JP2016224405A - 液体現像剤の製造方法 - Google Patents

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Waka Hasegawa
和香 長谷川
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Makoto Natori
良 名取
彩乃 増田
Ayano Masuda
彩乃 増田
伊藤 淳二
Junji Ito
淳二 伊藤
愛知 靖浩
Yasuhiro Aichi
靖浩 愛知
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潤 白川
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Abstract

【課題】液体現像剤中でのトナー粒子の粒子径が小さく、トナー粒子の粒度分布が狭く、現像性が良好である液体現像剤の製造方法を提供すること。
【解決手段】着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、絶縁性液体(a)を含有する液体現像剤の製造方法であって、着色剤、バインダー樹脂、絶縁性液体(a)、溶剤(b)、及び、分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、混合液から溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、バインダー樹脂が、溶剤(b)に溶解し、かつ、絶縁性液体(a)に溶解しないものであり、分散剤が、絶縁性液体(a)及び溶剤(b)の両方に溶解するものであり、バインダー樹脂が、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有する高分子Aを含有することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷などの電子写真方式を利用する画像形成装置に用いられる液体現像剤の製造方法に関する。
従来から、地域広告や企業内配布資料、大型ポスターのようにある程度の部数を必要とする印刷物の製造には、版を利用した印刷機が用いられてきた。近年、こうした従来の印刷機に代わって、多様化するニーズに迅速に対応できるとともに、在庫を圧縮することが可能なオンデマンド印刷機が利用されつつある。そのようなオンデマンド印刷機としては、乾式現像剤や液体現像剤を用いた電子写真印刷機や高速及び高画質印刷が可能なインクジェットプリンタが期待されている。
乾式現像剤は、固体状態の現像剤を取り扱うので、取り扱い上の有利さにより、現在、現像剤の主流を占めている。しかしながら、乾式現像剤においては、温度や湿度などの環境変化による画像劣化防止の観点から帯電性の環境安定性に問題があり、且つ乾式現像剤では保存時などにおける着色樹脂粒子の凝集が起こりやすく着色樹脂粒子を分散した際の均一性などに問題があった。またこれらの特性は、高解像度を目指し、着色樹脂粒子径を比較的小さくした場合には、上述したような粉体であることによる問題がさらに顕著なものとなる。
一方、液体現像剤では、担体液として電気絶縁性液体を用いることから、乾式現像剤に比べ、保存時における液体現像剤中での着色樹脂粒子の凝集という問題が生じにくく、微細なトナーを用いることができる。その結果、液体現像剤は、乾式現像剤に比べ細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。これらの優れた特長を生かした、液体現像剤を用いた電子写真技術を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像剤の開発が求められている。
従来から、コアセルベーション法を利用して製造した、酸価が1〜100である酸基含有樹脂を含む着色樹脂粒子を絶縁性炭化水素系分散媒体中に分散させた液体現像剤が開示されている(特許文献1)。
特許第4977034号公報
薄膜で高画質を得るには、トナー粒子径が小さく、粒度分布がシャープであることが求められるが、特許文献1に開示されている液体現像剤中のトナーの粒子径は最大で3マイクロメートルであり、粒度分布も1マイクロメートルから3マイクロメートルであることから、薄膜で高画質を得るには十分ではない。
本発明は、液体現像剤中でのトナー粒子の粒子径が小さく、トナー粒子の粒度分布が狭く、現像性が良好である液体現像剤の製造方法を提供する。
本発明は、
着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、絶縁性液体(a)を含有する液体現像剤の製造方法であって、
該着色剤、該バインダー樹脂、該絶縁性液体(a)、溶剤(b)、及び、該分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、
該混合液から該溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、
該バインダー樹脂が、該溶剤(b)に溶解し、かつ、該絶縁性液体(a)に溶解しないものであり、
該分散剤が、該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解するものであり、
該バインダー樹脂が、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有する高分子Aを含有することを特徴とする液体現像剤の製造方法である。
本発明によれば、液体現像剤中でのトナー粒子の粒子径が小さく、トナー粒子の粒度分布が狭く、現像性が良好である液体現像剤の製造方法を提供することができる。
現像装置の概略図
本発明は、
着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、絶縁性液体(a)を含有する液体現像剤の製造方法であって、
該着色剤、該バインダー樹脂、該絶縁性液体(a)、溶剤(b)、及び、該分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、
該混合液から該溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、
該バインダー樹脂が、該溶剤(b)に溶解し、かつ、該絶縁性液体(a)に溶解しないものであり、
該分散剤が、該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解するものであり、
該バインダー樹脂が、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有する高分子Aを含有することを特徴とする液体現像剤の製造方法である。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
以下、各材料について詳細に説明する。
<バインダー樹脂>
本発明において、トナー粒子はバインダー樹脂を含有する。該バインダー樹脂として、紙、プラスチックフィルムなどの被着体に対して定着性を有する公知のバインダー樹脂が使用できる。
該バインダー樹脂は、溶剤(b)に溶解し、かつ、絶縁性液体(a)に溶解しないものであれば特に限定されるものではない。
例えば、エポキシ樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エチレン−(メタ)アクリル樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル樹脂などのビニル樹脂;ロジン変性樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ケイ素樹脂;フェノール樹脂などの樹脂などが挙げられる。なお、これらの樹脂を2種以上併用してもよい。
本発明において、バインダー樹脂は、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましく、ポリエステル樹脂及びビニル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つを用いることがより好ましい。
また、バインダー樹脂がポリエステル樹脂を含有し、該バインダー樹脂中のポリエステル樹脂の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることが
より好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
該ポリエステル樹脂は、ジオールとジカルボン酸との縮重合物であることが好ましい。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体及び/又はプロピレンオキサイド付加体などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フマル酸などが挙げられる。
ビニル樹脂に用いるモノマーとしては、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
<高分子A>
本発明において、バインダー樹脂は、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有する高分子Aを含有する。なお、バインダー樹脂は、スルホン酸のアルカリ金属塩基、及びアルカリ土類金属塩基を有する高分子Aを含有してもよい。
スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基(−SOM基)における金属原子Mとしては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどである。
該スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を高分子に導入する方法としては、原料の一部にスルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有する化合物を使用する方法、スルホン酸基を有する化合物を使用して高分子を合成したのち、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物で中和する方法など、公知の方法を用いることができる。
高分子Aの種類は特に限定されるものではなく、例えばエポキシ樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エチレン−(メタ)アクリル樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル樹脂などのビニル樹脂;ロジン変性樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ケイ素樹脂;フェノール樹脂などの樹脂などが挙げられる。なお、これらの樹脂を2種以上併用してもよい。
高分子Aがビニル樹脂の場合、用いるモノマーとしては、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基をビニル樹脂に導入する方法としては、例えば原料の一部にビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸ナトリウム、4−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど、公知のビニル化合物を用いるとよい。
高分子Aがポリエステル樹脂の場合、該ポリエステル樹脂は、ジオールとジカルボン酸との縮重合物であることが好ましい。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体及び/又はプロピレンオキサイド付加体などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フマル酸などが挙げられる。
スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基をポリエステル樹脂に導入する方法としては、公知の構造であれば特に限定されないが、例えばジカルボン酸原料の一部に、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、又はその誘導体などを使用する方法などが挙げられる。
高分子Aを構成する全単量体単位における、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有する化合物由来の単量体単位の含有量は、0.2質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下であることがよ
り好ましい。なお、「単量体単位」とは、高分子中の単量体物質の反応した形態をいう。
本発明において、高分子Aはポリエステル構造を含有することが好ましい。これは、ポリエステル構造の、絶縁性液体(a)への溶解性と溶剤(b)への溶解性の差が大きいからである。
高分子Aは、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有するポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる重合体であることがより好ましい。
これは、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有するポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる重合体の、絶縁性液体(a)への溶解性と溶剤(b)への溶解性の差がさらに大きいからである。
該高分子Aの数平均分子量(Mn)は、10000以上30000以下であることが好ましく、10000以上25000以下であることがより好ましく、10000以上20000以下であることがさらに好ましい。高分子Aの数平均分子量が上記範囲を満たす場合、トナー粒子の粒子径をより小さく、トナー粒子の粒度分布をより狭く、現像性をより優れたものにすることができる。
高分子Aの数平均分子量が10000未満の場合、トナー粒子の粒度分布が広くなる傾向にある。
この理由は明らかでないが、高分子Aの数平均分子量が10000未満の場合、バインダー樹脂との相溶性が増加し、高分子Aのバインダー樹脂の表層付近への偏在が起こりにくくなるからであると考えている。一方、高分子Aの数平均分子量が30000を超える場合、高分子Aの溶剤(b)への溶解性が低下する傾向にある。
また、バインダー樹脂中の該高分子Aの含有量は、1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、高分子Aを溶剤(b)に溶解して得られた溶液に、絶縁性液体(a)を加えたときに、二相分離する該絶縁性液体(a)と該溶剤(b)の混合質量比を相分離点Aとし、
バインダー樹脂中の高分子A以外の樹脂成分を溶剤(b)に溶解して得られた溶液に、絶縁性液体(a)を加えたときに、二相分離する該絶縁性液体(a)と該溶剤(b)の混合質量比を相分離点Bとしたときに、
該相分離点Aが該相分離点Bより大きい(すなわち、相分離点A>相分離点Bを満たす)ことが好ましい。
また、相分離点A≧(相分離点B+0.10)であることがより好ましい。
上記関係を満たす場合、トナー粒子中において、バインダー樹脂の表層付近に、高分子Aが偏在しやすくなり、より少量の高分子Aで本発明の機能を発揮することができる。
また、バインダー樹脂中の高分子A以外の樹脂成分の数平均分子量は、1000以上30000以下であることが好ましく、2000以上20000以下であることがより好ましい。
数平均分子量が1000未満の場合、絶縁性液体(a)に可溶な成分が増加する傾向にある。一方、数平均分子量が30000を超える場合、溶剤(b)への溶解性が低下する傾向にある。
バインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、着色剤100質量部に対して、10質量部以上2000質量部以下であることが好ましく、より好ましくは20質量部以上200質量部以下である。
また、絶縁性液体(a)及び溶剤(b)の総量に対するバインダー樹脂の濃度は、0.5質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
<着色剤>
本発明において、トナー粒子は着色剤を含有する。該着色剤としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料、有機染料、無機顔料、顔料を分散媒として不溶性の樹脂などに分散させたもの、又は、顔料表面に樹脂をグラフト化したものなどを用いることができる。
上記顔料として、例えば、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」に記載の顔料が挙げられる。
該顔料の具体例としては、例えば、黄色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤又はマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青又はシアン色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
トナー粒子中における顔料の分散には、トナー粒子の製造方法に応じた分散手段を用いればよい。分散手段として用いることができる装置としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどがある。
顔料の分散を行う際に顔料分散剤を添加することも可能である。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体などを挙げることができる。また、Solsperseシリーズ(日本ルーブリゾール(株)製)などの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。
これらの顔料分散剤及び顔料分散助剤の添加量は、顔料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましい。
<絶縁性液体(a)>
本発明において、液体現像剤は絶縁性液体(a)を含有する。
絶縁性液体とは、電気的に絶縁性を示すものであり、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが好ましい。
また、本発明において、バインダー樹脂は該絶縁性液体(a)に溶解しない。
「バインダー樹脂が絶縁性液体(a)に溶解しない」とは、温度25℃で、絶縁性液体(a)100質量部に対し、溶解するバインダー樹脂が1質量部以下であることが指標として挙げられる。
本発明においては、絶縁性液体(a)のSP値は、7.0以上9.0以下であることが好ましく、より好ましくはSP値が7.5以上8.5以下である。バインダー樹脂は、SP値7.0以上9.0以下である絶縁性液体(a)に溶解しない樹脂を用いるとよい。
なお、SP値とは溶解度パラメータのことである。SP値は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入され正則理論により定義された値であり、溶媒(あるいは溶質)の凝集エネルギー密度の平方根で示され、2成分系溶液の溶解度の目安となる。本発明におけるSP値は、コーティングの基礎と工学(53ページ、原崎勇次著、加工技術研究会)記載のFedorsによる原子及び原子団の蒸発エネルギーとモル体積から計算で求めた値である。本発明におけるSP値の単位は、(cal/cm1/2であるが、1(cal/cm1/2=2.046×10(J/m1/2によって(J/m1/2の単位に換算することができる。
該絶縁性液体(a)として、例えば、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカンなどの炭化水素系溶剤;アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(エクソンモービル社)、シェルゾールA100、シェルゾールA150(シェルケミカルズジャパン(株))、モレスコホワイトMT−30P(松村石油(株))などのパラフィン系溶剤;などが挙げられる。
また、該絶縁性液体(a)として、ビニルエーテル化合物を使用することもできる。該ビニルエーテル化合物とは、ビニルエーテル構造(−CH=CH−O−C−)を有する化合物を示す。
具体的には、ドデシルビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジビニルエーテル、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、1,2−デカンジオールジビニルエーテルなどが挙げられる。
<溶剤(b)>
本発明において、バインダー樹脂は溶剤(b)に溶解する。
「バインダー樹脂が溶剤(b)に溶解する」とは、温度25℃で、溶剤(b)100質量部に対し、溶解するバインダー樹脂が10質量部を超えることが指標として挙げられる。
該溶剤(b)は、絶縁性液体(a)のSP値より大きいものを用いるとよい。また、溶剤(b)のSP値は、8.5以上15.0以下であることが好ましく、より好ましくは9.0以上13.0以下である。バインダー樹脂は、SP値8.5以上15.0以下である溶剤(b)に溶解する樹脂を用いるとよい。
また、溶剤(b)は蒸留により混合物から留去することから、低沸点溶剤であることが好ましい。溶剤(b)の沸点は、150℃以下であることが好ましく、より好ましくは100℃以下である。
溶剤(b)としては例えば、トルエン(SP値8.9、沸点110℃)、クロロホルム(SP値9.2、沸点61℃)、メチルエチルケトン(SP値9.3、沸点80℃)、テトラヒドロフラン(SP値9.5、沸点66℃)、アセトン(SP値9.8、沸点56℃)、エタノール(SP値13、沸点78℃)、メタノール(SP値14、沸点65℃)などが挙げられる。
<分散剤>
本発明において、液体現像剤は分散剤を含有する。該分散剤は、トナー粒子の形成を促進し、トナー粒子を絶縁性液体(a)中に安定に分散させるものである。
また、分散剤は、該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解するものである。
「分散剤が絶縁性液体(a)及び溶剤(b)に溶解する」とは、温度25℃で、絶縁性液体(a)100質量部に対し、溶解する分散剤が10質量部を超えること、及び、温度25℃で、溶剤(b)100質量部に対し、溶解する分散剤が10質量部を超えること、が指標として挙げられる。
コアセルベーション法を用いて液体現像剤を製造する場合、分散剤存在下でトナー粒子を絶縁性液体(a)中に分散させることにより、絶縁性液体(a)中でのトナー粒子の分散安定性を高めることが可能となる。また、トナー粒子の帯電特性や泳動性を向上させることもできる。
このような分散剤は、絶縁性液体(a)及び溶剤(b)に溶解し、かつトナー粒子を安定に分散させるものであれば特に種類は限定されず、公知の分散剤から選択することが可能である。
該分散剤として、市販品であれば、アジスパーPB817(ポリアリルアミンと12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物との反応物;味の素ファインテクノ(株)製)、ソルスパース13940(ポリエチレンポリアミンと12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物との反応物)、11200、17000、18000(日本ルーブリゾール(株)製)などを挙げることができる。
また、該分散剤として、少なくとも下記一般式(1)で表される単量体単位と下記一般式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であり、
該分散剤が、該一般式(1)で表される単量体単位を末端以外の位置に有する分散剤(c)が好ましい。該分散剤(c)としては、上記アジスパーPB817などが該当する。一方、上記ソルスパース13940(ポリエチレンポリアミンと12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合物との反応物から得られるアミノ基は、末端のアミノ基以外は全て2級アミノ基、又は3級アミノ基である。すなわち、末端以外に1級アミノ基を有さない)は、該分散剤(c)には該当しない。
Figure 2016224405

[式(1)中、Kは1級アミノ基を有する単量体単位である。]
Figure 2016224405

[式(2)中、Qは、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有する単量体単位である。]
該分散剤の分子量は、分散剤を構成する一般式(1)で表される単量体単位と一般式(2)で表される単量体単位の数に依存するが、数平均分子量が1000以上400000以下であることが好ましい。数平均分子量が上記範囲にあることで、トナー粒子の分散安定性が良好になる。
該分散剤に含まれる一般式(1)で表される単量体単位の数を1とした場合、分散剤に含まれる一般式(2)で表される単量体単位の数は平均で0.01以上100以下であることが好ましく、0.1以上10以下であることがより好ましい。
該式(2)で表される単量体単位の数が平均で0.01以上である場合は絶縁性液体(a)に対する親和性が十分になり、100以下である場合はトナー粒子の分散安定性が良好になる。
また、分散剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
該範囲であることで、トナー粒子の分散性が良好になり、また、分散剤が絶縁性液体(a)を捕捉することもなく、トナー粒子の定着強度を良好に維持できる。
本発明において、該分散剤は1種又は2種以上使用することができる。
本発明において、バインダー樹脂の酸価が5mgKOH/g以上であり、
分散剤が、少なくとも上記一般式(1)で表される単量体単位と上記一般式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であり、
分散剤が、該一般式(1)で表される単量体単位を末端以外の位置に有することが好ましい。
<電荷制御剤>
本発明において、液体現像剤は、必要に応じて電荷制御剤を含んでもよい。該電荷制御剤としては、公知のものが利用できる。
具体的な化合物としては、以下のものが挙げられる。
亜麻仁油、大豆油などの油脂;アルキド樹脂、ハロゲン重合体、芳香族ポリカルボン酸、酸性基含有水溶性染料、芳香族ポリアミンの酸化縮合物、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;水素添加レシチン及びレシチンなどの燐脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、ヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
<電荷補助剤>
本発明において、トナー粒子中には、トナー粒子の帯電性を調整する目的で、電荷補助剤を含有することができる。該電荷補助剤としては、公知のものが利用できる。
具体的な化合物としては、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム及び2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩及びスルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;水素添加レシチン及びレシチンなどのリン脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、及びヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
<その他の添加剤>
本発明の液体現像剤には、上記説明した以外に、必要に応じて、記録媒体適合性、保存安定性、画像保存性、及びその他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤を用いてもよい。例えば、界面活性剤、滑剤、充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤などを適宜選択して用いることができる。
<液体現像剤の製造方法>
本発明の液体現像剤の製造方法は、
着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、絶縁性液体(a)を含有する液体現像剤の製造方法であって、
該着色剤、該バインダー樹脂、該絶縁性液体(a)、溶剤(b)、及び、該分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、
該混合液から該溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、
該バインダー樹脂が、該溶剤(b)に溶解し、かつ、該絶縁性液体(a)に溶解しないものであり、
該分散剤が、該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解するものであり、
該バインダー樹脂が、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有する高分子Aを含有することを特徴とする。
また、本発明において、
前記工程(1)が、
前記溶剤(b)中に、前記着色剤、前記バインダー樹脂、及び、前記分散剤を溶解又は分散して、溶解液又は分散液を調製する工程、及び、
該溶解液又は分散液と、前記絶縁性液体(a)とを混合し、該溶解液又は分散液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂を析出させる工程を含むことが好ましい。
以下、具体的な製造方法について説明するが、本発明はこれらに限定される訳ではない。
<工程(1)>
上記工程(1)では、溶剤(b)中に、着色剤、バインダー樹脂、及び分散剤を溶解又は分散して、溶解液又は分散液を調製するとよい。
該溶解液又は分散液を調製する工程は、以下の工程を含んでもよい。
溶剤(b)、着色剤、分散剤、及び高分子Aを混合し、アトライター、ボールミル、サンドミルなどのメディア型分散機、又は、高速ミキサー、高速ホモジナイザーなどの非メディア型分散機で各材料を溶解又は分散させて、第一の溶解液又は分散液を得る工程(a)。
第一の溶解液又は分散液に、高分子A以外の樹脂成分、分散剤及び溶剤(b)を添加し、アトライター、ボールミル、サンドミルなどのメディア型分散機、又は、高速ミキサー
、高速ホモジナイザーなどの非メディア型分散機で各材料を溶解又は分散させて、第二の溶解液又は分散液を得る工程(b)。
バインダー樹脂に対する溶剤(b)の添加量(総量)は、溶剤(b)100質量部に対して、5質量部以上150質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以上75質量部以下である。溶剤(b)の添加量を上記範囲にすることで、生産性が良好であり、所望のトナー形状を形成しやすい。
また、着色剤に対するバインダー樹脂の添加量は、着色剤100質量部に対して、10質量部以上2000質量部以下であることが好ましく、より好ましくは20質量部以上200質量部以下である。着色剤の添加量が上記範囲にあることで、高濃度画像の形成が容易であり、所望のトナー粒子形状を形成しやすくなる。
なお、上記例において、バインダー樹脂は、高分子A及び高分子A以外の樹脂成分から構成される。
次いで、上記工程(b)で得られた第二の溶解液又は分散液と、絶縁性液体(a)とを混合し、該第二の溶解液又は分散液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂が析出した混合液を得るとよい(以下、混合工程ともいう)。この場合、第二の溶解液又は分散液に絶縁性液体(a)を添加することが好ましい。
上述のように、該混合工程中において、バインダー樹脂を析出(すなわち、二相分離)させることが好ましい。そのため、混合工程においてバインダー樹脂が二相分離する量の絶縁性液体(a)を混合することが好ましい。
本発明において、バインダー樹脂が二相分離するとは、第二の溶解液又は分散液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂が析出し、バインダー樹脂の粒子形成が確認できた状態を示す。
該混合工程においては、絶縁性液体(a)を混合する際に、高剪断力を付与することが好ましい。該剪断力は、所望の粒子径に合わせて適宜設定すればよい。高剪断力を付与可能な高速剪断装置としては、高速ミキサー、高速ホモジナイザーなどの非メディア型分散機が好ましい。
さらに、容量、回転速度、型式など、種々のものがあるが、生産様式に応じて適当なものを用いればよい。なお、ホモジナイザーを使用した場合の回転速度としては、500rpm以上30000rpm以下が好ましく、13000rpm以上28000rpm以下がより好ましい。
また、混合工程は、溶剤(b)、及び、絶縁性液体(a)の凝固点以上、沸点以下で実施することが好ましい。具体的には、0℃以上60℃以下で実施することが好ましい。
該工程(1)における、絶縁性液体(a)と溶剤(b)の混合質量比[{絶縁性液体(a)の質量}/{絶縁性液体(a)の質量+溶剤(b)の質量}]は、絶縁性液体(a)、溶剤(b)、並びに、高分子A及び高分子A以外の樹脂成分から構成されるバインダー樹脂の組み合わせによるが、0.2以上0.8以下であることが好ましく、0.3以上0.6以下であることがより好ましい。
該混合質量比が上記範囲である場合、溶剤(b)留去後の固形分濃度が適切になるため、トナー粒子の分散安定性がより向上しやすく、現像時の膜厚を薄くすることが可能である。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で得られた混合液から、溶剤(b)を留去する工程である。
溶剤(b)を留去する方法は、エバポレーションなどの方法が好適である。条件としては、0〜60℃において1〜200kPaの圧力(減圧状態)での留去が好ましい。
<液体現像剤の調製工程>
本発明では、工程(2)の後に、液体現像剤の調製工程を有してもよい。液体現像剤の調製工程にて、工程(2)で得られたトナー粒子分散体に、必要に応じて、電荷制御剤、及びその他の添加剤などを添加し、液体現像剤を調製することができる。電荷制御剤、及びその他の添加剤の添加方法は特に限定されないが、添加剤の種類により、適宜加熱、攪拌することが可能である。
また、本工程において、トナー粒子の洗浄などの単位操作を適宜追加することも可能である。
<トナー粒子>
本発明の製造方法により、粒子径が小さく、かつ、粒度分布の狭いトナー粒子を製造することが可能となる。
上記トナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、体積基準の50%粒径(D50)が0.05μm以上5.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上1.2μm以下であり、さらに好ましくは0.05μm以上1.0μm以下である。
トナー粒子の体積基準の50%粒径(D50)が上記範囲内であると、液体現像剤により形成されるトナー画像の解像度及び画像濃度を十分に高いものとすることができると共に、絶縁性液体(a)が記録媒体上に残存する記録方式においても、トナー画像の膜厚を十分に薄いものとすることができる。
なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
また、上記トナー粒子の粒度分布は、1.0以上5.0以下であることが好ましく、1.1以上4.0以下であることがより好ましく、1.2以上3.0以下であることがさらに好ましい。
本発明において、粒度分布は、体積基準の50%粒径(D50)と体積基準の95%粒径(D95)の比である(D95/D50)を意味する。
トナー粒子の粒度分布が上記範囲内であると、液体現像剤の濃度が変化した場合の粘度変化が小さい。
本発明において、液体現像剤中のトナー粒子濃度は、用いる画像形成装置に応じて、任意に調整して用いることができるが、1質量%以上70質量%以下程度にするとよい。
<画像形成装置>
本発明の液体現像剤は、電子写真方式の一般的な画像形成装置において好適に使用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味するものとする。
<測定方法>
以下に、実施例で用いた測定方法を示す。
(1)分子量[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]の測定方法
樹脂などの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出した。GPCによる分子量の測定は以下に示すように行った。
サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置し溶解させた溶液を、ポア径が0.20μmの耐溶剤性メンブレンフィルターでろ過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−804の2連
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.025mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500]により作成した分子量校正曲線を使用した。
(2)酸価の測定方法
バインダー樹脂の酸価は以下の方法により求めた。
基本操作はJIS K−0070に基づく。
1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM1(g)とする。
2)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mLを加え溶解する。
3)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」などが利用できる。]。
4)この時のKOH溶液の使用量をA(mL)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(mL)とする。
5)次式(i)により酸価を計算する。fはKOH溶液のファクターである。
Figure 2016224405
(3)水酸基価の測定方法
バインダー樹脂の水酸基価は以下の方法により求めた。
基本操作はJIS K 0070−1992に基づく。
1)特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mLに入れ、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスなどに触れないように、褐色びんにて保存する。
2)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM2(g)とする。
3)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mLを加え溶解する。
4)これに前記のアセチル化試薬5.0mLを、ホールピペットを用いて正確に加える。この際、フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
5)1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mLを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。
6)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」などが利用できる。]。このときの滴定量をC(mL)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をD(mL)とする。
7)得られた結果を下記式(ii)に代入して、水酸基価を算出する。
Figure 2016224405
(4)相分離点の測定方法
高分子又は樹脂が二相分離する絶縁性液体(a)と溶剤(b)の混合質量比(相分離点)は以下の方法により求めた。
1)試料の10質量%の溶剤(b)液を作製する。
2)10mLのサンプル瓶に上記溶剤(b)液を約1.0g秤量する。このときの質量をW[g]とする。
3)上記溶剤(b)液を撹拌しながら、絶縁性液体(a)を滴下する。このときに滴下した絶縁性液体(a)の質量をX[g]とする。
4)次式(iii)により二相分離する絶縁性液体(a)と溶剤(b)の混合質量比(相分離点)を計算する。
なお、絶縁性液体(a)の滴下により、高分子又は樹脂が二相分離したこと(すなわち、溶剤(b)中に溶解状態で含まれていた高分子又は樹脂が析出したこと)は、液の白濁を目視で判断する。
Figure 2016224405
〔高分子Aの製造例〕
<ポリエステルポリオール(PES−1)〜(PES−6)の製造例>
表1に記載の組成のポリエステルポリオール(PES−1)〜(PES−6)を既知の方法により合成し、それらの物性を表1に示した。なお、表中の各成分はモル比で記載した。また、絶縁性液体(a)をドデシルビニルエーテル、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときのPES−6の相分離点は0.21、絶縁性液体(a)をモレスコホワイトMT−30P、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときのPES−6の相分離点は0.16であった。
Figure 2016224405
上記表1において、略号の意味は以下の通りである。
TPA :テレフタル酸
SIPA :5−スルホイソフタル酸一ナトリウム
NPG :ネオペンチルグリコール
PG :プロピレングリコール
DPG :ジプロピレングリコール
BPA−EO:ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物
<高分子A:ウレタン変性ポリエステル(UPES−1)の製造例>
テトラヒドロフラン300部に溶解したポリエステルポリオール(PES−1)100部にジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)10部を加え、90℃で5時間反応させ、ウレタン変性ポリエステル(UPES−1)を得た。ウレタン変性ポリエステル(UPES−1)の物性を表2に示した。
<高分子A:ウレタン変性ポリエステル(UPES−2)〜(UPES−6)の製造例>
ウレタン変性ポリエステル(UPES−1)の製造例において、ポリエステルポリオール(PES−1)及びMDIを、所望のウレタン変性ポリエステルに応じたポリエステルポリオール及びジイソシアネートに変更した以外は、ウレタン変性ポリエステル(UPES−1)の製造例と同様の方法で、ウレタン変性ポリエステル(UPES−2)〜(UPES−6)を製造した。ウレタン変性ポリエステル(UPES−2)〜(UPES−6)の物性を表2に示した。
Figure 2016224405

上記表2において、略号の意味は以下の通りである。
MDI :ジフェニルメタンジイソシアネート
MDI−H:ジシクロヘキシルメタン4,4‘−ジイソシアナート
また、相分離点1は、絶縁性液体(a)をドデシルビニルエーテル、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときの相分離点を示す。
また、相分離点2は、絶縁性液体(a)をモレスコホワイトMT−30P、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときの相分離点を示す。
<高分子A:ポリスチレン−アクリル酸−p−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体(PS−1)の製造例>
プロピレングリコールモノメチルエーテル100部を窒素置換しながら加熱し、液温120℃以上で還流させ、そこへ、スチレン158部、アクリル酸40部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム2部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート[有機過酸化物
系重合開始剤、日油(株)製、商品名:パーブチルZ]1部を混合したものを3時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃に到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、ポリスチレン−アクリル酸−p−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体(PS−1)を得た。
PS−1のMnは6000、Mwは11020、酸価は40mgKOH/g、絶縁性液体(a)をドデシルビニルエーテル、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときの相分離点は0.35、絶縁性液体(a)をモレスコホワイトMT−30P、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときの相分離点は0.27であった。
<比較用ポリエステルポリオール(PES−001)及び(PES−002)の製造例>
表3に記載の組成のポリエステルポリオール(PES−001)及び(PES−002)を既知の方法により合成し、それらの物性を表3に示した。なお、表中の各成分はモル比を記載した。
Figure 2016224405

上記表3において、略号の意味は以下の通りである。
TPA :テレフタル酸
SIPA−H:5−スルホイソフタル酸
NPG :ネオペンチルグリコール
PG :プロピレングリコール
DPG :ジプロピレングリコール
なお、PES−002の酸価は、中和滴定において、スルホン酸との区別ができないため、測定不能とした。
<比較用ウレタン変性ポリエステル(UPES−001)の製造例>
テトラヒドロフラン300部に溶解したポリエステルポリオール(PES−001)100部にジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)10部を加え、90℃で5時間反応させ、ウレタン変性ポリエステル(UPES−001)を得た。ウレタン変性ポリエステル(UPES−001)の物性を表4に示した。
<比較用ウレタン変性ポリエステル(UPES−002)の製造例>
テトラヒドロフラン300部に溶解したポリエステルポリオール(PES−002)100部にジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)10部を加え、90℃で5時間反応させ、ウレタン変性ポリエステル(UPES−002)を得た。ウレタン変性ポリエステル(UPES−002)の物性を表4に示した。
Figure 2016224405

表4中、UPES−002の酸価は、中和滴定において、スルホン酸との区別ができないため、測定不能とした。
また、相分離点1は、絶縁性液体(a)をドデシルビニルエーテル、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときの相分離点を示す。
また、相分離点2は、絶縁性液体(a)をモレスコホワイトMT−30P、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときの相分離点を示す。
〔バインダー樹脂中の高分子A以外の樹脂成分(以下、高分子Bともいう)の製造例〕
<ポリエステル(PES−101)及び(PES−102)の製造例>
表5に記載の組成のポリエステルを既知の方法により合成し、それらの物性を表5に示した。なお、表中の組成はモル比を記載した。
Figure 2016224405

上記表5において、略号の意味は以下の通りである。
TPA:テレフタル酸
TMA:トリメリット酸
BPA−EO:ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物を
また、相分離点1は、絶縁性液体(a)をドデシルビニルエーテル、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときの相分離点を示す。
また、相分離点2は、絶縁性液体(a)をモレスコホワイトMT−30P、溶剤(b)をテトラヒドロフランとしたときの相分離点を示す。
〔液体現像剤の製造例〕
<着色剤分散液(Cy−1)の製造例>
30部のピグメントブルー15:3、ウレタン変性ポリエステル(UPES−1)の32%テトラヒドロフラン溶液15部、アジスパーPB−821(味の素ファインテクノ(株)製)15部、テトラヒドロフラン255部、及びガラスビーズ(φ1mm)130部を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、メッシュで濾過し、混練物を得た。
得られた混練物18部、ポリエステル(PES−101)の50%テトラヒドロフラン
溶液12.6部、分散剤(アジスパーPB−817、味の素ファインテクノ(株)製)2.1部を高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)で混合し、40℃で攪拌しながら混合し、着色剤分散液(Cy−1)を得た。
<着色剤分散液(Cy−2)〜(Cy−8)の製造例>
着色剤分散液(Cy−1)の製造例において、ウレタン変性ポリエステル(UPES−1)を、それぞれウレタン変性ポリエステル(UPES−2)〜(UPES−6)、ポリエステルポリオール(PES−6)、及びポリスチレン−アクリル酸−p−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体(PS−1)に変更した以外は、着色剤分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、着色剤分散液(Cy−2)〜(Cy−8)を得た。
<着色剤分散液(Cy−9)の製造例>
着色剤分散液(Cy−1)の製造例において、ポリエステル(PES−101)の50%テトラヒドロフラン溶液12.6部を、ポリエステル(PES−102)の50%テトラヒドロフラン溶液12.6部に変更した以外は、着色剤分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、着色剤分散液(Cy−9)を得た。
<着色剤分散液(Cy−10)の製造例>
着色剤分散液(Cy−1)の製造例において、分散剤(アジスパーPB−817;味の素ファインテクノ(株)製)2.1部を、分散剤(ソルスパース13940、分散剤:濃度40%、日本ルーブリゾール(株)製)5.3部に変更した以外は、着色剤分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、着色剤分散液(Cy−10)を得た。
<着色剤分散液(M−1)、(Y−1)及び(Bk−1)の製造例>
着色剤分散液(Cy−1)の製造例において、ピグメントブルー15:3をそれぞれピグメントレッド122、ピグメントイエロー155、及びカーボンブラックに変更した以外は、着色剤分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、着色剤分散液(M−1)、(Y−1)及び(Bk−1)を製造した。
<トナー粒子分散体(T−1)の製造例>
<混合工程>
上記で得られた着色剤分散液(Cy−1)100部に、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて高速攪拌(回転数25000rpm)しながら、モレスコホワイトMT−30P(松村石油(株)製)200部を少しずつ添加し、混合液を得た。
<留去工程>
上記で得られた混合液をナスフラスコに移し、超音波分散しながら50℃でテトラヒドロフランを完全に留去し、絶縁性液体中にトナー粒子が分散したトナー粒子分散体(T−1)を得た。
<トナー粒子分散体(T−2)〜(T−13)の製造例>
トナー粒子分散体(T−1)の製造例において、着色剤分散液(Cy−1)を、それぞれ表6に従って変更した以外は、トナー粒子分散体(T−1)の製造例と同様の方法でトナー粒子分散体(T−2)〜(T−13)を得た。
<トナー粒子分散体(T−101)の製造例>
トナー粒子分散体(T−1)の製造例において、200部のモレスコホワイトMT−30Pを、ドデシルビニルエーテル(DDVE)200部に変更した以外は、トナー粒子分
散体(T−1)の製造例と同様の方法で、トナー粒子分散体(T−101)を得た。
<トナー粒子分散体(T−102)〜(T−113)の製造例>
トナー粒子分散体(T−101)の製造例において、着色剤分散液(Cy−1)を、それぞれ表6に従って変更した以外は、トナー粒子分散体(T−101)の製造例と同様の方法でトナー粒子分散体(T−102)〜(T−113)を得た。
〔液体現像剤の調製工程〕
<液体現像剤(LD−1)〜(LD−13)の製造例>
得られたトナー粒子分散体(T−1)〜(T−13)について、それぞれ10部を遠心分離処理し、上澄み液をデカンテーションにより除去した。その後、除去した上澄み液と同じ質量の新たなモレスコホワイトMT−30Pを添加し、各トナー粒子分散体を再分散した。得られた各分散液にレシノールS−10(水素添加レシチン、日光ケミカルズ(株)製)0.10部を加えることにより、液体現像剤(LD−1)〜(LD−13)を得た。
<液体現像剤(LD−101)〜(LD−113)の製造例>
液体現像剤(LD−1)〜(LD−13)の製造例において、トナー粒子分散体(T−1)〜(LD−13)をトナー粒子分散体(T−101)〜(T−113)とし、モレスコホワイトMT−30Pをドデシルビニルエーテル(DDVE)に変更した以外は、液体現像剤(LD−1)〜(LD−13)の製造例と同様の方法で、液体現像剤(LD−101)〜(LD−113)を得た。
Figure 2016224405

表6中、PB−817はアジスパーPB−817を、S13940はソルスパース13940を意味する。
〔比較用液体現像剤の製造例〕
<比較用着色剤分散液(Cy−001)の製造例>
着色剤分散液(Cy−1)の製造例において、ウレタン変性ポリエステル(UPES−1)を添加しなかった以外は、着色剤分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、比較用着色剤分散液(Cy−001)を得た。
<比較用着色剤分散液(Cy−002)及び(Cy−003)の製造例>
着色剤分散液(Cy−1)の製造例において、ウレタン変性ポリエステル(UPES−1)を、比較用ウレタン変性ポリエステル(UPES−001)及び(UPES−002)に変更した以外は、着色剤分散液(Cy−1)の製造例と同様の方法で、比較用着色剤分散液(Cy−002)及び(Cy−003)を得た。
<比較用トナー粒子分散体(T−001)〜(T−003)の製造例>
トナー粒子分散体(T−1)の製造例において、着色剤分散液(Cy−1)を、比較用
着色剤分散液(Cy−001)〜(Cy−003)に変更した以外は、トナー粒子分散体(T−1)の製造例と同様の方法で、比較用トナー粒子分散体(T−001)〜(T−003)を得た。
<比較用トナー粒子分散体(T−004)〜(T−006)の製造例>
比較用トナー粒子分散体(T−001)〜(T−003)の製造例において、200部のモレスコホワイトMT−30Pを、ドデシルビニルエーテル(DDVE)200部に変更した以外は、比較用トナー粒子分散体(T−001)〜(T−003)の製造例と同様の方法で、比較用トナー粒子分散体(T−004)〜(T−006)を得た。
<比較用液体現像剤(LD−001)〜(LD−003)の製造例>
液体現像剤(LD−1)の製造例において、トナー粒子分散体(T−1)を比較用トナー粒子分散体(T−001)〜(T−003)とした以外は、液体現像剤(LD−1)の製造例と同様の方法で、比較用液体現像剤(LD−001)〜(LD−003)を得た。
<比較用液体現像剤(LD−004)〜(LD−006)の製造例>
液体現像剤(LD−101)の製造例において、トナー粒子分散体(T−101)を比較用トナー粒子分散体(T−004)〜(T−006)とした以外は、液体現像剤(LD−101)の製造例と同様の方法で、比較用液体現像剤(LD−004)〜(LD−006)を得た。
比較用液体現像剤(LD−001)〜(LD−006)の構成を表7に示した。
Figure 2016224405

表7中、PB−817はアジスパーPB−817を意味する。
<実施例1〜26>
上記液体現像剤(LD−1)〜(LD−13)、(LD−101)〜(LD−113)を下記の方法で評価した。
<トナー粒子の粒子径の測定及び評価>
液体現像剤中のトナー粒子の体積基準の50%粒径(D50)をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名「LA−950」、堀場製作所製)を用いて測定した。
以下に、評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5: (D50)≦1.0
4:1.0<(D50)≦1.2
3:1.2<(D50)≦1.5
2:1.5<(D50)≦2.0
1:2.0<(D50)
<トナー粒子の粒度分布の測定及び評価>
液体現像剤中のトナー粒子の体積基準の50%粒径(D50)及び体積基準の95%粒径(D95)をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名「LA−950」、堀場製作所製)を用いて測定した。粒度分布の評価には、体積基準の50%粒径(D50)と体積基準の95%粒径(D95)の比である(D95/D50)を用いた。
以下に、粒度分布の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5: (D95/D50)≦2
4: 2<(D95/D50)≦3
3: 3<(D95/D50)≦5
2: 5<(D95/D50)≦10
1:10<(D95/D50)
<現像性の評価>
上記液体現像剤を用い、下記の方法によりにより現像を行った。装置は図1に記載のような現像装置50Cを用いた。
(1)現像ローラ53C、感光ドラム52C、中間転写ローラ61Cが離間され、非接触の状態で、これらを図1の矢印の方向に回転駆動させた。このときの回転速度は250mm/secとした。
(2)現像ローラ53C及び感光ドラム52Cを押し圧一定で接触させ、DC電源を用いて現像バイアスを200Vに設定した。
(3)感光ドラム52C及び中間転写ローラ61Cを押し圧一定で接触させ、DC電源を用いて転写バイアス1000Vに設定した。
(4)均一濃度(トナー粒子濃度が2質量%)、均一量(100mL)の液体現像剤を製膜ローラ(図示せず)に供給し、中間転写部材60Cに形成された画像を評価した。
以下に、現像性の評価基準を示す。本評価において、3以上を良好と判断した。
5:高濃度かつ高精細な画像が得られた
4:若干の濃度ムラがある、又は若干の画像ボケが見られる
3:濃度ムラや画像ボケが目立つものの、現像されていることがわかる
2:激しい濃度ムラや画像ボケが発生し、現像不十分であった
1:現像できなかった
評価結果を表8に示す。
<比較例1〜6>
比較用液体現像剤(LD−001)〜(LD−006)について、実施例1〜26と同様の方法で評価した。評価結果を表8に示す。
Figure 2016224405
表8から明らかなように、本発明の製造方法による液体現像剤は、液体現像剤中でのトナー粒子の粒子径が小さく、粒度分布が狭く、現像性が良好である。
本発明の液体組成物の製造方法を使用することにより、液体現像剤中のトナー粒子の粒子径が小さく、トナー粒子の粒度分布が狭く、現像性が良好である液体現像剤を提供することができる。
50C:現像装置、52C:感光ドラム、53C:現像ローラ、60C:中間転写部材、61C:中間転写ローラ

Claims (7)

  1. 着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、分散剤、並びに、絶縁性液体(a)を含有する液体現像剤の製造方法であって、
    該着色剤、該バインダー樹脂、該絶縁性液体(a)、溶剤(b)、及び、該分散剤を含有する混合液を調製する工程(1)、及び、
    該混合液から該溶剤(b)を留去する工程(2)を含み、
    該バインダー樹脂が、該溶剤(b)に溶解し、かつ、該絶縁性液体(a)に溶解しないものであり、
    該分散剤が、該絶縁性液体(a)及び該溶剤(b)の両方に溶解するものであり、
    該バインダー樹脂が、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有する高分子Aを含有することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
  2. 前記工程(1)が、
    前記溶剤(b)中に、前記着色剤、前記バインダー樹脂、及び、前記分散剤を溶解又は分散して、溶解液又は分散液を調製する工程、及び、
    該溶解液又は分散液と、前記絶縁性液体(a)とを混合し、該溶解液又は分散液中に溶解状態で含まれていたバインダー樹脂を析出させる工程を含む、請求項1に記載の液体現像剤の製造方法。
  3. 前記高分子Aが、ポリエステル構造を含有する、請求項1又は2に記載の液体現像剤の製造方法。
  4. 前記高分子Aが、スルホン酸のアルカリ金属塩基、又はアルカリ土類金属塩基を有するポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる重合体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤の製造方法。
  5. 前記高分子Aの数平均分子量が、10000以上30000以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体現像剤の製造方法。
  6. 前記高分子Aを前記溶剤(b)に溶解して得られた溶液に、前記絶縁性液体(a)を加えたときに、二相分離する該絶縁性液体(a)と該溶剤(b)の混合質量比を相分離点Aとし、
    前記バインダー樹脂中の前記高分子A以外の樹脂成分を前記溶剤(b)に溶解して得られた溶液に、前記絶縁性液体(a)を加えたときに、二相分離する該絶縁性液体(a)と該溶剤(b)の混合質量比を相分離点Bとしたときに、
    該相分離点Aが該相分離点Bより大きい、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体現像剤の製造方法。
    該絶縁性液体(a)と該溶剤(b)の該混合質量比は、{絶縁性液体(a)の質量}/{絶縁性液体(a)の質量+溶剤(b)の質量}、で求められる比である。
  7. 前記バインダー樹脂の酸価が、5mgKOH/g以上であり、
    前記分散剤が、少なくとも下記一般式(1)で表される単量体単位と下記一般式(2)で表される単量体単位をともに含有する高分子であり、
    該分散剤が、該一般式(1)で表される単量体単位を末端以外の位置に有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体現像剤の製造方法。
    Figure 2016224405

    [式(1)中、Kは1級アミノ基を有する単量体単位である。]
    Figure 2016224405

    [式(2)中、Qは、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6以上のアルキレン基、又は置換基を有してもよい炭素数6以上のシクロアルキレン基を有する単量体単位である。]
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