JP2018087962A - 硬化型液体現像剤及び硬化型液体現像剤の製造方法 - Google Patents

硬化型液体現像剤及び硬化型液体現像剤の製造方法 Download PDF

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良 名取
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和香 長谷川
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彩乃 増田
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Abstract

【課題】時間の経過に伴うトナー粒子の分散安定性を損なうことなく、省エネルギー、低環境負荷を達成し、かつ安定的に硬化させることができる硬化型液体現像剤。
【解決手段】カチオン重合性液状モノマー、トナー粒子、及びトナー粒子分散剤を含有する硬化型液体現像剤であって、該トナー粒子が、着色剤及び酸基を有する樹脂を含有し、該トナー粒子分散剤がアミノ基を含有し、該酸基を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上40000以下であり、該酸基を有する樹脂の分子量2000以下の成分が12質量%以下であることを特徴とする、硬化型液体現像剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷等の電子写真方式を利用する画像形成装置に用いられる硬化型液体現像剤及びその製造方法に関する。
近年、電子写真方式を利用する複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の画像形成装置に対し、カラー化のニーズが高まってきている。その中で、細線画像の再現性、階調再現性、及びカラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成に優れている液体現像剤を用いた電子写真技術を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像剤の開発が求められている。
従来から液体現像剤として、炭化水素有機溶剤やシリコーンオイルなどの絶縁性液体中に着色樹脂粒子を分散させたものが知られている。しかしこのような液体現像剤は、紙やプラスチックフィルム等の記録媒体上に絶縁性液体が残存すると著しい画像品位の劣化を招いてしまうため、絶縁性液体を除去する必要がある。絶縁性液体の除去には、熱エネルギーを加えて絶縁性液体を揮発除去する方法が一般的であるが、その際装置外に揮発性有機溶剤蒸気を放散させてしまい、また、多大なエネルギーを消費するなど、環境的な観点からは必ずしも好ましいものではなかった。
この対策として、反応性官能基を持った絶縁性液体を硬化させる方法(特許文献1)が開示されている。硬化型絶縁性液体として反応性官能基を持ったモノマー又はオリゴマーを使用する本方法は、熱エネルギーを加えて絶縁性液体を揮発除去する必要がある熱定着方式と比較して、省エネルギーでの画像形成が可能である。
一方で、定着性を低下させることなく、時間の経過に伴うトナー粒子の分散安定性を向上させる方法(特許文献2)が開示されている。本方法によれば、重量平均分子量が2万以上のポリエステル樹脂を使用することによって、時間の経過に伴うトナー粒子の分散安定性を向上させることができる。
特許第3442406号公報 特開2009−251086号公報
しかしながら特許文献1の方法では、時間の経過に伴いトナー粒子の分散安定性と硬化型絶縁性液体の硬化性が低下してしまい、画像形成が困難になってしまう場合があるという課題を抱えていた。
また、特許文献2の方法では、絶縁性液体の揮発除去が必要なキャリアの使用を前提としており、絶縁性液体を硬化させる硬化型液体現像剤に適用する場合には、そもそも重合性液状モノマーの硬化が困難となってしまう場合があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、時間の経過に伴うトナー粒子の分散安定性を損なうことなく、省エネルギー、低環境負荷を達成し、かつ安定的に硬化させることができる硬化型液体現像剤、及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、カチオン重合性液状モノマーを用いた硬化型液体現像剤の安定的な硬化の
ために、カチオン重合性液状モノマーの硬化を阻害する成分の経時的な溶出を抑制することが有効であるという知見を得、本発明に至った。
すなわち、本発明は、カチオン重合性液状モノマー、トナー粒子、及びトナー粒子分散剤を含有する硬化型液体現像剤であって、
該トナー粒子が、着色剤及び酸基を有する樹脂を含有し、
該トナー粒子分散剤がアミノ基を含有し、
該酸基を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上40000以下であり、
該酸基を有する樹脂の分子量2000以下の成分が12質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明は、着色剤及び酸基を有する樹脂を含むトナー粒子、カチオン重合性液状モノマー、並びにトナー粒子分散剤を含む硬化型液体現像剤の製造方法であって、
該トナー粒子を形成する工程を含み、
該トナー粒子分散剤がアミノ基を含有し、
該酸基を有する樹脂の酸基の総数が、該トナー粒子分散剤のアミノ基の総数よりも多く、
該酸基を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上40000以下であり、
該酸基を有する樹脂の分子量2000以下の成分が12質量%以下であり、
該酸基を有する樹脂と該カチオン重合性液状モノマーのSP値の差が2.6以上であることを特徴とする硬化型液体現像剤の製造方法に関する。
本発明によれば、時間の経過に伴うトナー粒子の分散安定性を損なうことなく、省エネルギー、低環境負荷を達成し、かつ安定的に硬化させることができる硬化型液体現像剤、及びその製造方法を提供することができる。
硬化型液体現像剤を用いる画像形成装置の例 硬化型液体現像剤を用いる画像形成装置の例
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明の硬化型液体現像剤は、カチオン重合性液状モノマー、トナー粒子、及びトナー粒子分散剤を含有する硬化型液体現像剤であって、該トナー粒子が、着色剤及び酸基を有する樹脂を含有し、該トナー粒子分散剤がアミノ基を含有し、該酸基を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上40000以下であり、該酸基を有する樹脂の分子量2000以下の成分が12質量%以下であることを特徴とする。
一般に、アミノ基を有するトナー粒子分散剤は、低極性溶剤中でのトナー粒子の分散安定性維持に高い効果を発揮することが知られている。一方、カチオン重合性の硬化型液体現像剤の場合、反応を開始させるために酸を発生させるが、その発生させた酸を、トナー粒子分散剤のアミノ基がトラップしてしまい、硬化性が著しく低下してしまう場合があった。
本発明者らは、カチオン重合性の硬化型液体現像剤の時間の経過に伴うトナー粒子の分散安定性の維持と、経時による硬化性の低下について種々検討を行った。その結果、経時による硬化性の低下は、分散安定性に寄与しているトナー粒子分散剤のカチオン重合性液状モノマーへの溶出が原因であることを見出した。さらに本発明者は、トナー粒子分散剤を、分子量2000以下の成分が12質量%以下である酸基含有樹脂と組合せることにより、カチオン重合性液状モノマー中への溶出が大幅に抑制可能であることを見出し、本発明に想到した。
メカニズムの詳細に関しては、樹脂の酸基とトナー粒子分散剤のアミノ基が相互作用し、カチオン重合性モノマーへのトナー粒子分散剤の溶解度が低下する現象が起こっていると推定される。本発明の硬化型液体現像剤によれば、トナー粒子の分散安定性とカチオン重合性液状モノマーの硬化性の両立が可能となる。
さらなる硬化型液体現像剤の性能向上、すなわち、分散安定性、硬化性を向上させる観点から、カチオン重合性液状モノマーが、ビニルエーテル化合物を含有することが好ましい。
[トナー粒子]
トナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、好ましい平均粒径は0.1〜5μmであり、より好ましくは0.1〜2μmである。このような範囲であると、トナー画像の膜厚を十分に薄いものとすることができる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
トナー粒子を製造する方法としては、例えば、コアセルベーション法や湿式粉砕法等の公知の方法が挙げられる。
該コアセルベーション法では、着色剤、酸基を有する樹脂、該樹脂を溶解する溶剤、及び該樹脂を溶解しない溶剤を混合し、該混合液から該樹脂を溶解する溶剤を除去することによって、トナー粒子を製造する。
該湿式粉砕法では、着色剤と酸基を有する樹脂とを該樹脂の融点以上で混練した後に乾式粉砕し、得られた粉砕物を液体媒体中で湿式粉砕することにより、トナー粒子を製造する。
また、着色剤及び酸基を有する樹脂、並びに、液体媒体を混合し、ビーズミルなどを用いて湿式粉砕し、トナー粒子を製造する一般的な方法を用いることもできる。
トナー粒子の製造方法について、上記コアセルベーション法を例に挙げて、さらに説明する。
コアセルベーション法では、
(1)着色剤、酸基を有する樹脂、及び該樹脂を溶解する溶剤、並びにトナー粒子分散剤などの添加物を混合し、該樹脂が溶解された混合液を調製する工程、
(2)得られた混合液及び該樹脂を溶解しないカチオン重合性液状モノマーを混合し、分散機などを用いて攪拌することで、該混合液中に溶解状態で含まれていた該樹脂を、顔料が内包されるように析出させる工程、を経て、トナー粒子を製造することができる。
続いて、本発明に用いられる材料について説明する。
[着色剤]
着色剤としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料、無機顔料、又は顔料を分散媒として不溶性の樹脂などに分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したものなどを用いることができる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例は、以下の通り。
例えば、イエロー色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤又はマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、
57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青又はシアン色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色顔料の具体例としては、以下のものが挙げられる。塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の含有量は、トナー粒子に含まれる樹脂成分100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどの分散装置を用いることができる。
[樹脂]
[酸基を有する樹脂]
本発明では、トナー粒子が酸基を有する樹脂を含有することを特徴とする。酸基を有する樹脂とは、水素イオンとして電離し得る水素原子を一個以上与えることのできる原子又は原子団を有する樹脂のことであり、具体的には、カルボン酸基、スルホン酸基を有する樹脂が挙げられる。具体的には酸価が2KOHmg/g以上である。酸価がこの値以下になってしまうと、十分に効果を発揮できない場合がある。
樹脂の種類としては、酸基を有していれば特に限定されず、紙、プラスチックフィルムなどの被着体に対して定着性を有する公知の樹脂が使用できる。必要に応じ、単独又は2種以上併用することができる。
具体的には、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポ
リビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
これらの中で、トナー粒子分散剤との相互作用の観点から、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーの縮重合体がより好ましい。
アルコールモノマーとしては以下のものが挙げられる。ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン。
一方、カルボン酸モノマーとしては、以下のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
また、その他にも以下のモノマーを使用することが可能である。グリセリン、ソルビット、ソルビタン、さらには例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルなどの多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物などの多価カルボン酸類。
本発明においては、酸基を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上40000以下であり、分子量2000以下の成分が全体の12質量%以下であることを特徴とする。
当該範囲にある樹脂を用いることにより、カチオン重合性液状モノマー中へのトナー粒子分散剤の溶出が大幅に抑制可能である。メカニズムの詳細に関しては、低分子量成分を上記範囲にすることで、分子量の大きい樹脂の酸基とトナー粒子分散剤のアミノ基が相互作用することで、トナー粒子分散剤のカチオン重合性液状モノマーへの溶解性が低下したためであると推定される。
重量平均分子量が40000以上になると、粉砕時に多くのエネルギーが必要であったり、溶剤への溶解が困難になってしまったりして、トナー粒子の形成に多大なエネルギーを要してしまう場合がある。
酸基を有する樹脂の重量平均分子量は、8000以上30000以下であることが好ましい。
また、酸基を有する樹脂は、分子量2000以下の成分が全体の11質量%以下であることが好ましい。下限は特に制限されないが、好ましくは0質量%以上である。酸基を有する樹脂の、分子量2000以下の成分の量は、樹脂に用いるモノマーの種類や、樹脂合
成時の反応条件により制御できる。
また、これらの樹脂について、SP値を計算することができる。SP値(溶解度パラメーター:Solubility Parameter)とは、樹脂と溶剤との溶解性を決
める因子である。一般に極性を持つ樹脂は極性溶剤に溶けやすく、非極性溶剤には溶けにくい傾向がある。一方、非極性の樹脂は逆の傾向となる。この親和性の強さを判断する因子が溶解度パラメーター(SP値)であり、δで示される。一般的には溶剤と溶質のSP値の差が小さいほど溶解度が大となる。
SP値は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入され正則理論により定義された値であり、溶媒(あるいは溶質)の凝集エネルギー密度の平方根で示され、2成分系溶液の溶解度の目安となる。本発明におけるSP値は、コーティングの基礎と工学(53ページ、原崎勇次著、加工技術研究会)記載のFedorsによる原子及び原子団の蒸発エネルギーとモル体積から計算で求めた値である。
本発明におけるSP値の単位は、(cal/cm1/2であるが、1(cal/cm1/2=2.046×10(J/m1/2によって(J/m1/2の単位に換算することができる。
酸基を有する樹脂は、カチオン重合性モノマーへの溶解性が低い範囲から選択されることが好ましい。具体的には、酸基を有する樹脂とカチオン重合性液状モノマーのSP値の差(酸基を有する樹脂のSP値−カチオン重合性液状モノマーのSP値)が2.6以上であることが好ましい。SP値の差が2.6以上であると、カチオン重合性液状モノマー中への樹脂成分の溶出が抑制され、トナー粒子分散剤と樹脂成分とが相互作用した成分の溶出も抑制できるため、硬化させやすくなる。
酸基を有する樹脂とカチオン重合性液状モノマーのSP値の差が2.6以上7.0以下であることがより好ましく、2.9以上5.0以下であることがさらに好ましく、3.0以上5.0以下であることが特に好ましい。なお、酸基を有する樹脂のSP値は、9.0以上15.0以下であることが好ましく、9.5以上13.0以下であることがより好ましい。
また、酸基を有する樹脂の酸価は、10KOHmg/g以上100KOHmg/g以下であることが好ましく、より好ましくは10KOHmg/g以上50KOHmg/g以下である。酸価が上記範囲にあることで、トナー粒子分散剤との相互作用を促進することができる。
酸基を有する樹脂は、酸価が10KOHmg/g以上のポリエステル樹脂であることが好ましく、ポリエステル樹脂の酸基の総数が、トナー粒子分散剤のアミノ基の総数よりも多いことが好ましい。
ポリエステル樹脂の酸基の総数、トナー粒子分散剤のアミノ基の総数は以下のように算出する。
ポリエステル樹脂の酸基の総数=ポリエステル樹脂の酸価[KOHmg/g]×液体現像剤100g中のポリエステル樹脂の質量[g]
トナー粒子分散剤のアミノ基の総数=トナー粒子分散剤のアミン価[KOHmg/g]×液体現像剤100g中のトナー粒子分散剤の質量[g]
上記のようにして求めたポリエステル樹脂の酸基の総数が、トナー粒子分散剤のアミノ基の総数の1.1倍以上であることにより、ポリエステル樹脂の酸基の総数が、トナー粒子分散剤のアミノ基の総数よりも多いと判断する。
トナー粒子中の酸基を有する樹脂の含有量は、トナー粒子に含まれる樹脂成分のうち70質量%以上100質量%以下であることが好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
[トナー粒子分散剤]
トナー粒子分散剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定に分散させるものであり、アミノ基を含有していることを特徴とする。アミノ基を含有することにより、トナー粒子の経時による分散安定性が向上する。また、トナー粒子分散剤のアミン価は、アミノ基を含有していれば特に種類は限定されない。アミン価は10KOHmg/g以上200KOHmg/g以下であることが好ましく、20KOHmg/g以上100KOHmg/g以下であることがより好ましい。アミン価が上記範囲を満たすことで、酸基を有する樹脂との相互作用がより顕著になり、カチオン重合性液状モノマーへのトナー粒子分散剤の溶解が抑制される。
さらに、トナー粒子分散剤は、カチオン重合性モノマーに溶解するものであってもよいし、分散するものであってもよい。トナー粒子分散剤の市販品としては、例えば、アジスパーPB817(味の素社製)、ソルスパース11200、13940、17000、18000(日本ルブリゾール社製)等を挙げることができる。
また、このようなトナー粒子分散剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下であることが分散安定性、硬化性の維持の観点から好ましい。0.5質量部以上であると分散性が良好になり、20質量部以下であるとトナー粒子分散剤が光重合開始剤を捕捉せず、良好な硬化性を発揮する。これらトナー粒子分散剤は1種又は2種以上使用することができる。
[顔料分散剤]
顔料の分散を行う際に顔料分散剤又は顔料分散助剤を使用することも可能である。
顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、ポリエステル及びその変性物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、及び顔料誘導体などを挙げることができる。
また、Lubrizol社のSolsperseシリーズ、及び東洋紡(株)バイロン(登録商標)URシリーズなどの市販の顔料分散剤を用いることも可能である。また、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。
これらの顔料分散剤及び顔料分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜100質量部添加することが好ましい。
顔料分散剤の添加方法は特に限定されないが、顔料を溶剤に分散する際に添加することが顔料分散性の観点から好ましい。
[カチオン重合性液状モノマー]
カチオン重合性液状モノマーは、通常の絶縁性液体と同様の物性値を有するように調製して使用することが好ましい。具体的には、体積抵抗率が1×10〜1×1013Ωcmであることが好ましい。粘度は25℃において0.5mPa・s以上100mPa・s未満程度が好ましく、より好ましくは0.5mPa・s以上20mPa・s未満程度である。体積抵抗率が上記範囲であると、静電潜像の電位が降下しにくく高い光学濃度を得られ、画像ボケを抑制できる。粘度が上記範囲であると、トナー粒子の電気泳動速度が低下しにくく、良好なプリント速度を維持できる。
また、カチオン重合性液状モノマーは、酸基を有する樹脂の溶解性が低い範囲から選択されることが好ましい。具体的には、上記の通り、酸基を有する樹脂とカチオン重合性液状モノマーのSP値の差が2.6以上であることが好ましい。
具体的なカチオン重合性液状モノマーとしては、エポキシやオキセタンなどの環状エーテルモノマー、ビニルエーテル化合物等を挙げることができる。その中でも、ビニルエーテル化合物を用いることが好ましい。ビニルエーテル化合物は、分子内の電子密度の偏りが少ないためか、トナー粒子分散剤の溶出が抑制され、経時的に安定な硬化が可能な硬化型液体現像剤を得ることができる。
カチオン重合性液状モノマーがビニルエーテル基以外にヘテロ原子を有しないビニルエーテル化合物であることがより好ましい。ここでヘテロ原子とは炭素原子と水素原子以外の原子のことをいう。ビニルエーテル化合物中にヘテロ原子が存在しない場合、ヘテロ原子と炭素原子の電気陰性度の差による分子内の電子密度の偏りが生じないため、トナー粒子分散剤の溶出を抑制でき、硬化性が良好になる。
さらに、カチオン重合性液状モノマーがビニルエーテル基以外に炭素−炭素二重結合を有しないビニルエーテル化合物であることも好ましい態様の一つである。炭素−炭素二重結合が存在しない場合、電子密度の偏りが生じにくくトナー粒子分散剤の溶出を抑制でき、硬化性が良好になる。
ビニルエーテル化合物が下記式(1)で表されることが好ましい。
[式(1)中、nは、一分子中のビニルエーテル構造の数を示し、1〜4の整数である。Rはn価の炭化水素基である。]
nは、1〜3の整数が好ましい。
Rは、好ましくは、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜12の飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、及び炭素数6〜14の芳香族炭化水素基から選択される基であり、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基は、炭素数1〜4の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を有していてもよい。
Rは、より好ましくは炭素数4〜18の直鎖又は分岐の飽和脂肪族炭化水素基である。
カチオン重合性液状モノマー中のビニルエーテル化合物の含有量は、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%であり、さらに好ましくは90〜100質量%である。
ビニルエーテル化合物の具体例〔例示化合物B−1〜B−31〕を以下に挙げるが、これらの例に制限されるものではない。
これらのなかでも特に好ましいものとして、ドデシルビニルエーテル(B−3)、ジシクロペンタジエンビニルエーテル(B−8)、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(B−17)、トリシクロデカンビニルエーテル(B−10)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル(B−24)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジビニルエーテル(B−25)、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル(B−26)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル(B−27)、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル(B−23)、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル(B−28)、1,2−デカンジオールジビニルエーテル(B−30)、1,12−オクタデカンジオールジビニルエーテル(B−31)などが挙げられる。
[光重合開始剤]
硬化型液体現像剤には光重合開始剤を用いてもよい。光重合開始剤とは、所定の波長の光を感知して酸及びラジカルを発生するための化合物である。このような化合物のうち、光カチオン重合開始剤としては、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステ
ル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明において光カチオン重合開始剤を使用する場合、紫外線硬化型液体の体積抵抗率の低下が少ない、下記式(6)で表される光重合開始剤を用いることがより好ましい。
[式(6)中、RとRは互いに結合して環構造を形成する。xは1〜8の整数を表し、yは3〜17の整数を表す。]
上記RとRとが結合して形成される環構造としては、5員環、6員環を例示することができる。上記RとRとが結合して形成される環構造の具体例として、コハク酸イミド構造、フタル酸イミド構造、ノルボルネンジカルボキシイミド構造、ナフタレンジカルボキシイミド構造、シクロヘキサンジカルボキシイミド構造、エポキシシクロヘキセンジカルボキシイミド構造などが例示できる。
また、該環構造は、置換基として、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルキルオキシ基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数1〜14のアリール基、炭素数1〜14のアリールオキシ基、炭素数1〜14のアリールチオ基などを有してもよい。さらに、置換基を有していてもよい脂環、複素環及び芳香環などの他の環構造が縮合していてもよい。
一般式(6)中のCとしては、水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)、水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)、水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)、及び水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)が挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)としては、例えば、トリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、ノナフルオロブチル基(x=4,y=9)、パーフルオロヘキシル基(x=6,y=13)、及びパーフルオロオクチル基(x=8,y=17)等が挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)としては、例えば、パーフルオロイソプロピル基(x=3,y=7)、パーフルオロ−tert−ブチル基(x=4,y=9)、及びパーフルオロ−2−エチルヘキシル基(x=8,y=17)等が挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)としては、例えば、パーフルオロシクロブチル基(x=4,y=7)、パーフルオロシクロペンチル基(x=5,y=9)、パーフルオロシクロヘキシル基(x=6,y=11)、及びパーフルオロ(1−シクロヘキシル)メチル基(x=7,y=13)等が挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)、及び3−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル基(x=7,y=7)等が挙げられる。
一般式(6)中のCのうち、入手のしやすさ、及びおスルホン酸エステル部分の分解性の観点から、好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2
)、及びアリール基(RF4)、さらに好ましくは直鎖アルキル基(RF1)、及びアリール基(RF4)、特に好ましくはトリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、セプタフルオロプロピル基(x=3,y=7)、ノナフルオロブチル基(x=4,y=9)、及びペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)である。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。硬化型液体現像剤中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、カチオン重合性液状モノマー100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜1質量部、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部である。
上記式(6)で表される光重合開始剤の具体例〔例示化合物A−1〜A−27〕を以下に挙げるが、これらの例に制限されるものではない。
[添加剤]
本発明の硬化型液体現像剤には、必要に応じ下記のような添加剤を用いることもできる。
[増感剤]
硬化型液体現像剤には、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化等の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであればよい。
好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、光酸発生剤1質量部に対し好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
また、硬化型液体現像剤には、さらに上記増感剤と光重合開始剤の間の電子移動効率又はエネルギー移動効率を向上する目的で増感助剤を添加してもよい。具体的な増感助剤の例としては、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、4−メトキシ−1−ナフトール、4−エトキシ−1−ナフトールなどのナフタレン化合物、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼン、1−メトキシ−4−フェノール、1−エトキシ−4−フェノールなどのベンゼン化合物などが挙げられる。
これらの増感助剤の添加量は目的に応じて適宜選択されるが、増感剤1質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。
[カチオン重合禁止剤]
硬化型液体現像剤には、カチオン重合禁止剤を添加することもできる。カチオン重合禁止剤としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物又は、アミン類を挙げることができる。
アミンとして好ましくは、アルカノールアミン類、N,N−ジメチルアルキルアミン類、N,N−ジメチルアケニルアミン類、N,N−ジメチルアルキニルアミン類などが挙げられる。
具体的には、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールア
ミン、N−エチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、2−アミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、3−メチルアミノ−1−プロパノール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−エチルアミノエタノール、4−エチルアミノ−1−ブタノール、4−(n−ブチルアミノ)−1−ブタノール、2−(t−ブチルアミノ)エタノール、N,N−ジメチルウンデカノール、N,N−ジメチルドデカノールアミン、N,N−ジメチルトリデカノールアミン、N,N−ジメチルテトラデカノールアミン、N,N−ジメチルペンタデカノールアミン、N,N−ジメチルノナデシルアミン、N,N−ジメチルイコシルアミン、N,N−ジメチルエイコシルアミン、N,N−ジメチルヘンイコシルアミン、N,N−ジメチルドコシルアミン、N,N−ジメチルトリコシルアミン、N,N−ジメチルテトラコシルアミン、N,N−ジメチルペンタコシルアミン、N,N−ジメチルペンタノールアミン、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、N,N−ジメチルヘプタノールアミン、N,N−ジメチルオクタノールアミン、N,N−ジメチルノナノールアミン、N,N−ジメチルデカノールアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルトリデシルアミン、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルペンタデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチルヘプタデシルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミンが挙げられる。これらの他にも、4級アンモニウム塩なども使用することができる。カチオン重合禁止剤としては、特に、2級アミンが好ましい。
カチオン重合禁止剤の含有量は硬化型液体現像剤中に、質量基準で10〜5000ppmであることが好ましい。
[荷電制御剤]
硬化型液体現像剤は、必要に応じて荷電制御剤を含んでもよい。荷電制御剤としては、公知のものが利用できる。具体的な化合物としては、以下のものが挙げられる。
亜麻仁油、大豆油などの油脂;アルキド樹脂、ハロゲン重合体、芳香族ポリカルボン酸、酸性基含有水溶性染料、芳香族ポリアミンの酸化縮合物、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;レシチンなどの燐脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、ヒドロキシ安息香酸誘導体など。
[その他の添加剤]
硬化型液体現像剤には、上記以外に、必要に応じて、記録媒体適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、界面活性剤、滑剤、充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができる。
<硬化型液体現像剤の製造方法>
硬化型液体現像剤の製造方法は特に制限されない。少なくともトナー粒子を形成する工程を含むことが好ましい。トナー粒子を形成する方法としては、前述のコアセルベーション法や湿式粉砕法、ミニエマルション重合法などの公知の方法が挙げられる。粒子径、分散安定性の観点から、コアセルベーション法が好ましい。
すなわち、酸基を有する樹脂を溶解することができる溶剤中に、着色剤、酸基を有する樹脂、及びトナー粒子分散剤、並びに必要に応じて顔料分散剤などの添加剤を溶解、又は分散させ、分散液を得る工程、
得られた分散液に該酸基を有する樹脂を溶解しないカチオン重合性液状モノマーを混合して混合液を得る工程、及び
該混合液から該溶剤を留去してトナー粒子を得る工程を含む方法が好ましい。
該混合工程において、該混合液中に溶解状態で含まれていた酸基を有する樹脂を、析出(すなわち、二相分離)させることが好ましい。そのため、混合工程において酸基を有する樹脂が二相分離する量のカチオン重合性液状モノマーを混合することが好ましい。
酸基を有する樹脂を析出させ、得られたトナー粒子の分散液に、必要に応じて光重合開始剤、及び荷電制御剤などの添加剤を加えて、硬化型液体現像剤を得ることができる。
硬化型液体現像剤中のトナー粒子濃度は、用いる画像形成装置に応じて、任意に調整して用いることができるが、1質量%以上70質量%以下程度にするとよい。
上記溶剤としては、酸基を有する樹脂を溶解する溶剤であれば特に限定されない。例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルムなどのハロゲン化物類を挙げることができる。さらに、樹脂の溶解能力がある場合には、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類であってもよい。
「酸基を有する樹脂を溶解する」か否かの判断は、例えば、溶剤又はカチオン重合性液状モノマー100質量部(25℃)に対し、溶解する樹脂が1質量部以下である場合に「溶解しない」と判断する。溶剤のSP値は、好ましくは8.7以上13.8以下であり、より好ましくは8.8以上12.5以下である。
[画像形成装置]
硬化型液体現像剤は、電子写真方式の一般の画像形成装置において好適に使用できる。
[紫外線光源]
硬化型液体現像剤は、記録媒体への転写後速やかに紫外線が照射され、硬化することによって画像が定着されることが好ましい。
ここで、紫外線を照射するための光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザ、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプ、ブラックライト、又はLEDが好ましい。
紫外線の照射量は、0.1〜1000mJ/cmであることが好ましい。
[分子量測定]
酸基を有する樹脂の分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、ポリスチレン換算で算出される。SECによる分子量の測定は以下に示すように行った。
サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:MIXED−Cの2連
溶離液:THF(トリフルオロ酢酸ナトリウム塩添加)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.025ml
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500]により作成した分子量校正曲線を使用した。
[酸基を有する樹脂の分子量2000以下の成分の含有量の測定]
上記[分子量測定]にて用いた測定データを用いて、酸基を有する樹脂の分子量の全体成
分のうちの分子量2000以下の成分の含有率を求める。
[酸価測定]
酸基を有する樹脂の酸価は以下の方法により求められる。
基本操作はJIS K−0070に基づく。
1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
2)50mlのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mlを加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」等が利用できる。]。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOH溶液のファクターである。
[アミン価測定]
トナー粒子分散剤のアミン価は以下の方法により求められる。
基本操作はASTM D2074に基づく。
1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
2)50mlのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(3/1)の混合液25mlを加え溶解する。
3)0.1mol/lのHClのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」などが利用できる。]。
4)この時のHCl溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のHClの使用量をB(ml)とする。
5)次式によりアミン価を計算する。fはHCl溶液のファクターである。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味するものとする。
[実施例1]
<コアセルベーション法による硬化型液体現像剤の製造>
<顔料分散液製造工程>
<顔料分散液1の製造例>
ピグメントブルー15:3(30部)、バイロンUR4800(東洋紡(株)製、樹脂濃度32%)(47部)、テトラヒドロフラン(255部)、ガラスビーズ(φ1mm)(130部)を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、
メッシュで濾過し、混練物を得た。
上記で得られた混練物180部、酸基を有する樹脂1[(モル比);ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:エチレングリコール:ネオペンチルグリコール:テレフタル酸:イソフタル酸=6:3:1:5:5のポリエステル樹脂、Tg:59℃、Tm:105℃、SP値:11.7(cal/cm3)1/2、酸価:15KOHmg/g、重量平均分子量:1.8×10、分子量2000以下の低分子量成分=11%]の50%テトラヒドロフラン溶液126部、トナー粒子分散剤1
(アジスパーPB−817、味の素ファインテクノ(株)製、アミン価15KOHmg/g)10部を高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)で混合し、40℃で攪拌しながら混合し、顔料分散液1を得た。
<混合工程>
<混合液1の製造例>
上記で得られた顔料分散液1の100質量部に、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて高速攪拌(回転数25000rpm)しながら、カチオン重合性液状モノマーであるドデシルビニルエーテル(DDVE、SP値:8.1(cal/cm1/2)100質量部を少しずつ添加し、混合液1を得た。
<留去工程>
上記で得られた混合液1をナスフラスコに移し、超音波分散しながら50℃でテトラヒドロフランを完全に留去し、トナー粒子分散体1を得た。
<硬化型液体現像剤調製工程>
<硬化型液体現像剤1の製造例>
得られたトナー粒子分散体1の10部を遠心分離処理し、上澄み液をデカンテーションにより除去し、除去した上澄み液と同じ質量の新たなドデシルビニルエーテル(DDVE)にて置換、再分散した。その後、電荷制御剤として水素添加レシチン(レシノールS−10、日光ケミカルズ株式会社製)0.10部、カチオン重合性液状モノマーとして例示化合物B−27(BEPDVE、SP値:8.1(cal/cm1/2)を80.00部、重合開始剤として例示化合物A−26(0.30部)、増感剤として、2,4−ジエチルチオキサントン0.50部、及び、増感助剤として、1,4−ジエトキシナフタレン0.50部を混合し、硬化型液体現像剤1を得た。
[実施例2]
硬化型液体現像剤1の製造例において、遠心分離処理し、上澄み液をデカンテーションにより除去した後、添加するドデシルビニルエーテル(DDVE)を1,12−オクタデカンジオールジビニルエーテル(ODDVE、SP値:8.2(cal/cm1/2)に変更し、その後添加する化合物B−27(BEPDVE)も1,12−オクタデカンジオールジビニルエーテルに変更した以外は、実施例1と同様にして硬化型液体現像剤2を得た。
[実施例3]
硬化型液体現像剤1の製造例において、重合開始剤として例示化合物A−26の量を0.45部に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化型液体現像剤3を得た。
[実施例4]
硬化型液体現像剤1の製造例において、重合開始剤として例示化合物をA−23に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化型液体現像剤4を得た。
[実施例5]
硬化型液体現像剤1の製造例において、重合開始剤として例示化合物をA−6に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化型液体現像剤5を得た。
[実施例6]
硬化型液体現像剤1の製造例において、酸基を有する樹脂1を、酸基を有する樹脂2[(モル比);ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:エチレングリコール:ネオペンチルグリコール:テレフタル酸:イソフタル酸=6:2:2:5:5のポリエステル樹脂、Tg:61℃、Tm:109℃、SP値:11.6(cal/cm1/2、酸価:17KOHmg/g、重量平均分子量:3.8×10、分子量2000以下の低分子量成分=10%]に変更した以外は、実施例1と同
様にして硬化型液体現像剤6を得た。
[実施例7]
硬化型液体現像剤1の製造例において、酸基を有する樹脂1を、酸基を有する樹脂3[(モル比);ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:エチレングリコール:ネオペンチルグリコール:テレフタル酸:イソフタル酸=6:2:2:5:5のポリエステル樹脂、Tg:57℃、Tm:101℃、SP値:11.6(cal/cm1/2、酸価:13KOHmg/g、重量平均分子量:5.5×10、分子量2000以下の低分子量成分=12%]に変更した以外は、実施例1と同
様にして硬化型液体現像剤7を得た。
[実施例8]
<湿式粉砕法による硬化型液体現像剤の製造>
酸基を有する樹脂1:63部、・顔料(ピグメントブルー15:3):9部、溶剤を除去した顔料分散剤(UR4800:東洋紡(株)製):18部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用い溶融混練を行ない、得られた混合物を冷却、粗粉砕して粗粉砕トナー粒子を得た。次いで、ドデシルビニルエーテル(DDVE)80部、上記で得られた粗粉砕トナー粒子20部、トナー粒子分散剤(アジスパーPB−817;味の素(株)製)4.5部を、サンドミルにより24時間混合することにより、トナー粒子分散体8を得た。
得られたトナー粒子分散体7(10部)を遠心分離処理し、上澄み液をデカンテーションにより除去し、除去した上澄み液と同じ質量の新たなDDVEにて置換、再分散した。その後、電荷制御剤として水素添加レシチン(レシノールS−10、日光ケミカルズ株式会社製)0.10部、カチオン重合性液状モノマーとして例示化合物B−27(BEPDVE、SP値:8.1(cal/cm1/2)を80.00部、重合開始剤として例示化合物A−26(0.30部)、増感剤として、2,4−ジエチルチオキサントン0.50部、及び、増感助剤として、1,4−ジエトキシナフタレン0.50部を混合し、硬化型液体現像剤8を得た。
[実施例9]
実施例8において、遠心分離処理し、上澄み液をデカンテーションにより除去した後、添加するドデシルビニルエーテル(DDVE)を1,12−オクタデカンジオールジビニルエーテル(ODDVE、SP値:8.2(cal/cm1/2)に変更し、その後添加する化合物B−27(BEPDVE)も1,12−オクタデカンジオールジビニルエーテルに変更した以外は、同様にして硬化型液体現像剤9を得た。
[実施例10]
実施例8において、添加するカチオン重合性液状モノマーとして、例示化合物B−27を、例示化合物B−18(SP値:8.6(cal/cm1/2)に変更した以外は、同様にして硬化型液体現像剤10を得た。
[実施例11]
実施例8において、添加するカチオン重合性液状モノマーとして、例示化合物B−27
を、OXT−221(オキセタン、SP値:8.8(cal/cm1/2)に変更した以外は、同様にして硬化型液体現像剤11を得た。
[実施例12]
実施例11において、酸基を有する樹脂1を、酸基を有する樹脂4[(モル比);ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:ネオペンチルグリコール:テレフタル酸:フマル酸=7:3:5:5のポリエステル樹脂、Tg:59℃、Tm:99℃、SP値:11.2(cal/cm1/2、酸価:13KOHmg/g、重量平均分子量:8.8×10、分子量2000以下の低分子量成分=11%]に変更した以外は、同様にして硬化型液体現像剤12を得た。
[実施例13]
実施例12において、使用する樹脂を、酸基を有する樹脂4(60質量%)、酸基を有しない樹脂[(モル比);ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:テレフタル酸:イソフタル酸=10:5:5のポリエステル樹脂、Tg:58℃、Tm:109℃、SP値:11.4(cal/cm1/2、酸価:2KOHmg/g未満、重量平均分子量:1.5×10、分子量2000以下の低分子量成分=12%](40質量%)に変更した以外は、同様にして硬化型液体現像剤13を得
た。
[実施例14]
実施例11において、酸基を有する樹脂1を、酸基を有する樹脂5[(モル比);スチレン:アクリル酸=4:1、SP値:11.0(cal/cm1/2]、酸価:5KOHmg/g、重量平均分子量:2.0×10、分子量2000以下の低分子量成分=11%]に変更した以外は、同様にして硬化型液体現像剤14を得た。
[比較例1]
実施例10において、酸基を有する樹脂1を、酸基を有する樹脂6[(モル比);ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:テレフタル酸:イソフタル酸=10:5:5のポリエステル樹脂、Tg:61℃、Tm:111℃、SP値:11.4(cal/cm1/2、酸価:5KOHmg/g、重量平均分子量:1.8×10、分子量2000以下の低分子量成分=17%]に変更した以外は、
同様にして硬化型液体現像剤15を得た。
[比較例2]
実施例10において、酸基を有する樹脂1を、酸基を有しない樹脂[(モル比);ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:テレフタル酸:イソフタル酸=10:5:5のポリエステル樹脂、Tg:58℃、Tm:109℃、SP値:11.4(cal/cm1/2、酸価:2KOHmg/g未満、重量平均分子量:1.5×10、分子量2000以下の低分子量成分=12%]に変更した以外
は、同様にして硬化型液体現像剤16を得た。
[比較例3]
実施例8において、トナー粒子分散剤をアジスパーPB−817(味の素(株)製)から、ソルスパース3000(ルーブリゾール社製)に変更し、添加する化合物B−27(BEPDVE)をOXT−221(オキセタン、SP値:8.8(cal/cm1/2)に変更した以外は、同様にして硬化型液体現像剤17を得た。
[比較例4]
実施例10において、酸基を有する樹脂1を、酸基を有する樹脂7[(モル比);ポリ
オキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:テレフタル酸:イソフタル酸=10:5:5のポリエステル樹脂、Tg:65℃、Tm:111℃、SP値:11.4(cal/cm1/2、酸価:5KOHmg/g、重量平均分子量:4.8×10、分子量2000以下の低分子量成分=9%]に変更した以外は、同
様にして硬化型液体現像剤18を得た。
[評価]
以下のような評価方法により各液体現像液を評価した。結果を表1に示す。
[画像形成]
得られた硬化型液体現像剤を、図1及び図2に示す画像形成装置を用いて、画像をポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に形成し、得られた画像の良否を確認した。
具体的な手順は、以下の通りである。
(1)現像ローラ53、感光体52、一次転写ローラ61が離間され、非接触の状態で、図1の矢印の方向に回転差駆動させる。このときの回転速度は250mm/secとした。
(2)現像ローラ53と感光体52とを押し圧5N/cmで接触させ、DC電源を用いてバイアスを設定した。現像バイアスは200Vとした。
(3)感光体52、一次転写ローラ61を押し圧一定で接触させ、DC電源を用いてバイアスを設定した。転写バイアスは1000Vとした。
(4)二次転写ユニット30、二次転写ローラ31を押し圧一定で接触させ、DC電源を用いてバイアスを設定した。転写バイアスは1000Vとした。
(5)硬化型液体現像剤を現像液タンク10に供給し、記録媒体80としてOKトップコート(王子製紙製)の一部にポリエチレンテレフタレート(PET)シート(帝人化成製、パンライト:PC−2151、厚み0.3mm)を貼付したものを用いて、PETシート上に全面印刷のベタ画像を形成し評価した。画像の良否は目視で確認した。
(評価基準)
5:高濃度で均一なベタ画像が得られた
4:濃度ムラや画像ボケは観察されず、良好な画像が得られた
3:若干の濃度ムラ、又は若干の画像ボケが見られたが、概ね良好な画像が得られた
2:激しい濃度ムラや画像ボケが発生し、現像不十分な箇所が観察され、装置内のクリーニングが必要であった
1:ほぼ現像できず、装置内のクリーニングが必要であった
[分散安定性]
硬化型液体現像剤を40℃で1ヶ月間保存した。保存前後のトナー粒子の粒子径をマイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用いて0.001μm〜10μmのレンジ設定で測定を行い、個数平均粒子径として測定した。トナー粒子の分散安定性を、保存前後のトナー粒子径の比(保存後のトナー粒子径/保存前のトナー粒子径)として評価した。
以下に、分散安定性の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5:(保存前後のトナー粒子径の比)≦1.1
4:1.1<(保存前後のトナー粒子径の比)≦1.2
3:1.2<(保存前後のトナー粒子径の比)≦1.5
2:1.5<(保存前後のトナー粒子径の比)≦2.0
1:2.0<(保存前後のトナー粒子径の比)
[硬化性(初期及び5日後)]
室温25℃、湿度30%の環境下において、ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人化成製、パンライト:PC−2151、厚み0.3mm)上に、硬化型液体現像剤を滴下し、ワイヤーバー(No.6)[供給先:松尾産業株式会社]を用いてバーコートを行
い、(形成された膜厚8.0μm)、ランプ出力120mW/cmの高圧水銀ランプにより波長365nmの光を、5段階の照射光量を照射した。表面にタック(粘着性)がなく完全に硬化した時の照射光量を確認し、以下の基準で評価した。
また、室温25℃、湿度30%の環境に硬化型液体現像剤を5日間放置した後、同様に評価した。
5:100mJ/cm
4:200mJ/cm
3:400mJ/cm
2:1,000mJ/cm
1:2,000mJ/cmで硬化、又は硬化せず
上記画質、分散安定性、並びに初期段階及び5日後の硬化性のランクがすべて3以上のものを合格とした。これらの評価結果を表2に示す。

表中、「酸基/アミノ基」は、ポリエステル樹脂の酸基の総数/トナー粒子分散剤のアミノ基の総数の値を示す。
表2の結果から、従来技術である比較例1〜3と比べ、本発明の実施例はトナー粒子の分散安定性を損なうことなく、時間の経過によっても安定的に硬化させることができる。
10C、10M、10Y、10K:現像液容器、11C:製膜対向電極、12C:回収ユニット、13C、13M、13Y、13K:現像液供給ポンプ、14C:現像液回収ポンプ、20:プリウエットローラ、21:プリウエット対向ローラ、30:二次転写ユニット、31:二次転写ローラ、40:中間転写ベルト、41:ベルト駆動ローラ、42:従動ローラ、50C、50M、50Y、50K:画像形成ユニット、51C、51M、51Y、51K:現像ユニット、52C、52M、52Y、52K:感光体、53C:現像ローラ、54C:濃縮ローラ、55C:クリーニングローラ、56C:露光ユニット、57C:帯電ユニット、58C:除電ユニット、59C:回収ブレード、60C、60M、60Y、60K:一次転写ユニット、61C、61M、61Y、61K:一次転写ローラ、80:記録媒体、90:現像剤硬化ユニット

Claims (8)

  1. カチオン重合性液状モノマー、トナー粒子、及びトナー粒子分散剤を含有する硬化型液体現像剤であって、
    該トナー粒子が、着色剤及び酸基を有する樹脂を含有し、
    該トナー粒子分散剤がアミノ基を含有し、
    該酸基を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上40000以下であり、
    該酸基を有する樹脂の分子量2000以下の成分が12質量%以下であることを特徴とする、硬化型液体現像剤。
  2. 前記酸基を有する樹脂は、酸価が10KOHmg/g以上のポリエステル樹脂であり、
    該ポリエステル樹脂の酸基の総数が、前記トナー粒子分散剤のアミノ基の総数よりも多い請求項1に記載の硬化型液体現像剤。
  3. 前記トナー粒子中の前記酸基を有する樹脂の含有量が、トナー粒子に含まれる樹脂成分のうち、70質量%以上100質量%以下である請求項1又は2に記載の硬化型液体現像剤。
  4. 前記酸基を有する樹脂と、前記カチオン重合性液状モノマーのSP値の差(酸基を有する樹脂のSP値−カチオン重合性液状モノマーのSP値)が2.6以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化型液体現像剤。
  5. 前記カチオン重合性液状モノマーがビニルエーテル化合物を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化型液体現像剤。
  6. 前記ビニルエーテル化合物が下記一般式(1)で表される請求項5に記載の硬化型液体現像剤。
    [式(1)中、nは1〜4の整数であり、Rはn価の炭化水素基である。]
  7. 着色剤及び酸基を有する樹脂を含むトナー粒子、カチオン重合性液状モノマー、並びにトナー粒子分散剤を含む硬化型液体現像剤の製造方法であって、
    該トナー粒子を形成する工程を含み、
    該トナー粒子分散剤がアミノ基を含有し、
    該酸基を有する樹脂の酸基の総数が、該トナー粒子分散剤のアミノ基の総数よりも多く、
    該酸基を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上40000以下であり、
    該酸基を有する樹脂の分子量2000以下の成分が12質量%以下であり、
    該酸基を有する樹脂と該カチオン重合性液状モノマーのSP値の差が2.6以上であることを特徴とする硬化型液体現像剤の製造方法。
  8. 前記トナー粒子を形成する工程が、
    前記酸基を有する樹脂を溶解することができる溶剤中に、前記着色剤、前記酸基を有する樹脂、及び前記トナー粒子分散剤を溶解又は分散させ、分散液を得る工程、
    得られた分散液に前記酸基を有する樹脂を溶解しない前記カチオン重合性液状モノマーを混合して混合液を得る工程、及び
    該混合液から該溶剤を留去してトナー粒子を得る工程を含む請求項7に記載の硬化型液体現像剤の製造方法。
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