JP5855450B2 - 特定の粒子電荷を有する顔料分散体および該分散体のイオン系電着液への使用 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン系電着塗料を形成するための顔料分散体に関する。
アニオン系、カチオン系の電着塗料は種々のものが知られており(例えば、特許文献1,特許文献2等)、車体、建材・家電・建設機械等種々の分野で使用されている。
近年においては、電子材料にも電着塗料を電着する技術が応用されており(例えば特許文献3)、ITO基板等への適用が注目されている。
しかしながら、電着塗料を電子材料に適用する場合、従来の電着塗料技術をそのまま適用することはできず、その用途に適した電着塗料の開発が進められており、そのような電着塗料に適した顔料分散体が求められている。
特開2010−138373号公報 特開平5−331780号公報 特開2003−262707号公報
本発明は電子材料用電着塗料に適した顔料分散体、および該顔料分散体の使用方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、特定の粒子電荷を有することを特徴とする、イオン系電着塗料用顔料分散体を提供するものである。
また、本発明は上記分散体を、イオン系電着液と併用してイオン系電着塗料の製造に使用することを特徴とする、該顔料分散体の使用方法を提供するものである。
さらに、本発明により、上記分散体、およびイオン系電着液を含有するイオン系電着塗料が提供される。
本発明の顔料分散体は、イオン系電着液と併せて用いることにより、膜中に顔料が均一に分散された粒子分散性の良好な電着膜を形成しうるイオン系電着塗料とすることができる。
本発明により得られるイオン系電着塗料は、マイクロ構造体を好適に作製し得る。
顔料分散体
本発明が提供する顔料分散体は、水性媒体、顔料および分散剤を含有しており、該分散体に、特定の粒子電荷を付与していることを特徴としている。
本発明に係る顔料分散体に使用される水性媒体は、水を主溶媒として含んでいるものであり、アルコール系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノールおよびジアセトンアルコール等;ケトン系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等;エステル系溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等;エーテル系溶媒、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン等;グリコールエーテル系溶媒、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ブチルセロソルブ等を0〜50重量%程度の範囲で適宜含んでいてもよい。
本発明に係る顔料分散体に使用する顔料は特に限定はなく、塗料用やインク用として使用されるもの、例えば、アゾ系、ペリレン系、アントラキノン系またはジケトピロロピロール系のレッド顔料;ハロゲン化フタロシアニン系のグリーン顔料;フタロシアニン系のブルー顔料;ジスアゾ系、イソインドリン系、キノフタロン系またはピリドンアゾ系のイエロー顔料;キナクリドン系のマゼンタ顔料;銅フタロシアニン系またはアルミフタロシアニン系のシアン顔料;カーボンブラックまたはチタンブラックブラック等のブラック顔料等、各種の色顔料を使用することができる。顔料の分散性向上のために、顔料を使用する前に、あらかじめ微細化を行っていてもよい。例えば、顔料と無機塩と水溶性溶媒を混練し、得られる練り物を脱塩、水洗処理をした、顔料水性ペーストを使用し分散してもよい。これを乾燥、粉砕した顔料粉末から分散することもできる。主に分散性の向上などを目的として特開2007−186681号に示されるような顔料誘導体を用いることもできる。各種の色顔料は単独で用いても良いし、2種以上組合せて用いても良い。また、顔料の形態は特に限定はなく、ペースト、パウダー、固溶体等何れの形態であってもよい。
本発明に係る顔料分散体に用いる分散剤は、界面活性剤系分散剤、高分子系分散剤などを適宜用いることができる。また、2種類以上のものをあわせて用いることができる。
界面活性剤系分散剤としては:
アニオン系界面活性剤としてプライサーフA215C、プライサーフA219B、プライサーフAL、ネオゲンS20F(以上、第一工業製薬(株)製)、デモールN、デモールRN、デモールSN-B(以上、花王(株)製)、ディスパロン1210、ディスパロンPW−36(以上、楠本化成(株)製)、SNディスパーサント5027、SNディスパーサント5029、SNディスパーサント5045(以上、サンノプコ(株)製);
両性界面活性剤として、アモーゲンシリーズ(第一工業製薬(株)製);
ノニオン界面活性剤として、ノイゲンXLシリーズ、ノイゲンTDSシリーズ、ノイゲンETシリーズ、ノイゲンESシリーズ(以上、第一工業製薬(株)製)、エマルゲン350、エマルゲン430、エマルゲンA−60、エマルゲンA−90、エマルゲンB−66(以上、花王(株)製)等が使用可能である。
高分子系分散剤としては:
アニオン系高分子系分散剤としてデモールP、デモールEP(以上、花王(株)製)、ジョンクリル67、ジョンクリル678、ジョンクリル680、ジョンクリル683、ジョンクリル690(以上、BASFジャパン(株)製)、ソルスパース41000、ソルスパース41090(以上、日本ルーブリゾール(株)製)、ディスパロンDA325(楠本化成(株)製)、Disperbyk180、Disperbyk187、Disperbyk190、Disperbyk2090、Disperbyk2091(以上、ビックケミージャパン(株)製);
カチオン系高分子系分散剤としてソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、Disperbyk191(ビックケミージャパン(株)製);
ノニオン系高分子系分散剤としてソルスパース27000(日本ルーブリゾール(株)製)、Disperbyk192Disperbyk193(ビックケミージャパン(株)製)等が使用可能である。
本発明に係る顔料分散体は、他の成分として、アニオン系シナジスト系分散剤、有機溶媒などの媒体、pH調整剤、消泡剤、濡れ剤、殺菌剤、防腐剤などの他の任意成分を含有するようにしてもよい。これらの任意成分は、その機能などに応じて本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加量を決めればよい。
アニオン系シナジスト系分散剤とは、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環顔料などの顔料分子にスルホン酸基などのアニオン性をとる極性基が導入されたものを指す。上記顔料分散剤で分散された顔料粒子をさらに安定に保持させる効果と同時にその構造中に有するアニオン性基により顔料粒子にアニオン性を付与できるものであれば特に限定されず、従来公知の顔料誘導体を使用できる。かかる顔料誘導体は、市販品として、例えばソルスパース 5000、ソルスパース 12000、ソルスパース 22000(以上、日本ルーブリゾール(株)製)、BYK−Synergist 2100(ビックケミージャパン(株)製)などを使用することができる。
本発明に係る顔料分散体は、水性媒体、顔料、分散剤、所望により他の任意成分を混合分散させて得られる。混合は、顔料100重量部に対して、水性分散体200〜2000重量部、分散剤20〜65重量部程度の範囲でするようにすればよい。
混合方法特に限定はなく、例えば、(高速)ディスパー等で分散する方法等が挙げられる。必要に応じて、ビーズミルやロールミル等で分散してもよい。最終的に、得られた顔料分散体に含まれ得る一定以上の大きさの粒子を除去するため、フィルターろ過や遠心分離を行うのが好ましい。また、フィルターろ過を行う際は、必要に応じて、顔料分散体に含まれる粒子の粒子径を所定粒子径になるように調整するようにフィルターの孔径(メッシュの大きさ)を適宜選択してもよい。
分散性向上の観点からは、顔料の平均粒子径は、300nm以下、好ましくは180nm以下となるようにする。平均粒径が大きすぎると沈降など長期安定性が低下する問題が生じる。一方、マイクロ構造体を形成する場合は、目的とするマイクロ構造体の大きさにもよるが、平均粒子径は小さいほど好ましい。例えば、直径100μm、高さ5μmのマイクロレンズを作製しようとする場合は、その平均粒子径は、200nm以下程度であることが好ましい。直径5μm程度のマイクロレンズを作製しようとする場合は、その平均粒子径は、150nm以下程度であることが好ましい。
本発明において顔料の平均粒子径とは顔料分散体に含まれる粒子の分散粒子径を指す。顔料分散体に含まれる顔料粒子は、一般に顔料の一次粒子が複数凝集したものとして存在する。顔料分散体に含まれる顔料の平均粒子径は、このような凝集体の平均粒子径として把握されるものである。
本発明においては、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株)製)で分散体に分散する顔料の平均粒子径を測定した。測定のソフトウェアはMARQUARDTを使用し、算出されるキュムラント平均粒子径の値を本発明の平均粒子径(nm)とした。
本発明に係る分散体に、特定の粒子電荷を付与するようにする。アニオン系電着液と併用して使用する場合は、分散体の粒子電荷が−18〜−83μeq/gとなるように、カチオン系電着剤と併用する場合は、分散体の粒子電荷が0〜−7μeq/gとなるように、分散体の粒子荷電を付与するようにする。
分散体の粒子電荷が−18〜−83μeq/gとなるようにするためには、電荷調整に寄与するアニオン系分散剤、必要に応じアニオン系シナジスト系分散剤を、そのもののもつ電荷に応じて適量添加することで調整するようにすればよい。
分散体の粒子電荷が0〜−7μeq/gとなるようにするためには、電荷をほとんど有していないノニオン系分散剤を使用するようにすればよい。
本発明における分散体の粒子荷電は、粒子電荷計PCD−04(スペクトリス(株)製)を用いて測定した値で現されている。まず顔料分散体0.1gにイオン交換水を加えて100gにした。これに水酸化ナトリウム水溶液もしくは塩酸を用いてpH7に調整したものを試料として用いる。該試料をセルに入れ、電位がマイナスであることを確認した後、+電荷を有する滴定液(0.001N Poly Dadmac)で滴定し、以下の式により得られた値を粒子電荷(μeq/g)として使用した。
Q=V・c/m
Q:比電荷量[eq/g]、c:滴定液濃度[N、eq/L]、V:滴定液消費量[L]、m:試料量[g]
あるいは C=C・V/V
:電荷量(カチオン要求量など)[eq/L]、C:滴定液濃度[N、eq/L]、V:滴定液消費量[L]、V:試料量[L]
顔料や分散剤、電着樹脂由来の電荷担体の表面電荷量を求めるには、電荷量がゼロになるまで、試料と反対電荷の標準滴定液を試料へ加えればよい。こうして、滴定液の消費量から電荷量が求められる。一般的な滴定液としては、高分子電解質溶液が用いられ、アニオンに対してはポリエーテルスルホンナトリウム(PES−Na)またはポリビニル硫酸カリウム(PVSK)、カチオンに対しては、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド(poly−DADMAC)が使用され、未知の高分子電解質や粒子系などの測定が行われる。
電荷量の滴定は、試験セルと移動ピストンの動きにより生じる電位差、すなわち液体の流動電位を基に行うことができる。流動電位がゼロとなるまで、試料に対して滴定を行うことで、表面電荷の総量が見積もられる。
本発明の顔料分散体は、後述する方法にて測定される粘度が、概ね2〜50mPa・s、好ましくは2〜15mPa・sを有するように調製するようにする。そうすることにより、当該顔料分散体を電着樹脂組成物と混合した場合に、その粘度も低く維持することが可能で、保存安定性に優れた塗料を得ることができる。粘度の調整は適当な分散剤の選定と、分散時間の長短や分散メディアの選定など分散強度の調整をすることによりおこなうことができる。
また、本発明の顔料分散体は、pHとして6〜10を有するように調製するようにする。そうすることにより、当該顔料分散体の保存安定性が良好となる。
pH調整剤としては、特に限定はなく、公知のものを使用することができる。例えば、メチルアミン、エチルアミン等のような有機アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のような低級アルカノールアミン類;水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のような無機塩基等が挙げられる。
本発明の顔料分散体は、後述する方法にて測定されるチキソトロピーインデックス)(「T.I.値」と略す)が、概ね1.0〜1.9を有するように調整するようにする。T.I.値はせん断力を加え続けたときの粘度変化を表す指標であり、顔料分散体の安定性を評価する尺度である。その値が大きすぎると顔料分散体の粘度安定性に問題が起こることが経験的にわかっている。T.I.値の調整は顔料に最適な分散剤を適宜選択)することにより行うようにすればよい。
イオン系電着液
本発明の顔料分散体は、イオン系電着液と併用されてイオン系電着塗料として使用される。本発明においては、アニオン系電着液とカチオン系電着液を合わせてイオン系電着液と総称している。
電着液は、水系溶媒中にイオン性樹脂を含ませたもの、例えばコロイド状に分散させたものである。
水系溶媒は、水を主溶媒として、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、イソブタノール等のアルコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル等のセロソルブ類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類、それらの混合物を0.1重量%〜10重量%含んでいるものである。
イオン性樹脂は、カチオン性、アニオン性のいずれもが使用できる。透明性が高く、化学的安定性、強度の点で優れたものが好ましいが、種類については特に限定されない。例えば、カチオン性樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂と、メタアクリル樹脂を含む)、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、またはこれらの樹脂の任意の組み合わせによる混合物を使用することができる。さらに、上記カチオン性樹脂とブロックイソシアネート化合物等の熱硬化性樹脂を併用すること、または多官能アクリレートやエポキシド化合物等と光重合開始剤を混合した光硬化性樹脂とを併用することが好ましい。この場合、カチオン性樹脂は、それが電着で析出したとき、熱可塑性樹脂である事が好ましく、係る観点からは(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂及びそれらと熱硬化性樹脂を併用したものが適しており、それらの中でも(メタ)アクリル樹脂とブロックイソシアネート化合物の混合物が好ましい。
また、アニオン性樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、またはこれらの樹脂の任意の組み合わせによる混合物を使用することができる。さらに、マイクロ構造体を強固に形成する観点から、上記アニオン性樹脂とメラミン樹脂、フェノール樹脂、ブロックイソシアネート化合物等の熱硬化性樹脂を併用すること、または多官能アクリレートやエポキシド化合物等と光重合開始剤を混合した光硬化性樹脂とを併用することが好ましい。この場合、アニオン性樹脂は、それが電着で析出したとき、熱可塑性樹脂である事が好ましく、係る観点からは(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びそれらと熱硬化性樹脂を併用したもの、それらの中でもアクリル樹脂とメラミン樹脂又はアクリル樹脂とブロックイソシアネート化合物の混合物が好ましい。
電着液のイオン性樹脂の含有量は、特に制限されず、通常40〜90重量%程度にすればよい。その濃度が高すぎると水溶性が強くなり、電着後の水洗等で塗膜の再溶解が発生し膜厚が低下し、濃度が低すぎると水分散性が悪くなりコロイド状に分散された樹脂の沈降分離が生じる。さらに熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を併用する場合は、イオン性樹脂に対して、10〜60重量%、好ましくは20〜40重量%程度使用する。その量が多すぎると水分散性が悪くなりコロイド状に分散された樹脂が沈降分離する問題が生じ、少なすぎると硬化不足となり強固な塗膜が得られない問題が生じる。
イオン系電着塗料
イオン系電着塗料は、上記顔料分散体およびイオン性電着液を混合して得られる。混合方法は特に限定されず、従来から使用されている混合方法を使用すればよい。混合割合も特に限定されないが、イオン性電着塗料として見た場合、顔料が0.4〜8重量%、好ましくは0.4〜6重量%程度含有されるように混合することが望ましい。その顔料が多すぎると、異常電着が発生しやすいという問題があり、少なすぎると、必要な色濃度が得られないとの問題がある。イオン性樹脂としては39〜87重量%程度の量が含有される。
本発明の顔料分散体を使用して得られるイオン系電着塗料は、粒子分散性に優れ、鮮明な電着膜を得ることができる。本発明での「粒子分散性」とは膜中に顔料などの凝集がなく均一な膜形成がなされていることを意味し、「鮮明」とは透過する光を異常散乱させずに透過させて、光源と膜の間、もしくは膜に対して光源の反対側に設置したスライドフィルムの画像を鮮明に観察させうる膜であること意味している。
本発明の顔料分散体は、イオン系電着液と併用して、マイクロ構造体を電着形成する場合に使用するイオン系電着塗料を製造するための使用に特に適している。
マイクロ構造体は、縦、横、高さのいずれかの寸法が1mm未満の構造体を意味している。また、単一のものだけでなく複数のマイクロ構造体がアレイ状に配列したものも含む概念で使用されている。具体的には、マイクロレンズ、マイクロレンズアレイ、シリンドリカルレンズ、シリンドリカルレンズアレイ等である。本発明によれば、これらの構造体は赤、青、緑に着色したマイクロ構造体としても製造可能である。
本発明においては直径(φ)が200〜4μm、より小さくは150〜4μm、さらにより小さくは100〜4μmのマイクロレンズ、マイクロレンズアレイを製造することができる。また、幅が、200〜4μm、より小さくは150〜4μm、さらにより小さくは100〜4μmのシリンドリカルレンズを製造することができる。
特に、イオン系電着液と併用して、マイクロ構造体を電着形成する場合に使用するイオン系電着塗料を製造するための使用に特に適している。本発明の電着塗料を用いて製造されるマイクロレンズは、平滑、鮮明なレンズである。
本発明の顔料分散体は、マイクロ構造体の中でも、マイクロレンズの製造に好適であり、特に同日出願(特願2011−283111号)明細書に記載の顔料分散体として特に適している。ここに該特願2011−283111号明細書の全内容を本願明細書の一部としてここに引用する。
分散体1
円筒容器に、フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))22.5重量部、シナジスト系分散剤(ソルスパース12000(日本ルーブリゾール(株)製))2.5重量部、ノニオン系分散剤(エマルゲンA−90(花王(株)製))7.5重量部を入れ、さらにはあわせて100重量部となるように水を加えた。
次に、直径0.5mmのジルコニアビーズ460重量部を円筒容器に充填し、アジテータにて回転数2000rpmで2時間分散処理を行った。これに顔料分が15重量%となるまで水を追加し、さらに1500rpm、10分間攪拌混合を行い、青色顔料分散体を得た。
分散体2
フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))22.5重量部、シナジスト系分散剤(ソルスパース12000(日本ルーブリゾール(株)製))2.5重量部に代えて、ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製)25重量部とし、また、エマルゲンA−90(花王(株)製)7.5重量部に代えて、アニオン系分散剤プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)6重量部、高分子系分散剤(ソルスパース27000(日本ルーブリゾ−ル(株)製))4重量部とした以外は分散体1と同様の操作をして、顔料分散体を得た。
分散体3
フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))22.5重量部、シナジスト系分散剤(ソルスパース12000(日本ルーブリゾール(株)製))2.5重量部に代えて、フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))25重量部とした以外は、分散体1と同様の操作をして、顔料分散体を得た。
分散体4
円筒容器に、ジケトピロロピロール系顔料(イルガフォアレッドBT−CF(BASF SE 製))17重量部、高分子系分散剤(ジョンクリル678(BASF SE 製))5.1重量部、アミノアルコール2Mabs(日本乳化剤(株)製)2.1重量部を入れ、さらにはあわせて100重量部となるように水を加えた。
次に、直径0.5mmのジルコニアビーズ460重量部を円筒容器に充填し、アジテータにて回転数2000rpmで2時間分散処理を行った。これに顔料分が15重量%となるまで水を追加し、1500rpm、10分間攪拌混合して赤色顔料分散体を得た。
分散体5
円筒容器に、フタロシアニン系顔料 リオノールグリーン6YK(東洋インキ(株)製)25重量部、プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)16.25重量部、さらにはあわせて100重量部となるように水を加えた。
次に、直径0.5mmのジルコニアビーズ460重量部を円筒容器に充填し、アジテータにて回転数2000rpmで2時間分散処理を行った。これに顔料分が15重量%となるまで水を追加し、さらに1500rpm、10分間攪拌混合して緑色顔料分散体を得た。
分散体6
プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)16.25重量部に代えてプライサーフAL(第一工業製薬(株)製)8.125重量部、ソルスパース27000(日本ルーブリゾール(株)製)8.125重量部とした以外は分散体5と同様の操作をして、緑色顔料分散体を得た。
分散体7
プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)16.25重量部に代えてプライサーフAL(第一工業製薬(株)製)2.5重量部、ソルスパース27000(日本ルーブリゾール(株)製)13.75重量部とした以外は分散体5と同様の操作をして、緑色顔料分散体を得た。
分散体8
フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))22.5重量部、シナジスト系分散剤(ソルスパース12000(日本ルーブリゾール(株)製))2.5重量部に代えて、ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製)25重量部とし、また、エマルゲンA−90(花王(株)製)7.5重量部に代えて高分子系分散剤(Disperbyk-190(ビックケミー(株)製))18.75重量部とした以外は分散体1と同様の操作をして、青色顔料分散体を得た。
分散体9
ジョンクリルJ−678(BASF(株)製)5.1重量部、アミノアルコール2Mabs(日本乳化剤(株)製)2.1重量部に代えて、ノニオン系分散剤(エマルゲン350(花王(株)製)5.1重量部とした以外は分散体4と同様の操作をして、赤色顔料分散体を得た。
分散体10
プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)16.25重量部に代えて、エマルゲンA−90(花王(株)製)15重量部とした以外は分散体5と同様の操作をして、緑色顔料分散体を得た。
平均粒子径の測定
濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株)製)で分散体の平均粒子径を測定した。測定のソフトウェアはMARQUARDTを使用し、算出されるキュムラント平均粒子径の値を本発明の平均粒子径(nm)とした。
分散体の分散液での測定値を表1にまとめた。
粘度の測定
粘度計TV−22(東機産業製)を用い、25℃にて回転数10[1/s]で測定して得られた値を粘度(mPa・s)として用いた。
分散体1〜10での測定値を表1にまとめた。
T.I.値
粘度計TV−22(東機産業製)を用い、25℃にて粘度を測定する際に、2種類の回転数における粘度を測定した。この結果から次の式を用いてT.I.値を算出した。
(T.I.値)=(回転数10[1/s]の粘度)/(回転数100[1/s]の粘度)
T.I.値は、チキソトロピーインデックスの略で、せん断力を加え続けたときの粘度変化を表す指標であり、顔料分散体の安定性を評価するときの目安となるものである。値が大きいほど分散体中の粒子がフロキュレーションによる3次元ネットワークを形成しやすい状態といえ、本発明の課題である電着液との相溶性および電着液への分散性の点で不安定方向といえ、反対に、値が小さく1に近づくほど3次元ネットワークをとらず、分散体は安定に保たれているといえる。
分散体1〜10での測定値を表1にまとめた。
粒子電荷の測定
測定には粒子電荷計PCD−04(スペクトリス(株)製)を用いた。まず顔料分散体0.1gにイオン交換水を加えて100gにした。これに水酸化ナトリウム水溶液もしくは塩酸を用いてpH7に調整したものを試料とした。試料をセルに入れ、電位がマイナスであることを確認した後、+電荷を有する滴定液(0.001N Poly Dadmac)で滴定し、以下の式により得られた値を粒子電荷(μeq/g)として使用した。
Q=V・c/m
(Q:比電荷量[eq/g]、c:滴定液濃度[N、eq/L]、V:滴定液消費量[L]、m:試料量[g])
あるいは
(C=C・V/V
:電荷量(カチオン要求量など)[eq/L]、C:滴定液濃度[N、eq/L]、V:滴定液消費量[L]、V:試料量[L])
アニオン系電着塗料の調製
アクリル樹脂とメラミン樹脂を含むアニオン性電着液(SR−A301:ハニー化成(株)製)に、分散体1、2および4ないし10をそれぞれ容積比で97:3となるように混合させてアニオン系電着塗料を作製した。なお、アニオン性は前記アクリル樹脂により付与されている。
アニオン系電着塗料による膜評価
ITO膜付きガラス板(三容真空工業(株)製、シート抵抗10Ω/□)を白金板と対向させ、25℃のアニオン系電着塗料液に浸した。定電圧電源の陽極に前記ガラス板を、陰極に白金板を接続し、10Vの電圧を5分間印加し、樹脂を析出させた。その後ガラス板を水で洗浄し、90℃に加熱した電気オーブン内に30分間静置した。これによってITO膜付きガラス板上に電着膜(厚さ約2μm)が形成された。
得られた電着膜を光学顕微鏡を用いて600倍の倍率で観察した。面積5500μm当たりを観察し、直径1μm以上の粒子の数を測定した。その数が0個の場合を「◎」、0個より多く、20個より少ない場合を、「○」、20個より多い場合を「×」として評価、ランク付けした。結果を表1中「アニオン系電着液」欄に「粒子分散性」の項目として示した。なお。「−」は膜作製していないこと示している。
アニオン系電着塗料液によるレンズ評価
ポリ(メチルフェニルシラン)(R. D. Miller and J. Michl, Chem. Rev., 89, 1359(1989)に従って合成)をトルエンに5重量%溶解させた溶液をシリコンウエハ(n型半導体:電気抵抗率0.02Ωcm以下:表面撥水性:接触角90度以上)上に滴下し、基板を500rpmで5秒間回転させ、さらに2000rpmで60秒間回転させた。停止時には、塗膜は乾燥しており、基板上に絶縁層が一様に形成されていた。表面形状測定装置(P-16+;KLA Tencor社製)を用いてレジスト層の膜厚を測定したところ、0.4μmであった。
上記絶縁層を、直径100μmの開口部を二次元的に配列させたフォトマスクで覆い、高圧水銀ランプにより紫外線を照射して露光を行った(露光量:5J/cm2)。
次に、紫外線照射部を膨潤させる目的で、イソプロパノールを3重量%含む水溶液に基板を5分間浸した。
基板の絶縁層側を白金板と対向させ、上記で得た顔料分散体1、2および4ないし10に浸した。定電圧電源の陽極に基板を、陰極に白金板を接続し、25Vの電圧を180秒間印加し、絶縁層の膨潤部に、着色された樹脂を析出させた。
90℃に加熱した電気オーブン内に30分間静置することで、樹脂を乾燥させると同時に軟化させて、析出させた樹脂を凸レンズ状に成形した。なお、樹脂にはメラミン樹脂が含まれているため加熱成形時に硬化する。
その結果、直径100μm、高さ5μmの着色マイクロレンズが二次元的に配列したマイクロレンズアレイが得られた。
マイクロレンズアレイの評価
得られたマイクロレンズアレイによって画像を投影したときに、鮮明な結像が得られるものを「◎」、得られないものを「×」として評価ランク付けした。表1中、「鮮明性」の項目に結果をまとめた。
結像について説明する。光学顕微鏡の試料台に得られたマイクロレンズアレイを載せる。試料台と光源の間に画像を有するスライドフィルムを挿入する。焦点距離をずらしていき、いずれかの時点においてスライドフィルムの画像が鮮明に観察されることを結像と表現する。「×」の結果となるものはいずれの焦点距離においても画像が不鮮明であって、このような結像点がないものである。結果を表1中に示した。
カチオン系電着塗料の調製
アクリル樹脂とメラミン樹脂を含むカチオン性電着液(SR−C100:ハニー化成(株)製)に、分散体3、9、10をそれぞれ容積比で97:3となるように混合させてカチオン系電着塗料を作製した。なお、カチオン性は前記アクリル樹脂により付与されている。
電着性能を、アニオン系電着塗料で行なったと同様に評価し、結果を表1に示した。
カチオン系電着塗料による膜評価
ITO膜付きガラス板(三容真空工業(株)製、シート抵抗10Ω/□)を白金板と対向させ、25℃のカチオン系電着塗料液に浸した。定電圧電源の陽極に白金板を、陰極に前記ガラス板を接続し、10Vの電圧を5分間印加し、樹脂を析出させた。その後ガラス板を水で洗浄し、90℃に加熱した電気オーブン内に30分間静置した。これによってITO膜付きガラス板上に電着膜(厚さ約2μm)が形成された。
アニオン系電着塗料による膜評価と同様の評価(粒子分散性)を行った。結果を、表1に示す。
カチオン系電着塗料液によるレンズ評価
ポリ(メチルフェニルシラン)(R. D. Miller and J. Michl, Chem. Rev., 89, 1359(1989)に従って合成)をトルエンに5重量%溶解させた溶液をシリコンウエハ(n型半導体:電気抵抗率0.02Ωcm以下:表面撥水性:接触角90度以上)上に滴下し、基板を500rpmで5秒間回転させ、さらに2000rpmで60秒間回転させた。停止時には、塗膜は乾燥しており、基板上に絶縁層が一様に形成されていた。表面形状測定装置(P-16+;KLA Tencor社製)を用いてレジスト層の膜厚を測定したところ、0.4μmであった。
上記絶縁層を、直径100μmの開口部を二次元的に配列させたフォトマスクで覆い、高圧水銀ランプにより紫外線を照射して露光を行った(露光量:5J/cm)。
次に、紫外線照射部を膨潤させる目的で、イソプロパノールを3重量%含む水溶液に基板を5分間浸した。
基板の絶縁層側を白金板と対向させ、上記で得た顔料分散体3、9、10に浸した。定電圧電源の陰極に基板を、陽極に白金板を接続し、25Vの電圧を180秒間印加し、絶縁層の膨潤部に、着色された樹脂を析出させた。
90℃に加熱した電気オーブン内に30分間静置することで、樹脂を乾燥させると同時に軟化させて、析出させた樹脂を凸レンズ状に成形した。なお、樹脂にはメラミン樹脂が含まれているため加熱成形時に硬化する。
その結果、直径100μm、高さ5μmの着色マイクロレンズが二次元的に配列したマイクロレンズアレイが得られた。
アニオン系電着塗料によるマイクロレンズアレイと同様の評価(鮮明性)を行った。結果を、表1に示す。
フルカラーマイクロレンズ
ポリ(メチルフェニルシラン)(R. D. Miller and J. Michl, Chem. Rev., 89, 1359(1989)に従って合成)をトルエンに5重量%溶解させた溶液をシリコンウエハ(n型半導体:電気抵抗率0.02Ωcm以下:表面撥水性:接触角90度以上)上に滴下し、基板を500rpmで5秒間回転させ、さらに2000rpmで60秒間回転させた。停止時には、塗膜は乾燥しており、基板上に絶縁層が一様に形成されていた。表面形状測定装置(P-16+;KLA Tencor社製)を用いてレジスト層の膜厚を測定したところ、0.4μmであった。
上記絶縁層を、直径100μmの開口部を二次元的に配列させたフォトマスクで覆い、高圧水銀ランプにより紫外線を照射して露光を行った(露光量:5J/cm)。
次に、紫外線照射部を膨潤させる目的で、イソプロパノールを3重量%含む水溶液に基板を5分間浸した。
一方、アクリル樹脂とメラミン樹脂を含むアニオン性電着液(SR−A301:ハニー化成(株)製)と赤色顔料分散液(分散体4)を容積比で97:3となるよう混合させて赤色電着液を作製した。
基板の絶縁層側を白金板と対向させ、赤色電着液に浸した。定電圧電源の陽極に基板を、陰極に白金板を接続し、25Vの電圧を180秒間印加し、絶縁層の膨潤部に、赤色に着色された樹脂を析出させた。
100℃に加熱した電気オーブン内に30分間静置することで、樹脂を乾燥させると同時に軟化させて、析出させた樹脂を凸レンズ状に成形した。なお、樹脂にはメラミン樹脂が含まれているため加熱成形時に硬化する。
その結果、直径100μm、高さ5μmの赤色マイクロレンズが二次元的に配列したマイクロレンズアレイが得られた。
引続いて、直径100μmの開口部を二次元的に配列させたフォトマスクで絶縁層を覆い、高圧水銀ランプにより紫外線を照射して上記と同様に露光を行った。ただし、先に作製した赤色マイクロレンズと重ならないよう、位置を変えて露光を行った。
次に、紫外線照射部を膨潤させる目的で、イソプロパノールを3重量%含む水溶液に基板を5分間浸した。
アクリル樹脂とメラミン樹脂を含むアニオン性電着液(SR−A301:ハニー化成(株)製)と青色顔料分散液(分散体1)を容積比で97:3となるよう混合させて青色電着液を作製した。
基板のレジスト層を白金板と対向させ、青色電着液に浸した。定電圧電源の陽極に基板を、陰極に白金板を接続し、25Vの電圧を180秒間印加し、レジストの膨潤部に、青色に着色された樹脂を析出させた。
100℃に加熱した電気オーブン内に30分間静置することで、樹脂を乾燥させると同時に軟化させて、析出させた樹脂を凸レンズ状に成形した。なお、樹脂にはメラミン樹脂が含まれているため加熱成形時に硬化する。
その結果、直径100μm、高さ5μmの、赤色マイクロレンズと青色マイクロレンズが二次元的に配列したマイクロレンズアレイが得られた。
さらに引続いて、直径100μmの開口部を二次元的に配列させたフォトマスクでレジスト層を覆い、高圧水銀ランプにより紫外線を上記と同様に照射して露光を行った。ただし、先に作製した赤色マイクロレンズおよび青色マイクロレンズと重ならないよう、位置を変えて露光を行った。
次に、紫外線照射部を膨潤させる目的で、イソプロパノールを3重量%含む水溶液に基板を5分間浸した。
アクリル樹脂とメラミン樹脂を含むアニオン性電着液(SR−A301:ハニー化成(株)製)と緑色顔料分散液(分散体7)を容積比で97:3となるよう混合させて緑色電着液を作製した。
基板のレジスト層を白金板と対向させ、緑色電着液に浸した。定電圧電源の陽極に基板を、陰極に白金板を接続し、25Vの電圧を180秒間印加し、レジストの膨潤部に、緑色に着色された樹脂を析出させた。
100℃に加熱した電気オーブン内に30分間静置することで、樹脂を乾燥させると同時に軟化させて、析出させた樹脂を凸レンズ状に成形した。なお、樹脂にはメラミン樹脂が含まれているため加熱成形時に硬化する。
その結果、直径100μm、高さ5μmの、赤色マイクロレンズと青色マイクロレンズ、緑色マイクロレンズが二次元的に配列したフルカラーマイクロレンズアレイが得られた。このフルカラーマイクロレンズアレイの光学顕微鏡写真(倍率50倍)を図2に示した。
上記で得られたフルカラーマイクロレンズアレイを使用し、光源とフルカラーマイクロレンズとの間に設置した図1に示す画像を有するスライドフィルムを使用して、フルカラーマイクロレンズによって結像させた写真を図2に示す。図2に示されているように、得られたフルカラーマイクロレンズアレイは、それぞれ赤、青、黄のマイクロレンズとして機能していることがわかる。
本発明の顔料分散体は、イオン系電着液と併用してイオン系電着塗料の製造に使用できる。該イオン系電着塗料は、マイクロ構造体を製造するのに特に適している。
結像させるに使用した画像を現した図 光源とフルカラーマイクロレンズとの間に設置したスライドフィルムの画像の、フルカラーマイクロレンズによる結像写真。

Claims (6)

  1. 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が−18〜−83μeq/gであることを特徴とする、マイクロ構造体を製造する用途に用いるアニオン系電着塗料用顔料分散体。
  2. 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が−18〜−83μeq/gであり、アニオン系電着液と併用してマイクロ構造体製造用アニオン系電着塗料の製造に使用されることを特徴とする、該顔料分散体の使用方法。
  3. 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が−18〜−83μeq/gであることを特徴とする顔料分散体、およびアニオン系電着液を含有するマイクロ構造体製造用アニオン系電着塗料。
  4. 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が0〜−7μeq/gであることを特徴とする、マイクロ構造体を製造する用途に用いるカチオン系電着塗料用顔料分散体。
  5. 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が0〜−7μeq/gであり、カチオン系電着液と併用してマイクロ構造体製造用カチオン系電着塗料の製造に使用されることを特徴とする、該顔料分散体の使用方法。
  6. 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が0〜−7μeq/gであることを特徴とする、顔料分散体、およびカチオン系電着液を含有するマイクロ構造体製造用カチオン系電着塗料。
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