JP7071206B2 - 液体現像剤 - Google Patents
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Description
この場合、現像剤は、顔料などの着色剤及び樹脂を含む材料で構成される着色粒子を、乾燥状態で用いる乾式現像剤と、着色粒子をキャリア液としての電気絶縁性液体に分散した液体現像剤とに大別される。
カラー画像の再現性に関して有利な現像剤として、液体現像剤が知られている。液体現像剤は、現像剤中のトナー粒子の凝集が生じにくいため、微細なトナー粒子を用いることができる。そのため、液体現像剤は、細線画像の再現性や階調再現性に優れる。これらの優れた特長を生かした、液体現像剤を用いた電子写真技術を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像剤の開発が求められている。
液体現像剤のトナー粒子を帯電させ、電気泳動により現像剤を現像、転写させるために様々な電荷制御剤(Charge Control Agent)が検討されている。
例えば、特許文献1では、ホスファチジルエタノールアミンの含有量が40~90重量%のレシチンがトナーを負帯電させるトナー電荷制御剤(Toner Charge Control Agent)として有効に作用することが提案されている。
一方、特許文献2では、バリウムスルホネートが有用な負帯電性のトナー電荷制御剤になることが提案されている。
特に低温環境下においては、これまでに提案されているトナー電荷制御剤ではトナー粒子の現像性が不十分となることがあった。そこで、低温下においてもトナー粒子の現像性を発現できるトナー電荷制御剤及び電荷補助剤の開発が求められている。
そこで、本発明は、低温環境下においても良好な現像性を発現でき、画像形成装置の設置環境の多様化への対応幅を広げることのできる液体現像剤を提供することを目的とする
。
トナー粒子、キャリア液、トナー粒子高分子分散剤、及び下記式(1)で示されるアルキル基含有アミン化合物を含有する液体現像剤であって、
該トナー粒子が、酸基を有する樹脂を含有し、
該キャリア液が、脂肪族炭化水素化合物、又は下記式(2-1)若しくは(2-2)で示されるビニルエーテル化合物を含有し、
該トナー粒子高分子分散剤の数平均分子量が、5000以上であり、
該アルキル基含有アミン化合物の分子量が、500以下であり、
該アルキル基含有アミン化合物の含有量が、該トナー粒子100質量部に対して0.001質量部以上1質量部以下であり、
該酸基を有する樹脂の酸価をA[mgKOH/g]とし、
該アルキル基含有アミン化合物のアミン価をB[mgKOH/g]とし、
該液体現像剤100gに含まれる該酸基を有する樹脂の量をMa[g]とし、
該液体現像剤100gに含まれる該アルキル基含有アミンの量をMb[g]としたとき、
(B×Mb)/(A×Ma)が、0.01以上1以下である
ことを特徴とする液体現像剤。
本発明の効果が発現するメカニズムについて、発明者らは以下のように推測している。
式(1)で表される化合物は優れた正電荷受容性を有している。
したがって、該アルキル基含有アミン化合物を、キャリア液体中に含有させることにより、該アルキル基含有アミン化合物が、酸基を有する樹脂の酸基との酸塩基相互作用によりトナー粒子に吸着し、トナー粒子から正電荷を受容する。その結果、トナー粒子が負に帯電する。すなわち、該アルキル基含有アミン化合物が、トナー粒子を負帯電させるためのトナー電荷制御剤として作用する。
さらに、低温環境下においては、アルキル基含有アミン化合物の分子量が、500以下であることにより、分子の運動性が低温でも維持されるため、トナー粒子の電荷分離促進の効果が低温下においても持続する。
また、アルキル基含有アミン化合物の分子量が、500以下であることにより、キャリア液への溶解性が低温下においても維持されるため、低温下でも意図せず析出して不具合を起こすことがない。
本発明の液体現像剤は、分子量が500以下である、下記式(1)で表されるアルキル基含有アミン化合物を含有する。
R1及びR2については、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基であればよい。
アルキル基含有アミン化合物は、立体障害が少なくトナー粒子表面との結合が容易であることから、一級アミン又は二級アミンが好ましく、一級アミンがより好ましい。すなわち、R1及びR2のいずれか一方が水素原子であることが好ましく、R1及びR2が水素原子であることがより好ましい。
mが炭素数8以上20以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であるアミンの例としては、オクチルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミンなどが挙げられる。
アルキル基含有アミン化合物は分子量が500以下であることにより、後述するトナー粒子高分子分散剤の立体障害の隙間を潜り抜けることが容易であり、トナー粒子表面に結合され保持され、本発明の効果を発現する。分子量は、好ましくは300以下である。一
方下限は特に制限されないが、好ましくは100以上であり、より好ましくは120以上である。
アルキル基含有アミン化合物の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.001質量部以上1質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上1質量部以下であることがより好ましく、0.2質量部以上1質量部以下であることがさらに好ましい。含有量が0.001質量部以上であると、低温環境下における現像性が良好になる。含有量が1質量部以下であると、現像剤の体積抵抗が低下しにくく現像性が良好になる。
したがって、該構造を有する化合物を、キャリア液体中に含有させることにより、該構造を有する化合物がトナー粒子に吸着し、トナー粒子から正電荷を受容する。その結果、トナー粒子が負に帯電する。すなわち、該構造を有する化合物が、トナー粒子を負帯電させるためのトナー電荷制御剤として作用する。
上記式(3)中、R3におけるアルキル基としては、炭素数1以上4以下のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、及びn-ブチル基などが挙げられる。
上記式(3)中のR3は、高分子化合物の製造(重合性)の観点から水素原子、又はメチル基が好ましい。
上記式(3)中、A1は高分子主鎖とリン酸エステル部位を結合する連結基であり、カルボニル基、アルキレン基、アリーレン基及び-COOR10-(ただし、-COOR1
0-中のカルボニル基はR3が結合した炭素原子に結合し、R10は炭素数1以上4以下のアルキレンを表す)のいずれかを表す。また、単結合により高分子主鎖に直結していてもよい。
、炭素数1~4のアルキレン基が好ましい。
例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基などが挙げられる。
連結基A1におけるアリーレン基としては、例えば、1,2-フェニレン基、1,3-
フェニレン基、1,4-フェニレン基、ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレン-1,5-ジイル基、及びナフタレン-2,6-ジイル基などが挙げられる。
連結基A1における-COOR10-としては、-COOR10-中のカルボニル基は
R3が結合した炭素原子に結合し、R10は炭素数1以上4以下のアルキレンである。該アルキレンは、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。
連結基A1は上記のように特に限定されるものではないが、原料の入手や製造の容易性
の観点からカルボニル基、又は、-COOR10-(ただし、-COOR10-中のカルボニル基はR3が結合した炭素原子に結合し、R10は炭素数1以上4以下のアルキレンを表す)である場合がより好ましい。
連結基A2におけるアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、炭素数1以上4以下のアルキレン基が好ましい。
例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基などが挙げられる。
連結基A2におけるアリーレン基としては、例えば、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレン-1,5-ジイル基、及びナフタレン-2,6-ジイル基などが挙げられる。
これらの連結基はさらに置換されていてもよく、該置換は高分子化合物の帯電特性を著しく低下させるものでなければ特に制限されない。
連結基A2は上記のように特に限定されるものではないが、原料の入手や製造の容易性の観点からメチレン基、及びエチレン基などのアルキレン基である場合がより好ましい。
式(3)で示される構造を有する化合物の重量平均分子量は、好ましくは3000以上150000以下である。
上記式(A)中、R7は、共重合体の製造(重合性)の観点から水素原子、及びメチル基である場合が好ましい。
上記式(A)中、R8におけるアルキル基としては、炭素数1~30のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-デシル基、n-ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、及びトリアコンチル基などが挙げられる。
上記式(A)中、R8におけるアリール基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
上記式(3)中、R7及びR8は上記に列挙した置換基から任意に選択できるが、該共重合体が使用される用途に応じて適当な置換基を選択するとよい。R8は炭素数1~20のアルキル基が好ましい。
より好ましい。
式(3)で示される構造を有する化合物の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは0.01質量部以上1質量部以下である。
トナー粒子高分子分散剤は、トナー粒子をキャリア液中に安定に分散させるものであり、公知の高分子分散剤を使用することができる。
トナー粒子高分子分散剤は、キャリア液に溶解するものであってもよいし、分散するものであってもよい。
上記分散剤としては、例えば、アジスパーPB817(味の素ファインテクノ社製)、ソルスパース11200、13940、17000、18000(日本ルーブリゾール社製)、グリセロールモノオレエート、ソルビタンモノオレエート、ベヘンジモニウムエチルリン酸ステアリル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、トリステアリルホスファイト、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル等が挙げられる。
また、トナー粒子高分子分散剤のアミン価は、アミノ基を含有していれば特に種類は限定されないが、アミン価は10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましい。アミン価が上記範囲を満たすことで、酸価を有する樹脂との酸塩基相互作用がより顕著になり、キャリア液へのトナー粒子の分散性がさらに向上する。
トナー粒子高分子分散剤は、下記式(4A)で示される構造と、下記式(5)で示される構造をともに含有する高分子を含有するものがより好ましく、下記式(4)で示される構造と、下記式(5)で示される構造をともに含有する高分子を含有するものがさらに好ましい。これにより、さらにトナー粒子分散性が高く保存性が向上し、帯電性も向上する。
R7は直鎖の-CnH2n-、又は環状の-CnH2n-2-で表され、炭素数が6以上であるアルキレン基を意味する。該アルキレン基の炭素数は12以上であることがより好ましい。一方、該炭素数の上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは22以下である。
また、R7が有してもよい置換基としては特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などが挙げられる。
Lは二価の連結基を表し、炭素数1~6のアルキレン基(より好ましくは炭素数1~3のアルキレン基)、炭素数1~6のアルケニレン基(より好ましくは炭素数1~3のアルケニレン基)、炭素数6~10のアリーレン基であることが好ましい。
トナー粒子高分子分散剤は、数平均分子量が5000以上である。数平均分子量が5000未満であると、トナー粒子から遊離しやすくなり、トナー粒子の分散性が低下するとともに、遊離したトナー粒子高分子分散剤によって液体現像剤の体積抵抗が下がって現像性が低下する。好ましくは10000以上である。
一方、上限は特に制限されないが、トナー粒子高分子分散剤の数平均分子量が100000以下であることが好ましく、80000以下であることがより好ましい。数平均分子量が100000以下であると、キャリア液への溶解性が適度であるためトナー粒子の分散性が良好になる。
M1/M2が10以上であると、トナー粒子高分子分散剤の分子量が適切であり、トナー粒子の分散性が良好になり、液体現像剤の保存性が良化する。
M1/M2が500以下であると、トナー粒子高分子分散剤の分子量が大きすぎず、立体障害が適度になり、アルキル基含有アミンがトナー粒子表面へ結合しやすくなる。
トナー粒子は、酸基を有する樹脂を含有している。
トナー粒子中の樹脂成分の含有量は、トナー粒子の全質量を基準として30質量%以上99質量%以下であることが好ましい。
酸基を有する樹脂の含有量は、トナー粒子の樹脂成分の全質量を基準として、10質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
これらの中で、トナー粒子のキャリア液への分散性を実現しやすいという観点からポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
ポリエステル樹脂は、特に限定されるものではないが、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合体が挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン、並びに、これらの誘導体。
誘導体としては、上記縮重合により同様の樹脂構造が得られるものであれば特に限定されない。例えば、上記アルコール成分をエステル化した誘導体が挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水
物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6~18のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類;並びに、これらの誘導体。
誘導体としては、上記縮重合により同様の樹脂構造が得られるものであれば特に限定されない。例えば、上記カルボン酸成分をメチルエステル化、エチルエステル化、又は酸クロライド化した誘導体が挙げられる。
併用してもよい樹脂としては、具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
(B×Mb)/(A×Ma)が0.01以上1以下であることが好ましい。
(B×Mb)/(A×Ma)が1以下であると、液体現像剤中に含まれるアルキル基含有アミン化合物のうち、トナー粒子と結合を形成する割合が適切になる。そのため、アルキル基含有アミン化合物が遊離しにくく、キャリア液の抵抗が保たれ、現像性がより良好になる。
(B×Mb)/(A×Ma)が0.01以上であると、アルキル基含有アミン化合物と結合しないトナー粒子表面の酸基が少なく、本発明の効果がより発揮されやすい。
液体現像剤はキャリア液を含有する。
キャリア液は、電気的に絶縁性を示し、体積抵抗率が1×109Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが好ましい。
また、酸基を有する樹脂などトナー粒子を形成する樹脂は、好ましくはキャリア液に溶解しない。
「樹脂がキャリア液に溶解しない」とは、温度25℃で、キャリア液100質量部に対
し、溶解する樹脂が1質量部以下であることが指標として挙げられる。
本発明においては、キャリア液のSP値は、7.0以上9.0以下であることが好ましく、7.5以上8.5以下であることがより好ましい。樹脂は、SP値7.0以上9.0以下であるキャリア液に溶解しない樹脂を用いるとよい。
本発明におけるSP値の単位は、(cal/cm3)1/2であるが、1(cal/cm3)1/2=2.046×103(J/m3)1/2によって(J/m3)1/2の単位に換算することができる。
キャリア液は、脂肪族炭化水素化合物、又は下記式(2-1)若しくは(2-2)で示されるビニルエーテル化合物を含有する。
脂肪族炭化水素化合物は、例えば、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカンなどの炭化水素系溶剤;アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(エクソンモービル社)、シェルゾールA100、シェルゾールA150(シェルケミカルズジャパン(株))、モレスコホワイトMT-30P(松村石油(株))などのパラフィン系溶剤;などが挙げられる。
本発明では、下記式(2-1)又は(2-2)で示されるビニルエーテル化合物を用いる。
具体的には、ドデシルビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジビニルエーテル、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジビニルエーテル、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、1,2-デカンジオールジビニルエーテルなどが挙げられる。
トナー粒子は、顔料などの着色剤を含有する。有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメン
トイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤又はマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどの分散装置を用いることができる。
株)のバイロンURシリーズ、日本ルーブリゾール社のソルスパースシリーズなどの市販
の顔料分散剤を用いることも好ましい。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。これらの顔料分散剤及び顔料分散助剤は、顔料100質量部に対し、1質量部以上100質量部以下添加することが好ましい。
着色剤の添加量は、トナー粒子の樹脂成分100質量部に対し、1質量部以上100質量部以下が好ましく、5質量部以上50質量部以下がより好ましい。
液体現像剤は、キャリア液が式(2)で示されるビニルエーテル化合物を含有し、液体現像剤が光重合開始剤を含有する硬化型液体現像剤であることが好ましい。
光重合開始剤とは、所定の波長の光を感知して酸及びラジカルを発生するための化合物である。このような化合物として、光カチオン重合開始剤としては、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
光カチオン重合開始剤を使用する場合、紫外線硬化型液体の体積抵抗率の低下が少ない、下記式(6)で表される光重合開始剤を用いることがより好ましい。
上記環構造としては、5員環又は6員環を例示することができる。具体的には、例えば、コハク酸イミド構造、フタルイミド構造、ノルボルネンジカルボキシイミド構造、ナフタレンジカルボキシイミド構造、シクロヘキサンジカルボキシイミド構造、エポキシシクロヘキセンジカルボキシイミド構造などが挙げられる。また、これらの環構造は、置換基として、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルキルオキシ基、炭素数1~4のアルキルチオ基、炭素数6~10のアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数6~10のアリールチオ基などを有していてもよい。
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)としては、例えば、トリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、ヘプタフルオロn-プロピル基(x=3,y=7)、ノナフルオロn-ブチル基(x=4,y=9)、パーフルオロn-ヘキシル基(x=6,y=13)、及びパーフルオロn-オクチル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)としては、例えば、パーフルオロイソプロピル基(x=3,y=7)、パーフルオロ-tert-ブチル基(x=4,y=9)、及びパーフルオロ-2-エチルヘキシル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)、及び3-トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル基(x=7,y=7)などが挙げられる。
に対して、好ましくは0.01質量部以上5質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以上1質量部以下であり、さらに好ましくは0.1質量部以上0.5質量部以下である。
液体現像剤には、必要に応じて帯電制御剤、増感剤、カチオン重合禁止剤、ラジカル重合禁止剤のような添加剤を含有してもよい。
トナー粒子を製造する方法としては、例えば、コアセルベーション法や湿式粉砕法等の公知の方法が挙げられる。これらの方法によって得られたトナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、平均粒子径が0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上1μm以下である。
上記コアセルベーション法については、例えば、特開2003-241439号公報、国際公開第2007/000974号、国際公開第2007/000975号に詳細が記載されている。また、上記湿式粉砕法については、例えば、国際公開第2006/126566号、国際公開第2007/108485号に詳細が記載されている。本発明においては、この様な公知の方法が利用可能である。
コアセルベーション法では、例えば、着色剤、酸基を有する樹脂、該樹脂を溶解する溶剤、及び該樹脂を溶解しない溶剤を混合し、該混合液から該樹脂を溶解する溶剤を除去して、溶解状態にあった該樹脂を析出させることにより、顔料を包埋したトナー粒子を、該樹脂を溶解しない溶剤中に分散させることができる。
湿式粉砕法では、顔料と酸基を有する樹脂とを該樹脂の融点以上で混練した後乾式粉砕し、得られた粉砕物をキャリア液中で湿式粉砕することにより、トナー粒子をキャリア液中に分散させることができる。
液体現像剤中のトナー粒子濃度は、用いる画像形成装置に応じて、任意に調整して用いることができるが、1質量%以上70質量%以下程度にするとよい。
以下に本発明で用いられる測定方法を示す。
<分子量測定>
樹脂及びトナー粒子高分子分散剤の数平均分子量などの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、ポリスチレン換算で算出する。SECによる分子量の測定は以下に示すように行う。
サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置:高速GPC装置「HLC-8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF-804の2連
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.025ml
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSK スタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A
-2500、A-1000、A-500]により作成した分子量校正曲線を使用する。
酸価の測定方法は、JIS-K0070に準じ以下のように測定する。
1)試料0.5~2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
2)50mlのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mlを加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM-2500」]。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOH溶液のファクターである。
アミン価は1分子あたりのアミノ基数と分子量が明らかであれば、以下の式により計算することができる。
A=56100×a/M
A:アミン価(mgKOH/g)
a:1分子あたりのアミノ基数
M:分子量(g/mol)
また、アミン価は実測することもできる。本発明では、アミン価の測定は、ASTMD2074に準じ以下の方法で実施した。
1)試料0.5~2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
2)50mlのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(3/1)の混合液25mlを加え溶解する。
3)0.1mol/lのHClのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM-2500」]。
4)この時のHCl溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のHClの使用量をB(ml)とする。
5)次式によりアミン価を計算する。fはHCl溶液のファクターである。
<PES-1の合成例>
フラスコ中に、酸モノマーとして、フマル酸113.7部(98モル部)、アルコールモノマーとして、BPA-PO344.4部(100モル部、テトラブチルチタネート0.4部を投入し、190℃でエステル化反応を行った。その後220℃に昇温するとともに系内を減圧し、150Paで重縮合反応を行い、酸価を有するポリエステル樹脂を得た。これを(PES-1)とする。得られた樹脂は、重量平均分子量(Mw)が20000、酸価が10[mgKOH/g]であった。
(PES-1)の合成例において、原材料である酸モノマーを、テレフタル酸132.9部(80モル部)及びトリメリット酸8.4部(4モル部)、アルコールモノマーを1,2-ヘキサンジオール94.5部(80モル部)、1,4-ブタンジオール18.0部
(20モル部)に変えたほか、反応温度と反応時間を適宜調整し、酸価を有するポリエステル樹脂(PES-2)及び(PES-3)を得た。(PES-2)は、重量平均分子量(Mw)が21000、酸価が25[mgKOH/g]であった。(PES-3)は、重量平均分子量(Mw)が19000、酸価が5[mgKOH/g]であった。
冷却管、撹拌機、温度計及び窒素導入管を取り付けた反応容器にリン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル2-(トリメチルアンモニオ)エチル 17.9部、メタクリル酸オクタデシル 82.1部、アゾビスイソブチロニトリル 4.1部、及びn-ブタノール 900部を仕込み、30分間窒素バブリングを行った。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、65℃で8時間加熱し、重合反応を完結させた。
反応液を室温まで冷却後、溶剤を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、透析膜(スペクトラムラボラトリーズ社製 Spectra/Por7 MWCO 1kDa)により透析精製を行った。溶媒を減圧留去後、50℃、0.1kPa以下で減圧乾燥させることにより高分子化合物aを得た。
得られた高分子化合物aの重量平均分子量(Mw)は11800であった。
撹拌機と温度計を取り付けた反応容器中に、高分子化合物a 6.2部とテトラヒドロフラン(THF) 68.2部を投入し、60℃に昇温し、高分子化合物aを溶解させた。ここにドデシルビニルエーテル 71.3部を投入後、50℃、4kPaでTHFを減圧留去し、透明な逆ミセル液として高分子化合物aの分散液(濃度8%)を得た。これを高分子電荷制御剤(D-1)とした。
まず、プロピレングリコールモノメチルエーテル100部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させた。
そこへ、下記式(7)で表されるモノマー[ポリアリルアミン]15部、下記式(8)で表されるモノマーとして[12ヒドロキシシテアリン酸自己縮合物、詳しくは下記式(8)中、Lがメチレン基、R7が-(CH2)10CH((CH2)5CH3)-、rが6]85部、及びtert-ブチルパーオキシベンゾエート[有機過酸化物系重合開始剤、日油(株)製、商品名:パーブチルZ]1.0部を混合したものを3時間かけて滴下した。
滴下終了後、溶液を5時間撹拌した後、液温180℃まで昇温しながら常圧蒸留した。液温180℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、トナー粒子高分子分散剤(A-1)を得た。トナー粒子高分子分散剤(A-1)の数平均分子量(M1)は38000であった。
反応時間と反応温度を適宜調整したほかは、トナー粒子高分子分散剤(A-1)の製造例と同様にして、トナー粒子高分子分散剤(A-2)及び(A-3)を得た。トナー粒子高分子分散剤(A-2)の数平均分子量は61000、トナー粒子高分子分散剤(A-3)の数平均分子量は19000であった。
<湿式粉砕法による液体現像剤の製造>
樹脂として(PES-1)60部をジェットミルで粉砕し、樹脂粉を得た。
上記で得た樹脂粉:60部、顔料(ピグメントブルー15:3) 10部、溶剤を除去した顔料分散剤(UR4800:東洋紡(株)製):5部をヘンシェルミキサーで十分混合した。その後、ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用い溶融混練を行ない、得られた混合物を冷却、粗粉砕して粗粉砕トナー粒子を得た。次いで、キャリア液としてドデシルビニルエーテル(DDVE)150部、上記で得られた粗粉砕トナー粒子50部、トナー粒子高分子分散剤(A-1)5部を、サンドミルにより24時間混合することにより、トナー粒子分散体を得た。
得られたトナー粒子分散体(205部)を遠心分離処理し、上澄み液をデカンテーションにより除去し、重合性液状モノマーとして、除去した上澄み液と同じ質量のドデシルビニルエーテル(DDVE)にて置換、再分散した後、高分子電荷制御剤(D-1)を0.313部、アルキル基含有アミン化合物として、ドデシルアミンを0.2部、下記式(9)で表される光重合開始剤0.5部、KAYACURE-DETX-S(日本化薬(株)製)1部を加え、液体現像剤1を得た。
M1/M2は205、(B×Mb)/(A×Ma)は0.15であった。
ドデシルアミンを、ステアリルアミンに変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤2を得た。
<実施例3>
ドデシルアミンを、オクチルアミンに変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤3を得た。
<実施例4>
ドデシルビニルエーテル(DDVE)を、ブチルエチルプロパンジオールジビニルエーテルに変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤4を得た。
ドデシルビニルエーテル(DDVE)を、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルに変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤5を得た。
<実施例6>
ドデシルビニルエーテル(DDVE)を、(アイソパーL(エクソンモービル社製))に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤6を得た。
<実施例7>
ドデシルアミンの添加量を、0.05部に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤7を得た。
ドデシルアミンの添加量を、0.45部に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤8を得た。
<実施例9>
高分子電荷制御剤(D-1)を、添加しない以外は実施例1と同様にして、液体現像剤9を得た。
<実施例10>
トナー粒子高分子分散剤(A-1)を、(A-2)に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤10を得た。
トナー粒子高分子分散剤(A-1)を、(A-3)に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤11を得た。
<実施例12>
樹脂を(PES-2)に変更し、ドデシルアミンの添加量を0.05部に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤12を得た。
<実施例13>
樹脂を(PES-3)に変更し、ドデシルアミンの添加量を0.45部に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤13を得た。
トナー粒子高分子分散剤(A-1)を、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテルに変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤14を得た。
<実施例15>
ドデシルアミンを、N,N-ジメチル-n-オクチルアミンに変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤15を得た。
<コアセルベーション法による硬化型液体現像剤の製造>
顔料(ピグメントブルー15:3)10部、溶剤を除去した顔料分散剤(UR4800(東洋紡(株)製)5部、テトラヒドロフラン105部、ガラスビーズ(φ1mm)100部を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、メッシュで濾過し、混練物を得た。
樹脂として(PES-1)60部を、テトラヒドロフラン60部に溶解し、溶解液中の
樹脂含有量が50%である樹脂溶解液を得た。
上記で得られた混練物80部、樹脂溶解液80部、トナー粒子高分子分散剤(D-1)5部を高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)で混合し、40℃で攪拌しながら混合し、顔料分散液1を得た。
上記で得られた顔料分散液1の165部に、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて高速攪拌(回転数25000rpm)しながら、ドデシルビニルエーテル(DDVE)150部を少しずつ添加し、混合液を得た。
上記で得られた混合液をナスフラスコに移し、超音波分散しながら50℃でテトラヒドロフランを完全に留去し、トナー粒子分散体を得た。
得られたトナー粒子分散体(205質量部)を遠心分離処理し、上澄み液をデカンテーションにより除去し、重合性液状モノマーとして、除去した上澄み液と同じ質量のドデシルビニルエーテル(DDVE)にて置換、再分散した後、高分子電荷制御剤(D-1)を0.313部、アルキル基含有アミン化合物として、ドデシルアミンを0.2部、下記式(9)で表される光重合開始剤0.5部、KAYACURE-DETX-S(日本化薬(株)製)1部を加え、液体現像剤16を得た。
ドデシルアミンを、ブチルアミンに変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤17を得た。
<比較例2>
ドデシルアミンを、PAA-01(ニットーボーメディカル(株)製)に変更し、添加量を0.45部に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤18を得た。
<比較例3>
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルを、X22-163A(信越化学工業(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤19を得た。
ドデシルアミンの添加量を、0.75部に変更した以外は実施例1と同様にして、液体現像剤20を得た。
<比較例5>
ドデシルアミンを、添加しなかった以外は実施例1と同様にして、液体現像剤21を得た。
以下のような評価方法により各液体現像液を評価した。
[現像性]
得られた液体現像剤を、図1及び図2に示す画像形成装置を用いて、画像をポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に形成し、得られた画像の良否を確認した。
具体的な手順は、以下の通りである。
(1)現像ローラ53、感光体52、一次転写ローラ61が離間され、非接触の状態で、図1の矢印の方向に回転差駆動させた。このときの回転速度は220mm/secとした
。
(2)現像ローラ53と感光体52とを押し圧5N/cmで接触させ、DC電源を用いてバイアスを設定した。現像バイアスは100V以上400V以下の範囲が望ましいため、200Vとした。
(3)感光体52、一次転写ローラ61を押し圧一定で接触させ、DC電源を用いてバイアスを設定した。転写バイアスは1000Vとした。
(4)二次転写ユニット30、二次転写ローラ31を押圧一定で接触させ、DC電源を用いてバイアスを設定した。転写バイアスは1000Vとした。
(5)硬化型液体現像剤を現像液タンク10Cに供給し、記録媒体80としてOKトップコート紙(王子製紙製)の一部にポリエチレンテレフタレート(PET)シート(帝人化成製、パンライト:PC-2151、厚み0.3mm)を貼付したものを用いて、PETシート上に全面印刷のベタ画像を形成し評価した。画像の良否は目視で確認した。
(評価基準)
5:高濃度で均一なベタ画像が得られた。
4:濃度ムラや濃度低下は観察されず、良好な画像が得られた。
3:若干の濃度ムラ、又は若干の濃度低下が見られたが、概ね良好な画像が得られた。
2:激しい濃度ムラや濃度低下が発生し、現像不十分な箇所が観察され、装置内のクリーニングが必要であった。
1:ほぼ現像できず、装置内のクリーニングが必要であった。
Claims (6)
- トナー粒子、キャリア液、トナー粒子高分子分散剤、及び下記式(1)で示されるアルキル基含有アミン化合物を含有する液体現像剤であって、
該トナー粒子が、酸基を有する樹脂を含有し、
該キャリア液が、脂肪族炭化水素化合物、又は下記式(2-1)若しくは(2-2)で示されるビニルエーテル化合物を含有し、
該トナー粒子高分子分散剤の数平均分子量が、5000以上であり、
該アルキル基含有アミン化合物の分子量が、500以下であり、
該アルキル基含有アミン化合物の含有量が、該トナー粒子100質量部に対して0.001質量部以上1質量部以下であり、
該酸基を有する樹脂の酸価をA[mgKOH/g]とし、
該アルキル基含有アミン化合物のアミン価をB[mgKOH/g]とし、
該液体現像剤100gに含まれる該酸基を有する樹脂の量をMa[g]とし、
該液体現像剤100gに含まれる該アルキル基含有アミンの量をMb[g]としたとき、
(B×Mb)/(A×Ma)が、0.01以上1以下である
ことを特徴とする液体現像剤。
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。mは、8以上20以下の整数である。)
(式(2-1)及び(2-2)中、nは、1以上3以下の整数である。pは、8以上20
以下の整数である。) - 前記トナー粒子高分子分散剤の数平均分子量をM1とし、前記アルキル基含有アミン化合物の分子量をM2としたとき、
M1/M2が10以上500以下である請求項1又は2に記載の液体現像剤。 - 前記トナー粒子高分子分散剤が、塩基性高分子分散剤である請求項1~3のいずれか一項に記載の液体現像剤。
- 前記式(1)において、R1及びR2が、水素原子である請求項1~4のいずれか一項に記載の液体現像剤。
- 前記酸基を有する樹脂の酸価が、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の液体現像剤。
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