JP7132571B2 - タルク粒子及び樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、タルク粒子及び樹脂組成物に関する。
樹脂成形体を作製する際には、機械的強度等の物性向上を目的として、樹脂原料に充填材が配合されるのが通常であり、その充填材としては例えばタルクが汎用されている。タルクは造岩鉱物の中で最も柔らかく、劈開性をもち剥離しやすく、滑感にも富み、さらに化学的にも安定していることから、各種原料と混合して広く使われている。
タルクはその優れた汎用性から、プラスチック(樹脂)、製紙、化粧品、医薬、肥料、塗料、セラミックス等の幅広い分野で適用されている。例えば、タルクを配合した樹脂組成物は、自動車部品、家電製品部品又は事務機器部品等の各種の分野に広く使用されている。
一方で、各種の分野における技術の高度化に伴い、材料の段階で高度な物性レベルを実現しようとする傾向が高まっている。汎用されているタルクについても、その本来有している有効な物性を引き出すべく、種々の改良がなされている。
タルクの改良として、例えば特許文献1では、タルクの平均粒径やアスペクト定数等を調整して、これを含む樹脂組成物の物性の向上が試みられている。
特開2011-74130号公報
ここで、特許文献1で規定されているアスペクト定数とは、レーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)と遠心沈降法によるメディアン径D50(S))とから、{D50(L)-D50(S)}/D50(S)の式に基づいて算出されている。しかし、当該式から明らかなように、アスペクト比の算出に本来必要とされるタルクの実際の厚みは、考慮されていない。これは、樹脂に分散した際のタルクの厚みを測定できる手法がないためである。
本発明者らは、タルクを含有し引張破断伸びに優れる樹脂を調製する場合、そのタルクの形状を設計する際には、タルクの実際の厚みが重要であるとの知見を得た。すなわち、実際の厚みを考慮したタルク材料の設計ができれば、厚み(薄厚)に起因する機能を効率よく、かつ十分に発揮させることができる。しかし、樹脂に分散した状態での実際の厚みを測定できるという手法はなく、タルクの実際の厚みを考慮して樹脂組成物の特性を向上させることは難しかった。
例えば、厚みが0.3μm以下として市販されているタルクでも、その厚みの測定方法は遠心沈降法を用いたもので、現実的な厚みを示すものではなく、一応の目安でしかない場合がある。また、断面のSEM写真から厚みを測定するものもあるが、測定部分が真に断面部分であるかは疑わしく、かつ測定サンプル数も10個程度の場合が多く、現実的な厚みの測定値とは言いがたい。そして、このような材料を用いた場合、物性にムラが生じてしまう懸念がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、タルク粒子の実際の厚みが考慮され、引張強度及び引張破断伸びに優れる樹脂成形体を作製できる樹脂組成物に好適なタルク粒子を提供することを目的とする。また、引張強度及び引張破断伸びに優れる樹脂成形体を作製できる樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、実際のタルク厚みを考慮できる断面観察から求めた平均厚みが0.30μm以下で、その断面観察から求めた厚み分布の標準偏差所定値以下とし、所定のメジアン径としたタルク粒子により、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] 樹脂成形体の長さ方向にタルク粒子が配向して分散した状態で、前記長さ方向に垂直な断面における断面観察から求めた前記タルク粒子の厚み分布における前記タルク粒子の平均厚みが0.30μm以下であり、粒度分布測定によるメジアン径が2μm以上であり、前記断面観察から求めた厚み分布の標準偏差が、0.15μm以下であるタルク粒子。
[2] 前記タルク粒子の平均厚みに対する、前記断面観察から求めた厚み分布の標準偏差の比(標準偏差/平均厚み)である変動係数が、0.5以下である[1]に記載のタルク粒子。
[3] 前記メジアン径と前記平均厚みとの比であるアスペクト比(メジアン径/平均厚み)が7以上である[1]又は[2]に記載のタルク粒子。
[4] [1]~[3]のいずれかに記載のタルク粒子と樹脂成分とを含有する樹脂組成物。
本発明によれば、タルク粒子の実際の厚みが考慮され、引張強度及び引張破断伸びに優れる樹脂成形体を作製できる樹脂組成物に好適なタルク粒子を提供することができる。また、引張強度及び引張破断伸びに優れる樹脂成形体を作製できる樹脂組成物を提供することができる。
タルク粒子が樹脂中に配向分散した状態を示す試料の断面写真である。
[1]タルク粒子
(タルク粒子)
本発明のタルク粒子の一態様は、樹脂成形体の長さ方向にタルク粒子が配向して分散した状態で、長さ方向に垂直な断面における断面観察から求めたタルク粒子の厚み分布におけるタルク粒子の平均厚みが0.30μm以下となっており、粒度分布測定によるメジアン径が2μm以上で、上記断面観察から求めた厚み分布の標準偏差が、0.15μm以下となっている。
まず、当該断面観察によれば、分散したタルク粒子の各断面の存在が確認でき、これらの厚みを測定して求めることで、より現実的な厚み情報が得られる。
そして、タルク粒子を含有し引張強度、引張破断伸びに優れる樹脂を調製する場合、そのタルク粒子の形状を設計する際には、タルク粒子の板面の長さを維持したまま、厚みを0.30μm以下まで薄くすることが重要であるとの知見を得た。しかし、タルク粒子は微粒化するにつれ粉々になり、板面の長さも粒子の厚みも共に小さくなってアスペクト比は小さくなり、結果として引張強度、引張破断伸びの低減を引き起こす。
そこで、本発明では、平均厚みを0.30μm以下としながらもメジアン径が大きい、すなわち板面が大きく、厚みの標準偏差を規定することで薄厚のタルク粒子とし、引張強度、引張破断伸びに優れる樹脂成形体を作製できるようになった。
タルク粒子の厚みの測定方法として、タルク粒子を単に走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察して算出する方法を開示している文献がある。しかし、この方法では、タルク粒子が斜めになって側面を正確に表していない状態であったり、厚みの測り易いものを選んでしまい測定対象が偏ってしまったり、測定数が数点ほどしかなかったりといった場合が多く、厚み精度という観点では信頼性が低い。すなわち、実際の厚みに近い状態を考慮して、その分布等を意図的に制御することは非常に困難と考えられる。
一方で、本態様に係る断面観察では、後述するような手法によるため、樹脂成形体の長さ方向にタルク粒子の長さ方向が配向する。そのため、樹脂成形体の長さ方向に垂直な断面は、タルク粒子の厚さ方向の断面となる。したがって、このタルク粒子の断面の厚みを測定してその分布を求めることで、より現実的な平均厚みが得られる。そして、この平均厚みが0.30μm以下であることで、タルク粒子の実際の厚みが考慮され、さらに、粒度分布測定によるメジアン径が2μm以上であり、断面観察から求めた厚み分布の標準偏差が、0.15μm以下であることで、引張破断伸びに優れる樹脂成形体を作製できる樹脂組成物が得られる。
上記平均厚みは0.26以下であることが好ましく、0.24μm以下であることがより好ましい。また、実際的には、上記平均厚みは0.03μm以上であることが好ましく、0.04μm以上であることがより好ましい。
ここで、断面観察から厚みを求めるための厚み測定算出方法を説明する。
(1)まず、ポリプロピレン樹脂に15質量%となるようにタルク粒子を配合して、樹脂組成物を作製する。
(2)作製した樹脂組成物を射出成型して、試験片(樹脂成形体)を作製する。試験片は、タルク粒子断面を200個以上測定できるような形状であれば特に限定されない。
(3)当該試験片を液体窒素中に10分以上載置して、この液体窒素中で当該試験片の中央部付近を長手方向に対して垂直に破断する。
(4)液体窒素から破断した試験片を取り出し、破断面をSEM観察できる大きさに調整し、その破断面(断面)をSEMで観察する。SEM写真の例を図1に示す。図1に示されるように、タルク粒子は試験片の長さ方向に配向しており、その厚さ方向の断面が非常に明確に確認できる。
(5)断面に存在するタルク粒子の最大厚みを、使用したSEMに付属する計測ソフト等により200個計測し、その平均からタルク粒子の平均厚み、厚み分布の標準偏差、変動係数等を求める。
粒度分布測定によるタルク粒子のメジアン径は、2μm以上であり、3~15μmであることが好ましく、3~13μmであることがより好ましく、3~12μmであることがより好ましい。2μm未満では、タルク粒子の板面の大きさが十分でなく、成形体とした際の弾性率を良好にすることができない。その結果、引張強度が低下してしまう。タルク粒子のメジアン径は後述の実施例に記載の方法により求めることができる。
断面観察から求めた厚み分布の標準偏差が、0.15μm以下であり、0.01~0.13μmであることが好ましく、0.02~0.12μmであることがより好ましい。標準偏差が0.15μmを超えると、タルク粒子の板面が小さく厚みの大きい粒子が増えてしまい、樹脂組成物の成形体とした際にこの粒子が破壊点となって引張破断伸びが低下してしまう。
断面観察から求めた厚み分布の標準偏差の比(標準偏差/平均厚み)である変動係数は0.5以下であることが好ましく、0.03~0.43であることがより好ましく、0.07~0.40であることがさらに好ましい。標準偏差が、0.5以下であることでタルク粒子の板面が小さく厚みの大きい粒子が増えてしまい、樹脂組成物の成形体とした際にこの粒子が破壊点となって引張破断伸びが低下してしまう。
メジアン径と平均厚みとの比であるアスペクト比(メジアン径/平均厚み)は7以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、16以上であることがさらに好ましい。また、35以下であることが好ましく、30以下がより好ましい。アスペクト比が7以上であることでタルク粒子の厚みに対する板面の割合が大きくなり、樹脂組成物の成形体とした際に引張強度を向上させることができる。
タルク粒子はその用途に応じて、公知の方法で表面処理を施してもよい。表面処理のための表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等が挙げられる。例えば、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤で表面処理されたタルク粒子は、配合する樹脂との親和性が向上する。そして、その樹脂組成物の成形体は、引張強度や引張破断伸びが優れるだけでなく、衝撃強度、表面硬度等も優れたものになる。
(タルク粒子の製造方法)
本発明の一態様としてのタルク粒子の製造方法は、タルク原料を粉砕する粉砕工程と、粉砕後のタルク粒子の平均厚みを測定して検査する検査工程とを含む、タルク粒子の製造方法である。タルク粒子の平均厚みは既述のとおり、樹脂成形体の長さ方向にタルク粒子が配向して分散した状態で、その長さ方向に垂直な断面における断面観察(既述の断面観察)から求められるものである。
(1)粉砕工程
タルク粒子となるタルク原料としては、アメリカ産、インド産、オーストラリア産、中国産、パキスタン産、ヨーロッパ産等の滑石が挙げられる。
タルク原料を粉砕するための粉砕手段としては、種々の装置を使用することができるが、本発明のタルク粒子を効率よく得ることを考慮すると、ウォータジェットによる粉砕処理、又はローラーミルによる粉砕後に空気分級機等で分級を行う処理を採用することが好ましい。
ウォータジェットによる粉砕処理としては、最高245MPaに加圧した原料同士を斜向衝突させることにより、分散・粉砕行う湿式微粒化装置を用いることが好ましい。
また、ローラーミルによる粉砕後に空気分級機等で分級を行う場合、当該空気分級機等で0.6μm以上の粗粒子を除去する分級を行うことが望ましい。この場合の粗粉排出量は所望の粒径により適宜設定する。
上記いずれの処理でも、タルク粒子のメジアン径が2μm以上になるように粉砕の条件を設定することが好ましい。これにより、タルク粒子の平均厚みが0.30μm以下であり、粒度分布測定によるメジアン径が2μm以上であり、断面観察から求めた厚み分布の標準偏差が、0.15μm以下であるタルク粒子が得られる。
一方、粉砕処理としてビーズミルによる処理があるが、本発明では採用しないことが好ましい。ビーズミルによる処理では、ランダムに粉砕が進み厚みやアスペクト比を制御できず、丸まった形状となって本発明に係るタルク粒子が得られない。
(2)検査工程
粉砕後のタルク粒子は、その平均厚みを測定して検査する検査工程へと送られる。厚みを測定する方法は既述のとおりである。平均厚みが0.30μm以下でなかったり、断面観察から求めた厚み分布の標準偏差が0.15μm以下でなかったりした場合は、さらに(1)の粉砕工程を再度施す等して、本発明のタルク粒子を採取する。
なお、製造されたタルク粒子の純度は、90質量%以上であることが好ましく、92質量%以上であることがさらに好ましい。純度は、蛍光X線分析により側定することができる。
以上のようにして得られたタルク粒子は、引張強度、引張破断伸びに優れる樹脂成形体を作製するための樹脂組成物に好適に使用することができる。また化粧品、医薬、紙、塗料、セラミックス等の幅広い分野でフィラーとして使用することができる。
[2]樹脂組成物
本発明の樹脂組成物の一態様は、本発明のタルク粒子と樹脂成分とを含有する樹脂組成物である。
樹脂成分としては、熱可塑性樹脂(便宜的に、熱可塑性エラストマーを含む)、熱硬化性樹脂、ゴム、セルロース系樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、4-メチルペンテン-1樹脂、ポリブテン-1樹脂、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-4-メチルペンテン共重合体、エチレン-ブテン-1共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、エチレン-ヘプテン共重合体、エチレン-オクテン共重合体、エチレン-4-メチルペンテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系樹脂;スチレン単独重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;ポリビニルアルコール;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、キシレン基含有ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリアクリル酸メチルやポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂;ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンエーテル;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;液状ポリエステル等を挙げることができる。
上記熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、低結晶性1,2-ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリマー系熱可塑性エラストマー、イオン架橋熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド、シクロペンタジエン由来の熱硬化性樹脂、芳香族ニトリル由来の熱硬化性樹脂;フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂;等を挙げることができる。
上記ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、イソブチレン-イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等を挙げることができる。
上記セルロース系樹脂としては、アセチルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース等を挙げることができる。
本発明の一態様に係るタルク粒子の含有量は、樹脂組成物中の固形物の全質量基準で、0.5~60質量%であることが好ましく、1~35質量%であることがより好ましい。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、耐候性向上剤、離型剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等の1種または2種以上を含有することができる。また、必要に応じて、本発明の一態様に係るタルク粒子以外のフィラーを含有させてもよい。かかるフィラーとしては、炭酸カルシウム、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、ウィスカー、炭素繊維、炭酸マグネシウム、カオリン、グラファイト、二硫化モリブデン、酸化亜鉛等が挙げられる。
さらに、用途によっては、溶媒や分散媒を含有させて液状の樹脂組成物としてもよい。
樹脂成分へのタルク粒子の配合、混練は、公知の方法を適用することができる。例えば、ポリプロピレンへの配合、混練には、一般に使用されている単軸混練押出機や二軸混練押出機等が利用できる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
タルク粒子、樹脂組成物等の物性及び評価等は下記のようにして行った。
(1)タルク粒子の平均厚み、厚み分布の標準偏差、変動係数等
i)タルク粒子の平均厚み、厚み分布の標準偏差、変動係数等
まず、ポリプロピレン樹脂(株式会社プライムポリマー製プライムポリプロY-400GP)に15質量%となるようにタルク粒子を配合し樹脂組成物を作製した。作製した樹脂組成物を射出成型して、直径13mmで長さ132mmの試験片を作製した。この試験片を液体窒素中に15分間載置し、この液体窒素中で試験片の中央部付近を長手方向に対して垂直に破断した。破断面が長さ方向にほぼ垂直で、平滑面あることを確認した。液体窒素から破断した試験片を取り出し、その破断面(断面)をSEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、装置名SU8220、3000倍以上で粒径に応じて最適倍率を選択)で観察し、断面に存在するタルク粒子の最大厚みを、使用したSEMに付属する計測ソフト(マウンテック社製MACVIEW)で200個測定し、その平均値を平均厚みとした。また、そのヒストグラムを作成し厚み分布の標準偏差、変動係数、アスペクト比(メジアン径/平均厚み)等を求めた。
ii)タルク粒子のメジアン径
レーザー回折・散乱法粒子径分布測定装置((株)島津製作所製SALD-200VER)を使用して粒度分布を測定することにより、体積基準のメジアン径(D50:小粒径側からの累積体積50%における粒径)を求めた。
(2)引張試験(引張強度、引張破断伸び)
ASTM D638に準じて引張強度及び引張破断伸びを測定した。
射出成型用金型(ASTM D638 Type I)を用いて射出成型を行い、それによって得られた成形品をASTM D638に準じて株式会社オートグラフAG-Xplusで引張強度及び引張破断伸びを評価した。なお、樹脂はポリプロピレン樹脂(株式会社プライムポリマー製プライムポリプロY-400GP)を用い、タルク粒子はポリプロピレン樹脂100質量部に対して15質量部とした。
(実施例1)
タルク原料(インド産)をローラーミルにより粗粉砕した。粗粉砕後、スギノマシン社製の湿式微粒化装置:スターバーストラボによりメジアン径が3.7μmとなるように微粉砕した。粉砕後の粉末を蛍光X線分析測定したところタルク粒子純度が93%以上であった(粉砕工程)。粉砕工程を経たタルク粒子について平均厚みを測定した(検査工程)。また、各種物性の測定も行った。平均厚みなどの物性値を下記表1に示す。
(実施例2)
タルク原料(パキスタン産)をローラーミルにより粗粉砕した。粗粉砕後、ホソカワミクロン社のカウンタジェットミルAFG 710/4によりメジアン径が4.7μmとなるように微粉砕した。微粉砕後、株式会社村上精機工作所製の横型分級機YACA-400HUTにて粗粉排出量が2~3質量%以下となるように空気分級した。分級後の粉末を蛍光X線分析測定したところタルク粒子純度が93%以上であった(粉砕工程)。粉砕工程を経たタルク粒子について平均厚みを測定した(検査工程)。また、各種物性の測定も行った。平均厚みなどの物性値を下記表1に示す。
(比較例1)
タルク原料(パキスタン産)をローラーミルによりメジアン径が13μmとなるように微粉砕した。粉砕後の粉末を蛍光X線分析測定したところタルク粒子純度が93%以上であった(粉砕工程)。粉砕工程を経たタルク粒子について平均厚みを測定した(検査工程)。また、各種物性の測定も行った。平均厚みなどの物性値を下記表1に示す。
(比較例2)
タルク原料(インド産)をローラーミルによりメジアン径が23μmとなるように微粉砕した。粉砕後の粉末を蛍光X線分析測定したところタルク粒子純度が93%以上であった(粉砕工程)。粉砕工程を経たタルク粒子について平均厚みを測定した(検査工程)。また、各種物性の測定も行った。平均厚みなどの物性値を下記表1に示す。
(比較例3)
市販品の微粒子タルク(メジアン径:0.6μm)を用いた。当該粉末を蛍光X線分析測定したところタルク粒子純度が93%以上であった。このタルク粒子について平均厚みを測定した。また、各種物性の測定も行った。平均厚みなどの物性値を下記表1に示す。
Figure 0007132571000001
実施例1、実施例2及び比較例1~3のタルク粒子を樹脂に配合して、試験用成型体を作製して、既述の引張試験を行った。結果を下記表2に示す。
Figure 0007132571000002

Claims (4)

  1. 樹脂成形体の長さ方向にタルク粒子が配向して分散した状態で、前記長さ方向に垂直な断面における断面観察から求めた前記タルク粒子の厚み分布における前記タルク粒子の平均厚みが0.30μm以下であり、粒度分布測定によるメジアン径が2μm以上であり、前記断面観察から求めた厚み分布の標準偏差が、0.15μm以下であるタルク粒子。
  2. 前記タルク粒子の平均厚みに対する、前記断面観察から求めた厚み分布の標準偏差の比(標準偏差/平均厚み)である変動係数が、0.5以下である請求項1に記載のタルク粒子。
  3. 前記メジアン径と前記平均厚みとの比であるアスペクト比(メジアン径/平均厚み)が7以上である請求項1に記載のタルク粒子。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のタルク粒子と樹脂成分とを含有する樹脂組成物。

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