JP2015074699A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素数12以下の共役ジエン由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜80,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が20〜80質量%であり、前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有するゴム組成物。
【選択図】なし
Description
一般に、アイスグリップ性能を向上させるには、タイヤを構成するゴムと氷雪との接触面積を大きくすることが有効であることから、タイヤ用のゴムには高い柔軟性が求められている。タイヤ用のゴムに柔軟性を付与するには、カーボンブラックの配合量を減らすか、又は配合するカーボンブラックの平均粒径を100〜200nm程度にする方法が知られている。しかし、柔軟性を付与する、すなわち低温時の弾性率を下げることによってゴムのアイスグリップ性能を改善することができたとしても、低温域でのヒステリシスや弾性率が低下するため、ウェットグリップ性能が低下するという問題がある。
このようにタイヤ用ゴム組成物において、製造時の加工性及びアイスグリップ性能と、ウェットグリップ性能とは二律背反の関係にあり、両者をバランスよく改良することは困難とされていた。
なお、特許文献2,3には、β−ファルネセンの重合体が記載されているが、実用的な用途については十分に検討されていない。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、製造時の加工性に優れ、機械強度、耐摩耗性、ウェットグリップ性能及びアイスグリップ性能を高い水準で備えるタイヤを与えることができるゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたタイヤを提供する。
[1]炭素数12以下の共役ジエン由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜80,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が20〜80質量%であり、前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、前記カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有するゴム組成物、
[2]前記ゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤ、
に関する。
本発明のゴム組成物は、炭素数12以下の共役ジエン由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜80,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が20〜80質量%であり、前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、前記カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有する。
共重合体(A)は、炭素数12以下の共役ジエン由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体である。前記共重合体(A)はランダム、ブロック等のいずれの重合形態であってもよい。
共重合体(A)の重量平均分子量が前記範囲内であると、共重合体(A)の粘度が低下し、柔軟性がより向上するため、本発明のゴム組成物の加工性が向上し、また本発明のゴム組成物をタイヤに用いた場合、ウェットグリップ性能及びアイスグリップ性能を飛躍的に向上させることができる。
なお、本明細書において共重合体(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。本発明においては、重量平均分子量が異なる2種以上の共重合体(A)を併用してもよい。
その他の単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン及び5−tert−ブチル−2−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
共重合体(A)中のその他の単量体の割合は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
共重合体(A)は、少なくとも炭素数12以下の共役ジエンとファルネセンとを共重合する方法により製造することが好ましい。具体的には、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、又は溶液重合法等により製造することができる。中でも溶液重合法が好ましい。
(塊状重合法)
塊状重合法としては公知の方法を適用できる。例えば、原料となるファルネセンと炭素数12以下の共役ジエンとを撹拌混合し、ラジカル重合開始剤により溶媒の非存在下で重合することにより行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては例えばアゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物が挙げられ、特にアゾビスイソブチロニトリル、tert−ブチルパーオキシピバレート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、i−ブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、ジシンナミルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、過酸化ベンゾイル、過酸化水素及び過硫酸アンモニウム等が好ましい。
重合温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常、0〜200℃が好ましく、0〜120℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えばイソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
得られる共重合体から残存モノマーを除去する方法としては、再沈殿、減圧下での加熱留去等の方法が挙げられる。
乳化重合法としては公知の方法を適用できる。例えば、所定量のファルネセン単量体と炭素数12以下の共役ジエン由来の単量体とを乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により重合することにより行うことができる。
乳化剤としては、例えば炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩又はロジン酸塩が用いられる。具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、及びステアリン酸等の脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。
分散媒としては通常、水が使用され、重合時の安定性が阻害されない範囲で、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのような過硫酸塩、有機過酸化物、及び過酸化水素等が挙げられる。
乳化重合温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常、0〜100℃が好ましく、0〜80℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えばイソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
重合反応停止後、必要に応じて老化防止剤を添加してもよい。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら、共重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって共重合体を回収する。次いで水洗し、脱水後、乾燥することで、共重合体が得られる。なお、凝固の際に、必要に応じて予めラテックスと乳化分散液にした伸展油とを混合し、油展の共重合体として回収してもよい。
共重合体を得るための溶液重合法としては、公知の方法を適用できる。例えば、溶媒中で、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒、アニオン重合可能な活性金属を使用して、所望により極性化合物の存在下、ファルネセン単量体と炭素数12以下の共役ジエン由来の単量体とを重合することにより行うことができる。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。更にアルカリ金属の中でも、有機アルカリ金属化合物がより好ましく用いられる。
有機アルカリ金属化合物はまた、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン及びジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
重合反応は、重合停止剤としてメタノール、イソプロパノール等のアルコールを添加して、反応を停止できる。得られた重合反応液をメタノール等の貧溶媒に注いで共重合体を析出させるか、重合反応液を水で洗浄し、分離後、乾燥することにより共重合体を単離できる。
共重合体(A)は、官能基が導入された変性共重合体であってもよい。官能基としては、例えばアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、メルカプト基、イソシアネート基及び酸無水物等が挙げられる。
変性共重合体の製造方法としては、例えば、重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン及び2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及びN−ビニルピロリドン等の重合末端変性剤、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性剤を添加する方法が挙げられる。また、単離後の共重合体に無水マレイン酸等をグラフト化して用いることもできる。
この変性共重合体において、官能基が導入される位置については重合体の末端であってもよく、重合体鎖に対する側鎖であってもよい。また上記官能基は1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記変性剤は、有機アルカリ金属化合物に対して0.01〜100モル当量、好ましくは0.01〜10モル当量の範囲で使用することが好ましい。
ゴム成分(B)としては、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(以下、SBRという)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム及びクロロプレンゴム等のゴムが挙げられる。中でも、SBR、天然ゴム、ブタジエンゴム及びイソプレンゴムがより好ましく、SBR、天然ゴムが更に好ましい。これらのゴムは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分(B)で用いる天然ゴムとしては、例えばSMR、SIR、STR等のTSRや、RSS等のタイヤ工業において一般的に用いられる天然ゴム;高純度天然ゴム;エポキシ化天然ゴム、水酸基化天然ゴム、水素添加天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴムが挙げられる。中でも、品質のばらつきが少ない点、及び入手容易性の点から、STR20、SMR20やRSS#3が好ましい。
本発明においてゴム成分(B)として合成ゴムを用いる場合、SBR、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム及びクロロプレンゴム等が好ましく、中でも、SBR、イソプレンゴム及びブタジエンゴムがより好ましい。
SBRとしては、タイヤ用途に用いられる一般的なものを使用できるが、具体的には、スチレン含有量が0.1〜70質量%のものが好ましく、5〜50質量%のものがより好ましい。また、ビニル含有量が0.1〜60質量%のものが好ましく、0.1〜55質量%のものがより好ましい。
SBRの重量平均分子量(Mw)は10万〜250万であることが好ましく、15万〜200万であることがより好ましく、20万〜150万であることが更に好ましい。上記の範囲である場合、加工性と機械強度とを両立することができる。
本発明において使用するSBRの示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)は、−95〜0℃であることが好ましく−95〜−5℃であることがより好ましい。Tgが前記範囲であると、高粘度化を抑制することができ、取り扱いが容易になる。
乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)は、通常の乳化重合法により製造でき、例えば、所定量のスチレン及びブタジエン単量体を乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により乳化重合する。得られるE−SBRの分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって重合体をクラムとして回収できる。クラムを水洗、次いで脱水後、バンドドライヤー等で乾燥することで、E−SBRが得られる。
イソプレンゴムとしては、例えばチーグラー系触媒、ランタノイド系希土類金属触媒、有機アルカリ金属化合物等を用いて重合された、市販のイソプレンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたイソプレンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のイソプレンゴムを用いてもよい。
上記イソプレンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
ブタジエンゴムとしては、例えばチーグラー系触媒、ランタノイド系希土類金属触媒、有機アルカリ金属化合物等を用いて重合された、市販のブタジエンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたブタジエンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のブタジエンゴムを用いてもよい。
ブタジエンゴムのビニル含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ビニル含量が50質量%以下であると転がり抵抗性能が良好になる。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−40℃以下であることが好ましく、−50℃以下であることがより好ましい。ブタジエンゴムの重量平均分子量は9万〜200万であることが好ましく、15万〜150万であることがより好ましく、25万〜80万であることが更に好ましい。重量平均分子量が上記範囲にある場合、加工性と機械強度が良好となる。
上記ブタジエンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
<カーボンブラック(C)>
本発明においては、カーボンブラック(C)として、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック及びケッチェンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。中でも、加硫速度や機械強度向上の観点から、ファーネスブラックが好ましい。
ファーネスブラックの市販品としては、例えば三菱化学株式会社「ダイアブラック」、東海カーボン株式会社製「シースト」等が挙げられる。アセチレンブラックの市販品としては、例えば電気化学工業株式会社製「デンカブラック」が挙げられる。ケッチェンブラックの市販品としては、例えばライオン株式会社製「ECP600JD」が挙げられる。
本発明のゴム組成物に用いるカーボンブラック(C)の平均粒径は、カーボンブラックの分散性、タイヤの耐摩耗性及び機械強度を向上させる観点から、5〜100nmが好ましく、10〜80nmがより好ましい。
なお、カーボンブラック(C)の平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
シリカ(D)としては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。中でも、加工性、機械強度及び耐摩耗性を一層向上させる観点から、湿式シリカが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカ(D)の平均粒径は、ゴム組成物の加工性、本発明のゴム組成物を用いたタイヤの機械強度、及び耐摩耗性を向上させる観点から、0.5〜200nmが好ましく、5〜150nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ましく、10〜60nmがより更に好ましい。
なお、シリカ(D)の平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
(シランカップリング剤)
本発明のゴム組成物では、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、スルフィド系化合物、メルカプト系化合物、ビニル系化合物、アミノ系化合物、グリシドキシ系化合物、ニトロ系化合物及びクロロ系化合物等が挙げられる。
スルフィド系化合物としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等が挙げられる。
メルカプト系化合物としては、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン及び2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニル系化合物としては、例えばビニルトリエトキシシラン、及びビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ系化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、及び3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
グリシドキシ系化合物としては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
ニトロ系化合物としては、例えば3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、及び3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
クロロ系化合物としては、例えば3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、及び2−クロロエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、添加効果が大きい観点及びコストの観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。
本発明のゴム組成物は、機械強度の向上、耐熱性や耐候性等の物性の改良、硬度調整、増量剤を含有させることによる経済性の改善等を目的として、必要に応じてカーボンブラック(C)及びシリカ(D)以外の充填剤を更に含有していてもよい。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、ラクトン系化合物、及びヒドロキシル系化合物等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えばアミン−ケトン系化合物、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物、硫黄系化合物及びリン系化合物等が挙げられる。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を少なくとも一部に用いる。そのため、機械強度、耐摩耗性、ウェットグリップ性能及びアイスグリップ性能が良好である。
本実施例及び比較例において使用した各成分は以下のとおりである。
共重合体(A) :製造例1で得られた共重合体(A−1)
共重合体(A’):製造例2で得られた共重合体(A’−1)
ポリファルネセン:製造例3で得られたポリファルネセン
ゴム成分(B) :天然ゴム「STR20」(タイ産天然ゴム)
カーボンブラック(C−1):ダイアブラックI(三菱化学株式会社製)
平均粒径20nm
シリカ(D−1) :ULTRASIL7000GR(エボニック デグサ ジャパン製)
湿式シリカ、平均粒径14nm
シランカップリング剤:Si75(エボニック デグサ ジャパン製)
ステアリン酸 :ルナックS−20(花王株式会社製)
亜鉛華 :酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製)
老化防止剤(1):ノクラック6C(大内新興化学工業株式会社製)
硫黄 :微粉硫黄200メッシュ(鶴見化学工業株式会社製)
加硫促進剤(1):ノクセラーNS−P(大内新興化学株式会社製)
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1140g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)56.2gを仕込み、50℃に昇温した後、予め調製したブタジエン(a)とβ−ファルネセン(b)との混合物(ブタジエン(a)720gとβ−ファルネセン(b)1080gとをボンベ内で混合)1800gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、β−ファルネセン−ブタジエン共重合体(A−1)を得た。得られたβ−ファルネセン−ブタジエン共重合体(A−1)の物性を表1に示す。
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1790g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)12.4gを仕込み、50℃に昇温した後、予め調製したブタジエン(a)とβ−ファルネセン(b)との混合物(ブタジエン(a)480gとβ−ファルネセン(b)720gとをボンベ内で混合)1200gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、β−ファルネセン−ブタジエン共重合体(A’−1)を得た。得られたβ−ファルネセン−ブタジエン共重合体(A’−1)の物性を表1に示す。
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1220g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%ヘキサン溶液)42.6gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン1880gを加えて1時間重合した。続いて、得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水を分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリファルネセンを得た。
共重合体(A)、共重合体(A’)、及びポリファルネセンの重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下のとおりである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
共重合体(A)、共重合体(A’)、及びポリファルネセンの38℃における溶融粘度をブルックフィールド社のB型粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS. INC.製)により測定した。
(ガラス転移温度の測定方法)
共重合体(A)、共重合体(A’)及びポリファルネセン10mgをそれぞれアルミパンに採取し、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件においてサーモグラムを測定し、DDSCのピークトップの値をガラス転移温度とした。
表2に記載した配合にしたがって、共重合体(A)、共重合体(A’)、ポリファルネセン、ゴム成分(B)、カーボンブラック(C)、シリカ(D)、シランカップリング剤、ステアリン酸、亜鉛華及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度75℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物をミキシングロールに入れ、硫黄及び加硫促進剤を加えて60℃で6分間混練することで950gのゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物をプレス成形(145℃、25分)して加硫シート(厚み2mm)を作製し、下記の方法に基づき、引張破断強度、DIN摩耗量、及びウェットグリップ性能、アイスグリップ性能を評価した。結果を表2に示す。
実施例及び比較例で作製した加硫シートからからJIS3号ダンベル状試験片を打ち抜き、インストロン社製引張試験機を用いて、JIS K 6251に準じて引張破断強度を測定した。表2における各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が大きいほど、破断特性が良好であり、機械強度に優れることを示す。
JIS K 6264に準拠して、10N荷重下、摩耗距離40mでのDIN摩耗量を測定し、DIN摩耗量の逆数(1/DIN摩耗量)を耐摩耗性の指標とした。表2における各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が大きいほど、摩耗量が少なく耐摩耗性が良好であることを示す。
実施例及び比較例で作製した加硫シートからから縦40mm×横7mmの試験片を切り出し、GABO製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度0℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で、tanδを測定し、ウェットグリップ性能の指標とした。表2における各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が大きいほどウェットグリップ性能が良好であることを示す。
上記(3)と同様にして得た試験片で、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度−20℃、周波数10Hz、静的歪み0.5%、動的歪み0.1%の条件でE’を測定し、E’の逆数(1/E’)をアイスグリップ性能の指標とした。表2における各実施例及び比較例の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が大きいほどアイスグリップ性能が良好であることを示す。
Claims (9)
- 炭素数12以下の共役ジエン由来の単量体単位(a)及びファルネセン由来の単量体単位(b)を含む共重合体(A)と、ゴム成分(B)と、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)とを含有するゴム組成物であって、
前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000〜80,000であり、前記単量体単位(a)及び(b)の合計に対する単量体単位(a)の割合が20〜80質量%であり、
前記ゴム成分(B)100質量部に対し、前記共重合体(A)を0.1〜100質量部、カーボンブラック(C)及び/又はシリカ(D)を0.1〜150質量部含有するゴム組成物。 - 前記単量体単位(b)がβ−ファルネセン由来の単量体単位である、請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜4.0である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記炭素数12以下の共役ジエンがブタジエン、イソプレン及びミルセンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記共重合体(A)の38℃における溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sである、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分(B)がスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム及びイソプレンゴムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記カーボンブラック(C)の平均粒径が5〜100nmである、請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記シリカ(D)の平均粒径が0.5〜200nmである、請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤ。
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