JP2021105089A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度を向上させながら、異方性物性の発現が抑えられ、良好な耐熱性を有し、成形体とした際に外観の優れた樹脂組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂とカオリン粒子とを含む樹脂組成物であって、前記カオリン粒子の平均厚みと平均長さとの比であるアスペクト比(平均長さ/平均厚み)が25以上である樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
樹脂成形体を作製する際には、引張強度や引張弾性率といった強度の向上を目的として、熱可塑性樹脂に各種の充填材が配合される。一般的には、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維状充填材が熱可塑性樹脂に配合される。
例えば、特許文献1では、特定の構造を有する末端変性ポリアミド樹脂に対し、繊維状充填材を含有させた繊維強化ポリアミド樹脂組成物が開示されている。
特開2018−009158号公報
しかし、繊維状充填材(特にガラス繊維)を熱可塑性樹脂に配合して樹脂組成物とし、成形体を作製しようとすると、繊維配向による異方性物性が発現し、成形体に反り等の変形が生じてしまうことがあった。
また最近では、製品の安全や安心といった社会意識の高まりから、耐熱性素材への要求も高まっている。繊維状充填材を含有する樹脂組成物でも耐熱性の向上が期待できるが、既述のとおり、異方性物性の発現が問題となり得る。
上記のような課題に鑑み、本発明は、強度を向上させながら、異方性物性の発現が抑えられ、良好な耐熱性を有し、成形体とした際に外観の優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、充填材として熱可塑性樹脂との親和性が高く、薄片状であるカオリン粒子に着目した。そして、カオリン粒子の平均長さや、平均厚みに対する平均長さの比であるアスペクト比を所定の値以上とすると、上記課題が解決され得ることを見出した。
特に本発明者らは、カオリン粒子のアスペクト比を設計する際にカオリン粒子の平均長さと実際の厚みが重要であるとの知見を得て、特に実際の厚みを考慮したカオリン粒子の設計ができれば、厚み(薄厚)に起因する機能を効率よく、かつ十分に発揮させることができると考えた。しかし、樹脂に分散した状態でのカオリン粒子の実際の厚みを測定できる手法はなく、カオリン粒子の実際の厚みを考慮して樹脂組成物の特性を向上させることは難しかった。
例えば、市販されているカオリン粒子でも、その厚みの測定方法は遠心沈降法を用いたもので現実的な厚みを示すものではなく、一応の目安でしかない場合がある。また、断面のSEM写真から厚みを測定するものもあるが、測定部分が真に断面部分であるかは疑わしく、かつ測定サンプル数も10個程度の場合が多く、現実的な厚みの測定値とは言いがたい。そして、このような材料を用いた場合、物性にムラが生じてしまう懸念がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、カオリン粒子の実際の厚みが考慮され、この厚みから求めたアスペクト比を所定値以上とし、かつ、カオリン粒子の平均長さを所定値以上とする材料設計により、カオリン粒子の有する特性を十分に生かした樹脂組成物に関するものである。
以上から、本発明は下記のとおりである。
[1] 熱可塑性樹脂とカオリン粒子とを含む樹脂組成物であって、前記カオリン粒子の平均長さが3.0μm以上であり、前記カオリン粒子の平均厚みと前記平均長さとの比であるアスペクト比(平均長さ/平均厚み)が25以上である樹脂組成物。
[2] 前記カオリン粒子の平均厚みが、樹脂成形体の長さ方向にカオリン粒子が配向して分散した状態で、前記長さ方向に垂直な断面における断面観察から求めた前記カオリン粒子の厚み分布から求められる[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記カオリン粒子の平均厚みが0.08〜0.20μmである[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] ガラス繊維を含まない[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 前記カオリン粒子を前記樹脂組成物中に10〜60質量%含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 前記熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂である[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
本発明によれば、強度を向上させながら、異方性物性の発現が抑えられ、良好な耐熱性を有し、成形体とした際に外観の優れた樹脂組成物を提供することができる。
カオリン粒子が樹脂中に配向分散した状態を示す試料の断面写真である。
本発明の実施形態に係る樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とカオリン粒子とを含み、カオリン粒子の平均長さが3.0μm以上であり、カオリン粒子の平均厚みと平均長さとの比であるアスペクト比(平均長さ/平均厚み)が25以上である。アスペクト比が25未満では、強度の向上が図れにくく、良好な耐熱性をも得にくくなる。アスペクト比は、25〜70であることが好ましく、35〜60であることがより好ましい。
以下、本実施形態に係るカオリン粒子、熱可塑性樹脂等について詳細に説明する。
(カオリン粒子)
既述のとおり、本実施形態に係るカオリンは、平均厚みと平均長さとの比であるアスペクト比(平均長さ/平均厚み)が25以上となっている。ここで、カオリン粒子の平均厚みは、樹脂成形体の長さ方向にカオリン粒子が配向して分散した状態で、長さ方向に垂直な断面における断面観察から求めた当該カオリン粒子の厚み分布から求められることが好ましい。このような断面観察によれば、分散したカオリン粒子の各断面の存在が確認でき、これらの厚みを測定して求めることで、より現実的な厚み情報が得られる。
カオリン粒子の厚みの測定方法として、カオリン粒子を単に走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察して算出する方法を開示している文献がある。しかし、この方法では、カオリン粒子が斜めになって側面を正確に表していない状態であったり、厚みの測り易いものを選んでしまい測定対象が偏ってしまったり、測定数が数点ほどしかなかったりといった場合が多く、厚み精度という観点では信頼性が低い。すなわち、実際の厚みに近い状態を考慮して、その分布等を意図的に制御することは非常に困難と考えられる。
一方で、本態様に係る断面観察では、後述するような手法によるため、樹脂成形体の長さ方向にカオリン粒子の長さ方向が配向する。そのため、樹脂成形体の長さ方向に垂直な断面は、カオリン粒子の実際の厚さ方向の断面となる。したがって、このカオリン粒子の断面の厚みを測定してその分布を求めることで、より現実的な平均厚みが得られる。その結果、カオリン粒子の実際の厚み、さらにはアスペクト比が考慮されたフィラー設計が可能となる。
ここで、断面観察から厚みを求めるための厚み測定算出方法を説明する。
(1)まず、ポリプロピレンに25〜45質量%となるようにカオリン粒子を配合して、樹脂組成物を作製する。
(2)作製した樹脂組成物を射出成型して、試験片(樹脂成形体)を作製する。試験片は、カオリン粒子断面を200個以上測定できるような形状であれば特に限定されない。
(3)当該試験片を液体窒素中に10分以上載置して、この液体窒素中で当該試験片の中央部付近を長手方向に対して垂直に破断する。
(4)液体窒素から破断した試験片を取り出し、破断面をSEM観察できる大きさに調整し、その破断面(断面)をSEMで観察する。SEM写真の例を図1に示す。図1に示されるように、カオリン粒子は試験片の長さ方向に配向しており、その厚さ方向の断面が非常に明確に確認できる。
(5)断面に存在するカオリン粒子の最大厚みを、使用したSEMに付属する計測ソフト等により200個計測し、その平均からカオリン粒子の平均厚み等を求める。
本実施形態において、上記平均厚みは0.08〜0.20μmであることが好ましく、0.10〜0.18μmであることがより好ましい。平均厚みが0.08〜0.20μmであることで強度及び耐熱性を向上させることができる。
また、本実施形態のアスペクト比を求める際の平均長さは、粒度分布測定によるカオリン粒子のメジアン径を採用することが好ましい。当該メジアン径は、3.0μm以上とし、3.5〜10.0μmであることが好ましく、4.0〜8.0μmであることがより好ましい。メジアン径(平均長さ)が3.0μm以上であることで、強度及び耐熱性を向上させることができる。なお、カオリン粒子のメジアン径は後述の実施例に記載の方法により求めることができる。
カオリン粒子はその用途に応じて、公知の方法で表面処理を施してもよい。表面処理のための表面処理剤としては、例えば、アミノシランやビニルシラン等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等が挙げられる。例えば、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤で表面処理されたカオリン粒子は、配合する樹脂との親和性がより向上する。そして、その樹脂組成物の成形体は、引張強度や引張破断伸びが優れるだけでなく、衝撃強度、表面硬度等も優れたものになる。
また、取扱い性の観点から、カオリン粒子はスプレードライ等で造粒したものでもよい。
カオリン粒子は、例えばIMERYS社製のHydrite SB100、Hydrite SB100S、Hydrite SB60、Hydrite SB60S、Polarite 902A、Kaopaque 10、Kaopaque 10S、 KaMin社製のPolyfil DL、BASF社製のASP NC X−1などを用いることができる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂(便宜的に、熱可塑性エラストマーを含む)としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリブテン−1樹脂、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−4−メチルペンテン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ヘプテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−4−メチルペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系樹脂;スチレン単独重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;ポリビニルアルコール;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、キシレン基含有ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリアクリル酸メチルやポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂;ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンエーテル;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;液状ポリエステル等を挙げることができる。
上記熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、低結晶性1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリマー系熱可塑性エラストマー、イオン架橋熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
上記した熱可塑性樹脂の中でも、カオリン粒子とのより良好な親和性の観点から、ポリアミド系樹脂が好ましい。
本発明の一態様に係るカオリン粒子の含有量は、樹脂組成物中の固形物の全質量基準で、10〜60質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。10〜60質量%であることで、強度を向上させながら、異方性物性の発現が抑えられ、良好な耐熱性を有する樹脂組成物を提供することができる。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、耐候性向上剤、離型剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等の1種または2種以上を含有することができる。また、必要に応じて、本発明の一態様に係るカオリン粒子以外のフィラーを含有させてもよい。かかるフィラーとしては、炭酸カルシウム、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、ウィスカー、炭素繊維、炭酸マグネシウム、タルク、グラファイト、二硫化モリブデン、酸化亜鉛等が挙げられる。
さらに、用途によっては、溶媒や分散媒を含有させて液状の樹脂組成物としてもよい。
熱可塑性樹脂へのカオリン粒子の配合、混練は、公知の方法を適用することができる。例えば、ポリアミド系樹脂への配合、混練には、一般に使用されている単軸混練押出機や二軸混練押出機等が利用できる。
以上のような本実施形態に係る樹脂組成物は、ガラス繊維を充填材とした樹脂組成物に用途に代替可能であり、例えば、車の内外装部品、家電の筐体といった構造材に好適である。特に、本実施形態に係るカオリンが充填材であることで、ガラス繊維のような繊維配向による異方性物性が発現しにくくなるため、構造材とした際にそり等の変形が生じ難くなる。
なお、本実施形態に係る樹脂組成物は、上記のとおり、ガラス繊維を充填材とした樹脂組成物の用途に代替可能とする観点から、ガラス繊維を含まないことが好ましい。
ここで、ガラス繊維とは、ガラスを細く引伸ばして作った繊維状充填材であり、例えば直径5μm以上で長さが1mm以上のガラス繊維充填材をいう。また、本実施形態ではガラス繊維を含む直径5μm以上で長さが1mm以上の繊維状充填材を含有しないことがより好ましい。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
カオリン粒子、樹脂組成物等の物性及び評価等は下記のようにして行った。
(1)カオリン粒子の平均厚み、メジアン径(平均長さ)、アスペクト比
i)カオリン粒子の平均厚み
まず、表2に記載の割合となるようにカオリン粒子をポリプロピレン((株)プライムポリマー社製、商品名Y400GP)に配合し樹脂組成物を作製した。作製した樹脂組成物を射出成型して、直径13mmで長さ132mmの試験片を作製した。この試験片を液体窒素中に15分間載置し、この液体窒素中で試験片の中央部付近を長手方向に対して垂直に破断した。破断面が長さ方向にほぼ垂直で、平滑面あることを確認した。液体窒素から破断した試験片を取り出し、その破断面(断面)をSEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、装置名SU8220、3000倍以上で粒径に応じて最適倍率を選択)で観察し、断面に存在するカオリン粒子の最大厚みを、使用したSEMに付属する計測ソフト(マウンテック社製MACVIEW)で200個測定し、その平均値を平均厚みとした。
ii)カオリン粒子のメジアン径(カオリン粒子の平均長さ)
レーザー回折・散乱法粒子径分布測定装置((株)島津製作所製SALD−200VER)を使用して粒度分布を測定することにより、体積基準のメジアン径(D50:小粒径側からの累積体積50%における粒径)を求めた。なお、測定に際しては、カオリン粒子を30%エタノール溶液に分散し、超音波を10分間照射した後、粒度分布を測定した。
iii)アスペクト比
上記メジアン径を平均長さとし、カオリン粒子の平均厚みと平均長さとの比であるアスペクト比(平均長さ/平均厚み)を算出した。
(2)引張強度
ISO 527−1,2に準じて引張強度を測定した。
多目的ダンベル試験片用金型を用いて樹脂組成物の射出成型を行い、それによって得られた成形品をISO 527−1,2に準じて株式会社島津製作所のAutograph AG−5000Eで引張強度を評価した。
なお、樹脂はナイロン6(東レ(株)社製、商品名 アミランCM1017)を用い、樹脂組成物中のカオリン粒子の割合は表2に示すとおりとした。
引張強度は90Mpa以上であることが好ましい。
(3)引張弾性率
上記成形品をISO 527−1,2に準じて株式会社島津製作所のAutograph AG−5000Eで引張強度を評価した。
引張弾性率は5Gpa以上であることが好ましい。
(4)HDT(熱変形温度)
上記成形品をISO 75−1,2に準じて株式会社安田精機製作所のHEAT Distortion Tester HD−500HDTでHDTを評価した。
HDTは175℃以上であることが好ましい。
(5)成形収縮率(異方性:MD/TD)
上記成形品をJIS K 7152−4に準じてMD及びTDのそれぞれの成型収縮率を求め、MD/TDにより異方性を評価した。
成形収縮率の異方性(MD/TD)は0.7〜1.3の範囲であることが好ましい。
(6)デュポン式落下衝撃試験(衝撃テスト)
上記成形品をJIS K 5600−5−3に準じて株式会社東洋精機製作所のデュポン・衝撃試験機で評価した。
衝撃試験は0.10kgm以上であることが好ましい。
(7)光沢度
上記成形品を株式会社堀場製作所のハンディ光沢計グロスチェッカIG−331で測定角度60度に設定し評価した。
光沢度は80以上であることがより好ましい。
(実施例1)
IMERYS社製のカオリン粒子(Hydrite SB100)について平均厚み、平均長さ、アスペクト比を測定した。また、カオリン粒子をポリプロピレン((株)プライムポリマー社製、商品名Y400GP)に配合し樹脂組成物を作製した。樹脂組成物を作製して既述の(2)〜(7)の物性の測定も行った。使用したカオリン粒子の詳細を表1に示し、物性測定の結果を下記表2に示す。
(実施例2)
IMERYS社製のカオリン粒子(Hydrite SB60)について平均厚み、平均長さ、アスペクト比を測定した。また、実施例1と同様にして樹脂組成物を作製して既述の(2)〜(7)の測定も行った。使用したカオリン粒子の詳細を表1に示し、物性測定の結果を下記表2に示す。
(実施例3)
IMERYS社製のカオリン粒子(Polarite 902A:アミノシラン表面処理品)について平均厚み、平均長さ、アスペクト比を測定した。また、実施例1と同様にして樹脂組成物を作製して既述の(2)〜(7)の測定も行った。使用したカオリン粒子の詳細を表1に示し、物性測定の結果を下記表2に示す。
(比較例1)カオリン粒子の代わりにガラス繊維(日本電気硝子(株)社製、商品名:ECS 03 T−249、繊維径13.0μm ±1.0、繊維長さ3mm±1.0)を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を作製して既述の(2)〜(7)の測定を行った。使用したカオリン粒子の詳細を表1に示し、物性測定の結果を下記表2に示す。
(比較例2)
IMERYS社製のカオリン粒子(Hydrite R)について平均厚み、平均長さ、アスペクト比を測定した。また、樹脂組成物を作製して既述の(2)〜(7)の測定も行った。使用したカオリン粒子の詳細を表1に示し、物性測定の結果を下記表2に示す。
(比較例3)
IMERYS社製のカオリン粒子(PoleStar 200R)について平均厚み、平均長さ、アスペクト比を測定した。また、実施例1と同様にして樹脂組成物を作製して既述の(2)〜(7)の測定も行った。使用したカオリン粒子の詳細を表1に示し、物性測定の結果を下記表2に示す。
(比較例4)
IMERYS社製のカオリン粒子(Polarite 102A:アミノシラン表面処理品)について平均厚み、平均長さ、アスペクト比を測定した。また、実施例1と同様にして樹脂組成物を作製して既述の(2)〜(7)の測定も行った。使用したカオリン粒子の詳細を表1に示し、物性測定の結果を下記表2に示す。
Figure 2021105089
Figure 2021105089
実施例は、引張強度、引張弾性率、及び面衝撃といった強度が良好で、成形収縮率で示される異方性物性の発現が抑えられ、良好な耐熱性(HDT)が示された。また、光沢度も良好で外観が優れることがわかる。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂とカオリン粒子とを含む樹脂組成物であって、前記カオリン粒子の平均長さが3.0μm以上であり、
    前記カオリン粒子の平均厚みと前記平均長さとの比であるアスペクト比(平均長さ/平均厚み)が25以上である樹脂組成物。
  2. 前記カオリン粒子の平均厚みが、樹脂成形体の長さ方向にカオリン粒子が配向して分散した状態で、前記長さ方向に垂直な断面における断面観察から求めた前記カオリン粒子の厚み分布から求められる請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記カオリン粒子の平均厚みが0.08〜0.20μmである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. ガラス繊維を含まない請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記カオリン粒子を前記樹脂組成物中に10〜60質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。


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