JP2011524159A - マイコバクテリウムによる感染の診断方法およびそのための試薬 - Google Patents

マイコバクテリウムによる感染の診断方法およびそのための試薬 Download PDF

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Abstract

本発明は、例えば抗原に基づくサンドイッチELISAフォーマットを用いる、ヒトにおける、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核および/または感染の診断のための、推定上のケトール酸リダクトイソメラーゼ(KARI;配列番号1)である単離された結核菌タンパク質およびその免疫原性ペプチド断片、ならびに完全長タンパク質および免疫原性ペプチド断片に対して生成された抗体を提供する。本発明は、本発明のKARIに基づく診断アッセイが、前記マイコバクテリウムの1つまたは複数の他のタンパク質、例えば、その任意の組合せを含む、配列番号2、14、21、28〜29、36または44のいずれか1つからの1つまたは複数の免疫原性エピトープの検出で多重化される、多分析物アッセイも提供する。

Description

関連出願のデータ
本出願は、2008年5月26日に出願のオーストラリア特許出願第2008902611号の優先権を主張し、その内容はそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、結核菌(M. tuberculosis)によるヒトなどの動物対象の感染、およびそのような感染に関連する状態、例えば結核のための新規の診断、予後診断および治療試薬に関する。より詳細には、本発明は、感染の診断、予後診断および療法ならびにワクチン開発のための、感染対象における結核菌のケトール酸リダクトイソメラーゼ(KARI)タンパク質(配列番号1)、および免疫学的試薬、例えば抗原タンパク質/ペプチドおよび/または抗体の調製に適する、その免疫原性エピトープの発現の最初の実施可能な開示を提供する。
関連技術の記載
結核は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による感染または結核菌群の1つまたは複数の生物体に一般に起因する、慢性、感染性の疾患である。本明細書で用いるように、用語「結核菌群」は、結核菌、マイコバクテリウム・ボービス(M. bovis)、マイコバクテリウム・アフリカナム(M. africanum)、マイコバクテリウム・カネッティ(M. canetti)およびマイコバクテリウム・ミクロティ(M. microti)からなる群から選択される1つまたは複数の生物体を意味する。当業者は結核菌群が、例えば農業動物でパラ結核として知られる無関係な疾患の病原体である、マイコバクテリウム・アビウム(M. avium)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(M. intracellulaire)を含むいわゆるマイコバクテリウム・アビウム群とは異なることも承知する。
結核は、開発途上国で主要な疾患であるだけでなく、世界の先進地域でも増加している問題であり、毎年約8,000,000人の新症例および3,000,000人の死亡が発生している。感染はかなりの期間無症状であることがあるが、最も一般的には疾患は急性肺炎として現れ、発熱および湿性咳をもたらす。無処置で放置されると、結核菌感染は肺の原発感染部位を越えて体の任意の器官に進行することがあり、重大な合併症および死を一般にもたらす。
結核および微生物耐性の急増する世界的発生の問題は、ヘルスケア産業の多くの従事者によってしばしば記載されており、その分野の当業者には周知である。特に、新しい診断法、薬剤およびワクチンが緊急に必要であるとの認識が高まっている。
宿主の中で結核菌が維持され、増える免疫学的機構は、十分に理解されていない。その結果、結核および宿主間の免疫学的関係に関するいかなる新情報も、その疾患の診断、療法および治療を改良するために、多くの異なる方法で使用できることが明らかであろう。
結核の発生は後期のAIDS患者で特に一般的であり、その大多数はそれに罹る。実際、HIV感染は精製タンパク誘導体(PPD)-ツベルクリン陽性対象で活動性結核の発達の最も重要な危険因子であり、HIV感染免疫抑制状態の個体での結核感染の獲得の危険は、HIV非感染の個体と比較して著しく高い可能性がある。HIV-1および結核菌による同時感染は、おそらくCD4+ T細胞の欠乏および免疫不全または免疫抑制をもたらす、ウイルスの複製およびウイルス負荷の増加を誘発することによって、対象におけるHIV無症状期間の短縮および生存期間の短縮も媒介する可能性が高い(Corbettら2003; Ho, Mem. Inst. Oswaldo Cruz、91、385〜387頁、1996)。
結核菌ゲノムの配列決定は、理論的に生物体が発現することができる潜在的な結核菌タンパク質を同定するための厖大な研究努力を促進した。しかし、ヒトまたは他の動物対象の感染の間は言うまでもなく、任意の特定のタンパク質が生物体によってインビボで発現されると結論するには、配列データ単独では不十分である。結核菌のゲノム内のオープンリーディングフレームの解明は、細菌によってコードされるか実際に発現されるいかなる特定のタンパク質も、診断、予後診断および治療の免疫学的試薬の調製のために必要とされるなんらかの免疫優性B細胞エピトープまたはT細胞エピトープを含むことを示しはしない。例えば、結核菌の特定のタンパク質またはそれから誘導されるペプチド断片が免疫アッセイフォーマットで診断薬として効力を有する、またはワクチン製剤で使用するのに適すると結論するには、そのタンパク質が細菌の感染周期の間に発現されること、ならびに宿主生物体がそのタンパク質および/またはB細胞エピトープもしくはT細胞エピトープ(例えば、CD8+拘束CTLエピトープ)を含むペプチド断片への免疫応答を開始することを示す必要がある。
培養で結核菌を増殖させる能力は、発現された結核タンパク質をインビトロで同定するための便利なモデルを提供した。しかし、培養環境は、結核菌がインビボで見出される、ヒトマクロファージ、肺または肺外部位の環境と著しく異なる。最近の証拠は、細胞内寄生体、例えば結核菌などのタンパク質発現プロフィールが環境信号によって著しく変動し、その結果インビトロでの生物体の発現プロフィールがインシトゥでの生物体の発現プロフィールを正確に反映することができないことを示す。
結核桿菌による感染または潜伏感染の再活性化は、感染部位への単球およびマクロファージの動員を含む宿主応答を誘導する。より多くの免疫細胞が集積するに従い、マクロファージの細胞傷害生成物によって破壊された免疫細胞および宿主組織を含む肉芽腫の結節が形成される。疾患の進行に伴い、マクロファージ酵素がタンパク質、脂質および核酸の加水分解を引き起こし、周囲組織の液化および肉芽腫形成をもたらす。最終的には、病巣が破裂し、桿菌が周囲の肺、血液またはリンパ系に放出される。
この感染周期の間、菌は4つの異なる宿主環境、すなわち、肺胞マクロファージ、乾酪性肉芽腫、細胞外肺および肺外部位、例えば腎臓または腹膜腔、リンパ、骨または脊柱などに曝露される。
細菌はこれらの全ての環境において様々な程度で複製することができると考えられているが、各部位での環境条件についてはほとんど知られていない。全4つの宿主環境は異なり、各環境での結核菌の発現プロフィールが異なることが示唆される。
したがって、対数培養からの結核菌タンパク質の同定は、インビボの各環境でどのタンパク質が発現され、または非常に免疫原性であるかを必ずしも示唆するわけではない。同様に、インビトロで増殖させたマクロファージでの結核菌タンパク質の同定は、乾酪性肉芽腫、高曝気肺、または酸素含有量の低い肺外部位での結核菌のタンパク質発現プロフィールを必ずしも反映するわけではない。
さらに、宿主内の結核菌感染は、宿主免疫系が感染マクロファージの破壊を通して細菌を封入および破壊しようと絶えず努力する動的事象とみることができる。その結果として、結核桿菌は、細胞内の増殖、破壊(細胞内および分泌された細菌タンパク質が曝露および破壊される)および急速な細胞外増殖の周期を経る。宿主および病原体の相互作用は多くの因子の結果であって、これはインビトロで再現することができない。
したがって、本発明まで、インビボの任意の特定の環境で、どの結核菌タンパク質が最も高く発現され、および/または非常に免疫学的に活性であるか免疫原性である結核菌タンパク質であるか明白でなかった。
結核菌による感染および/またはそれに関連する疾患状態を判定するための、迅速で費用効果の高い診断および予後診断の試薬の必要性がまだ明らかにある。
分子生物学、微生物学、プロテオミクス、ウイルス学、組換えDNA技術、溶液内ペプチド合成、固相ペプチド合成および免疫学の従来の技術は、例えば以下のテキストに記載される:
1. Sambrook, Fritsch&Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, New York, Second Edition (1989), whole of Vols I, II, and III;
2. DNA Cloning: A Practical Approach, Vols. I and II (D. N. Glover, ed., 1985), IRL Press, Oxford, whole of text;
3. Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach (M. J. Gait, ed., 1984) IRL Press, Oxford, whole of text, and particularly the papers therein by Gait, pp 1-22; Atkinson et al., pp 35-81; Sproat et al., pp 83〜115; and Wu et al., pp 135〜151;
4. Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach (B. D. Hames&S. J. Higgins, eds., 1985) IRL Press, Oxford, whole of text;
5. Immobilized Cells and Enzymes: A Practical Approach (1986) IRL Press, Oxford, whole of text;
6. Perbal, B., A Practical Guide to Molecular Cloning (1984);
7. Methods In Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan, eds., Academic Press, Inc.), whole of series;
8. J.F. Ramalho Ortigao, "The Chemistry of Peptide Synthesis", In: Knowledge database of Access to Virtual Laboratory website (Interactiva, Germany);
9. Sakakibara, D., Teichman, J., Lien, E. L and Fenichel, R.L. (1976). Biochem. Biophys. Res. Commun.73 336-342
10. Merrifield, R.B. (1963). J. Am. Chem. Soc.85, 2149-2154.
11. Barany, G. and Merrifield, R.B. (1979) in The Peptides (Gross, E. and Meienhofer, J. eds.), vol. 2, pp 1-284, Academic Press, New York.
12. Wunsch, E., ed (1974) Synthese von Peptiden in Houben-Weyls Metoden der Organischen Chemie (Muller, E., ed.), vol. 15, 4th edn., Parts 1 and 2, Thieme, Stuttgart.
13. Bodanszky, M. (1984) Principles of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, Heidelberg.
14. Bodanszky, M.&Bodanszky, A. (1984) The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, Heidelberg.
15. Bodanszky, M. (1985) Int. J. Peptide Protein Res. 25, 449-474.
16. Handbook of Diagnostic testal Immune-logy, Vols. I-IV (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds., 1986, Blackwell Scientific Publications).
17. Wilkins M. R., Williams K. L., Appel R. D. and Hochstrasser (Eds) 1997 Proteome Research: New Frontiers in Functional Genomics Springer, Berlin.
オーストラリア特許出願第2008902611号 米国特許第7,205,159号 欧州特許第1461615号 国際特許出願第PCT/AU2005/001254号(国際公開第2006/01792号) 国際特許出願第PCT/AU2007/000093号(国際公開第2007/087679号) 国際特許出願第PCT/AU2007/000662号(国際公開第2007/131291号) 国際特許出願第PCT/AU2007/000810号(国際公開第2007/140545号) 国際特許出願第PCT/AU2007/000664号(国際公開第2007/131293号) 国際特許出願第PCT/AU2007/000663号(国際公開第2007/131292号) 国際特許出願第PCT/AU2005/000930号(国際公開第2006/000045号) 米国特許第4,554,101号 米国特許第4,709,017号 米国特許第5,843,711号 米国特許第5,601,827号 米国特許第5,917,017号 米国特許第4,196,265号 米国特許第5,567,301号 米国特許第5,485,277号 米国特許第5,492,840号 米国特許出願公開第20020136821号 米国特許出願公開第20020192654号 米国特許出願公開第20020102617号 米国特許第6,391,625号 米国特許出願公開第20020139751号 米国特許出願公開第20020076739号
Corbettら2003; Ho, Mem. Inst. Oswaldo Cruz、91、385〜387頁、1996 Sambrook, Fritsch&Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, New York, Second Edition (1989), whole of Vols I, II, and III DNA Cloning: A Practical Approach, Vols. I and II (D. N. Glover, ed., 1985), IRL Press, Oxford, whole of text Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach (M. J. Gait, ed., 1984) IRL Press, Oxford, whole of text, and particularly the papers therein by Gait, pp 1-22; Atkinson et al., pp 35-81; Sproat et al., pp 83〜115; and Wu et al., pp 135〜151 Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach (B. D. Hames&S. J. Higgins, eds., 1985) IRL Press, Oxford, whole of text Immobilized Cells and Enzymes: A Practical Approach (1986) IRL Press, Oxford, whole of text Perbal, B., A Practical Guide to Molecular Cloning (1984) Methods In Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan, eds., Academic Press, Inc.), whole of series J.F. 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1.序論
本発明につながる研究では、発明者らは様々なインビボ環境で結核菌複合生物によって発現されるタンパク質の範囲を解明し、それによって結核菌および他の結核菌複合生物の高く発現される、および/または非常に免疫原性のタンパク質を同定することを目指した。
発明者らは、インビボで発現され、有病患者のコホートの体液、例えば痰、胸膜液、血漿および血清に存在する結核菌群タンパク質を同定するために、プロテオミクス手法を用いた。結核菌群タンパク質は、結核と診断された患者、例えば結核菌または結核菌群の他の生物体に感染した患者のコホートから前に得られた免疫グロブリン含有試料、特にIgGの二次元電気泳動によってインビボで同定された。ペプチド断片を同定し、ペプチド断片のアミノ酸配列をトリプシン分解断片の質量分析で判定し、ケトール-酸レダクトイソメラーゼ(KARI)タンパク質(配列番号1)のアミノ酸配列に整列することが示された。特に、マッチしたペプチドがKARIタンパク質配列の領域に整列した。
一例では、抗原ベースの診断および予後診断アッセイの開発のために、発明者らは、組換え体完全長KARIタンパク質に、および完全長KARIタンパク質のペプチド領域に結合する抗体の10を超える異なる調製物を作製し、これらには、ヘキサヒスチジン標識に結合した完全長組換え体KARIタンパク質(配列番号1)に対してニワトリで調製した、「Ch34/35」と命名されたポリクローナル抗体調製物、ヘキサヒスチジン標識に結合した完全長組換え体KARIタンパク質(配列番号1)に対する、「Mo1283F」、「Mo2B1」およびMo1F6」と命名された3つのモノクローナル抗体、配列番号1の残基40〜56に対して調製された、「Mo4F7および「Mo4C10」と命名された2つのモノクローナル抗体、配列番号1の残基290〜300に対して調製された「Mo2D6」と命名されたモノクローナル抗体、ならびに配列番号1の残基298〜310に対して調製された2つのモノクローナル抗体が含まれる。当業者ならば知るように、抗体は、過度の実験なしで完全長KARIタンパク質の他の免疫原性ペプチド断片に対して調製することもできる。
本明細書に例示のように、組換え体タンパク質およびペプチドに対して産生された抗体は、組換え体KARIタンパク質に、および結核を有すると培養およびスメアテストによって前に診断された対象、例えば結核菌または結核菌群の他の生物体に感染した患者からの臨床試料中の内因性KARIタンパク質に結合する。抗体は、結核菌の臨床株および研究室株によって発現される内因性KARIタンパク質も検出し、枯草菌(Bacillus subtilis)、大腸菌(Escherichia coli)または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を含む他の微生物と低い交差反応性を有する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,205,159号および欧州特許第1461615号に記載のように、KARIに対して調製された抗体は、サンドイッチELISA、およびポイント・オブ・ニード(point-of-need)アッセイで、低レベルのKARIタンパク質を検出することができる。
抗体は、患者の体液、例えば痰、唾液、胸膜液、血清、血漿などでピコグラム/mlレベル未満の結核菌 KARIを検出することができる高度親和性抗体を選択する目的でも得られる。
同様に、抗体は、結核菌によって発現されるKARIタンパク質とマイコバクテリウム・ボービス、マイコバクテリウム・アフリカナム、マイコバクテリウム・カネッティおよびマイコバクテリウム・ミクロティからなる群から選択される1つまたは複数の生物体によって発現されるKARIタンパク質との間の高い配列同一性、ならびに前記生物体の1つまたは複数の間での交差反応性を可能にするそこのB細胞エピトープの保存によって、結核菌群の1つまたは複数の他の生物体からKARIを検出することができる高度親和性抗体を選択する目的で得られる。
これらの知見は、例えば対象での結核菌または他の結核菌群生物体の検出による結核の診断のための新規の抗原に基づく診断法、および感染またはそれに関連する疾患状態の進行のための新規の抗原に基づく予後診断指標を生む手段を提供した。好ましくは、KARIタンパク質またはそのB細胞エピトープに結合する1つまたは複数の抗体は、感染または疾患の早期診断のために有用である。そのような診断および予後診断の検査は、例えば治療的介入の効力を判定するために、結核またはそれに関連する感染症のための治療処置と併用することができることも当業者に明らかである。
本明細書に記載のさらなる例では、例えば、KARIタンパク質に結合する1つまたは複数の抗体、ならびに結核菌または結核菌群の他の生物体の1つまたは複数の他のタンパク質、例えばBSXタンパク質、S9タンパク質、Rv1265タンパク質、EF-Tuタンパク質、P5CRタンパク質、TetR様タンパク質、グルタミン合成酵素タンパク質およびそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質に結合する1つまたは複数の抗体を用いる、多分析物アッセイが高い感度および特異性を提供する。
さらなる例では、そのような抗原に基づく診断および予後診断アッセイは、例えば初期診断を確認し、および/または関与する特定の病原体を示すために、例えば臨床試料中の結核菌または結核菌群の他の生物体の存在を検出することにより、結核の診断のための標準の培養検査と組み合わせられる。一例では、培養検査は、別のマイコバクテリウム病原体と異なり、臨床試料中の結核菌の存在を確認する。別の例では、培養検査は、対象から得られる臨床検体に存在する結核菌または他のマイコバクテリウム病原体の株を確認する。
スメアテストは培養検査よりも正確でないにもかかわらず、そのような検査を、感染が疑われるか感染する危険のある対象からの検体で結核を診断するか、または結核の病原体、例えば結核菌または結核菌群の他の生物体の存在を判定もしくは検出するための当技術分野で認められている他の任意の手段がそうであるように、過度の実験なしに本発明の抗原に基づくアッセイと容易に組み合わせることができることを理解すべきである。
さらなる例では、結核菌群の生物体からの配列番号1に示すアミノ酸配列またはその変異体に結合し、肺外結核を起こしている対象に存在する抗体は、結核菌群のマイコバクテリウムによる活動中または過去の感染を診断するためのさらなる手段を提供する。対象でそのような抗体の存在について試験するために、対象、例えば血液、血清、血清分画などから得られる抗体含有試料中の抗体の存在を同定するための検出試薬として、配列番号1に示す配列もしくはその変異体、または完全長タンパク質配列から誘導される免疫原性ペプチドを含む組換え体KARIタンパク質を抗体に基づくアッセイで使用する。抗原に基づくアッセイと同様に、対象の結核菌群の抗KARI抗体の検出は、例えば結核菌または結核の他の病原体の1つまたは複数のタンパク質、またはその1つまたは複数のB細胞エピトープに対する抗体をさらに検出することによって、結核菌群の他の免疫原性タンパク質に対する抗体の検出と容易に組み合わされるその場合、前記タンパク質は、抗体含有試料をスクリーニングするための検出試薬のような免疫原性タンパク質の完全長タンパク質配列から誘導した免疫原性ペプチドを用いて、BSXタンパク質、S9タンパク質、Rv1265タンパク質、EF-Tuタンパク質、P5CRタンパク質、TetR様タンパク質、グルタミン合成酵素タンパク質およびそれらの組合せからなる群から選択される。そのような多分析物抗体に基づくアッセイは、高い感度および特異性を提供する。
単一分析物および多分析物の抗体に基づく診断および予後診断アッセイは、例えば、初期診断を確認するために、および/または関与する特定の病原体を示すために、感染の疑いがあるか感染する危険のある対象からの検体中の結核菌または結核菌群の他の生物体の存在を検出することによる、結核を判定または診断するための当技術分野で認められる他の任意の手段、例えば培養検査とも容易に組み合わせられる。一例では、培養検査は、結核を起こす病原体ではない別のマイコバクテリウムと異なり、臨床試料中の結核菌の存在を確認する。別の例では、培養検査は、対象から得られる臨床検体に存在する結核菌または結核の他のマイコバクテリウム病原体の株を確認する。
好ましい抗体に基づく検査は、感染または疾患の早期検出、および/または結核またはそれに関連する感染のための治療処置と併用される場合、治療計画の効力の監視を可能にする。
2.具体的例
本発明の範囲は、例に続く、本出願と一緒に出願される請求項から明らかになる。本出願と一緒に出願される請求項は、ここに明細書に組み込まれる。本発明の範囲は、具体的例の以下の説明からも明らかになる。
一例では、本発明は、結核菌の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、またはその免疫原性KARIペプチドもしくは免疫原性KARIタンパク質断片もしくはエピトープを提供する。
好ましくは、結核菌の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質は、配列番号1に示すアミノ酸配列を含むか、結核菌群の生物体からの相同配列を含む、配列番号1に少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む。
好ましくは、免疫原性KARIペプチドは、合成ペプチドである。好ましくは、KARIのペプチド、断片またはエピトープは、配列番号1に示す配列の少なくとも約5個の連続するアミノ酸残基、より好ましくは配列番号1に示す配列の少なくとも約10個の連続するアミノ酸残基、さらにより好ましくは配列番号1に示す配列の少なくとも約15個の連続するアミノ酸残基、さらにより好ましくはN末端および/またはC末端で約1〜5個の追加のアミノ酸残基と融合している、配列番号1に示す配列の少なくとも約5個の連続するアミノ酸残基を含む。これは、結核菌群の任意の生物体から単離または誘導されたKARIタンパク質の任意の合成のペプチド、断片またはエピトープを含むことが明らかである。
別の例では、免疫原性KARIペプチドは、以下からなる群から個々に、または集合で選択されるアミノ酸残基を含むかそれからなる合成ペプチドである。
a) 配列番号1の残基1〜23;
b) 配列番号1の残基40〜71、好ましくは配列番号1の残基57〜71;
c) 配列番号1の残基97〜111;
d) 配列番号1の残基169〜199;
e) 配列番号1の残基265〜279;
f) 配列番号1の残基290〜300、好ましくは配列番号1の残基298〜300;および
g)配列番号1の残基313〜333。
さらに別の例では、例えばイムノアッセイに適する抗体を生成するために、または、例えば抗体結合を証明するためのイムノアッセイの陽性対照ペプチドとして、配列番号1の残基40〜71、または配列番号1の残基57〜71、または配列番号1の残基290〜300または配列番号1の残基298〜300からなるかそれを含む合成ペプチドが提供される。
結核菌または結核菌群の他の生物体の単離されたまたは組換え体の免疫原性KARIタンパク質、またはその免疫原性KARIペプチドもしくは免疫原性KARI断片もしくはエピトープが、例えば検出または単離または固定化を促進するために、1つまたは複数の標識または検出可能な部分を含むことは、明らかに本発明の範囲内である。好ましい標識には、例えばビオチン、グルタチオン-S-転移酵素(GST)、FLAGエピトープ、ヘキサ-ヒスチジン、β-ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ストレプトアビジンまたは金が含まれる。
本発明は、本明細書の任意の例による1つまたは複数の免疫原性KARIペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質も提供する。例えば、KARIタンパク質のN末端およびC末端部分を融合することができる。当業者は、そのような物質組成に内部連結残基、例えばシステインを含むことが好ましいことを承知する。あるいは、好ましい融合タンパク質は、免疫原性KARIペプチドを1つまたは複数の他のペプチド部分から分離するリンカー、例えば単一のアミノ酸残基(例えば、グリシン、システイン、リジン)、ペプチドリンカー(例えば、ポリリジンまたはポリグリシンなどの非免疫原性ペプチド)、最高約6個または8個または10個もしくは12個の炭素残基を含む多炭素リンカー、または化学リンカーを含む。例えば脂質またはハプテンへの結合を可能にすることによって、またはリガンドへの架橋もしくは結合を可能にするために、そのようなリンカーは抗体生成またはワクチン製剤を促進することができる。融合としてのタンパク質の発現は、それらの溶解性を高めることもできる。
好ましい融合タンパク質は、担体タンパク質、検出可能な標識またはリポーター分子、例えばグルタチオン-S-転移酵素(GST)、FLAGエピトープ、ヘキサヒスチジン、β-ガラクトシダーゼ、チオレドキシン(TRX)(La Vallieら、Bio/Technology 11、187〜193頁、1993)、マルトース結合性タンパク質(MBP)、大腸菌NusAタンパク質(Fayard, E.M.S.、Thesis、University of Oklahoma、USA、1999; Harrison、inNovations 11、4〜7頁、2000)、大腸菌BFR (Harrison、inNovations 11、4〜7頁、2000)または大腸菌GrpE (Harrison、inNovations 11、4〜7頁、2000)に融合されるKARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む。
本発明は、本明細書の任意の例による1つまたは複数の免疫原性KARIペプチド、断片またはエピトープを含む、単離されたタンパク質凝集体も提供する。好ましいタンパク質凝集体は、免疫グロブリン、例えばIgA、IgMまたはIgGと複合体を形成したタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープ、例えば血流中免疫複合体(CIC)を含む。例示的なタンパク質凝集体は、例えば、対象の抗体含有生体試料から誘導することができる。
本発明は、対象で結核菌による過去または現在の感染または潜伏感染を検出するための、結核菌または結核菌群の他の生物体の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、本明細書の任意の例によるその免疫原性KARIペプチドもしくは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記タンパク質、ペプチドまたはエピトープもしくは断片の組合せまたは混合物の使用を包含し、そこにおいて、前記感染は、対象から得られた試料中の抗体と、前記単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープとの結合によって判定される。
本発明は、対象で結核菌のKARIタンパク質に結合する抗体の生成を引き出すための、結核菌または結核菌群の他の生物体の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、本明細書の任意の例によるその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記タンパク質、ペプチドまたはエピトープもしくは断片の組合せまたは混合物の使用も包含する。
本発明は、結核菌による感染に対して対象を免疫化する医薬の調製における、結核菌または結核菌群の他の生物体の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、本明細書の任意の例によるその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記タンパク質、ペプチドまたはエピトープもしくは断片の組合せまたは混合物の使用も包含する。
本発明は、薬学的に許容される希釈剤、例えばアジュバントと組み合わせた、結核菌または結核菌群の他の生物体の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、本明細書の任意の例によるその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記タンパク質、ペプチドまたはエピトープもしくは断片の組合せまたは混合物を含む医薬組成物も提供する。
配列番号1のKARIタンパク質をコードする核酸、または本発明の範囲内のその任意の変異体は、結核菌のilvC遺伝子、またはその相同体、類似体もしくは他の配列変異体によってコードされる。本発明は、例えば核酸に基づくワクチンの調製のために、または免疫原性ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを別に発現させるために、例えば融合タンパク質として、結核菌の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、または本明細書の任意の例によるその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープをコードする単離された核酸、あるいは前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物をコードする単離された核酸も提供する。例えば、単離された核酸は、結核菌群の生物体からの配列番号1に示すアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、またはその相同体を含む。
本発明は、結核菌または結核菌群の他の生物体の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質を発現するか、本明細書の任意の例によるその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープを発現するか、あるいは前記タンパク質、ペプチドまたはエピトープもしくは断片の組合せまたは混合物を発現する細胞も提供する。細胞は、単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープを例えばその表面に発現する、抗原提示細胞(APC)から好ましくはなることができる。
本発明は、結核菌または結核菌群の他の生物体の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、本明細書の任意の例によるその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記タンパク質、ペプチドまたはエピトープもしくは断片の組合せまたは混合物に、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に特異的に結合する単離されたリガンド、例えば小分子、ペプチド、抗体または抗体の免疫反応性断片も提供する。好ましいリガンドは、ペプチドまたは抗体である。好ましい抗体には、例えばモノクローナルまたはポリクローナル抗体調製物が含まれる。これは、任意の単離された抗体生成細胞または抗体生成細胞集団、例えばKARIタンパク質もしくはKARIタンパク質の免疫原性断片、またはKARIタンパク質の配列から誘導される配列を含む他の免疫原性ペプチドに結合する抗体を生成するハイブリドーマまたはプラズマ細胞腫に拡張される。
例えば、本発明は、免疫原性KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチド、またはその免疫原性KARI断片もしくはエピトープに結合する単離された抗体からなるかそれを含む単離されたリガンドを提供する。一例では、抗体は、例えばニワトリの免疫化によって誘導されるポリクローナル抗体、例えば、本明細書でCh34もしくはCh35と命名したポリクローナル抗体調製物、またはCh34/35と命名したそれらの間のプールの結合特性、例えば特異性を有する抗体である。別の例では、抗体は、モノクローナル抗体、例えば配列番号1の完全長KARIタンパク質による免疫化、または任意選択のC末端システイン残基を加えた配列番号1の残基40〜56による免疫化、または任意選択のC末端のシステイン残基を加えた配列番号1の残基290〜300による免疫化、または任意選択のC末端のシステイン残基を加えた配列番号1の残基298〜310による免疫化によって調製されるモノクローナル抗体、例えば、Mo1283F、Mo1E7、Mo2C7、Mo3A2、Mo2B1、Mo4F7、Mo3C3、Mo1C10、Mo4C10、Mo1F6、Mo2D6、Mo3H3およびMo4D11およびそれらの混合物からなる群から個々に、または集合で選択される抗体の結合特性、例えば特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくは、Mo1283F、Mo2B1、Mo4F7、Mo4C10、Mo1F6、Mo2D6、Mo3H3およびMo4D11およびそれらの混合物からなる群から個々に、または集合で選択される抗体の結合特性、例えば特異性を有するモノクローナル抗体である。
さらなる例では、本発明は、免疫原性KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチド、またはその免疫原性KARI断片もしくはエピトープに結合する単離されたモノクローナル抗体からなるかそれを含む単離されたリガンドを提供し、前記モノクローナル抗体は、Mo1283F、Mo2B1、Mo1F6およびMo2D6およびそれらの混合物からなる群から個々に、または集合で選択される抗体の結合特性、例えば特異性を有する。
さらなる例では、本発明は以下からなる群から選択される一対の抗体を提供する。
(a) 本明細書でCh34/35と命名するポリクローナル抗体調製物の結合特性、例えば特異性を有するポリクローナル抗体、およびMo1823FおよびMo2B1およびそれらの混合物から選択される抗体の結合特性、例えば特異性を有するモノクローナル抗体;
(b) Mo1283F、Mo2B1、Mo1F6およびMo2D6からなる群から選択される抗体の結合特性、例えば特異性を有するモノクローナル抗体から個々に、または集合で選択される一対のモノクローナル抗体。
さらなる例では、本発明は、本明細書の任意の例により記載される、2009年5月21日にATCCに寄託したハイブリドーマ、2B1C11によって生成される抗体を提供する。本発明は、本明細書の任意の例によって記載される単離されたハイブリドーマ、およびそのような抗体を生成するハイブリドーマの任意のパネルであって、少なくとも1つのそのようなハイブリドーマがKARIタンパク質に結合する抗体を発現することを条件とするパネルに明らかに及ぶ。
さらなる例では、本発明は、本明細書の任意の例によって記載されるKARIタンパク質、特に結核菌のKARIタンパク質に結合する少なくとも1つの抗体を含む抗体のパネルを、例えば、1つまたは複数の他の結核菌抗原に結合する、本明細書の任意の例によって記載される1つまたは複数の抗体、例えばBSXおよび/またはS9および/またはEf-Tu、および/またはRv1265に結合する抗体組合せと組み合わせて提供する。
本発明は、本明細書の任意の例による単離されたリガンド、特に任意のペプチドリガンド、抗体またはその免疫活性断片の医薬における使用も提供する。
本発明は、対象の結核菌群の生物体、例えば結核菌による過去もしくは現在の(すなわち、活動性)感染または潜伏感染を検出するための、本明細書の任意の例による単離されたリガンドまたは前記リガンドの組合せ、特に任意のペプチドリガンド、抗体またはその免疫活性断片の使用も提供し、前記感染は、その対象から得た生体試料に存在するKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープへのリガンドの結合によって判定される。
本発明は、結核菌群の細菌または結核菌群の細菌に感染した細胞を同定するための、あるいは前記細菌または前記細胞のソーティングまたは計数のための、本明細書の任意の例による単離されたリガンドまたは前記リガンドの組合せ、特に任意のペプチドリガンド、抗体またはその免疫活性断片の使用も提供する。この例は、結核菌群の複数の細菌、例えば結核菌および/またはマイコバクテリウム・ボービスおよび/またはマイコバクテリウム・アフリカナムおよび/またはマイコバクテリウム・カネッティおよび/またはマイコバクテリウム・ミクロティの同定を明らかに包含する。
本明細書の任意の例による単離されたリガンド、特に任意のペプチドリガンド、抗体またはその免疫活性断片またはそれらの組合せは、対象からの生体試料中のKARIタンパク質または本明細書の任意の例による本発明の免疫原性断片もしくはエピトープへのリガンドの結合によって判定される(すなわち、抗原に基づく免疫アッセイ)、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる過去または現在の感染または潜伏感染を検出するための、治療、診断および研究の用途でも有用である。
本発明のリガンドの他の用途には、診断/予後診断的KARIタンパク質の精製および試験、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウム、例えば結核菌および/またはマイコバクテリウム・ボービスおよび/またはマイコバクテリウム・アフリカナムおよび/またはマイコバクテリウム・カネッティおよび/またはマイコバクテリウム・ミクロティに感染した細胞の同定、またはそのような細胞のソーティングもしくは計数が含まれる。
リガンドは、結核の予防、診断または予後診断を含む療法、および結核の治療に用いられる医薬の製造のためのそのようなリガンドの使用においても有用である。例えば、本発明のKARIタンパク質に特にインビボで結合して中和する、特異的ヒト化抗体または他のリガンドが生成される。ヒト化抗体または他のリガンドは、ヒト対象での結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによるTB特異的疾患または感染の治療、例えば結核菌および/またはマイコバクテリウム・ボービスおよび/またはマイコバクテリウム・アフリカナムおよび/またはマイコバクテリウム・カネッティおよび/またはマイコバクテリウム・ミクロティによる活動性または慢性の感染の治療における医薬の調製の場合などで用いられる。
本発明は、本明細書の任意の例による単離されたリガンドを含むか、前記リガンド、特に任意のペプチドリガンド、抗体またはその免疫活性断片の組合せ、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む組成物も提供する。
本発明は、対象で結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染を診断する方法であって、前記対象からの生体試料中で、免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープに結合する抗体を検出する工程を含み、試料中の前記抗体の存在は感染を示す方法も提供する。感染は、過去もしくは活動性の感染または潜伏感染であってもよい。しかし、このアッセイフォーマットは、活動性感染および/または最近の感染を検出するために特に有用である。
例えば、本方法は免疫アッセイであってもよく、例えば、対象に由来する生体試料を、本明細書の任意の例による単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、または前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物と、抗原抗体複合体の形成に十分な時間および条件の下で接触させること、次に抗原抗体複合体の形成を検出することを含む。試料は、対象から得られる抗体含有試料、例えば血液または血清または血漿または免疫グロブリン分画を含む試料である。試料は、KARI抗原性断片との複合体の形の循環抗体を含むことができる。一般に、抗原抗体複合体は、患者の免疫グロブリンに結合することができる抗体、例えば抗ヒトIg抗体を用いてそのようなアッセイフォーマットで検出される。
本発明のアッセイでは、KARIタンパク質の、任意選択で1つまたは複数の他の結核菌タンパク質との検出は、活動性TBを示す。任意選択で、そのような試験結果は、1つまたは複数の他のTB特異的分析物、例えば本明細書で記載されるタンパク質マーカーについて試験することによって確認される。本発明のアッセイがTBのスメアテストデータまたは培養試験データを確認することも、本発明の範囲内である。
免疫アッセイは、複数の抗体、例えば捕捉抗体および検出抗体を使用する2部位アッセイまたはサンドイッチアッセイであってもよい。一例では、マウス由来のモノクローナル抗体Mo1283Fの特異性を有する抗体、または抗体Mo1283F自体が捕捉抗体として使用され、ニワトリ由来のポリクローナル抗体Ch34/35の特異性を有する抗体、またはCh34/35の抗体調製物自体が検出抗体として使用される。別の例では、マウス由来のモノクローナル抗体Mo2B1(または単に「2B1」)の特異性を有する抗体、または抗体Mo2B1自体が捕捉抗体として使用され、ニワトリ由来の抗体Ch34/35の特異性を有する抗体、またはCh34/35の抗体調製物自体が検出抗体として使用される。別の例では、マウス由来のモノクローナル抗体Mo1F6(または単に「1F6」)の特異性を有する抗体、または抗体Mo1F6自体が捕捉抗体として使用され、マウス由来のモノクローナル抗体Mo2B1の特異性を有する抗体、または抗体Mo2B1自体が検出抗体として使用される。別の例では、マウス由来のモノクローナル抗体Mo2D6(または単に「2D6」)の特異性を有する抗体、または抗体Mo2D6自体が捕捉抗体として使用され、マウス由来のモノクローナル抗体Mo2B1の特異性を有する抗体、または抗体Mo2B1自体が検出抗体として使用される。別の例では、ニワトリ由来の抗体Ch34/35の特異性を有する抗体、またはCh34/35の抗体調製物自体が捕捉抗体として使用され、モノクローナル抗体Mo2B1の特異性を有する抗体、または抗体Mo2B1自体が検出抗体として使用される。別の例では、モノクローナル抗体2B1の特異性を有する抗体、または抗体Mo2B1自体が捕捉抗体として使用され、モノクローナル抗体1F6の特異性を有する抗体、または抗体Mo1F6自体が検出抗体として使用される。別の例では、モノクローナル抗体2B1の特異性を有する抗体、または抗体Mo2B1自体が捕捉抗体として使用され、モノクローナル抗体2D6の特異性を有する抗体、または抗体Mo2D6自体が検出抗体として使用される。別の例では、モノクローナル抗体2D6の特異性を有する抗体、または抗体Mo2D6自体が捕捉抗体として使用され、モノクローナル抗体1F6の特異性を有する抗体、または抗体Mo1F6自体が検出抗体として使用される。別の例では、モノクローナル抗体1F6の特異性を有する抗体、または抗体Mo1F6自体が捕捉抗体として使用され、モノクローナル抗体2D6の特異性を有する抗体、または抗体Mo2D6自体が検出抗体として使用される。これらの例は、過度の実験なしで、または発明の努力を払う必要なしに生成することができることをデータが明らかに示している、抗体断片および本明細書で例示されるものと同等の抗体の使用に拡張されることを理解すべきである。他の方向付けおよび抗体の組合せは除外されない。
好ましい例では、対象は、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染への罹患が疑われ、および/または、対象は結核発症の危険があるか、前記1つまたは複数のマイコバクテリウム、例えば結核菌および/またはマイコバクテリウム・ボービスおよび/またはマイコバクテリウム・アフリカナムおよび/またはマイコバクテリウム・カネッティおよび/またはマイコバクテリウム・ミクロティによる感染の危険がある。
結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染への罹患が疑われる対象は、結核またはそのような感染の1つまたは複数の症状、例えば発熱、湿性咳、喀血(痰中の血液)、胸痛、寝汗、体重減少、倦怠感、肺リンパ節の空洞化および/またはカルシウム沈着などを示す。結核またはそのような感染への罹患が疑われる対象は、例えば結核に罹患している人との接触により、結核菌群の1つまたは複数の細菌、例えば結核菌および/またはマイコバクテリウム・ボービスおよび/またはマイコバクテリウム・アフリカナムおよび/またはマイコバクテリウム・カネッティおよび/またはマイコバクテリウム・ミクロティに曝露した可能性がある。
結核を発症する危険のある対象は、結核を発症する危険または結核菌群の1つまたは複数の細菌による感染の危険を増大させる状態に曝露されるかその状態を被る対象であり、そのような対象には、結核に罹患している人と接触した対象、結核が普通であり、および/または一般的な病原体である国または領域(例えば南アフリカ)を旅行した対象、病院または介護施設で働く対象、HIV-1またはHIV-2に感染した対象、コルチコステロイドを用いる対象、免疫障害または免疫抑制の対象、ケイ肺症に罹患した対象、または結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウム、例えば結核菌および/またはマイコバクテリウム・ボービスおよび/またはマイコバクテリウム・アフリカナムおよび/またはマイコバクテリウム・カネッティおよび/またはマイコバクテリウム・ミクロティによる潜伏感染に罹患している対象が含まれる。
このアッセイフォーマットに、KARIまたはそれに由来するペプチドを用いて得られる診断を確認するために、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによって発現される他のタンパク質に由来する複数の抗原エピトープが用いられる多分析物試験を含めることは、本発明の範囲内である。例えば、他の結核菌群由来のタンパク質は、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、リボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、伸長因子-Tu(EF-Tu)タンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)、P5CRタンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)、TetR様タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)グルタミン合成酵素(GS)タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、前記EF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記P5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記TetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される。この関係において、示したタンパク質には、配列リストによって例示される例示タンパク質の相同体が含まれることを理解するべきであり、前記相同体は、結核菌群の1つまたは複数の細菌、例えば結核菌および/またはマイコバクテリウム・ボービスおよび/またはマイコバクテリウム・アフリカナムおよび/またはマイコバクテリウム・カネッティおよび/またはマイコバクテリウム・ミクロティによって発現される。
一例では、例えば陽性検出を減らすため(KARIタンパク質についての試験およびS9タンパク質についての試験の組合せは偽陽性を減らす)、または他の様式でアッセイの特異性および/または感度を高めるために、TBのスメアテストおよび/またはTBの培養検査ならびに/または別のTBタンパク質、例えばBSXおよび/もしくはRv1265および/もしくはEf-Tuおよび/もしくはS9タンパク質を検出する免疫アッセイと同時または逐次的に、KARIタンパク質に対する抗体を使用する免疫アッセイを実施し、ここで、KARIタンパク質以外の1つまたは2つまたは3つまたは4つのタンパク質の陰性結果は、陰性のスメア結果を示すかもしくは確認し、および/または対象における活動性TBの非存在を示す。一例では、KARIタンパク質についての試験およびBSXタンパク質についての試験の組合せは、偽陽性検出を減らし、そこにおいて、BSX、またはBSXおよびKARIタンパク質の陰性結果は、陰性のスメア結果を示すかもしくは確認し、および/または対象における活動性TBの非存在を示す。別の例では、KARIタンパク質についての試験およびRv1265タンパク質についての試験の組合せは、偽陽性検出を減らし、そこにおいて、Rv1265、またはRv1265およびKARIタンパク質の陰性結果は、陰性のスメア結果を示すかもしくは確認し、および/または対象における活動性TBの非存在を示す。別の例では、KARIタンパク質についての試験およびS9タンパク質についての試験およびBSXタンパク質についての試験の組合せは、偽陽性検出を減らし、そこにおいて、BSXおよびS9タンパク質、またはBSXおよびS9およびKARIタンパク質の陰性結果は、陰性のスメア結果を示すかもしくは確認し、および/または対象における活動性TBの非存在を示す。
当業者は、UniProtKB/Swiss-Protが、タンパク質機能、ドメイン構造、翻訳後修飾および変異体に関するデータを提供するSwiss Institute of Bioinformaticsの管理するタンパク質配列データベースであり; UniProtKB/TrEMBLが、Swiss-Protにまだ組み込まれていないEMBLヌクレオチド配列入力項目の翻訳を含む、Swiss-Protのコンピュータ注釈付補遺であることを承知する。UniProtKB/Swiss-ProtおよびUniProtKB/TrEMBLデータへのアクセスは、例えばSwiss Institute of BioinformaticsのExPASy(エキスパートタンパク質分析システム)プロテオミクスサーバーを通して、容易に得ることができる。
例えば、患者の試料を、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープと、および結核菌のBSXタンパク質(例えば、UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)またはそれに由来する免疫原性ペプチド、例えばBSXタンパク質に由来するペプチド、または配列番号3〜13およびその混合物/組合せからなる群から選択される配列を含むペプチドと接触させることができる。結核菌による結核または感染を検出するための免疫原性の結核菌のBSXおよびペプチド誘導体は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2005年8月19日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2005/001254号(国際公開第2006/01792号)でも詳細に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料を、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープと、および結核菌のリボソームタンパク質S9(例えば、UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)、またはそれに由来する免疫原性ペプチド、例えばS9タンパク質に由来するペプチド、または配列番号15〜20およびその混合物/組合せからなる群から選択される配列を含むペプチドと接触させることができる。結核菌による結核または感染を検出するための免疫原性の結核菌のS9およびペプチド誘導体は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年1月31日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000093号(国際公開第2007/087679号)でも詳細に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料を、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープと、および結核菌のタンパク質Rv1265(例えば、UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、またはそれに由来する免疫原性ペプチド、例えばRv1265タンパク質に由来するペプチド、または配列番号22〜27およびその混合物/組合せからなる群から選択される配列を含むペプチドと接触させることができる。結核菌による結核または感染を検出するための免疫原性の結核菌のRv1265タンパク質およびペプチド誘導体は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年5月16日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000662号(国際公開第2007/131291号)でも詳細に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料を、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープと、および結核菌の伸長因子Tu(EF-Tu)タンパク質(例えば、UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)、またはそれに由来する免疫原性ペプチド、例えばEF-Tuタンパク質に由来するペプチド、または配列番号30〜35およびその混合物/組合せからなる群から選択される配列を含むペプチドと接触させることができる。結核菌による結核または感染を検出するための免疫原性の結核菌のEF-Tuタンパク質およびペプチド誘導体は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年6月8日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000810号(国際公開第2007/140545号)でも詳細に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料を、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープと、および結核菌のピロリン-5-カルボキシレートレダクターゼ(P5CR)タンパク質(例えば、UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)、またはそれに由来する免疫原性ペプチド、例えばP5CRタンパク質に由来するペプチド、または配列番号37〜43およびその混合物/組合せからなる群から選択される配列を含むペプチドと接触させることができる。結核菌による結核または感染を検出するための免疫原性の結核菌のP5CRタンパク質およびペプチド誘導体は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年5月16日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000664号(国際公開第2007/131293号)でも詳細に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料を、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープと、および結核菌のTetR様タンパク質ファミリーの推定上の調節タンパク質(TetR様タンパク質)(例えば、UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)、またはそれに由来する免疫原性ペプチド、例えばTetR様タンパク質に由来するペプチド、または配列番号45〜56およびその混合物/組合せからなる群から選択される配列を含むペプチドと接触させることができる。結核菌による結核または感染を検出するための免疫原性の結核菌のTetR様タンパク質およびペプチド誘導体は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年5月16日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000663号(国際公開第2007/131292号)でも詳細に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料を、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープと、および結核菌のグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(例えば、UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)、またはそれに由来する免疫原性ペプチド、例えばGSタンパク質の表面曝露領域に由来するペプチド、または配列番号57〜60に示す群およびその混合物/組合せから選択される配列を含むペプチドと接触させることができる。結核菌による結核または感染を検出するための免疫原性の結核菌のGSおよびペプチド誘導体は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2005年6月24日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2005/000930号(国際公開第2006/000045号)でも詳細に記載される。
このアッセイフォーマットの多分析物試験のさらなる具体的例は、結核菌のKARIタンパク質および/または結核菌のBSXタンパク質および/または結核菌リボソームタンパク質S9および/または結核菌タンパク質Rv1265に由来する抗原エピトープの使用、または、代わりに、結核菌のKARIタンパク質および/または結核菌のBSXタンパク質および/または結核菌のタンパク質Rv1265に由来する抗原エピトープの使用を含む。
1つまたは複数の第二の分析物、例えばBSXおよび/またはグルタミン合成酵素に結合する抗体についてのアッセイが、血清または血漿または他の体液中のKARIタンパク質に結合する抗体を検出するためのものと同じ方法で都合よく実施される。アッセイは、同時にまたは異なる時間に、また、同じか異なる患者試料を用いて実施することができる。異なる抗体、例えば異なる染色色素、蛍光団、放射性ヌクレオチドまたは酵素などの異なるリポーター分子を用いて標識される抗ヒトIgを検出するために異なる検出系を用いる場合、アッセイは同じ反応容器で実施することもできる。
例えば本発明の方法を用いて得られる最初のまたは予備的診断を確認するために、および/または臨床試料で特定の感染性病原体を判定するために、1つまたは複数のマイコバクテリウム病原体、例えば結核菌、マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・イントラセルラエによる感染を判定するための1つまたは複数の当技術分野で認められる検査をさらに実施することも、本発明の範囲内である。本発明の抗体に基づくアッセイで用いるための例示的な代わりの検査には、培養検査および/またはスメアテストが含まれるが、具体的に記載されているもの以外の抗体に基づく検査が本発明によって明らかに包含され、そこで唯一の要件は、マイコバクテリウムKARIタンパク質および/またはその1つまたは複数の免疫原性断片に結合する1つまたは複数の抗体が検出されることである。
本明細書で用いるように、用語「感染」は、対象の呼吸器官における、微生物による侵入および/または定着および/または微生物、特に細菌またはウイルスの増殖を意味すると理解されるものとする。そのような感染は明らかでなく、局所の細胞損傷をもたらすことができる。感染は、限局性、無症状および一時的であってもよく、あるいは拡張によって広がり、急性または慢性の臨床感染になることができる。感染は、残留性KARI抗原、あるいは単離されたKARIタンパク質またはペプチドに結合する反応性の宿主抗体が宿主に残る、過去の感染であってもよい。感染は、微生物が対象に存在するが、対象はその生物体に関連する疾患の症状を示さない潜伏感染であってもよい。好ましくは、感染は結核菌による肺感染または肺外感染、より好ましくは肺外感染である。「肺」感染は、肺の気道の感染、例えば肺組織、気管支、気管支梢、呼吸細気管支、肺胞管、肺胞嚢または肺胞の感染などを意味する。「肺外」は、例えば腎臓、リンパ、尿路、骨、皮膚、脊髄液、腸、腹膜腔、胸膜腔および心膜腔を含む、肺の外部である。
本発明の抗体は、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染の診断においても有用である。例えば、本発明は、対象で結核菌による結核または感染を診断する方法であって、前記対象からの生体試料中で、免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープを検出する工程を含む方法も提供し、試料中の前記タンパク質または免疫原性断片もしくはエピトープの存在は、疾患、疾患の進行または感染を示す。関連する例では、試料中の前記タンパク質または免疫原性断片もしくはエピトープの存在は、感染を示す。
好ましくは、対象は結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染への罹患が疑われ、および/または、対象は結核の発症または感染の危険がある。
例えば、本方法はイムノアッセイであってもよく、例えば、対象に由来する生体試料を、本明細書の任意の例による結核菌の内因性のKARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、または前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物に結合する抗体と、抗原抗体複合体の形成に十分な時間および条件の下で接触させること、次に抗原抗体複合体の形成を検出することを含む。この例による好ましい試料は、結核菌または細菌破片からのペプチド断片が見出される可能性のある試料、あるいは免疫グロブリン含有分画、例えば、脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉、骨からの抽出物またはそれらの混合物;痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液などの体液またはそれらの混合物またはそれらの誘導物、例えば痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液などである。試料は、KARI抗原性断片と複合体を形成している、循環抗体を含むことができる。
KARIタンパク質またはエピトープに結合する抗体を用いて得られる診断を確認するために複数の抗体が用いられる、多分析物試験をこのアッセイフォーマットに含めることは、本発明の範囲内である。例えば、患者の試料は、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープに結合する抗体と、ならびに、別の結核菌タンパク質、例えば、結核菌のBSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、結核菌のリボソームタンパク質S9(UniProtKB/SwissProtアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)、結核菌のタンパク質Rv1265(UniProtKB/SwissProtアクセッション番号P64789;配列番号21)、結核菌の伸長因子Tu(EF-Tu)タンパク質(UniProtKB/SwissProtアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)、結核菌のP5CRタンパク質(UniProtKB/SwissProtアクセッション番号Q11141;配列番号36)、結核菌のTetR様タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)、結核菌のグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、前記EF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記P5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記TetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質に結合する抗体と接触させることができる。
例えば、患者の試料は、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープに結合する抗体と、および結核菌のBSXタンパク質(例えば、UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)に結合する抗体と、および/またはBSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチドに結合する抗体、例えば配列番号3〜13からなる群から選択される配列を含むペプチドに結合する抗体と接触させることができる。例示的な抗体は、本明細書、およびその開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2005年8月19日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2005/001254号(国際公開第2006/01792号)に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料は、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープに結合する抗体と、および結核菌のリボソームタンパク質S9(例えば、UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)に結合する抗体と、および/またはS9タンパク質に由来する免疫原性ペプチドに結合する抗体、例えば配列番号15〜20からなる群から選択される配列を含むペプチドに結合する抗体と接触させることができる。例示的な抗体は、本明細書、およびその開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年1月31日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000093号(国際公開第2007/087679号)に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料は、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープに結合する抗体と、および結核菌のタンパク質Rv1265(例えば、UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)に結合する抗体と、および/またはRv1265タンパク質に由来する免疫原性ペプチドに結合する抗体、例えば配列番号22〜27からなる群から選択される配列を含むペプチドに結合する抗体と接触させることができる。例示的な抗体は、本明細書、およびその開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年5月16日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000662号(国際公開第2007/131291号)に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料は、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープに結合する抗体と、および結核菌のタンパク質EF-Tu(例えば、UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)に結合する抗体と、および/またはEF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチドに結合する抗体、例えば配列番号30〜35からなる群から選択される配列を含むペプチドに結合する抗体と接触させることができる。例示的な抗体は、本明細書、およびその開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年6月8日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000810号(国際公開第2007/140545号)に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料は、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープに結合する抗体と、および結核菌のタンパク質P5CR(例えば、UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)に結合する抗体と、および/またはP5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチドに結合する抗体、例えば配列番号37〜43からなる群から選択される配列を含むペプチドに結合する抗体と接触させることができる。例示的な抗体は、本明細書、およびその開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年5月16日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000664号(国際公開第2007/131293号)に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料は、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープに結合する抗体と、および結核菌のTetR様タンパク質(例えば、UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)に結合する抗体と、および/またはTetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチドに結合する抗体、例えば配列番号45〜56からなる群から選択される配列を含むペプチドに結合する抗体と接触させることができる。例示的な抗体は、本明細書、およびその開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2007年5月16日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2007/000663号(国際公開第2007/131292号)に記載される。
あるいは、または加えて、患者の試料は、KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは断片またはエピトープに結合する抗体と、および結核菌のGSタンパク質(例えば、UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)に結合する抗体と、および/またはGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチドに結合する抗体、例えば配列番号57〜60からなる群から選択される配列を含むペプチドに結合する抗体と接触させることができる。例示的な抗体は、本明細書、およびその開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2005年6月24日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2005/000930号(国際公開第2006/000045号)に記載される。
このアッセイフォーマットでの多分析物試験のさらなる具体的例は、結核菌のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープおよび/または結核菌のBSXタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープおよび/または結核菌のリボソームタンパク質S9またはその免疫原性断片もしくはエピトープおよび/または結核菌のタンパク質Rv1265またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合する抗体の使用、あるいは、結核菌のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープおよび/または結核菌のBSXタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープおよび/または結核菌のタンパク質Rv1265またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合する抗体の使用を含む。
1つまたは複数の第二の分析物、例えばBSXおよび/またはグルタミン合成酵素および/またはS9のアッセイが、試料中のKARIタンパク質を検出するためのものと同じ方法で都合よく実施される。アッセイは、同時にまたは異なる時間に、また、同じか異なる患者試料を用いて実施することができる。結合抗体、例えば抗KARI抗体に結合する二次抗体および二次分析物に結合する抗体を検出するために異なる検出系を用いる場合、アッセイは同じ反応容器で実施することもできる。
抗体に基づくアッセイと同様に、抗原に基づくアッセイ系は免疫アッセイを含むことができ、例えば対象に由来する生体試料を、本明細書の任意の例による1つまたは複数の単離されたリガンド、特にKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合することができる任意のペプチドリガンド、抗体またはその免疫反応性断片と接触させること、および複合体、例えば抗原抗体複合体の形成を検出することを含むことができる。特に好ましい例では、リガンドは抗体であり、好ましくは、本明細書の任意の例による結核菌の単離されたまたは組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に特異的に結合するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体または抗体断片である。免疫障害でない対象、例えばHIV陰性の対象に有用であるが、本アッセイは、免疫障害または免疫不全の対象、例えばヒト免疫不全ウイルスに感染している対象(すなわち、「HIV+」)でTBを検出するためにも特に有用である。そのようなアッセイのために用いられる試料には、例えば(i)脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉、骨およびそれらの混合物からなる群から選択される組織からの抽出物; (ii)痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液およびそれらの混合物からなる群から選択される体液;ならびに(iii)痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液およびそれらの混合物からなる群から選択される体液に由来する試料が含まれる。
本発明は、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染を有する対象の、前記結核または感染のための治療化合物による治療への応答を判定する方法であって、前記対象からの生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを検出することを含む方法も提供し、正常または健康な対象で検出可能なそのタンパク質または断片またはエピトープのレベルと比較して、高められるか、または低減されないか減少しないタンパク質または断片またはエピトープのレベルは、その対象が前記治療に応答していないか、疾患または感染が排除されていないことを示す。例えば、本方法はイムノアッセイを含むことができ、例えば、対象に由来する生体試料を、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合することができる1つまたは複数の抗体と接触させ、抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含むことができる。特に好ましい例では、抗体は、本明細書の任意の例による結核菌の単離されたまたは組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に特異的に結合する、単離されたまたは組換え体の抗体または抗体の免疫反応性断片である。免疫障害でない対象、例えばHIV陰性の対象に有用であるが、本発明の診断アッセイは、免疫障害または免疫不全の対象、例えばHIV+である対象でTBを検出するためにも特に有用である。そのようなアッセイのために用いられる試料には、例えば、(i)脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉、骨およびそれらの混合物からなる群から選択される組織からの抽出物; (ii)痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液およびそれらの混合物からなる群から選択される体液;ならびに(iii)痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液およびそれらの混合物からなる群から選択される体液に由来する試料が含まれる。
本発明は、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染を有する対象の、前記結核または感染のための治療化合物による治療への応答を判定する方法であって、前記対象からの生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを検出することを含む方法も提供し、結核または前記感染を起こしている対象で検出可能なそのタンパク質または断片またはエピトープのレベルよりも低い、タンパク質または断片またはエピトープのレベルは、その対象が前記治療に応答しているか、疾患または感染が排除されていることを示す。例えば、本方法はイムノアッセイを含むことができ、例えば、対象に由来する生体試料を、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合することができる1つまたは複数の抗体と接触させ、抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含むことができる。特に好ましい例では、抗体は、本明細書の任意の例による結核菌の単離されたまたは組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に特異的に結合する、単離されたまたは組換え体の抗体または抗体の免疫反応性断片である。免疫障害でない対象、例えばHIV陰性の対象に有用であるが、本発明の診断アッセイは、免疫障害または免疫不全の対象、例えばHIV+である対象でTBを検出するためにも特に有用である。そのようなアッセイのために用いられる試料には、例えば、(i)脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉、骨およびそれらの混合物からなる群から選択される組織からの抽出物; (ii)痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液およびそれらの混合物からなる群から選択される体液;ならびに(iii)痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液およびそれらの混合物からなる群から選択される体液に由来する試料が含まれる。
本発明は、対象で疾患の進行、療法への応答性または結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる感染状態を監視する方法であって、前記対象からの生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープのレベルを異なる時間に判定する工程を含む方法も提供し、KARIタンパク質、断片またはエピトープのレベルの変化は、疾患の進行、療法への応答性または対象の感染状態の変化を示す。好ましい例では、本方法は、KARIタンパク質、断片またはエピトープのレベルが経時的に増加する場合に、結核菌による結核または感染の治療のための化合物を投与することをさらに含む。例えば、本方法はイムノアッセイを含むことができ、例えば、対象に由来する生体試料を、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合することができる1つまたは複数の抗体と接触させ、抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含むことができる。特に好ましい例では、抗体は、本明細書の任意の例による結核菌の単離されたまたは組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に特異的に結合する、単離されたまたは組換え体の抗体または抗体の免疫反応性断片である。免疫障害でない対象、例えばHIV陰性の対象に有用であるが、本発明の診断アッセイは、免疫障害または免疫不全の対象、例えばHIV+である対象でTBを検出するためにも特に有用である。そのようなアッセイのために用いられる試料には、例えば、(i)脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉、骨およびそれらの混合物からなる群から選択される組織からの抽出物; (ii)痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液およびそれらの混合物からなる群から選択される体液;ならびに(iii)痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液およびそれらの混合物からなる群から選択される体液に由来する試料が含まれる。
特に好ましい例では、循環免疫複合体(CIC)は、抗原に基づくアッセイプラットホームまたは抗体に基づくアッセイプラットホームで検出される。抗原に基づくアッセイプラットホームでは、CICの検出は、CICの免疫グロブリン部分を検出することによって、循環中の分離抗原の検出を上回るシグナル増幅を提供することができる。この例に従って、対象の循環中の分離抗原に加えて、対象の免疫グロブリンと複合体を形成するKARI抗原(KARIポリペプチドまたはその免疫反応性断片もしくはエピトープ)を捕捉するために、捕捉試薬、例えば捕捉抗体が用いられる。捕捉されたCICに特異的に結合し、それによってCIC患者試料を検出するために、検出可能な標識に任意選択で結合される抗Ig抗体が用いられる。本発明の範囲で、抗Ig抗体は試料中のIgM、IgAまたはIgGに優先的に結合する。特に好ましい例では、抗Ig抗体は、ヒトIgに、例えばヒトIgA、ヒトIgGまたはヒトIgMに結合する。抗Ig抗体は、当技術分野で公知である任意の標準の検出可能な標識に結合されてもよい。これは、病原体、例えば細菌またはウイルスによる感染を検出するために、またはCICに関連する任意の疾患または障害の診断のために特に有用である。したがって、本明細書の任意の例に記載の診断方法は改変に適合し、対象に由来する試料は、結核菌のKARIタンパク質またはその1つまたは複数の免疫原性KARIペプチド、断片またはそのエピトープに結合される免疫グロブリン(Ig)を含む1つまたは複数の循環免疫複合体を含み、抗原抗体複合体の形成を検出する工程は、抗Ig抗体を、複合体が形成するのに十分な時間および条件の下で循環免疫複合体の免疫グロブリン部分と接触させ、結合した抗Ig抗体を次に検出することを含む。
疾患の進行および/または治療の効力を監視するための抗原に基づく多分析物検査は明らかに本発明の範囲内であり、これらは、例えば前の抗原に基づくアッセイフォーマットの1つまたは複数を用いて前に診断されたことによって感染していることが知られている患者からの試料を用いているが、事実上、感染の診断について本明細書の上に記載した通りに実施される。他の多分析物検査と同様に、感染についての疾患の進行および/または治療の効力を監視することに関して、異なる特異性の複数の抗体、例えば、結核菌のBSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)および/または結核菌のリボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)および/または結核菌のタンパク質Rv1265(UniProtKB/SwissProtアクセッション番号P64789;配列番号21)および/または結核菌の伸長因子-Tu(EF-Tu)タンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)および/または結核菌のP5CRタンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)および/または結核菌のTetR様タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号AIQW92;配列番号44)および/または結核菌のグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)および/または前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび/または前記S9に由来する免疫原性ペプチドおよび/または前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチドおよび/または前記EF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび/または前記P5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび/または前記TetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび/またはGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せに結合する抗体からなる群から選択される抗体が使用され、または前記抗体の任意の組合せを用いて、KARIに対する抗体および/またはKARIペプチドに対して産生された抗体を用いて得られる診断を確認し、それによって特異性および/または選択性を高める。同じく、結核菌群の任意の1つまたは複数のマイコバクテリウムの相同体に結合する交差反応抗体の使用は、本発明の実施で有用である。
形成される抗原抗体複合体は、各タンパク質分析物に結合することができる抗体を用いて、またはCIC検出の場合、ヒト免疫グロブリンに結合することができる抗体を用いて次に検出される。アッセイは、同時にまたは異なる時間に、また、同じか異なる患者試料を用いて実施することができる。異なる抗原または異なる抗原を含むCICを検出するために異なる検出系、例えば異なる染色色素、蛍光団、放射性ヌクレオチド、酵素またはコロイド金粒子などの異なるリポーター分子を用いて標識された抗ヒトIg;または差別的に標識された抗KARI抗体、抗BSX抗体および抗GS抗体を用いる場合、アッセイは同じ反応容器で実施することもできる。本明細書に記載の他のイムノアッセイと同様に、二次抗体は適する検出可能な標識、例えば、とりわけ西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)またはβガラクトシダーゼまたはβグルコシダーゼ、コロイド金粒子に任意選択で結合されている。形成される複合体の検出でそのような標識を使用する標準方法は、当業者に明らかとなる。
例えば本発明の方法を用いて得られる最初のまたは予備的診断を確認するために、および/または臨床試料で特定の感染性病原体を判定するために、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムまたは他の病原体、例えばマイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・イントラセルラエによる感染を判定するための1つまたは複数の当技術分野で認められる検査をさらに実施することも、本発明の範囲内である。本発明の抗原に基づくアッセイで用いるための例示的な代わりの検査には、培養検査および/またはスメアテストが含まれるが、具体的に記載されているもの以外の抗原に基づく検査が本発明によって明らかに包含され、そこで唯一の要件は、マイコバクテリウムKARIタンパク質および/またはその1つまたは複数の免疫原性断片が検出されることである。そのような例は、請求項の前の例で詳細に記載される。
本発明は、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染の治療方法であって、
(i) 本明細書の任意の例による診断方法を実施し、それによって対象からの生体試料中の結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムの存在を検出する工程;および
(ii) 医薬組成物の治療的有効量を投与して、対象の肺、血液またはリンパ系の中の病原性細菌数を減少させる工程を含む方法も提供する。
本発明は、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染の治療方法であって、
(i) 本明細書の任意の例による診断方法を実施し、それによって、第一の医薬組成物によって治療される対象からの生体試料中の結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムの存在を検出する工程;および
(ii) 第二の医薬組成物の治療的有効量を投与して、対象の肺、血液またはリンパ系の中の病原性細菌数を減少させる工程を含む方法も提供する。
本発明は、本明細書に記載の診断方法または予後診断方法を実施することを含む、対象における結核の治療方法も提供する。一例では、本発明は、予防の方法であって、
(i)対象からの生体試料中の結核菌群感染の1つまたは複数のマイコバクテリウムの存在を検出する工程;および
(ii)医薬組成物の治療的有効量を投与して、対象の肺、血液またはリンパ系の中の病原性細菌数を減少させる工程を含む方法を提供する。
より詳細には、免疫原性KARIタンパク質またはその1つまたは複数の免疫原性KARIペプチド、断片またはエピトープは、動物対象に投与されると、高力価の抗体の特異的生成を誘導する。
したがって、本発明は、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムに対する抗体の生成を引き出す方法であって、免疫原性KARIタンパク質またはその1つまたは複数の免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープを、抗体、例えば結核菌に結合する中和抗体などの生成を引き出すのに十分な時間および条件下で前記対象に投与することを含む方法も提供する。
本発明は、ヒトまたは他の動物における結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムに対する治療的または予防的サブユニットワクチンの調製における、免疫原性KARIタンパク質またはその1つまたは複数の免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープの使用を明らかに企図する。
したがって、本発明は、薬学的に許容される希釈剤と組み合わせた、免疫原性KARIタンパク質またはその1つまたは複数の免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープを含むワクチンを提供する。好ましくは、タンパク質またはそのペプチドまたは断片またはエピトープは、適するアジュバントで製剤化される。
あるいは、ペプチドをその表面で提示するようにインビトロで処理された自己由来のまたは同種異系の抗原提示細胞(APC)または樹状細胞の投与を通す細胞ワクチンとして、ペプチドまたは誘導体または変異体が製剤化される。
適するベクター(例えばワクシニア、カナリア痘、アデノウイルスまたは他の真核生物のウイルスベクター)にクローニングされた免疫原性KARIタンパク質またはその1つまたは複数の免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープをコードする、例えばDNAまたはRNAなどの核酸を含む核酸に基づくワクチンも企図される。好ましくは、免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープをコードするDNAは、例えば、既存のカルメット-ゲラン(BCG)またはワクシニアウイルスなどの免疫アジュバント、フロイントのアジュバントまたは別の免疫刺激剤などと組み合わされて、DNAワクチンに製剤化される。
本発明は、対象、例えばHIV-1および/またはHIV-2に感染した対象または結核を起こすか結核菌に感染する危険のある対象における、ヒト対象での潜伏感染の治療処置を含む、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染の予防的または治療的処置または診断のための組成物の調製における、免疫原性KARIタンパク質またはその1つまたは複数の免疫原性KARIペプチドまたは1つまたは複数の免疫原性KARI断片または1つまたは複数のエピトープの使用をさらに提供する。
代わりの例では、本発明は、HIV-1および/またはHIV-2に対する抗ウイルス治療を前に受けている対象における、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染の予防的または治療的処置または診断のための組成物の調製における、免疫原性KARIタンパク質またはその1つまたは複数の免疫原性KARIペプチドまたは1つまたは複数の免疫原性KARI断片または1つまたは複数のエピトープの使用を提供する。
本発明は、生体試料中の結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムを検出するためのキットであって、
(i) 本明細書の任意の例による結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムの単離されたまたは組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に特異的に結合する1つまたは複数の単離抗体またはその免疫反応性断片、および
(ii) 任意選択で取扱説明書と同梱される、抗原抗体複合体の形成を検出するための手段を含むキットも提供する。
本発明は、生体試料中の結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムを検出するためのキットであって、
(i) 本明細書の任意の例による結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムの単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物、および
(ii) 任意選択で取扱説明書と同梱される、抗原抗体複合体の形成を検出するための手段を含むキットも提供する。
本明細書に記載のアッセイは、任意のアッセイフォーマットに、特に固相ELISA、フロースルーイムノアッセイフォーマット、ラテラルフローフォーマット、毛細管フォーマットに、および免疫原性タンパク質、ペプチド、断片の精製または単離(例えば、抗体、タンパク質GまたはプロテインAに結合した固体マトリックスを用いる)に適合する。
したがって、本発明は、それに吸着されている、本明細書に記載の任意の1つの例による単離または組換え体のKARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体を有する固体マトリックスも提供する。例えば、固体マトリックスは、膜、例えばナイロンまたはニトロセルロースを含むことができる。あるいは、固体マトリックスは、ポリスチレンまたはポリカーボネートのマイクロウェルプレートまたはその一部(例えば、マイクロタイタープレートの1つまたは複数のウェル)、ディップスティック、ガラス支持体またはクロマトグラフィー樹脂を含むことができる。
代わりの例では、本発明は、それに吸着されている、本明細書の任意の例による単離または組換え体のKARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に結合する抗体を有する固体マトリックスも提供する。例えば、固体マトリックスは、膜、例えばナイロンまたはニトロセルロースを含むことができる。あるいは、固体マトリックスは、ポリスチレンまたはポリカーボネートのマイクロウェルプレートまたはその一部(例えば、マイクロタイタープレートの1つまたは複数のウェル)、ディップスティック、ガラス支持体またはクロマトグラフィー樹脂を含むことができる。
そのような固体マトリックスが、本明細書に記載のアッセイを実施するために、特に複数の抗原または複数の抗体を使用する多分析物検査のために、必要に応じて追加の抗原および/または抗体を含むことは、明らかに本発明の範囲内である。
3.定義
本明細書で用いるように、用語「ケトール酸リダクトイソメラーゼ」または「KARI」は、配列番号1と少なくとも約80%の同一性を、または本出願の配列番号1に記載のものと実質的に同じ配列を含むか有し、および/または結核菌のilvC遺伝子によってコードされる配列と少なくとも約80%同一である配列を含むか有する結核菌タンパク質組成物を意味すると解釈され、前記組成物は、免疫原性ペプチドを生成するために、あるいは結核菌群、または前記1つまたは複数のマイコバクテリウムに感染し、他のいかなる官能性、例えばタンパク質翻訳での役割も必要としない対象からの臨床上のマトリックスの1つまたは複数のマイコバクテリウムと交差反応する抗体を調製するために適する。本発明まで、配列番号1に示す結核菌タンパク質は、インビボで発現されること、または他の生物体で免疫原性であるか免疫学的に非交差反応性であることが示されていなく、KARIタンパク質に関する情報は、配列番号1のポリペプチドをコードする結核菌ゲノムのオープンリーディングフレームのバイオインフォマティク分析から導かれた。
本明細書で用いるように、用語「導かれた」は、特定される整数を、必ずしもその起源に直接由来するとは限らないとはいえ、特定の起源から得ることができることを示すと解釈されるものとする。
文脈上別解釈を必要とする場合またはそれに反して具体的に記載される場合を除き、単数の整数体、段階または要素として本明細書に記載の本発明の整数体、段階または要素は、記載される整数体、段階または要素の単数形および複数形の両方を明らかに包含する。
任意の一例に関して、特に任意のタンパク質または結核菌の診断、予後診断または療法におけるその使用に関して本明細書で記載される本発明の例は、本明細書に記載の本発明の任意の他の例に、必要な変更を加えて適用されると解釈されるものとする。
個々の対象のためにここで記載される診断の例は、集団、人種群もしくは亜群の疫学に、または特定のMHC拘束を有する個体の診断もしくは予後診断に、必要な変更を加えて明らかに適用される。本発明の全てのそのような変形形態は、本明細書で記載される事項に基づいて当業者によって容易に導かれる。
結核菌の検出または同定への本明細書での言及、および/または結核菌による結核または感染の診断、予後診断またはモニタリングへの言及は、結核菌群の任意の1つまたは複数の生物体の検出に明らかに拡張されるが、文脈上別解釈を必要とする場合を除き、パラ結核および/またはマイコバクテリウム・アビウム複合体の1つまたは複数の生物体の診断には拡張されない。例えば、本明細書に記載のように、本発明は、マイコバクテリウムの一般的なスクリーニングとして、結核を検出するための、および/または結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムを検出するための1つまたは複数の代わりのアッセイの使用と合わせた(しかし、パラ結核を診断するための、および/またはマイコバクテリウム・アビウム複合体の1つまたは複数のマイコバクテリウムを検出するための任意の代わりのアッセイと一緒ではない)、結核菌のKARIおよび断片ならびにマイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエの1つまたは複数と交差反応する抗体の使用を包含する。
本明細書全体を通して、文脈上別解釈を要する場合を除き、単語「含む」、または「含むこと」もしくは「含んでいる」などの変形形態は、明示された段階もしくは要素もしくは整数体または段階もしくは要素もしくは整数体の群が含まれることを意味するが、いかなる他の段階もしくは要素もしくは整数体または要素もしくは整数体の群の除外を意味するものではないと理解される。
当業者は、本明細書に記載の本発明が、具体的に記載されるもの以外の変形形態および改変を受け入れることができることを理解するであろう。本発明はそのような変形形態および改変を含むことを理解すべきである。本発明は、この明細書で言及されるか示される段階、特徴、組成物および化合物の全てを個々に、または集合的に、ならびに前記段階または特徴の任意または全ての組合せまたは任意の2つ以上を含みもする。
本発明は、本明細書に記載される特定の例によって範囲が限定されるものではない。本明細書に記載のように、機能的に同等である生成物、組成物および方法は、明らかに本発明の範囲内である。
本発明は、特に明記しない限り、分子生物学、微生物学、プロテオミクス、ウイルス学、組換えDNA技術、液中ペプチド合成、固相ペプチド合成および免疫学の従来の技術を用いて、過度の実験なしで実施される。そのような従来の技術を教示する下のテキスト1〜17は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
結核菌のケトール酸リダクトイソメラーゼ(KARI)の検出に関する増幅サンドイッチELISA標準曲線を示すグラフ図である。実施例中に記載したように、バッファー中のKARIを検出するのに最適なELISA条件を使用して、標準曲線を作成した。組換えKARIタンパク質の濃度(pg/ml)はX軸に対数目盛で示し[ilvC]、および平均ODはY軸に示す。捕捉および検出用抗体(それぞれMo1283FおよびCh34/35)を、それぞれ5および2.5μg/mLで使用した。4パラメーターのロジスティック方程式を使用して、標準曲線を代表的なELISAのデータと適合させた(n=2)(#1217;LOD=1690pg/mL)。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌の1つの実験室株(H37Rv)および2つの臨床株(CSU93およびHN878)中での、(全細胞タンパク質に対する)KARIタンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv(左)、結核菌株CSU93(中央)およびHN878(右)由来の全細胞溶解物(WCL)をサンドイッチELISAによって分析した。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、添加レベルに補正した。データはそれぞれのサンプルを二連で分析するための反復実験から得た。(pg/全細胞タンパク質μgとして表した)内因性タンパク質のレベルは、3つの培養株のそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。結核菌株はコロラド州立大学の好意により得た。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウム中での、(全細胞タンパク質に対する)KARIタンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)由来の全細胞溶解物を、2つの独立した実験において二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。pg/全細胞タンパク質μgとして表した内因性タンパク質のレベルは、試験した3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウムの全細胞溶解物から得た濾液中でのKARIタンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)の全細胞溶解物から得た濾液を二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した(存在した場合)。pg/1μL濾液として表した内因性タンパク質のレベルは、3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 非マイコバクテリウム病原体大腸菌(縦列1および2)、枯草菌(Bacillus subtilis)(縦列3および4)、および緑膿菌(縦列5および6)由来の0.1μg/ml(縦列2、4、6)または100μg/ml(縦列1、3、5)の全細胞溶解物での結核菌のKARIタンパク質に対する抗体の有意な交差反応性の欠如を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。全細胞溶解物は、2つの別個の実験において二連でアッセイした。対照として、ブロッキングバッファー中での組換えタンパク質の連続希釈によって調製した、精製組換えKARIタンパク質が0ng/ml(縦列7)、0.12ng/ml(縦列8)、0.49ng/ml(縦列9)、1.95ng/ml(縦列10)、7.8ng/ml(縦列11)、31.3ng/ml(縦列12)、または125ng/ml(縦列13)存在した。平均OD+SDをサンプルおよび対照に関してプロットする。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、臨床検査用の痰中でのKARIタンパク質の発現を示すグラフ図である。図の左側の一連のヒストグラムは、連続希釈した結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、60μg/mlの縦列1、20μg/mlの縦列2、6.67μg/mlの縦列3、2.22μg/mlの縦列4、0.74μg/mlの縦列5、0.25μg/mlの縦列6、0.08μg/mlの縦列7、0μg/mlの縦列8を含む較正基準中に存在したKARIタンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。図の右側の一連のヒストグラムは、添付の実施例中に記載したように調製した(方法3:4.5mLの痰-C1、17×150μLの代替増幅ELISA)患者サンプル中に存在したKARIタンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、対象のHIV状態とは無関係に、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のKARIタンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、pg KARIタンパク質/サンプル体積1mlとして表した、臨床検査用の痰中での発現を示すグラフ図である。図6中に示したデータは、KARIタンパク質の較正値に基づいてpg抗原に変換した。これによって、結核菌株H37Rvの全細胞抽出物に関するμg/mLのKARIタンパク質を、pg/mLのrKARIタンパク質に補間することが可能となった。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、対象のHIV状態とは無関係に、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のKARIタンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。アッセイのLOD=約900pg/mL。 本明細書に記載する増幅サンドイッチELISAアッセイ中の内因性結核菌KARIタンパク質の検出の遮断および/またはクエンチングにおける非希釈痰の影響、および痰の希釈により消失したシグナルの回復を示すグラフ図である。1.2ng/mlのKARIタンパク質を与えるのに十分な結核菌株H37Rvの全細胞溶解物を非希釈ブロッキング溶液または痰中に加えて、アッセイ前に16時間インキュベートし、または直接アッセイした。同じサンプルをアッセイ前にブロッキング溶液中にさらに連続希釈し、この場合希釈は、x軸上に示すように、1:3(v/v)ブロッキング溶液:「非希釈」サンプル〜1:27(v/v)ブロッキング溶液:「非希釈」サンプルの範囲であった。アッセイ用に、ELISAプレートは捕捉抗体Mo1283Fで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれの非希釈サンプル(「非希釈」)、または1:3(v/v)希釈(「1対3」)、1:9(v/v)希釈(「1対9」)、または1:27(v/v)希釈(「1対27」)の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体と共にインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、ブロッキングバッファー中のシグナルと比較して、「非希釈」サンプルの最初の二本の縦列中の検出不能シグナルにより示されるように、サンプルを即座にアッセイするか、またはアッセイ前に長時間インキュベートするかとは無関係に、痰によるシグナルの有意な減衰/抑制があることを示す。最大約50〜75%のシグナルがブロッキングバッファー中のサンプルの希釈によって回復し、この回復はサンプルをアッセイ前に16時間痰中でインキュベートしたときでさえ起こる可能性があり、痰中のシグナル消失に対する有意な貢献は、痰によるシグナルの遮断およびシグナルのクエンチングによるものであることを示唆する。 本明細書に記載する増幅サンドイッチELISAアッセイ中の組換え結核菌KARIタンパク質の検出の遮断および/またはクエンチングにおける非希釈痰の影響、および痰の希釈により消失したシグナルの回復を示すグラフ図である。KARIタンパク質を10ng/mlの最終濃度で非希釈ブロッキング溶液または痰中に加えて、サンプルはアッセイ前に16時間インキュベートし、または直接アッセイした。同じサンプルをアッセイ前にブロッキング溶液中にさらに連続希釈し、この場合希釈は、x軸上に示すように、1:3(v/v)ブロッキング溶液:「非希釈」サンプル〜1:27(v/v)ブロッキング溶液:「非希釈」サンプルの範囲であった。アッセイ用に、ELISAプレートは捕捉抗体Mo1283Fで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれの非希釈サンプル(「非希釈」)、または1:3(v/v)希釈(「1対3」)、1:9(v/v)希釈(「1対9」)、または1:27(v/v)希釈(「1対27」)の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体と共にインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、ブロッキングバッファー中のシグナルと比較して、「非希釈」サンプルの最初の二本の縦列中の検出不能シグナルにより示されるように、サンプルを即座にアッセイするか、またはアッセイ前に長時間インキュベートするかとは無関係に、痰によるシグナルの有意な減衰/抑制があることを示す。サンプルを長時間痰中でインキュベートしたときでさえ、シグナルはブロッキングバッファー中のサンプルの希釈によって回復し、痰中のシグナル消失に対する有意な貢献は、痰によるシグナルの遮断およびシグナルのクエンチングによるものであることを示唆する。 標的抗原としてKARIならびに捕捉抗体として抗体Mo1283Fおよび検出用抗体としてCh34/35を使用した、臨床塗抹検査陽性痰サンプルのスクリーニング結果のグラフ図である。サンプルは左から右に以下の通りであった:(i)示したタンパク質濃度(μgタンパク質/ml)で結核菌株H37Rvの全細胞溶解物の連続希釈液を含む陽性対照サンプル;(ii)それぞれブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈、または1:9(v/v)希釈、すなわちx軸上に示す希釈係数でアッセイした、2つの塗抹検査陽性サンプル(MPC306およびMPC315);(iii)ブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈、または1:9(v/v)希釈、すなわちx軸上に示す希釈係数でアッセイした、陰性対照(BD_1)および(iv)30μg/mlの組換えKARIタンパク質を加え次いでブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈、または1:9(v/v)希釈、すなわちx軸上に示す希釈係数で連続希釈したサンプルBD_1を含むさらなる陽性対照。ELISAシグナルはy軸上に示す。データは、陰性対照のバックグラウンドシグナル、および2つの塗抹検査陽性サンプルのバックグラウンドを超える検出可能なシグナルを示す。 そのデータを図10中に示す実験と連続した、標的抗原としてKARIならびに捕捉抗体として抗体Mo1283Fおよび検出用抗体としてCh34/35を使用した、臨床塗抹検査陽性痰サンプルのスクリーニング結果のグラフ図である。サンプルは左から右に以下の通りであった:(i)示したタンパク質濃度(μgタンパク質/ml)で結核菌株H37Rvの全細胞溶解物の連続希釈液を含む陽性対照サンプル;(ii)それぞれブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈、または1:9(v/v)希釈、すなわちx軸上に示す希釈係数でアッセイした、2つの塗抹検査陽性サンプル(MPC306およびMPC315);(iii)ブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈、または1:9(v/v)希釈、すなわちx軸上に示す希釈係数でアッセイした、塗抹検査陰性サンプル(MPC313)および(iv)ブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈、または1:9(v/v)希釈、すなわちx軸上に示す希釈係数でアッセイした、陰性対照サンプル(BD_1)。ELISAシグナルはy軸上に示す。データは、陰性対照のバックグラウンドシグナル、ならびに2つの塗抹検査陽性サンプルおよび1つの塗抹検査陰性サンプルのバックグラウンドを超える検出可能なシグナルを示す。 そのデータを図10中に示す実験と連続した、標的抗原としてKARIならびに捕捉抗体として抗体Mo1283Fおよび検出用抗体としてCh34/35を使用した、臨床塗抹検査陽性痰サンプルのスクリーニング結果のグラフ図である。サンプルは左から右に以下の通りであった:(i)示したタンパク質濃度(μgタンパク質/ml)で結核菌株H37Rvの全細胞溶解物の連続希釈液を含む陽性対照サンプル;および(ii)それぞれブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または10:1(v/v)希釈、すなわちx軸上に示す希釈係数でアッセイした、2つの塗抹検査陽性サンプル(MPC309およびMPC307);および(iii)ブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または3:1(v/v)希釈、または9:1(v/v)希釈、すなわちx軸上に示す希釈係数でアッセイした、塗抹検査陰性サンプル(MPC313)。ELISAシグナルはy軸上に示す。データは、陰性対照のバックグラウンドシグナル、ならびに2つの塗抹検査陽性サンプルおよび1つの塗抹検査陰性サンプルのバックグラウンドを超える検出可能なシグナルを示す。 ポリクローナルCh34/35抗体(左図)およびモノクローナルMo1283F抗体(右図)を使用したウエスタンブロット分析による、組換えKARIタンパク質および内因性結核菌KARIタンパク質の検出を示す写真図である。組換えKARIタンパク質(rilvC、10ng)、および培養結核菌株H37Rv、CSU93またはHN878由来の10μgの全細胞溶解物(WCL)をSDS-PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜に移し、一次Ch34/35ポリクローナル抗体、次に二次抗ニワトリ抗体(左図の見出し「ニワトリ34/35」)、またはモノクローナルMo1283F抗体、次に二次抗マウス抗体(左図の見出し「マウス1283F」)でプローブ処理した。複製ブロットも1μg/mlの非標識、組換えKARIタンパク質(中央図の見出し「ニワトリ34/35」)の存在下においてCh34/35抗体で、または代替的に二次抗体のみ(右図の見出し「ニワトリ34/35」、および右図の見出し「マウス1283F」)でプローブ処理した。四角で囲んだ領域はKARIタンパク質のバンドを示す。タンパク質の分子量は図の各群の左側に示す。データは、試験した全3菌株における組換えKARIタンパク質と結合する両抗体の能力、および試験した濃度でウエスタンブロット中の内因性タンパク質を検出するポリクローナル抗体の能力を示す。データは、抗体結合が過剰な非標識タンパク質によって無効になることも示す。 異なる抗体調製物を使用したウエスタンブロット分析による、組換えKARIタンパク質および内因性KARIタンパク質の検出を示す写真図である。分子量マーカータンパク質(レーン1)、1ngの組換えKARIタンパク質(レーン2)、および培養結核菌株H37Rvの5mgの全細胞溶解物(WCL)(レーン3)をSDS-PAGEによって分離した。タンパク質はニトロセルロース膜に移し、前述の各図で示した一次抗体を使用してプローブ処理した。データは、Ch35抗体調製物、プールしたCh34/35抗体調製物、モノクローナル抗体2B1およびモノクローナル抗体3A2を使用した組換えおよび内因性KARTタンパク質との検出可能な結合、およびモノクローナル抗体調製物Mo1E7およびMo2C7を使用した内因性KARIタンパク質との検出可能な結合を示す。 増幅サンドイッチELISAによって決定した、異なる結核菌株におけるKARTタンパク質の交差反応性を示すグラフ図である。ELISAプレートは、形質細胞腫2B1C11によって生成した捕捉抗体Mo2B1で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、コロラド大学(Colorado University)からまたはTyrian Diagnostics内で得た結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、および結核菌株HN878およびCDC1551の細胞溶解物の連続希釈液の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体と共にインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、この抗体の組合せを使用すると、試験した株の間に有意な交差反応性が存在することを示す。 増幅サンドイッチELISAによって決定した、異なる結核菌株由来の細胞溶解物の細胞質分画中のKARTタンパク質を示すグラフ図である。ELISAプレートは、形質細胞腫2B1C11によって生成した捕捉抗体Mo2B1で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、結核菌株H37Rv、HN878およびCDC1551由来の細胞質タンパク質の連続希釈液の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体と共にインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、この抗体の組合せを使用すると、H37Rvにおいて高レベルでCDC1551において低レベルで、試験した全3菌株の細胞質中に検出可能なKARIタンパク質が存在することを示す。 増幅サンドイッチELISAによって決定した、異なる結核菌株由来の細胞溶解物の細胞膜分画中のKARIタンパク質を示すグラフ図である。ELISAプレートは、形質細胞腫2B1C11によって生成した捕捉抗体Mo2B1で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、結核菌株H37Rv、HN878およびCDC1551由来の可溶化細胞膜タンパク質の連続希釈液の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体と共にインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、この抗体の組合せを使用すると、H37Rvにおいて高レベルでCDC1551およびHN878において低レベルで、試験した全3菌株の細胞膜中に検出可能なKARIタンパク質が存在することを示す。 増幅サンドイッチELISAによって決定した、異なる結核菌株由来の細胞溶解物の細胞壁分画中のKARIタンパク質を示すグラフ図である。ELISAプレートは、形質細胞腫2B1C11によって生成した捕捉抗体Mo2B1で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、結核菌株H37Rv、HN878およびCDC1551由来の可溶化細胞壁タンパク質の連続希釈液の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体と共にインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、この抗体の組合せを使用すると、H37Rvにおいて高レベルでCDC1551において低レベルで、試験した全3菌株の細胞壁中に検出可能なKARIタンパク質が存在することを示す。 増幅サンドイッチELISAによって決定した、結核菌株H37Rvの細胞溶解物(右側曲線)および組換えKARIタンパク質(左側曲線)に関する相対的ELISAシグナルを示すグラフ図である。ELISAプレートは、形質細胞腫2B1C11によって生成した捕捉抗体Mo2B1で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、Tyrian Diagnostics内で得た結核菌株H37Rv由来の全細胞溶解物の連続希釈液の50μlアリコート、および組換えKARIタンパク質の連続希釈液の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体と共にインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、内因性および組換えKARIタンパク質に関する相対的滴定値を示す。データは、全細胞溶解物中の内因性タンパク質の遮断および/またはクエンチングがある可能性があるにもかかわらず、内因性タンパク質が明らかに検出可能であることも実証する。 内因性結核菌のKARIタンパク質と、大腸菌、緑膿菌、枯草菌、およびサッカロマイセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の細胞溶解物中のタンパク質の間の検出可能な交差反応性の欠如を示すグラフ図である。ELISAプレートは、形質細胞腫2B1C11によって生成した捕捉抗体Mo2B1で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、結核菌株H37Rv、大腸菌、緑膿菌、枯草菌、およびサッカロマイセスセレビシエ由来の全細胞溶解物の連続希釈液の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体と共にインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、結核菌のKARIタンパク質に対して生成した検出可能なシグナル、および他の生物の全細胞溶解物中のタンパク質に対する有意なシグナルの不在を示し、この抗体対を使用したアッセイの特異性を実証する。 内因性結核菌のKARIタンパク質と、大腸菌、緑膿菌、枯草菌、およびサッカロマイセスセレビシエの細胞溶解物中のタンパク質の間の検出可能な交差反応性の欠如、および結核菌のKARIタンパク質とマイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウムのKARIタンパク質の間のわずかな交差反応性を示すグラフ図である。ELISAプレートは、形質細胞腫2B1C11によって生成した捕捉抗体Mo2B1で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、結核菌株H37Rv(M.tb溶解物)、大腸菌(E.coli)、緑膿菌(Pseud)、枯草菌(B.sub)、サッカロマイセスセレビシエ(酵母)、マイコバクテリウム・イントラセルラエ(Intrce溶解物)およびマイコバクテリウム・アビウム(Avium溶解物)由来の全細胞溶解物の連続希釈液の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体と共にインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、結核菌のKARIタンパク質に対して生成した検出可能なシグナル、およびマイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウムのタンパク質に対する一層弱いシグナル生成(約100倍低い感度)、および他の生物の全細胞溶解物中のタンパク質に対する有意なシグナルの不在を示し、この抗体対を使用したアッセイの特異性を実証する。 図22は意図的に削除済みである。 標的抗原としてKARIならびに捕捉抗体として抗体Mo2B1および検出用抗体としてCh34/35を使用した、臨床塗抹検査陽性痰サンプルのスクリーニング結果のグラフ図である。図23a〜e中、左側の一連の縦列は、示したタンパク質濃度(μgタンパク質/ml)での結核菌株H37Rvの全細胞溶解物の連続希釈液由来のKARIタンパク質、およびブロッキングバッファーを含むブランク陰性対照に関する標準較正値を与え、右端の縦列は、陰性対照の痰、または10μg/mlの組換えKARIタンパク質を含み、次いでブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈で連続希釈した同じ陰性対照の痰に関するシグナルを与える。各図中のサンプルは、以下の塗抹検査陰性および塗抹検査陽性サンプルを含んでいた: 塗抹検査陰性、図23a中:BD1229、BD1288、MPC364、BD1287、BD1187、MPC363; 塗抹検査陽性、図23a中:MPC360、MPC374、MPC366、MPC357、MPC356; 捕捉抗体としてモノクローナル抗体Mo2B1および検出用抗体としてポリクローナルCh34/35血清を使用して、前図中の凡例中に記載したように、増幅ELISAアッセイを示した希釈でサンプルに実施した。サンプルコードおよび塗抹検査の値はx軸上に示す。ELISAシグナルは平均±SDとしてy軸上に示す(n=2)。データは、陰性対照のバックグラウンドシグナル、および全細胞溶解物または組換えKARIタンパク質を含む陽性対照のバックグラウンドを超える検出可能なシグナルを示す。臨床サンプルに関しては、データは、全ての塗抹検査陽性サンプルのバックグラウンドを有意に超える検出可能なシグナル、および大部分の塗抹検査陰性サンプルのバックグラウンド未満のシグナルを示す。いくつかの塗抹検査陽性サンプル、例えば、MPC364、MPC363、MPC375、MPC388、およびMPC339はバックグラウンドを超えるシグナルも与えるが、しかしながら、全てのこれらの偽陽性の検出は、Rv1265および/またはBSXおよび/またはS9タンパク質に対する抗体を利用する、1つまたは複数の抗原ベースのアッセイを使用した代理アッセイによって解明することができた(データ示さず)。 標的抗原としてKARIならびに捕捉抗体として抗体Mo2B1および検出用抗体としてCh34/35を使用した、臨床塗抹検査陽性痰サンプルのスクリーニング結果のグラフ図である。図23a〜e中、左側の一連の縦列は、示したタンパク質濃度(μgタンパク質/ml)での結核菌株H37Rvの全細胞溶解物の連続希釈液由来のKARIタンパク質、およびブロッキングバッファーを含むブランク陰性対照に関する標準較正値を与え、右端の縦列は、陰性対照の痰、または10μg/mlの組換えKARIタンパク質を含み、次いでブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈で連続希釈した同じ陰性対照の痰に関するシグナルを与える。各図中のサンプルは、以下の塗抹検査陰性および塗抹検査陽性サンプルを含んでいた: 塗抹検査陰性、図23b中:CGS123、MPC375、PhruO905、CGS119、およびMPC388; 塗抹検査陽性、図23b中:MPC381、MPC380、MPC379、MPC378; 捕捉抗体としてモノクローナル抗体Mo2B1および検出用抗体としてポリクローナルCh34/35血清を使用して、前図中の凡例中に記載したように、増幅ELISAアッセイを示した希釈でサンプルに実施した。サンプルコードおよび塗抹検査の値はx軸上に示す。ELISAシグナルは平均±SDとしてy軸上に示す(n=2)。データは、陰性対照のバックグラウンドシグナル、および全細胞溶解物または組換えKARIタンパク質を含む陽性対照のバックグラウンドを超える検出可能なシグナルを示す。臨床サンプルに関しては、データは、全ての塗抹検査陽性サンプルのバックグラウンドを有意に超える検出可能なシグナル、および大部分の塗抹検査陰性サンプルのバックグラウンド未満のシグナルを示す。いくつかの塗抹検査陽性サンプル、例えば、MPC364、MPC363、MPC375、MPC388、およびMPC339はバックグラウンドを超えるシグナルも与えるが、しかしながら、全てのこれらの偽陽性の検出は、Rv1265および/またはBSXおよび/またはS9タンパク質に対する抗体を利用する、1つまたは複数の抗原ベースのアッセイを使用した代理アッセイによって解明することができた(データ示さず)。 標的抗原としてKARIならびに捕捉抗体として抗体Mo2B1および検出用抗体としてCh34/35を使用した、臨床塗抹検査陽性痰サンプルのスクリーニング結果のグラフ図である。図23a〜e中、左側の一連の縦列は、示したタンパク質濃度(μgタンパク質/ml)での結核菌株H37Rvの全細胞溶解物の連続希釈液由来のKARIタンパク質、およびブロッキングバッファーを含むブランク陰性対照に関する標準較正値を与え、右端の縦列は、陰性対照の痰、または10μg/mlの組換えKARIタンパク質を含み、次いでブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈で連続希釈した同じ陰性対照の痰に関するシグナルを与える。各図中のサンプルは、以下の塗抹検査陰性および塗抹検査陽性サンプルを含んでいた: 塗抹検査陰性、図23c中:BD505、MPC339; 塗抹検査陽性、図23c中:MPC370、MPC365、MPC335、MPC372、MPC342、MPC377、MPC324、MPC367、MPC359、MPC368; 捕捉抗体としてモノクローナル抗体Mo2B1および検出用抗体としてポリクローナルCh34/35血清を使用して、前図中の凡例中に記載したように、増幅ELISAアッセイを示した希釈でサンプルに実施した。サンプルコードおよび塗抹検査の値はx軸上に示す。ELISAシグナルは平均±SDとしてy軸上に示す(n=2)。データは、陰性対照のバックグラウンドシグナル、および全細胞溶解物または組換えKARIタンパク質を含む陽性対照のバックグラウンドを超える検出可能なシグナルを示す。臨床サンプルに関しては、データは、全ての塗抹検査陽性サンプルのバックグラウンドを有意に超える検出可能なシグナル、および大部分の塗抹検査陰性サンプルのバックグラウンド未満のシグナルを示す。いくつかの塗抹検査陽性サンプル、例えば、MPC364、MPC363、MPC375、MPC388、およびMPC339はバックグラウンドを超えるシグナルも与えるが、しかしながら、全てのこれらの偽陽性の検出は、Rv1265および/またはBSXおよび/またはS9タンパク質に対する抗体を利用する、1つまたは複数の抗原ベースのアッセイを使用した代理アッセイによって解明することができた(データ示さず)。 標的抗原としてKARIならびに捕捉抗体として抗体Mo2B1および検出用抗体としてCh34/35を使用した、臨床塗抹検査陽性痰サンプルのスクリーニング結果のグラフ図である。図23a〜e中、左側の一連の縦列は、示したタンパク質濃度(μgタンパク質/ml)での結核菌株H37Rvの全細胞溶解物の連続希釈液由来のKARIタンパク質、およびブロッキングバッファーを含むブランク陰性対照に関する標準較正値を与え、右端の縦列は、陰性対照の痰、または10μg/mlの組換えKARIタンパク質を含み、次いでブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈で連続希釈した同じ陰性対照の痰に関するシグナルを与える。各図中のサンプルは、以下の塗抹検査陰性および塗抹検査陽性サンプルを含んでいた: 塗抹検査陰性、図23d中:列挙した全サンプル 塗抹検査陽性、図23d:列挙したサンプルで該当なし 捕捉抗体としてモノクローナル抗体Mo2B1および検出用抗体としてポリクローナルCh34/35血清を使用して、前図中の凡例中に記載したように、増幅ELISAアッセイを示した希釈でサンプルに実施した。サンプルコードおよび塗抹検査の値はx軸上に示す。ELISAシグナルは平均±SDとしてy軸上に示す(n=2)。データは、陰性対照のバックグラウンドシグナル、および全細胞溶解物または組換えKARIタンパク質を含む陽性対照のバックグラウンドを超える検出可能なシグナルを示す。臨床サンプルに関しては、データは、全ての塗抹検査陽性サンプルのバックグラウンドを有意に超える検出可能なシグナル、および大部分の塗抹検査陰性サンプルのバックグラウンド未満のシグナルを示す。いくつかの塗抹検査陽性サンプル、例えば、MPC364、MPC363、MPC375、MPC388、およびMPC339はバックグラウンドを超えるシグナルも与えるが、しかしながら、全てのこれらの偽陽性の検出は、Rv1265および/またはBSXおよび/またはS9タンパク質に対する抗体を利用する、1つまたは複数の抗原ベースのアッセイを使用した代理アッセイによって解明することができた(データ示さず)。 標的抗原としてKARIならびに捕捉抗体として抗体Mo2B1および検出用抗体としてCh34/35を使用した、臨床塗抹検査陽性痰サンプルのスクリーニング結果のグラフ図である。図23a〜e中、左側の一連の縦列は、示したタンパク質濃度(μgタンパク質/ml)での結核菌株H37Rvの全細胞溶解物の連続希釈液由来のKARIタンパク質、およびブロッキングバッファーを含むブランク陰性対照に関する標準較正値を与え、右端の縦列は、陰性対照の痰、または10μg/mlの組換えKARIタンパク質を含み、次いでブロッキングバッファー中に1:1(v/v)希釈、または1:3(v/v)希釈で連続希釈した同じ陰性対照の痰に関するシグナルを与える。各図中のサンプルは、以下の塗抹検査陰性および塗抹検査陽性サンプルを含んでいた: 塗抹検査陰性、図23e中:3-D、3-E、3-H、3-J、3-L、および 塗抹検査陽性、図23e中:3-A、3-B、3-C、3-E、3-F、3-G、3-I、3-K。 捕捉抗体としてモノクローナル抗体Mo2B1および検出用抗体としてポリクローナルCh34/35血清を使用して、前図中の凡例中に記載したように、増幅ELISAアッセイを示した希釈でサンプルに実施した。サンプルコードおよび塗抹検査の値はx軸上に示す。ELISAシグナルは平均±SDとしてy軸上に示す(n=2)。データは、陰性対照のバックグラウンドシグナル、および全細胞溶解物または組換えKARIタンパク質を含む陽性対照のバックグラウンドを超える検出可能なシグナルを示す。臨床サンプルに関しては、データは、全ての塗抹検査陽性サンプルのバックグラウンドを有意に超える検出可能なシグナル、および大部分の塗抹検査陰性サンプルのバックグラウンド未満のシグナルを示す。いくつかの塗抹検査陽性サンプル、例えば、MPC364、MPC363、MPC375、MPC388、およびMPC339はバックグラウンドを超えるシグナルも与えるが、しかしながら、全てのこれらの偽陽性の検出は、Rv1265および/またはBSXおよび/またはS9タンパク質に対する抗体を利用する、1つまたは複数の抗原ベースのアッセイを使用した代理アッセイによって解明することができた(データ示さず)。 捕捉抗体としてモノクローナル抗体Mo1F6および検出用抗体としてビオチニル化モノクローナル抗体Mo2B1(2B1-Bi)を利用する増幅サンドイッチELISAを使用した、内因性結核菌のKARIタンパク質の検出を示すグラフ図である。増幅ELISAは、ほぼ本明細書に記載したように2つの別個の実験で実施した。データは、このアッセイはKARIタンパク質を検出することを示す。 KARIタンパク質(Mo4F7、Mo3C3、Mo4C10、Mo1C10)または組換えKARIタンパク質(Mo2B1)の領域を含むペプチドに対して産生されたモノクローナル抗体を使用して、結核菌の全細胞溶解物中の内因性KARIタンパク質と結合させた、増幅サンドイッチELISAのグラフ図である。2群の各モノクローナル抗体を試験した。データは、完全長組換えタンパク質に対して調製したモノクローナル抗体Mo2B1による内因性KARIタンパク質との最も強い結合、および配列番号1の残基40〜56を含む合成ペプチドに対して生成したモノクローナル抗体Mo4F7およびMo4C10による検出可能な結合を示す。 モノクローナル抗体Mo1A4、Mo1H2、Mo2D6、Mo2E5、Mo2G2、Mo3H3、Mo4C3、Mo4D2、およびMo4D11に関する抗体滴定値を示すグラフ図である。抗体はx軸上に示した希釈で滴定し、試験したそれぞれの抗体希釈において、生成したシグナルは左から右に以下の抗体:1A4、1H2、2D6、2E5、2G2、3H3、4C3、4D2、および4D11と関係がある。データは、抗体2D6の力価が最も高く、3H3および4D11が2D63>>H3>4D11の順であることを示す。 組換えKARIタンパク質を検出するモノクローナル抗体Mo1A4、Mo1H2、Mo2D6、Mo2E5、Mo2G2、Mo3H3、Mo4C3、Mo4D2、およびMo4D11の能力を示すグラフ図である。x軸上に示した濃度の同体積の組換えKARIタンパク質に対して抗体を滴定し、試験したそれぞれの濃度において、生成したシグナルは左から右に以下の抗体:1A4、1H2、2D6、2E5、2G2、3H3、4C3、4D2、および4D11と関係がある。データは、抗体2D6、3H3および4D11はマイクログラムからナノグラムの濃度範囲でKARIタンパク質を検出することを示す。 捕捉抗体としてモノクローナル抗体Mo1F6またはMo2D6および検出用抗体としてビオチニル化モノクローナル抗体Mo2B1(2B1-Bi)を利用する増幅サンドイッチELISAを使用した、組換えKARIタンパク質の検出を示すグラフ図である。増幅ELISAは、ほぼ本明細書に記載したように、それぞれの抗体対に関して2つの別個の実験で実施した。データは、2つのアッセイがKARIタンパク質を検出することを示す。 ポイントオブニードアッセイフォーマット(DiagnostIQ(商標)、Tyrian Diagnostics、オーストラリア)における、株H37Rvの全細胞溶解物中の内因性結核菌のKARIタンパク質の標準曲線を示す、写真図(上)およびグラフ図(下)である。それぞれのアッセイに関して、7.5〜120μg/mLの範囲でタンパク質を含む500μLの結核菌株H37Rvの全細胞溶解物(WCL)を試験した。内因性KARIはCh34/35で示すニワトリ抗KARIポリクローナル抗体プールを使用して捕捉し、金結合モノクローナル抗体Mo2B1を使用して検出した。それぞれのアッセイポイントは二連で実施した。データは、ELISAアッセイはポイントオブニードフォーマットに単純化することができることを示す。 組換えBSXとプレインキュベートしたニワトリ抗BSXポリクローナル抗体(黒い菱形)、ニワトリ抗BSX抗体、プレインキュベーションなし(グレーの四角形)、ウサギ抗BSXポリクローナル抗体(黒い三角形)およびマウス抗BSXモノクローナル抗体(黒い四角形)を使用して検出した組換えBSXの濃度の比較を示すグラフ図である。組換えタンパク質の濃度はX軸上に示し、光学濃度はY軸上に示す。 モノクローナル抗体Mo403Bを捕捉試薬として使用しポリクローナル抗体C44を検出用試薬として使用した、サンドイッチELISAを使用した組換えBSXの検出を示すグラフ図である。50ng/ml〜0.39ng/mlの滴定量の組換えBSXをスクリーニングした。検出用および捕捉試薬の濃度を示す。BSXの濃度はX軸上に示し、平均ODはY軸上に示す。 サンドイッチELISAを使用した、TBおよびコントロール対象の痰中のBSXの検出を示すグラフ図である。光学濃度はY軸上に示し、サンプルの型および数はX軸上に示す。 モノクローナル抗体Mo403Bを(示したように)捕捉試薬検出用試薬として使用し、ポリクローナル抗体C44を(示したように)検出用試薬または捕捉試薬として使用した、増幅サンドイッチELISAを使用した組換えBSXの検出を示すグラフ図である。50ng/ml〜0.39ng/mlの滴定量の組換えBSXをスクリーニングした。検出用および捕捉試薬の濃度を示す。BSXの濃度はX軸上に示し、平均ODはY軸上に示す。 捕捉試薬としてC44を使用した、増幅ELISAを使用した組換えBSXの検出を示すグラフ図である。精製ニワトリ抗BSXpAbC44を、ウェル当たり50μlを使用して20μg/mlの濃度で捕捉抗体としてELISAプレート上に固定した。10ng/ml〜0.078ng/mlの滴定量の組換えBSXを、5μg/mlの濃度で精製ウサギ抗BSX(ペプチド28)pAb、および次に二次検出用抗体として1:30,000(v/v)または1:60,000(v/v)のいずれかで希釈したヤギ抗ウサギIgGの連続添加によって次いでスクリーニングした。1:5,000(v/v)で希釈したロバ抗ヤギIgG HRPおよびTMBはシグナル検出用に使用した。 標準的なサンドイッチELISAおよびビオチンベースの増幅システムの検出限界の測定を示すグラフ図である。精製ウサギ抗BSXpAbR16を、20μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。滴定量の組換えBSXを、他に示さない(すなわち2時間)以外は1時間、50ng/ml〜0.39ng/mlの濃度で加えた。抗原の検出は、5μg/mlの濃度でニワトリ抗BSXpAbC44、次に1:5000(v/v)の希釈でヒツジ抗ニワトリIgG HRP結合体を加えた標準的なサンドイッチシステム、またはニワトリ抗BSXを最初に5μg/mlで、次に前に示した様々な希釈でロバ抗ニワトリIgGビオチン結合体、および最後に1:5000(v/v)希釈でストレプトアビジン-HRPを加えた増幅システムのいずれかを使用して実施した。バックグラウンド(すなわち、BSXが存在しないシグナル)は前述の曲線から差し引いてある。 ビオチンベースの増幅ELISAを使用した、滴定量の組換えBSXの検出を示すグラフ図である。精製ウサギ抗BSX(抗ペプチド28)pAbR16を、20または40μg/mlのいずれかの濃度で捕捉抗体としてELISAプレート上に固定した。10ng/ml〜4.9pg/mlの滴定量の組換えBSXを、5μg/mlの濃度で精製ニワトリ抗BSXpAbC44、および次に二次検出用抗体として1:20,000(v/v)で希釈したロバ抗ニワトリIgGビオチン結合体の連続添加によって次いでスクリーニングした。1:5000(v/v)で希釈したストレプトアビジンHRP結合体およびTMBはシグナル検出用に使用した。バックグラウンドOD強度は、組換えBSXを加えなかった両方のウサギ抗BSX捕捉濃度に関して得た。 サンドイッチELISAおよびビオチン増幅システムを使用した、内因性BSXに関する痰のスクリーニングを示すグラフ図である。南アフリカTB患者由来およびそれぞれ南アフリカ(接頭語「M」)およびオーストラリア(接頭語「CGS」)からの非TBの呼吸器疾患を有する対照患者由来の痰サンプル(50μl+50μlのブロッキングバッファー)を、BSX抗原の存在に関してサンドイッチELISAによってスクリーニングした。精製ウサギ抗BSX(ペプチド28)pAbを、20μg/mlの濃度で捕捉抗体としてELISAプレート上に固定した。5μg/mlの濃度で精製ニワトリ抗BSXpAb、C44を検出用抗体として使用した。1:20000(v/v)の希釈でビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGを二次検出用抗体として使用した。1:5000(v/v)で希釈したストレプトアビジンHRPおよびTMBはシグナル検出用に使用した。対照患者由来の痰CGS25に、陽性対照として5ng/mlおよび1ng/mlの組換えBSXを加えた。 増幅サンドイッチELISAによる、BSXタンパク質の検出に対する多数のサンプル充填の影響を示すグラフ図である。ウサギ抗BSXpAbR16を、ウェル当たり50μlを使用して、20μg/mlの濃度で捕捉抗体としてELISAプレート上に固定した。TB患者および非TBの呼吸器疾患を有する対照患者由来の痰サンプルを、ブロッカー溶液を用いて1:1(v/v)の割合で希釈した。陽性対照は、CGS23痰サンプル中に1ng/mlで加えた組換えBSXである。痰サンプルは、(i)標準的なELISAに従い1時間インキュベートした、(ii)2時間インキュベートした、または(iii)2時間インキュベートし、除去し、新たな痰を加えさらに1時間インキュベートしたかのいずれかであった。内因性BSXは、5μg/mlで精製ニワトリ抗BSXpAbC44、次に1:20,000(v/v)で希釈したロバ抗ニワトリIgGビオチン結合体、および最後に1:5000(v/v)で希釈したストレプトアビジンHRP結合体を使用して検出した。 結核菌BSXタンパク質を検出するための、標準および増幅サンドイッチELISA標準曲線を示すグラフ図である。標準曲線は、実施例中に記載したようなバッファー中のBSXを検出するために最適化したELISA条件を使用して作成した。組換えBSXタンパク質の濃度(pg/ml)は対数目盛でX軸上に示し、平均ODはY軸上に示す。捕捉および検出用抗体(それぞれMo639FおよびCh12/13)は、それぞれ2μg/mLおよび5μg/mLで使用した。データはrBSXのlogpg/mLに対しての平均OD+SD(n=3)に関するX-Yグラフとしてプロットし、曲線適合を使用してアッセイのLODを決定した(#733標準および増幅ELISA、LOD=それぞれ552および89pg/mL)。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌の1つの実験室株(H37Rv)および2つの臨床株(CSU93およびHN878)中での、(全細胞タンパク質に対する)BSXタンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv(左)、結核菌株CSU93(中央)およびHN878(右)由来の全細胞溶解物(WCL)をサンドイッチELISAによって分析した。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、添加レベルに補正した。データはそれぞれのサンプルを二連で分析するための反復実験から得た。(pg/全細胞タンパク質1μgとして表した)内因性タンパク質のレベルは、3つの培養株のそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。結核菌株はコロラド州立大学の好意により得た。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウム中での、(全細胞タンパク質に対する)BSXタンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)由来の全細胞溶解物を、2つの独立した実験において二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。pg/全細胞タンパク質μgとして表した内因性タンパク質のレベルは、試験した3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウムの全細胞溶解物から得た濾液中でのBSXタンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)の全細胞溶解物から得た濾液を二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した(存在した場合)。pg/1μL濾液として表した内因性タンパク質のレベルは、試験した3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 非マイコバクテリウム病原体大腸菌(縦列1および2)、枯草菌(縦列3および4)、および緑膿菌(縦列5および6)由来の0.1μg/ml(縦列2、4、6)または100μg/ml(縦列1、3、5)の全細胞溶解物での結核菌のBSXタンパク質に対する抗体の有意な交差反応性の欠如を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。全細胞溶解物は、2つの別個の実験において二連でアッセイした。対照として、ブロッキングバッファー中での組換えタンパク質の連続希釈によって調製した、精製組換えBSXタンパク質が0pg/ml(縦列7)、および3ng/ml(縦列8)存在した。平均OD+SDをサンプルおよび対照に関してプロットする。 免疫磁気ビーズアッセイによる、臨床サンプル由来の痰中の結核菌のBSXタンパク質の検出を示すグラフ図である。1.8μgの抗BSXCh8pAbでコーティングした合計1.2×107個の磁気ビーズを、サンプル前処理後にTB陽性または陰性の痰(治療痰-M1)のいずれか500μLと共に一晩インキュベートした。10mMのEDTAおよび1×プロテアーゼ阻害剤カクテルをそれぞれのサンプルに加え、次に氷上で10mMのDTTを用いて1時間還元し、氷上で30mMのIAAを用いて1時間アルキル化し、回転させながら室温で0.25%のSDSと共に30分間インキュベートした。サンプルはサンプル希釈バッファー(BNTT- 1%のBSA、100mMのNaCl、10mMのトリスおよび0.05%のTween20)中に1:10(v/v)に希釈した。組換えBSXタンパク質(100pg)を同じ前処理プロセスに施した500μLのMitha対照プールに加えて、アッセイの陽性対照を形成した。結合した内因性抗原は、検出用抗体としてBNTTに希釈した5μg/mLの抗BSX抗体(Mo639F)1mM、次に結合体希釈バッファー[0.1%(w/v)のカゼイン、0.1%(v/v)のTween20]中に1:5000(v/v)希釈した100μLの抗マウスHRP結合抗体を使用して検出した。データはOD450〜620として表し、サンプルと標準に関して同様にプロットする。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、臨床検査用の痰中でのBSXタンパク質の発現を示すグラフ図である。痰はカメルーンで回収した4人のTB陽性およびTB陰性対象のそれぞれに由来するものであり、実施例中に記載したように処理した(方法3:9.0mLの痰-C1、4×150μLの代替増幅ELISA)。簡単に言うと、痰-C1をサイズ分画し100kDaの分子量未満の汚染物質を除去して、50mMのトリス、pH7.8、5mMのMgCl2に平衡化し、濃縮し、代替増幅ELISAによって4×150μLのアリコートとして分析した。図の左側の一連のヒストグラムは、連続希釈した結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、60μg/mlの縦列1、20μg/mlの縦列2、6.67μg/mlの縦列3、2.22μg/mlの縦列4、0.74μg/mlの縦列5、0.25μg/mlの縦列6、0.08μg/mlの縦列7、0μg/mlの縦列8を含む較正基準中に存在したBSXタンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。図の右側の一連のヒストグラムは、実施例中に記載したように調製した患者サンプル中に存在したBSXタンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のBSXタンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、pg BSXタンパク質/サンプル体積1mlとして表した、臨床検査用の痰中での発現を示すグラフ図である。図22中に示したデータは、BSXタンパク質の較正値に基づいてpg抗原に変換した。これによって結核菌株H37Rvの全細胞溶解物に関するμg/mLのBSXタンパク質を、pg/mLのrBSXタンパク質に補間することが可能となった。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、対象のHIV状態とは無関係に、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のBSXタンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。アッセイのLOD=約67pg/mL。 その中でTB対象から単離した免疫グロブリン分画から単離したタンパク質を二次元ゲル電気泳動を使用して分離した、ポリアクリルアミドゲルを示す写真図のコピーである。結核菌リボソームタンパク質S9の位置を示す。 5μg/mlストレプトアビジンプレート上に3μg/mlでコーティングされた、その対応するビオチニル化ペプチドに対する、ポリクローナル抗体R9の滴定を示すグラフ図である。 KHLと結合したこのペプチドに対して生成したウサギ血清に対する20,480pg/ml〜10pg/mlのアミノ酸配列MTETTPAPQTPAAPAGPAQSFGSGL-ビオチンを含むペプチドの滴定を示すグラフ図である。黒い菱形は40μg/mlの抗体を表す。黒い四角形は20μg/mlの抗体を表す。グレーの三角形は10μg/mlの抗体を表す。グレーの四角形は0μg/mlの抗体を表す。 TBに罹患した対象由来のサンプル中の結核菌リボソームタンパク質S9を検出するためのウエスタンブロットを示す写真図のコピーである。S9に対応するバンドの位置は図の右手側に矢印によって示す。サンプル番号は図の上部に示し、各患者のHIV状態は図の底部に示す。分子量は図の左手側に示す。 コントロール対象、すなわちTBに罹患していない対象由来のサンプル中の結核菌リボソームタンパク質S9を検出するためのウエスタンブロットを示す写真図のコピーである。S9に対応するバンドの位置は図の右手側に矢印によって示す。サンプル番号は図の上部に示し、分子量は図の左手側に示す。 ELISAによって決定した、抗原を免疫処置するために組換え結核菌リボソームタンパク質S9に対して調製した異なる抗体の結合親和性を示すグラフ図である。組換えタンパク質S9は500ng/mlの出発濃度から7.8ng/mlまで1:2(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを使用してELISAプレートのウェルをコーティングした(x軸)。非結合抗原を除去するための洗浄後、組換え完全長S9タンパク質によるニワトリ(すなわち、Ch27で示すポリクローナル抗体)またはマウス(すなわち、Mo1025Fで示す抗体)の免疫処置によって調製した異なる抗体を、5μg/mlの濃度で吸着抗原と別々に接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した1:5000(v/v)希釈の二次抗体(すなわち、結合したCh27抗体の検出用のヒツジ抗ニワトリIgG、および結合したMo1025F抗体の検出用のロバ抗マウスIgG)50μlと共にインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、450〜620nmで吸光度を測定した(y軸)。データは、ELISAによって両方の抗体が組換えS9タンパク質を検出することを示す。 組換え結核菌リボソームタンパク質S9をアッセイするために、捕捉抗体として抗体Ch27および検出用抗体として抗体Mo1025Fを使用する、サンドイッチELISAの結果を示すグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/mlおよび2.5μg/mlの濃度において捕捉抗体Ch27で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えS9タンパク質を500ng/mlの出発濃度から7.8ng/mlまで1:2(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Mo1025Fを1.25μg/ml〜5μg/mlの範囲の濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、ロバ抗マウスIgG)とインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、450〜620nmで吸光度を測定した(y軸)。データは、この抗体の組合せを用いたバックグラウンドシグナルを示さない。最適シグナルは、5μg/mlの濃度で捕捉抗体および1.25μg/ml〜5μg/mlの濃度範囲で検出用抗体を使用して検出し、この条件は約24ng/mlの結核菌リボソームタンパク質S9の半最大検出をもたらした。 組換え結核菌リボソームタンパク質S9をアッセイするために、捕捉抗体として抗体Mo1025Fおよび検出用抗体として抗体Ch27を使用する、サンドイッチELISAの結果を示すグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/mlおよび2.5μg/mlの濃度において捕捉抗体Mo1025Fで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えS9タンパク質を500ng/mlの出発濃度から7.8ng/mlまで1:2(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch27を1.25μg/ml〜5μg/mlの範囲の濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、ヒツジ抗ニワトリIgG)とインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、450〜620nmで吸光度を測定した(y軸)。データは、この抗体の組合せを使用した、添加抗原の不在下での有意なバックグラウンドの交差反応性を示す。最適シグナルは、試験した条件下において、2.5μg/mlまたは5μg/mlの濃度で捕捉抗体および5μg/mlの濃度で検出用抗体を使用して検出した。 低濃度の組換え結核菌リボソームタンパク質S9をアッセイするために、捕捉抗体として抗体Ch27、検出用抗体として抗体Mo1025F、およびHRP結合二次抗体を使用する、サンドイッチELISAの結果を示すグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/mlの濃度において捕捉抗体Ch27で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えS9タンパク質を150ng/mlの出発濃度から18.31pg/mlまで1:2(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Mo1025Fを2.5μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、ロバ抗マウスIgG)とインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、450〜620nmで吸光度を測定した(y軸)。データは、試験した条件下において、この抗体の組合せを用いたバックグラウンドシグナルを示さず、996pg/mlの結核菌リボソームタンパク質S9の検出限界、および約28ng/mlの結核菌リボソームタンパク質S9の半最大検出を示す。エラーバーは平均からの一標準偏差を示す(n=3)。 低濃度の組換え結核菌リボソームタンパク質S9をアッセイするために、捕捉抗体として抗体Ch27、検出用抗体として抗体Mo1025F、およびビオチニル化二次抗体を使用する、サンドイッチELISAの結果を示すグラフ図である。組換えS9タンパク質を20ng/mlの出発濃度から4.77pg/mlの濃度まで1:2(v/v)に連続希釈したこと(x軸)、二次抗体とのインキュベーションはビオチニル化ロバ抗マウスIgと共に1時間であり、次に1:5000(v/v)希釈での修飾ストレプトアビジン-HRP結合体(ポリ-40)とインキュベートし、結合抗体-抗原-抗体複合体を、プレートの洗浄、TMBとの10分間のインキュベーション、および450〜620nmでの吸光度の測定によって検出したこと(y軸)以外、図32の凡例に記載したのとほぼ同様にELISAを実施した。データは、ビオチニル化二次抗体を使用した、低いバックグラウンドシグナル、約150pg/mlの結核菌リボソームタンパク質S9の検出限界、および約6ng/mlの結核菌リボソームタンパク質S9の半最大検出を示す。エラーバーは平均からの一標準偏差を示す(n=3)。 低濃度の組換え結核菌リボソームタンパク質S9をアッセイするために、捕捉抗体として抗体Ch27、検出用抗体として抗体Mo1025F、ビオチニル化二次抗体および反復的抗原結合(本明細書では「代替増幅」とも呼ぶ)を使用する、サンドイッチELISAの結果を示すグラフ図である。組換えS9タンパク質を1.0μg/mlの出発濃度から0.238fg/mlの濃度まで1:2(v/v)に連続希釈したこと(x軸)、および抗原結合を5回繰り返した、すなわちブロッキングバッファー中の抗原のアリコートを固定捕捉抗体と1時間インキュベートし、除去し、別のアリコートを加え、5アリコートを加えるまでこの手順を繰り返したこと以外、図33の凡例に記載したのとほぼ同様にELISAを実施した。450〜620nmでの吸光度はy軸上に示す。データは、反復的抗原結合と組み合わせてビオチニル化二次抗体を使用した、低いバックグラウンドシグナル、および約84pg/mlの結核菌リボソームタンパク質S9の検出限界を示す。エラーバーは平均からの一標準偏差を示す(n=3)。 結核菌リボソームタンパク質S9に対する抗体と大腸菌、枯草菌または緑膿菌の有意な交差反応性の欠如を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。x軸上に示すように、精製組換えS9タンパク質を500ng/mlまたは50μg/mlの細胞抽出物に置き換えたこと以外、アッセイ条件は図33の凡例に記載したのとほぼ同様であった。陽性対照として、結核菌の実験室株H37Rv由来の細胞抽出物を使用した。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。データは、450〜620nm、すなわちそれぞれのサンプルに関するバックグラウンド吸光度を差し引いた後の吸光度の変化を示す。エラーバーは平均からの一標準偏差を示す(n=3)。 臨床結核菌分離株CSU93中の結核菌リボソームタンパク質S9の検出、および血漿におけるシグナル抑制の欠如を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。x軸上に示すように、細胞抽出物が結核菌の実験室株H37RvおよびCSU93に由来したこと以外、アッセイ条件は図58の凡例に記載したのとほぼ同様であった。血漿によるシグナル抑制を決定するために、x軸上に示すように、示した濃度で細胞抽出物を血漿に希釈した。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーまたは血漿を使用した。450〜620nm、すなわちそれぞれのサンプルに関するバックグラウンド吸光度を差し引いた後の吸光度の変化はy軸上に示す。エラーバーは平均からの一標準偏差を示す(n=3)。データは、このアッセイにおいて血漿はシグナルを抑制しないこと、およびこのアッセイは結核菌の臨床分離株と実験室分離株の両方を検出することができることを示す。 結核菌S9タンパク質の検出に関する標準および増幅サンドイッチELISA標準曲線を示すグラフ図である。実施例中に記載したように、バッファー中のS9を検出するのに最適なELISA条件を使用して、標準曲線を作成した。組換えS9タンパク質の濃度(logpg/ml)はX軸上に、すなわち対数目盛で示し、および平均ODはY軸に示す。捕捉抗体(5μg/mLのCh27)および検出用抗体(標準ELISA用の2μg/mLのMo1025Fおよび増幅ELISA用の2μg/mLのビオチニル化Mo1025F(すなわち、「Mo1025F-bio」))を使用した。データはrS9のlogpg/mLに対する平均OD+SD(n=2または3)に関するX-Yグラフとしてプロットし、曲線適合を使用してアッセイに関するLODを決定した(#733標準および増幅ELISA、それぞれLOD=552および89pg/mL)。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌の1つの実験室株(H37Rv)および2つの臨床株(CSU93およびHN878)中での、(全細胞タンパク質に対する)S9タンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv(左)、結核菌株CSU93(中央)およびHN878(右)由来の全細胞溶解物(WCL)をサンドイッチELISAによって分析した。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、添加レベルに補正した。データはそれぞれのサンプルを二連で分析するための反復実験から得た。(pg/全細胞タンパク質μgとして表した)内因性タンパク質のレベルは、3つの培養株のそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。結核菌株はコロラド州立大学の好意により得た。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウム中での、(全細胞タンパク質に対する)S9タンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)由来の全細胞溶解物を、2つの独立した実験において二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。pg/全細胞タンパク質μgとして表した内因性タンパク質のレベルは、試験した3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、臨床検査用の痰中でのS9タンパク質の発現を示すグラフ図である。痰は回収した4人のTB陽性およびTB陰性対象のそれぞれに由来するものであり、実施例中に記載したように処理した(方法3:9.0mLの痰-C1、4×150μLの代替増幅ELISA)。簡単に言うと、サンプルをサイズ分画し100kDaの分子量未満の汚染物質を除去して、50mMのトリス、pH7.8、5mMのMgCl2に平衡化し、濃縮し、代替増幅ELISAによって4×150μLのアリコートとして分析した。図の左側の一連のヒストグラムは、連続希釈した結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、60μg/mlの縦列1、20μg/mlの縦列2、6.67μg/mlの縦列3、2.22μg/mlの縦列4、0.74μg/mlの縦列5、0.25μg/mlの縦列6、0.08μg/mlの縦列7、0μg/mlの縦列8を含む較正基準中に存在したS9タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。図の右側の一連のヒストグラムは、実施例中に記載したように調製した患者サンプル中に存在したS9タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のS9タンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、pg S9タンパク質/サンプル体積1mlとして表した、臨床検査用の痰中での発現を示すグラフ図である。図40中に示したデータは、S9タンパク質の較正値に基づいてpg抗原に変換して、これによってpg/mLのrS9タンパク質への結核菌株H37Rvの全細胞抽出物に関するμg/mLのS9タンパク質の補間を可能にした。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、対象のHIV状態とは無関係に、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のS9タンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。アッセイのLOD=約55pg/mL。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、臨床検査用の痰中でのS9タンパク質の発現を示すグラフ図である。痰は回収した4人のTB陽性およびTB陰性対象のそれぞれに由来するものであり、実施例中に記載したように処理した(方法2:1.8mLの痰-C1、17×150μLの代替増幅ELISA)。簡単に言うと、サンプルはアセトンを使用して沈殿させ、再度溶かし、代替増幅ELISAによって17×150μLのアリコートとして分析した。図の左側の一連のヒストグラムは、連続希釈した結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、90μg/mlの縦列1、45μg/mlの縦列2、22.50μg/mlの縦列3、11.25μg/mlの縦列4、5.63μg/mlの縦列5、2.81μg/mlの縦列6、1.41μg/mlの縦列7、0μg/mlの縦列8を含む較正基準中に存在したS9タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。図の右側の一連のヒストグラムは、実施例中に記載したように調製した患者サンプル中に存在したS9タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、pg S9タンパク質/サンプル体積1mlとして表した、臨床検査用の痰中での発現を示すグラフ図である。図42中に示したデータは、S9タンパク質の較正値に基づいてpg抗原に変換して、これによってpg/mLのrS9タンパク質への結核菌株H37Rvの全細胞抽出物に関するμg/mLのS9タンパク質の補間を可能にした。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。アッセイのLOD=約100pg/mL。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、臨床検査用の痰中でのS9タンパク質の発現を示すグラフ図である。痰は回収した4人のTB陽性およびTB陰性対象のそれぞれに由来するものであり、実施例中に記載したように処理した(方法3:9.0mLの痰-C1、4×150μLの代替増幅ELISA)。簡単に言うと、サンプルをサイズ分画し100kDaの分子量未満の汚染物質を除去して、50mMのトリス、pH7.8、5mMのMgCl2に平衡化し、濃縮し、代替増幅ELISAによって4×150μLのアリコートとして分析した。図の左側の一連のヒストグラムは、連続希釈した結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、60μg/mlの縦列1、20μg/mlの縦列2、6.67μg/mlの縦列3、2.22μg/mlの縦列4、0.74μg/mlの縦列5、0.25μg/mlの縦列6、0.08μg/mlの縦列7、0μg/mlの縦列8を含む較正基準中に存在したS9タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。図の右側の一連のヒストグラムは、実施例中に記載したように調製した患者サンプル中に存在したS9タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のS9タンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、pg S9タンパク質/サンプル体積1mlとして表した、臨床検査用の痰中での発現を示すグラフ図である。図44中に示したデータは、S9タンパク質の較正値に基づいてpg抗原に変換して、これによってpg/mLのrS9タンパク質への結核菌株H37Rvの全細胞抽出物に関するμg/mLのS9タンパク質の補間を可能にした。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、対象のHIV状態とは無関係に、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のS9タンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。アッセイのLOD=約55pg/mL。 ニワトリにおいて調製した配列番号6に対するポリクローナル抗体の滴定を示すグラフ図である。組換えタンパク質Rv1265/MT1303(配列番号21)を5μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。X軸上に示すように「ピンク10」(■)および「ピンク11」(X)で示す抗血清の希釈液、およびX軸上に示すように同じ動物由来の免疫前血清(ピンク10に関して◆、ピンク11に関して▲)の希釈液を、抗原:抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で、固定した組換えタンパク質Rv1265/MT1303と接触させた。ELISAプレートを洗浄し、結合HRP活性を検出するためにTMBを使用して、1:5000(v/v)希釈したヒツジ抗ニワトリIgGホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体との結合によって複合体を検出した。それぞれのサンプルに関して光学濃度(OD)を決定した(y軸)。データは、ピンク10に関して少なくとも約1:64,000(v/v)およびピンク11に関して少なくとも約1:128,000(v/v)の抗体力価を示す。 ウサギにおいて調製した配列番号26に対するポリクローナル抗体の滴定を示すグラフ図である。ストレプトアビジンを5μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。配列番号26で述べる配列からなるペプチドと結合したビオチン(3μg/ml)を、ビオチンとストレプトアビジンの相互作用によってペプチドを固定するのに十分な時間および条件下でプレートと接触させた。ウサギ抗血清または免疫前血清の希釈液を、抗原:抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で加え、結合した抗体は、二次抗体がヒツジ抗ウサギIgG HRP結合体であったこと以外、図46の凡例中に記載したように次いで検出した。ウサギ血清RCP25(免疫前血清に関して■、免疫血清に関して◆)およびRCP26(免疫前血清に関してX、免疫血清に関して▲)を示した。血清の希釈はX軸上に示す。光学濃度(OD)はy軸上に示す。データは、両方の調製物に関して少なくとも約1:64,000(v/v)の抗体力価を示唆する。 精製ウサギ抗タンパク質Rv1265/MT1303抗体調製物の検出限界を示すグラフ図である。配列番号21で述べる配列を含む組換えRv1265/MT1303タンパク質を、タンパク質の濃度を19.6ng/mlから200pg/mlに変えたこと以外(x軸)、ほぼ図47の凡例中に記載したようにELISAプレートに結合させた。1.25μg/ml、2.5μg/mlまたは5μg/mlの濃度で精製ウサギ抗体を、次いで組換えタンパク質と結合させ、図47の凡例中に記載したようにヒツジ抗ウサギIgG HRP結合体を使用して検出した。データは、ウサギ抗体の検出限界が、試験した全ての濃度で約2.5ng/mlであることを示す。 Ch10で示すポリクローナル抗体(=本明細書で「ピンク10」と呼ぶ抗体)およびCh11(=本明細書で「ピンク11」と呼ぶ抗体)のCh10/11プール、および完全長組換え結核菌RV1265タンパク質(配列番号21)に対して調製したMo788Cで示すモノクローナル抗体を使用する、標準的なサンドイッチELISAのグラフ図である。この図は、サンドイッチELISA中で異なる方向に、これら2つの抗体を、すなわち捕捉および検出用抗体として使用した影響を示す。ELISAプレートのウェルは、5μg/ml濃度のCh10/11またはMo788C抗体50μlで一晩コーティングした。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えRv1265タンパク質を500ng/mlの出発濃度から22.86pg/mlまで1:3(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、別の検出用抗体、すなわちRv1265-Mo788C複合体を検出するためのCh10/11およびRv1265-Ch10/11複合体を検出するためのMo788Cを、2μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、Ch10/11を検出するためのヒツジ抗ニワトリIgGまたはMo788Cを検出するためのヒツジ抗マウスIgG)とインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を測定した(y軸)。本発明を限定するものではないが、データは、サンドイッチELISA中でモノクローナル抗体M0788Cを捕捉試薬として使用し、ポリクローナル抗体プールCh10/11を検出用試薬として使用するとき、低いバックグラウンド効果が観察されることを示唆する。 組換え結核菌RV1265タンパク質の検出に関して、増幅サンドイッチELISAと標準的なサンドイッチELISAを比較するグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/ml濃度で捕捉抗体Mo788Cによって一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えRv1265タンパク質を約10μg/mlの出発濃度から約1.0pg/mlまで1:10(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch10/11を2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗ニワトリIgGからなる二次抗体50μl(標準的なサンドイッチELISA)、または1:50000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgG50μl(増幅サンドイッチELISA)とインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。増幅ELISAを施したサンプルに関しては、HRP80-ストレプトアビジンを次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄した。最後に、全てのサンプルをTMBと共に5分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、これらの条件下での増幅サンドイッチELISAを使用した検出の有意な増大を示す。この増幅サンドイッチELISAの検出限界は約60pg/mlのRv1265タンパク質であり、半最大検出が約5ng/mlのRv1265タンパク質である。これは、観察した約2.6ng/mlのRv1265タンパク質の標準的なサンドイッチELISAの検出限界が約2.6ng/mlのRv1265タンパク質であり、半最大検出が約100ng/mlのRv1265タンパク質であることに、都合よく匹敵する。 臨床結核菌分離株CSU93およびHN878、および実験室株H37Rvの全細胞抽出物中の結核菌Rv1265タンパク質の検出を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。増幅サンドイッチELISAの条件は、以下のこと(i)細胞抽出物をx軸上にアッセイしたこと、(ii)全細胞抽出物に50、16.7、5.6および1.8μg全細胞タンパク質/mlの最終濃度まで組換えRv1265タンパク質を加えたこと、および(iii)内因性Rv1265タンパク質の濃度を、シグナル強度に対するRv1265濃度の標準曲線からの補間によって決定し、サンプルに加えた組換えRv1265タンパク質のレベルに補正した(例えば、希釈係数に補正した)こと以外、ほぼ図50の凡例中に記載した通りであった。2つの別個の実験に関して、データは、細胞抽出物中の全タンパク質のマイクログラム当たりの内因性Rv1265タンパク質のピコグラムとして表す(y軸)。平均タンパク質レベルも示す。 酵母、大腸菌、枯草菌または緑膿菌由来の全細胞溶解物と結核菌Rv1265タンパク質に対する抗体の有意な交差反応性の欠如を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。アッセイ条件は、x軸上に示すように、0〜20ng/mlの精製組換えRv1265タンパク質または100ng/mlまたは100μg/mlの細胞抽出物をアッセイしたこと以外、ほぼ図51の凡例中に記載した通りであった。タンパク質または細胞抽出物を含まないバッファーは陰性対照として使用した。データは、450〜620nm、すなわちそれぞれのサンプルに関するバックグラウンド吸光度を差し引いた後の吸光度の変化を示す。 前の図5中に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイにおける組換えRv1265タンパク質の検出をクエンチングする際の非希釈血漿の影響、および痰の希釈により消失したシグナルの回復を示すグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/mlの濃度で捕捉抗体Mo788Cを用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えRv1265タンパク質を、非希釈ブロッキング溶液(「ブロック」または「ブロッカー」)、非希釈血漿(「非希釈血漿」)、または1:1(v/v)ブロック:血漿〜8:1(v/v)ブロック:血漿の範囲のブロッキング溶液中の血漿希釈液に凡例中に示す濃度で加え、各サンプルの50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch10/11を2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:50000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体50μlとインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、血漿によるシグナルの約30%の減衰/抑制を示す。 前の図5中に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイにおける組換えRv1265タンパク質の検出をクエンチングする際の非希釈痰の影響、および痰の希釈により消失したシグナルの回復を示すグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/mlの濃度で捕捉抗体Mo788Cを用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えRv1265タンパク質を、非希釈ブロッキング溶液(「ブロック」または「ブロッカー」)、非希釈痰(「非希釈痰」)、または1:1(v/v)ブロック:痰〜8:1(v/v)ブロック:痰の範囲のブロッキング溶液中の痰希釈液に凡例中に示す濃度で加え、各サンプルの50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch10/11を2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:50000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体50μlとインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、痰によるシグナルの有意な減衰/抑制を示さない。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウム中での、(全細胞タンパク質に対する)Rv1265タンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)由来の全細胞溶解物を、2つの独立した実験において二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。pg/全細胞タンパク質μgとして表した内因性タンパク質のレベルは、試験した3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウムの全細胞溶解物から得た濾液中でのRv1265タンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)の全細胞溶解物から得た濾液を二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した(存在した場合)。pg/1μL濾液として表した内因性タンパク質のレベルは、試験した3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、臨床検査用の痰中でのRV1265タンパク質の発現を示すグラフ図である。痰は回収した4人のTB陽性およびTB陰性対象のそれぞれに由来するものであり、実施例中に記載したように処理した(方法1:2.5mLの痰-M1、17×150μLの代替増幅ELISA)。図の左側の一連のヒストグラムは、連続希釈した結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、20μg/mlの縦列1、10μg/mlの縦列2、5μg/mlの縦列3、2.5μg/mlの縦列4、1.25μg/mlの縦列5、0.625μg/mlの縦列6、0.313μg/mlの縦列7、0.156μg/mlの縦列8、0.078μg/mlの縦列9、0.039μg/mlの縦列10、0.02μg/mlの縦列11、0.01μg/mlの縦列12、0.005μg/mlの縦列13、0.002μg/mlの縦列14、0.001μg/mlの縦列15、0μg/mlの縦列16を含む較正基準中に存在したRV1265タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。図の右側の一連のヒストグラムは、実施例中に記載したように調製した患者サンプル中に存在したRV1265タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のRV1265タンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、pg RV1265タンパク質/サンプル体積1mlとして表した、臨床検査用の痰中での発現を示すグラフ図である。図57中に示したデータは、RV1265タンパク質の較正値に基づいてpg抗原に変換して、これによってpg/mLのrRV1265タンパク質への結核菌株H37Rvの全細胞抽出物に関するμg/mLのRV1265タンパク質の補間を可能にした。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、対象のHIV状態とは無関係に、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のRV1265タンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。アッセイのLOD=約11.2pg/mL。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、臨床検査用の痰中でのRV1265タンパク質の発現を示すグラフ図である。痰は回収した4人のTB陽性およびTB陰性対象のそれぞれに由来するものであり、実施例中に記載したように処理した(方法2:1.8mLの痰-C1、4×150μLの代替増幅ELISA)。簡単に言うと、サンプルはアセトンを使用して沈殿させ、再度溶かし、代替増幅ELISAによって4×150μLのアリコートとして分析した。図の左側の一連のヒストグラムは、連続希釈した結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、90μg/mlの縦列1、45μg/mlの縦列2、22.50μg/mlの縦列3、11.25μg/mlの縦列4、5.63μg/mlの縦列5、2.81μg/mlの縦列6、1.41μg/mlの縦列7、0μg/mlの縦列8を含む較正基準中に存在したRV1265タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。図の右側の一連のヒストグラムは、実施例中に記載したように調製した患者サンプル中に存在したRV1265タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、pg RV1265タンパク質/サンプル体積1mlとして表した、臨床検査用の痰中での発現を示すグラフ図である。図59中に示したデータは、RV1265タンパク質の較正値に基づいてpg抗原に変換して、これによってpg/mLのrRV1265タンパク質への結核菌株H37Rvの全細胞抽出物に関するμg/mLのRV1265タンパク質の補間を可能にした。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、対象のHIV状態とは無関係に、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のRV1265タンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。アッセイのLOD=約67pg/mL。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、臨床検査用の痰中でのRV1265タンパク質の発現を示すグラフ図である。痰は回収した4人のTB陽性およびTB陰性対象のそれぞれに由来するものであり、実施例中に記載したように処理した(方法3:9.0mLの痰-C1、4×150μLの代替増幅ELISA)。簡単に言うと、サンプルをサイズ分画し100kDaの分子量未満の汚染物質を除去して、50mMのトリス、pH7.8、5mMのMgCl2に平衡化し、濃縮し、代替増幅ELISAによって4×150μLのアリコートとして分析した。図の左側の一連のヒストグラムは、連続希釈した結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、60μg/mlの縦列1、20μg/mlの縦列2、6.67μg/mlの縦列3、2.22μg/mlの縦列4、0.74μg/mlの縦列5、0.25μg/mlの縦列6、0.08μg/mlの縦列7、0μg/mlの縦列8を含む較正基準中に存在したRV1265タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。図の右側の一連のヒストグラムは、実施例中に記載したように調製した患者サンプル中に存在したRV1265タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、pg RV1265タンパク質/サンプル体積1mlとして表した、臨床検査用の痰中での発現を示すグラフ図である。図61中に示したデータは、RV1265タンパク質の較正値に基づいてpg抗原に変換して、これによってpg/mLのrRV1265タンパク質への結核菌H37Rvの全細胞抽出物に関するμg/mLのRV1265タンパク質の補間を可能にした。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。データは、対象のHIV状態とは無関係に、塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプル中のRV1265タンパク質の交差反応性の有意に高いレベルを示す。アッセイのLOD=約26pg/mL。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、臨床検査用の痰中でのRV1265タンパク質の発現を示すグラフ図である。痰は回収した4人のTB陽性およびTB陰性対象のそれぞれに由来するものであり、実施例中に記載したように処理した(方法4:18.0mLの痰-M2、4×150μLの代替増幅ELISA)。簡単に言うと、サンプルをサイズ分画し100kDaの分子量未満の汚染物質を除去して、50mMのトリス、pH7.8、5mMのMgCl2に平衡化し、濃縮し、代替増幅ELISAによって4×150μLのアリコートとして分析した。図の左側の一連のヒストグラムは、連続希釈した結核菌株H37Rvの全細胞溶解物、30μg/mlの縦列1、10μg/mlの縦列2、3.33μg/mlの縦列3、1.11μg/mlの縦列4、0.37μg/mlの縦列5、0.12μg/mlの縦列6、0.04μg/mlの縦列7、0μg/mlの縦列8を含む較正基準中に存在したRV1265タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。図の右側の一連のヒストグラムは、実施例中に記載したように調製した患者サンプル中に存在したRV1265タンパク質のELISAアッセイに関する平均OD値を示す。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。 それらのTB塗抹検査の結果、TB培養試験の結果およびHIV状態に従いソーティングした患者から得た、pg RV1265タンパク質/サンプル体積1mlとして表した、臨床検査用の痰中での発現を示すグラフ図である。図63中に示したデータは、RV1265タンパク質の較正値に基づいてpg抗原に変換して、これによってpg/mLのrRV1265タンパク質への結核菌H37Rvの全細胞抽出物に関するμg/mLのRV1265タンパク質の補間を可能にした。「MPC」はサンプル識別コードを示し、「塗抹」は塗抹検査の結果を示し、「培養」は培養試験の結果を示し、かつ「HIV」はHIV状態を示す。白線は塗抹検査陰性/培養試験陰性サンプルを示す。黒線は塗抹検査陽性/培養試験陽性サンプルを示す。アッセイのLOD=約65pg/mL。 結核に罹患した対象またはコントロール対象由来の血清または血漿中の、抗EF-Tu抗体の検出を示すグラフ図である。組換えEF-Tuは、濃度2μg/mlでウェル当たり50μgELISAプレート上に固定した。ブロッキングバッファー中に1/100希釈した血漿または血清サンプルを、抗体:抗原複合体を形成するのに十分な時間および条件下で、固定したタンパク質と次いで接触させた。ELISAプレートを洗浄し、結合HRP活性を検出するためにTMBを使用して、1:50000(v/v)希釈したヒツジ抗ヒトIgGホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体との結合によって複合体を検出した。それぞれのサンプルに関して光学濃度(OD)を決定した(y軸)。黒の線は結核に罹患した対象由来のサンプルを示す。グレーの線はコントロール対象由来のサンプルを示す。 NUSと融合した完全長EF-Tuまたは配列番号35に対する、形質細胞腫によって生成されたモノクローナル抗体の滴定を示すグラフ図である。組換えEF-Tuタンパク質は、17μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。x軸上に示したように681E(◇)、683B(■)、682A(□)、685B(+)、684A(●)、524D(X)および521F(◆)で示す抗体の希釈液を、抗原:抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で、固定した組換えEF-Tuタンパク質と接触させた。ELISAプレートを洗浄し、結合HRP活性を検出するためにTMBを使用して、1:5000(v/v)希釈したヒツジ抗マウスIgホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体との結合によって複合体を検出した。それぞれのサンプルに関して光学濃度(OD)を決定した(y軸)。 NUSと融合した完全長EF-Tuまたは配列番号35に対する、形質細胞腫によって生成されたモノクローナル抗体の滴定を示すグラフ図である。x軸上に示したような組換えEF-Tuタンパク質の希釈液を、ELISAプレート上に固定した。2.5μg/mlの濃度において681E(◇)、683B(■)、682A(□)、680A(○)、685B(X)、684A(●)および521F(▲)で示す抗体を、抗原:抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で、固定した組換えEF-Tuタンパク質と接触させた。ELISAプレートを洗浄し、結合HRP活性を検出するためにTMBを使用して、1:5000(v/v)希釈したヒツジ抗マウスIgホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体との結合によって複合体を検出した。それぞれのサンプルに関して光学濃度(OD)を決定した(y軸)。 捕捉試薬としてニワトリポリクローナル抗EF-Tu抗体および検出用試薬としてモノクローナル抗体683Bを使用した、サンドイッチELISAを使用する組換えEF-Tuの検出を示すグラフ図である。様々な濃度のそれぞれの抗体を、図の凡例中に示したように使用した。X軸上に示したようにA280=0.235でのストック溶液からの1:2000〜1:2,275,328希釈の滴定量の組換えEF-Tuをスクリーニングした。ELISAプレートを洗浄し、結合HRP活性を検出するためにTMBを使用して、1:5000(v/v)希釈したヒツジ抗マウスIgホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体との結合によって複合体を検出した。それぞれのサンプルに関して光学濃度(OD)を決定した(y軸)。 捕捉試薬としてニワトリポリクローナル抗EF-Tu抗体および検出用試薬としてモノクローナル抗体683B(■)または524D(◆)または521F(▲)を使用した、サンドイッチELISAを使用する組換えEF-Tuの検出を示すグラフ図である。ポリクローナル抗体は5μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。x軸上に示したように滴定量の組換えEF-Tuを、抗体:抗原複合体を形成するのに十分な時間および条件下で固定した抗体と接触させた。次いで5μg/mlの濃度におけるそれぞれのモノクローナル抗体を、抗体:抗原複合体を形成するのに十分な時間および条件下で、固定した組換えEF-Tuと接触させた。ELISAプレートを洗浄し、結合HRP活性を検出するためにTMBを使用して、1:5000(v/v)希釈したヒツジ抗マウスIgホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体との結合によって複合体を検出した。それぞれのサンプルに関して光学濃度(OD)を決定した(y軸)。 捕捉試薬としてメンドリ49(◆)またはメンドリ50(■)由来のニワトリポリクローナル抗EF-Tu抗体および683Bで示すモノクローナル抗体を使用した、サンドイッチELISAを使用する組換えEF-Tuの検出を示すグラフ図である。命名の目的で、メンドリ49由来のポリクローナル抗体は本明細書では「Ch49」とも示し、かつメンドリ50由来のポリクローナル抗体は本明細書では「Ch50」とも示す。ポリクローナル抗体は2.5μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。x軸上に示したように滴定量の組換えEF-Tuを、抗体:抗原複合体を形成するのに十分な時間および条件下で固定した抗体と接触させた。次いで2.5μg/mlの濃度におけるそれぞれのモノクローナル抗体を、抗体:抗原複合体を形成するのに十分な時間および条件下で、固定した組換えEF-Tuと接触させた。ELISAプレートを洗浄し、結合HRP活性を検出するためにTMBを使用して、1:5000(v/v)希釈したヒツジ抗マウスIgホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体との結合によって複合体を検出した。それぞれのサンプルに関して光学濃度(OD)を決定した(y軸)。 組換え結核菌EF-Tuタンパク質の検出に関して、増幅サンドイッチELISAと標準的なサンドイッチELISAを比較するグラフ図である。ELISAプレートは、2μg/ml濃度で捕捉抗体Ch49によって一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えEF-Tuタンパク質を100ng/mlの出発濃度から1.0pg/mlまで希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄して非結合抗原を除去した。標準ELISAと増幅ELISAの両方に関して、モノクローナル抗体683Bをビオチニル化し、ビオチニル化したモノクローナル抗体(「Mo683B-bi」で示す)は、2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と次いで接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗マウスIgGからなる二次抗体50μl(標準的なサンドイッチELISA)、または1:2,500(v/v)希釈したHRP80-ストレプトアビジン(「ポリ80-HRP-ストレプトアビジン」とも呼ぶ)50μlとインキュベートした。次いでプレートを室温でさらに1時間のインキュベートし、前と同様に洗浄した。最後に、全てのサンプルをTMBと共に30分間(標準ELISA)または10分間(増幅ELISA)インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、これらの条件下での増幅サンドイッチELISAを使用した検出の有意な増大を示す。この増幅サンドイッチELISAの検出限界は約154pg/mlのEF-Tuタンパク質である。これは、観察した約2.172ng/mlのEF-Tuタンパク質の標準的なサンドイッチELISAの検出限界に都合よく匹敵する。 臨床結核菌分離株CSU93およびHN878、および実験室株H37Rvの全細胞抽出物中の結核菌EF-Tuタンパク質の検出を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。増幅サンドイッチELISAの条件は、以下のこと(i) x軸上に示すように細胞抽出物をアッセイしたこと、(ii)全細胞抽出物に50、16.7、5.6および1.8μg/mlの最終濃度まで組換えEF-Tuタンパク質を加えたこと、および(iii)内因性EF-Tuタンパク質の濃度を、シグナル強度に対するEF-Tu濃度の標準曲線からの補間によって決定し、サンプルに加えた組換えEF-Tuタンパク質のレベルに補正したこと以外、ほぼ図73の凡例中に記載した通りであった。2つの別個の実験に関して、データは、細胞抽出物中の全タンパク質のマイクログラム当たりの内因性EF-Tuタンパク質のピコグラムとして表す(y軸)。平均タンパク質レベルも示す。 大腸菌、枯草菌または緑膿菌由来の全細胞溶解物と結核菌EF-Tuタンパク質に対する抗体の有意な交差反応性の欠如を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。アッセイ条件は、ほぼ図74の凡例中に記載した通りであった。標準として、39.1pg/ml〜2.5μg/mlの精製組換えEF-Tuタンパク質の範囲の連続希釈液も、x軸上に示すように、細胞抽出物からのシグナル強度との比較用に作製した。x軸上に「ブランク」によって示すように、ブロッキングバッファーからなる陰性対照も使用した。データは、結核菌と大腸菌、枯草菌または緑膿菌由来の細胞抽出物の間の低い交差反応性を示す、または全く示さない。 前の図7中に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイにおける組換えEF-Tuタンパク質の検出をクエンチングする際の非希釈痰の影響、および痰の希釈により消失したシグナルの回復を示すグラフ図である。ELISAプレートは、2.0μg/mlの濃度で捕捉抗体Ch49を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えEF-Tuタンパク質を、x軸上に示すように、非希釈ブロッキング溶液(「ブロッカー」)、非希釈痰(「痰」)、または1:1(v/v)ブロック:痰(「1/2」)〜8:1(v/v)ブロック:痰(「1/8」)の範囲のブロッキング溶液中の血漿希釈液に3.3ng/mlの濃度で加えた。次いで、各サンプルの50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、ビオチニル化モノクローナル抗体Mo683B-biを2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:2,500(v/v)希釈したHRP80-ストレプトアビジン(「ポリ80-HRP-ストレプトアビジン」とも呼ぶ)50μlとインキュベートし、インキュベートし、次いで前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に10分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは非希釈痰によるシグナルのクエンチングを示すが、しかしながら、有意なシグナルの回復、すなわち痰の希釈によって得られる70%を超えるシグナルの回復がある。 前の図7中に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイにおける組換えEF-Tuタンパク質の検出をクエンチングする際の非希釈血漿の影響、および血漿の希釈により消失したシグナルの回復を示すグラフ図である。ELISAプレートは、2.0μg/mlの濃度で捕捉抗体Ch49を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えEF-Tuタンパク質を、x軸上に示すように、非希釈ブロッキング溶液(「ブロッカー」)、非希釈血漿(「血漿」)、または1:1(v/v)ブロック:血漿(「1/2」)〜8:1(v/v)ブロック:血漿(「1/8」)の範囲のブロッキング溶液中の血漿希釈液に3.3ng/mlの濃度で加えた。次いで、各サンプルの50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、ビオチニル化モノクローナル抗体Mo683B-biを2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:2,500(v/v)希釈したHRP80-ストレプトアビジン(「ポリ80-HRP-ストレプトアビジン」とも呼ぶ)50μlとインキュベートし、インキュベートし、次いで前と同様に洗浄し、最後にTMBと共に10分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは非希釈血漿によるシグナルのクエンチングを示すが、しかしながら、有意なシグナルの回復、すなわち血漿の希釈によって得られる70%を超えるシグナルの回復がある。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウム中での、(全細胞タンパク質に対する)EF-Tuタンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)由来の全細胞溶解物を、2つの独立した実験において二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。pg/全細胞タンパク質μgとして表した内因性タンパク質のレベルは、試験した3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 ニワトリにおいて調製した配列番号36に対するポリクローナル抗体の滴定を示すグラフ図である。組換えP5CR(rP5CR)タンパク質(配列番号36)を5μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。X軸上に示すように「ピンク6」(■)および「ピンク7」(X)で示す抗血清の希釈液、およびX軸上に示すように同じ動物由来の免疫前血清(ピンク6に関して◆、ピンク7に関して▲)の希釈液を、抗原:抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で、固定したrP5CRタンパク質と接触させた。ELISAプレートを洗浄し、結合HRP活性を検出するためにTMBを使用して、1:5000(v/v)希釈したヒツジ抗ニワトリIgGホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体との結合によって複合体を検出した。それぞれのサンプルに関して光学濃度(OD)を決定した(y軸)。データは、両方の抗体調製物に関して少なくとも約1:32,000(v/v)の抗体力価を示す。「ピンク6」で示す抗体は本明細書では「Ch6」とも呼び、および「ピンク7」で示す抗体は本明細書では「Ch7」とも呼ぶ。 ウサギにおいて調製した配列番号43に対するポリクローナル抗体の滴定を示すグラフ図である。ストレプトアビジンを5μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。配列番号43で述べる配列からなるペプチドと結合したビオチン(3μg/ml)を、ビオチンとストレプトアビジンの相互作用によってペプチドを固定するのに十分な時間および条件下でプレートと接触させた。ウサギ抗血清または免疫前血清の希釈液を、抗原:抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で加え、結合した抗体は、二次抗体がヒツジ抗ウサギIgG HRP結合体であったこと以外、図79の凡例中に記載したように次いで検出した。ウサギ血清Rb33(=RCP33)(免疫血清に関して■、免疫前血清に関して◆)およびRb34(=RCP34)(免疫血清に関してX、免疫前血清に関して▲)を示した。血清の希釈はX軸上に示す。光学濃度(OD)はy軸上に示す。 ウサギ抗P5CR抗体Rb37(=RCP37)およびRb38(=RCP38)の検出限界を示すグラフ図である。配列番号42で述べる配列を含むビオチニル化ペプチドを、ペプチドの濃度を204.8ng/mlから100pg/mlに変えたこと以外(x軸)、図80の凡例中に記載したようにELISAプレートに結合させた。抗体Rb37(◆、■)およびRb38(▲、X)および1:500(v/v)(◆、▲)および1:2000(v/v)(■、X)の希釈液をペプチドと結合させ、図80の凡例中に記載したようにヒツジ抗ウサギIgG HRP結合体を使用して検出した。データは、Rb37の検出限界が1:500(v/v)希釈で約0.8ng/mlであり、1:2000(v/v)希釈で約1〜3ng/mlであること、およびRb38の検出限界が少なくとも最大約1:2000(v/v)希釈で約1〜5ng/mlであることを示す。 ELISAによって決定した、組換え結核菌P5CRタンパク質(配列番号36)との異なる抗体の結合を示すグラフ図である。組換えP5CRタンパク質を55.555ng/mlの出発濃度から228.62pg/mlまで1:3(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを使用してELISAプレートのウェルをコーティングした(x軸)。非結合抗原を除去するための洗浄後、ニワトリの免疫処置(すなわち、本明細書で「ピンク6」と呼ぶポリクローナル抗体と「ピンク7」と呼ぶポリクローナル抗体を組み合わせることによって生成したCh6/7で示すポリクローナル抗体プール)、またはマウスの免疫処置(すなわち、Mo1027Dで示すモノクローナル抗体)、または抗原を用いたファージディスプレイ(Ph4550.2)によって調製した異なる抗体を、5μg/mlの濃度で吸着組換えP5CRタンパク質と別々に接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈のホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(例えば、結合したCh6/7抗体の検出用のヒツジ抗ニワトリIgG、および結合したMo1027D抗体の検出用のロバ抗マウスIgG)50μlとインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、かつ吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、Ch6/7ポリクローナル抗体および組換えファージディスプレイ抗体Ph4550.2と組換えP5CRの有意な結合を示す。 組換え結核菌P5CRタンパク質をアッセイするために、捕捉抗体として抗体Ph4550.2および検出用抗体としてポリクローナル抗体プールCh6/7を使用する、サンドイッチELISAの結果の最適化を示すグラフ図である。ELISAプレートは、2μg/ml、5μg/mlおよび10μg/mlの濃度で捕捉抗体を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えP5CRタンパク質を50ng/mlの出発濃度から22.86pg/mlまで1:3(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch6/7を、5μg/mlまたは10μg/mlの範囲の濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈のホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、ヒツジ抗ニワトリIgG)50μlとインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、かつ吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。本発明を限定するものではないが、データは、5μg/mlまたは10μg/mlの濃度で捕捉抗体および5μg/mlの濃度で検出用抗体を使用して最適シグナルを検出したことを示す。 ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合二次抗体の検出と、ストレプトアビジン-HRPまたはストレプトアビジンポリ-40HRPを使用したビオチニル化二次抗体の検出を比較するグラフ図である。ELISAプレートは、1〜8pg/mlの組換えP5CRタンパク質で一晩コーティングし、ブロッキングし、次いで5μg/mlの濃度でビオチニル化Ph4550.2または非標識Ch6/7抗体のいずれかとインキュベートした。非結合抗体を除去するための洗浄後、HRPと結合した二次ヒツジ抗ニワトリIgG抗体またはストレプトアビジンポリ-40HRPと結合したロバ抗ニワトリ抗体を、Ch6/7抗体を含有するウェルに加えた。併発反応において、ストレプトアビジンまたはストレプトアビジンポリ-40HRPで標識したビオチニル化Ph4550.2と結合することができる二次抗体を、Ph4550.2抗体を含有するウェルに加えた。インキュベーション後、プレートを洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、かつ吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、HRPと比較した、Ch6/7抗体の検出用試薬としてストレプトアビジンポリ-40HRPを使用した有意なシグナルの増大を示す。 低濃度の組換え結核菌P5CRタンパク質をアッセイするための、捕捉および検出用抗体および二次ストレプトアビジンポリ80HRP結合体の希釈の量に関する増幅サンドイッチELISAの最適化を示すグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/mlまたは10μg/mlの濃度で捕捉抗体Ph4550.2を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えP5CRタンパク質を500ng/mlの出発濃度から22.86pg/mlまで1:3(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch6/7を、2.5μg/mlまたは5μg/mlの範囲の濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:200,000(v/v)希釈の二次抗体(すなわち、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgG)50μlとインキュベートし、前と同様に洗浄し、次いで1:10,000(v/v)希釈または1:20,000(v/v)希釈のHRP80-ストレプトアビジン結合体50μlとインキュベートした。プレートを再度洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、かつ吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。本発明を限定するものではないが、データは、本明細書で利用する二次抗体の各濃度で、10μg/mlのPh4550.2捕捉抗体および2.5μg/mlのCh6/7検出用抗体および1:10,000希釈の(v/v)増幅ストレプトアビジンポリ-80HRPを使用するサンドイッチELISAにおいて、最適検出はP5CRタンパク質を律速することを示す。 組換え結核菌P5CRタンパク質の検出に関して、増幅サンドイッチELISAと標準的なサンドイッチELISAを比較するグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/mlの濃度で捕捉抗体Ph4550.2を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えP5CRタンパク質を100ng/mlの出発濃度から1.0pg/mlまで1:10(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch6/7を2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:20,000(v/v)希釈した非標識ヒツジ抗ニワトリIgGからなる二次抗体50μl(標準的なサンドイッチELISA)、またはビオチニル化ロバ抗ニワトリIgG50μl(増幅サンドイッチELISA)とインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP(標準ELISA)またはHRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、および最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、これらの条件下での増幅サンドイッチELISAを使用した検出の有意な増大を示す。この増幅サンドイッチELISAの検出限界は約48pg/mlのP5CRタンパク質であり、半最大検出は約1ng/mlのP5CRタンパク質である。 前の図8中に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイにおける組換えP5CRタンパク質の検出をクエンチングする際の非希釈血漿の影響、および血漿の希釈により消失したシグナルの回復を示すグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/mlの濃度で捕捉抗体Ph4550.2を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えP5CRタンパク質を、非希釈ブロッキング溶液(「ブロック」)、非希釈血漿(「非希釈血漿」)、または1:1(v/v)ブロック:血漿〜8:1(v/v)ブロック:血漿の範囲のブロッキング溶液中の血漿希釈液にx軸上に示す濃度で加え、各サンプルの50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch6/7を2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:20,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体50μlとインキュベートした(増幅サンドイッチELISA)。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、および最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、血漿によるある程度のシグナルの減衰/抑制が存在するにもかかわらず、臨床サンプルマトリックスの希釈は、約70%を超えるシグナル強度および最大約88%のシグナル強度の回復をもたらすことを示す。 前の図8中に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイにおける組換えP5CRタンパク質の検出をクエンチングする際の非希釈痰の影響、および臨床サンプルマトリックスの希釈により消失したシグナルの完全な回復を示すグラフ図である。ELISAプレートは、5μg/mlの濃度で捕捉抗体Ph4550.2を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えP5CRタンパク質を、非希釈ブロッキング溶液(「ブロック」)、非希釈痰(「非希釈痰」)、または1:1(v/v)ブロック:痰〜8:1(v/v)ブロック:痰の範囲のブロッキング溶液中の血漿希釈液にx軸上に示す濃度で加え、各サンプルの50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch6/7を2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:20,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGからなる二次抗体50μlとインキュベートした(増幅サンドイッチELISA)。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。HRP80-ストレプトアビジン(増幅ELISA)を次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄し、および最後にTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、痰によるある程度のわずかなシグナルの減衰/抑制が存在するにもかかわらず、臨床サンプルマトリックスの希釈は、シグナル強度の完全な回復およびさらにある程度の増大をもたらすことを示す。 酵母、大腸菌、枯草菌または緑膿菌由来の全細胞溶解物と結核菌P5CRタンパク質に対する抗体の有意な交差反応性の欠如を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。アッセイ条件は、x軸上に示すように、0〜10ng/mlの精製組換えP5CRタンパク質または100ng/mlまたは100μg/mlの細胞抽出物をアッセイしたこと以外、ほぼ図86の凡例中に記載した通りであった。タンパク質または細胞抽出物を含まないバッファーは陰性対照として使用した。データは、450〜620nm、すなわちそれぞれのサンプルに関するバックグラウンド吸光度を差し引いた後の吸光度の変化を示す。 臨床結核菌分離株CSU93およびHN878、および実験室株H37Rvの全細胞抽出物中の結核菌P5CRタンパク質の検出を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。アッセイ条件は、以下のこと(i)細胞抽出物の供給源をx軸上に示したこと、(ii)全細胞抽出物に50、16.7、5.6および1.8μg/mlの最終濃度まで組換えP5CRタンパク質を加えたこと、および(iii)内因性P5CRタンパク質の濃度を、シグナル強度に対するP5CR濃度の標準曲線からの補間によって決定し、サンプルに加えた組換えP5CRタンパク質のレベルに補正したこと以外、ほぼ図89の凡例中に記載した通りであった。2つの別個の実験に関して、データは、細胞抽出物中の全タンパク質のマイクログラム当たりの内因性P5CRタンパク質のピコグラムのレベルとして表す(y軸)。平均タンパク質レベルも示す。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウム中での、(全細胞タンパク質に対する)P5CRタンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)由来の全細胞溶解物を、2つの独立した実験において二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。pg/全細胞タンパク質μgとして表した内因性タンパク質のレベルは、試験した3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 ニワトリにおいて調製した配列番号44を含む組換えタンパク質に対するポリクローナル抗体の滴定を示すグラフ図である。組換えTetR(配列番号44)を5μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。X軸上に示すように「ピンク4」(■)および「ピンク5」(X)で示す抗血清の希釈液、およびX軸上に示すように同じ動物由来の免疫前血清(ピンク4に関して◆、ピンク5に関して▲)の希釈液を、抗原:抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で、固定したTetRと接触させた。ELISAプレートを洗浄し、結合HRP活性を検出するためにTMBを使用して、1:5000(v/v)希釈したヒツジ抗ニワトリIgGホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体との結合によって複合体を検出した。それぞれのサンプルに関して光学濃度(OD)を決定した(y軸)。データは、両方の抗体調製物に関して、ピンク4に関して少なくとも約1:64,000(v/v)およびピンク5に関して少なくとも約1:128,000(v/v)の抗体力価を示す。抗体「ピンク4」は本明細書では「Ch4」とも呼び、および抗体「ピンク5」は本明細書では「Ch5」とも呼ぶ。 ウサギにおいて調製した配列番号55に対するポリクローナル抗体の検出限界を示すグラフ図である。ストレプトアビジンを5μg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した。x軸上に示すように204.8μg/ml〜100pg/mlの範囲の濃度で、配列番号55で述べる配列からなるペプチドと結合したビオチンを、ビオチンとストレプトアビジンの相互作用によってペプチドを固定するのに十分な時間および条件下でプレートと接触させた。ウサギ抗血清または免疫前血清の希釈液(1:500(v/v)または1:2,000(v/v))を、抗原:抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で加え、結合した抗体は、二次抗体がヒツジ抗ウサギIgG HRP結合体であったこと以外、図92の凡例中に記載したように次いで検出した。ウサギ血清RCP18(1:500(v/v)希釈での免疫前血清に関して■、1:500(v/v)希釈での免疫血清に関して◆、1:2,000(v/v)希釈での免疫前血清に関してX、および1:2,000(v/v)希釈での免疫血清に関して▲)を示した。光学濃度(OD)はy軸上に示す。データは、RPC18の検出限界が約0.1〜0.5ng/mlであることを示す。 捕捉抗体としてポリクローナル抗血清RCP18(=図中Rb18)、および検出用抗体としてポリクローナル抗体Ch4(=本明細書で「ピンク4」と呼ぶ抗体)およびCh5(=本明細書で「ピンク5」と呼ぶ抗体)を含む「Ch4/5」で示すポリクローナル抗体のプールを使用した、標準的なサンドイッチELISAのグラフ図である。この図は、サンドイッチELISA中でこれら2つの抗体調製物を使用した影響を示す。ELISAプレートのウェルは、5μg/mlまたは10μg/mlの濃度で50μlのRCP18(Rb18)抗体を用いて一晩コーティングした。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えTetR様タンパク質を50ng/mlの出発濃度から80pg/mlまで希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体、すなわちTetR-RCP18複合体を検出するためのCh4/5を、5μg/mlまたは10μg/mlまたは20μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、Ch4/5を検出するためのヒツジ抗ニワトリIgG)50μlとインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を測定した(y軸)。本発明を限定するものではないが、データは、捕捉抗体としての5μg/mlのRCP18と検出用抗体としての5μg/mlのCh4/5の組合せはこのサンドイッチELISAフォーマットで好ましく、少なくとも5ng/mlタンパク質までTetRを検出することを示唆する。 捕捉抗体としてポリクローナル抗体Ch4(=本明細書で「ピンク4」と呼ぶ抗体)およびCh5(=本明細書で「ピンク5」と呼ぶ抗体)を含む「Ch4/5」で示すポリクローナル抗体のプール、および検出用抗体としてポリクローナル抗血清RCP18(=図中Rb18)を使用した、標準的なサンドイッチELISAのグラフ図である。この図は、サンドイッチELISA中でこれら2つの抗体調製物を使用した影響を示す。ELISAプレートのウェルは、5μg/mlまたは10μg/mlの濃度で50μlのCh4/5抗体を用いて一晩コーティングした。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えTetR様タンパク質を50ng/mlの出発濃度から80pg/mlまで希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体、すなわちTetR-Ch4/5複合体を検出するためのRCP18を、5μg/mlまたは10μg/mlまたは20μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、Ch4/5を検出するためのヒツジ抗ウサギIgG)50μlとインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を測定した(y軸)。本発明を限定するものではないが、データは、捕捉抗体としての5μg/mlのCh4/5と検出用抗体としての5μg/mlのRCP18の組合せはこのサンドイッチELISAフォーマットで好ましく、図3中に示す抗体の逆方向性と比較してわずかに改善することを示唆する。 捕捉抗体としてポリクローナル抗体Ch4(=本明細書で「ピンク4」と呼ぶ抗体)およびCh5(=本明細書で「ピンク5」と呼ぶ抗体)を含む「Ch4/5」で示すポリクローナル抗体のプール、および検出用抗体として784FおよびMo785Eで示す2つのモノクローナル抗体調製物の1つを使用した、標準的なサンドイッチELISAのグラフ図である。この図は、サンドイッチELISA中でこれら2つの抗体調製物を使用した影響を示す。ELISAプレートのウェルは、500ng/mlまたは1μg/mlまたは2μg/mlまたは4μg/mlまたは8μg/mlの濃度で50μlのCh4/5抗体を用いて一晩コーティングした。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えTetR様タンパク質を5ng/mlの出発濃度から2.29pg/mlまで希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体、すなわちTetR-Ch4/5複合体を検出するためのM784FまたはMMo785Eを、2μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、マウスモノクローナル抗体を検出するためのヒツジ抗マウスIgG)50μlとインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を測定した(y軸)。本発明を限定するものではないが、データは、Mo785Eモノクローナル抗体は最低のバックグラウンドシグナルをもたらし、Ch4/5捕捉抗体と組み合わせると、ウサギポリクローナルRCP18より高いシグナルをもたらすことを示唆する。捕捉抗体としての500ng/mlのCh4/5と検出用抗体としての2μg/mlのMo785Eの組合せは最低のバックグラウンドシグナルをもたらしたが、しかしながら、捕捉抗体としての2μg/mlのCh4/5と検出用抗体としての2μg/mlのMo785Eの組合せは、このサンドイッチELISAフォーマットで最高のシグナル:ノイズ比をもたらした。 組換え結核菌TetR様タンパク質の検出に関して、増幅サンドイッチELISAと標準的なサンドイッチELISAを比較するグラフ図である。ELISAプレートは、2μg/mlの濃度で捕捉抗体Ch4/5を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えTetR様タンパク質を100ng/mlの出発濃度から490fg/mlまで希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄して非結合抗原を除去した。非標識モノクローナル抗体Mo785Eは、標準的なサンドイッチELISA用に2.5μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。増幅サンドイッチELISA用に、モノクローナル抗体Mo785Eをビオチニル化し、ビオチニル化した抗体は2.5μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5,000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗マウスIgGからなる二次抗体50μl(標準的なサンドイッチELISA)、または1:2,500(v/v)希釈したHRP80-ストレプトアビジン50μlとインキュベートした。次いでプレートを室温でさらに1時間のインキュベートし、前と同様に洗浄した。最後に、全てのサンプルをTMBと共に30分間(標準ELISA)または10分間(増幅ELISA)インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した(y軸)。データは、これらの条件下での増幅サンドイッチELISAを使用した検出の有意な増大を示す。この増幅サンドイッチELISAの検出限界は約18pg/mlのTetR様タンパク質であり、半最大検出は約1ng/mlのTetR様タンパク質である。これは、観察した約176pg/mlのTetR様タンパク質の標準的なサンドイッチELISAの検出限界に都合よく匹敵する。 臨床結核菌分離株CSU93およびHN878、および実験室株H37Rvの全細胞抽出物中の結核菌TetR様タンパク質の検出を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。増幅サンドイッチELISAの条件は、以下のこと(i)細胞抽出物をx軸上にアッセイしたこと、(ii)全細胞抽出物に50、16.7、5.6および1.8μg/mlの最終濃度まで組換えTetR様タンパク質を加えたこと、および(iii)内因性TetR様タンパク質の濃度を、シグナル強度に対するTetR濃度の標準曲線からの補間によって決定し、サンプルに加えた組換えTetR様タンパク質のレベルに補正したこと以外、ほぼ図97の凡例中に記載した通りであった。2つの別個の実験に関して、データは、細胞抽出物中の全タンパク質のマイクログラム当たりの内因性TetR様タンパク質のピコグラムとして表す(y軸)。平均タンパク質レベルも示す。 酵母、大腸菌、枯草菌または緑膿菌由来の全細胞溶解物と結核菌TetR様タンパク質に対する抗体の有意な交差反応性の欠如を示す、サンドイッチELISAの結果のグラフ図である。アッセイ条件は、HRP80-ストレプトアビジンではなくHRP40-ストレプトアビジンを1:2500(v/v)希釈で使用し、TMBをシグナル検出用に15分間発色させ、450fg/ml〜1ng/mlの精製組換えTetR様タンパク質または細胞抽出物の連続希釈液[1:3(v/v)]、すなわち11.1μg/mlまたは33.3μg/mlまたは100μg/mlをx軸上に示すようにアッセイしたこと以外、ほぼ図98の凡例中に記載した通りであった。タンパク質または細胞抽出物を含まないバッファーは陰性対照として使用した。データは、結核菌と酵母、大腸菌、枯草菌または緑膿菌由来の細胞抽出物の間の交差反応性を全く示さない。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウム中での、(全細胞タンパク質に対する)TetR様タンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)由来の全細胞溶解物を、2つの独立した実験において二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。pg/全細胞タンパク質μgとして表した内因性タンパク質のレベルは、試験した3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 サンドイッチELISAによって決定した結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウムの全細胞溶解物から得た濾液中でのTetR様タンパク質発現を示すグラフ図である。結核菌株H37Rv由来(左)、およびマイコバクテリウム・アビウム(中央)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(右)の全細胞溶解物から得た濾液を二連でアッセイした。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した(存在した場合)。pg/1μL濾液として表した内因性タンパク質のレベルは、3つのマイコバクテリウムのそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 痰による組換えBSX(左上)、Rv1265(右上)、S9(左下)およびKARI(右下)タンパク質との抗体結合の阻害を示すグラフ図である。増幅ELISA系を使用して、TB陰性痰中の組換えタンパク質との抗体結合の阻害度を分析した。痰には、10ng/mLの各組換えタンパク質(各図中の縦列1〜2)、ブロッキングバッファー中に1:3(v/v)希釈の混合物(各図中の縦列4〜5)、ブロッキングバッファー中に1:9(v/v)希釈の混合物(各図中の縦列7〜8)、およびブロッキングバッファー中に1:27(v/v)希釈の混合物(各図中の縦列10〜11)を加えた。サンプルはアッセイ前に4℃で一晩インキュベートし(各図中の縦列1、4、7、10)、またはすぐにアッセイした(各図中の縦列2、5、8、11)。陽性対照サンプルは痰を含まず、アッセイ前に一晩インキュベートした(各図中の縦列3、6、9、12)。サンプルは2つの別個の実験のそれぞれにおいて二連のウェルでアッセイした。各希釈での痰中で検出した組換えタンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、加えた組換えタンパク質の濃度率(シグナル回復率)として表した。回復のレベルは、3処理の4希釈係数のそれぞれに関する平均シグナル回復率±SDとしてプロットした。データは、x軸上に示したそれぞれの希釈に関する平均シグナル回復率(Y軸)として表す。 増幅サンドイッチELISAによって測定した、痰による内因性結核菌BSX(左上)、Rv1265(右上)、S9(左下)およびKARI(右下)タンパク質との抗体結合の阻害を示すグラフ図である。増幅ELISA系を使用して、TB陰性痰に加えた結核菌H37Rvの全細胞溶解物中の内因性BSX、S9、Rv1265およびKARLタンパク質との抗体結合のクエンチングおよび遮断のレベルを分析した。痰には全細胞溶解物を加えて、BSX=9ng/mL、Rv1265=2.8ng/mL、S9=1.2ng/mLおよびKARI=31ng/mL(各図中の縦列1〜2)、ブロッキングバッファー中に1:3(v/v)希釈の混合物(各図中の縦列4〜5)、ブロッキングバッファー中に1:9(v/v)希釈の混合物(各図中の縦列7〜8)、およびブロッキングバッファー中に1:27(v/v)希釈の混合物(各図中の縦列10〜11)の痰における標的濃度を得た。サンプルはアッセイ前に4℃で一晩インキュベートし(各図中の縦列1、4、7、10)、またはすぐにアッセイした(各図中の縦列2、5、8、11)。陽性対照サンプルは痰を含まず、アッセイ前に一晩インキュベートした(各図中の縦列3、6、9、12)。サンプルは2つの別個の実験のそれぞれにおいて二連のウェルでアッセイした。各希釈での痰中で検出した内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し(ブロッキングバッファー中に連続希釈したH37Rv-WCL)、加えた濃度率(シグナル回復率)として表した。回復のレベルは、3処理の4希釈係数のそれぞれに関する平均シグナル回復率としてプロットした。 サンドイッチELISAによって測定した、結核菌株H37Rv中の全細胞タンパク質H37Rv(3縦列の各群の第一縦列)、CSU93(3縦列の各群の第二列)およびHN878(3縦列の各群の第三列)に基づいて表した、BSX(縦列1〜3)、EF-Tu(縦列4〜6)、KARI(縦列7〜9)、P5CR(縦列10〜12)、抗原A(縦列13〜15)、Rv1265(縦列16〜18)、抗原B(縦列19〜21)、抗原C(縦列22〜24)、S9(縦列25〜27)、抗原D(縦列28〜30)および抗原E(縦列31〜33)の相対的発現を示すグラフ図である。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。データは、その中で各サンプルを二連で分析した反復実験から得た。(pg/全細胞タンパク質μgとして表した)内因性タンパク質のレベルは、分析した11のTB抗原のそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 いくつかの低発現抗原に関する発現レベルを示す、図124中で述べたグラフ図の拡大図である。 サンドイッチELISAによって測定した、1×106CFUの結核菌株H37Rv(3縦列の各群の第一縦列)、マイコバクテリウム・アビウム(3縦列の各群の第二列)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(3縦列の各群の第三列)当たりのタンパク質ngとして表した、BSX(縦列1〜3)、EF-Tu(縦列4〜6)、KARI(縦列7〜9)、P5CR(縦列10〜12)、抗原A(縦列13〜15)、Rv1265(縦列16〜18)、抗原B(縦列19〜21)、抗原C(縦列22〜24)、S9(縦列25〜27)、抗原D(縦列28〜30)および抗原E(縦列31〜33)の相対的発現を示すグラフ図である。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。データは、その中で各サンプルを二連で分析した反復実験から得た。内因性タンパク質のレベルは、分析した11のTB抗原のそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。データは、結核菌におけるBSX、EF-Tu、KARL、Rv1265およびS9の特異的発現を示す。 いくつかの低発現抗原に関する発現レベルを示す、図126中で述べたグラフ図の拡大図である。データは、結核菌におけるBSX、EF-Tu、P5CR、Rv1265およびS9の特異的発現、ならびにこれらの低い検出限界でのマイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウムにおけるKARIの検出可能な発現を示す。 サンドイッチELISAによって測定した、結核菌株H37Rv(3縦列の各群の第一縦列)、マイコバクテリウム・アビウム(3縦列の各群の第二列)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(3縦列の各群の第三列)の全細胞タンパク質μg当たりの抗原pgとして表した、BSX(縦列1〜3)、EF-Tu(縦列4〜6)、KARI(縦列7〜9)、P5CR(縦列10〜12)、抗原A(縦列13〜15)、Rv1265(縦列16〜18)、抗原B(縦列19〜21)、抗原C(縦列22〜24)、S9(縦列25〜27)、抗原D(縦列28〜30)および抗原E(縦列31〜33)の相対的発現を示すグラフ図である。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。データは、その中で各サンプルを二連で分析した反復実験から得た。内因性タンパク質のレベルは、分析した11のTB抗原のそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。データは、結核菌におけるBSX、EF-Tu、Rv1265およびS9の特異的発現を示す。KARIの検出可能な発現は、これらの条件下でマイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウムにおいて明らかであった。 いくつかの低発現抗原に関する発現レベルを示す、図128中で述べたグラフ図の拡大図である。データは、結核菌におけるRv1265の特異的発現、ならびにこれらの低い検出限界でのマイコバクテリウム・イントラセルラエおよびマイコバクテリウム・アビウムにおいて試験した多くの他の抗原の検出可能な発現を示す。 サンドイッチELISAによって測定した、結核菌株H37Rv(3縦列の各群の第一縦列)、マイコバクテリウム・アビウム(3縦列の各群の第二列)およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ(3縦列の各群の第三列)の全細胞溶解物の濾液μL当たりの抗原pgとして表した、BSX(縦列1〜3)、EF-Tu(縦列4〜6)、KARI(縦列7〜9)、P5CR(縦列10〜12)、抗原A(縦列13〜15)、Rv1265(縦列16〜18)、抗原B(縦列19〜21)、抗原C(縦列22〜24)、S9(縦列25〜27)、抗原D(縦列28〜30)および抗原E(縦列31〜33)の相対的発現を示すグラフ図である。内因性タンパク質の濃度は標準曲線の補間によって計算し、希釈係数に関して補正した。データは、その中で各サンプルを二連で分析した反復実験から得た。内因性タンパク質のレベルは、分析した11のTB抗原のそれぞれに関する平均±SDとしてプロットした。 いくつかの低発現抗原に関する発現レベルを示す、図130中で述べたグラフ図の拡大図である。 組換え結核菌のKARI、(IlvC)、BSX、Rv1265およびS9タンパク質(左図)、および結核菌株H37Rvの全細胞溶解物(WCL)中の内因性結核菌のKARI、(IlvC)、BSX、Rv1265およびS9タンパク質(右図)に関する、アッセイ作用範囲および検出限界を示すグラフ図である。組換えタンパク質および全細胞溶解物のタンパク質の濃度はx軸上に示し(μg/ml)、本明細書に記載する抗体対を使用して標準条件下で実施した、増幅サンドイッチELISAにおける吸光度はy軸上に示す。データは、4つの抗体全てが、全細胞溶解物のマイクログラム濃度に対応するナノグラム濃度で有意に検出され得ることを示す。
単離または組換え体のKARIタンパク質ならびにその免疫原性断片およびエピトープ
本発明の一態様は、単離または組換え体のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを提供する。
本発明のこの態様は、完全長KARIタンパク質および/またはKARIタンパク質の誘導体もしくは類似体またはその免疫原性断片もしくはエピトープを含む、本明細書で言及されるKARIタンパク質から誘導される任意の合成または組換え体のペプチドを包含する。
好ましいKARIタンパク質は、配列番号1に示すアミノ酸配列に少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有するペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質である。好ましくは、配列番号1へのKARIタンパク質のパーセント同一性は少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、さらにより好ましくは少なくとも約95%、さらにより好ましくは少なくとも約99%である。当業者に公知であるように、過度の実験なしで、例示される結核菌のKARIタンパク質の領域への配列同一性および免疫学的同等性を有するタンパク質の断片を定義することが可能であるので、本発明は、例示される結核菌のKARIタンパク質の使用に制限されることはない。
2つのアミノ酸配列が上の規定のパーセント同一性限界に入るかどうかを判定することにおいて、当業者は、アミノ酸配列を並べた比較を実行することが可能なことを承知する。そのような比較または整列では、整列を実行するために用いられるアルゴリズムによって、同一でない残基の位置決定で差が生じる。本文脈で、2つ以上のアミノ酸配列の間のパーセント同一性および類似性への言及は、当業者に公知である任意の標準アルゴリズムを用いて判定される、前記配列の間のそれぞれ同一のおよび類似した残基の数を指すと解釈されるものとする。特に、アミノ酸の同一性および類似性は、Computer Genetics Group, Inc.、University Research Park、Madison、Wisconsin、United States of Americaのソフトウェアを用いて、例えばNeedlemanおよびWunsch、J. Mol. Biol. 48、443〜453頁、1970のアルゴリズムを利用する、Devereauxら、Nucl. Acids Res. 12、387〜395頁、1984のGAPプログラムを用いて計算される。あるいは、複数の配列の整列を得るためにThompsonら、Nucl. Acids Res. 22、4673〜4680頁、1994のCLUSTAL Wアルゴリズムが用いられ、そこでは、同一の/類似した残基の数を最大にして、整列内の配列ギャップの数および/または長さを最小にする必要があるかそうすることが望ましい。アミノ酸配列の整列は、様々な他の市販の配列分析プログラム、例えばNCBIで利用可能なBLASTプログラムなどを用いて実施することもできる。
特に好ましい断片には、エピトープ、特にB細胞エピトープまたはT細胞エピトープを含むものが含まれる。
B細胞エピトープは、免疫原性KARIタンパク質のアミノ酸配列から都合よく誘導される。脂質改変B細胞エピトープまたはB群タンパク質がそうであるように、それに対する免疫応答が所望であるイディオタイプおよび抗イディオタイプのB細胞エピトープが本発明に特に包含される。好ましいB細胞エピトープは、哺乳動物に投与されると抗体の生成を、好ましくは結核菌に対する中和抗体、より好ましくは高力価の中和抗体の生成を引き出すことができる。ペプチド合成を促進するために、より短いB細胞エピトープが好ましい。好ましくは、B細胞エピトープの長さは、約30個のアミノ酸の長さを超えない。より好ましくは、B細胞エピトープ配列は、長さが完全長タンパク質の配列に由来する、約25個以下のアミノ酸残基、より好ましくは20個未満のアミノ酸残基、さらにより好ましくは約5〜20個のアミノ酸残基からなる。
CTLエピトープは、KARIタンパク質の完全長アミノ酸配列からも都合よく誘導され、一般に前記KARIタンパク質の少なくとも約9個の連続したアミノ酸からなり、MHCクラスI結合性エピトープを測定する予測アルゴリズム、例えば、University of Tuebingen、GermanyのSYFPEITHIアルゴリズム、または米国政府のNational Institutes of HealthのBiolnformatics and Molecular Analysis Section (BIMAS)のHLA Peptide Binding Predictionsプログラムのアルゴリズムを用いて測定されるように、MHCクラスI対立遺伝子と有意水準で相互作用するアミノ酸配列を有する。より好ましくは、CTLエピトープは、抗原提示細胞(APC)の表面でMHCクラスI分子に結合し、および/またはそれを安定させるアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、CTLエピトープは、記憶CTL応答を誘導するか、T細胞、例えばCD8+ T細胞、細胞傷害性T細胞(CTL)によるIFN-γ発現を引き出す配列を有する。さらにより好ましくは、CTLは、標準の細胞傷害性アッセイでCTL活性を刺激する配列を有する。KARIタンパク質の特に好ましいCTLエピトープは、例えば、結核菌に感染したヒト細胞を認識、溶解し、それによって結核菌に対する細胞性免疫を提供または強化することによって、ヒトの細胞または組織で結核菌に対して細胞免疫応答を引き出すことができる。
適する断片は、長さが少なくとも約5個、例えば10、12、15または20個のアミノ酸である。それらは、長さが200、100または50個未満のアミノ酸であることもできる。
KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープのアミノ酸配列は、その免疫機能に悪影響を与えることなく当業者に公知である方法によって、特定の目的のために改変することができる。例えば、免疫応答を高めるか、他の剤、特に脂質へのペプチドの連結を可能にするために、特定のペプチド残基を誘導体化または化学的に改変することができる。ペプチドの全体構造または抗原性を妨げることなく、ペプチド中の特定のアミノ酸を変えることも可能である。したがってそのような変更は「保存的な」変更と呼ばれ、残基の親水性または極性に依存する傾向がある。どの置換が保存的であるかの判定において、側鎖のサイズおよび/または電荷も関連する因子である。
本発明は、ペプチドのホモダイマー、ホモトリマー、ホモテトラマーもしくはより高い次元のホモマルチマー、または2つ以上の異なる免疫原性ペプチドを含むヘテロダイマー、ヘテロトリマー、ヘテロテトラマーもしくはより高い次元のヘテロマルチマーを含む、1つまたは複数の免疫原性KARIペプチドの間の共有結合性融合を明らかに包含する。
本発明は、例えばイオン性、流体静力学的または当技術分野で公知であるか本明細書に記載の他の相互作用によって一緒になる、1つまたは複数の免疫原性KARIペプチドの間の非共有結合性の凝集体も包含する。
分子の規定の部分に加えることができ、しかも許容されるレベルの同等生物活性を有する分子をもたらす変更の数には制限があるとの概念は、生物学的に機能的な同等のタンパク質の定義に固有であることは、当業者によってよく理解されている。したがって、生物学的に機能的に同等なタンパク質は、特定のアミノ酸が置換されるタンパク質と本明細書で定義される。特定の例は、ペプチドのアミノ酸配列に1、2、3、4、5個またはそれ以上の変化を有する変異体を包含する。当然、異なる置換を有する複数の異なるタンパク質/ペプチドは、本発明に従って容易に作製し、用いることができる。
当業者は、以下の置換が許容される保存的置換であることをよく知っている。(i)アルギニン、リジンおよびヒスチジンを含む置換; (ii)アラニン、グリシンおよびセリンを含む置換;および(iii)フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンを含む置換。そのような保存的置換を組み込む誘導体は、生物学的または免疫学的に機能的な同等物と本明細書で定義される。
タンパク質にインタラクティブ生物機能を付与することにおける疎水性親水性アミノ酸指数の重要性は、当技術分野で一般に理解されている(Kyte & Doolittle、J. Mol. Biol. 157、105〜132頁、1982)。特定のアミノ酸を、類似した疎水性親水性指数またはスコアを有する他のアミノ酸と置換し、なお類似した生物活性を保持することができることが知られている。アミノ酸の疎水性親水性指数は、機能的に等しい分子を生成する保存的置換の決定において考慮することもできる。各アミノ酸は、以下の通り、それらの疎水性および電荷特性に基づいて疎水性親水性指数が割り当てられている。イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);スレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパラギン酸(-3.5);アスパラギン(-3.5);リジン(-3.9);およびアルギニン(-4.5)。疎水性親水性指数に基づいて変更を加えることにおいて、その疎水性親水性指数が+/-0.2であるアミノ酸の置換が好ましい。より好ましくは、置換は+/-0.1、より好ましくは約+/-0.05の範囲内の疎水性親水性指数を有するアミノ酸を含む。
類似のアミノ酸の置換は、特にそれによって形成される生物学的機能的に同等のタンパク質またはペプチドが、本件(例えば米国特許第4,554,101号)の場合のように免疫学的例での使用を目的とする場合、親水性に基づいて効果的に生成されることは当技術分野で理解されてもいる。実際、その隣接するアミノ酸の親水性によって支配される、タンパク質の最も大きな局所平均親水性は、その免疫原性および抗原性と相関する。米国特許第4,554,101号に詳述されるように、以下の親水性値がアミノ酸残基に割り当てられている。アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0+/-0.1);グルタミン酸(+3.0+/-0.1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(-0.4);プロリン(-0.5+/- 0.1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5);トリプトファン(-3.4)。類似の親水性値に基づいて変更を加える場合、互いに約+/-0.2、より好ましくは約+/-0.1、さらにより好ましくは約+/-0.05の範囲内の親水性値を有するアミノ酸を置換することが好ましい。
エピトープを含むKARIポリペプチドまたはそのペプチド断片は、標準の技術、例えばMerrifieldの合成法(Merrifield、J Am Chem Soc、85:2149〜2154頁、1963)および利用可能なその技術の無数の改良型を用いて容易に合成される(例えば、Synthetic Peptides: A User's Guide、Grant編(1992) W.H. Freeman & Co.、New York、382頁; Jones (1994) The Chemical Synthesis of Peptides、Clarendon Press、Oxford、230頁; Barany, G.およびMerrifield, R.B. (1979)、The Peptides (Gross, E.およびMeienhofer, J.編)、第2巻、1〜284頁、Academic Press、New York中; Wunsch, E.編(1974) Synthese von Peptiden in Houben- Weyls Metoden der Organischen Chemie (Miller, E.編)、第15巻、第4版、パート1および2、Thieme、Stuttgart; Bodanszky, M. (1984) Principles of Peptide Synthesis、Springer-Verlag、Heidelberg; Bodanszky, M. & Bodanszky, A. (1984) The Practice of Peptide Synthesis、Springer-Verlag、Heidelberg; Bodanszky, M. (1985) Int. J. Peptide Protein Res. 25、449〜474頁.d/を参照)。
当技術分野で公知であるように、合成ペプチドは、例えば合成を促進するかペプチド溶解性を改善するために、完全長KARIタンパク質に由来する断片またはB細胞エピトープの配列に加えられる追加の親水性のN末端および/またはC末端のアミノ酸で生成することができる。この目的のために、グリシンおよび/またはセリン残基が特に好ましい。そのようなペプチドは、KARI断片に連なる追加のスペーサー配列を含むように改変することができ、前記スペーサーは、グリシンおよびセリンを含むヘテロポリマー(トリマーまたはテトラマー)を含む。
本発明のペプチドは、例えば、天然もしくは合成のハプテン、抗生物質、ホルモン、ステロイド、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸、酵素、酵素基質、酵素阻害剤、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、ポリヒスチジン標識、グルタチオン、GST、ポリエチレングリコール、ペプチドポリペプチド部分(例えばタフトシン、ポリリジン)、蛍光マーカー(例えばFITC、RITC、ダンシル、ルミノールまたはクマリン)、生物発光マーカー、スピン標識、アルカロイド、生体アミン、ビタミン、毒素(例えばジゴキシン、ファロイジン、アマニチン、テトロドトキシン)、または複合体形成剤の付加によって、診断目的のために容易に改変される。ビオチン化ペプチドが特に好ましい。
別の例では、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープは、組換え体タンパク質として生成される。
組換え手段によってタンパク質を発現させるために、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を、無細胞系または細胞系で発現を調節することができるプロモーターまたは他の調節配列と機能的な関係に置く。本発明の一例では、適するプロモーター配列と機能的な関係にある、KARIタンパク質(例えば配列番号1に記載のもの)またはそのエピトープをコードする配列を含む核酸は、発現が起こるのに十分な時間および条件下で、適する細胞で発現される。本明細書に記載のKARIタンパク質をコードする結核菌のilvC遺伝子およびその任意の変異体を含む、KARIタンパク質をコードする核酸は、公開されているアミノ酸配列から容易に誘導される。
別の例では、KARIタンパク質は、例えば抽出および精製を助けるために、組換え体融合タンパク質として生成される。融合ポリペプチドを生成するために、オープンリーディングフレームは、例えばAusubelら(Current Protocols in Molecular Biology、Wiley Interscience、ISBN 047150338、1992)によって記載される標準のクローニング法を用いて、同じリーディングフレームで共有結合的に連結され、プロモーターの支配下で発現される。融合タンパク質パートナーの例には、グルタチオン-S-転移酵素(GST)、FLAG(Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys)、ヘキサヒスチジン、GAL4(DNA結合性および/または転写活性化ドメイン)およびβガラクトシダーゼが含まれる。融合タンパク質配列の除去を可能にするために、融合タンパク質パートナーと関心のあるタンパク質配列との間にタンパク分解性切断部位を入れることも便利かもしれない。好ましくは、融合タンパク質はKARIタンパク質の免疫機能を損なわない。
本明細書で「プロモーター」への言及はその最も広い文脈で解釈されるものとし、発達上のおよび/または外部の刺激に応じて、または組織特異的に遺伝子発現を変化させるCCAATボックス配列、および追加の調節エレメント(すなわち、上流の活性化配列、エンハンサーおよびサイレンサー)を伴うか伴わない、精確な転写開始のために必要とされるTATAボックスを含む、古典的ゲノム遺伝子の転写調節配列を含む。本文脈では、用語「プロモーター」は、それが機能的に連結され、ポリペプチドまたはペプチド断片をコードする核酸の発現を付与するか、活性化するか、高める、組換え、合成もしくは融合の分子、または誘導体を記載するためにも用いられる。好ましいプロモーターは、前記核酸分子の発現をさらに高めるため、および/またはその空間的発現および/または時間的発現を変化させるために、1つまたは複数の特定の調節エレメントの追加のコピーを含むことができる。
核酸を、プロモーターの調節制御の下、すなわち「機能的関係」に置くことは、発現がプロモーター配列によって制御されるように前記核酸を置くことを意味する。プロモーターは、それらが制御するコード配列の5'(上流)側に一般に置かれる。
大腸菌などの細菌で無傷のポリペプチドおよびペプチドを生成するための必要条件は、有効なリボソーム結合部位を有する強力なプロモーターの使用である。大腸菌などの細菌細胞での発現に適する一般的なプロモーターには、lacZプロモーター、温度感受性λLもしくはλRプロモーター、T7プロモーターまたはIPTG誘導性tacプロモーターが含まれるが、これらに限定されない。大腸菌で本発明の核酸分子を発現させるためのいくつかの他のベクター系が当技術分野で公知であり、例えば、Ausubelら(Current Protocols in Molecular Biology、Wiley Interscience、ISBN 047150338、1987)またはSambrookら(Molecular cloning、A laboratory manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989)に記載されている。細菌での発現に適するプロモーターおよび効率的なリボソーム結合部位を有する多数のプラスミドが記載されており、その例には、とりわけpKC30(λL:ShimatakeおよびRosenberg、Nature 292、128頁、1981); pKK173-3(tac:AmannおよびBrosius、Gene 40、183頁、1985)、pET-3(T7:StudierおよびMoffat、J. Mol. Biol. 189、113頁、1986);アラビノース誘導性プロモーターを含むpBAD/TOPOまたはpBAD/Thio-TOPOベクター系(Invitrogen、Carlsbad、CA)であって、後者は、発現タンパク質の溶解性を高めるためにチオレドキシンと融合タンパク質を生成するように設計されている; pFLEX発現ベクター系(Pfizer Inc.、CT、USA);またはpQE発現ベクター系(Qiagen、CA)が含まれる。
真核生物細胞のウイルスおよび真核生物細胞での発現に適する一般的なプロモーターには、とりわけSV40後期プロモーター、SV40初期プロモーターおよびサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、CMV IE(極初期のサイトメガロウイルス)プロモーターが含まれる。哺乳動物細胞(例えば293、COS、CHO、10T細胞、293Tの細胞)での発現のために好ましいベクターには、それらに限定されないが、Invitrogenによって供給されるpcDNAベクターセット、特にCMVプロモーターを含み、C末端の6×HisおよびMYCタグをコードするpcDNA3.1 myc-His-タグ;ならびにレトロウイルスベクターpSRαtkneo(Mullerら、Mol. Cell. Biol.、11、1785頁、1991)が含まれる。ベクターpcDNA3.1 myc-His(Invitrogen)は、293T細胞でKARIタンパク質またはその誘導体の分泌形を発現するのに特に好ましく、そこにおいて、発現されるペプチドまたはタンパク質は、Hisタグを通してタンパク質に結合するためにニッケルカラムを使用する標準の親和性技術を用いて、同種のタンパク質が除かれるように精製することができる。
本発明の診断タンパク質またはその免疫学的誘導体(例えば、エピトープまたは他の断片)を発現させるために適する広範囲の追加の宿主/ベクター系が公的に利用可能であり、例えばSambrookら(Molecular cloning、A laboratory manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989)に記載されている。
単離された核酸分子またはそれを含む遺伝子構築物を発現のために細胞に導入する手段は、当業者に公知である。所与の生物体のために用いられる技術は、公知の成功技術に依存する。組換えDNAを動物細胞に導入する手段には、とりわけ微量注入、DEAE-デキストランによって媒介されるトランスフェクション、例えばリポフェクタミン(Gibco、MD、USA)および/またはセルフェクチン(Gibco、MD、USA)を用いることによるリポソームによって媒介されるトランスフェクション、PEG媒介性のDNA取込み、エレクトロポレーションおよび、例えばDNAコーティングタングステンまたは金の粒子(Agracetus Inc.、WI、USA)を用いることによる微粒子銃が含まれる。
本発明のタンパク質は、単離された形で、好ましくは同種のタンパク質が実質的に含まれない形で生成することができる。単離されたタンパク質を生成するために、抗体および他の親和性リガンドが特に好ましい。好ましくは、タンパク質は、調製物中のタンパク質の約90%を超える(例えば95%、98%または99%)がKARIタンパク質またはそのエピトープである調製物である。
単離または組換え体の第二の分析物タンパク質、そのペプチドおよびエピトープ
単離または組換え体のKARIタンパク質またはその免疫原性断片の生成について本明細書の上に記載される方法は、例えば結核菌による結核または感染の診断または予後診断、抗体生成、分析物精製、ワクチン製剤などのために、イムノアッセイフォーマットで用いられる第二の分析物タンパク質、ペプチドおよび断片の生成に、必要な変更を加えて適用されることを理解すべきである。当業者によって理解されるように、そのような外挿は、例えばKARIタンパク質免疫原を問題の第二分析物、例えば本明細書の任意の例による結核菌のBSXタンパク質またはS9タンパク質またはGSタンパク質またはその免疫原性断片あるいは前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物と置換することに依存する。そのような置換は、本明細書の開示から過度の実験なしで容易に実施される。
便宜上、好ましい第二分析物は、例えば、多分析物抗原に基づく検査で用いるために、配列番号3〜60に示す群から選択されるアミノ酸配列およびその組合せ/混合物を含む。
例えば、結核菌のBSXタンパク質を発現させることができ、標準の手段によってそこから得られる断片、あるいは合成ペプチドは、完全長タンパク質(例えば、SwissProtデータベースアクセッション番号O53759に示される配列を含む)の配列に基づいて合成することができる。完全長BSXタンパク質からの例示的な免疫原性ペプチドは、以下からなる群から選択される配列を含む。MRQLAERSGVSNPYL(配列番号3)、ERGLRKPSADVLSQI(配列番号4)、LRKPSADVLSQIAKA(配列番号5)、PSADVLSQIAKALRV(配列番号6)、SQIAKALRVSAEVLY(配列番号7)、AKALRVSAEVLYVRA(配列番号8)、VRAGILEPSETSQVR(配列番号9)、TAITERQKQILLDIY(配列番号10)、SQIAKALRVSAEVLYVRAC(配列番号11)、MSSEEKLCDPTPTDD(配列番号12)およびVRAGILEPSETSQVRC(配列番号13)。そのような断片の生成方法は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2005年8月19日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2005/001254号(国際公開第2006/01792号)に詳細に記載されている。
あるいは、または加えて、結核菌のグルタミン合成酵素(GS)タンパク質を発現させることができ、標準の手段によってそこから得られる断片、あるいは合成ペプチドは、完全長タンパク質(例えば、SwissProtデータベースアクセッション番号O33342に示される配列を含む)の配列に基づいて合成することができる。GSタンパク質の例示的な免疫原断片は、GSタンパク質の表面露出領域から誘導されるか、配列RGTDGSAVFADSNGPHGMSSMFRSF(配列番号57)またはWASGYRGLTPASDYNIDYAI(配列番号58)を含む。そのような断片の生成方法は、本明細書、およびその開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2005年6月24日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2005/000930号(国際公開第2006/000045号)に詳細に記載されている。
KARIタンパク質またはそのエピトープに結合する抗体
本発明の第二の態様は、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに特異的に結合する抗体、例えば本明細書に記載のアッセイで使用するために適するモノクローナルまたはポリクローナル抗体調製物を提供する。
抗体または複数の抗体への本明細書での言及は、単独の、または他の部分と結合している完全体のポリクローナルおよびモノクローナル抗体、ならびにその部分を含む。抗体部分は、FabおよびF(ab)2断片ならびに単鎖抗体を含む。抗体は、適する実験動物でインビボで作製することができ、または工作された抗体(単鎖抗体またはSCABSなど)の場合は、インビトロで組換えDNA技術を用いて作製することができる。
本発明のこの態様に従って、抗体は対象を免疫化するために生成することができ、その場合には、B細胞エピトープに結合する高力価のまたは中和性の抗体が特に好ましい。免疫化に適する対象は、当然、免疫抗原または抗原性のB細胞エピトープによって決まる。本発明は、広範囲の動物、例えば畜産動物(例えばウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ニワトリ、カモ、七面鳥など)、実験動物(例えばラット、マウス、モルモット、ウサギ)、家畜動物(ネコ、イヌ、鳥など)、自然のまたは野生の外来動物(例えばコモリネズミ、ネコ、ブタ、バッファロー、山イヌなど)およびヒトの免疫化に広く適用できることが想定される。
あるいは、抗体は商業目的または診断目的のためでもよく、その場合には、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープが投与される対象は、実験動物または畜産動物である可能性が高い。抗血清の生成のために、広範囲の動物種が用いられる。一般的に、抗血清の生成のために用いられる動物は、ウサギ、マウス、ウサギ、ラット、ハムスター、モルモット、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ウマまたはニワトリである。ウサギおよびヒツジの比較的大きな血液量のため、これらはポリクローナル抗体の生成のために選択することが好ましい。しかし、当業者に公知であるように、マウスなどのより小さな動物と対照的に、大きな動物から抗体を得るためにはより大きな量の免疫原が必要とされる。そのような場合、免疫化動物から抗体を単離することが望ましい。
好ましくは、抗体は高力価の抗体である。「高力価」は、診断または治療の用途での使用に適するように十分に高い力価を意味する。当技術分野で公知であるように、「高力価」とみなされるであろうものに、多少の変動がある。ほとんどの用途のために、少なくとも約103〜104の力価が好ましい。より好ましくは、抗体力価は約104〜約105、さらにより好ましくは約105〜約106の範囲になる。
より好ましくは、病原体、ウイルスまたは細菌からのB細胞エピトープの場合、抗体は中和抗体である(すなわち、それは、B細胞エピトープが由来する生物体の感染性を中和することができる)。
抗体を生成するために、任意の適するか所望の担体、アジュバント、BRMまたは薬学的に許容される賦形剤によって任意選択で製剤化されるKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープは、注射可能な組成物の形で都合よく投与される。注射は、鼻腔内、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、腹腔内であるか、または他の公知の経路によることができる。静脈内注射のために、1つまたは複数の流体および栄養素補液を入れることが望ましい。抗体を調製して特徴づけをする手段は、当技術分野で周知である。(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、ANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL、Cold Spring Harbor Laboratory、1988を参照)。
ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を生成するための好ましい免疫原性ペプチドは、当技術分野で公知であるいくつかの結合化学の1つを用いて、免疫原性担体タンパク質、例えばジフテリアトキソイド(DT)、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、破傷風トキソイド(TT)またはインフルエンザウイルスの核タンパク質(NP)に共有結合的に結合される。これは、さもなければ動物、例えばマウス、ラット、ニワトリなどではあまり免疫原性でないペプチドの免疫原性を高める。
そのような結合のための担体タンパク質を調製する方法は、当技術分野で周知である。例えば、DTは、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の培養物からの毒素の精製と、それに続く化学的解毒によって好ましくは生成されるが、代わりに、組換えによるかまたは遺伝的に解毒された毒素類似体の精製によって作製される(例えば、CRM197、または米国特許第4,709,017号、第5,843,711号、第5,601,827号および第5,917,017号に記載の他の突然変異体)。好ましくは、トキソイドは、例えばジフテリアトキソイド(D-AH)のアジピン酸ヒドラジド誘導体の使用によって提供されるように、スペーサーとして最高6個の炭素の架橋を用いて誘導体化される。
結合のために、完全長KARIタンパク質から誘導されるペプチドは、化学的に合成するか組換え発現手段によって生成すること、ヒドロキシルアミンで処理して遊離のスルフヒドリル基を形成し、遊離のスルフヒドリル基を通してマレイミド改変ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイドまたはインフルエンザNPタンパク質または他の担体分子に架橋させることができる。最も特異的で信頼できる結合化学の1つは、ペプチドでシステイン残基を用い、マレイミド基を担体タンパク質に加え、安定したチオエーテル結合を形成する(Lee, A.C.ら、Mol. Immune-l. 17、749〜756頁、1980)。例えば、スルフヒドリル基がペプチドに存在しない場合、この方法を促進するために、KARIタンパク質由来のペプチドは、C末端のシステイン残基の付加によって前もって改変することができる。免疫原性KARIペプチドは非変性条件の下で好ましくは生成され、ヒドロキシルアミン、チオール還元剤、または酸もしくは塩基加水分解で処理されて、遊離のスルフヒドリル基を生成し、遊離のスルフヒドリルを含有するペプチドは、遊離のスルフヒドリル基を通して化学結合によって担体に結合される。そのような結合は、適するビスマレイミド化合物の使用によってもよい。あるいは、HAタンパク質の結合は、マレイミド改変担体タンパク質、例えばジフテリアトキソイド、破傷風トキソイドまたはインフルエンザ(NP)タンパク質、あるいは炭水化物、例えばアルギン酸、デキストランまたはポリエチレングリコールに対してでもよい。そのようなマレイミド改変担体分子は、マレイミド-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル型のヘテロ二機能架橋剤との担体分子の反応によって形成することができる。そのような二機能性エステルの例には、マレイミド-カプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MCS)、マレイミド-ベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、マレイミド-ベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBS)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミド-フェニル)ブチレート(SMPP)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC)およびスルホスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ-SMPP)が含まれる。N-ヒドロキシ-スクシンイミドエステル部分は担体タンパク質のアミン基と反応し、マレイミド部分に抗原の上のスルフヒドリル基と自由に反応させ、架橋物質を形成する。
そのように生成される結合分子を精製して免疫原性組成物で用い、宿主への投与後に、KARIペプチド単独に比較して強化されているKARIペプチドへの免疫応答を引き出すことができる。
ジフテリアトキソイドは、市販品を入手するか、標準の方法によって液内培養で増殖させたジフテリア菌から調製する。ジフテリアトキソイドの生成は、5つの工程、すなわち有効種子の維持、ジフテリア菌の増殖、ジフテリア毒素の回収、ジフテリア毒素の解毒およびジフテリアトキソイドの濃縮に分割される。調製物で担体として用いられる精製ジフテリアトキソイド(DT)は、好ましくは、水溶性カルボジイミド縮合方法を用いて、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)などのスペーサー分子の結合によって改変(誘導体化)された市販トキソイドである。改変トキソイド、一般的にアジピン酸ヒドラジド誘導体D-AHは、未反応のADHから次に遊離される。
抗体の生成におけるKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープの効力は、例に記載のように、動物、例えばマウス、ニワトリ、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ウマ、ウシ、ヤギまたはブタに、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを含む製剤を注射し、B細胞エピトープへの免疫応答を次に監視することによって確立される。一次および二次の免疫応答両方が監視される。抗体力価は、任意の従来のイムノアッセイ、例えばELISAまたはラジオイムノアッセイを用いて測定される。
ポリクローナル抗体の生成は、免疫化後の様々な時点で免疫化動物の血液をサンプリングすることによって監視することができる。所望の抗体力価を達成するために必要な場合、第二の追加免疫注射を与えてもよい。適する力価が達成されるまで、追加免疫および滴定の工程を繰り返す。所望レベルの免疫原性が得られると、免疫化動物の血を抜き、血清を単離、保存し、および/またはモノクローナル抗体(Mab)を生成するために動物を用いる。
モノクローナル抗体が特に好ましい。モノクローナル抗体(Mab)の生成のために、いくつかの周知技術のいずれか1つ、例えば参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,196,265号に例示されている方法を用いることができる。
例えば、適する動物が、抗体生成細胞を刺激するのに十分な条件の下で、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープの有効量で免疫化される。ウサギ、マウスおよびラットなどの齧歯動物が好ましい動物であるが、ヒツジまたはカエルの細胞の使用も可能である。ラットの使用は特定の利点を提供することができるが、マウスまたはウサギが好ましく、最も普通に用いられる動物として、およびより高い割合の安定した融合を一般に与えるものとして、BALB/cマウスが最も好ましい。ウサギは、高い親和性のモノクローナル抗体を提供することが知られている。
免疫化の後に、抗体、特にBリンパ球(B細胞)を生成する能力を有する体細胞が、MAb生成プロトコルで使用するために選択される。これらの細胞は、脾臓、扁桃またはリンパ節の生検材料から、または末梢血液試料から得ることができる。脾細胞および末梢血細胞が好ましく、前者が好ましいのはそれらが分裂中の形質芽細胞期の抗体生成細胞に富む原料であるからであり、後者が好ましいのは末梢血が容易に獲得できるからである。しばしば、動物の一団が免疫化され、最も高い抗体力価をもつ動物の脾臓が取り出される。脾臓リンパ球は、脾臓を注射器でホモジナイズして得られる。一般的に、免疫化マウスからの脾臓は、約5×107〜2×108個のリンパ球を含む。
免疫化動物からのB細胞を、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープで免疫化された動物と同じ種から一般に誘導される、不死の骨髄腫細胞の細胞と次に融合させる。好ましくはハイブリドーマ生成融合手順で使用するために適している骨髄腫細胞系は、非抗体生成性であり、高い融合効率、および所望の融合細胞またはハイブリドーマの増殖のみをサポートする特定の選択培地でそれらが増殖することを不可能にする酵素欠損症を有する。いくつかの骨髄腫細胞の任意の1つを用いることができ、これらは当業者に公知である(例えばマウスのP3-X63/Ag8、X63-Ag8.653、NS1/1.Ag41、Sp210-Ag14、FO、NSO/U、MPC-11、MPC11-X45-GTG1.7およびS194/5XX0;またはラットのR210.RCY3、Y3-Ag1.2.3、IR983Fおよび4B210;ならびに、U-266、GM1500-GRG2、LICR-LON-HMy2およびUC729-6)。好ましいマウスの骨髄腫細胞は、NS-1骨髄腫細胞系(P3-NS-1-Ag4-1とも呼ばれる)であり、それは、アクセッション番号GM3573の下で、NIGMS Human Genetic Mutant Cell Repositoryから容易に入手できる。あるいは、8-アザグアニン耐性であるマウスの骨髄腫SP2/0非生成細胞系が用いられる。
抗体生成性脾臓またはリンパ節細胞および骨髄腫細胞のハイブリッドを生成するために、細胞膜の融合を促進する剤または複数の剤(化学的または電気的)の存在下で、体細胞をそれぞれ約20:1〜約1:1(v/v)の割合で骨髄腫細胞と混合する。センダイウイルスを用いる融合方法は、KohlerおよびMilstein、Nature 256、495〜497頁、1975;およびKohlerおよびMilstein、Eur. J. Immune-l. 6、511〜519頁、1976に記載されている。ポリエチレングリコール(PEG)、例えば37%(v/v)PEGを用いる方法は、Gefterら、Somatic Cell Genet. 3、231〜236頁、1977によって詳細に記載される。電気的誘導による融合方法の使用も、適当である。
ハイブリッドは、組織培養培地でヌクレオチドの新規合成をブロックする剤を含む選択培地での培養によって増幅される。例示的な好ましい剤は、アミノプテリン、メトトレキセートおよびアザセリンである。アミノプテリンおよびメトトレキセートはプリンおよびピリミジンの両方の新規合成をブロックするが、アザセリンはプリン合成だけをブロックする。アミノプテリンまたはメトトレキセートが用いられる場合、培地にはヌクレオチド源としてヒポキサンチンおよびチミジンが加えられる(HAT培地)。アザセリンが用いられる場合、培地にはヒポキサンチンが加えられる。
好ましい選択培地はHATであるが、その理由は、ヌクレオチドサルベージ経路を作動させることができるハイブリドーマだけがHAT培地で生存することができ、骨髄腫細胞はサルベージ経路の鍵酵素(例えば、ヒポキサンチンホスホリボシル転移酵素またはHPRT)に欠陥があり、それらは生存することができないからである。B細胞はこのサルベージ経路を作動させることができるが、それらは培養での寿命が限定され、約2週間以内に一般に死に至る。したがって、選択培地で生存することができる唯一の細胞は、骨髄腫およびB細胞から形成されるハイブリッドである。
増幅されたハイブリドーマは、抗体特異性および/または力価のための、例えばイムノアッセイ(例えばラジオイムノアッセイ、酵素免疫アッセイ、細胞傷害性アッセイ、プラークアッセイ、ドットイムノアッセイなど)などによる機能的選択にかける。
選択されたハイブリドーマを連続希釈し、個々の抗体生成細胞系にクローニングし、それらのクローンは、次に無期限に増殖させてMAbを提供することができる。細胞系は、2つの基本的方法によるMAb生成のために活用することができる。元の融合のために体細胞および骨髄腫細胞を提供するために用いられた種類の組織適合性動物の、通常腹膜腔にハイブリドーマの試料を注入する。注入された動物には腫瘍が発達し、融合された細胞ハイブリッドによって生成される特異的モノクローナル抗体を分泌する。動物の体液、例えば血清または腹水液を次に取り出し、高い濃度のMAbを提供することができる。個々の細胞系は、インビトロで培養することも可能で、そこでは、MAbが培地に自然に分泌され、そこからそれらは高濃度で容易に得られる。所望により、いずれかの手段によって生成されるMAbを、濾過、遠心分離およびHPLCまたはアフィニティークロマトグラフィーなどの様々なクロマトグラフィーの方法を用いて、さらに精製してもよい。
あるいは、ABL-MYC技術(NeoClone、Madison WI 53713、USA)を用いて、免疫原性KARIペプチド抗原に対してモノクローナル抗体(mAb)を分泌する細胞系を生成する。この工程では、BALB/cByJ雌マウスを、約2〜約3カ月間にわたってペプチド抗原の量で免疫化する。この間に、標準ELISAでの抗体応答を評価するために、一定の間隔で免疫化マウスから試験採血をとる。オンコジーンv-ablおよびc-mycを含む複製インコンピテントレトロウイルスを使用する以降のABL-MYC感染のために、少なくとも約1,000の抗体力価を有するマウスの脾臓を用いる。脾細胞をナイーブマウスに移植し、それは次に、KARIペプチド抗原に対してモノクローナル抗体(mAb)を生成する細胞系を含む腹水液を生成する。mAbは、例えば固体マトリックスに結合される、mAbのアイソタイプによって、プロテインGまたはプロテインAを用いて、腹水から精製される。ハイブリドーマ融合が存在しないので、ABL-MYC工程の利点は、それが従来のmAb生成方法よりも速く、費用効果が高く、高収率であることである。さらに、ABL-MYCレトロウイルスは免疫抗原によって刺激された脾臓の細胞だけに感染するので、この方法によって生成される二倍性のプラズマ細胞腫は多倍数体のハイブリドーマより本質的に安定である。ABL-MYCは、それらの活性化B細胞を、プラズマ細胞腫と呼ばれる不死のmAb生成性プラズマ細胞に次に形質転換する。「プラズマ細胞腫」は、制御されない細胞分裂が可能な不死化されたプラズマ細胞である。プラズマ細胞腫はわずか1個の細胞から始まるので、それから生成されるプラズマ細胞腫の全てはしたがって同一で、さらに、同じ所望の「モノクローナル」抗体を生成する。その結果、望ましくない細胞系の選別を必要としない。ABL-MYC技術は、参照により本明細書に組み込まれる以下の開示で総体的に詳しく記載されている。
1. Largaespada et al., Curr. Top. Microbiol. Immune-l., 166, 91-96. 1990;
2. Weissinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, 8735-8739, 1991;
3. Largaespada et al., Oncogene, 7, 811-819, 1992;
4. Weissinger et al., J. Immune-l. Methods 168, 123-130, 1994;
5. Largaespada et al., J. Immune-l. Methods. 197(1-2), 85-95, 1996; and
6. Kumar et al., Immune-. Letters 65, 153-159, 1999。
本発明のモノクローナル抗体は、周知の技術である方法によって生成される抗イディオタイプ抗体も含む。本発明によるモノクローナル抗体は、モノクローナルのヘテロ結合体(すなわち、2つ以上の抗体分子のハイブリッド)であることもできる。別の例では、本発明によるモノクローナル抗体は、キメラモノクローナル抗体である。一手法では、キメラモノクローナル抗体は、マウス抗KARI生成細胞からのプロモーター、リーダーおよび可変領域配列、ならびにヒト抗体遺伝子からの定常領域エクソンを含む組換えDNAをクローニングすることによって工作される。そのような組換え遺伝子によってコードされる抗体は、マウスヒトキメラである。その抗体特異性は、マウス配列に由来する可変領域によって決定される。定常領域によって決まるそのアイソタイプは、ヒトDNAに由来する。
別の例では、本発明によるモノクローナル抗体は「ヒト化された」モノクローナル抗体であって、当分野で周知であるいくつかの技術のいずれか1つによって生成される。すなわち、マウスの相補性決定領域(「CDR」)は、マウスIgの重鎖および軽鎖のV鎖からヒトVドメインに移され、続いて、それらのマウス対応物のフレームワーク領域でいくつかのヒト残基が置換される。本発明による「ヒト化」モノクローナル抗体は、診断および治療の方法においてインビボでの使用に特に適する。
上記のように、本発明によるモノクローナル抗体およびその断片は、周知の技術であるインビトロおよびインビボの方法によって増やされる。インビトロでの増殖は、ウシ胎仔血清などの哺乳動物血清または微量元素および増殖持続補充物、例えば正常マウス腹腔滲出細胞、脾細胞、骨髄マクロファージなどのフィーダー細胞が任意選択で補充される、ダルベッコの改変イーグル培地またはRPMI 1640培地などの適する培地で実施される。インビトロでの生成は比較的純粋な抗体調製物を提供し、大量の所望の抗体を与えるためのスケールアップを可能にする。組織培養条件下の大規模ハイブリドーマ培養の技術は、当技術分野で公知であり、均質の懸濁培養(例えば、エアーリフト反応器内、または連続スターラー反応器内または固定化もしくは封入細胞培養)を含む。
本発明の大量のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ細胞をインビボで増殖させることによって得ることもできる。細胞クローンを親細胞に組織適合性である哺乳動物(例えば、同系マウス)に注入し、抗体生成性腫瘍の増殖を引き起こす。任意選択で、注入の前に、炭化水素、特にプリスタン(テトラメチルペンタデカン)などの油で動物を抗原刺激する。
本発明に従って、本発明のモノクローナル抗体の断片は、ペプシンまたはパパインなどの酵素による消化および/または化学的還元によるジスルフィド結合の切断を含む方法によって、上に述べたように生成されるモノクローナル抗体から得られる。あるいは、本発明によって包含されるモノクローナル抗体断片は、自動ペプチド合成機を用いて合成され、または、それらは当技術分野で公知である技術を用いて手動で生成されてもよい。
本発明のモノクローナル結合体は、当技術分野で公知である方法によって、例えば、上述のように調製されたモノクローナル抗体を、グルタルアルデヒドまたは過ヨウ素酸塩などの結合剤の存在下で、例えば酵素と反応させることによって調製される。フルオレセインマーカーを有する結合体は、これらの結合剤の存在下で、またはイソチオシアネートとの反応によって調製される。金属キレートとの結合体は、同様に生成される。抗体に結合することができる他の部分には、例えば3H、125I、32P、35S、14C、51Cr、36Cl、57Co、58Co、59Fe、75Seおよび152Euなどの放射性核種が含まれる。
本発明は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼなどの酵素、または蛍光団、放射性核種、染色剤、金粒子、コロイド金などを含む任意の検出可能なリガンドまたは試薬に結合された抗体を明らかに含む。
放射性で標識された本発明のモノクローナル抗体は、当技術分野で公知の方法によって生成される。例えば、モノクローナル抗体は、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウム、および次亜塩素酸ナトリウムなどの化学的酸化剤、またはラクトペルオキシダーゼなどの酵素的酸化剤との接触によってヨウ化される。本発明によるモノクローナル抗体は、リガンド交換工程によって、例えば、二価の第一スズの溶液で過テクネチウム酸塩を還元し、セファデックスカラムの上に還元されたテクネチウムをキレート化し、このカラムに抗体を加えることによるか、または直接標識技術によって(例えば、過テクネチウム酸塩、SNCl2などの還元剤、ナトリウムカリウムフタレート液などの緩衝液および抗体をインキュベートすることによって)テクネチウム99で標識することができる。
KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープによる抗体生成を監視するために、任意のイムノアッセイを用いることができる。イムノアッセイは、それらの最も単純で直接的な意味で、結合アッセイである。特定の好ましいイムノアッセイは、当技術分野で公知である各種の酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)である。組織切片を用いる免疫組織化学的検出も、特に有用である。しかし、検出はそのような技術に限定されず、ウエスタンブロット法、ドットブロッティング、FACS分析などを用いることもできることが容易に理解される。
最も好ましくは、アッセイは定量的な結果を生成することができる。
例えば、抗体は単純な競合アッセイで試験される。B細胞エピトープに結合する既知の抗体調製物および試験抗体を、好ましくは天然の抗原の文脈でB細胞エピトープを含む抗原組成物とインキュベートする。本明細書で用いる「抗原組成物」は、B細胞エピトープのアクセスしやすい形のあるバージョンを含む、任意の組成物を意味する。ELISAプレートの抗原コーティングウェルが、特に好ましい。一例では、抗原組成物に加える前にしばらくの間、既知の抗体を様々な量の試験抗体と(例えば、1:1(v/v)、1:10(v/v)および1:100(v/v))前混合する。既知の抗体の1つを標識する場合、抗原に結合される標識の直接検出が可能である。未混合試料アッセイとの比較は、試験抗体による競合、したがって交差反応性を判定する。あるいは、既知の抗体または試験抗体に特異的な二次抗体を用いて、競合を判定することができる。
抗原組成物に結合する抗体は、既知の抗体の結合に効果的に競合することができ、したがって後者の結合をかなり減少させる。試験抗体の不在下での既知の抗体の反応は、対照である。試験抗体の存在下での反応のかなりの低下は、B細胞エピトープに結合する試験抗体を示す(すなわち、それは既知の抗体と交差反応する)。
1つの例示的なELISAでは、KARIタンパク質または免疫原性断片またはB細胞エピトープに結合する抗体は、ポリスチレンマイクロタイタープレートのウェルなどの、タンパク質親和性を示す選択された表面に固定化される。次に、B細胞エピトープを含むペプチドを含む組成物を、ウェルに加える。結合させ、洗浄して非特異的に結合している免疫複合体を除去した後、結合したエピトープを検出することができる。検出は、B細胞エピトープに結合することが知られ、検出可能な標識に連結されている二次抗体の添加によって一般に達成される。この種のELISAは、単純「サンドイッチELISA」である。検出は、前記二次抗体の添加と、続く、二次抗体に結合親和性を有する三次抗体の添加によって達成することもでき、三次抗体は検出可能な標識に連結されている。
代わりの例(すなわち、増幅ELISA)では、KARIタンパク質または免疫原性断片またはB細胞エピトープに結合する抗体は、ポリスチレンマイクロタイタープレートのウェルなどの、タンパク質親和性を示す選択された表面に固定化される。次に、B細胞エピトープを含むペプチドを含む組成物を、ウェルに加える。結合させ、洗浄して非特異的に結合している免疫複合体を除去した後、B細胞エピトープに結合する抗体を、複合体が形成するのに十分な時間および条件の下で、結合したペプチドと接触させる。次に、B細胞エピトープを認識する抗体に結合する、二次の、好ましくは三次の抗体を用いてシグナルを増幅させる。検出は、二次または三次の抗体に結合することが知られ、検出可能な標識に連結されている、さらなる抗体の添加によって次に達成される。
フロースルーおよび固相ELISAに適用できる別の例示的なイムノアッセイフォーマットでは、免疫原性KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片またはB細胞エピトープに結合する抗体は、ポリスチレンマイクロタイタープレートのウェルまたはカラムなどの、タンパク質親和性を示す選択された表面に固定化される。抗体が結合するB細胞エピトープを含む免疫原性KARIタンパク質または免疫原性ペプチドまたは免疫原性断片を含む試料を、抗原抗体複合体が形成するのに十分な時間および条件の下で加える。この場合、加えられたKARIタンパク質、ペプチドまたは断片は、ヒトIgと複合体を形成する。例えば患者血清の場合、ペプチドは好ましくは、結核菌のKARIタンパク質に対する患者の免疫応答のために、ヒトIgと複合体を形成する。結合させ、洗浄して非特異的に結合している免疫複合体を除去した後、結合したエピトープは、免疫複合体のヒトIgに結合することが知られ、検出可能な標識に連結される二次抗体の添加によって検出される。これは、改変「サンドイッチELISA」である。検出は、前記二次抗体の添加と、続く、二次抗体に結合親和性を有する三次抗体の添加によって達成することもでき、三次抗体は検出可能な標識に連結されている。
本発明の抗体は、固体支持体に結合すること、および/または適する試薬、対照、指示などと一緒に適する容器内のキットに同梱することができる。
二次分析物に結合する抗体
KARIタンパク質またはその免疫原性断片に対する抗体の生成について本明細書の上に記載される方法は、例えば結核菌による結核または感染の診断または予後診断のために、イムノアッセイフォーマットで用いられる二次分析物に対する抗体の生成に、必要な変更を加えて適用されることを理解すべきである。当業者によって理解されるように、そのような外挿は、KARIタンパク質免疫原を問題の二次分析物、例えば本明細書の任意の例による結核菌のBSXタンパク質またはGSタンパク質またはS9タンパク質またはその免疫原性断片あるいは前記ペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物と置換することに依存する。そのような置換は、本明細書の開示から過度の実験なしで容易に実施される。
便宜上、二次分析物に対する抗体の生成のための好ましい免疫化ペプチドは、例えば、多分析物抗原に基づく検査で用いるために、配列番号3〜60に示す群から選択されるアミノ酸配列およびその組合せまたは混合物を含む。
例えば、結核菌のBSXタンパク質に結合する抗体は、例えば完全長タンパク質(例えば、SwissProtデータベースアクセッション番号O53759に示される配列を含む)から、または以下からなる群から選択される配列を含むそのペプチド断片から調製することができる。MRQLAERSGVSNPYL(配列番号3)、ERGLRKPSADVLSQI(配列番号4)、LRKPSADVLSQIAKA(配列番号5)、PSADVLSQIAKALRV(配列番号6)、SQIAKALRVSAEVLY(配列番号7)、AKALRVSAEVLYVRA(配列番号8)、VRAGILEPSETSQVR(配列番号9)、TAITERQKQILLDIY(配列番号10)、SQIAKALRVSAEVLYVRAC(配列番号11)、MSSEEKLCDPTPTDD(配列番号12)およびVRAGILEPSETSQVRC(配列番号13)、ならびにそれらの組合せ。結核菌による結核または感染を検出するための、免疫原性の結核菌のBSXタンパク質またはペプチドに結合する抗体は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2005年8月19日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2005/001254号(国際公開第2006/01792号)でも詳細に記載される。
代替または追加として、結核菌のグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(例えば、SwissProtデータベースアクセッション番号O33342に示される配列を含む)に結合する抗体、または、例えばGSタンパク質の表面露出領域を含むか、または配列RGTDGSAVFADSNGPHGMSSMFRSF(配列番号57)もしくはWASGYRGLTPASDYNIDYAI(配列番号58)もしくはそれらの組合せを含む、その誘導された免疫原性ペプチドからのもの。結核菌による結核または感染を検出するための、免疫原性の結核菌のGSタンパク質またはペプチドに結合する抗体は、その開示が全体的に本明細書に組み込まれる、2005年6月24日に出願の本出願人の国際特許出願第PCT/AU2005/000930号(国際公開第2006/000045号)でも詳細に記載される。
本発明は、BSXまたはGSまたはS9またはその免疫原性断片以外の二次分析物に対する抗体を明らかに企図し、その記載は例示のために提供される。
結核または結核菌の感染を検出するための診断/予後診断の方法
1. 抗原に基づくアッセイ
本発明は、対象で結核菌による結核または感染を診断する方法であって、前記対象からの生体試料でKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを検出する工程を含み、試料中の前記タンパク質または免疫原性断片もしくはエピトープの存在は感染を示す方法を提供する。
抗体に基づくアッセイとは対照的に、結核菌抗原を検出する一利点は、重い免疫障害患者は、検出可能なレベルで抗体を生成することができず、任意の患者の抗体レベルが細菌負荷を反映しないことである。他方、抗原レベルは細菌負荷を反映するはずで、細菌の生成物であるので、その存在を検出する直接法である。
本発明の診断アッセイの一例では、対象で結核菌の感染を検出するための方法であって、対象に由来する生体試料を、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合することができる抗体と接触させる工程、および抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含む方法が提供される。
好ましくは、対象は結核菌による結核または感染への罹患が疑われ、および/または結核の発症または結核菌による感染の危険がある。
別の例では、本発明の診断アッセイは、対象で結核菌による結核または感染の進行を判定するのに有用である。本発明のこれらの予後診断への適用に従って、生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープのレベルは、感染状態と正に相関している。例えば、結核または感染の症状を起こしている対象で検出可能なKARIタンパク質または断片のレベルより低い、KARIタンパク質またはその免疫原性断片のレベルは、対象がその感染から回復中であることを示す。同様に、健康な個体と比較して、対象からの試料中のタンパク質または断片のより高いレベルは、対象の疾患または感染が排除されていないことを示す。
したがって、本発明のさらなる例は、結核菌による結核または感染を有する対象の、前記結核または感染のための治療化合物による治療に対する応答を判定する方法であって、前記対象からの生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを検出する工程を含み、正常または健康な対象で検出可能なそのタンパク質または断片またはエピトープのレベルと比較して、高められるタンパク質または断片またはエピトープのレベルは、その対象が前記治療に応答していないか、疾患または感染が排除されていないことを示す方法を提供する。
代わりの例では、本発明は、結核菌による結核または感染を有する対象の、前記結核または感染のための治療化合物による治療に対する応答を判定する方法であって、前記対象からの生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを検出する工程を含み、結核菌による結核または感染を起こしている対象で検出可能な前記タンパク質または断片またはエピトープのレベルよりも低い、前記タンパク質または断片またはエピトープのレベルは、その対象が前記治療に応答しているか、疾患または感染が排除されていることを示す方法を提供する。明らかに、前記KARIタンパク質またはその断片またはエピトープのレベルが対象で検出不可能な場合、対象は治療に応答している。
さらなる例では、患者に由来する生体試料中のKARIタンパク質の量は、同じ患者からその前に得られた生体試料で検出される同じタンパク質の量と比較される。当業者に明らかとなるように、この方法は、潜伏感染の患者または結核になった患者を連続的に監視するために用いることができる。この方法で、特にHIV+個体で感染が確立される前に治療を開始することを目的として、感染または疾患の開始または進行について患者を監視することができる。
代替、または追加として、結核の対象に由来する生体試料で検出されるタンパク質の量を標準試料と比較することができ、その場合、標準試料は、感染または疾患を起こしていない1人または複数人の結核患者か、あるいは感染に対して有効な治療を最近受けた1人または複数人の結核患者、および/または結核を有さず、感染または疾患を起こしていない1人または複数人の対象に由来する。
一例では、KARIタンパク質またはその免疫原性断片は標準試料で検出されないが、前記KARIタンパク質またはその免疫原性断片が患者試料で検出され、試料が由来する患者が結核菌による結核または感染を起こしているか、今後急性感染を起こすことを示している。
あるいは、標準試料で検出されるレベルと比較して、KARIタンパク質またはその免疫原性断片の量を患者試料で高めることができる。同じく、これは、生体試料が単離された患者が、結核菌による結核または感染を起こしているか、今後急性感染を起こすことを示す。
本明細書に記載の診断/予後診断の方法の一例では、生体試料は事前に対象から得られる。そのような例に従って、予後診断または診断の方法は、エキソビボで実施される。
さらに別の例では、本発明の診断/予後診断の方法は、対象からの試料を処理して、分析物(例えば、胸膜液または痰または血清)を含む誘導体または抽出物を生成する工程をさらに含む。
適する試料には、脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉および骨組織などの組織からの抽出物、または痰、血清、血漿、全血、漿液もしくは胸膜液などの体液が含まれる。
好ましくは、生体試料は、唾液、血漿、血液、血清、痰、尿および肺からなる群から選択される、体液または組織試料である。他の試料は、除外されない。
好ましい試料が、ヒト免疫グロブリンと複合したKARIタンパク質またはその断片を含む、循環免疫複合体を含むことができることは、本明細書の記載から明らかとなる。そのような免疫複合体の検出は、明らかに本発明の範囲内である。この例に従って、対象の循環中の分離抗原に加えて、対象の免疫グロブリンと複合体を形成するKARI抗原(KARIタンパク質、ポリペプチドまたはその免疫活性断片もしくはエピトープ)を捕捉するために、捕捉試薬、例えば捕捉抗体が用いられる。捕捉されたCICに特異的に結合し、それによってCIC患者試料を検出するために、検出可能な標識に任意選択で結合される抗Ig抗体が用いられる。本発明の範囲で、抗Ig抗体は試料中のIgM、IgAまたはIgGに優先的に結合する。特に好ましい例では、抗Ig抗体は、ヒトIgに、例えばヒトIgA、ヒトIgGまたはヒトIgMに結合する。抗Ig抗体は、当技術分野で公知である任意の標準の検出可能な標識に結合されてもよい。これは、病原体、例えば細菌またはウイルスによる感染を検出するために、またはCICに関連する任意の疾患または障害の診断のために特に有用である。したがって、本明細書の任意の例に記載の診断方法は改変に適合し、対象に由来する試料は、結核菌のKARIタンパク質またはその1つまたは複数の免疫原性KARIペプチド、断片またはエピトープに結合される免疫グロブリン(Ig)を含む1つまたは複数の循環免疫複合体を含み、抗原抗体複合体の形成を検出する工程は、抗Ig抗体を、複合体が形成するのに十分な時間および条件の下で循環免疫複合体の免疫グロブリン部分と接触させ、結合した抗Ig抗体を次に検出することを含む。
本発明は、結核菌による感染を診断するための多分析物検査を明らかに包含する。例えば、結核菌のKARIタンパク質に結合する抗体を検出するためのアッセイは、結核菌のBSXまたはグルタミン合成酵素(GS)タンパク質を検出するためのアッセイと組み合わせることができる。この点に関し、本発明者らは、BSXまたはGSの免疫原性断片またはペプチドまたはエピトープに結合するモノクローナル抗体を生成する、プラズマ細胞腫も生成した。
2.抗体に基づくアッセイ
本発明は、対象で結核菌による結核または感染を診断する方法であって、前記対象からの生体試料で、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合する抗体を検出する工程を含み、前記試料中の前記抗体の存在は感染を示す方法を提供する。感染は、過去もしくは現在の感染、または潜伏感染であってもよい。
好ましくは、対象は、結核菌による結核または感染への罹患が疑われ、および/または結核の発症の危険があり、および/または結核菌による感染の危険がある。
抗体に基づくアッセイは、結核菌による活動性感染を検出するために主に用いられる。好ましくは、結核菌による最近の過去の感染または慢性感染に残存することができる残留性抗体レベルのために、対象の臨床病歴が考慮される。
このフォーマットは安価で高感度であるが、免疫障害の個体で感染を検出するための抗原に基づくアッセイフォーマットほど有用ではない。しかし、抗体に基づくアッセイは、免疫障害のないHIV-またはHIV+個体で結核菌の感染を検出するために、明らかに有用である。
代わりの一例では、本発明は、対象で結核菌の感染を検出する方法であって、対象に由来する生体試料を、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープと接触させる工程、および抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含む方法を提供する。
本明細書に記載の抗体に基づくアッセイでは、抗体を検出するために用いられるKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープが、未感染の対象からの抗血清とあまり交差反応性でないことが好ましい。したがって、本明細書に記載の抗体に基づくプラットホームで使用するために、単離または組換え体のKARIが好ましい。
別の例では、本発明の診断アッセイは、対象で結核菌による結核または感染の進行を判定するのに有用である。本発明のこれらの予後診断の適用に従って、対象からの血液もしくは血清、血漿または免疫グロブリン分画中のKARIタンパク質もしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体の量は、感染の状態と正に相関している。例えば、結核または感染の症状を起こしている対象で検出可能な抗KARIタンパク質抗体のレベルより低い、それに対する抗KARIタンパク質抗体のレベルは、対象がその感染から回復中であることを示す。同様に、健康な個体と比較して、対象からの試料中の抗体のより高いレベルは、対象の疾患または感染が排除されていないことを示す。
さらなる例では、本発明は、結核菌による結核または感染を有する対象の、前記結核または感染のための治療化合物による治療に対する応答を判定する方法であって、前記対象からの生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合する抗体を検出する工程を含み、正常または健康な対象で検出可能な抗体のレベルと比較して高められている抗体のレベルは、その対象が前記治療に応答していないか、疾患または感染が排除されていないことを示す方法を提供する。同じく、単離または組換え体のKARIタンパク質が好ましい。
代わりの例では、本発明は、結核菌による結核または感染を有する対象の、前記結核または感染のための治療化合物による治療に対する応答を判定する方法であって、前記対象からの生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合する抗体を検出する工程を含み、結核菌による結核または感染を起こしている対象で検出可能な抗体のレベルよりも低い抗体のレベルは、その対象が前記治療に応答しているか、疾患または感染が排除されていることを示す方法を提供する。
結核の対象に由来する生体試料で検出されるKARIタンパク質または断片に対する抗体の量を標準試料と比較することができ、そこにおいて、標準試料は、それ以前に結核菌に感染していないか、結核菌に最近感染していない1人または複数人の健康対象に由来する。そのような陰性対照の対象は循環抗体力価が低く、彼らを、抗体に基づくアッセイフォーマットに適する標準にしている。例えば、KARIタンパク質またはその免疫原性断片に結合する抗体が標準試料で検出されず、患者試料だけで検出されると、試料が由来する患者が結核菌による結核または感染を起こしているか、今後急性感染を起こすことを示している。単離または組換え体のKARIタンパク質が、そのような例での使用に好ましい。本明細書に記載の診断/予後診断の方法の一例では、生体試料は事前に対象から得られる。そのような例に従って、予後診断または診断の方法は、エキソビボで実施される。
さらに別の例では、本発明の診断/予後診断の方法は、対象からの試料を処理して、分析物(例えば、血液、血清、血漿または免疫グロブリン含有試料)を含む誘導体または抽出物を生成する工程をさらに含む。
適する試料には、例えば、免疫グロブリンを含む組織、例えば血液、骨または体液、例えば血清、血漿、全血、血清の免疫グロブリン含有分画、血漿の免疫グロブリン含有分画、血液の免疫グロブリン含有分画からの抽出物が含まれる。
3.検出系
本明細書で予想される好ましい検出系には、ヒト対象から単離される生体試料でタンパク質または抗体を検出するための任意の公知のアッセイ、例えばSDS/PAGE、等電集束法、SDS/PAGEおよび等電集束法を含む二次元ゲル電気泳動、イムノアッセイ、タンパク質の抗体もしくは非抗体リガンド、例えば小分子(例えば化合物、アゴニスト、アンタゴニスト、アロステリック調節因子、タンパク質の競合的阻害剤もしくは非競合的阻害剤)を用いる検出に基づく系が含まれる。これらの例に従って、タンパク質の検出に適合する任意の標準の固相または液相アッセイフォーマットで、抗体または小分子を用いることができる。例えば質量分析、MALDI-TOF、バイオセンサー技術、エバネセントファイバーオプティックスまたは蛍光共鳴エネルギー転移を用いる光学または蛍光検出が、本発明に明らかに包含される。大量の試料のハイスループットスクリーニングで使用するのに適するアッセイ系、特にハイスループット分光共鳴法(例えばMALDI-TOF、エレクトロスプレーMSまたはナノエレクトロスプレーMS)が特に企図される。
例えば、イムノブロット、ウエスタンブロット、ドットブロット、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素免疫検定法からなる群から選択される、イムノアッセイフォーマットが特に好ましい。蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)、同位体コード化親和性タグ(ICAT)、質量分析を利用する改変イムノアッセイ、例えばマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間(MALDI-TOF)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、バイオセンサー技術、エバネセントファイバーオプティックス技術またはタンパク質チップ技術も有用である。
好ましくは、アッセイは半定量的アッセイまたは定量的アッセイである。
標準の固相ELISAフォーマットは、様々な患者試料からのタンパク質または抗体の濃度を測定することにおいて特に有用である。
一形態では、そのようなアッセイは、抗KARIタンパク質抗体、あるいはKARIタンパク質またはその免疫原性断片を含む生体試料を、固体マトリックス、例えばポリスチレンまたはポリカーボネートのマイクロウェルまたはディップスティック、膜またはガラス支持体(例えばガラススライド)に固定化する工程を含む。
抗原に基づくアッセイの場合、KARIタンパク質に特異的に結合する固定化抗体は、生体試料と直接接触させられ、前記試料に存在するその標的タンパク質のいずれかと直接結合を形成する。抗体に基づくアッセイについては、固定化された単離または組換え体のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープが、生体試料と接触させられる。溶液中の加えられた抗体またはタンパク質は、検出可能なリポーター分子、例えばコロイド金、蛍光標識(例えばFITCもしくはテキサスレッド)または酵素(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)またはβ-ガラクトシダーゼ)で一般に標識される。代替または追加として、第一の抗体に、または単離/組換え体のKARI抗原に結合する、第二の標識抗体を用いることができる。あらゆる未結合の抗体またはKARI抗原を除去するために洗浄した後に、標識は、蛍光標識の場合直接に、または基質、例えば過酸化水素、TMBまたはトルイジン、または5-ブロモ-4-クロロ-3-インドール-β-D-ガラクトピラノシド(galaotopyranoside)(x-gal)の添加を通して検出することができる。
そのようなELISAに基づく系は、例えば既知の量の標準に対して検出系を較正することによって、試料中のタンパク質または抗体の量の定量化に特に適する。
別の形態では、ELISAは、固体マトリックス、例えば膜、ポリスチレンまたはポリカーボネートのマイクロウェル、ポリスチレンまたはポリカーボネートのディップスティックまたはガラス支持体の上に、KARIタンパク質に特異的に結合する抗体を固定化することからなる。次に患者試料を前記抗体と物理的関係に置き、試料中の抗原を結合または「捕捉」する。結合したタンパク質は、標識抗体を用いて次に検出することができる。例えば、タンパク質がヒト試料から捕捉される場合、捕捉されたタンパク質を検出するために抗ヒトIg抗体を用いる。
本発明のこの例の一例は、
(i) 免疫原性KARIペプチドまたはKARIタンパク質に特異的に結合する抗体を固体マトリックスまたは支持体に固定化する工程、
(ii) 結合した抗体を、対象由来の試料、好ましくは血液、血清などの抗体含有試料、またはそのIg含有分画と、固定化抗体が試料中のKARIタンパク質またはその断片に結合することによって抗原抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件の下で接触させる工程、ならびに
(iii) 形成された抗原抗体複合体を、ヒトIgを認識する抗体と接触させることを含むプロセスで、前記複合体を検出する工程であって、前記ヒトIgの存在が患者試料中の結核菌の存在を示す工程
を含む。
この例に従って、固定化抗体の特異性は、抗体が認識する単離または免疫複合体のKARIタンパク質またはエピトープを含む断片が実際に結合することを保証し、抗ヒトIgの特異性は、免疫複合体のKARIタンパク質または断片だけが検出されることを保証する。この関係において、用語「免疫複合体の」は、患者試料中のKARIタンパク質またはその断片が、ヒトIgAまたはヒトIgMまたはヒトIgGなどのヒトIgと複合体を形成することを意味すると解釈するものとする。したがって、この例は、対象で免疫応答を起こさせた結核菌の存在または結核菌による感染を検出するために特に有用である。検出抗体、例えば、抗ヒトIgAまたは抗ヒトIgGまたは抗ヒトIgMを適切に選択することによって、対象の免疫応答をアイソタイプ化することがさらに可能である。ヒトIgA、IgMおよびIgGに結合するそのような検出抗体は、当技術分野に公開されている。
あるいは、または前の例に加えて、第二の(検出)抗体に結合する第三の標識抗体を用いることができる。
本明細書に記載のアッセイフォーマットが、ハイスループットフォーマット、例えばスクリーニング工程の自動化、またはMendozaら、Biotechniques 27(4): 778〜788頁、1999に記載されるマイクロアレイフォーマットに適合することは、当業者に明らかとなる。さらに、上記のアッセイの変形形態、例えば競合的ELISAが当業者に明らかとなる。
あるいは、抗KARIタンパク質抗体、あるいはKARIタンパク質またはその免疫原性断片の存在が、ラジオイムノアッセイ(RIA)を用いて検出される。アッセイの基本原理は、抗体抗原相互作用を検出するための、放射性標識された抗体または抗原の使用である。例えば、KARIタンパク質に特異的に結合する抗体を固体支持体に結合させ、生体試料を前記抗体と直接接触させることができる。結合した抗原を検出するために、単離されたおよび/または組換え体の抗原を放射性標識して、同じ抗体と接触させる。洗浄の後、結合した放射活性の量を検出する。生体試料中のいかなる抗原も放射性標識された抗原の結合を阻害するので、検出される放射活性の量は試料中の抗原量に反比例する。そのようなアッセイは、単離された抗原の上昇する既知濃度を用いる標準曲線を用いて数量化することができる。
当業者に明らかとなるように、そのようなアッセイを改変して、放射性標識の代わりに任意のリポーター分子、例えば酵素または蛍光分子を用いることができる。
KARIタンパク質またはその免疫原性断片を検出するために、ウエスタンブロット法も有用である。そのようなアッセイでは、生体試料からのタンパク質は、当技術分野で周知であり、例えば、Scopes (Protein Purification: Principles and Practice、第3版、Springer Verlag、1994)に記載されている技術を用いて、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を用いて分離される。分離されたタンパク質は、当技術分野で周知である方法、例えば電子転移を用いて、固体支持体、例えば膜、より具体的にはニトロセルロース膜、ナイロン膜またはPVDF膜に次に移される。この膜を次にブロックし、KARIタンパク質に特異的に結合する標識抗体またはリガンドでプローブすることができる。あるいは、標識された二次の、さらに三次の抗体またはリガンドを用いて、特異的一次抗体の結合を検出することができる。
抗KARIタンパク質抗体、あるいはKARIタンパク質またはその免疫原性断片の存在または不在を検出するハイスループット法が、特に好ましい。
一例では、質量分析、例えばMALDI-TOFが、一次元または二次元のゲル電気泳動によって分離されたタンパク質の速やかな同定のために用いられる。したがって、その関心のあるタンパク質に特異的に結合する抗体またはリガンドを用いて関心のあるタンパク質を検出する必要性がない。むしろ、生体試料からのタンパク質は、当技術分野で公知である方法を用いてゲル電気泳動を用いて分離され、関心のあるタンパク質の有無を判定するために、MALDI-TOFを用いてほぼ正しい分子量および/または等電点のそれらのタンパク質が分析される。
あるいは、質量分析、例えばMALDIまたはESI、または手法の組合せを用いて、生体試料、例えば痰で特定のタンパク質の濃度を測定する。そのようなタンパク質は、好ましくは、分子量および等電点などのパラメーターに関して、それ以前に十分特徴付けられている。
バイオセンサー装置は、アッセイ基質と一緒に装置に組み込まれる電流またはインピーダンスの測定要素と組み合わせて、電極表面を一般に使用する(例えば、米国特許第5,567,301号に記載されるもの)。関心のあるタンパク質に特異的に結合する抗体またはリガンドは、バイオセンサー装置の表面に好ましくは組み込み、患者から単離された生体試料(例えば、本明細書に記載の方法を用いて可溶化された痰)を前記装置と接触させる。バイオセンサー装置により検出される電流またはインピーダンスの変化は、前記抗体またはリガンドへのタンパク質の結合を示す。当技術分野で公知であるいくつかの形態のバイオセンサーは、タンパク質相互作用を検出するために表面プラズモン共鳴にも依存し、それによって、表面プラズモン共鳴の反射面の変化は、リガンドまたは抗体へのタンパク質の結合を示す(米国特許第5,485,277号および第5,492,840号)。
バイオセンサーは、そのようなシステムをマイクロ-またはナノ-スケールに応用することの容易さのために、ハイスループット分析で特に役立つ。さらに、そのようなシステムはいくつかの検出試薬を組み込むために都合よく適合し、単一のバイオセンサーユニットで診断試薬の多重化を可能にする。このことは、少量の体液でのいくつかのエピトープの同時検出を可能にする。
エバネセントバイオセンサーは関心のあるタンパク質の検出前に生体試料の前処理を必要としないので、それらも好ましい。抗体またはリガンドへの診断タンパク質の結合後に異なる波長の蛍光を放射するために、エバネセントバイオセンサーは、蛍光分子、例えばプローブの表面の近くに結合される蛍光抗体と相互作用する所定波長の光に一般に依存する。
タンパク質チップを生成するために、関心のある特異抗体またはタンパク質に結合することができるタンパク質、ペプチド、ポリペプチド、抗体またはリガンドを、固体支持体に、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、酸化ケイ素、金属または窒化ケイ素に結合させる。この固定化は、直接的(例えば共有結合、例えばシッフ塩基形成、ジスルフィド結合、またはアミドもしくは尿素結合形成による)または間接的である。タンパク質チップを生成する方法は当技術分野で公知であり、例えば米国特許出願公開第20020136821号、第20020192654号、第20020102617号および米国特許第6,391,625号に記載されている。固体支持体にタンパク質を結合するために、表面に化学的反応性の基を形成するために、例えばアルデヒドを含有するシラン試薬で固体支持体を処理することがしばしば必要である。あるいは、ArenkovらAnal. Biochem. 278:123〜131頁、2000に記載されているように、抗体またはリガンドを、ミクロ加工されたポリアクリルアミドゲルパッドの上で捕捉し、微量電気泳動法を用いてゲルへの供給を促進することができる。
タンパク質チップは、好ましくは、いくつかのタンパク質、リガンドまたは抗体が前記チップの上に整列するように生成される。このフォーマットは、試料中のいくつかのタンパク質の存在についての同時スクリーニングを可能にする。
あるいは、タンパク質チップはただ1つのタンパク質、リガンドまたは抗体を含むことができ、関心のある1つのポリペプチドの存在について1つまたは複数の患者試料をスクリーニングするのに用いることができる。そのようなチップは、関心のあるポリペプチドについて、一群の患者試料を同時にスクリーニングするために用いることもできる。
好ましくは、タンパク質チップを用いて分析する試料は、当技術分野で周知である方法を用いて検出可能なリポーター分子に、例えば蛍光分子、放射性分子、酵素または抗体に結合される。したがって、タンパク質チップを標識された試料と接触させ、その後あらゆる未結合のタンパク質を除去するために洗浄することによって、結合したタンパク質の存在が、当技術分野で周知である方法を用いて、例えばDNAマイクロアレイリーダーを用いて検出される。
あるいは、低レベルからフェンプタモル(femptamole)(fmol)下レベルの複合生体試料に存在するタンパク質を迅速に検出して、特徴付けるために、生体分子相互作用分析-質量分析(BIA-MS)が用いられる(NelsonらElectrophoresis 21: 1155〜1163頁、2000)。タンパク質チップの分析で有用な1つの技術は、タンパク質チップに結合されるタンパク質を特徴付ける、表面増強レーザー脱離/イオン化-飛行時間-質量分析(SELDI-TOF-MS)技術である。あるいは、タンパク質チップは、米国特許出願公開第20020139751号に記載のように、ESIを用いて分析される。
当業者に明らかとなるように、タンパク質チップは検出試薬の多重化に特に適合する。したがって、各々異なるペプチドまたはタンパク質に特異的に結合することができるいくつかの抗体またはリガンドを、前記タンパク質チップの異なる領域に結合させることができる。前記チップを用いる生体試料の分析は、関心のある複数のタンパク質、またはKARIタンパク質の複数のB細胞エピトープの検出を次に可能にする。診断および予後診断のマーカーの多重化は、本発明で特に企図される。
さらなる例では、基本的に米国特許出願公開第20020076739号に記載のように、試料はICATまたはITRACを用いて分析される。この系は、1つの供給源(すなわち健康な個体)からのタンパク質試料の試薬による標識、および別の供給源(すなわち結核患者)からのタンパク質試料の、第一の試薬と化学的に同一であるが、同位体組成のために質量が異なる第二の試薬による標識に依存する。第一および第二の試薬が、ビオチン分子を含むことも好ましい。同等濃度の2つの試料を次に混合し、アビジンアフィニティークロマトグラフィーによってペプチドを回収する。次に、質量分析を用いて試料を分析する。重いペプチドイオンおよび軽いペプチドイオンの間のピーク高さのいかなる差も、生体試料中のタンパク質の存在度の差と直接相関する。そのようなタンパク質の同一性は、当技術分野で周知である方法、例えばMALDI-TOFまたはESIを用いて次に判定することができる。
特に好ましい例では、抗KARIタンパク質抗体、あるいはKARIタンパク質またはその免疫原性断片を含む生体試料は、二次元のゲル電気泳動にかけられる。この例に従って、電気泳動の前に、例えば遠心分離、濾過または遠心分離および濾過の組合せによって、試料から特定の粒子状物質を除去することが好ましい。生体試料中のタンパク質を次に分離する。例えば、タンパク質は、分画電気泳動を用いてそれらの電荷によって、および/またはそれらの分子量によって分離することができる。類似した分子量のタンパク質はそれらの電荷によっても分離されるので、二次元の分離は、様々なアイソフォームのタンパク質の同定を可能にする。質量分析を用いて、関心のあるタンパク質が患者試料に存在するかどうかを判定することが可能である。
当業者に明らかとなるように、本明細書に記載の診断または予後診断のアッセイは、多重化されたアッセイであってもよい。本明細書で用いるように、用語「多重」は、単一の試料中の2つ以上の診断または予後診断のマーカーの同時検出を意味するだけでなく、単一の試料中の2つ以上の診断または予後診断のマーカーの連続検出、別々であるが匹敵する試料中の2つ以上の診断または予後診断のマーカーの同時検出、および別々であるが匹敵する試料中の2つ以上の診断または予後診断のマーカーの連続検出を包含すると理解されるものとする。本明細書で用いるように、用語「匹敵する試料」は、同じ最初の生体試料に由来する2つ以上の試料、または同じ時点で単離された2つ以上の生体試料を意味すると理解されるものとする。
したがって、多重化アッセイは、いくつかの抗KARIタンパク質抗体および/またはKARIエピトープを同じ反応で同時に検出するアッセイを含むことができ、あるいは、それは1つまたは複数の抗KARIタンパク質抗体および/またはKARIエピトープに加えて、他の1つまたは複数の抗原/抗体を検出することができる。
本発明は、細胞表面の1つまたは複数の受容体および/または1つまたは複数のHIV-1および/またはHIV-2抗原によりCD4+ヘルパーT細胞を検出することに加えて、KARIタンパク質抗体およびKARIエピトープを検出するための多重化アッセイを明らかに企図する。そのようなアッセイは、結核菌およびHIV-1および/またはHIV-2による共感染に関する情報を同時に得るために、および/または結核菌を有する対象が免疫障害を有するかどうかを判定するために特に有用である。明らかに、そのような多重化アッセイフォーマットは、HIV+/TB+個体の健康を監視するために有用である。
当業者に明らかとなるように、そのようなアッセイが抗体またはリガンドをベースにする場合、これらの抗体の両方とも同じ条件の下で機能しなければならない。
4.生体試料および標準試料
好ましくは、KARIタンパク質または抗KARIタンパク質抗体が検出される生体試料は、肺、肺に関連するリンパ系組織、副鼻腔、気管支、気管支梢、肺胞、呼吸器官の繊毛性粘膜上皮、呼吸器官の粘膜上皮、気管支初期肺胞洗浄液(BAL)、肺胞内層液、痰、粘液、唾液、血液、血清、血漿、尿、腹膜液、心膜液、胸膜液、呼吸器官の扁平上皮細胞、肥満細胞、杯細胞、肺細胞(1型または2型)、上皮内樹状細胞、PBMC、好中球、単球または前記組織、液体または細胞の任意の1つまたは複数の任意の免疫グロブリン含有分画からなる群から選択される試料である。
一例では、生体試料はそれ以前に対象から得られる。
好ましくは、試料が得られる対象は、結核の発症または結核菌による感染が疑われ、および/または結核の発症および/または結核菌による感染の危険がある。
一例では、生体試料は、手術または他の摘出方法、体液の吸引、例えば高張性の生理食塩水またはプロピレングリコール、気管支初期肺胞洗浄、気管支鏡検査法、ガラスチューブによる唾液採取、salivette(Sarstedt AG、Sevelen、Switzerland)、Ora-sure(Epitope Technologies Pty Ltd、Melbourne、Victoria、Australia)、omni-sal(Saliva Diagnostic System、Brooklyn、NY、USA)、および当技術分野で周知である任意の方法、例えば注射器を用いる血液採取からなる群から選択される方法によって対象から得られる。
生体試料が、患者の肺から、例えばGershman, N.H.ら、J Allergy Clin Immune-l、10(4): 322〜328頁、1999に記載される方法を用いて単離される痰であることが特に好ましい。好ましくは、痰は喀出され、すなわち自然に咳をして吐き出される。
別の好ましい例では、生体試料は、当技術分野で周知である方法を用いて患者から収集される血液から単離された血漿である。
一例では、生体試料は、前記試料中の細胞を溶解するために処理される。そのような方法には、なかでも、界面活性剤、酵素、前記細胞の反復凍結および解凍、超音波処理、またはガラスビーズの存在下での前記細胞の撹拌の使用が含まれる。
別の例では、生体試料は、前記試料に存在するタンパク質を変性させるために処理される。タンパク質を変性させる方法には、試料の加熱、2-メルカプトエタノール、ジチオトレイトール(DTT)、N-アセチルシステイン、界面活性剤または他の化合物、例えばグアニジウムまたは尿素による試料の処理が含まれる。例えば、DTTの使用は、痰を液化するのに好ましい。
さらに別の例では、生体試料は、前記試料のタンパク質を濃縮するために処理される。タンパク質を濃縮する方法には、沈殿、凍結乾燥、漏斗チューブゲル(TerBushおよびNovick、Journal of Biomolecular Techniques、10(3); 1999)の使用、限外濾過または透析が含まれる。
明らかとなるように、本発明によって提供される診断および予後診断の方法は、感染または疾患の診断薬または予後診断薬であるタンパク質の量を決定するためにも、ある程度の定量化を必要とする。そのような定量化は、本明細書に記載されるアッセイに適当な標準試料を組入れることによって決定することができ、そこにおいて、前記標準試料は健康または正常な個体に由来する。
一例では、標準試料は、例えば、それ以前に、または最近感染していなく、感染または疾患を起こしていない健康対象からの細胞、液または組織を含む。便利には、そのような標準試料は、それらを得るために外科的切除または介入を必要としない液または組織に由来する。したがって、体液およびその誘導体が好ましい。非常に好ましい標準試料は、痰、粘液、唾液、血液、血清、血漿、尿、BAL液、腹腔液、心膜液、胸膜液、PBMC、好中球、単球、または前記組織、液体または細胞の任意の1つまたは複数の任意の免疫グロブリン含有分画を含む。
標準試料および試験(または患者)試料を処理、分析またはアッセイし、標準試料および試験試料について得られるデータを比較する。一例では、標準試料および試験試料を同時に処理、分析またはアッセイする。別の例では、標準試料および試験試料を、異なる時間に処理、分析またはアッセイする。
代わりの例では、標準試料はアッセイに含まれない。その代わりに、標準試料は、それ以前に生成された、確立されたデータセットから誘導することができる。したがって、一例では、標準試料は、健康な個体の標本集団研究からのデータ、例えば検定される完全数の健康な範囲についての統計的に有意なデータを含む。試験試料の処理、分析またはアッセイから誘導されるデータは、標本集団について得られたデータと次に比較される。
集団を代表するように十分に大きな数の標準試料から得られたデータは、特定のパラメーターの平均レベルを判定するためにデータセットの生成を可能にする。したがって、感染または疾患の診断薬または予後診断薬であるタンパク質の量は、アッセイされる試料について測定される発現生成物のレベルとの以降の比較のために、任意の個体集団について、および前記個体から誘導される任意の試料について決定することができる。そのような正規化されたデータセットに依存する場合、変動について調整するために、実施される各アッセイに内部対照が含まれるのが好ましい。
診断アッセイキット
本発明は、生体試料で結核菌の感染を検出するためのキットを提供する。一例では、キットは、
(i) KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合する1つまたは複数の単離された抗体、および
(ii) 抗原抗体複合体の形成を検出する手段を含む。
代替の例では、キットは、
(i) 単離または組換え体のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープ、および
(ii) 抗原抗体複合体の形成を検出する手段を含む。
本発明のキットの抗体、免疫原性KARIペプチドおよび検出手段は、本明細書の上に記載の抗体および免疫原性KARIペプチドから好ましくは選択され、それらの例は、記載から参照により本明細書に組み込まれるとみなされるものとする。任意のアッセイフォーマットの適合するキット構成要素の選択は、記載から当業者に容易に明らかとなる。
特に好ましい例では、本発明のキットは、
(i) 単離または組換え体のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープに結合する抗体、および
(ii) 抗ヒトIgを含む。
好ましくは、キットは、完全長KARIタンパク質の1つまたは複数の免疫原性ペプチド断片、または前記ペプチドの任意の2つ以上の間の融合の量をさらに含む。
任意選択で、キットは、抗体、その断片またはリガンドのKARIタンパク質への結合を検出する手段をさらに含む。そのような手段には、リポーター分子、例えば酵素(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)、基質、コファクター、阻害剤、染色剤、放射性ヌクレオチド、ルミネッセンス基、蛍光基、ビオチンまたはコロイド粒子、例えばコロイド金またはセレニウムが含まれる。好ましくは、そのようなリポーター分子は、抗体またはリガンドに直接に連結される。
さらに別の例では、キットは標準試料をさらに含むことができる。そのような標準試料は、例えば、1人または複数人の結核対象から単離される生体試料から誘導されるタンパク質試料であってもよい。あるいは、標準試料は、1人または複数人の正常な健康な個体から単離される生体試料を含むことができる。そのような標準試料は、診断または予後診断のアッセイのためのキットに、任意選択で含まれる。
別の例では、標準試料は、抗体またはリガンドによって検出されるペプチドを含む。好ましくは、ペプチドは既知の濃度である。そのようなペプチドは、標準として特に役立つ。したがって、そのようなペプチドの様々な既知の濃度は、本明細書に記載の予後診断または診断のアッセイを用いて検出することができる。
さらに別の例では、キットは、試料調製手段、例えば細胞溶解の手段を任意選択で含む。好ましくは、そのような手段は、痰を可溶化する手段、例えば界面活性剤(例えば、トリブチルホスフィン、C7BZO、デキストラン硫酸、DTT、N-アセチルシステインまたはポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)である。
さらに別の例では、キットは、タンパク質単離のための手段を含む(Scopes、Protein Purification: Principles and Practice、第3版、Springer Verlag、1994)。
予防法および治療法
KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープは、動物対象に投与されると、高力価の抗体の特異的生成を誘導することができる。
したがって、本発明は、結核菌に対する抗体の生成を引き出す方法であって、単離されたKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを、抗体、例えば結核菌に結合する中和抗体の生成を引き出すのに十分な時間および条件下で前記対象に投与することを含む方法を提供する。
1つまたは複数の第二の抗原、例えば結核菌のBSXまたはS9またはGSまたはその免疫原性断片を、抗体、例えば結核菌に結合する中和抗体の生成を引き出すのに十分な時間および条件の下でさらに投与することは、本発明の範囲内である。そのような投与は、KARIタンパク質または断片の投与と同時(すなわち、同時投与)でもよく、あるいはKARIタンパク質または断片を対象に投与する前か後でもよい。
好ましくは、前の例のいずれかによる中和抗体は、高力価の中和抗体である。
KARIタンパク質または他のタンパク質またはそのエピトープの、抗体の生成に有効な量は、免疫原性B細胞エピトープの性質、投与経路、免疫化のために用いる動物、および求める抗体の性質によって変動する。全てのそのような変数は、当技術分野で認められる手段で経験的に決定される。
好ましい例では、本発明は、対象で結核菌に対する免疫を誘導する方法であって、単離または組換え体のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを、前記単離または組換え体のKARIタンパク質または免疫原性断片もしくはエピトープに対して液性免疫応答を引き出すのに十分な時間および条件の下で前記対象に投与することを含む方法を提供する。
1つまたは複数の第二の抗原、例えば結核菌のBSXまたはS9またはGSまたはその免疫原性断片を、その抗原に対して液性免疫応答を引き出すのに十分な時間および条件の下でさらに投与することも、本発明の範囲内である。そのような投与は、KARIタンパク質または断片の投与と同時(すなわち、同時投与)でもよく、あるいはKARIタンパク質または断片を対象に投与する前か後でもよい。
本明細書に記載されるように、免疫抗原は任意の便利な製剤の形で投与することができる。
「液性免疫応答」は、免疫抗原に対して、二次免疫応答が、結核菌による感染を予防するのに十分生成されることを意味する。
好ましくは、生成される液性免疫は、免疫抗原のB細胞エピトープに結合する抗体の持続レベルを、対象で引き出すことを含む。「抗体の持続レベル」は、B細胞エピトープに結合する循環抗体の、結核菌による感染を予防するのに十分なレベルを意味する。
好ましくは、抗体レベルは、少なくとも約6カ月または9カ月または12カ月または2年持続する。
代わりの例では、本発明は、対象の免疫系を強化する方法であって、免疫学的に活性なKARIタンパク質もしくはそのエピトープ、または前記KARIタンパク質もしくはエピトープを含むワクチン組成物を、前記対象で結核菌に対する抵抗性を付与または強化するのに十分な時間および条件で投与することを含む方法を提供する。
1つまたは複数の第二の抗原、例えば結核菌のBSXまたはGSまたはその免疫原性断片を、前記対象で結核菌に対する抵抗性を付与または強化するのに十分な時間および条件でさらに投与することも、本発明の範囲内である。そのような投与は、KARIタンパク質または断片の投与と同時(すなわち、同時投与)でもよく、あるいはKARIタンパク質または断片を対象に投与する前か後でもよい。
「抵抗性を付与または強化する」は、結核菌特異的免疫応答が前記対象で起こることを意味し、前記応答は、以下からなる群から選択される。
(i) 結核菌のKARIタンパク質または前記タンパク質のエピトープに対する抗体が前記対象で生成される;
(ii) 結核菌に結合する中和抗体が前記対象で生成される;
(iii) 結核菌のKARIタンパク質に特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)および/またはCTL前駆体が対象で活性化される;
(iv) 対象が、以降の結核菌による感染または潜伏性の結核菌感染の再活性化に対して強化された免疫を有する。
本発明は、未感染のヒト対象で結核菌に対して免疫を提供または強化する方法であって、免疫学的に活性なKARIタンパク質もしくはそのエピトープ、または前記KARIタンパク質もしくはエピトープを含むワクチン組成物を、結核菌による将来の感染に対して免疫学的記憶を提供するのに十分な時間および条件で前記対象に投与することを含む方法を包含すると理解される。
1つまたは複数の第二の抗原、例えば結核菌のBSXまたはGSまたはその免疫原性断片を、結核菌による将来の感染に対して免疫学的記憶を提供するのに十分な時間および条件でさらに投与することも、本発明の範囲内である。そのような投与は、KARIタンパク質または断片の投与と同時(すなわち、同時投与)でもよく、あるいはKARIタンパク質または断片を対象に投与する前か後でもよい。
本発明は、本明細書に記載の診断方法または予後診断方法を実施することを含む、対象における結核の治療方法を提供する。
一例では、本発明は以下の工程を含む予防方法を提供する。
(i) 対象からの生体試料中の結核菌による感染の存在を検出する工程;および
(ii) 本明細書に記載の医薬組成物の治療的有効量を投与して、対象の肺、血液またはリンパ系の中の病原性細菌数を減少させる工程。
本明細書の開示から明らかとなるように、この例による適する組成物は、薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせた、KARIタンパク質またはその免疫原性断片を、任意選択で1つまたは複数の他の免疫原結核菌タンパク質またはペプチド断片と一緒に含む。そのような組成物が、本明細書の任意の例によるKARIタンパク質またはその断片、あるいはペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物、および1つまたは複数の第二の抗原、例えば結核菌のBSXおよび/またはS9および/またはRv1265および/またはEF-Tuおよび/またはP5CRおよび/またはTetRおよび/またはGSまたはその免疫原性断片、例えば配列番号3〜60のいずれか1つに記載のもの、またはその組合せ/混合物を含むことは、明らかに本発明の範囲内である。
好ましくは、組成物は、潜伏性または活動性の結核菌による感染を抱える対象に投与される。
いかなる理論または作用様式によっても縛られないが、治療法は、結核菌を抱える細胞を認識して溶解するT細胞の能力を高めるか、または結核菌の抗原のT細胞エピトープを認識するT細胞の能力が、一時的または持続的に高められる。同様に、潜伏性の結核菌感染の活性化に続いて、または結核菌による再感染に続いて、または本発明のKARIタンパク質またはエピトープまたはワクチン組成物によるそれ以前に感染した対象の免疫化に続いて、T細胞集団の再活性化が起こることができる。CTL活性化が対象で起きたかどうかを判定するために、例えば細胞傷害性アッセイ、ELISPOT、または対象のPBMCにおけるIFN-γの生成の測定を用いて、標準の方法を用いることができる。
好ましくは、ペプチドまたは誘導体または変異体またはワクチン組成物は、CD8+ T細胞の増殖を引き出すか高めるのに十分な時間および条件の下に投与される。さらにより好ましくは、ペプチドまたは誘導体または変異体またはワクチン組成物は、結核菌特異的細胞性免疫(CMI)が対象で強化されるのに十分な時間および条件の下に投与される。
「結核菌特異的CMI」は、活性化され、クローン増殖されたCTLがMHC拘束的で、本発明のCTLエピトープに特異的であることを意味する。CTLは、抗原特異性およびMHC拘束に基づいてソーティングされる(すなわち、非特異的CTLおよび抗原特異的、MHC拘束CTL)。非特異的CTLは、NK細胞および抗体依存性細胞傷害性を含む様々な細胞型で構成され、病原体負荷を減少させるために免疫応答の非常に早い段階で機能することができるが、抗原特異的応答はまだ確立途上である。対照的に、MHC拘束CTLは、非特異的CTLより後の、一般に抗体生成の前に、最適な活性を達成する。抗原特異的CTLは、結核菌の広がりを阻害または低減し、好ましくは感染を終結させる。
CTL活性化、クローン増殖またはCMIは、全身に誘導することができるか、または区画に限局することができる。区画に限局する効果の場合、その区画への投与のために好適に製剤化されるワクチン組成物を利用するのが好ましい。他方、対象で全身的にCTLの活性化、増殖またはCMIを誘導するためには、そのようなストリンジェントな要件はない。
任意選択で、例えば結核菌のBSXまたはGSまたはS9タンパク質に由来する1つまたは複数の他のタンパク質またはエピトープと組み合わせた、CTLの活性化、クローン増殖またはCMIを引き出すために単独で、またはワクチン組成物として投与されるKARIタンパク質またはそのエピトープの有効な量は、免疫原性エピトープの性質、投与経路、免疫化される対象の体重、年齢、性別または健康状態、および求めるCTL応答の性質によって異なる。全てのそのような変数は、当技術分野で認められる手段で経験的に決定される。
例えば結核菌のBSXまたはS9またはGSタンパク質に由来する1つまたは複数の他のタンパク質またはエピトープと任意選択で組み合わされ、任意の適するかまたは所望の担体、アジュバント、BRMまたは薬学的に許容される賦形剤によって任意選択で製剤化されるKARIタンパク質またはそのエピトープは、便利には、注射可能な組成物の形で投与される。注射は、鼻腔内、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、腹腔内であるか、または他の公知の経路によることができる。静脈内注射のために、1つまたは複数の流体および栄養素補液を入れることが望ましい。
投与される最適な用量および好ましい投与経路は、動物モデルを用いて、例えばマウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ウマ、ウシ、ヤギまたはブタに、ペプチドを含む製剤を注入し、次に任意の従来のアッセイを用いて、エピトープに対するCTL免疫応答を監視することによって確立される。
結核菌による感染に対して抵抗性を付与または強化するために、あるいは再活性化する潜伏性の感染を予防するか、またはその程度を低減させるために、養子移入技術を用いることもできる。したがって関連する例では、未感染のヒト対象で結核菌に対して免疫を強化または付与する方法であって、ヒト対象から得られたT細胞を、免疫学的に活性なKARIタンパク質もしくはそのエピトープ、または前記タンパク質もしくはエピトープを含むワクチン組成物と、前記T細胞に結核菌の活性を付与するのに十分な時間および条件の下にエキソビボで接触させることを含む方法が提供される。
好ましい例では、本発明は、ヒト対象の結核菌特異的細胞性免疫を強化する方法であって、
(i) ヒト対象から得られたT細胞を、免疫学的に活性なKARIタンパク質もしくはそのCTLエピトープ、または前記タンパク質もしくはエピトープを含むワクチン組成物と、前記T細胞に結核菌の活性を付与するのに十分な時間および条件の下にエキソビボで接触させること、および
(ii) 活性化T細胞を対象に自家的に、または別のヒト対象に同種間的に導入することを含む方法を提供する。
本明細書に記載の他の例と同様に、本発明は、例えば結核菌のBSXまたはS9またはGSタンパク質に由来する追加の免疫原性タンパク質またはエピトープの投与を包含する。
T細胞は、CTLまたはCTL前駆細胞であってもよい。
T細胞が得られるヒト対象は、治療される対象と同じ対象、または異なる対象であることができる。治療される対象は、潜伏性もしくは活動性の結核菌感染を有するか、または結核菌感染もしくは結核菌感染の再活性化の危険にある任意のヒト対象、あるいは、さもなければ結核菌に対してワクチン接種を受ける必要があるかまたは結核菌に対してワクチン接種を受けることを望む者であってもよい。
好ましくはそのような養子移入が実施され、結核菌反応性は、その方法が参照により本明細書に組み込まれるEinseleら、Blood 99、3916〜3922頁、2002に記載されている通りに基本的に試験される。
「結核菌活性」は、本明細書の上で規定されるようにT細胞の活性化を可能にすることを意味する(すなわち、T細胞は結核菌を抱える細胞を認識して溶解するか、または結核菌の抗原のT細胞エピトープを一時的にまたは持続的に認識することができる)。したがって、T細胞が、本発明の方法によって結核菌を抱える細胞を認識して溶解することができるようにされるか、または結核菌の抗原のT細胞エピトープを一時的にまたは持続的に認識することができるようにされるCTL前駆体であることが特に好ましい。
そのようなエキソビボ適用のために、T細胞は、ヒト対象から得られる生体試料、例えば一次のもしくは中央のリンパ器官(例えば、骨髄または胸腺)または二次のもしくは末梢のリンパ系器官(例えば、血液、PBMCまたはそれに由来するバフィーコート分画)を含む生検材料に好ましくは含まれる。
好ましくは、T細胞またはT細胞を含む検体は、例えば分析のために検体を病理検査室に差し回した担当医師によって、それ以前にヒト対象から得られた。
好ましくは、本発明の方法は、対象のT細胞を含む試料を得ること、より好ましくは前記試料を前記対象から得ることをさらに含む。
製剤
本発明は、ヒトまたは他の動物の対象の、結核菌感染に対する治療または予防のサブユニットワクチンの調製における、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープの使用を明らかに企図する。
したがって、本発明は、薬学的に許容される希釈剤と組み合わせた、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを含む医薬組成物またはワクチンを提供する。
好ましい例では、この例による組成物は、薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせた、KARIタンパク質またはその免疫原性断片を、任意選択で1つまたは複数の他の免疫原性結核菌タンパク質またはペプチド断片と一緒に含む。そのような組成物が、本明細書の任意の例によるKARIタンパク質またはその断片、あるいはペプチドまたはエピトープまたは断片の組合せまたは混合物、および1つまたは複数の第二の抗原、例えば結核菌のBSXおよび/またはS9および/またはRv1265および/またはEF-Tuおよび/またはP5CRおよび/またはTetRおよび/またはGSまたはその免疫原性断片、例えば配列番号3〜60のいずれか1つに記載のもの、またはその組合せ/混合物を含むことは、明らかに本発明の範囲内である。
KARIタンパク質、および任意選択の他のタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープは、薬学的に許容される賦形剤または希釈剤、例えば水性媒体、非水性媒体、無毒性賦形剤、例えば塩、保存剤、緩衝剤などで都合よく製剤化される。非水性媒体の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性媒体には、水、アルコール/水性溶液、食塩水、非経口媒体、例えば塩化ナトリウム、リンガーデキストロース、その他が含まれる。保存剤には、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート化剤および希ガスが含まれる。医薬組成物の様々な成分のpHおよび正確な濃度は、当技術分野で常用の技術によって調節される。
ある状況では、KARIタンパク質および任意選択の他のタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを、B細胞エピトープへの免疫応答を高めるアジュバントで製剤化することも好ましいことがある。同じく、これは厳密には必須でない。そのようなアジュバントには、全ての許容される免疫賦活性化合物、例えばサイトカイン、毒素または合成組成物が含まれる。例示的なアジュバントには、IL-1、IL-2、BCG、水酸化アルミニウム、N-アセチル-ムラミル-L-スレオニル-D-イソグルタミン(thur-MDP)、N-アセチル-ノル-ムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(CGP 11637、ノルMDPと呼ばれる)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1'-2'-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(CGP)1983A、MTP-PEと呼ばれる)、2%スクアレン/ツイーン80乳剤に細菌から抽出される3つの成分、一リン酸化リピドA、トレハロースジミコール酸および細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含むリピドA、MPLおよびRIBIが含まれる。
結核菌に対するワクチンで用いるのに特に好ましいアジュバントは、例えばElhayおよびAndersen、Immune-l. Cell Biol. 75、595〜603頁、1997、またはLindbladら、Infect. Immun. 65、1997によって記載されている。
サプレッサーT細胞活性を下方調節するために、生物学的応答調節物質(BRM)をKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープと同時投与することが望ましいことがある。例示的なBRMには、それらに限定されないが、シメチジン(CIM; 1200mg/d)(Smith/Kline、PA、USA)、インドメタシン(IND; 150mg/d)(Lederle、NJ、USA)、または低用量のシクロホスファミド(CYP; 75、150または300mg/m2)(Johnson/Mead、NJ、USA)が含まれる。
KARIタンパク質および任意選択の他のタンパク質、またはその免疫原性断片もしくはエピトープの投与のための好ましい媒体には、リポソームが含まれる。リポソームは、水性区画を囲む1つまたは複数の脂質二重層からなる、顕微鏡的小胞である。(Bakker-Woudenbergら、Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis. 12(補遺1)、S61 (1993)およびKim、Drugs 46、618頁(1993))。リポソームは組成が細胞膜に類似し、その結果、リポソームは一般に安全に投与され、生物分解性である。
リポソームの調製技術、およびペプチドおよびオリゴヌクレオチドを含む様々な分子とリポソームとの製剤(例えば、封入)は、当業者に周知である。
調製法によって、リポソームは単層または多層であることができ、サイズは、直径が0.02μmから10μmを超える範囲で異なることができる。様々な剤が、リポソームで封入される。疎水性の剤は二重層に分配され、親水性の剤は内部の水性空間に分配される(Machyら、LIPOSOMES IN CELL BIOLOGY AND PHARMACOLOGY (John Libbey 1987)およびOstroら、American J. Hosp. Pharm. 46、1576頁(1989))。
リポソームは、実質的にいかなる種類の細胞にも吸着し、次に、封入されている剤を放出することもできる。あるいは、リポソームは標的細胞に融合し、それによってリポソームの内容物は全て標的細胞に移る。あるいは、吸収されたリポソームは、食細胞である細胞によって取り込まれ得る。エンドサイトーシスに続いて、リポソーム脂質のリソソーム内分解および封入されている剤の放出が起こる(Scherphofら、Ann. N.Y. Acad. Sci. 446、368頁(1985))。本文脈では、リポソームまたはエンドサイトーシスの破壊なしで抗原提示を促進するために、KARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープは、リポソームの表面に位置することができる。しかし、機構またはデリバリーに関係なく、結果は、関連するKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープの細胞内配置である。
リポソームベクターは、アニオン性でもまたはカチオン性でもよい。アニオン性のリポソームベクターには、エンドサイトーシスおよびエンドソーム酸性化に続いてエンドソーム膜を破壊するか、それに融合するpH感受性リポソームが含まれる。カチオン性リポソームは哺乳動物細胞のトランスフェクションをインビトロで媒介するために、または核酸の一般デリバリーのために好ましいが、他の治療剤、例えばペプチドまたはリポペプチドのデリバリーのために用いられる。
カチオン性のリポソーム調製物は、従来の方法論(Feignerら、Proc. Nat'l Acad. Sci USA 84、7413頁(1987)、Schreier、Liposome Res. 2、145頁(1992))によって作製される。市販の調製物、例えばリポフェクチン(Life Technologies, Inc.、Gaithersburg、Md. USA)は、容易に入手できる。投与されるリポソームの量は、上記Feignerらの用量反応曲線に基づいて最適化される。
本発明の方法で用いられる他の適するリポソームには、多重膜小胞(MLV)、オリゴラメラ小胞(OLV)、単層小胞(UV)、小型単層小胞(SUV)、中型単層小胞(MUV)、大型単層小胞(LUV)、巨大単層小胞(GUV)、多胞性小胞(MVV)、逆相蒸発法(REV)によって作製される単一またはオリゴラメラの小胞、逆相蒸発法によって作製される多重膜小胞(MLV-REV)、安定した多層状小胞(SPLV)、凍結解凍されたMLV(FATMLV)、押出法によって調製される小胞(VET)、フレンチプレスによって調製される小胞(FPV)、融合によって調製される小胞(FUV)、脱水再水和小胞(DRV)およびバブルソーム(BSV)が含まれる。当業者は、これらのリポソームの調製技術が当技術分野で周知であると認識する。(COLLOIDAL DRUG DELIVERY SYSTEMS、第66巻、J. Kreuter編、Marcel Dekker, Inc. 1994を参照)。
他の形のデリバリー粒子、例えばマイクロスフェアなども、KARIタンパク質および任意選択の他のタンパク質、またはその免疫原性断片もしくはエピトープのデリバリーのために企図される。
適する製剤および薬学的に有効な媒体の調製についての指針は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES、第83〜92章、1519〜1714頁(Mack Publishing Company 1990) (Remington's)に見られる。
あるいは、ペプチドをその表面に提示するようにインビトロで処理された自己由来または同種異系の抗原提示細胞(APC)または樹状細胞の投与を通す細胞ワクチンとして、ペプチドまたは誘導体または変異体が製剤化される。
適するベクター(例えばワクシニア、カナリア痘、アデノウイルスまたは他の真核生物のウイルスベクター)にクローニングされた、免疫学的に活性なKARIタンパク質および任意選択の他のタンパク質、またはそのエピトープをコードする、例えばDNAまたはRNAなどの核酸を含む核酸に基づくワクチンも企図される。好ましくは、KARIタンパク質および任意選択の他のタンパク質をコードするDNAは、例えば、既存のカルメット-ゲラン(BCG)またはワクシニアウイルス、フロイントアジュバントなどの免疫アジュバントまたは別の免疫賦活剤と組み合わされて、DNAワクチンに製剤化される。
本発明は、以下の非限定的実施例を参照にして、さらに説明される。
サンプル回収および処理、抗体生成および免疫アッセイ
後の実施例、すなわち以下参照の実施例2中の開示を前提として、以下の一般的な方法をサンプル回収および処理、抗体生成および評価に利用した。後の実施例、すなわち以下参照の実施例2中の別の方法を具体的に列挙しない限り、この実施例中で言及する方法を使用している。後の実施例中で言及する方法は、その具体的な実施例を参照しながら解釈される。
1.患者の痰サンプルの回収
TB陰性およびTB陽性痰を使用して、後の実施例中に記載したようにTB診断用の抗体対を評価した。80人の患者の痰サンプルは2007年にカメルーンから収集した。サンプルはプロテアーゼ阻害剤で処理し、-30℃に凍結した。
同様に、未処理の痰もBecton、Dickinson & CO.、Research Triangle Park、Durham、North Carolina、USAから得て、本明細書では「痰-BD」と呼ぶ。他のサンプルをヨハネスブルグ、南アフリカ中の別の箇所から、およびHealth Concepts International Limited、タイから回収する。
2.痰の前処理
a)「痰-M1」
一例では、回収した痰を、新たに作製した最終濃度10mMのジチオスレイトール(DTT)を含む50mMリン酸バッファーpH7.4に対して1:1(v/v)希釈することによって、本明細書で「痰-M1」と呼ぶ痰分画が調製される。EDTAを含まないプロテアーゼ阻害剤カクテル錠(Roche Molecular Biochemicals、カタログ番号1873580)を、必要に応じて製造者または供給者の説明書に従い加えて、最終1:4(v/v)希釈の痰を与える。サンプルは約30秒間の撹拌によってかき混ぜ、実質的な細胞溶解を回避するよう注意しながら、オービタルシェーカーまたは軽い撹拌を使用して、次いで4℃において約30分間混合する。次いで液状痰を4℃において約10分間2,000×gで遠心分離にかけて、細胞をペレット状にし、不溶物質は除去する。上清は4℃において約10分間14,000×gで遠心分離にかけて、微粒子物質をペレット状にする。上清を除去し、0.2μmの孔サイズのGD/XPVDF滅菌フィルターを使用して濾過し、濾液は保持し、-20℃で凍結保存する。
b)「痰-C1」
さらなる実施例では、回収した痰を、新たに作製した最終濃度10mMのジチオスレイトール(DTT)を含む50mMリン酸バッファーpH7.4に対して1:1(v/v)希釈することによって、本明細書で「痰-C1」と呼ぶ痰分画が調製される。EDTAを含まないプロテアーゼ阻害剤カクテル錠(Roche Molecular Biochemicals、カタログ番号1873580)を、必要に応じて製造者または供給者の説明書に従い加えて、最終1:2(v/v)希釈の痰を与える。サンプルは約30秒間の撹拌によってかき混ぜ、実質的な細胞溶解を回避するよう注意しながら、オービタルシェーカーまたは軽い撹拌を使用して、次いで4℃において約30分間混合する。次いで液状痰を4℃において約10分間2,000×gで遠心分離にかけて、細胞をペレット状にし、不溶物質は除去する。上清は4℃において約10分間14,000×gで遠心分離にかけて、微粒子物質をペレット状にする。上清を除去し、濾過せずに-20℃で凍結保存する。
3.アッセイ用の凍結痰の処理
本明細書で前に記載したように調製した凍結前処理痰のさらなる処理のために、4つの代替法を利用した。
a)方法1
本明細書で前に記載したように調製した痰-M1(2.5mL)は、約0.6mLの非希釈(「非希釈」)痰に等しい。この例示的な方法では、17×150uL代替を使用する代替ELISAにおけるさらなるアッセイ用に、痰-M1は未処理である。
b)方法2
前に記載したように調製した痰-C1(1.8mL)は、0.9mLの非希釈(「非希釈」)痰に等しい。この例示的な方法では、4×150uL代替を使用する代替ELISAにおけるアッセイ用に、アセトン沈殿によって痰-C1を0.6mL体積に低減させる。詳細には、痰-C1を遠心分離にかけて不溶物質を除去し、上清は新たなチューブに移し、4(4)体積の冷却アセトンを加え、サンプルは-80℃で30分間インキュベートし、その時間の後、それらを30分間4℃において4,000×gで遠心分離にかけて、沈殿したタンパク質分画を回収する。タンパク質ペレットを保持し、約30分間空気乾燥させ、50mMのトリスpH7.8、5mMのMgCl2の0.6mL中に軽く再溶解する。
c)方法3
前に記載したように調製した痰-C1(9mL)は、4.5mLの非希釈(「非希釈」)痰に等しい。この例示的な方法では、痰-C1をサイズ分画し、脱塩し、4×150uL代替を使用する代替ELISAにおけるアッセイ用に約0.6mLの体積にする。簡単に言うと、凍結した痰-C1を解凍し、0.3mMのEDTAの最終濃度に調節し、50mMのトリスpH7.8、5mMのMgCl2の4mLを加える。サンプルは周囲温度において20分間4,000×gで遠心分離にかけて、不溶物質はペレット状にする。上清を保持し、新たなチューブに移し、同体積の50mMのトリスpH7.8、5mMのMgCl2に希釈し、100kDa分子量分画サイズ排除スピンカラムに施し、周囲温度において25分間4,000×gで遠心分離にかける。溶出液を保持し、5kDa分子量分画サイズ排除スピンカラムに移し、(周囲温度において)少なくとも約60分間4,000×gで、または約0.6mLの溶出液を回収するまで遠心分離にかける。サンプル体積は、前に記載した代替ELISAにおけるアッセイ用に、50mMのトリスpH7.8、5mMのMgCl2を使用して約0.62mLに調節する。
d)方法4
前に記載したように調製した痰-M1(18mL)は、4.5mLの非希釈(「非希釈」)痰に等しい。この例示的な方法では、痰-をサイズ分画し、脱塩し、4×150uL代替を使用する代替ELISAにおけるアッセイ用に約0.6mLの体積にする。簡単に言うと、凍結した痰-M1を解凍し、0.3mMのEDTAの最終濃度に調節し、50mMのトリスpH7.8、5mMのMgCl2の4mLを加える。サンプルは周囲温度において20分間4,000×gで遠心分離にかけて、不溶物質はペレット状にする。上清を保持し、新たなチューブに移し、同体積の50mMのトリスpH7.8、5mMのMgCl2に希釈し、100kDa分子量分画サイズ排除スピンカラムに施し、周囲温度において25分間4,000×gで遠心分離にかける。溶出液を保持し、5kDa分子量分画サイズ排除スピンカラムに移し、(周囲温度において)少なくとも約60分間4,000×gで、または約0.6mLの溶出液を回収するまで遠心分離にかける。サンプル体積は、前に記載した代替ELISAにおけるアッセイ用に、50mMのトリスpH7.8、5mMのMgCl2を使用して約0.62mLに調節する。
4.痰、血清または血漿からのIgG分画の調製
患者の痰、血清または血漿を8.2mlのImmune-pure IgG結合バッファー(Pierce)に希釈し、次いでAKTA Explorer(Amersham Biosciences)と結合したプロテインAカラムに添加する前に0.22μmのフィルターを介して濾過する。結合した抗体は、Immune-pure真正Ag/Ab溶出バッファー(Pierce)を用いて溶出させる。溶出分画(抗原と結合したIgG)をプールし、氷上に3時間放置して免疫複合体を解離させる。次いでIgG分画を、100,000分子量分画カラム(Millipore)を介した濾過によって抗原分画から分離する。プロテインAカラムからの両分画およびフロースルーを、4℃において一晩4リットルのリン酸緩衝生理食塩水pH7.2、次いで3時間別の4リットルに対してベンゾイル化透析膜(Sigma)で透析する。全ての分画、(100,000分画カラムからのフロースルーおよび滞留液、およびプロテインAカラムからのフロースルー)を、1時間-20℃において10部のアセトンと1部のサンプルの割合でアセトン沈殿させ、次いで20分間4,000gで遠心分離にかける。沈殿したサンプルは約2mg/mlの最終濃度まで、5Mの尿素、2Mのチオ尿素、2%のCHAPS、2%のSB3-10および40mMのトリスを含有するサンプルバッファー中に溶かし、次いで5mMのトリブチルホスフィンを用いて還元し、1.5時間10mMのアクリルアミドを用いてアルキル化する。アルキル化反応は10mMの最終濃度までDTTを加えることによって停止させる。サンプルは200μlのアリコートに分け、-20℃において保存する。
5.診断アッセイ用の結核菌抗原の選択
診断用抗原ベースのアッセイ用の結核菌抗原の選択に関する主な基準は、簡潔な診断試験をもたらすためのTB陽性痰中のそれらの存在および免疫原性である。候補抗原は、以下の段落中に記載したようにTB陽性痰中において同定した。
a)タンパク質含有量の測定
サンプルのタンパク質含有量はブラッドフォードアッセイを使用して測定する。IPGストリップの再水和前に、サンプルは10分間21000×gで遠心分離にかける。上清を回収し、1ml当たり10μlの1%オレンジG(Sigma)を指標色素として加える。
b)二次元ゲル電気泳動
第一次元
乾燥した11cmのIPGストリップ(Amersham-Biosciences)を、180μlのタンパク質サンプルと共に16〜24時間再水和する。再水和したストリップは、最大10kVで約140kVhr、Protean IEF Cell(Bio-Rad、Hercules、CA)またはProteome SystemのIsoElectrIQ電気泳動装置上でフォーカシングする。フォーカシングされたストリップは、次いで尿素/SDS/トリス-HCl/ブロモフェノールブルーバッファー中で平衡化する。
c)第二次元
平衡化したストリップは、6〜15%(w/v)のトリス酢酸SDS-PAGEプレキャスト10cm×15cmゲルチップ(Tyrian Diagnostics、シドニー、オーストラリア)の充填ウェル中に挿入する。電気泳動はゲル当たり50mAで1.5時間、ゲルの底部にトラッキング色素が到達するまで実施する。滞留液分画またはフロースルー分画由来のタンパク質を、SyproRuby(Molecular Probes)を使用して染色する。溶出分画由来のタンパク質を、Shevchenko et al.(Anal Chem.68(5):850〜8、1996)のプロトコルに従い銀染色する。AlphaImager System(Alpha Innotech Corp.)を使用して脱塩後にゲル画像をスキャンする。次いでゲルをクーマシーG-250で染色して、後の分析中でのタンパク質スポットの視覚化を容易にする。
d)質量分析:
質量分析の前に、タンパク質サンプルをゲル内トリプシン消化によって調製する。Montageゲル内消化キット(Tyrian Diagnosticsにより開発され、Millipore、Billerica、Ma、01821、USAにより流通した)と結合したXcise(商標)、切除/液体処理ロボット(Tyrian Diagnostics、シドニー、オーストラリア、およびShimadzu-Biotech、京都、日本)を使用して、タンパク質ゲル片を切除、脱色、消化および脱塩する。スポットの切断前に、2-Dゲルを水中でインキュベートして一定の大きさを維持し、乾燥を防ぐ。その後、2-DゲルはXcise上に置き、デジタル画像を得て、切断するスポットを選択する。自動スポット切除後、ゲル片に自動液体処理およびゲル内消化を施す。簡単に言うと、それぞれのスポットを50%(v/v)アセトニトリル、100mM重炭酸アンモニウム100μlで脱色する。ゲル片は100%アセトニトリルを加えることによって乾燥させ、アセトニトリルは5秒後に除去し、ゲルは37℃で残留アセトニトリルを蒸発させることによって完全に乾燥させる。5μg/mLの改変ブタトリプシンを含有する30μlの50mM重炭酸アンモニウム(pH7.8)で乾燥ゲル片を再水和することによってタンパク質分解を実施し、37℃で一晩インキュベートする。
液体クロマトグラフィー(LC)-エレクトロスプレーイオン化(ESI)MSによる追加的分析を必要とした場合、10マイクロリットル(10μl)のトリプシンペプチド混合物を取り出して未使用のマイクロタイタープレートに入れる。
MALDI MS前の自動脱塩およびトリプシンペプチドの濃縮はR2系クロマトグラフィーを使用して実施する。吸着したペプチドは、2mg/mlα-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸、90%(v/v)アセトニトリルおよび0.085%(v/v)TFA中2μlを使用して、先端から384ポジションのMALDI-TOFサンプル標的プレート(Kratos、Manchester、UKまたはBruker Daltronics、ドイツ)に溶出させる。
消化物は、陽イオンリフレクトロンモードでAxima-CFRMALDI MS質量分析計(Kratos、Manchester、UK)を使用して分析する。337nmの波長で窒素レーザーを使用してサンプルを照射する。それぞれのサンプルスポットに64ポイントラスターを施して質量範囲600Da〜4000Daで、自動モードでスペクトルを得る。特定の基準を通過するスペクトルのみを保存する。全スペクトルに、自己消化トリプシンのピーク質量、m/z842.51Daおよび加えた副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)ペプチド、m/z2465.117Daを使用して内部二点較正を施す。ウエブベースのタンパク質データ管理システムBioinformatIQ(商標)(Tyrian Diagnostics)中に含まれるTyrian Diagnosticsによって設計されたソフトウェアを使用して、MSスペクトルから同位体ピークを抽出する。
タンパク質の同定は、IonIQまたはMASCOTデータベース検索ソフトウェア(Proteome System Limited、North Ryde、シドニー、オーストラリア)を使用して、トリプシンペプチドのモノアイソトピック質量(すなわち、ペプチドマスフィンガープリント)とタンパク質データベースからの理論質量を一致させることによって実施する。検索は非冗長SwissProt(リリース40)およびTrEMBL(リリース20)データベース(2002年6月バージョン)に対して行い、タンパク質の同一性はMOWSEスコアリングシステムの変更版によってランク付けする。プロピオンアミド-システイン(cys-PAM)またはカルボキシアミドメチル-システイン(cys-CAM)および酸化メチオニン修飾を考慮し、100ppmの質量公差は許容する。
誤切断部位は、誤切断なしの初期検索を実施した後でのみ考える。以下の基準、MOWSEスコア、候補タンパク質と一致したペプチドの数および強度、ペプチドとゲル位置の一致による候補タンパク質の配列の範囲を使用して、検索結果を評価する。
追加的、または代替的に、LC-ESI-MSを使用してタンパク質を分析する。タンパク質のトリプシン消化溶液(10μl)は、オートサンプラーおよびポンプで構成されるSurveyor LCシステムを備えるLCQ Decaイオントラップ質量分析計(ThermoFinnigan、San Jose、CA)を使用して、ナノフローLC/MSによって分析する。ペプチドはC18 PicoFritカラム(New Objective)に連結されたPepFinderキット(Thermo-Finnigan)を使用して分離する。0.1%(v/v)ギ酸を含有する水(移動相A)から0.1%(v/v)ギ酸を含有する90%(v/v)アセトニトリル(移動相B)への勾配溶出は、30〜60分間にわたり実施する。質量分析計を設定して、3つのスキャン事象、1つの完全スキャン(400〜2000amuの範囲)、次に2つのデータ依存性MS/MSスキャンを得る。
e)バイオインフォマティクス解析:
質量スペクトルピークの自動回収後、データを以下のように処理する。全スペクトルを、適切なペプチド質量の較正のために最初に調べる。次いでスペクトルを処理して、トリプシンピークおよびマトリックスに対応する質量を含むバックグラウンドノイズを除去する。次いでデータを、Tyrian Diagnostics検索エンジンIonIQv69および/またはMASCOTを使用して、公に利用可能なSwissProtおよびTrEMBLデータベースに対して検索する。PSDデータは、社内検索エンジンFragmentastIQを使用して同じデータベースに対して検索する。LCMS-MSデータも、SEQUEST検索エンジンソフトウェアを使用して同じデータベースに対して検索する。
6.診断アッセイ用の結核菌抗原および抗体の検証
候補診断マーカーおよび抗体の検証は、本明細書のいずれかの実施例に従い記載した増幅ELISA系を使用して、H37Rvで示す結核菌の実験室株の培養物由来の全細胞溶解物(WCL)中、およびCSU93、HN878およびCDC1551で示す2種類の結核菌臨床株の培養物由来の全細胞溶解物(WCL)中の対応する内因性抗原の存在を決定することによって実施した。細胞の全細胞溶解物、細胞膜、細胞壁およびサイトゾル分画の濾液も使用した。全ての株において検出可能であった抗原および抗体を、さらなる検証用に選択した。
候補診断マーカーおよび抗体の検証は、本明細書で以下に記載する増幅ELISA系を使用して、非マイコバクテリウム生物、例えば大腸菌、枯草菌、緑膿菌、およびサッカロマイセスセレビシエの培養物由来の全細胞溶解物(WCL)中の対応する内因性抗原の特異的発現の決定によっても実施した。全細胞溶解物の濾液も使用した。結核菌において特異的に検出した抗原および抗体が好ましかった。
候補診断マーカーおよび抗体の検証は、本明細書で以下に記載する増幅ELISA系を使用して、他のマイコバクテリウム種、例えばマイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエ中での発現と対照的な、H37Rvで示す結核菌の実験室株の培養物由来の全細胞溶解物(WCL)中の対応する内因性抗原の特異的発現の決定によっても実施した。全細胞溶解物の濾液も使用した。結核菌において特定の抗体によって特異的に検出した抗原は好ましかったが、しかしながら、マイコバクテリウム・アビウムおよび/またはマイコバクテリウム・イントラセルラエ中でも発現した抗原を廃棄したわけではなかった。これは、サンプル中の任意のマイコバクテリウムを試験する診断試験には主たる一般的なアッセイとしての有用性があり、例えば本明細書で開示する特異的診断マーカーを利用する結核菌の種特異的試験、および/または結核菌の有無を判定するための培養試験と併せて利用することができるからである。
7.全細胞溶解物の調製
タンパク質は凍結乾燥した結核菌細胞から抽出した。細胞は抽出バッファー中に再懸濁し、ビーズミル中で処理して、細胞を破壊しタンパク質を放出させた。細胞残骸は遠心分離によりペレット状にして、上清は全細胞溶解物(WCL)として使用した。ブラッドフォードの比色定量アッセイを行い、タンパク質濃度を推定した。いくつかの場合、コロラド州立大学から得たサイトゾル抽出物を使用した。
8.抗体生成法
後の実施例中に記載したように同定した結核菌の特異的免疫原性タンパク質由来の合成免疫原性ペプチドを用いた免疫処置によって、または代替的に、結核菌の完全長免疫原性タンパク質、または標準手順を使用する組換え手段によって生成した結核菌免疫原性タンパク質の免疫原性断片を用いた免疫処置によって、抗体を調製する。組換えタンパク質または断片の生成用に、免疫原をコードする結核菌株H37RvのDNA配列を単離し、大腸菌中での発現に適したベクターにクローニングし、発現したタンパク質または断片は標準的なクロマトグラフィー技法によって精製した。
b)モノクローナル抗体
完全長組換えタンパク質、または完全長配列由来のペプチド断片を、標準手順に従って抗体生成用の抗原として使用した。それらの標準プロトコルに従ったモノクローナル抗体の作製用に、約5mgのペプチド/タンパク質がNeoClone、Madison、Wisconsin、USAに与えられた。品質管理用に約1mgのペプチド/タンパク質がビオチニル化産物として与えられた。
BALB/cByJ雌マウスを、Neocloneの標準的な免疫処置法に従いタンパク質を用いて免疫処置した。免疫処置したマウスの出血試験は、ビオチニル化ペプチドを使用して品質管理用の血清ELISAにおいて使用するために定期的な間隔で実施した。最高力価を有するポリクローナル血清はELISAを使用して決定した。少なくとも1,000のポリクローナル抗体力価を有するマウスは、ABL-MYC感染過程に使用した。ペプチド抗原と交差反応するポリクローナル抗体の最高力価を有する約3〜5匹のマウスの脾臓は、Neocloneの標準的な感染手順に従いABL-MYC感染に使用した。ABL-MYC感染マウスの脾臓細胞は約20匹のナイーブマウスに移植した。移植マウス中で発生した腹水は単離し、標的ペプチド抗原と結合するモノクローナル抗体(mAb)を生成する細胞に関してスクリーニングした。
モノクローナル抗体を生成する細胞系(すなわち、形質細胞腫)を単離した。結合親和性およびアイソタイプ特異性はELISAを使用して確認した。モノクローナル抗体は、腹水、および関連細胞系において(約)1mlのアリコートで与えた。標準手順を使用したアッセイ時に高力価を有するモノクローナル抗体調製物には、捕捉試薬としてモノクローナル血清および/または検出用試薬を使用して、本明細書に記載するさらなる診断試験を施した。プロテインGまたはプロテインAカラムを使用して、腹水からモノクローナル抗体を精製する。
c)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体調製物は、標準手順を使用したニワトリまたはウサギの免疫処置によって、完全長組換え結核菌タンパク質に対して調製した。命名の目的で、「ChX/Y」で示すポリクローナル抗血清は、ニワトリにおいて調製した別個のバッチ「ChX」および「ChY」を含むプールした調製物を指す。組換え結核菌タンパク質に対するポリクローナル抗体調製物は、標準手順、例えばELISAを使用したアッセイ時のそれらの高力価に関して選択し、捕捉試薬としてポリクローナル血清および/または検出用試薬を使用して、本明細書に記載するさらなる診断試験を施した。
8.抗体の選択基準
抗体は、ELISA中での免疫原に対するそれらの感度および特異性、および例えば、シングルサイトELISA中で約100ng/mL未満の組換え抗原、および/または増幅ツーサイトELISA中で約500pg/mL未満の抗原の好ましい検出限界(LOD)に基づいて選択する。他のマイコバクテリウム種または非マイコバクテリウム病原体とのわずかな交差反応性または交差反応性なしで、結核菌培養物中の結核菌抗原を検出した抗体も選択する。
ワンサイトELISAを使用してそれぞれの場合において、免疫原に対する反応性によって抗体を最初にスクリーニングする。当業者は、ワンサイトELISAは固形支持体の表面と結合した非標識組換え免疫原、および標識した検出用抗体、例えばコロイド金またはビオチンなどの検出可能なマーカーと結合した抗体を必要とし、この場合検出用抗体は、固定免疫原中に含有される標的抗原上のエピトープと特異的に結合することを理解しているであろう。それが固形支持体上に固定され検出用抗体上での標識の結合によって間接的に標識されるように、検出用抗体は固定免疫原と結合する。
代替的、または追加的に、二カ所試験で試験抗体と対形成する抗体の有用性を前提として、ツーサイトELISAを実施する。ツーサイトELISAは固形支持体の表面と結合した非標識捕捉抗体、および標識した検出用抗体、例えばコロイド金またはビオチンなどの検出可能なマーカーと結合した抗体を必要とし、この場合捕捉抗体と検出用抗体の両方が、標的抗原、ただし標的抗原上の異なるまたは非干渉エピトープと特異的に結合する。試験サンプル中に抗原が存在するとき、それが固形支持体上に固定され検出用抗体上での標識の結合によって間接的に標識されるように、検出用抗体と捕捉抗体は抗原を「サンドイッチ」にする。
一般に、ツーサイトELISA中で約500pg/mL未満のLODを有する抗体に関して、ウエスタンブロット(WB)免疫電気泳動を実施して、全細胞溶解物中に存在する予想分子量の組換えタンパク質および内因性結核菌タンパク質に対する抗体の特異性を確認した。簡単に言うと、組換えタンパク質と全細胞溶解物を、製造者の説明書に従いMOPSまたはMESバッファー系を使用して、一次元SDS/ポリアクリルアミドゲル(10%ポリアクリルアミドNu-PAGEゲル)での電気泳動によって分離した。分離されたタンパク質は、半乾燥エレクトロブロッティングシステムを使用してゲルからPVDF膜に移した。次いで膜を、標準手順に従い、対応する抗原に対する一次抗体、次に使用する抗体プローブと結合することができるHRP結合二次抗体でプローブ処理した。次いで特異的シグナルを化学発光検出システムによって目に見える状態にし、X線フィルム次にスキャニングの使用、または処理したブロットから直接画像を得るためのFuji-LAS-3000撮像装置の使用のいずれかで画像を得た。試験したそれぞれの抗原に関して、最適なシグナル対ノイズ比を与えるのに必要とされるウエスタンブロット条件を、一次および二次抗体の希釈の点で最適化した(データ示さず)。複製ブロットは、一次抗体および二次抗体(陽性対照)または二次抗体のみ(陰性対照)でプローブ処理した。
これらのウエスタンのデータは、ウエスタンブロットを実施する前に、一次抗体を溶液中のモル過剰の組換え免疫原とプレインキュベートして、それによって、分離されたタンパク質におけるエピトープを競合させる競合実験によって確認した。したがって、ウエスタンブロッティング中のシグナルの消失は、抗体特異性の最初の結論を確認する。簡単に言うと、一次抗体を100〜200モル過剰の対応する組換えタンパク質とプレインキュベートしたこと以外、前段落中に記載したようにウエスタンブロット分析を実施した。ブロットは通常の方法でプローブ処理した。
9.抗体対の選択
抗体対の選択のために、前段落中に記載した抗体の選択基準に見合う利用可能な最も感度が良い抗体を使用して、ツーサイトELISAを実施した。抗体対の選択の関連でツーサイトELISAを実施する際に、本発明者らは検出用および捕捉抗体として2つの形状で抗体候補を利用して、それによって捕捉および検出用抗体の最適な形状を決定した。一般に検出用抗体は、試験した各捕捉抗体濃度に関する組換え免疫原の滴定に対して異なる希釈で利用する。この目的に好ましい検出用抗体は、ポリHRP結合ストレプトアビジンを使用して検出可能なビオチニル化抗体である。ビオチニル化検出用抗体が利用可能でないとき、好ましい検出用抗体は、(i)ビオチニル化二次抗体(例えば、抗ウサギIgまたは抗ニワトリIgまたは抗マウスIg)と検出用抗体、および(ii)ポリHRP結合ストレプトアビジンとその結合したビオチニル化二次抗体の連続結合によって検出可能な非標識検出用抗体を含む。
10.ELISAフォーマット
a)ワンサイトELISA
NUNCプレートは組換えタンパク質の連続希釈液でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。ブロッキング後、プレートは様々な希釈の試験抗体、次にHRP結合二次抗体およびTMBとインキュベートした。それぞれの反応の体積は50μlであった。プレートはそれぞれの添加の間に洗浄した。免疫反応は、発色の目視検査に基づいて適切な時間(通常約30分)後に0.5MのH2SO4を加えることによって停止させ、450nmおよび620nmの波長においてマイクロプレートリーダーでODを読み取った。
生成したデータをマイクロソフトエクセルにエクスポートし、そこでODと呼ぶデルタOD(OD450〜620)をデータ解析用に記録した。アッセイの感度は以下に記載したように決定し、LODAbTとして表した。約100ng/mL未満のLODAbTを有する抗体を、サンドイッチELISAにおける捕捉または検出用抗体のいずれかとしての適性に関してさらに試験した。
b)標準的な二カ所または「サンドイッチ」ELISA
標準的なサンドイッチELISAを、例えば選択した抗体対を使用して実施して、捕捉または検出用抗体のいずれかとしてのそれらの適性を決定した。NUNC免疫プレートは様々な希釈の捕捉抗体でコーティングし、次いで試験免疫原を含む濾液の関連組換えタンパク質または全細胞溶解物、様々な希釈の検出用抗体、HRP結合二次抗体およびSIGMATMBと連続的にインキュベートした。それぞれの反応の体積は50μlであった。プレートはそれぞれの添加の間に洗浄した。免疫反応は、発色の目視検査に基づいて適切な時間(通常約30分)後に0.5MのH2SO4を加えることによって停止させ、450nmおよび620nmの波長においてマイクロプレートリーダーでODを読み取った。
生成したデータを解析用にマイクロソフトエクセルにエクスポートした。アッセイの感度は以下に記載したように決定しLODと呼んだ。最低LODスコア(例えば、約3ng/mL未満)を生成した抗体対を、増幅サンドイッチELISAにおけるさらなる最適化用に選択した。
c)増幅サンドイッチELISA
増幅サンドイッチELISAを、プレートをビオチニル化検出用抗体または検出用抗体のいずれか、次にビオチニル化二次抗体とインキュベートすること以外、本明細書で前に記載した標準的なサンドイッチELISAと同様に実施し、同じ手順によって分析した。50μlの様々な希釈のポリ80-HRP-ストレプトアビジン、次いで50μlのPierceTMBを加えることによって増幅を実施する。最低LODスコア(例えば、約500pg/mL未満)を生成した抗体対を選択した。
d)ELISAデータ解析
ELISAデータを解析用にマイクロソフトエクセルにエクスポートした。標準曲線を、Y軸上に平均OD+SD(OD=OD450nm-OD620nm)、およびX軸上に組換えタンパク質/ペプチド濃度(例えば、pg/mL)(対数目盛)でX-Yグラフを使用してプロットした。標準偏差を平均で割ったものとして計算し割合(CV%)として表した変動係数を、アッセイ内およびアッセイ間変動性の指標として使用した。
GraphPad Prismソフトウェアを利用して、4パラメーターのロジスティック曲線を標準曲線のデータポイントと適合させた。未知のサンプルに関する抗原濃度は、作成した曲線のOD値の補間によって測定した。
e)検出限界(LOD)値の測定
GraphPad Prismソフトウェアにおいて利用可能な機能を使用して、適切な較正曲線が利用可能であった二カ所「サンドイッチ」ELISA中の抗体対に関する検出限界(LOD)を、平均ベースライン値+3×SDと等しいOD値をもたらした免疫原の濃度として定義した。較正曲線が利用可能ではなかったワンサイトELISA用、またはサンドイッチELISA用に、抗体または抗体対のLODを、マイクロソフトエクセルを使用して推定した。分析したそれぞれの免疫原性タンパク質に関して、ELISA用量応答曲線からの光学濃度データを使用してLOD値を計算した。
ワンサイトELISA用:非線形回帰曲線適合関数を適用するのに不十分なソフトウェアのデータポイントが存在したワンサイトELISAのデータまたはツーサイトELISAのデータ用に、LODの推定値をエクセルにおいて得た。用量応答曲線のベースラインの開始およびベースライン平均OD+3×SDは以下のように測定した。所与の免疫原濃度の光学濃度と次に高い免疫原濃度の光学濃度の間の差として計算した、光学濃度の増分を測定した。光学濃度の増分が約0.05OD単位未満であったデータポイントを、ベースラインの開始であると考えた。みなしベースライン開始ポイントおよび次の二カ所の増分ポイントにおける複製サンプルに関する平均およびSD光学濃度値を使用して、系に関する平均+3×SDを計算した。平均ベースラインOD+3×SDを超える光学濃度をもたらした免疫原の濃度をLOD値と考えた。
サンドイッチELISA用:一手法では、サンドイッチELISAから得た、組換えタンパク質/ペプチド免疫原の濃度、すなわち値「log10[免疫原]」および複製光学濃度値を、生のELISAデータから必要な値を自動的に計算するために作成されたエクセルのワークシートテンプレートに移した。R2値は標準曲線の適合度の推定値として作成し、約0.99を超える値は適合度として認めた。99%の信頼区間(CI)値範囲も計算した。適合曲線の底部漸近線に関する範囲の最大値は、適合標準曲線から補間した。補間値は、非対数で、平均ベースライン値+3×SDに等しいOD値を有する組換えタンパク質濃度を表した。LOD値と呼ばれるその値は、ELISAの感度を示すと考えた。
あるいは、「log10[免疫原]」および対応する複製光学濃度値をGraphPad Prismにエクスポートし、そこで非線形回帰曲線適合関数を使用して、4パラメーターのロジスティック曲線とデータポイントを適合させた。非線形回帰曲線適合関数を使用して、S字曲線とデータを適合させた。R2値は標準曲線の適合度の推定値として作成し、約0.99を超える値は適合度として認めた。ベースライン平均光学濃度(OD)+3×SDに対応する組換えタンパク質/ペプチド免疫原の濃度は標準曲線から補間した。
ケトール酸結核菌リダクトイソメラーゼ(KARI)と結合する抗体を使用した結核または結核菌による感染の抗原ベースの診断
1.TB陽性対象中のKARIタンパク質の同定
約36kDaの分子量を有するタンパク質をTB+サンプル中で認めた。MALDI-TOFデータからの10ペプチドの配列は、配列番号1で述べる結核菌のilvC遺伝子によってコードされる配列と一致した。これらの10ペプチドによる配列番号1のパーセント被覆度は約37%であり、ペプチド断片はこの同じタンパク質マーカーに由来したことを示唆した。
配列番号1で述べるアミノ酸配列を有する同定したタンパク質は推定ケトール酸リダクトイソメラーゼであり、「KARI」として示した。
2.抗体
標準手順を使用して、結核菌のilvC遺伝子によってコードされる組換えKARIタンパク質に対する、ポリクローナル抗体を調製した。モノクローナル抗体は、ほぼ本明細書に記載するように、結核菌のilvC遺伝子によってコードされる完全長組換えKARIタンパク質に対するモノクローナル抗体(mAb)、および完全長タンパク質のペプチド断片に対するmAbを分泌する細胞系を生成するための、ABL-MYC技術(NeoClone、Madison WI53713、USA)を使用して調製した。モノクローナル抗体を調製するために使用したペプチド断片は以下の完全長タンパク質のアミノ酸領域を含んでいた:
a)配列番号1の残基40〜56および任意選択の加えたC末端システイン残基、
b)配列番号1の残基290〜300および任意選択の加えたC末端システイン残基、および
c)配列番号1の残基298〜310および任意選択の加えたC末端システイン残基。
実施例1中に記載したように、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体調製物を含めた10を超える抗体を生成し、それらの適性に関してスクリーニングした。特に、「Ch34/35」で示すポリクローナル抗体調製物、および例えばMo1283F、Mo1E7、Mo2C7;Mo3A2、Mo2B1、Mo4F7、Mo3C3、Mo1C10、Mo4C10、Mo1F6、Mo2D6、Mo3H3およびMo4D11で示すいくつかのモノクローナル抗体調製物を生成した。
Ch34/35、Mo1283F、Mo1F6およびMo2B1で示す抗体を組換えKARIタンパク質に対して調製した。
Mo4F7およびMo4C10で示す抗体を、配列番号1の残基40〜56を含む合成ペプチドに対して生成した。Mo2D6で示す抗体は、配列番号1の残基290〜300を含む合成ペプチドに対して調製した。Mo1A4、Mo1H2、Mo2E5、Mo2G2、Mo3H3、Mo4C3、Mo4D2およびMo4D11で示すモノクローナル抗体は、配列番号1の残基298〜310を含む合成ペプチドに対して調製し、かつこれらの調製物の中で、Mo3H3およびMo4D11がELISAにおいて最高力価を有していた。
抗体は実施例1中に記載したようにスクリーニングして、ツーサイトELISA中での最適な抗体対および好ましい方向を決定した。一例では、マウス由来のモノクローナル抗体Mo1283Fは捕捉抗体として利用し、ニワトリ由来のポリクローナル抗体Ch34/35は検出用抗体として利用する、例えば、図1〜14参照。別の例では、マウス由来のモノクローナル抗体Mo2B1(または単に「2B1」)を捕捉抗体として利用し、検出用抗体としてのニワトリ由来の抗体Ch34/35と対形成する、例えば、図15〜23e参照。別の例では、マウス由来のモノクローナル抗体Mo1F6(または単に「1F6」)を捕捉抗体として利用し、検出用抗体としてのマウス由来のモノクローナル抗体Mo2B1と対形成する、例えば、図24および28参照。別の例では、マウス由来のモノクローナル抗体Mo2D6(または単に「2D6」)を捕捉抗体として利用し、検出用抗体としてのマウス由来のモノクローナル抗体Mo2B1と対形成する、例えば、図28参照。別の例では、ニワトリ由来の抗体Ch34/35を捕捉抗体として利用し、検出用抗体としてのモノクローナル抗体Mo2B1と対形成する、例えば、図29参照。
さらに他の例では、モノクローナル抗体2B1を捕捉抗体として利用し、検出用抗体としてのモノクローナル抗体1F6と対形成する。別の例では、モノクローナル抗体2B1を捕捉抗体として利用し、検出用抗体としてのモノクローナル抗体2D6と対形成する。別の例では、モノクローナル抗体2D6を捕捉抗体として利用し、検出用抗体としてのモノクローナル抗体1F6と対形成する。別の例では、モノクローナル抗体1F6を捕捉抗体として利用し、検出用抗体としてのモノクローナル抗体2D6と対形成する。
他の方向と抗体の組合せを除外するわけではない。
3.KARIタンパク質の直線状エピトープマッピング
KARIタンパク質およびペプチドに対して調製した抗体を、配列番号1で述べる完全長KARIタンパク質の配列由来の合成ペプチドのpepsetに対してスクリーニングして、完全長タンパク質中の直線状B細胞エピトープをマッピングした。
データ(示さず)は、結核菌の完全長KARIタンパク質は、診断用ペプチジル試薬として、および診断用抗体を調製するのに有用である、以下の直線状B細胞エピトープを含むことを示唆する:
a)配列番号1の残基1〜23、
b)配列番号1の残基40〜71、および好ましくは配列番号1の残基57〜71、
c)配列番号1の残基97〜111、
d)配列番号1の残基169〜199、
e)配列番号1の残基265〜279、
f)配列番号1の残基290〜300、および好ましくは配列番号1の残基298〜300、および
g)配列番号1の残基313〜333。
例えば、モノクローナル抗体Mo1283Fは配列番号1の残基97〜111内で結合し、モノクローナル抗体Mo4F7およびMo4C10は配列番号1の残基40〜56内で結合し、モノクローナル抗体Mo2D6は、配列番号1の残基290〜300内、および好ましくは配列番号1の残基298〜300と結合する、例えば、図24〜28参照。
これらの直線状B細胞エピトープ領域(a)〜(g)の細かいマッピングは、これらの領域内またはこれらの領域と重複して5量体ペプチドと結合するKARIタンパク質に対する抗体の能力、および/または塩基配列、すなわち配列番号1と比較してアミノ酸置換を含有する突然変異ペプチドと結合するこれらの抗体の能力を試験することによって実施する。代替的、または追加的に、これらの直線状B細胞エピトープ領域(a)〜(g)の細かいマッピングは、これらの領域内またはこれらの領域と重複する5量体ペプチドの能力、および/または塩基配列、すなわち配列番号1と比較してアミノ酸置換を含有する突然変異ペプチドの能力を試験することによって実施して、KARIタンパク質と結合する抗体の生成を誘導する。
4.KARIおよび診断用試薬としてのそれに対する抗体の検証
結核菌株H37Rv由来のKARIタンパク質のアミノ酸配列を配列番号1として表す。その翻訳産物は、約36kDaの予想分子量を有する。ほぼ実施例1中に記載したように実施したヘキサヒスチジンタグrKARIタンパク質の一次元SDS/PAGE分析は、翻訳産物およびヘキサヒスチジンタグ部分の理論質量に基づいた融合タンパク質の予想質量である約37kDaの、一本のバンドとしてKARIタンパク質が移動したことを示した(データ示さず)。
ウエスタンブロット解析を、ELISA捕捉(Mo1283F)および検出用(Ch34/35)抗体を別々に使用して実施して、結核菌H37Rv、結核菌CSU93および結核菌HN878の全細胞溶解物中の組換えKARIタンパク質および内因性KARIタンパク質を検出した。両方の抗体が、天然KARIタンパク質の予想分子量(すなわち、約36kDa)を有した全3つの結核菌株由来の全細胞溶解物中のバンドを認識し、かつ若干大きな組換えKARIタンパク質を検出した(図13)。結合はわずかなバックグラウンドで非常に特異的であった。したがって利用可能なデータは、結核菌のKARIタンパク質の検出に関する抗体Mo1283FおよびCh34/35の特異性を確認する。
ほぼ実施例1中に記載したように実施した競合ウエスタンブロット解析は、ポリクローナル抗体Ch34/35と組換えKARIタンパク質および内因性KARIタンパク質の結合は、抗体と過剰濃度の非標識組換えKARIタンパク質のプレインキュベーションによって除去することができたことも示した(図13)。要約すると、利用可能なデータは、抗体Mo1283FおよびCh34/35抗体は結核菌のKARIタンパク質と特異的に結合することを示す。
同様の実験において、Mo2B1、Mo1E7、Mo2C7およびMo3A2で示すモノクローナル抗体は培養した結核菌H37Rvの全細胞溶解物(WCL)と特異的に結合することが示され(レーン3)、Mo2B1およびMo3A2で示す抗体もウエスタンブロットにおいて組換えKARIタンパク質と結合した(図14)。
5.結核菌のKARIタンパク質の検出に関する増幅サンドイッチELISA
増幅ELISAを、捕捉試薬として5μg/mLのMo1283F抗体および検出用抗体として2.5μg/mLのCh34/35ポリクローナル抗体、ならびに結合した検出用抗体を検出するためのビオチニル化二次抗体およびHRP結合ストレプトアビジンを使用して、ほぼこの実施例中および実施例1中に記載したように実施した。
図1中に示すデータは、試験したアッセイ条件下、およびこの好ましい、ただし必須ではない、抗体の方向性で、低いバックグラウンドノイズおよび約1690pg/mLのLODが存在することを示す。サンドイッチELISAにおいて低いバックグラウンドと関係があるこのような検出感度は、本発明者らによって有用な限界内にあると考えられる。
6.抗KARI抗体と異なる結核菌分離株の間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのKARIの適性をさらに評価するため、およびKARIタンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、臨床結核菌株CSU93およびH878と実験室結核菌株H37Rvの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Mo1283Fで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれの分離株由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの希釈した二次抗体(例えば、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイした。較正標準曲線はKARIタンパク質の標準レベルに基づいて作成した。
図2中に示すデータは、結核菌のKARIタンパク質は、比較可能なレベルで、臨床結核菌分離株CSU93と実験室株H37Rvの両方において存在することを示す。低レベルのKARIタンパク質が結核菌H878において検出可能であり、KARIタンパク質に対する抗体は具体的な結核菌臨床株を区別することができないことを示唆した。
これらのデータは、増幅サンドイッチELISAにおいて、捕捉抗体としてモノクローナル抗体Mo2B1および検出用抗体としてCh34/35を使用して実施した、同様の設定の実験においても確認した(図15)。図15中のデータは、H37Rvとさらなる臨床分離株、CDC1551の間の比較可能なレベルも実証した。
図2および15中に示すデータは、一般的な一検体診断試験中の、または代替的に、本明細書に記載するかまたは当技術分野で知られている株などの特定の結核菌株に対する抗体を併用する多検体試験の一部としての、KARIタンパク質に対する抗体の有用性を否定するわけではない。例えば、KARIタンパク質に対する抗体を、KARI陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用して、必要な場合、サンプル中に存在する臨床上関連がある株に関する情報を得ることができる。
KARI発現が特定の亜細胞分画に限られたかどうか、またはHN878中のタンパク質の低レベルが特定の亜細胞分画中の阻害タンパク質によるものであったかどうかを決定するために、捕捉抗体としてMo2B1および検出用抗体としてCh34/35を使用して、増幅ELISAをH37Rv、HN878およびCDC1551のサイトゾル分画、細胞膜分画および細胞壁分画に実施した。図16〜19中に示すデータは、KARIタンパク質はそれぞれの分画中で検出可能であること、およびそれぞれの分画中のKARIタンパク質の相対レベルは細胞溶解物中のレベルを反映することを実証する。
7.異なるマイコバクテリウム種間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのKARIの適性をさらに評価するため、およびKARIタンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、マイコバクテリウム種結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Mo1283Fで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれのマイコバクテリウム種由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの希釈した二次抗体(例えば、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイした。較正標準曲線はKARIタンパク質の標準レベルに基づいて作製した。
同様の実験を、捕捉試薬としてモノクローナル抗体Mo2B1、および検出用試薬としてCh34/35ポリクローナル抗体を使用して実施した。
図3、4および21中に示すデータは、3マイコバクテリウム種間の検出可能な、ただし低い交差反応性を示し、結核菌のKARIタンパク質は、捕捉試薬としてMo2B1を使用したこれらのアッセイ条件下での、結核菌の種特異的検出により適している可能性があることを示す。これは、一般的な一検体診断試験中の、または代替的に、本明細書に記載するかまたは当技術分野で知られている株などの特定の結核菌株の種特異的マーカーに対する抗体を併用する多検体試験の一部としての、Mo1283FまたはMo2B1、KARIタンパク質に対する他の抗体の有用性を否定するわけではない。例えば、KARIタンパク質に対する抗体を、KARI陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用することができる。
代替的、または追加的に、KARIタンパク質に対する抗体を、試験した他のマイコバクテリウムと低い交差反応性を有する、本明細書に記載する1つまたは複数の結核菌Rv1265および/または結核菌BSXタンパク質および/または結核菌EF-Tuおよび/または結核菌S9タンパク質に対する抗体と同時に利用することができる。このような多検体試験の解釈において、KARIタンパク質に対する抗体の結合は、臨床サンプル中のマイコバクテリウムの存在を示し、結核菌Rv1265および/または結核菌BSXタンパク質および/または結核菌EF-Tuおよび/または結核菌S9タンパク質に対する抗体の別の結合は、結核菌感染の高い可能性を示す。結核菌のKARIタンパク質に対する抗体と、1つまたは複数の結核菌Rv1265タンパク質に対する抗体と、結核菌BSXタンパク質に対する抗体の組合せは、Rv1265およびBSXに対する抗体とマイコバクテリウム。アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエの低い交差反応性に基づいて、このような用途に特に好ましい。
8.結核菌と非マイコバクテリウム病原体の間の低い交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのKARIの適性をさらに評価するために、本発明者らは、結核菌株H37Rv(実験室株)、大腸菌、枯草菌、緑膿菌およびサッカロマイセスセレビシエの細胞抽出物の間で実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の交差反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Mo1283FまたはMo2B1で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれの微生物由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの二次抗体(すなわち、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。
図5、20および21中に示すデータは、試験した条件下で、結核菌のKARIタンパク質に対する抗体と大腸菌、枯草菌、緑膿菌またはサッカロマイセスセレビシエの細胞抽出物の有意な交差反応性を示さず、これらの抗体がマイコバクテリウム特異的試験の根幹を成すことを示す。
9.臨床サンプル中のKARIタンパク質の検出
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのKARIの適性をさらに評価するために、本発明者らは、塗抹検査および結核菌培養アッセイの結果に基づいて以前にTB陽性と診断された対象から得た臨床サンプル中の、内因性KARIタンパク質を検出する抗体の能力を決定した。患者は塗抹と培養試験の結果の両方、およびHIV状態に基づいてソーティングしている。試験した全ての対象は、塗抹検査陰性と培養試験陰性の両方またはあるいは、塗抹検査陽性と培養試験陽性の両方であった。
簡単に言うと、サンドイッチELISAを、代替増幅プロトコル(以下参照)の下で、方法3によって調製し17×150マイクロリットルアリコートとしてアッセイした痰サンプルに、本明細書で前に記載したように実施した。ELISAプレートは捕捉抗体Mo1283FまたはMo2B1で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、処理した痰を抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、バッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch34/35を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの二次抗体(すなわち、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。
図6、7、および10〜12(Mo1283F:Ch34/35抗体対)および図23a〜e(Mo2B1:Ch34/35抗体対)中に示すデータは、塗抹検査陽性および/または培養試験陽性であることが以前に示された試験した全てのTB陽性サンプル中で検出した、KARIタンパク質の有意に高いレベルを示す。バックグラウンドシグナルは、大部分のTB塗抹検査陰性サンプルにおいて検出した。しかしながら、数個の塗抹検査陰性サンプルは、両方の抗体の組合せを使用すると(図11、12、および図23a〜c)結核菌のKARIタンパク質に対する陽性反応が出て、アッセイの特異性を高めるためまたはKARIタンパク質に関する結果を確認するための、本明細書のいずれかの実施例に従い記載したBSXおよび/またはRv1265および/またはS9に対する抗体を利用する、代理アッセイ、例えば塗抹検査および/または他の抗原ベースの試験の有用性を示唆する。
例えば、本明細書中のTable 1(表1)中に示すように、KARIタンパク質に対する陽性反応が出た、本明細書で例示する6/7の塗抹検査陰性サンプルは、本明細書で例示する他の抗原、例えばS9タンパク質および/またはBSXタンパク質および/またはRv1265タンパク質に関して陰性であったことが示された。KARIタンパク質に対する陽性反応が出た塗抹検査陰性サンプルは、本明細書で記載した他のタンパク質マーカーに関してもスクリーニングし、平均シグナルがアッセイバッファーブランクより3標準偏差を超えた場合、陽性として記録した。
10.サンプルによるシグナル阻害の評価
例えばELISAまたはポイントオブケアまたは実地試験フォーマットにおいて、アッセイ感度に悪影響を与える可能性がある阻害性またはシグナル抑制因子が、痰中に存在するかどうかを評価するために、痰サンプルに10ng/mLの組換え結核菌KARIタンパク質を加え、生成したサンプルは3ステップで連続希釈した1:27(v/v)。サンプルは一晩インキュベートし、本明細書で前に記載したように増幅ELISAによりアッセイした、またはすぐにアッセイした。
図8および9中に示すデータ(右下図で示す「ilvC」)は、KARIタンパク質のシグナル検出を阻害するいくつかの因子を、痰が含有することを示す。シグナル強度は、アッセイをすぐに実施するか、または一晩のインキュベーション後に実施するかどうかと無関係に、非希釈痰の添加後に低減するからである。しかしながら、このシグナル強度の消失は痰を希釈することにより徐々に阻害することができ、シグナル強度の消失は少なくとも約1:9(v/v)に痰を希釈することにより大部分は妨げられる。シグナル強度は痰中の組換えタンパク質の一晩のインキュベーション後にも低下し、このシグナル強度の消失は、痰サンプルの希釈により部分的に妨げることもできる。これらのデータは、ブロッキングバッファー中への痰の1:9(v/v)希釈およびサンプルの迅速なアッセイが、これらの条件下でのKARIタンパク質のアッセイにおいてシグナル強度を高めるために勧められることを示す。
11.マイコバクテリウム細胞中で検出可能なKARIタンパク質の相対レベル
マイコバクテリウム感染に関する診断マーカーとしてのKARIの適性をさらに評価するために、KARIタンパク質のレベルを、本明細書で記載したBSX、EF-Tu、P5CR、Rv1265、S9およびTetR様タンパク質を含めた10の他の結核菌抗原と比較して、結核菌株H37Rv、CSU93およびHN878の全細胞溶解物において、および結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエにおいて決定した。
増幅サンドイッチELISAを、ほぼこの実施例および実施例1中に記載したように実施して、較正標準を含む標準プロトコルに従いそれぞれの抗原の相対レベルを同定し、定量化を可能にした。
図122〜125中に示すデータは、KARIは、全細胞タンパク質に基づいて表すと、試験した全3つの結核菌株において比較的豊富なタンパク質であることを示す。これに基づくと、結核菌Rv1265、BSXおよびS9タンパク質も、試験した11の免疫原性タンパク質において比較的豊富である。図126〜132中に示すデータは、さらにKARIタンパク質は、一般にマイコバクテリウム種において比較的豊富なタンパク質であることを示すが、一方で他の試験した主要免疫原性タンパク質、すなわちBSX、Rv1265およびS9は、細胞単位当たりで(図104〜105)または全細胞溶解物のタンパク質1マイクログラム当たりとして(図128〜129)または全細胞溶解物の濾液1マイクロリットルとして(図130〜131)表すと、KARIと比較して結核菌に対して高い特異性を有するようである。これらのデータは、マイコバクテリウム感染の一般的な一検体マーカーとしての、またはBSXおよび/またはRv1265および/またはS9タンパク質と組み合わせたマイコバクテリウム感染または結核菌感染に関する多検体試験の一部としてのKARIの有用性を示唆する。結核菌感染の多検体試験に関する他の組合せ、および/またはKARIタンパク質のアッセイと塗抹試験の組合せを除外するわけではない。
12.検出限界の最適化
サンドイッチELISAの感度をさらに高めるために、代替増幅手順を利用して、捕捉抗体によるELISAプレートのコーティング後に反復的抗原結合を実施した。基本的にこれは、96ウェルELISAプレートの50μlの体積制限にもかかわらず、捕捉抗体と結合した抗原の増量をもたらし得る。簡単に言うと、この反復的抗原充填は、洗浄および検出用抗体の添加前に、サンドイッチELISA中で数回、例えば2または3または4または5回など、抗原結合ステップを繰り返すことを含む。本来、抗原サンプルのそれぞれのアリコートは、次のアリコートを加える前の標準的なインキュベーション時間後に除去する。反復数を変更して、過度の実験なしで、試験するサンプルの性質(例えば、サンプル型)に応じて、アッセイ(例えば、シグナル:ノイズ比、検出限界および半最大シグナルで検出される抗原の量などのパラメーター)を最適化することができる。例えば、最大約20反復のサンプル充填(すなわち、最大20回の代替増幅)を利用して、低いバックグラウンドシグナル、および結核菌KARIタンパク質の低減した検出限界をもたらすことができる。
BSXと命名された、結核菌の推定転写制御因子と結合する抗体を使用した結核または結核菌による感染の抗原ベースの診断
1.TB陽性対象中のBSXタンパク質の同定
約15kDaの分子量を有するタンパク質をTB+サンプル中で認めた。MALDI-TOFデータからの12ペプチドの配列は、配列番号2で述べる結核菌のpbsX遺伝子によってコードされる配列と一致した。これらの12ペプチドによる配列番号2のパーセント被覆度は約70%であり、ペプチド断片はこの同じタンパク質マーカーに由来したことを示唆した。
配列番号2で述べるアミノ酸配列を有する同定したタンパク質は結核菌の推定転写制御因子タンパク質であり、「BSX」として示した。
2.抗体
組換えBSXタンパク質に対して46の抗体を調製し、BSXタンパク質のアミノ酸配列をスキャンする合成ペプチドのPEPSETの、直線状B細胞エピトープスクリーニングによって誘導した免疫原性BSXペプチドに対していくつかの抗体を調製した。本明細書または実施例1中に記載したように、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を得て、それらの適性に関してスクリーニングした。この方法は、この実施例中に記載するような結核菌の診断用のいくつかの抗体対の同定をもたらした。任意の方向で、例えば捕捉または検出用抗体として例示した抗体の任意の組合せを含めた、この実施例中に具体的に記載したもの以外の、多数の抗体の組合せおよび抗体の方向が本発明によって包含される。
3.抗体Mo639FおよびCh12/13を使用する診断マーカーとしてのBSXの検証
結核菌に対して調製した抗体には、「Mo639F」で示すマウス由来抗体および「Ch12/13」で示すニワトリ由来ポリクローナル抗体がある。特にこれらの抗体を使用して、結核菌に関する診断マーカーとしてのBSXを検証した。一例は、これらの抗体を使用して、以下に記載するように結核菌の全細胞抽出物中のBSXの特異的検出を実証した。
結核菌株H37Rv由来のBSXタンパク質のアミノ酸配列を配列番号2として表す。その翻訳産物は、約16kDaの予想分子量を有する。ほぼ実施例1中に記載したように実施したヘキサヒスチジンタグrBSXタンパク質の一次元SDS/PAGE分析は、翻訳産物およびヘキサヒスチジンタグ部分の理論質量に基づいた融合タンパク質の予想質量である約17kDaの、一本のバンドとしてBSXタンパク質が移動したことを示した(データ示さず)。
ウエスタンブロット解析を、ELISA捕捉(Mo639F)および検出用(Ch12/13)抗体を別々に使用して実施して、結核菌H37Rv、結核菌CSU93および結核菌HN878の全細胞溶解物中の組換えBSXタンパク質および内因性BSXタンパク質を検出した。両方の抗体が、天然BSXタンパク質の予想分子量(すなわち、約16kDa)を有した全3株の結核菌株由来の全細胞溶解物中のバンドを認識し、かつ若干大きな組換えBSXタンパク質を検出した(データ示さず)。わずかなバックグラウンドが検出可能、または検出不能であった。したがって利用可能なデータは、結核菌のBSXタンパク質の検出に関する抗体Mo639FおよびCh12/13の特異性を確認する。
ほぼ実施例1中に記載したように実施した競合ウエスタンブロット解析は、ポリクローナル抗体Ch12/13と組換えBSXタンパク質および内因性BSXタンパク質の結合は、抗体と過剰濃度の非標識組換えBSXタンパク質のプレインキュベーションによって除去することができたことも示した(データ示さず)。
要約すると、利用可能なデータは、抗体Mo639FおよびCh12/13を使用して、実験室および臨床結核菌株の全細胞溶解物中のBSXを特異的に検出することができることを示す。
4.結核菌BSXに対する抗体R16、C44およびMo403Bの滴定
結核菌に対して調製した抗体には、R16で示す(BSXペプチドに対して産生した)ウサギポリクローナル抗BSX抗体、C44で示す(組換えタンパク質に対して産生した)ニワトリ抗BSXポリクローナル抗体およびMo403Bで示す(BSXのC末端に対して産生した)マウス抗BSXモノクローナル抗体もある。
ELISAアッセイを、捕捉抗体としてこれらの抗BSX抗体、すなわちR16またはC44またはMo403Bの1つ、および検出用抗体としてもう1つの抗体を使用して実施した。ELISAプレートは、ウェル当たり50μlを使用していずれも20μg/mlで、ニワトリ(Ch)抗BSXpAbC44、ウサギ(Ra)抗BSXpAbR16、およびマウス(Mo)抗BSXmAbMo403Bを含めた様々な抗BSX抗体を用いてコーティングした。滴定量の組換えBSXを50ng/ml〜3pg/mlの濃度で加えた。抗原の検出は(組換えBSXタンパク質とのプレインキュベーションありまたはなしで)10μg/mlでいずれかのウサギ抗BSXを使用して実施し、次に1:5000(v/v)希釈でヒツジ抗ウサギIgHRP結合体(ニワトリ捕捉系用)、または20μg/mlでニワトリ抗BSXpAbC44、次に1:5000(v/v)希釈でヒツジ抗ニワトリIgG HRP結合体(マウスおよびウサギ捕捉系用)を使用して検出した。データは図30中に示す。
5.サンドイッチELISAにおける抗体C44およびMo403Bの検出限界(LOD)
精製組換えBSXの検出用の抗BSXmAbMo403BおよびpAbC44の検出限界の決定後、本発明者らの最初の試験は、捕捉抗体としてmAbMo403Bおよび検出用抗体としてpAbC44を使用してサンドイッチELISAの最適化に取り組んだ。簡単に言うと、抗BSXmAbMo403Bを、前に示したように10〜40μg/mlの範囲の濃度で、捕捉抗体としてELISAプレート上に固定した。次いで50ng/ml〜0.39ng/mlの滴定量の組換えBSXを、前に示したように10または20μg/mlのいずれかの濃度で、検出用抗体として精製ニワトリ抗BSXpAb、C44を使用してスクリーニングし、次にシグナル検出用の1:5000(v/v)希釈でのヒツジ抗ニワトリIgG HRPおよびTMBとインキュベートした。データは図31中に示す。
これらの条件下で、組換えBSXの検出限界は約2〜3ng/mlであった。
6.抗体R16およびC44を使用した患者サンプル中のBSXの検出
南アフリカTB患者由来およびそれぞれ南アフリカ(接頭語「M」)およびオーストラリア(接頭語「CGS」)からの非TBの呼吸器疾患を有する対照患者由来の痰サンプル(50μl+50μlのブロッキングバッファー)を、BSX抗原の存在に関してサンドイッチELISAによってスクリーニングした。精製ウサギ抗BSX(ペプチド28)pAb、R16を、20μg/mlの濃度で捕捉抗体としてELISAプレート上に固定した。5μg/mlの濃度で精製ニワトリ抗BSXpAb、C44を検出用抗体として使用した。1:5000(v/v)希釈でのヒツジ抗ニワトリIgG HRPおよびTMBはシグナル検出に使用した。対照患者由来の痰CGS25に、陽性対照として5ng/mlの組換えBSXを加えた(赤色)。結果は図32中に示す。
7.抗体対Mo403BおよびC44またはR16およびC44を使用した結核菌BSXタンパク質を検出するための増幅サンドイッチELISA
ELISAプレートは、ウェル当たり50μlを使用して、40μg/mlの濃度で精製抗BSXmAbMo403B、または5μg/mlの濃度で精製ニワトリ抗BSXpAbC44のいずれかを用いてコーティングした。滴定量の精製組換えBSXを50ng/ml〜0.39ng/mlの濃度で加えた。2つの増幅系を、10μg/mlの濃度でニワトリ抗BSX、次に様々な希釈でロバ抗ニワトリIgGビオチン結合体、および最後に1:5000(v/v)希釈でストレプトアビジン-HRP、または様々な濃度で抗BSXmAbMo403B、次に1:30000(v/v)希釈でヤギ抗マウスIgGおよび1:5000(v/v)希釈でロバ抗ヤギIgG HRP結合体のいずれかを使用して実施した。これらの増幅系を使用して、ニワトリ抗BSXを10μg/mlの濃度で、次に1:5000(v/v)希釈でヒツジ抗ニワトリIgG HRP結合体を使用した、基本的な抗原検出系を比較した。
図33中に示すように、増幅ELISAは標準的なELISAより約10倍感度が高かった。増幅系中で捕捉抗体としてウサギpAbおよび第一検出用抗体としてニワトリpAbを使用すると、シグナル強度はわずかに高い(図34)。
本発明者らは、図33および35中に示すように捕捉抗体として精製ウサギ抗BSXpAbR16および検出用抗体として精製ニワトリ抗BSXpAbC44を使用する増幅ELISA系、次にビオチニル化二次検出用抗体を用いた増幅も調べた。この系は、前に記載した増幅系と比較して感度のさらなる2倍の増大をもたらした(図35;図36)。
本発明者らは、非TBの呼吸器疾患群中では、塗抹顕微鏡検査および培養アッセイの低い感度が原因で、TBの重感染を持つ患者が最大30〜40%存在する可能性があることを常に念頭に置いて、TBおよび非TBの呼吸器疾患を有する対照患者由来の臨床痰サンプルをスクリーニングするための、増幅ビオチン系ELISAを使用した試験も実施した(図37)。
抗体部位が内因性BSXで飽和状態であったかどうか調べるため、本発明者らは、(i)インキュベーション時間、および(ii)同じそれぞれの患者由来の痰サンプルの新たなアリコートとの連続インキュベーションの影響も比較した。1時間から2時間へのインキュベーションの増大は、シグナル強度に対して何の影響もなかった。対照的に予備データは、2回の異なる痰のサンプル充填での連続インキュベーションによって、シグナル強度が増大したことを示す(図38)。増大は大きくないが、これらの予備観測はさらなる調査を正当化する。興味深いことに、シグナル強度の増大は、陽性対照としての組換えタンパク質の検出に関して最も顕著であった。
8.Mo639FおよびCh12/13で示す抗体を使用した増幅サンドイッチELISA
結核菌の診断用のさらなる抗体対は、好ましい捕捉抗体としての「Mo639F」で示すマウス由来抗体、および好ましい検出用抗体としての「Ch12/13」で示すニワトリ由来ポリクローナル抗体からなる。他の方向と抗体の組合せを除外するわけではない。
増幅ELISAを、捕捉試薬として2μg/mLのMo639F抗体および検出用抗体として5μg/mLのCh12/13ポリクローナル抗体、ならびに結合した検出用抗体を検出するためのビオチニル化ロバ抗ニワトリIgG二次抗体およびHRP結合ポリ40ストレプトアビジンを使用して、ほぼこの実施例中および実施例1中に記載したように実施した。
図39中に示すデータは、試験したアッセイ条件下、およびこの好ましい、ただし必須ではない、抗体の方向性で、低いバックグラウンドノイズおよび約89pg/mLのLODが存在することを示す。サンドイッチELISAにおいて低いバックグラウンドと関係があるこのような検出感度は、本発明者らによって有用な限界内にあると考えられる。
9.抗BSX抗体と異なる結核菌分離株の間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのBSXの適性をさらに評価するため、およびBSXタンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、臨床結核菌株CSU93およびH878と実験室結核菌株H37Rvの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいてMo639FとCh12/13抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Mo639Fで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれの分離株由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch12/13を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの希釈した二次抗体(例えば、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイした。較正標準曲線はBSXタンパク質の標準レベルに基づいて作製した。
図40中に示すデータは、結核菌のBSXタンパク質が、実験室株H37Rvと比較して臨床株中に高いレベルで存在することを示す。低レベルのBSXタンパク質がCSU93より結核菌H878中で検出可能であったが、しかしながらこれらのデータは、BSXタンパク質に対する抗体が、結核菌の臨床分離株を検出する際に一般的な有用性があることを示す。
図40中に示すデータは、一般的な一検体診断試験中の、または代替的に、本明細書に記載するかまたは当技術分野で知られている株などの特定の結核菌株に対する抗体を併用する多検体試験の一部としての、BSXタンパク質に対する抗体の有用性を支持する。
BSXタンパク質に対する抗体を、BSX陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用して、必要な場合、サンプル中に存在する臨床上関連がある株に関する情報を得ることもできる。
10.異なるマイコバクテリウム種間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのBSXの適性をさらに評価するため、およびBSXタンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、マイコバクテリウム種結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Mo639Fで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれのマイコバクテリウム種由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch12/13を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの希釈した二次抗体(例えば、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイした。較正標準曲線はBSXタンパク質の標準レベルに基づいて作成した。
図41aおよび41b中に示すデータは、3マイコバクテリウム種間のほぼ検出不能な交差反応性を示し、結核菌のBSXタンパク質は、これらのアッセイ条件下または選択した抗体対を使用すると、結核菌の検出に関して種特異的であることを示す。これは、一般的または種特異的な一検体診断試験中の、または代替的に、本明細書に記載するかまたは当技術分野で知られているものなどの結核菌の他のマーカーに対する抗体を併用する多検体試験の一部としての、BSXタンパク質に対する抗体の有用性を支持する。例えば、BSXタンパク質に対する抗体を、本明細書に記載する結核菌Rv1265および/または結核菌KARIタンパク質および/または結核菌EF-Tuおよび/または結核菌S9タンパク質に対する1つまたは複数の抗体と同時に利用することができる。
BSXタンパク質に対する抗体を、BSX陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用することもできる。
11.結核菌と非マイコバクテリウム病原体の間の低い交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのBSXの適性をさらに評価するために、本発明者らは、結核菌株H37Rv(実験室株)、大腸菌、枯草菌、または緑膿菌の細胞抽出物の間で実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の交差反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Mo639Fで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれの微生物由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch12/13を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの二次抗体(すなわち、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。
図42中に示すデータは、試験した条件下で、結核菌のBSXタンパク質に対する抗体と大腸菌、枯草菌、または緑膿菌の細胞抽出物の有意な交差反応性を示さず、これらの抗体がマイコバクテリウム特異的試験の根幹を成すことを示す。
12.臨床サンプル中のBSXタンパク質の検出
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのBSXの適性をさらに評価するために、本発明者らは、塗抹検査および結核菌培養アッセイの結果に基づいて以前にTB陽性と診断された対象から得た臨床サンプル中の、内因性BSXタンパク質を検出する抗体の能力を決定した。患者は塗抹と培養試験の結果の両方、およびHIV状態に基づいてソーティングしている。試験した全ての対象は、塗抹検査陰性と培養試験陰性の両方またはあるいは、塗抹検査陽性と培養試験陽性の両方であった。
図43の凡例中に記載したように、一例では、免疫磁気ビーズアッセイを、事前に診断した対象の処理済痰由来のBSXを捕捉するための抗BSXCh8ポリクローナル抗体、および検出用抗体としてMo639Fモノクローナル抗体でコーティングした磁気ビーズを使用して実施して、HRPと結合した抗マウスIgを使用して増幅を施した。図43中に示すように、TB陰性対象より統計上有意な高レベルのBSCタンパク質を、TB塗抹検査陽性および培養試験陽性の対象中で同定した。
さらなる例では、増幅サンドイッチELISAを、代替増幅プロトコル(以下参照)の下で、方法3によって調製し4×150マイクロリットルアリコートとしてアッセイした患者の痰サンプルに、本明細書で前に記載したように実施した。ELISAプレートは捕捉抗体Mo639Fまたは他の適切な抗BSX抗体で一晩コーティングする。非結合抗体を除去するための洗浄後、処理した痰を抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加える。それぞれのアッセイの陰性対照として、バッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch12/13または他の適切な抗体を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの二次抗体(例えば、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。
図44および45中に示すデータは、培養試験陽性および塗抹検査陽性であることが以前に示された試験した4つのTB陽性サンプルの少なくとも3つで検出した、BSXタンパク質の有意に高いレベルを示す。対照的に、バックグラウンドシグナルはTB陰性サンプルにおいて検出した。
13.サンプルによるシグナル阻害の評価
例えばELISAまたはポイントオブケアまたは実地試験フォーマットにおいて、アッセイ感度に悪影響を与える可能性がある阻害性またはシグナル抑制因子が、痰中に存在するかどうかを評価するために、痰サンプルに10ng/mLの組換え結核菌BSXタンパク質を加え、生成したサンプルは3ステップで連続希釈した1:27(v/v)。サンプルは一晩インキュベートし、本明細書で前に記載したように増幅ELISAによりアッセイした、またはすぐにアッセイした。
図87および88中に示すデータ(左上図で示す「BSX」)は、BSXタンパク質のシグナル検出を阻害するいくつかの因子を、痰が含有することを示す。シグナル強度は、アッセイをすぐに実施するか、または一晩のインキュベーション後に実施するかどうかと無関係に、非希釈痰の添加後に低減するからである。しかしながら、このシグナル強度の消失は痰を希釈することにより徐々に阻害することができ、シグナル強度の消失は少なくとも約1:9(v/v)に痰を希釈することにより大部分は妨げられる。シグナル強度は痰中の組換えタンパク質の一晩のインキュベーション後にも低下し、このシグナル強度の消失は、痰サンプルの希釈により部分的に妨げることもできる。これらのデータは、ブロッキングバッファー中への痰の少なくとも1:9(v/v)希釈およびサンプルの迅速なアッセイが、これらの条件下でのBSXタンパク質のアッセイにおいてシグナル強度を高めるために勧められることを示す。
14.マイコバクテリウム細胞中で検出可能なBSXタンパク質の相対レベル
マイコバクテリウム感染に関する診断マーカーとしてのBSXの適性をさらに評価するために、BSXタンパク質のレベルを、本明細書で記載したKARI、EF-Tu、P5CR、Rv1265、S9およびTetR様タンパク質を含めた10の他の結核菌抗原と比較して、結核菌株H37Rv、CSU93およびHN878の全細胞溶解物において、および結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエにおいて決定した。
増幅サンドイッチELISAを、ほぼこの実施例および実施例1中に記載したように実施して、較正標準を含む標準プロトコルに従いそれぞれの抗原の相対レベルを同定し、定量化を可能にした。
図124〜125中に示すデータは、BSXは、全細胞タンパク質に基づいて表すと、試験した全3株の結核菌株において比較的豊富なタンパク質であることを示す。これに基づくと、結核菌Rv1265、BSXおよびS9タンパク質も、試験した11の免疫原性タンパク質において比較的豊富である。図126〜127中に示すデータは、さらにBSXタンパク質は、一般にマイコバクテリウム種において比較的豊富なタンパク質であることを示すが、一方で他の試験した主要免疫原性タンパク質、すなわちBSX、Rv1265およびS9は、細胞単位当たりで(図126〜127)または全細胞溶解物のタンパク質1マイクログラム当たりとして(図128〜129)または全細胞溶解物の濾液1マイクロリットルとして(図130〜131)表すと、BSXと比較して結核菌に対して高い特異性を有するようである。これらのデータは、マイコバクテリウム感染の一般的な一検体マーカーとしての、またはBSXおよび/またはRv1265および/またはS9タンパク質と組み合わせたマイコバクテリウム感染または結核菌感染に関する多検体試験の一部としてのBSXの有用性を示唆する。結核菌感染の多検体試験に関する他の組合せを除外するわけではない。
11.検出限界の最適化
サンドイッチELISAの感度をさらに高めるために、代替増幅手順を利用して、捕捉抗体によるELISAプレートのコーティング後に反復的抗原結合を実施した。基本的にこれは、96ウェルELISAプレートの50μlの体積制限にもかかわらず、捕捉抗体と結合した抗原の増量をもたらし得る。簡単に言うと、この反復的抗原充填は、洗浄および検出用抗体の添加前に、サンドイッチELISA中で数回、例えば2または3または4または5回など、抗原結合ステップを繰り返すことを含む。本来、抗原サンプルのそれぞれのアリコートは、次のアリコートを加える前の標準的なインキュベーション時間後に除去する。反復数を変更して、過度の実験なしで、試験するサンプルの性質(例えば、サンプル型)に応じて、アッセイ(例えば、シグナル:ノイズ比、検出限界および半最大シグナルで検出される抗原の量などのパラメーター)を最適化することができる。例えば、最大約20反復のサンプル充填(すなわち、最大20回の代替増幅)を利用して、低いバックグラウンドシグナル、および結核菌BSXタンパク質の低減した検出限界をもたらすことができる。
S9で示す結核菌の推定リボソームタンパク質と結合する抗体を使用した結核または結核菌による感染の抗原ベースの診断
1.TB陽性対象中のS9タンパク質の同定
約30.2kDaの分子量を有するタンパク質をTB+サンプル由来の血清の免疫グロブリン分画中で認めた(図46)。MALDI-TOFデータからの4ペプチドの配列(配列番号15〜18含む)は、SwissProtアクセッション番号P66638(配列番号14)を有するタンパク質と一致した。これらの4ペプチド(配列番号15〜18)によるP66638のパーセント被覆度は約14〜15%であり、ペプチド断片はこの同じタンパク質マーカーに由来したことを示唆した。この結論は、誤切断がない理論上トリプシンペプチドがわずか6つのみであり、一カ所の誤切断があった理論上トリプシンペプチドが14存在したことによって支持された。
配列番号14で述べるアミノ酸配列を有する同定したタンパク質は「S9」として示した。興味深いことに、S9タンパク質の推定分子量はわずか約16.4kDaであり、S9の推定等電点は約10.7である。観察したS9タンパク質の分子量は推定値より約14kDa高かったので、タンパク質は、例えばグリコシル化によって翻訳後修飾された可能性が最も高く、または核酸などの別の分子種と同時に移動する。
2.抗体
本明細書に記載する手順を使用して、結核菌の組換えS9(rS9)タンパク質に対する、および完全長S9タンパク質配列由来の合成ペプチドに対する抗体を調製した。約8個の抗体をrS9タンパク質に対して生成し、実施例1中に記載したようにそれらの適性に関してスクリーニングした。
a)合成S9ペプチドに対する抗体
30Sリボソームタンパク質S9由来の配列H-MTETTPAPQTPAAPAGPAQSFC-NH2を含む合成ペプチドを、固相ペプチド合成技術を使用したミモトープによる液体クロマトグラフィーにより測定して78%の純度まで合成した。このペプチドを、マレイミドカプロイル-N-ヒドロキシスクシンイミドリンカーを介してキーホールリンペットヘモシアニン(KHL)と結合させた。
このエピトープに対して産生した抗体の検出を容易にするために、GSGLスペーサーでペプチドをさらに合成し、液体クロマトグラフィーにより93%の純度までビオチン(PAPQTPAAPAGPAQSFGSGLビオチン)と結合させた。
以下の注射プロトコルに従い、KHLと結合したアミノ酸配列H-MTETTPAPQTPAAPAGPAQSFC-NH2を含む合成ペプチドを用量当たり600μgウサギに注射した:
第10.5週後、ウサギを出血させた。全ての血液は滅菌容器中に回収し、37℃でインキュベートして凝固を促進した。容器を遠心分離にかけ血清を除去し、再度遠心分離にかけて残存赤血球細胞を除去した。血清は「R9」で示した。
ストレプトアビジン(Sigma Aldrich)をddH2O中に5μg/mlに希釈し、4℃においてNuncプレート中で一晩インキュベートした。次いで溶液を除去し、250μLのブロッキングバッファー(1%(w/v)のカゼイン、0.1%(v/v)のTween20、0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム、PBS中)をそれぞれのウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。ブロッキングバッファーを除去し、(ウサギに注射した免疫原に対応する)ビオチニル化ペプチドを3μg/ml(50μl/ウェル)でブロッキングバッファー中に加え、シェーカーで室温において1時間インキュベートした。プレートは、Elx405自動プレート洗浄器(Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)中で0.5×PBS/0.05%(v/v)のTween20溶液を用いて洗浄し、過剰な溶液はペーパータオル上に流出させた。ウサギ血清は1:500から1:1,024,000までブロッキングバッファー中に2回希釈し、シェーカーで室温において50μl/ウェルで1時間からインキュベートした。プレートは0.5×PBS/0.05%(v/v)のTween20溶液を使用してプレート洗浄器で洗浄し、過剰な溶液はペーパータオル上に流出させた。その対応するエピトープとウサギ抗体の結合は、結合体希釈バッファー中に1対10,000希釈したHRP結合ヒツジ抗ウサギ(Chemicon)を使用して検出した。50ミリリットルをそれぞれのウェルに加え、シェーカーで室温において1時間インキュベートした。プレートは0.5×PBSを使用してプレート洗浄器で洗浄し、過剰な溶液はペーパータオル上に流出させた。50ミリリットルのTMB(3,3',5',5-テトラメチルベンジジン;Sigma)をそれぞれのウェルに加え、プレートは暗所で30分間インキュベートした。発色は50μL/ウェルの0.5M硫酸の添加によって停止させた。それぞれのウェルの光学濃度は、450nmの波長および620nmにおける吸光を使用して、マイクロタイタープレートリーダー(PowerWavex340プレートリーダー、Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)で読み取った。滴定の結果は図47中に示す。
ペプチドを滴定するために、ほぼ前に記載したようなプロトコルを使用した。しかしながら、ビオチニル化ペプチドは20,480pg/ml〜10pg/mlで滴定し、ウサギ血清は親和性ペプチドカラムで最初に精製し、10μg/ml、20μg/mlおよび40μg/mlでELISAに加えた。この分析の結果は図48中に示す。
任意の方向で、例えば捕捉または検出用抗体として例示した抗体の任意の組合せを含めた、この実施例中に具体的に記載したもの以外の、多数の抗体の組合せおよび抗体の方向が本発明によって包含される。
b)完全長組換えS9タンパク質に対する抗体
標準手順を使用したニワトリおよびマウスの免疫処置によって、完全長組換え結核菌タンパク質(配列番号14)に対して調製した2つの抗体(Ch27およびMo1025F)は、S9ペプチドのファージディスプレイによって生成した二価F(ab)2断片および精製S9ペプチドに対して産生したさらなるポリクローナル抗体(R9)を含め、生成した他の抗体と比較して、ELISAアッセイ中でS9タンパク質に対する最高の検出感度を有することが示された(データ示さず)。本明細書では、ニワトリ抗S9ポリクローナル血清は「Ch27」で示し、およびマウス抗S9抗体は「Mo1025F」で示す。結核菌の診断に好ましい抗体対は、好ましい検出用抗体としての「Mo1025F」で示すマウス由来抗体、および好ましい捕捉抗体としての「Ch27」で示すニワトリ由来ポリクローナル抗体からなる。
図51中に示すデータは、組換え結核菌リボソームタンパク質S9に対して調製した抗体Ch27およびMo1025Fは、標準ELISAにより組換えS9タンパク質を検出することができることを示し、マウス抗体Mo1025Fは、抗体Ch27(使用した条件下で125ng/mlを超えるS9タンパク質の半最大検出および約32ng/mlの検出限界)と比較して、その高い力価(すなわち、使用した条件下で約93ng/mlのS9タンパク質の半最大検出および約8ng/mlの検出限界)のため診断用試薬として特定の有用性を有し得ることを示唆する。
合成ペプチドに対して調製した「R9」で示すウサギポリクローナル抗体を含めた、本発明を実施するための追加的な抗体および抗体対を、この実施例中に記載する(以下参照)。他の抗体の組合せおよび抗体の方向を除外するわけではない。
3.抗体R9、Mo1025FおよびCh27を使用する診断マーカーとしてのS9の検証
結核菌株H37Rv由来のS9タンパク質のアミノ酸配列を配列番号15として表す。その翻訳産物は、約16.4kDaの予想分子量を有する。ほぼ実施例1中に記載したように実施したヘキサヒスチジンタグrS9タンパク質の一次元SDS/PAGE分析は、翻訳産物およびヘキサヒスチジンタグ部分の理論質量に基づいた融合タンパク質の予想質量である約17kDaの、一本のバンドとしてS9タンパク質が移動したことを示した(データ示さず)。
ポリクローナル抗体R9が、結核菌によって発現されるタンパク質を検出することができたことを確認するために、ウエスタンブロッティングを、結核菌の実験室株H37Rvから抽出したタンパク質を使用して実施した。サイトゾルおよび膜タンパク質を抽出し、ほぼ実施例1中に記載したようにウエスタンブロッティングを使用して分析した。抗体R9は、還元サイトゾルサンプル、還元膜サンプルおよび非還元サイトゾル/膜サンプル中で正確な分子量のタンパク質を検出した。したがって、リボソームタンパク質S9は結核菌、例えば、株H37Rvによって発現され、これは当技術分野において以前は理解されていなかった事実である。
ウエスタンブロット解析(データ示さず)を、ELISA捕捉(Ch27)および検出用(Mo1025F)抗体を別々に使用して実施して、結核菌H37Rv、結核菌CSU93および結核菌HN878の全細胞溶解物中の組換えS9タンパク質および内因性S9タンパク質を検出した。両方の抗体が、天然S9タンパク質の予想分子量(すなわち、約16.4kDa)を有した全細胞溶解物中のバンドを認識し、かつ若干大きな組換えS9タンパク質を検出した。バックグラウンドはほとんど、または全く検出できなかった。
ポリクローナル抗体Ch27は、実験室株H37Rvの抽出物中で予想分子量の高レベルの内因性S9タンパク質、および臨床株CSU93中で一層低い、ただし検出可能なレベルを検出した。対照的に、モノクローナル抗体Mo1025FはH37RvとCSU93の両方において予想分子量のタンパク質と強く反応し、臨床株HN878の抽出物中で検出可能な強いシグナルも生成した。Ch27抗体調製物と同様に、H37Rvの抽出物中のS9タンパク質とMo1027の結合から得たシグナル強度は、CSU93細胞抽出物より著しく強かった。これらのデータは、これら2つの抗体調製物を使用して得た示差的シグナル強度は、異なる培養物中のS9タンパク質を検出するそれらの能力の本質的相違ではなく、それらの異なる抗体力価の結果である可能性があることを示唆する。この傾向は、2つの調製物に関して同じ、すなわちHN878シグナル<CSU93シグナル<H37Rvシグナルであったからである。
したがって利用可能なデータは、結核菌のS9タンパク質の検出に関する抗体Mo1025FおよびCh27の特異性を確認する。
ほぼ実施例1中に記載したように実施した競合ウエスタンブロット解析は、両方の抗体と組換えS9タンパク質および内因性S9タンパク質の結合は、抗体と過剰濃度の非標識組換えS9タンパク質のプレインキュベーションによって除去することができたことも示した(データ示さず)。
要約すると、利用可能なデータは、ELISA捕捉(Ch27)および検出用(Mo1025F)抗体が、結核菌S9タンパク質と特異的に結合することを示す。
4.ポリクローナル抗体R9を使用したTB対象由来の痰中のS9の検出
本明細書に記載するR9抗体を使用して、20人のTB罹患対象由来20人の非TB対象由来のサンプル中のS9タンパク質を検出した。簡単に言うと、TBまたは非TB患者由来の痰(12μl)を4〜12%の1D勾配SDSポリアクリルアミドゲル上に載せ、電気泳動によって分離した。次いでタンパク質をPVDF膜上に電気移動させた。次いで膜を、室温(RT)で2時間、1%カゼイン、1×PBS中、0.1%のTween-20(PBST)を含有する溶液中でブロッキングした。次いで膜を、室温(RT)で2時間、15μg/mlの精製ウサギ抗S9ポリクローナル抗体溶液(すなわちR9)とインキュベートし、次にPBSTで3×10分間洗浄した。次いで膜を、室温(RT)で1時間、1:10,000希釈のヒツジ抗ウサギIgG-HRP結合抗体溶液とインキュベートし、次にPBSTで数回5×10分間洗浄した。最後に膜を、x線フィルムに露光する前に5分間「Femto」化学発光試薬(Pierce)で処理した。
リボソームタンパク質S9は、ウサギR9ポリクローナル抗体を使用して、20/20人の南アフリカ人TB患者(感度=100%)および5/20人のオーストラリア人非TB呼吸疾患患者(特異性=75%)中で検出した(図49および50参照)。
5.抗体Ch27およびMo1025Fを使用するサンドイッチELISA
第一組の実験中、サンドイッチELISAを実施して最適な捕捉および検出用抗体、ならびに使用に適した抗体濃度を決定した。簡単に言うと、2つのELISAプレートを、ブロッキングバッファー中に2.5μg/mlおよび5μg/mlの濃度のCh27またはMo1025F抗体のいずれかでコーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、500ng/mlの出発濃度から7.8ng/mlまでブロッキングバッファー中に1:2(v/v)に連続希釈した、組換えS9タンパク質の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、別の検出用抗体(すなわち、Ch27-S9複合体の検出用にMo1025FおよびMo1025F-S9複合体の検出用にCh27)を、1.25μg/ml〜5μg/mlの範囲の濃度でプレートと接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合したロバ抗マウスIgGとインキュベートし、前と同様に洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、450〜620nmで吸光度を測定した。
図52および53中に示すデータは、サンドイッチELISAにおいて組換えS9タンパク質の一単位当たりで高いシグナルを得るための、好ましい、ただし必須ではない抗体の方向は、捕捉抗体としてCh27および検出用抗体としてMo1025Fを使用して得られることを示す。サンプル中にS9が存在しないときの図52中のベースライン値によって示されるように、抗体間の最小交差反応性もこの抗体の方向で観察する。
組換え結核菌S9タンパク質に関するサンドイッチELISAの検出限界を決定するために、18.31pg/ml〜150ng/mlの範囲の濃度で、S9タンパク質の連続希釈液を使用してアッセイをさらに実施した。図54中に示すデータは、試験したアッセイ条件下において、この抗体の組合せを用いたバックグラウンドシグナルは存在せず、約996pg/mlほど低い結核菌リボソームタンパク質S9の濃度を検出することができ、および約28ng/mlの結核菌リボソームタンパク質S9の半最大検出を示す。サンドイッチELISAにおいて低いバックグラウンドと関係があるこのような検出感度は、本発明者らによって有用な限界内にあると考えられる。
6.結核菌のS9タンパク質の検出に関する増幅サンドイッチELISA
増幅ELISAを、捕捉試薬としてCh27ポリクローナル抗体および検出用抗体としてMo1025Fモノクローナル抗体、ならびに結合した検出用抗体を検出するためのビオチニル化ロバ抗マウスIgG二次抗体およびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体を使用して、ほぼこの実施例中および実施例1中に記載したように実施した。ビオチニル化二次抗体の代替として、モノクローナル抗体Mo1025を直接ビオチニル化して、直接HRP結合ストレプトアビジンを使用して検出可能であった、本明細書において「Mo1025F-Bio」で示す種を生成した。
図55中に示すように、ビオチニル化二次抗体およびストレプトアビジンポリ-40ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体の使用は、ある程度の検出感度の増大、および約150pg/mlほど低い組換え結核菌リボソームタンパク質S9の統計上有意な検出限界をもたらした。これらの条件下で、サンドイッチELISAは、半最大シグナルで約6ng/mlの結核菌リボソームタンパク質S9を検出することもできた。
同様の結果を、検出用抗体試薬としてビオチニル化Mo1025F-Bio抗体を使用して得た。図59中に示すように、Mo1025F-Bio検出用抗体を直接使用して実施した増幅ELISAも、1470pg/mLから約348pg/mLまで約4倍LODを低減したが、しかしながらこれらの実験中、標準ELISAのLODは前に記載した実験中より高く、すなわち1470pg/mLと996pg/mL、2つの増幅ELISA系の実際の結果は比較可能であり得ることを示唆した。実験間の変動を考慮したデータの調節は、この提案を支持する。
7.ELISAの代替増幅
サンドイッチELISAの感度をさらに高めるために、本発明者らは、捕捉抗体によるELISAプレートのコーティング後に反復的抗原結合を実施することによって、基本アッセイをさらに改変した。基本的にこれは、96ウェルELISAプレートの50μlの体積制限にもかかわらず、捕捉抗体と結合した抗原の増量をもたらす。簡単に言うと、この反復的抗原充填は、洗浄および検出用抗体の添加前に、サンドイッチELISA中で数回、例えば2または3または4または5回など、抗原結合ステップを繰り返すことを含む。本来、抗原サンプルのそれぞれのアリコートは、次のアリコートを加える前の標準的なインキュベーション時間後に除去する。反復数を変更して、過度の実験なしで、試験するサンプルの性質(例えば、サンプル型)に応じて、アッセイ(例えば、シグナル:ノイズ比、検出限界および半最大シグナルで検出される抗原の量などのパラメーター)を最適化することができる。
図56中に示すように、5反復のサンプル充填(すなわち、5回の代替増幅)は、低いバックグラウンドシグナル、および約84pg/mlの結核菌リボソームタンパク質S9の検出限界をもたらした。図56中に示すアッセイはシグナル飽和に達した条件下で実施しなかったので、半最大シグナルで検出される抗原の量の推定は不可能であった。それにもかかわらず、組換え結核菌リボソームタンパク質S9の検出感度の約2倍の増大を、反復的抗原充填によって得た。
7.結核菌と非マイコバクテリウム病原体の間の低い交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのS9の適性をさらに評価するために、本発明者らは、結核菌株H37Rv(実験室株)、大腸菌、枯草菌、または緑膿菌の細胞抽出物の間で実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の交差反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは5μg/mlの濃度で捕捉抗体Ch27を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれの微生物由来の500ng/mlまたは50μg/mlの細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、2.5μg/mlの濃度で検出用抗体Mo1025Fを結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈の二次抗体(すなわち、ビオチニル化ロバ抗マウスIgGおよびポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。反復的サンプル充填はこの実験では実施しなかった。
図57中に示すデータは、試験した条件下での、結核菌リボソームタンパク質S9に対する抗体と大腸菌、枯草菌、または緑膿菌の細胞抽出物の低い交差反応性を示す。
8.抗S9抗体と異なる結核菌分離株の間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのS9の適性をさらに評価するため、およびS9タンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、臨床結核菌株CSU93およびH878と実験室結核菌株H37Rvの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Ch27で一晩コーティングする。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれの分離株由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加える。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Mo1025FまたはM1025F-Bioを結合抗原-抗体複合体と接触させる。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、必要な場合50μlの希釈した二次抗体(例えば、検出用抗体としてMo1025を使用したときビオチニル化ロバ抗マウスIgG)と1時間、および次いでポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定する。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイする。較正標準曲線はS9タンパク質の標準レベルに基づいて作成した。
図58および60中に示すデータは、結核菌のS9タンパク質が、臨床結核菌分離株CSU93と実験室株H37Rvの両方において比較可能なレベルで存在することを示す。図61中に示すデータも、H37Rv、CSU93およびHN878中のS9タンパク質の比較可能なレベルを示す。
図60中に示すデータは、一般的な一検体診断試験中の、または代替的に、本明細書に記載するかまたは当技術分野で知られている抗体などの他の結核菌抗原または別の特定の結核菌株を検出する抗体を併用する多検体試験の一部としての、S9タンパク質に対する抗体の有用性を支持する。
S9タンパク質に対する抗体を、S9陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用して、必要な場合、サンプル中に存在する臨床上関連がある株に関する情報を得ることもできる。
9.異なるマイコバクテリウム種間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのS9の適性をさらに評価するため、およびS9タンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、マイコバクテリウム種結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Ch27で一晩コーティングする。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれのマイコバクテリウム由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加える。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Mo1025FまたはM1025F-Bioを結合抗原-抗体複合体と接触させる。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、必要な場合50μlの希釈した二次抗体(例えば、検出用試薬としてMo1025Fを使用した場合ビオチニル化ロバ抗マウスIgG)と1時間、および次いでポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定する。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイする。較正標準曲線はS9タンパク質の標準レベルに基づいて作成した。
図61中に示すデータは、3マイコバクテリウム種間の検出可能な交差反応性の欠如を示し、結核菌のS9タンパク質は、これらのアッセイ条件下および/または選択した抗体対を使用すると、結核菌の検出に関して種特異的であることを示す。これは、結核菌に対する一検体診断試験中の、または代替的に、本明細書に記載するかまたは当技術分野で知られているものなどの、結核菌感染の他の抗原マーカーに対する抗体を併用する多検体試験の一部としての、S9タンパク質に対する抗体の有用性を支持する。
S9タンパク質に対する抗体を、S9陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用することもできる。
代替的、または追加的に、S9タンパク質に対する抗体を、本明細書に記載する結核菌Rv1265および/または結核菌BSXタンパク質および/または結核菌EF-Tuおよび/または結核菌KARIタンパク質に対する1つまたは複数の抗体と同時に利用することができる。
10.臨床サンプル中のS9タンパク質の検出
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのS9の適性をさらに評価するために、本発明者らは、塗抹検査および結核菌培養アッセイの結果に基づいて以前にTB陽性と診断された対象から得た臨床サンプル中の、内因性S9タンパク質を検出する抗体の能力を決定した。患者は塗抹と培養試験の結果の両方、およびHIV状態に基づいてソーティングしている。試験した全ての対象は、塗抹検査陰性と培養試験陰性の両方またはあるいは、塗抹検査陽性と培養試験陽性の両方であった。
簡単に言うと、サンドイッチELISAを、上記の代替増幅プロトコルの下で、方法2または方法3によって調製し、4×150マイクロリットルアリコートまたは17×150マイクロリットルアリコートとしてアッセイした患者の痰サンプルに、本明細書で前に記載したように実施した。ELISAプレートは捕捉抗体Ch27で一晩コーティングする。非結合抗体を除去するための洗浄後、処理した痰を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加える。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Mo1025FまたはM1025F-Bioを結合抗原-抗体複合体と接触させる。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、必要な場合50μlの希釈した二次抗体(例えば、検出用試薬としてMo1025Fを使用した場合ビオチニル化ロバ抗マウスIgG)と1時間、および次いでポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定する。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイする。較正標準曲線はS9タンパク質の標準レベルに基づいて作成した。
図62〜67中に示すデータは、培養試験陽性および塗抹検査陽性であることが以前に示されたS9タンパク質TB陽性サンプルの有意な検出を示す。痰1mL当たりのS9タンパク質のpgで表すと、TB陽性サンプルに関するシグナルは、TB陰性サンプルに関するバックグラウンドを常に超える。好ましいアッセイ結果は、臨床痰サンプルを調製するための方法3、および代替増幅を使用して得られる。
11.サンプルによるシグナル阻害の評価
例えばELISAまたはポイントオブケアまたは実地試験フォーマットにおいて、アッセイ感度に悪影響を与える可能性がある阻害性またはシグナル抑制因子が、痰中に存在するかどうかを評価するために、痰サンプルに10ng/mLの組換え結核菌S9タンパク質を加え、生成したサンプルは3ステップで連続希釈した1:27(v/v)。サンプルは一晩インキュベートし、本明細書で前に記載したように増幅ELISAによりアッセイした、またはすぐにアッセイした。
図87および88中に示すデータ(左下図で示す「S9」)は、S9タンパク質のシグナル検出を阻害するいくつかの因子を、痰が含有することを示す。シグナル強度は、アッセイをすぐに実施するか、または一晩のインキュベーション後に実施するかどうかと無関係に、非希釈痰の添加後に低減するからである。しかしながら、このシグナル強度の消失は痰を希釈することにより徐々に阻害することができ、シグナル強度の消失は少なくとも約1:9(v/v)に痰を希釈することにより大部分は妨げられる。シグナル強度は痰中の組換えタンパク質の一晩のインキュベーション後にも低下する。これらのデータは、ブロッキングバッファー中への痰の少なくとも1:9(v/v)希釈およびサンプルの迅速なアッセイが、これらの条件下でのS9タンパク質のアッセイにおいてシグナル強度を高めることができることを示す。
因子が血漿中に存在するかどうかを評価するための別組の実験中では、異なる濃度(すなわち、0.8〜16ng/ml)の組換え結核菌リボソームタンパク質S9を血漿の連続希釈液と混合し、本明細書で前に記載したように、ビオチニル化二次抗体およびストレプトアビジンポリ-40ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体を利用したアッセイフォーマットで試験した。
試験した条件下で、血漿含有サンプルに関するシグナルの有意な抑制は観察されず、シグナル強度の最小の消失は、少なくとも1ラウンドの反復的サンプル充填を実施することによって補うことができた(図58)。
12.マイコバクテリウム細胞中で検出可能なS9タンパク質の相対レベル
マイコバクテリウム感染に関する診断マーカーとしてのS9の適性をさらに評価するために、S9タンパク質のレベルを、本明細書で記載したBSX、KARI、EF-Tu、P5CR、Rv1265およびTetR様タンパク質を含めた10の他の結核菌抗原と比較して、結核菌株H37Rv、CSU93およびHN878の全細胞溶解物において、および結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエにおいて決定した。
増幅サンドイッチELISAを、ほぼこの実施例および実施例1中に記載したように実施して、較正標準を含む標準プロトコルに従いそれぞれの抗原の相対レベルを同定し、定量化を可能にした。
図130〜131中に示すデータは、S9は、全細胞タンパク質に基づいて表すと、試験した全3株の結核菌株において適度に豊富なタンパク質であることを示す。これに基づくと、結核菌BSX、Rv1265およびS9タンパク質は同レベル、一層高いレベルで発現されるKARI、および低レベルで発現されるEF-Tuと比較して中レベルで発現される。図126〜131中に示すデータによって、細胞単位当たり(図126〜127)または全細胞溶解物のタンパク質1マイクログラム当たり(図128〜129)または全細胞溶解物の濾液1マイクロリットル(図130〜131)に基づいて発現を計算すると、これらの条件下でサンドイッチELISAによりタンパク質が容易に検出されなかったマイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエと比較して、結核菌中でのS9の特異的発現を確認する。これらのデータは、マイコバクテリウム感染の一検体マーカーとしての、またはKARIおよび/またはRv1265および/またはBSXタンパク質と組み合わせたマイコバクテリウム感染または結核菌感染に関する多検体試験の一部としてのS9の有用性を示唆する。結核菌感染の多検体試験に関する他の組合せを除外するわけではない。
結核菌タンパク質Rv1265/MT1303と結合する抗体を使用した結核または結核菌による感染の抗原ベースの診断
1.TB陽性対象中のRv1265タンパク質の同定
タンパク質断片をTB+サンプル由来の血漿の免疫グロブリン分画中で認めた。MALDI MSデータからの4ペプチドの配列(配列番号22〜25含む)は、SwissProtアクセッション番号P64789(配列番号21)を有する仮想タンパク質と一致した。これらの4ペプチド(配列番号22〜25)によるP64789のパーセント被覆度は約19%であり、これらのペプチド断片はこの同じタンパク質マーカーに由来したことを示唆した。
配列番号21で述べるアミノ酸配列を有する同定した仮想タンパク質は「タンパク質Rv1265/MT1303」として示した。タンパク質Rv1265/MT1303の推定分子量は約25.2kDaであり、その推定等電点は約7.11である。
2.抗体
a)結核菌Rv1265/MT1303のペプチド断片に対して調製した抗体
完全長タンパク質Rv1265/MT1303のアミノ酸残基13〜25を含む合成ペプチド(配列番号26)、および配列番号21のアミノ酸残基90〜100を含む合成ペプチド(すなわち、配列番号27)を、標準手順に従い合成した。これらのペプチドを、マレイミドカプロイル-N-ヒドロキシスクシンイミドリンカーを介してキーホールリンペットヘモシアニン(KHL)と別々に結合することができた。
これらのエピトープに対して産生した抗体の検出を容易にするために、それぞれGSGLスペーサーでペプチドをさらに別々に合成し、ビオチンと結合させることが可能である。
ニワトリおよびウサギを、標準手順に従い、配列番号26で述べるアミノ酸配列を含む合成ペプチドで免疫処置した。動物の血液を得た。全ての血液は滅菌容器中に回収し、血清は血栓除去後に回収した。
ニワトリにおいて生成した抗血清を滴定するために、組換えタンパク質Rv1265/MT1303を5μg/mlの濃度でNunc免疫プレートに固定した。溶液を除去し、ブロッキングバッファー(1%(w/v)のカゼイン、0.1%(v/v)のTween20、0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム、PBS中)を使用してウェルをブロッキングした。ブロッキングバッファーを除去し、血清は加えたPBS中に希釈し、抗体と結合組換えタンパク質Rv1265/MT1303が複合体形成するのに十分な時間、一般に室温で約1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、抗体と組換えタンパク質Rv1265/MT1303の結合は、結合体希釈バッファー中に1:5000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗ニワトリIgGを使用して検出した。50ミリリットル(50ml)のTMB(3,3',5',5-テトラメチルベンジジン;Sigma)をそれぞれのウェルに加え、プレートは暗所で30分間インキュベートした。発色は50μL/ウェルの0.5M硫酸の添加によって停止させた。それぞれのウェルの光学濃度は、450nmの波長および620nmにおける吸光を使用して、マイクロタイタープレートリーダー(PowerWavex340プレートリーダー、Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)で読み取った。滴定の結果は図68中に示す。
ウサギ抗血清を試験するために、ストレプトアビジン(Sigma Aldrich)を二回蒸留水(ddH2O)中に5μg/mlに希釈し、4℃においてNuncプレート中で一晩インキュベートした。次いで溶液をプレートから除去し、250μLのブロッキングバッファー(1%(w/v)のカゼイン、0.1%(v/v)のTween20、0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム、PBS中)をそれぞれのウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。ブロッキングバッファーを除去し、ビオチニル化ペプチド(配列番号26)を3μg/ml〜50μl/ウェルでブロッキングバッファー中に加え、シェーカーで室温において1時間インキュベートした。プレートは、Elx405自動プレート洗浄器(Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)中で0.5×PBS/0.05%(v/v)のTween20溶液を用いて洗浄し、過剰な溶液はプレートからペーパータオル上に流出させた。ウサギ血清は1:500(v/v)から1:1,024,000(v/v)までブロッキングバッファー中に希釈し、シェーカーで室温において50μl/ウェルで1時間インキュベートした。プレートは0.5×PBS/0.05%(v/v)のTween20溶液を使用してプレート洗浄器で洗浄し、過剰な溶液はペーパータオル上に流出させた。配列番号26とウサギ抗体の結合は、結合体希釈バッファー中に1:5000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗ウサギIgG(Chemicon)を使用して検出した。50ミリリットル(50ml)をそれぞれのウェルに加え、シェーカーで室温において1時間インキュベートした。プレートは0.5×PBSを使用してプレート洗浄器で洗浄し、過剰な溶液はペーパータオル上に流出させた。50ミリリットル(50ml)のTMB(3,3',5',5-テトラメチルベンジジン;Sigma)をそれぞれのウェルに加え、プレートは暗所で30分間インキュベートした。発色は50μL/ウェルの0.5M硫酸の添加によって停止させた。それぞれのウェルの光学濃度は、450nmの波長および620nmにおける吸光を使用して、マイクロタイタープレートリーダー(PowerWavex340プレートリーダー、Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)で読み取った。血清滴定データは図69中に示す。
血清の検出限界は、19.6ng/ml〜200pg/mlの濃度でELISAプレート上に固定した組換えRv1265/MT1303タンパク質を滴定することによって決定した。精製ウサギ抗体は1.25μg/ml、2.5μg/mlまたは5μg/mlの濃度で加えた。ヒツジ抗ウサギIgHRP結合体(1:5000(v/v)希釈)およびTMBを使用して、標準ELISA中で結合したウサギ抗体を検出した。データは図70中に示す。
ペプチドを滴定するために、前に記載したのとほぼ同じプロトコルを使用する。しかしながら、配列番号26を含むビオチニル化ペプチドを20,480pg/mlから100pg/mlまで滴定し、ウサギ血清を1:500(v/v)および1:2000(v/v)の希釈でELISAに加える。
b)組換え結核菌Rv1265タンパク質に対して調製したモノクローナル抗体
完全長組換えRv1265タンパク質(配列番号21)を、標準手順に従って抗体生成用の抗原として使用した。それらの標準プロトコルに従ったモノクローナル抗体の作製用に、約6mgのタンパク質がNeoClone、Madison、Wisconsin、USAに与えられた。品質管理用に約1mgのタンパク質がビオチニル化ペプチドとして与えられた。
5匹のBALB/cByJ雌マウスを、Neocloneの標準的な免疫処置法に従いタンパク質を用いて免疫処置した。免疫処置したマウスの出血試験は、ビオチニル化ペプチドを使用して品質管理用の血清ELISAにおいて使用するために定期的な間隔で実施した。最高力価を有するポリクローナル血清はELISAを使用して決定した。少なくとも1,000のポリクローナル抗体力価を有するマウスは、ABL-MYC感染過程に使用した。ペプチド抗原と交差反応するポリクローナル抗体の最高力価を有する約3匹のマウスの脾臓は、NeoCloneの標準的な感染手順に従いABL-MYC感染に使用した。ABL-MYC感染マウスの脾臓細胞は約20匹のナイーブマウスに移植した。移植マウス中で発生した腹水は単離し、標的ペプチド抗原と結合するモノクローナル抗体(mAb)を生成する細胞に関してスクリーニングした。
788Cで示すモノクローナル抗体を生成する細胞系(すなわち、形質細胞腫)を単離した。モノクローナル抗体788Cの結合親和性およびアイソタイプ特異性はELISAを使用して確認した。788Cで示すモノクローナル抗体は、腹水において、関連細胞系と共に(約)1mlのアリコートで与えた。Rv1265に対するこのモノクローナル抗体調製物は、標準手順を使用してアッセイすると高い力価を有しており(データ示さず)、捕捉および検出用試薬の両方として、ただし好ましくはこの方向での抗体の低いバックグラウンドのため捕捉試薬として、モノクローナル血清を使用して、本明細書のさらなる診断試験を実施した。788Cで示すモノクローナル抗体は、プロテインGまたはプロテインAカラムを使用して、腹水からさらに精製することができる。
c)組換え結核菌Rv1265タンパク質に対して調製したポリクローナル抗体
2つの他の抗体調製物を、標準手順を使用したニワトリの免疫処置によって、完全長組換え結核菌タンパク質Rv1265(配列番号21)に対して調製した。「Ch10」および「Ch11」で示すニワトリポリクローナル抗血清の2つの別個のバッチをRv1265タンパク質に対して生成し、次いでこれらをプールして、本明細書において「Ch10/11」で示す抗体を生成した。Rv1265に対するこのポリクローナル抗体調製物は標準手順を使用してアッセイすると高い力価を有しており(データ示さず)、Ch10/11で示すポリクローナル血清を使用して、本明細書のさらなる診断試験を実施した。
3.診断用試薬としてのRv1265およびそれに対する抗体の検証
Ch10/11およびMo788Cで示す抗体を使用して検出したときの、生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのRv1265の適性をさらに評価するために、本発明者らは、ウエスタンブロッティングおよび免疫沈降によって、実験室分離株H37Rvおよび臨床結核菌株CSU93およびHN878ならびに実験室結核菌株H37Rvの細胞抽出物間の抗体反応性を比較した。
a)ウエスタンブロッティング
簡単に言うと、10%(w/v)Bis-Tri Nu-PAGE(Invitrogen、Carlsbad CA、USA)での電気泳動によって分離しPVDF活性化膜(Immobilon-P、Millipore Inc、USA)に移したタンパク質において、ウエスタンブロッティングを実施した。移動後、膜を40%(v/v)エタノール/10%(v/v)酢酸の0.008%DB-71(Sigma Chemical Co.USA)中で7分間インキュベートし、40%(v/v)エタノール/10%(v/v)酢酸中で軽くすすぎ、スキャンしてタンパク質の移動を視覚的に確認し、Triton-X100を含有するトリス緩衝生理食塩水(TBS-T)中ですすいだ。乾燥した膜はメタノール中で再度活性化し、4℃で一晩ブロッキングバッファー(1%(w/v)のウシ血清アルブミンを含有するTBS-T)に移した。一次抗体Ch10/11をブロッキングバッファー中に0.5μg/mlの濃度まで希釈し、室温で90分間膜と共にインキュベートし、その時間の後、膜はTBS-T中で洗浄し、室温で60分間HRP結合二次抗体、すなわち1:100,000(v/v)希釈したヒツジ抗ニワトリIgG-HRP結合体とインキュベートし、前と同様に洗浄した。抗体Mo788cはブロッキングバッファー中に5μg/mlの濃度まで希釈し、室温で90分間膜と共にインキュベートし、その時間の後、膜はTBS-T中で洗浄し、室温で60分間HRP結合二次抗体、すなわち1:50,000(v/v)希釈したロバ抗マウスIgG-HRP結合体とインキュベートし、前と同様に洗浄した。HRP二次抗体結合体の結合は、SuperSignal(商標)West「Femto」Maximum Sensitivity Substrate(Pierce, Inc.USA)中での膜のインキュベート、およびLAS-3000マルチ撮像装置(FujiFilm Inc.、日本)を使用した化学発光の視覚化によって検出した。この実験プロトコルは、本明細書に記載する他の抗原のウエスタンブロッティングに一般的に適用した。
結核菌Rv1265タンパク質の予想分子量と一致する約25kDaの免疫反応性バンドを、Ch10/11ポリクローナル血清を使用して、臨床結核菌分離株CSU93およびHN878と、実験室株H37Rv(データ示さず)の両方において検出した。対照において、約28kDaの予想分子量を有しヘキサヒスチジンタグを含む組換えRv1265タンパク質も、正確な位置で検出した(示さず)。バックグラウンドはほとんど、または全く検出できなかった。
ほぼ実施例1中に記載したように実施した競合ウエスタンブロット解析は、ポリクローナル血清Ch10/11と組換えRv1265タンパク質および内因性Rv1265タンパク質の結合は、抗体と過剰濃度の非標識組換えRv1265タンパク質のプレインキュベーションによって除去することができたことを示した(データ示さず)。
利用可能なデータは、全細胞溶解物中のRv1265タンパク質の検出に関するポリクローナル血清Ch10/11の特異性を示す。
b)免疫沈降
抗体特異性のさらなる検証は、Ch10/11ポリクローナル抗体を使用した株H37RVの全細胞抽出物からの免疫沈降、およびLC-MSによる免疫沈降タンパク質のアミノ酸配列の決定によって実施する。
4.結核菌Rv1265対して調製した抗体を使用するサンドイッチELISA
この実施例は、捕捉試薬としてモノクローナル抗体Mo788Cおよび検出用試薬としてCh10/11で示すポリクローナル抗体プールを使用した、サンドイッチELISAによるRv1265タンパク質の有効な検出を実証する。例えば、プールした抗体調製物Ch10/11およびモノクローナル抗体Mo788Cの滴定は、Ch10/11およびMo788Cが、5μg/mlの抗体濃度で少量のタンパク質を検出することができたことを示したので、この抗体対を選択した。
a)好ましい抗体の方向
第一組の診断試験中、標準的なサンドイッチELISAを実施して、最適な捕捉および検出用抗体、および使用に適した抗体濃度を決定した。簡単に言うと、ELISAプレートのウェルは、5μg/ml濃度または10μg/ml濃度のMo788C抗体、または2.5μg/ml濃度または5μg/ml濃度のCh10/11抗体50μlで一晩コーティングした。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えRv1265タンパク質を500ng/mlの出発濃度から22.86pg/mlまで1:3(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、50μlの別の検出用抗体(すなわち、Rv1265-Mo788C複合体を検出するために2.5μg/mlもしくは5μg/mlもしくは10μg/mlでCh10/11、またはRv1265-Ch10/11複合体を検出するために5μg/mlもしくは10μg/mlもしくは20μg/mlでMo788C)を、結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、Ch10/11を検出するためのヒツジ抗ニワトリIgGまたはMo788Cを検出するためのヒツジ抗マウスIgG)とインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を測定した。
これらの滴定実験(データ示さず)は、捕捉試薬と無関係に、シグナルが検出用抗体の濃度に依存しなかったことを示した。試験した濃度と無関係に捕捉試薬としてMo788CおよびCh10/11を用いた両系は、9ng/mlの類似した感度を示した。これに基づいて進行し、本発明者らは、サンドイッチELISA中で捕捉用に5μg/mlでMo788Cおよび検出用に2μg/mlでCh10/11を利用した。
さらなる実験(図71)中、ELISAプレートのウェルは、5μg/ml濃度のCh10/11またはMo788C抗体50μlで一晩コーティングした。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えRv1265タンパク質を500ng/mlの出発濃度から22.86pg/mlまで1:3(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、別の検出用抗体、すなわちRv1265-Mo788C複合体を検出するためのCh10/11およびRv1265-Ch10/11複合体を検出するためのMo788Cを、2μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、Ch10/11を検出するためのヒツジ抗ニワトリIgGまたはMo788Cを検出するためのヒツジ抗マウスIgG)とインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を測定した(y軸)。
本発明を限定するものではないが、図71中に示すデータは、サンドイッチELISA中でモノクローナル抗体M0788Cを捕捉試薬として使用し、ポリクローナル抗体プールCh10/11を検出用試薬として使用するとき、低いバックグラウンド効果が観察されることを示唆する。標準ELISA中のLODは約522pg/mLである。
5.結核菌のRv1265タンパク質の検出に関する増幅サンドイッチELISA
増幅ELISAを、捕捉試薬としてMo788C抗体および検出用抗体としてポリクローナルCh10/11抗体、ならびに結合した検出用抗体を検出するためのビオチニル化二次抗体およびHRP結合ストレプトアビジンを使用して、ほぼこの実施例中および実施例1中に記載したように実施した。
ELISAプレートは、5μg/ml濃度の捕捉抗体Mo788Cで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えRv1265タンパク質を10μg/mlの出発濃度から1.0pg/mlまで1:10(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、抗体Ch10/11を2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5,000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗ニワトリIgGからなる二次抗体50μl(標準的なサンドイッチELISA)、または1:50,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgG50μl(増幅サンドイッチELISA)とインキュベートした。室温でさらに1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄した。増幅ELISAを施したサンプルに関しては、HRP80-ストレプトアビジンを次いでプレートに加え、そのプレートを室温でさらに1時間インキュベートし、前と同様に洗浄した。最後に、全てのサンプルをTMBと共に30分間インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した。
図72中に示すように、本明細書で前に記載した標準的なサンドイッチELISAと比較して、ELISA中で結合Ch10/11抗体を検出するためにストレプトアビジンポリ-80ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)およびビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGを使用してより良い結果を得た。より詳細には、データは増幅サンドイッチELISAを使用した検出の有意な増大を示す。この増幅サンドイッチELISAの検出限界は約60pg/mlのRv1265タンパク質であり、半最大検出は約5ng/mlのRv1265タンパク質である。これは、観察した約2.6ng/mlのRv1265タンパク質の標準的なサンドイッチELISAの検出限界に都合よく匹敵し、半最大検出は約100ng/mlのRv1265タンパク質である。これらのデータは、Ch10/11抗体は増幅サンドイッチELISAフォーマットで検出用抗体としてMo788Cより優れている可能性があることも示唆した。
したがって、試験したアッセイ条件下、およびこの好ましい、ただし必須ではない、抗体の方向性で、低いバックグラウンドノイズおよび約60pg/mLのLODが存在する。サンドイッチELISAにおいて低いバックグラウンドと関係があるこのような検出感度は、本発明者らによって有用な限界内にあると考えられる。
6.抗Rv1265抗体と異なる結核菌分離株の間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのRv1265の適性をさらに評価するため、およびRv1265タンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、臨床結核菌株CSU93およびH878ならびに実験室結核菌株H37Rvの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
全細胞溶解物(1.8μg/ml、5.6μg/ml、16.7μg/ml、および50μg/ml、ブロッキングバッファー中に希釈)を、ほぼ本明細書に記載したように増幅サンドイッチELISAによって二連でRv1265の存在に関してアッセイした。全細胞溶解物中の内因性Rv1265タンパク質の濃度を標準曲線からの補間によって計算し、希釈係数に補正した。2つの独立した実験から測定した、これらの株中に存在した内因性結核菌Rv1265タンパク質のレベルを図73中に示す。データは、H37Rvに関して約1ng/細胞抽出物1μgの平均Rv1265レベル、および臨床分離株の全細胞抽出物中約300pg/μgを示す。
要約すると、これまでに得たデータは、Ch10/11抗体は、結核菌の臨床関連および実験室株の全細胞抽出物中の内因性Rv1265タンパク質を検出することができることを、したがって示す。
7.結核菌と非マイコバクテリウム病原体の間の低い交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのRv1265の適性をさらに評価するために、本発明者らは、結核菌株H37Rv(実験室株)、大腸菌、枯草菌、または緑膿菌の細胞抽出物の間で実施したサンドイッチELISAにおいて抗体の交差反応性を比較した。
増幅サンドイッチELISAは、異なる濃度の組換えRv1265タンパク質ならびに100ng/mlおよび100μg/mlの酵母、大腸菌、枯草菌、または緑膿菌の細胞抽出物の間で、ほぼ本明細書に記載したように実施した。
図74中に示すデータは、試験した条件下での、酵母、大腸菌、枯草菌または緑膿菌の細胞抽出物と結核菌Rv1265に対する抗体の低い交差反応性を示す。特に、試験した濃度の細胞抽出物間にはシグナルの差がほとんど、または全く存在せず、得られたシグナルが有意にバックグラウンドを超えることはなかった。対照的に、アッセイは1ng/ml未満の組換えRv1265タンパク質を検出した。
8.サンプルによるシグナル阻害の評価
例えばポイントオブケアまたは実地試験フォーマットにおいて、本発明のサンドイッチELISAを使用して試験する生物サンプル中に因子が存在するかどうかを評価するために、異なる濃度の組換え結核菌Rv1265タンパク質(すなわち、0〜8ng/ml)を連続希釈した血漿(図75)または痰(図76)と混合させ、代替増幅なしで前に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイフォーマットで、すなわち捕捉抗体としてMo788C、Ch10/11検出用抗体、およびビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびストレプトアビジンポリ-80HRP(「HRP80-ストレプトアビジン」)を含む検出系を使用して試験した。
試験した条件下で、非希釈または希釈血漿含有サンプルに関してシグナルの有意な抑制を観察した(図78)。
対照的に、この組の実験において非希釈痰含有サンプルに関してシグナルの抑制は観察しなかった(図79)。しかしながら、さらなる組の実験では、痰サンプルに10ng/mLの組換え結核菌Rv1265タンパク質を加え、生成したサンプルは3ステップで1:27(v/v)に連続希釈した。サンプルは一晩インキュベートし、本明細書で前に記載したように増幅ELISAによりアッセイした、またはすぐにアッセイした。図87および88中に示すデータ(右上図で示す「Rv1265」)は、Rv1265タンパク質のシグナル検出を阻害する因子を、いくつかの痰が含有することを示唆する。この場合シグナル強度は、アッセイをすぐに実施するか、または一晩のインキュベーション後に実施するかどうかと無関係に、非希釈痰の添加後に低減したからである。しかしながら、この場合シグナル強度の消失は痰を約1:3(v/v)希釈することにより阻害することができ、さらに希釈した場合シグナルは予想値を超えた。このような希釈は、痰の長期のインキュベーションによるシグナル強度のいかなる消失も妨げた。
総合すると、これらのデータは、痰中のRv1265の検出が、痰由来因子によって相当な程度悪影響を受けることはないことを示唆する。
9.異なるマイコバクテリウム種間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのRv1265の適性をさらに評価するため、およびRv1265タンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、マイコバクテリウム種結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Mo788Cで一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれのマイコバクテリウム種由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch10/11を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの希釈した二次抗体(例えば、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgG)と1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイした。較正標準曲線はRv1265タンパク質の標準レベルに基づいて作製した。
図77および78中に示すデータは、3マイコバクテリウム種間の検出可能な交差反応性を示さず、結核菌のRv1265タンパク質は、これらのアッセイ条件下および/または選択した抗体対を使用すると、結核菌に対して特異的であることを示す。これは、種特異的な一検体診断試験中の、または代替的に、本明細書に記載するかまたは当技術分野で知られているものなどの、一般にマイコバクテリウムまたは結核菌の他のマーカーに対する抗体を併用する多検体試験の一部としての、Rv1265タンパク質に対する抗体の有用性を支持する。例えば、Rv1265タンパク質に対する抗体を、本明細書に記載する結核菌KARIタンパク質および/または結核菌BSXタンパク質および/または結核菌EF-Tuおよび/または結核菌S9タンパク質に対する1つまたは複数の抗体と同時に利用することができる。
Rv1265タンパク質に対する抗体を、Rv1265陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用することもできる。
10.マイコバクテリウム細胞中で検出可能なRv1265タンパク質の相対レベル
マイコバクテリウム感染に関する診断マーカーとしてのRv1265の適性をさらに評価するために、Rv1265タンパク質のレベルを、本明細書で記載したBSX、EF-Tu、P5CR、S9、KARIおよびTetR様タンパク質を含めた10の他の結核菌抗原と比較して、結核菌株H37Rv、CSU93およびHN878の全細胞溶解物において、および結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエにおいて決定した。
増幅サンドイッチELISAを、ほぼ本明細書およびこの実施例および実施例1中に記載したように実施して、較正標準を含む標準プロトコルに従いそれぞれの抗原の相対レベルを同定し、定量化を可能にした。
図130〜131中に示すデータは、Rv1265は、全細胞タンパク質に基づいて表すと、試験した全3つの結核菌株において適度に豊富なタンパク質であることを示す。これに基づくと、結核菌BSX、Rv1265およびS9タンパク質は同レベル、一層高いレベルで発現されるKARI、および低レベルで発現されるEF-Tuと比較して中レベルで発現される。図126〜131中に示すデータによって、細胞単位当たり(図126〜127)または全細胞溶解物のタンパク質1マイクログラム当たり(図128〜129)または全細胞溶解物の濾液1マイクロリットル当たり(図130〜131)に基づいて発現を計算すると、これらの条件下でサンドイッチELISAによりタンパク質が容易に検出されなかったマイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエと比較して、結核菌中でのRv1265の非常に特異的発現を確認する。
これらのデータは、マイコバクテリウム感染の一検体マーカーとしての、またはKARIおよび/またはS9および/またはBSXタンパク質と組み合わせたマイコバクテリウム感染または結核菌感染に関する多検体試験の一部としてのRv1265の有用性を示唆する。結核菌感染の多検体試験に関する他の組合せを除外するわけではない。
11.代替増幅
サンドイッチELISAの感度をさらに高めるために、本発明者らは、捕捉抗体によるELISAプレートのコーティング後に反復的抗原結合を利用することによって、基本アッセイをさらに改変する。基本的にこれは、96ウェルELISAプレートの50μlの体積制限にもかかわらず、捕捉抗体と結合した抗原の増量をもたらす。簡単に言うと、この反復的抗原充填は、洗浄および検出用抗体の添加前に、サンドイッチELISA中で数回、例えば2または3または4または5回など、抗原結合ステップを繰り返すことを含む。本来、抗原サンプルのそれぞれのアリコートは、次のアリコートを加える前の標準的なインキュベーション時間後に除去する。反復数を変更して、過度の実験なしで、試験するサンプルの性質(例えば、サンプル型)に応じて、アッセイ(例えば、シグナル:ノイズ比、検出限界および半最大シグナルで検出される抗原の量などのパラメーター)を最適化することができる。
例えば、最大約20反復のサンプル充填(すなわち、最大20回の代替増幅)は、低いバックグラウンドシグナルをもたらすことができ、Rv1265タンパク質の検出限界を低減することができる。
結核菌伸長因子-Tu(EF-Tu)タンパク質と結合する抗体を使用した結核または結核菌による感染の抗原ベースの診断
1.TB陽性対象中のEF-Tuタンパク質の同定
タンパク質断片をTB+サンプル由来の血清の免疫グロブリン分画中で認めた。MALDI MSデータからの1ペプチドの配列は、SwissProtアクセッション番号P64789を有するタンパク質と一致した(配列番号29)。
配列番号29で述べるアミノ酸配列を有する同定した仮想タンパク質は「伸長因子-Tu」または「EF-Tu」として示した。EF-Tuタンパク質の推定分子量は約43.59kDaであり、その推定等電点は約5.28である。
2.診断用試薬としてのEF-Tuおよびそれに対する抗体の検証
a)患者の血清におけるEF-Tuに対する抗体の検出によるEF-Tuの検証
結核菌感染の診断マーカーとしてのEF-Tuを検証するために、完全長組換えタンパク質を、TB+およびTB-対象の血清に対する免疫反応に関する一カ所ELISAによってスクリーニングした。簡単に言うと、組換えEF-Tuを20μg/mlの濃度においてウェル当たり50μlでELISAプレート上に固定した。1:100(v/v)希釈したTBおよび非TB対象由来の血漿を、ELISAプレートのそれぞれのウェルに次いで加えた。結合したヒトIgGは、1:50,000(v/v)希釈したヒツジ抗ヒトIgG HRP結合体の結合、およびウェル当たり50μlでTMB基質を用いた後の発色によって検出した。図89中に示すように、TBに罹患した何人かの対象(HIV+とHIV-の両方)がそれらの血清中にEF-Tuタンパク質に対する抗体を有していた。これらのデータは、結核菌に感染した対象は、それらがさらにHIVに感染しているかどうかと無関係に、EF-Tuに対する抗体を生成することを示唆する。これらのデータは、EF-Tuには結核菌感染または結核の診断用のバイオマーカーとしての有用性があることを示す。
b)EF-Tuタンパク質の直線状B細胞エピトープマッピングによるEF-Tuの検証
結核菌感染のマーカーとしてのEF-Tuをさらに検証するために、タンパク質の直線状B細胞エピトープマッピングを実施して、EF-Tuタンパク質の免疫原性エピトープを同定した。配列番号29で示す一次アミノ酸配列から一組の82の合成ペプチド(PEPSET)を生成した。それぞれの合成ペプチドを、アミノ酸残基Ser-Gly-Ser-Glyからなるスペーサーを介してビオチンと結合させて、ELISAアッセイにおけるそれらの使用を容易にした。
TBと診断された対象から単離した血清およびコントロール対象から単離したコントロール血清を、PEPSETのペプチドを用いたワンサイトELISAによりスクリーニングして、結核菌に感染した対象がそれに対して免疫応答を示すペプチドを同定した。試験した血清は、南アフリカ(S.A.)のズールー人のTB陽性個体、S.A.のズールー人のTB陰性個体、中国人のTB陽性個体、中国人のTB陰性個体、人種未知の世界保健機関(WHO)のTB陽性個体、人種未知のWHOのTB陰性個体、およびオーストラリアのカフカス人のTB陰性対象個体由来であった。簡単に言うと、Nunc-Immune-module maxisorpのウェルを、milli-Q水中に希釈した100μl/ウェルの5μg/mlストレプトアビジンを用いて、室温で一晩または週末に4℃でコーティングした。ストレプトアビジンをウェルから除去し、それぞれのウェルは、ウェル当たり1.0%(w/v)のカゼイン、0.1%(v/v)のTween20および0.1%(w/v)のアジド(ブロッカー)を含有する400μlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)でブロッキングした。1時間後、ブロッカーを除去し、プレートを撹拌しながら、それぞれのウェルはブロッカーに溶かした100μlのビオチニル化ペプチドで1時間コーティングした。その後、それぞれのウェルを、0.5×PBS/0.05%のTween20を用いてElx405自動プレート洗浄器(Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)を使用して洗浄し、吸収紙上で乾燥させ、乾燥剤と共に4℃で保存したか、またはすぐに使用した。これに、ブロッカーに1:50(v/v)希釈した50μlの患者血清中で撹拌しながらの1時間のインキュベーションを続けた。このインキュベーション後、全てのウェルを、層流中で0.5×PBS/0.05%のTween20を使用し、Elx405自動プレート洗浄器(Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)を使用して洗浄し、流出乾燥させた。80μlのヒツジ抗ヒトIgGホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合体を、次いでそれぞれのウェルに加えた。結合体はPBS/0.1%(w/v)、カゼイン/0.1%(v/v)、Tween20/0.1%(w/v)のチメロサールに1:10,000(v/v)希釈し、撹拌しながら1時間インキュベートした。次いでそれぞれのウェルを、PBSを使用しElx405自動プレート洗浄器(Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)を使用して洗浄した。最後に、80μlの液体TMB基質ベース系(Sigma)をそれぞれのウェルに加え、ウェルは20分間暗所において室温でインキュベートした。反応は80μlの0.5M硫酸を加えることによって停止させた。それぞれのペプチドは二連でアッセイし、複製が再現可能ではない可能性があった場合は繰り返した。
免疫原性ペプチドはペプチド吸光度の分布において異常値を示し、正常統計値の計算により対数正規化変換に従い検出し、平均および標準偏差は確かなM-Estimatorによって推定した。この手段によって同定したEF-Tuの免疫原性ペプチドのアミノ酸配列は以下のTable 2(表3)中に示す。
c)ウエスタンブロットによるEF-TuおよびEF-Tuに対する抗体の検証
結核菌株H37Rv由来のEF-Tuタンパク質のアミノ酸配列を配列番号29として表す。その翻訳産物は、約43.6kDaの予想分子量を有する。ほぼ実施例1中に記載したように実施したヘキサヒスチジンタグ組換えEF-Tuタンパク質の一次元SDS/PAGE分析は、翻訳産物およびヘキサヒスチジンタグ部分の理論質量に基づいた融合タンパク質の予想質量である約45kDaの、一本のバンドとしてEF-Tuタンパク質が移動したことを示した(データ示さず)。
結核菌H37Rv、CSU93およびHN878由来の全細胞抽出物のウエスタンブロット解析を、EF-Tu/NusA融合タンパク質に対してニワトリにおいて調製した「Ch49」で示すポリクローナル抗体からなる抗体プローブを使用して、またはEF-Tuのアミノ酸配列(配列番号35)由来の免疫原性ペプチドを使用してマウスにおいて調製した「Mo683B」で示すモノクローナル抗体を用いて実施した。これらの抗体の調製物は以下に記載する。抗体の結合は、それぞれの場合HRP結合二次抗体を使用して検出した。
両方の抗体が、天然EF-Tuタンパク質の予想分子量(すなわち、約43.6kDa)を有した全3株の結核菌株由来の全細胞溶解物中のバンドを認識し、かつ約45kDaの若干大きな組換えEF-Tuタンパク質を検出した(データ示さず)。バックグラウンドはほとんど、または全く検出できなかった。
Mo683Bの競合ウエスタンブロット解析は、ほぼ実施例1中に記載したように実施した。簡単に言うと、100倍モル過剰の組換えEF-Tuを、組換えEF-Tuタンパク質を含有するウエスタンブロットのプローブ処理前にMo683Bとプレインキュベートした。データは、モノクローナル抗体と組換えEF-Tuタンパク質の結合は、抗体と過剰濃度の非標識組換えEF-Tuタンパク質のプレインキュベーション(データ示さず)によって除去することができたことを示した。
要約すると、利用可能なデータは、抗体Mo683BおよびCh49は、全細胞抽出物中の結核菌EF-Tuタンパク質と特異的に結合することを示す。
3.抗体
本明細書に記載する手順を使用して組換えEF-Tuタンパク質およびEF-Tuの免疫原性ペプチド(以下参照)に対する抗体を調製し、結核菌感染の診断用試薬としてのそれらの適性に関してスクリーニングした。
a)結核菌EF-Tuと結合するモノクローナル抗体の単離
モノクローナル抗体生成用に選択した抗体は以下の通りであった:
(i)NUSタンパク質と融合した組換え完全長EF-Tuタンパク質、および
(ii)アミノ酸配列VINVNEEVEIVGIRPSTTKC(配列番号35)を含むペプチド。
それらの標準プロトコルに従ったモノクローナル抗体の作製用に、これらの抗原のそれぞれがNeoClone、Madison、Wisconsin、USAに与えられた。簡単に言うと、BALB/cByJ雌マウスを、Neocloneの標準的な免疫処置法に従い、担体と結合したペプチドを用いて免疫処置した。免疫処置したマウスの出血試験は、ビオチニル化ペプチドを使用して品質管理用の血清ELISAにおいて使用するために定期的な間隔で実施した。最高力価を有するポリクローナル血清はELISAを使用して決定した。少なくとも1,000のポリクローナル抗体力価を有するマウスは、ABL-MYC感染過程に使用した。ペプチド抗原と交差反応するポリクローナル抗体の最高力価を有するマウスの脾臓は、Neocloneの標準的な感染手順に従いABL-MYC感染に使用した。ABL-MYC感染マウスの脾臓細胞をナイーブマウスに移植した。
移植マウス中で発生した腹水は単離し、標的ペプチド抗原と結合するモノクローナル抗体(mAb)を生成する細胞に関してスクリーニングした。
モノクローナル抗体を生成する15個の異なる形質細胞腫は合成ペプチド(配列番号35)を使用して得て、これらは「Mo524A」、「Mo524B」、「Mo524C」、「Mo524D」、「Mo524E」、「Mo524F」、「Mo525B」、「Mo525D」、「Mo525F」、「M0680A」、「Mo681E」、「Mo682A」、「Mo683B」、「Mo684A」および「Mo685B」で示した。モノクローナル抗体を生成する他の6つの形質細胞腫はNusAと融合した組換えEF-Tuタンパク質を使用して生成して、これらは「Mo520C」、「Mo521C」、「Mo521D」、「Mo521F」、「Mo522A」、および「Mo522E」で示した。Mo683B、Mo682A、Mo685BおよびMo684Aで示す細胞系は細胞系524Dから派生した。Mo681Eで示す細胞系は細胞系Mo522Eから派生した。細胞系Mo680Aは細胞系Mo521Fから派生した。
一例では、モノクローナル抗体Mo521F、Mo524DおよびMo522Eを生成する形質細胞腫は、完全長組換えEF-Tuと結合することができることを示した。
別の例では、Mo524D、Mo521F、Mo683B、Mo682A、Mo685B、Mo684A、Mo681EおよびMo680Aで示すモノクローナル抗体は、プロテインGまたはプロテインAカラムを使用して腹水から精製した。
モノクローナル抗体調製物は以下のように一カ所ELISAによって滴定した。組換えEF-Tuタンパク質を、約17μg/mlの濃度でELISAプレートの底部にコーティングした。Mo524D、Mo521F、Mo683B、Mo682A、Mo685B、Mo684A、Mo681EおよびMo680Aで示すモノクローナル抗体のそれぞれのアリコートを、5pg/mlまでの様々な最終濃度まで加えた。次いで抗体の結合を、標準条件下でヒツジ抗マウスHRP抗体結合体を使用して検出した。吸光度は450nmおよび620nmで測定し、450nmと620nmでの吸光度の差を測定した。平均データを得た。このアッセイの結果は図90中に示す。
モノクローナル抗体を滴定するためのさらなるアッセイでは、組換えEF-Tuを、約81.4ng/ml〜約79.5ng/mlの範囲の濃度でELISAプレートの底部にコーティングした。Mo524D、Mo521F、Mo683B、Mo682A、Mo685B、Mo684A、Mo681EおよびMo680Aで示すモノクローナル抗体のそれぞれのアリコートを2.5μg/mlで加えた。次いで抗体の結合を、標準条件下でヒツジ抗マウスHRP抗体結合体を使用して検出した。平均データを得た。このアッセイの結果は図91中に示す。
b)結核菌EF-Tuと結合するポリクローナル抗体の調製
2つの別群のポリクローナル抗体を、標準的な方法を使用して、単独またはNUSタンパク質と融合させたいずれかの、完全長組換えEF-Tuタンパク質を用いたニワトリの免疫処置によって生成した。免疫グロブリン分画は、硫安沈殿によって免疫処置したニワトリが産んだ卵から精製した。あるいは、免疫処置したメンドリの血清から抗体を精製した。完全長組換えタンパク質に対する2つの別群のニワトリポリクローナル抗血清を調製し、これらは(EF-Tu-NusAに対して調製した)「Ch49」および(組換えEF-Tuに対して調製した)「Ch50」で示した。
ポリクローナル抗体を、場合によってはシステイン残基とC末端で融合させた配列番号35で述べる免疫原性EF-Tuペプチドを用いた、標準的な手順を使用して、ニワトリまたはウサギの免疫処置によってさらに調製した。5つの別個のポリクローナル抗血清を生成し、これらは「Ch36」、「Ch37」、「Ch38」(C末端システイン残基を有する配列番号35を使用してニワトリにおいて調製)、「Rb29」(C末端システイン残基を有する配列番号35を使用してウサギにおいて調製)、および「Rb8」(配列番号35を使用してウサギにおいて調製)で示した。
完全長組換えEF-Tuに対するポリクローナル抗体調製物は、標準的な手順を使用してアッセイしたとき高い力価を有しており(データ示さず)、本明細書中のさらなる診断試験は、Ch49およびCh50で示すポリクローナル血清を使用して実施した。
4.結核菌EF-Tuタンパク質を検出するための標準ELISA
サンドイッチELISAアッセイを、捕捉抗体として2羽の免疫処置したメンドリのうち1羽からのニワトリ抗EF-Tuポリクローナル抗体、および検出用抗体として3つの異なるモノクローナル抗体、すなわちMo683B、Mo524DおよびMo521Fで示す抗体の1つを使用して実施した。簡単に言うと、以下の3つの標準ELISAプロトコルを使用してELISAを実施した:
a)抗体の滴定
1.ELISAプレートを、10μg/mlまたは5μg/mlの濃度でメンドリ番号49(「Ch49」)由来のニワトリポリクローナル抗体でコーティングした。A280=0.235でストック溶液から1対2000〜1対2,275,328の希釈液からの滴定量の組換えEF-Tuを加えた。抗原の検出は、5μg/mlまたは2.5μg/mlの濃度でモノクローナル抗体Mo683Bを使用して実施し、次に1:5000(v/v)希釈でヒツジ抗マウスIgHRP結合体を使用して検出した。データは図92中に示す。
2.ELISAプレートを、5μg/mlの濃度でメンドリ番号50(「Ch50」)由来のニワトリポリクローナル抗体でコーティングした。滴定量の組換えEF-Tuを、約75.7ng/ml〜約73.9pg/mlの範囲の濃度で加えた。抗原の検出は、5μg/mlの濃度でMo683B、Mo524DまたはMo521Fで示すモノクローナル抗体の1つを使用して実施し、次に1:5000(v/v)希釈でヒツジ抗マウスIgHRP結合体を使用して検出した。データは図93中に示す。
3.ELISAプレートを、2.5μg/mlの濃度でメンドリ番号49またはメンドリ番号50(「Ch50」)のいずれか由来のニワトリポリクローナル抗体でコーティングした。滴定量の組換えEF-Tuを、約122.9ng/ml〜約120pg/mlの範囲の濃度で加えた。抗原の検出は、2.5μg/mlの濃度でMo683Bで示すモノクローナル抗体を使用して実施し、次に1:5000(v/v)希釈でヒツジ抗マウスIgHRP結合体を使用して検出した。データは図94中に示す。
b)好ましい抗体の方向
このプロトコルは、本発明者らが、最適な捕捉および検出用抗体、および使用に適した抗体濃度をどのように決定するかの一例を与える。簡単に言うと、ELISAプレートのウェルは、5μg/ml濃度または10μg/ml濃度のMo683B抗体、または2.5μg/ml濃度または5μg/ml濃度のCh49抗体50μlで一晩コーティングする。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えEF-Tuタンパク質を500ng/mlの出発濃度から22.86pg/mlまで1:3(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加える。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、50μlの別の検出用抗体(すなわち、EF-Tu-Mo683B複合体を検出するために2.5μg/mlもしくは5μg/mlもしくは10μg/mlでCh49、またはEF-Tu-Ch49複合体を検出するために5μg/mlもしくは10μg/mlもしくは20μg/mlでMo683B)を、結合抗原-抗体複合体と接触させる。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、Ch49を検出するためのヒツジ抗ニワトリIgGまたはMo683Bを検出するためのヒツジ抗マウスIgG)とインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を次いで測定する。
さらなる実験中、ELISAプレートのウェルは、5μg/ml濃度のCh49またはMo683B抗体50μlで一晩コーティングする。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えEF-Tuタンパク質を500ng/mlの出発濃度から22.86pg/mlまで1:3(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加える(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、別の検出用抗体、すなわちEF-Tu-Mo683B複合体を検出するためのCh49およびEF-Tu-Ch49複合体を検出するためのMo683Bを、2μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させる。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、Ch49を検出するためのヒツジ抗ニワトリIgGまたはMo683Bを検出するためのヒツジ抗マウスIgG)とインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を次いで測定する(y軸)。
5.結核菌EF-Tuタンパク質の検出に関する増幅サンドイッチELISA
この実施例は、捕捉試薬としてポリクローナル抗体Ch49および検出用試薬としてMo683Bで示すモノクローナル抗体を使用したサンドイッチELISAによって、EF-Tuタンパク質の検出に最適化された要因を実証する。例えば、前の実施例中の滴定データは、この抗体の組合せは、本明細書に記載する他の抗体の組合せより少ないEF-Tuタンパク質を検出したことを示したので、この抗体対を選択した。これらのプロトコルは例示のためのみに与え、具体的に記載しない他の抗体の組合せに容易に適用することができることは理解されよう。
この実施例中、捕捉試薬としてポリクローナル血清Ch49および検出用試薬としてビオチニル化モノクローナル抗体Mo683B(すなわち、「Mo683B-Bio」)を使用して、ほぼこの実施例中および実施例1中に記載したように増幅ELISAを実施した。ELISAプレートは、2μg/ml濃度の捕捉抗体Ch49で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えEF-Tuタンパク質を100ng/mlの出発濃度から1.0pg/mlまで1:10(v/v)に連続希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた(x軸)。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、ビオチニル化抗体Mo683B-Bioを2.0μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗マウスIgGからなる二次抗体50μl(標準的なサンドイッチELISA)、または1:2,500(v/v)希釈したHRP80-ストレプトアビジン50μlとインキュベートした。ポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体もHRP80-ストレプトアビジンの代わりに利用することができる。次いでプレートを室温でさらに1時間のインキュベートし、前と同様に洗浄した。最後に、全てのサンプルをTMBと共に30分間(標準ELISA)または10分間(増幅ELISA)インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した。
図95中に示すように、本明細書で前に記載した標準的なサンドイッチELISAと比較して、ストレプトアビジンポリ-80ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)およびビオチニル化Mo683Bを使用してより良い結果を得た。より詳細には、データは増幅サンドイッチELISAを使用した検出の有意な増大を示す。この増幅サンドイッチELISAの検出限界は約154pg/mlのEF-Tuタンパク質である。これは、観察した約2.172ng/mlのEF-Tuタンパク質の標準的なサンドイッチELISAの検出限界に都合よく匹敵する。
類似条件下での別の実験中、これらの条件下での増幅サンドイッチELISAのLODは、標準的なELISAの296pg/mLと比較してわずか46pg/mLであった(データ示さず)。サンドイッチELISAにおいて低いバックグラウンドと関係があるこのような検出感度は、本発明者らによって有用な限界内にあると考えられる。
6.抗EF-Tu抗体と異なる結核菌分離株の間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのEF-Tuの適性をさらに評価するため、およびEF-Tuタンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、臨床結核菌株CSU93およびH878ならびに実験室結核菌株H37Rvの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施したサンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
本明細書で記載した増幅ELISAをさらに使用して、実験室株H37RVおよび臨床分離株CSU93およびHN878の全細胞抽出物中の組換えEF-Tuタンパク質を検出した。組換えタンパク質(1.8μg/ml、5.6μg/ml、16.7μg/ml、および50μg/ml、ブロッキングバッファー中に希釈)を全細胞溶解物に加え、ほぼ本明細書に記載したように増幅サンドイッチELISAによって二連でサンプルをアッセイした。全細胞溶解物中の内因性EF-Tuタンパク質の濃度は、標準曲線からの補間および組換えEF-Tuタンパク質添加に対応したシグナルの控除によって計算した。
2つの独立した実験から測定した、これらの株中に存在した内因性結核菌EF-Tuタンパク質のレベルを図96中に示す。データは、H37Rvに関して約65pg/細胞抽出物1μgの平均EF-Tuレベル、および臨床分離株の全細胞抽出物中約10pg/μgを示す。
要約すると、これまでに得たデータは、Ch49/Mo683B抗体対は、結核菌の臨床関連および実験室株の全細胞抽出物中の内因性EF-Tuタンパク質を検出することができることを、したがって示す。
7.結核菌と非マイコバクテリウム病原体の間の低い交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのEF-Tuの適性をさらに評価するために、本発明者らは、結核菌株H37Rv(実験室株)、大腸菌、枯草菌、または緑膿菌の細胞抽出物の間で実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の交差反応性を比較した。
簡単に言うと、増幅サンドイッチELISAを、異なる濃度の組換えEF-Tuタンパク質ならびに2mg/mlおよび500μg/mlの大腸菌、枯草菌または緑膿菌の細胞抽出物を使用して、本明細書に記載したように実施した。
図97中に示すデータは、試験した条件下での、大腸菌、枯草菌または緑膿菌の細胞抽出物と結核菌EF-Tuに対する抗体の低い交差反応性を示す。特に、試験した濃度の細胞抽出物間にはシグナルの差がほとんど、または全く存在せず、得られたシグナルが有意にバックグラウンドを超えることはなかった。対照的に、アッセイは1ng/ml未満の組換えEF-Tuタンパク質を検出した。
8.異なるマイコバクテリウム種間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのEF-Tuの適性をさらに評価するため、およびEF-Tuタンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、マイコバクテリウム種結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Ch49で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれのマイコバクテリウム種由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Mo683B-Bioを結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、または1:2,500(v/v)希釈したHRP80-ストレプトアビジン50μlとインキュベートした。ポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体もHRP80-ストレプトアビジンの代わりに利用することができる。プレートを再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイした。較正標準曲線はEF-Tuタンパク質の標準レベルに基づいて作製した。
図100中に示すデータは、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエとの低レベルの交差反応性を示すが、しかしながら、結核菌との一層強い反応性は明らかに明白であった。例えば、EF-Tuタンパク質に対する抗体を、EF-Tu陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用することができる。
データは、利用するアッセイ条件の感度に応じて、EF-Tuが一般にマイコバクテリウムの検出、または結核菌の特異的検出に適したマーカーであることを示唆する。EF-Tuに対する抗体は単独で、または本明細書に記載する結核菌Rv1265および/または結核菌BSXタンパク質および/または結核菌KARIおよび/または結核菌S9タンパク質に対する1つまたは複数の抗体と、および好ましくは試験した他のマイコバクテリウムに対する低い交差反応性を有する、Rv1265に対する抗体、BSXに対する抗体およびS9に対する抗体から選択される抗体と同時に利用することができる。
9.臨床サンプル中のEF-Tuタンパク質の検出
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのEF-Tuの適性をさらに評価するために、本発明者らは、塗抹検査および結核菌培養アッセイの結果に基づいて以前にTB陽性と診断された対象から得た臨床サンプル中の、内因性EF-Tuタンパク質を検出する抗体の能力を決定した。
一例では、組換え結核菌EF-Tuタンパク質(3.3ng/ml)を痰(図96)または血漿(図97)の連続希釈液と混合し、代替増幅なしで前に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイフォーマットで、すなわち捕捉抗体としてCh49、およびビオチニル化Mo683B-Biモノクローナル抗体を含む検出系、次にストレプトアビジンポリ-80HRP(「HRP80-ストレプトアビジン」)を使用して試験した。
試験した条件下で、組換えEF-Tuを希釈サンプル中で検出することができ、実現性を実証することができた(図98および99)。
別の例では、塗抹検査および結核菌培養アッセイの結果に基づいて以前にTB陽性と診断された対象から得た臨床サンプル中の、内因性EF-Tuタンパク質を検出する抗体の能力を、他のマーカーに関して本明細書にほぼ記載したように決定する。患者は塗抹と培養試験の結果の両方、およびHIV状態に基づいてソーティングする。対象は、塗抹検査陰性と培養試験陰性の両方またはあるいは、塗抹検査陽性と培養試験陽性の両方である。
簡単に言うと、標準または増幅サンドイッチELISAを、本明細書に記載した方法によって調製し、代替増幅プロトコル(以下参照)の下で、好ましくは最大約20×150マイクロリットルアリコートとしてアッセイした痰サンプルに、本明細書で前に記載したように実施する。ELISAプレートは捕捉抗体Ch49で一晩コーティングする。非結合抗体を除去するための洗浄後、処理した痰を抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加える。それぞれのアッセイの陰性対照として、バッファーを使用する。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Mo683BまたはMo683B-Bioを結合抗原-抗体複合体と接触させる。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、Mo683B用の50μlの二次抗体(すなわち、ビオチニル化ロバ抗マウスIgG)を利用する(共にインキュベートする)。Mo683B-Bio検出用抗体または必要に応じてビオチニル化ロバ抗マウスIgGとのインキュベーション後、ポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体を加え、サンプルは1時間インキュベートし、再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定する。
10.サンプルによるシグナル阻害の評価
例えばポイントオブケアまたは実地試験フォーマットにおいて、本発明のサンドイッチELISAを使用して試験する生物サンプル中に因子が存在するかどうかを評価するために、組換え結核菌EF-Tuタンパク質(3.3ng/ml)を痰(図96)または血漿(図97)の連続希釈液と混合し、前に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイフォーマットで、すなわち捕捉抗体としてCh49、およびビオチニル化Mo683Bモノクローナル抗体を含む検出系、次にストレプトアビジンポリ-80HRP(「HRP80-ストレプトアビジン」)を使用して試験した。
試験した条件下で、非希釈または希釈痰または血漿含有サンプルに関してシグナルの有意な抑制を観察した(図98および99)。両方の場合、シグナルの抑制またはクエンチングは、ブロッキングバッファー中に痰または血漿を希釈することによって除外することができた。
11.マイコバクテリウム細胞中で検出可能なEF-Tuタンパク質の相対レベル
マイコバクテリウム感染に関する診断マーカーとしてのEF-Tuの適性をさらに評価するために、EF-Tuタンパク質のレベルを、本明細書で記載したBSX、KARI、S9、Rv1265、P5CR、およびTetR様タンパク質を含めた10の他の結核菌抗原と比較して、結核菌株H37Rv、CSU93およびHN878の全細胞溶解物において、および結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエにおいて決定した。
増幅サンドイッチELISAを、ほぼこの実施例および実施例1中に記載したように実施して、較正標準を含む標準プロトコルに従いそれぞれの抗原の相対レベルを同定し、定量化を可能にした。
図124〜125中に示すデータは、BSX、KARI、Rv1265およびS9タンパク質と比較して結核菌細胞中でEF-Tuが低レベルで発現されることを示す。EF-Tuタンパク質は、試験した臨床単離株よりH37Rv中でも一層高いレベルで発現される。
他方で、図126〜131中に示すデータは、EF-Tuタンパク質は、試験した他のマイコバクテリウムと比較して結核菌中において一層高いレベルで発現されることを示す。
全体として、これらのデータは、マイコバクテリウム感染の一般的な一検体マーカーとしての、または例えばBSXおよび/またはKARIおよび/またはS9および/またはRv1265タンパク質と組み合わせたマイコバクテリウム感染または結核菌感染に関する多検体試験の一部としてのEF-Tuの有用性を示唆する。結核菌感染の多検体試験に関する他の組合せを除外するわけではない。
11.検出限界の最適化
サンドイッチELISAの感度をさらに高めるために、代替増幅手順を利用して、捕捉抗体によるELISAプレートのコーティング後に反復的抗原結合を実施する。基本的にこれは、96ウェルELISAプレートの50μlの体積制限にもかかわらず、捕捉抗体と結合した抗原の増量をもたらし得る。簡単に言うと、この反復的抗原充填は、洗浄および検出用抗体の添加前に、サンドイッチELISA中で数回、例えば2または3または4または5回など、抗原結合ステップを繰り返すことを含む。本来、抗原サンプルのそれぞれのアリコートは、次のアリコートを加える前の標準的なインキュベーション時間後に除去する。反復数を変更して、過度の実験なしで、試験するサンプルの性質(例えば、サンプル型)に応じて、アッセイ(例えば、シグナル:ノイズ比、検出限界および半最大シグナルで検出される抗原の量などのパラメーター)を最適化することができる。
一例では、5反復のサンプル充填(すなわち、5回の代替増幅)を利用して、低いバックグラウンドシグナル、および結核菌EF-Tuタンパク質の低減した検出限界をもたらすことができる。
別の例では、最大約20反復のサンプル充填(すなわち、最大20回の代替増幅)は、低いバックグラウンドシグナルをもたらすことができ、EF-Tuタンパク質の検出限界を低減することができる。
結核菌P5CRタンパク質と結合する抗体を使用した結核または結核菌による感染の抗原ベースの診断
1.TB陽性対象中のP5CRタンパク質の同定
約15kDaの分子量を有するタンパク質分画をTB+サンプル由来の血漿の免疫グロブリン分画中で認めた。MALDI-TOFデータからの5ペプチドの配列(配列番号37〜41含む)は、SwissProtアクセッション番号Q11141(配列番号36)を有するタンパク質と一致した。これらの5ペプチドの配列(配列番号37〜41)によるQ11141のパーセント被覆度は約19%であり、これらのペプチド断片はこの同じタンパク質マーカーに由来したことを示唆した。
配列番号36で述べるアミノ酸配列を有する同定したタンパク質は「P5CR」として示した。P5CRタンパク質の推定分子量はわずか約30.2kDaであり、その推定等電点は約4.7である。
2.抗体
a)結核菌P5CRタンパク質のペプチド断片に対して調製した抗体
完全長P5CRのアミノ酸残基43〜61(配列番号42)または残基238〜255(配列番号43)を含む合成ペプチドを、標準手順に従い合成した。これらのペプチドは、マレイミドカプロイル-N-ヒドロキシスクシンイミドリンカーを介してキーホールリンペットヘモシアニン(KHL)と結合させることが可能である。これらのエピトープペプチドに対して産生した抗体の検出を容易にするために、それらはGSGLスペーサーを用いて合成し、ビオチンと結合させることも可能である。ウサギを、標準手順に従い、配列番号42または配列番号43で述べるアミノ酸配列を含む合成ペプチドで免疫処置した。動物の血液を得た。全ての血液は滅菌容器中に回収し、血清は血栓除去後に回収した。
4つのウサギ抗体調製物、配列番号43に対する特異性を有する抗体Rb33およびRb34、ならびに配列番号42に対する特異性を有する抗体Rb37およびRb38を得た。
ポリクローナル抗体も、配列番号42で述べる配列を含む合成ペプチドを使用してニワトリにおいて生成した。
ニワトリにおいて生成したポリクローナル抗血清を滴定するために、rP5CRタンパク質を5μg/mlの濃度でNunc免疫プレートに固定した。溶液を除去し、ブロッキングバッファー(1%(w/v)のカゼイン、0.1%(v/v)のTween20、0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム、PBS中)を使用してウェルをブロッキングした。ブロッキングバッファーを除去し、血清は加えたPBS中に希釈し、抗体と結合P5CRタンパク質が複合体形成するのに十分な時間、一般に室温で約1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、抗体とP5CRタンパク質の結合は、結合体希釈バッファー中に1:5000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗ニワトリIgGを使用して検出した。50ミリリットル(50ml)のTMB(3,3',5',5-テトラメチルベンジジン;Sigma)をそれぞれのウェルに加え、プレートは暗所で30分間インキュベートした。発色は50μL/ウェルの0.5M硫酸の添加によって停止させた。それぞれのウェルの光学濃度は、450nmの波長および620nmにおける吸光を使用して、マイクロタイタープレートリーダー(PowerWavex340プレートリーダー、Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)で読み取った。滴定の結果は図101中に示す。
ウサギ抗血清を試験するために、ストレプトアビジン(Sigma Aldrich)を二回蒸留水(ddH2O)中に5μg/mlに希釈し、4℃においてNuncプレート中で一晩インキュベートした。次いで溶液をプレートから除去し、250μLのブロッキングバッファー(1%(w/v)のカゼイン、0.1%(v/v)のTween20、0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム、PBS中)をそれぞれのウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。ブロッキングバッファーを除去し、ビオチニル化ペプチド(配列番号42)を3μg/ml〜50μl/ウェルでブロッキングバッファー中に加え、シェーカーで室温において1時間インキュベートした。プレートは、Elx405自動プレート洗浄器(Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)中で0.5×PBS/0.05%(v/v)のTween20溶液を用いて洗浄し、過剰な溶液はプレートからペーパータオル上に流出させた。ウサギ血清は1:500(v/v)から1:1,024,000(v/v)までブロッキングバッファー中に希釈し、シェーカーで室温において50μl/ウェルで1時間インキュベートした。プレートは0.5×PBS/0.05%(v/v)のTween20溶液を使用してプレート洗浄器で洗浄し、過剰な溶液はペーパータオル上に流出させた。配列番号42とウサギ抗体の結合は、結合体希釈バッファー中に1:5000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗ウサギIgG(Chemicon)を使用して検出した。50ミリリットル(50ml)をそれぞれのウェルに加え、シェーカーで室温において1時間インキュベートした。プレートは0.5×PBSを使用してプレート洗浄器で洗浄し、過剰な溶液はペーパータオル上に流出させた。50ミリリットル(50ml)のTMB(3,3',5',5-テトラメチルベンジジン;Sigma)をそれぞれのウェルに加え、プレートは暗所で30分間インキュベートした。発色は50μL/ウェルの0.5M硫酸の添加によって停止させた。それぞれのウェルの光学濃度は、450nmの波長および620nmにおける吸光を使用して、マイクロタイタープレートリーダー(PowerWavex340プレートリーダー、Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)で読み取った。配列番号42に関する血清滴定データは図102中に示す。
抗体Rb33および/またはRb34に関する滴定データは示さないが、同様のプロトコルを使用して、配列番号43の配列を含むペプチドに対するこれらのポリクローナル抗体を滴定する。
ペプチド、すなわち配列番号42を滴定するために、前に記載したのとほぼ同じプロトコルを使用した。しかしながら、ビオチニル化ペプチドを20,480pg/mlから100pg/mlまで滴定し、ウサギ血清を1:500(v/v)および1:2000(v/v)の希釈でELISAに加えた。この分析の結果は図103中に示す。配列番号43の配列を含むペプチドに関する滴定データは示さないが、同様のプロトコルを使用して、抗体Rb33および/またはRb34に対するペプチドを滴定する。
c)結核菌P5CRに対して調製した組換え抗体
P5CRに対する組換え抗体は、本明細書に記載する組換え抗体生成に関する標準手順を使用して、本出願人/譲受人との契約の下で抗体を生成した、AbD Serotec、MorphoSys AG、ドイツの一部門から得た。
Ph4549、Ph4464-4470およびPh4550.2で示す、いくつかの組換え抗体調製物をAbD Serotecから得た。標準ELISA中、Ph4550.2で示す抗体は高力価の抗体であると考えられ、かつ本明細書のさらなる診断試験は、したがってPh4550.2抗体を使用して実施した。
d)組換え結核菌P5CRタンパク質に対して調製した抗体
2つの他の抗体調製物を、標準手順を使用したニワトリの免疫処置によって、完全長組換え結核菌タンパク質(配列番号36)に対して調製した。「Ch6」および「Ch7」で示すニワトリポリクローナル抗血清の2つの別個のバッチをP5CRタンパク質に対して生成し、次いでこれらをプールして、本明細書において「Ch6/7」で示す抗体を生成した。
標準手順を使用して組換えP5CRタンパク質に対する3つのモノクローナル抗体も生成し、これらはMo1027D、Mo1028CおよびMo1028Dで示した。
P5CRに対するこのポリクローナル抗体調製物は標準手順を使用してアッセイすると最高力価を有しており(データ示さず)、かつCh6/7で示すポリクローナル血清を使用して、本明細書のさらなる診断試験を実施した。
3.P5CRおよび抗体の検証
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのP5CRの適性をさらに評価するために、本発明者らは、Ch6/7ポリクローナル血清または、別組の実験中では組換え抗体Ph4550.2を使用したウエスタンブロッティングによって、臨床結核菌株CSU93およびHN878、および実験室結核菌株H37Rvの細胞抽出物間の抗体反応性を比較した。
簡単に言うと、ウエスタンブロッティングを、10%(w/v)Bis-Tri Nu-PAGE(Invitrogen、Carlsbad CA、USA)での電気泳動によって分離しPVDF活性化膜(Immobilon-P、Millipore Inc、USA)に移したタンパク質において実施した。移動後、膜を40%(v/v)エタノール/10%(v/v)酢酸の0.008%DB-71(Sigma Chemical Co.USA)中で7分間インキュベートし、40%(v/v)エタノール/10%(v/v)酢酸中で軽くすすぎ、スキャンしてタンパク質の移動を視覚的に確認し、Triton-X100を含有するトリス緩衝生理食塩水(TBS-T)中ですすいだ。乾燥した膜はメタノール中で再度活性化し、4℃で一晩ブロッキングバッファー(1%(w/v)のウシ血清アルブミンを含有するTBS-T)に移した。ポリクローナル血清Ch6/7または組換え抗体Ph4550.2をブロッキングバッファー中に0.5μg/mlの濃度まで希釈し、室温で90分間膜と共に別々にインキュベートし、その時間の後、膜はTBS-T中で洗浄し、室温で60分間HRP結合二次抗体、すなわち1:100,000(v/v)希釈したヒツジ抗ニワトリIgG-HRP結合体とインキュベートし、前と同様に洗浄した。HRP二次抗体結合体の結合は、SuperSignal(商標)West「Femto」Maximum Sensitivity Substrate(Pierce、Inc.USA)中での膜のインキュベート、およびLAS-3000マルチ撮像装置(FujiFilm Inc.、日本)を使用した化学発光の視覚化によって検出した。
結核菌P5CRタンパク質の予想分子量と一致した約31kDaの免疫反応性バンドを、ポリクローナル血清を使用して、臨床結核菌分離株CSU93およびHN878と、実験室株H37Rv(データ示さず)の両方において検出した。組換え抗体も臨床結核菌分離株CSU93中および実験室株H37Rv中で結核菌P5CRタンパク質を検出したが、しかしながら、HN878におけるP5CRタンパク質との結合ははるかに弱かった。対照実験中、約35kDaの予想分子量を有しヘキサヒスチジンタグを含む組換えP5CRタンパク質も、正確な位置で検出した(示さず)。
ほぼ実施例1中に記載したように実施した競合ウエスタンブロット解析は、両方の抗体と組換えP5CRタンパク質および内因性EFTuタンパク質の結合は、抗体と過剰濃度の非標識組換えP5CRタンパク質のプレインキュベーションによって除去することができたことを示した(データ示さず)。
要約すると、利用可能なデータは、組換え抗体Ph4550.2およびポリクローナル血清Ch6/7は、結核菌P5CRタンパク質と特異的に結合することを示す。
4.組換えPh4550.2抗体およびポリクローナルCh6/7血清を使用するサンドイッチELISA
この実施例は、捕捉試薬として組換え抗体Ph4550.2および検出用試薬としてCh6/7で示すポリクローナル抗体プールを使用した、サンドイッチELISAによるP5CRタンパク質の有効な検出を実証する。例えば、P5CRタンパク質に対するプールした抗体調製物Ch6/7、組換え抗体Ph4550.2およびモノクローナル抗体Mo1027Dの滴定は、Ch6/7およびPh4550.2が、Mo1027Dと比較して、5μg/mlの抗体濃度で少量のタンパク質を検出することができたことを示したので、この抗体対を選択した(図104)。
a)好ましい抗体の方向
第一組の診断試験中、標準的なサンドイッチELISAを実施して、最適な捕捉および検出用抗体、および使用に適した抗体濃度を決定する。簡単に言うと、2枚のELISAプレートを、ブロッキングバッファー中に2.5μg/mlおよび5μg/mlの濃度でCh6/7またはPh4550.2抗体のいずれかを用いてコーティングする。非結合抗体を除去するための洗浄後、500ng/mlの出発濃度から7.8ng/mlまでブロッキングバッファー中に1:2(v/v)に連続希釈した組換えP5CRタンパク質の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加える。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、別の検出用抗体(すなわち、Ch6/7-P5CR複合体を検出するためにPh4550.2、およびPh4550.2-P5CR複合体を検出するためにCh6/7)を、1.25μg/ml〜5μg/mlの範囲の濃度でプレートと接触させる。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄し、50μlの1:5000(v/v)希釈しホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合したロバ抗マウスIgGとインキュベートし、前と同様に洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、450〜620nmで吸光度を測定する。
この好ましい、ただし必須ではない、抗体の方向性を選択して、サンドイッチELISAにおいて組換えP5CRタンパク質の一単位当たりでより高いシグナルを得る。アッセイ中の組換えタンパク質の不在下での低いベースライン値によって示されるような、抗体間の最小交差反応性をもたらす抗体の方向性を選択することも好ましい。
b)検出限界
組換え結核菌P5CRタンパク質に関するサンドイッチELISAの検出限界を決定するために、22.86pg/ml〜50ng/mlの濃度範囲でP5CRタンパク質の連続希釈液を使用してアッセイを実施した。2μg/ml、5μg/mlおよび10μg/mlの濃度のPh4550.2捕捉抗体を利用し、5μg/mlまたは10μg/mlのいずれかのCh6/7検出用抗体を利用したように、抗体濃度も変えた。
図105中に示すデータは、試験したアッセイ条件下で、約360pg/mlほど低い濃度の結核菌P5CRタンパク質を、5μg/mlのPh4550.2捕捉抗体および5μg/mlのCh6/7検出用抗体を使用して検出することができたことを示す。22.86pg/mlタンパク質での低いバックグラウンドシグナルも、より高い捕捉抗体濃度で実施したアッセイと比較して、これらの条件下で観察した。しかしながら、広範囲のタンパク質濃度で許容可能なシグナル:ノイズ比も、10μg/mlのPh4550.2捕捉抗体および5μg/mlのCh6/7検出用抗体を使用して観察した。
5.結核菌P5CRタンパク質の検出に関する増幅サンドイッチELISA
本発明者らは、ビオチニル化抗体およびストレプトアビジンポリ-HRP結合体が、従来のビオチン-ストレプトアビジン-HRP系またはHRP結合二次抗体と比較して、ELISA感度を改善したかどうかも調べた。
図106中に示すように、ポリクローナル検出用抗体を検出するためのHRP結合ヒツジ抗ニワトリIgGを含めたこれらの他の系と比較して、ELISA中で結合したCh6/7抗体を検出するためにストレプトアビジンポリ-40ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)およびビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGを使用してより良い結果を得た。同様に、これらの結果は、検出用抗体として使用したとき組換えPh4550.2抗体を検出することができる任意の結合体より優れていた。これらのデータは、Ch6/7抗体は、増幅サンドイッチELISAフォーマットで検出用抗体としてPh4550.2より優れている可能性があることを示唆した。
したがって、さらなる最適化を、図107中に示す限界内で増幅サンドイッチELISAにおいて、捕捉抗体Ph4550.2、検出用抗体Ch6/7および増幅ストレプトアビジンポリ-80HRPの濃度を変えることによって実施した。
図107中に示すデータは、10μg/mlのPh4550.2捕捉抗体および2.5μg/mlのCh6/7検出用抗体ならびに1:10,000希釈の(v/v)増幅ストレプトアビジンポリ-80HRPを使用した増幅サンドイッチELISAにおける、P5CRタンパク質の最適な検出限界を示す。
前の実験中に記載した合成試験において、P5CRタンパク質用の増幅サンドイッチELISAを作製した。簡単に言うと、ELISAプレートを、ブロッキングバッファー中に5μg/mlの濃度でPh4550.2抗体を用いてコーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、100ng/mlの出発濃度から1pg/mlまでブロッキングバッファー中に1:2(v/v)に連続希釈した組換えP5CRタンパク質の50μlアリコートを、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、ブロッキングバッファー中に2μg/mlの濃度のCh6/7抗体をプレートと接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを前と同様に洗浄し、50μlの1:200,000(v/v)希釈したビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよび1:20,000(v/v)希釈したストレプトアビジンポリ-80HRPとインキュベートし、前と同様に洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、450〜620nmで吸光度を測定した。
図108中に示すデータは、Ch6/7抗体の検出用試薬としてHRP結合ヒツジ抗ニワトリIgGを利用して、この増幅サンドイッチELISAの検出限界と標準的なサンドイッチELISAを比較する。この増幅サンドイッチELISAの検出限界は約48pg/mlのP5CRタンパク質であり、半最大検出は約1ng/mlのP5CRタンパク質である。これは標準的なアッセイの感度に都合よく匹敵する。
6.サンプルによるシグナル阻害の評価
例えばポイントオブケアまたは実地試験フォーマットにおいて、本発明のサンドイッチELISAを使用して試験する生物サンプル中に因子が存在するかどうかを評価するために、異なる濃度の組換え結核菌P5CRタンパク質(すなわち、0〜30pg/ml)を連続希釈した血漿(図109)または痰(図110)と混合させ、代替増幅なしで前に記載した増幅サンドイッチELISAアッセイフォーマットで、すなわち捕捉抗体としてPh4550.2、Ch6/7検出用抗体、およびビオチニル化ロバ抗ニワトリIgGおよびストレプトアビジンポリ-80HRP(「HRP80-ストレプトアビジン」)を含む検出系を使用して試験した。
試験した条件下で、非希釈血漿含有サンプルに関してシグナルの有意な抑制を観察したが(図110)、しかしながら、シグナルの消失は、少なくとも約1:1(v/v)に血漿サンプルを希釈することによって低下した。ブロッキングバッファー中での血漿サンプルの1:8(v/v)希釈によって、単独の、すなわち血漿を含まないブロッキング溶液と混合したペプチドを使用して得たシグナルと比較して、約88%のシグナル回復をもたらした。
シグナルの抑制は非希釈痰含有サンプルに関しても観察したが(図111)、しかしながら、これは正比例的に血漿よりはるかに低く、ブロッキングバッファー中での痰の1:1(v/v)希釈によって、単独の、すなわち痰を含まないブロッキング溶液と混合したペプチドを使用して得たシグナルと比較して、シグナル増大をもたらした。
要約すると、利用可能なデータは、増幅サンドイッチELISAは、希釈血漿または痰を含めた生物サンプル中で約3.3pg/ml未満のP5CRタンパク質を検出することができることを示唆する。
7.結核菌と非マイコバクテリウム病原体の間の低い交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのP5CRの適性をさらに評価するために、本発明者らは、異なる濃度の組換えP5CRタンパク質と、100ng/mlおよび100μg/mlの酵母、大腸菌、枯草菌または緑膿菌の細胞抽出物の間で、この実施例中に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の交差反応性を比較した。
図112中に示すデータは、試験した条件下での、結核菌P5CRに対する抗体と、酵母、大腸菌、枯草菌または緑膿菌の細胞抽出物の低い交差反応性を示す。特に、試験した濃度の細胞抽出物間にはシグナルの差がほとんど、または全く存在せず、得られたシグナルが有意にバックグラウンドを超えることはなかった。対照的に、アッセイは1ng/ml未満の組換えP5CRタンパク質を検出した。
8.抗EF-Tu抗体と異なる結核菌分離株の間の交差反応性
本明細書で記載した増幅ELISAをさらに使用して、実験室株H37RVおよび臨床分離株CSU93およびHN878の全細胞抽出物中の組換えP5CRタンパク質を検出した。組換えタンパク質(1.8μg/ml、5.6μg/ml、16.7μg/ml、および50μg/ml、ブロッキングバッファー中に希釈)を全細胞溶解物に加え、ほぼ本明細書に記載したように増幅サンドイッチELISAによって二連でサンプルをアッセイした。全細胞溶解物中の内因性P5CRタンパク質の濃度は、標準曲線からの補間および組換えP5CRタンパク質添加に対応したシグナルの控除によって計算した。
2つの独立した実験から測定した、これらの株中に存在した内因性結核菌P5CRタンパク質のレベルを図113中に示す。データは、約5〜9pg/全細胞抽出物1mlの範囲で平均P5CRレベルを示す。
要約すると、これまでに得たデータは、Ch6/7ポリクローナル血清および組換え抗体Ph4550.2は、結核菌の臨床関連および実験室株の全細胞抽出物中の内因性P5CRタンパク質を検出することができることを、したがって示す。
9.異なるマイコバクテリウム種間の低い交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのP5CRの適性をさらに評価するため、およびP5CRタンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、マイコバクテリウム種結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Ph4550.2で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれのマイコバクテリウム種由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体Ch6/7を結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、50μlの希釈二次抗体(例えば、ビオチニル化ロバ抗ニワトリIgG)と1時間、次に1:2,500(v/v)希釈したHRP80-ストレプトアビジンとインキュベートし(ポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体もHRP80-ストレプトアビジンの代わりに利用することができる)、次いで再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイした。較正標準曲線はP5CRタンパク質の標準レベルに基づいて作成した。
図113中に示すデータは、2マイコバクテリウム種、結核菌とマイコバクテリウム・イントラセルラエの間の検出可能な交差反応性を示すが、しかしながらマイコバクテリウム・アビウムの検出はない。これらのデータは、結核菌のP5CRタンパク質は、これらのアッセイ条件下または選択した抗体対を使用した、結核菌の種特異的検出にあまり適していない可能性があることを示す。これは、一般的な一検体診断試験中の、または代替的に、本明細書に記載するかまたは当技術分野で知られているものなどの、KARIタンパク質に対する抗体、および/または結核菌の種特異的マーカーに対する抗体を併用する多検体試験の一部としての、P5CRタンパク質に対する抗体の有用性を否定するわけではない。
例えば、P5CRタンパク質に対する抗体を、P5CR陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用することができる。
あるいは、KARIに対する抗体およびP5CRに対する抗体を、KARI交差反応性の存在およびP5CR交差反応性の不在が、例えば、それがマイコバクテリウム・アビウムを示すので、結核菌またはマイコバクテリウム・イントラセルラエ以外のマイコバクテリウムを示す、またはKARIおよびP5CR両方との交差反応性が結核菌またはマイコバクテリウム・イントラセルラエを示す、一般的なマイコバクテリウム試験として使用することができる。
代替的、または追加的に、KARIタンパク質および/またはP5CRタンパク質に対する抗体を、試験した他のマイコバクテリウムと低い交差反応性を有する、本明細書に記載する1つまたは複数の結核菌BSXおよび/または結核菌S9タンパク質および/または結核菌Rv1265タンパク質に対する抗体と同時に利用することができる。このような多検体試験の解釈において、KARIとP5CRタンパク質の両方に対する抗体の結合は、臨床サンプル中の結核菌またはマイコバクテリウム・イントラセルラエの存在を示し、結核菌BSXおよび/または結核菌S9タンパク質および/または結核菌Rv1265タンパク質に対する抗体の別の結合は、結核菌感染のより高い可能性を示す。
10.マイコバクテリウム細胞中で検出可能なP5CRタンパク質の相対レベル
マイコバクテリウム感染に関する診断マーカーとしてのP5CRの適性をさらに評価するために、P5CRタンパク質のレベルを、本明細書で記載したBSX、EF-Tu、KARI、Rv1265、S9およびTetR様タンパク質を含めた10の他の結核菌抗原と比較して、結核菌株H37Rv、CSU93およびHN878の全細胞溶解物において、および結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエにおいて決定した。
増幅サンドイッチELISAを、ほぼ本明細書および実施例1中に記載したように実施して、較正標準を含む標準プロトコルに従いそれぞれの抗原の相対レベルを同定し、定量化を可能にした。
図124〜125中に示すデータは、BSX、KARI、Rv1265およびS9と比較するとき、およびさらにEF-Tuと比較するとき、P5CRは試験した全3つの結核菌株において低レベルで発現されるが、しかしながら実験室および臨床関連株において発現されることを示す。
図126〜131中に示すデータは、例えばBSX、KARI、Rv1265およびS9と比較した結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエにおける低発現によって示されるように、P5CRタンパク質も一般にマイコバクテリウムにおいて低レベルで発現されることを示す。図127中に示す実験中でのP5CRの低発現にもかかわらず、図113から観察したものより結核菌およびマイコバクテリウム・イントラセルラエ中での発現の大きな差が存在する。
全体として、これらのデータは、マイコバクテリウム感染の一般的な一検体マーカーとしての、または例えばKARIと組み合わせたマイコバクテリウム感染に関する多検体試験の一部としての、または例えばBSXおよび/またはS9および/またはRv1265と組み合わせた結核菌感染に関する多検体試験の一部としてのP5CRの有用性を示唆する。結核菌感染の多検体試験に関する他の組合せを除外するわけではない。
11.検出限界の最適化
サンドイッチELISAの感度をさらに高めるために、代替増幅手順を利用して、捕捉抗体によるELISAプレートのコーティング後に反復的抗原結合を実施する。基本的にこれは、96ウェルELISAプレートの50μlの体積制限にもかかわらず、捕捉抗体と結合した抗原の増量をもたらし得る。簡単に言うと、この反復的抗原充填は、洗浄および検出用抗体の添加前に、サンドイッチELISA中で数回、例えば2または3または4または5回など、抗原結合ステップを繰り返すことを含む。本来、抗原サンプルのそれぞれのアリコートは、次のアリコートを加える前の標準的なインキュベーション時間後に除去する。反復数を変更して、過度の実験なしで、試験するサンプルの性質(例えば、サンプル型)に応じて、アッセイ(例えば、シグナル:ノイズ比、検出限界および半最大シグナルで検出される抗原の量などのパラメーター)を最適化することができる。
例えば、最大約20反復のサンプル充填(すなわち、最大20回の代替増幅)は、低いバックグラウンドシグナルをもたらすことができ、P5CRタンパク質の検出限界を低減することができる。
結核菌TetR様タンパク質と結合する抗体を使用した結核または結核菌による感染の抗原ベースの診断
1.結核菌感染の診断マーカーとしてのTetR様タンパク質の同定
タンパク質分画をTB+サンプル由来の血清および痰の免疫グロブリン分画中で認めた。血漿サンプルのMALDI MSデータからの6ペプチドの配列(配列番号45〜56含む)、および痰のMALDI MSデータからのさらなる4ペプチドの配列(配列番号51〜54)は、SwissProtアクセッション番号O53310(配列番号44)を有するタンパク質と一致した。6つの血漿由来ペプチド(配列番号45〜56)によるO53310のパーセント被覆度は約22%であり、4つの痰由来ペプチド(配列番号51〜54)によるO53310のパーセント被覆度は33%であり、いずれの場合もこれらのペプチド断片は、この同じタンパク質マーカーに由来したことを示唆した。
配列番号44で述べるアミノ酸配列を有する同定したタンパク質は「TetR」または単に「TetR」として示した。TetRの推定分子量は約23.1kDaであり、その推定等電点は約4.9である。
2.結核菌またはTetR由来ペプチドのTetR様タンパク質と結合する抗体
a)合成ペプチドに対して調製したポリクローナル抗体
完全長TetRのアミノ酸残基147〜174(配列番号55)または残基113〜127(配列番号56)を含む合成ペプチドを、標準手順に従い合成した。これらのペプチドは、マレイミドカプロイル-N-ヒドロキシスクシンイミドリンカーを介してキーホールリンペットヘモシアニン(KHL)と別々に結合させることが可能である。
配列番号44のエピトープに対して産生した抗体の検出を容易にするために、それぞれGSGSスペーサーでペプチドをさらに別々に合成し、ビオチンと結合させることが可能である。
ニワトリおよびウサギを、標準手順に従い、配列番号44で述べる配列を含む組換えタンパク質、および配列番号55で述べるアミノ酸配列を含む合成ペプチドでそれぞれ免疫処置した。動物の血液を得た。全ての血液は滅菌容器中に回収し、血清は血栓除去後に回収した。
ニワトリにおいて生成した組換えタンパク質(配列番号44)に対する抗血清を滴定するために、組換えタンパク質免疫原を5μg/mlの濃度でNunc免疫プレートに固定した。溶液を除去し、ブロッキングバッファー(1%(w/v)のカゼイン、0.1%(v/v)のTween20、0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム、PBS中)を使用してウェルをブロッキングした。ブロッキングバッファーを除去し、血清は1:500(v/v)〜1:1,024,000(v/v)の範囲で加えたPBS中に希釈し、抗体と結合した推定転写制御タンパク質TetR、またはTetR由来ペプチドが複合体形成するのに十分な時間、一般に室温で約1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、抗体とTetRの結合は、結合体希釈バッファー中に1:5000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗ニワトリIgGを使用して検出した。50ミリリットル(50ml)のTMB(3,3',5',5-テトラメチルベンジジン;Sigma)をそれぞれのウェルに加え、プレートは暗所で30分間インキュベートした。発色は50μL/ウェルの0.5M硫酸の添加によって停止させた。それぞれのウェルの光学濃度は、450nmの波長および620nmにおける吸光を使用して、マイクロタイタープレートリーダー(PowerWavex340プレートリーダー、Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)で読み取った。滴定の結果は図114中に示す。
配列番号55を含む合成ペプチドに対するウサギ抗血清を試験するために、ストレプトアビジン(Sigma Aldrich)を二回蒸留水(ddH2O)中に5μg/mlに希釈し、4℃においてNuncプレート中で一晩インキュベートした。次いで溶液をプレートから除去し、250μLのブロッキングバッファー(1%(w/v)のカゼイン、0.1%(v/v)のTween20、0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム、PBS中)をそれぞれのウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。ブロッキングバッファーを除去し、204.8ng/ml〜100pg/mlの濃度範囲まで希釈したビオチニル化ペプチド(配列番号55)を3μg/ml〜50μl/ウェルでブロッキングバッファー中に加え、シェーカーで室温において1時間インキュベートした。プレートは、Elx405自動プレート洗浄器(Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)中で0.5×PBS/0.05%(v/v)のTween20溶液を用いて洗浄し、過剰な溶液はプレートからペーパータオル上に流出させた。ウサギ血清および免疫前血清はブロッキングバッファー中に1:500(v/v)または1:2000(v/v)希釈し、シェーカーで室温において50μl/ウェルで1時間インキュベートした。プレートは0.5×PBS/0.05%(v/v)のTween20溶液を使用してプレート洗浄器で洗浄し、過剰な溶液はペーパータオル上に流出させた。配列番号55とウサギ抗体の結合は、結合体希釈バッファー中に1:5000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗ウサギIgG(Chemicon)を使用して検出した。50ミリリットル(50ml)をそれぞれのウェルに加え、シェーカーで室温において1時間インキュベートした。プレートは0.5×PBSを使用してプレート洗浄器で洗浄し、過剰な溶液はペーパータオル上に流出させた。50ミリリットル(50ml)のTMB(3,3',5',5-テトラメチルベンジジン;Sigma)をそれぞれのウェルに加え、プレートは暗所で30分間インキュベートした。発色は50μl/ウェルの0.5M硫酸の添加によって停止させた。それぞれのウェルの光学濃度は、450nmの波長および620nmにおける吸光を使用して、マイクロタイタープレートリーダー(PowerWavex340プレートリーダー、Bio-Tek Instruments Inc.、Winooski、VT)で読み取った。データは図115中に示す。
b)組換えタンパク質に対して調製したモノクローナル抗体
完全長組換えTetR様タンパク質(配列番号44)を、標準手順に従ってモノクローナル抗体生成用の抗原として使用した。それらの標準プロトコルに従ったモノクローナル抗体の作製用に、約2mgのタンパク質がNeoClone、Madison、Wisconsin、USAに与えられた。品質管理用に約1mgのタンパク質がビオチニル化ペプチドとして与えられた。5匹のBALB/cByJ雌マウスを、Neocloneの標準的な免疫処置法に従いタンパク質を用いて免疫処置した。免疫処置したマウスの出血試験は、ビオチニル化ペプチドを使用して品質管理用の血清ELISAにおいて使用するために定期的な間隔で実施した。最高力価を有するポリクローナル血清はELISAを使用して決定した。少なくとも1,000のポリクローナル抗体力価を有するマウスは、ABL-MYC感染過程に使用した。生成するそれぞれのモノクローナル抗体用に、ペプチド抗原と交差反応するポリクローナル抗体の最高力価を有する3匹のマウスの脾臓は、NeoCloneの標準的な感染手順に従いABL-MYC感染に使用した。生成するそれぞれのモノクローナル抗体用に、ABL-MYC感染マウスの脾臓細胞は約20匹のナイーブマウスに移植した。移植マウス中で発生した腹水は単離し、標的ペプチド抗原と結合するモノクローナル抗体(mAb)を生成する細胞に関してスクリーニングした。
Mo784A、Mo784D、Mo784F、Mo785E、Mo785FおよびMo785Cで示す異なるmAbを生成する6つの細胞系(すなわち、形質細胞腫)を単離した。mAbの結合親和性およびアイソタイプ特異性はELISAを使用して確認した。mAbは、腹水、および関連細胞系において(約)1mlのアリコートで与えた。
3.標準的なサンドイッチELISA
この実施例は、実施例4中に記載したポリクローナルおよびモノクローナル抗体を使用したサンドイッチELISAによるTetR様タンパク質の有効な検出、およびニワトリポリクローナル抗体Ch4(=ピンク4)およびCh5(=ピンク5)のプール、すなわち捕捉試薬としてCh4/5ならびに検出用試薬としてモノクローナル抗体784FおよびMo785Eを使用した標準ELISAの最適化を実証する。例えば、サンドイッチELISA中での本明細書に記載する他の抗体の組合せより高いそれらのシグナル:ノイズ比のため、抗体対Ch4/5およびMo785Eを最終的に選択した。
a)好ましい抗体の組合せ
第一組の診断試験において、標準的なサンドイッチELISAを実施して、最適な捕捉および検出用抗体、および使用するのに適した抗体濃度を決定した。
一例では、捕捉抗体としてポリクローナル抗血清RCP18(=Rb18)、および検出用抗体としてポリクローナル抗体Ch4(=本明細書で「ピンク4」と呼ぶ抗体)およびCh5(=本明細書で「ピンク5」と呼ぶ抗体)を含む「Ch4/5」で示すポリクローナル抗体のプールを使用して、標準的なサンドイッチELISAを実施した。簡単に言うと、ELISAプレートのウェルは、5μg/mlまたは10μg/mlの濃度で50μlのRCP18(Rb18)抗体を用いて一晩コーティングした。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えTetR様タンパク質を50ng/mlの出発濃度から80pg/mlまで希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体、すなわちTetR-RCP18複合体を検出するためのCh4/5を、5μg/mlまたは10μg/mlまたは20μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、Ch4/5を検出するためのヒツジ抗ニワトリIgG)50μlとインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を測定した。
図116中に示すデータは、捕捉抗体としての5μg/mlのRCP18と検出用抗体としての5μg/mlのCh4/5の組合せは、このサンドイッチELISAフォーマットで好ましいことを示唆する。
第二の実施例では、捕捉抗体としてポリクローナル抗体Ch4(=本明細書で「ピンク4」と呼ぶ抗体)およびCh5(=本明細書で「ピンク5」と呼ぶ抗体)を含む「Ch4/5」で示すポリクローナル抗体のプール、および検出用抗体としてポリクローナル抗血清RCP18(=Rb18)を使用して、標準的なサンドイッチELISAを実施した。簡単に言うと、ELISAプレートのウェルは、5μg/mlまたは10μg/mlの濃度で50μlのCh4/5抗体を用いて一晩コーティングした。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えTetR様タンパク質を50ng/mlの出発濃度から80pg/mlまで希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体、すなわちTetR-Ch4/5複合体を検出するためのRCP18を、5μg/mlまたは10μg/mlまたは20μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、Ch4/5を検出するためのヒツジ抗ウサギIgG)50μlとインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を測定した。
図117中に示すデータは、捕捉抗体としての5μg/mlのCh4/5と検出用抗体としての5μg/mlのRCP18の組合せはこのサンドイッチELISAフォーマットで好ましく、図116中に示す抗体の逆方向性と比較してわずかに改善されることを示唆する。
さらなる診断試験では、捕捉抗体としてポリクローナル抗体Ch4(=本明細書で「ピンク4」と呼ぶ抗体)およびCh5(=本明細書で「ピンク5」と呼ぶ抗体)を含む「Ch4/5」で示すポリクローナル抗体のプール、および検出用抗体として784FおよびMo785Eで示す2つのモノクローナル抗体調製物の1つを使用して、標準的なサンドイッチELISAを実施した。ELISAプレートのウェルは、500ng/mlまたは1μg/mlまたは2μg/mlまたは4μg/mlまたは8μg/mlの濃度で50μlのCh4/5抗体を用いて一晩コーティングした。ブロッキングおよび非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えTetR様タンパク質を5ng/mlの出発濃度から2.29pg/mlまで希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、検出用抗体、すなわちTetR-Ch4/5複合体を検出するための784FまたはMo785Eを、2μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5000(v/v)希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と結合した二次抗体(すなわち、マウスモノクローナル抗体を検出するためのヒツジ抗マウスIgG)50μlとインキュベートし、洗浄し、TMBと共に30分間インキュベートし、バックグラウンドを差し引いた後450〜620nmで吸光度を測定した。
図118中に示すデータは、Mo785Eモノクローナル抗体は最低のバックグラウンドシグナルをもたらし、Ch4/5捕捉抗体と組み合わせると、ウサギポリクローナルRCP18より高いシグナルをもたらすことを示唆する。捕捉抗体としての500ng/mlのCh4/5と検出用抗体としての2μg/mlのMo785Eの組合せは最低のバックグラウンドシグナルをもたらしたが、しかしながら、捕捉抗体としての2μg/mlのCh4/5と検出用抗体としての2μg/mlのMo785Eの組合せは、このサンドイッチELISAフォーマットで最高のシグナル:ノイズ比をもたらした。
3.TetR様タンパク質および抗体の検証
簡単に言うと、ウエスタンブロッティングを、10%(w/v)Bis-TriNu-PAGE(Invitrogen、Carlsbad CA、USA)での電気泳動によって分離し、PVDF活性化膜(Immobilon-P、Millipore Inc、USA)に移し、モノクローナル抗体Mo785Eまたはポリクローナル抗体Ch4/5を用いて別々にプローブ処理したタンパク質において実施した。移動後、膜を40%(v/v)エタノール/10%(v/v)酢酸の0.008%DB-71(Sigma Chemical Co.USA)中で7分間インキュベートし、40%(v/v)エタノール/10%(v/v)酢酸中で軽くすすぎ、スキャンしてタンパク質の移動を視覚的に確認し、Triton-X100を含有するトリス緩衝生理食塩水(TBS-T)中ですすいだ。乾燥した膜はメタノール中で再度活性化し、4℃で一晩ブロッキングバッファー(1%(w/v)のウシ血清アルブミンを含有するTBS-T)に移した。モノクローナル抗体Mo785Eまたはポリクローナル抗体Ch4/5をブロッキングバッファー中に0.5μg/mlの濃度まで希釈し、室温で90分間膜と共にインキュベートし、その時間の後、膜はTBS-T中で洗浄し、室温で60分間、HRP結合二次抗体、すなわち1:100,000(v/v)希釈したMo785E用のヒツジ抗マウスIgG-HRP結合体またはCh4/5用のロバ抗ニワトリIgG-HRP結合体とインキュベートし、前と同様に洗浄した。HRP二次抗体結合体の結合は、SuperSignal(商標)West「Femto」Maximum Sensitivity Substrate(Pierce、Inc.USA)中での膜のインキュベート、およびLAS-3000マルチ撮像装置(FujiFilm Inc.、日本)を使用した化学発光の視覚化によって検出した。
結核菌TetR様タンパク質の予想分子量と一致する約24kDaの免疫反応性バンドを、臨床結核菌分離株CSU93とHN878の両方、および実験室株H37Rv(データ示さず)において両方の抗体によって検出した。対照において、約25kDaの予想分子量を有しヘキサヒスチジンタグを含む組換えTetR様タンパク質も正確な位置で検出した(示さず)。さらなる実験中、Mo785Eによるこれらのバンドの検出を、1000倍モル過剰の非標識組換えTetR様タンパク質中の一次抗体のプレインキュベーションによって妨げた(データ示さず)。
5.ポリクローナルCh4/5抗体およびmAb Mo785Eを使用した増幅サンドイッチELISA
本発明者らは、ビオチニル化抗体およびストレプトアビジンポリ-HRP結合体が、従来のビオチン-ストレプトアビジン-HRP系またはHRP結合二次抗体と比較して、ELISA感度を改善したかどうかも調べた。
ELISAプレートは、2μg/mlの濃度で捕捉抗体Ch4/5を用いて一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、組換えTetR様タンパク質を100ng/mlの出発濃度から490fg/mlまで希釈し、各希釈の50μlアリコートを抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄して非結合抗原を除去した。非標識モノクローナル抗体Mo785Eは、標準的なサンドイッチELISA用に2.5μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。
増幅サンドイッチELISA用に、モノクローナル抗体Mo785Eをビオチニル化し、ビオチニル化した抗体は2.5μg/mlの濃度で結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:5,000(v/v)希釈したHRP結合ヒツジ抗マウスIgGからなる二次抗体50μl(標準的なサンドイッチELISA)、または1:2,500(v/v)希釈したHRP80-ストレプトアビジン50μlとインキュベートした。次いでプレートを室温でさらに1時間のインキュベートし、前と同様に洗浄した。最後に、全てのサンプルをTMBと共に30分間(標準ELISA)または10分間(増幅ELISA)インキュベートした。吸光度は450〜620nmで測定した。
図119中に示すように、これらの条件下での増幅サンドイッチELISAを使用して検出の有意な増大があった。この増幅サンドイッチELISAの検出限界は約18pg/mlのTetR様タンパク質であり、半最大検出は約1ng/mlのTetR様タンパク質である。これは、観察した約79〜176pg/mlのTetR様タンパク質の標準的なサンドイッチELISAの検出限界に都合よく匹敵する。サンドイッチELISAにおいて低いバックグラウンドと関係があるこのような検出感度は、本発明者らによって有用な限界内にあると考えられる。
6.異なる結核菌分離株のTetR様タンパク質に対する抗体間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのTetRの適性をさらに評価するために、本発明者らは、臨床結核菌株CSU93およびHN878、ならびに実験室結核菌株H37Rvの細胞抽出物の間で、増幅サンドイッチELISAによって抗体の反応性を比較した。
本明細書で記載した増幅ELISAをさらに使用して、実験室株H37RVおよび臨床分離株CSU93およびHN878の全細胞抽出物中の組換えTetR様タンパク質を検出した。組換えタンパク質(1.8μg/ml、5.6μg/ml、16.7μg/ml、および50μg/ml、ブロッキングバッファー中に希釈)を全細胞溶解物に加え、ほぼ本明細書に記載したように増幅サンドイッチELISAによって二連でサンプルをアッセイした。全細胞溶解物中の内因性TetR様タンパク質の濃度は、標準曲線からの補間および組換えTetR様タンパク質添加に対応したシグナルの控除によって計算した。2つの独立した実験から測定した、これらの株中に存在した内因性結核菌TetR様タンパク質のレベルを図120中に示す。データは、H37RvおよびCSU93に関して約3〜5pg/細胞抽出物1μgの平均TetRレベル、および臨床分離株HN878の全細胞溶解物中約9pg/μgを示す。
要約すると、これまでに得たデータは、この増幅サンドイッチELISAアッセイフォーマットは、結核菌の臨床関連および実験室株の全細胞抽出物中の内因性TetR様タンパク質を検出することができることを、したがって示す。
7.結核菌と非マイコバクテリウム病原体の間の低い交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのTetRの適性をさらに評価するために、本発明者らは、異なる濃度の組換えTetR様タンパク質および酵母、大腸菌、枯草菌、または緑膿菌の細胞抽出物の間で、ほぼ本明細書に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の交差反応性を比較した。アッセイ条件は、HRP80-ストレプトアビジンではなくHRP40-ストレプトアビジンを1:2500(v/v)希釈で使用し、TMBをシグナル検出用に15分間発色させて若干変えた。タンパク質または細胞抽出物を含まないバッファーは陰性対照として使用した。代替増幅または反復的サンプル充填はこの診断試験中では実施しなかった。
図121中に示すデータは、試験した条件下で、酵母、大腸菌、枯草菌または緑膿菌の細胞抽出物と結核菌TetRに対する抗体の検出可能な交差反応性がないことを示す。特に、試験した濃度の細胞抽出物間にはシグナルの差がほとんど、または全く存在せず、得られたシグナルが有意にバックグラウンドを超えることはなかった。対照的に、アッセイはわずか約10pg/mlの組換えTetR様タンパク質を検出した。
8.異なるマイコバクテリウム種間の交差反応性
生物サンプル中の結核菌の存在に関する診断マーカーとしてのTetR様の適性をさらに評価するため、およびTetR様タンパク質に対して調製した抗体の特異性を評価するために、本発明者らは、マイコバクテリウム種結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエの細胞抽出物の間で、本明細書で前に記載したように実施した増幅サンドイッチELISAにおいて抗体の反応性を比較した。
簡単に言うと、ELISAプレートは捕捉抗体Ch4/5で一晩コーティングした。非結合抗体を除去するための洗浄後、それぞれのマイコバクテリウム種由来の細胞抽出物を、抗体コーティングしたELISAプレートのウェルに加えた。それぞれのアッセイの陰性対照として、細胞抽出物を含まないバッファーを使用した。1時間のインキュベーションおよび非結合抗原を除去するための洗浄後、ビオチニル化検出用抗体Mo785E-Bioを結合抗原-抗体複合体と接触させた。室温で1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1:2,500(v/v)希釈したHRP80-ストレプトアビジンとインキュベートし(ポリ-40ストレプトアビジン-HRP結合体もHRP80-ストレプトアビジンの代わりに利用することができる)、次いで再度洗浄し、TMBと共に10分間インキュベートし、吸光度は450〜620nmで測定した。サンプルは3希釈の全細胞抽出物にわたって二連でアッセイした。較正標準曲線はTetR様タンパク質の標準レベルに基づいて作成した。
図122中に示すデータは、抗TetR抗体と結核菌由来の全細胞抽出物の間の強い交差反応性、およびマイコバクテリウム・アビウムとマイコバクテリウム・イントラセルラエの全細胞抽出物におけるほぼ検出不能な交差反応性を示す。対照的に、全細胞抽出物の濾液は、結核菌とマイコバクテリウム・イントラセルラエの両方において有意および比較可能な交差反応性をもたらし、P5CRと同様に、結核菌のTetR様タンパク質は、これらのアッセイ条件下または選択した抗体対を使用した、結核菌の種特異的検出にあまり適していない可能性があることを示唆した。これは、一般的な一検体診断試験中の、または代替的に、本明細書に記載するかまたは当技術分野で知られているものなどの、KARIタンパク質に対する抗体、および/または結核菌の種特異的マーカーを併用する多検体試験の一部としての、TetR様タンパク質に対する抗体の有用性を否定するわけではない。
例えば、TetR様タンパク質に対する抗体を、P5CR陽性臨床材料由来の結核菌の二次培養物と併せて利用することができる。
あるいは、KARIに対する抗体およびTetR様に対する抗体を、KARI交差反応性の存在およびTetR様交差反応性の不在が、例えば、それがマイコバクテリウム・アビウムを示すので、結核菌またはマイコバクテリウム・イントラセルラエ以外のマイコバクテリウムを示す、またはKARIおよびTetR様両方との交差反応性が結核菌またはマイコバクテリウム・イントラセルラエを示す、一般的なマイコバクテリウム試験として使用することができる。
代替的、または追加的に、KARIタンパク質および/またはTetR様タンパク質に対する抗体を、試験した他のマイコバクテリウムと低い交差反応性を有する、本明細書に記載する1つまたは複数の結核菌BSXおよび/または結核菌S9タンパク質および/または結核菌Rv1265タンパク質に対する抗体と同時に利用することができる。このような多検体試験の解釈において、KARIとTetR様タンパク質の両方に対する抗体の結合は、臨床サンプル中の結核菌またはマイコバクテリウム・イントラセルラエの存在を示し、結核菌BSXおよび/または結核菌S9タンパク質および/または結核菌Rv1265タンパク質に対する抗体の別の結合は、結核菌感染のより高い可能性を示す。
9.マイコバクテリウム細胞中で検出可能なTetR様タンパク質の相対レベル
マイコバクテリウム感染に関する診断マーカーとしてのTetR様の適性をさらに評価するために、TetR様タンパク質のレベルを、本明細書で記載したTetR様、TetR様、P5CR、TetR様、TetR様およびTetR様タンパク質を含めた10の他の結核菌抗原と比較して、結核菌株H37Rv、CSU93およびHN878の全細胞溶解物において、および結核菌、マイコバクテリウム・アビウムおよびマイコバクテリウム・イントラセルラエにおいて決定した。
増幅サンドイッチELISAをこの実施例中に記載したように実施して、較正標準を含む標準プロトコルに従いそれぞれの抗原の相対レベルを同定し、定量化を可能にした。
図124〜131中に示すデータは、TetR様は、P5CRタンパク質の発現に匹敵して、試験した全3つの結核菌株において低レベルで発現されることを示す。
他方で、図126〜131中に示すデータは、TetR様タンパク質は結核菌にも比較的特異的であり、マイコバクテリウム・アビウムまたはマイコバクテリウム・イントラセルラエのいずれかにおいて利用したアッセイ条件下では検出可能ではないことを示す。
これらのデータは、マイコバクテリウム感染または結核菌感染の一般的な一検体マーカーとしての、またはBSXおよび/またはKARITおよび/またはS9および/またはRv1265タンパク質と組み合わせたマイコバクテリウム感染または結核菌感染に関する多検体試験の一部としてのTetR様の有用性を示唆する。結核菌感染の多検体試験に関する他の組合せを除外するわけではない。
11.検出限界の最適化
サンドイッチELISAの感度をさらに高めるために、代替増幅手順を利用して、捕捉抗体によるELISAプレートのコーティング後に反復的抗原結合を実施する。基本的にこれは、96ウェルELISAプレートの50μlの体積制限にもかかわらず、捕捉抗体と結合した抗原の増量をもたらし得る。簡単に言うと、この反復的抗原充填は、洗浄および検出用抗体の添加前に、サンドイッチELISA中で数回、例えば2または3または4または5回など、抗原結合ステップを繰り返すことを含む。本来、抗原サンプルのそれぞれのアリコートは、次のアリコートを加える前の標準的なインキュベーション時間後に除去する。反復数を変更して、過度の実験なしで、試験するサンプルの性質(例えば、サンプル型)に応じて、アッセイ(例えば、シグナル:ノイズ比、検出限界および半最大シグナルで検出される抗原の量などのパラメーター)を最適化することができる。
例えば、最大約20反復のサンプル充填(すなわち、最大20回の代替増幅)は、低いバックグラウンドシグナルをもたらすことができ、RV1265タンパク質の検出限界を低減することができる。
結核菌を検出するためのモノクローナル抗体を発現する例示的な形質細胞腫の微生物寄託
任意の生物材料の寄託が本明細書に広く記載した本発明、またはその任意の実施例を実施するのに必要とされることを認めずに、以下の形質細胞腫が、特許手続き上の微生物寄託の国際承認に関するブダペスト条約、およびアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)の規定の下で、以下のように寄託されている:
1.マイコバクテリウム複合体、特に結核菌由来のKARIタンパク質と結合するモノクローナル抗体Mo2B1(2B1と同義)を生成する2B1C11で示すマウス細胞系が、2009年5月21日にATCCに寄託されATCCアクセッション番号_を割り当てられた;
2.マイコバクテリウム複合体、特に結核菌由来のBSXタンパク質と結合するモノクローナル抗体Mo639Fを生成するPRO0107-639Fで示すマウス形質細胞腫細胞系が、2008年3月6日にATCCに寄託されATCCアクセッション番号PTA-9013を割り当てられた;
3.マイコバクテリウム複合体、特に結核菌由来のS9タンパク質と結合するモノクローナル抗体Mo1025Fを生成するPRO0126-1025Fで示すマウス形質細胞腫細胞系が、2008年3月6日にATCCに寄託されATCCアクセッション番号PTA-9011を割り当てられた;
4.マイコバクテリウム複合体、特に結核菌由来のRv1265タンパク質と結合するモノクローナル抗体Mo785Eを生成するPRO0122-785Eで示すマウス形質細胞腫細胞系が、2007年5月16日にATCCに寄託されATCCアクセッション番号PTA-8441を割り当てられた;
5.マイコバクテリウム複合体、特に結核菌由来のTetR様タンパク質と結合するモノクローナル抗体Mo788Cを生成するPRO0123-788Cで示すマウス形質細胞腫細胞系が、2007年5月16日にATCCに寄託されATCCアクセッション番号PTA-8440を割り当てられた;および
6.マイコバクテリウム複合体、特に結核菌由来のEF-Tuタンパク質と結合するモノクローナル抗体Mo524Dを生成するPRO0107-524Dで示すマウス形質細胞腫細胞系が、2008年3月6日にATCCに寄託されATCCアクセッション番号PTA-9012を割り当てられた。

Claims (96)

  1. 推定上のケトール酸リダクトイソメラーゼ(以下「KARI」)である、結核菌群のマイコバクテリウムの単離もしくは組換え体の免疫原性タンパク質、あるいはその免疫原性ペプチドまたは免疫原性断片もしくはエピトープ。
  2. 前記タンパク質が、配列番号1に示すアミノ酸配列または配列番号1に少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質。
  3. 前記ペプチド、断片またはエピトープが、配列番号1に示す配列の少なくとも約5個の連続的アミノ酸残基を含む、請求項1に記載の免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ。
  4. 前記ペプチド、断片またはエピトープが1つまたは複数の標識または検出可能な部分を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の1つまたは複数の免疫原性KARIペプチド、断片またはエピトープおよびリンカーを含む融合タンパク質。
  6. 請求項1から3のいずれか一項に記載の複数の免疫原性KARIペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質。
  7. 担体タンパク質、検出可能な標識またはリポーター分子に融合されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、免疫原性KARIペプチド、免疫原性KARI断片またはエピトープを含む融合タンパク質。
  8. 対象で結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる過去の感染、活動性感染または潜伏感染を検出するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープの使用であって、前記感染が、対象から得られた試料中の抗体と、前記単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質または免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープとの結合によって判定される使用。
  9. 請求項1から4のいずれか一項に記載の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質、免疫原性KARIペプチド、免疫原性KARI断片またはエピトープ、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に特異的に結合する、単離または組換え体の抗体。
  10. 前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項9に記載の単離または組換え体の抗体。
  11. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項9に記載の単離または組換え体の抗体。
  12. 前記抗体が組換え体の抗体である、請求項9に記載の単離または組換え体の抗体。
  13. 前記抗体がリポーター分子で標識される、請求項11から14のいずれか一項に記載の単離または組換え体の抗体。
  14. 前記リポーター分子がビオチンである、請求項13に記載の単離または組換え体の抗体。
  15. 請求項9から12のいずれか一項に記載の抗体を生成する、単離された抗体生成細胞または抗体生成細胞集団。
  16. 対象で結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核を診断し、および/または過去もしくは現在の感染または潜伏感染を検出するための、請求項9から14のいずれか一項に記載の単離または組換え体の抗体またはその免疫反応性断片の使用であって、前記感染が、前記対象から得られた生体試料に存在するKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープへの前記抗体または断片の結合によって判定される使用。
  17. 結核菌群の細菌、または結核菌群の1つもしくは複数のマイコバクテリウムに感染した細胞を同定するための、あるいは前記細菌または前記細胞のソーティングまたは計数のための、請求項9から14のいずれか一項に記載の単離または組換え体の抗体またはその免疫反応性断片の使用。
  18. 医薬における、請求項9から14のいずれか一項に記載の単離または組換え体の抗体あるいはその免疫反応性の断片の使用。
  19. 請求項9から14のいずれか一項に記載の単離または組換え体の抗体、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む組成物。
  20. 対象で結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染を診断する方法であって、前記対象からの生体試料中で、請求項1から4のいずれか一項に記載の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープに対する抗体を検出する工程を含み、前記試料中の前記抗体の存在は感染を示す方法。
  21. 前記対象に由来する生体試料を、前記単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープと、抗原抗体複合体が形成するのに十分な時間および条件の下で接触させる工程、次に抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 抗原抗体複合体の形成を検出する工程が、前記抗原抗体複合体でヒト免疫グロブリンを検出する工程を含む、請求項21に記載の方法。
  23. ヒト免疫グロブリンを検出する工程が、前記抗原抗体複合体を、抗ヒト免疫グロブリンを含む二次抗体と、前記二次抗体が前記複合体の前記ヒト免疫グロブリンに結合するのに十分な時間および条件の下で接触させる工程、次に結合した抗ヒト免疫グロブリンを検出する工程を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記二次抗体が検出可能なマーカーまたはリポート分子で標識される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記対象に由来する生体試料が前記単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質と接触し、前記タンパク質が配列番号1に示すアミノ酸配列を含む、請求項21から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記対象に由来する生体試料が配列番号1の免疫原性KARIペプチド断片と接触する、請求項21から24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記対象に由来する生体試料を、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムに由来する、単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ以外の免疫原性タンパク質またはペプチドと接触させる工程をさらに含む、請求項21から25のいずれか一項に記載の方法。
  28. 単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ以外の前記免疫原性タンパク質またはペプチドが、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)および/またはリボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)および/またはタンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)および/または伸長因子-Tu(EF-Tu)タンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28から29)および/またはP5CRタンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)および/またはTetR様タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)および/またはグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、前記EF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記P5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記TetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ以外の前記免疫原性タンパク質またはペプチドが、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、リボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、および前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  30. 単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ以外の前記免疫原性タンパク質またはペプチドが、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 対象で結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染を診断する方法であって、前記対象からの生体試料中で、請求項9から14のいずれか一項に記載の単離または組換え体の抗体を用いて、免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープを検出する工程を含み、試料中の前記タンパク質または免疫原性断片もしくはエピトープの存在は、疾患、疾患の進行または感染を示す方法。
  32. 前記対象に由来する生体試料を、前記単離または組換え体の抗体と、抗原抗体複合体が形成するのに十分な時間および条件の下で接触させる工程、次に抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を実施する工程を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記ELISAが捕捉抗体および検出抗体を用いるサンドイッチELISAである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記試料が、脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉、骨またはそれらの混合物からの抽出物を含む、請求項31から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記試料が体液を含む、請求項31から34のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記体液が、痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液またはそれらの混合物またはそれらの誘導体である、請求項36に記載の方法。
  38. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)および/またはリボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)および/またはタンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)および/または伸長因子-Tu(EF-Tu)タンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)および/またはP5CRタンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)および/またはTetR様タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)および/またはグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、前記EF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記P5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記TetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項31から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、リボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、および前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項31から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項31から38のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記対象が免疫障害または免疫不全の対象である、請求項31から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記免疫障害または免疫不全の対象がヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している、請求項41に記載の方法。
  43. 結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染を有する対象の、前記結核または感染のための治療化合物による治療への応答を判定する方法であって、請求項9から14のいずれか一項に記載の単離または組換え体の抗体を用いて、前記対象からの生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを検出する工程を含み、正常または健康な対象で検出可能なそのタンパク質または断片またはエピトープのレベルと比較して、高められるか、または低減されないか減少しない前記タンパク質または断片またはエピトープのレベルは、前記対象が前記治療に応答していないか、疾患または感染が排除されていないことを示す方法。
  44. 前記対象由来の生体試料を、前記単離または組換え体の抗体の1つまたは複数と接触させる工程、および抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含む、請求項43に記載の方法。
  45. 酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を実施する工程を含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記ELISAが捕捉抗体および検出抗体を用いるサンドイッチELISAである、請求項45に記載の方法。
  47. 前記試料が、脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉、骨またはそれらの混合物からの抽出物を含む、請求項43から46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記試料が体液を含む、請求項43から46のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記体液が、痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液またはそれらの混合物またはそれらの誘導体である、請求項48に記載の方法。
  50. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)および/またはリボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)および/またはタンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)および/または伸長因子-Tu(EF-Tu)タンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)および/またはP5CRタンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)および/またはTetR様タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)および/またはグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、前記EF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記P5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記TetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項43から49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、リボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、および前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項43から50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項43から50のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記対象が免疫障害または免疫不全の対象である、請求項43から52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記免疫障害または免疫不全の対象がヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している、請求項53に記載の方法。
  55. 結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染を有する対象の、前記結核または感染のための治療化合物による治療への応答を判定する方法であって、前記対象からの生体試料中のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを検出する工程を含み、前記1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染を起こしている対象で検出可能な前記タンパク質または断片またはエピトープのレベルよりも低い、前記タンパク質または断片またはエピトープのレベルは、前記対象が前記治療に応答しているか、疾患または感染が排除されていることを示す方法。
  56. 前記対象由来の生体試料を、前記単離または組換え体の抗体の1つまたは複数と接触させる工程、および抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含む、請求項55に記載の方法。
  57. 酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を実施する工程を含む、請求項56に記載の方法。
  58. 前記ELISAが捕捉抗体および検出抗体を用いるサンドイッチELISAである、請求項57に記載の方法。
  59. 前記試料が、脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉、骨またはそれらの混合物からの抽出物を含む、請求項55から58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記試料が体液を含む、請求項55から58のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記体液が、痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液またはそれらの混合物またはそれらの誘導体である、請求項60に記載の方法。
  62. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)および/またはリボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)および/またはタンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)および/または伸長因子-Tu(EF-Tu)タンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)および/またはP5CRタンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)および/またはTetR様タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)および/またはグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、前記EF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記P5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記TetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項55から61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、リボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、および前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項55から61のいずれか一項に記載の方法。
  64. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項55から61のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記対象が免疫障害または免疫不全の対象である、請求項55から64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記免疫障害または免疫不全の対象がヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している、請求項65に記載の方法。
  67. 対象で疾患の進行、療法への応答性または結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる感染状態を監視する方法であって、請求項9から14のいずれか一項に記載の単離または組換え体の抗体を用いて、前記対象からの生体試料中の結核菌のKARIタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープのレベルを異なる時間に判定する工程を含み、前記KARIタンパク質、断片またはエピトープのレベルの変化は、疾患の進行、療法への応答性または前記対象の感染状態の変化を示す方法。
  68. KARIタンパク質、断片またはエピトープのレベルが経時的に増加する場合に、前記マイコバクテリウムの1つまたは複数による結核または感染の治療のための化合物を投与することをさらに含む、請求項67に記載の方法。
  69. 前記対象由来の生体試料を、前記単離または組換え体の抗体の1つまたは複数と接触させる工程、および抗原抗体複合体の形成を検出する工程を含む、請求項67に記載の方法。
  70. 酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を実施する工程を含む、請求項69に記載の方法。
  71. 前記ELISAが捕捉抗体および検出抗体を用いるサンドイッチELISAである、請求項70に記載の方法。
  72. 前記試料が、脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉、骨またはそれらの混合物からの抽出物を含む、請求項67から71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記試料が体液を含む、請求項67から71のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記体液が、痰、血清、血漿、全血、唾液、尿、胸膜液またはそれらの混合物またはそれらの誘導体である、請求項73に記載の方法。
  75. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)および/またはリボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)および/またはタンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)および/または伸長因子-Tu(EF-Tu)タンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)および/またはP5CRタンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)および/またはTetR様タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)および/またはグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、前記EF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記P5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記TetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項67から74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、リボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、および前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項67から74のいずれか一項に記載の方法。
  77. 試料を、KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体と接触させ、結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体と接触させる工程を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項67から74のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記対象が免疫障害または免疫不全の対象である、請求項67から77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記免疫障害または免疫不全の対象がヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している、請求項78に記載の方法。
  80. 結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染の治療方法であって、
    (i) 請求項20から79のいずれか一項に記載の方法を実施し、それによって対象からの生体試料中の前記マイコバクテリウムの1つまたは複数の存在を検出する工程;および
    (ii) 医薬組成物の治療的有効量を投与して、前記対象の肺、血液またはリンパ系の中の病原性細菌数を減少させる工程を含む方法。
  81. 結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムによる結核または感染の治療方法であって、
    (i) 請求項43から66のいずれか一項に記載の方法を実施し、それによって、第一の医薬組成物によって治療されている対象からの生体試料中の前記マイコバクテリウムの1つまたは複数の存在を検出する工程;および
    (ii) 第二の医薬組成物の治療的有効量を投与して、前記対象の肺、血液またはリンパ系の中の病原性細菌数を減少させる工程を含む方法。
  82. 結核を診断するための、および/または生体試料中の結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムを検出するためのキットであって、
    (i) 単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に特異的に結合する、請求項9から14のいずれか一項に記載の1つまたは複数の単離または組換え体の抗体またはその免疫反応性断片;および
    (ii) 任意選択で取扱説明書と同梱される、抗原抗体複合体の形成を検出するための手段を含むキット。
  83. 前記単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体に特異的に結合する複数の単離または組換え体の抗体を含む、請求項82に記載のキット。
  84. 前記複数の単離または組換え体の抗体の少なくとも1つが固体基質に固定化される、請求項83に記載のキット。
  85. 生体試料で結核菌の感染を検出するためのキットであって、
    (i) 請求項1から4のいずれか一項に記載の単離または組換え体の免疫原性KARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ;および
    (ii) 任意選択で取扱説明書と同梱される、抗原抗体複合体の形成を検出するための手段を含むキット。
  86. 請求項1から4のいずれか一項に記載の単離または組換え体のKARIタンパク質あるいはその免疫原性KARIペプチドまたは免疫原性KARI断片もしくはエピトープ、あるいは前記免疫原性KARIタンパク質、ペプチド、断片またはエピトープを含む融合タンパク質またはタンパク質凝集体をそれに吸着して含む固体マトリックス。
  87. 請求項9から14のいずれか一項に記載の単離または組換え体の抗体をそれに吸着して含む固体マトリックス。
  88. KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体、および結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)および/またはリボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)および/またはタンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)および/または伸長因子-Tu(EF-Tu)タンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U071;配列番号28〜29)および/またはP5CRタンパク質(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号Q11141;配列番号36)および/またはTetR様タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A1QW92;配列番号44)および/またはグルタミン合成酵素(GS)タンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号O33342)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、前記EF-Tuタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記P5CRタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記TetR様タンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびGSタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項87に記載の固体マトリックス。
  89. KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体、および結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、リボソームタンパク質S9(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号A5U8B8;配列番号14)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチド、前記S9に由来する免疫原性ペプチド、および前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項87に記載の固体マトリックス。
  90. KARIまたは免疫原性KARIペプチドもしくは断片もしくはエピトープに結合する抗体、および結核菌群の1つまたは複数のマイコバクテリウムからの1つまたは複数のタンパク質に結合する抗体を含み、前記1つまたは複数のタンパク質が、BSXタンパク質(UnitProtKB/TrEMBLアクセッション番号A5TZK2;配列番号2)、タンパク質Rv1265(UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号P64789;配列番号21)、前記BSXタンパク質に由来する免疫原性ペプチドおよび前記Rv1265に由来する免疫原性ペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項87に記載の固体マトリックス。
  91. 膜を含む、請求項87から90のいずれか一項に記載の固体マトリックス。
  92. 前記膜がナイロンまたはニトロセルロースを含む、請求項91に記載の固体マトリックス。
  93. ポリスチレンまたはポリカーボネートマイクロウェルプレートを含む、請求項87から90のいずれか一項に記載の固体マトリックス。
  94. ディップスティックを含む、請求項87から90のいずれか一項に記載の固体マトリックス。
  95. ガラス支持体を含む、請求項87から90のいずれか一項に記載の固体マトリックス。
  96. クロマトグラフィー樹脂を含む、請求項87から90のいずれか一項に記載の固体マトリックス。
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