JP2020181026A - 硬化型液体現像剤および硬化型液体現像剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐折り曲げ性が良好な定着画像を形成しうる硬化型液体現像剤を提供する。【解決手段】 樹脂Rを含むトナー粒子、および、重合性化合物Aを含む絶縁性液体を含む硬化型液体現像剤であって、前記樹脂Rが、重合性化合物A由来の部分構造aを有する。【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真方式を利用する画像形成装置に用いられる硬化型液体現像剤、および、該硬化型液体現像剤の製造方法に関する。
近年、電子写真方式を利用する複写機、ファクシミリ、プリンターなどの画像形成装置に対し、カラー化のニーズが高まってきている。その中で、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好であり、カラーの再現性に優れており、高速での画像形成に優れている液体現像剤を用いた電子写真方式を利用した画像形成装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像剤が求められている。
液体現像剤を用いた画像形成方法の1つとして、重合性官能基を有する重合性化合物を含む絶縁性液体中にトナー粒子を分散させてなる液体現像剤を用い、該重合性化合物を光重合により硬化させて定着を行う方法が提案されている。光硬化型液体現像剤としては、重合性化合物を含む絶縁性液体中に光重合開始剤を溶解させてなるものが用いられることが多い。このような光硬化型液体現像剤が、特許文献1に開示されている。
特許文献1には、重合性官能基を有する重合性化合物として、ウレタンアクリレートなどのアクリレートモノマーが例示されている。
特許文献2には、硬化性の電気絶縁性液体として、特定の抵抗を有する硬化性液体ベヒクルを用いることが開示されている。そして、硬化性液体ベヒクルとしては、エポキシ化合物、ビニルエーテル、環状ビニルエーテルなどのカチオン重合タイプの硬化型現像剤が開示されている。
特許文献3には、カチオン重合性液状モノマーとしてビニルエーテルモノマーを用い、特定の重合開始剤と組み合わせることで、液体現像剤の体積抵抗率の低下を抑え、高い画像濃度と定着性を両立した紫外線硬化型液体現像剤が開示されている。
硬化型液体現像剤を硬化させて得られる定着物中には、トナー粒子と絶縁性液体を構成する重合性化合物の硬化物とが存在する。定着画像(定着後の画像のこと。)を折り曲げた際、トナー粒子と重合性化合物の硬化物との界面で破断してしまうことや、画像が剥がれてしまうことがあった。
本発明の目的は、耐折り曲げ性が良好な定着画像を形成しうる硬化型液体現像剤、および、該硬化型液体現像剤の製造方法を提供することである。
本発明は、
樹脂Rを含むトナー粒子、および、
重合性化合物Aを含む絶縁性液体
を含む硬化型液体現像剤であって、
前記樹脂Rが、重合性化合物A由来の部分構造aを有する
ことを特徴とする硬化型液体現像剤である。
樹脂Rを含むトナー粒子、および、
重合性化合物Aを含む絶縁性液体
を含む硬化型液体現像剤であって、
前記樹脂Rが、重合性化合物A由来の部分構造aを有する
ことを特徴とする硬化型液体現像剤である。
また、本発明は、
前記本発明の硬化型液体現像剤を製造する硬化型液体現像剤の製造方法であって、
前記製造方法が、
樹脂Qの末端に前記重合性化合物Aを付加反応させて前記樹脂Rを得る付加反応工程
を含むことを特徴とする硬化型液体現像剤の製造方法である。
前記本発明の硬化型液体現像剤を製造する硬化型液体現像剤の製造方法であって、
前記製造方法が、
樹脂Qの末端に前記重合性化合物Aを付加反応させて前記樹脂Rを得る付加反応工程
を含むことを特徴とする硬化型液体現像剤の製造方法である。
本発明によれば、耐折り曲げ性が良好な定着画像を形成しうる硬化型液体現像剤、および、該硬化型液体現像剤の製造方法を提供することができる。
本発明の硬化型液体現像剤は、樹脂Rを含むトナー粒子、および、重合性化合物Aを含む絶縁性液体を含み、樹脂Rが、重合性化合物A由来の部分構造aを有することを特徴とする。
また、本発明の硬化型液体現像剤の製造方法は、樹脂Qの末端に重合性化合物Aを付加反応させて樹脂Rを得る付加反応工程を含むことを特徴とする。
本発明の効果が発現するメカニズムについて、詳細は明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。
本発明者らの検討の結果、硬化型液体現像剤を用いて得られる定着画像において、トナー粒子と絶縁性液体に含まれる重合性化合物の硬化物との間に空隙が生じる場合があることがわかった。硬化型液体現像剤を紙などの記録媒体に定着する際、重合性化合物は硬化収縮するため、体積が減少する。このとき、重合性化合物とトナー粒子との親和性が低いと、トナー粒子と重合性化合物の硬化物との間に空隙が生じると考えられる。したがって、トナー粒子と重合性化合物の硬化物との界面の接着性が弱いため、定着画像の耐折り曲げ性に課題が生じると本発明者らは推測している。
本発明の硬化型液体現像剤では、トナー粒子と絶縁性液体に含まれる重合性化合物との親和性が高くなり、重合性化合物が硬化収縮しても、トナー粒子と重合性化合物の硬化物との間に空隙が生じにくくなったと考えられる。また、重合性化合物との親和性が高いトナー粒子は、重合性化合物を含む絶縁性液体によって可塑化されやすく、重合性化合物の硬化時の変形に合わせてトナー粒子が変形し、トナー粒子と重合性化合物の硬化物との界面の接着性が強固になったと考えられる。これらの理由から、トナー粒子と重合性化合物の硬化物との界面の接着性が強固になったため、定着画像の耐折り曲げ性が良好になったと推測している。
〈重合性化合物A〉
本発明において、重合性化合物Aとは、重合性官能基を有する化合物のことを意味し、重合性官能基を反応させて硬化させることができる化合物のことである。重合性化合物Aとしては、例えば、アクリルモノマー、ビニルエーテル化合物、エポキシおよびオキセタンなどの環状エーテルモノマーなどが挙げられる。重合性化合物Aは、1分子内に重合性官能基を2個以上有することが定着画像の耐折り曲げ性の観点から好ましい。これは、1分子内に重合性官能基を2個以上有することにより、トナー粒子中に含まれる重合性化合物A由来の部分構造aを有する樹脂Rと重合性化合物Aとが定着時に反応しやすくなるためと考えられる。
本発明において、重合性化合物Aとは、重合性官能基を有する化合物のことを意味し、重合性官能基を反応させて硬化させることができる化合物のことである。重合性化合物Aとしては、例えば、アクリルモノマー、ビニルエーテル化合物、エポキシおよびオキセタンなどの環状エーテルモノマーなどが挙げられる。重合性化合物Aは、1分子内に重合性官能基を2個以上有することが定着画像の耐折り曲げ性の観点から好ましい。これは、1分子内に重合性官能基を2個以上有することにより、トナー粒子中に含まれる重合性化合物A由来の部分構造aを有する樹脂Rと重合性化合物Aとが定着時に反応しやすくなるためと考えられる。
本発明において、重合性化合物Aとしては、カチオン重合性化合物であることが好ましく、その中でも、ビニルエーテル化合物がより好ましい。ビニルエーテル化合物とは、ビニルエーテル基(CH=CH−O−)を有する化合物を意味する。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、ドデシルビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジビニルエーテル、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、1,2−デカンジオールジビニルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、ビニルエーテル構造を1分子内に2個以上有するビニルエーテル化合物が定着画像の耐折り曲げ性の観点から好ましく、その中でも、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルがより好ましい。
〈絶縁性液体〉
本発明の硬化型液体現像剤は、重合性化合物Aを含む絶縁性液体を含有する。絶縁性液体とは、電気的に絶縁性を示す液体である。絶縁性液体の体積抵抗率は、1×109Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが好ましい。体積抵抗率がこの範囲であることにより、より良好な現像特性を得ることができる。絶縁性液体中の重合性化合物Aの含有量は、定着画像の耐折り曲げ性の観点から、10質量%以上100質量%未満であることが好ましく、50質量%以上100質量%未満であることがより好ましい。
本発明の硬化型液体現像剤は、重合性化合物Aを含む絶縁性液体を含有する。絶縁性液体とは、電気的に絶縁性を示す液体である。絶縁性液体の体積抵抗率は、1×109Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが好ましい。体積抵抗率がこの範囲であることにより、より良好な現像特性を得ることができる。絶縁性液体中の重合性化合物Aの含有量は、定着画像の耐折り曲げ性の観点から、10質量%以上100質量%未満であることが好ましく、50質量%以上100質量%未満であることがより好ましい。
絶縁性液体は、重合性化合物A以外の重合性官能基を有する化合物や、その他の絶縁性液体を含有してもよい。その他の絶縁性液体としては、例えば、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカンなどの炭化水素系溶剤や、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(エクソンモービル社)、シェルゾールA100、シェルゾールA150(シェルケミカルズジャパン(株))、モレスコホワイトMT−30P(松村石油(株))などのパラフィン系溶剤などが挙げられる。
〈トナー粒子〉
本発明の硬化型液体現像剤に含有されるトナー粒子は、重合性化合物A由来の部分構造aを有する樹脂Rを含有する。好ましくは、樹脂Rを結着樹脂として含有する。重合性化合物A由来の部分構造aとは、重合性化合物Aが樹脂(樹脂Qと呼ぶ。)と化学反応することでできる部分構造である。本発明において、部分構造aは、重合性化合物Aが樹脂Qに付加反応することでできる部分構造であることが好ましい。
本発明の硬化型液体現像剤に含有されるトナー粒子は、重合性化合物A由来の部分構造aを有する樹脂Rを含有する。好ましくは、樹脂Rを結着樹脂として含有する。重合性化合物A由来の部分構造aとは、重合性化合物Aが樹脂(樹脂Qと呼ぶ。)と化学反応することでできる部分構造である。本発明において、部分構造aは、重合性化合物Aが樹脂Qに付加反応することでできる部分構造であることが好ましい。
トナー粒子中の部分構造aの含有量は、トナー粒子の全質量に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。1質量%以上であることにより、重合性化合物Aを含む絶縁性液体との親和性が高くなり、耐折り曲げ性がより向上する。10質量%以下であることにより、重合性化合物Aを含む絶縁性液体との親和性がより適切な範囲となり、耐折り曲げ性がより向上する。
樹脂R中の重合性化合物A由来の部分構造a以外の部分構造としては、各種のポリマー構造が挙げられる。ポリマー構造としては、1種のみのポリマー構造を採用してもよいし、2種以上のポリマー構造を採用してもよい。本発明において、樹脂Rの重合性化合物A由来の部分構造a以外の部分構造としては、ポリエステル構造であることが好ましい。また、上述のように、重合性化合物Aは、ビニルエーテル化合物が好ましく、樹脂Rは、ポリエステル樹脂のカルボキシ基にビニルエーテル化合物である重合性化合物Aのビニルエーテル基が付加反応してなる変性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
ポリエステル樹脂は、一般的に、アルコール成分とカルボン酸成分とが縮重合して得られる樹脂である。
アルコール成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、および1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ならびに、これらの誘導体。誘導体としては、上記縮重合により同様の樹脂構造が得られるものであれば特に限定されない。例えば、上記アルコール成分をエステル化した誘導体が挙げられる。
カルボン酸成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物;炭素数6〜18のアルキル基もしくはアルケニル基で置換されたコハク酸またはその無水物;フマル酸、マレイン酸およびシトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類またはその無水物;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物などの多価カルボン酸類;ならびに、これらの誘導体。誘導体としては、上記縮重合により同様の樹脂構造が得られるものであれば特に限定されない。例えば、上記カルボン酸成分をメチルエステル化、エチルエステル化、または酸クロライド化した誘導体が挙げられる。
また、トナー粒子は、樹脂R以外の樹脂(結着樹脂)を含有していてもよい。樹脂R以外の樹脂としては、各種の樹脂から適宜選択することができ、1種のみを採用してもよいし、2種以上を採用してもよい。
樹脂R以外の樹脂としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂など。
これらの中でも、ポリエステル樹脂が好ましい。
後述するように、アミン価を有するトナー粒子分散剤を用いる場合、樹脂Rは、酸価を有していることが好ましく、酸価は5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましい。樹脂Rの酸価が5mgKOH/g以上であれば、樹脂Rとトナー粒子分散剤との結合が十分に形成されやすく、トナー粒子の分散安定性がより向上する。
酸価とは、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などの酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量(mg)である。測定方法は、JIS−K0070に準じ以下のように測定する。
(1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
(2)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mLを加え溶解する。
(3)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置(平沼産業(株)製の自動滴定測定装置「COM−2500」)を用いて滴定を行う。
(4)このときのKOHのエタノール溶液の使用量をS(mL)とする。それとともにブランクを測定して、このときのKOHのエタノール溶液の使用量をB(mL)とする。
(5)下記式により酸価を計算する。下記式中のfは、KOHのエタノール溶液のファクターである。
〈トナー粒子分散剤〉
本発明の硬化型液体現像剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定に分散させる目的でトナー粒子分散剤を含有することが好ましい。トナー粒子がポリエステル系の樹脂を含有する場合、トナー粒子分散剤としては、アミン価を有するトナー粒子分散剤(アミン系トナー粒子分散材)がより好ましい。アミン価を有することにより、トナー粒子の経時による分散安定性が向上する。
本発明の硬化型液体現像剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定に分散させる目的でトナー粒子分散剤を含有することが好ましい。トナー粒子がポリエステル系の樹脂を含有する場合、トナー粒子分散剤としては、アミン価を有するトナー粒子分散剤(アミン系トナー粒子分散材)がより好ましい。アミン価を有することにより、トナー粒子の経時による分散安定性が向上する。
また、トナー粒子分散剤のアミン価は、10KOHmg/g以上200KOHmg/g以下であることが好ましい。トナー粒子に酸価を有する樹脂を含有させる場合、アミン価が上記範囲を満たすことで、当該樹脂との相互作用がより顕著になり、絶縁性液体へのトナー粒子の分散性がより向上する。さらに、トナー粒子分散剤は、絶縁性液体に溶解するものであってもよいし、分散するものであってもよい。トナー粒子分散剤としては、例えば、アジスパーPB817(味の素ファインテクノ社製)、ソルスパーズ11200、13940、17000、18000(日本ルブリゾ−ル社製)などが挙げられる。また、このようなトナー粒子分散剤は、硬化型液体現像剤にトナー粒子100質量部に対して0.5〜20質量部の範囲で含有させることがトナー粒子の分散安定性の観点から好ましい。0.5質量部以上であればより高い分散性が得られ、20質量部以下であれば余剰のトナー粒子分散剤が絶縁性液体中に溶解または分散し、絶縁性や定着性を低下させる可能性が低下する。トナー粒子分散剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
アミン価とは、試料1g中に含有されているアミンを中和するのに要する酸成分に対して当量の水酸化カリウムの質量(mg)である。アミン価は1分子あたりのアミノ基数と分子量が明らかであれば、以下の式により計算することができる。
A=56100×a/M
A:アミン価(mgKOH/g)
a:1分子あたりのアミノ基数
M:分子量(g/mol)
A=56100×a/M
A:アミン価(mgKOH/g)
a:1分子あたりのアミノ基数
M:分子量(g/mol)
また、アミン価を測定することもできる。測定方法は、ASTM D2074に準じて以下のように測定する。
(1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
(2)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(3/1)の混合液25mLを加えて試料を溶解させる。
(3)0.1mol/LのHClのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置(平沼産業(株)製の自動滴定測定装置「COM−2500」)を用いて滴定を行う。
(4)このときのHClのエタノール溶液の使用量をS(mL)とする。それとともにブランクを測定して、このときのHClのエタノール溶液の使用量をB(mL)とする。
(5)下記式によりアミン価を計算する。下記式中のfはHClのエタノール溶液のファクターである。
(1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
(2)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(3/1)の混合液25mLを加えて試料を溶解させる。
(3)0.1mol/LのHClのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置(平沼産業(株)製の自動滴定測定装置「COM−2500」)を用いて滴定を行う。
(4)このときのHClのエタノール溶液の使用量をS(mL)とする。それとともにブランクを測定して、このときのHClのエタノール溶液の使用量をB(mL)とする。
(5)下記式によりアミン価を計算する。下記式中のfはHClのエタノール溶液のファクターである。
〈顔料〉
トナー粒子は、着色剤を含有することが好ましく、着色剤としては顔料が好ましい。本発明において使用できる顔料の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
トナー粒子は、着色剤を含有することが好ましく、着色剤としては顔料が好ましい。本発明において使用できる顔料の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
イエロー色を呈するものとしては、例えば、次のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤またはマゼンタ色を呈するものとしては、例えば、次のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青またはシアン色を呈する顔料としては、例えば、次のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料としては、例えば、次のものが挙げられる。C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、例えば、次のものが挙げられる。C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料としては、例えば、次のものが挙げられる。カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色顔料としては、例えば、次のものが挙げられる。塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどの分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に、顔料分散剤を用いることもできる。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体などが挙げられる。また、Lubrizol社のSolsperseシリーズなどの市販の顔料分散剤を用いることも好ましい。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。トナー粒子中の顔料分散剤および顔料分散助剤の含有量は、トナー粒子中の顔料100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましい。トナー粒子中の顔料の含有量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。
〈光重合開始剤〉
本発明の硬化型液体現像剤は、光重合開始剤を含有することが好ましい。本発明において、光重合開始剤とは、所定の波長の光(例えば紫外線)を感知して、酸を発生する化合物(光カチオン重合開始剤)またはラジカルを発生する化合物(光ラジカル重合開始剤)である。光カチオン重合開始剤としては、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物などが挙げられる。
本発明の硬化型液体現像剤は、光重合開始剤を含有することが好ましい。本発明において、光重合開始剤とは、所定の波長の光(例えば紫外線)を感知して、酸を発生する化合物(光カチオン重合開始剤)またはラジカルを発生する化合物(光ラジカル重合開始剤)である。光カチオン重合開始剤としては、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物などが挙げられる。
硬化に紫外線を用い、かつ光カチオン重合開始剤を使用する場合、硬化型液体現像剤(紫外線硬化型液体現像剤)の体積抵抗率の低下が少ない、下記式(1)で表される光重合開始剤を用いることがより好ましい。
式(1)中、R1とR2は互いに結合して環構造を形成するために必要な基である。xは1〜8の整数を表し、yは3〜17の整数を表す。
環構造としては、5員環、6員環が挙げられ、例えば、コハク酸イミド構造、フタルイミド構造、ノルボルネンジカルボキシイミド構造、ナフタレンジカルボキシイミド構造、シクロヘキサンジカルボキシイミド構造、エポキシシクロヘキセンジカルボキシイミド構造などが挙げられる。また、環構造は、置換基として、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のアリールチオ基などを有していてもよい。
式(1)中のCxFyとしては、水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2)、シクロアルキル基(RF3)、および、アリール基(RF4)が挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)としては、例えば、トリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3,y=7)、ノナフルオロn−ブチル基(x=4,y=9)、パーフルオロn−ヘキシル基(x=6,y=13)、パーフルオロn−オクチル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)としては、例えば、パーフルオロイソプロピル基(x=3,y=7)、パーフルオロ−tert−ブチル基(x=4,y=9)、パーフルオロ−2−エチルヘキシル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)としては、例えば、パーフルオロシクロブチル基(x=4,y=7)、パーフルオロシクロペンチル基(x=5,y=9)、パーフルオロシクロヘキシル基(x=6,y=11)、パーフルオロ(1−シクロヘキシル)メチル基(x=7,y=13)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)、3−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル基(x=7,y=7)などが挙げられる。
式(1)中のCxFyとしては、入手のしやすさ、および、スルホン酸エステル部分の分解性の観点から、好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2)およびアリール基(RF4)である。さらに好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)およびアリール基(RF4)である。特に好ましくは、トリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3,y=7)、ノナフルオロn−ブチル基(x=4,y=9)およびペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)である。
式(1)で表される化合物は、市販のものを用いることもでき、例えば、NHNI−PFBS(東洋合成社製)などが挙げられる。
光重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。硬化型液体現像剤中の光重合開始剤の含有量は、重合性化合物A100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜1質量部であり、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部である。
〈その他の添加剤〉
本発明の硬化型液体現像剤は、必要に応じて、トナー粒子分散剤、帯電制御剤、増感剤、カチオン重合禁止剤、ラジカル重合禁止剤などの添加剤を含有してもよい。トナー粒子分散剤としては、アミン系トナー粒子分散剤(アミン価を有するトナー粒子分散剤)が好ましい。
本発明の硬化型液体現像剤は、必要に応じて、トナー粒子分散剤、帯電制御剤、増感剤、カチオン重合禁止剤、ラジカル重合禁止剤などの添加剤を含有してもよい。トナー粒子分散剤としては、アミン系トナー粒子分散剤(アミン価を有するトナー粒子分散剤)が好ましい。
〈トナー粒子の製造方法〉
本発明で使用可能なトナー粒子を製造する方法としては、例えば、コアセルベーション法や湿式粉砕法などの公知の方法が挙げられる。
本発明で使用可能なトナー粒子を製造する方法としては、例えば、コアセルベーション法や湿式粉砕法などの公知の方法が挙げられる。
上記コアセルベーション法については、例えば、特開2003−241439号公報、WO2007/000974号公報、WO2007/000975号公報に詳細が記載されている。また、上記湿式粉砕法については、例えば、WO2006/126566号公報、WO2007/108485号公報に詳細が記載されている。本発明においては、各種の方法が利用可能であるが、粒子径および分散安定性の観点から、コアセルベーション法を利用してトナー粒子を製造することが好ましい。
以下、コアセルベーション法によるトナー粒子の製造方法について説明する。
コアセルベーション法によるトナー粒子の製造方法は、
結着樹脂、着色剤、トナー粒子分散剤および溶剤を含有する着色剤分散液を調製する工程(i)、
該着色剤分散液と絶縁性液体を混合して混合液を調製する工程(ii)、および、
該混合液から該溶剤を留去してトナー粒子を形成する工程(iii)
を有する。
結着樹脂、着色剤、トナー粒子分散剤および溶剤を含有する着色剤分散液を調製する工程(i)、
該着色剤分散液と絶縁性液体を混合して混合液を調製する工程(ii)、および、
該混合液から該溶剤を留去してトナー粒子を形成する工程(iii)
を有する。
溶剤は、結着樹脂を溶解するものである。(i)の工程においては、溶剤に溶融していた結着樹脂が、(ii)の工程において、酸価を有する樹脂を溶解しない絶縁性液体を添加することにより、着色剤を含有する粒子(トナー粒子)が析出する。
(i)の工程で使用できる溶剤としては、結着樹脂を溶解する溶剤であればよい。
結着樹脂を溶解する溶剤とは、温度25℃で、溶剤100質量部に対して、溶解する結着樹脂が333質量部程度以上であることが指標として挙げられる。このような溶剤としては、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルムなどのハロゲン化物類などが挙げられる。さらに、結着樹脂を溶解しうる場合には、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類であってもよい。
(ii)の工程において、着色剤分散液と結着樹脂を溶解しない絶縁性液体との混合液を調製しているが、絶縁性液体の代わりに、酸価を有する樹脂を溶解しない絶縁性液体以外の溶剤を用いてもよい。
結着樹脂を溶解しない溶剤としては、例えば、n−ヘキサンやイソパラフィン系溶媒などの炭化水素系有機溶剤、シリコーンオイルが挙げられる。
結着樹脂を溶解しない溶剤とは、温度25℃で、溶剤100質量部に対して、溶解する結着樹脂が1質量部以下であることが指標として挙げられる。
結着樹脂を溶解しない絶縁性液体以外の溶剤を用いてトナー粒子の形成を行った場合、トナー粒子の形成後、絶縁性液体を添加する方法、または、溶剤を絶縁性液体に置換する方法によって液体現像剤を製造することができる。
本発明の硬化型液体現像剤の製造方法は、樹脂Qの末端に重合性化合物Aを付加反応させて樹脂Rを得る付加反応工程を含むことを特徴とする。付加反応工程は、トナー粒子を形成する工程より前であってもよいが、トナー粒子を形成する工程の後であることがより好ましい。トナー粒子を形成する工程より後に付加反応工程を置くことにより、重合性化合物A由来の部分構造aを有する樹脂Rがトナー粒子の表面に多く分布し、定着画像の耐折り曲げ性がより向上する。
付加反応工程は、重合性化合物Aを含む液体中に樹脂Qを含むトナー粒子が分散した分散液を加熱する工程であることがより好ましい。その場合、重合性化合物Aと樹脂Qの反応性によって加熱温度や加熱時間の条件を決定する。
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明する。
〈実施例1〉
ピグメントブルー15:3(ECB−308、大日精化工業(株)製)10質量部、バイロンUR4800(東洋紡(株)製、樹脂濃度:32質量%)10質量部、テトラヒドロフラン80質量部を混合した。そして、直径2mmのガラスビーズを用いてペイントシェーカーで1時間撹拌した後、メッシュで濾過し、混練物を得た。
ピグメントブルー15:3(ECB−308、大日精化工業(株)製)10質量部、バイロンUR4800(東洋紡(株)製、樹脂濃度:32質量%)10質量部、テトラヒドロフラン80質量部を混合した。そして、直径2mmのガラスビーズを用いてペイントシェーカーで1時間撹拌した後、メッシュで濾過し、混練物を得た。
上記混練物100質量部、ポリエステル樹脂(樹脂Qに相当)P−1(ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:テレフタル酸:トリメリット酸=50:40:10(モル比)、酸価:20mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)=15,000)の50質量%テトラヒドロフラン溶液200質量部、および、アジスパーPB−817(味の素ファインテクノ(株)製)4質量部を高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)に入れて混合し、40℃で攪拌しながら混合し、顔料分散液1を得た。
上記顔料分散液1 100.0質量部に、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて高速攪拌(回転数:15000rpm)しながら、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル(重合性化合物Aに相当)65.0質量部を少しずつ添加し、混合液1を得た。
混合液1をナスフラスコに移し、超音波分散しながら50℃30分間でテトラヒドロフランを完全に留去し、絶縁性液体中にトナー粒子1を含有するトナー粒子分散体1−aを得た。
トナー粒子分散体1−aを撹拌しながら、80℃で48時間加熱し、トナー粒子分散体1−bを得た。トナー粒子分散体1−b:10.0質量部に、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル(重合性化合物Aに相当)を89.7部、NHNI−PFBS(東洋合成社製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤1を得た。得られた硬化型液体現像剤1には、ポリエステル樹脂P−1のカルボキシ基に2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルのビニルエーテル基が付加反応してなる変性ポリエステル樹脂が含まれていた。トナー粒子中の2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して5質量%であった。
〈実施例2〉
実施例1において、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルを1,2−デカンジオールジビニルエーテルに変更した。それ以外は、実施例1と同様にして硬化型液体現像剤2を得た。得られた硬化型液体現像剤2には、ポリエステル樹脂P−1のカルボキシ基に1,2−デカンジオールジビニルエーテルのビニルエーテル基が付加反応してなる変性ポリエステル樹脂が含まれていた。トナー粒子中の1,2−デカンジオールジビニルエーテル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して3質量%であった。
実施例1において、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルを1,2−デカンジオールジビニルエーテルに変更した。それ以外は、実施例1と同様にして硬化型液体現像剤2を得た。得られた硬化型液体現像剤2には、ポリエステル樹脂P−1のカルボキシ基に1,2−デカンジオールジビニルエーテルのビニルエーテル基が付加反応してなる変性ポリエステル樹脂が含まれていた。トナー粒子中の1,2−デカンジオールジビニルエーテル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して3質量%であった。
〈実施例3〉
実施例2において、ポリエステル樹脂P−1をスチレンアクリル樹脂P−2(スチレン:アクリル酸=80:20(モル比)、重量平均分子量(Mw)=20,000)に変更した。それ以外は、実施例2と同様にして硬化型液体現像剤3を得た。得られた硬化型液体現像剤3には、スチレンアクリル樹脂P−2のカルボキシ基に1,2−デカンジオールジビニルエーテルのビニルエーテル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中の1,2−デカンジオールジビニルエーテル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して6質量%であった。
実施例2において、ポリエステル樹脂P−1をスチレンアクリル樹脂P−2(スチレン:アクリル酸=80:20(モル比)、重量平均分子量(Mw)=20,000)に変更した。それ以外は、実施例2と同様にして硬化型液体現像剤3を得た。得られた硬化型液体現像剤3には、スチレンアクリル樹脂P−2のカルボキシ基に1,2−デカンジオールジビニルエーテルのビニルエーテル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中の1,2−デカンジオールジビニルエーテル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して6質量%であった。
〈実施例4〉
実施例3において、1,2−デカンジオールジビニルエーテルをドデシルビニルエーテルに変更した。それ以外は、実施例3と同様にしてトナー粒子分散体4−aを得た。
実施例3において、1,2−デカンジオールジビニルエーテルをドデシルビニルエーテルに変更した。それ以外は、実施例3と同様にしてトナー粒子分散体4−aを得た。
トナー粒子分散体4−aを撹拌しながら、80℃で48時間加熱し、トナー粒子分散体4−bを得た。トナー粒子分散体4−b:10.0質量部に、ドデシルビニルエーテルを41.7部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルを48部、NHNI−PFBS(東洋合成社製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤4を得た。得られた硬化型液体現像剤4には、スチレンアクリル樹脂P−2のカルボキシ基にドデシルビニルエーテルのビニルエーテル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のドデシルビニルエーテル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して8質量%であった。
〈実施例5〉
実施例4において、スチレンアクリル樹脂P−2をスチレンアクリル樹脂P−3(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:17:3(モル比)、重量平均分子量(Mw)=21,000)に変更した。また、ドデシルビニルエーテルをアクリル酸2−エチルへキシルに変更した。それら以外は、実施例4と同様にしてトナー粒子分散体5−aを得た。
実施例4において、スチレンアクリル樹脂P−2をスチレンアクリル樹脂P−3(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:17:3(モル比)、重量平均分子量(Mw)=21,000)に変更した。また、ドデシルビニルエーテルをアクリル酸2−エチルへキシルに変更した。それら以外は、実施例4と同様にしてトナー粒子分散体5−aを得た。
トナー粒子分散体5−a:10.0質量部に、アクリル酸2−エチルへキシルを41.7部、二アクリル酸ヘキサメチレンを48部、IRGACURE907(BASF社製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤5を得た。得られた硬化型液体現像剤5には、スチレンアクリル樹脂P−3のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して5質量%であった。
〈実施例6〉
トナー粒子分散体5−a:10.0質量部に、アクリル酸2−エチルへキシルを3.3部、二アクリル酸ヘキサメチレンを86.4部、IRGACURE907(BASF社製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤6を得た。得られた硬化型液体現像剤6には、スチレンアクリル樹脂P−3のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して5質量%であった。
トナー粒子分散体5−a:10.0質量部に、アクリル酸2−エチルへキシルを3.3部、二アクリル酸ヘキサメチレンを86.4部、IRGACURE907(BASF社製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤6を得た。得られた硬化型液体現像剤6には、スチレンアクリル樹脂P−3のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して5質量%であった。
〈実施例7〉
トナー粒子分散体5−a:10.0質量部に、アクリル酸2−エチルへキシルを1.4部、二アクリル酸ヘキサメチレンを88.3部、IRGACURE907(BASF社製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤7を得た。得られた硬化型液体現像剤7には、スチレンアクリル樹脂P−3のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して5質量%であった。
トナー粒子分散体5−a:10.0質量部に、アクリル酸2−エチルへキシルを1.4部、二アクリル酸ヘキサメチレンを88.3部、IRGACURE907(BASF社製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤7を得た。得られた硬化型液体現像剤7には、スチレンアクリル樹脂P−3のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して5質量%であった。
〈実施例8〉
実施例5において、スチレンアクリル樹脂P−3をスチレンアクリル樹脂P−4(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:15:5(モル比)、重量平均分子量(Mw)=20,000)に変更した。それ以外は、実施例5と同様にして硬化型液体現像剤8を得た。得られた硬化型液体現像剤8には、スチレンアクリル樹脂P−4のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して8質量%であった。
実施例5において、スチレンアクリル樹脂P−3をスチレンアクリル樹脂P−4(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:15:5(モル比)、重量平均分子量(Mw)=20,000)に変更した。それ以外は、実施例5と同様にして硬化型液体現像剤8を得た。得られた硬化型液体現像剤8には、スチレンアクリル樹脂P−4のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して8質量%であった。
〈実施例9〉
実施例8において、スチレンアクリル樹脂P−4をスチレンアクリル樹脂P−5(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:19:1(モル比)、重量平均分子量(Mw)=21,000)に変更した。それ以外は、実施例8と同様にして硬化型液体現像剤9を得た。得られた硬化型液体現像剤9には、スチレンアクリル樹脂P−5のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して2質量%であった。
実施例8において、スチレンアクリル樹脂P−4をスチレンアクリル樹脂P−5(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:19:1(モル比)、重量平均分子量(Mw)=21,000)に変更した。それ以外は、実施例8と同様にして硬化型液体現像剤9を得た。得られた硬化型液体現像剤9には、スチレンアクリル樹脂P−5のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して2質量%であった。
〈実施例10〉
実施例9において、スチレンアクリル樹脂P−5をスチレンアクリル樹脂P−6(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:12:8(モル比)、重量平均分子量(Mw)=19,000)に変更した。それ以外は、実施例9と同様にして硬化型液体現像剤10を得た。得られた硬化型液体現像剤10には、スチレンアクリル樹脂P−6のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して12質量%であった。
実施例9において、スチレンアクリル樹脂P−5をスチレンアクリル樹脂P−6(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:12:8(モル比)、重量平均分子量(Mw)=19,000)に変更した。それ以外は、実施例9と同様にして硬化型液体現像剤10を得た。得られた硬化型液体現像剤10には、スチレンアクリル樹脂P−6のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して12質量%であった。
〈実施例11〉
実施例9において、スチレンアクリル樹脂P−6をスチレンアクリル樹脂P−7(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:19.8:0.2(モル比)、重量平均分子量(Mw)=22,000)に変更した。それ以外は、実施例9と同様にして硬化型液体現像剤11を得た。得られた硬化型液体現像剤11には、スチレンアクリル樹脂P−7のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して0.3質量%であった。
実施例9において、スチレンアクリル樹脂P−6をスチレンアクリル樹脂P−7(スチレン:アクリル酸:アクリル酸2−エチルへキシル=80:19.8:0.2(モル比)、重量平均分子量(Mw)=22,000)に変更した。それ以外は、実施例9と同様にして硬化型液体現像剤11を得た。得られた硬化型液体現像剤11には、スチレンアクリル樹脂P−7のカルボキシ基にアクリル酸2−エチルへキシルのアクリル基が付加反応してなる変性スチレンアクリル樹脂が含まれていた。トナー粒子中のアクリル酸2−エチルへキシル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して0.3質量%であった。
〈実施例12〉
実施例1において、ポリエステル樹脂P−1を以下のように合成した樹脂P−2に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子分散体12−aを得た。
実施例1において、ポリエステル樹脂P−1を以下のように合成した樹脂P−2に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子分散体12−aを得た。
トナー粒子分散体12−a:10.0質量部に、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルを89.7部、NHNI−PFBS(東洋合成社製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤12を得た。得られた硬化型液体現像剤12には、ポリエステル樹脂P−2のカルボキシ基に2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルのビニルエーテル基が付加反応してなる変性ポリエステル樹脂が含まれていた。トナー粒子中の2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して6質量%であった。
・樹脂P−2の合成
ポリエステル樹脂P−1の10質量%テトラヒドロフラン溶液100質量部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル20質量部を撹拌しながら、80℃で48時間加熱した。エバポレーターにより溶剤を留去して樹脂P−2を得た。
ポリエステル樹脂P−1の10質量%テトラヒドロフラン溶液100質量部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル20質量部を撹拌しながら、80℃で48時間加熱した。エバポレーターにより溶剤を留去して樹脂P−2を得た。
〈比較例1〉
実施例1と同様にして、トナー粒子分散体1−aを得た。
トナー粒子分散体1−a:10.0質量部に、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルを89.7部、NHNI−PFBS(東洋合成(株)製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤13を得た。得られた硬化型液体現像剤13において、トナー粒子中の2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して0質量%であった。すなわち、得られた硬化型液体現像剤13には、ポリエステル樹脂P−1のカルボキシ基に2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルのビニルエーテル基が付加反応してなる変性ポリエステル樹脂(樹脂Rに相当する樹脂)は含まれていなかった。
実施例1と同様にして、トナー粒子分散体1−aを得た。
トナー粒子分散体1−a:10.0質量部に、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルを89.7部、NHNI−PFBS(東洋合成(株)製)を0.3質量部加え、硬化型液体現像剤13を得た。得られた硬化型液体現像剤13において、トナー粒子中の2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル由来の部分構造(部分構造a)の含有量は、トナー粒子の全質量に対して0質量%であった。すなわち、得られた硬化型液体現像剤13には、ポリエステル樹脂P−1のカルボキシ基に2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルのビニルエーテル基が付加反応してなる変性ポリエステル樹脂(樹脂Rに相当する樹脂)は含まれていなかった。
〈分子量の測定方法〉
樹脂などの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出する。GPCによる分子量の測定は以下に示すように行う。
樹脂などの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出する。GPCによる分子量の測定は以下に示すように行う。
サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置し溶解させた溶液を、ポア径が0.20μmの耐溶剤性メンブレンフィルターでろ過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」(東ソー(株)製)
カラム:LF−804の2連
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.025mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(東ソー(株)製のTSKスタンダードポリスチレンF−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)により作成した分子量校正曲線を使用する。
カラム:LF−804の2連
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.025mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(東ソー(株)製のTSKスタンダードポリスチレンF−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)により作成した分子量校正曲線を使用する。
〈トナー粒子中の重合性化合物A由来の部分構造aの定量方法〉
硬化型液体現像剤を遠心分離することで得られる沈殿物にヘキサンを加えて濾過し、乾燥することでトナー粒子を得る。得られたトナー粒子を内標準物質とともに重クロロホルムに溶解し、フーリエ変換型核磁気共鳴装置(JNM−ECA(1H−NMR)、日本電子(株)製)を用い、重合性化合物Aと内標準物質のそれぞれに由来するピーク面積から定量を行う。
硬化型液体現像剤を遠心分離することで得られる沈殿物にヘキサンを加えて濾過し、乾燥することでトナー粒子を得る。得られたトナー粒子を内標準物質とともに重クロロホルムに溶解し、フーリエ変換型核磁気共鳴装置(JNM−ECA(1H−NMR)、日本電子(株)製)を用い、重合性化合物Aと内標準物質のそれぞれに由来するピーク面積から定量を行う。
〈耐折り曲げ性の評価〉
作製した硬化型液体現像剤を用いて形成した定着画像の耐折り曲げ性の評価は以下に示すように行った。
作製した硬化型液体現像剤を用いて形成した定着画像の耐折り曲げ性の評価は以下に示すように行った。
室温25℃湿度50%の環境下において、PETフィルム上に、各液体現像剤を滴下し、ワイヤーバー(No.6)を用いてバーコートした。その後、ランプ出力120mW/cm2の高圧水銀ランプにより200mJ/cm2(測定波長365nm)の光量を照射して、硬化膜(定着画像)を形成した。
ついで、硬化膜(定着画像)を十字に折り曲げ、4.9kPaの荷重をかけつつ柔和な薄紙(商品名「ダスパー」、小津産業社製)により5往復摺擦した。十字の部分において硬化膜(定着画像)が剥離すると、PETフィルムの地肌が見えるサンプルが得られる。ついで、800ピクセル/インチの解像度で512ピクセル四方の領域をCCDカメラで、該十字の部分を撮影した。閾値を60%に設定し画像を二値化し、白部の面積率を評価した。硬化膜(定着画像)が剥離した部分は白部であり、白部の面積率が小さいほど、耐折り曲げ性に優れていることを表す。
また、硬化膜(定着画像)を半分に折り曲げた後、5.0mmの幅で切り取り、走査型電子顕微鏡(商品名:S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて2万倍の倍率で観察した。そして、硬化膜(定着画像)の折り曲げ部5.0mmのうちの硬化膜の破断部の長さを評価した。
以下にその評価基準を示す。
(評価基準)
AA:折り曲げ部の硬化膜がまったく破断していない
A:硬化膜の破断部が存在し、0.5mm未満である
B:硬化膜の破断部が0.5mm以上1.0mm未満である
C:硬化膜の破断部が1.0mm以上2.0mm未満である
D:硬化膜の破断部が2.0mm以上である
評価結果を表1に示す。
(評価基準)
AA:折り曲げ部の硬化膜がまったく破断していない
A:硬化膜の破断部が存在し、0.5mm未満である
B:硬化膜の破断部が0.5mm以上1.0mm未満である
C:硬化膜の破断部が1.0mm以上2.0mm未満である
D:硬化膜の破断部が2.0mm以上である
評価結果を表1に示す。
表1中、A−1は2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルである。A−2は1,2−デカンジオールジビニルエーテルである。A−3はドデシルビニルエーテルである。A−4はアクリル酸2−エチルへキシルである。
Claims (9)
- 樹脂Rを含むトナー粒子、および、
重合性化合物Aを含む絶縁性液体
を含む硬化型液体現像剤であって、
前記樹脂Rが、重合性化合物A由来の部分構造aを有する
ことを特徴とする硬化型液体現像剤。 - 前記絶縁性液体中の前記重合性化合物Aの含有量が、前記絶縁性液体の全質量に対して10質量%以上100質量%未満であり、
前記トナー粒子中の前記部分構造aの含有量が、前記トナー粒子の全質量に対して1質量%以上10質量%以下である
請求項1に記載の硬化型液体現像剤。 - 前記重合性化合物Aが、ビニルエーテル基を有する化合物である請求項1または2に記載の硬化型液体現像剤。
- 前記重合性化合物Aが、ビニルエーテル基を2個以上有する化合物である請求項3に記載の硬化型液体現像剤。
- 前記重合性化合物Aが、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテルである請求項4に記載の硬化型液体現像剤。
- 前記樹脂Rが、ポリエステル樹脂のカルボキシ基に前記重合性化合物Aのビニルエーテル基が付加反応してなる変性ポリエステル樹脂である請求項3〜5のいずれか1項に記載の硬化型液体現像剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化型液体現像剤を製造する硬化型液体現像剤の製造方法であって、
前記製造方法が、
樹脂Qの末端に前記重合性化合物Aを付加反応させて前記樹脂Rを得る付加反応工程
を含むことを特徴とする硬化型液体現像剤の製造方法。 - 前記樹脂Qが、カルボキシ基を有するポリエステル樹脂であり、
前記重合性化合物Aが、ビニルエーテル基を有する化合物であり、
前記樹脂Rが、前記ポリエステル樹脂のカルボキシ基に前記重合性化合物Aのビニルエーテル基が付加反応してなる変性ポリエステル樹脂である
請求項7に記載の硬化型液体現像剤の製造方法。 - 前記付加反応工程が、前記重合性化合物Aを含む液体中に前記トナー粒子が分散してなる分散液を加熱する工程である請求項7または8に記載の硬化型液体現像剤の製造方法。
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JP2019082300A JP2020181026A (ja) | 2019-04-23 | 2019-04-23 | 硬化型液体現像剤および硬化型液体現像剤の製造方法 |
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