JP2018048349A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時の加工性に優れ、機械強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能を高い水準で備えるタイヤを与えることができるゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたタイヤを提供する。【解決手段】芳香族ビニル化合物由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜200,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が30〜70質量%であり、前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有するゴム組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いたタイヤに関する。
空気入りタイヤには、乾燥路面での操縦安定性(ドライグリップ性能)及び湿潤路面での操縦安定性(ウェットグリップ性能)に優れることが求められており、更に機械強度及び耐久性に優れることも求められている。耐久性を向上させるために、一般的にゴム補強剤としてカーボンブラックやシリカを配合したゴム組成物が用いられるが、上記ゴム組成物は高粘度であるため加工性が悪く、加工性改良剤としてプロセスオイルや液状重合体等が使用されている。しかしながら、従来の加工性改良剤を用いた場合、加工性が改良されるものの、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能及び機械強度のバランスは充分に改良されなかった。
前記特性をバランスよく改良するためのゴム組成物として、特許文献1にはブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカとを特定の比率で含有するタイヤ用ゴム組成物が記載されている。
また、特許文献2には、シリカ、水酸化アルミニウム、特定のシランカップリング剤を所定の割合で配合したタイヤ用ゴム組成物が記載されている。
しかしながら、これらの特許文献に記載されるゴム組成物を用いたタイヤも、機械強度、ウェットグリップ性能及び加工性を十分に高い水準で兼ね備えているとはいえず、また、ドライグリップ性能についても満足いくものではなく、更なる改善が望まれている。
なお、特許文献3,4には、β−ファルネセンの重合体が記載されているが、実用的な用途については十分に検討されていない。
また、特許文献2には、シリカ、水酸化アルミニウム、特定のシランカップリング剤を所定の割合で配合したタイヤ用ゴム組成物が記載されている。
しかしながら、これらの特許文献に記載されるゴム組成物を用いたタイヤも、機械強度、ウェットグリップ性能及び加工性を十分に高い水準で兼ね備えているとはいえず、また、ドライグリップ性能についても満足いくものではなく、更なる改善が望まれている。
なお、特許文献3,4には、β−ファルネセンの重合体が記載されているが、実用的な用途については十分に検討されていない。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、製造時の加工性に優れ、機械強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能を高い水準で備えるタイヤを与えることができるゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたタイヤを提供する。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、芳香族ビニル化合物由来の単量体単位とファルネセン由来の単量体単位とを含む特定の共重合体をゴム組成物に用いると、製造時の加工性に優れ、更にこのゴム組成物を用いて製造したタイヤの機械強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能が向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]芳香族ビニル化合物由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜200,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が30〜70質量%であり、前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有するゴム組成物、
[2]前記ゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤ、
に関する。
[1]芳香族ビニル化合物由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜200,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が30〜70質量%であり、前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有するゴム組成物、
[2]前記ゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤ、
に関する。
本発明によれば、製造時の加工性に優れ、機械強度、ドライグリップ性能、及びウェットグリップ性能を高い水準で備えるタイヤを与えることができるゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することができる。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、芳香族ビニル化合物由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜200,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が30〜70質量%であり、前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有するものである。
本発明のゴム組成物は、芳香族ビニル化合物由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜200,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が30〜70質量%であり、前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有するものである。
<共重合体(A)>
共重合体(A)は、芳香族ビニル化合物由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体である。前記共重合体(A)はランダム、ブロック等のいずれの重合形態であってもよいが、耐摩耗性及び機械強度に優れるタイヤを得る観点から、ランダム共重合体が好ましい。
共重合体(A)は、芳香族ビニル化合物由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体である。前記共重合体(A)はランダム、ブロック等のいずれの重合形態であってもよいが、耐摩耗性及び機械強度に優れるタイヤを得る観点から、ランダム共重合体が好ましい。
単量体単位(a)を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−4−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、4−メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、及びジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられる。中でもスチレン、α−メチルスチレン、及び4−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体単位(b)は、α−ファルネセン由来の単量体単位であってもよく、また、下記式(I)で表されるβ−ファルネセン由来の単量体単位であってもよいが、β−ファルネセン由来の単量体単位が好ましい。なお、α−ファルネセンとβ−ファルネセンとは併用してもよい。
前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜200,000であり、5,000〜100,000が好ましく、7,000〜70,000がより好ましく、8,000〜50,000が更に好ましい。共重合体(A)の重量平均分子量が前記範囲内であると加工性が向上し、また、本発明のゴム組成物を用いたタイヤの機械強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能が向上する。
なお、本明細書において共重合体(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。本発明においては、重量平均分子量が異なる2種以上の共重合体(A)を併用してもよい。
なお、本明細書において共重合体(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。本発明においては、重量平均分子量が異なる2種以上の共重合体(A)を併用してもよい。
共重合体(A)の38℃における溶融粘度は、0.1〜3,000Pa・sが好ましく、1.5〜2,000Pa・sがより好ましく、2.0〜1,500Pa・sが更に好ましく、2.5〜1,000Pa・sがより更に好ましい。共重合体(A)の溶融粘度が前記範囲内であると、得られるゴム組成物の混練が容易になると共に加工性が向上する。また、本発明のゴム組成物を用いたタイヤの機械強度、ドライグリップ性能、及びウェットグリップ性能が向上する。なお、本明細書において共重合体(A)の溶融粘度は、後述する実施例に記載した方法で求めた値である。
前記共重合体(A)中の単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合は、30〜70質量%であることが必要である。前記単量体単位(a)を30質量%以上含有する場合、共重合体(A)のガラス転移温度が高温領域にシフトするため、本発明のゴム組成物のガラス転移温度も高温領域にシフトし、本発明のゴム組成物を例えばタイヤに用いた場合、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能を飛躍的に向上させることができる。単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合は、30〜65質量%がより好ましく、35〜60質量%が更に好ましい。
共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜4.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.0が更に好ましい。Mw/Mnが前記範囲内であると、得られる共重合体の粘度のばらつきが小さく、より好ましい。
前記共重合体(A)の示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)は、−95℃〜0℃であることが好ましく、−80℃〜0℃であることがより好ましく、−70℃〜0℃であることが更に好ましく、−60℃〜0℃であることが最も好ましい。前記共重合体(A)のTgが前記範囲内であると、本発明のゴム組成物を用いたタイヤのドライグリップ性能及びウェットグリップ性能が向上する。
前記共重合体(A)は、少なくとも芳香族ビニル化合物とファルネセンとを共重合したものであればよく、本発明の効果を損なわない範囲内において、その他の単量体と芳香族ビニル化合物とファルネセンとを共重合体したものであってもよい。
その他の単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニルブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン、ミルセン及びクロロプレン等の共役ジエン等が挙げられる。
共重合体(A)中のその他の単量体の割合は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
その他の単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニルブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン、ミルセン及びクロロプレン等の共役ジエン等が挙げられる。
共重合体(A)中のその他の単量体の割合は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
[共重合体の製造方法]
共重合体(A)は、少なくとも芳香族ビニル化合物とファルネセンとを共重合する方法により製造することが好ましい。具体的には、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、又は溶液重合法等により製造することができる。中でも溶液重合法が好ましい。
(塊状重合法)
塊状重合法としては公知の方法を適用できる。例えば、原料となるファルネセンと芳香族ビニル化合物とを撹拌混合し、ラジカル重合開始剤により溶媒の非存在下で重合することにより行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えばアゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物が挙げられ、特にアゾビスイソブチロニトリル、tert−ブチルパーオキシピバレート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、i−ブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、ジシンナミルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、過酸化ベンゾイル、過酸化水素及び過硫酸アンモニウム等が好ましい。
重合温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常0〜200℃が好ましく、0〜120℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えばイソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
得られる共重合体から残存モノマーを除去する方法としては、再沈殿、減圧下での加熱留去等の方法が挙げられる。
共重合体(A)は、少なくとも芳香族ビニル化合物とファルネセンとを共重合する方法により製造することが好ましい。具体的には、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、又は溶液重合法等により製造することができる。中でも溶液重合法が好ましい。
(塊状重合法)
塊状重合法としては公知の方法を適用できる。例えば、原料となるファルネセンと芳香族ビニル化合物とを撹拌混合し、ラジカル重合開始剤により溶媒の非存在下で重合することにより行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えばアゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物が挙げられ、特にアゾビスイソブチロニトリル、tert−ブチルパーオキシピバレート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、i−ブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、ジシンナミルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、過酸化ベンゾイル、過酸化水素及び過硫酸アンモニウム等が好ましい。
重合温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常0〜200℃が好ましく、0〜120℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えばイソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
得られる共重合体から残存モノマーを除去する方法としては、再沈殿、減圧下での加熱留去等の方法が挙げられる。
(乳化重合法)
乳化重合法としては公知の方法を適用できる。例えば、所定量のファルネセンと芳香族ビニル化合物とを乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により重合することにより行うことができる。
乳化剤としては、例えば炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩又はロジン酸塩が用いられる。具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、及びステアリン酸等の脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。
分散媒としては通常、水が使用され、重合時の安定性が阻害されない範囲で、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのような過硫酸塩、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。
乳化重合法としては公知の方法を適用できる。例えば、所定量のファルネセンと芳香族ビニル化合物とを乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により重合することにより行うことができる。
乳化剤としては、例えば炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩又はロジン酸塩が用いられる。具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、及びステアリン酸等の脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。
分散媒としては通常、水が使用され、重合時の安定性が阻害されない範囲で、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのような過硫酸塩、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。
得られる共重合体の分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、例えばt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、チオグリコール酸、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
乳化重合温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常0〜100℃が好ましく、0〜80℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えばイソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
重合反応停止後、必要に応じて老化防止剤を添加してもよい。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら、共重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって共重合体を回収する。次いで水洗し、脱水後、乾燥することで、共重合体が得られる。なお、凝固の際に、必要に応じて予めラテックスと乳化分散液にした伸展油とを混合し、油展の共重合体として回収してもよい。
乳化重合温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常0〜100℃が好ましく、0〜80℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えばイソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
重合反応停止後、必要に応じて老化防止剤を添加してもよい。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら、共重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって共重合体を回収する。次いで水洗し、脱水後、乾燥することで、共重合体が得られる。なお、凝固の際に、必要に応じて予めラテックスと乳化分散液にした伸展油とを混合し、油展の共重合体として回収してもよい。
(溶液重合法)
共重合体を得るための溶液重合法としては、公知の方法を適用できる。例えば、溶媒中でチーグラー系触媒、メタロセン系触媒、アニオン重合可能な活性金属を使用して、所望により極性化合物の存在下、ファルネセン単量体と芳香族ビニル化合物由来の単量体とを重合することにより行うことができる。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えばリチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。更にアルカリ金属の中でも、有機アルカリ金属化合物がより好ましく用いられる。
共重合体を得るための溶液重合法としては、公知の方法を適用できる。例えば、溶媒中でチーグラー系触媒、メタロセン系触媒、アニオン重合可能な活性金属を使用して、所望により極性化合物の存在下、ファルネセン単量体と芳香族ビニル化合物由来の単量体とを重合することにより行うことができる。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えばリチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。更にアルカリ金属の中でも、有機アルカリ金属化合物がより好ましく用いられる。
有機アルカリ金属化合物としては、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム及びスチルベンリチウム等の有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、ジリチオナフタレン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン及び1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。中でも有機リチウム化合物が好ましく、有機モノリチウム化合物がより好ましい。有機アルカリ金属化合物の使用量は要求されるファルネセン重合体の分子量によって適宜決められるが、単量体単位(a)及び(b)の合計100質量部に対して0.01〜3質量部が好ましい。
有機アルカリ金属化合物はまた、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン及びジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
有機アルカリ金属化合物はまた、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン及びジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
溶媒としては、例えばn−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びイソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン及びメチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
極性化合物は、アニオン重合において反応を失活させず、ファルネセン部位のミクロ構造を調整するため用いられ、例えばジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;ピリジン;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;カリウム−t−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;ホスフィン化合物等が挙げられる。
極性化合物は、有機アルカリ金属化合物に対して好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で使用される。
共重合体(A)は、前記有機アルカリ金属化合物等の有機金属開始剤の存在下、アニオン重合によって製造されたものであることが、前記分子量分布の範囲を満たす共重合体を製造する観点から好ましい。
極性化合物は、有機アルカリ金属化合物に対して好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で使用される。
共重合体(A)は、前記有機アルカリ金属化合物等の有機金属開始剤の存在下、アニオン重合によって製造されたものであることが、前記分子量分布の範囲を満たす共重合体を製造する観点から好ましい。
重合反応の温度は、通常−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは10〜90℃の範囲である。重合様式は回分式あるいは連続式のいずれでもよい。重合系中の芳香族ビニル化合物及びファルネセンの組成比が特定範囲になるように、反応液中に芳香族ビニル化合物及びファルネセンを連続的あるいは断続的に供給したり、あるいは予め特定の組成比に調整した芳香族ビニル化合物及びファルネセンの混合物を供給することで、共重合体を製造することができる。
重合反応は、重合停止剤としてメタノール、イソプロパノール等のアルコールを添加して、反応を停止できる。
得られた重合反応液をメタノール等の貧溶媒に注いで共重合体を析出させるか、重合反応液を水で洗浄し、分離後、乾燥することにより共重合体を単離できる。
重合反応は、重合停止剤としてメタノール、イソプロパノール等のアルコールを添加して、反応を停止できる。
得られた重合反応液をメタノール等の貧溶媒に注いで共重合体を析出させるか、重合反応液を水で洗浄し、分離後、乾燥することにより共重合体を単離できる。
{変性共重合体}
共重合体(A)は、官能基が導入された変性共重合体であってもよい。官能基としては、例えばアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、メルカプト基、イソシアネート基及び酸無水物等が挙げられる。
変性共重合体の製造方法としては、例えば重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン及び2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及びN−ビニルピロリドン等の重合末端変性剤、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性剤を添加する方法が挙げられる。また、単離後の共重合体に無水マレイン酸等をグラフト化して用いることもできる。
この変性共重合体において、官能基が導入される位置については重合体の末端であってもよく、重合体鎖に対する側鎖であってもよい。また上記官能基は1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記変性剤は、有機アルカリ金属化合物に対して0.01〜100モル当量、好ましくは0.01〜10モル当量の範囲で使用することが好ましい。
共重合体(A)は、官能基が導入された変性共重合体であってもよい。官能基としては、例えばアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、メルカプト基、イソシアネート基及び酸無水物等が挙げられる。
変性共重合体の製造方法としては、例えば重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン及び2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及びN−ビニルピロリドン等の重合末端変性剤、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性剤を添加する方法が挙げられる。また、単離後の共重合体に無水マレイン酸等をグラフト化して用いることもできる。
この変性共重合体において、官能基が導入される位置については重合体の末端であってもよく、重合体鎖に対する側鎖であってもよい。また上記官能基は1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記変性剤は、有機アルカリ金属化合物に対して0.01〜100モル当量、好ましくは0.01〜10モル当量の範囲で使用することが好ましい。
<ゴム成分(B)>
ゴム成分(B)としては、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(以下、SBRという)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム及びクロロプレンゴム等のゴムが挙げられる。中でも、SBR、天然ゴム、ブタジエンゴム、及びイソプレンゴムがより好ましく、SBR、天然ゴムが更に好ましい。これらのゴムは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分(B)としては、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(以下、SBRという)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム及びクロロプレンゴム等のゴムが挙げられる。中でも、SBR、天然ゴム、ブタジエンゴム、及びイソプレンゴムがより好ましく、SBR、天然ゴムが更に好ましい。これらのゴムは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔天然ゴム〕
ゴム成分(B)で用いる天然ゴムとしては、例えばSMR、SIR、STR等のTSRや、RSS等のタイヤ工業において一般的に用いられる天然ゴム;高純度天然ゴム;エポキシ化天然ゴム、水酸基化天然ゴム、水素添加天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴムが挙げられる。中でも、品質のばらつきが少ない点、及び入手容易性の点から、STR20、SMR20やRSS#3が好ましい。
ゴム成分(B)で用いる天然ゴムとしては、例えばSMR、SIR、STR等のTSRや、RSS等のタイヤ工業において一般的に用いられる天然ゴム;高純度天然ゴム;エポキシ化天然ゴム、水酸基化天然ゴム、水素添加天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴムが挙げられる。中でも、品質のばらつきが少ない点、及び入手容易性の点から、STR20、SMR20やRSS#3が好ましい。
〔合成ゴム〕
本発明においてゴム成分(B)として合成ゴムを用いる場合、SBR、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、及びクロロプレンゴム等が好ましく、中でも、SBR、イソプレンゴム、及びブタジエンゴムがより好ましい。
本発明においてゴム成分(B)として合成ゴムを用いる場合、SBR、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、及びクロロプレンゴム等が好ましく、中でも、SBR、イソプレンゴム、及びブタジエンゴムがより好ましい。
(SBR)
SBRとしては、タイヤ用途に用いられる一般的なものを使用できるが、具体的には、スチレン含有量が0.1〜70質量%のものが好ましく、5〜50質量%のものがより好ましい。また、ビニル含有量が0.1〜60質量%のものが好ましく、0.1〜55質量%のものがより好ましい。
SBRの重量平均分子量(Mw)は10万〜250万であることが好ましく、15万〜200万であることがより好ましく、20万〜150万であることが更に好ましい。上記の範囲である場合、加工性と機械強度とを両立することができる。
本発明において使用するSBRの示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)は−95〜0℃であることが好ましく、−95〜−5℃であることがより好ましい。Tgが前記範囲であると、高粘度化を抑制することができ、取り扱いが容易になる。
SBRとしては、タイヤ用途に用いられる一般的なものを使用できるが、具体的には、スチレン含有量が0.1〜70質量%のものが好ましく、5〜50質量%のものがより好ましい。また、ビニル含有量が0.1〜60質量%のものが好ましく、0.1〜55質量%のものがより好ましい。
SBRの重量平均分子量(Mw)は10万〜250万であることが好ましく、15万〜200万であることがより好ましく、20万〜150万であることが更に好ましい。上記の範囲である場合、加工性と機械強度とを両立することができる。
本発明において使用するSBRの示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)は−95〜0℃であることが好ましく、−95〜−5℃であることがより好ましい。Tgが前記範囲であると、高粘度化を抑制することができ、取り扱いが容易になる。
本発明において用いることができるSBRは、スチレンとブタジエンとを共重合して得られる。SBRの製造方法について特に制限はなく、乳化重合法、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができ、乳化重合法、溶液重合法が好ましい。
乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)は、通常の乳化重合法により製造でき、例えば所定量のスチレン及びブタジエン単量体を乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により乳化重合する。得られるE−SBRの分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって重合体をクラムとして回収できる。クラムを水洗、次いで脱水後、バンドドライヤー等で乾燥することで、E−SBRが得られる。
乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)は、通常の乳化重合法により製造でき、例えば所定量のスチレン及びブタジエン単量体を乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により乳化重合する。得られるE−SBRの分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって重合体をクラムとして回収できる。クラムを水洗、次いで脱水後、バンドドライヤー等で乾燥することで、E−SBRが得られる。
溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)は、通常の溶液重合法により製造でき、例えば溶媒中でアニオン重合可能な活性金属を使用して、所望により極性化合物の存在下、スチレン及びブタジエンを重合する。アニオン重合可能な活性金属としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、更にアルカリ金属の中でも有機アルカリ金属化合物がより好ましい。重合反応の温度は、通常−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは30〜90℃の範囲である。重合様式は、回分式あるいは連続式のいずれでもよい。重合反応は、重合停止剤としてメタノール、イソプロパノール等のアルコールを添加して反応を停止できる。重合停止剤を添加する前に重合末端変性剤を添加してもよい。重合反応停止後の重合溶液は、直接乾燥やスチームストリッピング等により溶媒を分離して、目的のS−SBRを回収できる。
本発明においては、SBRに官能基が導入された変性SBRを用いてもよい。官能基としては、例えばアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、及びカルボキシル基等が挙げられる。この変性SBRにおいて、官能基が導入される位置については重合体の末端であってもよく、重合体鎖に対する側鎖であってもよい。
(イソプレンゴム)
イソプレンゴムとしては、例えばチーグラー系触媒、ランタノイド系希土類金属触媒、有機アルカリ金属化合物等を用いて重合された、市販のイソプレンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたイソプレンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のイソプレンゴムを用いてもよい。
イソプレンゴムとしては、例えばチーグラー系触媒、ランタノイド系希土類金属触媒、有機アルカリ金属化合物等を用いて重合された、市販のイソプレンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたイソプレンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のイソプレンゴムを用いてもよい。
イソプレンゴムのビニル含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ビニル含量が50質量%以下であると転がり抵抗性能が良好になる。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−20℃以下であることが好ましく、−30℃以下であることがより好ましい。イソプレンゴムの重量平均分子量は、9万〜200万であることが好ましく、15万〜150万であることがより好ましい。重量平均分子量が上記範囲にある場合、加工性と機械強度が良好となる。
上記イソプレンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
上記イソプレンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
(ブタジエンゴム)
ブタジエンゴムとしては、例えば、チーグラー系触媒、ランタノイド系希土類金属触媒、有機アルカリ金属化合物等を用いて重合された、市販のブタジエンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたブタジエンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のブタジエンゴムを用いてもよい。
ブタジエンゴムのビニル含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ビニル含量が50質量%以下であると転がり抵抗性能が良好になる。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−40℃以下であることが好ましく、−50℃以下であることがより好ましい。ブタジエンゴムの重量平均分子量は9万〜200万であることが好ましく、15万〜150万であることがより好ましく、25万〜80万であることが更に好ましい。重量平均分子量が上記範囲にある場合、加工性と機械強度が良好となる。
上記ブタジエンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
ブタジエンゴムとしては、例えば、チーグラー系触媒、ランタノイド系希土類金属触媒、有機アルカリ金属化合物等を用いて重合された、市販のブタジエンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたブタジエンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のブタジエンゴムを用いてもよい。
ブタジエンゴムのビニル含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ビニル含量が50質量%以下であると転がり抵抗性能が良好になる。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−40℃以下であることが好ましく、−50℃以下であることがより好ましい。ブタジエンゴムの重量平均分子量は9万〜200万であることが好ましく、15万〜150万であることがより好ましく、25万〜80万であることが更に好ましい。重量平均分子量が上記範囲にある場合、加工性と機械強度が良好となる。
上記ブタジエンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
SBR、イソプレンゴム、ブタジエンゴム以外の合成ゴムとして、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム等を1種又は2種以上を使用することができる。また、これらの製造方法は特に限定されず、市販されているものを使用できる。
本発明において、ゴム成分(B)と前述の共重合体(A)とを併用することで、加工性が向上し、また、本発明のゴム組成物を用いたタイヤの機械強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能が向上する。2種以上の合成ゴムを混合して用いる場合、その組み合わせは本発明の効果を損なわない範囲で任意に選択でき、またその組み合わせによって、物性値を調整できる。
前記ゴム組成物中の前記共重合体(A)の含有量は、得られるタイヤの機械強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能を向上させる観点から、前記ゴム成分(B)100質量部に対し0.1〜100質量部であり、0.5〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。
本発明のゴム組成物は、前記重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するものである。すなわち、本発明のゴム組成物は、カーボンブラック(C)又はシリカ(D)のいずれか一方を含有するものでもよく、カーボンブラック(C)及びシリカ(D)の両方を含有するものでもよい。
<カーボンブラック(C)>
本発明においては、カーボンブラック(C)として、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック及びケッチェンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。中でも、加硫速度や機械強度向上の観点から、ファーネスブラックが好ましい。
ファーネスブラックの市販品としては、例えば三菱化学株式会社「ダイヤブラック」、東海カーボン株式会社製「シースト」等が挙げられる。アセチレンブラックの市販品としては、例えば電気化学工業株式会社製「デンカブラック」が挙げられる。ケッチェンブラックの市販品としては、例えばライオン株式会社製「ECP600JD」が挙げられる。
本発明においては、カーボンブラック(C)として、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック及びケッチェンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。中でも、加硫速度や機械強度向上の観点から、ファーネスブラックが好ましい。
ファーネスブラックの市販品としては、例えば三菱化学株式会社「ダイヤブラック」、東海カーボン株式会社製「シースト」等が挙げられる。アセチレンブラックの市販品としては、例えば電気化学工業株式会社製「デンカブラック」が挙げられる。ケッチェンブラックの市販品としては、例えばライオン株式会社製「ECP600JD」が挙げられる。
カーボンブラック(C)は、共重合体(A)及びゴム成分(B)への濡れ性や分散性を向上させる観点から、硝酸、硫酸、塩酸又はこれらの混合酸等による酸処理や、空気存在下での熱処理による表面酸化処理を行ってもよい。また、本発明のゴム組成物の機械強度向上の観点から、黒鉛化触媒の存在下に2,000〜3,000℃で熱処理を行ってもよい。なお、黒鉛化触媒としては、ホウ素、ホウ素酸化物(例えばB2O2、B2O3、B4O3、B4O5等)、ホウ素オキソ酸(例えばオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等)及びその塩、ホウ素炭化物(例えばB4C、B6C等)、窒化ホウ素(BN)、その他のホウ素化合物が好適に用いられる。
カーボンブラック(C)は、粉砕等により平均粒径を調整できる。カーボンブラック(C)の粉砕には、高速回転粉砕機(ハンマーミル、ピンミル、ケージミル)や各種ボールミル(転動ミル、振動ミル、遊星ミル)、撹拌ミル(ビーズミル、アトライター、流通管型ミル、アニュラーミル)等が使用できる。
本発明のゴム組成物に用いるカーボンブラック(C)の平均粒径は、カーボンブラックの分散性、タイヤのウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び機械強度を向上させる観点から、5〜100nmが好ましく、10〜80nmがより好ましい。
なお、カーボンブラック(C)の平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
本発明のゴム組成物に用いるカーボンブラック(C)の平均粒径は、カーボンブラックの分散性、タイヤのウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び機械強度を向上させる観点から、5〜100nmが好ましく、10〜80nmがより好ましい。
なお、カーボンブラック(C)の平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
本発明のゴム組成物においてシリカ(D)を含有しない場合、カーボンブラック(C)の含有量は、ゴム成分(B)100質量部に対し、0.1〜150質量部であり、5〜130質量部が好ましく、10〜120質量部がより好ましく、20〜110質量部が更に好ましい。カーボンブラック(C)の含有量が前記範囲内であると、カーボンブラックの分散性が向上し、タイヤのウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び機械強度が良好になる。
<シリカ(D)>
シリカ(D)としては、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。中でも、加工性、機械強度及び耐摩耗性を一層向上させる観点から、湿式シリカが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカ(D)の平均粒径は、シリカの分散性、本発明のゴム組成物を用いたタイヤのウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び機械強度を向上させる観点から、0.5〜200nmが好ましく、5〜150nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ましく、10〜60nmがより更に好ましい。
なお、シリカ(D)の平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
シリカ(D)としては、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。中でも、加工性、機械強度及び耐摩耗性を一層向上させる観点から、湿式シリカが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカ(D)の平均粒径は、シリカの分散性、本発明のゴム組成物を用いたタイヤのウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び機械強度を向上させる観点から、0.5〜200nmが好ましく、5〜150nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ましく、10〜60nmがより更に好ましい。
なお、シリカ(D)の平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
本発明のゴム組成物においてカーボンブラック(C)を含有しない場合、シリカ(D)の含有量は、前記ゴム成分(B)100質量部に対して、0.1〜150質量部であり、5〜130質量部が好ましく、10〜120質量部がより好ましく、20〜110質量部が更に好ましい。シリカの含有量が前記範囲内であると、シリカの分散性、タイヤのウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び機械強度性が向上する。
本発明のゴム組成物において、カーボンブラック(C)及びシリカ(D)の両方を含有する場合、その合計の含有量は、前記ゴム成分(B)100質量部に対して、0.1〜150質量部であり、5〜130質量部が好ましく、10〜120質量部がより好ましく、20〜110質量部が更に好ましい。カーボンブラック(C)及びシリカ(D)の両方を含有する場合、それぞれの成分の配合比は特に制限はなく、所望の性能に合わせて適宜調整することができる。
<任意成分>
(シランカップリング剤)
本発明のゴム組成物では、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、スルフィド系化合物、メルカプト系化合物、ビニル系化合物、アミノ系化合物、グリシドキシ系化合物、ニトロ系化合物及びクロロ系化合物等が挙げられる。
スルフィド系化合物としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等が挙げられる。
メルカプト系化合物としては、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン及び2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニル系化合物としては、例えばビニルトリエトキシシラン及びビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ系化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
グリシドキシ系化合物としては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
ニトロ系化合物としては、例えば3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
クロロ系化合物としては、例えば3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン及び2−クロロエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、添加効果が大きい観点及びコストの観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。
(シランカップリング剤)
本発明のゴム組成物では、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、スルフィド系化合物、メルカプト系化合物、ビニル系化合物、アミノ系化合物、グリシドキシ系化合物、ニトロ系化合物及びクロロ系化合物等が挙げられる。
スルフィド系化合物としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等が挙げられる。
メルカプト系化合物としては、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン及び2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニル系化合物としては、例えばビニルトリエトキシシラン及びビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ系化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
グリシドキシ系化合物としては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
ニトロ系化合物としては、例えば3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
クロロ系化合物としては、例えば3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン及び2−クロロエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、添加効果が大きい観点及びコストの観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。
前記シランカップリング剤を含有する場合、その含有量は、シリカ(D)100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜15質量部が更に好ましい。シランカップリング剤の含有量が前記範囲内であると、分散性、カップリング効果、補強性、及び本発明のゴム組成物を用いたタイヤの耐摩耗性が向上する。
(その他の充填剤)
本発明のゴム組成物は、機械強度の向上、耐熱性や耐候性等の物性の改良、硬度調整、増量剤を含有させることによる経済性の改善等を目的として、必要に応じてカーボンブラック(C)及びシリカ(D)以外の充填剤を更に含有していてもよい。
本発明のゴム組成物は、機械強度の向上、耐熱性や耐候性等の物性の改良、硬度調整、増量剤を含有させることによる経済性の改善等を目的として、必要に応じてカーボンブラック(C)及びシリカ(D)以外の充填剤を更に含有していてもよい。
上記カーボンブラック(C)及びシリカ(D)以外の充填剤としては、用途に応じて適宜選択されるが、例えば有機充填剤、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラス繊維、繊維状フィラー及びガラスバルーン等の無機充填剤の1種又は2種以上を使用できる。本発明のゴム組成物に上記充填剤を含有させる場合、その含有量は、ゴム成分(B)100質量部に対して0.1〜120質量部が好ましく、5〜90質量部がより好ましく、10〜80質量部が更に好ましい。充填剤の含有量が前記範囲内であると、機械強度がより一層向上する。
本発明のゴム組成物は、発明の効果を阻害しない範囲で、加工性、流動性等の改良を目的とし、必要に応じてシリコンオイル、アロマオイル、TDAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)、MES(Mild Extracted Solvates)、RAE(Residual Aromatic Extracts)、パラフィンオイル及びナフテンオイル等のプロセスオイル、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、C9系樹脂、ロジン系樹脂、クマロン・インデン系樹脂、フェノール系樹脂等の樹脂成分、低分子量ポリブタジエン、低分子量ポリイソプレン、低分子量スチレンブタジエン共重合体、及び低分子量スチレンイソプレン共重合体等の液状重合体を軟化剤として適宜使用することができる。上記共重合体はブロック又はランダム等のいずれの重合形態であってもよい。液状重合体の重量平均分子量は500〜100,000であることが加工性の観点から好ましい。また、本発明のゴム組成物は、発明の効果を阻害しない範囲で、更にファルネセンの単独重合体を含有していてもよい。
本発明のゴム組成物は、発明の効果を阻害しない範囲で、耐候性、耐熱性、耐酸化性等の向上を目的として、必要に応じて老化防止剤、酸化防止剤、ワックス、滑剤、光安定剤、スコーチ防止剤、加工助剤、顔料や色素等の着色剤、難燃剤、帯電防止剤、艶消し剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、発泡剤、抗菌剤、防カビ剤及び香料等の添加剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、ラクトン系化合物、及びヒドロキシル系化合物等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えばアミン−ケトン系化合物、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物、硫黄系化合物及びリン系化合物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、ラクトン系化合物、及びヒドロキシル系化合物等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えばアミン−ケトン系化合物、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物、硫黄系化合物及びリン系化合物等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、架橋剤を添加して架橋させて用いることが好ましい。架橋剤としては、例えば硫黄及び硫黄化合物、酸素、有機過酸化物、フェノール樹脂及びアミノ樹脂、キノン及びキノンジオキシム誘導体、ハロゲン化合物、アルデヒド化合物、アルコール化合物、エポキシ化合物、金属ハロゲン化物及び有機金属ハロゲン化物、及びシランカップリング剤以外のシラン化合物等が挙げられる。中でも硫黄及び硫黄化合物が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。架橋剤の含有量は、ゴム成分(B)100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
上記架橋剤として硫黄を使用する場合、加硫助剤や加硫促進剤等を併用するのが好ましい。加硫助剤としては、例えばステアリン酸等の脂肪酸、亜鉛華等の金属酸化物が挙げられる。加硫促進剤としては、例えばグアニジン系化合物、スルフェンアミド系化合物、チアゾール系化合物、チウラム系化合物、チオウレア系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、アルデヒド−アミン系化合物又はアルデヒド−アンモニア系化合物、イミダゾリン系化合物、及びキサンテート系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの加硫助剤、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分(B)100質量部に対して、それぞれ0.1〜15質量部が好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、前記各成分を均一に混合すればよい。均一に混合する方法としては、例えばニーダールーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー等の接線式もしくは噛合式の密閉式混練機、単軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、ローラー等が挙げられ、通常70〜270℃の温度範囲で行うことができる。
[タイヤ]
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を少なくとも一部に用いる。そのため、機械強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能が良好である。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を少なくとも一部に用いる。そのため、機械強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能が良好である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用した各成分は以下のとおりである。
共重合体(A) :製造例1で得られた共重合体(A−1)
共重合体(A’):製造例2で得られた共重合体(A’−1)
ポリファルネセン:製造例3で得られたポリファルネセン
ゴム成分(B) :スチレンブタジエンゴム「JSR1500」(JSR株式会社製)
重量平均分子量45万
スチレン含有量23.5質量%(乳化重合法により製造)
カーボンブラック(C−1):ダイアブラックH(三菱化学株式会社製)
平均粒径30nm
シリカ(D−1) :ULTRASIL7000GR(エボニック デグサ ジャパン製)
湿式シリカ、平均粒径14nm
共重合体(A) :製造例1で得られた共重合体(A−1)
共重合体(A’):製造例2で得られた共重合体(A’−1)
ポリファルネセン:製造例3で得られたポリファルネセン
ゴム成分(B) :スチレンブタジエンゴム「JSR1500」(JSR株式会社製)
重量平均分子量45万
スチレン含有量23.5質量%(乳化重合法により製造)
カーボンブラック(C−1):ダイアブラックH(三菱化学株式会社製)
平均粒径30nm
シリカ(D−1) :ULTRASIL7000GR(エボニック デグサ ジャパン製)
湿式シリカ、平均粒径14nm
シランカップリング剤:Si75(エボニック デグサ ジャパン製)
ステアリン酸 :ルナックS−20(花王株式会社製)
亜鉛華 :酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製)
老化防止剤(1):ノクラック6C(大内新興化学工業株式会社製)
老化防止剤(2):アンテージRD(川口化学工業株式会社製)
硫黄 :微粉硫黄200メッシュ(鶴見化学工業株式会社製)
加硫促進剤(1):ノクセラーCZ−G(大内新興化学株式会社製)
加硫促進剤(2):ノクセラーD(大内新興化学株式会社製)
加硫促進剤(3):ノクセラーTBT−N(大内新興化学株式会社製)
ステアリン酸 :ルナックS−20(花王株式会社製)
亜鉛華 :酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製)
老化防止剤(1):ノクラック6C(大内新興化学工業株式会社製)
老化防止剤(2):アンテージRD(川口化学工業株式会社製)
硫黄 :微粉硫黄200メッシュ(鶴見化学工業株式会社製)
加硫促進剤(1):ノクセラーCZ−G(大内新興化学株式会社製)
加硫促進剤(2):ノクセラーD(大内新興化学株式会社製)
加硫促進剤(3):ノクセラーTBT−N(大内新興化学株式会社製)
製造例1:β−ファルネセン−スチレン共重合体(A−1)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1284g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)156.4gを仕込み、50℃に昇温した後、テトラヒドロフラン3.5gを添加し、予め調製したスチレン(a)とβ−ファルネセン(b)との混合物(スチレン(a)880gとβ−ファルネセン(b)880gとをボンベ内で混合)1760gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、β−ファルネセン−スチレン共重合体(A−1)を得た。得られたβ−ファルネセン−スチレン共重合体(A−1)の物性を表1に示す。
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1284g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)156.4gを仕込み、50℃に昇温した後、テトラヒドロフラン3.5gを添加し、予め調製したスチレン(a)とβ−ファルネセン(b)との混合物(スチレン(a)880gとβ−ファルネセン(b)880gとをボンベ内で混合)1760gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、β−ファルネセン−スチレン共重合体(A−1)を得た。得られたβ−ファルネセン−スチレン共重合体(A−1)の物性を表1に示す。
製造例2:β−ファルネセン−スチレン共重合体(A’−1)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1500g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)112.6gを仕込み、50℃に昇温した後、テトラヒドロフラン3gを添加し、予め調製したスチレン(a)とβ−ファルネセン(b)との混合物(スチレン(a)345gとβ−ファルネセン(b)1155gとをボンベ内で混合)1500gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、β−ファルネセン−スチレン共重合体(A’−1)を得た。得られたβ−ファルネセン−スチレン共重合体(A’−1)の物性を表1に示す。
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1500g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)112.6gを仕込み、50℃に昇温した後、テトラヒドロフラン3gを添加し、予め調製したスチレン(a)とβ−ファルネセン(b)との混合物(スチレン(a)345gとβ−ファルネセン(b)1155gとをボンベ内で混合)1500gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、β−ファルネセン−スチレン共重合体(A’−1)を得た。得られたβ−ファルネセン−スチレン共重合体(A’−1)の物性を表1に示す。
製造例3:ポリファルネセンの製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に溶媒としてシクロヘキサン241g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)28.3gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン342gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液を水と分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリファルネセンを得た。
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に溶媒としてシクロヘキサン241g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)28.3gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン342gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液を水と分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリファルネセンを得た。
(重量平均分子量の測定方法)
共重合体(A)、共重合体(A’)及びポリファルネセンの重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下のとおりである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
共重合体(A)、共重合体(A’)及びポリファルネセンの重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下のとおりである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
(溶融粘度の測定方法)
共重合体(A)、共重合体(A’)及びポリファルネセンの38℃における溶融粘度をブルックフィールド社のB型粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS. INC.製)により測定した。
共重合体(A)、共重合体(A’)及びポリファルネセンの38℃における溶融粘度をブルックフィールド社のB型粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS. INC.製)により測定した。
(ガラス転移温度の測定方法)
共重合体(A)、共重合体(A’)及びポリファルネセンをそれぞれ10mgアルミパンに採取し、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件においてサーモグラムを測定し、DDSCのピークトップの値をガラス転移温度とした。
共重合体(A)、共重合体(A’)及びポリファルネセンをそれぞれ10mgアルミパンに採取し、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件においてサーモグラムを測定し、DDSCのピークトップの値をガラス転移温度とした。
<実施例1及び比較例1,2>
表2に記載した配合にしたがって、共重合体(A)、共重合体(A’)、ポリファルネセン、ゴム成分(B)、カーボンブラック(C)、シリカ(D)、シランカップリング剤、ステアリン酸、亜鉛華及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度75℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物をミキシングロールに入れ、硫黄及び加硫促進剤を加えて60℃で6分間混練することで960gのゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物をプレス成形(160℃、15〜25分)して加硫シート(厚み2mm)を作製し、下記の方法に基づき、引張破断強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能を評価した。結果を表2に示す。
表2に記載した配合にしたがって、共重合体(A)、共重合体(A’)、ポリファルネセン、ゴム成分(B)、カーボンブラック(C)、シリカ(D)、シランカップリング剤、ステアリン酸、亜鉛華及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度75℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物をミキシングロールに入れ、硫黄及び加硫促進剤を加えて60℃で6分間混練することで960gのゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物をプレス成形(160℃、15〜25分)して加硫シート(厚み2mm)を作製し、下記の方法に基づき、引張破断強度、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能を評価した。結果を表2に示す。
(1)引張破断強度
実施例及び比較例で作製した加硫シートからJIS 3号ダンベル状試験片を打ち抜き、インストロン社製引張試験機を用いて、JIS K 6251に準じて引張破断強度を測定した。表2における各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が大きいほど、破断特性が良好であり、機械強度に優れることを示す。
実施例及び比較例で作製した加硫シートからJIS 3号ダンベル状試験片を打ち抜き、インストロン社製引張試験機を用いて、JIS K 6251に準じて引張破断強度を測定した。表2における各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が大きいほど、破断特性が良好であり、機械強度に優れることを示す。
(2)ドライグリップ性能
実施例及び比較例で作製した加硫シートから縦40mm×横7mm×厚み2mmの試験片を切り出して、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度25℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件でtanδを測定して、ドライグリップ性能の指標とした。各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。結果を表2に示す。数値が大きいほどドライグリップ性能が良好であることを示す。
実施例及び比較例で作製した加硫シートから縦40mm×横7mm×厚み2mmの試験片を切り出して、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度25℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件でtanδを測定して、ドライグリップ性能の指標とした。各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。結果を表2に示す。数値が大きいほどドライグリップ性能が良好であることを示す。
(3)ウェットグリップ性能
実施例及び比較例で作製した加硫シートから縦40mm×横7mm×厚み2mmの試験片を切り出し、GABO製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度0℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で、tanδを測定し、ウェットグリップ性能の指標とした。表2における各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が大きいほどウェットグリップ性能が良好であることを示す。
実施例及び比較例で作製した加硫シートから縦40mm×横7mm×厚み2mmの試験片を切り出し、GABO製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度0℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で、tanδを測定し、ウェットグリップ性能の指標とした。表2における各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が大きいほどウェットグリップ性能が良好であることを示す。
実施例及び比較例の結果より、実施例1のゴム組成物は、比較例1,2のゴム組成物と比較して、引張破断強度が高く機械強度に優れ、且つドライグリップ性能及びウェットグリップ性能にも優れていることがわかる。
Claims (11)
- 芳香族ビニル化合物由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、
前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜200,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が30〜70質量%であり、
前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有するゴム組成物。 - 前記単量体単位(b)がβ−ファルネセン由来の単量体単位である、請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜4.0である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記芳香族ビニル化合物がスチレン、α−メチルスチレン及び4−メチルスチレンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記共重合体(A)の38℃における溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sである、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分(B)がスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム及びイソプレンゴムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記カーボンブラック(C)の平均粒径が5〜100nmである、請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記シリカ(D)の平均粒径が0.5〜200nmである、請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記共重合体(A)のガラス転移温度が−60〜0℃である、請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記共重合体(A)がランダム共重合体又はブロック共重合体である、請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤ。
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