JP2017025117A - 水性の遮熱性塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】施工作業が、臭気や安全性等の点で問題がなくかつ簡便であり、赤外線を遮蔽しつつ可視光透過率に優れた皮膜を形成可能な、水性塗料組成物を提供すること。
【解決手段】アンチモンドープ酸化錫粒子および錫ドープ酸化インジウム粒子から選択される1種以上の赤外線遮蔽粒子(1)100質量部に対し、電子吸引性基を少なくとも一つ有する高分子分散剤(2)を5質量部以上、70質量部以下、ガラス転移点(Tg)が−70℃以上、130℃以下であり、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)を30質量部以上、〜3000質量部以下質量部の割合で少なくとも含む水性塗料組成物を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】アンチモンドープ酸化錫粒子および錫ドープ酸化インジウム粒子から選択される1種以上の赤外線遮蔽粒子(1)100質量部に対し、電子吸引性基を少なくとも一つ有する高分子分散剤(2)を5質量部以上、70質量部以下、ガラス転移点(Tg)が−70℃以上、130℃以下であり、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)を30質量部以上、〜3000質量部以下質量部の割合で少なくとも含む水性塗料組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、赤外線を遮蔽しつつ、優れた可視光透過性を有する皮膜を形成可能な水性の遮熱性塗料組成物に関する。
主にガラスなどの透明基材に塗布することで、塗布後に形成された皮膜が太陽光からの赤外線を遮蔽し室内の温度上昇を抑える効果がある遮熱性の塗料組成物が知られている。近年は、省エネルギー、住居環境改善等の目的で、建物の窓、車両の窓等にこの塗料組成物を応用する研究開発が盛んに行われている。
赤外線を遮蔽する成分(以下「赤外線遮蔽粒子」という。)としては、長期的な効果が期待できる無機系のアンチモンドープ酸化錫粒子や錫ドープ酸化インジウム粒子などが知られている。
例えば、有機溶剤にバインダ樹脂と赤外線遮蔽粒子としてアンチモンドープ酸化錫粒子または錫ドープ酸化インジウム粒子を分散した遮熱性塗料組成物が提案されている。(特許文献1(実施例1、2、3参照))
特許文献1では、赤外線遮蔽粒子、バインダ樹脂を有機溶剤中に微細均一に分散させた塗料組成物によって、優れた可視光透過性(透明性)と赤外線遮蔽性を両立している。
このような遮熱性塗料組成物は、風雨に曝される外側よりも、建物などの内側から窓など透明基材に塗布することが、施工性や耐久性の観点から好ましい。しかし、特許文献1では有機溶剤を用いるため、換気が制限される建物の内側の窓などに塗布する場合は、施工時の臭いや安全性等に課題があった。
そこで、有機溶剤を用いない水性の遮熱性塗料組成物が提案されている。(特許文献2)この特許文献2では塗料のバインダ樹脂に水系エマルション樹脂を使用しているため、施工時の臭いや安全性の課題は解決されている。
ところが、水系エマルション樹脂を使用した塗料は一般的に架橋密度が低いので、皮膜の密着性や耐久性を向上させるために、硬化助剤を塗布直前に混合する2液型の塗料となっている。そのため、水系エマルション樹脂を使用した2液型の塗料は、施工作業が煩雑になるという課題があった。
また本発明者らの検討によれば、水性の遮熱性塗料組成物に使用される水系エマルション樹脂の種類によっては、赤外線遮蔽粒子の凝集により、皮膜の可視光透過性が著しく損なわれるといった課題が見出された。
本発明が解決しようとする課題は、施工作業が、臭気や安全性等の点で問題がなくかつ簡便であり、赤外線を遮蔽しつつ可視光透過率に優れた皮膜を形成可能な、水性の遮熱性塗料組成物を提供することである。
本発明の水性の遮熱性塗料組成物は、アンチモンドープ酸化錫粒子および錫ドープ酸化インジウム粒子から選択される少なくとも1種の赤外線遮蔽粒子(1)、電子吸引性基を少なくとも一つ有する高分子分散剤(2)、ガラス転移点(Tg)が−70℃以上、130℃以下であり、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)を少なくとも含む。また、前記赤外線遮蔽粒子(1)100質量部に対し、前記高分子分散剤(2)が5質量部以上、70質量部以下であり、前記シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)が30質量部以上、3000質量部以下であることを特徴とする。
また本発明の水性の遮熱性塗料組成物では、前記高分子分散剤(2)がエポキシ基を有するポリエステルまたはポリエーテル構造であることを特徴とする。
また本発明では、前記水性の遮熱性塗料組成物中の分散粒径D90が0.01μm以上、0.20μm以下であることを特徴とする。
また本発明では、前記ポリウレタン樹脂(3)のガラス転移点(Tg)が50℃以上、130℃以下であることを特徴とする。
また、前記水性塗料組成物を3mm厚のガラス基材に塗布乾燥後の可視光透過率(JIS A5759に準じた)が70%以上、90%以下にあることを特徴とする。
本発明によれば、水性のため臭気や安全性等に問題がなく、1液型のため施工作業が簡便であり、基材との密着性、耐久性および透明性に優れた遮熱性の皮膜を形成可能な、水性の遮熱性塗料組成物が提供できる。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。
本発明の水性の遮熱性塗料組成物は、アンチモンドープ酸化錫粒子(以下「ATO粒子」ということがある。)および錫ドープ酸化インジウム粒子(以下「ITO粒子」ということがある。)から選択される少なくとも1種の赤外線遮蔽粒子(1)、電子吸引性基を少なくとも一つ有する高分子分散剤(2)、ガラス転移点が−70℃以上、130℃以下であり、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)を少なくとも含む。
本発明の水性の遮熱性塗料組成物は、アンチモンドープ酸化錫粒子(以下「ATO粒子」ということがある。)および錫ドープ酸化インジウム粒子(以下「ITO粒子」ということがある。)から選択される少なくとも1種の赤外線遮蔽粒子(1)、電子吸引性基を少なくとも一つ有する高分子分散剤(2)、ガラス転移点が−70℃以上、130℃以下であり、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)を少なくとも含む。
[赤外線遮蔽粒子(1)]
本発明に係る赤外線遮蔽粒子(1)は、公知のATO粒子及びITO粒子が使用でき、それぞれ一方のみ、または同時に使用することができる。また、それぞれドープ率の異なる粒子を2種以上組み合わせても良い。
本発明に係る赤外線遮蔽粒子(1)は、公知のATO粒子及びITO粒子が使用でき、それぞれ一方のみ、または同時に使用することができる。また、それぞれドープ率の異なる粒子を2種以上組み合わせても良い。
赤外線遮蔽粒子(1)の一次粒子径は100nm以下であることが好ましい。100nm以下であると、赤外線遮蔽粒子(1)による可視光線の散乱が少なくなり、得られる皮膜の透明性が優れる。更に10nm以上、50nm以下であるとより好ましい。
さらに、赤外線遮蔽粒子(1)の添加量は、透明性と赤外線遮蔽性の性能のバランスから、水性の遮熱性塗料組成物中で0.5質量%以上、40質量%以下が好ましい。ここでの水性塗料組成物とは、希釈溶媒(分散媒)として少なくとも水を含む。
[電子吸引性基を少なくとも一つ有する高分子分散剤(2)]
本発明に関わる高分子分散剤(2)は、電子吸引性基を少なくとも一つ有する。
その結果、赤外線遮蔽粒子(1)との相互作用による立体障害のほか、後述するシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)の活性水素基であるシラノール基と電子吸引性基との相互作用による立体障害が期待できるため、赤外線遮蔽粒子の再凝集を効果的に抑制することができる。
本発明に関わる高分子分散剤(2)は、電子吸引性基を少なくとも一つ有する。
その結果、赤外線遮蔽粒子(1)との相互作用による立体障害のほか、後述するシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)の活性水素基であるシラノール基と電子吸引性基との相互作用による立体障害が期待できるため、赤外線遮蔽粒子の再凝集を効果的に抑制することができる。
前記電子吸引性基としては、シラノール基との相互作用がある置換基であれば特に限定されるものではなく、例えばイソシアネート基、エポキシ基(オキシラン基)、(メタ)アクリル基、スチリル基、ビニル基などが挙げられる。
その中でエポキシ基を有するポリエステルまたはポリエーテル構造であると、特にATO粒子またはITO粒子のような赤外線遮蔽粒子(1)の水中での分散性が良好となるだけでなく、組成物が乾燥する際の粒子の再凝集を効果的に抑制するため好ましい。
さらに本発明に関わる高分子分散剤(2)の添加量は、赤外線遮蔽粒子(1)100質量部に対し、5質量部以上、70質量部以下が好ましい。前記赤外線遮蔽粒子(1)100質量部に対し、添加量が5質量部未満であると、組成物中での前記赤外線遮蔽粒子の再凝集を効果的に抑制することができない。また、前記赤外線遮蔽粒子(1)100質量部に対し、添加量が70質量部を超えると、塗布乾燥後の皮膜からブリードアウトなどが発生し、皮膜の密着性が損なわれる。
また、本発明に関わる高分子分散剤(2)の重量平均分子量は、1,000以上、100,000以下であることが好ましい。更に重量平均分子量は、1,000以上、10,000以下であると希釈溶媒との相溶性が良好となるためより好ましい。
[シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)]
本発明のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)は、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有する。そして、前記シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)は水相中に溶解するもの、又は微粒子状のコロイド分散系となるもの(水系エマルション樹脂)を使用する。
本発明のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)は、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有する。そして、前記シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)は水相中に溶解するもの、又は微粒子状のコロイド分散系となるもの(水系エマルション樹脂)を使用する。
前記シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)を選定することで、シラノール基により、主にガラスなどの透明基材との反応や分子間の自己架橋が可能になるため、1液型で、形成された皮膜の密着性や耐久性が良好になる。
前記シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)のシラノール基は、加水分解性ケイ素基の水相中での加水分解により生成される。前記シラノール基は、公知の方法でポリウレタン樹脂に導入できる。例えば、ポリオール類とイソシアネート基を有する化合物を反応させて得られたポリウレタンプレポリマーに、イソシアネート基と反応可能な活性水素基および加水分解性ケイ素基を有する化合物を反応させることにより、得ることが出来る。
前記イソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば脂肪族ジイソシアネート(トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等)、脂環族ジイソシアネート(1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3、5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等)、芳香族ジイソシアネート(m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等)、および誘導されたダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、プレポリマー等が挙げられる。所望される性能及び性状に応じて前記イソシアネート類の2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール類としては、特に限定されるものではなく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン(TMP)、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、ポリオキシエチレンポリオール(PEG)、ポリオキシプロピレンポリオール(PPG)、ポリオキシブチレンポリオール(PBG)等の平均分子量200〜10000のポリエーテルポリオール類、テトラヒドロフラン(THF)の開環重合によって得られるポリオキシテトラメチレングリコール(PTMEG)、THFとプロピレンオキサイド、3−メチルテトラヒドロフラン、ネオペンチルグリコール等とのカチオン共重合により製造される平均分子量500〜5000の共重合ポリエーテルポリオール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリヘキサメチレンアジペートグリコール、ポリカプロラクトンポリオール(PCL)、PCLとアジペート系ポリエステルポリオールとのエステル交換反応により製造される平均分子量500〜4000の共重合ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ひまし油系ポリオール等の平均分子量150〜5000の各種ポリオールなどが挙げられる。所望される性能及び性状に応じて前記ポリオール類の2種以上を併用してもよい。
前記加水分解性ケイ素基とは、水分により加水分解を受ける加水分解性基がケイ素原子に結合している基をいう。前記加水分解性基の具体例としては、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等の一般に使用されている基が挙げられる。特に加水分解性が比較的小さく、取扱いが容易である点からアルコキシ基が好ましい。前記加水分解性基は、通常、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合しているが、塗布後の加水分解性ケイ素基の反応性、耐水性、耐溶剤性といった点から2〜3個結合しているものが好ましい。
イソシアネート基と反応可能な活性水素基および加水分解性ケイ素基を有する化合物としては、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジエトキシシラン等が挙げられる
前記シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)中に含まれるシラノール基の結合部位は特に限定されず、ポリウレタン樹脂の両端、何れか一方端又は中間部分の何れかの部位に結合していればよい。
また、前記シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)中に、親水性基が導入されたものが好ましい。親水性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホネート基等が挙げられるが、樹脂の水相中での安定性の点からカルボキシル基、スルホン酸基がより好ましい。
本発明のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)のガラス転移点(Tg)は、−70℃以上、130℃以下である。前記ガラス転移点が−70℃以上、130℃以下であると、室温程度の温度領域においても、水分が蒸発する際に水系エマルション樹脂同士が十分に融着する。その結果、均一で透明な皮膜を得ることができる。Tgが130℃を超えると皮膜の密着性が著しく低下し、窓拭きなどの際に皮膜が剥がれて効果が損なわれる可能性が高くなる。
また、ガラス転移点が50℃以上、130℃以下であると、皮膜の硬さがより硬くなるので、さらに好ましい。
前記シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)は、必要に応じて硬化触媒が添加されていても良い。
硬化触媒としては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。特に前記硬化触媒は、室温程度の温度域においても効率よく架橋し、耐水性、耐溶剤性に優れた皮膜を形成できる強塩基性第3級アミンが好ましい。
前記シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)の添加量は、前記赤外線遮蔽粒子(1)100質量部に対し、30質量部以上、3000質量部以下が好ましい。シラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)の添加量が30質量部未満であると、皮膜の透明基材との密着性が低下し、3000質量部を超えると相対的に前記赤外線遮蔽粒子(1)が少なくなるため、遮熱性の効果が小さくなる。
[その他成分]
本発明の水性の遮熱性塗料組成物は、水以外に、必要に応じて皮膜の乾燥速度を制御する希釈溶媒を添加しても良い。
本発明の水性の遮熱性塗料組成物は、水以外に、必要に応じて皮膜の乾燥速度を制御する希釈溶媒を添加しても良い。
水以外の希釈溶媒としては、水と混合可能な、例えばアルコール類(エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール等)、セルソルブ類(エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等)、グリコールエーテル類(ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート等)およびアセテート誘導体などが挙げられる。
さらに、安全性や臭気の観点から、アルコール類またはグリコール類などがより好ましい。添加量は、水性の遮熱性塗料組成物全体の20質量%以下、好ましくは10質量%以下である。
また本発明の水性の遮熱性塗料組成物はその他に、公知のUV吸収剤、レベリング剤、密着助剤、消泡剤、酸化防止剤、防カビ剤、増粘剤等の添加剤を適宜含んでいても良い。
[水性の遮熱性塗料組成物の調製方法]
本発明に係る水性の遮熱性塗料組成物を調製する際、前述の材料の混合の順番は特に限定されるものではないが、例えば、赤外線遮蔽粒子(1)を水中に分散し、高分子分散剤(2)を添加して、赤外線遮蔽粒子(1)表面に高分子分散剤(2)を吸着させ水系分散液Aを調製する。次に、この水系分散液Aとシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)の水系分散液Bとを攪拌混合して調製される。その他の希釈溶媒や添加剤は、水系分散液AまたはBにそれぞれ添加したり、水系分散液AおよびBの混合後に添加することができる。
本発明に係る水性の遮熱性塗料組成物を調製する際、前述の材料の混合の順番は特に限定されるものではないが、例えば、赤外線遮蔽粒子(1)を水中に分散し、高分子分散剤(2)を添加して、赤外線遮蔽粒子(1)表面に高分子分散剤(2)を吸着させ水系分散液Aを調製する。次に、この水系分散液Aとシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)の水系分散液Bとを攪拌混合して調製される。その他の希釈溶媒や添加剤は、水系分散液AまたはBにそれぞれ添加したり、水系分散液AおよびBの混合後に添加することができる。
本発明の水性の遮熱性塗料組成物の固形分濃度は、調製時の負荷や調製後の粘度に応じて適宜調整でき、特に限定されるものでは無いが、3質量%以上、50質量%以下が好ましい。
このように調製される水性の遮熱性塗料組成物は、組成物中の分散粒径D90が0.01μm以上、0.20μm以下であることが好ましい。D90が0.01μm以上では、水性塗料組成物の粘度を適正な範囲に維持することが可能である。また、D90が0.20μm以下では、透明性やヘーズの低下を抑制することができる。
[水性の遮熱性塗料組成物の使用方法]
[基材]
本発明の水性の遮熱性塗料組成物を塗布する基材は、特に限定されないが、透明な基材が好ましい。例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート等の有機ガラスまたは無機ガラス等の窓ガラスに適用すれば、本発明の目的とする遮熱性による効果が大きくなり好ましい。
[基材]
本発明の水性の遮熱性塗料組成物を塗布する基材は、特に限定されないが、透明な基材が好ましい。例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート等の有機ガラスまたは無機ガラス等の窓ガラスに適用すれば、本発明の目的とする遮熱性による効果が大きくなり好ましい。
また、ポリエステルフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素フィルム、ポリイミドフィルム等の透明性や耐候性を有する厚さ50〜200ミクロンのフィルムに、本発明の水性の遮熱性塗料組成物をコーティングすることも可能である。
[塗布方法]
本発明の塗料の塗布方法は、特に限定されないが、既設の窓ガラスに塗布する場合は、ローラーや刷毛塗り、スポンジコート、スプレーコート、バーコート、流し塗りすることが好ましい。また、工場塗布する場合は、それらの塗布方法以外に、カーテンコート(フローコート)等も可能である。フィルムにコーティングする場合は、本発明の塗料を適度な粘度に調整したのち、グラビアコーター、コンマコーター、ロールコーター等の各種コーターで塗工すればよい。
本発明の塗料の塗布方法は、特に限定されないが、既設の窓ガラスに塗布する場合は、ローラーや刷毛塗り、スポンジコート、スプレーコート、バーコート、流し塗りすることが好ましい。また、工場塗布する場合は、それらの塗布方法以外に、カーテンコート(フローコート)等も可能である。フィルムにコーティングする場合は、本発明の塗料を適度な粘度に調整したのち、グラビアコーター、コンマコーター、ロールコーター等の各種コーターで塗工すればよい。
また、基材への塗布は、通常片面が一般的であるが、両面でもよい。建物の二階以上に設置されている、既設の窓ガラスに塗布する場合は、室内面に塗布することが施工上容易となり好ましい。
[膜厚]
膜厚は乾燥後の厚みで、1μm以上、30μm以下、好ましくは5μm以上、20μm以下である。1μm未満であると、遮熱性を付与し難く、30μmを超えると、透明性を阻害するおそれがあるので好ましくない。
膜厚は乾燥後の厚みで、1μm以上、30μm以下、好ましくは5μm以上、20μm以下である。1μm未満であると、遮熱性を付与し難く、30μmを超えると、透明性を阻害するおそれがあるので好ましくない。
[透明性]
水性の遮熱性塗料組成物の用途において、透明基材に塗布する場合は、皮膜形成後に高い透明性が要求される。ここで定義する透明性とは、JIS A5759で定められた可視光線透過率が70%以上のものをいう。本発明では、水性の遮熱性塗料組成物を3mm厚のガラス基材に塗布乾燥後の可視光線透過率が70%以上、90%以下にあることが好ましい。なお、3mm厚のガラス基材の可視光線透過率は約90%であり、上限の90%は、皮膜単独では100%に近い透過率である。さらにこの可視光線透過率は、80%以上であることがより好ましい。
水性の遮熱性塗料組成物の用途において、透明基材に塗布する場合は、皮膜形成後に高い透明性が要求される。ここで定義する透明性とは、JIS A5759で定められた可視光線透過率が70%以上のものをいう。本発明では、水性の遮熱性塗料組成物を3mm厚のガラス基材に塗布乾燥後の可視光線透過率が70%以上、90%以下にあることが好ましい。なお、3mm厚のガラス基材の可視光線透過率は約90%であり、上限の90%は、皮膜単独では100%に近い透過率である。さらにこの可視光線透過率は、80%以上であることがより好ましい。
可視光線透過率が70%未満の場合、特に窓ガラスへ適用した際に窓ガラス越しの風景が見えづらくなる場合がある。
本発明に係る水性の遮熱性塗料組成物について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは無い。
[原料]
(1)赤外線遮蔽粒子
ATO粒子 (SNS−100P 石原産業株式会社製)
ITO粒子 (三菱マテリアル電子化成社製)
(1)赤外線遮蔽粒子
ATO粒子 (SNS−100P 石原産業株式会社製)
ITO粒子 (三菱マテリアル電子化成社製)
(2)電子吸引性基を少なくとも一つ有する高分子分散剤
商品名 「SOLSEPERS20000」(日本ルーブリゾール株式会社製;エポキシ基を有するポリエステルまたはポリエーテル構造を有する高分子分散剤)
商品名 「SOLSEPERS20000」(日本ルーブリゾール株式会社製;エポキシ基を有するポリエステルまたはポリエーテル構造を有する高分子分散剤)
(3)シラノール基を有するポリウレタン樹脂
ポリウレタン樹脂1:商品名「タケラック WS−6021」(Tg:?60,40℃)
固形分30.0質量%
ポリウレタン樹脂2:商品名「タケラック WS−5000」(Tg:65℃)
固形分30.0質量%
ポリウレタン樹脂3:商品名「タケラック WS−5100」(Tg:120℃)
固形分30.0質量%
(「タケラック」は三井化学株式会社登録商標)
なお、ガラス転移点(Tg)はメーカーカタログ値を用いた。
ポリウレタン樹脂1:商品名「タケラック WS−6021」(Tg:?60,40℃)
固形分30.0質量%
ポリウレタン樹脂2:商品名「タケラック WS−5000」(Tg:65℃)
固形分30.0質量%
ポリウレタン樹脂3:商品名「タケラック WS−5100」(Tg:120℃)
固形分30.0質量%
(「タケラック」は三井化学株式会社登録商標)
なお、ガラス転移点(Tg)はメーカーカタログ値を用いた。
(4)その他
(a)UV吸収剤
商品名 「シャインガードBZ−24」
(センカ株式会社製; ベンゾトリアゾール系エマルション)
(a)UV吸収剤
商品名 「シャインガードBZ−24」
(センカ株式会社製; ベンゾトリアゾール系エマルション)
(b)はじき防止剤
商品名 「メガファックF−444」(DIC株式会社 :フッ素系界面活性剤)
商品名 「メガファックF−444」(DIC株式会社 :フッ素系界面活性剤)
(c)希釈溶媒
プロピレングリコール(旭硝子株式会社製;工業用グレード)
プロピレングリコール(旭硝子株式会社製;工業用グレード)
[赤外線遮蔽粒子 30質量%分散液の調製]
分散液1〜分散液6の各原料の量は表1のとおりである。
分散液1〜分散液6の各原料の量は表1のとおりである。
[調製]
分散液1、3〜5は下記のとおり調製した。
200mlのガラスびんに、ATO粒子、イオン交換水および1.5mmジルコニアボール(YTZ;東ソー株式会社)90gを加え密栓した。密栓後、空冷ファンで空冷しながら24時間ペイントシェカーで振とう、分散を行った。その後、本発明に関わる高分子分散剤を添加し、さらに空冷しながら24時間ペイントシェカーで振とう、分散を行った。その後、前記ジルコニアボールをろ過除去して分散液を得た。
分散液1、3〜5は下記のとおり調製した。
200mlのガラスびんに、ATO粒子、イオン交換水および1.5mmジルコニアボール(YTZ;東ソー株式会社)90gを加え密栓した。密栓後、空冷ファンで空冷しながら24時間ペイントシェカーで振とう、分散を行った。その後、本発明に関わる高分子分散剤を添加し、さらに空冷しながら24時間ペイントシェカーで振とう、分散を行った。その後、前記ジルコニアボールをろ過除去して分散液を得た。
分散液2は、ATO粒子をITO粒子に代えた外は、同様に調製した。
分散液6は下記のとおり調製した。
200mlのガラスびんに、ATO粒子、イオン交換水および1.5mmジルコニアボール(YTZ;東ソー株式会社)90gを加え密栓した。密栓後、空冷ファンで空冷しながら48時間ペイントシェカーで振とう、分散を行った。その後、前記ジルコニアボールをろ過除去して分散液6を得た。
200mlのガラスびんに、ATO粒子、イオン交換水および1.5mmジルコニアボール(YTZ;東ソー株式会社)90gを加え密栓した。密栓後、空冷ファンで空冷しながら48時間ペイントシェカーで振とう、分散を行った。その後、前記ジルコニアボールをろ過除去して分散液6を得た。
[水性の遮熱性塗料組成物の調製]
実施例および比較例に使用した各原料及び原料の量は表2のとおりである。
実施例および比較例に使用した各原料及び原料の量は表2のとおりである。
[実施例1]
400mlガラス瓶に、はじき防止剤、イオン交換水および分散液をこの順番で加え均一に混合した。混合後、前記混合液をマグネチックスターラーで撹拌しながら添加樹脂(ポリウレタン樹脂1)、UV吸収剤および希釈溶媒をこの順番で加え均一に混合して水性の遮熱性塗料組成物を得た。
また水性の遮熱性塗料組成物の評価として、後述の方法で、粘度、分散粒径D90を測定した。
400mlガラス瓶に、はじき防止剤、イオン交換水および分散液をこの順番で加え均一に混合した。混合後、前記混合液をマグネチックスターラーで撹拌しながら添加樹脂(ポリウレタン樹脂1)、UV吸収剤および希釈溶媒をこの順番で加え均一に混合して水性の遮熱性塗料組成物を得た。
また水性の遮熱性塗料組成物の評価として、後述の方法で、粘度、分散粒径D90を測定した。
[実施例2〜8]
表2に示した外は、実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を得た。同様に粘度、分散粒径D90を測定した。なお、実施例5では、ポリウレタン樹脂1に含まれる水の量が相対的に多くなるため、イオン交換水は添加しなかった。
表2に示した外は、実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を得た。同様に粘度、分散粒径D90を測定した。なお、実施例5では、ポリウレタン樹脂1に含まれる水の量が相対的に多くなるため、イオン交換水は添加しなかった。
[比較例]
[比較例1]
実施例1のポリウレタン樹脂1を、商品名「タケラックWS−4000」(Tg:136℃,固形分30.0質量%,三井化学株式会社製、以下「ポリウレタン樹脂4」という)に変更した外は、すべて実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を得た。同様に粘度、分散粒径D90を測定した。
[比較例1]
実施例1のポリウレタン樹脂1を、商品名「タケラックWS−4000」(Tg:136℃,固形分30.0質量%,三井化学株式会社製、以下「ポリウレタン樹脂4」という)に変更した外は、すべて実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を得た。同様に粘度、分散粒径D90を測定した。
[比較例2]
表2に示した外は、実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を得た。なお、分散液は高分子分散剤を過剰に入れた分散液5である。同様に粘度、分散粒径D90を測定した。
表2に示した外は、実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を得た。なお、分散液は高分子分散剤を過剰に入れた分散液5である。同様に粘度、分散粒径D90を測定した。
[比較例3]
表2に示した外は、すべて実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を得た。なお、分散液は高分子分散剤を加えない分散液6である。同様に粘度、分散粒径D90を測定した。
表2に示した外は、すべて実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を得た。なお、分散液は高分子分散剤を加えない分散液6である。同様に粘度、分散粒径D90を測定した。
[比較例4]
実施例1のポリウレタン樹脂1を、アクリルエマルジョン 商品名「Joncryl JDX6500」(Tg65℃ 固形分30.0質量%、BASF社製)に変更した外は、すべて実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を製造した。しかし、ATOの凝集がみられたため評価は行わなかった。
実施例1のポリウレタン樹脂1を、アクリルエマルジョン 商品名「Joncryl JDX6500」(Tg65℃ 固形分30.0質量%、BASF社製)に変更した外は、すべて実施例1と同様にして水性の遮熱性塗料組成物を製造した。しかし、ATOの凝集がみられたため評価は行わなかった。
[テストピースの作成]
得られた水性の遮熱性塗料組成物をバーコーター(#4)で、50mm×50mmフロートガラス(厚さ3mm)に塗布後、室温で乾燥した。乾燥膜厚は8μmであった。
得られた水性の遮熱性塗料組成物をバーコーター(#4)で、50mm×50mmフロートガラス(厚さ3mm)に塗布後、室温で乾燥した。乾燥膜厚は8μmであった。
各実施例および比較例で得られた水性の遮熱性塗料組成物について、ATO粒子またはITO粒子100質量部に対する各原料の部数を表3に示した。
[評価]
各実施例および比較例で得られた水性の遮熱性塗料組成物およびテストピースについて、下記の評価を行い、評価結果を表3に示した。
各実施例および比較例で得られた水性の遮熱性塗料組成物およびテストピースについて、下記の評価を行い、評価結果を表3に示した。
[水性の遮熱性塗料組成物の評価]
[粘度]
回転粘度計(芝浦システム社製、商品名「ビスメトロン VSA−1」)を用いて測定した。測定は、2号ローターを使用し、ローターの回転数は30rpm、測定温度は25℃とした。
[粘度]
回転粘度計(芝浦システム社製、商品名「ビスメトロン VSA−1」)を用いて測定した。測定は、2号ローターを使用し、ローターの回転数は30rpm、測定温度は25℃とした。
[分散粒径]
日機装社製商品名「マイクロトラック UPA」(モデル9340 動的光散乱法/ドップラー散乱法)を用いて測定した。分散体の密度を1.0g/cm3、粒子形状を非球形、粒子の屈折率を2.00、分散媒を水、分散媒の屈折率を1.33として、測定時間180秒にて測定し、体積換算として粒径が細かい方から累積で90%粒子径(D90)を求めた。
日機装社製商品名「マイクロトラック UPA」(モデル9340 動的光散乱法/ドップラー散乱法)を用いて測定した。分散体の密度を1.0g/cm3、粒子形状を非球形、粒子の屈折率を2.00、分散媒を水、分散媒の屈折率を1.33として、測定時間180秒にて測定し、体積換算として粒径が細かい方から累積で90%粒子径(D90)を求めた。
[皮膜の評価]
[遮熱性の確認]
実施例1の水性の遮熱性塗料組成物を塗布したテストピースと、テストピースのみ(3mmガラス)ついて分光光度計を用いて下記の条件でスペクトル測定を行い、得られたスペクトルを図1に示した。図1に示したように、塗布したテストピースは可視光域の透過率が高い(透明である)にもかかわらず、紫外光域と、近赤外光域における透過が抑制されていることを確認した。
(装置名 紫外可視近赤外分光光度計V−670 日本分光社製
測定波長範囲 300nm〜2500nm)
[遮熱性の確認]
実施例1の水性の遮熱性塗料組成物を塗布したテストピースと、テストピースのみ(3mmガラス)ついて分光光度計を用いて下記の条件でスペクトル測定を行い、得られたスペクトルを図1に示した。図1に示したように、塗布したテストピースは可視光域の透過率が高い(透明である)にもかかわらず、紫外光域と、近赤外光域における透過が抑制されていることを確認した。
(装置名 紫外可視近赤外分光光度計V−670 日本分光社製
測定波長範囲 300nm〜2500nm)
[密着性]
JIS K5600 5−6に準じて試験を行った。
なお評価は、○:はがれなし、△:一部はがれ、×:はがれ、とした。
JIS K5600 5−6に準じて試験を行った。
なお評価は、○:はがれなし、△:一部はがれ、×:はがれ、とした。
[鉛筆硬さ]
鉛筆硬さ試験(JIS−K−5400)、に準じて試験を行った。
鉛筆硬さ試験(JIS−K−5400)、に準じて試験を行った。
[耐久性]
上記のテストピースを用い、キセノンランプ(装置名 サンテストCPS+ アトラス社製)で、照射量250W/m2、240時間で試験を行った。なおテストピースは、光源の反対方向に皮膜を配置するようにした。試験後、目視により皮膜の変色/剥がれなど確認した。
なお評価は、○:皮膜の変色/剥がれなし、×:皮膜の変色/剥がれいずれかあり とした。
上記のテストピースを用い、キセノンランプ(装置名 サンテストCPS+ アトラス社製)で、照射量250W/m2、240時間で試験を行った。なおテストピースは、光源の反対方向に皮膜を配置するようにした。試験後、目視により皮膜の変色/剥がれなど確認した。
なお評価は、○:皮膜の変色/剥がれなし、×:皮膜の変色/剥がれいずれかあり とした。
[可視光透過率]
JIS A5759に準じて試験を行った。
(装置名 紫外可視近赤外分光光度計V−560DS日本分光社製
測定波長範囲 380〜780nm)
JIS A5759に準じて試験を行った。
(装置名 紫外可視近赤外分光光度計V−560DS日本分光社製
測定波長範囲 380〜780nm)
[ヘーズ]
JIS K7136に準じて試験を行った。
(装置名 ヘーズメーターNDH7000 日本電色工業社製)
JIS K7136に準じて試験を行った。
(装置名 ヘーズメーターNDH7000 日本電色工業社製)
実施例に示したように、本発明によって提供される水性の遮熱性塗料組成物は、優れた透明性を示すことがわかる。
また皮膜の密着性や耐久性が良好であり、1液型であるため施工作業が簡便である。
また皮膜の密着性や耐久性が良好であり、1液型であるため施工作業が簡便である。
それに対して、比較例1においては、シラノール基を含有するポリウレタン樹脂(3)のガラス転移点が136℃と高いため、可視光透過率が十分でなく、ヘーズも大きく、また密着性も十分でなかった
比較例2においては、本発明の高分子分散剤(2)を過剰に用いたため、密着性が十分でなく一部剥がれが生じた。またテストピース表面にべたつきが見られた。
比較例3においては、本発明の高分子分散剤(2)を加えていないため、可視光透過率が十分でなく、ヘーズも大きかった。
以上のように本発明によって、施工作業が簡便であり、形成された皮膜の密着性や耐久性および透明性に優れる、水性の遮熱性塗料組成物を提供することができる。
Claims (5)
- アンチモンドープ酸化錫粒子および錫ドープ酸化インジウム粒子から選択される少なくとも1種の赤外線遮蔽粒子(1)、
電子吸引性基を少なくとも一つ有する高分子分散剤(2)、
ガラス転移点(Tg)が−70℃以上、130℃以下であり、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(3)
を少なくとも含み、前記赤外線遮蔽粒子(1)100質量部に対し、
前記高分子分散剤(2)が5質量部以上、70質量部以下、
前記ポリウレタン樹脂(3)が30質量部以上、3000質量部以下
であることを特徴とする水性の遮熱性塗料組成物。 - 前記高分子分散剤(2)がエポキシ基を有するポリエステルまたはポリエーテル構造であることを特徴とする請求項1記載の水性の遮熱性塗料組成物。
- 前記水性の遮熱性塗料組成物の分散粒径D90が0.01μm以上、0.20μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の水性の遮熱性塗料組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂(3)のガラス転移点(Tg)が50℃以上、130℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性の遮熱性塗料組成物。
- 前記水性の遮熱性塗料組成物を3mm厚のガラス基材に塗布乾燥後の可視光透過率(JIS A5759に準じた)が70%以上、90%以下にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性の遮熱性塗料組成物。
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- 2014-11-13 WO PCT/JP2014/005713 patent/WO2015079638A1/ja active Application Filing
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