JP6504918B2 - 液体現像剤及び液体現像剤の製造方法 - Google Patents
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Description
乾式現像剤は、固体状態の現像剤を取り扱うので、取り扱い上の有利さにより、現在、現像剤の主流を占めている。しかしながら、乾式現像剤においては、温度や湿度などの環境変化による画像劣化防止の観点から帯電性の環境安定性に問題があり、且つ乾式現像剤では保存時においてトナー粒子の凝集が起こりやすいという問題があった。またこれらの特性は、高解像度を目指し、トナー粒子の粒径を比較的小さくした場合には、上述したような粉体であることによる問題がさらに顕著なものとなる。
その結果、液体現像剤は、乾式現像剤に比べ細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。これらの優れた特長を生かした、液体現像剤を用いた電子写真技術を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像剤の開発が求められている。
従来から、電気絶縁性液体中にトナー粒子を均一に分散させるために高分子分散剤を用いた液体現像剤の製造方法が開示されている(特許文献1及び2)。特許文献1では、ポリアミン化合物とヒドロキシカルボン酸自己縮合物との反応物である高分子分散剤と酸基含有樹脂との存在下で、着色樹脂粒子を絶縁性炭化水素系分散媒体中に分散させる液体現像剤の製造方法が開示されており、トナー粒子の粒子径を大幅に小さくするに至っている。しかし、長期にわたってそれを維持することは難しく、保存安定性は不十分であった。
このように、液体現像剤のトナー粒子の粒径が十分小さく、かつ保存安定性が良好である液体現像剤を提供するためには改善の余地があるのが現状であった。
該トナー粒子分散剤が下記式(1)で表される単量体単位と下記式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であることを特徴とする液体現像剤である。
[式(1)中、L1は−CONH−、−COO−、又は−O−を表す。R1は二価の連結基を表す。 ]
[式(2)中、Qは、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有するユニットである。]
前記バインダー樹脂を溶解する溶剤中に、少なくとも前記着色剤、前記バインダー樹脂、前記トナー粒子分散剤を溶解又は分散させ混合液を得る工程、及び
該混合液にバインダー樹脂を溶解しない疎水性キャリア液を混合し、該混合液中に溶解状態で含まれていた樹脂を析出させる工程を含む液体現像剤の製造方法である。
[式(1)中、L1は−CONH−、−COO−、又は−O−を表す。R1は二価の連結基を表す。 ]
[式(2)中、Qは、炭素数6以上の置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、炭素数6以上の置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有するユニットである。]
<トナー粒子>
初めに、トナー粒子について説明する。トナー粒子は、バインダー樹脂及び着色剤を構成成分として含有している。
<バインダー樹脂>
該トナー粒子は酸価5mgKOH/g以上である樹脂をバインダーとして含有する。酸価が5mgKOH/gより低いと、トナー粒子分散剤が有するアミン価との結合が十分に形成できず、トナー粒子の粒径を十分小さくすることができず、保存安定性が低下する。該酸価は、好ましくは5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、より好ましくは5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である。また、樹脂の酸価は、例えばビニル樹脂であれば樹脂中のアクリル酸、メタクリル酸の全モノマー中のモル比により、例えばポリエステルの場合であれば、末端の数、及び末端等の数に占めるカルボン酸基の数により制御することができる。
該トナー粒子に含まれる酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂の種類は特に限定されるものではなく、例えばビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、及びポリカーボネート樹脂などが挙げられる。なお、これらの樹脂を2種以上併用してもよい。
本実施の形態を実現しやすいという観点では、該トナー粒子に含まれる酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂は、好ましくはビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びエポキシ樹脂の少なくとも1つを用いることが好ましく、ポリエステル樹脂、及びビニル樹脂の少なくとも1つを用いることがより好ましい。さらに好ましくはポリエステル樹脂である。
前記ポリエステル樹脂は、ジオール及びジカルボン酸をモノマーとして用いるものが好ましい。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体および/またはプロピレンオキサイド付加体などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フマル酸などが挙げられる。
ビニル樹脂に用いるモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
本発明において、紫外線硬化型液体現像剤中のトナー粒子の濃度は、1質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
上記トナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、体積平均粒子径が0.05μm
以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上1μm以下である。
トナー粒子はバインダー樹脂以外に着色剤を含有する。着色剤は特に制限されないが顔料が好ましい。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤又はマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色顔料の具体例としては、以下のものが挙げられる。塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどの分散装置を用いることができる。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。これらの顔料分散剤及び顔料分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜100質量部添加することが好ましい。
着色剤の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
上記トナー粒子中には、トナー粒子の帯電性を調整する目的で、電荷補助剤を含有することができる。該電荷補助剤としては、公知のものが利用できる。
具体的な化合物としては、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム及び2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩及びスルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;レシチンなどのリン脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、及びヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
本発明において、トナー粒子分散剤は少なくとも下記式(1)で表される単量体単位と下記式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子化合物である。
[式(1)中、L1は−CONH−、−COO−、又は−O−を表す(−CONH−又は−COO−の炭素原子が該高分子の主鎖に結合することが好ましい)。R1は二価の連結基を表す。 ]
[式(2)中、Qは、炭素数6以上の置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、炭素数6以上の置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有するユニットである。]
高分子は含まれない。なお、式(1)で表される単量体単位を分子の末端以外の位置に有していれば、末端に該式(1)で表される単量体単位があってもよい。
トナー粒子分散剤の分子量は、トナー粒子分散剤を構成する式(1)で表される単量体単位と式(2)で表される単量体単位の数に依存するが、数平均分子量が1000〜100,000が好ましい。数平均分子量が上記範囲にあることで、トナー粒子の粒径、及び保存安定性が良好になる。
トナー粒子分散剤に含まれる式(1)で表される単量体単位の数を1とした場合、トナー粒子分散剤に含まれる式(2)で表される単量体単位の数は平均で0.01〜100であることが好ましく、平均で0.1〜10であることがより好ましい。該式(2)で表される単量体単位の数が0.01以上であると疎水性キャリア液に対する親和性が十分になり、100以下であるとトナー粒子の粒径、及び保存安定性が良好になる。
本発明におけるトナー粒子分散剤は、式(1)で表される単量体単位と式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であるが、これ以外の単量体単位を含有する高分子であってもよい。しかし、式(1)で表される単量体単位と式(2)で表される単量体単位のみからなる高分子であることがより好ましい。
トナー粒子分散剤の全単量体単位中、式(1)で表される単量体単位が1質量%以上70質量%以下であることが好ましい。また、トナー粒子分散剤の全単量体単位中、式(2)で表される単量体単位が30質量%以上99質量%以下であることが好ましい。
上記式(1)で表される単量体単位について詳細に説明する。
式(1)中の−NH2で表される1級アミノ基は、2級アミノ基や3級アミノ基と比べて、トナー粒子の分散効果が著しく高いことを発見した。その理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。トナー粒子分散剤のアミノ基がバインダー樹脂の酸基とイオン結合することによりトナー粒子の分散効果を発揮するが、1級アミノ基が酸基とイオン結合を形成する場合の立体障害が、2級アミノ基、及び3級アミノ基の場合と比べて小さいことによるものと考えられる。
本発明におけるトナー粒子の粒径、保存安定性、バインダー樹脂への親和性、疎水性キャリア液への親和性、及び製造容易性の観点から、L1は−CONH−である場合がより好ましい。すなわち、上記式(1)で表される単量体単位が下記式(3)で表される単量体単位である場合がより好ましい。
式(1)及び(3)において、R1は二価の連結基を表し、好ましいのはR1が(例えば炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3の)アルキレン基、(例えば炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の)アルケニレン基、(例えば炭
素数6〜10、好ましくは炭素数6〜10の)アリーレン基、又は−(C3H6−O)n−C3H6−で表される基(nは1〜3の整数)である場合である。
次に、上記式(2)で表される単量体単位について詳細に説明する。
式(2)中のQが有する置換してもよい炭素数6以上のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基とは、直鎖若しくは分岐の−CnH2n+1、又は環状の−CnH2n−1で表され、nが6以上であるアルキル基又はシクロアルキル基を意味する。このうち、疎水性キャリア液への親和性の観点から、nが12以上であることがさらに好ましい。nの上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは22以下である。また、該アルキル基又はシクロアルキル基の少なくともひとつの水素原子が置換されていてもよい。
Qが有するアルキル基又はシクロアルキル基が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、又はカルボン酸アミド基などが挙げられる。
疎水性キャリア液への親和性、及び製造容易性の観点から、上記式(2)で表される単量体単位が下記式(4)で表されることが好ましい。
R2は直鎖若しくは分岐の−CnH2n+1、又は環状の−CnH2n−1で表され、nが12以上であるアルキル基又はシクロアルキル基を意味する。nの上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは18以下である。また、R2が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、又はカルボン酸アミド基などが挙げられる。
Qが有するアルキレン基又はシクロアルキレン基が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、又はカルボン酸アミド基等が挙げられる。
疎水性キャリア液への親和性、及び製造容易性の観点から、上記式(2)で表される単量体単位が下記式(5)で表されることが好ましい。
R3は直鎖若しくは分岐の−CnH2n−、又は環状の−CnH2n−2−で表され、nが6以上であるアルキレン基又はシクロアルキレン基を意味する。nの上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは22以下である。また、R3が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、又はカルボン酸アミド基等が挙げられる。
L2は二価の連結基を表し、好ましいのはL2が、(例えば炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の)アルキレン基、(例えば炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の)アルケニレン基、(例えば炭素数6〜10、好ましくは炭素数6〜10の)アリーレン基、又は−CONH−(CH2)m−、−COO−(CH2)m−若しくは−O−(CH2)m−で表される基(mは1〜10、好ましくは1〜3の整数であり、−CONH−若しくは−COO−の炭素原子又は−O−が該高分子の主鎖に結合することが好ましい)である場合である。また、L2が、−CONH−(C3H6−O)n−C3H6−で表される基であることも好ましい(nは1〜3の整数であり、−CONH−の炭素原子が該高分子の主鎖に結合することが好ましい)。
本発明に係る高分子化合物は、少なくとも前記式(3)で表される単量体単位と前記式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子化合物である。前記式(2)で表される単量体単位が前記式(4)又は(5)で表されることが好ましい。また、該高分子化合物が、前記式(3)で表される単量体単位と前記式(2)で表される単量体単位からなる態様も好ましい。
次に、疎水性キャリア液について説明する。
疎水性キャリア液とは極性部位に対する親和性が低いキャリア液であり、好ましくはSP値が7.0以上9.0以下であり、より好ましくはSP値が7.5以上8.5以下である疎水性キャリア液である。なお、SP値とは溶解度パラメータのことである。SP値は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入され正則理論により定義された値であり、溶媒(あるいは溶質)の凝集エネルギー密度の平方根で示され、2成分系溶液の溶解度の目安となる。本発明におけるSP値は、コーティングの基礎と工学(53ページ、原崎勇次著、加工技術研究会)記載のFedorsによる原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積から計算で求めた値である。
本発明におけるSP値の単位は、(cal/cm3)1/2であるが、1(cal/cm3)1/2=2.046×103(J/m3)1/2によって(J/m3)1/2の単位に換算することができる。
また、疎水性キャリア液は、バインダー樹脂を溶解せず、電気絶縁性を有し、さらに有
機溶剤留去時に揮発しないものが好ましい。例えば、体積抵抗率が1×109〜1×1013Ωcmであることが好ましい。このような条件を満たす分散媒体としては不揮発性又は低揮発性の絶縁性炭化水素化合物が挙げられる。より好ましくは脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類である。さらにバインダー樹脂を溶解しないものであれば、芳香族炭化水素類、又はハロゲン化炭化水素類も使用可能である。その中でも特に、臭気、無害性、コストの点から、ノルマルパラフィン系化合物、イソパラフィン系化合物、シクロパラフィン系化合物、及びこれらの2種又はそれ以上の混合物等の高沸点(沸点が150℃以上)パラフィン系溶剤が好ましい。
また、疎水性キャリア液の粘度は25℃において0.5〜200mPa・sであることが好ましく、0.5〜30mPa・sであることがより好ましい。
ビニルエーテル化合物とは、ビニルエーテル構造(−CH=CH−O−C−)を有する化合物を示す。
ビニルエーテル構造は好ましくは、R−CH=CH−O−C−で表される(Rは、水素又は炭素数1〜3のアルキルであり、好ましくは水素又はメチルである)。
そのなかでも特に好ましいものとして、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジビニルエーテル、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジビニルエーテル、1,2−デカンジオールジビニルエーテルなどが、高抵抗、低粘度、高感度な液体組成物が得やすく好ましい。特に、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジビニルエーテルは、感度や硬化後の強度を向上させるべく、紫外線硬化性液体組成物に含有させることが好ましい。
nは、1〜3の整数が好ましい。
Rは、好ましくは、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜12の飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、及び炭素数6〜14の芳香族炭化水素基から選択される基を少なくともひとつ含む基であり、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基は、炭素数1〜4の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を有していてもよい。
Rは、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基を有していてもよい炭素数5〜12の飽和脂環式炭化水素基、又は炭素数4〜18の直鎖又は分岐の飽和脂肪族炭化水素基である。
重合性液状モノマーは、1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液体現像剤には、光重合開始剤を加えてもよい。本発明では、疎水性キャリア液が重合性液状モノマーであり、液体現像剤が光重合開始剤を含有することが好ましい。
本発明において、光重合開始剤とは、所定の波長の光を感知して酸を発生するための化合物である。このような化合物としては例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明においては、これら化合物のうちスルホン酸エステル化合物を用いるのが好ましい。
また、本発明においては、特願2013−246808に開示されている、紫外線硬化性液体の体積抵抗率の低下が少ない、下記式(6)で表される光重合開始剤を用いることがより好ましい。
上記環構造としては、5員環又は6員環を例示することができる。具体的には、例えば、コハク酸イミド構造、フタルイミド構造、ノルボルネンジカルボキシイミド構造、ナフタレンジカルボキシイミド構造、シクロヘキサンジカルボキシイミド構造、エポキシシクロヘキセンジカルボキシイミド構造などが挙げられる。また、これらの環構造は、置換基として、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のアリールチオ基などを有していてもよい。
式(6)中のCxFyとしては、水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2)、シクロアルキル基(RF3)、及びアリール基(RF4)が挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)としては、例えば、トリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3,y=7)、ノナフルオロn−ブチル基(x=4,y=9)、パーフルオロn−ヘキシル基(x=6,y=13)、及びパーフルオロn−オクチル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)としては、例えば、パーフルオロイソプロピル基(x=3,y=7)、パーフルオロ−tert−ブチル基(x=4,y=9)、及びパーフルオロ−2−エチルヘキシル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)、及び3−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル基(x=7,y=7)などが挙げられる。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の紫外線硬化型液体現像剤組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、液状モノマー100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜1質量部、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部である。
本発明の液体現像剤は、必要に応じ、帯電制御剤、増感剤のような添加剤を含有してもよく、さらに、疎水性キャリア液が重合性液状モノマーの場合は、カチオン重合禁止剤、又はラジカル重合禁止剤のような添加剤を含有してもよい。
本発明の液体現像剤の製造方法は特に制限されない。上記トナー粒子を製造する方法としては、例えば、コアセルベーション法や湿式粉砕法、ミニエマルション重合法などの公知の方法が挙げられる。本発明においては、トナー粒子の分散性、及び保存安定性の観点から、コアセルベーション法が好ましい。
すなわち、樹脂を溶解することができる溶剤中に、少なくとも着色剤、酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂、及びトナー粒子分散剤、並びに必要に応じて顔料分散剤などの添加剤を溶解、又は分散させ、混合液を得る工程、及び該混合液にバインダー樹脂を溶解しない疎水性キャリア液を混合し、該混合液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂を、着色剤を内包する様に析出させる工程を含む方法が好ましい。バインダー樹脂を析出させ、得られたトナー粒子の分散液に、光重合開始剤、及び必要に応じて荷電制御剤などの添加剤を加えて、紫外線硬化型液体現像剤を得ることもできる。
コアセルベーション法により、着色剤以外の材料(バインダー樹脂)が溶解した混合液に、バインダー樹脂の貧溶媒である疎水性キャリア液を混合することで、着色剤の周囲に着色剤以外の材料が析出し、着色剤を内包することができる。
上記溶剤としては、バインダー樹脂を溶解する溶剤であれば特に限定されない。例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルムなどのハロゲン化物類を挙げることができる。さらに、樹脂の溶解能力がある場合には、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類であってもよい。本発明において、「バインダー樹脂を溶解する」か否かの判断は、例えば、溶剤又は疎水性キャリア液100質量部(25℃)に対し、溶解する樹脂が1質量部以下である場合に「溶解しない」と判断する。
以下に本合成例で用いられる測定方法を示す。
(1)分子量測定
本発明の実施にともなうバインダー樹脂、及びトナー粒子分散剤の分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、ポリスチレン換算で算出される。SECによる分子量の測定は以下に示すように行った。
サンプル濃度が1.0%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−804の2連
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.025ml
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500]により作成した分子量校正曲線を使用した。
本発明の実施にともなうバインダー樹脂、及びトナー粒子分散剤の酸価は以下の方法により求められる。
基本操作はJIS K−0070に基づく。
1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
2)50mlのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mlを加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」等が利用できる。]。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOH溶液のファクターである。
型液体現像剤中のトナー粒子に含まれるバインダー樹脂の酸価は以下の方法により求められる。
1)液体現像剤10g程度を遠心分離し、トナー粒子を沈降させ、上澄みを廃棄する。
2)上記トナー粒子にヘキサンを加えて十分撹拌したものを遠心分離し、トナー粒子を沈降させ、上澄みを廃棄する。これを3回繰り返した後、十分に乾燥させる。
3)2)にテトラヒドロフラン10g、1mol/LのHClのエタノール溶液5gを加えて一晩放置する。これを十分撹拌したのち、遠心分離し、テトラヒドロフラン不溶成分を除去する。上澄みのテトラヒドロフラン可溶成分(バインダー樹脂及びトナー粒子分散剤の塩酸塩の混合物)を十分乾燥させる。
4)3)で得られたテトラヒドロフラン可溶成分に少量のテトラヒドロフランを加えて膨潤させたものに多量のヘキサンを加えて十分撹拌した後、遠心分離してバインダー樹脂
を沈降させ、上澄みを廃棄する。これを3回繰り返した後、十分に乾燥させる。
5)4)で得られたヘキサン不溶成分を用いて、上記方法により酸価を測定する。
[バインダー樹脂の製造例]
[バインダー樹脂(P−1)の製造例]
下記構造を有するバインダー樹脂(P−1)を下記の製造方法により製造した。なお、下記式中「x/y」や「x/y/Z」は質量比を表す。
得られたものの分析結果を以下に示す。
[バインダー樹脂(P−1)の分析結果]
GPCの結果:数平均分子量(Mn)=6,190
酸価測定の結果:112mgKOH/g
バインダー樹脂(P−1)の製造例において、スチレン160部及びアクリル酸40部を、メタクリル酸メチル168部及びメタクリル酸14部とする以外は、バインダー樹脂(P−1)の製造例と同様の方法で、下記構造を有するバインダー樹脂(P−2)を得た。
[バインダー樹脂(P−2)の分析結果]
GPCの結果:数平均分子量(Mn)=4,970
酸価測定の結果:43mgKOH/g
[トナー粒子分散剤の製造例]
[分散剤(D−3)の製造例]
まず、バインダー樹脂(P−1)の製造例において、スチレン160部及びアクリル酸40部を、メタクリル酸14部及びステアリン酸126部とする以外は、バインダー樹脂(P−1)の製造例と同様の操作を行い、下記構造を有する樹脂(P−3)を得た。
次に、(C−2)5.9部をクロロホルム300部に溶解させ、窒素置換しながら氷冷下で樹脂(P−4)の濃縮液を滴下した。滴下終了後、氷浴を外し、液温65℃まで昇温し、3時間撹拌した。
反応終了後、反応液を濃縮し、メタノール200部に注ぎ込み析出した沈殿を濾別後、
メタノール200部で再分散させ、50℃で熱時濾過することで分散剤(D−3)を得た。
得られたものの分析結果を以下に示す。
[分散剤(D−3)の分析結果]
GPCの結果:数平均分子量(Mn)=6,100
下記構造を有する分散剤(D−11)を下記記載の方法(ii)のスキームに従い製造した。
反応終了後、反応液を濃縮し、ヘキサン200部に注ぎ込み析出した沈殿を濾別後、ヘキサン200部で再分散させ、濾過することで樹脂(P−5)を得た。
次に、樹脂(P−6)20部をクロロホルム200部に溶解させ、窒素置換しながら氷冷下で(C−1)20部を滴下した。滴下終了後、氷浴を外し、溶液を室温下で15時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮し、樹脂(P−7)の濃縮液を得た。
次に、(P−5)5.9部をクロロホルム300部に溶解させ、窒素置換しながら氷冷下で樹脂(P−7)の濃縮液を滴下した。滴下終了後、氷浴を外し、液温65℃まで昇温し、3時間撹拌した。
反応終了後、反応液を濃縮し、メタノール200部に注ぎ込み析出した沈殿を濾別後、メタノール200部で再分散させ、50℃で熱時濾過することで分散剤(D−11)を得
た。
得られたものの分析結果を以下に示す。
[分散剤(D−11)の分析結果]
GPCの結果:数平均分子量(Mn)=16,300
原料を変更する以外は、上記分散剤(D−3)の製造例と同様の操作を行い、表1に示した分散剤(D−1)、(D−2)、及び(D−4)〜(D−10)を製造した。
[表中、R1、R2、x、及びyは、下記式(6)中のR1、R2、x、及びyを表す。]
原料を変更する以外は、上記分散剤(D−11)と同様の操作を行い、表2に示した分散剤(D−12)〜(D−21)を製造した。
[表中、L1、L2、R1、R3、n、x、及びyは、下記式(7)中のL1、L2、R1、R3、n、x、及びyを表す。]
[比較用分散剤の製造例]
[比較用分散剤(D−101)の製造例]
下記構造を有する比較用分散剤(D−101)を下記の方法に従い製造した。
[比較用分散剤(D−101)の分析結果]
GPCの結果:数平均分子量(Mn)=32,000
[比較用分散剤(D−102)〜(D−103)の製造例]
原料を変更する以外は、上記[分散剤(D−3)の製造例]と同様の操作を行い、比較用分散剤(D−102)〜(D−103)を製造した。
GPCの結果:数平均分子量(Mn)=6,200
[比較用分散剤(D−103)の分析結果]
GPCの結果:数平均分子量(Mn)=6,200
[顔料分散液の製造例]
[顔料分散液(Cy−1)の製造例]
30部のピグメントブルー15:3、15部のバイロンV−280(ポリエステル樹脂、東洋紡(株)製)、180部のテトラヒドロフラン、130部のガラスビーズ(φ1mm)を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、メッシュで濾過して顔料分散液(Cy−1)を得た。
[顔料分散液(M−1)、(Y−1)、及び(Bk−1)の製造例]
顔料分散液(Cy−1)において、ピグメントブルー15:3をそれぞれピグメントレッド122、ピグメントイエロー155、及びカーボンブラックに変更した以外は、顔料分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、顔料分散液(M−1)、(Y−1)、及び(Bk−1)を製造した。
[顔料分散液(Cy−2)の製造例
30部のピグメントブルー15:3、15部のスチレンホモポリマー(Mw=20,000)、180部のスチレンモノマー、130部のガラスビーズ(φ1mm)を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、メッシュで濾過して顔料分散液(Cy−2)を得た。
[液体現像剤の作成例]
まず、湿式粉砕法によるトナー粒子分散体を用いた液体現像剤の製造方法について例示する。
[液体現像剤(T−1)の製造例]
セパラブルフラスコ中に、バインダー樹脂としてダイヤクロンFC−1565(ポリエステル樹脂、酸価6mgKOH/g、三菱レイヨン(株)製)25部とドデシルビニルエーテル75部を投入し、スリーワンモーターで、200rpmで撹拌しながら、オイルバス中で130℃まで1時間かけて昇温した。130℃で1時間保持した後、1時間あたり−15℃の速度で徐冷し、トナー粒子前駆体を作成した。得られたトナー粒子前駆体は、白色のペースト状であった。
60部の当該トナー粒子前駆体、5.0部のピグメントブルー15:3、0.20部のトリステアリン酸アルミニウム、0.75部の分散剤(D−3)、及び35.45部のドデシルビニルエーテルを、直径0.5mmのジルコニアビーズとともに遊星式ビーズミル(クラシックラインP−6/フリッチュ社)に充填し、室温で4時間200rpmにて粉砕して、トナー粒子分散体を得た。
当該トナー粒子分散体10部に、レシノールS−10(水素添加レシチン、日光ケミカルズ(株)製)0.10部、疎水性キャリア液として重合性液状モノマーのシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルを90部、下記式(A−1)で表される光重合開始剤0.30部、KAYAKURE−DETX−S(日本化薬(株)製)1部を加え、液体現像剤(T−1)を得た。
スチレンモノマー68部、アクリル酸7.0部、顔料分散液(Cy−2)130部、n−オクチルメルカプタン0.70部、分散剤(D−3)5部、ボントロンE−108(サリチル酸アルミニウム化合物、オリエント化学工業(株)製)2部、ジビニルベンゼン単量体0.10部を、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて5000rpmにて均一に溶解、分散し、溶解液を得た。
ビーカーにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6部、イオン交換液1000部を加えた後、上記分散液を滴下し、この系を機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により80℃で1時間混合分散させて分散液を調製した。その後、速やかに上記分散液をセパラブルフラスコに加え、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、80℃に調温した。次いで、この混合液に、過硫酸カリウム6.0gをイオン交換水250mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃で2時間加熱撹拌することで重合した後、これを30℃まで冷却することにより重合体微粒子分散液を得た。
この重合体微粒子分散液にシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル350部を加えた後、エバポレーターにより水を留去してトナー粒子分散体を得た。
当該トナー粒子分散体にレシノールS−10:0.35部、光重合開始剤(A−1):0.70部、KAYAKURE−DETX−S:3.5部を加え、液体現像剤(T−2)を得た。
[液体現像剤(T−3)の製造例]
セパラブルフラスコ中に、バインダー樹脂としてダイヤクロンFC−1565:6.3部、テトラヒドロフラン(SP値9.52):22部、顔料分散液(Cy−1):11部、分散剤(D−3):2部を投入し、スリーワンモーターを用いて200rpmで撹拌しながら、モレスコホワイトP−40(松村石油化学研究所製、SP値8.53)23部を30分かけて添加した。そのまま1時間撹拌したのち、エバポレーターによりテトラヒドロフランを留去してトナー粒子分散体を得た。
当該トナー粒子分散体にレシノールS−10:0.046部を加え、液体現像剤(T−3)を得た。
セパラブルフラスコ中に、バインダー樹脂としてダイヤクロンFC−1565:6.3部、テトラヒドロフラン:22部、顔料分散液(Cy−1):11部、分散剤(D−3):2部を投入し、スリーワンモーターを用いて200rpmで撹拌しながら、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(SP値8.53)23部を30分かけて添加した。そのまま1時間撹拌したのち、エバポレーターによりテトラヒドロフランを留去してトナー粒子分散体を得た。
当該トナー粒子分散体にレシノールS−10:0.046部、光重合開始剤(A−1):0.23部、KAYAKURE−DETX−S:1.2部を加え、液体現像剤(T−4)を得た。
液体現像剤(T−4)において、バインダー樹脂、顔料分散液、分散剤をそれぞれ表3に従って変更した以外は、液体現像剤(T−4)の製造例と同様の方法で、紫外線硬化型液体現像剤(T−5)〜(T−30)を製造した。
[表中、FC−1981はダイヤクロン FC−1981(ポリエステル樹脂、酸価5mgKOH/g、三菱レイヨン(株)製)を表す。]
[比較用液体現像剤の製造例]
[比較用液体現像剤(T−101)〜(T−105)の製造例]
液体現像剤(T−4)において、バインダー樹脂、分散剤をそれぞれ表4に従って変更
した以外は、液体現像剤(T−4)の製造例と同様の方法で、比較用紫外線硬化型液体現像剤(T−101)〜(T−105)を製造した。
本発明で得た液体現像剤(T−1)〜(T−30)を下記の方法で評価した。
[トナー粒子の粒径の評価]
液体現像剤のトナー粒子の粒径をマイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用いて0.001μm〜10μmのレンジ設定で測定を行い、体積平均粒子径として測定した。
以下に、トナー粒子の粒径の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5:D50<1.5μm、かつD90/D50<5
4:D50<1.5μm、かつD90/D50≧5
3:1.5μm≦D50<2.0μm、かつD90/D50<5
2:1.5μm≦D50<2.0μm、かつD90/D50≧5
1:D50≧2.0μm
トナー粒子の保存安定性を、保存前後のトナー粒子の粒径安定性(保存後のトナー粒径/保存前のトナー粒径)、及び保存前後のトナー粒子の粘度安定性(保存後の粘度/保存前の粘度)として評価した。
液体現像剤を25℃、50%の恒温恒湿雰囲気下に6ヶ月間保存した。保存前後のトナー粒子の粒径を測定し、保存開始前の値から上昇した割合を評価した。粒径は、マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用いて0.001μm〜10μmのレンジ設定で測定を行い、体積平均粒子径として測定した。
以下に、保存前後のトナー粒子の粒径安定性の評価基準を示す。
○:保存後の粒径/保存前の粒径が1.2未満
×:保存後の粒径/保存前の粒径が1.2以上
液体現像剤を25℃、50%の恒温恒湿雰囲気下に6ヶ月間保存した。保存前後のトナー粒子の粘度を測定し、保存開始前の値から上昇した割合にて評価した。粘度はレオメーター装置(MCR300)を用いて測定した。
以下に、保存前後のトナー粒子の粘度安定性の評価基準を示す。
○:保存後の粘度/保存前の粘度が1.4未満
×:保存後の粘度/保存前の粘度が1.4以上
本発明で得た紫外線硬化型液体現像剤を用い、下記の方法によりにより現像を行った。装置は図1に記載のような装置を用いた。
(1)現像ローラ53C、感光ドラム52C、中間転写ローラ61Cが離間され、非接触の状態で、これらを図1の矢印の方向に回転駆動させた。このときの回転速度は250mm/secとした。
(2)現像ローラ53C及び感光ドラム52Cを押し圧一定で接触させ、前述のDC電源を用いてバイアスを設定した。現像バイアスは100〜400の範囲が望ましいため、200Vとした。
(3)感光ドラム52C及び中間転写ローラ61Cを押し圧一定で接触させ、DC電源を用いてバイアスを設定した。転写バイアスは1000Vとした。
(4)均一濃度(2質量%)の現像液を製膜ローラ上に供給し、中間転写部材上の画像を評価した。
以下に、現像性の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5:高濃度かつ高精細な画像が得られた
4:若干の濃度ムラがある、又は若干の画像ボケが見られる
3:濃度ムラや画像ボケが目立つものの、現像されていることがわかる
2:激しい濃度ムラや画像ボケが発生し、現像不十分であった
1:現像できなかった
[(T−1)、(T−2)、及び(T−4)〜(T−30)の定着性の測定]
25℃において、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、上記液体現像剤(T−1)、(T−2)、又は(T−4)〜(T−30)をワイヤーバー(No.6)で塗布(厚み8μm)し、ランプ出力120mW/cm2の高圧水銀ランプにより45mJ/cm2(測定波長365nm)の光量を照射して、硬化膜を形成した。硬化直後の膜表面を触指し、表面タック(粘着性)の有無を確認した。
[(T−3)の定着性の測定]
25℃において、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、上記液体現像剤(T−3)をワイヤーバー(No.6)で塗布(厚み8μm)し、速度30m/min、160℃の条件で熱圧着により定着した。熱圧着直後の膜表面を触指し、表面タック(粘着性)の有無を確認した。
以下に、(T−1)〜(T−30)についての定着性の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
3:タックがまったく認められない
2:わずかにタックが認められる
1:触指時に膜がはがれる、又は硬化していない
評価結果を表5に示す。
比較用液体現像剤(T−101)〜(T−105)について、それぞれトナー粒径、保存安定性、定着性を実施例5と同様の方法で評価した。評価結果を表5に示す。
[表中、比較用液体現像剤(T−101)はトナー粒子分散体を得ることができなかったため、評価不能とした。]
Claims (8)
- 少なくとも、酸価5mgKOH/g以上であるバインダー樹脂、及び着色剤を含有するトナー粒子、トナー粒子分散剤、並びに疎水性キャリア液を含有し、
該トナー粒子分散剤が少なくとも下記式(1)で表される単量体単位と下記式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であることを特徴とする液体現像剤。
[式(1)中、L1は−CONH−、−COO−、又は−O−を表す。R1は二価の連結基を表す。]
[式(2)中、Qは、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有するユニットである。] - 前記式(1)で表される単量体が、下記式(3)で表される単量体単位である請求項1に記載の液体現像剤。
[式(3)中、R1は二価の連結基を表す。] - 前記バインダー樹脂がポリエステルである請求項1又は2に記載の液体現像剤。
- 前記式(2)で表される単量体単位が、下記式(4)で表される単量体単位である請求項2又は3に記載の液体現像剤。
[式(4)中、R2は、置換基を有してもよい炭素数12以上のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数12以上のシクロアルキル基である。] - 前記式(2)で表される単量体単位が、下記式(5)で表される単量体単位である請求項2又は3に記載の液体現像剤。
[式(5)中、R3は置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基である。nは1以上の整数を表す。L2は二価の連結基を表す。] - 前記トナー粒子分散剤が、式(1)で表される単量体単位と式(2)で表される単量体単位からなる高分子である請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体現像剤。
- 前記疎水性キャリア液が、重合性液状モノマーであり、
前記液体現像剤が、光重合開始剤を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体現像剤。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体現像剤の製造方法であって、
前記バインダー樹脂を溶解する溶剤中に、少なくとも前記着色剤、前記バインダー樹脂
、前記トナー粒子分散剤を溶解又は分散させ混合液を得る工程、及び
該混合液にバインダー樹脂を溶解しない疎水性キャリア液を混合し、該混合液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂を析出させる工程を含む液体現像剤の製造方法。
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