JP2017028093A - 薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換効率が高く、開放電圧が高い薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層を有し、前記光電変換層が、有機半導体を含有する部位と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位とを有し、前記有機半導体を含有する部位と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との間にフッ素含有化合物を含有する部位を有することを特徴とする薄膜太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換効率を高めることができ、特に開放電圧を高めることができる薄膜太陽電池に関する。また、本発明は該薄膜太陽電池の製造方法に関する。
従来から、有機半導体層と無機半導体層とを積層し、この積層体の両側に電極を設けた光電変換素子が開発されている。このような構造の光電変換素子では、光励起により有機半導体層又は無機半導体層で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、電子が無機半導体層を、ホールが有機半導体層を移動することで、電界が生じる。更に、電子又はホールが効率的に移動するよう、無機半導体層と電極との間に電子輸送層を設けたり、有機半導体層と電極との間にホール輸送層を設けたりすることも検討されている。
しかしながら、光キャリア生成に活性な領域は有機半導体層と無機半導体層との接合界面付近の数十nm程度と非常に狭く、この活性な領域以外は光キャリア生成に寄与できないため、光電変換効率が低くなってしまうという欠点があった。
この問題を解決する目的で、有機半導体と、無機半導体とを混合して複合化した複合膜を用いることが検討されている。
例えば、特許文献1には、有機半導体と無機半導体を共蒸着によって複合化した共蒸着薄膜と、この薄膜を挟んでその両面に設けられ、この複合薄膜に内蔵電界を与えるための半導体もしくは金属、又はそれら双方からなる電極部とを備えた有機・無機複合薄膜太陽電池が記載されている。特許文献1には、同文献に記載の有機・無機複合薄膜においては、pn接合(有機/無機半導体接合)が膜全体に張り巡らされた構造のため、膜全体が光キャリア生成に対して活性に働き、膜で吸収された光すべてがキャリア生成に寄与するため、大きな光電流が得られる効果がある旨が記載されている。
また、有機半導体に対して無機半導体を密充填させて、光電変換効率を向上させる試みもなされている。
例えば、特許文献2には、有機電子供与体と化合物半導体結晶とを含有する活性層を二つの電極の間に設けた有機太陽電池において、前記活性層は有機電子供与体と化合物半導体結晶とを混合して分散してなり、且つ、化合物半導体結晶が平均粒径が異なる二種類のロッド状の結晶を含み、この二種類のロッド状結晶の平均粒径及び含有比率を所定範囲内とする有機太陽電池が記載されている。特許文献2には、活性層中における化合物半導体結晶の充填率を増大することができ、これにより変換効率の高い太陽電池を得ることができる旨が記載されている。
しかしながら、特許文献1又は2に記載の光電変換素子であっても未だ光電変換効率はかなり低く、実用化に耐えうる有機太陽電池の開発のためには更なる光電変換効率の改善が不可欠である。
特開2002−100793号公報 特許第4120362号公報
本発明は、光電変換効率を高めることができ、特に開放電圧を高めることができる薄膜太
陽電池を提供することを目的とする。また、本発明は、該薄膜太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層を有し、前記光電変換層が、有機半導体を含有する部位と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位とを有し、前記有機半導体を含有する部位と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との間にフッ素含有化合物を含有する部位を有することを特徴とする薄膜太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層を有し、上記光電変換層が、有機半導体を含有する部位と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位とを有する薄膜太陽電池に対して、上記有機半導体を含有する部位と、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との間にフッ素含有化合物を含有する部位を有することによって、前記有機半導体を含有する部位と、前記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との接合性が向上し、薄膜太陽電池の光電変換効率を高め、特に開放電圧を高めることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、光電変換効率は、開放電圧の高さ等に依存するものであるため、開放電圧が高くなると、光電変換効率も高くなる。また、開放電圧が高くなると、実際に得られる電圧も大きくなるため、薄膜太陽電池セル同士を並列に接続することが可能となり、太陽電池モジュール(透明保護剤と裏面保護剤との間に薄膜太陽電池セルを封止したもの)の施工面での簡便性及び自由度が向上するという利点もある。
本発明の薄膜太陽電池は、陰極と、陽極と、上記陰極と上記陽極との間に配置された光電変換層を有する。
なお、本明細書中、層とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味に含む。なお、層の元素は、例えば、薄膜太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって分析できる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層との境界が不鮮明であり、複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
上記陰極及び上記陽極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。陰極材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。陽極材料として、例えば、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光電変換層は、有機半導体を含有する部位(以下、「有機半導体部位」ともいう)と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位(以下、「硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位」ともいう)とを有する。
このような光電変換層においては、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位が主にN型半導体として、上記有機半導体部位が主にP型半導体として働くと推測され、光励起によりP型半導体又はN型半導体で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。ただし、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位は、部分的にはP型半導体として働いていてもよいし、上記有機半導体部位は、部分的にはN型半導体として働いていてもよい。
上記有機半導体部位と、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位とを有することにより、本発明の薄膜太陽電池は、光電変換効率が高くなる。また、P型半導体とN型半導体とがいずれも無機半導体である場合はこれらの固溶体が界面で析出する可能性があるのに対し、本発明の薄膜太陽電池においては固溶体の析出がなく、高温時においても高い安定性を得ることができるため、高温での加温後にも光電変換効率の低下が少ない。
上記有機半導体部位を有することにより、本発明の薄膜太陽電池は、耐衝撃性、フレキシビリティ等が優れたものとなる。上記有機半導体は特に限定されず、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格等を有する化合物も挙げられる。なかでも、比較的耐久性が高いことから、チオフェン骨格、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ベンゾポルフィリン骨格を有する化合物が好ましい。
上記有機半導体は、長波長領域の光を吸収できることから、ドナー−アクセプター型であることも好ましい。なかでも、チオフェン骨格を有するドナー−アクセプター型の化合物がより好ましく、チオフェン骨格を有するドナー−アクセプター型の化合物のなかでも、光吸収波長の観点から、チオフェン−ジケトピロロピロール重合体が特に好ましい。
上記硫化物部位、セレン化物部位は耐久性が高いことから、上記硫化物部位やセレン化物部位を有することにより、本発明の薄膜太陽電池は、耐久性に優れたものとなる。上記硫化物及び/又はセレン化物は特に限定されず、好ましくは周期表14族又は15族元素の硫化物及び/又はセレン化物であり、より好ましくは周期表15族元素の硫化物及び/又はセレン化物である。硫化物及び/又はセレン化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよく、周期表14族又は15族元素の2種以上の元素を同一の分子に含有する複合硫化物及び/又は複合セレン化物であってもよい。なかでも、硫化アンチモン、硫化ビスマス、硫化スズ、硫化鉛、セレン化アンチモン、セレン化ビスマスが好ましく、硫化アンチモン、硫化スズ、硫化鉛、セレン化アンチモンがより好ましく、硫化アンチモン、セレン化アンチモンが更に好ましい。
硫化アンチモン及びセレン化アンチモンは、有機半導体とのエネルギー準位の相性がよく、かつ、従来の酸化亜鉛、酸化チタン等より可視光に対する吸収が大きい。このため、上記硫化物部位及び/又はセレン化物部位に硫化アンチモン及び/又はセレン化アンチモンが含まれることにより、薄膜太陽電池のバンドギャップ電圧が高くなり、開放電圧が高くなるため、光電変換効率が高くなる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物部位を含む薄膜太陽電池は、有機無機ハイブリッド型薄膜太陽電池とも呼ばれる。
上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、薄膜太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
一般式R−M−Xにおいて、上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン及びこれらのイオンやフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン及びこれらのイオンがより好ましい。
一般式R−M−Xにおいて、上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
一般式R−M−Xにおいて、上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、薄膜太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位は、結晶性半導体であることが好ましい。上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位が結晶性半導体であることにより、電子の移動度が高くなり、光電変換効率が向上する。
なお、結晶性半導体とは、X線回折測定等で測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味する。
また、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位の結晶性の指標として、結晶化度を用いることもできる。上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位の結晶化度は、好ましい下限が30%である。上記結晶化度が30%以上であれば、電子の移動度が高くなり、光電変換効率が向上する。上記結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
なお、結晶化度は、X線回折測定等により検出された結晶質由来の散乱ピークと、非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶質部分の比を算出することにより求めることができる。
上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位の結晶化度を高める方法として、例えば、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位に対して、焼成、レーザー又はフラッシュランプ等の強度の強い光の照射、エキシマ光照射、プラズマ照射等を行う方法が挙げられる。なかでも、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位の酸化を低減できることから、強度の強い光の照射、プラズマ照射等を行う方法が好ましい。
上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上述したような主成分となる金属元素に加えて他の元素を含有していてもよい。上記他の元素は特に限定されないが、具体的には例えば、カドミウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、ランタン等が挙げられる。これらの他の元素は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、特に結晶化が促進しやすく開放電圧が高くなることから、他の元素は亜鉛が好ましい。
上記他の元素の含有量は、上記硫化物及び/又はセレン化物中の好ましい上限が50重量%である。上記含有量が50重量%以下であれば、上記硫化物及び/又はセレン化物の光学特性を維持しつつ、付加機能を付与することが可能である。
上記光電変換層が薄膜状の上記有機半導体部位と、薄膜状の上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位とを備えた積層体である場合、上記薄膜状の有機半導体部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は1000nmである。
また、上記薄膜状の硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記光電変換層が上記有機半導体部位と、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位と、後述するフッ素含有化合物を含有する部位とを複合化した複合膜である場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
また、上記複合膜においては、上記有機半導体部位と、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位との比率が非常に重要である。上記有機半導体部位と、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位との比率は、1:9〜9:1(体積比)であることが好ましい。上記比率が上記範囲内であれば、ホール又は電子が電極まで到達しやすくなり、そのため光電変換効率の向上につながる。上記比率は、2:8〜8:2(体積比)であることがより好ましい。
本発明の薄膜太陽電池においては、上記有機半導体部位と、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との間に、フッ素含有化合物を含有する部位を有する。上記有機半導体部位と、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との間に、フッ素含有化合物を含有する部位を有することにより、上記有機半導体部位との接合性を高めることができ、光電変換効率を高め、特に開放電圧を高めることができる。また、フッ素元素は電気陰性度が比較的小さいため、電子が移動し易くなる。上記フッ素含有化合物は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フッ素含有化合物は、カルボキシル基、チオール基、ジスルフィド基、リン酸基、アルコキシシリル基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有することが好ましい。上記フッ素含有化合物がカルボキシル基、チオール基、ジスルフィド基、リン酸基及び/又はアルコキシシリル基を有することで、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位とフッ素含有化合物との密着性が向上し、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位と有機半導体部位との接合性を高めることができ、開放電圧を高めることができる。なかでも、接合性をより高めることができることから、リン酸基を有することが好ましい。
上記カルボキシル基を有するフッ素含有化合物としては、例えば、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロフェニルカルボン酸等が挙げられる。
上記チオール基を有するフッ素含有化合物としては、例えば、フルオロアルキルチオール、フルオロフェニルアルキルチオール等が挙げられる。
上記ジスルフィド基を有するフッ素含有化合物としては、例えば、フルオロアルキルジスルフィド、フルオロフェニルジスルフィド等が挙げられる。
上記リン酸基を有するフッ素含有化合物としては、例えば、フルオロオクチルホスホン酸、フルオロドデシルホスホン酸、フルオロヘキシルホスホン酸等が挙げられる。
上記アルコキシシリル基を有するフッ素含有化合物としては、例えば、フルオロアルコキシシラン、フルオロフェニルアルコキシシラン等が挙げられる。
本発明の薄膜太陽電池においては、陰極と前記光電変換層との間に、電子輸送層が配置されていてもよい。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記電子輸送層は、薄膜状の電子輸送層のみからなっていてもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましい。特に、上記光電変換層が上記有機半導体部位と上記硫化物部位、セレン化物部位、及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、複雑な構造の複合膜(複雑に入り組んだ構造)が得られ、光電変換効率が高くなることから、多孔質状の電子輸送層上に硫化物部位、セレン化物部位、及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位が成膜されていることが好ましい。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
本発明の薄膜太陽電池においては、上記陽極と上記光電変換層との間に、ホール輸送層が配置されていてもよい。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン、フタロシアニン、ポルフィリン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸等が挙げられる。
上記ホール輸送層の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
本発明の薄膜太陽電池は、更に、基板等を有していてもよい。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。
図1に、薄膜状の有機半導体部位と、薄膜状の硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位とを積層した積層体である光電変換層を有する本発明の薄膜太陽電池の一例を模式的に示す。図1に示す薄膜太陽電池1においては、基板2、透明電極(陰極)3、電子輸送層4、光電変換層8(薄膜状の硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位5、フッ素含有化合物を含有する部位6、薄膜上の有機半導体部位7を含む積層体)、ホール輸送層9、電極(陽極)10がこの順で積層されている。
本発明の薄膜太陽電池を製造する方法は特に限定されず、例えば、基板上に電極(陰極)、電子輸送層、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位、フッ素含有化合物を含有する部位、有機半導体部位、光電変換層、電極(陽極)をこの順で形成する方法等が挙げられる。
本発明の薄膜太陽電池を製造する方法であって、有機半導体を含有する部位と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との間にフッ素含有化合物を含有する部位を形成する工程を有することを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記有機半導体と、上記硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との間にフッ素含有化合物を含有する部位を形成する工程は特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スピンコート法等の印刷法、ディップコーティング法、その他の真空プロセス(例えば、スパッタリング法、CVD等)等が挙げられる。なかでも、高い光電変換効率を発揮できる薄膜太陽電池を大面積で簡易に形成できることから、ディップコーティング法が好ましい。
上記ディップコーティング法においては、上記フッ素含有化合物を溶媒に溶解させた溶液をコーティング液としてもよいし、上記フッ素含有化合物が常温(23℃)で液体の場合には、上記フッ素含有化合物を溶媒に溶解せずにコーティング液としてもよい。なかでも、上記フッ素含有化合物を溶媒に溶解させた溶液をコーティング液として用いたディップコーティング法が好適である。
なお、上記フッ素含有化合物を溶媒に溶解させた溶液をコーティング液とした場合、該コーティング液中の上記フッ素含有化合物の濃度の好ましい上限は1M、好ましい下限は1mMである。上記フッ素含有化合物の濃度がこの範囲内であると、充分に表面にフッ素含有化合物を吸着させて、表面をフッ素含有化合物で覆うことができる。
上記光電変換層を形成する方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタ法、気相反応法(CVD)、電気化学沈積法等であってもよいが、硫黄含有化合物及び/又はセレン含有化合物とを含有する半導体形成用塗布液を用いた印刷法が好ましい。印刷法を採用することで、高い光電変換効率を発揮できる薄膜太陽電池を大面積で簡易に形成することができ、大量生産が可能となる。更に、印刷法を採用することで、薄膜太陽電池の性能安定性を高めることもできる。性能安定性が高いと、薄膜太陽電池の製造の際に、不良品を減らすことができる。印刷法として、例えば、スピンコート法、キャスト法等が挙げられ、印刷法を用いた方法としてロールtoロール法等が挙げられる。
より具体的には、例えば、上記光電変換層が薄膜状の上記硫化物部位、セレン化物部位、及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位と薄膜状の上記有機半導体部位とを積層した積層体である場合には、上記半導体形成用塗布液を用いてスピンコート法等の印刷法により薄膜状の硫化物部位、セレン化物部位、及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位を成膜し、フッ素含有化合物を含有する部位を形成させた上で、更にスピンコート法等の印刷法により薄膜状の有機半導体部位を成膜することが好ましい。
本発明によれば、光電変換効率を高めることができ、特に有機半導体部位と硫化物部位、セレン化物部位、及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位との接合性を高めることで開放電圧を高めることができる。また、本発明によれば、該薄膜太陽電池の製造方法を提供することができる。
薄膜状の有機半導体部位と薄膜状の硫化物及び/又はセレン化物半導体部位とを積層した積層体である光電変換層を有する本発明の薄膜太陽電池の一例を、模式的に示す断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(チタンを含有する塗布液の作製)
チタン粉末10mmolを精秤し、ビーカーに入れ、過酸化水素水40gを加え、更にアンモニア水10gを加えた。これを2時間水冷した後、L−乳酸30mmolを添加し、80℃に設定したホットプレートで一日加温し、そこへ蒸留水10mLを添加し、チタンを含有する塗布液を作製した。
(フッ素含有化合物を含有する溶液の作製)
エタノール100重量部に、フッ化オクチルホスホン酸0.1重量部を添加した後、攪拌することによって、フッ素含有化合物を含有する溶液を作製した。
(半導体形成用塗布液の作製)
N,N−ジメチルホルムアミド100重量部に、塩化アンチモン(III)20重量部を添加した後、攪拌することによって溶解した。N,N−ジメチルホルムアミド100重量部に、チオ尿素(CS(NH)20重量部を添加した後、攪拌することによって溶解した。塩化アンチモンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液50重量部に、チオ尿素のN,N−ジメチルホルムアミド溶液40重量部を攪拌しながら徐々に添加した。その際、溶液は混合前の無色透明から黄色透明に変わった。添加終了後に更に30分間攪拌することによって、塩化アンチモンとチオ尿素とを含有する半導体形成用塗布液を作製した。
(薄膜太陽電池の作製)
FTOガラス基板上に、チタンを含有する塗布液を回転数1500rpmの条件でスピンコート法により100nmの厚みに塗布した。塗布後、大気中550℃で10分間焼成し、電子輸送層を形成した。
得られた電子輸送層上に、半導体形成用塗布液を回転数1500rpmの条件でスピンコート法により塗布した。塗布後、サンプルを真空炉に入れ、真空環境下で260℃で10分間焼成し、硫化物半導体薄膜(薄膜状の硫化物半導体部位)を形成した。真空炉から取出した硫化物半導体薄膜は黒色であった。真空炉から取出した後、フッ素含有化合物を含有する溶液に3分間浸漬した。溶液から取出した後、エタノールで洗浄し、乾燥させ、フッ素含有化合物を含有する部位を形成した。更に、有機半導体薄膜(薄膜状の有機半導体部位)としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)をスピンコート法により50nmの厚みに成膜した。その後、有機半導体薄膜の上にホール輸送層としてポリエチレンジオキサイドチオフェン:ポリスチレンスルフォネート(PEDOT:PSS)をスピンコート法により50nmの厚みに成膜した。次いで、ホール輸送層の上に厚み80nmの金電極を真空蒸着法により成膜することによって薄膜太陽電池を作製した。
(比較例5)
フッ素含有化合物を含有する部位を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例2〜7、比較例1〜4)
フッ素含有化合物を表1に示す化合物に変更したこと以外は、実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例8)
FTOガラス基板上に、チタンを含有する塗布液を回転数1500rpmの条件でスピンコート法により100nmの厚みに塗布した。塗布後、大気中550℃で10分間焼成し、電子輸送層を形成した。
更に、薄膜状の電子輸送層上に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、厚み300nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。次いで、ハロゲン化金属化合物としてヨウ化鉛をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させて1Mの溶液を調製した。これを上記酸化チタンの層上にスピンコート法によって製膜した。更に、アミン化合物としてヨウ化メチルアンモニウムを2−プロパノールに溶解させて1Mの溶液を調製した。この溶液内に上記のヨウ化鉛を製膜したサンプルを浸漬させることによって有機無機ペロブスカイト化合物であるCHNHPbIを含む層を形成した。浸漬後、得られたサンプルに対して80℃にて30分間加熱処理を行った。熱処理後、フッ素含有化合物を含有する溶液に2分間浸漬した。溶液から取出した後、プロパノールで洗浄し、乾燥させ、フッ素含有化合物を含有する部位を形成した。更に、有機半導体薄膜(薄膜状の有機半導体部位)としてPoly−TPD(1−Material社製)をスピンコート法により50nmの厚みに成膜した。その後、有機半導体薄膜の上に厚み80nmの金電極を真空蒸着法により成膜することによって薄膜太陽電池を作製した。
(比較例10)
フッ素含有化合物を含有する部位を形成しなかった以外は、実施例8と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例9〜14、比較例6〜9)
フッ素含有化合物を表2に示す化合物に変更したこと以外は、実施例8と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
<評価>
各実施例及び比較例で得られた薄膜太陽電池について、以下の評価を行った。
(開放電圧評価)
薄膜太陽電池の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmのソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて薄膜太陽電池の開放電圧V0Cを測定した。なお、フッ素含有化合物を含有する部位を形成していないこと以外は実施例1と同様の条件で作製した薄膜太陽電池の開放電圧を基準とし、開放電圧の増加量を表1、2に示した。
Figure 2017028093
Figure 2017028093
本発明によれば、光電変換効率を高めることができ、特に開放電圧を高めることができる薄膜太陽電池を提供することができる。また、本発明によれば、該薄膜太陽電池の製造方法を提供することができる。
1 薄膜太陽電池
2 基板
3 透明電極(陰極)
4 電子輸送層
5 薄膜状の硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物部位
6 フッ素含有化合物を含有する部位
7 薄膜状の有機半導体部位
8 光電変換層(積層体)
9 ホール輸送層
10 電極(陽極)

Claims (6)

  1. 陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層を有し、
    前記光電変換層が、有機半導体を含有する部位と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位とを有し、
    前記有機半導体を含有する部位と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との間にフッ素含有化合物を含有する部位を有することを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. フッ素含有化合物は、カルボキシル基、チオール基、ジスルフィド基、リン酸基、アルコキシシリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有することを特徴とする請求項1記載の薄膜太陽電池。
  3. 硫化物及び/又はセレン化物は、周期表14族又は15族元素を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜太陽電池。
  4. 硫化物及び/又はセレン化物は、硫化アンチモン及び/又はセレン化アンチモンであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の薄膜太陽電池。
  5. 陰極と光電変換層との間に配置された電子輸送層を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の薄膜太陽電池。
  6. 請求項1、2、3、4、又は5記載の薄膜太陽電池を製造する方法であって、有機半導体を含有する部位と、硫化物部位、セレン化物部位及び/又は有機無機ペロブスカイト化合物を含有する部位との間にフッ素含有化合物を含有する部位を形成する工程を有することを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
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