JP7146406B2 - 液体現像剤及び該液体現像剤の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では以下の内容が開示されている。
ポリアミン化合物とヒドロキシカルボン酸自己縮合物との反応物である粒子分散剤、及び酸基含有樹脂を使用することにより、着色樹脂粒子の分散安定性を改善し、帯電特性を向上させることができる液体現像剤の製造方法。
また、特許文献2に記載された液体現像剤も、酸基含有樹脂と粒子分散剤との結合力が十分ではないため、良好な現像性は得られない。
すなわち、本発明は、体積抵抗率が高く、現像性に優れた液体現像剤を提供するものである。
該キャリア液体に不溶なトナー粒子、及び、
該トナー粒子を該キャリア液体中に分散させるためのトナー粒子分散剤
を含有する液体現像剤であって、
該トナー粒子分散剤が、該キャリア液体に可溶な1級アミノ基を有するポリマーであり、
該1級アミノ基を有するポリマーは、該ポリマーの主鎖の末端以外の位置に1級アミノ基を有し、
該1級アミノ基を有するポリマーが、下記式(4)で表されるモノマーユニット、及び、下記式(6)で表されるモノマーユニットを一つのポリマー中に含有するポリアリルアミン誘導体であり、
[該式(6)中、R 2 は直鎖の-C n H 2n -で表され、炭素数12以上のアルキレン基であり、pは1以上の整数を表す。]
該1級アミノ基を有するポリマーのアミン価が、10mgKOH/g以上200mgOH/g以下であり、
該トナー粒子が、着色剤及び酸性基を有するポリエステル樹脂を含有し、
該ポリエステル樹脂が、トリメリット酸又はトリメリット酸無水物に由来するモノマーユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂の酸価が、5mgKOH/g以上であり、
該酸性基のpKaが、3.4以下であり、
該酸性基が、トリメリット酸又はトリメリット酸無水物に由来するカルボキシ基であり、
該キャリア液体が、炭化水素系溶剤、パラフィン系溶剤、又は下記式(b)で表される化合物
[式(b)中、nは、一分子中のビニルエーテル構造の数を示し、1以上4以下の整数である。Rは、炭素数4以上18以下の直鎖又は分岐の飽和脂肪族炭化水素基である。]
である、
ことを特徴とする液体現像剤に関する。
上記液体現像剤を製造する液体現像剤の製造方法であって、
該製造方法が、
前記酸性基を有するポリエステル樹脂と、前記1級アミノ基を有するポリマーと、該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤と、を含有する樹脂分散液を調製する工程(i)、
該樹脂分散液と、前記キャリア液体と、を含有する混合液を調製する工程(ii)、並びに、
該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤を、該混合液から留去する工程(iii)、
を有する、
ことを特徴とする液体現像剤の製造方法に関する。
さらに、本発明は、
上記液体現像剤を製造する液体現像剤の製造方法であって、
該製造方法が、
前記酸性基を有するポリエステル樹脂と、前記1級アミノ基を有するポリマーと、該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤と、を含有する樹脂分散液を調製する工程(I)、
該樹脂分散液と、前記キャリア液体以外の該ポリエステル樹脂を溶解しない溶剤と、を含有する第一混合液を調製する工程(II)、
該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤を、該第一混合液から留去して、トナー粒子分散体を調製する工程(III)、及び、
該トナー粒子分散体と、該キャリア液体と、を含有する第二混合液を調製する工程(IV)
を有する、
ことを特徴とする液体現像剤の製造方法に関する。
キャリア液体、該キャリア液体に不溶なトナー粒子、及び、該キャリア液体に可溶な1級アミノ基を有するポリマーを含有する液体現像剤であって、
該トナー粒子が、酸性基を有するポリエステル樹脂を含有し、
該ポリエステル樹脂の酸価が、5mgKOH/g以上であり、
該酸性基のpKaが、3.4以下であり、
該1級アミノ基を有するポリマーは、該ポリマーの主鎖の末端以外の位置に1級アミノ基を有することを特徴とする液体現像剤である。
また、モノマーユニットとは、ポリマー又は樹脂中のモノマー物質の反応した形態をいう。
該キャリア液体は、体積抵抗率が高く電気絶縁性があり、室温付近で低粘度の液体であれば、特に制限されることはない。
該キャリア液体の体積抵抗率は、5×108Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下であることが好ましく、1×109Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることがよ
り好ましい。
キャリア液体の粘度は、25℃で0.5mPa・s以上100mPa・s未満であることが好ましく、より好ましくは0.5mPa・s以上20mPa・s未満である。
キャリア液体のSP値は、7.0以上9.0以下であることが好ましく、7.5以上8.5以下であることがより好ましい。
該SP値とは溶解度パラメータのことである。SP値は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入され、正則理論により定義された値であり、溶媒(又は溶質)の凝集エネルギー密度の平方根で示され、2成分系溶液の溶解度の目安となる。
該SP値は、コーティングの基礎と工学(53ページ、原崎勇次著、加工技術研究会)記載のFedorsによる原子及び原子団の蒸発エネルギーとモル体積から計算で求めた値である。
本発明におけるSP値の単位は、(cal/cm3)1/2であるが、1(cal/cm3)1/2=2.046×103(J/m3)1/2によって(J/m3)1/2の単位に換算することができる。
重合性液状化合物は、光重合反応により重合し得る成分であってもよい。
光重合反応は、いかなる種類の光による反応であってもよいが、紫外線による反応であることが好ましい。すなわち、絶縁性液体は、紫外線硬化型重合性液状化合物であってもよい。
該重合性液状化合物として、ラジカル重合性を有するもの、カチオン重合性を有するもの、及び両者を有するものなどがあるが、いずれでも好適に用いることができる。
例えば、ビニルエーテル化合物、ウレタン化合物、スチレン系化合物及びアクリル系化合物、並びに、エポキシ化合物及びオキセタン化合物などの環状エーテル化合物が挙げられる。該重合性液状化合物は、上記化合物を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
該重合性液状化合物は、カチオン重合性液状モノマーを含むことが好ましく、ビニルエーテル化合物を含むことがより好ましい。
該ビニルエーテル化合物を用いた場合には、体積抵抗率が高く、低粘度で、高感度な硬化型液体現像剤を得ることができる。
該ビニルエーテル構造は好ましくは、R’-CH=CH-O-C-で表される(R’は、水素又は炭素数1~3のアルキル基であり、好ましくは水素原子又はメチル基である)。
該ビニルエーテル化合物が、下記式(b)で表される化合物であることが好ましい。
[式(b)中、nは、一分子中のビニルエーテル構造の数を示し、1以上4以下の整数である。Rはn価の炭化水素基である。]
該nは、1以上3以下の整数であることが好ましい。
Rは、好ましくは、炭素数1以上20以下の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5以上12以下の飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、及び炭素数6以上14以下の芳香族炭化水素基から選択される基であり、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基は、炭素数1以上4以下の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を有していてもよい。
該Rは、より好ましくは炭素数4以上18以下の直鎖又は分岐の飽和脂肪族炭化水素基である。
具体的には、ドデシルビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジビニルエーテル、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジビニルエーテル、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、1,2-デカンジオールジビニルエーテルなどが挙げられる。
「キャリア液体に不溶」とは、温度25℃で、キャリア液体100質量部に対して、溶解するトナー粒子が1質量部以下であることが指標として挙げられる。
該トナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、体積基準の50%粒径(D50)が0.05μm以上2.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上1.2μm以下であり、さらに好ましくは0.05μm以上1.0μm以下である。
トナー粒子の体積基準の50%粒径(D50)が上記範囲内であると、液体現像剤により形成されるトナー画像の解像度及び画像濃度を十分に高いものとすることができると共に、キャリア液体が記録媒体上に残存する記録方式においても、トナー画像の膜厚を十分に薄いものとすることができる。
液体現像剤中のトナー粒子の濃度は、1質量%以上50質量%以下程度であることが好ましく、2質量%以上40質量%以下程度であることがより好ましい。
また、該ポリエステル樹脂の酸価は、5mgKOH/g以上である。
該ポリエステル樹脂の酸価が5mgKOH/gより低いと、該ポリエステル樹脂と該1級アミノ基を有するポリマーとの結合が十分に形成できず、1級アミノ基を有するポリマーのキャリア液体中への遊離が抑制できず、液体現像剤の体積抵抗率が低下する。
該酸価は、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることがより好ましい。
該ポリエステル樹脂の酸価は、末端基の数、及び末端基の数に占める酸性基の数により制御することができる。
該ポリエステル樹脂のSP値は、9.0以上15.0以下であることが好ましく、より好ましくは9.5以上13.0以下である。
などが挙げられる。
アルコールモノマーとしては以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、及びポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、グリセリン、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン。
フタル酸、イソフタル酸、ジヒドロキシイソフタル酸、テレフタル酸、及びジヒドロキシテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6~18のアルキル基若しくは炭素数6~18のアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
また、その他にも以下のモノマーを使用することが可能である。
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルなどの多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、及びベンゾフェノンテトラカルボン酸又はその無水物などの多価カルボン酸類。
これらの中で、カルボン酸モノマー又はアルコールモノマーのどちらか一方は、芳香環を有することが好ましい。芳香環を有することで、ポリエステル樹脂の結晶性を低下させ、溶剤への溶解性を向上させることができる。
該ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上20000以下であることが好ましく、3000以上15000以下であることがより好ましく、4000以上10000以下であることがさらに好ましい。
該pKaは3.3以下であることが好ましく、3.2以下であることがより好ましい。
また、該pKaの下限値は特に限定されないが、1.0以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂の有する酸性基のpKaは、中和滴定により求めることができる。
ポリエステル樹脂の有する酸性基のpKaが、上記範囲にある場合、1級アミノ基を有するポリマーとのイオン結合が強固となり、キャリア液体に遊離する1級アミノ基を有するポリマーの量を著しく低減させることができる。
記酸性基は、カルボキシ基、スルホン基及びホスホン基からなる群より選択される少なくとも1種の基であることが好ましい。
これらのうち、カルボキシ基であることがより好ましい。
例えば所望の組成と分子量のポリエステル樹脂を酸価が0mgKOH/gとなるように合成した後、分子末端に、pKaが上記範囲にあるカルボン酸又はカルボン酸無水物を縮合させるとよい。
該カルボン酸又はカルボン酸無水物としては、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸、ピロメリット酸、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、4,6-ジヒドロキシイソフタル酸などが好ましい。
これらの中でもトリメリット酸、トリメリット酸無水物がより好ましい。
すなわち、該ポリエステル樹脂は、トリメリット酸又はトリメリット酸無水物に由来するモノマーユニットを含有し、
前記酸性基が、トリメリット酸又はトリメリット酸無水物に由来するカルボキシ基であることが好ましい。
該樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、及びポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂は、2種以上併用してもよい。
該トナー粒子の樹脂成分中、酸価5mgKOH/g以上のポリエステル樹脂の含有量は、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
該着色剤としては、特に限定されるものではなく、公知の有機顔料、及び無機顔料などが挙げられる。
該顔料の具体例としては、例えば、黄色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤又はマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青又はシアン色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
トナー粒子中における顔料の分散には、トナー粒子の製造方法に応じた分散手段を用いればよい。分散手段として用いることができる装置としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどがある。
着色剤の含有量は、トナー粒子中の樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、5質量部以上50質量部以下であることがより好ましい。
顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体などを挙げることができる。また、Solsperseシリーズ(日本ルーブリゾール株式会社)などの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。
これらの顔料分散剤及び顔料分散助剤の添加量は、顔料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
また、キャリア液体に可溶とは、温度25℃で、キャリア液体100質量部に対し、溶解する1級アミノ基を有するポリマーが10質量部程度以上であることが指標として挙げられる。
液体現像剤の体積抵抗率は、キャリア液体の体積抵抗率だけでなく、キャリア液体中に遊離している1級アミノ基を有するポリマーの濃度にも影響される。
該1級アミノ基を有するポリマーは、キャリア液体中で十分な斥力を発現させることを目的として、キャリア液体への溶解性を高めるための置換基などが付与されてもよい、これによりトナー粒子の分散安定性がより向上する。
一方、トナー粒子中のポリエステル樹脂と十分に結合していない1級アミノ基を有するポリマーは、トナー粒子に吸着せずにキャリア液体中に遊離し、液体現像剤の体積抵抗率を低下させる場合がある。
しかしながら、液体現像剤中のトナー粒子が、5mgKOH/g以上の酸価を有するポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂の酸性基のpKaが3.4以下である場合、該1級アミノ基を有するポリマーと、該ポリエステル樹脂との結合が強固となる。その結果、該1級アミノ基を有するポリマーのキャリア液体中への遊離を抑制し、液体現像剤の体積抵抗率の低下が抑制される。
また、ポリマーの主鎖の末端以外の位置に1級アミノ基を有するポリマーと、特定の酸価を有するポリエステル樹脂との結合力は、ポリマーの主鎖の末端にのみ1級アミノ基を有するポリマー、又は、2級若しくは3級アミノ基を有するポリマーに比して顕著に強いことが分かった。
従って、該1級アミノ基を有するポリマーは、該ポリマーの主鎖の末端以外の位置に1級アミノ基を有する構造である。
また、該1級アミノ基を有するポリマーは、該ポリマーの主鎖の末端にのみ1級アミノ基を有するポリマーは含まれない。
ただし、ポリマーの主鎖の末端以外の位置に1級アミノ基を有していれば、末端に1級
アミノ基を有していてもよい。
また、該1級アミノ基を有するポリマーは、下記式(1)で表されるモノマーユニットを主鎖の末端以外の位置に有する。すなわち、ポリマーの主鎖の末端にのみ1級アミノ基を有するものは含まれない。ただし、該式(1)で表されるモノマーユニットを主鎖の末端以外の位置に有していれば、ポリマーの主鎖の末端に該式(1)で表されるモノマーユニットを有していてもよい。
さらには、下記式(1)で表されるモノマーユニットに含まれる1級アミノ基に由来するアミン価が、該1級アミノ基を有するポリマーのアミン価の50%以上であることが好ましい。
[式(1)中、Kは1級アミノ基を有するモノマーユニットを表す。]
[式(2)中、Qは置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有するモノマーユニットを表す。]
このうち、キャリア液体への親和性の観点から、炭素数nが12以上であることがさらに好ましい。炭素数nの上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは22以下である。また、該アルキル基、シクロアルキル基、アルキレン基、又はシクロアルキレン基の少なくともひとつの水素原子が置換されていてもよい。
Qが有するアルキル基、シクロアルキル基、アルキレン基、又はシクロアルキレン基が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などが挙げられる。
nは12以上であることがより好ましい。一方、nの上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは22以下である。
また、R1が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などが挙げられる。
Lは二価の連結基を表し、炭素数1~6のアルキレン基(より好ましくは炭素数1~3のアルキレン基)、炭素数1~6のアルケニレン基(より好ましくは炭素数1~3のアルケニレン基)、炭素数6~10のアリーレン基であることが好ましい。
R2は直鎖の-CnH2n-、又は環状の-CnH2n-2-で表され、炭素数が6以上であるアルキレン基又はシクロアルキレン基を意味する。該アルキレン基又はシクロアルキレン基の炭素数は12以上であることがより好ましい。一方、該炭素数の上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは22以下である。
また、R2が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などが挙げられる。
また、Lの好ましい例は、式(5)と同様である。
該1級アミノ基を有するポリマーは、上記式(4)で表されるモノマーユニットをポリマー中に含有するポリアリルアミン誘導体であることが好ましい。
該ポリアリルアミン誘導体1分子中に含まれる、上記式(4)で表されるモノマーユニットの数は平均で10以上200以下であることが好ましく、20以上150以下であることがより好ましく、50以上150以下であることがさらに好ましい。
さらに、該1級アミノ基を有するポリマーは、上記式(4)で表されるモノマーユニット、及び、上記式(6)で表されるモノマーユニットを一つのポリマー中に含有するポリアリルアミン誘導体であることがより好ましい。
ここで、該ポリマー中における、上記式(4)で表されるモノマーユニットと上記式(6)で表されるモノマーユニットのモル比[式(4)で表されるモノマーユニット:式(6)で表されるモノマーユニット]は、10:90~90:10であることが好ましく、50:50~80:20であることがより好ましい。
さらに好ましくは、ポリアリルアミンと12-ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物との反応物である。
該ポリアリルアミン誘導体は、公知の方法、例えば、特許第3718915号公報に開示の方法により製造することができる。
また、該ポリアリルアミン誘導体を製造する場合、市販のポリアミン化合物及びポリアミン化合物溶液を用いるとよい。例えば、PAA-01、PAA-03、PAA-05、PAA-08、PAA-15、PAA-15C、PAA-25、PAA-03E(ニットーボーメディカル社製)などが挙げられる。
に好ましい。アミン価が上記範囲にある場合、ポリマーのアミノ基がポリエステル樹脂の酸性基とイオン結合が十分形成されると考えられる。
また、該液体現像剤において、トナー粒子中に含まれる酸価の総量が、アミン価の総量より多いことが好ましい。
上記の場合、ポリエステル樹脂に結合していない1級アミノ基を有するポリマーの存在量が少なくなり、キャリア液体中に遊離している1級アミノ基を有するポリマー量を減少させやすく、液体現像剤の体積抵抗率の低下を抑制することができる。
該1級アミノ基を有するポリマーのSP値は、7.0以上9.0以下であることが好ましく、7.0以上8.5以下であることがより好ましい。
該1級アミノ基を有するポリマーの数平均分子量(Mn)は、トナー粒子の分散安定性の観点から、5,000以上300,000以下であることが好ましく、10,000以上200,000以下であることがより好ましい。
また、該1級アミノ基を有するポリマーの含有量は、該ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上100質量部未満であることが好ましく、1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以上10.0質量部以下であることがより好ましい。
該重合性液状化合物が、光重合反応により重合し得る成分である場合は、所定の波長の光を感知して酸及びラジカルを発生する光重合開始剤を用いるとよい。
重合性液状化合物の体積抵抗率の低下を抑制する観点から、例えば、下記式(9)で表される光重合開始剤が挙げられる。
該R3とR4とが結合して形成される環構造としては、5員環、6員環を例示することができる。該R3とR4とが結合して形成される環構造の具体例として、コハク酸イミド構造、フタル酸イミド構造、ノルボルネンジカルボキシイミド構造、ナフタレンジカルボキシイミド構造、シクロヘキサンジカルボキシイミド構造、エポキシシクロヘキセンジカルボキシイミド構造などが例示できる。
また、該環構造は、置換基として、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基などを有していてもよい。
以下)であり、フッ素原子数は3以上17以下(y=3以上17以下)であることが好ましい。
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)としては、例えば、トリフルオロメチル基(x=1、y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2、y=5)、ヘプタフルオロn-プロピル基(x=3、y=7)、ノナフルオロn-ブチル基(x=4、y=9)、パーフルオロn-ヘキシル基(x=6、y=13)、及びパーフルオロn-オクチル基(x=8、y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)としては、例えば、パーフルオロイソプロピル基(x=3、y=7)、パーフルオロ-tert-ブチル基(x=4、y=9)、及びパーフルオロ-2-エチルヘキシル基(x=8、y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)としては、例えば、パーフルオロシクロブチル基(x=4、y=7)、パーフルオロシクロペンチル基(x=5、y=9)、パーフルオロシクロヘキシル基(x=6、y=11)、及びパーフルオロ(1-シクロヘキシル)メチル基(x=7、y=13)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基(x=6、y=5)、及び3-トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル基(x=7、y=7)などが挙げられる。
上記式(7)中のCxFyのうち、入手のしやすさ、及びスルホン酸エステル部分の分解性の観点から、好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2)、及びアリール基(RF4)である。より好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、及びアリール基(RF4)である。さらに好ましくはトリフルオロメチル基(x=1、y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2、y=5)、へプタフルオロn-プロピル基(x=3、y=7)、ノナフルオロn-ブチル基(x=4、y=9)、及びペンタフルオロフェニル基(x=6、y=5)である。
該光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、重合性液状化合物100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上1質量部以下であり、さらに好ましくは0.1質量部以上0.5質量部以下である。
液体現像剤は、光重合開始剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化などの目的で、必要に応じ、増感剤を含有してもよい。
増感剤としては、光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、特に限定されない。
具体的には、アントラセン、9,10-ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N-アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。
該増感剤の含有量は、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、光重合開始剤1質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であるが、好ましくは1質量部以上5質量部以下である。
また、液体現像剤は、さらに上記増感剤と光重合開始剤の間の電子移動効率又はエネルギー移動効率を向上する目的で、増感助剤を含有してもよい。
具体例として、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジメトキシナフタレン、1,4-ジエトキシナフタレン、4-メトキシ-1-ナフトール、4-エトキシ-1-ナフトールなどのナフタレン化合物、1,4-ジヒドロキシベンゼン、1,4-ジメトキシベンゼン、1,4-ジエトキシベンゼン、1-メトキシ-4-フェノール、1-エトキシ-4-フェノールなどのベンゼン化合物などが挙げられる。
該増感助剤の含有量は、目的に応じて適宜選択されるが、増感剤1質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。
のものが利用できる。
具体的な化合物としては、以下のものが挙げられる。
亜麻仁油、大豆油などの油脂;アルキド樹脂、ハロゲン重合体、芳香族ポリカルボン酸、酸性基含有水溶性染料、芳香族ポリアミンの酸化縮合物、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、2-エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;水素添加レシチン及びレシチンなどの燐脂質;t-ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、ヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
具体的な化合物としては、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム及び2-エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩及びスルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;水素添加レシチン及びレシチンなどのリン脂質;t-ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、及びヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
また、サリチル酸化合物のアルミニウム錯体(オリヱント化学工業社製 ボントロンE-108)、サリチル酸化合物のクロム錯体(オリヱント化学工業社製 ボントロンE-81)、サリチル酸化合物の亜鉛錯体(オリヱント化学工業社製 ボントロンE-84)などを用いることも可能である。
該電荷補助剤の含有量は、トナー粒子(固形分)100質量部に対して、0.01質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
各種添加剤として、例えば、界面活性剤、滑剤、充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤などを適宜選択して用いることができる。
一般的な製造方法としては、樹脂及びその他の添加剤、並びに、分散媒体を混合し、ビーズミルなどを用いて粉砕し、トナー粒子の分散体を得る。得られたトナー粒子の分散体、及びキャリア液体などを混合して硬化型液体現像剤を得る製造方法が例示できる。
コアセルベーション法については、例えば、特開2003-241439号公報、国際公開第2007/000974号、又は国際公開第2007/000975号に詳細が記載されている。
コアセルベーション法では、樹脂、該樹脂を溶解する溶剤、トナー粒子分散剤(例えば、該1級アミノ基を有するポリマー)及び該樹脂を溶解しない溶剤(例えば、キャリア液体)を混合し、該混合液から該樹脂を溶解する溶剤を除去して、溶解状態にあった該樹脂を析出させることにより、トナー粒子を、該樹脂を溶解しない溶剤中に分散させることができる。
一方、湿式粉砕法については、例えば、国際公開第2006/126566号、又は国
際公開第2007/108485号に詳細が記載されている。
該湿式粉砕法では、樹脂及びその他の添加剤を樹脂の融点以上で混練した後、乾式粉砕し、得られた粉砕物及びトナー粒子分散剤をキャリア液体中で湿式粉砕することにより、トナー粒子をキャリア液体中に分散させることができる。
該コアセルベーション法は、トナー粒子の粒径、及び、トナー粒子の分散安定性の制御が容易である。
キャリア液体、該キャリア液体に不溶なトナー粒子、及び、該キャリア液体に可溶な1級アミノ基を有するポリマーを含有する液体現像剤の製造方法であって、
酸性基を有するポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマー及び該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤を含有する樹脂分散液を調製する工程(i)、
該樹脂分散液及び該キャリア液体を含有する混合液を調製する工程(ii)、及び、
該混合液から該溶剤を留去する工程(iii)を含み、
該酸性基を有するポリエステル樹脂の酸価が、5mgKOH/g以上であり、
該酸性基のpKaが、3.4以下であり、
該1級アミノ基を有するポリマーは、該ポリマーの主鎖の末端以外の位置に1級アミノ基を有することを特徴とする。
ここで、該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤とは、温度25℃で、溶剤100質量部に対し、溶解するポリエステル樹脂が333質量部程度以上であることが指標として挙げられる。
例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルムなどのハロゲン化物類を挙げることができる。さらに、該ポリエステル樹脂を溶解しうる場合には、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類であってもよい。
ここで、該ポリエステル樹脂を溶解しない溶剤とは、温度25℃で、溶剤100質量部に対し、溶解するポリエステル樹脂が1質量部以下であることが指標として挙げられる。
該ポリエステル樹脂を溶解しない溶剤を用いてトナー粒子の生成を行った場合、トナー粒子の生成後、キャリア液体を添加する方法、又は該溶剤をキャリア液体に置換する方法によって液体現像剤を製造することができる。
すなわち、液体現像剤の製造方法は、
キャリア液体、該キャリア液体に不溶なトナー粒子、及び、該キャリア液体に可溶な1級アミノ基を有するポリマーを含有する液体現像剤の製造方法であって、
酸性基を有するポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマー及び該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤を含有する樹脂分散液を調製する工程(I)、
該樹脂分散液、及び、該キャリア液体以外の該ポリエステル樹脂を溶解しない溶剤を含有する第一混合液を調製する工程(II)、
該第一混合液から該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤を留去してトナー粒子分散体を調製する工程(III)、及び、
該トナー粒子分散体及び該キャリア液体を含有する第二混合液を調製する工程(IV)を含み、
該酸性基を有するポリエステル樹脂の酸価が、5mgKOH/g以上であり、
該酸性基のpKaが、3.4以下であり、
該1級アミノ基を有するポリマーは、該ポリマーの主鎖の末端以外の位置に1級アミノ基を有することを特徴とする液体現像剤の製造方法であってもよい。
また、上記工程(iii)や工程(IV)の後に、必要に応じて、光重合開始剤及び電荷制御剤などの添加剤を加えて、液体現像剤としてもよい。
また、液体現像剤の体積抵抗率は、5×108Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下であることが好ましく、1×109Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることがより好ましい。
<樹脂などの分子量の測定方法>
樹脂などの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出する。GPCによる分子量の測定は以下に示す。
サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置し溶解させた溶液を、ポア径が0.20μmの耐溶剤性メンブレンフィルターでろ過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC-8220GPC」[東ソー株式会社製]
カラム:LF-804の2連
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.025mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー株式会社製TSK スタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500]により作成した分子量校正曲線を使用する。
酸価の測定における基本操作はJIS K-0070に基づく。
具体的には、以下の方法により求める。
1)試料0.5~2.0gを精秤する。このときの質量をM1(g)とする。
2)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mLを加え溶解する。
3)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置[自動滴定測定装置「COM-2500」、平沼産業株式会社製]を用い、25℃で滴定を行う。
4)この時のKOH溶液の使用量をA(mL)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB1(mL)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOH溶液のファクターである。
酸価[mgKOH/g]=(A-B1)×f×5.61/M1
また、このとき得られた滴定曲線に対し、酸解離平衡の理論式との最小二乗法を用いたカーブフィッティングにより、25℃におけるpKaを求める。
アミン価の測定における基本操作はASTM D2074に基づく。
具体的には、以下の方法により求める。
1)試料0.5~2.0gを精秤する。このときの質量をM2(g)とする。
2)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(3/1)の混合液25mLを加え溶解する。
3)0.1mol/LのHClのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置[自動滴定測定装置「COM-2500」、平沼産業株式会社製]を用い、25℃で滴定を行う。
4)この時のHCl溶液の使用量をS(mL)とする。同時にブランクを測定して、この時のHClの使用量をB2(mL)とする。
5)次式によりアミン価を計算する。fはHCl溶液のファクターである。
アミン価[mgKOH/g]=(S-B2)×f×5.61/M2
液体現像剤中のトナー粒子に含まれるポリエステル樹脂の酸価及びpKa、並びに、1級アミノ基を有するポリマーのアミン価の測定方法を以下に示す。
1)液体現像剤10g程度を遠心分離し、トナー粒子を沈降させ、上澄みを廃棄する。
2)上記トナー粒子にヘキサンを加えて十分撹拌したものを遠心分離し、トナー粒子を沈降させ、上澄みを廃棄する。これを3回繰り返した後、十分に乾燥させる。
3)2)にテトラヒドロフラン10gを加えて一晩放置する。これを十分撹拌したのち、遠心分離し、テトラヒドロフラン不溶成分を除去する。上澄みのテトラヒドロフラン可溶成分(樹脂及び1級アミノ基を有するポリマーの混合物)を十分乾燥させる。
4)3)で得られたテトラヒドロフラン可溶成分を用いて、上記方法により酸価及びpKa、並びに、アミン価を測定する。
(ii)一方、上記3)で得られたテトラヒドロフラン可溶成分を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて数平均分子量(Mn)を算出し、(i)及び(ii)の結果から、ポリエステル樹脂の数平均重合度、及び、1級アミノ基を有するポリマーの平均重合度を算出する。
体積抵抗率は、デジタル超高抵抗/微少電流計R8340A(株式会社エーディーシー)を用い、試料25mLを液体試料用電極SME-8330(日置電機社製)に入れ、室温25℃で直流1000Vを印加することで測定する。
<ポリエステル樹脂(PES-1)の製造例>
攪拌機、温度計、還流用冷却器を装備した反応釜内に下記材料を加え、220℃で2時間かけてエステル交換反応を行った。
テレフタル酸88部、イソフタル酸110部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物285部、エチレングリコール65部、ネオペンチルグリコール41部、触媒としてn-テトラブチルチタネート0.1部、酸化防止剤としてイルガノックス1330(BASF社)2部、及び、重合安定剤として酢酸ナトリウム0.3部。
その後、反応系を220℃から270℃まで昇温しながら系内を減圧した後、1Torr以下で9時間、重縮合反応を行った。
反応終了後、窒素を用いて系を真空から常圧に戻した。
さらに、ポリエステル樹脂に酸性基を付与するために(表中では、酸性基付与化合物と標記する)、トリメリット酸無水物28部を投入し、220℃で30分間反応させてポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂100部を、クロロホルム200部に溶解し、分液漏斗にイオン交換水300部とともに入れて、撹拌及び静置し、上層を廃棄した。
さらに、下層を2回水洗した後、クロロホルムをエバポレーターにより留去してポリエステル(PES-1)を得た。
ポリエステル樹脂(PES-1)の製造例において、モノマーの種類、添加量及び反応条件を表1-1の記載に変更した以外は同様にして、ポリエステル樹脂(PES-2)~(PES-9)を得た。
表1-2に得られたポリエステル樹脂の物性を示す。
ポリエステル樹脂(PES-2)の製造例において、モノマーの種類、添加量及び反応条件を表1-1の記載に変更し、かつ、トリメリット酸無水物を投入し、220℃で30分間反応させる工程を除いた以外は同様にして、ポリエステル樹脂(PES-101)を得た。
ポリエステル樹脂(PES-2)の製造例において、モノマーの種類、添加量及び反応条件を表1-1の記載に変更した以外は同様にして、ポリエステル樹脂(PES-102)を得た。
表1-1及び表1-2において、略号の意味は以下の通りである。
BPA-EO:ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物
EG :エチレングリコール
NPG :ネオペンチルグリコール
TPA :テレフタル酸
IPA :イソフタル酸
TMA :トリメリット酸無水物
DHTPA :2,5-ジヒドロキシテレフタル酸
DHIPA :4,6-ジヒドロキシイソフタル酸
PA :ピロメリット酸無水物
Mn :数平均分子量
また、表1-2の各ポリエステル樹脂の各モノマーの数値は、得られたポリエステル樹脂をNMRで測定した結果(モル比率)である。
温度計、撹拌機、窒素導入口、還流管及び水分離器を備えた反応フラスコ内に、キシレン(純正化学製)30.0部、12-ヒドロキシステアリン酸(純正化学製)300.0部及びテトラブチルチタネート(東京化成製)0.1部を仕込み、窒素気流下で160℃まで4時間かけて昇温した。
さらに160℃で4時間加熱し(この時の酸価は20mgKOH/g程度であった)、キシレンを160℃で溜去した。
次いで、室温まで冷却し、加熱反応中に生じた水を溜出物中のキシレンと分離し、このキシレンを反応溶液に返流した。この反応液を以下、12-ヒドロキシステアリン酸自己縮合物(P-1)と称する。
12-ヒドロキシステアリン酸自己縮合物(P-1)中に含まれるポリエステル樹脂は、数平均分子量が2550、酸価が22.0mgKOH/gの特性を有していた。
ちなみに、このようにして作製されたポリエステル樹脂は溶媒(キシレン)を伴ったまたの形でポリアリルアミン誘導体の製造原料に用いる。
<ポリマー(Dis-1)の製造例>
温度計、撹拌機、窒素導入口、還流環及び水分離器を備えた反応フラスコ内に、キシレ
ン25.0部と、ポリアリルアミン10%水溶液「PAA-1LV」(ニットーボーメディカル社製、数平均分子量(Mn):3,000)70.0部とを投入し、撹拌しながら160℃に加温した。反応液は分離装置を使用して水を留去するとともに、キシレンを反応液に返流しながら、69.6部の上記12-ヒドロキシステアリン酸自己縮合物(P-1)を加え(混合直後のアミン価は86.5mgKOH/g)、160℃で2時間反応を行い、ポリマー(Dis-1)[アミン価が70.0mgKOH/g、反応率〔(86.5mgKOH/g-70mgKOH/g)/86.5mgKOH/g=19%]を得た。
ポリマー(Dis-1)の製造例において、ポリアリルアミンの種類及び12-ヒドロキシステアリン酸自己縮合物(P-1)の添加量、並びに、反応率を、表2の記載に変更した以外は同様にして、ポリマー(Dis-2)~(Dis-4)を得た。各トナー粒子分散剤の物性を表2に示す。
ディーンスターク管付きフラスコに、キシレン8部、及びポリアリルアミン10%水溶液「PAA-1LV」(ニットーボーメディカル社製、数平均分子量(Mn):3,000)10部を加え、160℃で水を留去しながら撹拌した。
これに、ステアリン酸12部、及びキシレン50部の混合物を160℃まで加熱して加え、2時間160℃で反応を行うことにより、アミン価が70mgKOH/gであるポリマー(Dis-5)を得た。
冷却管、撹拌機、温度計及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、17.9部のリン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル2-(トリメチルアンモニオ)エチル、82.1部のメタクリル酸オクタデシル、4.1部のアゾビスイソブチロニトリル、及び900部のn-ブタノールを仕込み、30分間窒素バブリングを行った。
得られた反応混合物を窒素雰囲気下、65℃で8時間加熱し、重合反応を完結させた。
反応液を室温まで冷却後、溶剤を減圧留去した。
得られた残渣をクロロホルムに溶解し、透析膜(スペクトラムラボラトリーズ社製 Spectra/Por7 MWCO 1kDa)により透析精製を行った。
溶媒を減圧留去後、50℃、0.1kPa以下で減圧乾燥させることにより電荷制御剤(CD-1)を得た。
得られた電荷制御剤(化合物 CD-1)の重量平均分子量(Mw)は11800であり、構造式は下記であることを確認した。
攪拌機と温度計を取り付けた反応容器中に、電荷制御剤(CD-1)6.2部とテトラヒドロフラン68.2部を投入し、60℃に昇温し、電荷制御剤(CD-1)を溶解させた。
これにモレスコホワイトMT-30P(株式会社MORESCO)61.3部を投入後、50℃、4kPaでテトラヒドロフランを減圧留去し、透明な逆ミセル液として電荷制御剤分散液(CD-1a)を得た。
電荷制御剤分散液(CD-1a)の調製において、モレスコホワイトMT-30Pをドデシルビニルエーテルに変更した以外は同様にして、電荷制御剤分散液(CD-1b)を得た。
<液体現像剤(LD-1)の製造例>
36部のポリエステル樹脂(PES-1)、9部のピグメントブルー15:3、15部のバイロンUR4800(東洋紡株式会社製、樹脂濃度32%)をヘンシェルミキサーで十分混合した。その後、ロール内加熱温度が100℃の同方向回転二軸押出し機を用いて溶融混練を行ない、得られた混合物を冷却、粗粉砕して粗粉砕トナー粒子を得た。
次いで、キャリア液体として160部のモレスコホワイトMT-30P(株式会社MORESCO、SP値:7.90)、上記で得られた粗粉砕トナー粒子40部、及びポリマー(Dis-1)1.2部を、サンドミルにより24時間混合して、トナー粒子分散体(T-1)を得た。
10部の該トナー粒子分散体(T-1)に、0.12部の電荷制御剤分散液(CD-1a)、及び89.88部のモレスコホワイトMT-30Tを混合し、液体現像剤(LD-1)を得た。
液体現像剤(LD-1)の製造例において、ポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマー及びキャリア液体の種類を、表3に記載のものに変更した以外は同様にして、液体現像剤(LD-2)~(LD-13)を得た。
36部のポリエステル樹脂(PES-2)、9部のピグメントブルー15:3、15部のバイロンUR4800(東洋紡株式会社製、樹脂濃度32%)、及びボントロンE-84(オリヱント化学工業社製)0.6部をヘンシェルミキサーで十分混合した。その後、ロール内加熱温度が100℃の同方向回転二軸押出し機を用いて溶融混練を行ない、得られた混合物を冷却、粗粉砕して粗粉砕トナー粒子を得た。
次いで、キャリア液体として160部のモレスコホワイトMT-30P(株式会社MORESCO、SP値:7.90)、上記で得られた粗粉砕トナー粒子40部、及びポリマー(Dis-1)1.2部を、サンドミルにより24時間混合して、トナー粒子分散体(T-14)を得た。
10部の該トナー粒子分散体(T-14)に、0.12部の電荷制御剤分散液(CD-1a)、及び89.88部のモレスコホワイトMT-30Tを混合し、液体現像剤(LD-14)を得た。
表において、
MT-30Pは、モレスコホワイトMT-30P(SP値:7.90、体積抵抗率:8.4×1012Ω・cm)を表し、
E-84は、ボントロンE-84(オリヱント化学工業社製)を表し、
製造方法で「A」は、湿式粉砕法を表す。
液体現像剤(LD-1)又は(LD-14)の製造例において、ポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマーおよびキャリア液体の種類を、表4に記載のものに変更し、電荷制御剤分散液(CD-1a)を電荷制御剤分散液(CD-1b)に変更し、さらに、光重合開始剤として(例示化合物B-26)0.021部、増感剤としてKAYACURE-DETXS(2,4-ジエチルチオキサントン、日本化薬株式会社製)0.035部を加えること以外は同様にして、液体現像剤(LD-15)~(LD-28)を得た。
液体現像剤(LD-1)の製造例において、ポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマー及びキャリア液体の種類を、表5に記載のものに変更した以外は同様にして、液体現像剤(LD-101)~(LD-104)を得た。
表において、
FC1565は、ダイヤクロンFC-1565(ポリエステル樹脂、酸価6mgKOH/g、三菱ケミカル(株)製)であり、分子鎖中にトリメリット酸を有し、末端は主にテレフタル酸である。
Sol.は、ソルスパース13940(日本ルーブリゾール株式会社製)であり、主に2級又は3級アミノ基を有するポリエステル系ポリマー(該ポリマーの主鎖の末端以外の位置には1級アミノ基は存在しない)を表す。
液体現像剤(LD-15)の製造例において、ポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマー及びキャリア液体の種類を、表6に記載のものに変更した以外は同様にして、液体現像剤(LD-105)~(LD-108)を得た。
<液体現像剤(LD-29)の製造例>
(樹脂分散液を調製する工程)
30部のピグメントブルー15:3、47部のバイロンUR4800(東洋紡株式会社)、テトラヒドロフラン255部、及びガラスビーズ(直径1mm)130部を混合し、アトライター(日本コークス工業株式会社製)で3時間分散した。その後、メッシュで濾過し、ガラスビーズを取り除き、分散物を得た。
得られた分散物180部、ポリエステル樹脂(PES-1)のテトラヒドロフラン溶液(固形分量:50質量%)126部、及びポリマー(Dis-1)2.7部を高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)を用いて、40℃で攪拌しながら混合し、樹脂分散液を得た。
(混合工程)
100部の樹脂分散液に、キャリア液体であるモレスコホワイトMT-30P(株式会
社MORESCO、SP値:7.90)70部を、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて、回転数25000rpmで撹拌しながら、少しずつ添加し、混合液を調製した。
(留去工程)
得られた混合液をナスフラスコに移し、超音波分散しながら50℃でテトラヒドロフランを完全に留去し、トナー粒子分散体を得た。
(液体現像剤の調製工程)
10部の該トナー粒子分散体に、0.12部の電荷制御剤分散液(CD-1a)、及び89.88部のモレスコホワイトMT-30Tを混合し、液体現像剤(LD-29)を得た。
液体現像剤(LD-29)の製造例において、ポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマー及びキャリア液体の種類を、表7に記載のものに変更した以外は同様にして、液体現像剤(LD-30)~(LD-41)を得た。
(樹脂分散液を調製する工程)
30部のピグメントブルー15:3、47部のバイロンUR4800(東洋紡株式会社)、テトラヒドロフラン255部、及びガラスビーズ(直径1mm)130部を混合し、アトライター(日本コークス工業株式会社製)で3時間分散した。その後、メッシュで濾過し、ガラスビーズを取り除き、分散物を得た。
得られた分散物180部、ポリエステル樹脂(PES-2)のテトラヒドロフラン溶液(固形分量:50質量%)126部、ポリマー(Dis-1)2.7部、及び0.9部のボントロンE-84を高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)を用いて、40℃で攪拌しながら混合し、樹脂分散液を得た。(混合工程)
100部の樹脂分散液に、キャリア液体であるモレスコホワイトMT-30P(株式会社MORESCO、SP値:7.90)70部を、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて、回転数25000rpmで撹拌しながら、少しずつ添加し、混合液を調製した。
(留去工程)
得られた混合液をナスフラスコに移し、超音波分散しながら50℃でテトラヒドロフランを完全に留去し、トナー粒子分散体を得た。
(液体現像剤の調製工程)
10部の該トナー粒子分散体に、0.12部の電荷制御剤分散液(CD-1a)、及び89.88部のモレスコホワイトMT-30Tを混合し、液体現像剤(LD-42)を得た。
液体現像剤(LD-29)又は(LD-42)の製造例において、ポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマーおよびキャリア液体の種類を、表8に記載のものに変更し、電荷制御剤分散液(CD-1a)を電荷制御剤分散液(CD-1b)に変更し、さらに、光重合開始剤として(例示化合物B-26)0.021部、増感剤としてKAYACURE-DETXS(2,4-ジエチルチオキサントン、日本化薬株式会社製)0.035部を加えること以外は同様にして、液体現像剤(LD-43)~(LD-56)を得た。
液体現像剤(LD-29)の製造例において、ポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマー及びキャリア液体の種類を、表9に記載のものに変更した以外は同様にして、比較用液体現像剤(LD-109)~(LD-112)を得た。
液体現像剤(LD-43)の製造例において、ポリエステル樹脂、1級アミノ基を有するポリマーおよびキャリア液体の種類を、表10に記載のものに変更した以外は同様にして、液体現像剤(LD-113)~(LD-116)を得た。
上記液体現像剤(LD-1)~(LD-56)(以上が実施例)、(LD-101)~(LD-116)(以上が比較例)を下記の方法で評価した。なお、以下、(LD-7)~(LD-9)、(LD-13)、(LD-21)~(LD-23)、(LD-27)、(LD-35)~(LD-37)、(LD-41)、(LD-49)~(LD-51)及び(LD-55)は参考例とする。
液体現像剤の体積抵抗率を、上記の方法で測定した。
以下に、評価基準を示す。
5:1×1010Ωcm≦(体積抵抗率)
4:1×109Ωcm ≦(体積抵抗率)<1×1010Ωcm
3:5×108Ωcm ≦(体積抵抗率)<1×109Ωcm
2:1×108Ωcm ≦(体積抵抗率)<5×108Ωcm
1: (体積抵抗率)<1×108Ωcm
評価結果を表11-1及び11-2に示す。
上記液体現像剤を用い、下記の方法により現像を行った。装置は図1に記載のような現像装置50Cを用いた。
(1)現像ローラ53C、感光ドラム52C、中間転写ローラ61Cが離間され、非接触の状態で、これらを図1の矢印の方向に回転駆動させた。このときの回転速度は250mm/secとした。
(2)現像ローラ53C及び感光ドラム52Cを押し圧一定で接触させ、DC電源を用いてバイアスを200Vに設定した。
(3)感光ドラム52C及び中間転写ローラ61Cを押し圧一定で接触させ、DC電源を用いて転写バイアスを1000Vに設定した。
(4)均一濃度(トナー粒子濃度が2質量%)、均一量(100mL)の液体現像剤を製膜ローラ(図示せず)に供給し、中間転写部材60Cに形成された画像を評価した。
以下に、現像性の評価基準を示す。
5:高濃度かつ高精細な画像が得られた
4:若干の濃度ムラがある、又は若干の画像ボケが見られる
3:濃度ムラや画像ボケが目立つものの、現像されていることがわかる
2:激しい濃度ムラや画像ボケが発生し、現像不十分であった
1:現像できなかった
評価結果を表11-1及び11-2に示す。
Claims (8)
- キャリア液体、
該キャリア液体に不溶なトナー粒子、及び、
該トナー粒子を該キャリア液体中に分散させるためのトナー粒子分散剤
を含有する液体現像剤であって、
該トナー粒子分散剤が、該キャリア液体に可溶な1級アミノ基を有するポリマーであり、
該1級アミノ基を有するポリマーは、該ポリマーの主鎖の末端以外の位置に1級アミノ基を有し、
該1級アミノ基を有するポリマーが、下記式(4)で表されるモノマーユニット、及び、下記式(6)で表されるモノマーユニットを一つのポリマー中に含有するポリアリルアミン誘導体であり、
[該式(6)中、R 2 は直鎖の-C n H 2n -で表され、炭素数12以上のアルキレン基であり、pは1以上の整数を表す。]
該1級アミノ基を有するポリマーのアミン価が、10mgKOH/g以上200mgOH/g以下であり、
該トナー粒子が、着色剤及び酸性基を有するポリエステル樹脂を含有し、
該ポリエステル樹脂が、トリメリット酸又はトリメリット酸無水物に由来するモノマーユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂の酸価が、5mgKOH/g以上であり、
該酸性基のpKaが、3.4以下であり、
該酸性基が、トリメリット酸又はトリメリット酸無水物に由来するカルボキシ基であり、
該キャリア液体が、炭化水素系溶剤、パラフィン系溶剤、又は下記式(b)で表される化合物
[式(b)中、nは、一分子中のビニルエーテル構造の数を示し、1以上4以下の整数である。Rは、炭素数4以上18以下の直鎖又は分岐の飽和脂肪族炭化水素基である。]
である、
ことを特徴とする液体現像剤。 - 前記1級アミノ基を有するポリマーが、ポリアリルアミンと、12-ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物と、の反応物である、請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記ポリエステル樹脂の数平均分子量が、3000以上15000以下である、請求項1又は2に記載の液体現像剤。
- 前記式(6)中のR 2 が、直鎖の-C n H 2n -で表され、炭素数12以上30以下のアルキレン基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の液体現像剤。
- 前記式(6)中のR 2 が、直鎖の-C n H 2n -で表され、炭素数12以上22以下のアルキレン基である、請求項4に記載の液体現像剤。
- 前記キャリア液体のSP値が、7.0以上9.0以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の液体現像剤。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の液体現像剤を製造する液体現像剤の製造方法であって、
該製造方法が、
前記酸性基を有するポリエステル樹脂と、前記1級アミノ基を有するポリマーと、該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤と、を含有する樹脂分散液を調製する工程(i)、
該樹脂分散液と、前記キャリア液体と、を含有する混合液を調製する工程(ii)、並びに、
該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤を、該混合液から留去する工程(iii)、
を有する、
ことを特徴とする液体現像剤の製造方法。 - 請求項1~6のいずれか1項に記載の液体現像剤を製造する液体現像剤の製造方法であって、
該製造方法が、
前記酸性基を有するポリエステル樹脂と、前記1級アミノ基を有するポリマーと、該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤と、を含有する樹脂分散液を調製する工程(I)、
該樹脂分散液と、前記キャリア液体以外の該ポリエステル樹脂を溶解しない溶剤と、を含有する第一混合液を調製する工程(II)、
該ポリエステル樹脂を溶解する溶剤を、該第一混合液から留去して、トナー粒子分散体を調製する工程(III)、及び、
該トナー粒子分散体と、該キャリア液体と、を含有する第二混合液を調製する工程(IV)
を有する、
ことを特徴とする液体現像剤の製造方法。
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