JP2017001647A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ機構を車両の周辺部材と干渉することなく搭載でき、しかも、大型化が抑制されたステアリング装置を提供すること。【解決手段】ステアリング装置1は、操舵部材が連結された操舵軸10と、操舵軸10に一体回転可能に取り付けられたウォームホイール14と、ウォームホイール14を収容するハウジングHと、操舵軸10に同軸かつ相対回転可能に設けられ、転舵機構に連結された出力軸16と、操舵軸10と出力軸16との間の動力伝達を断続するクラッチ機構15とを含む。クラッチ機構15は、ハウジングHの内部空間Sに収容配置されている。クラッチ機構15のソレノイド54は、軸方向Xに関し、ウォームホイール14に対しクラッチ機構15の機構部51と反対側に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
操舵部材と転舵機構との機械的な連結をなくし、ステアリングホイールの操舵角を角度センサによって検出するとともに、そのセンサ出力に応じて制御される転舵用アクチュエータの駆動力を転舵機構に伝達するようにしたステアバイワイヤシステムが提案されている(たとえば下記特許文献1参照)。
一方、ステアバイワイヤシステムを搭載する場合には、転舵用アクチュエータ等に不具合が発生した場合であっても転舵輪の転舵を実行できるように、対策を講じる必要がある。
そのような対策を講じたステアリング装置として、下記特許文献2,3には、操舵部材と転舵機構とをクラッチ機構を介して連結し、正常運転中には、操舵部材と転舵機構との機械的な連結を解除し、異常発生時には、操舵部材と転舵機構とを機械的に連結する構成が開示されている。
特開2013−132950号公報 特許4927608号公報 特許4347100号公報
ステアリング装置にクラッチ機構を搭載する場合、たとえば、インターミディエイトシャフトと、ステアリングコラムとの間にクラッチ機構を介装することが考えられる。
しかしながら、この場合、クラッチ機構が周辺部材と干渉するおそれがある。また、クラッチ機構を搭載後のステアリング装置は、大型化が抑制されていることが望ましい。
そこで、本発明の目的は、クラッチ機構を車両の周辺部材と干渉することなく搭載でき、しかも、大型化が抑制されたステアリング装置を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1の発明は、操舵部材(3)が連結された操舵軸(10)と、前記操舵軸に一体回転可能に取り付けられた歯車(14)と、少なくとも前記歯車を収容するハウジング(H)と、前記操舵軸に対して相対回転可能に設けられ、転舵機構(A)に連結された出力軸(16)と、前記操舵軸と前記出力軸とを連結/連結解除可能に設けられた機構部(51)と、前記機構部が前記操舵軸と前記出力軸とを連結/連結解除するための駆動力を生じさせる駆動力発生部(53)とを有し、前記操舵軸と前記出力軸との間の動力伝達を断続するクラッチ機構(15)とを含み、前記クラッチ機構は、前記ハウジングの内部空間(S)に収容配置されており、当該内部空間において、前記駆動力発生部は、前記操舵軸の軸方向に関し、前記歯車に対し前記機構部と反対側に配置されている、ステアリング装置(1)を提供する。
なお、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2に記載の発明は、前記歯車は、当該歯車を厚み方向に貫通する挿通穴(33)を有し、前記クラッチ機構は、前記駆動力発生部からの駆動力を受けて前記機構部を作動させるための作動部材(55)をさらに有し、前記作動部材は前記挿通穴を挿通して前記機構部へと延びる延伸部(61)を有する、請求項1に記載のステアリング装置である。
請求項3に記載の発明は、前記作動部材は、前記機構部を作動させる第1の部材(126)と、前記第1の部材と別部材で設けられ、前記挿通穴を挿通して前記機構部へと延びる前記延伸部を有する第2の部材(61)とを含み、前記第1および第2の部材は、前記操舵軸の軸方向に一体移動可能に、かつ前記操舵軸回りに相対回転可能に設けられている、請求項2に記載のステアリング装置である。
請求項4に記載の発明は、前記機構部は、ツーウェイクラッチ(106)を含み、前記ツーウェイクラッチは、前記操舵軸および前記出力軸の一方に同軸に連結された内輪(104)と、前記操舵軸および前記出力軸の他方に同軸に連結され、前記内輪に相対回転可能に設けられた外輪(105)と、前記内輪の外周と前記外輪の内周とによって形成されるくさび空間(129)に、前記内輪の周方向に並んで配置されるローラ対(123)と、前記操舵軸回りに相対回転可能に設けられ、互いに反対向きの所定の方向に移動されることにより、前記ローラ対を互いに接近する方向に押圧する一対の押圧部材(131,132)とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置である。
請求項5に記載の発明は、前記クラッチ機構は、前記駆動力発生部からの駆動力を受けて前記機構部を作動させるための作動部材(55)をさらに有し、前記作動部材は、前記操舵軸の軸方向に移動可能に設けられ、当該軸方向への移動により、前記一対の押圧部材を互いに反対方向に移動させる、請求項4に記載のステアリング装置である。
請求項6に記載の発明は、前記一対の押圧部材は、第1および第2の押圧部材(131,132)を含み、前記作動部材は、前記第1の押圧部材に摺接する第1の摺接面(153)と、前記第2の押圧部材に摺接する第2の摺接面(154)とを含み、前記第1および第2の摺接面は、前記操舵軸の所定の軸方向に向かうに従って周方向の両側に互いに離れる部分を含むように設けられている、請求項5に記載のステアリング装置である。
請求項7に記載の発明は、前記内輪が前記出力軸に連結されており、かつ前記外輪が前記操舵軸に連結されており、前記外輪は、前記歯車に固定されている、請求項4〜6のいずれか一項に記載のステアリング装置である。
請求項8に記載の発明は、前記機構部は、摩擦クラッチ(402)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置である。
請求項9に記載の発明は、前記機構部は、噛み合いクラッチ(403)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置である。
請求項10に記載の発明は、前記駆動力発生部は、コイル(56a)への通電により生じる電磁力を利用して前記機構部を駆動する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のステアリング装置である。
請求項11に記載の発明は、前記駆動力発生部は、油圧を用いて前記機構部を駆動する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のステアリング装置である。
請求項12は、前記機構部の内部を封止するシール部材(80)を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のステアリング装置である。
請求項1によれば、クラッチ機構がハウジングの内部空間に収容配置されている。ハウジングの内部にクラッチ機構を収容配置するので、クラッチ機構が周辺部材と干渉することを回避できる。
また、ハウジングの内部空間において、駆動力発生部が歯車に対し機構部と反対側に配置されている。すなわち、クラッチ機構が歯車を挟んで分割配置されている。そのため、ハウジングの内部空間を有効に活用してクラッチ機構を配置できる。これにより、ステアリング装置の大型化を抑制できる。
ゆえに、周辺部材と干渉することなくクラッチ機構を設けることができ、しかも、大型化が抑制されたステアリング装置を提供できる。
請求項2によれば、作動部材が、歯車の挿通穴を挿通して機構部へと延びる。作動部材は、駆動力発生部からの駆動力を受けて機構部を動作させる。これにより、歯車に対し機構部と反対側に配置された駆動力発生部からの駆動力を用いて、機構部を良好に動作させることができる。
請求項3によれば、第1および第2の部材が、操舵軸の軸方向に一体移動可能に、かつ操舵軸回りに相対回転可能に設けられている。操舵軸に対する出力軸の相対回転に伴って機構部と歯車との相対回転姿勢が変化することがある。しかしながら、作動部材が第1および第2の部材を含むので、機構部と歯車との相対回転姿勢の変化によらずに、駆動力発生部からの駆動力を用いて機構部を良好に動作させることができる。
請求項4によれば、このツーウェイクラッチでは、ローラ対が内輪および外輪の双方に係合する状態で接続状態になる。この接続状態から、一対の押圧部材を互いに反対向きの所定の方向に移動することにより、ローラ対が互いに接近する方向に移動させられる。この場合、内輪および外輪の少なくとも一方に対するローラ対の係合が外れる。その結果、ツーウェイクラッチが切断状態になる。これにより、操舵軸と出力軸とを連結/連結解除する機構部を、ツーウェイクラッチによって実現できる。
請求項5によれば、作動部材の、操舵軸の軸方向への移動に伴い、一対の押圧部材が互いに反対方向に移動する。そのため、作動部材を操舵軸の軸方向のいずれかに移動させることにより、ローラ対を互いに接近する方向に移動させることができる。これにより、ツーウェイクラッチを、接続状態と切断状態との間で良好に切り換えることができる。
請求項6によれば、第1および第2の摺接面は、所定の軸方向に向かうに従って周方向の両側に互いに離れるように設けられている。そのため、作動部材を、操舵軸の所定の軸方向とは反対側へ移動させることにより、第1および第2の押圧部材を互いに反対向きの所定の方向に移動させることができる。
請求項7によれば、外輪が歯車に固定されている。これにより、外輪の操舵軸への連結を実現できる。
請求項8によれば、機構部が摩擦クラッチを含むので、操舵軸と出力軸との間で動力伝達を断続する構成を、簡単な構成で実現できる。
請求項9によれば、機構部が噛み合いクラッチを含むので、操舵軸と出力軸との間で動力伝達を断続する構成を、簡単な構成で実現できる。
請求項10によれば、駆動力発生部は、コイルへの通電により生じる電磁力を利用して機構部を駆動する。これにより、駆動力発生部を簡単な構成で実現できる。
請求項11によれば、駆動力発生部は、油圧を用いて前記機構部を駆動する。そのため、ハウジング内の周辺部材に対する電磁場の影響を回避しながら、機構部を駆動することができる。
請求項12によれば、機構部の内部に封入された潤滑剤の、当該内部からの流出が防止される。これにより、当該潤滑剤がハウジング内の他の部材に影響を及ぼすことを防止できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置の概略構成を示す図である。 図2は、図1に示すハウジングの断面図である。 図3は、図2の切断面線III−IIIから見た断面図である 図4は、図3に示すツーウェイクラッチの斜視図である。 図5は、図4に示す作動部材の分解斜視図である。 図6Aおよび図6Bは、前記作動部材のくさび部材の斜視図である。 図7は、前記ツーウェイクラッチの締結状態における、前記作動部材と、第1および第2の押圧部材との間の位置関係を示す図である。 図8は、前記ツーウェイクラッチの解放状態における、当該ツーウェイクラッチの断面図である。 図9は、前記ツーウェイクラッチの解放状態における、前記作動部材と、第1および第2の押圧部材との間の位置関係を示す図である。 図10は、ステアリング装置の第1の変形例を示す模式的な断面図である。 図11は、ステアリング装置の第2の変形例を示す模式的な断面図である。 図12は、ステアリング装置の第3の変形例を示す模式的な断面図である。 図13は、ステアリング装置の第4の変形例を示す模式的な断面図である。 図14は、ステアリング装置の第5の変形例を示す模式的な断面図である。 図15は、ステアリング装置の第6の変形例を示す模式的な断面図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略構成を示す図である。
ステアリング装置1は、転舵輪2を転舵するための転舵機構Aに対する、ステアリングホイール等の操舵部材3の機械的な連結が解除された、いわゆるステアバイワイヤシステムを採用している。
ステアリング装置1において、操舵部材3の回転操作に応じて、転舵アクチュエータ4の動作が制御される。この動作は、転舵軸6の車幅方向の直線運動に変換される。この転舵軸6の直線運動は、転舵用の左右の転舵輪2の転舵運動に変換され、これにより車両の転舵が達成される。
具体的には、転舵アクチュエータ4は、たとえばモータを含む。このモータの駆動力は、転舵軸6に関連して設けられた運動変換機構(ボールねじ装置等)により、転舵軸6の軸方向の直線運動に変換される。この転舵軸6の直線運動は、転舵軸6の両端に連結されたタイロッド7に伝達され、ナックルアーム8の回動を引き起こす。これにより、ナックルアーム8に支持された転舵輪2の操向が達成される。転舵機構Aは、転舵軸6、タイロッド7およびナックルアーム8を含む。転舵軸6を支持する転舵軸ハウジング9は、車体Bに固定されている。
操舵部材3は、操舵軸10に連結されている。操舵軸10は、車体Bに固定されたステアリングコラム5のハウジングHによって、回転可能に支持されている。操舵軸10は、操舵部材3と一体回転可能である。操舵軸10には、第1のモータ11と、第1のモータ11の出力回転を減速させる第1の減速機12とが取り付けられている。第1の減速機12は、たとえば、第1のモータ11により回転駆動されるウォーム軸13と、ウォーム軸13と噛み合い、操舵軸10に固定されたウォームホイール(歯車)14とを含む。
操舵軸10は、クラッチ機構15を介して、転舵機構Aに連結されている。具体的には、転舵機構Aの転舵軸6はラック軸を含む。このラック軸に係合するピニオン19を先端部に有するピニオン軸18には、インターミディエイトシャフト17を介して、出力軸16が接続されている。出力軸16は、操舵軸10に同軸かつ相対回転可能に設けられている。操舵軸10と出力軸16との間に、クラッチ機構15が介装されている。
ステアリング装置1には、操舵軸10に関連して、操舵部材3の操舵角を検出するための操舵角センサ20が設けられている。また、操舵軸10には、操舵部材3に加えられた操舵トルクを検出するため
のトルクセンサ21が設けられている。トルクセンサ21は、ステアリングコラム5のハウジングH内に収容されている。
また、ステアリング装置1には、転舵輪2に関連して、転舵輪2の転舵角を検出するための転舵角センサ22、車速を検出する車速センサ23等が設けられている。センサ20〜23を含む種々のセンサ類の各検出信号は、マイクロコンピュータを含む構成のECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)から構成される制御装置24に入力されるようになっている。制御装置24は、操舵角センサ20によって検出された操舵角と、車速センサ23によって検出された車速とに基づいて目標転舵角を設定する。また、制御装置24は、この目標転舵角と、転舵角センサ22によって検出された転舵角との偏差に基づいて、転舵アクチュエータ4を駆動制御する。
車両の正常運転中は、制御装置24は、クラッチ機構15を切断状態として、操舵部材3と転舵機構Aとを機械的に切り離す。この状態で、制御装置24は、操舵角センサ20、トルクセンサ21等が出力する検出信号に基づいて、操舵部材3が操舵された方向と逆方向を向く適当な反力を操舵部材3に付与するように、第1のモータ11を駆動制御する。第1のモータ11の出力回転は第1の減速機12によって減速(増幅)され、操舵軸10を介して操舵部材3に伝達される。すなわち、車両の正常運転中は、第1のモータ11および第1の減速機12が反力発生機構として機能する。
一方、車両がイグニション・オフの状態である場合や、ステアバイワイヤシステムに不調が生じた等の異常発生の場合には、制御装置24は、クラッチ機構15を接続状態として、操舵部材3と転舵機構Aとを機械的に連結させる。これにより、操舵部材3による転舵機構Aの直接操作を可能としている。クラッチ機構15を介して操舵軸10と転舵機構Aとを機械的に連結可能な構成を採用することにより、ステアバイワイヤシステムの機械的なフェールセーフを実現している。
また、例えば転舵アクチュエータ4又は第1のモータ11の一方に不調が生じた場合は、制御装置24は、操舵角センサ20、トルクセンサ21等が出力する検出信号に基づいて、転舵機構Aに操舵補助力を付与するように、他方を駆動制御する。第1のモータ11の出力回転は、第1の減速機12によって減速され、出力軸16、インターミディエイトシャフト17およびピニオン軸18を介して転舵機構Aに伝達される。転舵アクチュエータ4の出力回転は運動変換機構により転舵機構Aに伝達される。すなわち、異常発生の場合には、第1のモータ11および第1の減速機12、又は転舵アクチュエータ4および運動変換機構が、操舵補助機構として機能する。
とくに、転舵アクチュエータ4の不調時には、第1のモータ11および第1の減速機12によって、異常発生時の操舵補助機構と正常時の反力発生機構とを兼用することができる。そのため、操舵補助機構および反力発生機構をそれぞれ別に設ける場合と比較して、コストダウンを図ることができる。
また、反力発生機構が、第1のモータ11だけでなく、第1のモータ11の出力を増幅する第1の減速機12を有しているので、大きな回転トルクを反力として発生させることができる。これにより、所望の大きさの反力を操舵部材3に付与できる。
ステアリングコラム5は、少なくとも第1の減速機12を収容するハウジングHを有している。クラッチ機構15は、ハウジングHの内部空間S(図2参照)に収容されている。
図2は、ハウジングHの断面図である。図2の断面図は、後述する図3の切断面線II−IIから見ている。
操舵軸10は、操舵部材3(図1参照)に連なるミドルシャフト27と、ミドルシャフト27に同軸に固定された入力軸28と、ウォームホイール14が外嵌固定された内軸29と、入力軸28および内軸29を同一軸線上に連結するトーションバー30とを含む。ミドルシャフト27を介して入力軸28に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー30が弾性的にねじり変形し、これにより、入力軸28と内軸29とが相対回転する。操舵トルクは、トルクセンサ21により、入力軸28と内軸29との相対回転量に基づいて検出される。
操舵軸10を支持するステアリングコラム5は、ミドルシャフト27の少なくとも一部を収容する筒状のジャケットJと、ジャケットJに対し操舵軸10の軸方向下部(転舵機構A側)に配置され、トルクセンサ21の少なくとも一部を収容すると共にトルクセンサ21を保持するセンサハウジング26と、センサハウジング26に対し操舵軸10の軸方向下部に配置され、第1の減速機12を収容する減速機ハウジング25とを有している。センサハウジング26および減速機ハウジング25は、ハウジングHに含まれる。
ステアリングコラム5は、車両後方側に配置された上部取付構造体71により車体Bの所定部72に取り付けられるとともに、車両前方側に配置された下部取付構造体73により車体Bの所定部74に取り付けられている。ジャケットJが、上部取付構造体71により支持され、減速機ハウジング25が下部取付構造体73により支持されている。この状態で、操舵軸10は、車両の前後方向に対して斜め姿勢(操舵部材3(図1参照)が上方に位置する斜め姿勢)に支持されている。
ステアリングコラム5は、チルト中心軸75の回りに揺動可能に支持されている。 ステアリングコラム5をチルト中心軸75の回りに揺動させ傾けることにより操舵部材3(図1参照)の高さ位置を調整するチルト調整機能が、上部取付構造体71および下部取付構造体73によって実現されている。下部取付構造体73は、チルトヒンジ機構として機能する。
トルクセンサ21は、操舵軸10を取り囲む環状をなしており、センサハウジング26の内周26aに嵌合支持されている。
センサハウジング26は、減速機ハウジング25に固定されている。センサハウジング26は、減速機ハウジング25の上端に突き当てられた外筒38と、内周39aに第1の軸受50の外輪50aを支持する内筒39と、外筒38と内筒39との間を接続する環状壁40とを含む。
トルクセンサ21は、入力軸28および内軸29に関連して設けられた磁気回路形成機構44に生じた磁束に基づいて操舵トルクを検出する。磁気回路形成機構44は、入力軸28および内軸29の一方に一体回転可能に連結された多極磁石45と、多極磁石45の磁界内に配置され、入力軸28および内軸29の他方と一体回転可能に連結された一対の磁気ヨーク46とを含み、磁気回路を形成する。
トルクセンサ21は、一対の磁気ヨーク46とそれぞれ磁気的に結合された一対の集磁リング47と、一対の集磁リング47の集磁部(図示しない)間の磁束を検出するホールIC等の磁束検出要素(図示しない)と、これらを保持する樹脂製の環状の本体48とを備えている。配線49は、トルクセンサ21の本体48から径方向外方に延びている。センサハウジング26が、第1の軸受50を介して内軸29を回転可能に支持している。第1の軸受50の内輪50bは、内軸29に一体回転可能に嵌合されている。
減速機ハウジング25は、ウォーム軸13を収容保持する筒状のウォーム軸収容部34と、ウォームホイール14を収容保持するウォームホイール収容部35とを、単一の材料で交差状に一体に形成している。ウォームホイール収容部35がセンサハウジング26に固定されている。
ウォームホイール14は、内軸29の軸方向下端部に一体回転可能で且つ軸方向移動不能に連結されている。ウォームホイール14は、内軸29に一体回転可能に結合される環状の芯金部31と、芯金部31の周囲を取り囲んで外周面部に歯32aを形成する合成樹脂部材32とを含む。芯金部31は、たとえば合成樹脂部材32の樹脂成形時に金型内にインサートされ、芯金部31と合成樹脂部材32とは一体回転可能に結合される。
芯金部31は、芯金部31を厚み方向に貫通する一または複数(この実施形態では、たとえば3つ)の挿通穴33を有している。挿通穴33を複数設ける場合、複数の挿通穴33は、内軸29の回転中心からの距離が同一である。複数の挿通穴33は、ウォームホイールの周方向に等間隔に配置されている。
出力軸16は、ウォームホイール収容部35から、軸方向の下方(転舵軸6側)に突き出すように設けられている。出力軸16は、内軸29に同軸かつ内軸29の外周を囲み、出力軸16の内周と、内軸29の外周との間には微小隙間が形成されている。出力軸16は、内軸29の外周に介装された第2の軸受36によって、内軸29に同軸かつ相対回転可能に支持されている。第2の軸受36として、図2に示すようなすべり軸受が採用されてもよいし、転がり軸受が採用されてもよい。出力軸16は、インターミディエイトシャフト17(図1参照)等を介して転舵機構A(図1参照)に連なっている。
ウォームホイール収容部35は、第3の軸受37を介して出力軸16を回転可能に支持している。第3の軸受37は、操舵軸10の軸方向に関し、ウォームホイール14の下方に配置されている。出力軸16は、第3の軸受37を介して、内軸29を回転可能に支持している。第3の軸受37の内輪37aは、出力軸16に一体回転可能に嵌合されている。
ハウジングHの内部空間Sは、ウォームホイール14によって、ウォームホイール14に対し操舵軸10の軸方向の下方側の第1の空間Saと、ウォームホイール14に対し操舵軸10の軸方向の上方側の第2の空間Sbとに仕切られている。
クラッチ機構15は、機構部51と駆動部52とを含む。機構部51は、次に述べるツーウェイクラッチ106を含む。本実施形態では、駆動部52は、駆動力発生部53としての環状のソレノイド54と、駆動力発生部53からの電磁力(駆動力)を受けて機構部51を作動させるための作動部材55とを含む。
機構部51は、ハウジングHの内部空間Sのうち、下方の第1の空間Saに収容配置されている。ソレノイド54は、ハウジングHの内部空間Sのうち、上方の第2の空間Sbに収容配置されている。すなわち、ソレノイド54は、操舵軸10の軸方向に関し、ウォームホイール14に対し機構部51と反対側に配置されている。ソレノイド54は、センサハウジング26の環状壁40の内側側面40aに固定されている。ソレノイド54は、銅線等が巻き付けられたコイル56aと、コイル56aに近接して配置されるコア56bとを有する。ソレノイド54の内周部が、作動部材55のアーマチュアを押し出す押し出し部として機能する。
図3は、図2の切断面線III−IIIから見た断面図である。図4は、図3に示すツーウェイクラッチ106の斜視図である。図4では、ツーウェイクラッチ106から外輪105を除いた構成を示している。
以下、図2〜図4を参照して、ツーウェイクラッチ106について説明する。
以降の説明において、操舵軸10の軸方向を軸方向Xとする。内輪104の軸方向および外輪105の軸方向は、軸方向Xと一致する。また、軸方向Xのうち、ツーウェイクラッチ106から見て上方側(車両の後方側)の軸方向を軸方向一方X1とし、軸方向Xのうち、ツーウェイクラッチ106から見て下方側(車両の前方側)の軸方向を軸方向他方X2とする。
また、操舵軸10の回転方向に沿う方向を周方向Yとする。内輪104の周方向、外輪105の周方向、およびウォームホイール14の周方向は、周方向Yと一致する。また、周方向Yのうち、軸方向他方X2側から見て時計回りの周方向を周方向一方Y1とし、周方向Yのうち、軸方向他方X2側から見て反時計回りの周方向を周方向他方Y2とする。
また、操舵軸10の回転半径方向を、径方向Zとする。内輪104の径方向、外輪105の径方向、およびウォームホイール14の径方向は、径方向Zと一致する。
ツーウェイクラッチ106は、出力軸16(図2参照)に同軸に連結された内輪104と、内軸29(図2参照)に同軸に連結され、かつ内輪104に相対回転可能に設けられた外輪105と、内輪104の外周と外輪105の内周とによって形成される一または複数の(この実施形態では、たとえば3つの)くさび空間129のそれぞれに、周方向Yに並んで配置される、第1のローラ123aおよび第2のローラ123bからなるローラ対123と、操舵軸10回りに相対回転可能に設けられた第1および第2の押圧部材131,132とを含む。第1の押圧部材131が周方向他方Y2に向けて移動することにより、各ローラ対123の第1のローラ123aが周方向他方Y2に向けて押圧移動させられる。また、第2の押圧部材132が周方向一方Y1に向けて移動することにより、各ローラ対123の第2のローラ123bが周方向一方Y1に向けて押圧移動させられる。
図2に示すように、外輪105は、ウォームホイール14の芯金部31の軸方向他方X2側の下面に形成された環状溝41に内嵌固定されている。外輪105の芯金部31への固定により、外輪105の操舵軸10への連結を簡単な構成で実現できる。外輪105は、鋼等の金属材料を用いて形成されている。外輪105は、芯金部31の環状溝41に圧入により固定されている。この実施形態では、要求される硬さが互いに相違することから、芯金部31と外輪105とを別部材としているが、外輪105と、ウォームホイール14の芯金部31とを一体に設けた構成を採用してもよい。
内輪104は、図2に示すように、たとえば、出力軸16と一体に設けられている。すなわち、内輪104と出力軸16とを一体に含む出力軸部材57が設けられている。出力軸部材57は、たとえば鋼等の金属材料を用いて形成されている。また、内輪104と、出力軸16とを、別部材を用いて設けるようにしてもよい。
図3に示すように、各くさび空間129は、外輪105の内周に形成された円筒面121と、内輪104の外周に形成され、円筒面121と径方向Zに対向するカム面122とによって区画される。各くさび空間129は、周方向Yの両端に向かうに従って狭くなっている。各くさび空間129には、第1および第2のローラ123a,123bを互いに離反する周方向Yに弾性押圧する弾性部材124が配置されている。弾性部材124としてコイルばね等を例示できる。カム面122は、周方向Yに対し互いに反対の方向に傾斜するように設けられた一対の傾斜面127a,127bと、一対の傾斜面127a,127b間に設けられ、傾斜面127a,127b同士を接続する平坦なばね支持面128とを含む。
各ローラ対123は、周方向一方Y1側の第1のローラ123aと、周方向他方Y2側の第2のローラ123bとを含む。
第1の押圧部材131は、柱状の第1の押圧部135と、第1の押圧部135の一端部を一括して支持する環状の第1の支持部136(図2参照)とを含む。第1の支持部136は、たとえば複数の第1の押圧部135を、径方向Zの内方から支持する。第1の押圧部材131は、第1の支持部136が内輪104および外輪105と同軸をなすように、かつ内輪104および外輪105に相対回転可能に設けられている。第1の押圧部135は、ローラ対123と同数(この実施形態では3つ)で、軸方向Xに延びる柱状で、周方向Yに等間隔に配置されている。第1の押圧部135および第1の支持部136は、合成樹脂材料または金属材料を用いて一体に設けられていてもよい。第1の押圧部材131は、ローラ対123および弾性部材124を保持する保持器として機能していてもよい。
第2の押圧部材132は、柱状の第2の押圧部140と、第2の押圧部140を一括して支持する環状の第2の支持部141(図4参照)とを含む。第2の支持部141は、たとえば複数の第2の押圧部140を、径方向Zの外方から支持する。第2の押圧部材132は、第2の支持部141が内輪104および外輪105と同軸をなすように、かつ内輪104および外輪105に相対回転可能に設けられている。第2の押圧部140は、ローラ対123と同数(この実施形態では3つ)で、軸方向Xに延びる柱状で、周方向Yに等間隔に配置されている。第2の押圧部140および第2の支持部141は、合成樹脂材料または金属材料を用いて一体に設けられていてもよい。第2の押圧部材132は、ローラ対123および弾性部材124を保持する保持器として機能していてもよい。
図3および図4に示すように、第1の押圧部材131および第2の押圧部材132は、第1の押圧部135と第2の押圧部140とが周方向Yに交互に並ぶように組み合わされる。
図3および図4に示すように、各第1の押圧部135と、当該第1の押圧部135が押圧可能な第1のローラ123aが含まれるローラ対123に対して周方向一方Y1側で隣接するローラ対123に含まれる第2のローラ123bに押圧可能な第2の押圧部140(以下、「隣ローラ対123の第2の押圧部140」という)との間には、対応する1つの作動部材55が配置されている。各第1の押圧部135の周方向他方Y2側には、当該第1の押圧部135が押圧可能な第1のローラ123aと対をなす第2のローラ123bを押圧するための第2の押圧部140が、ローラ対123を介して配置されている。また、各第1の押圧部135の周方向一方Y1側には、隣ローラ対123の第2の押圧部140が、作動部材55を介して配置されている。
図3および図4に示すように、各第1の押圧部135の周方向他方Y2側の面には、ローラ対123の第1のローラ123aを押圧するための第1の押圧面137が形成されている。第1の押圧面137は、たとえば平坦面によって構成されている。第1の押圧面137は、平坦面によって構成されているものに限られず、第1のローラ123aに、面接触、線接触または点接触するものであってもよい。
図3および図4に示すように、各第1の押圧部135の周方向一方Y1側の面には、第1の被摺接面138が形成されている。作動部材55の周方向他方Y2側の面には第1の摺接面153が形成されている。第1の摺接面153と第1の被摺接面138とは線接触状態になるような形状に形成されている。具体的には、本実施例では第1の被摺接面138は、周方向他方Y2側へ凹形状に湾曲した曲面Cを含んでいる。第1の摺接面153は、周方向他方Y2側へ凸形状に湾曲した曲面Dを含んでいる。曲面Cの曲率は曲面Dの曲率よりも小さく設定されており、曲面Cと曲面Dとは線接触している。つまり、第1の摺接面153と第1の被摺接面138とは線接触している。作動部材55の軸方向Xの移動に伴って曲面C上における曲面Dとの接触位置も曲面C上を移動するが、通常状態では曲面Cから逸脱することはない。
図3および図4に示すように、各第2の押圧部140の周方向一方Y1側の面には、ローラ対123の第2のローラ123bを押圧するための第2の押圧面142が形成されている。第2の押圧面142は、たとえば平坦面によって構成されている。第2の押圧面142は、平坦面によって構成されているものに限られず、第2のローラ123bに、面接触、線接触または点接触するものであってもよい。
図3および図4に示すように、各第2の押圧部140の周方向他方Y2側の面には、第2の被摺接面143が形成されている。作動部材55の周方向一方Y1側の面には第2の摺接面154が形成されている。第2の摺接面154と第2の被摺接面143とは線接触状態になるような形状に形成されている。具体的には、本実施例では第2の被摺接面143は、周方向一方Y1側へ凹形状に湾曲した曲面Eを含んでいる。第2の摺接面154は、周方向一方Y1側へ湾曲した凸形状の曲面Fを含んでいる。曲面Eの曲率は曲面Fの曲率よりも小さく設定されており、曲面Eと曲面Fとは線接触している。つまり、第2の摺接面154と第2の被摺接面143とは線接触している。作動部材55の軸方向Xの移動に伴って曲面E上における曲面Fとの接触位置も曲面E上を移動するが、通常状態では曲面Eから逸脱することはない。
図5は、作動部材55の分解斜視図である。
作動部材55は、第1の円環部材58と、第2の円環部材59とを含む。第1および第2の円環部材58,59は、操舵軸10(図2等参照)と同軸に設けられ、それぞれ、互いに対向する第1および第2の対向面58a,59aを有している。
第1の円環部材58の第1の対向面58aと反対側の第1の反対面58bには、第1および第2の押圧部135,140(図3等参照)と係合してツーウェイクラッチ106(図3等参照)を作動させるくさび部材(第1の部材)126が固定されている。くさび部材126は、軸方向Xに沿って延び、ローラ対123の数と同数設けられている。図5に示すように、くさび部材126が、周方向Yに等間隔に配置されていてもよい。第1の円環部材58およびくさび部材126は、樹脂材料を用いて形成されていてもよいし、金属材料を用いて形成されていてもよい。
第2の円環部材59の第2の対向面59aと反対側の第2の反対面59bには、ウォームホイール14の挿通穴33を挿通する挿通ピン(延伸部、第2の部材)61が固定されている。挿通ピン61は、軸方向Xに沿って延びている。本実施例では、挿通穴33と同数設けられている。各挿通ピン61の軸直交断面の形状はたとえば矩形である。図5では、挿通ピン61の個数を、くさび部材126の数と同数としているが、これは一例に過ぎず、その他の数を採用できる。
第2の円環部材59および挿通ピン61は鋼などの金属材料を用いて形成されており、第2の円環部材59および挿通ピン61がアーマチュアとして機能する。挿通ピン61の先端61aは、挿通穴33を挿通して、ソレノイド54(図2等参照)の内周に対向配置されている。ソレノイド54への通電によりコイル56aが励磁されると、挿通ピン61が押し出され、この押出しを受けて、作動部材55が軸方向他方X2に移動する。
また、挿通ピン61のみをアーマチュアとして機能させるようにしてもよいし、作動部材55の全体をアーマチュアとして機能させるようにしてもよい。
第1および第2の円環部材58,59は、軸方向Xに一体移動可能に、かつ操舵軸10回りに相対回転可能に設けられている。換言すると、挿通ピン61およびくさび部材126は、軸方向Xに一体移動可能に、かつ操舵軸10回りに相対回転可能に設けられている。たとえば、第1および第2の円環部材58,59は、嵌合部材(図示しない)によって、操舵軸10回りに相対回転可能に嵌合されていてもよい。この場合、第1の対向面58aおよび第2の対向面59aが接触しており、第1および第2の円環部材58,59が周方向Yに互いに相対摺動可能に設けられていてもよい。
ステアバイワイヤシステムの実行中において、転舵機構A(図1参照)の転舵に伴って出力軸(図2等参照)16が回転する。このとき、出力軸16の回転に同伴して、ツーウェイクラッチ106(図2等参照)に含まれる第1および第2の押圧部材131,132(図2等参照)も回転する。この状態では、ツーウェイクラッチ106は解放状態にあるため、ウォームホイール14(図2参照)は、出力軸16の回転に同伴回転しない。そのため、出力軸16の回転に伴って、第1および第2の押圧部材131,132とウォームホイール14との相対回転姿勢が変化する。しかしながら、作動部材55が、軸方向Xに一体移動可能に、かつ操舵軸10回りに相対回転可能に設けられた挿通ピン61およびくさび部材126を含むので、第1および第2の押圧部材131,132とウォームホイール14との相対回転姿勢の変化によらずに、駆動力発生部53(ソレノイド54)からの電磁力を用いて、第1および第2の押圧部材131,132を良好に動作させることができる。
図6Aおよび図6Bは、作動部材55のくさび部材126の構成を示す斜視図である。図6Aおよび図6Bでは、互いに異なる二方向から、くさび部材126を見ている。
各くさび部材126は、その軸方向Xの途中部に、周方向Yの双方に広がるくさび部152を含む。くさび部152は、周方向他方Y2側の面に設けられた第1の摺接面153と、周方向一方Y1側の面に設けられた第2の摺接面154とを含む。くさび部152が第1および第2の押圧部材131,132(図3等参照)に、軸方向一方X1側から摺接している。第1の摺接面153および第2の摺接面154の形状は前述の通りである。
図7は、ツーウェイクラッチ106の締結状態における、作動部材55と、第1および第2の押圧部材131,132との間の位置関係を示す図である。図8は、ツーウェイクラッチ106の解放状態における、ツーウェイクラッチ106の断面図である。図9は、ツーウェイクラッチ106の解放状態における、作動部材55と、第1および第2の押圧部材131,132との間の位置関係を示す図である。
図2、図3および図7〜図9を参照しながら、クラッチ機構15の断続について説明する。
クラッチ機構15を接続状態とする際には、ソレノイド54への電力供給がオフとされる。この状態では、挿通ピン61はソレノイド54によっては軸方向他方X2に押し出されない。よって、弾性部材124により第1のローラ123aを介して第1の押圧部材131を周方向一方Y1へ押圧し、第2のローラ123bを介して第2の押圧部材132を周方向他方Y2へ押圧する。これらの押圧力の方向と、第1の摺接面153および第2の摺接面154の傾きとの作用によりくさび部材126が軸方向一方X1に押し戻され、円環部材58,59を介し挿通ピン61が押し戻される。そのため、作動部材55は、軸方向Xに関して第1の位置(図7に示す位置)に配置されている。作動部材55が第1の位置に配置されている状態では、ツーウェイクラッチ106が締結状態にある。この締結状態では、図3に示すように、弾性部材124によって、各第1のローラ123aが、くさび空間129の周方向一方Y1側の端部の第1の係合位置129aに向けて弾性押圧されている。そのため、第1のローラ123aが内輪104の外周および外輪105の内周に係合している。そして、弾性部材124によって、各第2のローラ123bが、くさび空間129の周方向他方Y2側の端部の第2の係合位置129bに向けて弾性押圧されている。そのため、第2のローラ123bが内輪104の外周および外輪105の内周に係合している。その結果、締結状態のツーウェイクラッチ106により内軸29と出力軸16とが連結され、これにより、操舵部材3(図1参照)と転舵機構A(図1参照)とが機械的に連結される。
一方、クラッチ機構15を切断状態とする際には、ソレノイド54への電力供給がオンとされる。ソレノイド54への電力供給がオフ状態からオン状態に切り換わると、ソレノイド54が挿通ピン61を押し出す力が、前述のクラッチ締結状態での弾性部材124による挿通ピン61を押し戻す力に勝り、図9に示すように、挿通ピン61がソレノイド54により押し出され、その結果、第2の円環部材59を介して第1の円環部材58が押し出される。これにより、作動部材55が、軸方向他方X2側に押し出され、軸方向他方X2に移動する(たとえば1〜2mm程度)。これにより、作動部材55が、第1の位置(図7に示す位置)よりも軸方向他方X2側の第2の位置(図9に示す位置)に配置される。
前述のように、第1の摺接面153は、周方向他方Y2側へ凸形状の曲面Dを含み、第1の被摺接面138と線接触している。第2の摺接面154は、周方向一方Y1側へ凸形状の曲面Fを含み、第2の被摺接面143と線接触している。つまり、第1の摺接面153および第2の摺接面154は、軸方向他方X2に向かうに従って周方向Yに関して互いに離れる部分を含み、この部分で線接触するように構成されている。従って、作動部材55の軸方向他方X2側の第2の位置への移動に伴い、第1の被摺接面138、すなわち第1の押圧部135は周方向他方Y2へ移動し、第2の被摺接面143、すなわち第2の押圧部140が周方向一方Y1へ移動する。
これにより、第1の押圧部135(第1の押圧面137)が、第1のローラ123aを、弾性部材124の弾性押圧力に抗って周方向他方Y2に向けて押圧移動させる。これにより、各第1のローラ123aが第1の係合位置129a(図3参照)から離脱し、図8に示すように、各第1のローラ123aと外輪105の内周との間に隙間S1が形成される。すなわち、各第1のローラ123aの、内輪104の外周および外輪105の内周に対する係合が外れる。
また、第2の押圧部140(第2の押圧面142)が周方向一方Y1側に移動させられることにより、第2のローラ123bを、弾性部材124の弾性押圧力に抗って周方向一方Y1に向けて押圧移動させる。これにより、各第2のローラ123bが第2の係合位置129b(図3参照)から離脱し、図8に示すように、各第2のローラ123bと外輪105の内周との間に隙間S2が形成される。すなわち、各第2のローラ123bの、内輪104の外周および外輪105の内周に対する係合が外れる。
作動部材55が第2の位置に配置されている状態では、ツーウェイクラッチ106が解除状態にある。この解除状態では、各ローラ123a,123bの、内輪104および外輪105に対する係合が解除される。解除状態のツーウェイクラッチ106により内軸29と出力軸16との機械的な連結が解除され、これにより、操舵部材3(図1参照)と転舵機構A(図1参照)とが連結解除される。
また、図2に示すように、ツーウェイクラッチ106の外輪105の軸方向下側(転舵機構A側)の面と、内輪104の軸方向下側(転舵機構A側)の面との間を封止する環状のシール部材80が配置されている。シール部材80は、接触シールにより構成されている。くさび空間129には、ツーウェイクラッチ106の摩擦面を潤滑状態とするためのクラッチ用の潤滑剤が充填されている。このクラッチ用の潤滑剤は、ウォームホイール収容部35に充填されている、ウォーム軸13とウォームホイール14との噛み合い部分を潤滑するための潤滑剤とは異なり、極めて高い粘度を示す。そのため、くさび空間129から漏れ出したクラッチ用の潤滑剤が、ウォーム軸13とウォームホイール14との噛み合い部分に達すると、当該噛み合い部分の潤滑状態に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、シール部材80によって、くさび空間129からの流出を防止している。
ところで、仮に、クラッチ機構15をハウジングH(図2参照)の内部空間S(図2参照)に収容配置する構成でなく、インターミディエイトシャフトとステアリングコラムとの間にクラッチ機構を配置する場合を考える。具体的には、特開2013−92191号公報に記載の駆動力伝達機構を、インターミディエイトシャフト17(図1参照)とステアリングコラム5(図1等参照)との間に介装する場合を考える。この場合には、当該駆動力伝達機構は大型の装置であるため、駆動力伝達機構のハウジングが、ステアリングコラム5の下部取付構造体73と干渉するおそれがある。また、駆動力伝達機構のハウジングの分だけ、インターミディエイトシャフト17を下側へずらす必要があり、このことに起因して、インターミディエイトシャフト17のジョイント部の折れ角によるトルク変動(角度伝達誤差)が生じるおそれがある。
以上により、この発明の一実施形態によれば、クラッチ機構15がハウジングHの内部空間Sに収容配置されている。第1の減速機12およびトルクセンサ21を収容するハウジングHの内部にクラッチ機構15が収容配置されているので、クラッチ機構15が周辺部材(たとえば下部取付構造体73)と干渉することを回避できる。
また、ハウジングHの内部において、駆動力発生部53が、軸方向Xに関し、ウォームホイール14に対し機構部51と反対側に配置されている。すなわち、クラッチ機構15がウォームホイール14を挟んで分割配置されている。そのため、ハウジングHの内部空間Sを有効に活用してクラッチ機構15を配置できる。これにより、ステアリング装置1の大型化を抑制できる。
ゆえに、クラッチ機構15を周辺部材と干渉することなく車両に搭載でき、しかも、大型化が抑制されたステアリング装置1を提供できる。
また、作動部材55が、ウォームホイール14の挿通穴33を挿通して機構部51へと延びる。作動部材55は、駆動力発生部53からの駆動力を受けて機構部51を動作させる。これにより、ウォームホイール14に対し機構部51と反対側に配置された駆動力発生部53(ソレノイド54)からの電磁力を用いて、機構部51を良好に動作させることができる。
また、ツーウェイクラッチ106は、ローラ対123が内輪104および外輪105の双方に係合する状態で締結状態になる。この締結状態から、第1の押圧部材131を周方向他方Y2に向けて移動させ、かつ第2の押圧部材132を周方向一方Y1に向けて移動させることにより(互いに反対向きの所定の方向に移動させることにより)、ローラ対123が互いに接近する方向に押圧移動させることができる。これにより、内輪104および外輪105に対するローラ対123の係合が外れ、その結果、ツーウェイクラッチ106が解放状態になる。これにより、操舵軸10と出力軸16とを連結/連結解除する機構部51を、ツーウェイクラッチ106により実現できる。
また、くさび部152の第1および第2の摺接面153,154が、軸方向他方X2に向かうに従って周方向Yの両側に互いに離れる部分を含むように設けられている。そのため、作動部材55を軸方向一方X1へ移動させることにより、第1の押圧部材131を周方向他方Y2に向けて移動させ、かつ第2の押圧部材132を周方向一方Y1に向けて移動させることができ、これにより、ローラ対123を互いに接近する方向に押圧移動させることができる。ゆえに、ツーウェイクラッチ106の締結状態と解放状態との切換えを良好に行うことができる。
また、クラッチ機構が搭載されない構成のステアリング装置では、内軸29とインターミディエイトシャフト17とが接続されている。これに対し、ステアリング装置1では、内軸29に同軸かつ相対回転可能に設けられる出力軸16が、インターミディエイトシャフト17と接続されている。そのため、ステアリング装置1におけるインターミディエイトシャフト17の座標(車両内での位置)を、クラッチ機構が搭載されない構成のステアリング装置の場合と同等とすることができる。そのため、インターミディエイトシャフト17のジョイント部の折れ角によるトルク変動(角度伝達誤差)の発生を回避できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施することもできる。
例えば、前述の実施形態では、くさび部を、くさび部材126の軸方向Xの途中部に設けたが、図14や図15のように、くさび部材126の軸方向Xの端部に設けても良い。この場合、くさび部材126の端部を加工すればよいので製造が容易である。
また、前述の実施形態では、第1の摺接面153、第2の摺接面154、第1の被摺接面138および第2の被摺接面143を曲面を含む面で構成したが、これらを平坦面(傾斜面)を含む面で構成しても良い。つまり、平坦面(傾斜面)と曲面との組合せや、平坦面(傾斜面)のみで構成しても良い。また、摺接面(153、154)および被摺接面(138、143)の一方を曲面で構成し、他方を平坦面(傾斜面)で構成しても良いし、両方を曲面あるいは平坦面(傾斜面)のみで構成しても良い。
また、前述の実施形態では、ソレノイド54を、軸方向Xに関しトルクセンサ21とずらして配置しているが、ソレノイド54とトルクセンサ21とが軸方向Xに少なくとも一部が重なっていてもよい。この場合、トルクセンサ21の外周を取り囲むようにソレノイド54が配置される。また、ソレノイド54は、センサハウジング26に収容される。
また、前述の実施形態では、駆動力発生部53(図2参照)が、コイル56a(図2参照)への通電により生じる電磁力を利用して機構部51を駆動するものとして説明したが、図10に示すように、駆動力発生部53が油圧を用いて駆動力を発生するものであってもよい。
図10に示す第1の変形例では、駆動力発生部53は、油圧発生部201を含む。油圧発生部201は、ハウジングH(たとえばセンサハウジング26)の一部を液密的に封止して油室202を区画している。駆動力発生部53は、油室202内の油圧を制御する油圧制御回路203をさらに含む。この場合、作動部材55Aは、軸方向Xに延びる部材であり、軸方向Xに移動可能に設けられている。作動部材55AとハウジングH(たとえばセンサハウジング26)とは相対摺動可能に設けられている。作動部材55Aの軸方向一方X1側の端部55Aaが、油室202内に嵌め合わされている。油室202の周面202aと作動部材55Aとの間は、円環状のシール204によって封止されている。
油圧発生部201は、ハウジングHの内部空間Sのうち、上方の第2の空間Sbに収容配置されている。すなわち、油圧発生部201は、軸方向Xに関し、ウォームホイール14(図2参照)に対し機構部51(図2参照)と反対側に配置されている。
油圧制御回路203の制御により油室202から作動部材55Aに油圧力が与えられ、この油圧力を受けて、作動部材55Aが軸方向Xに移動する。作動部材55Aの軸方向Xの移動により、クラッチ機構15(図2等参照)が締結状態と解除状態との間で切り換えられる。
作動部材55Aの軸方向他方X2側は図10には図示していないが、前述の実施形態と同様(図7、9参照)に、軸方向Xに一体移動可能に、かつ操舵軸10まわりに相対回転可能に設けられた第1の円環部材(第1の円環部材58に相当)と、第2の円環部材(第2の円環部材59に相当)とを含む。
この第1の変形例では、駆動力発生部53として油圧発生部201を用いることにより、駆動力発生部53としてソレノイド54(図2参照)を採用する場合と比較して、トルクセンサ21や第1の軸受50への電磁場の影響を回避できる。
また、図11に示すように、駆動力発生部53がモータの出力を用いて駆動力を発生するものであってもよい。
図11に示す第2の変形例では、駆動力発生部53は、電動駆動部301を含む。また、作動部材55Bは、軸方向Xに延びる部材であり、軸方向Xに移動可能に設けられている。電動駆動部301は、第2のモータ302と、第2のモータ302の出力回転を減速させる第2の減速機303とを含む。第2の減速機303は、第2のモータ302の出力軸302aに設けられた駆動ギア304と、作動部材55Bに一体移動可能に設けられ、駆動ギア304に噛み合う従動ギア305とを含む。第2のモータ302は、ベース306を介して、ウォームホイール14の芯金部31に一体回転可能に設けられている。
第2の減速機303は、第2のモータ302の出力回転を増幅すると共に、当該出力回転を、作動部材55Bの軸方向Xの駆動力に変換する。駆動ギア304は、たとえばピニオン歯であってよい。また、従動ギア305は、たとえば軸方向Xに沿って並んだラック歯であってよい。
電動駆動部301は、ハウジングHの内部空間Sのうち、上方の第2の空間Sbに収容配置されている。すなわち、電動駆動部301は、軸方向Xに関し、ウォームホイール14に対し機構部51(図2参照)と反対側に配置されている。
第2のモータ302の回転駆動により、作動部材55Bが軸方向Xに移動する。作動部材55Bの軸方向Xの移動により、クラッチ機構15(図2等参照)が締結状態と解除状態との間で切り換えられる。
この第2の変形例では、駆動力発生部53として電動駆動部301を用いることにより、駆動力発生部53としてソレノイド54(図2等参照)を採用する場合と比較して、トルクセンサ21や第1の軸受50への電磁場の影響を回避できる。
また、第2のモータ302への給電停止時には、出力軸302aが回転しないので、エネルギー(電力)を用いることなく、クラッチ機構15(図2等参照)を締結状態または解除状態に維持しておくことができる。
また、機構部51がツーウェイクラッチ106(図3等参照)であるとして説明したが、機構部51は、図12に示すような摩擦クラッチ402を含む構成であってもよい。図12では、摩擦クラッチ402として単板クラッチを用いる場合を図示しているが、多板クラッチ等の他のクラッチを採用してもよい。
また、機構部51は、図13に示すような噛み合いクラッチ403を含む構成であってもよい。
また、内輪104が出力軸16に連結されており、かつ外輪105が内軸29(操舵軸10)に連結されているとして説明したが、内輪104が内軸29(操舵軸10)に連結されており、かつ外輪105が出力軸16に連結されていてもよい。
また、センサハウジング26および減速機ハウジング25によってハウジングHが構成されているとしたが、ハウジングHは少なくとも減速機ハウジング25を含む構成であればよい。すなわち、ハウジングHは第1の減速機12を収容していれば、トルクセンサ21を収容していなくてもよい。したがって、トルクセンサが設けられていないステアリング装置にも本願発明を適用できる。
また、操舵軸10に一体回転可能に取り付けられる歯車として、ウォームホイール14を例に挙げたが、歯車として他の種類の歯車を採用できる。
その他、本発明は特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…ステアリング装置、3…操舵部材、10…操舵軸、14…ウォームホイール(歯車)、15…クラッチ機構、16…出力軸、33…挿通穴、51…機構部、53…駆動力発生部、55…作動部材、56a…コイル、61…挿通ピン(第2の部材、延伸部)、104…内輪、105…外輪、106…ツーウェイクラッチ、123…ローラ対、126…くさび部材(第1の部材)、129…くさび空間、131…第1の押圧部材、132…第2の押圧部材、153…第1の摺接面、154…第2の摺接面、402…摩擦クラッチ、403…噛み合いクラッチ、A…転舵機構、H…ハウジング、S…内部空間

Claims (12)

  1. 操舵部材が連結された操舵軸と、
    前記操舵軸に一体回転可能に取り付けられた歯車と、
    少なくとも前記歯車を収容するハウジングと、
    前記操舵軸に対して相対回転可能に設けられ、転舵機構に連結された出力軸と、
    前記操舵軸と前記出力軸とを連結/連結解除可能に設けられた機構部と、前記機構部が前記操舵軸と前記出力軸とを連結/連結解除するための駆動力を生じさせる駆動力発生部とを有し、前記操舵軸と前記出力軸との間の動力伝達を断続するクラッチ機構とを含み、
    前記クラッチ機構は、前記ハウジングの内部空間に収容配置されており、
    当該内部空間において、前記駆動力発生部は、前記操舵軸の軸方向に関し、前記歯車に対し前記機構部と反対側に配置されている、ステアリング装置。
  2. 前記歯車は、当該歯車を厚み方向に貫通する挿通穴を有し、
    前記クラッチ機構は、前記駆動力発生部からの駆動力を受けて前記機構部を作動させるための作動部材をさらに有し、
    前記作動部材は前記挿通穴を挿通して前記機構部へと延びる延伸部を有する、請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記作動部材は、前記機構部を作動させる第1の部材と、前記第1の部材と別部材で設けられ、前記挿通穴を挿通して前記機構部へと延びる前記延伸部を有する第2の部材とを含み、
    前記第1および第2の部材は、前記操舵軸の軸方向に一体移動可能に、かつ前記操舵軸回りに相対回転可能に設けられている、請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記機構部は、ツーウェイクラッチを含み、
    前記ツーウェイクラッチは、
    前記操舵軸および前記出力軸の一方に同軸に連結された内輪と、
    前記操舵軸および前記出力軸の他方に同軸に連結され、前記内輪に相対回転可能に設けられた外輪と、
    前記内輪の外周と前記外輪の内周とによって形成されるくさび空間に、前記内輪の周方向に並んで配置されるローラ対と、
    前記操舵軸回りに相対回転可能に設けられ、互いに反対向きの所定の方向に移動されることにより、前記ローラ対を互いに接近する方向に押圧する一対の押圧部材とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  5. 前記クラッチ機構は、前記駆動力発生部からの駆動力を受けて前記機構部を作動させるための作動部材をさらに有し、
    前記作動部材は、前記操舵軸の軸方向に移動可能に設けられ、当該軸方向への移動により、前記一対の押圧部材を互いに反対方向に移動させる、請求項4に記載のステアリング装置。
  6. 前記一対の押圧部材は、第1および第2の押圧部材を含み、
    前記作動部材は、前記第1の押圧部材に摺接する第1の摺接面と、前記第2の押圧部材に摺接する第2の摺接面とを含み、
    前記第1および第2の摺接面は、前記操舵軸の所定の軸方向に向かうに従って周方向の両側に互いに離れる部分を含むように設けられている、請求項5に記載のステアリング装置。
  7. 前記内輪が前記出力軸に連結されており、かつ前記外輪が前記操舵軸に連結されており、
    前記外輪は、前記歯車に固定されている、請求項4〜6のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  8. 前記機構部は、摩擦クラッチを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  9. 前記機構部は、噛み合いクラッチを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  10. 前記駆動力発生部は、コイルへの通電により生じる電磁力を利用して前記機構部を駆動する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  11. 前記駆動力発生部は、油圧を用いて前記機構部を駆動する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  12. 前記機構部の内部を封止するシール部材を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のステアリング装置。
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