JP2018087966A - 硬化型液体現像剤の製造方法 - Google Patents

硬化型液体現像剤の製造方法 Download PDF

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和香 長谷川
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良 名取
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Ayano Masuda
彩乃 増田
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Junji Ito
淳二 伊藤
愛知 靖浩
Yasuhiro Aichi
靖浩 愛知
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Jun Shirakawa
潤 白川
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【課題】トナー粒子径が小さく、かつ画像形成時の硬化速度が良好な硬化型液体現像剤の製造方法。【解決手段】着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、バインダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)を含有する硬化型液体現像剤の製造方法であって、着色剤、バインダー樹脂、絶縁性液体(a)、前記バインダー樹脂を溶解する溶剤(b)、並びに絶縁性液体(a)及び溶剤(b)の両方に溶解する該分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、該混合液から該溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、該絶縁性液体(a)が、重合性の官能基を有するモノマーを含み、該絶縁性液体(a)のモル平均官能基数が1.8以上であり、該絶縁性液体(a)のモル平均SP値が9.0以下であり、該絶縁性液体(a)の平均分子量が250以上であることを特徴とする製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷などの電子写真方式を利用する画像形成装置に用いられる硬化型液体現像剤の製造方法に関する。
近年、電子写真方式を利用する複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の画像形成装置に対し、カラー化のニーズが高まってきている。その中で、細線画像の再現性、階調再現性、及びカラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成に優れている液体現像剤を用いた電子写真技術を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像剤の開発が求められている。
従来から液体現像剤として、炭化水素有機溶剤やシリコーンオイルなどの絶縁性液体中に着色樹脂粒子を分散させたものが知られている。しかしこのような液体現像剤は、紙やプラスチックフィルム等の記録媒体上に絶縁性液体が残存すると著しい画像品位の劣化を招いてしまう為、絶縁性液体を除去する必要がある。絶縁性液体の除去には、熱エネルギーを加えて絶縁性液体を揮発除去する方法が一般的である。しかし、その際装置外に揮発性有機溶剤蒸気を放散させてしまい、また、多大なエネルギーを消費するなど、環境的な観点からは必ずしも好ましいものではなかった。
この対策として、反応性官能基を持った絶縁性液体を硬化させる方法(特許文献1)が開示されている。硬化型絶縁性液体として反応性官能基を持ったモノマー又はオリゴマーを使用する当該方法は、熱エネルギーを加えて絶縁性液体を揮発除去する必要がある熱定着方式と比較して、省エネルギーでの画像形成が可能である。このような硬化型液体現像剤の製造方法として、湿式粉砕法による方法が開示されている。
一方、高絶縁性溶媒中に分散された顔料等を含有する樹脂粒子が小粒径で粒度分布が狭く、且つ分散安定性に優れ、また、現像特性、定着性に優れる液体現像剤を得ることを目的として、コアセルベーション法を利用し、高速せん断攪拌装置により攪拌を行いながら樹脂の軟化点より低い温度で該樹脂を溶解する溶媒を留去し、前記顔料の表面に前記樹脂を析出させる技術が開示されている(特許文献2)。
特許第4977034号公報 特許第4022078号公報
特許文献1では、所望の粒径にするために長い時間湿式粉砕処理を行わなければならず、製造に長時間を要すると共に、製造効率が大幅に低下するという課題を抱えている。加えて、画像形成時の硬化速度も十分ではなかった。
また、薄膜で高画質な画像を得るには、トナー粒子径が小さく、粒度分布がシャープであることが求められる。しかし、特許文献2に開示されている液体現像剤中のトナーは粒子径が大きく、薄膜で高画質な画像を得るには十分ではない。
本発明は、トナー粒子の粒子径が小さく、かつ画像形成時の硬化速度が良好な硬化型液体現像剤の製造方法を提供する。
本発明は、着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、バイン
ダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)を含有する硬化型液体現像剤の製造方法であって、
該着色剤、該バインダー樹脂、該バインダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)、バインダー樹脂を溶解する溶剤(b)、並びに、該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解する該分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、
該混合液から該溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、
該絶縁性液体(a)が、重合性の官能基を有するモノマーを含み、
該絶縁性液体(a)のモル平均官能基数が1.8以上であり、
該絶縁性液体(a)のモル平均SP値が9.0以下であり、
該絶縁性液体(a)の平均分子量が250以上であることを特徴とする。
本発明によれば、トナー粒子の粒子径が小さく、かつ画像形成時の硬化速度が良好な硬化型液体現像剤の製造方法を提供することができる。
実施例で用いた現像装置の概略図
本発明は、着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、バインダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)を含有する硬化型液体現像剤の製造方法であって、
該着色剤、該バインダー樹脂、該バインダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)、該バインダー樹脂を溶解する溶剤(b)、並びに該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解する該分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、
該混合液から該溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、
該絶縁性液体(a)が、重合性の官能基を有するモノマーを含み、
該絶縁性液体(a)のモル平均官能基数が1.8以上であり、
該絶縁性液体(a)のモル平均SP値が9.0以下であり、
該絶縁性液体(a)の平均分子量が250以上であることを特徴とする製造方法である。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
以下、各材料について詳細に説明する。
<バインダー樹脂>
トナー粒子はバインダー樹脂を含有する。バインダー樹脂として、紙、プラスチックフィルムなどの被着体に対して定着性を有する公知のバインダー樹脂が使用できる。
バインダー樹脂は、溶剤(b)に溶解し、かつ、絶縁性液体(a)に溶解しないものであれば特に限定されるものではない。
「バインダー樹脂が絶縁性液体(a)に溶解しない」とは、温度25℃で、絶縁性液体(a)100質量部に対し、溶解するバインダー樹脂が1質量部以下であることが指標として挙げられる。
「バインダー樹脂が溶剤(b)に溶解する」とは、温度25℃で、溶剤(b)100質量部に対し、溶解するバインダー樹脂が10質量部を超えることが指標として挙げられる。
バインダー樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エチレン−(メタ)アクリル樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル樹脂などのビニル樹脂;ロジン変性樹脂
;ポリウレタン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ケイ素樹脂;フェノール樹脂などの樹脂などが挙げられる。なお、これらの樹脂を2種以上併用してもよい。
バインダー樹脂は、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましく、ポリエステル樹脂及びビニル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つを用いることがより好ましい。
また、バインダー樹脂がポリエステル樹脂を含有し、該バインダー樹脂中のポリエステル樹脂の含有量が50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。一方、上限は、100質量%以下であることが好ましい。
該ポリエステル樹脂は、ジオールとジカルボン酸の縮重合物であることが好ましい。さらにトリカルボン酸を用いてもよい。ジオール、ジカルボン酸及びトリカルボン酸の縮重合物であることがより好ましい。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体及び/又はプロピレンオキサイド付加体などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フマル酸などが挙げられる。
トリカルボン酸としては、例えば、トリメシン酸、トリメリット酸などが挙げられる。
ビニル樹脂に用いるモノマーとしては、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
バインダー樹脂の酸価は5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。バインダー樹脂の酸価が5mgKOH/g以上である場合、分散剤と十分に相互作用することができ、これにより液体現像剤中でのトナー粒子の粒子径を十分に小さくすることができる。
<着色剤>
トナー粒子に含有される着色剤としては、特に限定されるものではなく、公知の有機顔料、有機染料、無機顔料、又は顔料を用いることができる。これらの顔料などを、分散媒として不溶性の樹脂などに分散させたもの、又は、顔料表面に樹脂をグラフト化したものなどを用いることができる。
該顔料の具体例としては、例えば、黄色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤又はマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青又はシアン色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
トナー粒子中における顔料の分散には、トナー粒子の製造方法に応じた分散手段を用いればよい。分散手段として用いることができる装置としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどがある。
顔料の分散を行う際に顔料分散剤を添加することも可能である。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体などを挙げることができる。また、Lubrizol社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、顔料分散剤が、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有するポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる重合体であることがより好ましい。このような樹脂としては、バイロンURシリーズ(東洋紡(株)製)などが挙げられる。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。
これらの顔料分散剤及び顔料分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
<絶縁性液体(a)>
硬化型液体現像剤はバインダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)を含有する。
絶縁性液体とは、電気的に絶縁性を示すものであり、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが好ましい。
<絶縁性液体(a)中の重合性官能基数>
絶縁性液体(a)は、重合性の官能基を有するモノマーを含有する。
絶縁性液体(a)のモル平均官能基数は1.8以上である。絶縁性液体(a)のモル平均官能基数が1.8より少ない場合、十分な硬化性が得られない。一方、上限は特に制限されないが、好ましくは5.0以下であり、より好ましくは3.0以下である。
絶縁性液体(a)が、例えば、重合性官能基の官能基数An、分子量Amwの化合物AをAwt質量部と、重合性官能基の官能基数Bn、分子量Bmwの化合物BをBwt質量部からなる場合、絶縁性液体(a)のモル平均官能基数は次のように求められる。なお、絶縁性液体(a)に、後述する疎水性ポリマーなどのポリマーやオリゴマーを用いる場合、分子量としてはその重量平均分子量を採用すればよい。
Figure 2018087966
<絶縁性液体(a)のSP値>
絶縁性液体(a)のモル平均SP値は9.0以下である。絶縁性液体(a)のモル平均SP値が9.0より高い場合、十分に小径なトナー粒子を得ることが困難となる。一方、下限は特に制限されないが、好ましくは6.5以上であり、より好ましくは7.0以上である。
絶縁性液体(a)が、例えば、SP値Asp、分子量Amwの化合物AをAwt質量部と、SP値Bsp、分子量Bmwの化合物BをBwt質量部からなる場合、絶縁性液体(a)のモル平均SP値は次のように求められる。なお、絶縁性液体(a)に、後述する疎水性ポリマーなどのポリマーやオリゴマーを用いる場合、分子量としてはその重量平均分子量を採用すればよい。
Figure 2018087966
3種類以上の化合物を混合して用いる場合も、同様にして求められる。
なお、SP値とは溶解度パラメータのことである。SP値は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入され正則理論により定義された値であり、溶媒(あるいは溶質)の凝集エネルギー密度の平方根で示され、2成分系溶液の溶解度の目安となる。本発明におけるSP値は、コーティングの基礎と工学(53ページ、原崎勇次著、加工技術研究会)記載のFedorsによる原子及び原子団の蒸発エネルギーとモル体積から計算で求めた値である。本発明におけるSP値の単位は、(cal/cm1/2であるが、1(cal/cm1/2=2.046×10(J/m1/2によって(J/m1/2の単位に換算することができる。
<絶縁性液体(a)の分子量>
絶縁性液体(a)の平均分子量は250以上である。絶縁性液体(a)の平均分子量が250より小さい場合、十分に小径なトナー粒子を得ることが困難となる。一方、上限は特に制限されないが、好ましくは1000以下であり、より好ましくは800以下である。
絶縁性液体(a)が、例えば、分子量Amwの化合物AをAwt質量部と、分子量Bmwの化合物BをBwt質量部からなる場合、絶縁性液体(a)の平均分子量は次のように求められる。なお、絶縁性液体(a)に、後述する疎水性ポリマーなどのポリマーやオリゴマーを用いる場合、分子量としてはその重量平均分子量を採用すればよい。
Figure 2018087966
<絶縁性液体(a)の種類>
一般に、重合性官能基は炭化水素基に比べてSP値が高いため、画像形成時の硬化速度を高めるために重合性官能基のモル平均官能基数を増やすことにより、その混合物のモル平均SP値は増加する傾向にある。しかし、コアセルベーション法により液体現像剤中で
のトナー粒子の粒子径が小さい硬化型液体現像剤を製造するためには、絶縁性液体(a)のSP値が低いことが好ましい。
発明者らが鋭意検討した結果、絶縁性液体(a)のモル平均官能基数が1.8以上であり、モル平均SP値が9.0以下であり、平均分子量が250以上である場合、硬化型液体現像剤中でのトナー粒子の粒子径が小さく、かつ画像形成時の硬化速度が良好な硬化型液体現像剤を得ることができることを見出し、本発明に至った。
絶縁性液体(a)は、本発明の効果を損なわない程度に、上記特定の重合性官能基を有するモノマー以外の絶縁性液体を含んでいてもよい。絶縁性液体(a)が、上記関係を満たすような、重合性の官能基を有するモノマーからなることが好ましい。
例えば絶縁性液体(a)中に、重合性の官能基を有するモノマー以外に、炭化水素鎖などからなる疎水性ポリマーを含有させてもよい。これにより、重合性の官能基を有するモノマーのみからなる場合に比べ、モル平均SP値を低下させ、かつ平均分子量を増加させることも可能である。炭化水素鎖などからなる疎水性ポリマーとしては、BIシリーズ(日本曹達(株)製)などが挙げられる。
前記絶縁性液体(a)中の、重合性の官能基を有するモノマー(重合性モノマー)の含有量が、前記絶縁性液体(a)の全質量に対して60質量%以上100質量%以下であることが好ましく、90質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましい。
重合性の官能基を有するモノマーとしては、アクリルモノマー、及びエポキシやオキセタンなどの環状エーテルモノマー、及びビニルエーテル等を挙げることができる。
硬化型液体現像剤の重合にカチオン重合を用いる場合、絶縁性液体(a)は、一般式(1)で示されるビニルエーテルのうち少なくとも一種の重合性モノマーを含有することが好ましい。すなわち、重合性の官能基を有するモノマーが一般式(1)で示される化合物であることが好ましい。
(R1−CH=CH−O−)R2 式(1)
[式(1)中、nは、2以上の整数を表し、R1は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、R2は脂肪族炭化水素からn個の水素を取り除いてなるn価の基を表す。]
一般式(1)で示される化合物は、分子内の電子密度の偏りは少ないため、抵抗が高く、低粘度で、高感度な硬化型液体現像剤を得ることができる。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例〔例示化合物(1)〜(10)〕を挙げるが、重合性の官能基を有するモノマーはこれらの例に制限されるものではない。
Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
また、重合性の官能基を有するモノマーが、一般式(2)で示される化合物であることがより好ましい。
(R1−CH=CH−O−)(2m+2−n) 式(2)
[式(2)中、mは、12以上50以下の整数を表し、nは、2以上の整数を表し、R1は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。]
上記一般式(2)中、
(R1−CH=CH−O−) 式(2A)
[式(2A)中のn及びR1は、式(2)中のn及びR1と同義である。]
は、ビニルエーテル基の態様を表し、nはモノマー1分子中に含まれるビニルエーテル基の数を示す。
式(2)のビニルエーテル化合物は、nが2以上の整数であるため、ビニルエーテル基を複数もつ多官能モノマーである。多官能モノマーを用いることで、水分による重合阻害の影響を受けにくく、湿度環境下での定着性が良い硬化型液体現像剤が得られる。
一般にカチオン重合反応とは、熱、又は光の照射により重合開始剤から分解生成した酸がモノマーと反応してカチオン活性種を生み出す重合反応であり、このカチオン活性種が
存在する限り重合反応が次々と進行すると考えられる。
ビニルエーテル化合物を用いる場合、重合開始剤から発生する酸とビニルエーテル構造が反応してカチオン活性種を生み出していると考えられる。このとき、モノマーの近傍に水分子が存在すると、このカチオン活性種がトラップされるため、これ以上の重合が進まなくなる。
すなわち、水一分子につき、1つのビニルエーテル構造の連鎖反応が停止されることになる。以上のことから、nの数は大きい方が硬化型液体現像剤の定着に関して有利である。
一方、nの数が大きくなると、該当する重合性官能基を有するモノマーが入手しにくくなる。
これらを考慮すると、一般式(2)及び(2A)におけるnは、2以上6以下であることが好ましく、2以上4以下であることがより好ましく、2又は3であることがさらに好ましい。
一方、上記一般式(2)中、
(2m+2−n) 式(2B)
[式(2B)中のm、nは、式(2)中のm、nと同義である。]
は、アルカン鎖であり、mはアルカン鎖の炭素数を示す。炭化水素は途中で枝分かれしてもよく、アルカン鎖の炭素数を12以上にすることで、モノマーの揮発をほぼ防止することができ、さらに炭素数18以上であれば、モノマーの揮発を完全に防止することができる。
一方、該アルカン鎖の炭素数の上限については粘度に着目するとよい。硬化型液体現像剤としての粘度はトナー粒子の電気泳動速度を維持するために、25℃において0.5mPa・s以上100mPa・s以下であることが好ましく、0.5mPa・s以上30mPa・s以下であることがより好ましい。
粘度が上記範囲であると、トナー粒子の電気泳動速度が適切になり、プリント速度及び印刷濃度が良好になる。
一方、一般式(2)及び(2B)におけるアルカン鎖の炭素数に関しては、炭素数が多いほどモノマー自体の粘度が上昇する傾向にある。これらを考慮すると、一般式(2)及び(2B)におけるアルカン鎖の炭素数(すなわち、mの値)は50以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましい。
SP値の観点から、アルカン鎖の末端にメチル基があるとSP値が低くなる傾向にあるため、アルカン鎖の末端はメチル基を残したものの方が水分による硬化阻害を受けにくく、定着性の点で有利である。
すなわち、定着性の観点から、一般式(2)中の一般式(2A)で示されるビニルエーテル基の少なくとも1つが、一般式(2)中の一般式(2B)で示される部分構造を構成する炭素原子のうちの末端以外の炭素原子に結合していることがより好ましい。
以下に、一般式(2)で表される化合物の具体例〔例示化合物(11)〜(39)〕を挙げるが、これらの例に制限されるものではない。
Figure 2018087966
Figure 2018087966
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Figure 2018087966
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Figure 2018087966
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Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
上記一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物は、アルカンの水素原子を複数の水酸基で置換したのち、水酸基をビニルエーテル化することによって合成することができる。
原料となるアルカンは入手しやすさの点でも、炭素数25以下であることが好ましい。特に炭素数12や18のものは、ひまし油などの天然物から採取できるため好適に用いることができる。
水酸基化したアルカンも市販のものがあり、1,2−ドデカンジオール(東京化成工業株式会社製)、1,12−ドデカンジオール(東京化成工業株式会社製)、1,12−オクタデカンジオール(商品名:HSTOL 小倉合成工業株式会社)、フィタントリオール(クラレ製)などを入手することができる。
硬化型液体現像剤の重合にカチオン重合を用いる場合、絶縁性液体(a)は、一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物以外にも、粘度調整剤などの目的で、各種重合性官能基を有するモノマーを含有することができる。
該各種重合性官能基を有するモノマーとしては、硬化型液体現像剤の現像性や定着性を損なわない限り制約はなく、アクリル系モノマー、エポキシド及びオキセタンなどの環状エーテルモノマー、並びに、一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物以外のビニルエーテル化合物などを例示できる。
その中でも、体積抵抗率が高く、低粘度で、かつ、高感度な硬化型液体現像剤を得ることができる、一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物以外のビニルエーテル化合物が好ましい。
以下に、該式一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物以外のビニルエーテル化合物の具体例〔例示化合物(101)〜(111)〕を挙げるが、本発明はこれらの例に制限されるものではない。
Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
<溶剤(b)>
バインダー樹脂は溶剤(b)に溶解する。
該溶剤(b)のSP値は、絶縁性液体(a)のSP値より大きいことが好ましい。また、溶剤(b)のSP値は、8.5以上15.0以下であることが好ましく、より好ましくは9.0以上13.0以下である。バインダー樹脂は、SP値8.5以上15.0以下である溶剤(b)に溶解する樹脂であることが好ましい。
また、溶剤(b)は例えば蒸留などにより混合物から留去させることから、低沸点溶剤であることが好ましい。溶剤(b)の沸点は、150℃以下であることが好ましく、より好ましくは100℃以下である。
溶剤(b)としては例えば、トルエン(SP値8.9、沸点110℃)、クロロホルム(SP値9.2、沸点61℃)、メチルエチルケトン(SP値9.3、沸点80℃)、テ
トラヒドロフラン(SP値9.5、沸点66℃)、アセトン(SP値9.8、沸点56℃)、エタノール(SP値13、沸点78℃)、メタノール(SP値14、沸点65℃)などが挙げられる。
<分散剤>
硬化型液体現像剤は分散剤を含有する。該分散剤は、トナー粒子の形成を促進し、トナー粒子を絶縁性液体(a)中に安定に分散させるものである。
また、分散剤は、該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解するものである。
「分散剤が絶縁性液体(a)及び溶剤(b)に溶解する」とは、温度25℃で、絶縁性液体(a)100質量部に対し、溶解する分散剤が10質量部を超えること、及び、温度25℃で、溶剤(b)100質量部に対し、溶解する分散剤が10質量部を超えること、が指標として挙げられる。
コアセルベーション法とは、良溶媒に溶解したポリマーが、貧溶媒添加によって相分離する現象を利用したトナー粒子の製造方法である。
コアセルベーション法を用いて液体現像剤を製造する場合、分散剤存在下でトナー粒子を絶縁性液体(a)中に分散させることにより、絶縁性液体(a)中でのトナー粒子の分散安定性を高めることが可能となる。また、トナー粒子の帯電特性や泳動性を向上させることもできる。
このような分散剤は、絶縁性液体(a)及び溶剤(b)に溶解し、かつトナー粒子を安定に分散させるものであれば特に種類は限定されず、公知の分散剤から選択することが可能である。
該分散剤として、市販品であれば、アジスパーPB817(ポリアリルアミンと12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物との反応物;味の素ファインテクノ(株)製)、ソルスパース13940(ポリエチレンポリアミンと12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物との反応物)、11200、17000、18000(日本ルーブリゾール(株)製)などを挙げることができる。
また、該分散剤として、1級アミノ基を有する単量体単位を末端以外の位置に有する分散剤がより好ましい。このような分散剤としては、上記アジスパーPB817などが該当する。一方、上記ソルスパース13940(ポリエチレンポリアミンと12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合物との反応物から得られるアミノ基)は、末端のアミノ基以外は全て2級アミノ基、又は3級アミノ基である。すなわち、末端以外に1級アミノ基を有さない。
また、分散剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
該範囲であることで、トナー粒子の分散性が良好になり、また、分散剤が絶縁性液体(a)を捕捉することもなく、トナー粒子の定着強度を良好に維持できる。分散剤は1種又は2種以上使用することができる。
<電荷制御剤>
硬化型液体現像剤は、必要に応じて電荷制御剤を含んでもよい。該電荷制御剤としては、公知のものが利用できる。具体的には以下のものが挙げられる。
亜麻仁油、大豆油などの油脂;アルキド樹脂、ハロゲン重合体、芳香族ポリカルボン酸、酸性基含有水溶性染料、芳香族ポリアミンの酸化縮合物、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;水素添加レシ
チン及びレシチンなどの燐脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、ヒドロキシ安息香酸誘導体など。
<電荷補助剤>
トナー粒子中には、トナー粒子の帯電性を調整する目的で、電荷補助剤を含有させてもよい。該電荷補助剤としては、公知のものが利用できる。
具体的な化合物としては、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム及び2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩及びスルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;レシチンなどのリン脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、及びヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
<重合開始剤>
硬化型液体現像剤は、必要に応じて重合開始剤を含んでもよい。硬化型液体現像剤がカチオン重合である場合、該重合開始剤としては、下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
Figure 2018087966
[式(3)中、R3とR4は互いに結合して環構造を形成し、xは1〜8の整数を表し、yは3〜17の整数を表す。]
上記一般式(3)で表される重合開始剤は、紫外線照射により光分解し、強酸であるスルホン酸を発生する。また、増感剤を併用し、増感剤が紫外線を吸収することをトリガーとして、開始剤の分解、スルホン酸の発生を行わせることも可能である。
上記R3とR4とが結合して形成される環構造としては、5員環、6員環を例示することができる。上記R3とR4とが結合して形成される環構造の具体例として、コハク酸イミド構造、フタル酸イミド構造、ノルボルネンジカルボキシイミド構造、ナフタレンジカルボキシイミド構造、シクロヘキサンジカルボキシイミド構造、エポキシシクロヘキセンジカルボキシイミド構造などが例示できる。
また、該環構造は、置換基として、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルキルオキシ基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数1〜14のアリール基、炭素数1〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜14のアリールチオ基などを有してもよい。さらに、置換基を有していてもよい脂環、複素環及び芳香環などの他の環構造が縮合していてもよい。
上記一般式(3)中のCxFyとしては、水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)、水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)、水
素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)、及び水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)が挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)としては、例えば、トリフルオロメチル基(x=1、y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2、y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3、y=7)ノナフルオロn−ブチル基(x=4、y=9)、パーフルオロn−ヘキシル基(x=6、y=13)、及びパーフルオロn−オクチル基(x=8、y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)としては、例えば、パーフルオロイソプロピル基(x=3、y=7)、パーフルオロ−tert−ブチル基(x=4、y=9)、及びパーフルオロ−2−エチルヘキシル基(x=8、y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)としては、例えば、パーフルオロシクロブチル基(x=4、y=7)、パーフルオロシクロペンチル基(x=5、y=9)、パーフルオロシクロヘキシル基(x=6、y=11)、及びパーフルオロ(1−シクロヘキシル)メチル基(x=7、y=13)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基(x=6、y=5)、及び3−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル基(x=7、y=7)などが挙げられる。
上記一般式(3)中のCxFyのうち、入手のしやすさ、及びスルホン酸エステル部分の分解性の観点から、好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2)、及びアリール基(RF4)である。さらに好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、及びアリール基(RF4)である。特に好ましくはトリフルオロメチル基(x=1、y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2、y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3、y=7)、ノナフルオロn−ブチル基(x=4、y=9)、及びペンタフルオロフェニル基(x=6、y=5)である。
光重合開始剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化型液体現像剤中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、重合性の官能基を有するモノマー100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜1質量部であり、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部である。
上記一般式(3)で表される光重合開始剤の具体例〔例示化合物A−1〜A−27〕を以下に挙げるが、これらの例に制限されるものではない。
Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
Figure 2018087966
これらのなかでも(A−23)、(A−24)、(A−25)、(A−26)、及び(A−27)は、増感剤との組合せで高い定着性を得やすく特に好ましい。
<増感剤>
硬化型液体現像剤が光硬化型の場合、重合開始剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化などの目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。
増感剤としては、重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、特に限定されない。
具体的には、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。
該増感剤の含有量は、目的に応じて適宜選択されるが、重合開始剤1質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上5質量部以下である。
硬化型液体現像剤には、さらに上記増感剤と重合開始剤の間の電子移動効率又はエネルギー移動効率を向上する目的で増感助剤を添加してもよい。
具体的には、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、4−メトキシ−1−ナフトール、4−エトキシ−1−ナフトールなどのナフタレン化合物、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼン、1−メトキシ−4−フェノール、1−エトキシ−4−フェノールなどのベンゼン化合物などが挙げられる。
該増感助剤の含有量は、目的に応じて適宜選択されるが、増感剤1質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。
<カチオン重合禁止剤>
硬化型液体現像剤には、カチオン重合禁止剤を添加してもよい。
カチオン重合禁止剤としては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物、又は、アミン類を挙げることができる。
アミン類として、アルカノールアミン類、N,N−ジメチルアルキルアミン類、N,N−ジメチルアルケニルアミン類、N,N−ジメチルアルキニルアミン類などが挙げられる。
具体的には、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、2−アミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、3−メチルアミノ−1−プロパノール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−エチルアミノエタノール、4−エチルアミノ−1−ブタノール、4−(n−ブチルアミノ)−1−ブタノール、2−(t−ブチルアミノ)エタノール、N,N−ジメチルウンデカノールアミン、N,N−ジメチルドデカノールアミン、N,N−ジメチルトリデカノールアミン、N,N−ジメチルテトラデカノールアミン、N,N−ジメチルペンタデカノールアミン、N,N−ジメチルノナデシルアミン、N,N−ジメチルイコシルアミン、N,N−ジメチルエイコシルアミン、N,N−ジメチルヘンイコシルアミン、N,N−ジメチルドコシルアミン、N,N−ジメチルトリコシルアミン、N,N−ジメチルテトラコシルアミン、N,N−ジメチルペンタコシルアミン、N,N−ジメチルペンタノールアミン、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、N,N−ジメチルヘプタノールアミン、N,N−ジメチルオクタノールアミン、N,N−ジメチルノナノールアミン、N,N−ジメチルデカノールアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルトリデシルアミン、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルペンタデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチルヘプタデシルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミンが挙げられる。これらの他にも、4級アンモニウム塩なども使用することができる。カチオン重合禁止剤としては、特に、2級アミンが好ましい。
カチオン重合禁止剤の含有量は、硬化型液体現像剤中に、質量基準で、1ppm以上5000ppm以下であることが好ましい。
<ラジカル重合禁止剤>
硬化型液体現像剤には、ラジカル重合禁止剤を添加してもよい。
例えば、ビニルエーテル化合物を含有する硬化型液体現像剤は、経時保存中に重合開始剤が極々僅かに分解し、ラジカル化合物化し、そのラジカル化合物に起因する重合を引き起こす場合があり、それを防止するために添加するとよい。
適用可能なラジカル重合禁止剤としては、例えば、フェノール系水酸基含有化合物、メトキノン(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、ハイドロキノン、4−メトキシ−1−ナフトールなどのキノン類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル フリーラジカル、N−オキシル フリーラジカル化合物類、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、各種糖類、リン酸系酸化防止剤、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体、芳香族アミン、フェニレンジアミン類、イミン類、スルホンアミド類、尿素誘導体、オキシム類、ジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンの重縮合物、フェノチアジンなどの含硫黄化合物、テトラアザアンヌレン(TAA)をベースとする錯化剤、ヒンダードアミン類などが挙げられる。
硬化型液体現像剤の増粘防止の観点から、好ましくは、フェノール系水酸基含有化合物、N−オキシル フリーラジカル化合物類、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル フリーラジカル、フェノチアジン、キノン類、ヒンダードアミン類である。より好ましいのは、N−オキシル フリーラジカル化合物類である。
ラジカル重合禁止剤の含有量は、硬化型液体現像剤中に、質量基準で、1ppm以上5000ppm以下であることが好ましい。
<その他の添加剤>
硬化型液体現像剤には、上記説明した以外に、必要に応じて、記録媒体適合性、保存安定性、画像保存性、及びその他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤を用いてもよい。例えば、界面活性剤、滑剤、充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤などを適宜選択して用いることができる。
以下、本発明の硬化型液体現像剤の製造方法について詳細に説明する。
<硬化型液体現像剤の製造方法>
本発明の硬化型液体現像剤の製造方法は、着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、該バインダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)を含有する硬化型液体現像剤の製造方法であって、
該着色剤、該バインダー樹脂、該バインダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)、該バインダー樹脂を溶解する溶剤(b)、並びに、該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解する該分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、
該混合液から該溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、
該絶縁性液体(a)が、重合性の官能基を有するモノマーを含み、
該絶縁性液体(a)のモル平均官能基数が1.8以上であり、
該絶縁性液体(a)のモル平均SP値が9.0以下であり、
該絶縁性液体(a)の平均分子量が250以上であることを特徴とする。
以下、具体的な製造方法について説明するが、本発明はこれらに限定される訳ではない。
<工程(1)>
上記工程(1)では、バインダー樹脂を溶解する溶剤(b)中に、着色剤、バインダー樹脂及び分散剤を溶解又は分散して、溶解液又は分散液を調製することが好ましい。
該溶解液又は分散液を調製する工程は、以下の工程を含んでもよい。
溶剤(b)、着色剤、及び必要に応じて顔料分散剤を混合し、アトライター、ボールミル、サンドミルなどのメディア型分散機、又は、高速ミキサー、高速ホモジナイザーなどの非メディア型分散機で各材料を溶解又は分散させて、第一の溶解液又は分散液を得る工程(1−1)。
第一の溶解液又は分散液に、バインダー樹脂、分散剤及び溶剤(b)を添加し、アトライター、ボールミル、サンドミルなどのメディア型分散機、又は、高速ミキサー、高速ホモジナイザーなどの非メディア型分散機で各材料を溶解又は分散させて、第二の溶解液又は分散液を得る工程(1−2)。
バインダー樹脂に対する溶剤(b)の添加量(総量)は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以上500質量部である。溶剤(b)の添加量を上記範囲にすることで、生産性が良好であり、所望のトナー粒子形状を形成しやすい。
また、着色剤に対するバインダー樹脂の添加量は、着色剤100質量部に対して、10質量部以上2000質量部以下であることが好ましく、より好ましくは100質量部以上500質量部以下である。着色剤の添加量が上記範囲にあることで、高濃度画像の形成が容易であり、所望のトナー粒子形状を形成しやすくなる。
次いで、上記工程(1−2)で得られた第二の溶解液又は分散液と、絶縁性液体(a)とを混合し、該第二の溶解液又は分散液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂が析出した混合液を得ることが好ましい(以下、混合工程ともいう)。この場合、第二の溶解液又は分散液に絶縁性液体(a)を添加することが好ましい。
上述のように、該混合工程中において、バインダー樹脂を析出(すなわち、二相分離)
させることが好ましい。そのため、混合工程においてバインダー樹脂が二相分離する量の絶縁性液体(a)を混合することが好ましい。
バインダー樹脂が二相分離するとは、第二の溶解液又は分散液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂が析出し、バインダー樹脂の粒子形成が確認できた状態を示す。
該混合工程においては、絶縁性液体(a)を混合する際に、高剪断力を付与することが好ましい。該剪断力は、所望の粒子径に合わせて適宜設定すればよい。高剪断力を付与可能な高速剪断装置としては、高速ミキサー、高速ホモジナイザーなどの非メディア型分散機が好ましい。
さらに、容量、回転速度、型式など、種々のものがあるが、生産様式に応じて適当なものを用いればよい。なお、ホモジナイザーを使用した場合の回転速度としては、500rpm以上30000rpm以下が好ましく、13000rpm以上28000rpm以下がより好ましい。
また、混合工程は、溶剤(b)及び絶縁性液体(a)の凝固点以上、沸点以下で実施することが好ましい。具体的には、0℃以上60℃以下で実施することが好ましい。
該混合質量比が上記範囲である場合、溶剤(b)留去後の固形分濃度が適切になるため、トナー粒子の分散安定性がより向上しやすく、現像時の膜厚を薄くすることが可能である。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で得られた混合液から、バインダー樹脂を溶解する溶剤(b)を留去する工程である。
溶剤(b)を留去する方法は、エバポレーションなどの方法が好適である。条件としては、0〜60℃において1〜200kPaの圧力(減圧状態)での留去が好ましい。
<硬化型液体現像剤の調製工程>
工程(2)の後に、硬化型液体現像剤の調製工程を有してもよい。硬化型液体現像剤の調製工程にて、工程(2)で得られたトナー粒子分散体に、必要に応じて、電荷制御剤、及びその他の添加剤などを添加し、硬化型液体現像剤を調製することができる。電荷制御剤、及びその他の添加剤の添加方法は特に限定されないが、添加剤の種類により、適宜加熱、攪拌することが可能である。
また、本工程において、トナー粒子の洗浄などの単位操作を適宜追加することも可能である。
<トナー粒子>
本発明により、トナー粒子の粒子径が小さく、かつ画像形成時の硬化速度が良好な硬化型液体現像剤を製造することが可能となる。
上記トナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、体積基準の50%粒径(D50)が0.05μm以上5.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上1.2μm以下であり、さらに好ましくは0.05μm以上1.0μm以下である。
トナー粒子の体積基準の50%粒径(D50)が上記範囲内であると、硬化型液体現像剤により形成されるトナー画像の解像度及び画像濃度を十分に高いものとすることができる。また、絶縁性液体(a)が記録媒体上に残存する記録方式においても、トナー画像の膜厚を十分に薄いものとすることができる。
なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
硬化型液体現像剤中のトナー粒子濃度は、用いる画像形成装置に応じて、任意に調整して用いることができるが、1質量%以上70質量%以下程度にするとよい。
<画像形成装置>
硬化型液体現像剤は、電子写真方式の一般的な画像形成装置において好適に使用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味するものとする。
<測定方法>
以下に本発明の実施例中の合成例で用いられる測定方法を示す。
(1)分子量[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]の測定方法
樹脂などの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出した。GPCによる分子量の測定は以下に示すように行った。
サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置し溶解させた溶液を、ポア径が0.20μmの耐溶剤性メンブレンフィルターでろ過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−804の2連
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.025mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500]により作成した分子量校正曲線を使用した。
(2)酸価の測定方法
バインダー樹脂の酸価は以下の方法により求めた。
基本操作はJIS K−0070に基づく。
1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM1(g)とする。
2)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mLを加え溶解する。
3)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」などが利用できる。]。
4)この時のKOH溶液の使用量をA(mL)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(mL)とする。
5)次式(i)により酸価を計算する。fはKOH溶液のファクターである。
Figure 2018087966
(3)水酸基価の測定方法
バインダー樹脂の水酸基価は以下の方法により求めた。
基本操作はJIS K 0070−1992に基づく。
1)特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mLに入れ、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスなどに触れないように、褐色びんにて保存する。
2)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM2(g)とする。
3)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mLを加え溶解する。
4)これに前記のアセチル化試薬5.0mLを、ホールピペットを用いて正確に加える。この際、フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
5)1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mLを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。
6)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」などが利用できる。]。このときの滴定量をC(mL)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をD(mL)とする。
7)得られた結果を下記式(ii)に代入して、水酸基価を算出する。
Figure 2018087966
[実施例1]
<バインダー樹脂(PES−101)の合成例>
既知の方法により下記PES−101を合成した。
組成(モル比);テレフタル酸/トリメリット酸/ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物=37.5/12.5/50
Mw=18,300、Mn=2,420
酸価;20.5mgKOH/g、水酸基価;50.3mgKOH/g
<バインダー樹脂(PES−102)の合成例>
既知の方法により下記PES−102を合成した。
組成(モル比);テレフタル酸/イソフタル酸/トリメリット酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=49.5/49.5/1/60/40
Mw=20,000、Mn=4,900
酸価;15.1mgKOH/g、水酸基価;7.8mgKOH/g
[実施例2]
<化合物(22)の合成例>
ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[Ir(cod)Cl](0.15mg、0.2mmol)と炭酸カリウム(13.5g、98mmol)のトルエン(40.0ml)混合液に、出発原料1で示される1,12−オクタデカンジオール(6.73g、24.7mmol)及び酢酸ビニル(16g、186mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で6時間攪拌した。
反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、出発原料1の転化率は93%であり、化合物(22)で示される2官能ビニルエーテルモノマーが収率55%で生成していた。分液ロートを用いて有機相と水相を分離し、有機相をカラム精製、減圧濃縮及び
乾燥して化合物(22)(分子量:338.6)を得た。得られた化合物はやや褐色の透明な粘性液体であった。化合物(22)のFT−IR測定により、水酸基由来のピークが消失しているのを確認した。
[実施例3]
<絶縁性液体(a−1)〜(a−14)の調整例>
表1に記載の組成の絶縁性液体(a−1)〜(a−14)をマヨネーズ瓶に入れ、ミックスローターで一晩撹拌した。
Figure 2018087966
表1中、化合物(4)、化合物(7)、化合物(10)、化合物(11)、化合物(12)、化合物(22)は本明細書中の例示化合物を表す。BI2000、BI3000はそれぞれ、日本曹達製水素化ポリブタジエンBI−2000、BI−3000を意味する。OXT−221は東亞合成株式会社製アロンオキセタンOXT−221を意味する。
また、表中の「モノマー含有量」は、絶縁性液体中の重合性モノマーの含有量(質量%)を示す。
[比較例1]
<比較用絶縁性液体(a−101)〜(a−103)の調整例>
表2に記載の組成の絶縁性液体(a−101)〜(a−103)をマヨネーズ瓶に入れ、ミックスローターで一晩撹拌した。
Figure 2018087966
表中、化合物(1)、化合物(4)、化合物(7)、化合物(101)、化合物(104)は本明細書中の例示化合物を表す。また、これらの化合物の混合比は質量基準である。
[実施例4]
<硬化型液体現像剤製造工程>
<顔料分散液(Cy−1)の製造例>
<顔料分散液製造工程>
ピグメントブルー15:3(30部)、バイロンUR4800(東洋紡(株)製、樹脂濃度32%)(47部)、テトラヒドロフラン(255部)、ガラスビーズ(φ1mm)(130部)を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、メッシュで濾過し、混練物を得た。
上記で得られた混練物180部、ポリエステル(PES−101)の50%テトラヒドロフラン溶液126部、トナー粒子分散剤(アジスパーPB−817、味の素ファインテクノ(株)製)21部を高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)で混合し、40℃で攪拌しながら混合し、顔料分散液(Cy−1)を得た。
<顔料分散液(Cy−2)の製造例>
顔料分散液(Cy−1)の製造例において、ポリエステル(PES−101)の50%テトラヒドロフラン溶液をポリエステル(PES−102)の50%テトラヒドロフラン溶液に変更した以外は、顔料分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、顔料分散液(Cy−2)を製造した。
<顔料分散液(M−1)、(Y−1)及び(Bk−1)の製造例>
顔料分散液(Cy−1)の製造例において、ピグメントブルー15:3をそれぞれピグメントレッド122、ピグメントイエロー155、及びカーボンブラックに変更した以外は、顔料分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、顔料分散液(M−1)、(Y−1)及び(Bk−1)を製造した。
<混合工程>
<混合液(D−1)の製造例>
上記で得られた顔料分散液(Cy−1)34部に、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて高速攪拌(回転数25000rpm)しながら、表1の絶縁性液体(a−1)22部を少しずつ添加し、混合液(D−1)を得た。
<留去工程>
上記で得られた混合液(D−1)をナスフラスコに移し、超音波分散しながら50℃でテトラヒドロフランを完全に留去し、絶縁性液体中にトナー粒子を含むトナー粒子分散体(T−1)を得た。
<硬化型液体現像剤調製工程>
<硬化型液体現像剤(LD−1)の製造例>
得られたトナー粒子分散体(T−1)100部を遠心分離処理し、上澄み液をデカンテーションにより除去し、除去した上澄み液と同じ質量の新たな絶縁性液体(a−1)にて置換し、再分散し、レシノールS−10(水素添加レシチン、日光ケミカルズ(株)製)0.10部、重合開始剤として上記式(A−26)で表される光重合開始剤0.21部、KAYACURE−DETX−S(日本化薬(株)製)0.35部を加えることにより、硬化型液体現像剤(LD−1)を得た。
<硬化型液体現像剤(LD−2)〜(LD−18)の製造例>
硬化型液体現像剤(LD−1)の製造例において、顔料分散液、絶縁性液体を、それぞれ表3に従って変更した以外は、硬化型液体現像剤(LD−1)の製造例と同様の方法で硬化型液体現像剤(LD−2)〜(LD−18)を得た。
Figure 2018087966
[比較例2]
<比較用硬化型液体現像剤製造工程>
<比較用硬化型液体現像剤(LD−101)〜(LD−103)の製造例>
硬化型液体現像剤(LD−1)の製造例において、顔料分散液、絶縁性液体を、それぞれ表4に従って変更した以外は、硬化型液体現像剤(LD−1)の製造例と同様の方法で硬化型液体現像剤(LD−101)〜(LD−103)を得た。
Figure 2018087966
[実施例5]
硬化型液体現像剤(LD−1)〜(LD−18)を下記の方法で評価した。
<トナー粒子径の測定>
硬化型液体現像剤中のトナー粒子の粒子径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名「LA−950」、堀場製作所製)を用い測定した。体積基準の50%粒径(D50)により粒子径を評価した。
以下に粒子径の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5:(D50)≦1.0μm
4:1.0μm<(D50)≦1.2μm
3:1.2μm<(D50)≦1.5μm
2:1.5μm<(D50)≦2.0μm
1:2.0μm<(D50)
評価結果を表5に示す。
<定着性の測定>
室温25℃、湿度50%の環境下において、ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人化成製、パンライト:PC−2151、厚み0.3mm)上に、硬化型液体現像剤を滴下し、ワイヤーバー(No.6)[供給先:松尾産業株式会社]を用いてバーコートを行い、(形成された膜厚8.0μm)、ランプ出力120mW/cmの高圧水銀ランプにより波長365nmの光を下記5種類の照射光量について照射して、硬化膜を形成した。表面にタック(粘着性)がなく完全に硬化した時の照射光量を測定し、以下の基準で評価した。
5:100mJ/cm
4:200mJ/cm
3:400mJ/cm
2:1,000mJ/cm
1:2,000mJ/cmで硬化、又は硬化せず
評価結果を表3に示す。
<現像性の測定>
本発明で得た硬化型液体現像剤を用い、下記の方法によりにより現像を行った。装置は図1に記載のような装置を用いた。
(1)画像形成装置50Cにおいて、現像ローラ53C、感光ドラム52C、及び中間転写ローラ61Cが離間され、非接触の状態で、これらを図1の矢印の方向に回転駆動させた。このときの回転速度は250mm/secとした。
(2)現像ローラ53C及び感光ドラム52Cを押し圧一定で接触させ、前述のDC電源を用いてバイアスを設定した。現像バイアスは、200Vとした。
(3)感光ドラム52C及び中間転写ローラ61Cを押し圧一定で接触させ、DC電源を用いてバイアスを設定した。転写バイアスは1000Vとした。
(4)均一濃度(2%)、均一量(100ml)の現像液を製膜ローラ上に供給し、中間転写部材60C上の画像を評価した。
以下に、現像性の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5:高濃度かつ高精細な画像が得られた。
4:若干の濃度ムラがある、又は若干の画像ボケが見られる。
3:濃度ムラや画像ボケが目立つものの、現像されていることがわかる。
2:激しい濃度ムラや画像ボケが発生し、現像不十分であった。
1:現像できなかった。
評価結果を表5に示す。
[比較例3]
比較用硬化型液体現像剤(LD−101)〜(LD−103)について、それぞれトナー粒子径、定着性、現像性を実施例5と同様の方法で評価した。
評価結果を表5に示す。
Figure 2018087966
本発明により、硬化型液体現像剤中のトナー粒子の粒子径が小さく、かつ画像形成時の硬化速度が良好な硬化型液体現像剤の製造方法を提供することができる。さらに感度が高く、低粘度で、保存安定性に優れ、安全性が高く、高い光学濃度が得られると共に、画像ボケを生じにくく、充分な定着性を有するインクジェット用インク、湿式電子写真用液体現像剤、及静電インクジェット用インクを得ることが期待できる。
50C:画像形成装置、53C:現像ローラ、52C:感光ドラム、60C:中間転写部材、61C:中間転写ローラ

Claims (6)

  1. 着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、バインダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)を含有する硬化型液体現像剤の製造方法であって、
    該着色剤、該バインダー樹脂、該バインダー樹脂を溶解しない絶縁性液体(a)、バインダー樹脂を溶解する溶剤(b)、並びに該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解する該分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、
    該混合液から該溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、
    該絶縁性液体(a)が、重合性の官能基を有するモノマーを含み、
    該絶縁性液体(a)のモル平均官能基数が1.8以上であり、
    該絶縁性液体(a)のモル平均SP値が9.0以下であり、
    該絶縁性液体(a)の平均分子量が250以上であることを特徴とする硬化型液体現像剤の製造方法。
  2. 前記絶縁性液体(a)中の前記重合性の官能基を有するモノマーの含有量が、前記絶縁性液体(a)の全質量に対して60質量%以上である請求項1に記載の硬化型液体現像剤の製造方法。
  3. 前記絶縁性液体(a)中の前記重合性の官能基を有するモノマーの含有量が、前記絶縁性液体(a)の全質量に対して90質量%以上である請求項2に記載の硬化型液体現像剤の製造方法。
  4. 前記重合性の官能基を有するモノマーが、一般式(1)で示される化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化型液体現像剤の製造方法。
    (R1−CH=CH−O−)R2 式(1)
    [式(1)中、nは、2以上の整数を表し、R1は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、R2は脂肪族炭化水素からn個の水素を取り除いてなるn価の基を表す。]
  5. 前記重合性の官能基を有するモノマーが、一般式(2)で示される化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化型液体現像剤の製造方法。
    (R1−CH=CH−O−)(2m+2−n) 式(2)
    [式(2)中、mは、12以上50以下の整数を表し、nは、2以上の整数を表し、R1は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。]
  6. 前記一般式(2)中の下記一般式(2A)で示されるビニルエーテル基の少なくとも1つが、前記一般式(2)中の下記一般式(2B)で示される部分構造を構成する炭素原子のうちの末端以外の炭素原子に結合している請求項5に記載の硬化型液体現像剤の製造方法。
    (R1−CH=CH−O−) 式(2A)
    (2m+2−n) 式(2B)
    [式(2A)及び(2B)中のm、n及びR1は、式(2)中のm、n及びR1と同義である。]
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