JP2017014374A - ゴム組成物、及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤのウエットグリップ性能と低燃費性能のバランスを向上させ、かつ操縦安定性を向上させることができるゴム組成物を提供する。
【解決手段】合成ゴム及び天然ゴムの少なくとも1種からなるゴム成分(A)、フィラー(B)及び変性ファルネセン共重合体(C)を含み、前記ゴム成分(A)100質量部に対して前記フィラー(B)を20〜150質量部、前記変性ファルネセン共重合体(C)を1〜20質量部含有し、下記(i)〜(iii)の要件を満たすゴム組成物。
<要件>
(i)前記変性ファルネセン共重合体(C)を構成する単量体単位が、ファルネセンに由来する単位(1)を1〜86質量%、芳香族ビニル化合物に由来する単位(2)を0〜85質量%、及びファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単位(3)を14〜99質量%含有するものである。
(ii)前記変性ファルネセン共重合体(C)の全ファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単位(3)のうち、ビニル基を有する単量体単位の含有量(ビニル含量)が11〜90モル%である。
(iii)示差熱分析法により求めた前記ゴム成分(A)のガラス転移温度(TgA)と、前記変性ファルネセン共重合体(C)のガラス転移温度(TgC)とが、下記関係式を満たす。
−50℃<(TgA)−(TgC)<30℃
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム成分、フィラー、及びファルネセンの重合体を含有するゴム組成物、並びにこのゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤに関する。
タイヤのグリップ性能、操縦安定性能等の各種性能を向上させるために、種々のゴム組成物が検討されている。また、近年、タイヤ用のゴム組成物に、ファルネセンの重合体を含有させることも検討され始めている。
例えば、特許文献1には、タイヤの耐摩耗性能及びグリップ性能を向上させ、かつ加工性にも優れたタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的として、ミルセン、ファルネセン等の特定の分岐共役ジエン化合物と、特定の共役ジエン化合物とを共重合してなる分岐共役ジエン共重合体を含んでなるゴム組成物が開示されている。
特許文献2には、タイヤの耐摩耗性能及びグリップ性能を向上させ、かつ加工性にも優れたタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的として、ミルセン、ファルネセン等の特定の分岐共役ジエン化合物と、特定の共役ジエン化合物と、特定のビニル化合物とを共重合してなる分岐共役ジエン共重合体を含んでなるゴム組成物が開示されている。
特許文献3には、転がり抵抗性能、操作安定性、機械強度及び耐摩耗性に優れるゴム成形品を得ることができるゴム組成物を提供することを目的として、ゴム成分、シリカ、及びファルネセンの変性重合体を含むゴム組成物が開示されている。
国際公開第2013/115011号 国際公開第2013/115010号 国際公開第2015/025762号
上記のとおり、特許文献1〜3には、タイヤ用のゴム組成物にファルネセンの重合体を含有させる技術が開示されている。しかし、特許文献1〜3には、タイヤのウエットグリップ性能と低燃費性能のバランスを向上させ、かつ操縦安定性を向上させることができるゴム組成物に関する検討がなされていない。タイヤ用のゴム組成物にファルネセンの重合体を含有させる技術は検討され始めた段階であり、更なる検討が必要である。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、タイヤのウエットグリップ性能と低燃費性能のバランスを向上させ、かつ操縦安定性を向上させることができるゴム組成物、及びこのゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤを提供する。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定のファルネセン共重合体を含むゴム組成物の成形品が、タイヤのウエットグリップ性能と低燃費性能のバランスに優れ、かつ操縦安定性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下[1]、[2]に関する。
[1]合成ゴム及び天然ゴムの少なくとも1種からなるゴム成分(A)、フィラー(B)及び変性ファルネセン共重合体(C)を含み、前記ゴム成分(A)100質量部に対して前記フィラー(B)を20〜150質量部、前記変性ファルネセン共重合体(C)を1〜20質量部含有し、下記(i)〜(iii)の要件を満たすゴム組成物。
<要件>
(i)前記変性ファルネセン共重合体(C)を構成する単量体単位が、ファルネセンに由来する単位(1)を1〜86質量%、芳香族ビニル化合物に由来する単位(2)を0〜85質量%、及びファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単位(3)を14〜99質量%含有するものである。
(ii)前記変性ファルネセン共重合体(C)のビニル含量が11〜90モル%である。
(iii)示差熱分析法により求めた前記ゴム成分(A)のガラス転移温度(TgA)と、前記変性ファルネセン共重合体(C)のガラス転移温度(TgC)とが、下記関係式を満たす。
−50℃<(TgA)−(TgC)<30℃
[2]上記[1]に記載のゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤ。
本発明によれば、タイヤのウエットグリップ性能と低燃費性能のバランスを向上させ、かつ操縦安定性を向上させることができるゴム組成物、及びこのゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤを提供できる。
[ゴム組成物]
本実施の形態に係るゴム組成物は、合成ゴム及び天然ゴムの少なくとも1種からなるゴム成分(A)、フィラー(B)及び変性ファルネセン共重合体(C)を含み、前記ゴム成分(A)100質量部に対して前記フィラー(B)を20〜150質量部、前記変性ファルネセン共重合体(C)を1〜20質量部含有し、下記(i)〜(iii)の要件を満たすゴム組成物である。
<要件>
(i)前記変性ファルネセン共重合体(C)を構成する単量体単位が、ファルネセンに由来する単位(1)を1〜86質量%、芳香族ビニル化合物に由来する単位(2)を0〜85質量%、及びファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単位(3)を14〜99質量%含有するものである。
(ii)前記変性ファルネセン共重合体(C)のビニル含量が11〜90モル%である。
(iii)示差熱分析法により求めた前記ゴム成分(A)のガラス転移温度(TgA)と、前記変性ファルネセン共重合体(C)のガラス転移温度(TgC)とが、下記関係式を満たす。
−50℃<(TgA)−(TgC)<30℃
<ゴム成分(A)>
ゴム成分(A)としては、合成ゴム及び天然ゴムの少なくとも1種からなる。スチレンブタジエンゴム(以下、「SBR」ともいう)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム等のゴムを挙げることができる。中でも、SBR、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴムがより好ましく、SBR、天然ゴムが更に好ましい。これらのゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔合成ゴム〕
本実施の形態においてゴム成分(A)として合成ゴムを用いる場合、SBR、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム等が好ましく、中でも、SBR、イソプレンゴム、ブタジエンゴムがより好ましく、SBRが更に好ましい。
(SBR)
SBRとしては、タイヤ用途に用いられる一般的なものを使用できるが、具体的には、スチレン含量が0.1〜70質量%のものが好ましく、5〜60質量%のものがより好ましく、5〜50質量%のものが更に好ましい。また、ビニル含量が0.1〜80モル%のものが好ましく、5〜70モル%のものがより好ましい。なお、ここでいうビニル含量とは、SBRに含まれる全ブタジエンに由来する単位のうち、ビニル基を有する単量体単位の含有量を表す。以下同様に、ゴム成分(A)のビニル含量は、結合形態によりビニル基を有しうる単量体単位の全量に対し、実際にビニル基を有する単量体単位の含有量を表す。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、100,000〜2,500,000であることが好ましく、150,000〜2,000,000であることがより好ましく、150,000〜1,500,000であることが更に好ましい。上記の範囲である場合、加工性、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性に優れる。
なお、本明細書におけるMwは、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
本実施の形態において使用するSBRの示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)は、−95〜0℃の範囲内であることが好ましく−95〜−5℃の範囲内であることがより好ましく、−95〜−10℃の範囲であることが更に好ましく、−95〜−15℃の範囲であることがより更に好ましく、−95〜−20℃の範囲であることがより更に好ましい。Tgを上記範囲にすることによって、粘度が高くなるのを抑えることができ、取り扱いが容易になる。
≪SBRの製造方法≫
本実施の形態において用いることができるSBRは、スチレンとブタジエンとを共重合して得られる。SBRの製造方法について特に制限はなく、乳化重合法、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができ、特に乳化重合法、溶液重合法が好ましい。
(i)乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)
E−SBRは、通常の乳化重合法により製造でき、例えば、所定量のスチレン及びブタジエン単量体を乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により乳化重合する。
乳化剤としては、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩又はロジン酸塩が用いられる。具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。
分散剤としては通常、水が使用され、重合時の安定性が阻害されない範囲で、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等が挙げられる。
得られるE−SBRの分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、チオグリコール酸、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
乳化重合の温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常、0〜100℃が好ましく、0〜60℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えば、イソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
重合反応停止後、必要に応じて老化防止剤を添加してもよい。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって重合体をクラムとして回収できる。クラムを水洗、次いで脱水後、バンドドライヤー等で乾燥することで、E−SBRが得られる。なお、凝固の際に、必要に応じて予めラテックスと乳化分散液にした伸展油とを混合し、油展ゴムとして回収してもよい。なお、本実施の形態に係るゴム組成物の含有量を考慮する際、伸展油はゴム成分(A)には含めない。
E−SBRの市販品としては、JSR株式会社製、油展スチレンブタジエンゴム「JSR1723」等が挙げられる。
(ii)溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)
S−SBRは、通常の溶液重合法により製造でき、例えば、溶媒中でアニオン重合可能な活性金属を使用して、所望により極性化合物の存在下、スチレン及びブタジエンを重合する。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。更にアルカリ金属の中でも、有機アルカリ金属化合物がより好ましく用いられる。
溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの溶媒は、単量体濃度が1〜50質量%となる範囲で用いることが好ましい。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等の有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。中でも有機リチウム化合物が好ましく、有機モノリチウム化合物がより好ましい。有機アルカリ金属化合物の使用量は、要求されるS−SBRの分子量によって適宜決められる。
有機アルカリ金属化合物は、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
極性化合物としては、アニオン重合において、反応を失活させず、ブタジエン部位のミクロ構造やスチレンの共重合体鎖中の分布を調整するために通常用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;アルカリ金属アルコキシド、ホスフィン化合物等が挙げられる。
重合反応の温度は、通常、−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは30〜90℃の範囲である。重合様式は、回分重合あるいは連続重合のいずれでもよい。また、スチレン及びブタジエンのランダム共重合性を向上させるため、重合系中のスチレン及びブタジエンの組成比が特定範囲になるように、反応液中にスチレン及びブタジエンを連続的あるいは断続的に供給することが好ましい。
重合反応は、重合停止剤としてメタノール、イソプロパノール等のアルコールを添加して、反応を停止できる。重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン等の重合末端変性剤を添加してもよい。重合反応停止後の重合溶液は、直接乾燥やスチームストリッピング等により溶媒を分離して、目的のS−SBRを回収できる。なお、溶媒を除去する前に、予め重合溶液と伸展油とを混合し、油展ゴムとして回収してもよい。
(iii)変性スチレンブタジエンゴム(変性SBR)
本実施の形態においては、SBRに官能基が導入された変性SBRを用いてもよい。官能基としては、例えば、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、エポキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
変性SBRの製造方法としては、例えば、重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン等の重合末端変性剤、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性剤を添加する方法が挙げられる。
この変性SBRにおいて、官能基が導入される重合体の位置については重合末端であってもよく、ポリマー鎖の側鎖であってもよい。
(イソプレンゴム)
イソプレンゴムとしては、例えば、四ハロゲン化チタン−トリアルキルアルミニウム系、ジエチルアルミニウムクロライド−コバルト系、トリアルキルアルミニウム−三弗化ホウ素−ニッケル系、ジエチルアルミニウムクロライド−ニッケル系等のチーグラー系触媒;トリエチルアルミニウム−有機酸ネオジム−ルイス酸系等のランタノイド系希土類金属触媒、又はS−SBRと同様に有機アルカリ金属化合物を用いて重合された、市販のイソプレンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたイソプレンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のイソプレンゴムを用いてもよい。
イソプレンゴムのビニル含量は好ましくは50モル%以下、より好ましくは40モル%以下、更に好ましくは30モル%以下である。ビニル含量が50モル%を超えると転がり抵抗性能(低燃費性能)が悪化する傾向にある。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−20℃以下であることが好ましく、−30℃以下であることがより好ましい。
イソプレンゴムの重量平均分子量(Mw)は90,000〜2,000,000であることが好ましく、150,000〜1,500,000であることがより好ましい。Mwが上記範囲にある場合、加工性、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性に優れる。
上記イソプレンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば、四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより形成された分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
(ブタジエンゴム)
ブタジエンゴムとしては、例えば、四ハロゲン化チタン−トリアルキルアルミニウム系、ジエチルアルミニウムクロライド−コバルト系、トリアルキルアルミニウム−三弗化ホウ素−ニッケル系、ジエチルアルミニウムクロライド−ニッケル系等のチーグラー系触媒;トリエチルアルミニウム−有機酸ネオジム−ルイス酸系等のランタノイド系希土類金属触媒、又はS−SBRと同様に有機アルカリ金属化合物を用いて重合された、市販のブタジエンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたブタジエンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のブタジエンゴムを用いてもよい。
ブタジエンゴムのビニル含量は、好ましくは50モル%以下、より好ましくは40モル%以下、更に好ましくは30モル%以下である。ビニル含量が50モル%を超えると転がり抵抗性能(低燃費性能)が悪化する傾向にある。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−40℃以下であることが好ましく、−50℃以下であることがより好ましい。
ブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)は90,000〜2,000,000であることが好ましく、150,000〜1,500,000であることがより好ましい。Mwが上記範囲にある場合、加工性、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性に優れる。
上記ブタジエンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば、四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより形成された分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
SBR、イソプレンゴム、及びブタジエンゴムの少なくとも1種と共に、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム等を1種又は2種以上を使用することができる。また、これらの製造方法は特に限定されず、市販されているものを使用できる。
本実施の形態において、SBR、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びその他の合成ゴムと後述するフィラー(B)、変性ファルネセン共重合体(C)を併用することで、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性を改良できる。
2種以上の合成ゴムを混合して用いる場合、その組み合わせは本実施の形態の効果を損なわない範囲で任意に選択でき、またその組み合わせによって、ウエットグリップ性能、低燃費性能と、操縦安定性等の物性を調整できる。
〔天然ゴム〕
ゴム成分(A)で用いる天然ゴムとしては、例えば、SMR、SIR、STR等のTSRや、RSS等のタイヤ工業において一般的に用いられる天然ゴム、高純度天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、水酸基化天然ゴム、水素添加天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴムが挙げられる。中でも、品質のばらつきが少ない点、及び入手容易性の点から、SMR20、STR20やRSS#3が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施の形態において、天然ゴム、後述するフィラー(B)、及び変性ファルネセン共重合体(C)を併用することで、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性を改良できる。
なお、上記合成ゴムと天然ゴムとを併用してもよい。
なお、ゴム成分(A)に用いる天然ゴムの製造方法に特に制限はなく、市販のものを用いてもよい。
本実施の形態において、ゴム組成物中のゴム成分(A)の含有量は、20〜99.9質量%が好ましく、25〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%が更に好ましい。
<フィラー(B)>
フィラー(B)としては、種々のものが用いられるが、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性に優れるタイヤを得る観点から、シリカ及びカーボンブラックの少なくとも1種が好ましく、シリカがより好ましい。
〔シリカ〕
シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。中でも、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性を一層向上させる観点から、湿式シリカが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの平均粒径は、得られるゴム組成物の加工性、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性を向上する観点から、0.5〜200nmが好ましく、5〜150nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ましい。
なお、シリカの平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
〔カーボンブラック〕
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。これらの中では、加硫速度ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性向上の観点から、ファーネスブラックが好ましい。
前記カーボンブラックの平均粒径としては、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性を向上させる観点から、5〜100nmが好ましく、5〜80nmがより好ましく、5〜70nmが更に好ましい。
平均粒径が5〜100nmであるカーボンブラックとして、ファーネスブラックの市販品としては、例えば、三菱化学株式会社「ダイヤブラック」、東海カーボン株式会社製「シースト」等が挙げられる。アセチレンブラックの市販品としては、例えば、電気化学工業株式会社製「デンカブラック」が挙げられる。ケッチェンブラックの市販品としては、例えば、ライオン株式会社製「ECP600JD」が挙げられる。
上記したカーボンブラックは、ゴム成分(A)及び変性重合体(C)への濡れ性や分散性を向上させる観点から、硝酸、硫酸、塩酸又はこれらの混合酸等による酸処理や、空気存在下での熱処理による表面酸化処理を行ってもよい。また、本実施の形態のゴム組成物の機械強度向上の観点から、黒鉛化触媒の存在下に2,000〜3,000℃で熱処理を行ってもよい。なお、黒鉛化触媒としては、ホウ素、ホウ素酸化物(例えば、B、B、B、B等)、ホウ素オキソ酸(例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等)及びその塩、ホウ素炭化物(例えば、BC、BC等)、窒化ホウ素(BN)、その他のホウ素化合物が好適に用いられる。
カーボンブラックは、粉砕等により粒度を調整することができる。カーボンブラックの粉砕には、高速回転粉砕機(ハンマーミル、ピンミル、ケージミル)や各種ボールミル(転動ミル、振動ミル、遊星ミル)、撹拌ミル(ビーズミル、アトライター、流通管型ミル、アニュラーミル)等が使用できる。
なお、カーボンブラックの平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定してその平均値を算出することにより求めることができる。
〔その他のフィラー〕
本実施の形態のゴム組成物は、機械強度の向上、硬度調整、増量剤を配合することによる経済性の改善等を目的として、必要に応じてシリカ及びカーボンブラック以外のフィラーを更に含有していてもよい。
シリカ及びカーボンブラック以外のフィラーとしては、用途に応じて適宜選択されるが、例えば、有機充填剤や、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラス繊維、繊維状フィラー、ガラスバルーン等の無機充填剤の1種又は2種以上を使用できる。
フィラー(B)の含有量は、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性を向上させる観点から、ゴム成分(A)100質量部に対して20〜150質量部であり、20〜130質量部が好ましく、20〜120質量部がより好ましい。
また、フィラー(B)としてシリカを用いる場合、シリカの含有量は、同様の観点から、ゴム成分(A)100質量部に対して20〜150質量部であり、20〜130質量部が好ましく、20〜120質量部がより好ましい。
<変性ファルネセン共重合体(C)>
本実施の形態の変性ファルネセン共重合体(C)は、変性ファルネセン共重合体(C)を構成する単量体単位が、ファルネセンに由来する単位(1)を1〜86質量%、芳香族ビニル化合物に由来する単位(2)を0〜85質量%、及びファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単位(3)を14〜99質量%含有するものである。
ここで、変性ファルネセン共重合体(C)を構成する単量体単位には、変性基(官能基)は含まれない。
この変性ファルネセン共重合体(C)は、未変性のファルネセン共重合体(以下、「未変性共重合体」ともいう)に官能基を導入することにより、好適に製造することができる。
〔未変性共重合体〕
未変性共重合体は、ファルネセンに由来する単位(1)を1〜86質量%、芳香族ビニル化合物に由来する単位(2)を0〜85質量%、及びファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単位(3)を14〜99質量%含有する。
(ファルネセンに由来する単位(1))
ファルネセンに由来する単位(1)としては、α−ファルネセン及び式(I)で示されるβ−ファルネセンの少なくとも1種を用いることができ、変性重合体の製造容易性の観点、転がり抵抗性能向上の観点から、β−ファルネセンに由来する単量体単位を含むことが好ましい。
未変性共重合体中における、ファルネセンに由来する単位(1)の含有量は、1〜86質量%である。1質量%未満であると、溶融粘度を低下させて加工性を改善するというファルネセンに由来する効果が十分に得られない。また、86質量%を超えると、耐摩耗性が低下する。当該観点から、未変性共重合体中における、ファルネセンに由来する単位(1)の含有量は、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは1〜75質量%、更に好ましくは1〜70質量%である。
(芳香族ビニル化合物に由来する単位(2))
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−4−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、4−メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられる。これらの中では、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンが好ましい。
未変性共重合体中における、芳香族ビニル化合物に由来する単位(2)の含有量は、ウエットグリップ性能及び低燃費性能(転がり抵抗性能)の観点から、0〜85質量%である。すなわち、1質量%以上であると、ウエットグリップ性能が向上する。また、85質量%以下であると、低燃費性能(転がり抵抗性能)が向上する。当該観点から、未変性共重合体中における、芳香族ビニル化合物に由来する単位(2)の含有量は、好ましくは0〜80質量%、より好ましくは0〜75質量%、更に好ましくは0〜70質量%である。
(ファルネセン以外の共役ジエンに由来する単位(3))
ファルネセン以外の共役ジエンに由来する単位(3)としては、例えば、炭素数12以下の共役ジエンを挙げることができる。炭素数12以下の共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−ブタジエン、2−フェニル−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。これらの中ではブタジエン、イソプレン、ミルセンがより好ましい。これらの共役ジエンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
未変性共重合体中における、ファルネセン以外の共役ジエンに由来する単位(3)の含有量は、14〜99質量%である。当該範囲内であると、低燃費性能(転がり抵抗性能)が向上する。当該観点から、未変性共重合体中における、ファルネセン以外の共役ジエンに由来する単位(3)の含有量は、好ましくは14〜90質量%、より好ましくは14〜85質量%、更に好ましくは14〜80質量%である。
なお、本明細書において、未変性共重合体又は変性ファルネセン共重合体(C)のビニル含量とは、全ファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単位(3)のうち、ビニル基を有する単量体単位の含有量のことであり、後述する実施例に記載のH−NMRを用いた方法により測定できる。
未変性共重合体中における、ファルネセンに由来する単位(1)、芳香族ビニル化合物に由来する単位(2)、及びファルネセン以外の共役ジエンに由来する単位(3)の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは99質量%以上である。
未変性共重合体のガラス転移温度は、ビニル含量やファルネセン及び必要に応じて更に用いるファルネセン以外の単量体の含有量によっても変化するが、−90〜10℃が好ましく、−90〜0℃がより好ましく、−90〜−5℃が更に好ましい。前記範囲であると、転がり抵抗性能が良好となる。また、粘度が高くなるのを抑えることができ取り扱いが容易になる。
未変性共重合体は、示差熱分析法により求めた前記ゴム成分(A)のガラス転移温度(TgA)と、未変性共重合体のガラス転移温度(TgC’)とが、下記関係式を満たすことが好ましい。
−40℃<(TgA)−(TgC’)<40℃
「(TgA)−(TgC’)」が上記範囲内であると、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性が良好となる。当該観点から、「(TgA)−(TgC’)」は、好ましくは−40〜40℃、より好ましくは−35〜40℃、更に好ましくは−30〜40℃である。
〔未変性共重合体の製造方法〕
未変性共重合体は、乳化重合法、又は国際公開第2010/027463号、国際公開第2010/027464号に記載の方法等により製造することができる。その中でも、乳化重合法又は溶液重合法が好ましく、溶液重合法が更に好ましい。
(乳化重合法)
未変性共重合体を得るための乳化重合法としては公知の方法を適用できる。例えば、所定量のファルネセン単量体を乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により乳化重合する。
乳化剤としては、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩又はロジン酸塩が用いられる。具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。
分散剤としては通常、水が使用され、重合時の安定性が阻害されない範囲で、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのような過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等が挙げられる。
得られる未変性共重合体の分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、チオグリコール酸、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
乳化重合温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常、0〜100℃が好ましく、0〜60℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えば、イソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
重合反応停止後、必要に応じて老化防止剤を添加してもよい。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら、未変性共重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって未変性共重合体を回収する。次いで水洗、及び脱水後、乾燥することで、未変性共重合体が得られる。なお、凝固の際に、必要に応じて予めラテックスと乳化分散液にした伸展油とを混合し、油展の未変性共重合体として回収してもよい。
(溶液重合法)
未変性共重合体を得るための溶液重合法としては、公知の方法を適用できる。例えば、溶媒中で、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒、アニオン重合可能な活性金属を使用して、所望により極性化合物の存在下、ファルネセン単量体を重合する。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。
中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。更にアルカリ金属の中でも、有機アルカリ金属化合物がより好ましく用いられる。
溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等の有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、ジリチオナフタレン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。中でも有機リチウム化合物が好ましく、有機モノリチウム化合物がより好ましい。有機アルカリ金属化合物の使用量は要求されるファルネセン共重合体の分子量によって適宜決められるが、ファルネセン100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましい。
有機アルカリ金属化合物は、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
極性化合物は、アニオン重合において、反応を失活させず、ファルネセン部位のミクロ構造を調整するため用いられ、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;アルカリ金属アルコキシド、ホスフィン化合物等が挙げられる。極性化合物は、有機アルカリ金属化合物に対して好ましくは0.01〜1,000モル等量の範囲で使用される。
重合反応の温度は、通常、−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは10〜90℃の範囲である。重合様式は回分重合あるいは連続重合のいずれでもよい。
重合反応は、重合停止剤としてメタノール、イソプロパノール等のアルコールを添加して、反応を停止できる。得られた重合反応液をメタノール等の貧溶媒に注いで未変性共重合体を析出させるか、重合反応液を水で洗浄し、分離後、乾燥することにより未変性共重合体を単離できる。
〔未変性共重合体の変性方法〕
変性ファルネセン共重合体(C)は、前記未変性共重合体に対して、重合停止剤を添加する前に重合活性末端と反応し得るテトラエトキシシラン、二酸化炭素、酸化エチレン等の変性剤を添加する方法(I)、又は重合停止剤を添加した後、未変性共重合体に無水マレイン酸等の変性剤をグラフト化する方法(II)等の変性方法により得ることができる。
前記未変性共重合体に導入される官能基としては、例えば、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、アルコキシシリル基、シラノール基、ヒドロキシ基、エポキシ基、エーテル基、カルボキシ基、カルボニル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、メルカプト基、イソシアネート基、ニトリル基、ハロゲン化珪素基、ハロゲン化錫基、ピリジン環基、酸無水物由来の官能基等が挙げられる。これらの中でも、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基、ピリジン環基、及び酸無水物由来の官能基から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、酸無水物由来の官能基としては、無水マレイン酸由来の官能基がより好ましい。
なお、変性ファルネセン共重合体(C)において官能基が導入される位置については、重合末端であってもよく、重合体鎖の側鎖であってもよいが、複数の官能基を容易に導入できるという観点で、重合鎖の側鎖であることが好ましい。また上記官能基は1種単独で含まれていてもよく2種以上含まれていてもよい。したがって、変性ファルネセン共重合体(C)は、変性化合物1種により変性されたものであってもよく、また2種以上の変性化合物で変性されたものでもよい。
前記方法(I)において用いることができる前記変性剤としては、例えば、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート、二酸化炭素、酸化エチレン、無水コハク酸、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン、N−メチルピロリドン、ビニルピリジン、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン等の変性剤、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性剤が挙げられる。
上記変性剤は、有機アルカリ金属化合物に対して好ましくは0.01〜100モル等量の範囲である。
反応温度は通常−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは10〜90℃の範囲である。
また、重合停止剤を添加する前に上記変性剤を添加し未変性共重合体に官能基を導入した後、更に該官能基と反応し得る変性剤を添加して別の官能基を共重合体中に導入してもよい。
前記方法(II)において用いることができる前記変性剤としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水2,3−ジメチルマレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、シトラコン酸エステル、イタコン酸エステル等の不飽和カルボン酸エステル;マレイン酸アミド、フマル酸アミド、シトラコン酸アミド、イタコン酸アミド等の不飽和カルボン酸アミド;マレイン酸イミド、フマル酸イミド、シトラコン酸イミド、イタコン酸イミド等の不飽和カルボン酸イミド;マレイミド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、トリエトキシメチルシラン、ヒドロキシ酢酸、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記方法(II)において、変性剤を未変性共重合体にグラフト化する方法は特に限定されず、例えば、未変性共重合体と、前記変性剤と、必要に応じてラジカル触媒を加えて、有機溶媒の存在下又は非存在下で加熱する方法を採用することができる。前記方法で使用される有機溶媒としては、一般的には炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒の中でも、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒が好ましい。
前記方法(I)、方法(II)等の変性方法において、変性剤は未変性共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは0.1〜90質量部、更に好ましくは0.5〜70質量部、より更に好ましくは0.5〜50質量部の範囲で用いられる。変性ファルネセン共重合体(C)中に付加された官能基量が当該範囲内であると、低燃費性能が向上し、また弾性率が上昇することにより操縦安定性能も向上する。なお、変性ファルネセン共重合体(C)中に付加された官能基量は、変性剤の反応率を基に算出することもできるし、後述する実施例に記載された方法によって求めることができる。
反応温度は通常0〜200℃の範囲が好ましく、50〜200℃の範囲がより好ましい。また、変性剤を導入する反応を行う時には、副反応を抑制する観点等から老化防止剤を添加してもよい。
また、未変性共重合体に変性剤をグラフト化し官能基を導入した後、更に該官能基と反応し得る変性剤を添加して別の官能基を重合体中に導入してもよい。具体的には、リビングアニオン重合して得られる未変性重合体に対し、無水カルボン酸をグラフト化した後、次いで2−ヒドロキシエチルメタクリレートやメタノール、水、アンモニア、アミン等の化合物を反応させる方法が挙げられる。
これらの化合物を反応させることにより、変性ファルネセン共重合体(C)中の無水カルボン酸部分を開環反応させ、ジカルボン酸基、ジカルボン酸モノエステル基、ジカルボン酸モノアミド基等の官能基を有する変性ファルネセン共重合体(C)を得ることができる。
変性ファルネセン共重合体(C)中の無水カルボン酸部分を開環反応させて二次変性した変性ファルネセン共重合体(C)を製造する場合、開環反応に使用する上記化合物の量は、重合体中の無水カルボン酸基に対して0.5〜5モル当量が好ましく、0.8〜5モル当量がより好ましい。上記変性をすることにより、弾性率が上昇し、操縦安定性が良好となる。
変性ファルネセン共重合体(C)に対する前記変性剤の反応率は、40〜100%が好ましく、60〜100%がより好ましく、80〜100%が更に好ましい。変性剤の反応率が前記範囲内であると、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性が良好となる。なお、変性剤の反応率は、変性反応時に仕込んだ全変性剤量に対する重合体中に導入された量の割合として算出できる。
〔変性ファルネセン共重合体(C)の物性〕
変性ファルネセン共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)は2,000〜500,000が好ましく、2,000〜400,000がより好ましく、2,000〜300,000が更に好ましく、2,000〜200,000がより更に好ましい。変性ファルネセン共重合体(C)のMwが2,000以上であると、ゴム成分(A)との架橋が起こり易くなるため、耐摩耗性が向上する。また、Mwが500,000以下であると、ゴム組成物の加工性が向上する。
なお、本明細書において変性ファルネセン共重合体(C)のMwは、後述する実施例に記載した方法で求めた値である。
本実施の形態においては、Mwが異なる2種類の変性ファルネセン共重合体(C)を併用してもよい。
変性ファルネセン共重合体(C)の38℃における溶融粘度は、0.1〜3,000Pa・sが好ましく、0.1〜2,500Pa・sがより好ましく、0.1〜2,000Pa・sが更に好ましく、0.1〜1,500Pa・sがより更に好ましい。変性ファルネセン共重合体(C)の溶融粘度が前記範囲内であると、得られるゴム組成物の混練が容易になると共に加工性が向上する。なお、本明細書において変性ファルネセン共重合体(C)の溶融粘度は、後述する実施例に記載した方法で求めた値である。
変性ファルネセン共重合体(C)のガラス転移温度(TgC)は、−90〜10℃が好ましく、−90〜0℃がより好ましく、−90〜−5℃が更に好ましい。前記範囲であると、低燃費性能が良好となる。また、粘度が高くなるのを抑えることができ取り扱いが容易になる。
変性ファルネセン共重合体(C)は、示差熱分析法により求めた前記ゴム成分(A)のガラス転移温度(TgA)と、前記変性ファルネセン共重合体(C)のガラス転移温度(TgC)とが、下記関係式を満たす。
−50℃<(TgA)−(TgC)<30℃
「(TgA)−(TgC)」が上記範囲内であると、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性が良好となる。当該観点から、「(TgA)−(TgC)」は、好ましくは−45〜30℃、より好ましくは−40〜30℃、更に好ましくは−35〜30℃である。
変性ファルネセン共重合体(C)のビニル含量(ビニル化度)は、11〜90モル%である。ビニル含量が当該範囲内であると、ウエットグリップ性能が向上し、また、弾性率が向上して操縦安定性が良好となり、更に低燃費性能も向上する。一方、ビニル完了が90質量%を超えると、低燃費性能(転がり抵抗性能)が低下する。当該観点から、変性ファルネセン共重合体(C)のビニル含量は、好ましくは11〜85モル%、より好ましくは11〜80モル%、更に好ましくは11〜70モル%である。
変性ファルネセン共重合体(C)中に付加された官能基量(変性量)は、未変性共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは0.1〜50質量部、更に好ましくは0.5〜50質量部、より更に好ましくは0.5〜30質量部の範囲で用いられる。変性ファルネセン共重合体(C)中に付加された官能基量が当該範囲内であると、低燃費性能が向上し、また弾性率が上昇することにより操縦安定性能も向上する。なお、変性ファルネセン共重合体(C)中に付加された官能基量は、変性剤の反応率を基に算出することもできるし、後述する実施例に記載された方法によって求めることができる。
この変性ファルネセン共重合体(C)において、官能基が導入される位置については前述したとおりである。
本実施の形態においては、ゴム成分(A)100質量部に対する変性ファルネセン共重合体(C)の含有量は、1〜20質量部であり、2〜15質量部が好ましく、2.5〜15質量部がより好ましい。変性ファルネセン共重合体(C)の含有量が前記範囲内であると、機械強度及び転がり抵抗性能が良好となる。加えて、耐摩耗性に優れ、タイヤ等に用いた際にタイヤの変形が小さく、操縦安定性も向上させることができる。
<加硫剤>
本実施の形態のゴム組成物は、加硫剤を含有することが好ましい。加硫剤としては、例えば、硫黄及び硫黄化合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加硫剤の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.8〜5質量部が更に好ましい。
<加硫促進剤>
本実施の形態のゴム組成物は、加硫促進剤を含有してもよい。加硫促進剤としては、例えば、グアニジン系化合物、スルフェンアミド系化合物、チアゾール系化合物、チウラム系化合物、チオウレア系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、アルデヒド−アミン系化合物又はアルデヒド−アンモニア系化合物、イミダゾリン系化合物、キサンテート系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記加硫促進剤を含有する場合、その含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
<加硫助剤>
本実施の形態のゴム組成物は、加硫助剤を含有してもよい。加硫助剤としては、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、亜鉛華等の金属酸化物、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記加硫助剤を含有する場合、その含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
<シランカップリング剤>
本実施の形態のゴム組成物では、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、スルフィド系化合物、メルカプト系化合物、ビニル系化合物、アミノ系化合物、グリシドキシ系化合物、ニトロ系化合物、クロロ系化合物等が挙げられる。
スルフィド系化合物としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等が挙げられる。
メルカプト系化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニル系化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ系化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
グリシドキシ系化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
ニトロ系化合物としては、例えば、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
クロロ系化合物としては、例えば、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、補強効果が大きい観点から、スルフィド系化合物及びメルカプト系化合物等の硫黄を含有するシランカップリング剤が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
ゴム成分(A)100質量部に対する前記シランカップリング剤の含有量は、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜15質量部が更に好ましい。シランカップリング剤の含有量が前記範囲内であると、分散性、補強性、耐摩耗性が向上する。
<その他の成分>
本実施の形態のゴム組成物は、発明の効果を阻害しない範囲で、加工性、流動性等の改良を目的とし、必要に応じてシリコンオイル、アロマオイル、TDAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)、MES(Mild Extracted Solvates)、RAE(Residual Aromatic Extracts)、パラフィンオイル、ナフテンオイル等のプロセスオイル、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、C9系樹脂、ロジン系樹脂、クマロン・インデン系樹脂、フェノール系樹脂等の樹脂成分、低分子量ポリブタジエン、低分子量ポリイソプレン、低分子量スチレンブタジエン共重合体、低分子量スチレンイソプレン共重合体等の液状重合体、未変性重合体を軟化剤として含有していてもよい。なお、上記共重合体はブロック又はランダム等のいずれの重合形態であってもよい。液状重合体の重量平均分子量(Mw)は500〜100,000であることが加工性の観点から好ましい。本実施の形態のゴム組成物が上記プロセスオイル、樹脂成分又は液状重合体、未変性重合体を軟化剤として含有する場合、その含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して50質量部より少ないことが好ましい。
本実施の形態のゴム組成物は、発明の効果を阻害しない範囲で、耐候性、耐熱性、耐酸化性等の向上を目的として、必要に応じて老化防止剤、酸化防止剤、ワックス、滑剤、光安定剤、スコーチ防止剤、加工助剤、顔料や色素等の着色剤、難燃剤、帯電防止剤、艶消し剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、発泡剤、抗菌剤、防カビ剤、香料等の添加剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、ラクトン系化合物、ヒドロキシル系化合物等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、アミン−ケトン系化合物、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物、硫黄系化合物及びリン系化合物等が挙げられる。
本実施の形態のゴム組成物は、上記加硫剤を用いて加硫する他に、架橋剤を添加して架橋して用いることもできる。架橋剤としては、例えば、酸素、有機過酸化物、フェノール樹脂及びアミノ樹脂、キノン及びキノンジオキシム誘導体、ハロゲン化合物、アルデヒド化合物、アルコール化合物、エポキシ化合物、金属ハロゲン化物及び有機金属ハロゲン化物、シラン化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。架橋剤の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
本実施の形態のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、前記各成分を均一に混合すればよい。均一に混合する方法としては、例えば、ニーダールーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー等の接線式もしくは噛合式の密閉式混練機、単軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、ローラー等が挙げられ、通常70〜270℃の温度範囲で行うことができる。
本実施の形態のゴム組成物は、加硫することにより加硫ゴムとして利用することもできる。加硫の条件、方法に特に制限はないが、加硫金型を用いて加硫温度120〜200℃及び加硫圧力0.5〜2.0MPaの加圧加熱条件で行うことが好ましい。
[タイヤ]
本実施の形態のタイヤは、本実施の形態のゴム組成物を少なくとも一部に用いる。そのため、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランスに優れ、また操縦安定性にも優れる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例及び比較例において使用した各成分は以下のとおりである。
ゴム成分(A)
油展スチレンブタジエンゴム:「JSR1723」JSR株式会社製
重量平均分子量(Mw)=850,000
スチレン含有量=23.5質量%
乳化重合法で製造
オイル含量=37.5質量%
ビニル含量=19モル%
ガラス転移温度(Tg)=−53℃
シリカ(B)
「ULTRASIL7000GR」
エボニック デグサ ジャパン製
湿式シリカ:平均粒径14nm
変性ファルネセン共重合体(C)
下記製造例1〜3で製造した変性ファルネセン共重合体C−1〜C−3
他の共重合体
下記製造例4〜6で製造した共重合体Y−1〜Y−3
TDAE:「VivaTec500」H&R製
シランカップリング剤(2):「Si69」エボニック デグサ ジャパン製
亜鉛華:「酸化亜鉛」堺化学工業株式会社製
ステアリン酸:「ルナックS−20」花王株式会社製
ワックス:「サンタイトS」精工化学株式会社
老化防止剤(1):「ノクラック6C」大内新興化学工業株式会社製
加硫剤
硫黄(微粉硫黄200メッシュ、鶴見化学工業株式会社製)
加硫促進剤
加硫促進剤(1):「ノクセラーCZ−G」大内新興化学工業株式会社製
加硫促進剤(2):「ノクセラーD」大内新興化学工業株式会社製
加硫促進剤(3):「ノクセラーTBT−N」大内新興化学工業株式会社製
加硫助剤
また、変性ファルネセン共重合体(C)及び共重合体(以下、両者をあわせて単に「共重合体」ということがある)、ゴム組成物等に関する各種測定方法は、以下のとおりである。
(1)重量平均分子量の測定方法
共重合体のMwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下の通りである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
(2)変性量の測定方法
(変性剤の反応率の測定方法)
変性反応後の試料3gにトルエン180mL、エタノール20mLを加え溶解した後、0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液で中和滴定し酸価を求めた。
酸価(mgKOH/g)=(A−B)×F×5.611/S
A:中和に要した0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液滴下量(mL)
B:試料を含まないブランクでの0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液滴下量(mL)
F:0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液の力価
S:秤量した試料の質量(g)
また、変性反応後の試料をメタノールで4回洗浄(試料1gに対して5mL)して未反応の無水マレイン酸を除去した後、試料を80℃で12時間、減圧乾燥し、上記と同様の方法にて酸価を求めた。下記式に基づき変性剤の反応率を算出した。
〔変性剤の反応率〕=〔洗浄後の酸価〕/〔洗浄前の酸価〕×100
(官能基の当量)
変性反応後の試料をメタノールで4回洗浄(試料1gに対して5mL)して不純物を除去した後、試料を80℃で12時間、減圧乾燥した。この試料3gにトルエン180mL、エタノール20mLを加え溶解した後、0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液で中和滴定し酸価を求めた。
酸価(mgKOH/g)=(A−B)×F×5.611/S
A:中和に要した0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液滴下量(mL)
B:試料を含まないブランクでの0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液滴下量(mL)
F:0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液の力価
S:秤量した試料の質量(g)
次いで、酸価から変性重合体(C)1g当たりに含まれる官能基の質量、1g当たりに含まれる官能基以外の質量(重合体主鎖質量)を算出した。以下の式より官能基の当量(g/eq)を算出した。
〔重合体1g当たり官能基質量〕=〔酸価〕/〔56.11〕×〔官能基分子量〕/1,000
〔重合体1g当たり重合体主鎖質量〕=1−〔重合体1g当たり官能基質量〕
〔官能基の当量〕=〔重合体1g当たり重合体主鎖質量〕/(〔重合体1g当たり官能基質量〕/〔官能基分子量〕
(変性量)
下記式に基づき、未変性の重合体100質量部に対して付加された官能基量(変性量)を算出した〔質量部〕。
〔付加された官能基量〕=〔重合体1g当たり官能基質量〕/〔1g当たりの重合体主鎖質量〕×100
(重合体1分子当たりの平均官能基数)
得られた変性反応後の試料3gにトルエン180mL、エタノール20mLを加え、室温で30分間反応させた。その後溶液を60℃で12時間真空乾燥し、得られた試料を日本電子株式会社製H−NMR(500MHz)を用いてサンプル/重クロロホルム=100mg/1mLの濃度、積算回数512回、測定温度30℃で測定した。得られたスペクトルのエチルエステルのメチレン基に由来するピークと重合体開始剤末端に由来するピークとの面積比から、変性重合体(C)1分子当たりの平均官能基数を算出した。
(3)ガラス転移温度(Tg)の測定方法
変性後の共重合体10mgをアルミパンに採取し、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件においてサーモグラムを測定し、DDSCのピークトップの値をガラス転移温度(TgC)とした。
また、ゴム成分(A)10mgをアルミパンに採取し、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件においてサーモグラムを測定し、DDSCのピークトップの値をガラス転移温度(TgA)とした。
これらに基づいて、「(TgA)−(TgC)」の値を算出した。
また、未変性の共重合体についても、前述の変性後の共重合体と同様の方法により、ガラス転移温度(TgC’)を測定し、「(TgA)−(TgC’)」の値を算出した。
(4)ゴム成分並びに変性共重合体のビニル含量の測定方法
ゴム成分50mg又は変性共重合体50mgを1mlのCDClに溶解した溶液を400MHzのH−NMRを用いて積算回数1024回で測定した。測定により得られたチャートの4.82〜5.27ppm部分をファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単量体単位(3)におけるビニル構造由来のスペクトル、5.27〜5.69ppmの部分を該単量体単位(3)におけるビニル構造と1,4結合の合成スペクトルとし、以下の式に基づきビニル含量を算出した。
{ビニル含量}=2×(4.82〜5.27ppmの積分値)/{2×(5.27〜5.69ppmの積分値}+(4.82〜5.27ppmの積分値))
(5)38℃における溶融粘度の測定方法
共重合体の38℃における溶融粘度をブルックフィールド型粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS. INC.製)により測定した。
(6)60℃における転がり抵抗性能(低燃費性能)
実施例及び比較例で作製したゴム組成物のシートから縦40mm×横7mmの試験片を切り出し、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度60℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で、tanδを測定し、転がり抵抗の指標とした。各実施例及び比較例の数値は、比較例4の値を100とした際の相対値である。なお、数値が小さいほどゴム組成物の転がり抵抗性能が良好である。
(7)0℃における転がり抵抗性能(ウエットグリップ性能)
実施例及び比較例で作製したゴム組成物のシートから縦40mm×横7mmの試験片を切り出し、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度0℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で、tanδを測定し、ウエットグリップ性能の指標とした。各実施例及び比較例の数値は、比較例4の値を100とした際の相対値である。なお、数値が大きいほどゴム組成物のウエットグリップ性能が良好である。
(8)ムーニー粘度
ゴム組成物の加工性の指標として、JIS K6300に準拠し、加硫前のゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)を100℃で測定した。
なお表2におけるムーニー粘度は、比較例4の値を100とした際の相対値である。数値が小さいほど加工性が良好である。
(9)弾性率
実施例及び比較例で作製したゴム組成物のシートから縦40mm×横7mmの試験片を切り出し、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度25℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で、貯蔵弾性率E’を測定し、剛性の指標とした。各実施例及び比較例の数値は、比較例4の値を100とした際の相対値である。なお、数値が大きいほど当該ゴム組成物をタイヤに用いた際にタイヤの変形が小さく、操縦安定性が良好である。
製造例1:変性ファルネセン共重合体C−1の製造
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてヘキサン1,121g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)49gを仕込み、50℃に昇温した後、テトラヒドロフラン7gと、予め調製したβ−ファルネセン及びブタジエンの混合物(β−ファルネセン1260gとブタジエン840gとをボンベ内で混合)1,430gを12.5ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、未変性のファルネセン−ブタジエンランダム共重合体を得た。
次いで、耐圧容器に得られた未変性のファルネセン−ブタジエンランダム共重合体を500g、老化防止剤としてノクラック6Cを0.5g、及び無水マレイン酸を25g仕込み、窒素置換した後、170℃まで昇温し24時間反応させた。更にメタノールを9.8g(無水マレイン酸に対し1.2モル当量)仕込み、80℃で5時間反応させることにより、表1に示す物性を有するマレイン酸変性ファルネセン−ブタジエンランダム共重合体C−1を得た。その物性値の測定結果を表1に示す。
製造例2:変性ファルネセン共重合体C−2の製造
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン508g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)241gを仕込み、50℃に昇温した後、テトラヒドロフラン3gと、予め調製したβ−ファルネセン、ブタジエン、及びスチレンの混合物(β−ファルネセン1012gとブタジエン1012gとスチレン225gとをボンベ内で混合)2250gを12.5ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、未変性のファルネセン−ブタジエン−スチレンランダム共重合体を得た。
次いで、耐圧容器に得られた未変性のファルネセン−ブタジエン−スチレンランダム共重合体を500g、老化防止剤としてノクラック6Cを0.5g、及び無水マレイン酸を25g仕込み、窒素置換した後、170℃まで昇温し24時間反応させた。更にメタノールを9.8g(無水マレイン酸に対し1.2モル当量)仕込み、80℃で5時間反応させることにより、表1に示す物性を有するマレイン酸変性ファルネセン−ブタジエン−スチレンランダム共重合体C−2を得た。その物性値の測定結果を表1に示す。
製造例3:変性ファルネセン共重合体C−3の製造
表1の組成にすること以外は製造例2と同様にして、マレイン酸変性ファルネセン−ブタジエン−スチレンランダム共重合体C−3を得た。その物性値の測定結果を表1に示す。
製造例4:共重合体Y−1の製造
表1の組成にすること、及び変性を行わなかったこと以外は製造例1と同様にして、共重合体Y−1を得た。その物性値の測定結果を表1に示す。
製造例5:共重合体Y−2の製造
表1の組成にすること以外は製造例1と同様にして、共重合体Y−2を得た。その物性値の測定結果を表1に示す。
製造例6:共重合体Y−3の製造
表1の組成にすること以外は製造例2と同様にして、共重合体Y−3を得た。その物性値の測定結果を表1に示す。
実施例1〜3及び比較例1〜4
表2に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)、フィラー(B)、変性重合体(C)、共重合体、TDAE、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度バンバリーミキサーに入れ、加硫剤及び加硫促進剤を加えて100℃で75秒混練することでゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度を上記の方法により測定した。
また、得られたゴム組成物をプレス成形(160℃、30〜50分)して加硫ゴムシート(厚み2mm)を作製し、上記の方法に基づき、低燃費性能、ウエットグリップ性能、段栄率を評価した。その結果を表2に示す。
実施例1〜3のゴム組成物は、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性に優れる。
一方、比較例1のゴム組成物は、共重合体を変性させていないため、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性に劣る。
比較例2のゴム組成物は、ビニル含量が10モル%と低いため、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性に劣る。
比較例3のゴム組成物は、「−50℃<(TgA)−(TgC)<30℃」の条件を満たさないため、ウエットグリップ性能と低燃費性能とのバランス、及び操縦安定性に劣る。

Claims (6)

  1. 合成ゴム及び天然ゴムの少なくとも1種からなるゴム成分(A)、フィラー(B)及び変性ファルネセン共重合体(C)を含み、前記ゴム成分(A)100質量部に対して前記フィラー(B)を20〜150質量部、前記変性ファルネセン共重合体(C)を1〜20質量部含有し、下記(i)〜(iii)の要件を満たすゴム組成物。
    <要件>
    (i)前記変性ファルネセン共重合体(C)を構成する単量体単位が、ファルネセンに由来する単位(1)を1〜86質量%、芳香族ビニル化合物に由来する単位(2)を0〜85質量%、及びファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単位(3)を14〜99質量%含有するものである。
    (ii)前記変性ファルネセン共重合体(C)の全ファルネセン以外の共役ジエン化合物に由来する単位(3)のうち、ビニル基を有する単量体単位の含有量(ビニル含量)が11〜90モル%である。
    (iii)示差熱分析法により求めた前記ゴム成分(A)のガラス転移温度(TgA)と、前記変性ファルネセン共重合体(C)のガラス転移温度(TgC)とが、下記関係式を満たす。
    −50℃<(TgA)−(TgC)<30℃
  2. 前記変性ファルネセン共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜500,000である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記変性ファルネセン共重合体(C)の38℃における溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sである、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記変性ファルネセン共重合体(C)が、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基、ピリジン環基、及び酸無水物由来の官能基から選ばれる1種以上の官能基を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分(A)が、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム及びイソプレンゴムから選ばれる1種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤ。
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