JP5855450B2 - 特定の粒子電荷を有する顔料分散体および該分散体のイオン系電着液への使用 - Google Patents
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Description
また、本発明は上記分散体を、イオン系電着液と併用してイオン系電着塗料の製造に使用することを特徴とする、該顔料分散体の使用方法を提供するものである。
さらに、本発明により、上記分散体、およびイオン系電着液を含有するイオン系電着塗料が提供される。
本発明により得られるイオン系電着塗料は、マイクロ構造体を好適に作製し得る。
本発明が提供する顔料分散体は、水性媒体、顔料および分散剤を含有しており、該分散体に、特定の粒子電荷を付与していることを特徴としている。
アニオン系界面活性剤としてプライサーフA215C、プライサーフA219B、プライサーフAL、ネオゲンS20F(以上、第一工業製薬(株)製)、デモールN、デモールRN、デモールSN-B(以上、花王(株)製)、ディスパロン1210、ディスパロンPW−36(以上、楠本化成(株)製)、SNディスパーサント5027、SNディスパーサント5029、SNディスパーサント5045(以上、サンノプコ(株)製);
両性界面活性剤として、アモーゲンシリーズ(第一工業製薬(株)製);
ノニオン界面活性剤として、ノイゲンXLシリーズ、ノイゲンTDSシリーズ、ノイゲンETシリーズ、ノイゲンESシリーズ(以上、第一工業製薬(株)製)、エマルゲン350、エマルゲン430、エマルゲンA−60、エマルゲンA−90、エマルゲンB−66(以上、花王(株)製)等が使用可能である。
アニオン系高分子系分散剤としてデモールP、デモールEP(以上、花王(株)製)、ジョンクリル67、ジョンクリル678、ジョンクリル680、ジョンクリル683、ジョンクリル690(以上、BASFジャパン(株)製)、ソルスパース41000、ソルスパース41090(以上、日本ルーブリゾール(株)製)、ディスパロンDA325(楠本化成(株)製)、Disperbyk180、Disperbyk187、Disperbyk190、Disperbyk2090、Disperbyk2091(以上、ビックケミージャパン(株)製);
カチオン系高分子系分散剤としてソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、Disperbyk191(ビックケミージャパン(株)製);
ノニオン系高分子系分散剤としてソルスパース27000(日本ルーブリゾール(株)製)、Disperbyk192Disperbyk193(ビックケミージャパン(株)製)等が使用可能である。
アニオン系シナジスト系分散剤とは、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環顔料などの顔料分子にスルホン酸基などのアニオン性をとる極性基が導入されたものを指す。上記顔料分散剤で分散された顔料粒子をさらに安定に保持させる効果と同時にその構造中に有するアニオン性基により顔料粒子にアニオン性を付与できるものであれば特に限定されず、従来公知の顔料誘導体を使用できる。かかる顔料誘導体は、市販品として、例えばソルスパース 5000、ソルスパース 12000、ソルスパース 22000(以上、日本ルーブリゾール(株)製)、BYK−Synergist 2100(ビックケミージャパン(株)製)などを使用することができる。
Q:比電荷量[eq/g]、c:滴定液濃度[N、eq/L]、V:滴定液消費量[L]、m:試料量[g]
C2:電荷量(カチオン要求量など)[eq/L]、C1:滴定液濃度[N、eq/L]、V1:滴定液消費量[L]、V2:試料量[L]
本発明の顔料分散体は、イオン系電着液と併用されてイオン系電着塗料として使用される。本発明においては、アニオン系電着液とカチオン系電着液を合わせてイオン系電着液と総称している。
イオン系電着塗料は、上記顔料分散体およびイオン性電着液を混合して得られる。混合方法は特に限定されず、従来から使用されている混合方法を使用すればよい。混合割合も特に限定されないが、イオン性電着塗料として見た場合、顔料が0.4〜8重量%、好ましくは0.4〜6重量%程度含有されるように混合することが望ましい。その顔料が多すぎると、異常電着が発生しやすいという問題があり、少なすぎると、必要な色濃度が得られないとの問題がある。イオン性樹脂としては39〜87重量%程度の量が含有される。
円筒容器に、フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))22.5重量部、シナジスト系分散剤(ソルスパース12000(日本ルーブリゾール(株)製))2.5重量部、ノニオン系分散剤(エマルゲンA−90(花王(株)製))7.5重量部を入れ、さらにはあわせて100重量部となるように水を加えた。
フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))22.5重量部、シナジスト系分散剤(ソルスパース12000(日本ルーブリゾール(株)製))2.5重量部に代えて、ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製)25重量部とし、また、エマルゲンA−90(花王(株)製)7.5重量部に代えて、アニオン系分散剤プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)6重量部、高分子系分散剤(ソルスパース27000(日本ルーブリゾ−ル(株)製))4重量部とした以外は分散体1と同様の操作をして、顔料分散体を得た。
フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))22.5重量部、シナジスト系分散剤(ソルスパース12000(日本ルーブリゾール(株)製))2.5重量部に代えて、フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))25重量部とした以外は、分散体1と同様の操作をして、顔料分散体を得た。
円筒容器に、ジケトピロロピロール系顔料(イルガフォアレッドBT−CF(BASF SE 製))17重量部、高分子系分散剤(ジョンクリル678(BASF SE 製))5.1重量部、アミノアルコール2Mabs(日本乳化剤(株)製)2.1重量部を入れ、さらにはあわせて100重量部となるように水を加えた。
円筒容器に、フタロシアニン系顔料 リオノールグリーン6YK(東洋インキ(株)製)25重量部、プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)16.25重量部、さらにはあわせて100重量部となるように水を加えた。
プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)16.25重量部に代えてプライサーフAL(第一工業製薬(株)製)8.125重量部、ソルスパース27000(日本ルーブリゾール(株)製)8.125重量部とした以外は分散体5と同様の操作をして、緑色顔料分散体を得た。
プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)16.25重量部に代えてプライサーフAL(第一工業製薬(株)製)2.5重量部、ソルスパース27000(日本ルーブリゾール(株)製)13.75重量部とした以外は分散体5と同様の操作をして、緑色顔料分散体を得た。
フタロシアニン系顔料(ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製))22.5重量部、シナジスト系分散剤(ソルスパース12000(日本ルーブリゾール(株)製))2.5重量部に代えて、ファストゲンブルーEP-207(DIC(株)製)25重量部とし、また、エマルゲンA−90(花王(株)製)7.5重量部に代えて高分子系分散剤(Disperbyk-190(ビックケミー(株)製))18.75重量部とした以外は分散体1と同様の操作をして、青色顔料分散体を得た。
ジョンクリルJ−678(BASF(株)製)5.1重量部、アミノアルコール2Mabs(日本乳化剤(株)製)2.1重量部に代えて、ノニオン系分散剤(エマルゲン350(花王(株)製)5.1重量部とした以外は分散体4と同様の操作をして、赤色顔料分散体を得た。
プライサーフAL(第一工業製薬(株)製)16.25重量部に代えて、エマルゲンA−90(花王(株)製)15重量部とした以外は分散体5と同様の操作をして、緑色顔料分散体を得た。
濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株)製)で分散体の平均粒子径を測定した。測定のソフトウェアはMARQUARDTを使用し、算出されるキュムラント平均粒子径の値を本発明の平均粒子径(nm)とした。
分散体の分散液での測定値を表1にまとめた。
粘度計TV−22(東機産業製)を用い、25℃にて回転数10[1/s]で測定して得られた値を粘度(mPa・s)として用いた。
分散体1〜10での測定値を表1にまとめた。
粘度計TV−22(東機産業製)を用い、25℃にて粘度を測定する際に、2種類の回転数における粘度を測定した。この結果から次の式を用いてT.I.値を算出した。
(T.I.値)=(回転数10[1/s]の粘度)/(回転数100[1/s]の粘度)
分散体1〜10での測定値を表1にまとめた。
測定には粒子電荷計PCD−04(スペクトリス(株)製)を用いた。まず顔料分散体0.1gにイオン交換水を加えて100gにした。これに水酸化ナトリウム水溶液もしくは塩酸を用いてpH7に調整したものを試料とした。試料をセルに入れ、電位がマイナスであることを確認した後、+電荷を有する滴定液(0.001N Poly Dadmac)で滴定し、以下の式により得られた値を粒子電荷(μeq/g)として使用した。
(Q:比電荷量[eq/g]、c:滴定液濃度[N、eq/L]、V:滴定液消費量[L]、m:試料量[g])
(C2=C1・V1/V2
C2:電荷量(カチオン要求量など)[eq/L]、C1:滴定液濃度[N、eq/L]、V1:滴定液消費量[L]、V2:試料量[L])
アクリル樹脂とメラミン樹脂を含むアニオン性電着液(SR−A301:ハニー化成(株)製)に、分散体1、2および4ないし10をそれぞれ容積比で97:3となるように混合させてアニオン系電着塗料を作製した。なお、アニオン性は前記アクリル樹脂により付与されている。
ITO膜付きガラス板(三容真空工業(株)製、シート抵抗10Ω/□)を白金板と対向させ、25℃のアニオン系電着塗料液に浸した。定電圧電源の陽極に前記ガラス板を、陰極に白金板を接続し、10Vの電圧を5分間印加し、樹脂を析出させた。その後ガラス板を水で洗浄し、90℃に加熱した電気オーブン内に30分間静置した。これによってITO膜付きガラス板上に電着膜(厚さ約2μm)が形成された。
ポリ(メチルフェニルシラン)(R. D. Miller and J. Michl, Chem. Rev., 89, 1359(1989)に従って合成)をトルエンに5重量%溶解させた溶液をシリコンウエハ(n型半導体:電気抵抗率0.02Ωcm以下:表面撥水性:接触角90度以上)上に滴下し、基板を500rpmで5秒間回転させ、さらに2000rpmで60秒間回転させた。停止時には、塗膜は乾燥しており、基板上に絶縁層が一様に形成されていた。表面形状測定装置(P-16+;KLA Tencor社製)を用いてレジスト層の膜厚を測定したところ、0.4μmであった。
得られたマイクロレンズアレイによって画像を投影したときに、鮮明な結像が得られるものを「◎」、得られないものを「×」として評価ランク付けした。表1中、「鮮明性」の項目に結果をまとめた。
アクリル樹脂とメラミン樹脂を含むカチオン性電着液(SR−C100:ハニー化成(株)製)に、分散体3、9、10をそれぞれ容積比で97:3となるように混合させてカチオン系電着塗料を作製した。なお、カチオン性は前記アクリル樹脂により付与されている。
ITO膜付きガラス板(三容真空工業(株)製、シート抵抗10Ω/□)を白金板と対向させ、25℃のカチオン系電着塗料液に浸した。定電圧電源の陽極に白金板を、陰極に前記ガラス板を接続し、10Vの電圧を5分間印加し、樹脂を析出させた。その後ガラス板を水で洗浄し、90℃に加熱した電気オーブン内に30分間静置した。これによってITO膜付きガラス板上に電着膜(厚さ約2μm)が形成された。
ポリ(メチルフェニルシラン)(R. D. Miller and J. Michl, Chem. Rev., 89, 1359(1989)に従って合成)をトルエンに5重量%溶解させた溶液をシリコンウエハ(n型半導体:電気抵抗率0.02Ωcm以下:表面撥水性:接触角90度以上)上に滴下し、基板を500rpmで5秒間回転させ、さらに2000rpmで60秒間回転させた。停止時には、塗膜は乾燥しており、基板上に絶縁層が一様に形成されていた。表面形状測定装置(P-16+;KLA Tencor社製)を用いてレジスト層の膜厚を測定したところ、0.4μmであった。
ポリ(メチルフェニルシラン)(R. D. Miller and J. Michl, Chem. Rev., 89, 1359(1989)に従って合成)をトルエンに5重量%溶解させた溶液をシリコンウエハ(n型半導体:電気抵抗率0.02Ωcm以下:表面撥水性:接触角90度以上)上に滴下し、基板を500rpmで5秒間回転させ、さらに2000rpmで60秒間回転させた。停止時には、塗膜は乾燥しており、基板上に絶縁層が一様に形成されていた。表面形状測定装置(P-16+;KLA Tencor社製)を用いてレジスト層の膜厚を測定したところ、0.4μmであった。
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- 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が−18〜−83μeq/gであることを特徴とする、マイクロ構造体を製造する用途に用いるアニオン系電着塗料用顔料分散体。
- 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が−18〜−83μeq/gであり、アニオン系電着液と併用してマイクロ構造体製造用アニオン系電着塗料の製造に使用されることを特徴とする、該顔料分散体の使用方法。
- 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が−18〜−83μeq/gであることを特徴とする顔料分散体、およびアニオン系電着液を含有するマイクロ構造体製造用アニオン系電着塗料。
- 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が0〜−7μeq/gであることを特徴とする、マイクロ構造体を製造する用途に用いるカチオン系電着塗料用顔料分散体。
- 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が0〜−7μeq/gであり、カチオン系電着液と併用してマイクロ構造体製造用カチオン系電着塗料の製造に使用されることを特徴とする、該顔料分散体の使用方法。
- 水性媒体、顔料および分散剤を含有する顔料分散体であり、該分散体は、その粒子電荷が0〜−7μeq/gであることを特徴とする、顔料分散体、およびカチオン系電着液を含有するマイクロ構造体製造用カチオン系電着塗料。
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