JP6273908B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる電子写真用トナーを製造する方法に関する。
従来から、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)を構成する着色剤としては、公知の有機顔料および染料が使用されているが、それぞれに種々の欠点を有している。例えば、有機顔料は染料に比べて一般的に耐熱性や耐光性に優れているが、トナー粒子中において粒子状で分散された状態で存在し、その分散性が低いために隠蔽力が強くなってしまい、透明性が損なわれ、得られる画像の彩度が低下し、その結果、色再現性が阻害されてしまう。
すなわち、色重ねされたカラートナー層のうち下層のものがそれよりも上層のものに隠蔽されることを抑制して下層のカラートナーの色彩を視認することができるようにするためには、定着後のトナーの透明性が必要とされ、また、原稿の色再現性を良好なものとするためには着色剤の分散性や着色力が必要となる。
このような有機顔料の欠点を解消する方法としては、例えば、ブラッシング法を用いて顔料を分散させることにより、凝集二次粒子のない一次粒子によるサブミクロンオーダーの顔料分散径を達成することによりトナーの透明性を向上させる方法や、顔料粒子を結着樹脂および外殻樹脂で被覆することにより帯電性、定着性、画像均一性を改良する方法などが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、このようなトナーによっても、未だ十分な透明性を得られるとは言えない。
また、カラー画像形成装置において、原理的には全ての色再現をイエロー、マゼンタ、シアンの3原色による減法混色により行うことができるが、現実には結着樹脂に顔料を分散したときの分光特性、異なる色のトナー同士を重ね合わせたときの混色性によって、色再現することができる範囲や彩度が低下させられるので、原稿の色を忠実に再現することには、まだまだ課題が多く残されている。
一方、染料を用いたトナーや染料と顔料を混合したトナーなどが提案されている(例えば、特許文献3、4参照。)。
一般に、染料を用いたトナー中において、染料は結着樹脂に溶解した状態で存在するため、トナーに高い透明性が得られて優れた彩度が得られるが、染料を用いたトナーは耐光性や耐熱性が顔料を用いたトナーに比べて大きく劣るという欠点を有している。例えば、耐熱性が低いことによって、染料の分解によって画像濃度の低下が生じることや、トナー像を熱圧定着させるときに染料が昇華して機内汚染を生じること、さらに、定着時に用いられるシリコンオイルに染料が溶解し、最終的には加熱ロールに融着し、オフセット現象を引き起こす、という問題がある。
このような染料の欠点を解消する方法として、例えば、金属キレート染料を用いることにより、耐光性や耐熱性と色再現性とを両立して得る方法が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
このような金属キレート染料を含有するトナーは、耐光性には優れるが、凝集が原因でOHPや紙面上に塗布後の反射スペクトルが異なる等、色再現性が十分ではなく、更なる彩度の向上が望まれている。
金属キレート染料を用いたトナーについて色再現性を向上させる方法としては、トナーの着色剤としてテトラメチン色素の金属キレート色素を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
しかしながら、このようなトナーにおいても、着色剤の分散性と耐光性とが十分に得られているとは言えない。
以上のような種々の課題を解決するため、新たな金属キレート可能な色素および銅キレート色素が提案されている(例えば、特許文献7参照。)。
しかしながら、このようなトナーにおいても、近年のプロダクションプリンティング領域で求められる色再現性としては十分ではない。具体的には、画像濃度や彩度が十分に得られず、また、帯電量分布の偏りに起因したカブリやトナー飛散が発生してしまう。
特開平9−26673号公報 特開平11−160914号公報 特開平5−11504号公報 特開平5−34980号公報 特開平10−20559号公報 特開2001−159832号公報 特開2007−328312号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、画像濃度や彩度が十分に得られて優れた色再現性が得られ、かつ、カブリやトナー飛散が生じない電子写真用トナーを得ることができる電子写真用トナーの製造方法を提供することにある。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、少なくとも、下記一般式(1)で表される色素化合物と下記一般式(2)で表される銅錯体化合物と反応により得られる着色剤、および、結着樹脂を含有してなるトナー粒子よりなる電子写真用トナーの製造方法であって、
結着樹脂による微粒子、下記一般式(1)で表される色素化合物による微粒子が分散されてなる水系媒体中に、凝集剤として金属原子を含有しない化合物のみを添加し、
当該結着樹脂による微粒子、下記一般式(1)で表される色素化合物による微粒子凝集させる工程を有することを特徴とする。
Figure 0006273908
〔式中、Rx1 およびRx2 は、各々、置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Lxは、水素原子、または、置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Gx1 は、置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Gx2 は、置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、Gx3 は、水素原子、ハロゲン原子、Gx4 −CO−NH−で表される基、または、Gx5 −N(Gx6 )−CO−で表される基であり、Gx4 は有機基であり、Gx5 およびGx6 は、各々、水素原子または有機基であり、Qx1 、Qx2 、Qx3 、Qx4 およびQx5 は、各々、水素原子または有機基である。〕
Figure 0006273908
〔式中、R1 は置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、R2 は水素原子、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ハロゲン原子またはシアノ基であり、R3 は置換されていてもよい炭素数9〜120の芳香族炭化水素基を含有する有機基である。〕
本発明の電子写真用トナーの製造方法においては、前記凝集剤が、有機カチオン性界面活性剤、有機両性界面活性剤および有機高分子凝集剤のうち少なくとも1種から選ばれることが好ましい。
本発明の電子写真用トナーの製造方法においては、前記凝集剤が、アニオン部分がCl- である第4級アンモニウム塩であることが好ましい。
本発明の電子写真用トナーの製造方法においては、前記一般式(2)で表される銅錯体化合物の使用量が、前記一般式(1)で表される色素化合物の0.5〜2モル倍であることが好ましい。
本発明の電子写真用トナーの製造方法によれば、凝集剤として金属原子を含有しない化合物よりなるものが用いられているので、画像濃度や彩度が十分に得られて優れた色再現性が得られ、かつ、カブリやトナー飛散が生じないトナーを製造することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも、上記一般式(1)で表される色素化合物(以下、「特定の色素化合物」ともいう。)と、上記一般式(2)で表される銅錯体化合物(以下、「特定の銅錯体化合物」ともいう。)とのキレート反応により得られる着色剤、および、結着樹脂、並びに、必要に応じて離型剤や荷電制御剤などの内添剤を含有してなるトナー粒子よりなるトナーの製造方法であって、結着樹脂による微粒子、特定の色素化合物による微粒子、および、特定の銅錯体化合物による微粒子が分散されてなる水系媒体中に、金属原子を含有しない化合物よりなる凝集剤(以下、「無金属凝集剤」ともいう。)を添加し、当該結着樹脂による微粒子、特定の色素化合物による微粒子、および、特定の銅錯体化合物による微粒子を凝集させる工程を有する方法である。
本発明のトナーの製造方法によれば、凝集剤として金属原子を含有しない化合物よりなるものが用いられているので、画像濃度や彩度が十分に得られて優れた色再現性が得られ、かつ、カブリやトナー飛散が生じないトナーを製造することができる。
これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、凝集剤として金属原子を含有する無機凝集剤を用いた場合には、一般的に銅イオンの置換反応速度が速いことによって、特定の銅錯体化合物を構成する銅イオンの無機凝集剤を構成する金属イオンへの置換が進行し、その結果、色調および反射濃度の低下を招くものと考えられる。また、銅イオンが維持された特定の銅錯体化合物と、無機凝集剤からの他の金属イオンに置換された錯体との両者に由来する2種類の着色剤がトナー粒子中に存在することによって、銅錯体微粒子の凝集速度に違いが生じ、トナー粒子中における着色剤の分散性が低くなり、帯電量分布が不均一となって、カブリやトナー飛散が発生し、画像濃度の安定性も低くなるものと考えられる。
一方、本発明においては、無金属凝集剤を用いることによって特定の銅錯体化合物を構成する銅イオンが他の金属イオンに置換されることを防止することができるので、画像濃度や彩度の低下、および帯電量分布の偏りに起因したカブリやトナー飛散が発生が防止される。
本発明のトナーの製造方法としては、乳化凝集法、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法などを挙げることができるが、特に、ミニエマルション重合凝集法を採用することが好ましい。
ミニエマルション重合凝集法は、臨界ミセル濃度以下の濃度になるように界面活性剤を溶解した水系媒体中に離型剤を溶解した重合性単量体溶液を投入し、機械エネルギーを利用して10〜1000nmの油滴を形成した分散液を調製し、得られた分散液に水溶性ラジカル重合開始剤を添加して重合を行い、結着樹脂粒子を形成し、そして、形成された結着樹脂粒子を凝集させると共に融着させてトナー粒子を作製する方法である。
ミニエマルション重合凝集法を採用することによって、油滴内で重合が行われるため、トナー粒子中で離型剤粒子が結着樹脂に確実に包含された状態を形成することができる。なお、ミニエマルション重合凝集法では、前述した水溶性ラジカル重合開始剤の添加に代えて、あるいは、水溶性ラジカル重合開始剤と共に油溶性ラジカル重合開始剤を前述した単量体溶液中に添加して重合を行うこともできる。
本発明のトナーの製造方法として、ミニエマルション重合凝集法により結着樹脂微粒子を形成する際、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の構造の結着樹脂微粒子を形成することができる。この場合、常法によるミニエマルション重合処理(第1段重合)で調製した第1樹脂粒子の分散液に重合開始剤と重合性単量体を添加してこの系を重合処理(第2段重合)する。このようにして2層構造の結着樹脂微粒子を形成することができる。そして、この第2段重合を繰り返すことにより多層構造の結着樹脂微粒子を形成することができる。
ミニエマルション重合凝集法によるトナーの製造方法の一例として、例えば、以下の様な手順を示すことができる。
(1)離型剤および必要に応じて荷電制御剤などのトナー粒子構成成分を、結着樹脂を形成すべき重合性単量体に溶解または分散させて重合性単量体溶液を調製する溶解、分散工程
(2)特定の色素化合物、特定の銅錯体化合物を、それぞれ水系媒体中に分散させ、色素微粒子分散液および銅錯体微粒子分散液を調製する着色剤形成用分散液調製工程
(3)溶解、分散工程において調製した重合性単量体溶液を水系媒体中において油滴化し、重合性単量体を重合させて結着樹脂微粒子分散液を調製する重合工程
(4)結着樹脂微粒子、色素微粒子および銅錯体微粒子を、水系媒体中で凝集、融着させて凝集粒子を形成する凝集、融着工程
(5)凝集粒子を熱エネルギーにより熟成して形状調整を行い、トナー粒子分散液を作製する熟成工程
(6)トナー粒子分散液を冷却する冷却工程
(7)冷却したトナー粒子分散液より当該トナー粒子を固液分離し、トナー粒子表面より界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
(9)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する外添処理工程
から構成される。
本発明において、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒を使用することが好ましい。
(1)溶解、分散工程
この工程は、下記に詳述する結着樹脂を形成すべき重合性単量体に、離型剤などのトナー粒子構成成分を溶解または分散させて重合性単量体溶液を調製する工程である。
この重合性単量体溶液中には、後述の重合開始剤および他の油溶性成分の少なくとも一方を添加してもよい。
トナー粒子中に必要に応じて添加される離型剤、荷電制御剤や磁性粉などの内添剤は、ミニエマルション法によって、上述のように予め樹脂を形成するための単量体溶液に内添剤を溶解または分散させることによってトナー粒子中に導入してもよく、また、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、凝集、融着工程において他の微粒子と共に当該内添剤微粒子を凝集させることにより、トナー粒子中に導入することもできるが、ミニエマルション法によって樹脂微粒子に予め導入しておく方法を採用することが好ましい。
〔離型剤〕
離型剤としては、特に限定されるものではなく公知の種々のワックスを用いることができ、例えば、炭化水素系ワックス類、エステル系ワックス類、天然物系ワックス類、アミド系ワックス類などを用いることができる。
炭化水素系ワックス類としては、低分子量のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの他、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。
エステル系ワックス類としては、ベヘン酸ベヘニル、エチレングリコールステアリン酸エステル、エチレングリコールベヘン酸エステル、ネオペンチルグリコールステアリン酸エステル、ネオペンチルグリコールベヘン酸エステル、1,6−ヘキサンジオールステアリン酸エステル、1,6−ヘキサンジオールベヘン酸エステル、グリセリンステアリン酸エステル、グリセリンベヘン酸エステル、ペンタエリスリトールステアリン酸エステル、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、クエン酸ステアリル、クエン酸ベヘニル、リング酸ステアリル、リング酸ベヘニルなどの高級脂肪酸と高級アルコール類とのエステルなどを挙げることができる。
これら離型剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
離型剤の融点は、40〜160℃であることが好ましく、より好ましくは50〜120℃である。
融点が上記の範囲であることにより、トナーの耐熱保存性が確保されると共に、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成を行うことができる。
離型剤の含有割合は、トナー粒子の全質量に対して1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
(2)着色剤形成用分散液調製工程
この工程は、下記に詳述する特定の色素化合物、特定の銅錯体化合物および必要に応じてキナクリドン顔料を、それぞれ水系媒体中で分散させ、色素微粒子分散液、銅錯体微粒子分散液、および必要に応じて、キナクリドン顔料分散液をそれぞれ調製する工程である。
これらの分散液は、特定の色素化合物などを水系媒体中に分散させることにより、調製することができる。
例えば特定の色素化合物の分散処理は、水系媒体中において界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行う。特定の色素化合物の分散処理に使用する分散機としては特に限定されず、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザーなどの加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミルなどの媒体型分散機を使用することができる。
〔界面活性剤〕
水系媒体中には、分散させた微粒子の凝集を防ぐために、界面活性剤が添加されていることが好ましい。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、アニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては以下のものを用いることが好ましい。
(1)スルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウムなど
(2)硫酸エステル塩;ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど
(3)脂肪酸塩;オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど
ノニオン性界面活性剤としては以下のものを用いることができる。すなわち、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドとを組み合わせたもの、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなど。
ノニオン性界面活性剤としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖などを用いることが好ましい。
以上の界面活性剤は、所望に応じて、1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
特定の色素化合物は、表面改質されているものを用いることもできる。具体的には、溶媒中に特定の色素化合物を分散させておき、この分散液中に表面改質剤を添加してこの系を昇温させることにより反応処理を行う。反応終了後、特定の色素化合物を濾別し、同一溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥処理することにより、表面改質剤で処理された特定の色素化合物を得ることができる。
これらの分散液中の微粒子(色素微粒子、銅錯体微粒子またはキナクリドン顔料微粒子)の分散径は、体積基準のメジアン径で10〜300nmとされることが好ましい。
分散液中の微粒子の体積基準のメジアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、サンプル屈折率1.59、サンプル比重1.05(球状粒子換算)、溶媒屈折率1.33、溶媒粘度0.797(30℃)および1.002(20℃)の測定条件により、測定セルにイオン交換水を投入することによって0点調整を行なうことによって測定したものである。
これらの着色剤に係る微粒子は、ミニエマルション法によって、上述のように予め樹脂を形成するための単量体溶液に内添剤を溶解または分散させることによってトナー粒子中に導入してもよい。
(3)重合工程
この工程は、離型剤と結着樹脂とを含有する結着樹脂微粒子を形成する工程である。この工程においては、例えば、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を含有した水系媒体中に、上記の重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで、水溶性ラジカル重合開始剤を添加することにより当該油滴中で重合反応が行われる。なお、多層構造の樹脂微粒子を形成する場合には、水系媒体中に核粒子となる樹脂微粒子を添加しておいて重合反応を行うことによって形成することができる。
また、重合性単量体溶液を水系媒体中に分散させる方法は、特に限定されるものではないが、機械的エネルギーを加えて分散させる方法が好ましい。機械的エネルギーを加えて油滴分散を行う分散装置は、特に限定されるものではないが、例えば、「クレアミックス(登録商標)」、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどが挙げられる。
この工程において界面活性剤を使用する場合は、例えば上記に挙げたものと同様のものを使用することができる。
この分散液における結着樹脂微粒子の平均粒子径は、体積基準のメジアン径で例えば10〜1000nmであることが好ましく、30〜300nmであることがより好ましい。
なお、体積基準のメジアン径は、「UPA−150」(マイクロトラック社製)を用いて測定したものである。
(4)凝集、融着工程
この工程は、上記の重合工程で形成した結着樹脂微粒子を水系媒体中で凝集、融着させるものである。この工程では、結着樹脂微粒子分散液に、上記の着色剤形成用分散液調製工程で調製した特定の色素微粒子分散液、銅錯体微粒子分散液、および必要に応じてキナクリドン顔料分散液を添加して、結着樹脂微粒子を色素微粒子および銅錯体微粒子などと凝集、融着させる。この凝集、融着工程の途中段階で、樹脂組成の異なる結着樹脂微粒子、例えばメタクリル酸に由来する構成単位の含有量が10〜20質量%であるスチレンアクリル樹脂の分散液を添加して凝集を行うこともできる。
本発明においては、結着樹脂微粒子などが存在する水系媒体中に、無金属凝集剤を臨界凝集濃度以上添加することにより、微粒子を凝集させ、次いで、結着樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ、離型剤の融解ピーク温度以上の温度に加熱して凝集と同時に融着を進行させる。
この凝集、融着工程では、加熱により速やかに昇温させる必要があり、昇温速度は1℃/分以上とすることが好ましい。昇温速度の上限は、特に限定されないが、急速な凝集および融着の進行により粗大粒子が発生することもあるので、これを抑制する観点から15℃/分以下とすることが好ましい。
さらに、結着樹脂微粒子、色素微粒子および銅錯体微粒子などの分散液がガラス転移点以上かつ離型剤の融解ピーク温度以上の温度に到達後は、当該分散液の温度を一定時間保持することにより、凝集および融着を継続させることが肝要である。このように、分散液温度を一定時間保持することにより、トナー粒子成長(結着樹脂微粒子、色素微粒子および銅錯体微粒子などの凝集)と融着(粒子間の界面消失)とが効果的に進行して最終的に得られるトナーの耐久性を向上させることができる。
〔無金属凝集剤〕
この工程では、イオン性界面活性剤、代表的にはアニオン性界面活性剤を含有する水系媒体(反応系)において、分散された結着樹脂微粒子と、色素微粒子および銅錯体微粒子とを完全に凝集させるために、無金属凝集剤として、この反応系の極性と反対の極性を有する対イオン凝集剤を使用する。
結着樹脂微粒子などの分散液に含有されるイオン性界面活性剤がアニオン性界面活性剤である場合、対イオン凝集剤である例えば有機カチオン性界面活性剤や有機両性界面活性剤を無金属凝集剤として用いることができる。また、対イオン凝集剤の代わりに、有機高分子凝集剤を用いることもできる。
無金属凝集剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔有機カチオン性界面活性剤〕
有機カチオン性界面活性剤としては、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、塩化ベンザルコニウム、セチルピリジニウムブロミド、C12、C15、C17トリメチルアンモニウムブロミド、第四化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、アルカリルケミカル(Alkaril Chemical Company)から入手できるMIRAPOLとALKAQUATおよび花王(Kao Chemicals)から入手できるSANIZOL B(塩化ベンザルコニウム)など、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
これらの中でもアニオン部分がCl- である第4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。
〔有機両性界面活性剤〕
有機両性界面活性剤は、分散液のpHをコントロールすることによってアニオン性またはカチオン性のどちらの形態をとることもできる化合物である。
有機両性界面活性剤としては、例えば、N−エチルニトリロトリ酢酸、N−エチルジメチルNオキサイド、α−トリメチルアンモニオ脂肪酸、N−エチル−β−アミノプロピオン酸塩、N−エチル−β−イミノプロピオン酸塩、N−エチル−オキシメチル−N,N−ジエチルNオキサイド、N−エチル−N,N−ジアミノエチルグリシン塩酸塩、2−エチルイミダゾリン誘導体、アミノエチルイミダゾリン有機酸塩、N−エチルスルホNオキサイド、N−エチルタウリン塩、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどを挙げることができる。
〔有機高分子凝集剤〕
有機高分子凝集剤としては、例えば、キトサン、アルギン酸ナトリウムなどの多糖類;ポリエチレンイミン;ならびにそれらの混合物などが挙げられる。
これらの中でも、多糖類およびポリエチレンイミンを使用することが好ましく、多糖類を使用することがより好ましく、キトサンを使用することが特に好ましい。
無金属凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよく、より好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上であり、さらに、通常、結着樹脂微粒子の総質量に対して2〜10質量%、好ましくは4〜8質量%である。無金属凝集剤が2種以上を併用する場合は、その合計量が上記の範囲内であればよい。
この工程において界面活性剤を使用する場合は、例えば上記に挙げたものと同様のものを使用することができる。
(5)熟成工程
この工程は、具体的には、凝集粒子を含む系を加熱撹拌することにより、凝集粒子の形状を所望の平均円形度になるまで、加熱温度、撹拌速度、加熱時間を制御して調整し、所望の形状を有するトナー粒子を形成する工程である。この工程においては、熱エネルギー(加熱)によりトナー粒子の形状制御を行うことが好ましい。
また、この工程においては、上記トナー粒子分散液にさらに結着樹脂微粒子分散液を添加して結着樹脂微粒子を粒子表面に付着、融着させることにより、いわゆるコア−シェル構造のトナー粒子を形成してもよい。この場合、シェルを形成する結着樹脂微粒子のガラス転移点を、コアを構成する結着樹脂微粒子のガラス転移点よりも20℃以上高くすることが好ましい。
また、上記の凝集、融着工程で用いた結着樹脂微粒子が、イオン性解離基を有する重合性単量体を原料とする樹脂(親水性樹脂)とイオン性解離基のない重合性単量体のみを原料とする樹脂(疎水性樹脂)を含有して構成される場合は、この熟成工程において親水性樹脂を凝集粒子の表面側に、疎水性樹脂を凝集粒子の内部側に配向させることによりコア−シェル構造のトナー粒子を形成することができる。
(6)冷却工程
この工程は、上記トナー粒子分散液を冷却処理する工程である。
冷却処理を行う際の冷却速度は1〜20℃/分が好ましい。
冷却処理方法は、特に限定されるものではなく、反応容器外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法などの公知の方法が挙げられる。
(7)濾過、洗浄工程〜(8)乾燥工程
濾過、洗浄工程および乾燥工程は、公知の種々の方法を採用して行うことができる。
(9)外添処理工程
この外添処理工程は、乾燥処理したトナー粒子に、必要に応じて外添剤を添加、混合する工程である。
外添剤の添加方法としては、乾燥されたトナー粒子に粉体状の外添剤を添加して混合する乾式法が挙げられ、混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を用いることができる。
〔外添剤〕
外添剤は、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良する機能を有する。
外添剤としては、特に制限されないが、数平均一次粒径が2〜800nm程度の無機微粒子や数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の有機微粒子などの粒子を用いることが好ましい。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば、以下に例示する公知の無機微粒子や有機微粒子、滑剤などが挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム、ハイドロタルサイトなどの微粒子を好ましく用いることができる。また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用することができる。
また、有機微粒子としては、具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による微粒子を使用することができる。
また、滑剤としては、例えば、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウムなどの塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、リノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩などの高級脂肪酸の金属塩を用いることができる。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー粒子100質量部に対して0.1〜10.0質量部であることが好ましい。
〔着色剤〕
本発明に係るトナーに含有される着色剤は、特定の色素化合物と特定の銅錯体化合物とのキレート反応により得られるものである。
〔特定の色素化合物〕
特定の色素化合物を示す上記一般式(1)中、Rx1 およびRx2 は、各々、置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基である。
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−アミル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、3−メチルペンタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、4−メチルペンチル基、4−メチルペンタン−2−イル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−(n−プロピル)ブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキサン−2−イル基、2,4−ジメチルペンタン−3−イル基、1,1−ジメチルペンタン−1−イル基、2,2−ジメチルヘキサン−3−イル基、2,3−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,4−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−メチルヘプタン−2−イル基、3−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−4−イル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、n−ノニル基、1−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−(n−ブチル)ペンチル基、4−メチル−1−(n−プロピル)ペンチル基、1,5,5−トリメチルヘキシル基、1,1,5−トリメチルヘキシル基、2−メチルオクタン−3−イル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、1−エチルオクチル基、1−(n−ブチル)ヘキシル基、1,1−ジメチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、1−エチルノニル基、n−ドデシル基、1−メチルウンデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、1−メチルトリデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、またはn−トリアコンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−tert−ブチル−シクロヘキシル基などが挙げられる。
これらのアルキル基は、置換基によって置換されていてもよい。
置換基の例としては、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基など)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基など)、芳香族ヘキシル基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基など)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基など)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基など)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基など)、ホスホニル基(例えばジメトキシホスホニル、ジフェニルホスホニル)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基など)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基など)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基など)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基など)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基など)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基など)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基など)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基など)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基など)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基など)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ基)、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、ヒドロキシ基などが挙げられ、これらはさらに置換基を有していてもよい。これら置換基の中でも、芳香族ヘキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基が好ましい。
Rx1 およびRx2 は、各々、無置換のアルキル基またはアルコキシ基で置換されたアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることがより好ましい。
また、特定の色素化合物を示す上記一般式(1)中、Lxは、水素原子、または、置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基である。
アルキル基の具体例としては、上記Rx1 およびRx2 として採用することができるアルキル基と同様のものを挙げることができる。また、置換基の具体例としても、上記Rx1 およびRx2 として採用することができる置換基と同様のものを挙げることができる。
また、特定の色素化合物を示す上記一般式(1)中、Gx1 は、置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基である。
アルキル基の具体例としては、上記Rx1 およびRx2 として採用することができるアルキル基のうち、メチル基を除いて同様のものを挙げることができる。また、置換基の具体例としては、上記Rx1 およびRx2 として採用することができる置換基と同様のものを挙げることができる。
また、特定の色素化合物を示す上記一般式(1)中、Gx2 は、置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基である。
Gx2 が炭素数が少ないアルキル基であることにより、得られる着色剤の疎水性が低いものとなり、その結果、結着樹脂との間に強い相互作用が得られる。その結果、着色剤の分散状態がより安定となり、トナーにより優れた色再現性が得られる。
Gx2 として採用することができるアルキル基の具体的としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−アミル基、tert−ペンチル基、またはネオペンチル基が挙げられる。また、置換基の具体例としては、上記Rx1 およびRx2 として採用することができる置換基と同様のものを挙げることができる。
Gx2 は、本発明の効果をより効果的に得るという観点から、好ましくはメチル基またはエチル基である。
また、特定の色素化合物を示す上記一般式(1)中、Gx3 は、水素原子、ハロゲン原子、Gx4 −CO−NH−で表される基、または、Gx5 −N(Gx6 )−CO−で表される基である。
ここに、Gx4 は有機基であり、Gx5 およびGx6 は、各々、水素原子または有機基である。
Gx4 、Gx5 およびGx6 として採用することができる有機基の具体例としては、上記Rx1 およびRx2 として採用することができる置換基に加えて、炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基が挙げられる。アルキル基の具体例としては、上記Rx1 およびRx2 として採用することができるアルキル基と同様のものを挙げることができる。
また、特定の色素化合物を示す上記一般式(1)中、Qx1 、Qx2 、Qx3 、Qx4 およびQx5 は、各々、水素原子または有機基である。
Qx1 、Qx2 、Qx3 、Qx4 およびQx5 として採用することができる有機基の具体例としては、上記Rx1 およびRx2 として採用することができる置換基に加えて、炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基が挙げられる。アルキル基の具体例としては、上記Rx1 およびRx2 として採用することができるアルキル基と同様のものを挙げることができる。
Qx1 、Qx2 、Qx3 、Qx4 およびQx5 は、各々、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアリール基であることが好ましく、全てが水素原子であることがより好ましい。
以下、上記一般式(1)で表される特定の色素化合物のさらに具体的な例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006273908
Figure 0006273908
Figure 0006273908
上記一般式(1)で表される特定の色素化合物は、例えば、特開昭63−226653号公報、特開平10−193807号公報、同11−78258号公報、同6−250357号公報、同2−155693号公報、同1−110565号公報、同2−668号公報、同2−28264号公報、同2−53865号公報、同2−53866号公報、英国特許1,252,418号明細書、特開昭64−63194号公報、特開平2−208094号公報、同3−205189号公報、同2−265791号公報、同2−310087号公報、同2−53866号公報、特開平4−91987号公報、特開昭63−205288号公報、特開平3−226750号公報、英国特許1,183,515号明細書、特開平4−190348号公報、特開昭63−113077号公報、特開平3−275767号公報、同4−13774号公報、同4−89287号公報、特開平7−175187号公報、同10−60296号公報、同11−78258号公報、特開2004−138834号公報、特開2006−350300号公報などの各公報に記載された従来公知の方法を参考にして合成することができる。
以上の特定の色素化合物は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特定の色素化合物の使用量は、トナー粒子全体に対して0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜7質量%であることがより好ましい。
〔特定の銅錯体化合物〕
特定の銅錯体化合物である上記一般式(2)で表される化合物は、下記一般式(2a)および下記一般式(2b)に示す極限構造式を用いて表すこともできるものである。この特定の銅錯体化合物を含有することにより、着色剤の耐光性と分散安定性とが向上される。
これらの上記一般式(2)で表される銅錯体化合物と、下記一般式(2a)で表される化合物および下記一般式(2b)で表される化合物は、本質的に同一であり、区別されない。なお、共有結合(−で示す)と配位結合(・・・で示す)との区別も形式的なもので、絶対的な区別を表すものではない。
Figure 0006273908
上記一般式(2a)および一般式(2b)中、R1 、R2 、およびR3 は、上記一般式(2)と同義の基である。
特定の銅錯体化合物は、下記一般式(3)で表される原料化合物に対して、銅化合物を反応させることにより合成したものであることが好ましい。使用される2価の金属化合物としては、塩化銅(II)、酢酸銅(II)、過塩素酸銅などが挙げられる。
このような特定の銅錯体化合物の合成方法は、「キレート化学(5)錯体化学実験法[I](南江堂編)」などに記載の方法に準じて合成することができる。
Figure 0006273908
上記一般式(3)中、R1 、R2 、およびR3 は、上記一般式(2)と同義の基である。
また、特定の銅錯体化合物を示す上記一般式(2)中、R1 は置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基である。
アルキル基の具体例としては、上記Rx1 およびRx2 として採用することができるアルキル基と同様のものを挙げることができる。
これらのアルキル基は、置換基によって置換されていてもよい。
置換基の例としては、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基など)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基など)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、複素アリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基など)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基など)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基など)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基など)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基など)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基など)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基など)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基など)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基など)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基など)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基など)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基など)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子など)などが挙げられ、これらの基はさらに同様の基で置換されていてもよい。
1 は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
また、特定の銅錯体化合物を示す上記一般式(2)中、R2 は水素原子、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ハロゲン原子またはシアノ基である。
具体的には、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基などのアリールオキシカルボニル基;アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基などのスルファモイル基;メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基などのスルフィニル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基などのアルキルスルホニル基;フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基などのアリールスルホニル基;アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基などのアシル基;ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子など)、シアノ基などが挙げられる。
2 は、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基またはシアノ基であることが好ましく、より好ましくはアルコキシカルボニル基、アシル基またはシアノ基であり、さらに好ましくはシアノ基である。
また、特定の銅錯体化合物を示す上記一般式(2)中、R3 は置換されていてもよい炭素数9〜120の芳香族炭化水素基を含有する有機基である。
これらの芳香族炭化水素基を含有する有機基は、置換基によって置換されていてもよい。
置換基の例としては、上記R1 として採用することができる置換基と同様のものを挙げることができる。
置換基は、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基またはハロゲン原子であることが好ましく、より好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基またはカルバモイル基であり、さらに好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基またはアミド基である。
以下、上記一般式(2)で表される特定の銅錯体化合物のさらに具体的な例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。表中の*はそれぞれの基の結合位置を示す。
Figure 0006273908
Figure 0006273908
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Figure 0006273908
Figure 0006273908
Figure 0006273908
Figure 0006273908
以上の特定の銅錯体化合物は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特定の銅錯体化合物の使用量は、特定の色素化合物の0.5〜2モル倍であることが好ましい。
トナー粒子に特定の銅錯体化合物が含有されていることは、波長分散X線分光法(WDX)などによって確認することができる。
〔キナクリドン顔料〕
本発明に係るトナーには、キナクリドン顔料がさらに含有されていてもよい。
キナクリドン顔料は、特有のπ共役系平面構造を有し、かつカルボニル基やアミノ基などの極性基を有していることから、特定の銅錯体化合物や特定の色素化合物に対して配向しやすい構造を有している。従って、キナクリドン顔料がさらに含有されたトナーによれば、キナクリドン顔料が特定の銅錯体化合物および特定の色素化合物との間に強固な配向構造を形成し、これらの特定の銅錯体化合物や特定の色素化合物が有する可塑性の影響が結着樹脂に及ばず、その結果、優れた色調が得られると共に耐オフセット性を向上されたものとすることができる。
キナクリドン顔料としては、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006273908
上記一般式(4)中、R11〜R18は、各々、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基、ハロゲン原子、またはメトキシ基である。
キナクリドン顔料の具体例としては、以下に示すような公知のキナクリドン顔料を挙げることができる。
(1)ジメチルキナクリドン顔料;例えば、C.I.ピグメントレッド122など
(2)ジクロロキナクリドン顔料;例えば、C.I.ピグメントレッド202やC.I.ピグメントレッド209など
(3)無置換キナクリドン顔料;例えば、C.I.ピグメントバイオレット19など
(4)上記キナクリドン顔料から選ばれる少なくとも2種以上の顔料の混合物または固溶体。
これらのキナクリドン顔料の中でも、C.I.ピグメントレッド122を用いることが好ましい。また、使用するキナクリドン顔料は、粉末状や顆粒状あるいはバルク状といった乾燥状態のものでもよく、ウェットケーキあるいはスラリーのような含水状態のものでよい。
以下、キナクリドン顔料のさらに具体的な例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006273908
キナクリドン顔料の使用量は、特に限定されるものではないが、トナー粒子全体に対して0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜7質量%であることがより好ましい。
また、キナクリドン顔料の使用量は、特定の色素化合物および特定の銅錯体化合物との反応物(着色剤)の総量100質量部に対して5〜150質量部であることが好ましい。キナクリドン顔料の使用量が上記の範囲にあることによって、キナクリドン顔料を中心にして特定の色素化合物と特定の銅錯体化合物とによる配向構造を確実に形成することができ、特定の色素化合物および/または特定の銅錯体化合物の結着樹脂への溶解を抑制することができて結着樹脂への可塑性の付与を抑制することができる。その結果、定着分離性が向上するものと考えられる。
また、キナクリドン顔料の使用量が上記の範囲とされることによって、定着分離性の向上が得られると共に定着画像の透明性も維持されて、広い色域で色再現性を確保することができるものと考えられる。
〔結着樹脂〕
本発明に係るトナーに含有される結着樹脂としては、熱可塑性樹脂が含有されていればよく、一般にトナーを構成する結着樹脂として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
具体的には、例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなるビニル変性ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン系樹脂、アミド樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられる。
これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、低温定着性および耐熱保管性を確保する観点より、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなるビニル変性ポリエステル樹脂のいずれか1種以上を用いることが好ましく、さらにスチレンアクリル変性ポリエステル樹脂を用いることが好ましく、特に、スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂およびスチレンアクリル樹脂を併用することが好ましい。
〔スチレンアクリル樹脂〕
スチレンアクリル樹脂は、スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体によって形成されたものである。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなどおよびその誘導体が挙げられる。
これらのスチレン系単量体は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレートフェニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸エステル系単量体は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記のスチレン系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共に、以下のビニル単量体を用いることもできる。
・オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレンなど。
・ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
・ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
・ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
・N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
・その他
ブタジエン、ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体、無水マレイン酸など。
また、上記のスチレン系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共に、以下の多官能ビニル単量体を使用して結着樹脂を架橋構造のものとすることもできる。
・多官能ビニル単量体
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキシレングリコールジメタクリレート、ヘキシレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの3級以上のアルコールのジメタクリレートおよびトリメタクリレートなど。
スチレンアクリル樹脂を形成するための重合性単量体全体における多官能ビニル単量体の割合(共重合比)は、通常0.001〜5質量%とされ、好ましくは0.003〜2質量%とされる。
多官能ビニル単量体の使用により、スチレンアクリル樹脂にテトラヒドロフランに不溶のゲル成分が生成されるが、このゲル成分がスチレンアクリル樹脂全体の40質量%以下とされることが好ましく、20質量%以下とされることがより好ましい。
また、上記のスチレン系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共に、以下の例えばカルボキシ基、リン酸基などのイオン性解離基を有する重合性単量体を使用することもできる。
・カルボキシ基を有する重合性単量体
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなど。
・スルホン酸基を有する重合性単量体
スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸など。
・リン酸基を有する重合性単量体
アシドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシドホスホオキシプロピルメタクリレートなど。
スチレンアクリル樹脂の合成方法は、特に制限されず、公知の種々の方法を採用することができる。
スチレンアクリル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量は、重量平均分子量(Mw)が2,000〜1,000,000であることが好ましい。また、数平均分子量(Mn)が1,000〜100,000であることが好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜100であることが好ましく、1.8〜70であることがより好ましい。
スチレンアクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)が上記の範囲にあることにより、熱定着時のホットオフセット現象の発生を有効に抑止することができる。
GPCによる分子量測定は、以下のように行った。すなわち、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料(スチレンアクリル樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成した。また、検出器には屈折率検出器を用いた。
スチレンアクリル樹脂のガラス転移点は、30〜70℃であることが好ましい。
スチレンアクリル樹脂のガラス転移点が上記の範囲にあることによって良好な定着性が得られる。
スチレンアクリル樹脂のガラス転移点は、測定試料としてスチレンアクリル樹脂を用いて、ASTM(米国材料試験協会規格)D3418−82に規定された方法(DSC法)によって測定された値である。
結着樹脂として、上記のスチレンアクリル樹脂の1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2種以上を組み合わせて用いる場合、そのうちの少なくとも1種は、メタクリル酸に由来する構成単位の含有量が10〜20質量%であるスチレンアクリル樹脂を用いることが好ましい。このようなスチレンアクリル樹脂は、カルボキシ基を有しており、このカルボキシ基が特定の色素化合物および特定の銅錯体化合物の分散状態をより安定化させ、本発明の効果をより向上させると考えられる。
〔スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂〕
スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂は、スチレンアクリル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなる共重合体よりなるビニル変性ポリエステル樹脂である。
このスチレンアクリル変性ポリエステル樹脂は、ポリエステル重合セグメントの末端にスチレンアクリル重合セグメントが結合されたブロック共重合体構造のものであってもよく、ポリエステル重合セグメントにスチレンアクリル重合セグメントの分岐構造が形成されたグラフト共重合体構造のものであってもよい。
スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂におけるスチレンアクリル重合セグメントの含有割合(以下、「スチレンアクリル変性量」ともいう。)は5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
スチレンアクリル変性量は、具体的には、スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂を合成するために用いられる樹脂材料の全質量、すなわち、ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸および多価アルコールと、スチレンアクリル重合セグメントを形成するためのスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、これらを結合させるための両反応性モノマーを合計した全質量に対する、スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の質量の割合をいう。
スチレンアクリル変性量が上記の範囲にあることにより、例えば結着樹脂としてスチレンアクリル変性ポリエステル樹脂と共にスチレンアクリル樹脂を用いる場合には、両者の親和性が良好になりトナー粒子中におけるスチレンアクリル変性ポリエステル樹脂の分散性が良好なものとなる。
〔スチレンアクリル重合セグメント〕
スチレンアクリル重合セグメントは、スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体を用いて形成されるものである。
スチレンアクリル重合セグメントを形成するために用いることのできるスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、スチレンアクリル樹脂を形成するために用いることのできるスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体として例示したものを用いることができる。
スチレンアクリル重合セグメントを形成するためのスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、優れた帯電性、画質特性などを得る観点から、スチレン系単量体を多く用いることが好ましい。具体的には、スチレン系単量体の使用量が、スチレンアクリル重合セグメントを形成するために用いられる全単量体(スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体)中の50質量%以上であることが好ましい。
スチレンアクリル重合セグメント単独のガラス転移点は35〜80℃であることが好ましく、より好ましくは40〜60℃である。
スチレンアクリル重合セグメント単独のガラス転移点は、測定試料としてスチレンアクリル重合セグメントを用いたことの他は上記と同様にして測定されるものである。
スチレンアクリル重合セグメント単独のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量分布から算出された重量平均分子量(Mw)は2,000〜100,000であることが好ましい。
スチレンアクリル重合セグメントのGPCによる分子量分布測定は、測定試料としてスチレンアクリル重合セグメントを用いたことの他は上記と同様にして行われるものである。
〔ポリエステル重合セグメント〕
ポリエステル重合セグメントは、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する多価カルボン酸またはその誘導体と、1分子中に水酸基を2個以上含有する多価アルコールまたはその誘導体により形成されるものである。
多価カルボン酸の誘導体とは、多価カルボン酸のアルキルエステルや酸無水物、酸塩化物などがある。多価アルコールの誘導体とは、多価アルコールのエステル化合物やヒドロキシカルボン酸などがある。
多価アルコールとしては、公知の2価アルコールや3価以上のアルコールが挙げられる。
2価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
3価以上のアルコールの具体例としては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミンなどが挙げられる。
これらの多価アルコールは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
多価カルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸などの公知の2価カルボン酸や3価以上のカルボン酸が挙げられる。
2価のカルボン酸の具体例としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、メサコン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸などが挙げられる。
3価以上のカルボン酸の具体例としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸などが挙げられる。
これらの多価カルボン酸は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
多価カルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸を用いることが好ましく、特に、下記一般式(A)で表される脂肪族不飽和ジカルボン酸を用いることが好ましい。
脂肪族不飽和ジカルボン酸とは、分子内にビニレン基を有する鎖状のジカルボン酸をいう。
多価カルボン酸としてこのような脂肪族不飽和ジカルボン酸を用いることにより、後述の両反応性モノマーを使用しなくてもポリエステル重合セグメントとスチレンアクリル重合セグメントとが分子結合した構造を形成することができる。従って、スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂を作製する際に必要なモノマーの種類を少なくして、スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂の製造工程を簡素化させて生産性を向上させることができる。なお、脂肪族不飽和ジカルボン酸を用いる場合においても両反応性モノマーを使用してもよい。
一般式(A):HOOC−(CR4 =CR5 −COOH
〔式中、R4 、R5 は、各々、水素原子、メチル基またはエチル基であって、互いに同じであっても異なっていてもよい。nは1または2の整数である。〕
このスチレンアクリル変性ポリエステル樹脂のポリエステル重合セグメントを構成する多価カルボン酸に由来の構造単位における、脂肪族不飽和ジカルボン酸に由来の構造単位の含有割合は20〜75モル%であることが好ましく、より好ましくは30〜60モル%である。
上記の多価カルボン酸と多価アルコールの比率は、多価アルコールの水酸基[OH]と多価カルボン酸のカルボキシ基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]が、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
ポリエステル重合セグメントは、用いる多価カルボン酸および/または多価アルコールとして、カルボン酸価数またはアルコール価数を選択することなどによって、一部枝分かれ構造や架橋構造などが形成されていてもよい。
ポリエステル重合セグメント単独のガラス転移点は40〜70℃であることが好ましく、より好ましくは50〜65℃である。
ポリエステル重合セグメントのガラス転移点が40℃以上であることにより、熱定着時にポリエステル重合セグメント同士が適度に凝集して、ホットオフセット現象の発生を抑制することができる。また、ポリエステル重合セグメントのガラス転移点が70℃以下であることにより、例えば結着樹脂としてスチレンアクリル変性ポリエステル樹脂と共にスチレンアクリル樹脂を用いる場合には、熱定着時にスチレンアクリル樹脂の溶融を阻害することがなく、十分な低温定着性を得ることができる。
ポリエステル重合セグメント単独のガラス転移点は、測定試料としてポリエステル重合セグメントを用いたことの他は上記と同様にして測定されるものである。
ポリエステル重合セグメント単独のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量分布から算出された重量平均分子量(Mw)は1,500〜60,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜40,000である。
重量平均分子量が1,500以上であることによって、結着樹脂全体として適度な凝集力を発揮することができ、熱定着時のホットオフセット現象の発生を抑制することができる。また、重量平均分子量が60,000以下であることによって、短時間の加熱で十分な溶融が得られると共に、冷却により強固な定着画像を形成することができる。
ポリエステル重合セグメントのGPCによる分子量分布測定は、測定試料としてポリエステル重合セグメントを用いたことの他は上記と同様にして行われるものである。
〔スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂の製造方法〕
スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂は、ポリエステル重合セグメントとスチレンアクリル重合セグメントとを両反応性モノマーを介して結合することにより製造することができる。詳細には、スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体を付加重合させる工程の前、中および後の少なくともいずれかの時点で、多価カルボン酸および多価アルコールを存在させて縮重合反応を行うことによって製造することができる。
具体的には、既存の一般的なスキームを使用することができる。代表的な方法としては、以下の3つが挙げられる。
(1)スチレンアクリル重合セグメントを形成するためのスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の付加重合反応を行った後、ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸および多価アルコールの縮重合反応を行い、必要に応じて架橋剤となる3価以上のビニル単量体を反応系に添加し、縮重合反応をさらに進行させる方法。
(2)ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸および多価アルコールの縮重合反応を行った後、スチレンアクリル重合セグメントを形成するためのスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の付加重合反応を行い、その後、必要に応じて架橋剤となる3価以上のビニル単量体を反応系に添加し、縮重合反応に適した温度条件下で、縮重合反応をさらに進行させる方法。
(3)付加重合反応に適した温度条件下で、スチレンアクリル重合セグメントを形成するためのスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の付加重合反応、および、ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸および多価アルコールの縮重合反応を平行して行い、付加重合反応が終了した後、必要に応じて架橋剤となる3価以上のビニル単量体を反応系に添加し、縮重合反応に適した温度条件下で縮重合反応をさらに進行させる方法。
両反応性モノマーは、多価カルボン酸・多価アルコールおよび/またはビニル単量体と共に添加する。
両反応性モノマーは、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基および/またはカルボキシ基、より好ましくはカルボキシ基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物、すなわち、ビニル系カルボン酸であることが好ましい。
両反応性モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシ基を有するビニル化合物や無水マレイン酸などのカルボン酸無水物などが挙げられる。
両反応性モノマーの使用量は、スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂の形成に使用される単量体の総質量100質量%において、0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜3.0質量%であることがより好ましい。
付加重合反応は、例えば、ラジカル重合開始剤、架橋剤などの存在下、有機溶媒中または無溶媒下で、常法により行うことができるが、温度条件は110〜200℃が好ましく、140〜180℃がより好ましい。ラジカル重合開始剤としては、ジアルキルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボン酸などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
縮重合反応は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、180〜250℃の温度条件で行うことができるが、エステル化触媒、重合禁止剤などの存在下で行うことが好ましい。エステル化触媒としては、ジブチル錫オキシド、チタン化合物、オクチル酸スズなどのSn−C結合を有していない錫(II)化合物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは両者を組み合わせて用いることができる。
〔トナー粒子の構成〕
本発明に係るトナー粒子は、コア−シェル構造のものであってもよい。コア−シェル構造のトナー粒子は、着色剤や離型剤などが含有された、ガラス転移点が比較的低めの樹脂によって形成されたコア部の表面が、比較的ガラス転移点が高めの樹脂によるシェル層によって被覆されてなるものである。
コア−シェル構造のトナー粒子は、シェル層がコア部を完全に被覆した構造のものに限定されるものではなく、例えば、シェル層がコア部を完全に被覆せずに所々コア部が露出しているものも含む。
コア−シェル構造のトナー粒子の断面構造は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型プロープ顕微鏡(SPM)などの公知の手段を用いて確認することができる。
コア−シェル構造のトナー粒子を構成する樹脂の組み合わせは、特に制限されないが、スチレンアクリル樹脂をコア部を構成する樹脂として用いると共に、スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂をシェル層を構成する樹脂として用いることが好ましい。
〔トナーの軟化点〕
トナーの軟化点は、当該トナーに低温定着性を得る観点から、80〜170℃であることが好ましい。
トナーの軟化点は、下記に示すフローテスターによって測定されるものである。
具体的には、まず、20℃、50%RHの環境下において、試料(トナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetが、軟化点とされる。
〔トナーの平均粒径〕
本発明に係るトナーの平均粒径は、例えば体積基準のメジアン径で3〜8μmであることが好ましい。この粒径は、例えば後述する乳化凝集法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成などによって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。また、トナーの消費量を、大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
〔トナー粒子の平均円形度〕
本発明に係るトナーは、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.920〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.940〜0.995である。
本発明において、トナー粒子の平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定されるものである。
具体的には、試料(トナー粒子)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
〔現像剤〕
本発明に係るトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを一成分用現像剤として用いる場合は、非磁性一成分用現像剤、またはトナー粒子中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させて磁性一成分用現像剤としたものが挙げられる。
また、トナーを二成分用現像剤として使用する場合に用いるキャリアとしては、特に制限されずに公知の種々のキャリアを用いることができ、例えば鉄などの金属、フェライト、マグネタイトなどの磁性酸化物、これらの化合物とアルミニウム、鉛などの金属との合金などを用いることができ、特にフェライトを用いることが好ましい。また、キャリアとしては、前記の磁性金属や磁性酸化物、あるいはガラスビーズの表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなどを用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、トナーに対し相対的に正帯電性を示すものが好ましく、例えばオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、フッ素含有重合体樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
好ましいキャリアとしては、外添剤の離脱防止や耐久性の観点から、被覆樹脂としてアクリル樹脂で被覆したコートキャリアが挙げられる。
キャリアは、その体積基準のメジアン径(D50)が20〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。キャリアの体積基準のメジアン径(D50)は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「へロス(HELOS)」(シンパテイック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例〕
(1)スチレンアクリル樹脂微粒子分散液(結着樹脂微粒子〔A〕の分散液)の調製
(1−1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管、および窒素導入装置を取り付けた反応容器に、予めアニオン性界面活性剤:ラウリル硫酸ナトリウム2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
このアニオン性界面活性剤溶液に重合開始剤:過硫酸カリウム(KPS)9.0質量部を添加し、内温を78℃とさせた後、
・スチレン 540質量部
・n−ブチルアクリレート 154質量部
・メタクリル酸 77質量部
・n−オクチルメルカプタン 17質量部
からなる単量体溶液〔1〕を3時間かけて滴下した。滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行うことにより、樹脂微粒子〔a1〕の分散液を調製した。
(1−2)第2段重合:中間層の形成
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、
・スチレン 94質量部
・n−ブチルアクリレート 27質量部
・メタクリル酸 6質量部
・n−オクチルメルカプタン 1.7質量部
からなる溶液に、離型剤としてパラフィンワックス(融点:73℃)51質量部を添加し、85℃に加温して溶解させて単量体溶液〔2〕を調製した。
一方、アニオン性界面活性剤:ラウリル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温した。この界面活性剤溶液に上記の樹脂微粒子〔a1〕の分散液を、樹脂微粒子〔a1〕の固形分換算で28質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(登録商標)」(エム・テクニック社製)により、上記単量体溶液〔2〕を4時間にわたって混合、分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製した。
この分散液に、重合開始剤:過硫酸カリウム(KPS)2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を90℃において2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合(第2段重合)を行うことにより、樹脂微粒子〔a11〕の分散液を調製した。
(1−3)第3段重合:外層の形成
上記の樹脂微粒子〔a11〕の分散液に、重合開始剤:過硫酸カリウム(KPS)2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
・スチレン 230質量部
・n−ブチルアクリレート 78質量部
・メタクリル酸 16質量部
・n−オクチルメルカプタン 4.2質量部
からなる単量体溶液〔3〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱、撹拌することによって重合(第3段重合)を行った。その後、28℃まで冷却し、アニオン性界面活性剤溶液中にスチレンアクリル樹脂からなる結着樹脂微粒子〔A〕が分散された結着樹脂微粒子〔A〕の分散液を作製した。
結着樹脂微粒子〔A〕のガラス転移点は45℃、軟化点は100℃であった。
(2)スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂微粒子分散液(結着樹脂微粒子〔B〕の分散液)の調製
(2−1)スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂〔1〕の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した容量10リットルの四つ口フラスコに、
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 500質量部
・テレフタル酸 117質量部
・フマル酸 82質量部
・エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2質量部
を入れ、230℃で8時間重縮合反応させ、さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した。その後、
・アクリル酸 10質量部
・スチレン 30質量部
・ブチルアクリレート 7質量部
・重合開始剤(過酸化ジ−t−ブチル) 10質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、アクリル酸、スチレン、ブチルアクリレートを除去することにより、スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂〔1〕を得た。
このスチレンアクリル変性ポリエステル樹脂〔1〕のガラス転移点は60℃、軟化点は105℃であった。
(2−2)スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製
得られたスチレンアクリル変性ポリエステル樹脂〔1〕100質量部を、「ランデルミル 形式:RM」(株式会社徳寿工作所製)で粉砕した。予め作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(株式会社日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散し、体積基準のメジアン径(D50)が250nmである、スチレンアクリル変性ポリエステル樹脂からなる結着樹脂微粒子〔B〕の分散液を作製した。
(3)色素微粒子分散液〔1−5〕の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌しながら溶解することによって界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液に、上記式(1−5)で表される色素化合物20質量部を徐々に添加し、次いで、「クレアミックス(登録商標)WモーションCLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、色素化合物(1−5)の微粒子が分散された色素微粒子分散液〔1−5〕を調製した。
この色素微粒子分散液〔1−5〕における色素化合物(1−5)の微粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で221nmであった。
色素化合物(1−5)の微粒子の体積基準のメジアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、サンプル屈折率1.59、サンプル比重1.05(球状粒子換算)、溶媒屈折率1.33、溶媒粘度0.797(30℃)および1.002(20℃)の測定条件により、測定セルにイオン交換水を投入することによって0点調整を行なうことによって測定した。
(4)銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の調製
上記の(3)色素微粒子分散液〔1−5〕の調製工程において、上記式(1−5)で表される色素化合物20質量部の代わりに上記式(2−8)で表される銅錯体化合物19.4質量部を用いたこと以外は、当該(3)色素微粒子分散液〔1−5〕の調製工程と同様にし、銅錯体素化合物(2−8)の微粒子が分散された銅錯体微粒子分散液〔2−8〕を調製した。
この銅錯体微粒子分散液〔2−8〕における銅錯体化合物(2−8)の微粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で181nmであった。
銅錯体化合物(2−8)の微粒子の体積基準のメジアン径は、色素化合物(1−5)の微粒子と同様の方法によって測定した。
(5)凝集剤水溶液〔1〕の調製
カチオン性界面活性剤:ジステアリルアンモニウムクロライド4.5gを、イオン交換水40.5gに溶解することにより、凝集剤水溶液〔1〕を調整した。
(6)凝集、融着−熟成−洗浄−乾燥−外添処理工程
撹拌装置、温度センサー、および冷却管を取り付けた反応容器に、上記の結着樹脂微粒子〔A〕の分散液391.5質量部(固形分換算)、イオン交換水1700質量部を投入し、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを11.5に調整した。
次いで、色素微粒子分散液〔1−5〕22質量部(固形分換算)を投入し、さらに、凝集剤水溶液〔1〕4.5質量部(固形分換算)を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温し、上記の結着樹脂微粒子〔B〕の分散液58.5質量部(固形分換算)を添加した後、85℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径(D50)が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。その後、85℃にて銅錯体微粒子分散液〔2−8〕38質量部(固形分換算)を添加し、そのまま加熱撹拌することにより粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(シスメックス社製)を用いて(HPF検出数を4000個)、平均円形度が0.945になった時点で30℃に冷却し、これにより、マゼンタに係るトナー粒子〔1〕の分散液を得た。
この分散液を遠心分離機で固液分離し、トナー粒子〔1〕のウェットケーキを形成し、これを、遠心分離機を用いて濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(株式会社セイシン企業製)に移し、水分量が0.6質量%以下となるまで乾燥した。
乾燥させたトナー粒子〔1〕に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)1質量%および疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合することにより、トナー〔1〕を作製した。
〔実施例2:マゼンタトナー〔2〕の作製例〕
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(5)凝集剤水溶液〔1〕の調製工程において、ジステアリルアンモニウムクロライドの代わりにアルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミドを用いたこと以外は同様にして、凝集剤水溶液〔2〕を調製した。
そして、実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例において、凝集剤水溶液〔1〕の代わりに凝集剤水溶液〔2〕を用いたこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔2〕を作製した。
〔実施例3:マゼンタトナー〔3〕の作製例〕
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(5)凝集剤水溶液〔1〕の調製工程において、ジステアリルアンモニウムクロライドの代わりに有機両性界面活性剤であるアラニンを用いたこと以外は同様にして、凝集剤水溶液〔3〕を調製した。
そして、実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例において、水酸化ナトリウムの代わりに塩酸を用いてpHを4.0に調整し、凝集剤水溶液〔1〕の代わりに凝集剤水溶液〔3〕を用い、その添加量を4.5質量部(固形分換算)から2.5質量部(固形分換算)に変更したこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔3〕を作製した。
〔実施例4:マゼンタトナー〔4〕の作製例〕
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(3)色素微粒子分散液〔1−5〕の調製工程において、式(1−5)で表される色素化合物の代わりに式(1−4)で表される色素化合物を用いたこと以外は同様にして、色素微粒子分散液〔1−4〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(4)銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の調製工程において、式(2−8)で表される銅錯体化合物の代わりに式(2−1)で表される銅錯体化合物を用いたこと以外は同様にして、銅錯体微粒子分散液〔2−1〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(5)凝集剤水溶液〔1〕の調製工程において、ジステアリルアンモニウムクロライドの代わりに有機両性界面活性剤であるドデシルジアミノエチルグリシンを用いたこと以外は同様にして、凝集剤水溶液〔4〕を調製した。
そして、実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例において、水酸化ナトリウムの代わりに塩酸を用いてpHを3.0に調整し、凝集剤水溶液〔1〕の代わりに凝集剤水溶液〔4〕を用い、その添加量を4.5質量部(固形分換算)から2.5質量部(固形分換算)に変更し、色素微粒子分散液〔1−5〕の代わりに色素微粒子分散液〔1−4〕を用い、銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の代わりに銅錯体微粒子分散液〔2−1〕を用いたこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔4〕を作製した。
〔実施例5:マゼンタトナー〔5〕の作製例〕
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(3)色素微粒子分散液〔1−5〕の調製工程において、式(1−5)で表される色素化合物の代わりに式(1−8)で表される色素化合物を用いたこと以外は同様にして、色素微粒子分散液〔1−8〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(4)銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の調製工程において、式(2−8)で表される銅錯体化合物の代わりに式(2−12)で表される銅錯体化合物を用いたこと以外は同様にして、銅錯体微粒子分散液〔2−12〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(5)凝集剤水溶液〔1〕の調製工程において、ジステアリルアンモニウムクロライドの代わりに高分子凝集剤であるキトサンを用いたこと以外は同様にして、凝集剤水溶液〔5〕を調製した。
そして、実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例において、凝集剤水溶液〔1〕の代わりに凝集剤水溶液〔5〕を用い、その添加量を4.5質量部(固形分換算)から1.0質量部(固形分換算)に変更し、色素微粒子分散液〔1−5〕の代わりに色素微粒子分散液〔1−8〕を用い、銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の代わりに銅錯体微粒子分散液〔2−12〕を用いたこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔5〕を作製した。
〔実施例6:マゼンタトナー〔6〕の作製例〕
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(3)色素微粒子分散液〔1−5〕の調製工程において、式(1−5)で表される色素化合物の代わりに式(1−8)で表される色素化合物を用いたこと以外は同様にして、色素微粒子分散液〔1−8〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(4)銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の調製工程において、式(2−8)で表される銅錯体化合物の代わりに式(2−13)で表される銅錯体化合物を用いたこと以外は同様にして、銅錯体微粒子分散液〔2−13〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(5)凝集剤水溶液〔1〕の調製工程において、ジステアリルアンモニウムクロライドの代わりに高分子凝集剤であるポリエチレンアミンを用いたこと以外は同様にして、凝集剤水溶液〔6〕を調製した。
そして、実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例において、凝集剤水溶液〔1〕の代わりに凝集剤水溶液〔6〕を用い、その添加量を4.5質量部(固形分換算)から1.0質量部(固形分換算)に変更し、色素微粒子分散液〔1−5〕の代わりに色素微粒子分散液〔1−8〕を用い、銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の代わりに銅錯体微粒子分散液〔2−13〕を用いたこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔6〕を作製した。
〔比較例1:マゼンタトナー〔7〕の作製例〕
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(5)凝集剤水溶液〔1〕の調製工程において、ジステアリルアンモニウムクロライドの代わりに無機凝集剤である塩化マグネシウムを用いたこと以外は同様にして、凝集剤水溶液〔7〕を調製した。
そして、実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例において、凝集剤水溶液〔1〕の代わりに凝集剤水溶液〔7〕を用い、その添加量を4.5質量部(固形分換算)から5.0質量部(固形分換算)に変更したこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔7〕を作製した。
〔比較例2:マゼンタトナー〔8〕の作製例〕
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(3)色素微粒子分散液〔1−5〕の調製工程において、式(1−5)で表される色素化合物の代わりに式(1−3)で表される色素化合物を用いたこと以外は同様にして、色素微粒子分散液〔1−3〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(4)銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の調製工程において、式(2−8)で表される銅錯体化合物の代わりに式(2−18)で表される銅錯体化合物を用いたこと以外は同様にして、銅錯体微粒子分散液〔2−18〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(5)凝集剤水溶液〔1〕の調製工程において、ジステアリルアンモニウムクロライドの代わりに無機凝集剤である塩化鉄を用いたこと以外は同様にして、凝集剤水溶液〔8〕を調製した。
そして、実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例において、凝集剤水溶液〔1〕の代わりに凝集剤水溶液〔8〕を用い、その添加量を4.5質量部(固形分換算)から5.0質量部(固形分換算)に変更し、色素微粒子分散液〔1−5〕の代わりに色素微粒子分散液〔1−3〕を用い、銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の代わりに銅錯体微粒子分散液〔2−18〕を用いたこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔8〕を作製した。
〔比較例3:マゼンタトナー〔9〕の作製例〕
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(3)色素微粒子分散液〔1−5〕の調製工程において、式(1−5)で表される色素化合物の代わりに式(1−9)で表される色素化合物を用いたこと以外は同様にして、色素微粒子分散液〔1−9〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(4)銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の調製工程において、式(2−8)で表される銅錯体化合物の代わりに式(2−25)で表される銅錯体化合物を用いたこと以外は同様にして、銅錯体微粒子分散液〔2−25〕を調製した。
実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例の(5)凝集剤水溶液〔1〕の調製工程において、ジステアリルアンモニウムクロライドの代わりに無機凝集剤である塩化アルミニウムを用いたこと以外は同様にして、凝集剤水溶液〔9〕を調製した。
そして、実施例1:マゼンタトナー〔1〕の作製例において、凝集剤水溶液〔1〕の代わりに凝集剤水溶液〔9〕を用い、その添加量を4.5質量部(固形分換算)から5.0質量部(固形分換算)に変更し、色素微粒子分散液〔1−5〕の代わりに色素微粒子分散液〔1−9〕を用い、銅錯体微粒子分散液〔2−8〕の代わりに銅錯体微粒子分散液〔2−25〕を用いたこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔9〕を作製した。
下記表1に、用いた色素化合物、銅錯体化合物および凝集剤を示す。
Figure 0006273908
〔現像剤の製造例1〜9〕
トナー〔1〕〜〔9〕の各々に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6質量%となるように添加して混合することにより、現像剤〔1〕〜〔9〕を製造した。
上記の現像剤〔1〕〜〔9〕について、以下の評価を行った。
(1)彩度
「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ社製)を用いて、マゼンタ単色のベタ画像(2cm×2cm)を出力し、得られたベタ画像について「Spectrolina/Scan Bundle」(Gretag Macbeth社製)によって色域を測定し、L* * * 座標から彩度を算出した。
色域の測定は以下の条件で行った。
光源:D50光源
観測視野:2°
濃度:ANSI T
白色基準:Abs
フィルター:UV Cut
測定モード:リフレクタンス
言語:Japanese
結果を表2に示す。彩度が80以上である場合を合格と判断した。
(2)反射濃度
「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ社製)」を用いて、デフォルトモードで反射濃度測定用のテストチャートを出力し、得られたテストチャートについて「PDA−65濃度計」(コニカ社製)によってニュートラル反射濃度測定を行った。
結果を表2に示す。反射濃度が1.40以上である場合を合格と判断した。
(3)カブリ
まず、画像形成前の白紙について、マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて20ケ所の絶対画像濃度を測定して平均することにより、白紙濃度を算出する。
次いで、市販の複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ社製)を用いて印字率が5%の文字画像を5000枚出力し、その後、白紙を出力した。当該白紙について、同様に20ケ所の絶対画像濃度を測定して平均することにより平均濃度を算出し、この平均濃度から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。
結果を表2に示す。カブリ濃度が0.010未満である場合を合格と判断した。
(4)トナー飛散
評価機として「bizhub C452」改造機を使用し、10万枚出力した後、現像器を取り出し、空回転機にセットした。現像スリーブの真下を中心にA4の白紙を置き、60分間の空回転を行ない、紙上に落ちたトナーの質量(トナー飛散量)を測定して評価した。現像スリーブの回転周速は620mm/秒とした。
結果を表2に示す。トナー飛散量が9mg以下である場合を合格と判断した。
Figure 0006273908

Claims (6)

  1. 少なくとも、下記一般式(1)で表される色素化合物と下記一般式(2)で表される銅錯体化合物と反応により得られる着色剤、および、結着樹脂を含有してなるトナー粒子よりなる電子写真用トナーの製造方法であって、
    結着樹脂による微粒子、下記一般式(1)で表される色素化合物による微粒子が分散されてなる水系媒体中に、凝集剤として金属原子を含有しない化合物のみを添加し、
    当該結着樹脂による微粒子、および、下記一般式(1)で表される色素化合物による微粒子凝集させる工程を有することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
    Figure 0006273908

    〔式中、Rx1 およびRx2 は、各々、置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Lxは、水素原子、または、置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Gx1 は、置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、Gx2 は、置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、Gx3 は、水素原子、ハロゲン原子、Gx4 −CO−NH−で表される基、または、Gx5 −N(Gx6 )−CO−で表される基であり、Gx4 は有機基であり、Gx5 およびGx6 は、各々、水素原子または有機基であり、Qx1 、Qx2 、Qx3 、Qx4 およびQx5 は、各々、水素原子または有機基である。〕
    Figure 0006273908

    〔式中、R1 は置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基であり、R2 は水素原子、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ハロゲン原子またはシアノ基であり、R3 は置換されていてもよい炭素数9〜120の芳香族炭化水素基を含有する有機基である。〕
  2. 前記凝集剤が、有機カチオン性界面活性剤、有機両性界面活性剤および有機高分子凝集剤のうち少なくとも1種から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 前記凝集剤が、アニオン部分がCl- である第4級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 前記一般式(2)で表される銅錯体化合物の使用量が、前記一般式(1)で表される色素化合物の0.5〜2モル倍であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 前記結着樹脂による微粒子および前記一般式(1)で表される色素化合物による微粒子を凝集させる工程の後に、前記一般式(2)で表される銅錯体化合物を添加する工程を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 前記一般式(2)で表される銅錯体化合物を添加する工程の後に、前記一般式(2)で表される銅錯体化合物と、前記結着樹脂による微粒子および前記一般式(1)で表される色素化合物による微粒子が凝集された粒子とが含有された水系媒体を加熱撹拌する工程をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の電子写真用トナーの製造方法。
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