JP2018131502A - 乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)100質量部に対し、重量平均分子量が10,000〜500,000であるファルネセン重合体(B)を0.1〜50質量部、フィラー(C)を20〜150質量部含有し、加硫後のtanδピーク温度が−40℃以上である、乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
【選択図】なし
Description
しかしながら、シリカ等のフィラーを使用した場合は、フィラー同士の高い凝集力によってゴム組成物中のフィラーの分散性が低下し、混練工程の長時間化を招きゴム組成物の生産性に影響することがあった。また、分散性が低下するとゴム組成物が発熱しやすくなるため、転がり抵抗性能の悪化を招き、十分な低燃費性能を得ることができないという問題があった。
また、特許文献3には、スチレン含有量及びビニル含有量を特定の範囲に規定した2種類のスチレンブタジエンゴムと、特定の窒素吸着比表面積を有するシリカとを含有するゴム組成物が記載されており、特許文献4にも、特定の窒素吸着比表面積を有するシリカと酸化亜鉛とを含有するトレッド用ゴム組成物が記載されている。
更に、特許文献5には、エポキシ化天然ゴムを含有するゴム成分100質量部に対して、シリカを水に分散させて5%水性分散液としたときのpHが7.1〜12.0であるシリカを30〜80質量部、及びカーボンブラックを10質量部以下含有するトレッド用ゴム組成物が記載されている。
[1]合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)100質量部に対し、重量平均分子量が10,000〜500,000であるファルネセン重合体(B)を0.1〜50質量部、フィラー(C)を20〜150質量部含有し、加硫後のtanδピーク温度が−40℃以上である、乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
[2]前記[1]に記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤトレッド。
[3]前記[1]に記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物を少なくとも一部に用いた乗用車用空気入りサマータイヤ。
本発明の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物は、合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)100質量部に対し、重量平均分子量が10,000〜500,000であるファルネセン重合体(B)を0.1〜50質量部、フィラー(C)を20〜150質量部含有し、加硫後のtanδピーク温度が−40℃以上である乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物である。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いることにより、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能に優れる乗用車用サマータイヤを製造することができる。
なお、本発明における「tanδピーク温度」とは、本発明の乗用車用サマータイヤのタイヤトレッド用ゴム組成物を、プレス条件160℃、30分、圧力10MPaでプレス成形することにより製造した架橋物であって、縦40mm、横5mm、厚み2mmの架橋物シートを、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で測定した場合のピーク温度をいう。
また、本明細書においては「乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物」を単に「タイヤトレッド用ゴム組成物」という場合がある。
タイヤトレッド用ゴム組成物の加硫後のtanδピーク温度は、タイヤトレッド用ゴム組成物を一部に用いたタイヤの転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能のバランスを向上させる観点から、好ましくは−35℃以上、より好ましくは−30℃以上、更に好ましくは−25℃以上、より更に好ましくは−20℃以上である。
ゴム成分(A)は、合成ゴム及び天然ゴムの少なくとも1種から選ばれるものである。合成ゴム及び天然ゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔合成ゴム〕
合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(以下、「SBR」ともいう)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル重合体ゴム、及びクロロプレンゴム等が好ましく、中でも、SBR、ブタジエンゴム、及びイソプレンゴムがより好ましく、SBR及びブタジエンゴムが更に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRとしては、タイヤ用途に用いられる一般的なものを使用できるが、具体的には、スチレン含量が0.1〜70質量%のものが好ましく、5〜60質量%のものがより好ましく、5〜50質量%のものが更に好ましい。また、ビニル含量が0.1〜80質量%のものが好ましく、5〜70質量%のものがより好ましい。
なお、本明細書におけるSBRのビニル含量とは、SBRに含まれる全ブタジエンに由来する単位のうち、ビニル基を有する単量体単位の含有量を表す。以下同様に、ゴム成分(A)のビニル含量は、結合形態によりビニル基を有しうる単量体単位の全量に対し、実際にビニル基を有する単量体単位の含有量を表す。
なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
SBRの製造方法について特に制限はなく、乳化重合法、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができ、特に乳化重合法、溶液重合法が好ましい。
E−SBRは、通常の乳化重合法により製造でき、例えば、所定量のスチレン及びブタジエン単量体を乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により乳化重合する。
乳化剤としては、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩又はロジン酸塩が用いられる。具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。
分散媒としては通常、水が使用され、重合時の安定性が阻害されない範囲で、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等が挙げられる。
得られるE−SBRの分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、チオグリコール酸、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
重合停止剤としては、例えば、イソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
重合反応停止後、必要に応じて老化防止剤を添加してもよい。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって重合体をクラムとして回収できる。クラムを水洗、次いで脱水後、バンドドライヤー等で乾燥することで、E−SBRが得られる。なお、凝固の際に、必要に応じて予めラテックスと乳化分散液にした伸展油とを混合し、油展ゴムとして回収してもよい。なお、本明細書におけるタイヤトレッド用ゴム組成物中の組成において伸展油はゴム成分(A)には含めない。
E−SBRの市販品としては、JSR株式会社製、油展スチレンブタジエンゴム「JSR1723」等が挙げられる。
S−SBRは、通常の溶液重合法により製造でき、例えば、溶媒中でアニオン重合可能な活性金属を使用して、所望により極性化合物の存在下、スチレン及びブタジエンを重合する。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。更にアルカリ金属の中でも、有機アルカリ金属化合物がより好ましく用いられる。
溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの溶媒は、単量体濃度が1〜50質量%となる範囲で用いることが好ましい。
有機アルカリ金属化合物は、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
極性化合物としては、アニオン重合において、反応を失活させず、ブタジエン部位のミクロ構造やスチレンの重合体鎖中の分布を調整するために通常用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;アルカリ金属アルコキシド、ホスフィン化合物等が挙げられる。
重合反応は、重合停止剤としてメタノール、イソプロパノール等のアルコールを添加して、反応を停止できる。重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン等の重合末端変性剤を添加してもよい。重合反応停止後の重合溶液は、直接乾燥やスチームストリッピング等により溶媒を分離して、目的のS−SBRを回収できる。なお、溶媒を除去する前に、予め重合溶液と伸展油とを混合し、油展ゴムとして回収してもよい。
本発明においては、SBRに官能基が導入された変性SBRを用いてもよい。官能基としては、例えば、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、エポキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
変性SBRの製造方法としては、例えば、重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン等の重合末端変性剤、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性剤を添加する方法が挙げられる。
この変性SBRにおいて、官能基が導入される重合体の位置については重合末端であってもよく、ポリマー鎖の側鎖であってもよい。
イソプレンゴムとしては、例えば、四ハロゲン化チタン−トリアルキルアルミニウム系、ジエチルアルミニウムクロライド−コバルト系、トリアルキルアルミニウム−三弗化ホウ素−ニッケル系、ジエチルアルミニウムクロライド−ニッケル系等のチーグラー系触媒;トリエチルアルミニウム−有機酸ネオジム−ルイス酸系等のランタノイド系希土類金属触媒、又はS−SBRと同様に有機アルカリ金属化合物を用いて重合された、市販のイソプレンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたイソプレンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のイソプレンゴムを用いてもよい。
ブタジエンゴムとしては、例えば、四ハロゲン化チタン−トリアルキルアルミニウム系、ジエチルアルミニウムクロライド−コバルト系、トリアルキルアルミニウム−三弗化ホウ素−ニッケル系、ジエチルアルミニウムクロライド−ニッケル系等のチーグラー系触媒;トリエチルアルミニウム−有機酸ネオジム−ルイス酸系等のランタノイド系希土類金属触媒、又はS−SBRと同様に有機アルカリ金属化合物を用いて重合された、市販のブタジエンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたブタジエンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量(例えばシス体含量95%以上)のブタジエンゴムを用いてもよい。
ゴム成分(A)に用いる天然ゴムとしては、例えば、SMR、SIR、STR等のTSRや、RSS等のタイヤ工業において一般的に用いられる天然ゴム、高純度天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、水酸基化天然ゴム、水素添加天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴムが挙げられる。中でも、品質のばらつきが少ない点、及び入手容易性の点から、SMR20、STR20やRSS#3が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、重量平均分子量が10,000〜500,000であるファルネセン重合体(B)(以下、単に「ファルネセン重合体(B)」ともいう)を含有するものである。本発明においては、ファルネセン重合体(B)を用いることにより、タイヤトレッド用ゴム組成物を一部に用いたタイヤの転がり抵抗性能が向上し、低燃費性能に優れるタイヤを製造することができる。
なお、本発明においてファルネセン重合体(B)は、ファルネセン由来の単量体単位(b1)(以下、単に「単量体単位(b1)」ともいう)を5質量%以上含む重合体をいう。
単量体単位(b1)は、ファルネセンに由来する単量体単位であって、α−ファルネセン由来の単量体単位であってもよく、また、下記式(I)で表されるβ−ファルネセン由来の単量体単位であってもよく、α−ファルネセン由来の単量体単位とβ−ファルネセン由来の単量体単位とを含むものであってもよいが、製造容易性の観点から、β−ファルネセン由来の単量体単位が好ましい。つまり、ファルネセン重合体(B)は、α−ファルネセン由来の単量体単位を含む重合体であってもよく、また、β−ファルネセン由来の単量体単位を含む重合体であってもよく、更に、α−ファルネセン由来の単量体単位とβ−ファルネセン由来の単量体単位とを含む重合体であってもよい。中でも、製造容易性の観点から、β−ファルネセン由来の単量体単位を含む重合体が好ましく、β−ファルネセンの単独重合体が更に好ましい。
単量体単位(b2)を構成するファルネセン以外の他の単量体としては、ファルネセンと共重合可能なものであれば特に限定されず、例えば、芳香族ビニル化合物、ファルネセン以外の共役ジエン化合物、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、及びアクリロニトリル等が挙げられる。
本発明においては、重量平均分子量が10,000〜500,000であるファルネセン重合体(B)を用いる。ファルネセン重合体(B)の重量平均分子量が10,000〜500,000であると、タイヤトレッド用ゴム組成物を一部に用いたタイヤの転がり抵抗性能を向上させることができる。
ファルネセン重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、ゴム成分(A)との架橋を生じやすくさせタイヤトレッド用ゴム組成物を一部に用いたタイヤの転がり抵抗性能、耐ブリード性能、機械強度、及び耐摩耗性を向上させる観点から、好ましくは20,000以上、より好ましくは40,000以上、更に好ましくは60,000以上、より更に好ましくは70,000以上、より更に好ましくは75,000以上、より更に好ましくは80,000以上、より更に好ましくは85,000以上、より更に好ましくは90,000以上、より更に好ましくは95,000以上であり、そして、タイヤトレッド用ゴム組成物の加工性を向上させる観点から、好ましくは400,000以下、より好ましくは300,000以下、より更に好ましくは200,000以下、より更に好ましくは180,000以下、より更に好ましくは170,000以下、より更に好ましくは、160,000以下、より更に好ましくは150,000以下、より更に好ましくは140,000以下、より更に好ましくは130,000以下、より更に好ましくは120,000以下である。なお、本明細書におけるファルネセン重合体(B)の重量平均分子量は、後述する実施例に記載した方法で求めた値である。
本発明においては、重量平均分子量が異なる2種以上のファルネセン重合体(B)を併用してもよい。
ファルネセン重合体(B)は乳化重合法や、国際公開第2010/027463号、国際公開第2010/027464号に記載の方法等により製造することができ、中でも、乳化重合法又は溶液重合法が好ましく、溶液重合法が更に好ましい。
ファルネセン重合体(B)を得るための乳化重合法としては公知の方法を適用できる。例えば、所定量のファルネセン単量体を乳化剤の存在下に乳化分散させ、ラジカル重合開始剤により乳化重合する。
乳化剤としては、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩又はロジン酸塩が用いられる。具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。
分散媒としては通常、水が使用され、重合時の安定性が阻害されない範囲で、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのような過硫酸塩、有機過酸化物、及び過酸化水素等が挙げられる。
ファルネセン重合体(B)の分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、チオグリコール酸、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン、及びα−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
重合停止剤としては、例えば、イソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、及びヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、及び亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
ファルネセン重合体(B)を得るための溶液重合法としては、公知の方法を適用できる。例えば、溶媒中で、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒、アニオン重合可能な活性金属を使用し、必要に応じて極性化合物の存在下で重合する方法を挙げることができる。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、及びカリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、及びネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。
中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましく、アルカリ金属は有機アルカリ金属化合物として用いることが好ましい。
有機アルカリ金属化合物は、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
極性化合物を用いる場合、その使用量は、有機アルカリ金属化合物に対して好ましくは0.01〜1,000モル当量である。
重合反応は、重合停止剤としてメタノール、及びイソプロパノール等のアルコールを添加して、反応を停止できる。得られた重合反応液をメタノール等の貧溶媒に注いでファルネセン重合体(B)を析出させるか、重合反応液を水で洗浄し、分離後、乾燥することによりファルネセン重合体(B)を単離できる。
本発明においては、前述の方法で製造したファルネセン重合体(B)に対して特定の化合物を反応させることにより変性したファルネセン重合体(B)を用いてもよい。
ファルネセン重合体(B)を変性する方法としては、前述の製造方法において重合停止剤を添加する前に重合活性末端と反応し得るテトラエトキシシラン、二酸化炭素、及び酸化エチレン等の変性剤を添加する方法(I)、又は重合停止剤を添加した後、未変性のファルネセン重合体に無水マレイン酸等の変性剤をグラフト化する方法(II)等の変性方法を挙げることができる。
本発明における変性されたファルネセン重合体(B)は、未変性のファルネセン重合体(B)に対して、1種の官能基を導入したものであってもよく、2種以上の官能基を導入したものであってもよい。
方法(I)に用いる変性剤の量は、有機アルカリ金属化合物に対して好ましくは0.01〜100モル等量である。
方法(II)において使用することができる有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒の中でも、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等の炭化水素系溶媒が好ましい。
また、方法(I)及び方法(II)においては、副反応を抑制する観点等から老化防止剤を添加してもよい。
フィラー(C)としては、タイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に用いるものであれば特に制限はないが、タイヤトレッド用ゴム組成物中におけるフィラー(C)の分散性を向上させる観点、タイヤトレッド用ゴム組成物を一部に用いたタイヤの低燃費性能及び操縦安定性を向上させる観点から、シリカ及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。中でも、タイヤトレッド用ゴム組成物を一部に用いたタイヤの低燃費性能及び操縦安定性を一層向上させる観点から、湿式シリカが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、シリカの平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。これらの中では、タイヤトレッド用ゴム組成物を一部に用いたタイヤの低燃費性能及び操縦安定性を向上させる観点から、ファーネスブラックが好ましい。
本発明においては、タイヤトレッド用ゴム組成物を一部に用いたタイヤの機械強度を向上させること、及びフィラーを増量剤として配合することによる製造コストの改善等を目的として、シリカ及びカーボンブラック以外のフィラーを含有していてもよい。
〔シランカップリング剤〕
本発明においては、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、スルフィド系化合物、メルカプト系化合物、ビニル系化合物、アミノ系化合物、グリシドキシ系化合物、ニトロ系化合物、及びクロロ系化合物等が挙げられる。
ビニル系化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
グリシドキシ系化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
ニトロ系化合物としては、例えば、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
クロロ系化合物としては、例えば、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
タイヤトレッド用ゴム組成物は、加硫する際に加硫剤を含有するものである。加硫剤としては、例えば、硫黄及び硫黄化合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
タイヤトレッド用ゴム組成物を加硫する際の加硫剤の量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、更に好ましくは0.8〜5質量部である。
タイヤトレッド用ゴム組成物は加硫促進剤を含有してもよい。加硫促進剤としては、例えば、グアニジン系化合物、スルフェンアミド系化合物、チアゾール系化合物、チウラム系化合物、チオウレア系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、アルデヒド−アミン系化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、イミダゾリン系化合物、及びキサンテート系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
タイヤトレッド用ゴム組成物は加硫助剤を含有してもよい。加硫助剤としては、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、亜鉛華等の金属酸化物、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
タイヤトレッド用ゴム組成物は、加工性、流動性等の改良を目的として必要に応じて、シリコンオイル、アロマオイル、TDAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)、MES(Mild Extracted Solvates)、RAE(Residual Aromatic Extracts)、パラフィンオイル、ナフテンオイル等のプロセスオイル、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、C9系樹脂、ロジン系樹脂、クマロン・インデン系樹脂、フェノール系樹脂等の樹脂成分、低分子量ポリブタジエン、低分子量ポリイソプレン、低分子量スチレンブタジエン重合体、及び低分子量スチレンイソプレン重合体等の液状重合体を軟化剤として含有していてもよい。
前記液状重合体の重量平均分子量(Mw)は、加工性の観点から、500〜100,000が好ましい。なお、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物においては、前記ファルネセン重合体(B)が軟化剤としての役割を果たすため、前述のファルネセン重合体(B)以外の軟化剤は含有しないことが好ましい。前記プロセスオイル、樹脂成分、液状重合体を軟化剤として含有する場合は、耐ブリード性能の観点から、その量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。
老化防止剤としては、例えば、アミン−ケトン系化合物、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物、硫黄系化合物及びリン系化合物等が挙げられる。
本発明のタイヤトレッドは、前記タイヤトレッド用ゴム組成物を少なくとも一部に用いたものであり、優れた転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能を示すものである。本発明のタイヤトレッドの構造は特に制限されず、一層構造であっても多層構造であってもよいが、多層構造とする場合は、路面と接触する層に前記タイヤトレッド用ゴム組成物を用いることが好ましい。
<(A)成分>
SBR(1) :変性溶液重合SBR スチレン含量27質量%
重量平均分子量:410,000
ガラス転移温度:−27℃
ビニル化度 :57%
ブタジエンゴム:JSR株式会社製 JSR BR01
重量平均分子量:550,000
シス体含量 :95質量%
後述する製造例1〜4で得られたファルネセン重合体(B)
シリカ :エボニック社製 Ultrasil7000GR
湿式シリカ、平均粒径14nm
カーボンブラック:三菱化学株式会社製 ダイヤブラックN234
平均粒径22nm
TDAE:H&R社製 VivaTec500
後述する比較製造例1及び2で得られたポリイソプレン及びポリブタジエン
シランカップリング剤:エボニック社製 Si75
硫黄 :鶴見化学工業株式会社製 微粉硫黄200メッシュ
加硫促進剤(1) :三新化学工業株式会社製 サンセラーNS−G
加硫促進剤(2) :大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーM−P
加硫促進剤(3) :大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーD
ステアリン酸 :花王株式会社製 ルナックS−20
亜鉛華 :堺化学工業株式会社製 酸化亜鉛
老化防止剤(1) :大内新興化学工業株式会社製 ノクラック6C
ワックス :精工化学株式会社製 サンタイトS
製造例1:ファルネセン単独重合体(B−1)の製造
乾燥させ窒素置換した耐圧容器に溶媒としてヘキサン274g、開始剤としてn−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)1.2gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン272gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するファルネセン単独重合体(B−1)を得た。
乾燥させ窒素置換した耐圧容器に溶媒としてシクロヘキサン1790g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)12.4gを仕込み、50℃に昇温した後、予め調製したブタジエンとβ−ファルネセンとの混合物(ブタジエン480gとβ−ファルネセン720gとをボンベ内で混合)1200gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するファルネセン共重合体〔β−ファルネセン/ブタジエンランダム共重合体〕(B−2)を得た。
乾燥させ窒素置換した耐圧容器に溶媒としてシクロヘキサン2090g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)8.2gを仕込み、50℃に昇温した後、イソプレン360gを10ml/分で加えて1時間重合した。続いて、重合反応液にβ−ファルネセン540gを10ml/分で加えて更に1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するファルネセン共重合体〔β−ファルネセン/イソプレンブロック共重合体〕(B−3)を得た。
乾燥させ窒素置換した耐圧容器に溶媒としてシクロヘキサン1500g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)11gを仕込み、50℃に昇温した後、テトラヒドロフラン3gを添加し、予め調製したスチレンとβ−ファルネセンとの混合物(スチレン360gとβ−ファルネセン1140gとをボンベ内で混合)1500gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するファルネセン共重合体〔β−ファルネセン/スチレンランダム共重合体〕(B−4)を得た。
乾燥させ窒素置換した耐圧容器に溶媒としてヘキサン600g、n−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)44.9gを仕込み、70℃に昇温した後、イソプレン2050gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液にメタノールを添加後、重合反応液を水で洗浄した。水を分離して、重合反応液を70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリイソプレン(X−1)を得た。
乾燥させ窒素置換した耐圧容器に溶媒としてヘキサン600g、n−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)11.0gを仕込み、70℃に昇温した後、ブタジエン730gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液にメタノールを添加後、重合反応液を水で洗浄した。水を分離して、重合反応液を70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリブタジエン(X−2)を得た。
(1)重量平均分子量、及び分子量分布の測定方法
重合体の重量平均分子量、及び分子量分布は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下の通りである。
・装置 :東ソー株式会社製 GPC装置「HLC−8320」
・分離カラム :東ソー株式会社製 カラム「TSKgelSuperHZM−M」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :0.7ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
ファルネセン重合体(B)10mgをアルミパンに採取し、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件においてサーモグラムを測定し、DDSCのピークトップの値をガラス転移温度とした。
・装置 :セイコーインスツル株式会社製 示差走査熱量計「DSC6200」
・検出部 :熱流速型
・サンプル重量 :10mg
・昇温速度 :10℃/min
ファルネセン重合体の38℃における溶融粘度をブルックフィールドB型粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS. INC.製)により測定した。
表2の配合にしたがって、硫黄及び加硫促進剤以外の各成分をそれぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が150℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度バンバリーミキサーに入れ、硫黄及び加硫促進剤を加えて開始温度50℃、到達温度100℃となるように75秒間混練することでタイヤトレッド用ゴム組成物を得た。
次いで、得られたタイヤトレッド用ゴム組成物をプレス成形(プレス条件:160℃、30分、圧力10MPa)することにより厚み2mmの架橋物を作製し、得られた架橋物シートについて下記評価を行った。
(1)加硫後のtanδのピーク温度
実施例及び比較例で作製した架橋物シートから縦40mm×横5mmの試験片を切り出し、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件におけるtanδのピーク温度を測定した。なお、温度が著しく低いとウェットグリップ性能が低下する。
実施例及び比較例で作製したゴム組成物をプレス成形した加硫ゴムシートから縦40mm×横5mmの試験片を切り出し、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度60℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で、tanδを測定し、転がり抵抗の指標とした。各実施例及び比較例の数値は、比較例1の値を100とした際の相対値である。なお、数値が小さいほど加硫ゴムの転がり抵抗性能が良好である。
Claims (12)
- 合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)100質量部に対し、重量平均分子量が10,000〜500,000であるファルネセン重合体(B)を0.1〜50質量部、フィラー(C)を20〜150質量部含有し、加硫後のtanδピーク温度が−40℃以上である、乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 前記重合体(B)の38℃における溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sである、請求項1に記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 前記重合体(B)の重量平均分子量が20,000〜500,000である、請求項1又は2に記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 前記重合体(B)がβ−ファルネセンの単独重合体である、請求項1〜3のいずれかに記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 前記ファルネセン重合体(B)がファルネセン由来の単量体単位(b1)、及びファルネセン以外の単量体に由来する単量体単位(b2)を含有する共重合体である、請求項1〜3のいずれかに記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 前記フィラー(C)がシリカ及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分(A)100質量部に対し、前記重合体(B)を1〜30質量部、及び前記シリカを20〜110質量部含有する、請求項6に記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分(A)100質量部に対し、前記重合体(B)を1〜30質量部、及び前記カーボンブラックを1〜60質量部含有する、請求項6に記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 前記合成ゴムが、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム及びイソプレンゴムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれかに記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 加硫後のtanδピーク温度が−30℃以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤトレッド。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の乗用車用サマータイヤのトレッド用ゴム組成物を少なくとも一部に用いた乗用車用空気入りサマータイヤ。
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