JP2016520038A - ジフェニルメタンシリーズのジアミン及びポリアミンの製造方法 - Google Patents

ジフェニルメタンシリーズのジアミン及びポリアミンの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、酸触媒の非存在下でアニリン及びホルムアルデヒドを転化し、アミナール及び水を形成し、水相を除去し、有機アミナール相をさらに処理し、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを形成し、その際、アミナール反応で得られるプロセス生成物の相分離で癒合補助成分の使用により、水の比率を、従って、アミナールを含む有機相中にある水溶性不純物も低減させることによる、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンの製造方法を提供する。この酸触媒作用による再配置及びアミナール相のさらなる処理の後のワークアップにより得られるジフェニルメタンシリーズのジ-及びポリアミンは、対応するイソシアネートの製造に非常に好適である。

Description

発明の分野
本発明は、酸触媒の非存在下でアニリン及びホルムアルデヒドを転化し、アミナール及び水を形成し、水相を除去し、有機アミナール相をさらに処理し、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを形成し、その際、アミナール反応で得られるプロセス生成物の相分離で癒合補助成分の使用により、水の画分を、従って、有機のアミナールを含んでなる相中にある水溶性不純物も低減させることによる、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンの製造方法に関する。この酸触媒作用による再配置及びアミナール相のさらなる処理の後のワークアップにより得られるジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンは、対応するイソシアネートの製造に非常に好適である。
酸性触媒を使用する、アニリンとホルムアルデヒドからジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミン(MDA)の製造は一般的に知られている。本発明の状況下では、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンは、下記の種類のアミン及びアミンの混合物を意味する。
Figure 2016520038
ここで、nは自然数≧2である。以下、この種類の、n=2の化合物は、ジフェニルメタンシリーズのアミン又はアミノジフェニルメタン(以下、MMDA)と呼ぶ。この種類の、n>2の化合物は、本発明の状況下では、ジフェニルメタンシリーズのポリアミン又はポリフェニレンポリメチレンポリアミンと呼ぶ(以下、PMDA)。両種類の混合物は、ジフェニルメタンシリーズのジアミン及びポリアミンと呼ぶ(以下、MDA)。全てのNH基をNCO基で置き換えることにより、式(I)化合物から形式的に誘導することができる対応するイソシアネートは、従って、ジフェニルメタンシリーズのジイソシアネート(以下、MMDI)、ジフェニルメタンシリーズのポリイソシアネート又はポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(以下、PMDI)又はジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリイソシアネート(以下、MDI)と呼ぶ。ここで、アミンの場合及びイソシアネートの場合の両方で、重合体(n>2)は一般的に、二量体(n=2)を含む混合物中に常に存在し、実際には、二種類の化合物種、純粋な二量体(MMDA又はMMDI)及び二量体と重合体の混合物(MDA又はMDI)のみを意味する。
工業的には、ジ−及びポリアミン混合物は、主としてホスゲン化により対応するジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリイソシアネートに転化される。MDAの連続的又は部分的に不連続的な製造は、米国特許出願公開第5286760号明細書、欧州特許出願公開第451442号明細書及び国際公開第99/40059号に開示されている。MDAの製造は、アニリン及びホルムアルデヒドを、酸性触媒又の存在下で直接転化することにより、又は第一に、酸性触媒の非存在下で、第一にアニリン及びホルムアルデヒドをいわゆるアミナールに転化し、次いでそのアミナールを続くプロセス工程で、酸性触媒の下で、ジフェニルメタンシリーズのジ-及びポリイソシアネートに再配置すること(いわゆるアミナールプロセス)により、行うことができる。本発明は、アミナールプロセスを取り扱う。両方の方法とも、酸は、再配置が行われた後に、中和される。
市販のホルムアルデヒドは、製造の結果として、及び/又はホルムアルデヒドの安定性を増加するために意図的に加えたメタノールを一般的に含んでなる。これに関して、(i)低含有量のメタノール(通常、工業用途向け)、(ii)中含有量のメタノール(特に製薬用途向け)及び(iii)高含有量のメタノール(特殊な用途向け)を含むホルムアルデヒド等級がある(例えば、「J. Frederic Walker, Formaldehyde, Capter 4, Commercial Formaldehyde Solutions, Third Edition, Robert E. Krieger Publishing Company, Huntington, New York, 1975」参照)。この最後の文献によれば、ホルムアルデヒド溶液における通常のメタノール含有量は、(i)の場合0.3〜1.5%、(ii)の場合6.0〜15%、及び(iii)の場合32.5〜43%である。特定の限界及び応用分野間の差は、無論、厳密な意味においてではない。従って、例えば出版物「David F. Gould, Phenolic Resins, Reinhold Publishing Corporation, New York, London, 1959」は、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の製造における平均メタノール含有量(7〜15%)のホルムアルデヒドの使用を開示している。しかしながら、低メタノール含有量(最大2質量%、一般的に1〜2質量%)の工業用ホルムアルデヒド溶液が、通常、MDA製造に使用される。
製造で得られる酸性反応混合物のワーク−アップは、先行技術により塩基で中和することにより開始される。先行技術では、中和は、通常、さらなる物質を添加せずに、90℃〜100℃の温度で行われる(H.J. Twitchett, Chem. Soc. Rev. 3(2), p. 223 (1974))。しかし、例えば面倒な副生物の分解速度を増加させるために、反応は、異なった温度レベルで行うこともできる。アルカリ金属及びアルカリ土類金属元素の水酸化物が塩基として好適である。水性NaOHを使用するのが好ましい。
中和の後、分離容器中で、有機相を水相から分離する。水相を分離した後に残る粗製MDAを含んでなる有機相は、さらなるワーク−アップ工程、例えば水洗浄(塩基洗浄)、にかけ、粗製MDAから残留する塩を洗い流す。最後に、この様に精製した粗製MDAは、好適な方法、例えば蒸留、抽出または結晶化により、混合物中に存在する過剰のアニリン、水及び他の物質(例えばさらなる溶剤)を除く。通常、先行技術によるワークアップは、例えば欧州特許出願公開第1652835A1号明細書、3頁、58行目〜4頁、13行目、及び欧州特許出願公開第2103595A1号明細書、7頁、21〜37行目)に記載されている。
欧州特許出願公開第1616890A1号明細書は、アニリン及びホルムアルデヒドを最初に、酸性触媒の非存在下でアミナールに転化し、次いで、この様にして得られたアミナールを酸性触媒と混合し、温度20℃〜100℃でさらに転化し、この様にして得た酸性反応混合物の含水量は0〜20重量%である。特に、ホルムアルデヒド及びアニリンを縮合してアミナールを形成した後、先ず、水を少なくとも部分的にアミナールから除去し、アミナール中の含水量0〜5重量%が確立した後、アミナールを酸性触媒と混合する。この様にして、プロトン化度<15%、好ましくは4〜14%、特に好ましくは5〜13%のMDAを製造することができる。ここで一塩基酸触媒(例えば塩酸)に対するプロトン化度は、使用した酸触媒と反応混合物中に存在するアミン官能基のモル比を云う用語である。
欧州特許出願公開第1813598A1号明細書は、アミナール反応で製造された水(反応の水)及びホルマリンから生じた水が、部分的又は完全にプロセスの他の廃水流と組み合わされ、さらに処理され、有機構成成分、例えばアニリン及びMDAが、例えば抽出及び蒸留の組合せにより、除去されることを教示している(特に段落[0037]〜[0042])。原材料ホルマリンの所在は記載されていない。さらに、欧州特許出願公開第1813598A1号明細書は、抽出された廃水から蒸留によりアニリンを除去する際に、蒸気が多段階で凝縮され、それを行っている中で、有利なことにメタノール及びさらなる低沸点物質を含む画分が高濃度で製造されることを教示している(段落[0043])。従って、第一に、プロセス段階におけるメタノールレベルは、有利なことに低下し、第二に、この画分は、有利なことに燃料代替品として使用できる。
MDA製造方法の品質は、一方で、生成物の、反応の好ましくない副生物の含有量によって決まる。他方、連続製法の品質は、開始から、正常製造、プロセス停止までのプロセス全体が、プロセスの中断を必要とする技術的な製造損失又は問題無しに操作できること、及び結果として原材料、中間生成物、又は最終製品の損失が無いことによって決まる。そのような問題は、例えば有機相と水相の相分離によりアミナールの含水量を調節する時に起こることがある。この種の問題は、例えば相分離の際に遅れが生じる、又は相分離が不完全である、又は第三相(スラッジ又はスラッジ層)が形成されることである。この第三相は、安定しており、かさばった中間体相であることがあり、水相と有機相の間に生じ、相分離を妨害し、極端な場合、相分離を完全に妨げることさえある。操作の進行に関して最悪の場合、問題が生じた相分離容器(複数可)を完全に空にし、洗浄する必要がある。相分離容器の中身は、複雑なワークアップを行うか、又は廃棄しなければならず、これには著しいコストがかかる。特定の状況下では、連続製造の中断につながることもある。スラッジ層の形成が完全に回避できない場合、そのスラッジ層は究極的に2つの相の一方に行き着く。このスラッジ層が有機相に行き着くと、アミナール反応後の相分離の場合、これは、水相に行き着く場合よりも、深刻ではない。これは、水相に行き着いた場合、大量の分散溶解した有機材料が、スラッジ層と共にアミナール水に行き着くためである。該損失は、アミナール水を廃棄又はさらに使用する際に生じることがある。
欧州特許出願公開第2103595A1号明細書は、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンの製造に関する手順を取り扱っているが、そこでは、アニリン及びホルムアルデヒドを、酸性触媒の存在下で転化している。粗製生成物を中和した後の相分離に関して、この相分離を、水及び/又はアニリンの添加により助力できることを開示している。好ましくは水及び/又はアニリンを添加することにより希釈された反応混合物を、内部構造物として2相の癒合を助力するプレート部分を有する分離フラスコ中で、有機相及び水相に分離する(段落[0043]及び[0044])。機械的分離手段の使用により、装置に追加経費が掛かることは別として、相分離の品質に特に高い必要条件が課せられる場合、プレート部分では完全に満足できる結果を達成することはできない。従って、これは、アニリン及びホルムアルデヒドが最初に酸性触媒の非存在下で反応し、それに続くプロセス工程で、形成されたアミナールが酸触媒により初めて再配置される、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミン製造のプロセス手順に関して、アミナール反応後の二相分離にも当てはまる。
従って、これらの問題を解決するための処理手段を使用できることが望ましい。
記載する先行技術の製法は、MDAを高収率で製造することに成功しているが、装置に対する追加の経費無しに、原材料及び反応プロセスにおける中間生成物の損失を最少に抑え、製造プロセスの継目のない技術的進歩を確実にするために、望ましい効率で水性アミナール相からの、有機相の分離を改良できる補助手段は記載されていない。
従って、簡単な手段により、アミナール段階において有機相と水相の間の相分離を改良することができる、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンの製造方法が必要とされている。これは、既存のMDAプロセスのコスト−有効性を改良するであろう。
上記のことを考慮して、本発明は、
a)アニリン及びホルムアルデヒドを、酸性触媒の非存在下で、アミナールと水とを含んでなる反応混合物に転化し、その際、使用すべきホルムアルデヒドが、最大2.0質量%、好ましくは1.0質量%〜2.0質量%のメタノールを含んでなり、
b)実質的にアミナール反応の縮合水及び原材料のホルムアルデヒドからの水からなる水を、工程a)で得た反応混合物から少なくとも部分的に除去し、アミナールを含んでなる有機相を形成し、
c)工程b)で得たアミナールを含んでなる有機相を、酸性触媒の存在下で転化し、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを含んでなる反応混合物を形成し、
d)工程c)で得たジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを含んでなる反応混合物を中和し、次いで洗浄及び蒸留が関与するワークアップにかける、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンの製造方法であって、
工程a)で得た反応混合物からの水の工程b)で行うべき分離を助力する目的で、工程a)で、群(i)〜(v)の少なくとも一つ由来の少なくとも一種の補助試薬、又は群(vi)のみ由来の少なくとも一種の補助試薬を、それぞれの場合に記載する質量画分で加え、質量画分とは、加えた補助試薬の質量を含む、工程a)で使用する全ての原料物質の総質量を意味し、
(i)0.05質量%〜3.0質量%、好ましくは0.1質量%〜1.5質量%の1〜6個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、
(ii)0.0001質量%〜3.0質量%、好ましくは0.01質量%〜1.5質量%のアルカリ金属ハロゲン化物、
(iii)0.0001質量%〜0.030質量%、好ましくは0.001質量%〜0.015質量%のアルカリ金属水酸化物、
(iv)0.0001質量%〜1.0質量%、好ましくは0.001質量%〜0.50質量%の1〜4個の炭素原子を有するカルボン酸、
(v)0.0001質量%〜1.0質量%、好ましくは0.001質量%〜0.50質量%の1〜4個の炭素原子を有するカルボン酸の塩、
(vi)0.1質量%〜3.0質量%、好ましくは0.2質量%〜1.5質量%の5〜7個の炭素原子を有する環状脂肪族アルコール、ここで、群(vi)の補助試薬の質量画分は、これが、工程a)で使用するアニリン及び群(vi)の補助試薬の総質量に対して、0.5質量%を超えるように選択される、
方法を提供する。
発明の具体的説明
工程a)で使用するホルムアルデヒド中のメタノール含有量は、ここでは、使用する形態(即ち、水の質量を包含するホルムアルデヒド水溶液を使用する好ましい場合)におけるホルムアルデヒドの総質量に対する、メタノールの質量画分百分率を意味する。
本発明は、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリイソシアネートの製造方法であって、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを本発明の方法により製造し、次いでホスゲンで、対応するジ−及びポリイソシアネートに転化する方法にも関する。
本発明の実施態様を以下に、より詳細に説明する。前後関係から反対のことが当業者に明確に生じない限り、様々な実施態様を任意に、互いに組み合わせることができる。
工程a)におけるアニリンとホルムアルデヒドの縮合は、補助試薬を添加する本発明の必要条件(これに関して、下記の段落を参照)は別として、先行技術の方法により、行うことができる。これには、好ましくはアニリン及びホルムアルデヒド水溶液を、アニリンとCHOのモル比1.7:1〜20:1、好ましくは1.7:1〜5.0:1で、温度20℃〜100℃、好ましくは30℃〜95℃、特に好ましくは40℃〜90℃で縮合させ、アミナール及び水を形成する。転化は、通常、大気圧で行う。好適なアニリン等級は、例えば欧州特許第1257522B1号明細書、欧州特許出願公開第2103595A1号明細書及び欧州特許第1813598B1号明細書に記載されている。水中のホルムアルデヒド30質量%〜50質量%のホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)の工業用等級を使用するのが好ましい。しかしながら、より低い又はより高い濃度のホルムアルデヒド溶液又は気体状ホルムアルデヒドの使用も考えられる。
本発明により、工程a)で、少なくとも一種の補助試薬を上で規定するように加える。補助試薬は、連続的、半連続的又はバッチプロセスで、アミナール反応器(即ち、工程a)が行われる反応器)の入口から工程b)の相分離装置の入口の間のどこでも加えることができる。補助試薬は、前もって、原料流のアニリン及び/又はホルムアルデヒドと混合することもできる。その上、最初にアニリンとホルムアルデヒドを反応させ、その後に補助試薬を加えることもできる。
特に好ましい補助試薬は、
・メタノール及びメタノール含有プロセス流、
・塩化ナトリウム、水酸化カリウム及びこれらの塩の水性プロセス流、
・水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、
・ギ酸、
・ギ酸ナトリウム及びギ酸カリウム、
・シクロヘキサノール
である。
(これに関して、「プロセス流」とは、MDA製造プラント又は別の製造プラントにおける別の地点で、プロセスの結果として製造されるような流れを意味する。)これら補助試薬の2種類以上の混合物を使用することもできるが、そのような混合物中にシクロヘキサノールは絶対使用しない。補助試薬の溶液を使用する場合(例えば塩様補助試薬のプロセス流又は水溶液)、本発明により観察すべきそれぞれの濃度データは、溶液の質量ではなく、溶解した補助試薬の質量を指す。
非常に好ましくは、メタノール、メタノール含有プロセス流、塩化ナトリウム、塩化ナトリウム含有水性プロセス流、水酸化ナトリウム水溶液(苛性ソーダ溶液)又はこれら補助試薬の組合せ又はシクロヘキサノール(のみ)を使用する。特に好ましくは、メタノール、メタノール含有プロセス流、塩化ナトリウム含有プロセス流、水酸化ナトリウム水溶液又はこれら補助試薬の組合せを使用する。さらに好ましくはメタノール、メタノール含有プロセス流、塩化ナトリウム含有プロセス流又はこれら補助試薬の組合せを使用する。
異なった群にある補助試薬の組合せを使用する場合、そのような組合せは、本発明により、上に規定する群(i)〜(v)のみを含んでなる。これは、驚くべきことに、(vi)5〜7個の炭素原子を有する環状脂肪族アルコール、特にシクロヘキサノール、と、上に挙げた群(i)〜(v)からの他の補助試薬の一種以上との組合せは、補助試薬の添加を省略した場合よりも、相分離時間が長くなることが観察されたためである。
アミナール反応(工程a))の原材料の総質量に対して、0.05質量%〜3.0質量%、好ましくは0.1質量%〜1.5質量%の1〜6個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、及び/又は0.0001質量%〜3.0質量%、好ましくは0.01質量%〜1.5質量%のアルカリ金属ハロゲン化物、及び/又は0.0001質量%〜0.030質量%、好ましくは0.001質量%〜0.015質量%のアルカリ金属水酸化物、及び/又は0.0001質量%〜1.0質量%、好ましくは0.001質量%〜0.50質量%の1〜4個の炭素原子を有するカルボン酸又は1〜4個の炭素原子を有するカルボン酸の塩又は0.1質量%〜3.0質量%、好ましくは0.2質量%〜1.5質量%の5〜7個の炭素原子を有する環状脂肪族アルコールを補助試薬として添加する。5〜7個の炭素原子を有する環状脂肪族アルコールの場合、そのような補助試薬の質量画分は、工程a)で使用するアニリン及び補助試薬の総質量に対して、0.5質量%を超えるように選択しなければならないという制限を、さらに考慮しなければならない。
MDAプロセスでは、本質的に発生する化学的補助試薬を使用し、プロセスを異物で不必要に汚染しないのが好ましい。
従って、MDAの製造に通常使用されている、市販されている工業用ホルマリンは、製造方法に応じてメタノールを、ホルマリンの総質量に対して1質量%〜2質量%程度含んでなるので、この手順は、当業者にとって明白ではない。当業者は、そのような工業用ホルマリンに追加のメタノール(又は他の特定の補助試薬の一つ)を混合することは、先行技術からは思いつかない。
工程b)で、有機アミナール相及び水相の相分離は、温度20℃〜100℃、好ましくは30℃〜95℃、特に好ましくは40℃〜90℃で、好ましくは大気圧で行う。本発明により補助試薬を添加する結果、アミナール反応(工程a))後に分離された水相(いわゆる「アミナール水」)における有機画分が最少に抑えられ(残留曇りの清澄化)、従って、相分離が促進される。
工程c)におけるアミナールの再配置は、酸性触媒、通常は強鉱酸、例えば塩酸の存在下で行われる。好ましくは、鉱酸は、鉱酸:アニリンのモル比0.001:1〜0.9:1、好ましくは0.05:1〜0.5:1で使用する。無論、文献に記載されているような固体の酸性触媒を使用することもできる。これに関して、ホルムアルデヒドは、アニリンと酸性触媒の混合物に加えることができ、反応溶液は、段階的な加熱により、十分に反応させることができる。あるいは、アニリン及びホルムアルデヒドを先ず予備反応させ、次いで、前もって水の除去を行って、又は行わずに、酸性触媒又はさらなるアニリンと酸性触媒との混合物と混合させ、その後、反応溶液を段階的加熱によりさらに反応させることができる。この反応は、文献(例えば欧州特許出願公開第1616890A1号明細書又は欧州特許出願公開第1270544A1号明細書)中に記載されている数多くの製法の一つにより、連続的に、又は断続的に行うことができる。
工程d)では、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを含んでなる反応混合物を、第一に、所望により水及び/又はアニリンを加えて中和する(工程d.1))。中和は、好ましくは、90℃〜100℃の温度で、さらなる物質を加えずに行う。しかしながら、例えば面倒な副生物の分解の速度を増加させるために、異なった温度レベルで行うこともできる。好適な塩基は、好ましくはアルカリ金属及びアルカリ土類金属元素の水酸化物である。好ましくは、水酸化ナトリウム溶液を使用する。中和に使用する塩基は、好ましくは、使用する酸性触媒の中和に化学量論的に必要とされる量の100%を超える量、特に好ましくは105%〜120%の量で使用する(欧州特許出願公開第1652835A1号明細書参照)。この様にして得られる二相混合物は、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを含んでなる有機相および水相に分離される。これは、アニリン及び/又は水の添加により助力することができる。相分離を、アニリン及び/又は水の添加により助力する場合、それらの添加は、中和における集中的な混合によりすでに行うのが好ましい。これに関して、混合は、静止ミキサーを含む混合部分、撹拌タンク又は撹拌タンクカスケード、又は混合部分と撹拌タンク反応器の組合せで行うことができる。次いで、所望によりアニリン及び/又は水を加えて希釈した中和反応混合物は、好ましくは、その構造及び/又は内部構造物のために、MDAを含んでなる有機相および水相に分離するのに特に好適な装置、好ましくは例えばMass-Transfer Operations(物質移動操作)、第三版、1980、McGraw-Hill Book Co, p.477〜541、又はUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (Vol.21, Liquid-Liquid Extraction(液体−液体抽出)、E. Muller et al.、頁272-274, 2012 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, DOI: 10.1002/14356007.b03_06.pub2) 又はKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology (”http://onlinelibrary.wiley.com/book/10.1002/0471238961”、Published Online: June 15, 2007, page 22-23参照)(ミキサー−沈降装置カスケード又は沈降容器)に記載されている様な相分離又は抽出装置に送られる。中和及び洗浄の相分離装置における滞留時間及び滞留時間配分は、技術的内部構造物により改良し、分離効果を改良することができる。
次いで、この様にして得られた有機相は、洗浄にかける(工程d.2))。洗浄液は、好ましくは水である。次いで、洗浄水は、相分離手法により分離する。この様にして、有機相の塩含有量が減少する。好適な好ましい方法は、例えば独国特許出願公開第2549890号明細書、特に3頁に記載されている。相分離は、少量の水酸化ナトリウム溶液を工程d.2)における洗浄水に加えることにより、改良することができる。水酸化ナトリウム溶液の量は、当業者により容易に決定できる。工程d.2)で得た有機相は、好ましくは、有機相の総質量に対して、5.0質量%〜15質量%の水、及びアニリンとホルムアルデヒドの使用比に応じて、5.0質量%〜90質量%、好ましくは5.0質量%〜40質量%、のアニリン及び5.0質量%〜90質量%、好ましくは50質量%〜90質量%のジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンの組成を有する。工程d.2)の相分離から出た後、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを含んでなる有機相は、通常、温度80℃〜150℃を有する。
水及びアニリンは、先行技術で公知のように、得られた中和及び洗浄したジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを含んでなる有機相から蒸留により分離する(工程d.3))。これは、好ましくは欧州特許第1813597B1号明細書、特に段落[0014]〜[0043]に記載されているように行う。
このようにして得たジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンは、公知の方法によりホスゲンで、対応するジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリイソシアネートに転化することができる。これに関して、ホスゲン化は、先行技術(例えば独国特許出願公開第844896号明細書又は独国特許出願公開第19817691号明細書)から公知の方法の一つにより行うことができる。
補助試薬をアミナール反応(工程a))で加え、次いで行うべき有機物質(実質的にアミナール)をアミナール水から除去するのを助力する場合、即ちアミナール水中の有機物質含有量を下げ、そうして得た有機物質を、本発明により工程c)及びd)でさらに処理する場合、下記のような利点が特に生じる。
1)水相による原材料及び中間体の損失が最少に抑えられるので、プロセスの製造コストが改良される。
2)有機物質による水相の負荷が低減されるので、廃水処理における処理コストが低下する(MDA廃水から有機物質をストリッピングにより除去するのに必要な蒸気が少なくて済むので、エネルギーコストが節約される)。
3)非常に長い滞留時間にわたるアミナール反応混合物の相分離を容認する大きすぎる相分離装置を省略できる。
4)反応装置及び廃水のストリッピングにおける不純物及び堆積物が減少する。
5)アミナールの再配置反応における酸性触媒を、より効果的に使用できる。
%で記載する含有量データは、特定物質の総質量に対する質量百分率である。
例1(比較)
複数の口を有する丸底フラスコに、純粋アニリン279gを入れ、撹拌しながら80℃で、メタノール含有量1.2質量%である32%濃度の水性工業用ホルムアルデヒド溶液134gを滴下して20分間かけて加えた。ホルムアルデヒドを加えた後、混合物をさらに5分間、後撹拌し、相分離を80℃で行った。攪拌機のスイッチを切った後、89秒間で、フォーム状コンシステンシーが現れたことから相分離の開始が明らかになり、160秒間後、有機及び水相の分離が完了した(表1も参照)。
例2(本発明による)
複数の口を有する丸底フラスコに、純粋アニリン279gを入れ、撹拌しながら80℃で、32%濃度の水性工業用ホルムアルデヒド溶液134g(出発メタノール含有量1.2質量%を有し、出発材料として使う前に、使用する水性ホルムアルデヒドの総質量に対して1.0質量%の追加メタノールを補助成分として混合)を滴下して20分間かけて加えた。ホルムアルデヒドを加えた後、混合物をさらに5分間、後撹拌し、相分離を80℃で行った。攪拌機のスイッチを切った後、20秒間で、フォーム状コンシステンシーが現れたことから相分離の開始が明らかになり、36秒間後、有機及び水相の分離が完了した(表1も参照)。
例3〜8及び10〜12(本発明による)、例9(比較)
複数の口を有する丸底フラスコに、純粋アニリン279gを入れ、撹拌しながら80℃で、32%濃度の水性工業用ホルムアルデヒド溶液134g(出発メタノール含有量1.2質量%を有し、出発材料として使う前に、追加の補助試薬を混合)を滴下して20分間かけて加えた。ホルムアルデヒドを加えた後、混合物をさらに5分間、後撹拌し、攪拌機のスイッチを切った後、相分離を80℃で行った。表1は、補助成分及び相分離の観察された分離時間を示す。
Figure 2016520038
この表は、アミナール反応(工程a))で本発明の濃度による補助試薬の存在が、その後に続く相分離(工程b))を改良することを示す。驚くべきことに、このことは、工業用ホルムアルデヒド水溶液中に1〜2質量%の量で実際すでに存在するメタノールにも当てはまる。補助試薬NaOHを含む例9は、補助成分が特定の百分率範囲内でのみ肯定的な影響を有することを示している。
例13〜17(比較)
複数の口を有する丸底フラスコに、純粋アニリン279gを入れ、撹拌しながら環状脂肪族アミンを混合した。次いで、80℃で撹拌しながら、メタノール含有量1.2質量%である32%濃度の工業用ホルムアルデヒド水溶液134gを滴下して20分間かけて加えた。ホルムアルデヒドを加えた後、混合物をさらに5分間、後撹拌し、80℃で攪拌機のスイッチを切った後、相分離を行った。表2は、添加剤及び相分離の観察された分離時間を示す。
例18〜21(本発明による)
複数の口を有する丸底フラスコに、純粋アニリン279gを入れ、撹拌しながら異なった量のシクロヘキサノールを混合した。次いで、80℃で撹拌しながら、メタノール含有量1.2質量%である32%濃度の工業用ホルムアルデヒド水溶液134gを滴下して20分間かけて加えた。ホルムアルデヒドを加えた後、混合物をさらに5分間後撹拌し、80℃で攪拌機のスイッチを切った後、相分離を行った。結果は同様に表2に示す。
Figure 2016520038
この表は、アミナール反応混合物中に存在する環状脂肪族アミンが、その後の相分離を妨害することを示している。驚くべきことに、シクロヘキサノールを広い濃度範囲で加えることにより、相分離を著しく改良する。
例22(比較、シクロヘキサノールとの補助混合物)
複数の口を有する丸底フラスコに、純粋アニリン279gを入れ、撹拌しながらシクロヘキサノール2.8gを混合した。次いで、80℃で撹拌しながら、32%濃度の工業用ホルムアルデヒド水溶液134g(メタノール含有量1.2質量%、及びさらにNaCl0.7g、NaOH0.07g及びメタノール1.3gを加えたもの)を滴下して20分間かけて加えた。ホルムアルデヒドを加えた後、混合物をさらに5分間、後撹拌し、80℃で攪拌機のスイッチを切った後、相分離を行った。実験の結果を表3に示す。
Figure 2016520038
例23(比較、製造プラントにおける操作試験)
連続反応プロセス(工程a))で、原料アニリン24.4t/h(アニリン90質量%を含んでなる)、及びメタノール1.0質量%を含んでなる50%濃度のホルムアルデヒド溶液6.1t/hを混合し、撹拌反応容器中、95℃でアミナールに連続的に転化した。続く相分離装置中の相分離(工程b))は、相分離層が、水相における曇り及びスラッジ層が現れたために見難かったので、困難なことが立証された。エマルションが生じたために、プラントは停止し、相分離容器を空にしてから、アミナール反応を再開する必要があった。
例24(本発明による、製造プラントにおける操作試験)
連続反応プロセス(工程a))で、原料アニリン24.4t/h(アニリン90質量%を含んでなる)、及びメタノール1.0質量%を含んでなる50%濃度のホルムアルデヒド溶液6.1t/hを混合し、撹拌反応容器中、95℃でアミナールに連続的に転化した。さらに、連続手順で、NaCl 8質量%及びNaOH0.5質量%を含み、導電率145mSを有する塩含有水性プロセス流を反応器に加えた。反応容器から出る反応混合物は、連続的にメタノール含有プロセス流(水中45質量%のメタノール)60 l/hsと混合し、相分離装置(工程b))に送った。相分離は、非常に良く見える相分離層が形成されたので、難なく行われた。この方法は、長い製造工程にわたって安定して行われた。
相分離して水相を除去した後、有機相を、31%濃度の水性塩酸(プロトン化度10%、即ちアミノ基1molあたり0.1molのHClを加えた)と混合し、反応器カスケードで50℃〜150℃で反応させた(工程c))。完全に反応させた後、形成された反応混合物を、32%濃度の水酸化ナトリウム溶液と混合し、水酸化ナトリウム溶液とHClのモル比1.1:1で、中和撹拌容器(工程d.1))中で反応させた。温度は115℃であった。絶対圧は1.4barであった。次いで、中和した塩基混合物を中和分離装置で、廃水収集容器に送る水性の下側相と有機相に分離した。有機の上側相は、洗浄(工程d.2))に送った。撹拌洗浄容器中で、アルカリ性MDAを縮合物で洗浄した。洗浄水分離装置で洗浄水を分離した後、この様にして得られた粗MDAから、工程d.3)で水及びアニリンを蒸留により除去し、17t/hのMDAがボトム生成物として得られた。

Claims (6)

  1. a)アニリン及びホルムアルデヒドを、酸性触媒の非存在下で、アミナールと水を含んでなる反応混合物に転化し、その際、使用すべき前記ホルムアルデヒドが最大2.0質量%、好ましくは1.0質量%〜2.0質量%のメタノールを含んでなり、
    b)水を、工程a)で得た前記反応混合物から少なくとも部分的に除去し、前記アミナールを含んでなる有機相を形成し、
    c)工程b)で得た前記アミナールを含んでなる有機相を、酸性触媒の存在下で転化し、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを含んでなる反応混合物を形成し、
    d)工程c)で得たジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンを含んでなる前記反応混合物を中和し、次いで洗浄及び蒸留が関与するワークアップにかける、ジフェニルメタンシリーズのジアミン及びポリアミンの製造方法であって、
    工程a)で、群(i)〜(v)の少なくとも一つの少なくとも一種の補助試薬、又は群(vi)のみの少なくとも一種の補助試薬を、それぞれの場合に記載する質量画分で加え、質量画分とは、加えた前記補助試薬の質量を含む、工程a)で使用する全ての原料物質の総質量を意味し、
    (i)0.05質量%〜3.0質量%の1〜6個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、
    (ii)0.0001質量%〜3.0質量%のアルカリ金属ハロゲン化物、
    (iii)0.0001質量%〜0.030質量%のアルカリ金属水酸化物、
    (iv)0.0001質量%〜1.0質量%の1〜4個の炭素原子を有するカルボン酸、
    (v)0.0001質量%〜1.0質量%の1〜4個の炭素原子を有するカルボン酸の塩、
    (vi)0.1質量%〜3.0質量%の5〜7個の炭素原子を有する環状脂肪族アルコール、
    ここで、前記群(vi)の補助試薬の前記質量画分は、工程a)で使用する前記アニリン及び前記群(vi)の補助試薬の総質量に対して、0.5質量%を超えるように選択される、
    方法。
  2. 群(i)の補助試薬が、メタノール及びメタノール含有プロセス流からなる群から選択され、
    群(ii)の補助試薬が、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びこれらの塩の水性プロセス流からなる群から選択され、
    群(iii)の補助試薬が、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群から選択され、
    群(iv)の補助試薬がギ酸であり、
    群(v)の補助試薬が、ギ酸ナトリウム及びギ酸カリウムからなる群から選択され、
    群(vi)の補助試薬がシクロヘキサノールである、
    請求項1に記載の方法。
  3. 群(i)、(ii)、(iii)及び(vi)の補助試薬のみが使用され、
    群(i)の補助試薬が、メタノール及びメタノール含有プロセス流からなる群から選択され、
    群(ii)の補助試薬が、塩化ナトリウム及び塩化ナトリウム含有水性プロセス流からなる群から選択され、
    群(iii)の補助試薬が、水酸化ナトリウム水溶液であり、
    群(vi)の補助試薬がシクロヘキサノールである、
    請求項1に記載の方法。
  4. 群(i)、(ii)及び(iii)の補助試薬のみが使用され、
    群(i)の補助試薬が、メタノール及びメタノール含有プロセス流からなる群から選択され、
    群(ii)の補助試薬が、塩化ナトリウム及び塩化ナトリウム含有水性プロセス流からなる群から選択され、
    群(iii)の補助試薬が、水酸化ナトリウム水溶液である、
    請求項1に記載の方法。
  5. 少なくとも一種の補助試薬が、
    出発材料のアニリン及びホルムアルデヒドとは別に、転化工程a)に導入されるか、
    工程a)の出発材料のアニリン及びホルムアルデヒドの少なくとも一方に加えてから、それらを混合するか、あるいは
    アニリン及びホルムアルデヒドを混合した後に加える、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により製造されたジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリアミンをホスゲン化することによる、ジフェニルメタンシリーズのジ−及びポリイソシアネートの製造方法。
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