JPH10305092A - 眼内レンズ - Google Patents

眼内レンズ

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JPH10305092A
JPH10305092A JP10056588A JP5658898A JPH10305092A JP H10305092 A JPH10305092 A JP H10305092A JP 10056588 A JP10056588 A JP 10056588A JP 5658898 A JP5658898 A JP 5658898A JP H10305092 A JPH10305092 A JP H10305092A
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lens
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真弓 木村
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健之 澤本
Jiro Tarumi
二郎 樽見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質的に軟質で、眼内での安定性が良好で、
光学的性能が高く、生体適合性にも優れたシリコ―ン眼
内レンズを提供することにある。 【解決手段】 光学部または光学部と支持部が、 (a)分子鎖両末端にビニル基を有するジメチルシロキ
サン−フェニルシロキサン共重合体 (b)1分子中にヒドロシリル基を3個以上有するポリ
ジオルガノシロキサン を含む組成物を硬化させることにより得られる、実質的
に軟質の重合体からなる眼内レンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼内レンズに係
り、更に詳しくは高屈折率を有する軟質シリコ―ン眼内
レンズに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来の眼内レンズとしては、例えば特開昭
53−59444号公報に示される、ポリメチルメタク
リレ―ト(以下PMMAと略す)が主に用いられてき
た。PMMAは、眼内レンズとしての実績も長く、眼内
での安定性、光学特性、加工性に優れた材料である。し
かしながらPMMAは硬質なため、周囲眼組織に対する
機械的刺激が強いという欠点を有する。さらには、レン
ズ挿入の際に光学部直径(通常6〜7mm)以上の術創
を設けなくてはならず、回復が遅れたり、術後乱視をひ
き起こす原因となったりする。
【0003】そこで、周囲眼組織に対する物理的刺激が
少なく、かつ光学部径より小さい術創からの挿入が可能
な軟質眼内レンズの研究が進められ、まずシリコ―ンラ
バ―による眼内レンズが、次いでハイドロゲル(例えば
ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレ―ト、以下PH
EMAと略す)による眼内レンズが登場した。
【0004】例えば米国特許第4573998号に示さ
れるシリコ―ン眼内レンズは、柔軟で可撓性に富み、医
用材料としての実績もあり、耐熱性が良好なためオ―ト
クレ―ブ滅菌が可能で、さらに安全性に優れているなど
の特長を有する。PHEMA眼内レンズは、含水後のハ
イドロゲル状態ではシリコ―ンラバ―と同様、柔軟で可
撓性に富み、オ―トクレ―ブ滅菌が可能であり、またタ
ンパクなどの吸着が比較的少ないなどの特長を有してい
る。
【0005】一方、近年人間の水晶体により近い機能を
持たせるという目的で、眼内レンズに紫外線吸収能を持
たせる試みがなされてきており、例えば特開昭60−3
8411号公報に示されるようにPMMA等の硬質な紫
外線吸収性の眼内レンズが登場している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、硬質なPMM
Aの問題点を解決すべく開発された前記軟質材料も、そ
れぞれに欠点を有する。まずシリコ―ンラバ―の場合、
主成分となるポリジメチルシロキサンの比重がPMMA
に比較してかなり小さく、眼内でのレンズの偏位、回転
さらには脱臼が起こりやすいと言われている。また屈折
率が1.405と低いため、所望の屈折力を得るための
曲率半径が小さくなり、その結果レンズの肉厚が増大し
てしまい、眼内に挿入しずらくなったり、折り曲げると
シワが残ったりし易くなる。また光学的に見て収差が大
きいことも問題である。PHEMAの場合は、強度が低
く術中破損するケ―スがある。また、含水ゲルのためレ
ンズ内部にまで眼房水が取り込まれ、付着沈着物による
劣化、汚れ、黄変などが起こる可能性があり、眼内での
長期的な安定性に問題がある。一方、紫外線吸収能を持
った眼内レンズの場合は、紫外線吸収剤の添加量が多い
と、眼組織に対して有害な溶出物が増加する危険性があ
る。
【0007】本発明は、従来の眼内レンズの有する上記
問題点を解決することを目的としている。すなわち、本
発明の第1の目的は実質的に軟質で、眼内での安定性が
良好で、光学的性能が高く、生体適合性にも優れたシリ
コ―ン眼内レンズを提供することにある。
【0008】また本発明の第2の目的は、上記第1の目
的を達成する眼内レンズにおいてさらにその機械物性を
向上させ、かつ眼内での安定性をより高めたシリコ―ン
眼内レンズを提供することにある。
【0009】さらに本発明の第3の目的は、上記第1の
目的を達成する眼内レンズにおいて、さらに紫外線吸収
能を持たせたシリコ―ン眼内レンズを提供することにあ
る。
【0010】さらにまた本発明の第4の目的は、上記第
1、第2及び第3の目的の全てを達成するシリコ―ン眼
内レンズを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
光学部または光学部と支持部が、 (a)分子鎖両末端にビニル基を有するジメチルシロキ
サン−フェニルシロキサン共重合体 (b)1分子中にヒドロシリル基を3個以上有するポリ
ジオルガノシロキサン を含む組成物を前記(a)成分中のビニル基と(b)成
分中のヒドロシリル基との比を1:2〜1:10にして
硬化させることにより得られる、実質的に軟質の重合体
からなることを特徴とする眼内レンズによって達成され
た。
【0012】また本発明の第2の目的は、光学部または
光学部と支持部が、前記(a)成分および(b)成分と
ともに (c)充填剤 を含む組成物を硬化させることにより得られる、実質的
に軟質の重合体からなることを特徴とする眼内レンズに
よって達成された。
【0013】さらに本発明の第3の目的は、光学部また
は光学部と支持部が、前記(a)成分および(b)成分
とともに (d)紫外線吸収剤 を含む組成物を硬化させることにより得られる、実質的
に軟質の重合体からなることを特徴とする眼内レンズに
よって達成された。
【0014】さらにまた本発明の第4の目的は、光学部
または光学部と支持部が、前記(a)成分および(b)
成分とともに (c)充填剤 (d)紫外線吸収剤 を含む組成物を硬化させることにより得られる、実質的
に軟質の重合体からなることを特徴とする眼内レンズに
よって達成された。
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される(a)成分は、硬化後に軟質なシリ
コ―ンラバ―の主体となるもので、分子鎖両末端にビニ
ル基を有するジメチルシロキサン−フェニルシロキサン
共重合体である。その構造は、例えば下記一般式
【化1】 または、下記一般式
【化2】 により表される化合物である。
【0016】(a)成分の粘度は、100〜10000
0センチポイズ(25℃)であるのが好ましい。これ
は、100センチポイズより低粘度であると、重合度が
低すぎて眼内レンズとして必要なだけの強度が得られな
くなる可能性があり、逆に100000センチポイズを
超える高粘度であると、成形作業が困難となるためであ
る。但し、低粘度の(a)成分と併用すれば、粘度が1
00000センチポイズを超える(a)成分の使用も可
能となる。
【0017】本発明においては、(a)成分のフェニル
基含有量が全オルガノ基の4%以上であるのが好まし
い。これは、フェニル基含有量が4%より少なくなると
屈折率が低すぎて、必要な屈折力を得るためには光学部
を両凸形状にしなくてはならず、従って収差の大きい、
肉厚の厚いレンズになってしまうからである。例えば、
フェニル基含有量3%の(a)成分を用いた場合、光学
部径が6mmで度数が30ディオプトリ―のレンズを求
められたとすると、従来技術によるPMMA製レンズの
約2倍の肉厚になってしまい、実用には不適当である。
【0018】また(a)成分のフェニル基含有量は全オ
ルガノ基の40%以下であるのが好ましい。これは、フ
ェニル基含有量が40%を超えると目的とする軟質の重
合体が得られにくくなるからである。例えば、フェニル
基含有量75%の(a)成分は固体であり、これを
(b)成分と反応させても軟質の重合体は得れない。
【0019】次に、(b)成分としてのヒドロシリル基
を有するポリジオルガノシロキサンは、該(b)成分中
のヒドロシリル基が前記(a)成分中のビニル基と反応
して結合、架橋し、シリコ―ンラバ―を形成するための
必須成分である。架橋剤とての機能を十分に発揮するた
めには、1分子中にヒドロシリル基を3個以上有するこ
とが必要とされる。1分子中のヒドロシリル基の数が同
一であっても(b)成分の分子量によって1分子中のヒ
ドロシリル基の含有量は相違するが、1分子中のヒドロ
キシリル基の含有量は全オルガノ基の80%以下である
のが望ましい。
【0020】(b)成分は特に分子構造に制限はない
が、例えば下記構造式
【化3】 (但し、l,m≧0、n≧3)で表される化合物が挙げ
られる。好ましくは、粘度が10〜100センチポイズ
(25℃)で、(a)成分と同じフェニル含有量を持つ
化合物が良い。
【0021】配合の際には、前記(a)成分中のビニル
基と(b)成分中のヒドロシリル基との比を1:2〜
1:10の範囲にすることが要件であり、、特に1:3
〜1:8の範囲が好ましい。これは、ヒドロシリル基が
ビニル基の2倍より少ない量であると、硬化が十分に行
われずべとつきが残り、逆に10倍より多い量である
と、もろくなって機械物性が低下するためである。
【0022】(a)成分及び(b)成分を含む組成物を
硬化させることにより得られた重合体は、実質的に軟質
で、眼内での安定性が良好で、光学的性質が高く、生体
適合性にも優れているので眼内レンズとして好適に使用
される。また本発明では、さらに機械物性を向上させる
ことと、眼内での安定性をより高めることを目的とする
場合には、(c)成分として充填剤を添加することが可
能である。充填剤としては例えば煙霧状シリカが用いら
れる。充填剤の平均粒径は50〜500オングストロー
ム、特に70〜200オングストロームであるのが好ま
しい。これは、平均粒径が50オングストロームより小
さくなると、主成分への均一な分散が困難になり、逆に
500オングストロームより大きくなると濁りを生ずる
ためである。充填剤の量は、全体の3〜30重量%、特
に8〜20重量%であるのが好ましい。これは、3重量
%より少ないと機械物性向上の効果が得られず、逆に3
0重量%より多いと加工性が著しく低下し、眼組織への
影響も心配されるためである。
【0023】さらに本発明では、(a)成分がフェニル
基を含有しているため、280nm以下の紫外線はカッ
トされているが、更に人眼の水晶体の機能に近づけるこ
とを目的とする場合には、(d)成分として紫外線吸収
剤を添加することが可能である。本発明で用いられる紫
外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾ―ル系の2
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾ―ル、2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ―ル、2(2′
−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェ
ニル)−5−クロルベンゾトリアゾ―ル、2(2′−ヒ
ドキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロルベンゾトリアゾ―ル、2(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリア
ゾ―ル、2(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾ―ル、2(2′−ヒドロキシ−
5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ―ル及
びベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキシエトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−メトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−iso −オクトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオ
キシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,
4′−ジメトキシ−5,5′−ジスルホベンゾフェノン
−ジソジウム、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ
−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノンより
選ばれた少なくとも1種の化合物が挙げられる。添加量
は0.01〜1.0重量%、特に0.05〜0.7重量
%であるのが好ましい。これは、0.01重量%より少
ないと紫外線吸収が充分でなく、逆に1.0重量%より
多いと溶出物が増すためである。好適例としてはベンゾ
トリアゾ―ル系の紫外線吸収剤が挙げられ、これらを用
いることにより、従来より少ない添加量で充分な効果が
得られる。
【0024】さらにまた本発明は、(a)成分、(b)
成分、(c)成分及び(d)成分を組み合わせて使用す
ることにより、上記すべての目的を達成し得るシリコ―
ン眼内レンズを提供することが可能である。
【0025】本発明の眼内レンズの製造に採用される硬
化方法を以下に説明する。まず(a)成分、例えばジメ
チルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体を計量
する。目的に応じて(c)成分や(d)成分を必要量添
加し、混合する。混合は手で行っても機械を用いても良
い。さらに(b)成分と触媒を計量して添加する。触媒
は、この種の化合物の硬化に通常用いられている触媒を
用いる。具体的にはパラジウム化合物や白金化合物など
で、最も良く用いられる触媒は塩化白金酸である。触媒
量は作業時間、硬化時間を考慮した上で適宜調整すれば
良い。
【0026】(b)成分と触媒を添加した後、硬化は短
時間の内に終了することが可能である。必要に応じて、
ポットライフを長くしたい場合は、通常使用する重合抑
制剤の添加が効果的である。混合の後、真空脱泡を行う
が、粘度の低い場合は自然脱泡で充分である。適当な眼
内レンズ型に注型し、室温にてあるいは加熱して硬化さ
せる。加熱することにより、短時間での成形硬化が可能
になる。硬化後離型して、所望の眼内レンズが得られ
る。眼内レンズの形状としては、光学部と支持部の材質
が異なる2ピ―ス型でも光学部と支持部が一体となった
ディスク状あるいはプレ―ト状の1ピ―ス型でも良い。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0028】実施例1 (a)成分として、分子鎖両末端にビニル基を有し、フ
ェニル基含有量が全オルガノ基の5%である粘度500
センチポイズ(25℃)のジメチルシロキサン−ジフェ
ニルシロキサン共重合体を92重量部、(b)成分とし
て、1分子中にヒドロシリル基を6〜7個有する粘度1
0センチポイズ(25℃)のジメチルシロキサン−メチ
ルヒドロシロキサン共重合体を8重量部((a)成分の
ビニル基と(b)成分のヒドロシリル基の比=1:
5)、及び触媒として、塩化白金酸を白金量で全体の1
ppmとなる量それぞれ計量し、配合して均一になるまで
混合した。真空脱泡の後、適当な眼内レンズ型に流し込
んで、150℃で30分間加熱硬化した。
【0029】組成比を表1に、物性値を表2に示す。表
2より、本実施例の眼内レンズは、フェニル基を含有す
ることにより、フェニル基を含有しない、後記比較例1
の眼内レンズに比べ、屈折率、破断強度とも向上し、ま
た、276nm以下の紫外線を吸収する効果をも有して
いた。
【0030】実施例2〜3 表1に示す各成分及び塩化白金酸(白金量で全体の1pp
mとなる量)を実施例1の方法に従って配合、硬化させ
た。得られた眼内レンズの物性値を表2に示す。いずれ
も、実施例1と同等、またはそれ以上の効果が得られ
た。
【0031】実施例4 (a)成分として、分子鎖両末端にビニル基を有し、フ
ェニル基含有量が全オルガノ基の10%である粘度10
000センチポイズ(25℃)のジメチルシロキサン−
ジフェニルシロキサン共重合体を87重量部、(b)成
分として、1分子中にヒドロシリル基を8〜10個有す
る粘度25センチポイズ(25℃)のジメチルシロキサ
ン−メチルヒドロシロキサン共重合体を3重量部
((a)成分のビニル基と(b)成分のヒドロシリル基
の比=1:5)、(c)成分として、平均粒径160オ
ングストロームの煙霧状シリカを10重量部、及び触媒
として塩化白金酸を白金量で全体の1ppmとなる量それ
ぞれ計量し、先ず(a)成分に(c)成分を充分混合
し、これらにさらに(b)成分と触媒を配合して均一に
なるまで混合した。真空脱泡の後、適当な眼内レンズ型
に流し込んで、150℃で30分間加熱硬化した。
【0032】組成比を表1に、物性値を表2に示す。本
実施例の眼内レンズは、フェニル基を含有することによ
り、屈折率が向上し、また充填剤を添加することによ
り、破断強度がさらに著しく向上した。
【0033】実施例5〜6 表1に示す各成分及び塩化白金酸(白金量で全体の1pp
mとなる量)を実施例4の方法に従って配合、硬化させ
た。得られた眼内レンズの物性値を表2に示す。いずれ
も実施例4と同等、またはそれ以上の効果が得られた。
【0034】実施例7 (a)成分として、分子鎖両末端にビニル基を有し、フ
ェニル基含有量が全オルガノ基の5%である粘度500
センチポイズ(25℃)のジメチルシロキサン−ジフェ
ニルシロキサン共重合体を95重量部、(b)成分とし
て、1分子中にヒドロシリル基を6〜7個有する粘度1
0センチポイズ(25℃)のジメチルシロキサン−メチ
ルヒドロシロキサン共重合体を5重量部((a)成分の
ビニル基と(b)成分のヒドロシリル基の比=1:
3)、(d)成分として、2(2′−ヒドロキシ−3′
−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロル
ベンゾトリアゾ―ルを0.10重量部、及び触媒として
塩化白金酸を白金量で全体の1ppmとなる量それぞれ計
量し、まず(a)成分に(d)成分を充分混合し、これ
らにさらに(b)成分と触媒を配合して均一になるまで
混合した。真空脱泡の後、適当な眼内レンズ型に流し込
んで、150℃で30分間加熱硬化した。
【0035】組成比を表1に、物性値を表2に示す。本
実施例の眼内レンズは、フェニル基を含有することによ
り屈折率が向上し、また紫外線吸収剤の添加により38
5nm以下の紫外線を吸収する効果を有しており、より人
の水晶体に近い機能を持った眼内レンズが得られた。
【0036】実施例8 表1に示す各成分及び塩化白金酸(白金量で全体の1pp
mとなる量)を実施例7の方法に従って配合、硬化させ
た。得られた眼内レンズの物性値を表2に示す。実施例
7と同等、またはそれ以上の効果が得られた。
【0037】実施例9 (a)成分として、分子鎖両末端にビニル基を有し、フ
ェニル基含有量が全オルガノ基の15%である粘度50
0センチポイズ(25℃)のジメチルシロキサン−ジフ
ェニルシロキサン共重合体を83重量部、(b)成分と
して、1分子中にヒドロシリル基を6〜7個有する粘度
10センチポイズ(25℃)のジメチルシロキサン−メ
チルヒドロシロキサン共重合体を7重量部((a)成分
のビニル基と(b)成分のヒドロシリル基の比=1:
5)、(c)成分として、平均粒径160オングストロ
ームの煙霧状シリカを10重量部、(d)成分として、
2(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベン
ゾトリアゾ―ルを0.14重量部、及び触媒として塩化
白金酸を白金量で全体の1ppmとなる量それぞれ計量
し、配合して均一になるまで混合した。真空脱泡の後、
適当な眼内レンズ型に流し込んで150℃で30分間加
熱硬化した。
【0038】組成比を表1に、物性値を表2に示す。本
実施例の眼内レンズは、フェニル基を含有することによ
り、屈折率が向上した。また、充填剤の添加により破断
強度が著しく向上した。さらに紫外線吸収剤の添加によ
り412nm以下の紫外線が吸収されより人の水晶体に
近い機能を持った眼内レンズが得られた。
【0039】実施例10 表1に示す各成分及び塩化白金酸(白金量で全体の1pp
mとなる量)を実施例9の方法に従って配合、硬化させ
た。得られた眼内レンズの物性値を表2に示す。本実施
例の眼内レンズは実施例9の眼内レンズと同等以上の結
果を与えた。
【0040】比較例1 本発明における(a)成分の代りにフェニル基を含有し
ないジメチルポリシロキサンを用いた以外は、実施例1
と同様にして、表1に示す各成分及び塩化白金酸(白金
量で全体の1ppmとなる量)を配合し、次いで硬化させ
た。得られた物性値を表2に示す。屈折率は1.41と
低く眼内レンズとして必要な度数を得るためには光学部
を両凸の形状にしなくてはならなかった。また破断強度
も実施例のいずれよりも低かった。また、紫外線も20
0nmまで透過し、紫外線吸収能が劣っていた。
【0041】比較例2 本発明における(a)成分の代りにフェニル基を含有し
ないジメチルポリシロキサンを用いた以外は、実施例7
と同様にして、表1に示す各成分及び塩化白金酸(白金
量で全体の1ppmとなる量)を配合し、次いで硬化させ
た。得られた物性値を表2に示す。本比較例によれば、
実施例7と同等の紫外線吸収能(約400nm以下の波
長を完全に吸収)を持たせるためには、0.80重量%
(実施例7で用いた紫外線吸収剤量の8倍量)もの紫外
線吸収剤を添加しなければならなかった。
【0042】
【表1】
【0043】*1:各記号(SP1、SP2、SH1、SH
2、SO)は以下の化合物を表す。
【0044】
【化4】
【0045】*2 配合比は、(a)成分中の全ビニル
基数を1としたときの(b)成分中の全ヒドロシリル基
数である。
【0046】*3 各記号(Br1、Br2、Br3)
は以下の化合物を表す。
【0047】Br1:2(2′−ヒドロキシ−3′−te
rt−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロルベン
ゾトリアゾ―ル Br2:2(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾ―ル Br3:2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert
−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ―ル
【0048】
【表2】
【0049】*4:25.0℃における屈折率をアタゴ
社製アッベ屈折計で測定した。
【0050】*5:厚さ0.2mm、巾0.5mmの試
料で測定した。
【0051】*6:厚さ1mmの試料を生理食塩中で、
自記分光光度計を用いて透過率を測定し、透過率が1%
となる波長を吸収波長とした。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、軟質で可撓性に富み周
囲眼組織に対する物理的刺激が少なく、眼内での安定性
が良好で、フェニル基を含有することにより屈折率を高
め、レンズ形状を平凸の薄いものに成し得るといった特
長を有する優れた軟質シリコ―ン眼内レンズが提供され
た。また本発明によれば、充填剤を添加することによ
り、さらに機械強度を向上させ眼内での安定性も良好に
することが可能な、優れた軟質シリコ―ン眼内レンズが
提供された。さらに本発明によれば、紫外線吸収剤を従
来よりも極めて少量添加するだけで、人眼の水晶体に近
い紫外線吸収能を持たせることが可能な、優れた軟質シ
リコ―ン眼内レンズが提供された。さらにまた本発明に
よれば、上記すべての特長を合わせ持った優れた軟質シ
リコ―ン眼内レンズが提供された。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学部または光学部と支持部が、 (a)分子鎖両末端にビニル基を有するジメチルシロキ
    サン−フェニルシロキサン共重合体 (b)1分子中にヒドロシリル基を3個以上有するポリ
    ジオルガノシロキサン を含む組成物を前記(a)成分中のビニル基と(b)成
    分中のヒドロシリル基との比を1:2〜1:10にして
    硬化させることにより得られる、実質的に軟質の重合体
    からなることを特徴とする眼内レンズ。
  2. 【請求項2】 前記組成物がさらに (c)充填剤 を含むことを特徴とする請求項1記載の眼内レンズ。
  3. 【請求項3】 前記組成物がさらに (d)紫外線吸収剤 を含むことを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ。
  4. 【請求項4】 前記組成物がさらに (c)充填剤 (d)紫外線吸収剤 を含むことを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ。
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