工程における取扱い性、あるいは、均一な結晶化の観点から、球状、円柱状、または、マーブル状、タブレット状が好ましい。
また、メラミンシアヌレート系難燃剤(B)の分散性の観点で、ポリアミド樹脂(A)と、メラミンシアヌレート系難燃剤(B)と、界面活性剤(C)とをそれぞれ別の少なくとも1機の原料供給装置を用いて二軸押出機の第一供給口から投入する方法や、設備の簡略化の観点で、ポリアミド樹脂(A)表面に界面活性剤(C)を展着した後に、メラミンシアヌレート系難燃剤(B)を展着させたブレンド物を少なくとも1機の原料供給装置を用いて二軸押出機の第一供給口から投入して、必要に応じて、メラミンシアヌレート系難燃剤(B)を、ブレンド物を供給する原料供給装置とは別の少なくとも1機の原料供給装置を用いて二軸押出機の第一供給口から投入して溶融混練する方法が好ましい。溶融混練方法としては、単軸押出機、若しくは二軸押出機を用いた溶融混練方法が好ましい。原料供給装置に投入するブレンド物は、すべての成分、または任意の2成分をミキサー、コーンブレンダー等により混合してよい。
二軸押出機としては、具体的に、COPERION社製のZSKシリーズ、東芝機械(株)製のTEMシリーズ、日本製鋼所(株)製のTEXシリーズなどが挙げられ、二軸押出機のL/D(スクリュー有効長/スクリュー外径)が20以上60以下の範囲のものが好ましく、30以上50以下の範囲のものが好ましい。
混練溶融する際の温度は、生産性と熱劣化の抑制の観点から、ポリアミド樹脂(A)の融点より5〜30℃高い温度であることが好ましく、5〜20℃高い温度であることがより好ましい。
二軸押出機に原料を供給するための原料供給装置は特に限定されず、単軸スクリューフィーダー、二軸スクリューフィーダー、テーブルフィーダー、ロータリーフィーダー、液体供給ポンプなどが使用できる。中でもロスインウェイトフィーダーが、原料供給の変動誤差が少なく好ましい。
本発明のポリアミドマスターバッチペレットは、上記のように構成されている。後記実施例に示されるように、上記本発明のポリアミドマスターバッチペレットを用いて得られたポリアミド樹脂組成物、及び、成形体は、薄肉の難燃性に優れるだけでなく、ヒンジ特性に優れる成形品を得ることが可能である。
「ポリアミド樹脂組成物」
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記本発明のポリアミドマスターバッチペレット1〜40質量部と、(D)ポリアミド樹脂100質量部とを含むポリアミド樹脂組成物であって、
(D)成分のポリアミド樹脂が、98%硫酸相対粘度ηrが2.0〜2.6のポリアミド6,ηrが2.7〜3.0のポリアミド66,及びηrが2.5〜3.0のポリアミド66/6共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミドである。
(D)成分のポリアミド樹脂(以下、ポリアミド樹脂(D)とも記載する)は、好ましくは、98%硫酸相対粘度ηrが2.0〜2.6のポリアミド6,ηrが2.7〜3.0のポリアミド66、ηrが2.5〜3.0のポリアミド66/6共重合体からなる群から選ばれる少なくとも2種のポリアミドである。
ポリアミドの硫酸相対粘度を上記範囲にすることで、難燃性、ヒンジ特性のバランスが優れる樹脂組成物を得ることができる。ここで、(A)成分、(D)成分は同一のポリアミド樹脂であってもよいし、異なるポリアミド樹脂であってもよい。
難燃性とヒンジの観点から、最終的に得られるポリアミド樹脂組成物中のメラミンシアヌレート系難燃剤(B)の含有量は、1質量%〜10質量%であり、2質量%〜7質量%であることが好ましく、3質量%〜6質量%であることがより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて本実施の形態の目的を損なわない範囲で、慣用的に用いられる充填剤、例えば、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、マイカ、タルク、粘土鉱物、アルミナ、シリカ、及びアパタイトなどの無機充填剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、すず酸亜鉛、ヒドロキシすず酸亜鉛、ポリリン酸アンモニウム、サクシノグアナミン、ポリリン酸メラミン、硫酸メラミン、フタル酸メラミン、及びリン酸アルミニウムなどの難燃剤、チタンホワイト及びカーボンブラックなどの顔料や着色剤、次亜リン酸ソーダなどの亜リン酸金属塩、ヒンダードフェノール及びヒンダードアミンに代表される熱安定剤、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルなどの滑剤、種々の可塑剤、ならびに帯電防止剤などの各種添加剤を加えることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記ポリアミドマスターバッチペレットを準備する工程と、準備したポリアミドマスターバッチペレットと上記ポリアミド樹脂(D)とを溶融混練する工程とを実施して製造することができる。好適な溶融混練方法は、既に、ポリアミドマスターバッチペレットの製造方法について説明した段落にて記載した方法と同様の方法が挙げられる。
以上説明した本発明のポリアミド組成物は、上記本発明のポリアミドマスターバッチペレットを用いて製造されたものであるので、薄肉の難燃性に優れるだけでなく、ヒンジ特性に優れる成形品を得ることが可能である。
また、本発明の成形体は、上記本発明のポリアミドマスターバッチペレットを用いて製造されてなるものである。従って、薄肉の難燃性に優れるだけでなく、ヒンジ特性に優れたものとなる(後記実施例を参照)。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載した物性評価は、以下のように行った。
「物性評価方法」
<硫酸相対粘度>
JIS K6810に従って98%硫酸での相対粘度を測定した。
<中位径>
島津製作所(株)製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000を用いた。試料を純水に分散させたものを測定試料とし、フローセルを用いて測定を行った。横軸に粒子径を、縦軸に頻度(質量)をとってプロットし、頻度の累積質量の総和を100%とした時に累積質量が50%となる粒子径を中位径(D50)とした。
<(B)成分の粒径(分散径(長径))>
ポリアミドマスターバッチのペレットを切削し、その切削面をSEMを用いて500倍の倍率で観察し、画像解析装置画像解析ソフト(Media Cybernetics社製 Image−Pro Plus 5.0J)を用いて粒径を測定した。なお、長径は測定対象の重心を通り、且つ、測定対象の外周の2点を結ぶ径のうちで最大の値とした。
「樹脂組成物の各成分の製造」
[ポリアミド(A)]
(a−1)ポリアミド66
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で充分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を充分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66樹脂の硫酸相対粘度が2.7となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66樹脂を排出し、水冷及びカッティングを経て、ペレット状のポリアミド66樹脂を得た。このペレットを80℃、24時間の条件で真空乾燥した。
硫酸相対粘度ηrは、2.7であった。
(a−2)ポリアミド66
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で充分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を充分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66樹脂の硫酸相対粘度が2.9となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66樹脂を排出し、水冷及びカッティングを経て、ペレット状のポリアミド66樹脂を得た。このペレットを80℃、24時間の条件で真空乾燥した。
硫酸相対粘度ηrは、2.9であった。
(a−3)ポリアミド66
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で充分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を充分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66樹脂の硫酸相対粘度が2.6となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66樹脂を排出し、水冷及びカッティングを経て、ペレット状のポリアミド66樹脂を得た。このペレットを80℃、24時間の条件で真空乾燥した。
硫酸相対粘度ηrは、2.6であった。
(a−4)ポリアミド66
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で充分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を充分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66樹脂の硫酸相対粘度が4.3となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66樹脂を排出し、水冷及びカッティングを経て、ペレット状のポリアミド66樹脂を得た。このペレットを80℃、24時間の条件で真空乾燥した。
硫酸相対粘度ηrは、4.3であった。
(a−5)ポリアミド66/6共重合体
ポリアミド66/6(90質量%/10質量%)共重合体を形成する重合成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩及びε−カプロラクタム)の50質量%水溶液を30kg作製した。続いて、撹拌装置を有し、かつ下部に抜出しノズルを有する40リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度下、よく攪拌した。そして、窒素で充分に置換した後、撹拌しながら温度を50℃から約270℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして約1.8Mpaになるが、圧力が1.8Mpa以上にならないよう水を系外に除去しながら、目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、下部ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷・カッティングを行い、ポリアミド66/6共重合体ペレットを得た。このポリアミド66/6共重合体ペレットを80℃、24時間の条件で真空乾燥した。
硫酸相対粘度ηrは2.76であった。
(a−6)ポリアミド6
宇部興産(株)製UBEナイロン(登録商標)6「SF1013A」を使用した。
硫酸相対粘度ηrは2.6であった。
(a−7)ポリアミド6
宇部興産(株)製UBEナイロン(登録商標)6「1010X1」を使用した。
硫酸相対粘度ηrは2.0 であった。
[メラミンシアヌレート系難燃剤(B)]
(b−1):メラミンシアヌレート 中位径(D50):2.6μm
(b−2):メラミンシアヌレート 中位径(D50):8μm
(日産化学工業(製) MC−4000)
(b−3):メラミンシアヌレート 中位径(D50):190μm
(三菱化学工業(株)製 MCA−C0)
[界面活性剤(C)]
(c−1)PEM:ポリオキシエチレンモノラウレート
(花王(株)製エマノーン(登録商標)1112)
「ポリアミドマスターバッチペレットの製造」
[製造例1]ポリアミドマスターバッチペレット(PA−MB1)
(a−5)のPA66/6共重合体ペレットと(a−6)のPA6ペレット、及び、(c−1)の界面活性剤を混合して、(A)成分のポリアミドのペレットに(C)成分の界面活性剤を展着して第1のブレンド物を得た。得られた第2のブレンド物に(b−1)のメラニンシアヌレートを更にブレンドし、第2のブレンド物を得た。第2のブレンド物を二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35BS、二軸同方向スクリュー回転型、L/D=47.6)の第一供給口へ供給し、バレル温度250℃〜260℃、吐出量30kg/hr、スクリュー回転数300rpmで溶融押出しを行った。押出機先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行い、本発明のポリアミドマスターバッチペレット(PA−MB1)を得た。
[製造例2〜6](PA−MB2〜PA−MB6)
(A)成分の共重合体ペレット(a−5)と(a−6)の配合比、及び(B)成分の種類、更に、各成分の組成比を表1に記載のとおりとした以外は、製造例1と同様にして本発明のポリアミドマスターバッチペレット(PA−MB2,PA−MB4)、及び比較例のポリアミドマスターバッチペレット(PA−MB3,PA−MB5,PA−MB6)を得た。
「ポリアミド樹脂組成物及び成形体の製造」
[実施例1]
ポリアミドマスターバッチペレット(PA−MB1)と、(D)成分のポリアミド樹脂として上記(a−1)のPA66及び(a−6)のPA6を用意し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35BS、二軸同方向スクリュー回転型、L/D=47.6)の第一供給口へ供給した。バレル温度270℃、吐出量30kg/hr、スクリュー回転数150rpmで溶融押出しを行った。押出機先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行い、本発明のポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
作製した各例のポリアミド樹脂組成物のペレットを用いて、難燃性(UL−94)垂直燃焼試験測定用テストピース(成形体)を射出成形により成形した。テストピースは、厚み0.38mmのものと0.71mmのものの2種類とした。射出成形は、ポリアミド樹脂組成物のペレットを、260〜280℃に設定した射出成形機に供給し、金型温度80℃の条件で実施した。
更に、ヒンジ特性評価に用いる成形体として、得られたペレットを射出成形機(日精工業社製、「PS40E」、シリンダー温度270℃、金型温度80℃)を用いて、図1及び図2に示すヒンジ成形品1(成形体)を成形した。図1は、ヒンジ成形品1の上面図であり、図2はヒンジ成形品1の側面図である。ヒンジ成形品1はヒンジ部22を備えている。
[実施例2〜7、比較例1〜5]
ポリアミドマスターバッチペレットの種類(PA−MB1〜6)、及び、(D)成分のポリアミド樹脂の種類((a−1)〜(a−7))、更に、それらの仕込み組成を表2の通りとした以外は実施例1と同様にして各例のポリアミド樹脂組成物のペレットを作製し、これを用いて難燃性(UL−94)垂直燃焼試験測定用テストピース(成形体)、ヒンジ成形品1(成形体)を作製した。
[実施例8]
ポリアミドマスターバッチペレット(PA−MB1)と、(D)成分のポリアミド樹脂として上記(a−5)のポリアミド66/6共重合体及び(a−6)のPA6を用意し、溶融押出し時のバレル温度を250℃とした以外は実施例1と同様にして溶融押出しを行い、押出機先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行い、本発明のポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。更に、得られたペレットを用いて難燃性(UL−94)垂直燃焼試験測定用テストピース(成形体)、ヒンジ成形品1(成形体)を作製した。
[比較例6]
PA−MB1を添加せず、その他は、実施例3と同組成及び同製造条件でポリアミド樹脂組成物のペレットを作製し、これを用いて難燃性(UL−94)垂直燃焼試験測定用テストピース(成形体)、ヒンジ成形品1(成形体)を作製した。
「難燃性及びヒンジ特性の評価」
各例のポリアミド樹脂組成物及びヒンジ成形品について以下のようにして、難燃性及びヒンジ特性の評価を行った。
<ヒンジ特性>
作製した各例のヒンジ成形品1について、23℃、50%RH雰囲気下で自動繰り返しヒンジ試験機(東洋精機社製)を用いて、ヒンジ部22を180°まで折り曲げて、元の位置(0°)に戻す動作を33回/分の速度で繰り返し、破壊するまでの折り曲げ回数を測定してヒンジ特性とした。
また、低温ヒンジ特性として、ヒンジ成形品1を5℃、及び、−20℃環境下に2時間静置後、試験片を手で180°折り曲げ、20本のうち破断した試験片本数を数え、次のように評価した。
○:破断数0〜5本
△:破断数6〜10本
×:破断数11本以上
<難燃性(UL94)>
5本のテストピースを用いて、UL−94垂直燃焼試験に基づきV−0、V−1、V−2、HBの判定を実施した。
各例の成形体の評価結果を表2に示す。表2に示されるように、本発明によれば、薄肉の難燃性に優れるだけでなく、ヒンジ特性に優れたポリアミド樹脂組成物及びその成形体を得ることができる。
また、上記比較例6の評価の結果、UL94(0.38mm)はV−2、ヒンジ特性は7630回であった。
本発明のポリアミドマスターバッチペレット、及びポリアミド樹脂組成物、並びに成形体は、高い難燃性を有する為、様々な機械工業部品や電気電子部品、特にコネクタなどの産業用材料として有用である。
1 ヒンジ成形品
22 ヒンジ部

Claims (12)

  1. (A)ポリアミド樹脂60〜75質量部と、
    (B)メラミンシアヌレート系難燃剤40〜25質量部と、
    (C)界面活性剤とを含み、
    該(C)成分が、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、1.1〜3.5質量部含まれてなる少なくとも1種のポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルであり、
    前記(B)成分が、長径2μm以下の粒子を前記(B)成分全体の2〜8質量%含み、且つ、長径10μm以上の粒子を前記(B)成分全体の17〜30質量%含むポリアミドマスターバッチペレット。
  2. 前記(B)成分が、長径2μm以下の粒子を前記(B)成分全体の2〜5質量%含み、且つ、長径10μm以上の粒子を前記(B)成分全体の18〜30質量%含む、請求項1記載のポリアミドマスターバッチペレット。
  3. 前記(C)成分と前記(B)成分の質量比である[C]/[B]が0.045超0.09未満である請求項1または2に記載のポリアミドマスターバッチペレット。
  4. 前記(A)成分のポリアミド樹脂が、ポリアミド66の単量体単位50〜95質量%とポリアミド6の単量体単位5〜50質量%とからなるポリアミド66/6共重合体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミドマスターバッチペレット。
  5. 前記(A)成分のポリアミド樹脂が、ポリアミド66の単量体単位50〜95質量%とポリアミド6の単量体単位5〜50質量%とからなるポリアミド66/6共重合体と、ポリアミド6とを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミドマスターバッチペレット。
  6. 前記(B)成分のメラミンシアヌレート系難燃剤がメラミンシアヌレートである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミドマスターバッチペレット。
  7. 前記(C)成分の界面活性剤が、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、及びポリオキシエチレンソルビタントリオレエートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミドマスターバッチペレット。
  8. (B)成分の中位径(D50)が1〜10μmである請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミドマスターバッチペレット。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載したポリアミドマスターバッチペレット1〜40質量部と、(D)ポリアミド樹脂100質量部とを含むポリアミド樹脂組成物であって、
    前記(D)成分のポリアミド樹脂が、
    98%硫酸相対粘度(JIS K6810準拠)ηrが2.0〜2.6のポリアミド6,前記ηrが2.7〜3.0のポリアミド66,及び前記ηrが2.5〜3.0のポリアミド66/6共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミドであるポリアミド樹脂組成物。
  10. 前記(D)成分のポリアミド樹脂が、前記ηrが2.0〜2.6のポリアミド6,前記ηrが2.7〜3.0のポリアミド66、前記ηrが2.5〜3.0のポリアミド66/6共重合体からなる群から選ばれる少なくとも2種のポリアミドである、請求項9に記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項記載のポリアミドマスターバッチペレットを用いて製造されてなる成形体。
  12. 請求項9または10記載のポリアミド樹脂組成物を用いて製造されてなる成形体。
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