JP2017002223A - 紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物並びに紫外線吸収性付与シリコーンゴム及びその製造方法 - Google Patents

紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物並びに紫外線吸収性付与シリコーンゴム及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】(A)下記平均組成式(1)R1nSiO(4-n)/2(1)(R1は同一又は異なり、非置換又は置換の一価炭化水素基、nは1.95〜2.05の正数)で表され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ:10〜100質量部、(C)紫外線吸収剤:0.001〜1質量部、(D)硬化剤としてアルキルパーエステル系有機過酸化物及び/又はパーオキシケタール系有機過酸化物:硬化有効量を含有することを特徴とする紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物。【効果】本発明の紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物の硬化物(シリコーンゴム)は、優れた紫外線吸収特性を維持することができ、ポストキュア後の黄変が抑制できる。【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線吸収性能に優れた硬化物を与える紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物及び該組成物を用いた黄変が抑制された紫外線吸収性付与シリコーンゴムとその製造方法に関する。
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品をはじめとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサ、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるキーパッド;建築用ガスケット;オーディオ装置等の防振ゴム;コネクターシール、スパークプラグブーツなどの自動車部品、コンピュータに使用されるコンパクトディスク用パッキン、パンやケーキの型などの用途が挙げられる。現在、シリコーンゴムの需要は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。
特開2002−302606号公報(特許文献1)、特開2000−212541号公報(特許文献2)では、建築用シーリング材として、紫外線吸収剤を添加した室温硬化性シリコーンゴム組成物に関する記載があるが、縮合硬化であり、黄変の有無に関する記載はない。特開2015−40223号公報(特許文献3)には紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の記載があるが、コーティング剤であるため、成形物にコーティングして紫外線吸収特性を出す必要がある。特開2006−335855号公報(特許文献4)では、紫外線吸収性基含有オルガノポリシロキサンのコーティング剤の記載があるが、基材に塗布する必要があり、製造工程が増えてしまう。特開2009−215521号公報(特許文献5)も、トリアジン系の紫外線吸収剤を含有する記載があるが、室温硬化性のコーティング剤である。特開2000−191917号公報(特許文献6)では、紫外線吸収剤を含有したシリコーンゴムを使用した防虫用樹脂組成物を使用しているが、硬化形態が不明であり、黄変の有無の記載がない。
紫外線吸収剤を添加したシリコーンゴム組成物を付加加硫させると、シリコーンゴム硬化物をポストキュアしても黄変しないが、付加毒の影響があるため、使用環境が制限されてしまう。
特開2002−302606号公報 特開2000−212541号公報 特開2015−40223号公報 特開2006−335855号公報 特開2009−215521号公報 特開2000−191917号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、優れた紫外線吸収特性を維持することのでき、黄変が抑制されたシリコーンゴム(硬化物)となる紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物とその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、紫外線吸収剤を含有するミラブル型のシリコーンゴム組成物の硬化剤(架橋剤)としてアルキルパーエステル系及び/又はパーオキシケタール系の有機過酸化物を用いて硬化させることで、ポストキュア後の黄変を抑制できることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のシリコーンゴム組成物及び該組成物を硬化してなるシリコーンゴムとその製造方法を提供する。
〔1〕
(A)下記平均組成式(1)
1 nSiO(4-n)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異なり、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)
で表され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ:10〜100質量部、
(C)紫外線吸収剤:0.001〜1質量部、
(D)硬化剤としてアルキルパーエステル系有機過酸化物及び/又はパーオキシケタール系有機過酸化物:硬化有効量
を含有することを特徴とする紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物。
〔2〕
〔1〕記載のシリコーンゴム組成物の硬化物からなる紫外線吸収性付与シリコーンゴム。
〔3〕
2mm厚の硬化物の光透過率が、波長700nmで70%以上であり、かつ波長340nmで10%以下である〔2〕記載の紫外線吸収性付与シリコーンゴム。
〔4〕
〔1〕記載のシリコーンゴム組成物を80〜400℃で加熱成形し、次いで150〜250℃で1〜70時間ポストキュアすることを特徴とするポストキュア後の黄変が抑制された紫外線吸収性付与シリコーンゴムの製造方法。
〔5〕
押出し成形、プレス成形、インジェクション成形のいずれかの方法により成形するものである〔4〕記載の紫外線吸収性付与シリコーンゴムの製造方法。
本発明の紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物の硬化物(シリコーンゴム)は、優れた紫外線吸収特性を維持することができ、ポストキュア後の黄変が抑制できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[(A)成分]
本発明において、(A)成分は、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物における主剤(ベースポリマー)であり、下記平均組成式(1)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 nSiO(4-n)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(1)中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、或いはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素等のハロゲン原子もしくはシアノ基などで置換した、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、一分子中に2個以上、通常、2〜50個、特に2〜20個程度のアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、全R1中80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは脂肪族不飽和基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
nは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。
(A)成分であるオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、又は一部分岐構造を有する直鎖状であることが好ましい。具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したもの等が好適である。
また、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上述したように、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)又はヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものを好ましく挙げることができる。特に好ましいものとしては、分子中の置換基(即ち、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の一価炭化水素基)の種類として、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、或いは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、ロール粘着等の問題が生じ、ロール作業性が悪化する。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(A)成分は、1種を単独で用いても、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
[(B)成分]
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度の優れたシリコーンゴムを得るために添加される充填剤であり、この目的のためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。
このような補強性シリカとしては、例えば、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、またこれらの表面をメチルクロロシラン等のオルガノシラン化合物やヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物などで疎水化処理したものも好適に用いられる。このなかでも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。
(B)成分は1種単独でも2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜100質量部であり、20〜60質量部であることが好ましい。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。
なお、本発明の製造方法においては、必要に応じて、(B)補強性シリカの分散剤(ウェッター)を任意成分として配合することができる。このウェッターとしては、例えば、ジフェニルシランジオール等のシラノール基(即ち、ケイ素原子結合水酸基)含有シラン化合物や、分子鎖両末端シラノール基封鎖の直鎖状ジメチルシロキサンオリゴマー(例えば、重合度又は分子中のケイ素原子数が2〜30個、特には3〜20個程度の低重合ポリマー)等のシラノール基含有オルガノシロキサンオリゴマーなどから選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
ウェッターの配合量としては、ベースポリマー((A)成分)100質量部に対し、0〜25質量部とすることが好ましく、より好ましくは3〜20質量部の範囲の配合量とすることができる。
[(C)成分]
(C)成分の紫外線吸収剤は、紫外線吸収性の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加される。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、マロン酸エステル系のものが多く市販されている。(C)成分の一例として、BASF社製TINUVIN(登録商標)326やTINUVIN(登録商標)571、或いは大塚化学(株)製RUVA−93が挙げられる。また、硬化に影響を及ぼさない程度に光安定剤(HALS)を併用することができる。
(C)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.001〜1質量部が好ましい。0.001質量部未満では紫外線吸収効果が得られず、1質量部より多く配合することは経済的でない。
[(D)成分]
(D)成分のアルキルパーエステル系及びパーオキシケタール系有機過酸化物硬化剤としては、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチル−2−エチルパーオキシヘキサノエート、tert−アミル−2−エチルパーオキシヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(イソブチルパーオキシ)シクロヘキシルプロパン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタンなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
アルキルパーエステル系及び/又はパーオキシケタール系有機過酸化物硬化剤の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部、特に0.2〜5質量部が好ましい。配合量が少なすぎると硬化が不十分となる場合があり、多すぎると有機過酸化物の分解残渣が多く発生して、圧縮永久歪増大等の物性悪化させる場合がある。
[その他の成分]
本発明の紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、上記成分に加え、必要に応じて、粉砕石英、結晶性シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム等の充填剤、着色剤、引き裂き強度向上剤、酸化鉄や酸化セリウム等の耐熱性向上剤、酸化チタン、白金化合物等の難燃性向上剤、受酸剤、アルミナや窒化硼素等の熱伝導率向上剤、離型剤、充填剤用分散剤として各種アルコキシシラン、特にフェニル基含有アルコキシシラン及びその加水分解物、ジフェニルシランジオール、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子シロキサンなどの熱硬化型のシリコーンゴム組成物における公知の充填剤や添加剤を添加することは任意である。
[製造方法、成形方法]
上記シリコーンゴム組成物を得るための必須成分及びその他任意成分は、これら成分をニーダー、バンバリーミキサー、二本ロール等の公知の混練機で混合することにより本発明のシリコーンゴム組成物を得ることができるが、通常は(A)成分のオルガノポリシロキサンと(B)成分の補強性シリカを混合した後、(C)成分の紫外線吸収剤を添加し、次いで(D)成分のアルキルパーエステル系及び/又はパーオキシケタール系有機過酸化物硬化剤を添加することが好ましい。
このようにして得られた本発明の紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物は、加熱硬化させることにより紫外線吸収特性に優れたシリコーンゴムとなる。硬化条件はその成形方法における公知の条件でよく、一般的に80〜400℃、更には120〜200℃の温度で数秒〜1日程度である。80℃未満では、硬化させるのに非常に時間がかかり、400℃を超えると、硬化物が劣化する場合がある。
また、硬化物の圧縮永久歪性を低下させたり、シリコーンゴム中に残存している低分子シロキサン成分を低減する、或いは有機過酸化物の分解物を除去する等の目的で、150〜250℃、好ましくは200〜240℃のオーブン内等で1時間以上、好ましくは1〜70時間程度、更に好ましくは1〜10時間程度のポストキュア(二次加硫)を行ってもよい。
成形方法としては、目的とする成形品の形状や大きさにあわせて公知の成形方法を選択すればよい。例えば、注入成形、圧縮成形、射出成形、カレンダー成形、押し出し成形、コーティング、スクリーン印刷などの方法が例示される。
本発明において、上記紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物を硬化して得られた硬化物のポストキュア後の2mm厚シリコーンゴムシートの光透過率は波長700nmで70%以上、波長340nmで10%以下となる。700nmで70%以上であることで透明性に優れ、波長340nmで10%以下であると紫外線吸収効果の点で好ましい。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、シロキサンの重合度は、トルエンを展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度である。
また、下記例において、光透過率及び黄変の有無を下記の方法により測定した。
光透過率の測定
分光光度計(日立製作所(株)製、型式:U−3310)を用いて、200℃、4時間ポストキュア後の2mm厚シリコーンゴムシートの光透過率を測定した。波長700nmと340nmの際の光透過率を表1に示す。
ポストキュアによる黄変有無の測定
200℃、4時間ポストキュア後の2mm厚シリコーンゴムシートの変色を、それぞれ色差計にて(L、a、b)値で表示して測定し、下記基準により評価した。
○:良好(黄変なし)(黄方向を示すb値が+3〜−3の範囲内)
△:やや黄変(黄方向を示すb値が+3を超え+10未満)
×:黄変(黄方向を示すb値が+10以上)
[調製例]
紫外線吸収剤ペーストを下記のように調製した。
[紫外線吸収剤ペースト1の調製]
熱硬化型シリコーンゴム組成物KE−571−U(信越化学工業(株)製)100質量部に、紫外線吸収剤RUVA−93(大塚化学(株)製)1質量部を添加した後、120℃で10分混練りし、紫外線吸収剤ペースト1を調製した。
[実施例1]
ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン生ゴム100質量部、BET法比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)55質量部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sであるジメチルポリシロキサン12質量部を添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理して組成物(ベースコンパウンド1)を調製した。
この組成物(ベースコンパウンド1)100質量部に対し、紫外線吸収剤ペースト1を5質量部、架橋剤としてtert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.3質量部を二本ロールにて添加し、均一に混合して生ゴム状のシリコーンゴム組成物を製造した後、該組成物を165℃、70kgf/cm2の条件で10分間プレスキュアを行ない、2mm厚のシートを作製した。次いで200℃のオーブンで4時間ポストキュアを実施した。
このシリコーンゴムを室温に戻し、光透過率及び黄変有無を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
紫外線吸収剤ペースト1ではなく、TINUVIN(登録商標)571(BASF社製)を0.05質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光透過率及び黄変有無を測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
紫外線吸収剤ペースト1ではなく、TINUVIN(登録商標)326(BASF社製)を0.05質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光透過率及び黄変有無を測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエートではなく、tert−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエートにした以外は、実施例1と同様にして光透過率及び黄変有無を測定した。結果を表1に示す。
[実施例5]
tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエートではなく、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンにした以外は、実施例2と同様にして光透過率及び黄変有無を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエートではなく、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドを0.7質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光透過率及び黄変有無を測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエートではなく、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンを0.4質量部添加した以外は、実施例2と同様にして光透過率及び黄変有無を測定した。結果を表1に示す。
[比較例3]
tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエートではなく、1,6−ジ(tert−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサンを0.5質量部添加した以外は、実施例2と同様にして光透過率及び黄変有無を測定した。結果を表1に示す。
[比較例4]
紫外線吸収剤ペースト1を添加しない以外は、実施例1と同様にして光透過率及び黄変有無を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2017002223

Claims (5)

  1. (A)下記平均組成式(1)
    1 nSiO(4-n)/2 (1)
    (式中、R1は同一又は異なり、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)
    で表され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ:10〜100質量部、
    (C)紫外線吸収剤:0.001〜1質量部、
    (D)硬化剤としてアルキルパーエステル系有機過酸化物及び/又はパーオキシケタール系有機過酸化物:硬化有効量
    を含有することを特徴とする紫外線吸収性付与シリコーンゴム組成物。
  2. 請求項1記載のシリコーンゴム組成物の硬化物からなる紫外線吸収性付与シリコーンゴム。
  3. 2mm厚の硬化物の光透過率が、波長700nmで70%以上であり、かつ波長340nmで10%以下である請求項2記載の紫外線吸収性付与シリコーンゴム。
  4. 請求項1記載のシリコーンゴム組成物を80〜400℃で加熱成形し、次いで150〜250℃で1〜70時間ポストキュアすることを特徴とするポストキュア後の黄変が抑制された紫外線吸収性付与シリコーンゴムの製造方法。
  5. 押出し成形、プレス成形、インジェクション成形のいずれかの方法により成形するものである請求項4記載の紫外線吸収性付与シリコーンゴムの製造方法。
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