JP2024009469A - タルク粉末、樹脂組成物及びタルク粉末の製造方法 - Google Patents

タルク粉末、樹脂組成物及びタルク粉末の製造方法 Download PDF

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Takao Ikeda
泰弘 辻
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Abstract

【課題】タルク粉末を添加して樹脂組成物とした際に、その物性を向上させることができるタルク粉末を提供する。【解決手段】メジアン径D0における嵩比容積がV0の原料タルクの粉砕粉末であって、当該原料タルクと、メジアン径DXにおける嵩比容積がVXの前記粉砕粉末において、前記粉砕粉末と原料タルクのメジアン径の変化量(DX-D0)に対する、前記粉砕粉末と原料タルクの嵩比容積の変化量(VX-V0)の割合である変化率:(VX-V0)/(DX-D0)が-0.65≦(VX-V0)/(DX-D0)≦-0.35の範囲にある、タルク粉末である。【選択図】図1

Description

本発明は、タルク粉末、樹脂組成物及びタルク粉末の製造方法に関する。
樹脂成形体を作製する際には、機械的強度等の物性向上を目的として、樹脂原料に種々の充填材が配合される。このような充填材としては、例えばタルクが汎用されている。タルクは造岩鉱物の中で最も柔らかく、劈開性をもち剥離しやすく、滑感にも富み、さらに化学的にも安定していることから、各種原料と混合して広く使われている。
タルクはその優れた汎用性から、プラスチック(樹脂)、製紙、化粧品、医薬、肥料、塗料、セラミックス等の幅広い分野で適用されている。例えば、タルクを配合した樹脂組成物は、自動車部品、家電製品部品又は事務機器部品等の各種の分野に広く使用されている。
一方で、種々の分野における技術の高度化に伴い、材料設計の段階で高度な物性レベルを実現しようとする傾向が高まっている。汎用されているタルクについても、その本来有している有効な物性を引き出すべく、種々の改良がなされている。
例えば、特許文献1では、平均一次粒子径0.1~10μmの粉末タルクを直に圧縮することなく脱気した後に圧縮して得られる顆粒状のタルクであって、嵩密度が0.6~0.94g/cmであり、かつ、破壊率が70~100重量%であるタルクが提案されている。
特開2005-104794号公報
しかし、特許文献1では、熱可塑性樹脂に添加して溶融混合する場合に、分散性に優れるかどうかについての検討はなされているが、樹脂物性(例えば、曲げ弾性率のような物性)を向上できるかどうかについての検討はなされていない。すなわち、材料設計の段階で高度な物性レベルを実現しようとするものとはいえない。
以上から、本発明は、タルク粉末を添加して樹脂組成物とした際に、その物性を向上させることができるタルク粉末及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明により当該課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] メジアン径Dにおける嵩比容積がVの原料タルクの粉砕粉末であって、当該原料タルクと、メジアン径Dにおける嵩比容積がVの前記粉砕粉末において、前記粉砕粉末と原料タルクのメジアン径の変化量(D-D)に対する、前記粉砕粉末と原料タルクの嵩比容積の変化量(V-V)の割合である変化率:(V-V)/(D-D)が下記式の範囲にある、タルク粉末。
式:-0.65≦(V-V)/(D-D)≦-0.35
(ただし、Dは1≦D≦10であり、Vは3≦V≦10であり、Dは11≦D≦20であり、Vは0.5≦V≦2である。)
[2] 前記タルク粉末の変化率をAとし、前記原料タルクのジェットミル粉砕粉末の前記変化率をBとした際に、前記変化率Bに対する前記変化率Aの比(変化率A/変化率B)が2以上である[1]に記載のタルク粉末。
[3] 比表面積が3~20m/gである[1]又は[2]に記載のタルク粉末。
[4] [1]又は[2]に記載のタルク粉末と樹脂とを含む樹脂組成物。
[5] [1]~[3]のいずれか1つに記載のタルク粉末の製造方法であって、原料タルクをスチームジェットミルで粉砕する粉砕工程を含むタルク粉末の製造方法。
[6] 前記原料タルクのメジアン径Dにおける嵩比容積がVであって、前記粉砕後の粉砕粉末のメジアン径Dにおける嵩比容積をVとした際に、前記粉砕粉末と原料タルクのメジアン径の変化量(D-D)に対する、前記粉砕粉末と原料タルクの嵩比容積の変化量(V-V)の割合である変化率(V-V)/(D-D)を下記の範囲にとする、[5]に記載のタルク粉末の製造方法。
式:-0.65≦(V-V)/(D-D)≦-0.35
(ただし、Dは1≦D≦10であり、Vは3≦V≦10であり、Dは11≦D≦20であり、Vは0.5≦V≦2である。)
本発明によれば、タルク粉末を添加して樹脂組成物とした際に、その物性を向上させることができるタルク粉末及びその製造方法を提供することができる。
スチームジェットミルを用いて得た実施例に係るタルク粉末と、従来のジェットミルで得たタルク粉末とにおける、各メジアン径と嵩比容積の変化量との関係を示す図である。
[タルク粉末]
本発明の一実施形態(本実施形態)に係るタルク粉末は、メジアン径D(単位は、μm)における嵩比容積がV(単位は、cm/g)の原料タルクを粉砕してなる粉砕粉末である。
そして、本実施形態においては、この原料タルクと、メジアン径D(単位は、μm)における嵩比容積がV(単位は、cm/g)の粉砕粉末において、粉砕粉末と原料タルクのメジアン径の変化量(D-D)に対する、粉砕粉末と原料タルクの嵩比容積の変化量(V-V)の割合である変化率:(V-V)/(D-D)が下記式の範囲にある。
式:-0.65≦(V-V)/(D-D)≦-0.35
(ただし、Dは1≦D≦10であり、Vは3≦V≦10であり、Dは11≦D≦20であり、Vは0.5≦V≦2である。)
上記の変化率となるタルク粉末は、後述するスチームジェットミルのような、流体エネルギーとして過熱水蒸気(飽和水蒸気、及び飽和水蒸気をさらに加熱した水蒸気)を用いた高せん断力を瞬間的に付与できる粉砕手段により得られるものである。この変化率の絶対値は、従来広く用いられる、流体エネルギーとして圧縮空気を用いたジェットミルよりも大きいものとなっている。すなわち、変化率が-0.65~-0.35の範囲にあるということは、ジェットミルにより得られる従来のタルク粉末よりも、瞬間的に大きな粉砕力、すなわち、大きなせん断力が原料タルク粉末に瞬間的に作用する。その結果、粉砕によるタルクの面剥離が優先的に生じ、嵩比容積当たりのメジアン径が小さくなりづらく、タルク粉末の板面がある程度大きい状態を維持できると考えられる。そのため、樹脂と混合して樹脂組成物とした際に、タルク粉末の本来有する、板面に起因する物性向上効果が発現されやすくなると考えられる。
上記変化率は、-0.65~-0.35とするが、-0.60~0.40とすることが好ましく、-0.58~0.42とすることがより好ましい。
また、嵩比容積Vが「3≦V≦10」の場合とは、タルク粉末が非常に嵩高い状態にあることを示す。通常は、輸送等の取り扱い性を考慮して、嵩比容積を低くすることを前提とし、タルク粉末の粒径やアスペクト比を最適なものに設計することが行われる。これに対して、本実施形態では、技術常識的に検討から排除されやすい「非常に嵩高い状態」に着目し、通常の技術常識にとらわれない着想で本発明に到達したものである。
本実施形態に係るタルク粉末の嵩比容積は、樹脂と混合した際に高弾性率を得る観点から、3~10cm/gであることが好ましく、3.5~8cm/gであることがより好ましく、3.7~7cm/gであることがさらに好ましい。
ここで、嵩比容積は、粉体特性評価装置(ホソカワミクロン(株)製パウダテスタPT-X)を使用して測定した固め嵩密度の逆数にて求めることができる。測定条件は、目開き710μmの篩に試料を供給し、振幅1.5mmの振動により100cm嵩密度測定用カップに被せたキャップの紛面位置が一定となるように試料を追加し、180回タッピングを行った。
また、本実施形態に係るタルク粉末のメジアン径(体積基準、D50)は、樹脂と混合した際に高弾性率を得る観点から、1~10μmであることが好ましく、1.5~9.5μmであることがより好ましく、1.7~9μmであることがさらに好ましい。尚、ジェットミル粉砕品は4~5μmをピークに弾性率が減少していく傾向がみられるが、スチームジェットミル粉砕品は微粒化するにつれて樹脂と混合した際に高弾性率化する。
ここで、メジアン径は、レーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製SALD―200V ER)を使用して粒度分布を測定することにより、体積基準のメジアン径(D50:小粒径側からの累積体積50%における粒子径)にて求めることができる。
本実施形態において、本実施形態のタルク粉末の変化率をAとし、原料タルクのジェットミル粉砕粉末の変化率をBとした際に、変化率Bに対する変化率Aの比(変化率A/変化率B)は2以上であることが好ましく、2.1~3.5であることがより好ましい。比(変化率A/変化率B)が2以上であることで、樹脂と混合した際に高弾性率を得ることができる。
本実施形態のタルク粉末の比表面積(BET比表面積)は、3~20m/gであるあることが好ましく、6.0~16.0m/gであることがより好ましい。比表面積が3~20m/gであることで、樹脂と混合した際に高弾性率を得ることができる。
ここで、比表面積は、比表面積・細孔分布測定装置(マイクロトラック・ベル(株)製BELSORP MINIII)を使用して測定することにより、比表面積を求めることができる。試料調製として、真空乾燥機を使用して100℃で90分間乾燥を行った。
[タルク粉末の製造方法]
本実施形態に係るタルク粉末の製造方法は、原料タルクをスチームジェットミルで粉砕する粉砕工程を含む。
既述のとおり、スチームジェットミルを用いた粉砕処理は、粉砕用の流体エネルギーとして過熱水蒸気を用いているため、高せん断力を瞬間的に付与できる。そのため、流体エネルギーとして圧縮空気を用いたジェットミルよりも、瞬間的に大きなせん断力が原料タルク粉末に作用することで、タルクの面剥離が主として生じる。その結果、嵩比容積当たりのメジアン径が小さくなりづらく、タルク粉末の板面がある程度大きい状態を維持できる。そのため、樹脂と混合して樹脂組成物とした際に、タルク粉末の本来有する板面に起因する物性向上効果が発現されやすくなると考えられる。
スチームジェットミルによる粉砕処理においては、原料タルクのメジアン径Dにおける嵩比容積がVであって、粉砕後の粉砕粉末のメジアン径Dにおける嵩比容積をVとした際に、粉砕粉末と原料タルクのメジアン径の変化量(D-D)に対する、粉砕粉末と原料タルクの嵩比容積の変化量(V-V)の割合である変化率(V-V)/(D-D)を下記の範囲にとするように調整することが好ましい。
式:-0.65≦(V-V)/(D-D)≦-0.35
(ただし、Dは1≦D≦10であり、Vは3≦V≦10であり、Dは11≦D≦20であり、Vは0.5≦V≦2である。)
上記範囲に調整することで、既述のようなタルク粉末の本来有する物性向上効果が発現されやすくなる。
上記のような式の範囲にするためには、例えば、スチームジェットミル粉砕の過熱水蒸気の温度(粉砕エリアに入る前の温度)を300~500℃とすることが好ましく、過熱水蒸気の圧力(粉砕圧力)をゲージ圧で、3.5~15.0MPaとすることが好ましい。所望の変化率とするためには、過熱水蒸気の温度や圧力を上記範囲内で適宜設定することが好ましい。
なお、過熱水蒸気は市販のボイラー及びスーパーヒーター(蒸気過熱器)等で所望の温度で発生させることができる。
また、原料タルクのメジアン径Dは、11~20μmであることが好ましく、また、嵩比容積Vは、0.5~2cm/gであることが好ましい。これらの範囲にあることで、良好な粉砕効率が得られ、既述のような変化率が得られやすくなる。
以上のようにして得られたタルク粉末(粉砕タルク粉末)は、必要に応じて分級処理等を行って、種々の用途に適用することができる。
[樹脂組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、既述の本実施形態のタルク粉末と樹脂とを含む。
樹脂としては、熱可塑性樹脂(便宜的に、熱可塑性エラストマーを含む)、熱硬化性樹脂、ゴム、セルロース系樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、4-メチルペンテン-1樹脂、ポリブテン-1樹脂、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-4-メチルペンテン共重合体、エチレン-ブテン-1共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、エチレン-ヘプテン共重合体、エチレン-オクテン共重合体、エチレン-4-メチルペンテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系樹脂;スチレン単独重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;ポリビニルアルコール;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、キシレン基含有ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリアクリル酸メチルやポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂;ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンエーテル;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;液状ポリエステル等を挙げることができる。
上記熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、低結晶性1,2-ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリマー系熱可塑性エラストマー、イオン架橋熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド、シクロペンタジエン由来の熱硬化性樹脂、芳香族ニトリル由来の熱硬化性樹脂;フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂;等を挙げることができる。
上記ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、イソブチレン-イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等を挙げることができる。
上記セルロース系樹脂としては、アセチルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース等を挙げることができる。
本発明の一態様に係るタルク粉末の含有量は、樹脂組成物中の樹脂100質量部当たり、0.5~60質量部であることが好ましく、1~35質量部であることがより好ましい。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、耐候性向上剤、離型剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等の1種または2種以上を含有することができる。また、必要に応じて、本発明の一態様に係るタルク粉末以外のフィラーを含有させてもよい。かかるフィラーとしては、炭酸カルシウム、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、ウィスカー、炭素繊維、炭酸マグネシウム、カオリン、グラファイト、二硫化モリブデン、酸化亜鉛等が挙げられる。
さらに、用途によっては、溶媒や分散媒を含有させて液状の樹脂組成物としてもよい。
樹脂へのタルク粉末の配合、混練は、公知の方法を適用することができる。例えば、ポリプロピレンへの配合、混練には、一般に使用されている単軸混練押出機や二軸混練押出機等が利用できる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物は、自動車内外装品、家電製品部品、事務機器部品等の種々の用途に使用することができる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[タルク粉末]
メジアン径(D50)が12.7μm、嵩比容積が1.4cm/gの原料タルク(パキスタン産のタルクをローラーミルにより粗粉砕し、表1に記載のDとした)を、スチームジェットミル(以下、「s-JET」ということがある)及びジェットミルのそれぞれにより、表1に示す各メジアン径に粉砕した。また、図1に、スチームジェットミルを用いて得た本実施形態に係るタルク粉末と、従来のジェットミルで得たタルク粉末における各メジアン径と嵩比容積との関係を示す。
(1)スチームジェットミルによる粉砕条件
・装置は、Netzsch Trockenmahltechnik製スチーム・ジェットミルs-JET150を用いた。
・過熱水蒸気の温度(粉砕エリアに入る前の温度):360℃
・粉砕圧力(ゲージ圧):3.8MPa
なお、粒度調整は、スチームジェットミルに付随した分級機の回転数調整により行った。
(2)ジェットミルによる粉砕条件
・装置は、ホソカワミクロン株式会社製カウンタジェットミルAFG710/4を用いた。粒度調整は、ジェットミルに付随した分級機の回転数調整により行った。
なお、Dx=2.2μmの場合は、粉砕後に分級を行って調整した。
Figure 2024009469000002
s-JETでは、既述の変化率が-0.65~-0.35の範囲あり、嵩高い粉砕タルク粉末が得られた。一方で、ジェットミルでは、変化率の絶対値がs-JETより低く、嵩の小さい粉砕タルク粉末が得られた。これは、通常のジェットミルだと粉砕の滞留時間が長いため、せん断的な力だけでなく、等方的な力もタルクに作用するため、面剥離だけにとどまらず、さらなる粉砕が進行してしまい、嵩比容積当たりのメジアン径が小さくなりやすいと考えられる。
また、図1より、変化率の絶対値がs-JETの方が通常のジェットミルよりも常に高いことがわかり、このことからもs-JETによる粉砕で特異な粉砕タルク粉末が得られていることがわかる。
(樹脂組成物)
上記のようにして作製したタルク粉末を用いて作製した樹脂組成物の評価を下記のようにして行った。
評価:曲げ弾性率
JIS K7171に準じて曲げ弾性率を測定した。結果を表2に示す。
射出成型用金型(JIS K7171 タイプB1)を用いて樹脂組成物の射出成形を行い、それによって得られた成形品(10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ))をJIS K7171に準じて株式会社オートグラフAG-Xplusで曲げ弾性率を評価した(温度:23℃、曲げ速度:2mm/分)。
なお、成形品を構成する樹脂組成物の樹脂はポリプロピレン樹脂(サンアロマー株式会社PX-600N)を用い、タルク粉末はポリプロピレン樹脂100質量部に対して20質量部とした。
Figure 2024009469000003

Claims (6)

  1. メジアン径Dにおける嵩比容積がVの原料タルクの粉砕粉末であって、
    当該原料タルクと、メジアン径Dにおける嵩比容積がVの前記粉砕粉末において、前記粉砕粉末と原料タルクのメジアン径の変化量(D-D)に対する、前記粉砕粉末と原料タルクの嵩比容積の変化量(V-V)の割合である変化率:(V-V)/(D-D)が下記式の範囲にある、タルク粉末。
    式:-0.65≦(V-V)/(D-D)≦-0.35
    (ただし、Dは1≦D≦10であり、Vは3≦V≦10であり、Dは11≦D≦20であり、Vは0.5≦V≦2である。)
  2. 前記タルク粉末の変化率をAとし、前記原料タルクのジェットミル粉砕粉末の前記変化率をBとした際に、前記変化率Bに対する前記変化率Aの比(変化率A/変化率B)が2以上である請求項1に記載のタルク粉末。
  3. 比表面積が3~20m/gである請求項1に記載のタルク粉末。
  4. 請求項1又は2に記載のタルク粉末と樹脂とを含む樹脂組成物。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載のタルク粉末の製造方法であって、
    原料タルクをスチームジェットミルで粉砕する粉砕工程を含むタルク粉末の製造方法。
  6. 前記原料タルクのメジアン径Dにおける嵩比容積がVであって、前記粉砕後の粉砕粉末のメジアン径Dにおける嵩比容積をVとした際に、前記粉砕粉末と原料タルクのメジアン径の変化量(D-D)に対する、前記粉砕粉末と原料タルクの嵩比容積の変化量(V-V)の割合である変化率(V-V)/(D-D)を下記の範囲にとする、請求項5に記載のタルク粉末の製造方法。
    式:-0.65≦(V-V)/(D-D)≦-0.35
    (ただし、Dは1≦D≦10であり、Vは3≦V≦10であり、Dは11≦D≦20であり、Vは0.5≦V≦2である。)

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