JP2016224408A - 液体現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー粒子の帯電量及び電気泳動移動度をより向上させるトナー電荷制御剤及び電荷補助剤を提供し、画像形成装置のプロセススピードの高速化に対応できる液体現像剤を提供すること。【解決手段】トナー粒子とキャリア液体を含む液体現像剤であって、該トナー粒子、又は該キャリア液体のいずれかに、特定の構造単位を有する高分子化合物を含有することを特徴とする液体現像剤。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷などの電子写真方式を利用する画像形成装置に用いられる液体現像剤に関する。
電子写真方式とは、感光体などの像担持体の表面を一様に帯電させ(帯電工程)、像担持体の表面に露光により静電潜像を形成させ(露光工程)、形成された静電潜像を着色粒子よりなる現像剤で現像し(現像工程)、紙やプラスチックフィルムなどの記録媒体に該現像剤像を転写し(転写工程)、転写された現像剤像を記録媒体に定着して(定着工程)、印刷物を得る方法である。
この場合、現像剤は、顔料などの着色剤及びバインダー樹脂を含む材料で構成される着色粒子を、乾燥状態で用いる乾式現像剤と、着色粒子をキャリア液としての電気絶縁性液体に分散した液体現像剤とに大別される。
近年、電子写真方式を利用する複写機、ファクシミリ、及びプリンターなどの画像形成装置に対し、カラー化や高速プリントに対するニーズが高まってきている。カラー印刷においては、高解像度かつ高画質な画像が求められるため、高解像度かつ高画質な画像を形成することが可能な現像剤であって、高速プリントに対応できる現像剤が求められる。
カラー画像の再現性に関して有利な現像剤として、液体現像剤が知られている。液体現像剤は、現像剤中の着色粒子の凝集が生じにくいため、微細なトナー粒子を用いることができる。そのため、液体現像剤は、細線画像の再現性や階調再現性に優れた特性が得られやすい。これらの優れた特長を生かした、液体現像剤を用いた電子写真技術を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像剤の開発が求められている。
液体現像剤のトナー粒子を帯電させ、電気泳動により現像剤を現像、転写させるために様々な電荷制御剤(Charge Control Agent)が検討されている。
例えば、特許文献1ではレシチンのような低分子化合物がトナーを負帯電させるトナー電荷制御剤(Toner Charge Control Agent)として有効に作用することが提案されている。
一方、特許文献2では、4級アンモニウム塩を含有する高分子化合物が有用な負帯電性のトナー電荷制御剤になることが提案されている。
また、特許文献3では類似の4級アンモニウム塩を含有する高分子化合物が、トナー粒子中に含有されることによってトナーを正帯電性させるための電荷補助剤(Charge
Adjuvant)となることが示されている。
特許第3267716号公報 特開平7−319223号公報 特開平7−261467号公報
しかし、近年、画像形成装置のプロセススピードの高速化から、これまでに提案されているトナー電荷制御剤では不十分であり、トナー粒子の電気泳動移動度をより向上させるトナー電荷制御剤及び電荷補助剤の開発が求められている。
従って、本発明は、トナー粒子の帯電量及び電気泳動移動度をより向上させるトナー電荷制御剤及び電荷補助剤を提供し、画像形成装置のプロセススピードの高速化に対応でき
る液体現像剤を提供するものである。
本発明は、トナー粒子とキャリア液体を含む液体現像剤であって、
該トナー粒子、又は該キャリア液体のいずれかに、下記式(1)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有することを特徴とする液体現像剤である。
Figure 2016224408

[前記式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基のいずれかを表し、Aは単結合、カルボニル基、アルキレン基、アリーレン基及び−COOR−(ただし、−COOR−中のカルボニル基はRが結合した炭素原子に結合し、Rは炭素数1以上4以下のアルキレンを表す)のいずれかを表し、Bはアルキレン基及びアリーレン基のいずれかを表す。]
本発明によれば、画像形成装置のプロセススピードの高速化に対応できる液体現像剤を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液体現像剤は、トナー粒子とキャリア液体を含む液体現像剤であって、
該トナー粒子、又は該キャリア液体のいずれかに、下記式(1)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2016224408

[上記式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基のいずれかを表し、Aは単結合、カルボニル基、アルキレン基、アリーレン基及び−COOR−(ただし、−COOR−中のカルボニル基はRが結合した炭素原子に結合し、Rは炭素数1以上4以下のアルキレンを表す)のいずれかを表し、Bはアルキレン基及びアリーレン基のいずれかを表す。]
以下、式(1)で表される構造単位、及び、該構造単位を有する高分子化合物について詳細に説明する。
式(1)で表される構造単位は優れた正電荷受容性を有している。
したがって、該構造単位を有する高分子化合物を、キャリア液体中に溶解又は分散させることにより、該構造単位を有する高分子化合物がトナー粒子に吸着し、トナー粒子から正電荷を受容する。その結果、トナー粒子が負に帯電する。すなわち、該構造単位を有する高分子化合物が、トナー粒子を負帯電させるためのトナー電荷制御剤として作用する。
一方、トナー粒子が該構造単位を有する高分子化合物を含有する場合は、トナー粒子が正電荷を受容し、トナー粒子を正帯電させるための電荷補助剤として作用する。
上記式(1)中、R1におけるアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ま
しい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基などが挙げられる。
上記式(1)中のR1は上記に列挙した置換基、及び水素原子から任意に選択できるが
、高分子化合物の製造(重合性)の観点から水素原子、及びメチル基である場合が好ましい。
上記式(1)中、R〜Rにおけるアルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、及びオクタデシル基などが挙げられる。これらのアルキル基はさらに置換されていてもよく、互いに結合し、環を形成していてもよい。
上記式(1)中、Aは高分子主鎖とリン酸エステル部位を結合する連結基であり、カルボニル基、アルキレン基、アリーレン基及び−COOR−(ただし、−COOR−中のカルボニル基はRが結合した炭素原子に結合し、Rは炭素数1以上4以下のアルキレンを表す)のいずれかを表す。また、単結合により高分子主鎖に直結していてもよい。
連結基Aにおけるアルキレン基としては、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよく、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基などが挙げられる。
連結基Aにおけるアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、及びナフタレン−2,6−ジイル基などが挙げられる。
連結基Aにおける−COOR−としては、−COOR−中のカルボニル基はRが結合した炭素原子に結合し、Rが炭素数1以上4以下のアルキレンである。該アルキレンは、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。
これらの連結基はさらに置換されていてもよく、該置換は高分子化合物の帯電特性を著しく低下させるものでなければ特に制限されない。
連結基Aは上記のように特に限定されるものではないが、原料の入手や製造の容易性の観点からカルボニル基、又は、−COOR−(ただし、−COOR−中のカルボニル基はRが結合した炭素原子に結合し、Rは炭素数1以上4以下のアルキレンを表す)である場合がより好ましい。
上記式(1)中、Bはリン酸エステル部位と4級アンモニウム部位を結合する連結基であり、アルキレン基及びアリーレン基のいずれかを表す。
連結基Bにおけるアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基などが挙げられる。
連結基Bにおけるアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、及びナフタレン−2,6−ジイル基などが挙げられる。
これらの連結基はさらに置換されていてもよく、該置換は高分子化合物の帯電特性を著しく低下させるものでなければ特に制限されない。
連結基Bは上記のように特に限定されるものではないが、原料の入手や製造の容易性の観点からメチレン基、及びエチレン基などの単純なアルキレン基である場合がより好ましい。
本発明において、上記トナー粒子、又はキャリア液体のいずれかは、上記式(1)で表される構造単位、及び下記式(2)で表される構造単位を有する共重合体を含有することが好ましい。
Figure 2016224408

[上記式(2)中、Rは水素原子及びアルキル基のいずれかを表し、Rはアルキル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、アルコキシ基及びアリール基のいずれかを表す。]
上記式(2)中、Rにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基などが挙げられる。
上記式(2)中、Rは上記に列挙した置換基、及び水素原子から任意に選択できるが、共重合体の製造(重合性)の観点から水素原子、及びメチル基である場合が好ましい。
上記式(2)中、Rにおけるアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基
、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、及びトリアコンチル基などが挙げられる。
上記式(2)中、Rにおけるアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
上記式(2)中、Rにおけるカルボン酸エステル基としては、−COOR(ただし、Rは炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基及び炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。)が挙げられる。具体的には、メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n−ブチルエステル基、tert−ブチルエステル基、オクチルエステル基、2−エチルヘキシルエステル基、ドデシルエステル基、オクタデシルエステル基、ドコシルエステル基、トリアコンチルエステル基、フェニルエステル基、及び2−ヒドロキシエチルエステル基などのエステル基が挙げられる。
上記式(2)中、Rにおけるカルボン酸アミド基としては、−CO−NR10(ただし、R及びR10はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜30のアルキル基及びフェニル基のいずれかを表す。)が挙げられる。具体的には、N−メチルアミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N−イソプロピルアミド基、N−tert−ブチルアミド基、N−n−デシルアミド基、N−n−ヘキサデシルアミド基、N−オクタデシルアミド基、N−ドコシルアミド基、N−トリアコンチルアミド基、及びN−フェニルアミド基などのアミド基が挙げられる。
上記式(2)中、Rにおけるアルコキシル基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基又は炭素数1〜30のヒドロキシアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ドコシルオキシ基、トリアコンチルオキシ基、及び2−ヒドロキシエトキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。
上記式(2)中、Rの置換基は、さらに置換されていてもよく、共重合体の帯電特性を著しく低下させるものでなければ特に制限されない。この場合、置換してもよい置換基としては、メトキシ基及びエトキシ基などのアルコキシ基、N−メチルアミノ基及びN,N−ジメチルアミノ基などのアミノ基、アセチル基などのアシル基、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子が挙げられる。
上記式(2)中、R及びRは上記に列挙した置換基から任意に選択できるが、該共重合体が使用される用途に応じて適当な置換基を選択するとよい。
例えば、トナー電荷制御剤として低極性のキャリア液体中に溶解、分散させて使用する場合は、キャリア液体中での溶解性や、分散性、逆ミセル形成能を向上させるために長鎖アルキルを有するような置換基を選択するのが好ましい。
一方、電荷補助剤としてトナー粒子中に含有させる場合は、キャリア液体への溶解性を低下させ、バインダー樹脂への親和性を向上させるような置換基を選択するのが好ましい。
本発明において、上記共重合体における、共重合組成比は特に限定されないが、上記式(1)で表される構造単位の上記式(2)で表される構造単位に対するモル比が、0.01:99.99〜50:50であることが好ましく、1:99〜30:70であることがより好ましい。
共重合組成比が上記範囲にある場合、電荷制御剤又は電荷補助剤としての機能が充分に発揮されると共に、キャリア液体中への溶解性及び分散性に優れ、また、バインダー樹脂への親和性にも優れる。
上記高分子化合物又は共重合体の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、使用用途に応じた分子量を適宜選択するとよい。
例えば、トナー電荷制御剤としてキャリア液体中に溶解、分散させて使用する場合、重量平均分子量(Mw)は、3000以上30万以下程度が好ましく、より好ましくは3000以上15万以下である。
Mwが30万以上の場合はキャリア液体への溶解性、分散性が低下し、トナー電荷制御剤としての機能が低下する傾向にある。
また、電荷補助剤としてトナー粒子中に含有させる場合は、Mwが3000以上30万以下であることが好ましく、より好ましくは3000以上15万以下である。
Mwが3000未満の場合はトナー粒子からキャリア液体中への溶出が多くなり、電荷補助剤としての機能が低下する傾向にある。一方、Mwが30万を超える場合はバインダー樹脂への相溶性や分散性が低下する傾向にある。
本発明の液体現像剤における、上記高分子化合物又は共重合体の含有量は、トナー粒子単位質量当たり、上記式(1)で表される構造単位が10nmol%以上0.1mmol%以下であることが好ましい。
含有量を上記範囲にすることで、所望のトナー粒子の帯電量及び電気泳動移動度を得ることができ、かつ、液体現像剤の電気抵抗を維持しやすく、現像性及び転写性などに影響を及ぼさない。
一方、本発明の液体現像剤において、上記高分子化合物又は共重合体をキャリア液体中に溶解又は分散させる場合の含有量は、トナー粒子(固形分)100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下程度にするとよい。
また、トナー粒子が上記高分子化合物又は共重合体を含有する場合の含有量は、トナー粒子(固形分)に対して、0.01質量%以上10質量%以下程度にするとよい。
以下に上記高分子化合物及び共重合体(以下、纏めて高分子化合物ともいう)の製造方法について詳細に説明する。
高分子化合物の製造方法は、上記の構造のものが得られれば特に限定されるものではないが、例えば以下のような方法で製造することができる。
すなわち、(i)上記式(1)に対応するビニルモノマーを製造後、これを重合し製造する方法と、(ii)上記式(1)の高分子主鎖に対応する高分子化合物を合成後、高分子反応により、式(1)の両性イオン部位を結合する方法で製造することができる。
モノマーの入手容易性や、官能基量の制御の点から(i)に示す方法で製造されるのが好ましい。以下、(i)に示す方法について詳細に説明する。
上記式(1)で表される構造単位を高分子化合物中に導入するためのビニルモノマーとしては、置換基R、連結基Aの構造により、ビニルエーテル誘導体、アクリレート誘導体、メタクリルレート誘導体、α―オレフィン誘導体、芳香族ビニル誘導体などを使用することができるが、モノマーの製造容易性の観点から、アクリレート誘導体又はメタクリルレート誘導体を使用するのが好ましい。
対応するアクリレート誘導体又はメタクリルレート誘導体は以下に示す文献の方法などにより製造することができる。
K.Ishihara、他2名、「Polymer Journal」、(日本)、高分子学会、1990年、第22巻、p.355−360。
上記ビニルモノマーの重合方法としては、ラジカル重合、イオン重合が挙げられ、また、分子量分布制御や構造制御を目的とするリビング重合を用いることもできる。工業的にはラジカル重合を用いることが好ましい。
ラジカル重合は、ラジカル重合開始剤の使用、放射線、レーザー光などの光の照射、光重合開始剤と光の照射との併用、加熱などにより行うことができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、ラジカルを発生し、重合反応を開始させることができるものであれば良く、熱、光、放射線、酸化還元反応などの作用によってラジカルを発生する化合物から選ばれる。
例えば、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、有機金属化合物、光重合開始剤な
どが挙げられる。
より具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物、過酸化水素−鉄(II)塩系、BPO−ジメチルアニリン系、セリウム(IV)塩−アルコール系などのレドックス開始剤などが挙げられる。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ケタール系などが挙げられる。これらラジカル重合開始剤は、2種以上を併用してもよい。
上記ビニルモノマーの重合温度は、用いる重合開始剤の種類により好ましい温度範囲は異なり、特に制限されるものではないが、−30℃〜150℃の温度で重合することが一般的であり、より好ましい温度範囲は40℃〜120℃である。
この際使用される重合開始剤の使用量は、上記モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下で、目標とする分子量分布の高分子化合物が得られるように使用量を調節するのが好ましい。
また、その重合法としては、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合、沈殿重合、及び塊状重合などいずれの方法を用いることも可能であり、特に限定するものではない。
得られた高分子化合物は必要に応じて精製処理を行うことができる。精製方法としては特に制限はなく、再沈殿、透析、カラムクロマトグラフィーなどの方法を使用することができる。
製造した高分子化合物の構造は各種機器分析を用いて同定することができる。使用できる分析機器としては核磁気共鳴装置(NMR)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−OES)などを使用することができる。
上記共重合体の製造方法も、上記の構造のものが得られれば特に限定されるものではなく、上記高分子化合物と同様である。
例えば、上記式(1)に対応するビニルモノマー、及び、上記式(2)に対応するビニルモノマーを製造後、これらを重合し製造する方法が挙げられる。
このとき、上記式(1)に対応するビニルモノマー、及び、上記式(2)に対応するビニルモノマー以外の重合性モノマーをさらに加えて重合することも可能である。
以下に、本発明の液体現像剤に含有される各構成成分について説明する。
本発明の液体現像剤は、少なくとも、キャリア液体、該キャリア液体に不溶なトナー粒子、及び、上記式(1)で表される構造単位を含む高分子化合物から構成されている。
また、トナー粒子は、バインダー樹脂及び着色剤を構成成分として含有している。
上記高分子化合物がトナー電荷制御剤として使用される場合は、高分子化合物がキャリア液体中に溶解又は分散されている。一方、上記高分子化合物が電荷補助剤として使用される場合は、高分子化合物がトナー粒子に含有されている。
そして、液体現像剤は、該トナー粒子が該キャリア液体に分散されてなる。
[キャリア液体]
キャリア液体は、体積抵抗率が高く電気絶縁性があり、室温付近で低粘度の液体であれば、特に制限されることはない。
具体的には、ヘキサン、ヘプタン、及びオクタンなどの炭化水素系溶剤やアイソパーG、アイソパーE、アイソパーL(エクソンモービル社製)、及びモレスコホワイトP−40(MORESCO社製)などの流動パラフィン系溶剤、シリコーン化合物などが挙げられる。
キャリア液体の体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下であることが好ましく、1×1010Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下であることがより好ましい。
体積抵抗率が1×10Ω・cm未満の場合、静電潜像の電位が降下しやすく、高い光学濃度を得にくい傾向や、画像ボケを生じやすい傾向にある。
なお、本発明において、上記体積抵抗率は、インピーダンス法で測定する。
具体的には、誘電体測定システム(125596WB、ソーラトロン製)を用いて、下記のように測定する。
試料1.2mLを充填した測定セル(SC−C1R−C、(株)東陽テクニカ製)を測定装置に接続し、25℃に調整する。印加電圧3V(実効値)で1MHz〜0.1Hzの
範囲で周波数を変化させながら測定を行う。得られた複素インピーダンスをナイキストプロットで表し、RC並列等価回路でフィッティングすることにより、試料の抵抗成分、コンデンサ成分の値を算出する。さらに、測定セルのセル定数から体積抵抗率を求める。
一方、キャリア液体の粘度は、25℃で0.5mPa・s以上200mPa・s未満が好ましく、より好ましくは0.5mPa・s以上100mPa・s未満である。粘度が高すぎると、トナー粒子の電気泳動速度が低下しやすく、プリント速度が低下する傾向にある。
なお、本発明において、上記粘度は、回転式レオメーター法で測定する。
具体的には、粘弾性測定装置(Physica MCR300、(株)アントンパール製)を用いて、下記のように測定する。
コーンプレート型測定治具(75mm径、1°)を取り付けた測定装置に試料約2mLを充填し、25℃に調整する。1000s−1から10s−1へ連続的にせん断速度を変化させながら粘度を測定し、10s−1の時の値を粘度とする。
本発明の液体現像剤を紫外線硬化型とするために、キャリア液体に重合性モノマーを使用することもできる。
使用できる重合性モノマーは上記キャリア液体の特性を満たせば特に制限されない。
該重合性モノマーとして、例えば、ビニルエーテル化合物、エポキシ化合物、アクリル系化合物、及びオキセタン化合物が挙げられる。
これらのうち、人体への安全性、高抵抗、及び低粘度という観点からビニルエーテル化合物が好ましい。
ビニルエーテル化合物とは、ビニルエーテル構造(−CH=CH−O−C−)を有する化合物を示す。
該ビニルエーテル構造は好ましくは、R−CH=CH−O−C−で表される(Rは、水素又は炭素数1〜3のアルキルであり、好ましくは水素又はメチルである)。
本発明において、ビニルエーテル化合物は、上記ビニルエーテル構造以外にヘテロ原子を有しない化合物であることも好ましい態様の一つである。
ここでヘテロ原子とは炭素原子と水素原子以外の原子のことをいう。
ビニルエーテル化合物中にヘテロ原子が含有された場合、ヘテロ原子と炭素原子の電気陰性度の差により分子内に電子密度の偏りが生じやすくなる場合や、ヘテロ原子が有する非共有電子対や空の電子軌道が伝導電子やホールの通り道になりやすい場合があるためか、抵抗が低下しやすくなる。
さらに、本発明においては、ビニルエーテル化合物が、ビニルエーテル化合物中にビニルエーテル構造以外の炭素−炭素二重結合を有しないものであることも好ましい態様の一つである。炭素−炭素二重結合は、エネルギー準位の高い電子占有軌道とエネルギー準位の低い非電子占有軌道を有するが、これらは電子やホールの通り道となりやすく、抵抗を下げることにつながりやすい。ビニルエーテル化合物中にビニルエーテル構造以外の炭素−炭素二重結合が含有された場合、このような機構により抵抗が低下しやすい。
本発明において、ビニルエーテル化合物が、下記式(C)で表されることが好ましい。
Figure 2016224408

[式(C)中、nは、一分子中のビニルエーテル構造の数を示し、1以上4以下の整数である。Rはn価の炭化水素基である。]
上記nは、1以上3以下の整数であることが好ましい。
Rは、好ましくは、炭素数1以上20以下の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5以上12以下の飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、及び炭素数6以上14以下の芳香族炭化水素基から選択される基であり、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基は、炭素数1以上4以下の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を有していてもよい。
上記Rは、より好ましくは炭素数4以上18以下の直鎖又は分岐の飽和脂肪族炭化水素基である。
該ビニルエーテル化合物としては、例えば、n−オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジビニルエーテル、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、及び1,2−デカンジオールジビニルエーテルなどが挙げられる。
本発明の液体現像剤を紫外線硬化型とする場合、上記重合性モノマーとともに、光重合開始剤、光重合増感剤及び光重合増感助剤を併用することもできる。該光重合性開始剤、光重合増感剤及び光重合増感助剤は、液体現像剤の体積抵抗率を低下させ過ぎず、粘度が高くなりすぎないものであれば、公知のいずれの化合物でも使用することが可能である。
[トナー電荷制御剤]
上記キャリア液体中には、トナー粒子の帯電性を調整する目的で、上記高分子化合物と共に、他のトナー電荷制御剤を含有することができる。
併用できる他のトナー電荷制御剤としては、液体現像剤としての体積抵抗率が低下し過ぎず、粘度が上昇し過ぎない範囲において、公知のものが利用できる。
具体的な化合物としては、亜麻仁油及び大豆油などの油脂、アルキド樹脂、ハロゲン重合体、芳香族ポリカルボン酸、酸性基含有水溶性染料、芳香族ポリアミンの酸化縮合物、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、及び2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類、石油系スルホン酸金属塩及びスルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類、レシチンなどのリン脂質、サリチル酸やベンジル酸などの金属錯体、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、ヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
本発明において、上記高分子化合物を電荷補助剤としてトナー粒子中に含有させる場合は、キャリア液体中にトナー電荷制御剤を添加することが好ましい。
添加される電荷制御剤としてはトナー粒子を正に帯電させるものが好ましく、有機酸の金属塩又は金属錯体が好適に用いられる。
具体的には、例えば、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッ
ケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類、サリチル酸やベンジル酸などの金属(例えば、アルミニウム、クロム、亜鉛、ジルコニウム及びホウ素)錯体などが挙げられる。
この場合、添加量は、トナー粒子(固形分)100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
[トナー粒子]
トナー粒子は、バインダー樹脂及び着色剤を構成成分として含有している。また、上記高分子化合物が電荷補助剤として使用される場合は、トナー粒子は上記高分子化合物を含有する。
(バインダー樹脂)
トナー粒子に含有されるバインダー樹脂としては、紙又はプラスチックフィルムなどの被着体に対して定着性を有し、キャリア液体に不溶であれば公知のバインダー樹脂が使用できる。
ここで、「キャリア液体に不溶」に関し、温度25℃で、キャリア液体100質量部に対し、溶解するバインダー樹脂が1質量部以下であることが指標として挙げられる。
該バインダー樹脂の具体例として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−(メタ)アクリル樹脂、及びロジン変性樹脂などの樹脂が挙げられる。また、必要に応じ、これらは単独又は2種以上併用することができる。
バインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、着色剤100質量部に対して、50〜1000質量部であることが好ましい。
[着色剤]
トナー粒子に含有される着色剤としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料、有機染料、無機顔料、若しくは顔料を、分散媒として不溶性の樹脂などに分散させたもの、又は、顔料表面に樹脂をグラフト化したものなどを用いることができる。
上記顔料としては、例えば、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」に記載の顔料が挙げられる。
該顔料の具体例としては、例えば、黄色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤又はマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青又はシアン色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.
I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
トナー粒子中における顔料の分散には、トナー粒子の製造方法に応じた分散手段を用いればよい。分散手段として用いることができる装置としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、及び湿式ジェットミルなどがある。
顔料の分散を行う際に顔料分散剤を添加することも可能である。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、及び顔料誘導体などを挙げることができる。また、Lubrizol社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。
これらの顔料分散剤及び顔料分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
[電荷補助剤]
上記トナー粒子中には、トナー粒子の帯電性を調整する目的で、上記高分子化合物と共に、他の電荷補助剤を含有することができる。
併用できる他の電荷補助剤としては、トナー粒子の造粒性やトナー粒子中の顔料分散性を著しく低下させない範囲において、公知のものが利用できる。
具体的な化合物としては、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、及び2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩及びスルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;レシチンなどのリン脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、及びヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
上記高分子化合物や併用する他の電荷補助剤を、電荷補助剤としてトナー粒子中に含有させる方法は、電荷補助剤がトナー粒子中に保持できれば特に制限されない。
例えば、トナー粒子の造粒工程において、バインダー樹脂及び着色剤などと共に添加する方法や、トナー粒子を造粒後、トナー粒子表面に対して、化学的又は物理的手法により、結合又は吸着させる方法などを使用することができる。これらの手法は液体現像剤の製造法に合わせて最適な手法を選択するとよい。
トナー粒子中に添加される電荷補助剤は、トナー粒子から脱離し、キャリア液体中に溶解、又は分散すると液体現像剤の体積抵抗率を低下させたり、キャリア液体中の電荷制御剤の作用を阻害したりする可能性がある。そのため、キャリア液体への溶解性を低下させ、かつ、トナー粒子の構成材料への親和性を向上させるような構造を選択するとよい。
また、電荷補助剤のキャリア液体中への脱理が顕著な場合は、吸着剤による吸着、キャリア液体の置換、透析などの手法により、キャリア液体中から脱理した電荷補助剤を除去する方法を用いることもできる。
[その他の添加剤]
本発明の液体現像剤には、上記説明した以外に、必要に応じて、記録媒体適合性、保存安定性、画像保存性、及びその他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤を用いてもよい。例えば、界面活性剤、滑剤、充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、及び防錆剤などを適宜選択して用いることができる。
本発明において、液体現像剤の製造方法としては、特に限定されることは無く、例えば、コアセルベーション法や湿式粉砕法などの公知の方法が挙げられる。
一般的な製造方法としては、顔料、バインダー樹脂及びその他の添加剤、並びに、分散媒体を混合し、ビーズミルなどを用いて粉砕し、トナー粒子の分散体を得る。得られたトナー粒子の分散体、電荷制御剤、及びキャリア液体などを混合して液体現像剤を得る製造方法が例示できる。
上記コアセルベーション法については、例えば、特開2003−241439号公報、国際公開第2007/000974号、又は国際公開第2007/000975号に詳細が記載されている。
該コアセルベーション法では、顔料、樹脂、該樹脂を溶解する溶剤、及び該樹脂を溶解しない溶剤を混合し、該混合液から該樹脂を溶解する溶剤を除去して、溶解状態にあった該樹脂を析出させることにより、顔料を包埋したトナー粒子を、該樹脂を溶解しない溶剤中に分散させることができる。
一方、上記湿式粉砕法については、例えば、国際公開第2006/126566号、又は国際公開第2007/108485号に詳細が記載されている。
該湿式粉砕法では、顔料とバインダー樹脂とをバインダー樹脂の融点以上で混練した後乾式粉砕し、得られた粉砕物を電気絶縁性媒体中で湿式粉砕することにより、トナー粒子を電気絶縁性媒体中に分散させることができる。
本発明においては、この様な公知の方法が利用可能である。
上記トナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、体積平均粒径が0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上1μm以下である。
また、本発明において、液体現像剤中のトナー粒子濃度は、1質量%以上70質量%以下程度にするとよい。
[液体現像剤の特性]
本発明の液体現像剤は、下記のような物性値を有するように調製して使用することが好ましい。すなわち、液体現像剤の粘度は、適度なトナー粒子の電気泳動移動度が得られるという観点から、トナー粒子の濃度が2質量%の場合、25℃において0.5mPa・s以上100mPa・s以下であることが好ましい。
また、液体現像剤の体積抵抗率は、静電潜像の電位を降下させないという観点から、1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下であることが好ましい。
以下に本発明で用いられる測定方法、及び評価法について示す。
(1)組成分析
上記高分子化合物の構造決定は以下の手法を用いた。
日本電子(株)製ECA−400(400MHz)を用い、H−NMR、及び、13C−NMRのスペクトル測定を行った。
内部標準物質としてテトラメチルシランを含む重水素化溶剤中、25℃で測定を行った。化学シフト値は内部標準物質であるテトラメチルシランを0としたppmシフト値(δ
値)として示した。
(2)分子量分布測定
上記高分子化合物の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、単分散ポリメタクリル酸メチル換算で算出した。GPCによる分子量の測定は以下に示すように行った。
サンプル濃度が1質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置し溶解させた溶液を、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブレンフィルターでろ過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置:高速GPC GPC−104(昭和電工社製)
カラム:GPC HFIP−603、604の2連(昭和電工社製)
溶離液:ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)(10mmol/l トリフルオロ酢酸ナトリウム含有)
流速:0.2ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:20μL
試料の分子量分布の算出にあたっては、標準ポリメタクリル酸メチル樹脂(アジレントテクノロジーズ社製 EasiVial PM ポリマースタンダードキット)により作成した分子量校正曲線を使用した。
(3)体積平均粒径の測定
トナー粒子の体積平均粒径は、動的光散乱法(DLS)粒子径分布測定装置(商品名:ナノトラック150、日機装社製)を用いて、対応するキャリア液体中で測定を行った。
(4)電気泳動移動度の評価
作製した液体現像剤の電気泳動移動度の測定は以下に示すように行った。
トナー粒子濃度が1質量%となるようにキャリア液体で希釈したサンプルを、厚さ300μm、幅20mmの金属製電極を100μm離間し対向させた平行平板電極間に毛管力で保持した。
平行平板電極間に100Vの電位差を印加(電界強度 1×10V/m)した際の電気泳動の様子を光学顕微鏡に接続した高速度カメラ(フォトロン社製 FASTCAM SA−1)で撮影した。
得られた画像を画像処理ソフトImageJ(開発元:Wayne Rasband (NIH))に取り込み、粒子画像流速測定法(PIV法)により粒子の平均泳動移動度を算出した。粒子の泳動極性は正極に泳動した場合は負、負極に泳動した場合は正とした。
電気泳動移動度の評価は下記基準によって判断した。
A:平均泳動移動度が1×10−9/V・s以上
B:平均泳動移動度が7×10−10/V・s以上、1×10−9/V・s未満C:平均泳動移動度が3×10−10/V・s以上、7×10−10/V・s未満
D:平均泳動移動度が1×10−10/V・s以上、3×10−10/V・s未満
E:平均泳動移動度が1×10−10/V・s未満
平均泳動移動度が7×10−10/V・s以上(A又はBランク)であれば電気泳動移動度及び帯電量が高く、良好であると判断した。
以下に実施例を挙げて本説明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例で記載する「部」はすべて質量部を示す。
(高分子化合物aの製造)
冷却管、撹拌機、温度計及び窒素導入管を取り付けた反応容器にリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチル 17.9部、メタクリル酸オクタデシル 82.1部、アゾビスイソブチロニトリル 4.1部、及びn−ブタノール 900部を仕込み、30分間窒素バブリングを行った。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、65℃で8時間加熱し、重合反応を完結させた。反応液を室温まで冷却後、溶剤を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、透析膜(スペクトラムラボラトリーズ社製 Spectra/Por7 MWCO 1kDa)により透析精製を行った。溶媒を減圧留去後、50℃、0.1kPa以下で減圧乾燥させることにより高分子化合物aを得た。
得られた高分子化合物aを前記分析法により分析を行ったところ、重量平均分子量(Mw)は11800であり、式(1)で表される構造単位は全単量体単位中に21mol%含有していることを確認した。
(高分子化合物bの製造)
リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチルの代わりにリン酸2−(アクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチル 17.1部を用いること以外、上記高分子化合物aの製造と同様にして高分子化合物bを製造した。
(高分子化合物cの製造)
リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチルの代わりにリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリエチルアンモニオ)エチル
20.5部を用いること以外、上記高分子化合物aの製造と同様にして高分子化合物cを製造した。
(高分子化合物dの製造)
リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチルの代わりにリン酸2−(メタクリロイルオキシ)−1−メチルエチル2−(トリメチルアンモニオ)エチル 18.8部を用いること以外、上記高分子化合物aの製造と同様にして高分子化合物dを製造した。
(高分子化合物eの製造)
リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチルの代わりにリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル1,2−ジメチル−2−(トリメチルアンモニオ)エチル 19.6部を用いること以外、上記高分子化合物aの製造と同様にして高分子化合物eを製造した。
(高分子化合物fの製造)
メタクリル酸オクタデシルの代わりにアクリル酸オクタデシル 78.7部を用いること以外、上記高分子化合物aの製造と同様にして高分子化合物fを製造した。
(高分子化合物gの製造)
メタクリル酸オクタデシルの代わりにメタクリル酸オクチル 48.1部を用いること以外、上記高分子化合物aの製造と同様にして高分子化合物gを製造した。
(高分子化合物hの製造)
メタクリル酸オクタデシルの代わりにメタクリル酸ブチル 34.5部を用いること以外、上記高分子化合物aの製造と同様にして高分子化合物hを製造した。
(高分子化合物iの製造)
リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチル及びメタクリル酸オクタデシルの代わりにリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(ジメチルドデシルアンモニオ)エチル 136.4部を用いること以外、上記高分子化合物aの製造と同様にして高分子化合物iを製造した。
(比較用高分子化合物jの製造)
リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチルの代わりに2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロリド 12.6部を用いること以外、上記高分子化合物aの製造と同様にして比較用の高分子化合物jを製造した。
上記のように製造した高分子化合物a〜jの組成比、重量平均分子量(Mw)を表1に示す。なお、表1中のXは式(1)で表される構造単位の高分子主鎖との結合部位を、X’は式(1)で表される構造単位のリン酸エステル部位との結合部位を、Yは式(1)で表される構造単位のリン酸エステル部位との結合部位を、Y’は式(1)で表される構造単位の4級アンモニウム塩部位との結合部位を、Zは式(2)で表される構造単位の高分子主鎖との結合部位をそれぞれ示している。
Figure 2016224408
<高分子化合物のトナー電荷制御剤としての評価>
<実施例1>
[トナー粒子分散体の製造]
撹拌機と温度計を取り付けた反応容器中に、ニュクレルN1525(エチレン−メタクリル酸樹脂、三井・デュポンポリケミカル株式会社製) 25部とアイソパーL(エクソンモービル社製) 75部を投入し、200rpmで撹拌しながら、オイルバス中で130℃まで1時間かけて昇温した。130℃で1時間保持した後、1時間あたり15℃の降
温速度で徐冷し、バインダー樹脂分散液を作製した。得られたバインダー樹脂分散液は、白色のペースト状であった。
上記バインダー樹脂分散液 60部、5部のピグメントブルー15:3、及びアイソパーL 35部を、直径0.5mmのジルコニアビーズとともに遊星式ビーズミル(フリッチュ社製 クラシックラインP−6)に充填し、室温で200rpmにて4時間粉砕して、トナー粒子分散体(固形分20質量%)を得た。得られたトナー粒子分散体に含有されるトナー粒子は体積平均粒径0.85μmであった。
[トナー電荷制御剤分散液の調製]
撹拌機と温度計を取り付けた反応容器中に、高分子化合物a 6.2部とテトラヒドロフラン(THF) 68.2部を投入し、60℃に昇温し、高分子化合物aを溶解させた。ここにアイソパーL 71.3部を投入後、50℃、4kPaでTHFを減圧留去し、透明な逆ミセル液として電荷制御剤分散液を得た。
[液体現像剤の調製]
上記トナー粒子分散体 10.0部に、トナー電荷制御剤分散液 0.125部、及びアイソパーL 89.98部を混合し、実施例1の液体現像剤を調製した。
<実施例2〜9>
高分子化合物aの代わりに高分子化合物b〜iをそれぞれ用いること以外、上記実施例1と同様にして実施例2〜9の液体現像剤を製造した。
<実施例10>
[バインダー樹脂の製造]
還流冷却器、水・アルコール分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び撹拌機を備えた反応容器に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(シグマアルドリッチ社製)を1500部とテレフタル酸(シグマアルドリッチ社製)を700部入れ、撹拌しながら窒素ガスを導入し、200〜240℃の温度で脱水・脱アルコール重縮合反応を行った。1時間後、反応系の温度を100℃以下に下げ、重縮合を停止させた。得られたポリエステル樹脂は、Mw 9000、数平均分子量(Mn) 2100、ガラス転移点温度(Tg) 68℃、酸価 12.0mgKOH/gであった。
以下の工程は、バインダー樹脂としてニュクレルN1525の代わりに上記で製造したポリエステル樹脂を用いること以外、上記実施例1と同様にして実施例10の液体現像剤を製造した。
<実施例11>
キャリア液体としてアイソパーLの代わりにドデシルビニルエーテル(シグマアルドリッチ社製)を用いること以外、上記実施例1と同様にして実施例11の液体現像剤を製造した。
<実施例12>
[トナー粒子分散体の製造]
ニュクレルN1525の代わりに実施例10で製造したポリエステル樹脂、アイソパーLの代わりにドデシルビニルエーテルを用いること以外、上記実施例1と同様にしてトナー粒子分散体を製造した。
[トナー電荷制御剤分散液の調製]
アイソパーLの代わりにドデシルビニルエーテルを用いること以外、上記実施例1と同様にしてトナー電荷制御剤分散液を調製した。
[液体現像剤の調製]
上記トナー粒子分散体 10.0部に、トナー電荷制御剤分散液 0.125部、ドデシルビニルエーテル 79.04部、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル 9.68部を混合後、光重合開始剤としてN−ヒドロキシナフタルイミドノナフルオロブタ
ンスルホネート 0.29部、光重合増感剤として、2,4−ジエチルチオキサントン 0.48部、及び、光重合増感助剤として、1,4−ジエトキシナフタレン 0.48部を混合、溶解することにより紫外線硬化型液体現像剤を製造した。該液体現像剤のキャリア液体の構成を「紫外線硬化型ビニルエーテル混合物1」とした。
<実施例13>
[液体現像剤の調製]
実施例12で製造したトナー粒子分散体 10.0部に、実施例12で調製したトナー電荷制御剤分散液 0.125部、ドデシルビニルーテル 16.10部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル 72.63部を混合後、光重合開始剤としてN−ヒドロキシナフタルイミドノナフルオロブタンスルホネート 0.29部、光重合増感剤として、2,4−ジエチルチオキサントン 0.48部、及び、光重合増感助剤として、1,4−ジエトキシナフタレン 0.48部を混合、溶解することにより紫外線硬化型液体現像剤を製造した。該液体現像剤のキャリア液体の構成を「紫外線硬化型ビニルエーテル混合物2」とした。
なお、上記アイソパーL及びドデシルビニルエーテルの体積抵抗率及び25℃での粘度は、それぞれ、8.4×1013Ω・cm、1.2mPa・s、及び、2.7×1012Ω・cm、2.8mPa・sであった。また、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル及び2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルの体積抵抗率及び25℃での粘度は、それぞれ、1.3×1010Ω・cm、4.2mPa・s、及び、9.4×1012Ω・cm、2.7mPa・sであった。
<比較例1>
電荷制御剤として高分子化合物aを用いないこと以外、上記実施例1と同様にして比較例1の液体現像剤を製造した。
<比較例2>
高分子化合物aの代わりにレシチン(東京化成社製 大豆由来)を用いること以外、上記実施例1と同様にして比較例2の液体現像剤を製造した。
<比較例3>
高分子化合物aの代わりに高分子化合物jを用いること以外、上記実施例1と同様にして比較例3の液体現像剤を製造した。
上記で製造した液体現像剤の電気泳動移動度の評価結果を下記表2に示した。
Figure 2016224408
表2に示されるように、高分子化合物a〜iが電荷制御剤としてキャリア液体中に添加されると、トナー粒子の負帯電性が向上し、電気泳動移動度の高い液体現像剤となることがわかる。
<高分子化合物の電荷補助剤としての評価>
<実施例14>
[トナー粒子の製造]
撹拌機と温度計を取り付けた反応容器中に、ニュクレルN1525(三井・デュポンポリケミカル株式会社製 エチレン−メタクリル酸樹脂) 25部とアイソパーL(エクソンモービル社製) 75部を投入し、200rpmで撹拌しながら、オイルバス中で130℃まで1時間かけて昇温した。130℃で1時間保持した後、1時間あたり15℃の降
温速度で徐冷し、バインダー樹脂分散液を作製した。得られたバインダー樹脂分散液は、白色のペースト状であった。
上記バインダー樹脂分散液 60部、電荷補助剤としての高分子化合物a 0.2部、
5部のピグメントブルー15:3、アイソパーL 35.8部を、直径0.5mmのジルコニアビーズとともに遊星式ビーズミル(フリッチュ社製 クラシックラインP−6)に充填し、室温で200rpmにて4時間粉砕して、トナー粒子分散体(固形分20質量%)を得た。得られたトナー粒子分散体に含有されるトナー粒子は体積平均粒径0.85μmであった。
[トナー電荷制御剤分散液の調製]
サリチル酸アルミニウム錯体(オリヱント化学工業社製 ボントロンE−108) 6.2部とアイソパーL 71.3部を混合し、超音波ホモジナイザーを用いて室温で10分間分散させ、電荷制御剤分散液を得た。
[液体現像剤の調製]
上記トナー粒子分散体 10.0部に、トナー電荷制御剤分散液 0.125部、アイソパーL 89.98部を混合し、実施例14の液体現像剤を調製した。
<実施例15>
トナー電荷制御剤としてサリチル酸アルミニウム錯体の代わりにサリチル酸クロム錯体(オリヱント化学工業社製 ボントロンE−81)を用いること以外、上記実施例14と同様にして実施例15の液体現像剤を製造した。
<実施例16>
トナー電荷制御剤としてサリチル酸アルミニウム錯体の代わりにサリチル酸亜鉛錯体(オリヱント化学工業社製 ボントロンE−84)を用いること以外、上記実施例14と同様にして実施例16の液体現像剤を製造した。
<実施例17>
トナー電荷制御剤としてサリチル酸アルミニウム錯体の代わりにサリチル酸ジルコニウム錯体(保土ヶ谷化学工業社製 TN−105)を用いること以外、上記実施例14と同様にして実施例17の液体現像剤を製造した。
<実施例18>
トナー電荷制御剤としてサリチル酸アルミニウム錯体の代わりにベンジル酸ホウ素錯体(日本カーリット社製 LR−147)を用いること以外、上記実施例14と同様にして実施例18の液体現像剤を製造した。
<実施例19>
トナー電荷制御剤分散液としてサリチル酸アルミニウム錯体のアイソパーL分散液の代わりにナフテン酸ジルコニウム(キシダ化学社製) 6.7部をアイソパーL 24.3部に溶解させた溶液を用いること以外、上記実施例14と同様にして実施例19の液体現像剤を製造した。
<実施例20>
バインダー樹脂としてニュクレルN1525の代わりに実施例10で製造したポリエステル樹脂を用いること以外、上記実施例14と同様にして実施例20の液体現像剤を製造した。
<実施例21>
キャリア液体としてアイソパーLの代わりにドデシルビニルエーテル(シグマアルドリッチ社製)を用いること以外、上記実施例14と同様にして実施例21の液体現像剤を製
造した。
<実施例22>
トナー電荷制御剤としてサリチル酸アルミニウム錯体を用いないこと以外、上記実施例14と同様にして実施例22の液体現像剤を製造した。
<実施例23>
電荷補助剤として高分子化合物iを用いること以外、上記実施例14と同様にして実施例23の液体現像剤を製造した。
<実施例24>
[トナー粒子分散体の製造]
バインダー樹脂としてニュクレルN1525の代わりに実施例10で製造したポリエステル樹脂、キャリア液体としてアイソパーLの代わりにドデシルビニルエーテルを用いること以外、上記実施例14と同様にしてトナー粒子分散体を製造した。
[トナー電荷制御剤分散液の調製]
アイソパーLの代わりにドデシルビニルエーテルを用いること以外、上記実施例14と同様にしてトナー電荷制御剤分散液を調製した。
[液体現像剤の調製]
上記トナー粒子分散体 10.0部に、トナー電荷制御剤分散液 0.125部、ドデシルビニルエーテル 79.04部、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル 9.68部を混合後、光重合開始剤としてN−ヒドロキシナフタルイミドノナフルオロブタンスルホネート 0.29部、光重合増感剤として、2,4−ジエチルチオキサントン 0.48部、及び、光重合増感助剤として、1,4−ジエトキシナフタレン 0.48部を混合、溶解することにより紫外線硬化型液体現像剤を製造した。該液体現像剤のキャリア液体の構成を「紫外線硬化型ビニルエーテル混合物3」とした。
<比較例4>
高分子化合物a、及び、サリチル酸アルミニウム錯体を用いないこと以外、上記実施例14と同様にして比較例4の液体現像剤を製造した。
<比較例5>
高分子化合物aの代わりにレシチン(東京化成社製 大豆由来)を用いること以外、上記実施例14と同様にして比較例5の液体現像剤を製造した。
<比較例6>
高分子化合物aの代わりに高分子化合物jを用いること以外、上記実施例14と同様にして比較例6の液体現像剤を製造した。
上記で製造した液体現像剤の電気泳動移動度の評価結果を下記表3に示した。
Figure 2016224408
表3に示されるように、高分子化合物a及びiが電荷補助剤としてトナー粒子中に添加されると、トナー粒子の正帯電性が向上し、電気泳動移動度の高い液体現像剤となることがわかる。
本発明によれば、トナー粒子の帯電量及び電気泳動移動度をより向上させるトナー電荷制御剤及び電荷補助剤を提供し、画像形成装置のプロセススピードの高速化に対応できる液体現像剤を提供することができる。

Claims (7)

  1. トナー粒子とキャリア液体を含む液体現像剤であって、
    該トナー粒子、又は該キャリア液体のいずれかに、下記式(1)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有することを特徴とする液体現像剤。
    Figure 2016224408

    [前記式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基のいずれかを表し、Aは単結合、カルボニル基、アルキレン基、アリーレン基及び−COOR−(ただし、−COOR−中のカルボニル基はRが結合した炭素原子に結合し、Rは炭素数1以上4以下のアルキレンを表す)のいずれかを表し、Bはアルキレン基及びアリーレン基のいずれかを表す。]
  2. 前記キャリア液体が、前記式(1)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有する、請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記キャリア液体が、前記式(1)で表される構造単位、及び下記式(2)で表される構造単位を有する共重合体を含有する、請求項1又は2に記載の液体現像剤。
    Figure 2016224408

    [前記式(2)中、Rは水素原子及びアルキル基のいずれかを表し、Rはアルキル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、アルコキシ基及びアリール基のいずれかを表す。]
  4. 前記トナー粒子が、前記式(1)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有する、請求項1に記載の液体現像剤。
  5. 前記キャリア液体が、有機酸の金属塩又は金属錯体を含有する、請求項4に記載の液体現像剤。
  6. 前記トナー粒子が、ポリエステル樹脂を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体現像剤。
  7. 前記キャリア液体が、1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下の体積抵抗率を有するビニルエーテル化合物を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体現像剤。
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