JP2016525366A - 新規の選択ベクターおよび真核宿主細胞を選択する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
a)変異型葉酸受容体を選択可能マーカーとしてコードするポリヌクレオチドであって、前記変異型葉酸受容体が、野生型葉酸受容体に比べて葉酸結合親和性(folate binding affinity)が低下している、ポリヌクレオチドと、
b)目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドと
を含み、前記発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せが宿主細胞内へ導入された際に、前記目的のポリペプチドが前記宿主細胞から分泌される、発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せを提供する。
a)野生型葉酸受容体に比べて葉酸結合親和性が低下した変異型葉酸受容体をコードする、選択可能マーカーとして導入されたポリヌクレオチドと、
b)目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つの導入されたポリヌクレオチドと
を含み、前記目的のポリペプチドは、前記宿主細胞から分泌される、宿主細胞に関する。
a)選択可能マーカーとして、野生型葉酸受容体に比べて葉酸結合親和性が低下している、変異型葉酸受容体をコードするポリヌクレオチドと、
b)前記宿主細胞から分泌される目的のポリペプチドをコードする、少なくとも1つのポリヌクレオチドと
を導入するステップを含む、本発明の第2の態様による宿主細胞を生産するための方法に関する。
a)第2の態様による複数の宿主細胞を提供するステップと、
b)制限的な濃度で葉酸類を含む選択培養培地中で、前記複数の宿主細胞を培養するステップと、
c)目的のポリペプチドを発現する少なくとも1つの宿主細胞を取得するステップと
を含む方法を提供する。
a)第2の態様による宿主細胞ならびに/または目的のポリペプチドの発現および選択を可能にする条件下で第4の態様に従って選択された宿主細胞を培養するステップと、
b)細胞培養培地から目的のポリペプチドを単離するステップと、
c)任意選択で、単離された目的のポリペプチドをさらに処理するステップと
を含む、目的のポリペプチドを生産するためのプロセスに関する。
a)以下の配列
b)配列番号9として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異型葉酸受容体であって、Xaaは、前記変異型葉酸受容体ではアラニンではなく、Xaaがアラニンである成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ配列(配列番号1を参照)に比べて、前記変異型葉酸受容体の葉酸結合親和性が低下している、変異型葉酸受容体
をコードするポリヌクレオチドの、生存能を葉酸類の取込みに依存している細胞を選択するための選択可能マーカーとしての使用に関する。
a)以下の配列
b)配列番号9として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaが、b)による前記変異型葉酸受容体ではロイシンである、変異型葉酸受容体
をコードするポリヌクレオチドの、生存能を葉酸類の取込みに依存している細胞を選択するための選択可能マーカーとしての使用に関する。
第1の態様によれば、本開示は、
a)変異型葉酸受容体を選択可能マーカーとしてコードするポリヌクレオチドであって、前記変異型葉酸受容体が、野生型葉酸受容体に比べて葉酸結合親和性が低下している、ポリヌクレオチドと、
b)目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドと
を含み、宿主細胞内へ導入された際に、前記目的のポリペプチドが前記宿主細胞から分泌される、発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せを提供する。
本明細書で使用されるときの「葉酸受容体」とは、機能的であり、それゆえ真核細胞、具体的には哺乳類細胞へ葉酸類またはその誘導体を移入または取り込むことができる受容体を指す。好ましくは、葉酸受容体は、真核宿主細胞、具体的には哺乳類細胞へ葉酸類またはその誘導体を方向付けなく移入または取り込むことができる。さらに、本明細書で使用されるときの葉酸受容体は、膜結合している。そのため、本明細書に記載の葉酸受容体は、膜結合した機能的な葉酸受容体である。これを変異型ならびに野生型の葉酸受容体に適用する。膜への繋留(anchorage)は、例えば膜貫通アンカーまたはグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーによって達成される。葉酸受容体の自然な状態に対応することから、GPIアンカーが好ましい。葉酸受容体(FR)は、高親和性の葉酸結合糖タンパク質である。FRは、3つの別個の遺伝子であるFRアルファ、FRベータおよびFRガンマによってコードされている。FRアルファは、成人型葉酸結合タンパク質またはFDPとして、葉酸受容体1またはFOLR(マウスではfolbp1)として、および卵巣がん関連抗原としても知られている。FRベータは、FOLR2(胎児)として、およびFBP/PL−1(胎盤)としても知られている。FRガンマは、FOLR3として、およびFR−Gとしても知られている[M.D. Salazar and M. Ratnam, Cancer Metastasis Rev. 2007 26(1), pp.141-152によって概説されている]。成熟型のFR類は、特徴がよく明らかにされており、約70〜80%のアミノ酸配列同一性を有する相同なタンパク質であり、229個から236個のアミノ酸ならびに2箇所から3箇所のN−グリコシル化部位を含有する。FRアルファおよびFRベータは、膜結合したタンパク質である。FRアルファおよびFRベータは、GPIで繋留された細胞表面糖タンパク質であるのに対し、FRガンマは、GPIアンカーを欠いた分泌タンパク質である。しかし、それは、遺伝子工学的に変えられて膜貫通ドメインまたはGPIアンカーを含むことができる。膜アンカーを含むそのような変えられたFRガンマの形態はまた、上記に記載されているように、真核細胞内へ葉酸類またはその誘導体を移入または取り込むことができる場合に、野生型の葉酸受容体と見做される。FRアルファおよびFRベータは、葉酸(Kd=0.1〜1nM)、5,10−ジデアザテトラヒドロ葉酸(DDATHF;ロメトレキソール;[3H]葉酸を基質として使用してKi=0.4〜1.3nM)およびBGC945(FRアルファを介してのみ特異的に輸送され、還元型葉酸担体を介さない、シクロペンタ[g]キナゾリンに基づくチミジレートシンターゼ阻害剤である)(Kd=1nM)に対し高い親和性を呈するが、MTXにははるかに低い親和性を呈する(Kd>100nM)。葉酸類および葉酸代謝拮抗剤(antifolate)のFR依存的な取込みは、受容体によって媒介されるエンドサイトーシスの古典的な機序を介して進行する。
− 非極性の側鎖を有するアミノ酸:A、G、V、L、I、P、F、W、M
− 極性の側鎖を有する、電荷のないアミノ酸:S、T、G、C、Y、N、Q
− 芳香族側鎖を有するアミノ酸:F、Y、W
− 正電荷があるアミノ酸:K、R、H
− 負電荷があるアミノ酸:D、E
− 類似のサイズおよび分子量であるアミノ酸であって、置き換わっているアミノ酸の分子量は、本来のアミノ酸の分子量から最大で+/−25%(または+/−20%、+/−15%、+/−10%)まで隔たりがある。
a)成熟型の変異型葉酸受容体が、以下の配列
b)成熟型の変異型葉酸受容体が、配列番号9として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaは、前記変異型葉酸受容体中でアラニンではなく、好ましくは、Xaaは、ロイシン、グリシン、バリン、イソロイシン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸から選択されるアミノ酸であり、さらに好ましくは、Xaaはロイシンであり、Xaaがアラニンである成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ配列(配列番号1を参照)に比べて、前記変異型葉酸受容体の葉酸結合親和性が低減している。一実施形態によれば、前記変異型葉酸受容体は、対応する野生型葉酸受容体に比べて低減した、5−メチルテトラヒドロ葉酸の6Sジアステレオ異性体への結合親和性を示す。一実施形態によれば、結果として得られる変異型葉酸受容体は、追加的にまたは代替的に、葉酸への結合の低減を示す。b)による変異型葉酸受容体は、a)の機能的なバリアントとして見ることができ、a)による変異型葉酸受容体に比べて、1つまたは複数のアミノ酸の追加的な変異(複数可)を含む。例えば、それは、葉酸受容体としての機能が除去されない限り、1つもしくは複数の追加的な置換、欠失および/または1つもしくは複数のアミノ酸の添加を含んでいてもよい。また、包含されるのは、それぞれの変異型葉酸受容体配列を含む、融合タンパク質である。
a)以下の配列
b)配列番号13として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaは、b)による前記変異型葉酸受容体中でロイシンであり、Xaaがアラニンである成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ配列(配列番号1を参照)に比べて、5−メチルテトラヒドロ葉酸の6Sジアステレオ異性体への前記変異型葉酸受容体の結合親和性が低減している、変異型葉酸受容体。
発現ベクターまたは発現ベクターの組合せは、目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む。前記発現ベクターまたはベクターの組合せが、本明細書に記載のように、例えば哺乳類細胞などの葉酸類依存性の宿主細胞に導入される際に、目的のポリペプチドが、前記宿主細胞から分泌される。したがって、目的のポリペプチドは、分泌型のポリペプチドである。ポリヌクレオチドは、天然に分泌されるポリペプチドをコードしていてもよいし、適切な分泌リーダー配列を供することによって分泌されるように変えられていてもよい。大多数の分泌型ポリペプチドは、生合成の間に新生の前駆体ポリペプチドから切り離される、アミノ末端リーダーペプチド(分泌リーダー配列またはシグナルペプチドともいう)を保有する。分泌リーダーペプチドは、通常5から60アミノ酸長である。この配列は、分泌に必要であり十分である。数多くの分泌リーダー配列の例が、先行技術分野にて周知であり、それゆえ本明細書で詳細な記載を何ら必要としない。多数のこれらの分泌リーダーペプチドを分析することによって、著しいアミノ酸配列相同性がなく発生する一般的な構造モチーフが明らかにされている(Von Heijne, 1981;Perlman et al, 1983、Bird et al, 1990)。概して、分泌リーダー配列は、正電荷があるアミノ末端(n)、疎水性コア(h)、およびシグナルペプチダーゼ切断部位を画定するさらに極性が高いカルボキシ末端(c)からなる。欠失によって、または親水性もしくは電荷のあるアミノ酸への疎水性残基の置換によって、h領域を破壊することは、シグナル機能の喪失を引き起こすが、一方で、「n」領域を変えることは、殆ど影響を及ぼさない。カルボキシ末端または切断領域は、典型的には約6アミノ酸長である。この領域は、シグナルペプチダーゼの認識および切断に関与し、通常はタンパク質の最終的な折畳みおよび分泌を達成するために要される。
一実施形態によれば、本開示による発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せは、さらに別の選択可能マーカーをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを追加的に含む。選択可能マーカーは、適切な選択培養条件下で、前記選択可能マーカーを発現する宿主細胞の選択を可能にする。選択可能マーカーは、選択条件下で前記マーカーの担体に、生存および/または成長の優位性を付与する。典型的には、選択可能マーカー遺伝子は、薬物など、例えば抗生物剤や他の毒性剤などの選択剤に対する抵抗性を付与するか、または宿主細胞の代謝不全もしくは異化不全を補うことになる。それは、陽性選択マーカーでも陰性選択マーカーでもよい。首尾よくトランスフェクトされた宿主細胞を選択するために、使用された選択可能マーカーに対する選択を可能にする選択剤を含む培養培地が、宿主細胞を培養するために使用されてもよい。他の実施形態では、選択マーカーは、選択マーカーを欠いた宿主細胞が生存および/または増殖するために不可欠な化合物の非存在下または低減下で生存および増殖することを、宿主細胞に可能にせしめる。一実施形態によれば、選択可能マーカーは、前記薬物を伴う選択条件に抵抗性を付与するタンパク質をコードする、薬物耐性マーカーである。種々の選択可能マーカー遺伝子が当業者に周知であり、文献に記載されている(例えばWO92/08796、WO94/28143、WO2004/081167、WO2009/080759、WO2010/097240)。選択可能マーカーは、一実施形態によれば、増幅可能な選択可能マーカーであってもよい。哺乳類細胞で一般に使用される選択可能マーカー遺伝子としては、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH)、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(hyg)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミジンキナーゼ(tk)、グルタミンシンターゼ、アスパラギンシンターゼの遺伝子、ならびにネオマイシン(G418)、ピューロマイシン、ハイグロマイシンおよびゼオシンへの抵抗性をコードする遺伝子が挙げられる。そのような選択可能マーカーは、変異型葉酸受容体に加えて使用されてもよい。
− ヒト葉酸受容体アルファの成熟型の野生型配列(配列番号1を参照)のアミノ酸49に構造的に対応するかそのアミノ酸位置により対応する少なくとも1つの変異を含む変異型葉酸受容体をコードするポリヌクレオチドであって、前記変異は、野生型葉酸受容体アルファに比べて葉酸結合親和性を低下させ、好ましくは、前記位置にて野生型配列中に存在するアラニンは、ロイシンによって置換されている、ポリヌクレオチドと、
− 野生型DHFR酵素および/または宿主細胞中で選択可能マーカーとして内因的に発現されるDHFR酵素よりもMTXに対する感受性が低いDHFRをコードするポリヌクレオチドとを含む。前記DHFRはまた、好ましくは、上記に記載されているようにイントロンを含む。それぞれのマーカーの組合せは、DHFR+(プラス)細胞を宿主細胞として使用する場合に、特に好適である。DHFR+(プラス)細胞は、内因性のDHFRを発現する。実施例によって示されるように、非常に高生産の細胞クローンは、それぞれのベクターまたは発現ベクターの組合せを使用した際に、効率良く選択することができる。
発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せは、さらに別のベクターエレメントを追加的に含むことができる。例えば、さらに別の目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つの追加的なポリヌクレオチドが含まれうる。上記に説明したように、そして発現されうるポリペプチドに関する記載された実施例から明らかになるように、宿主細胞によって生産されて分泌される最終的なポリペプチドはまた、いくつかの個々のサブユニットまたはドメインから構成されるタンパク質でもありうる。それぞれのタンパク質の好適な例は、免疫グロブリン分子であり、具体的には、例えば重鎖と軽鎖とを含む抗体である。種々の個々のサブユニットまたはドメインから構成されるそれぞれのタンパク質を生産するためのいくつかの選択肢があり、適切なベクターの設計は、当技術分野にて公知である。一実施形態によれば、前記タンパク質の2つまたはそれ以上のサブユニットまたはドメインが、1つの発現カセットから発現される。この実施形態では、タンパク質の個々のサブユニットまたはドメインのコード領域を含むそれぞれの発現カセットから、1つの長い転写物が得られる。一実施形態によれば、少なくとも1つのIRESエレメント(内部リボソーム進入部位)が、個々のサブユニットまたはドメインのコード領域の間に機能的に位置し、それぞれのコード領域を、分泌リーダー配列が先行する。それによって、前記転写物から別々の翻訳産物が得られ、最終的なタンパク質が正しくアセンブリされて分泌されうることが確保される。それぞれの技術は、先行技術分野にて公知であり、それゆえ本明細書にて詳細な記載を何ら必要としない。
(i)目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、
(ii)該目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの下流にある少なくとも1つの終止コドンと、
(iii)該終止コドンの下流にあり、膜アンカーおよび/または膜アンカーのためのシグナルをコードするさらに別のポリヌクレオチドと
を含む。
(i)ポリヌクレオチドであって、前記ポリヌクレオチドの翻訳によって、目的のポリペプチドをもたらすポリヌクレオチドと、
(ii)前記ポリヌクレオチドの下流にある少なくとも1つの終止コドンと、
(iii)前記終止コドンの下流にあり、膜アンカーおよび/または膜アンカーのためのシグナルをコードするポリヌクレオチドと
を順序通りに含む転写物がもたらされる。
(i)目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、
(ii)5’スプライシング供与部位および3’スプライシング受容部位を含み、インフレームの翻訳終止コドンおよびポリアデニル化シグナルを含むイントロンと、
(iii)前記イントロンの下流にあって、膜アンカーおよび/または膜アンカーのためのシグナルをコードするポリヌクレオチドと
を含む。
第2の態様によれば、本開示は、生存能が葉酸類の取込みに依存する細胞であって、少なくとも
a)野生型葉酸受容体に比べて葉酸結合親和性が低下した変異型葉酸受容体をコードする、選択可能マーカーとして導入されたポリヌクレオチドと、
b)目的のポリペプチドをコードする導入されたポリヌクレオチドと
を含み、前記目的のポリペプチドが前記宿主細胞から分泌される、宿主細胞を提供する。
第3の態様によれば、第2の態様による宿主細胞を生産するための方法が提供され、本法は、生存能が葉酸類の取込みに依存している宿主細胞内に、少なくとも
a)野生型葉酸受容体に比べて葉酸結合親和性が低下した変異型葉酸受容体を選択可能マーカーとしてコードするポリヌクレオチドと、
b)前記宿主細胞から分泌される目的のポリペプチドをコードする、少なくとも1つのポリヌクレオチドと
を導入するステップを含む。
第4の態様によれば、本開示は、目的の組換えポリペプチドを高収量で発現することが可能な少なくとも1つの宿主細胞を選択するための方法を提供し、本法は、
a)本開示の第2の態様による複数の宿主細胞を提供するステップと、
b)制限的な濃度の葉酸類を含む選択培養培地中で、前記複数の宿主細胞を培養するステップと、
c)目的のポリペプチドを発現する少なくとも1つの宿主細胞を取得するステップと
を含む。
(a)制限的な濃度の葉酸類を含み、前記葉酸類は、好ましくは、約2000nM以下、約1750nM以下、約1500nM以下、約1000nM以下、約500nM以下、約350nM以下、約300nM以下、約250nM以下、約150nM以下、約100nM以下、約75nM以下、約50nM以下、約40nM以下、約35nM以下、約30nM以下、約25nM以下、約20nM以下、約15nM以下、約10nM以下、約5nM以下、および約2.5nM以下から選択される濃度の葉酸である、ならびに/または
(b)約2000nM以下、約1750nM以下、約1500nM以下、約1000nM以下、約500nM以下、約100nM以下、約75nM以下、約50nM以下、約40nM以下、約35nM以下、約30nM以下、約25nM以下、約20nM以下、約15nM以下、約10nM以下、約5nM以下、および約2.5nM以下から選択される濃度の葉酸を含む。
(a)約2000nM〜0.1nM、
(b)約1750nM〜0.1nM、
(c)約1500nM〜0.1nM、
(d)約1250nM〜0.1nM
(e)約1000nM〜0.1nM
(f)約750nM〜0.1nM、
(g)約500nM〜0.1nM、
(h)約250nM〜0.1nM、好ましくは約250nM〜1nMまたは約250nM〜2.5nM、
(i)約150nM〜0.1nM、好ましくは約150nM〜1nMまたは約150nM〜2.5nM、
(j)約100nM〜0.5nM、好ましくは約100nM〜1nMまたは約100nM〜2.5nM、
(k)約75nM〜0.5nM、好ましくは約75nM〜1nMまたは約75nM〜2.5nM、
(l)約50nM〜1nM、好ましくは約50nM〜2.5nMまたは約50nM〜5nM、
(m)約35nM〜0.5nMおよび
(n)約25nM〜1nM、または約25nM〜2.5nM、約20nM〜3nM、約15nM〜4nMまたは約10nM〜5nM、
から選択されうる。
(a)約500nM〜1nM
(b)約350nM〜2.5nM
(c)約200nM〜5nM
(d)約150nM〜7.5nM
(e)約100nM〜10nMおよび
(f)約75nM〜10nM
から選択されうる。
第5の態様によれば、目的の組換えポリペプチドを生産するためのプロセスが提供され、本プロセスは、目的のポリペプチドの発現および分泌を可能にする条件下で、本開示による宿主細胞および/または本開示の教示によって選択された宿主細胞を培養するというステップを含む。目的のポリペプチドを生産するために本開示による宿主細胞を使用することは、目的のポリペプチドを高収量で生産することができるという利点を有する。このことは、具体的には、発現に用いるのに適切な宿主細胞を選択するために、本開示による選択方法を実施する際に。そのため、本開示は、目的のポリペプチドを生産するための改善された方法を提供する。適した宿主細胞は、上記に記載されており、我々は、先の開示に付託する。
− 前記細胞培養培地から目的のポリペプチドを単離するステップ、および/または
− 単離された目的のポリペプチドを処理するステップ。
本開示の第6の態様は、
a)以下の配列
b)配列番号9として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異型葉酸受容体であって、Xaaは、前記変異型葉酸受容体ではアラニンではなく、Xaaがアラニンである野生型葉酸受容体アルファ配列(配列番号1を参照)に比べて、前記変異型葉酸受容体の葉酸結合親和性が低減している、変異型葉酸受容体
をコードするポリヌクレオチドを選択可能マーカーとして使用することに関する。前記選択可能マーカーは、具体的には哺乳類細胞など、生存能が葉酸類の取込みに依存している首尾よくトランスフェクトされた宿主細胞を選択するために、使用することができる。具体的には、それは、目的の組換えポリペプチドを高収量で発現する宿主細胞を特定するために、選択マーカーとして使用することができる。好ましくは、前記変異型葉酸受容体は、発現ベクターに含まれる。それぞれに変異させた葉酸受容体を選択可能マーカーとして使用することおよび適切な発現ベクターの詳細、組合せおよび利点は、上記に記載されており、それは、先の開示に付託される。特に好適であるのは、本開示の方法にて使用されることである。上記に記載されているように、Xaaは、好ましくはロイシン、グリシン、バリン、イソロイシン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸から選択されるアミノ酸である。最も好ましくは、Xaaはロイシンである。好ましくは、変異型葉酸受容体は、GPIで繋留されている。一実施形態によれば、前記選択可能マーカーは、追加的な選択可能マーカーとしてのDHFRと共に使用される。この実施形態の詳細および適切な選択条件は、上記に記載されており、それは、先の開示に付託される。
a)以下の配列
b)配列番号9もしくは配列番号13として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaが、b)による前記変異型葉酸受容体ではロイシンである、変異型葉酸受容体
をコードするポリヌクレオチドを選択可能マーカーとして使用することに関する。前記選択可能マーカーは、具体的には哺乳類細胞など、生存能が葉酸類の取込みに依存している細胞を選択するために、使用することができる。具体的には、それは、目的の組換えポリペプチドを高収量で発現する宿主細胞を特定するために、選択マーカーとして使用することができる。好ましくは、選択可能マーカーとして使用される前記変異型葉酸受容体は、発現ベクターに含まれる。それぞれに変異させた葉酸受容体(A49L変異体)を選択可能マーカーとして使用することおよび適した好適な発現ベクターを使用することの詳細、組合せおよび利点は、上記に記載されており、また、本実施例に記載されている。それは、先の開示に付託される。特に好適であるのは、本開示の方法にて使用されることである。好ましくは、変異型葉酸受容体は、GPIで繋留されている。一実施形態によれば、前記選択可能マーカーは、追加的な選択可能マーカーとしてのDHFRと共に使用される。この実施形態の詳細および適切な選択条件は、上記に記載されており、それは、先の開示に付託される。この第7の態様の好適な実施形態は、以下に再度記載される。
a)変異型葉酸受容体を選択可能マーカーとしてコードするポリヌクレオチドであって、
i)前記変異型葉酸受容体は、以下の配列
ii)前記変異型葉酸受容体は、配列番号9もしくは配列番号13として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaは、ii)による前記変異型葉酸受容体ではロイシンである、
ポリヌクレオチドと、
b)目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドと
を含む、発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せが使用される。
a)変異型葉酸受容体をコードする、導入されたポリヌクレオチドであって、
i)前記変異型葉酸受容体は、以下の配列
ii)前記変異型葉酸受容体は、配列番号9もしくは配列番号13として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaは、ii)による前記変異型葉酸受容体ではロイシンである、
導入されたポリヌクレオチドと、
b)目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドであって、目的のポリペプチドは、前記宿主細胞から分泌される、ポリヌクレオチドと
を含む。
a)生存能が葉酸類の取込みに依存している、複数の宿主細胞を提供するステップであって、
aa)変異型葉酸受容体をコードする、導入されたポリヌクレオチドであって、
i)前記変異型葉酸受容体は、以下の配列
ii)前記変異型葉酸受容体は、配列番号9もしくは配列番号13として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaは、ii)による前記変異型葉酸受容体ではロイシンである、
導入されたポリヌクレオチドと、
bb)目的のポリペプチドをコードする、少なくとも1つの導入されたポリヌクレオチドと
を含むステップと、
b)制限的な濃度で葉酸類を含む選択培養培地中で、前記複数の宿主細胞を培養するステップと、
c)目的のポリペプチドを発現する少なくとも1つの宿主細胞を取得するステップと
を含む。
a)この態様に関する先行する段落に記載されているような宿主細胞、および/または目的のポリペプチドの発現および分泌を可能にする条件下で、この態様の先行する段落に記載されているような方法に従って選択された宿主細胞を培養するステップと、
b)細胞培養培地から目的のポリペプチドを単離するステップと、
c)任意選択で、単離された目的のポリペプチドを処理するステップと
を含む。
単独のトランスフェクションには、野生型ヒト葉酸受容体アルファ(ベクター:V−wtFRalpha)または変異型ヒト葉酸受容体アルファ(ベクター:V−mutFRalpha)を、選択マーカーとしてCHO細胞に導入した。この実験は、葉酸受容体選択系の機能を解析する目的に応えたものであり、該選択系は、DHFR/MTX系とは反対に、細胞成長の有毒な阻害に基づかないが、培養培地中の葉酸欠乏に起因する成長阻害に基づく。葉酸は、ビタミンB9の酸化形態である。葉酸は、テトラヒドロ葉酸(THF)という還元形態で生物活性を有する。葉酸は、細胞中で、酵素ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)によるNADPH依存的な反応で、ジヒドロ葉酸(DHF)を経て、生物活性形態であるテトラヒドロ葉酸(THF)へと還元される。葉酸の取込みは、細胞成長および細胞増殖を持続させるために、哺乳類細胞には不可欠である。
目的の遺伝子(ここでは参照抗体)の発現に基づくトランスフェクションおよび選択の成果を分析するために、得られた、すなわち実施例1に従って選択された細胞を、選択後の細胞の生産性を決定するために、13日間の振盪フラスコ中でのバッチ培養として培養した。細胞は、90%超の生存率を有していた。13日目に、プロテインA親和性クロマトグラフィーを使用して、培養上清中の抗体濃度を決定した[mg/L]。結果を表4に示す。
目的の遺伝子を高収量で安定に生産する細胞株を開発するために、実施例1による選択を生き残った種々の生産細胞の得られた集団から、高い抗体発現率と良好な細胞成長との両方を示す最も優良なクローンを選択することが必要である。このため、細胞株を、単一の細胞から限界希釈法によって生成した。限界希釈法は、実施例1による選択を生き残った細胞のポリクローナルな集合体から開始して、モノクローナルな細胞集団を得ることを可能にする。これは、親(ポリクローナルな)細胞培養物の希釈を増加させた系列を用意することによって達成される。親細胞の懸濁液を作製する。次いで、開始時の集団中の細胞数に応じて、適切な希釈物を作製する。最終的な希釈物を生産した後に、単個の細胞を細胞培養プレートのウェルに配置し、それからクローンを作製する。モノクローナル細胞の集団を確立することによって、長期間にわたる安定な抗体発現が保証される。選択された細胞集団V−wtFRalpha(15nM葉酸)、V−mutFRalpha(5nM葉酸)、V−DHFRref(125nM MTX)およびV−DHFRref(250nM MTX−異なるトランスフェクション由来)をそれぞれクローン化した。クローニングを、完全培地中にて、さらに、予め選択に使用したような対応する選択培地中にて実施した。そのため、後者の場合には、単一細胞クローニングの間、選択圧を維持した。首尾よく成長した後、70%超の密集度でクローンを24ウェルプレートへ移し入れて、その抗体生産量についてバッチ培養(10日の継続期間)にて試験した。バッチ培養の間、再び完全培地(選択圧なし)と選択培地(選択圧を維持)のどちらかを使用した。クローンを、最高の発現レベルから最低の発現レベルまで並べた(培地に応じて)。結果を図1から図4までに示す。
選択培地中の葉酸欠乏およびMTX添加の形態をとった二重選択圧の、選択のストリンジェンシーと効率とを分析するために、V−DHFRrefおよびV−mutFRalphaを用いて、細胞を同時トランスフェクトした。トランスフェクトされた全てのベクターは、同じ抗体遺伝子を目的のタンパク質として含む。2つの別々の発現ベクターを同時トランスフェクトし、それぞれのベクターは、抗体の軽鎖および重鎖を発現するための発現カセットを含む。完全培地から持ち込まれる葉酸を低減するために、トランスフェクションの前に、PBSを用いてCHO細胞(DHFR参照対照に使用された細胞を除く)を3回洗浄し、トランスフェクションのために選択培地へ継代した。参照対照V−DHFRrefのトランスフェクションに使用されるCHO細胞の継代は、完全培地中で実施された。
安定なベクターの発現を伴う細胞株を生成するために、実施例4に従って得られた細胞集団を、選択が完了した後にクローン化した。選択後、6×96ウェルプレート中で、完全培地(それによって、クローニングの間に選択圧を維持していない)および選択培地(それによって、クローニングの間に選択圧を維持している)で限界希釈法を使用して、ポリクローナルなトランスフェクションのプール50/50をクローン化した。クローンが首尾よく成長した後に、70%超の密集度の際に、クローンを24ウェルプレートへ移し入れて、その抗体生産性についてバッチ培養の10日後に試験した。V−mutFRalpha/V−DHFRrefを同時トランスフェクトされて選択された集団をクローニングした際に達成された結果を図5に示す。図5に示されているように、完全培地および選択培地中でのV−mutFRalpha/V−DHFRref細胞のクローニングの結果、6×96ウェルプレートから65クローンがもたらされた(55は完全培地であり、10は50nM FA/50nM MTXを含む選択培地)。クローンを最も高い発現レベルから最も低い発現レベルまで並べた(培地に応じて)。最も高生産のクローンは、完全培地中でのクローニングから単離され、24ウェルのバッチで450mg/lを生産した。250ml振盪フラスコ(計50ml)では、元のプールは、670mg/lの力価を達成した。
この実施例では、種々の選択条件を供試し比較した。ベクターV−DHFRref、V−wtFRalphaおよびV−mutFRalpha(A49L変異体)を用いて、CHO細胞をトランスフェクトした。選択培地中での制限的な濃度の葉酸を使用して、宿主細胞への選択圧を作り出したが、これを、本明細書では葉酸欠乏ともいう。
この実施例では、変異型ヒト葉酸受容体アルファ(A49L変異体−mutFRalpha、上記を参照)をコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットと、DHFR(V−wtFRalpha/DHFRref)をコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットとを含む発現ベクターを用いて、CHO細胞をトランスフェクトした(ヌクレオフェクション)。そのため、両方の選択可能マーカーmutFRalphaおよびDHFRは、同じ発現ベクター上にあった。さらに、発現ベクターは、抗体の軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットと、抗体の重鎖をコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットとを含んでいた。この実験では、先行の実施例とは異なる抗体を発現させた。50nM葉酸(FA)と種々の濃度のMTXとを使用した5つの種々の選択条件を供試した。選択培地を、以下に続く表13にて要約する。選択後に、選択された細胞プールを、完全培地へ移し入れて、振盪フラスコのバッチ培養にて成長させた。培養の13日目に、培養培地の試料を採取し、プロテインA HPLCによって抗体の含量を分析した。結果を表13にも示す。
手順にて、細胞の遠心分離/洗浄ステップを回避することができるか否かを試験するために、全培地と50nM葉酸を含む培地とのどちらかで凍結保存した細胞から、制限的な濃度の50nM葉酸を含有する培養培地を使用した培養に、親CHO細胞を供した。この培地中で何回か継代した後、ヌクレオフェクション法と、モノクローナル抗体をコードする発現ベクターV−mutFRalpha/DHFRrefとを使用して、細胞をトランスフェクトした。50nM葉酸を含む同じ培地を使用して、このトランスフェクションとこれに続く培養とを行った。次いで、トランスフェクションから48時間後に、10nM MTXを培養物へ添加することによって、選択圧を増加させた。完全培地を使用して、振盪フラスコのバッチ培養で、選択から回復した培養物の生産性を評価した。結果を表14に示す。表14に示されているように、トランスフェクションおよび選択の手順に用いるそのような簡素化したプロトコールによって、先の実施例での手順(例えば表13)に匹敵する生産性がもたらされる。
Claims (35)
- a)変異型葉酸受容体を選択可能マーカーとしてコードするポリヌクレオチドであって、前記変異型葉酸受容体が、野生型葉酸受容体に比べて葉酸結合親和性が低下している、ポリヌクレオチドと、
b)目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドと
を含み、宿主細胞内へ導入された際に、前記目的のポリペプチドが前記宿主細胞から分泌される、発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。 - 前記コードされた変異型葉酸受容体が、野生型葉酸受容体に比べて低下した葉酸結合親和性をもたらす少なくとも1つの変異を葉酸結合ポケットに含む、請求項1に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記コードされた変異型葉酸受容体が、低下した葉酸結合親和性をもたらすアミノ酸の置換、欠失または挿入から選択される少なくとも1つの変異を含む、請求項1または2に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記コードされた変異型葉酸受容体が、変異型葉酸受容体アルファである、請求項1から3のうち1項または複数項に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記コードされた変異型葉酸受容体が、成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ(配列番号1)のアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を含み、前記変異型葉酸受容体のアミノ酸配列が、前記成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ(配列番号1)に比べて葉酸結合親和性を低下させる少なくとも1つの変異を含む、請求項4に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記変異型葉酸受容体が、成熟型の野生型ヒト葉酸受容体配列の49位、104位および166位から選択されるアミノ酸位置に構造的に対応するかまたはアミノ酸配列相同性により対応するアミノ酸位置に、少なくとも1つの置換を含む、請求項4または5に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記変異型葉酸受容体が、成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ配列(配列番号1)のアミノ酸49に構造的に対応するかまたはアミノ酸配列相同性により対応するアミノ酸位置に置換を含む、請求項1から6のうち1項または複数項に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記変異型葉酸受容体が、野生型葉酸受容体に比べて、5−メチルテトラヒドロ葉酸の6Sジアステレオ異性体への結合親和性が低下している、請求項1から7のうち1項または複数項、具体的には請求項6または7に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記変異型葉酸受容体が、野生型葉酸受容体に比べて、葉酸への結合親和性が低下している、請求項1から8のうち1項または複数項、具体的には請求項6または7に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記コードされた変異型葉酸受容体が、成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ配列(配列番号1)のアミノ酸49に構造的に対応するかまたはアミノ酸配列相同性により対応する位置にアミノ酸置換を含み、前記野生型配列に存在するアラニンが、ロイシン、グリシン、バリン、イソロイシン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸からなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、請求項7から9のうち1項または複数項に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記野生型配列の49位に存在するアラニンが、ロイシンによって置換されている、請求項10に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記コードされた成熟型の変異型葉酸受容体が、ヒト葉酸受容体アルファの成熟型の野生型配列(配列番号1)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記成熟型の変異型葉酸受容体のアミノ酸配列が、前記野生型ヒト葉酸受容体アルファに比べて前記成熟型の変異型葉酸受容体の葉酸結合親和性を低下させる少なくとも1つの変異を含む、請求項1から11のうち1項または複数項に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 前記コードされた変異型葉酸受容体が以下の特徴:
a)前記成熟型の変異型葉酸受容体が、以下の配列
b)前記成熟型の変異型葉酸受容体が、配列番号9として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaは、前記変異型葉酸受容体ではアラニンではなく、好ましくは、Xaaは、ロイシン、グリシン、バリン、イソロイシン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸から選択されるアミノ酸であり、さらに好ましくは、Xaaはロイシンであり、Xaaがアラニンである成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ配列(配列番号1を参照)に比べて、前記変異型葉酸受容体の葉酸結合親和性が低減していること
を有する、請求項1から12のうち1項または複数項に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。 - 前記コードされた変異型葉酸受容体が以下の特徴:
a)以下の配列
b)配列番号13として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaはロイシンであり、Xaaがアラニンである成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ配列(配列番号1を参照)に比べて、5−メチルテトラヒドロ葉酸の6Sジアステレオ異性体への前記変異型葉酸受容体の結合親和性が低減していること
を有する、請求項1から13のうち1項または複数項に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。 - 葉酸類代謝に関与する選択可能マーカーをコードするポリヌクレオチドを追加的に含む、請求項1から14のうち1項または複数項に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- 選択可能マーカーをコードする前記ポリヌクレオチドが、ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする、請求項15に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。
- a)変異型葉酸受容体をコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットであって、前記コードされた変異型葉酸受容体が、成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ配列(配列番号1)のアミノ酸49に構造的に対応するかまたはアミノ酸配列相同性により対応する位置にアミノ酸置換を含み、前記位置にて野生型配列に存在するアラニンがロイシンによって置換されている、発現カセットと、
b)目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、少なくとも1つの発現カセットと、
c)ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードするポリヌクレオチドを選択可能マーカーとして含む、発現カセットと
を含む、請求項1から16のうち1項または複数項に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せ。 - 生存能が葉酸類の取込みに依存している宿主細胞であって、
a)野生型葉酸受容体に比べて葉酸結合親和性が低下した変異型葉酸受容体をコードする、選択可能マーカーとして導入されたポリヌクレオチドと、
b)目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つの導入されたポリヌクレオチドと
を含み、前記目的のポリペプチドは、前記宿主細胞から分泌される、宿主細胞。 - 前記変異型葉酸受容体が、請求項2から14のいずれか1項に規定された1つまたは複数の特徴を有する、請求項18に記載の宿主細胞。
- 請求項1から17のうち1項または複数項に規定された発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せを含む、請求項19に記載の宿主細胞。
- 以下の特徴:
a)哺乳類細胞であること、
b)齧歯類細胞であること、
c)CHO細胞であること、
d)内因性の葉酸受容体を発現すること、
e)葉酸類代謝に関与する選択可能マーカー、好ましくはジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする、導入されたポリヌクレオチドを含むこと、および/または
f)前記導入されたポリヌクレオチドが、安定にゲノムへ組み込まれていること
のうち1つまたは複数を有する、請求項18から20のうち1項または複数項に記載の宿主細胞。 - 生存能が葉酸類の取込みに依存している宿主細胞に、
a)野生型葉酸受容体に比べて葉酸結合親和性が低下した変異型葉酸受容体を選択可能マーカーとしてコードするポリヌクレオチドと、
b)前記宿主細胞から分泌される目的のポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドと
を導入するステップを含む、請求項18から21のうち少なくとも1項に記載の宿主細胞を作製するための方法。 - 請求項1から17のうち1項または複数項に記載の発現ベクターまたは少なくとも2つの発現ベクターの組合せを宿主細胞内へ導入する、請求項22に記載の方法。
- 目的のポリペプチドを所望の収量で発現することが可能な少なくとも1つの宿主細胞を選択するための方法であって、
a)請求項18から21のうち1項または複数項に記載の複数の宿主細胞を提供するステップと、
b)制限的な濃度で葉酸類を含む選択培養培地中で、前記複数の宿主細胞を培養するステップと、
c)目的のポリペプチドを発現する少なくとも1つの宿主細胞を取得するステップと
を含む方法。 - ステップb)で使用される前記選択培養培地が、約2000nM以下、約1750nM以下、約1500nM以下、約1250nM以下、約1000nM以下、約750nM以下、約500nM以下、約350nM以下、約300nM以下、約250nM以下、約150nM以下、約100nM以下、約75nM以下、約50nM以下、約40nM以下、約35nM以下、約30nM以下、約25nM以下、約20nM以下、約15nM以下、約10nM以下、約7.5以下、約5nM以下、および約2.5nM以下から選択される濃度で、制限的な濃度の葉酸類を含み、前記葉酸類が、好ましくは葉酸である、請求項24に記載の方法。
- 前記宿主細胞が、ジヒドロ葉酸レダクターゼである選択可能マーカーをコードする導入されたポリヌクレオチドを含み、ステップb)で使用される前記選択培養培地が、1500nM以下、1250nM以下、1000nM以下、750nM以下、500nM以下、200nM以下、150nM以下、125nM以下、100nM以下、75nM以下、50nM以下、25nM以下、20nM以下、15nM以下、および10nM以下から選択される濃度で葉酸代謝拮抗剤を含む、請求項24または25に記載の方法。
- 以下の特徴:
i)ステップb)およびc)を含む1回または複数回の選択サイクルを実施すること、
ii)ステップc)の後、前記細胞を、非制限的な濃度の葉酸類を含む培養培地で培養し、次いで、再度ステップb)に従って培養し、ステップc)に従って取得すること、
iii)ステップb)および/もしくはc)を実施する前および/もしくは後に、フローサイトメトリーに基づく選択および前記宿主細胞に導入された1つもしくは複数の追加的な選択可能マーカーについての選択から選択される1つもしくは複数の追加的な選択ステップを実施すること、
iv)宿主細胞を安定にトランスフェクトすること、ならびに/または
v)選択された宿主細胞が免疫グロブリン分子を組換えによって発現して分泌すること
のうち1つまたは複数を有する、請求項24から26のいずれか1項に記載の方法。 - a)請求項18から21のうち少なくとも1項に記載の宿主細胞、ならびに/または目的のポリペプチドの発現および分泌を可能にする条件下で請求項24から27のうち少なくとも1項に従って選択された宿主細胞を培養するステップと、
b)細胞培養培地から目的のポリペプチドを単離するステップと、
c)任意選択で、単離された目的のポリペプチドを処理するステップと
を含む、目的のポリペプチドを生産するためのプロセス。 - a)以下の配列
b)配列番号9として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異型葉酸受容体であって、Xaaは、前記変異型葉酸受容体ではアラニンではなく、Xaaがアラニンである成熟型の野生型ヒト葉酸受容体アルファ配列(配列番号1を参照)に比べて、前記変異型葉酸受容体の葉酸結合親和性が低減している、変異型葉酸受容体
をコードするポリヌクレオチドの、生存能を葉酸類の取込みに依存している細胞を選択するための選択可能マーカーとしての使用。 - Xaaが、ロイシン、グリシン、バリン、イソロイシン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸から選択されるアミノ酸であり、好ましくはXaaがロイシンである、請求項29に記載の使用。
- a)以下の配列
b)配列番号9として示される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、Xaaが、b)による前記変異型葉酸受容体ではロイシンである、変異型葉酸受容体
をコードするポリヌクレオチドの、生存能を葉酸類の取込みに依存している細胞を選択するための選択可能マーカーとしての使用。 - 前記変異型葉酸受容体が、請求項8、9または14のうち1項または複数項に規定された特徴を有する、請求項29から31のいずれか1項に記載の使用。
- ポリヌクレオチドによってコードされている前記変異型葉酸受容体が、GPIで繋留されている、請求項29から32のいずれか1項に記載の使用。
- 前記変異型葉酸受容体が、選択可能マーカーとしてのジヒドロ葉酸レダクターゼと組み合わせた選択可能マーカーとして使用される、請求項29から33のうち1項または複数項に記載の使用。
- 請求項24から28に記載の方法における、請求項29から34のうち1項または複数項に記載の使用。
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