JP2016528499A - H.ピロリ感染の検出方法 - Google Patents

H.ピロリ感染の検出方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、被験体においてH.ピロリ感染を検出する方法であって、該方法が該被験体に由来する試料中でFliDに対する免疫応答を検出することを含み、該免疫応答が抗FliD抗体を含む、方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、ヘリコバクター感染、更に特にH.ピロリ(H. pylori)感染を検出する方法、バイオマーカーとしての免疫応答の使用、バイオマーカーとしてのヘリコバクタータンパク質の使用、バイオマーカーとしてのヘリコバクタータンパク質をコードする核酸の使用、及びヘリコバクター感染、更に特にH.ピロリ感染を検出する方法に使用するキットに関する。
微好気性、グラム陰性のラセン菌であるヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)(H.ピロリ)は、世界人口のおよそ半分に定着しており(colonizing)、ヒト特異的な胃病原菌とされている(非特許文献1)。感染した個体の大多数は無症候性の慢性胃炎を発症する。しかしながら、一部の被験体では、感染は慢性胃炎、消化性潰瘍、及び萎縮症を引き起こし、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、胃腺癌、及び胃原発性非ホジキンリンパ腫の発症に重要な役割を果たす(非特許文献2)。
世界保健機関は、H.ピロリを1級発癌性物質に分類し(非特許文献3)、発癌の直接的な証拠が動物モデルにおいて実証された(非特許文献4、非特許文献5)。H.ピロリの根絶はヒトにおいて胃癌を予防することができる(非特許文献6)。高い胃癌リスクを伴う集団において、検査及び治療の戦略が検討されてきた(非特許文献7)。しかしながら、かかるアプローチは、特に社会経済的地位がより低い国々に対する効率的で手頃なスクリーニングシステムの欠如により阻まれている。これらの国々では、血清学的検査のみが適用可能であり、その大半が性能不良に悩まされるか、又は十分な確認ができない。H.ピロリの血清学について、既知の記載された幾つかの特異的な単一マーカーが存在する。これらの因子は多くの診断アプローチに適用されてきたが、これらの因子のほとんど全てがH.ピロリ診断に不適格とする著しい制限を有する。例えば、サイトトキシン関連タンパク質(CagA)は非常に特徴が明らかなH.ピロリタンパク質である。CagAはcag-PAI(サイトトキシン関連遺伝子病原性アイランド)にコードされ、発癌タンパク質として説明される(非特許文献8、非特許文献9)。また、このタンパク質は免疫原性の高い抗原であり、そのため血清学的検査のマーカーに頻繁に採用される。CagA陽性株に感染した個体は胃十二指腸疾患を発症するリスクがより高いことから、CagA陽性をH.ピロリの病原性の指標として使用することができる。しかしながら、H.ピロリ株のサブグループのみがCagA陽性であるため、CagAは単一のマーカーとしては不適格である。さらに、CagA陽性は、H.ピロリが根絶された患者が長年に亘ってCagAに対する抗体を維持することから、活動性感染の証明ではない(非特許文献10)。したがって、陽性を確認するために血清学的検査では、CagAは常に他の好適な抗原と組合せなければならない。別の特徴が明らかなH.ピロリタンパク質は空胞化サイトトキシン(VacA)である。VacAは、H.ピロリの上清又は精製タンパク質に暴露された細胞において空胞化を誘導すると報告された(非特許文献11)。vacA遺伝子は、アミノ末端シグナル配列及びカルボキシ末端フラグメントが分泌の間タンパク質分解性に切断され、六量体に凝集して孔を形成する88 kDaの分子質量を有する活性タンパク質をもたらす、140 kDaのプロトキシンをコードする(非特許文献12)。このタンパク質は2つの異なる領域からなる。シグナル配列(s1a、s1b、s2)及び中間領域(m1、m2)は、いずれも細胞毒性活性を調節すると考えられる高度な対立遺伝子変異である(非特許文献13)。VacAの高度な多様性は、このタンパク質を血清学的検査に不適格とする。
別の特徴が明らかなH.ピロリタンパク質であるGroELは、ストレス条件下で多くのタンパク質の適切な折り畳みに必要な分子シャペロンのファミリーに属する(非特許文献14)。異なる研究では、このタンパク質が種々のH.ピロリ株間で高度に保存され、その血清陽性は感染患者においてCagAより更に高かったことが示された(非特許文献15、非特許文献16)。また、本発明者らによって行われた研究では、GroELに対する陽性の血清状態は対応対照と比較してドイツ人の胃癌患者により頻繁に見られたことが観察された(未発表データ)。また、GroELに対する抗体は、H.ピロリ感染の疾患関連の喪失後により長く存続する可能性があることが示唆される。そのため、GroELは現在又は過去の感染のいずれかの好適なマーカーであり、また感染の一掃によるH.ピロリ関連の胃癌リスクの過小評価を克服するのに役立つ可能性がある(非特許文献17)。
Michetti, et al., 1999 Suganuma, et al., 2001 Goto, et al., 1999 Honda, et al., 1998 T. Watanabe, et al., 1998 Uemura, et al., 2001 Yamaoka, et al., 1998 Franco, et al., 2005 Murata-Kamiya, et al., 2007 Fusconi, et al., 1999 Cover & Blaser, 1992 Montecucco & de Bernard, 2003 Atherton, et al., 1995 Dunn, et al., 1992 Macchia, et al., 1993 Suerbaum, et al., 1994 Gao et al., 2009
したがって、本発明の基礎をなす課題は、高感度及び/又は高特異度でH.ピロリ感染を検出する方法の提供であった。本発明の基礎をなす別の課題は、特に集団ベースのアプローチにおいて、従来技術のアッセイと比較してより少ない偽陽性及びより少ない偽陰性の結果をもたらすアッセイの提供であった。本発明の基礎をなす更なる課題は、かかる方法及びかかるアッセイをそれぞれ実施するための手段を提供することであった。本発明の基礎をなすより更なる課題は、H.ピロリに感染した患者に対するバイオマーカーであって、該バイオマーカーが、好ましくは他の細菌、並びに任意のタンパク質、ペプチド、又は特にかかるタンパク質及びペプチドをコードする核酸分子といかなる交差反応性も示さない、H.ピロリに感染した患者に対するバイオマーカーを提供することであった。
本発明の基礎をなすこれら及び他の課題は、添付の独立項の主題によって解決される。好ましい実施の形態は、添付の従属項から理解され得る。
また、本発明の基礎をなすこれら及び他の課題は、以下の実施の形態によって解決される。
実施の形態1:被験体においてヘリコバクター感染、より好ましくはH.ピロリ感染を検出する方法であって、該被験体に由来する試料中でFliDに対する免疫応答を検出することを含む、方法。
実施の形態2:FliDに対する免疫応答が上記被験体に由来する試料において検出される場合、その被験体がヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染に罹っているか、又はその被験体が過去にヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を経験している、実施の形態1に記載の方法。
実施の形態3:FliDに対する免疫応答が上記被験体に由来する試料において検出されない場合、その被験体はヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染に罹っていない、実施の形態1又は2に記載の方法。
実施の形態4:FliDに対する免疫応答が上記被験体に由来する試料において検出されない場合、その被験体は過去にヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を経験している、実施の形態1又は2に記載の方法。
実施の形態5:上記FliDに対する免疫応答がFliDに対する抗体応答、好ましくは抗FliD抗体応答である、実施の形態1〜4のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態6:FliDに対する上記免疫応答がFliDに対する抗体応答であり、FliDに対する該抗体応答がIgG抗体及びIgA抗体を含む群から選択される少なくとも1つの抗FliD抗体を含む、実施の形態5に記載の方法。
実施の形態7:FliDに対する上記免疫応答が抗FliD抗体応答であり、該抗FliD抗体応答がIgG抗体及びIgA抗体を含む群から選択される少なくとも1つの抗FliD抗体を含む、実施の形態5に記載の方法。
実施の形態8:上記被験体がFliDを発現するヘリコバクター、好ましくはH.ピロリに感染している、実施の形態1〜7のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態9:上記被験体が免疫抑制された被験体とは異なり、好ましくは上記被験体が免疫抑制療法下にある被験体とは異なる、実施の形態1〜8のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態10:ヘリコバクター、好ましくはH.ピロリの1又は複数の抗原を検出することを更に含む、実施の形態1〜9のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態11:ヘリコバクター、好ましくはH.ピロリの上記1又は複数の抗原がCagA、VacA、GroEL、Hp 0231、JHp 0940、及びHtrAを含む群から選択される、実施の形態10に記載の方法。
実施の形態12:上記試料とFliD又はそのフラグメントとを反応させることを含む、実施の形態1〜11のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態13:上記試料と全長FliDとを反応させることを含む、実施の形態12に記載の方法。
実施の形態14:FliDに対する上記免疫応答がFliDと相互作用することができる少なくとも1つの液性化合物と、FliDと相互作用することができる細胞性化合物とを含み、該少なくとも1つの液性化合物及び/又は細胞性化合物がFliDと相互作用し、好ましくはFliDと相互作用する上記少なくとも1つの液性化合物及び/又は細胞性化合物がFliDと相互作用生成物を形成する、実施の形態12又は13に記載の方法。
実施の形態15:FliDに対する上記免疫応答がFliDに対する抗体応答であり、FliDに対する該抗体応答がFliDと相互作用生成物を形成する、実施の形態14に記載の方法。
実施の形態16:FliDに対する上記免疫応答が抗FliD抗体応答であり、該抗FliD応答がFliDと相互作用生成物を形成する、実施の形態14に記載の方法。
実施の形態17:FliDに対する上記免疫応答が少なくとも1つの抗FliD抗体を含み、該抗FliD抗体がFliDと相互作用生成物を形成する、実施の形態14に記載の方法。
実施の形態18:上記相互作用生成物が検出される、実施の形態14〜17のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態19:上記相互作用生成物が直接的に検出される、実施の形態18に記載の方法。
実施の形態20:上記相互作用生成物が間接的に検出される、実施の形態18に記載の方法。
実施の形態21:上記検出がELISA又はラインイムノアッセイによって生じる、実施の形態1〜20のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態22:上記検出がラテラルフローアッセイによって生じる、実施の形態1〜20のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態23:上記試料が血清、血漿、及び全血を含む群から選択される、実施の形態1〜22のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態24:上記被験体がヒトであり、ヘリコバクター感染がH.ピロリ感染である、実施の形態1〜23のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態25:上記試料と反応されるFliDがH.ピロリに由来するFliDである、実施の形態24に記載の方法。
実施の形態26:上記FliDが配列番号1によるアミノ酸配列を含む、実施の形態25に記載の方法。
実施の形態27:上記被験体がブタであり、ヘリコバクター感染がヘリコバクター・スイス(Helicobactersuis)感染である、実施の形態1〜23のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態28:上記試料と反応されるFliDがH.スイス(H. suis)に由来するFliDである、実施の形態27に記載の方法。
実施の形態29:上記FliDが配列番号3によるアミノ酸配列を含む、実施の形態28に記載の方法。
実施の形態30:上記被験体がネコであり、ヘリコバクター感染がヘリコバクター・フェリス(Helicobacterfelis)感染である、実施の形態1〜23のいずれか一つに記載の方法。上記ネコはイエネコ、ヤマネコ、小型ネコ及び大型ネコを含む群から選択されることが好ましい。
実施の形態31:上記試料と反応されるFliDがH.フェリス(H. felis)に由来するFliDである、実施の形態30に記載の方法。
実施の形態32:上記FliDが配列番号5によるアミノ酸配列を含む、実施の形態31に記載の方法。
実施の形態33:ヒトにおけるヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を検出する方法の感度が90 %超及び/又は97 %以下である、実施の形態1〜32のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態34:ヒトにおけるヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を検出する方法の特異度が90 %超及び/又は99 %以下である、実施の形態1〜33のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態35:バイオマーカーとしての被験体におけるFliDに対する免疫応答の使用。
実施の形態36:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーである、実施の形態35の使用。
実施の形態37:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーであり、上記被験体がヒトであり、ヘリコバクターがH.ピロリである、実施の形態35又は36に記載の使用。
実施の形態38:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーであり、上記被験体がブタであり、ヘリコバクターがH.スイスである、実施の形態35又は36に記載の使用。
実施の形態39:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーであり、上記被験体がネコであり、ヘリコバクターがH.フェリスである、実施の形態35又は36に記載の使用。
実施の形態40:上記バイオマーカーが効果予測バイオマーカー(predictive biomarker)である、実施の形態35〜39のいずれか一つに記載の使用。
実施の形態41:上記免疫応答がFliDに対する抗体応答である、実施の形態35〜40のいずれか一つに記載の使用。
実施の形態42:上記免疫応答がFliDに対する抗FliD抗体応答である、実施の形態35〜41のいずれか一つに記載の使用。
実施の形態43:FliD又はそのフラグメントと、少なくとも1つの更なる構成要素とを含むキット。
実施の形態44:上記少なくとも1つの更なる構成要素がバッファー、固相、及び使用説明書を含む群から選択される、実施の形態43に記載のキット。
実施の形態45:FliDが全長FliDである、実施の形態43又は44に記載のキット。
実施の形態46:FliDがアミノ酸配列を含み、該アミノ酸配列が配列番号1によるアミノ酸配列、配列番号3によるアミノ酸配列、及び配列番号5によるアミノ酸配列を含む群から選択される、実施の形態43又は44に記載のキット。
実施の形態47:上記キットが被験体におけるヘリコバクター感染を検出する方法における使用に適しているか、又は使用するためのものである、実施の形態43〜46のいずれか一つに記載のキット。
実施の形態48:上記キットが実施の形態1〜34のいずれか一つに記載の方法における使用に適しているか、又は使用するためのものである、実施の形態47に記載のキット。
実施の形態49:被験体においてヘリコバクター感染、より好ましくはH.ピロリ感染を検出する方法であって、該被験体に由来する試料においてFliDを検出することを含む、方法。
実施の形態50:FliDが上記被験体に由来する試料において検出される場合、その被験体がヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染に罹っているか、又はその被験体が過去にヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を経験している、実施の形態49に記載の方法。
実施の形態51:FliDが上記被験体に由来する試料において検出されない場合、その被験体はヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染に罹っていない、実施の形態49又は50に記載の方法。
実施の形態52:FliDが上記被験体に由来する試料において検出されない場合、その被験体は過去にヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を経験している、実施の形態49〜51のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態53:上記被験体がFliDを発現するヘリコバクター、好ましくはH.ピロリに感染している、実施の形態49〜52のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態54:ヘリコバクター、好ましくはH.ピロリの1又は複数の抗原を検出することを更に含む、実施の形態49〜53のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態55:ヘリコバクター、好ましくはH.ピロリの上記1又は複数の抗原がCagA、VacA、GroEL、Hp 0231、JHp 0940、及びHtrAを含む群から選択される、実施の形態54に記載の方法。
実施の形態56:FliDが全長FliD又はそのフラグメントである、実施の形態49〜55のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態57:上記方法が上記試料と相互作用物質とを反応させることを含み、該相互作用物質がFliD又はそのフラグメントと相互作用し、好ましくは上記相互作用物質がFliD又はそのフラグメントと特異的に相互作用する、実施の形態49〜56のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態58:上記相互作用物質が全長FliD又はFliDのフラグメントと相互作用している、実施の形態57に記載の方法。
実施の形態59:上記相互作用物質が抗体、アプタマー、及びシュピーゲルマーを含む群から選択される、実施の形態57又は58に記載の方法。
実施の形態60:上記相互作用物質が抗体であり、該抗体がモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体である、実施の形態59に記載の方法。
実施の形態61:上記相互作用物質と上記試料に存在するFliDとが相互作用生成物を形成する、実施の形態56〜60のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態62:上記相互作用生成物が検出される、実施の形態61に記載の方法。
実施の形態63:上記相互作用生成物が直接的に検出される、実施の形態62に記載の方法。
実施の形態64:上記相互作用生成物が間接的に検出される、実施の形態62に記載の方法。
実施の形態65:上記検出がELISA又はラインイムノアッセイによって生じる、実施の形態49〜64のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態66:上記検出がラテラルフローアッセイによって生じる、実施の形態49〜63のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態67:FliDが質量分析によって検出される、実施の形態49〜56のいずれか一つによる方法。
実施の形態68:質量分析がLC-ESI-MS/MS、MALDI-MS、タンデムMS、TOF/TOF、TOF-MS、TOF-MS/MS、トリプル四重極MS、及びトリプル四重極MS/MSを含む群から選択される、実施の形態67による方法。
実施の形態69:上記被験体がヒトであり、ヘリコバクター感染がH.ピロリ感染である、実施の形態49〜68のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態70:上記FliDがH.ピロリに由来する、実施の形態69に記載の方法。
実施の形態71:上記FliDが配列番号1によるアミノ酸配列を含む、実施の形態70に記載の方法。
実施の形態72:上記被験体がブタであり、ヘリコバクター感染がヘリコバクター・スイス感染である、実施の形態49〜68のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態73:上記FliDがH.スイスに由来する、実施の形態72に記載の方法。
実施の形態74:上記FliDが配列番号3によるアミノ酸配列を含む、実施の形態73に記載の方法。
実施の形態75:上記被験体がネコであり、ヘリコバクター感染がヘリコバクター・フェリス感染である、実施の形態49〜68のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態76:上記FliDがH.フェリスに由来する、実施の形態75に記載の方法。
実施の形態77:上記FliDが配列番号5によるアミノ酸配列を含む、実施の形態76に記載の方法。
実施の形態78:上記試料が便、血清、血漿、及び全血を含む群から選択され、好ましくは上記試料が便である、実施の形態49〜77のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態79:バイオマーカーとしてのFliDの使用。
実施の形態80:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる被験体の感染に対するバイオマーカーである、実施の形態79の使用。
実施の形態81:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーであり、上記被験体がヒトであり、ヘリコバクターがH.ピロリである、実施の形態79又は80に記載の使用。
実施の形態82:FliDが配列番号1によるアミノ酸配列を含む、実施の形態81に記載の使用。
実施の形態83:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーであり、上記被験体がブタであり、ヘリコバクターがH.スイスである、実施の形態80又は81に記載の使用。
実施の形態84:FliDが配列番号3によるアミノ酸配列を含む、実施の形態83に記載の使用。
実施の形態85:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーであり、上記被験体がネコであり、ヘリコバクターがH.フェリスである、実施の形態80又は81に記載の使用。
実施の形態86:FliDが配列番号5によるアミノ酸配列を含む、実施の形態85に記載の使用。
実施の形態87:上記バイオマーカーが効果予測バイオマーカーである、実施の形態79〜86のいずれか一つに記載の使用。
実施の形態88:FliD又はそのフラグメントと相互作用することができる相互作用物質と、少なくとも1つの更なる構成要素とを含むキット。
実施の形態89:上記少なくとも1つの更なる構成要素がバッファー、固相、及び使用説明書を含む群から選択される、実施の形態88に記載のキット。
実施の形態90:上記相互作用物質がFliD又はそのフラグメントと特異的に相互作用することができる、実施の形態89に記載のキット。
実施の形態91:上記相互作用物質が抗体、アプタマー、及びシュピーゲルマーを含む群から選択される、実施の形態88〜90のいずれか一つに記載のキット。
実施の形態92:上記キットが被験体におけるヘリコバクター感染を検出する方法における使用に適しているか、又は使用するためのものである、実施の形態88〜91のいずれか一つに記載のキット。
実施の形態93:上記キットが実施の形態49〜78のいずれか一つに記載の方法における使用に適しているか、又は使用するためのものである、実施の形態92に記載のキット。
実施の形態94:被験体においてヘリコバクター感染、より好ましくはH.ピロリ感染を検出する方法であって、該被験体に由来する試料においてFliDをコードする核酸を検出することを含む、方法。
実施の形態95:上記核酸がFliDをコードするゲノム核酸、好ましくはDNAである、実施の形態94に記載の方法。
実施の形態96:上記核酸がFliDをコードするmRNAである、実施の形態94に記載の方法。
実施の形態97:上記被験体に由来する試料においてFliDをコードする核酸が検出される場合、上記被験体がヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染に罹っているか、又は上記被験体が過去にヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を経験した、実施の形態94〜96のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態98:上記被験体に由来する試料においてFliDをコードする核酸が検出されない場合、上記被験体はヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染に罹っていない、実施の形態94〜97のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態99:上記被験体に由来する試料においてFliDをコードする核酸が検出されない場合、上記被験体が過去にヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を経験した、実施の形態94〜98のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態100:上記被験体がFliDを発現するヘリコバクター、好ましくはH.ピロリに感染している、実施の形態94〜99のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態101:ヘリコバクター、好ましくはH.ピロリの1又は複数の抗原、及び/又はヘリコバクター、好ましくはH.ピロリの1又は複数の抗原をコードする核酸を検出することを更に含む、実施の形態94〜100のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態102:ヘリコバクター、好ましくはH.ピロリの上記1又は複数の抗原がCagA、VacA、GroEL、Hp 0231、JHp 0940、及びHtrAを含む群から選択される、実施の形態101に記載の方法。
実施の形態103:FliDが全長FliD又はそのフラグメントである、実施の形態94〜102のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態104:上記方法が上記試料と相互作用物質とを反応させることを含み、上記相互作用物質がFliDをコードする核酸と相互作用している、好ましくは上記相互作用物質がFliDをコードする核酸と特異的に相互作用している、実施の形態94〜103のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態105:上記相互作用物質が全長FliD又はFliDのフラグメントをコードする核酸と相互作用している、実施の形態104に記載の方法。
実施の形態106:上記相互作用物質がプライマー及びプローブを含む群から選択される、実施の形態104又は105に記載の方法。
実施の形態107:上記相互作用物質と上記試料中に存在するFliDをコードする核酸とが相互作用生成物を形成する、実施の形態104〜106のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態108:上記相互作用生成物が検出される、実施の形態107に記載の方法。
実施の形態109:上記相互作用生成物が直接的に検出される、実施の形態108に記載の方法。
実施の形態110:上記相互作用生成物が間接的に検出される、実施の形態108に記載の方法。
実施の形態111:FliDをコードする核酸分子が質量分析、PCR、又はハイブリダイゼーションアッセイによって検出される、実施の形態94〜103のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態112:質量分析がLC-ESI-MS/MS、MALDI-MS、タンデムMS、TOF/TOF、TOF-MS、TOF-MS/MS、トリプル四重極MS、及びトリプル四重極MS/MSを含む群から選択される、実施の形態111による方法。
実施の形態113:上記被験体がヒトであり、ヘリコバクター感染がH.ピロリ感染である、実施の形態94〜112のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態114:FliDをコードする上記核酸がH.ピロリに由来する、実施の形態113に記載の方法。
実施の形態115:FliDをコードする上記核酸が配列番号2によるヌクレオチド配列を含む、実施の形態114に記載の方法。
実施の形態116:上記被験体がブタであり、ヘリコバクター感染がヘリコバクター・スイス感染である、実施の形態94〜112のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態117:FliDをコードする上記核酸がH.スイスに由来する、実施の形態116に記載の方法。
実施の形態118:FliDをコードする上記核酸が配列番号4によるヌクレオチド配列を含む、実施の形態117に記載の方法。
実施の形態119:上記被験体がネコであり、ヘリコバクター感染がヘリコバクター・フェリス感染である、実施の形態94〜112のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態120:FliDをコードする上記核酸がH.フェリスに由来する、実施の形態119に記載の方法。
実施の形態121:上記FliDが配列番号6によるアミノ酸配列を含む、実施の形態120に記載の方法。
実施の形態122:上記試料が便、血清、血漿、及び全血を含む群から選択され、好ましくは上記試料が便である、実施の形態94〜121のいずれか一つに記載の方法。
実施の形態123:バイオマーカーとしてのFliDをコードする核酸の使用。
実施の形態124:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる被験体の感染に対するバイオマーカーである、実施の形態123に記載の使用。
実施の形態125:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーであり、上記被験体がヒトであり、ヘリコバクターがH.ピロリである、実施の形態123又は124に記載の使用。
実施の形態126:FliDをコードする上記核酸が配列番号2によるヌクレオチド配列を含む、実施の形態125に記載の使用。
実施の形態127:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーであり、上記被験体がブタであり、ヘリコバクターがH.スイスである、実施の形態124又は125に記載の使用。
実施の形態128:FliDをコードする上記核酸が配列番号4によるヌクレオチド配列を含む、実施の形態127に記載の使用。
実施の形態129:上記バイオマーカーがヘリコバクターによる上記被験体の感染に対するバイオマーカーであり、上記被験体がネコであり、ヘリコバクターがH.フェリスである、実施の形態124又は125に記載の使用。
実施の形態130:FliDをコードする上記核酸が配列番号6によるヌクレオチド配列を含む、実施の形態129に記載の使用。
実施の形態131:上記バイオマーカーが効果予測バイオマーカーである、実施の形態123〜130のいずれか一つに記載の使用。
実施の形態132:FliD又はそのフラグメントをコードする核酸と相互作用することができる相互作用物質と、少なくとも1つの更なる構成要素とを含むキット。
実施の形態133:上記少なくとも1つの更なる構成要素がバッファー、固相、及び使用説明書を含む群から選択される、実施の形態132に記載のキット。
実施の形態134:上記相互作用物質がFliD又はそのフラグメントと特異的に相互作用することができる、実施の形態133に記載のキット。
実施の形態135:上記相互作用物質がプライマー及びプローブを含む群から選択される、実施の形態132〜134のいずれか一つに記載のキット。
実施の形態136:被験体におけるヘリコバクター感染を検出する方法における使用に適しているか、又は使用するためのものである、実施の形態132〜135のいずれか一つに記載のキット。
実施の形態137:実施の形態94〜122のいずれか一つに記載の方法における使用に適しているか、又は使用するためのものである、実施の形態136に記載のキット。
H.ピロリ陽性と組織学的に診断された20名のヒト患者に由来する血清試料中で抗FliD抗体を検出する本発明の方法において使用されるラインアッセイの実施形態を示す図である。Control IgG 対照IgGCutoff カットオフ ヒト被験体に由来する全血試料等の試料中で抗FliD抗体を検出する本発明の方法において使用することができるラテラルフローアッセイの実施形態を示す図であり、上記アッセイの概略的設計を示す。Whole blood 全血Sample pad サンプルパッドα-hIgG-Gold Pad α-hIgG-パッドAntigen (rFliD) 抗原(rFliD)Antigen (rCagA) 抗原(rCagA)Control (hIgG) 対照(hIgG)Nitrocellulose ニトロセルロースAbsorption pad 吸収パッドSample Flow 試料の流れ ヒト被験体に由来する全血試料等の試料中で抗FliD抗体を検出する本発明の方法において使用することができるラテラルフローアッセイの実施形態を示す図であり、上記アッセイの結果を表す。Antigen (rFliD) 抗原(rFliD)Antigen (rCagA) 抗原(rCagA)Control (hIgG) 対照(hIgG) H.ピロリ根絶後の年数に応じたヒトに由来する試料中の抗FliD応答の出現率を示す図である。% Prevalence ofanti FliD positivity in H. pylori patients H.ピロリ患者における抗FliD陽性の%出現率Years aftereradication 根絶後の年数 2つの既知の抗原と比較したFliDに対するROC曲線を示す。ROC curve forFliD compared to two well known Ags 2つの既知の抗原と比較したFliDに対するROC曲線Sensitivity 感度Specificity 特異度 マウス抗FliD血清を使用するが、Tig又はgGTを使用しない様々な濃度におけるFliDを検出するウェスタンブロット分析の結果を示す。 H.ピロリ陽性と診断された患者に由来する代表的な試料に存在するゲノムDNAを検出するためのポリメラーゼ連鎖反応1(PCR1)、ポリメラーゼ連鎖反応2(PCR2)、ポリメラーゼ連鎖反応3(PCR3)、又はポリメラーゼ連鎖反応4(PCR4)を使用する一連のサザンブロットを示す。 培養されたH.ピロリの総タンパク質溶解物を使用して行われた代表的なウェスタンブロット分析の結果を示す。 各ウェスタンブロットの下に示される微生物によってFliDが発現されたかどうかを判定する2つのウェスタンブロット分析の結果を示す。図8(左)1. Protein marker(kD) 1. タンパク質マーカー(kD)2. Rec. FliD (w.strep tag) 2. 組換えFliD(ストレプトアビジンタグ付)3. Rec FliD 3. 組換えFliD4. P. aeruginosa(ATCC 27813) 4. P.アエルギノサ(ATCC 27813)5. Klebsiellaoxytoca (ATCC 700324) 5. クレブシエラ・オキシトカ(ATCC700324)6. Candidaalbicans (ATCC 90028) 6. カンジダ・アルビカンス(ATCC90028)7. Entrococcusfaecalis (ATCC 29292) 7. エンテロコッカス・フェカリス(ATCC29292)8. Strep. Group A(ATCC 19615) 8. A群連鎖球菌(ATCC 19615)9. H. Pylori pos.Ctrl. 9. H.ピロリ陽性対照10. H. Pyloripos. Ctrl. 10 .H.ピロリ陽性対照図8(右)1. Protein marker(kD) 1. タンパク質マーカー(kD)2. Rec. FliD (w.strep tag) 2. 組換えFliD(ストレプトアビジンタグ付)3. Rec FliD 3. 組換えFliD4. S.thyphimurium (ATCC 13311) 4. S.ティフィムリウム(ATCC 13311)5. S. aureus(ATCC 25923) 5. S.アウレウス(ATCC 25923)6. S. epidermidis(ATCC 18228) 6. S.エピデルミデス(ATCC 18228)7. H. influensae(ATCC 49247) 7. H.インフルエンザ(ATCC 49247)8. E. coli (ATCC25922) 8. E.コリ(ATCC 25922)9. H. Pylori pos.Ctrl. 9. H.ピロリ陽性対照10. H. Pyloripos. Ctrl. 10. H.ピロリ陽性対照
本発明者らは、驚いたことに、「フック付随タンパク質2ホモログ」とも呼ばれるタンパク質であるFliDがヘリコバクター、特にH.ピロリによる感染に対するマーカーであることを見出した。また、本発明者らは、驚いたことに、FliD及び/又はFliDに対する免疫応答を、血清学的分析、したがってヘリコバクター、特にH.ピロリの感染について検査される被験体の試料に基づく又はそれを利用する任意の方法及びアッセイのそれぞれにおけるマーカーとして有利に使用することができることを見出し、上記試料を好ましくは血清試料、血漿試料、血液試料及び便試料を含む群から選択する。最後に、本発明者らは、驚いたことに、ヘリコバクター、特にH.ピロリによる患者の感染をFliD及び/又はFliDをコードする核酸に基づいて検出することができることを見出し、FliD及び/又はFliDをコードする核酸を唯一のマーカーとして使用する。換言すれば、本発明によれば、ヘリコバクター、特にH.ピロリによる被験体の感染をFliD及び/又はそれをコードする核酸に単独で基づいて、またそれぞれに依拠して診断することができる。ヘリコバクター、特にH.ピロリに感染した被験体によって産生されたFliDに対する免疫応答についても同様である。本発明によれば、ヘリコバクター、特にH.ピロリによる被験体の感染をFliDに対する免疫応答に単独で基づいて、またそれぞれに依拠して診断することができ、FliDに対する該免疫応答は被験体によって引き起こされる。本発明の更なる利点は、試料を生検等の侵襲的な方法によって採取しなければならない従来技術の多くの検出方法とは対照的に、典型的には非侵襲的な方法により得られた試料においてFliDに対する免疫応答及びFliDそれ自体を検出することができることである。
本発明は、原則として、かかるヘリコバクターがFliDをコードし、及び/又はそれを発現する限り、ヘリコバクターによる被験体の任意の感染の検出に適用され得ることが当業者に認められる。典型的には、例えばヒト等の明確に異なる種の被験体は明確に異なる種のヘリコバクターによって感染されることが当業者に認められる。被験体がヒトである場合、ヘリコバクターの種はH.ピロリである。被験体がブタである場合、ヘリコバクターの種はH.スイスである。被験体が大型ネコを含むネコである場合、ヘリコバクターの種はH.フェリスである。本明細書は、ヒトにおけるH.ピロリの検出に特に言及する。しかしながら、H.ピロリ及びヒトへのかかる言及は単に明確性の理由で行われ、上述のH.ピロリ及びヒトに言及する任意の実施形態は、FliDを発現する任意の他のヘリコバクター、又はそのホモログ、及び任意の他種の被験体に対して同等に適用される。他種の被験体は、ヘリコバクター及びH.ピロリに対してホモログである種による感染に罹る、又はそれに罹る可能性のある任意の哺乳動物であることが好ましく、そのため、かかるヘリコバクター及びH.ピロリにホモログの種はFliD又はそのホモログを発現する。
また、ヘリコバクターの各種について典型的に様々な株が存在することが当業者に認められる。ヘリコバクター種のかかる株のFliDのアミノ酸配列及び核酸配列は、典型的にはアミノ酸配列に関して非常に高い同一性を示す。より具体的には、バイオインフォマティック分析は、FliDアミノ酸配列が全て(200超)のH.ピロリ株において存在し、高度に保存されていることを明らかにした。FliDは、本発明者らによって分析されたおよそ200のH.ピロリ株において97 %の相同性を有する。興味深いことに、部分的な相同性を有する幾つかの他の非ピロリヘリコバクター種以外は、H.ピロリのFliDに対して著しいゲノム又はプロテオミクスの相同性を有する生物は他に知られていない。H.ピロリFliDタンパク質の比較は、ヘリコバクター種におけるFliDの高い保存を示すが、真核生物と同じくほとんどの他の細菌とは明確に異なる。このタンパク質の高い抗原性予測と共にこの分析は、事実上交差反応性がないという推論をもたらす。
さらにFliDは被験体に感染する又は感染することができる事実上全ての株によって発現される。これは、なぜ、本発明によれば、FliDが事実上H.ピロリの各株及び各被験体種に感染するヘリコバクター種の各株の各々に対するマーカーであるのかを説明する。換言すれば、ほぼすべてのH.ピロリ陽性患者がFliDに対する免疫応答を示す。
H.ピロリFliDタンパク質は機能性の鞭毛の集合において必須の要素であり、FliD突然変異株は完全に非運動性である。鞭毛は細菌の運動性において中心的な役割を果たし、コロニー形成及びH.ピロリ感染の持続に必要である(Eaton, et al., 1996)。H.ピロリの運動性は、胃粘膜傷害の病変形成の病原性因子である(S. Watanabe, et al., 1997)。H.ピロリFliD遺伝子は、76 kDaのタンパク質をコードする(Kim, et al., 1999)。H.ピロリのFliDオペロンは、シグマ(28)依存性プロモーターの制御下でFlaG遺伝子、FliD遺伝子、及びFliS遺伝子の順にこれらの遺伝子からなる。H.ピロリに由来するFliDに関する登録は、なかでもそのアミノ酸配列及びH.ピロリの様々な株で見られるFliDの突然変異を提供するP96786.4としてデータバンクUniProtKB/Swiss-Protに見出され得る。
また、被験体におけるヘリコバクター感染、好ましくは被験体におけるH.ピロリ感染を検出する本発明の方法は、該被験体に由来する試料がFliDに対する免疫応答、FliD、又はFliDをコードする核酸を含有するかどうかを判定する工程を含むことを特徴としてもよい。上記被験体物質に由来する試料がFliDに対する抗体応答、FliD、又はFliDをコードする核酸を含有する場合、その被験体はヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染に罹っている、又はその被験体が過去にヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を経験した。
また、被験体におけるヘリコバクター感染、好ましくは被験体におけるH.ピロリ感染を検出する本発明の方法を、被験体がヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染に罹っているかどうか、又はかかる被験体がヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を経験したかどうかがわからない被験体に適用することができる。その限りにおいて(insofar)、本発明は、更なる態様では、被験体がヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染に罹っているか、又は過去にヘリコバクター感染、好ましくはH.ピロリ感染を経験したかどうかを判定する方法に関する。
本明細書で好ましく使用されるように、「過去に」の表現は、被験体から試料が採取された又は採取される時点よりも前の時点を指し、かかる試料は本発明の様々な態様及び/又は様々な実施形態と関連して使用され、特に被験体におけるH.ピロリ及び/又はH.ピロリ感染の検出、並びに被験体におけるH.ピロリ及び/又はH.ピロリ感染の診断に使用される試料である。
本発明の様々な態様、特に本発明の様々な方法と関連して、ヘリコバクター、特にH.ピロリに感染した被験体によって生じる免疫応答及び抗FliD抗体応答は、数年に亘り持続することが当業者に認められる。かかる抗FliD抗体応答の出現率は、典型的にはH.ピロリの根絶の1年後〜5年後で約50 %、H.ピロリの根絶の6年後〜10年後で約50 %、H.ピロリの根絶の11年後〜15年後で約25 %、H.ピロリの根絶の16年後〜20年後で約25 %である。これに照らせば、H.ピロリ陽性と診断された被験体は、試料を採取した時に実際にH.ピロリ感染に罹っている被験体であってもよく、又は過去にH.ピロリ感染を経験し、現在も抗FliD免疫応答を示す被験体であってもよい。
FliDに対する免疫反応がFliDに対する抗体応答、更に特に抗FliD抗体応答である限り、抗FliD抗体は典型的にはIgG又はIgAである。このクラス特異性を、抗体の検出又は抗体の捕捉として抗IgG抗体及び/又は抗IgA抗体を使用する抗FliD抗体の検出に使用することができる。上記被験体がヒトである実施形態では、抗体の検出及び抗体の捕捉は、好ましくは抗ヒトIgG及び/又は抗ヒトIgAである。
本発明の様々な態様、特に本発明の様々な方法と関連して、一実施形態では、上記方法は、1又は複数のヘリコバクター抗原、又はかかるヘリコバクター抗原をコードする核酸の検出を追加的に含み得る。一実施形態では、かかるヘリコバクター抗原はH.ピロリ抗原である。更なる実施形態では、上記抗原は、いずれも当該技術分野において既知であり、例えばYakoob J et al. (Yakoob J et al.,Gut and Liver, Vol. 4, No. 3, September2010, pp. 345-350)、Sabarth N et al.(Sabarth N et al., Infection and Immunity, Nov. 2002, p. 6499-6503)、Gao L. et al.(Gao L. et al., Cancer Res 2009; 69: (15). August 1, 2009, p. 6164-6170)、Yamaoka Y(Yamaoka Y, J Med Microbiol. 2008 May; 57 (Pt5): 545-553)、Miehlke S et al.(Miehlke S et al., Int. J. Cancer: 87, 322-327 (2000))、及びAtherton JC etal. (Atherton JC et al., Current Microbiology, Vol. 39(1999), pp 211-218)に記載されるCagA、VacA、GroEL、Hp 0231、JHp 0940及びHtrAを含む群から選択される。CagAのアミノ酸配列は本明細書では配列番号7として開示され、CagAのヌクレオチド配列は本明細書では配列番号8として開示され、VacAのアミノ酸配列は本明細書では配列番号9として開示され、VacAのヌクレオチド配列は本明細書では配列番号10として開示され、GroELのアミノ酸配列は本明細書では配列番号11として開示され、GroELのヌクレオチド配列は本明細書では配列番号12として開示され、Hp0231のアミノ酸配列は本明細書では配列番号13として開示され、Hp0231のヌクレオチド配列は本明細書では配列番号14として開示され、JHp0940のアミノ酸配列は本明細書では配列番号15として開示され、JHp0940のヌクレオチド配列は本明細書では配列番号16として開示され、HtrAのアミノ酸配列は本明細書では配列番号17として開示され、HtrAのヌクレオチド配列は本明細書では配列番号18として開示される。
被験体に由来する試料においてFliDに対する免疫応答、特に該試料において抗FliD抗体を検出することによって該被験体においてヘリコバクター感染、より好ましくはH.ピロリ感染を検出する本発明の方法の一実施形態では、上記試料とFliDとを反応させる。一実施形態では、上記試料をFliDに添加する。かかる方法においてFliDを固相に付着することが好ましい。FliDを上記試料に添加することも本発明の範囲に含まれる。FliDは溶液として、より好ましくは緩衝溶液等の水溶液として添加されることが好ましい。好ましい実施形態では、FliDを固相に付着させてFliDと試料とを反応させる。上記試料がFliDに対する免疫応答、特に抗FliD抗体を含有する場合に相互作用生成物が形成されるような条件下で、FliDと上記試料とを反応させることが当業者に認められる。かかる相互作用生成物は、FliDと上記試料に含有される抗FliD抗体との複合体であることが好ましい。
そのように形成された相互作用生成物は、直接的又は間接的のいずれかで検出され得る。上記相互作用生成物が直接的に検出される実施形態では、上記試料と反応したFliDは、特に抗FliD抗体との相互作用の場合にFliDの検出を可能とする標識を含む。この種の標識は当業者に知られており、放射性標識、蛍光標識、色素、金のようなナノ粒子、及びセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素を包含する。更なる標識は、抗体の標識化と関連して本明細書で開示されるものである。相互作用生成物が間接的に検出される実施形態では、相互作用生成物を後に検出物質と反応させることにより、該検出物質が上記相互作用生成物と特異的に結合する。かかる検出物質は、抗体、好ましくは抗IgG抗体又は抗IgA抗体であってもよい。典型的には、検出物質それ自体が、検出物質が相互作用生成物に特異的に結合される場合に検出物質の検出を可能とする標識を含んでいることが好ましい。
本発明の方法の好ましい実施態様では、相互作用生成物は、当業者に既知の酵素免疫測定法(enzyme-linked immunosorbent assay:酵素結合免疫吸着検定法)(ELISA)又は放射免疫測定法(Lottspeich F. and Zorbas H (eds.), Bioanalytik, Spektrum AkademischerVerlag Heidelberg, 1998)によって検出される。ELISAは間接ELISA、サンドイッチELISA、競合ELISA、又は非競合ELISAであってもよい。
本発明の方法の代替的な好ましい実施形態では、上記相互作用生成物は、例えば米国特許第6,485,982号に記載されるラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイとしても知られるラテラルフロー試験によって検出される。かかるラテラルフロー試験は、一実施形態では、被験体に由来する試料において抗FliD抗体、及び複数の抗FliD抗体それぞれのいずれかが検出される本発明の任意の方法において使用される。上記ラテラルフロー試験は、説明の目的で、被験体に由来する試料において抗FliD抗体が検出され、該被験体がヒトである本発明の方法の実施形態について記載される。
上記技術は、数枚の多孔性紙又は高分子等の一連のキャピラリーベッドに基づく。これらの構成材は各々、流体、例えば血清、血漿、又は血液を急速に輸送する能力を有する。上記試料パッドはスポンジとして作用し、過剰な試料流体を保持する。上記試料パッドが飽和されると、上記流体は、抗ヒト抗体と結合されたナノ粒子、好ましくは金ナノ粒子が配置される結合パッドへと移動する。上記試料流体がこの要素へと移行すると、上記粒子を溶解し、一つの複合反応において上記試料と結合ミックスとが多孔質構造を通って流れる。このようにして、ナノ粒子の表面に固定化された抗体は、次のキャピラリーマトリクスを通って更に移行する間に、上記試料に存在するヒトIgGに結合する。典型的にはニトロセルロースのように疎水性メンブレンであるこの要素上で、抗原、また同様に対照(例えば、ヒトIgG)が試験ライン又は対照ラインとして固定化される。既に上記結合粒子に結合されたヒトIgGがこれらのラインに到達すると、上記メンブレンに固定化された抗原は特異的に抗体の複合体を捕捉する。しばらくすると抗原部位にますます粒子が蓄積し、簡便に検出可能な着色されたバンドが出現する。一実施形態では、ただ一つの抗原、すなわちFliDが存在する。別の実施形態では、FliDに加えて、1又は複数の抗原が存在する。1又は複数の抗原は、CagA、VacA、GroEL、Hp 0231、JHp 0940及びHtrAを含む群から選択されることが好ましい。
本発明の方法の更なる代替的な好ましい実施形態では、上記相互作用生成物はラインアッセイによって検出される。かかるラインアッセイは、典型的には複数のメンブレン片(strips)を含む。上記メンブレン片上に、高度に精製された組換えFliD又はFliDと相互作用することができる相互作用物質のいずれかを上記メンブレン片に固定する。かかるメンブレン片はニトロセルロースメンブレン製であることが好ましい。上記メンブレン片を試料と共に、好ましくは希釈した血清又は血漿の試料と共にインキュベートし、上記試験メンブレン上で、試料において抗FliD抗体を検出するためFliDが固定化される場合には抗FliD抗体がFliDに結合し、又は試料においてFliDを検出するため抗FliD抗体が固定化される場合にはFliDが抗FliD抗体に結合する。第2の工程では、上記メンブレン片を、セイヨウワサビペルオキシダーゼに連結された抗ヒト免疫グロブリン抗体(IgG及びIgA)とインキュベートする。特異的に結合した抗体をペルオキシダーゼによって触媒される染色反応により検出する。抗原抗体反応が起きて相互作用生成物を形成すると、メンブレン片の対応する箇所に暗いバンドが出現する。一実施形態では、試験メンブレン片の上部末端の対照バンドは、
a)メンブレン片番号の下の反応対照バンドであり、どの試料に対しても必ず反応を示す。
b)結合対照バンド(IgG、IgA)を使用して検出された抗体クラスを確認する。例えば、IgG抗体の検出に試験メンブレン片を使用する場合、IgG複合体が明確なバンドを示す。
c)「カットオフ対照」:このバンドの強度は個別の抗原バンドの反応性の評価を可能とする。
FliDとは異なる抗原を有するこの種の設計を有するアッセイは、基本的には、「recomLine Helicobacter IgG」又は「recomLine Helicobacter IgA」としてドイツ、ノイリートのMikrogen GmbHから入手可能である(http://www.mikrogen.de/uploads/tx_oemikrogentables/dokumente/GARLHP001EN.pdfを参照されたい)。
被験体においてヘリコバクター感染、より好ましくはH.ピロリ感染を検出する本発明の方法の一実施形態では、該方法は、被験体に由来する試料においてFliDを検出することを含み、FliDは、例えばLottspeich F. and Zorbas H(eds.), Bioanalytik, Spektrum Akademischer Verlag Heidelberg, 1998に記載される質量分析によって検出される。
被験体に由来する試料においてFliDを検出する本発明の方法のそれらの実施形態では、FliDと共に相互作用生成物を形成する相互作用物質は、抗体、アプタマー、及びシュピーゲルマーを含む群から選択される1つであることが好ましい。かかる相互作用物質の作製は当業者の技術範囲に含まれる。
Flidに結合する、更に特にFliDに特異的に結合する抗体の作製は当業者に既知であり、例えばHarlow,E., and Lane, D., "Antibodies:A Laboratory Manual," ColdSpring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY,(1988)に記載される。Cesar及びMilsteinのプロトコル及びそれに基づく更なる発展プロトコルに従って製造され得るモノクローナル抗体を本発明と関連して使用してもよいことが好ましい。本明細書で使用される抗体としては、好適でありFliDに結合することができるものであれば限定されないが、完全抗体、Fabフラグメント、Fcフラグメント及び1本鎖抗体等の抗体フラグメント又は誘導体が挙げられる。また、モノクローナル抗体とは別に、ポリクローナル抗体を使用及び/又は作製してもよい。ポリクローナル抗体の作製も当業者に既知であり、例えばHarlow,E., and Lane, D., "Antibodies: A Laboratory Manual," Cold SpringHarbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY, (1988)に記載される。
本発明により使用され得る抗体は、1若しくは幾つかのマーカー又は標識を有してもよい。かかるマーカー又は標識は、上記抗体を検出するのに有用な場合がある。上記マーカー及び標識は、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、金、HRPのような酵素、及びフルオレセインを含む群から選択され、例えばELISA法において使用される。これら及び更なるマーカー、また同様に方法は、例えばHarlow,E., and Lane, D., "Antibodies: A Laboratory Manual," Cold SpringHarbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY,(1988)に記載される。
アプタマーは、1本鎖又は2本鎖のいずれかであるD-核酸であり、標的分子、例えば本発明ではFliDと特異的に相互作用する。アプタマーの製造又は選択は、例えば、欧州特許第0 533 838号に記載される。基本的には、以下の工程を実行する。第1に、核酸の混合物、すなわち潜在的なアプタマーを提供し、各核酸は典型的には幾つか、好ましくは少なくとも8つの連続する無作為なヌクレオチドのセグメントを含む。後にこの混合物を標的分子と接触させることによって、上記核酸(複数の場合がある)が、例えば、候補混合物と比較した標的に対する親和性の増加に基づいて、又は標的に対するより大きな力で標的分子に結合する。その後、結合核酸(複数の場合がある)を上記混合物の残部から分離する。任意で、そのようにして得られた核酸(複数の場合がある)を、例えばポリメラーゼ連鎖反応を使用して増幅する。これらの工程を数回繰り返してもよく、最後には標的に特異的に結合する核酸の比率が増加した混合物をもたらし、その後、その混合物から最終的な結合核酸が任意に選択される。これらの特異的結合核酸(複数の場合がある)をアプタマーと呼ぶ。アプタマーの作製又は同定のため、上記方法の任意の段階において、個別の核酸の混合物の試料を採取して標準的な技法を使用してその配列を決定してもよいことが明らかである。上記アプタマーは、例えばアプタマー作製の分野の当業者に既知の確定した化学基を導入すること等によって安定化され得ることは本発明の範囲に含まれる。かかる修飾として、例えば、そのヌクレオチドの糖部分の2’位におけるアミノ基の導入を挙げることができる。
標的分子としてのFliDに結合する、更に特に特異的に結合するシュピーゲルマーの作製又は製造は、同様の原理に基づく。シュピーゲルマーの製造は、国際公開第98/08856号に記載される。シュピーゲルマーはL-核酸であり、そのことはアプタマーがそうであるようにシュピーゲルマーがD-ヌクレオチドではなくL-ヌクレオチドで構成されることを意味する。シュピーゲルマーは、生物系において非常に高い安定性を有し、アプタマーに匹敵して、対象とする標的分子と特異的に相互作用するという事実を特徴とする。シュピーゲルマーを作製する目的において、D-核酸の異種集団を生じ、この集団を標的分子の鏡像異性体、この場合では例えばFliDの天然のL−エナンチオマーのD-エナンチオマーと接触させる。その後、標的分子の鏡像異性体と相互作用しないそれらのD-核酸を分離する。しかしながら、標的分子の鏡像異性体と相互作用するそれらのD-核酸を分離し、任意に測定し、及び/又は配列決定した後、そのD-核酸から得られた核酸配列情報に基づいて対応するL-核酸を合成する。標的分子の鏡像異性体と相互作用する上述のD-核酸を有する配列に関して同一であるこれらのL-核酸は、その鏡像異性体よりも天然の標的分子と特異的に相互作用する。また、アプタマーの作製方法と同様に、様々な工程を複数回繰り返して、標的分子の鏡像異性体と特異的に相互作用するそれらの核酸を濃縮することができる。
被験体においてヘリコバクター感染、より好ましくはH.ピロリ感染を検出する本発明の方法の実施形態では、該方法は、被験体に由来する試料においてFliDをコードする核酸を検出することを含み、相互作用物質はプライマー及びプローブを含む群から選択される。本明細書に開示されるFliDのヌクレオチド配列及び核酸配列である限り、かかるプライマー及びプローブを設計及び作製することは当業者の技術範囲に含まれる(例えば、Lottspeich F. and Zorbas H(eds.), Bioanalytik, Spektrum Akademischer Verlag Heidelberg, 1998を参照されたい)。かかる相互作用物質を標識化することができる。様々な標識及び相互作用物質を標識化する方法は、当業者に既知である。一実施形態では、上記標識は抗体と関連して上に概説されたものと同じである。
FliD又はそのフラグメントをコードする核酸分子と相互作用物質とを含む相互作用生成物を当業者に既知の、例えばLottspeich F. and Zorbas H(eds.), Bioanalytik, Spektrum Akademischer Verlag Heidelberg, 1998に記載される手段によって検出することができる。
被験体においてヘリコバクター感染、より好ましくはH.ピロリ感染を検出する本発明の方法の一実施形態では、該方法は、被験体に由来する試料において、FliDをコードする核酸を検出することを含み、FliDをコードする該核酸は、例えばLottspeich F. and Zorbas H(eds.), Bioanalytik, Spektrum Akademischer Verlag Heidelberg, 1998に記載される質量分析によって検出される。
被験体においてヘリコバクター感染、より好ましくはH.ピロリ感染を検出する本発明の方法の一実施形態では、該方法は、被験体に由来する試料において、FliDをコードする核酸を検出することを含み、FliDをコードする該核酸は、例えば、Lottspeich F. and Zorbas H(eds.), Bioanalytik, Spektrum Akademischer Verlag Heidelberg, 1998に記載されるその多様な形式のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって検出される。代替的には、FliDをコードする上記核酸は、例えばLottspeich F. and Zorbas H (eds.), Bioanalytik, Spektrum AkademischerVerlag Heidelberg, 1998.に記載されるハイブリダイゼーションアッセイによって検出される。
バイオマーカーに関連する本発明のそれらの態様では、本明細書に定義されるFliDに対する免疫応答、FliD及びFliDをコードする核酸は、各々、本明細書に定義されるFliDに対する上記免疫応答、FliD、及び/又はFliDをコードする核酸の存在が治療されていない患者における組織像及び炎症と相関することから、予測的バイオマーカーとして作用することが認められる。
本明細書において開示が提供される限り、本発明のキットの特定の設計は、当業者の通常の技術範囲に含まれることが当業者に認められる。一実施形態では、上記キットは既製の(ready-for-use)キットである。
本発明の更なる態様では、本発明は、本明細書に開示されるFliDの検出について本明細書に開示される相互作用物質の使用に関する。
本明細書で好ましく使用されるように、試料は被験体からすぐに得られた試料、又は本発明、特に本発明の方法と関連して使用される前に加工された試料である。
本発明の様々な態様及び実施形態の一実施形態では、上記被験体はH.ピロリ感染に罹っていると想定される、又はそれに罹っていると疑われる被験体である。
一実施形態では、ヘリコバクター感染は、ヘリコバクターによる感染、又はヘリコバクターによると想定される若しくはそれが疑われる感染である。
第1の化合物が第2の化合物と特異的に相互作用するか、又はそれと特異的に結合する本発明の任意の態様の一実施形態では、上記第1の化合物と上記第2の化合物との間の相互作用又は結合は、KD 1 μM以下、好ましくはKD 25 μM以下、より好ましくはKD 0.1 μM以下を特徴とする。
FliDが検出されるそれらの実施形態では、FliDは全長FliD又はFliDのフラグメント又は全長FliDのフラグメントのいずれかとして存在し得ることが当業者に理解される。本明細書で好ましく使用されるように、全長FliDは、病原性因子として活性のあるヘリコバクターによって産生されるFliDである。一実施形態では、全長FliDはヘリコバクターによって産生されるFliDであることが好ましい。全長FliDのフラグメントは、全長FliDのアミノ酸配列よりも短いアミノ酸配列のフラグメントであり、FliDの該フラグメントはなおも病原性因子として活性がある。FliDのフラグメントは好ましくはFliDのフラグメント、好ましくは全長FliDのフラグメントであり、該フラグメントは当業者がFliDのフラグメント、特に全長FliDとして該フラグメントを同定し、該フラグメントがFliD、特に全長FliDと異なるタンパク質又はポリペプチドのフラグメントであることを排除することができるように十分に長いアミノ酸配列を有する。好ましい実施形態では、全長FliDは配列番号1によるアミノ酸配列を含む。
FliDをコードする核酸に対して同じ考察及び定義を同等に適用する。そのため、FliDをコードする核酸が検出されるそれらの実施形態では、FliDをコードする核酸は全長FliDをコードする核酸、又はFliDのフラグメントをコードする核酸、又は全長FliDのフラグメントをコードする核酸のいずれかとして存在し得ることが当業者に理解される。本明細書で好ましく使用されるように、全長FliDは、病原性因子として活性のあるヘリコバクターによって産生されるFliDである。一実施形態では、全長FliDはヘリコバクターによって産生されるFliDであることが好ましい。全長FliDのフラグメントは、全長FliDのアミノ酸配列よりも短いアミノ酸配列のフラグメントであり、FliDの該フラグメントは病原性因子としてなおも活性がある。FliDのフラグメントは好ましくはFliDのフラグメント、好ましくは全長FliDのフラグメントであり、該フラグメントは当業者が該フラグメントをFliDのフラグメント、特に全長FliDのフラグメントと同定し、該フラグメントがFliD、特に全長FliDと異なるタンパク質又はポリペプチドのフラグメントであることを排除することができるように十分に長いアミノ酸配列を有する。好ましい実施形態では、全長FliDをコードする核酸は配列番号2によるヌクレオチド配列を含む。
FliDをコードする核酸のフラグメントは、好ましくはFliDをコードする核酸のフラグメント、好ましくは全長FliDをコードする核酸のフラグメントであり、該核酸のフラグメントは当業者が該フラグメントをFliD、特に全長FliDをコードする核酸のフラグメントと同定し、該核酸のフラグメントがFliD、特に全長FliDと異なるタンパク質又はポリペプチドをコードする核酸のフラグメントであることを排除することができるように十分に長いヌクレオチド配列を有する。
また、本明細書に定義されるFliDに対する免疫応答を検出する本発明の方法のそれらの実施形態では、本明細書に定義されるFliDに対する免疫応答と反応するFliDは、被験体に感染している又は被験体に感染していると推定されるヘリコバクター種によって産生されるFliDであってもよく、本明細書に定義される全長FliDであってもよく、又は本明細書に定義されるFliDのフラグメントであってもよいことが当業者に理解される。さらに、一実施形態では、FliDのフラグメントはFliDより短いアミノ酸配列を有するFliDのフラグメントであり、本明細書に定義されるFliDとの特異的な相互作用、又はそれに対する免疫応答の特異的な検出を可能としながら、該フラグメントを本発明の方法の上記実施形態で使用することができる。
本発明と関連して、本発明の様々な態様と関連して及び/又は本発明の様々な実施形態と関連して使用されるFliDをコードする核酸を標的とするプライマーは、配列番号21によるヌクレオチド配列を含むプライマー、配列番号22によるヌクレオチド配列を含むプライマー、配列番号23によるヌクレオチド配列を含むプライマー、配列番号24によるヌクレオチド配列を含むプライマー、配列番号25によるヌクレオチド配列を含むプライマー、配列番号26によるヌクレオチド配列を含むプライマー、配列番号27によるヌクレオチド配列を含むプライマー、及び配列番号28によるヌクレオチド配列を含むプライマーを含む群から選択される1つである。上記プライマーは少なくとも2つのプライマーの組合せであることが好ましく、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号21によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号22によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号21によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号24によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号21によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号26によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号21によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号28によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号23によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号22によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号23によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号24によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号23によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号26によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号23によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号28によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号25によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号22によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号25によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号24によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号25によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号26によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号25によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号28によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号27によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号22によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号27によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号24によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは配列番号27によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号26によるヌクレオチド配列を含むプライマーであるか、又は、
上記少なくとも2つのプライマーのうち第1のプライマーは、配列番号27によるヌクレオチド配列を含むプライマーであり、上記少なくとも2つのプライマーのうち第2のプライマーは配列番号28によるヌクレオチド配列を含むプライマーである。
本明細書において参照される様々な配列番号、該配列番号によって表される化合物、該配列が採取された生物、及び幾つかの場合では、公的に利用可能なデータバンクにおける該配列の対応する登録の表示を以下の表1に要約する。
ヌクレオチド配列がDNA配列、特にcDNA配列である場合は、糖部分がデオキシリボヌクレオチドではなくリボヌクレオチドであるだけで、かかるDNA配列及びcDNA配列と異なるRNA配列もまた本明細書に開示されることが当業者に理解される。
ここで、保護の範囲を制限することを意図しない添付の図面及び以下の実施例により本発明を更に説明する。該図面及び実施例より、更なる特徴、実施形態、及び利益を理解することができる。
実施例1:H.ピロリFliD遺伝子のクローニング
全てのDNA操作をSambrooket al.(Sambrook, et al., 1989)に記載される標準的な条件のもとで行った。簡潔には、テンプレートとしてH.ピロリ株J99に由来するゲノムDNAを使用するPCRによってFliD遺伝子を増幅した。以下のオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用した:5’- CAT ATG GCA ATA GGT TCATTA A-3’(配列番号19)、及び5’- CTC GAG ATT CTT TTT AGCCGC TGC-3’(配列番号20)。このアプローチを使用して、NdeI部位をフォワードプライマーの5’末端に導入し、XhoI部位をリバースプライマーの5’末端に導入した。PCR増幅の後、生成物(2058 bp)をpTZ57R/Tクローニングベクター(リトアニアMBI FermentasのInsTAclone(商標)PCRクローニングキット)に連結した。その後、インサートをPCR及びシーケンシングにより確認し、NdeI及びXhoIの制限酵素を使用してPET-28a(+)発現ベクター(米国のQiagen)にクローニングした。
実施例2:組換えFliDの発現、精製及び認識
E.コリ(E. coli)BL21(米国のQiagen)コンピテント細胞をpET-28a(+)-fliDで形質転換し、抗生物質(カナマイシン、50 μg/ml)を含むLBブロスに播種した。0.6の光学密度(OD600)において1 mmol/Lのイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加により発現を誘導した。4時間後、細胞を回収し、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により全溶解物のタンパク質分析を行った。親和性クロマトグラフィー(GEHealthcareのHisTrap crude)を使用して可溶性のヒスチジンタグ付タンパク質を精製した。第2の精製(polishing)工程として、またバッファー交換のため、サイズ排除クロマトグラフィー(GEHelthcareのSuperdex 75)を行った。関連する画分を収集し、10 kDaのカットオフを有する遠心濾過装置(Millipore)により濃縮し、-80℃で保存した。精製した組換えタンパク質を抗Hisタグ-HRP抗体、またマウス抗H.ピロリ-HRP抗体(米国ロックフォードのPierce)を使用するウェスタンブロットにより評価し、ECLシステム(スウェーデン、ウプサラのGE Healthcare)により検出した。
H.ピロリ株J99 DNAに由来するFliD遺伝子の増幅は、シーケンシングにより確認され、発現ベクターpET-28a(+)へと連結された単一の2.05 kbのPCR産物を明らかにした(データは示していない)。E.コリ発現株BL21 DE3への形質転換及びIPTGによる誘導の後、市販のポリクローナル抗H.ピロリ抗血清を使用するウェスタンブロットで明確な単一のバンドを確認することができた。タンパク質を材料及び方法に記載されるように90 %超の純度(データは示していない)まで精製し、ウェスタンブロットにより更に確認した(データは示していない)。
実施例3:rFliD特異的抗体の産生及び精製
わずかに変更したHay et al.のプロトコル(Hay, etal., 2002)に従って、成熟した白色のニュージーランドウサギを精製したタンパク質で免疫した。簡潔には、同じ容量(0.5 ml)のフロイント完全アジュバントと共に250 μgの精製した組換えタンパク質(0.5 ml)の筋肉内注射によって免疫を行った。追加免疫のため、4週間後、6週間後、8週間後及び10週間後に同じ容量(0.5 ml)のフロイント不完全アジュバント中に調整した125 μgの精製タンパク質でウサギを追加接種した。陰性対照として、免疫の前に血清試料を採取した。最後に、最終免疫の2週間後に血液を収集し、血清を分離した。製造業者のプロトコル(Pharmacia, 1988)に従って作製したrFliD結合カラムを使用するセファロース-4BアフィニティークロマトグラフィーによってポリクローナルIgG抗体を精製した。タンパク質濃度50 μg/mlで超音波上清を使用するウェスタンブロットによりH.ピロリ(J99)のFliD発現を検出した。rFliDタンパク質に対して産生されたウサギポリクローナルIgG抗体を一次抗体(1:5000希釈)、ウサギIgGに対するHRP標識化ヒツジ抗体(イラン、テヘランのAvicenna ResearchInstitute)を二次抗体(1:3000希釈)として使用し、検出にはECLシステムを使用した(Chen, et al., 2001)。
さらに、組換えFliDの抗原性を試験し、天然タンパク質と比較するため、ウサギポリクローナル抗血清を産生した。抗体力価は3回目の免疫の後、既に求められており、4回目の追加接種の後に高レベルに達し、FliDの良好な免疫原性を確認した。ウサギ抗血清は精製rFliD及びH.ピロリ溶解物中のFliDを認識することができた(データは示していない)。
実施例4:ELISAの開発
ELISAプレートをPBS中1 μg/mlの濃度のrFliDタンパク質100μlにより被覆し、4℃で一晩インキュベートした。被覆したウェルを2.5 %のウシ血清アルブミン(SigmaのBSA)を含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)により37℃で2時間に亘りブロックした。一次抗体として患者の血清の最適希釈物(1:100希釈)、二次抗体としてHRP結合抗ヒトIgG(ドイツ、マンハイムのPromega)(1:100希釈)、及び基質としてTMB(3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン)を使用することによって、本研究で使用した全てのH.ピロリ陽性及び陰性の血清学試料をFliDに対する抗体についてスクリーニングした。さらに、各血清に対する対照としてウェルを被覆せずにおいた。患者の血清試料に対するELISAの結果は、そのOD450値が陰性血清試料の平均プラス3 SDを超えた場合に陽性とした(Chen, et al., 2001)。
実施例5:FliDラインアッセイの開発
ニトロセルロースに固定化した組換えH.ピロリタンパク質に基づくライン免疫アッセイを作製した。ELISAとは対照的に、上記試験の原理は、異なる単一の抗原の別々の適用によりH.ピロリの様々な抗原に対する特異的抗体の同定を可能とする。
他の高度に精製した組換えH.ピロリ抗原(CagA、VacA、GroEL、UreA(ウレアーゼA)、HcpC(システインリッチタンパク質C)(Mittelet al., 2003)及びgGT(ガンマグルタミルトランスフェラーゼ))と共にrFliDをニトロセルロースメンブレン片に固定化した。20の確定したH.ピロリの組織学的に陽性の試料、及び20の確定したH.ピロリの組織学的に陰性の試料を含む先に記載された研究集団から標準血清試料を選択することにより、経験的にrFliDに対する適切なライン条件を決定した。ライニング及びスクリーニングの反復サイクルにより、各抗原について最適な抗原濃度、並びに界面活性剤、ジチオスレイトール及びNaClのような添加剤の理想的な選択を調整した。最初のロットの理想的な製品仕様について、完全なバンドの出現と陰性及び陽性の試料の最も良好な識別とによって観察可能な、抗原エピトープの最も良好な提示とメンブレンへの最適な結合とを伴う条件を選択した。メンブレン片上部の末端に、インキュベーション対照としてのウサギ抗ヒトIgG/IgM/IgA抗体、並びに結合対照としてのヒトIgG抗体、IgM抗体又はIgA抗体、また上記個別の抗原バンドの反応性の評価を可能とするカットオフ対照を含む対照バンドを追加した。
スキャニング及びバンド強度の密度分析の後、内部参照として上記対照を使用して各バンドの比率を計算した。通常、カットオフ対照バンドは20〜30のスコアを取るのに対し、強力な陽性バンドは最大600ポイントのスコアを取ることができる。各メンブレン片の個別の対照を超える全てのバンドの得点を陽性とした(比率1超)。
各ラインアッセイを図1に示す。
実施例6:H.ピロリの診断用ラテラルフローアッセイの原型
上に規定される材料を使用して、ラテラルフローアッセイの設計に関して本明細書に開示される原理に基づきラテラルフローアッセイを開発した。
かかるラテラルフローアッセイの原型を図2に示し、図2Aは該アッセイの概略的設計を説明し、図2Bは抗FliD抗体を検出した上記アッセイを使用するヒトから得られた試料の分析結果を表す。
図2Aから理解され得るように、上記アッセイは抗hIgG被覆金ナノ粒子を使用した。rFliD、また同様に組換えCagAは抗原として提示された。また、hIgGを固定化して対照としての役目を果たした。多孔質構造をニトロセルロースによって形成した。対照バンドは上記システムが適切に作動することを示した。FliDバンドは、その患者が活動性感染、又は新たに治療された感染を有することを示した。CagAバンドは、活動性感染の場合(+FliDバンド)、この感染を治療しなければならないことを示す。
実施例7:ヒト由来試料の分析
合計618名のヒト患者(男性308名、女性310名)を本研究に登録した。本研究の目的の説明を受けた後、各患者からインフォームドコンセントを得て、いかなる治療も開始する前に内視鏡検査の際に血液試料を採取した。血清を分離し、-20℃で保存した。感染の診断は、至適基準としての組織病理学的検査に基づいた。組織病理学的検査の結果が陽性であった場合に患者をH.ピロリ陽性とした。全ての患者をFliDラインアッセイによってスクリーニングし、246の血清の部分集合を上に記載されるFliD ELISA及び上に記載されるラインアッセイによって試験した。
表2は上記FliD ELISAを使用する結果を示す。より具体的には、表2は、H.ピロリ陰性及び陽性のヒト患者を比較するELISAにおけるFliD血清学的応答を示す。
表3は、患者群の下位群に対して上記ラインアッセイを使用する結果を示す。より具体的には、表3はH.ピロリ陰性及び陽性の患者を比較するラインアッセイにおけるFliD血清学的応答を示す。
FliD ELISAを使用して、陽性と報告された170の試料のうち165の陽性試料を検出したのに対し、陰性と報告された76の試料のうちELISAによって73を陰性と再確認した(表2)。まとめると、H.ピロリ感染のELISAに基づく診断においてFliDの適用は96 %の特異度及び97%の感度を有する。興味深いことに、ELISA陰性であった5つの症例もカットオフのすぐ上(1.2〜2.2の範囲の比率)のラインブロット(line blot)において低いもののわずかに陽性のスコアを有した。また、これらのうち1つはラインブロットによってH.ピロリ陰性とされたが、他の4つはラインブロット陽性であり、幾つかの他の抗原と反応した(データは示していない)。1つの試料のみが両方の試験によって陰性であったことに注目することが重要である。
618名のヒト患者(ELISAによって一部をスクリーニングした)の全群をFliDに対する抗体応答についてラインアッセイを使用して分析した。ラインアッセイによって陽性の組織病理学的検査で陽性と評価された318名の患者のうちの310名は97.4 %の高感度であるのに対し、ラインアッセイは99%の特異度に達する(表2)。矛盾する結果が得られた患者からの結果を注意深く考察した。ラインアッセイでは8つの血清がFliDに対して陰性であったが、他の抗原との反応性を示し、この場合には実際はFliDが抗原として認識されなかったことが示された。これら8つの試料のうち、1つはFliDバンドに対して全く何の反応性も有しなかった。7つの試料はカットオフよりわずかに低い弱い反応性(0.6〜0.95の比率)を有し、これらのうち4つは概して全ての他の認識される抗原に対して弱い反応性を有した(示していない)。FliDが「疑陽性」の結果をもたらした3つ全ての試料は、他のバンドとの反応性も示した。FliDを含むこれら全てのバンドは比較的弱かったが、カットオフよりも明らかに高かった。
上記試料より、抗FliD抗体応答の出現率を根絶後の年数に応じて判定した。結果を図3に示す。図3から理解され得るように、H.ピロリの根絶の16年後〜20年後になおも約25 %の抗FliD抗体応答の出現率が存在する。
上記試料より、FliD、CagA、及びUreAについて受信者動作特性(ROC)曲線を作成した。結果を図4に示す。上記図4より、FliDがH.ピロリ感染の検出に使用される従来技術の2つの抗原に対して有利なことが明らかである。
実施例8:FliD配列のバイオインフォマティック分析
バイオインフォマティックスの手段を用いて、H.ピロリG27株のFliDタンパク質を他の生物、主に原核生物と幅広く比較した。この分析は、200超のH.ピロリ株間で97 %超の相同性を示す。
結果を表4に示す。

推定鞭毛フック付随タンパク質2
ヘリコバクター・ピロリ(G27株)
鞭毛キャッピングタンパク質
リトアニア75株
推定の性質不明タンパク質
(インド7株)
(フィラメントキャップタンパク質)
(鞭毛キャップタンパク質)
(カンピロバクター・ピロリ)
鞭毛フック付随タンパク質
(南アフリカ7株)
ヘリコバクター・アシノニキス(acinonychis)(シーバ株)
(フラグメント)
ヘリコバクター・セトラム(cetorum)
ヘリコバクター・フェリス
ヘリコバクター・スイスHS1
ヘリコバクター・ビゾゼロニ(bizzozeronii)
ヘリコバクター・ヘイルマンニ(heilmannii)ASB1.4
ヘリコバクター・ムステラエ(mustelae)
カンピロバクター・ムステラエ
鞭毛フィラメントキャッピングタンパク質FliD
ヘリコバクター・ヘパティカス(hepaticus)
ヘリコバクター・シネディ(cinaedi)
鞭毛フックタンパク質2
性質不明のタンパク質
ヘリコバクター・ビリス(bilis)WiWa
ウォリネラ・サクシノゲネス(Wolinella succinogenes)
(ビブリオ・サクシノゲネス)(Vibriosuccinogenes)
ヘリコバクター・プロルム(pullorum)MIT 98-5489
鞭毛フック付随タンパク質
ヘリコバクター・カナデンシス(canadensis)MIT98-5491
ヘリコバクター・ビゾゼロニCCUG 35545
カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)亜種ジェジュニLMG 9872
鞭毛フィラメントキャップタンパク質FliD
カンピロバクター・ラリ(lari)
SMR型多剤排出トランスポーター
カンピロバクター・ショウエ(showae)RM3277
カンピロバクター・ジェジュニ亜種ジェジュニ414
カンピロバクター・コリ(coli)84-2
鞭毛フック付随タンパク質FliD
鞭毛フック付随タンパク質2様タンパク質
スルフリモナス・デニトリフィカンス(Sulfurimonasdenitrificans)
チオミクロスピラ・デイトリフィカンス(Thiomicrospiradenitrificans)
カンピロバクター・ジェジュニ亜種ドイレイ(Doylei)
カンピロバクター・コリH8
カンピロバクター・ジェジュニ亜種ジェジュニ血清型HS21
実施例9:H.ピロリにおけるFliDの存在及び発現
試料
81のヒト患者に由来するH.ピロリ単離株を本研究に登録した。選択プレート上での従来の細菌培養によって上記試料を陽性と診断した。かかる試験において、微好気性条件下(10 % CO2、5% O2、8.5% N2、及び37℃)で36時間、ウイルキンス−チャルグレン血液アガープレートで細菌を生育し、オキシダーゼ、カタラーゼ、及びウレアーゼに対する陽性を生化学試験により確認した。培養細菌の一部をDNA単離に使用し、残部をウェスタンブロット分析用のタンパク質溶解物の作製にあてた。
ポリクローナルマウス抗FliD血清
PBSに再懸濁した、抗原として30 μgの組換えH.ピロリFliD及びアジュバントとして10 μgのCT(コレラ毒素)により3匹のC57BL6マウスを3回(週1回)免疫した。最終の免疫追加接種(immunization boost)の1週間後、マウスを出血させて血清を貯蔵した。貯蔵した血清の抗原性及び特異性をウェスタンブロット分析により試験した。
ウェスタンブロット分析
ウェスタンブロットアッセイの最適条件を確立するため、同じ条件下で作製され精製された種々の濃度の組換えFliDタンパク質、また同様に他の組換え対照タンパク質(Tig(トリガーファクター)(Tomb et al., 1997))及びgGT)を8 %SDSゲルにアプライした。ニトロセルロースメンブレンへのタンパク質のブロッティングの後(ドイツ、フライブルグのWhatman/GE Healthcare)、室温で1時間、5 %の脱脂乳でメンブレンをブロックし、一次抗体として抗血清の種々の希釈物と共に一晩インキュベートした。上記メンブレンのHRP標識化抗マウスIgGとのインキュベーションの後、ECLウェスタンブロッティング検出試薬の添加によりバンドを検出することができた。
上記結果を図5に示し、示されるSDSゲルの右側に抗原及び個別のレーンにアプライされたその量を表す。マウス抗血清の最適な希釈物(1:2000)を使用した。
H.ピロリゲノム中のFliDのORFの存在のPCR分析
配列番号2を対象としてFliDのDNA配列に基づいて4つのPCRを設計した。表5に示される各プライマー対の特異性を遺伝子バンクの全ての細菌ヌクレオチド配列に対するブラスト解析により確認した。H.ピロリDNAを陽性対照、10の他の微生物のゲノムDNAを陰性対照としてPCRを確立した。GoTaqポリメラーゼマスターミックス(Promega)、アニーリング温度56℃、及び30秒の伸長時間を使用してPCRを行った。
表5:PCR分析に使用したプライマー
フォワードプライマー
リバースプライマー
アンプリコンの長さ
結果
FliDのORFは全てのH.ピロリ患者分離株に存在する(患者の生検から分離された培養菌)。FliDのORFの存在は、このアッセイに使用した4つ全てのPCRによって確認することができた。81のH.ピロリ試料から単離されたDNAによって行われたPCR1、PCR2及びPCR3は、概して陽性であった。一方、PCR4は79の試料について陽性であった(図6)。P.アエルギノサ(P. aeruginosa)(ATCC 27813)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)(ATCC 700324)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(ATCC 90028)、エンテロコッカス・フェカリス(Entrococcus faecalis)(ATCC 29292)、A群連鎖球菌(Strep. Group A)(ATCC 19615)、S.ティフィムリウム(S. thyphimurium)(ATCC 13311)、S.アウレウス(S.aureus)(ATCC 25923)、S.エピデルミデス(S. epidermidis)(ATCC 18228)、H.インフルエンザ(H. influensae)(ATCC49247)、及びE.コリ(E.coli)(ATCC 25922)から単離されたDNAを適用することによって上記アッセイの特異性を確認した。
患者の生検から単離された培養H.ピロリより単離されたゲノムDNAを使用して行われた代表的なPCR分析の結果を示す図6から理解され得るように、FliDのORF(オープンリーディングフレーム)はほぼすべてのH.ピロリ単離株に提示される。そのため、PCRの結果は、ゲノムDNA中のFliDの存在を支持する。図6では、レーン上の数字は内部試料の数を示す。
H.ピロリ陽性と診断された患者に由来する試料におけるFliDタンパク質の検出について、FliDタンパク質を試料の97.5 %に検出することができた。ウェスタンブロット分析を使用することにより、FliDタンパク質の発現は、81のH.ピロリタンパク質溶解物のうち79において検出可能であることを実証することができた。上記結果を図7に示す。図7において、レーン上の数字は内部試料の数を示す。
他の微生物に由来するタンパク質溶解物をウェスタンブロット分析によって分析した場合の陰性結果により、上記アッセイの特異性を確認した。その結果を図8に示す。図8から理解され得るように、ストレプトアビジンタグを有する(いずれのウェスタンブロットでもレーン2)及びストレプトアビジンタグを有しない(いずれのウェスタンブロットでもレーン3)組換えFliDとは別に、P.アエルギノサ(P. aeruginosa)(ATCC 27813)(左のウェスタンブロット、レーン4)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)(ATCC 700324)(左のウェスタンブロット、レーン5)、カンジダ・アルビカンス(Candidaalbicans)(ATCC 90024)(メモ:4は8の間違いか)(左のウェスタンブロット、レーン6)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)(ATCC 29292)(左のウェスタンブロット、レーン7)、A群連鎖球菌(StreptococcusGroup A)(ATCC19615)(左のウェスタンブロット、レーン8)、S.ティフィムリウム(S. thyphimurium)(ATCC 13311)(右のウェスタンブロット、レーン4)、S.アウレウス(S. aureus)(ATCC 25923)(右のウェスタンブロット、レーン5)、S.エピデルミデス(S. epidermidis)(ATCC 18228)(右のウェスタンブロット、レーン6)、H.インフルエンザ(H. influensae)(ATCC 49247)(右のウェスタンブロット、レーン7)、及びE.コリ(E. coli)(ATCC 25922)(右のウェスタンブロット、レーン8)に由来するタンパク質溶解物。
本明細書では従来技術の様々な文書が言及されており、その完全な参照は以下の通りであり、引用することにより本明細書の一部をなす。
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明細書、配列表、特許請求の範囲及び/又は図面に開示される本発明の特徴は、別々に及び任意の組合せの両方で、その様々な形態で本発明を実現する材料となり得る。

Claims (15)

  1. 被験体においてH.ピロリ感染を検出する方法であって、該方法が該被験体に由来する試料中でFliDに対する免疫応答を検出することを含み、該免疫応答が抗FliD抗体を含む、方法。
  2. 前記抗FliD抗体がIgG抗体及び/又はIgA抗体である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記検出がELISA、ラテラルフローアッセイ、又はラインアッセイによって生じる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. バイオマーカーとしての被験体におけるFliDに対する免疫応答の使用であって、該バイオマーカーがH.ピロリによる該被験体の感染に対するバイオマーカーであり、該FliDに対する免疫応答が抗FliD抗体を含む、免疫応答の使用。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法における、FliD又はそのフラグメントと、少なくとも1つの更なる構成要素とを含むキットの使用。
  6. 被験体においてH.ピロリ感染を検出する方法であって、該被験体に由来する試料においてFliD又はそのフラグメントを検出することを含む、方法。
  7. 前記検出がELISA、ラインイムノアッセイ、ラテラルフローアッセイ、又は質量分析によって生じる、請求項6に記載の方法。
  8. バイオマーカーとしてのFliDの使用であって、該バイオマーカーがH.ピロリによる被験体の感染に対するバイオマーカーである、FliDの使用。
  9. 請求項6又は7に記載の方法における、FliD又はそのフラグメントと相互作用することができる相互作用物質と、少なくとも1つの更なる構成要素とを含むキットの使用。
  10. 被験体においてH.ピロリ感染を検出する方法であって、該被験体に由来する試料においてFliD又はそのフラグメントをコードする核酸を検出することを含む、方法。
  11. FliDをコードする前記核酸分子が質量分析、ハイブリダイゼーションアッセイ、又はPCRによって検出される、請求項10に記載の方法。
  12. バイオマーカーとしてのFliDをコードする核酸の使用であって、該バイオマーカーがH.ピロリによる被験体の感染に対するバイオマーカーである、核酸の使用。
  13. 請求項10又は11に記載の方法における、FliD又はそのフラグメントをコードする核酸と相互作用することができる相互作用物質と、少なくとも1つの更なる構成要素とを含むキットの使用。
  14. ヘリコバクター若しくはH.ピロリの1若しくは複数の抗原を検出することを更に含み、該1若しくは複数の抗原がCagA、VacA、GroEL、Hp 0231、JHp0940、及びHtrAを含む群から選択される、請求項1〜3、6及び7、並びに10及び11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記試料が血清、血漿、全血、及び便からなる群から選択される、請求項1〜3、6及び7、10及び11並びに14のいずれか一項に記載の方法。
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