JP2016537967A5 - - Google Patents

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本発明はさらに、哺乳動物原始的網膜幹細胞(pRSCs)を生産するためのキットであって、フィーダー細胞、フィーダー馴化培地若しくは血清を含まない化学的に規定された培地中で哺乳動物由来の胚性幹細胞(ESCs)、多能性幹細胞(PSCs)若しくは人工多能性幹細胞(iPSC)を培養するための説明書、並びにWntシグナル伝達若しくはTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤、又はWnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の両方の阻害剤の使用のための説明書を含む、キットを提供する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(primitive retinal stem cells、pRSCs)を生産するためのin vitro方法であって、
(a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清を含まない細胞培養培地中で哺乳動物由来の単離された胚性幹細胞(embryonic stem cells、ESCs)を培養し、単離ESCsの培養物を生産し、増殖させるステップ、及び
(b)そのように増殖させた単離ESCsの培養物を、Wnt又はTGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤の1つ以上と接触させ、(b)の単離ESCsを原始的網膜幹細胞に分化させ、それによって単離哺乳動物pRSCsを生産するステップ
を含む、方法。
(項目2)
単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(pRSCs)を生産するためのin vitro方法であって、
(a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清を含まない細胞培養培地中で哺乳動物由来の単離された多能性幹細胞(pluripotent stem cells、PSCs)を培養し、単離PSCsの培養物を生産し、増殖させるステップ、及び
(b)そのように増殖させた単離PSCsの培養物を、Wnt又はTGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤の1つ以上と接触させ、単離PSCsを原始的網膜幹細胞に分化させ、それによって単離哺乳動物pRSCsを生産するステップ
を含む、方法。
(項目3)
単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(pRSCs)を生産するためのin vitro方法であって、
(a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清を含まない細胞培養培地中で哺乳動物由来の単離された人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells、iPSCs)を培養し、単離iPSCsの培養物を生産し、増殖させるステップ、及び
(b)そのように増殖させた単離iPSCsの培養物を、Wnt又はTGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤の1つ以上と接触させ、単離iPSCsを原始的網膜幹細胞に分化させ、それによって単離哺乳動物pRSCsを生産するステップ
を含む、方法。
(項目4)
ステップ(a)において、そのように生産された単離ESCsの培養物が、単層培養物である、項目1に記載の方法。
(項目5)
ステップ(a)において、そのように生産された単離PSCsの培養物が、単層培養物である、項目2に記載の方法。
(項目6)
ステップ(a)において、そのように生産された単離iPSCsの培養物が、単層培養物である、項目3に記載の方法。
(項目7)
ステップ(b)において、Wnt又はTGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤の1つ以上が、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤の組み合わせである、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目8)
ステップ(a)において、そのように生産された培養物が、ステップ(b)の前にコンフルエンシー近くまで増殖される、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目9)
哺乳動物が、ヒト、サル、クマ、ラット、マウス、ミンク、ウサギ、モルモット、ブタ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウマ又はウシである、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目10)
単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(pRSCs)が、典型的な初期眼領域転写因子であるPAX6、LHX2、RAX、OTX2、SIX3及び/又はSIX6の発現について陽性である、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目11)
幹細胞性因子SOX2、及びSTAT3の発現について陽性である、単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(pRSCs)をさらに含む、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目12)
Ki67の発現について陽性である、単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞をさらに含む、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目13)
Wntシグナル伝達の阻害剤が、以下からなる群から選択されるWntシグナル伝達の小分子阻害剤である、項目1、2又は3に記載の方法:Wnt生産-1の阻害剤(Inhibitor of Wnt Production-1、IWP-1)、Wnt生産-2の阻害剤(Inhibitor of Wnt Production-2、IWP2)、JW55、JW74、オカダ酸、トートマイシン(tautomycin)、SB239063、SB203580、ADP-HPD、2-[4-(4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル]-6-メチルピリミジン-4(3H)-オン、PJ34、カンビノール(cambinol)、スリンダク(sulindac)、3289-8625、ディシェベルド(Dishevelled)タンパク質を阻害するように設計された一連のアナログについてのスキャフォールドA、ディシェベルドタンパク質を阻害するように設計された一連のアナログについてのスキャフォールドB、J01-017a、NSC668036、フィリピン(filipin)、IC261、PF670462、ボスチニブ(Bosutinib)、PHA665752、イマチニブ(Imatinib)、ICG-001、エタクリン酸、エタクリン酸誘導体、PKF115-584、PNU-74654、PKF118-744、CGP049090、PKF118-310、ZTM000990、BC21、GDC-0941、Rp-8-Br-cAMP、LGK974、C59、Ant1.4Br/Ant 1.4CI、ニクロサミド(niclosamide)、アピクラレン(apicularen)、バフィロマイシン(bafilomycin)、XAV939、IWR1、ピルビニウム(pyrvinium)、NSC668036、2,4-ジアミノ-キナゾリン、クエルセチン(quercetin)、及びPKF115-584、並びにそれらの同等物及び組み合わせ。
(項目14)
Wntシグナル伝達の阻害剤が、Wnt生産-2(Wnt Production-2)の小分子阻害剤又はDkk1アナログである、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目15)
Wnt生産-2の小分子阻害剤又はDkk1アナログが、C 22 H 18 N 4 O 2 S 3 の化学式及び以下の化学構造:

を有する、Wnt生産-2の阻害剤(Inhibitor of Wnt Production-2、IWP2;CAS番号686770-61-6)又はN-(6-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-2-[(4-オキソ-3-フェニル-6,7-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)スルファニル]アセトアミドである、項目14に記載の方法。
(項目16)
TGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤が、以下からなる群から選択されるTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤である、項目1、2又は3に記載の方法:SB431542(4-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミド)、A83-01(3-(6-メチル-2-ピリジニル)-N-フェニル-4-(4-キノリニル)-1H-ピラゾール-1-カルボチオアミド)、SJN2511(2-(3-(6-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1,5-ナフチリジン)、D 4476(4-[4-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミド)、LY364947(4-[3-(2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-キノリン)、SB 525334(6-[2-(1,1-ジメチルエチル)-5-(6-メチル-2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-4-イル]キノキサリン)、SD208(2-(5-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-[(4-ピリジル)アミノ]プテリジン)、及びLDN-193189(4-(6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)キノリン)並びにそれらの同等物及び組み合わせ。
(項目17)
TGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤が、トランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)スーパーファミリーI型アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5、及び-7の小分子阻害剤である、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目18)
トランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)スーパーファミリーI型アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5、及び-7の小分子阻害剤が、C 22 H 16 N 4 O 3 の化学式及び以下の化学構造:

を有する、SB431542(CAS番号301836-41-9)又は4-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミドである、項目17に記載の方法。
(項目19)
TGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤が、BMPI型受容体ALK-2及びALK-3の小分子阻害剤又はノギン(noggin)アナログである、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目20)
BMP I型受容体ALK-2及びALK-3の小分子阻害剤又はノギンアナログが、C 25 H 22 N 6 の化学式及び以下の化学構造:

を有する、LDN-193189(CAS番号1062368-24-4)又は4-(6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)キノリンである、項目19に記載の方法。
(項目21)
Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤の組み合わせが、(a)Wnt生産-2の1つ以上の阻害剤又はDkk1アナログ;(b)トランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)スーパーファミリーI型アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5、及び-7の1つ以上の阻害剤; 及び(c)BMPI型受容体ALK-2及びALK-3の1つ以上の阻害剤又はノギンアナログの組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、少なくとも2つのシグナル伝達経路の阻害剤又は好ましくは3つ全てのシグナル伝達経路の阻害剤を含む、項目7に記載の方法。
(項目22)
阻害剤が、小分子である、項目21に記載の方法。
(項目23)
Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の阻害剤の組み合わせが、IWP2(CAS番号686770-61-6)、SB431542(CAS番号301836-41-9)、及びLDN-193189(CAS番号1062368-24-4)の少なくとも2つ、好ましくは3つ全ての組み合わせ、若しくは同等の組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の相乗的阻害を生じるか、又は、IWP2(CAS番号686770-61-6)、SB431542(CAS番号301836-41-9)、及びLDN-193189(CAS番号1062368-24-4)の少なくとも2つ、好ましくは3つ全てを含む組み合わせ、若しくは同等の組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の相乗的阻害を生じる、項目21に記載の方法。
(項目24)
ステップ(a)の培養細胞が、固体支持体上で培養される、項目1、2又は3に記載の方法。
(項目25)
固体支持体が、増殖因子が低減されたMatrigel(登録商標)で被覆されているか、又は増殖因子が低減された基底膜で被覆されている、項目24に記載の方法。
(項目26)
単離された哺乳動物の網膜神経節細胞(retinal ganglion cells、RGCs)を生産するためのin vitro方法であって、
(a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清を含まない細胞培養培地中で哺乳動物由来の単離された原始的網膜幹細胞(pRSCs)を培養し、単離pRSCsの培養物を生産し、増殖させるステップ、及び
(b)そのように培養された単離pRSCsを、Wnt、Notch、又はVEGFRシグナル伝達の阻害剤の1つ以上と接触させ、単離pRSCsを単離哺乳動物RGCsに分化させ、それによって単離哺乳動物RGCsを生産するステップ
を含む、方法。
(項目27)
ステップ(a)において、そのように培養されたpRSCsが、固体支持体上で増殖される、項目26に記載の方法。
(項目28)
固体支持体が、Matrigel(登録商標)又は基底膜で被覆されている、項目27に記載の方法。
(項目29)
Matrigel(登録商標)又は基底膜が、増殖因子が低減されたMatrigel(登録商標)又は増殖因子が低減された基底膜である、項目28に記載の方法。
(項目30)
ステップ(b)において、Wnt、Notch、又はVEGFRシグナル伝達の阻害剤の1つ以上が、Wnt、Notch、及びVEGFRシグナル伝達の阻害剤の組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、少なくとも2つのシグナル伝達経路の阻害剤、又は好ましくは3つ全てのシグナル伝達経路の阻害剤を含む、項目26に記載の方法。
(項目31)
Wnt、Notch、又はVEGFRシグナル伝達の阻害剤が、小分子阻害剤である、項目30に記載の方法。
(項目32)
Wnt、Notch、及びVEGFRシグナル伝達の阻害剤の組み合わせが、それぞれ、IWP2、DAPT、及びPD173074である、項目30に記載の方法。
(項目33)
RGC前駆細胞特異的転写因子遺伝子の上方制御が、BRN3A、BRN3B、ISL-1及びMATH5のいずれか1つ以上を含む、項目26に記載の方法。
(項目34)
培養物中の細胞の大部分が、RGCsのマーカーについて陽性である、項目26に記載の方法。
(項目35)
培養物中の細胞の大部分が、RGCsのマーカーについて陽性であり、さらに、TUJ1及びBRN3について陽性である、項目34に記載の方法。
(項目36)
単離された哺乳動物pRSCsから、単離された哺乳動物光受容細胞を生産する方法であって、
(a)TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5若しくは-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch若しくはWntシグナル伝達の阻害剤の1つ以上、又はヘッジホッグシグナル伝達の活性化因子を含む神経誘導培地中で、目に見える形態的変化又は光受容細胞特異的マーカーの発現なしに、pRSCsを光受容細胞系列の運命に誘導するために十分な時間、哺乳動物由来の解離されたpRSCsを培養し、増殖させるステップ、及び
(b)次いで、レチノイン酸又はタウリン又はその両方を含む神経誘導培地中でステップ(a)のpRSCsを培養し、増殖させ、哺乳動物pRSCsを光受容細胞に分化させ、それによって単離哺乳動物光受容細胞を生産するステップ
を含み、ここで、培養培地は、フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清を含まない、方法。
(項目37)
単離された哺乳動物pRSCsから、単離された哺乳動物光受容細胞を生産する方法であって、
(a)TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5若しくは-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch若しくはWntシグナル伝達の阻害剤の1つ以上、又はヘッジホッグシグナル伝達の活性化因子を含む神経誘導培地中で、目に見える形態的変化又は光受容細胞特異的マーカーの発現なしに、pRSCsを光受容細胞系列の運命に誘導するために十分な時間、哺乳動物由来の解離されたpRSCsを培養し、増殖させるステップ、及び
(b)ステップ(a)の培養され増殖されたpRSCsを、レチノイン酸又はタウリン又はその両方と接触させ、哺乳動物pRSCsを光受容細胞に分化させ、それによって単離哺乳動物光受容細胞を生産するステップ
を含み、ここで、培養培地は、フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清を含まない、方法。
(項目38)
ステップ(a)において、そのように培養されたpRSCsが、固体支持体上で増殖される、項目37に記載の方法。
(項目39)
固体支持体が、Matrigel(登録商標)又は基底膜で被覆されている、項目38に記載の方法。
(項目40)
Matrigel(登録商標)又は基底膜が、増殖因子が低減されたMatrigel(登録商標)又は増殖因子が低減された基底膜である、項目39に記載の方法。
(項目41)
ステップ(a)において、TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5若しくは-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch若しくはWntシグナル伝達の阻害剤の1つ以上が、TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5及び-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch及びWntシグナル伝達の阻害剤の組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、少なくとも2つのシグナル伝達経路の阻害剤、又は好ましくは4つ全てのシグナル伝達経路の阻害剤を含む、項目36に記載の方法。
(項目42)
ステップ(a)において、TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5若しくは-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch若しくはWntシグナル伝達の阻害剤の1つ以上、又はヘッジホッグシグナル伝達の活性化因子が、TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5及び-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch及びWntシグナル伝達の阻害剤、並びにヘッジホッグシグナル伝達の活性化因子の組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、少なくとも2つのシグナル伝達経路のモジュレーター、又は好ましくは5つ全てのシグナル伝達経路のモジュレーターを含む、項目36に記載の方法。
(項目43)
TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5若しくは-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch若しくはWntシグナル伝達の阻害剤が、小分子阻害剤である、項目36に記載の方法。
(項目44)
ヘッジホッグシグナル伝達の活性化因子が、小分子活性化因子である、項目36に記載の方法。
(項目45)
単離された哺乳動物の光受容細胞が、ロドプシン、ロドプシンキナーゼ及び/又はトランスムチン(transmucin)について陽性である、項目36に記載の方法。
(項目46)
TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5及び-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch及びWntシグナル伝達の阻害剤、並びにヘッジホッグシグナル伝達の活性化因子が、それぞれ、SB431542(CAS番号301836-41-9)若しくは同等物、CHIR99021(CAS番号252917-06-9)若しくは同等物、DAPT(CAS番号208255-80-5)若しくは同等物、IWP2(CAS番号686770-61-6)若しくは同等物、並びにプルモルファミン(purmorphamine、CAS番号483367-10-8)若しくは同等物である、項目42に記載の方法。
(項目47)
非神経の単離された哺乳動物の網膜色素上皮(retinal pigment epithelium、RPE)又は単離された哺乳動物の網膜色素上皮細胞(retinal pigment epithelial cells、RPEs)を生産する方法であって、
(a)SMADシグナル伝達阻害剤の非存在下で、ニコチンアミド又はアクチビンA又はその両方を含む培養培地中で、pRSCsをRPEの運命に向かって方向付けるために十分な時間、哺乳動物由来のpRSCsを培養するステップ、及び
(b)N1培地補充物、タウリン、ヒドロコルチゾン、又はトリヨードサイロニンの1つ以上を含む培養培地中でpRSCsを培養し、哺乳動物pRSCsを哺乳動物RPE又はRPEsに分化させ、それによって単離哺乳動物RPE又はRPEsを生産するステップ
を含み、ここで、培地は、フィーダー細胞又はフィーダー馴化培地を含まない、方法。
(項目48)
非神経の単離された哺乳動物の網膜色素上皮(RPE)又は単離された哺乳動物の網膜色素上皮細胞(RPEs)を生産する方法であって、
(a)SMADシグナル伝達阻害剤の非存在下で、ニコチンアミド又はアクチビンA又はその両方を含む培養培地中で、pRSCsをRPEの運命に向かって方向付けるために十分な時間、哺乳動物由来のpRSCsを培養するステップ、及び
(b)ステップ(a)においてそのように培養されたpRSCsを、N1培地補充物、タウリン、ヒドロコルチゾン、又はトリヨードサイロニンの1つ以上と接触させ、哺乳動物pRSCsを哺乳動物RPE又はRPEsに分化させ、それによって単離哺乳動物RPE又はRPEsを生産するステップを含み、ここで、培地は、フィーダー細胞又はフィーダー馴化培地を含まない、方法。
(項目49)
ステップ(b)において、培養培地が、N1培地補充物、タウリン、ヒドロコルチゾン、及びトリヨードサイロニンを含むRPE培養培地である、項目47に記載の方法。
(項目50)
RPE又はRPEsが、RPE65を発現し、多角形のアクチン束を形成し、着色している、項目47に記載の方法。
(項目51)
哺乳動物が、ヒト、サル、クマ、ラット、マウス、ミンク、ウサギ、モルモット、ブタ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウマ又はウシである、項目26、36又は47に記載の方法。
(項目52)
単離されたヒト胚性幹細胞(human embryonic stem cells、hESCs)から、単離されたヒト原始的網膜幹細胞(human primitive retinal stem cells、hpRSCs)を生産する方法であって、
(a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清の非存在下で、培養培地を用いて、固体支持体上で、ほぼコンフルエントに、好ましくは80%の細胞コンフルエンスまで増殖するために十分な時間、単離されたhESCsを培養するステップ、
(b)そのように増殖させた単離hESCsを、塩基性FGF(bFGF)を含む培養培地中で、固体支持体上で、ほぼコンフルエントに増殖するために十分な時間培養するステップ、
(c)ステップ(b)の単離hESCsを、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤の組み合わせを含む培養培地を用いて、固体支持体上で培養し、単離hESCsを単離ヒト原始的網膜幹細胞に分化させ、それによって単離hpRSCsを生産するステップ
を含む、方法。
(項目53)
単離されたヒト多能性幹細胞(human pluripotent stem cells、hPSCs)から、単離されたヒト原始的網膜幹細胞(hpRSCs)を生産する方法であって、
(a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清の非存在下で、培養培地を用いて、固体支持体上で、ほぼコンフルエントに、好ましくは80%の細胞コンフルエンスまで増殖するために十分な時間、単離されたhPSCsを培養するステップ、
(b)そのように増殖させた単離hPSCsを、bFGFを含む培養培地中で、固体支持体上で、ほぼコンフルエントに増殖するために十分な時間培養するステップ、
(c)ステップ(b)の単離hPSCsを、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤の組み合わせを含む培養培地を用いて、固体支持体上で培養し、単離hPSCsを単離ヒト原始的網膜幹細胞に分化させ、それによって単離hpRSCsを生産するステップ
を含む、方法。
(項目54)
単離されたヒト人工多能性幹細胞(iPSCs)から、単離されたヒト原始的網膜幹細胞(hpRSCs)を生産する方法であって、
(a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清の非存在下で、培養培地を用いて、固体支持体上で、ほぼコンフルエントに、好ましくは80%の細胞コンフルエンスまで増殖するために十分な時間、単離されたヒトiPSCsを培養するステップ、
(b)そのように増殖させた単離iPSCsを、bFGFを含む培養培地中で、固体支持体上で、ほぼコンフルエントに増殖するために十分な時間培養するステップ、
(c)ステップ(b)の単離iPSCsを、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤の組み合わせを含む培養培地を用いて、固体支持体上で培養し、単離iPSCsを単離ヒト原始的網膜幹細胞に分化させ、それによって単離hpRSCsを生産するステップ
を含む、方法。
(項目55)
ステップ(c)におけるWnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の小分子阻害剤の組み合わせが、SB431542、LDN193189及びIWP2(Inhibitor of Wnt Production-2)の組み合わせ; SB 431542、ノギンアナログ及びIWP2の組み合わせ;SB 431542、LDN193189及びDkk1アナログの組み合わせ; SB 431542、ノギンアナログ及びDkk1アナログの組み合わせ; 又は同等の組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の相乗的阻害を生じる、項目52、53又は54に記載の方法。
(項目56)
SB431542、LDN193189及びIWP2の組み合わせが、5μM SB 431542、50nM LDN193189、及び1μM IWP2を含む、項目55に記載の方法。
(項目57)
単離されたヒト原始的網膜幹細胞が、典型的な初期眼領域転写因子であるPAX6、LHX2、RAX、OTX2、SIX3及び/又はSIX6について陽性である、項目52、53又は54に記載の方法。
(項目58)
単離されたヒト原始的網膜幹細胞が、幹細胞性因子SOX2、ネスチン及びSTAT3の発現について陽性である、項目57に記載の方法。
(項目59)
単離されたヒト原始的網膜幹細胞が、Ki67の発現について陽性である、項目57に記載の方法。
(項目60)
単離されたヒト原始的網膜幹細胞が、hESC多能性転写因子、POU5F1(OCT4)、NANOG、KLF4及びTBX3遺伝子、並びにTBF-βスーパーファミリー遺伝子、SMAD1、SMAD2、TGFβ3、BMP3、BMP6、TGFBR1、及びBMPR1Bの転写を下方制御する、項目57に記載の方法。
(項目61)
単離されたヒト原始的網膜幹細胞が、BMP4及びBMP7遺伝子、並びにOTX2、RAX、LHX2、SIX3、及びSIX6遺伝子の転写を上方制御する、項目57に記載の方法。
(項目62)
単離されたヒト原始的網膜幹細胞が、SRFP1及びFZD3/5遺伝子の転写について陽性である、項目57に記載の方法。
(項目63)
単離されたヒト原始的網膜幹細胞が、FGFR1/2/3及びFGF3/8遺伝子の転写を下方制御する、項目57に記載の方法。
(項目64)
それを必要とする被験体において網膜変性を治療する方法であって、被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼に原始的網膜幹細胞(pRSCs)を投与するステップを含み、ここで、pRSCsは、項目1、2、3、52、53又は54に記載の方法によって生産される、方法。
(項目65)
それを必要とする被験体において網膜変性を治療する方法であって、
(a)被験体から組織又は細胞サンプルを得て、それから単離されたPSCs又は単離されたiPSCsを得る又は生産するステップ、
(b)ステップ(a)の単離PSCs又は単離iPSCsを培養して、項目2、3、53又は54に記載の方法によって生産するステップ、
(c)被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼に原始的網膜幹細胞(pRSCs)を投与するステップ
を含む、方法。
(項目66)
それを必要とする被験体において網膜変性を治療する方法であって、被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼に哺乳動物の網膜神経節細胞(RGCs)を投与するステップを含み、ここで、RGCsは、項目26に記載の方法によって生産される、方法。
(項目67)
それを必要とする被験体において網膜変性を治療する方法であって、
(a)被験体から組織又は細胞サンプルを得て、それから単離されたPSCs又は単離されたiPSCsを得る又は生産するステップ、
(b)ステップ(a)の単離PSCs又は単離iPSCsを培養して、単離されたpRSCsを生産するステップ、
(c)単離pRSCsを培養して、項目26に記載の方法によって、単離されたRGCsを生産するステップ、
(d)被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼にステップ(c)において生産された哺乳動物の網膜神経節細胞(RGCs)を投与するステップ
を含む、方法。
(項目68)
それを必要とする被験体において網膜変性を治療する方法であって、被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼に哺乳動物の光受容細胞を投与するステップを含み、ここで、哺乳動物の光受容細胞は、項目36に記載の方法によって生産される、方法。
(項目69)
それを必要とする被験体において網膜変性を治療する方法であって、
(a)被験体から組織又は細胞サンプルを得て、それから単離されたPSCs又は単離されたiPSCsを得る又は生産するステップ、
(b)ステップ(a)の単離PSCs又は単離iPSCsを培養して、単離されたpRSCsを生産するステップ、
(c)単離pRSCsを培養して、項目36に記載の方法によって、単離された光受容細胞を生産するステップ、
(d)被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼にステップ(c)の光受容細胞を投与するステップ
を含む、方法。
(項目70)
それを必要とする被験体において網膜変性を治療する方法であって、被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼に哺乳動物の網膜色素上皮細胞(RPEs)を投与するステップを含み、ここで、RPEsは、項目47に記載の方法によって生産される、方法。
(項目71)
それを必要とする被験体において網膜変性を治療する方法であって、
(a)被験体から組織又は細胞サンプルを得て、それから単離されたPSCs又は単離されたiPSCsを得る又は生産するステップ、
(b)ステップ(a)の単離PSCs又は単離iPSCsを培養して、単離されたpRSCsを生産するステップ、
(c)単離pRSCsを培養して、項目47に記載の方法によって、単離されたRPEsを生産するステップ、
(d)被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼にステップ(c)の哺乳動物網膜色素上皮細胞(RPEs)を投与するステップ
を含む、方法。
(項目72)
投与される細胞が、マトリックス中若しくはマトリックス上にあるか、又は患者の眼への送達の前にマトリックスと混合される、項目64、66、68又は70に記載の方法。
(項目73)
マトリックスが、ヒアルロン酸及びメチルセルロース又はそれらの塩及び誘導体を含むヒドロゲル、生物活性ペプチドを有するヒドロゲル、移植された細胞の細胞生存性及び機能性を支持する生体適合性ポリマー又は生体適合性ポリマーの混合物、人工生体模倣マトリックス、組織又は器官マトリックスに由来する生物活性足場、コラーゲン及びN-イソプロピルアクリルアミド共重合体に基づく生合成細胞外マトリックス、又は接着分子、ラミン、増殖因子、形態形成因子、生存因子、細胞外マトリックス若しくは断片若しくは誘導体で修飾された足場である、項目72に記載の方法。
(項目74)
細胞が、被験体の眼の網膜下腔に投与される、項目64、66、68又は70に記載の方法。
(項目75)
網膜変性が、加齢性黄斑変性症(AMD)、シュタルガルト黄斑ジストロフィー、網膜色素変性症、緑内障、網膜血管疾患、眼のウイルス感染、又は公知若しくは未知の病因の他の網膜/眼疾患と関連している、項目64、66、68又は70に記載の方法。
(項目76)
被験体がヒトである、項目64、66、68又は70に記載の方法。
(項目77)
それを必要とする被験体にヒト原始的網膜幹細胞(hpRSCs)を送達する方法であって、被験体の網膜下腔に、マトリックス溶液又はマトリックス懸濁液中の、項目1、2、3、52、53又は54に記載の方法によって生産されたhpRSCsの単層又は単一細胞懸濁液を投与するステップを含む、方法。
(項目78)
それを必要とする被験体にヒト原始的網膜神経節細胞(hpRGCs)を送達する方法であって、被験体の網膜下腔に、マトリックス溶液又はマトリックス懸濁液中の、項目26に記載の方法によって生産されたhpRGCsの単層又は単一細胞懸濁液を投与するステップを含む、方法。
(項目79)
それを必要とする被験体にヒト光受容細胞を送達する方法であって、被験体の網膜下腔に、マトリックス溶液又はマトリックス懸濁液中の、項目36に記載の方法によって生産されたヒト光受容細胞の単層又は単一細胞懸濁液を投与するステップを含む、方法。
(項目80)
それを必要とする被験体にヒト網膜色素上皮細胞(hRPEs)を送達する方法であって、被験体の網膜下腔に、マトリックス溶液又はマトリックス懸濁液中の、項目47に記載の方法によって生産されたhRPEsの単層又は単一細胞懸濁液を投与するステップを含む、方法。
(項目81)
網膜変性に罹患している被験体を治療するための多能性幹細胞の使用に関連した腫瘍を予防又は阻害する方法であって、
(a)単離された多能性幹細胞を、項目1、2、3、52、53又は54に記載の方法によって、単離されたヒト原始的網膜幹細胞(hpRSCs)に誘導するステップ、及び
(b)(a)において生産された単離hpRSCsを被験体に投与するステップ
を含む、方法。
(項目82)
網膜変性に罹患している被験体を治療するための多能性幹細胞の使用に関連した腫瘍を予防又は阻害する方法であって、
(a)単離された多能性幹細胞を、項目1、2、3、52、53又は54に記載の方法によって、単離されたhPRSCsに誘導するステップ、
(b)単離hPRSCsを、項目26に記載の方法によって生産される、単離されたヒト原始的網膜神経節細胞(hpRGCs)にさらに分化させるステップ、
(c)(b)において生産された単離hpRGCsを被験体に投与するステップ
を含む、方法。
(項目83)
網膜変性に罹患している被験体を治療するための多能性幹細胞の使用に関連した腫瘍を予防又は阻害する方法であって、
(a)単離された多能性幹細胞を、項目1、2、3、52、53又は54に記載の方法によってhPRSCsに誘導するステップ、
(b)単離hPRSCsを、項目36に記載の方法によって生産される、単離されたヒト光受容細胞にさらに分化させるステップ、
(c)(b)において生産された単離ヒト光受容細胞を被験体に投与するステップ
を含む、方法。
(項目84)
網膜変性に罹患している被験体を治療するための多能性幹細胞の使用に関連した腫瘍を予防又は阻害する方法であって、
(a)単離された多能性幹細胞を、項目1、2、3、52、53又は54に記載の方法によってhPRSCsに誘導するステップ、
(b)単離hPRSCsを、項目47に記載の方法によって生産される、単離されたヒト網膜色素上皮(hRPE)又は単離されたヒト網膜色素上皮細胞(hRPEs)にさらに分化させるステップ、
(c)(b)において生産された単離hRPE又はhRPEsを被験体に投与するステップ
を含む、方法。
(項目85)
網膜変性が、加齢性黄斑変性症(AMD)、シュタルガルト黄斑ジストロフィー、網膜色素変性症、緑内障、網膜血管疾患、眼のウイルス感染、又は公知若しくは未知の病因の他の網膜/眼疾患と関連している、項目81、82、83又は84に記載の方法。
(項目86)
項目1、2、3、52、53又は54に記載の方法によって生産された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(hpRSCs)と好適な担体とを含む組成物。
(項目87)
項目26に記載の方法によって生産された哺乳動物の網膜神経節細胞(RGCs)と好適な担体とを含む組成物。
(項目88)
項目36に記載の方法によって生産された哺乳動物の光受容細胞と好適な担体とを含む組成物。
(項目89)
項目47に記載の方法によって生産された哺乳動物の網膜色素上皮(RPE)又は哺乳動物の網膜色素上皮細胞(RPEs)と好適な担体とを含む組成物。
(項目90)
哺乳動物の原始的網膜幹細胞(pRSCs)を生産するためのキットであって、フィーダー細胞、フィーダー馴化培地若しくは血清を含まない化学的に規定された培地中で哺乳動物由来の胚性幹細胞(ESCs)、多能性幹細胞(PSCs)若しくは人工多能性幹細胞(iPSC)を培養するための説明書、並びにWntシグナル伝達若しくはTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤、又はWnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の両方の阻害剤の使用のための説明書を含む、キット。
(項目91)
Wntシグナル伝達若しくはTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤、又はWnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の両方の小分子阻害剤をさらに含む、項目90に記載のキット。
(項目92)
Wntシグナル伝達の小分子阻害剤が、C 22 H 18 N 4 0 2 S 3 の化学式を有するWnt生産-2の阻害剤(Inhibitor of Wnt Production-2、IWP2;CAS番号686770-61-6)又はN-(6-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-2-[(4-オキソ-3-フェニル-6,7-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)スルファニル]アセトアミドであるか、又はそれを含む、項目91に記載のキット。
(項目93)
TGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤が、トランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)スーパーファミリーI型アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5、及び-7の小分子阻害剤である、項目91に記載のキット。
(項目94)
トランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)スーパーファミリーI型アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5、及び-7の小分子阻害剤が、C 22 H 16 N 4 0 3 の化学式を有するSB431542(CAS番号301836-41-9)又は4-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミドであるか、又はそれを含む、項目93に記載のキット。
(項目95)
TGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤が、BMPI型受容体ALK-2及びALK-3の小分子阻害剤又はノギンアナログである、項目91に記載のキット。
(項目96)
BMP I型受容体ALK-2及びALK-3の小分子阻害剤又はノギンアナログが、C 25 H 22 N 6 の化学式を有するLDN-193189(CAS番号1062368-24-4)又は4-(6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)キノリンであるか、又はそれを含む、項目95に記載のキット。
(項目97)
Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の両方の小分子阻害剤が、IWP2(CAS番号686770-61-6)、SB431542(CAS番号301836-41-9)、及びLDN-193189(CAS番号1062368-24-4)の組み合わせ、若しくは同等の組み合わせであり、ここで、この組み合わせは、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の相乗的阻害を生じるか、又は、IWP2(CAS番号686770-61-6)、SB431542(CAS番号301836-41-9)、及びLDN-193189(CAS番号1062368-24-4)を含む組み合わせ、若しくは同等の組合せであり、ここで、この組み合わせは、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の相乗的阻害を生じる、項目91に記載のキット。
(項目98)
哺乳動物に由来する胚性幹細胞(ESCs)、多能性幹細胞(PSCs)又は人工多能性幹細胞(iPSC)をさらに含む、項目90又は91に記載のキット。
(項目99)
化学的に規定された培養培地及び/又は補充物をさらに含む、項目90、91又は98に記載のキット。

Claims (39)

  1. 単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(primitive retinal stem cells、pRSCs)を生産するためのin vitro方法であって、
    (a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清を含まない細胞培養培地中で哺乳動物由来の単離された胚性幹細胞(embryonic stem cells、ESCs)、多能性幹細胞(pluripotent stem cells、PSCs)、又は人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells、iPSCs)を培養し、単離ESCs、PSCs又はiPSCsの培養物を生産し、増殖させるステップ、及び
    (b)そのように増殖させた単離ESCs、PSCs又はiPSCsの培養物を、Wnt又はTGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤の1つ以上と接触させ、(b)の単離ESCs、PSCs又はiPSCsを原始的網膜幹細胞に分化させ、それによって単離哺乳動物pRSCsを生産するステップ
    を含む、方法。
  2. ステップ(a)において、そのように生産された培養物が、ステップ(b)の前にコンフルエンシー近くまで増殖される、請求項に記載の方法。
  3. 哺乳動物が、ヒト、サル、クマ、ラット、マウス、ミンク、ウサギ、モルモット、ブタ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウマ又はウシである、請求項に記載の方法。
  4. 単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(pRSCs)が、典型的な初期眼領域転写因子であるPAX6、LHX2、RAX、OTX2、SIX3及び/又はSIX6の発現について陽性である、請求項に記載の方法。
  5. 幹細胞性因子SOX2、及びSTAT3の発現について陽性である、単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(pRSCs)をさらに含む、請求項に記載の方法。
  6. Ki67の発現について陽性である、単離された哺乳動物の原始的網膜幹細胞をさらに含む、請求項に記載の方法。
  7. Wntシグナル伝達の阻害剤が、以下からなる群から選択されるWntシグナル伝達の小分子阻害剤である、請求項に記載の方法: Wnt生産-1の阻害剤(Inhibitor of Wnt Production-1、IWP-1)、Wnt生産-2の阻害剤(Inhibitor of Wnt Production-2、IWP2)、JW55、JW74、オカダ酸、トートマイシン(tautomycin)、SB239063、SB203580、ADP-HPD、2-[4-(4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル]-6-メチルピリミジン-4(3H)-オン、PJ34、カンビノール(cambinol)、スリンダク(sulindac)、3289-8625、ディシェベルド(Dishevelled)タンパク質を阻害するように設計された一連のアナログについてのスキャフォールドA、ディシェベルドタンパク質を阻害するように設計された一連のアナログについてのスキャフォールドB、J01-017a、NSC668036、フィリピン(filipin)、IC261、PF670462、ボスチニブ(Bosutinib)、PHA665752、イマチニブ(Imatinib)、ICG-001、エタクリン酸、エタクリン酸誘導体、PKF115-584、PNU-74654、PKF118-744、CGP049090、PKF118-310、ZTM000990、BC21、GDC-0941、Rp-8-Br-cAMP、LGK974、C59、Ant1.4Br/Ant 1.4CI、ニクロサミド(niclosamide)、アピクラレン(apicularen)、バフィロマイシン(bafilomycin)、XAV939、IWR1、ピルビニウム(pyrvinium)、NSC668036、2,4-ジアミノ-キナゾリン、クエルセチン(quercetin)、及びPKF115-584、並びにそれらの同等物及び組み合わせ。
  8. Wntシグナル伝達の阻害剤が、Wnt生産-2(Wnt Production-2)の小分子阻害剤又はDkk1アナログである、請求項に記載の方法。
  9. Wnt生産-2の小分子阻害剤又はDkk1アナログが、C22H18N4O2S3の化学式及び以下の化学構造:

    を有する、Wnt生産-2の阻害剤(Inhibitor of Wnt Production-2、IWP2; CAS番号686770-61-6)又はN-(6-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-2-[(4-オキソ-3-フェニル-6,7-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)スルファニル]アセトアミドである、請求項に記載の方法。
  10. TGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤が、以下からなる群から選択されるTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤である、請求項に記載の方法: SB431542(4-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミド)、A83-01(3-(6-メチル-2-ピリジニル)-N-フェニル-4-(4-キノリニル)-1H-ピラゾール-1-カルボチオアミド)、SJN2511(2-(3-(6-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1,5-ナフチリジン)、D 4476(4-[4-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミド)、LY364947(4-[3-(2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-キノリン)、SB 525334(6-[2-(1,1-ジメチルエチル)-5-(6-メチル-2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-4-イル]キノキサリン)、SD208(2-(5-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-[(4-ピリジル)アミノ]プテリジン)、及びLDN-193189(4-(6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)キノリン)並びにそれらの同等物及び組み合わせ。
  11. TGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤が、トランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)スーパーファミリーI型アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5、及び-7の小分子阻害剤である、請求項に記載の方法。
  12. トランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)スーパーファミリーI型アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5、及び-7の小分子阻害剤が、C22H16N4O3の化学式及び以下の化学構造:

    を有する、SB431542(CAS番号301836-41-9)又は4-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミドである、請求項1に記載の方法。
  13. TGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤が、BMPI型受容体ALK-2及びALK-3の小分子阻害剤又はノギン(noggin)アナログである、請求項に記載の方法。
  14. BMP I型受容体ALK-2及びALK-3の小分子阻害剤又はノギンアナログが、C25H22N6の化学式及び以下の化学構造:

    を有する、LDN-193189(CAS番号1062368-24-4)又は4-(6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)キノリンである、請求項1に記載の方法。
  15. Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の阻害剤の1つ以上が、(a)Wnt生産-2の1つ以上の阻害剤又はDkk1アナログ;(b)トランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)スーパーファミリーI型アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5、及び-7の1つ以上の阻害剤; 及び(c)BMPI型受容体ALK-2及びALK-3の1つ以上の阻害剤又はノギンアナログの組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、少なくとも2つのシグナル伝達経路の阻害剤又は好ましくは3つ全てのシグナル伝達経路の阻害剤を含む、請求項に記載の方法。
  16. 阻害剤が、小分子である、請求項15に記載の方法。
  17. Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の阻害剤の組み合わせが、IWP2(CAS番号686770-61-6)、SB431542(CAS番号301836-41-9)、及びLDN-193189(CAS番号1062368-24-4)の少なくとも2つ、好ましくは3つ全ての組み合わせ、若しくは同等の組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の相乗的阻害を生じるか、又は、IWP2(CAS番号686770-61-6)、SB431542(CAS番号301836-41-9)、及びLDN-193189(CAS番号1062368-24-4)の少なくとも2つ、好ましくは3つ全てを含む組み合わせ、若しくは同等の組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の相乗的阻害を生じる、請求項15に記載の方法。
  18. ステップ(a)の培養細胞が、固体支持体上で培養される、請求項に記載の方法。
  19. 固体支持体が、増殖因子が低減されたMatrigel(登録商標)で被覆されているか、又は増殖因子が低減された基底膜で被覆されている、請求項18に記載の方法。
  20. 単離された哺乳動物の網膜神経節細胞(retinal ganglion cells、RGCs)を生産するためのin vitro方法であって、
    (a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清を含まない細胞培養培地中で請求項1に記載の単離された原始的網膜幹細胞(pRSCs)を培養し、単離pRSCsの培養物を生産し、増殖させるステップ、及び
    (b)そのように培養された単離pRSCsを、Wnt、Notch、又はVEGFRシグナル伝達の阻害剤の1つ以上と接触させ、単離pRSCsを単離哺乳動物RGCsに分化させ、それによって単離哺乳動物RGCsを生産するステップ
    を含む、方法。
  21. ステップ(a)において、そのように培養されたpRSCsが、固体支持体上で増殖される、請求項2に記載の方法。
  22. 固体支持体が、Matrigel(登録商標)又は基底膜で被覆されている、請求項2に記載の方法。
  23. Matrigel(登録商標)又は基底膜が、増殖因子が低減されたMatrigel(登録商標)又は増殖因子が低減された基底膜である、請求項2に記載の方法。
  24. Wnt、Notch、又はVEGFRシグナル伝達の阻害剤が、小分子阻害剤である、請求項0に記載の方法。
  25. Wnt、Notch、及びVEGFRシグナル伝達の阻害剤の1つ以上が、それぞれ、IWP2、DAPT、及びPD173074である、請求項0に記載の方法。
  26. 単離された哺乳動物pRSCsから、単離された哺乳動物光受容細胞を生産する方法であって、
    (a)TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5若しくは-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch若しくはWntシグナル伝達の阻害剤の1つ以上、又はヘッジホッグシグナル伝達の活性化因子を含む神経誘導培地中で、目に見える形態的変化又は光受容細胞特異的マーカーの発現なしに、pRSCsを光受容細胞系列の運命に誘導するために十分な時間、哺乳動物由来の解離されたpRSCsを培養し、増殖させるステップ、及び
    (b)レチノイン酸又はタウリン又はその両方を含む神経誘導培地中でステップ(a)のpRSCsを培養し、増殖させ、哺乳動物pRSCsを光受容細胞に分化させ、それによって単離哺乳動物光受容細胞を生産するステップ
    を含み、ここで、培養培地は、フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清を含まない、方法。
  27. TGF-β/アクチビン受容体様キナーゼALK-4、-5及び-7、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)、Notch及びWntシグナル伝達の阻害剤、並びにヘッジホッグシグナル伝達の活性化因子が、それぞれ、SB431542(CAS番号301836-41-9)若しくは同等物、CHIR99021(CAS番号252917-06-9)若しくは同等物、DAPT(CAS番号208255-80-5)若しくは同等物、IWP2(CAS番号686770-61-6)若しくは同等物、並びにプルモルファミン(purmorphamine、CAS番号483367-10-8)若しくは同等物である、請求項26に記載の方法。
  28. 非神経の単離された哺乳動物の網膜色素上皮(retinal pigment epithelium、RPE)又は単離された哺乳動物の網膜色素上皮細胞(retinal pigment epithelial cells、RPEs)を生産する方法であって、
    (a)SMADシグナル伝達阻害剤の非存在下で、ニコチンアミド又はアクチビンA又はその両方を含む培養培地中で、pRSCsをRPEの運命に向かって方向付けるために十分な時間、哺乳動物由来のpRSCsを培養するステップ、及び
    (b)N1培地補充物、タウリン、ヒドロコルチゾン、又はトリヨードサイロニンの1つ以上を含む培養培地中でpRSCsを培養し、哺乳動物pRSCsを哺乳動物RPE又はRPEsに分化させ、それによって単離哺乳動物RPE又はRPEsを生産するステップ
    を含み、ここで、培地は、フィーダー細胞又はフィーダー馴化培地を含まない、方法。
  29. 単離されたヒト胚性幹細胞(human embryonic stem cells、hESCs)、ヒト多能性幹細胞(human pluripotent stem cells、hPSCs)、又はヒト人工多能性幹細胞(iPSCs)から、単離されたヒト原始的網膜幹細胞(human primitive retinal stem cells、hpRSCs)を生産する方法であって、
    (a)フィーダー細胞、フィーダー馴化培地又は血清の非存在下で、培養培地を用いて、固体支持体上で、ほぼコンフルエントに、好ましくは80%の細胞コンフルエンスまで増殖するために十分な時間、単離されたhESCs、hPSCs又はiPSCsを培養するステップ、
    (b)そのように増殖させた単離hESCs、hPSCs又はiPSCsを、塩基性FGF(bFGF)を含む培養培地中で、固体支持体上で、ほぼコンフルエントに増殖するために十分な時間培養するステップ、
    (c)ステップ(b)の単離hESCs、hPSCs又はiPSCsを、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤の組み合わせを含む培養培地を用いて、固体支持体上で培養し、単離hESCs、hPSCs又はiPSCsを単離ヒト原始的網膜幹細胞に分化させ、それによって単離hpRSCsを生産するステップ
    を含む、方法。
  30. ステップ(c)におけるWnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の小分子阻害剤の組み合わせが、SB431542、LDN193189及びIWP2(Inhibitor of Wnt Production-2)の組み合わせ; SB 431542、ノギンアナログ及びIWP2の組み合わせ;SB 431542、LDN193189及びDkk1アナログの組み合わせ; SB 431542、ノギンアナログ及びDkk1アナログの組み合わせ; 又は同等の組み合わせであり、ここで、該組み合わせは、Wnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達活性の相乗的阻害を生じる、請求項29に記載の方法。
  31. 原始的網膜幹細胞(pRSCs)を含む、網膜変性の治療を必要とする被験体において網膜変性を治療するための組成物であって、前記組成物が、被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼に投されることを特徴とし、ここで、pRSCsは、請求項に記載の方法によって生産される、組成物
  32. 哺乳動物の網膜神経節細胞(RGCs)を含む、網膜変性の治療を必要とする被験体において網膜変性を治療するための組成物であって、前記組成物が、被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼に投されることを特徴とし、ここで、RGCsは、請求項2に記載の方法によって生産される、組成物
  33. 哺乳動物の光受容細胞を含む、網膜変性の治療を必要とする被験体において網膜変性を治療するための組成物であって、前記組成物が、被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼に投されることを特徴とし、ここで、哺乳動物の光受容細胞は、請求項6に記載の方法によって生産される、組成物
  34. 哺乳動物の網膜色素上皮細胞(RPEs)を含む、網膜変性の治療を必要とする被験体において網膜変性を治療するための組成物であって、前記組成物が、被験体における網膜変性を治療するために十分な量で、被験体の眼に投されることを特徴とし、ここで、RPEsは、請求項28に記載の方法によって生産される、組成物
  35. 請求項に記載の方法によって生産された哺乳動物の原始的網膜幹細胞(hpRSCs)と好適な担体とを含む組成物。
  36. 請求項2に記載の方法によって生産された哺乳動物の網膜神経節細胞(RGCs)と好適な担体とを含む組成物。
  37. 請求項6に記載の方法によって生産された哺乳動物の光受容細胞と好適な担体とを含む組成物。
  38. 請求項28に記載の方法によって生産された哺乳動物の網膜色素上皮(RPE)又は哺乳動物の網膜色素上皮細胞(RPEs)と好適な担体とを含む組成物。
  39. 請求項1に記載の哺乳動物の原始的網膜幹細胞(pRSCs)を生産するためのキットであって、フィーダー細胞、フィーダー馴化培地若しくは血清を含まない化学的に規定された培地中で哺乳動物由来の胚性幹細胞(ESCs)、多能性幹細胞(PSCs)若しくは人工多能性幹細胞(iPSC)を培養するための説明書、並びにWntシグナル伝達若しくはTGF-β/BMPシグナル伝達の小分子阻害剤、又はWnt及びTGF-β/BMPシグナル伝達の両方の阻害剤の使用のための説明書を含む、キット。

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